JP4282360B2 - Gas barrier plastic film - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料、食品、薬品、化粧品等の包装材料として用いられるガスバリア性プラスチックフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
飲料、食品、薬品、化粧品等の包装材料として用いられるプラスチックフィルムは、用途によって種々の物性が求められる。例えば、外気との接触による内容物の酸化、吸湿を避ける用途、内容物に含まれる炭酸ガス、香気成分等の揮散を避ける用途では、前記プラスチックフィルムは酸素、水蒸気、二酸化炭素等に対するガスバリア性を備えていることが必要とされる。
【0003】
従来、前記ガスバリア性を備えるプラスチックフィルムとして、プラズマ蒸着法により形成されたダイアモンド状のアモルファスカーボン被膜を一方の表面に備えるプラスチックフィルムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
前記プラズマ蒸着法は、例えば、中空の処理室に前記プラスチックフィルムを収容し、該処理室内部を排気して所定の真空に保持した状態で、該処理室内部に炭化水素類からなる出発原料をガス状として導入し、高周波電圧を印加してプラズマを発生させるものである。前記プラズマ蒸着法によれば、前記プラスチックフィルム表面に、ダイアモンド構造を備える硬質のアモルファスカーボン被膜が形成される。
【0005】
しかしながら、前記アモルファスカーボン被膜が薄いと、前記プラスチックフィルムが加工工程で変形されたり、固体内容物を包装後に該内容物が該アモルファスカーボン被膜に接触して、該アモルファスカーボン被膜が傷ついたり、剥離したりするという不都合がある。また、前記アモルファスカーボン被膜が薄いと、ガスバリア性が低下して、酸素、水蒸気、二酸化炭素等のガスが透過し易くなり、内容物が酸化、吸湿したり、あるいは内容物に含まれる炭酸ガス、香気成分等が揮散しまうという不都合がある。
【0006】
前記プラスチックフィルムでは、前記アモルファスカーボン被膜を0.09〜0.12μm(900〜1200オングストローム)の厚さとすれば、十分なガスバリア性を得ることができる。しかし、前記アモルファスカーボン被膜は、膜厚が厚くなると着色が目立つようになり、該着色は内容物によっては好まれない場合がある。さらに、前記硬質炭素膜による着色が著しいプラスチックフィルムでは、回収後の再利用の用途が制限されるとの問題もある。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−272567号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、優れたガスバリア性を備え、加工工程における変形や固体内容物との接触により、アモルファスカーボン被膜が傷ついたり、剥離したりすることのないガスバリア性プラスチックフィルムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明のガスバリア性プラスチックフィルムは、炭素原子を含む出発原料からプラズマCVDにより形成された炭素骨格を主要構成とし、20×10−5ml/日/cm以下の酸素透過性を備えるアモルファスカーボン被膜を表面に備える第1のプラスチックフィルムと、第1のプラスチックフィルムの該アモルファスカーボン被膜を備える面に一体的に積層された第2のプラスチックフィルムとからなり、前記アモルファスカーボン被膜は、該被膜中に含まれる炭素原子数を100とするときに、炭素原子数に対する窒素原子数の比率が15以下であるか、炭素原子数に対する酸素原子数の比率が20以下であるか、炭素原子数に対する窒素原子数と酸素原子数との総和の比率が27以下であるか、炭素原子数に対する窒素原子数の比率が15以下であり、炭素原子数に対する酸素原子数の比率が20以下であり、炭素原子数に対する窒素原子数と酸素原子数との総和の比率が27以下であるか、のいずれかであり、前記アモルファスカーボン被膜の厚さが400〜600オングストロームの範囲であり、第1のプラスチックフィルムに対し色差計により垂直に光を通過させたときのb 値を、前記アモルファスカーボン被膜を備える場合と、該アモルファスカーボン被膜が無い場合とで比較し、両者の差として算出されるΔb 値により表されるアモルファスカーボン被膜による着色が、2〜4の範囲であることを特徴とする。
【0010】
本発明のガスバリア性プラスチックフィルムによれば、第1のプラスチックフィルムの表面に、20×10−5ml/日/cm以下、より好ましくは10×10−5ml/日/cm以下の酸素透過性を備えるアモルファスカーボン被膜が形成されているので、酸素、水蒸気、二酸化炭素等のガスに対して優れたガスバリア性を得ることができる。前記酸素透過性は、酸素の他、水蒸気、二酸化炭素等のガスの透過性を示す指標となるものであり、前記アモルファスカーボン被膜の酸素透過性が20×10−5ml/日/cmを超えると、酸素、水蒸気、二酸化炭素等のガスが透過し易くなる。前記酸素透過性は、例えば、MOCON社製OX−TRAN(商品名)等のガス透過率測定装置を用い、アモルファスカーボン被膜を設けたプラスチックフィルムの酸素透過性を、JIS K 7126に基づいて測定し、該プラスチックフィルム単体の酸素透過性を補正することにより算出することができる。
【0011】
また、本発明のガスバリア性プラスチックフィルムによれば、前記アモルファスカーボン被膜は、第1、第2の両プラスチックフィルムにより被覆されているので、加工工程で変形されても該アモルファスカーボン被膜が剥離することがない。さらに、本発明のガスバリア性プラスチックフィルムによれば、前記アモルファスカーボン被膜は第1、第2の両プラスチックフィルムにより被覆されているので、固体内容物を包装したときにも、該アモルファスカーボン被膜が該内容物と接触することなく保護されており、傷ついたり剥離したりすることがない。
【0012】
本発明者らの検討によれば、前記アモルファスカーボン被膜の酸素透過性は、前記アモルファスカーボン被膜中に含まれる炭素以外の原子、特に窒素原子または酸素原子の割合により大きく変化する。そして、前記アモルファスカーボン被膜は、該被膜中に含まれる炭素原子数に対する窒素原子数または酸素原子数の割合を所定の範囲とすることにより、膜厚をある程度薄くしても、所定の酸素透過性が得られることが判明した。
【0013】
前記被膜中に窒素原子または酸素原子が含まれる原因としては、前記プラズマCVDのための装置を所定の真空度とする際に空気の除去が不十分な場合、該装置の気密性が不十分となりリークが生じた場合、ガス状の出発原料のキャリヤガスとして窒素ガスを使用する場合、出発原料中にジメチルホルムアミド等の含窒素化合物や含酸素化合物を含み、その濃度が高くなった場合、前記第1のプラスチックフィルムに窒素含有成分や酸素含有成分が吸着されている場合等が考えられる。
【0015】
そこで、本発明のガスバリア性プラスチックフィルムは、前記アモルファスカーボン被膜中に含まれる炭素原子数に対する窒素原子数または酸素原子数の比率を前記範囲とすることにより、より薄い膜厚で前記範囲の酸素透過性を得ることができる。一方、前記アモルファスカーボン被膜中に含まれる炭素原子数に対する窒素原子数または酸素原子数の比率が前記範囲を超えると、該アモルファスカーボン被膜の酸素透過性が高くなり、酸素、水蒸気、二酸化炭素等のガスに対して十分なガスバリア性を得ることができなくなる。前記アモルファスカーボン被膜中の炭素原子数に対する窒素原子数または酸素原子数の比率は、例えば、X線光電子分光分析装置(ESCA)等により測定することができる。
【0016】
また、前記アモルファスカーボン被膜は、炭素骨格を主要構成とするものであって、40〜55モル%の範囲の炭素と、45〜60モル%の範囲の水素とを含むことを特徴とする。本発明のガスバリア性プラスチックフィルムは、前記アモルファスカーボン被膜が前記範囲の炭素と水素とを含むことにより、第1、第2の両プラスチックフィルムに対して優れた密着性を得ることができると共に、前記両プラスチックフィルムに含まれる低分子量成分の溶出、揮散を抑制することができる。
【0017】
一方、前記アモルファスカーボン被膜に含まれる炭素が40モル%未満で水素が60モル%を超える場合には前記低分子量成分の溶出、揮散を十分に抑制することができなくなり、炭素が55モル%を超え水素が45モル%未満である場合には加工性が低下し、前記両プラスチックフィルムに対する密着性が低下する。
【0018】
また、本発明のガスバリア性プラスチックフィルムにおいて、前記アモルファスカーボン被膜は、前記範囲の酸素透過性を備え、しかも被膜による着色を抑制するために、0.007〜0.08μm(70〜800オングストローム)の範囲の厚さを備えることが好ましい。前記アモルファスカーボン被膜の厚さが0.007μm未満では、前記被膜による着色は抑制されるものの、前記アモルファスカーボン被膜の成分に関わらず酸素透過性が高くなる。また、前記アモルファスカーボン被膜の厚さが0.08μmを超えると、酸素透過性は低くなるものの、着色が濃くなって再利用が困難になる上、第1のプラスチックフィルムに対する前記アモルファスカーボン被膜の密着性が低減する。
【0019】
前記アモルファスカーボン被膜による着色は、前記ガスバリア性プラスチックフィルムに対し色差計により垂直に光を通過させたときのb値を、該被膜の有無について比較し、両者の差として算出されるΔb値により表すことができる。前記b値とは、国際照明委員会(CIE)で規格化されたL表色系(JIS Z 8729)で黄色方向の彩度を示す値であり、一般的には、前記Δb値は前記アモルファスカーボンを含む被膜の厚さが厚くなるほど大になる。
【0020】
前記アモルファスカーボン被膜を形成する前記出発原料としては、アセチレン、エチレン、プロピレン等の不飽和炭化水素化合物、メタン、エタン、プロパン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素化合物等を挙げることができる。本発明のガスバリア性プラスチックフィルムでは、前記出発原料は、前記各化合物を単独で用いてもよく、2種以上混合して用いてもよいが、前記アモルファスカーボン被膜をポリマー性薄膜とするためには、アセチレン、エチレン等の不飽和炭化水素化合物を単独で用いることが好ましく、特に実質的にアセチレンを単独で用いることが好ましい。
【0021】
前記実質的にアセチレンからなる出発原料は、アセチレン以外の成分として不可避的な不純物を含んでいてもよい。さらに、前記出発原料は、例えば、該出発原料全体の60容量%以上、好ましくは80容量%以上がアセチレンからなるものを用いることができる。前記出発原料は、その他の成分として、水素、有機珪素化合物、被膜形成性有機化合物等の被膜改質剤を含んでいてもよい。また、前記出発原料は、アルゴン、ヘリウム等の希ガスで希釈して用いるようにしてもよい。
【0022】
本発明のガスバリア性プラスチックフィルムにおいて、第1、第2のプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルからなるフィルム、ポリアミドフィルムまたは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなるフィルムのいずれか1種のフィルムを用いることができる。この場合、第1、第2のプラスチックフィルムの両方をポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムまたはポリオレフィンフィルムとしてもよく、それぞれを別のフィルムとしてもよい。尚、包装材としての利用等を考えた場合、後処理におけるフィルム同士の密封接着のためには、第2のプラスチックフィルムは、ポリオレフィンフィルムとすることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態のガスバリア性プラスチックフィルムの構成を示す説明的断面図であり、図2はプラスチックフィルムの表面にアモルファスカーボン被膜を形成するプラズマCVD装置の一構成例を示す説明的断面図である。
【0024】
図1に示す本実施形態のガスバリア性プラスチックフィルム1は、飲料、食品、薬品、化粧品等の包装材料として用いられるものであり、アモルファスカーボン被膜2を表面に備えるプラスチックフィルム3と、プラスチックフィルム3のアモルファスカーボン被膜2を備える面に一体的に積層されたプラスチックフィルム4とからなる積層体である。
【0025】
アモルファスカーボン被膜2は、プラズマCVDにより形成され、炭素骨格を主要構成とするものであって、40〜55モル%の範囲の炭素と、45〜60モル%の水素とを含んでいる。また、アモルファスカーボン被膜2は、前記飲料、食品、薬品、化粧品等の内容物の酸化、吸湿を防止し、あるいは該内容物に含まれる二酸化炭素、香気成分等の揮散を防止するために、20×10−5ml/日/cm以下の酸素透過性を備えている。
【0026】
アモルファスカーボン被膜2は、窒素、酸素等を含んでいてもよく、この場合、前記範囲の酸素透過性を備えるために、該被膜中に含まれる炭素原子数を100とするときに、炭素原子数に対する窒素原子数の比率が15以下であるか、炭素原子数に対する酸素原子数の比率が20以下であるか、または炭素原子数に対する窒素原子数と酸素原子数との総和の比率が27以下である。また、前記アモルファスカーボン被膜は、該被膜中に含まれる炭素原子数を100とするときに、炭素原子数に対する窒素原子数の比率が15以下であり、炭素原子数に対する酸素原子数の比率が20以下であり、かつ、窒素原子数と酸素原子数との総和の比率が27以下であるものであってもよい。
【0027】
また、アモルファスカーボン被膜2は、前記範囲の酸素透過性を備え、着色を抑制するために、0.007〜0.08μm(70〜800オングストローム)の範囲の厚さを備えている。アモルファスカーボン被膜2による着色は、プラスチックフィルム3に対し色差計により垂直に光を通過させたときのb値を、アモルファスカーボン被膜2を備える場合と、アモルファスカーボン被膜2が無い場合とで比較し、両者の差として算出されるΔb値により表すことができる。
【0028】
前記Δb値は、アモルファスカーボン被膜2の膜厚が厚くなるほど大になり、数値が大きいほど見かけ上の着色が濃くなるため、前記範囲の酸素透過性を備える範囲で、できるだけ小さい値となることが望ましい。また、ガスバリア性プラスチックフィルム1は、回収後の再利用のために、アモルファスカーボン被膜2の膜厚が薄いことが望まれる。そこで、ガスバリア性プラスチックフィルム1における前記着色は、前記Δb値が2〜7の範囲にあることが適しており、さらに2〜6の範囲にあることが好ましい。
【0029】
前記Δb値が7を超えると、ガスバリア性プラスチックフィルム1の着色が目立つようになり、ガスバリア性プラスチックフィルム1からなる包装材に内容物を収容したときに、フィルムの透明性、フィルムに施した印刷の明瞭性等の外観品質が低下する。また、前記Δb値が7を超えると、ガスバリア性プラスチックフィルム1の酸化透過性が高くなることがあり、さらには再利用の際に用途が制限される。一方、前記Δb値が2未満では、アモルファスカーボン被膜2の成分に関わらず酸素透過性が高くなる。
【0030】
プラスチックフィルム3,4は、前記のようにして形成されるアモルファスカーボン被膜2との密着性に優れていることから、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルからなるフィルム、ポリアミドフィルムまたは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンからなるフィルムのいずれか1種のフィルムであることが好ましいが、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、生分解性プラスチック等の樹脂からなる公知のフィルムを用いることもできる。プラスチックフィルム3,4の厚さは、前記包装材として用いるために、5〜50μmの範囲で適宜選択することができる。
【0031】
アモルファスカーボン被膜2を表面に備えるプラスチックフィルム3は、例えば図2に示すプラズマCVD装置11を用いて製造することができる。
【0032】
プラズマCVD装置11は、マイクロ波導入部がパイレックス(登録商標)ガラスで形成された側壁12により囲まれて気密に形成されており、隔壁13により処理室14とフィルム室15とに分けられている。フィルム室15は、処理室14に供給するプラスチックフィルム3と、アモルファスカーボン被膜2が形成されたプラスチックフィルム3とを収容する。
【0033】
処理室14の外部には、側壁12に臨む位置に複数のマイクロ波発生装置16が備えられ、原料ガス供給装置17が開閉弁18を介して接続される一方、真空装置19が開閉弁20を介して接続されている。また、処理室14には、プラスチックフィルム3をマイクロ波発生装置16に対向させて支持するドラム21が備えられており、ドラム21はその一部がフィルム室15に突出するようにされている。隔壁13とドラム21との間には間隙があり、処理室14とフィルム室15とは該間隙を介して連通している。そこで、フィルム室15には大気開放弁22が備えられている。
【0034】
フィルム室15には、長尺状のプラスチックフィルム3を巻出して処理室14に供給する巻出しロール23と、アモルファスカーボン被膜2が形成されたプラスチックフィルム3を巻き取って回収する巻き取りロール24とが備えられている。巻出しロール23から巻だされるプラスチックフィルム3は、巻出しガイドロール25、セットロール26を介してドラム21に供給され、ドラム21上でアモルファスカーボン被膜2が形成された後、巻取りガイドロール27を介して巻取りロール24に巻き取られて回収される。
【0035】
図2示のプラズマCVD装置11では、まず、プラスチックフィルム3を巻出しロール23に装着し、プラスチックフィルム3の先端を巻出しロール23から巻出して、ドラム21を介して巻取りロール24に取り付ける。プラズマCVD装置11では、プラスチックフィルム3は、例えば巻出しロール23からドラム21の処理室14内に位置する部分の表面に連続的に供給され、巻取りロール24に連続的に巻取られる。
【0036】
次に、前記プラスチックフィルム3が処理室14に供給されたならば、開閉弁18、大気開放弁22を閉じた状態で開閉弁20を開き、真空装置19を作動する。そして、処理室14、フィルム室15の内部を1〜50Paの真空度に減圧する。
【0037】
次に、開閉弁18を開いて、原料ガス供給装置17から処理室14内に原料ガスを供給する。プラズマCVD装置11では、原料ガス供給装置17から前記原料ガスを連続的に供給すると共に、真空装置19により連続的に排気し、処理室14内部が定常的に前記真空度になるように保持する。前記原料ガスの供給量は、対象となるプラスチックフィルム3の面積と、形成されるアモルファスカーボン被膜2の厚さとに応じて適正な量に設定される。前記原料ガスの供給量は、例えば前記プラスチックフィルム3の表面に0.007〜0.08μmの膜厚の前記アモルファスカーボン被膜2を形成するときには、0.1〜2.0sccm/cmの範囲とされる。
【0038】
前記原料ガスとしては、アセチレン、エチレン、プロピレン等の脂肪族不飽和炭化水素化合物、メタン、エタン、プロパン等の脂肪族飽和炭化水素化合物、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物等の炭素含有化合物を用いることができる。前記原料ガスは、単独で用いても、必要に応じて2種以上混合して用いてもよく、被膜改質剤として少量の水素、有機珪素化合物、その他の被膜形成性有機化合物を併用してもよい。また、前記原料ガスは、アルゴン、ヘリウム等の希ガスで希釈して用いるようにしてもよい。
【0039】
ただし、ガスバリア性に優れた被膜であるポリマー性アモルファスカーボン薄膜をより短時間で形成するためには、前記原料ガスが実質的にアセチレンであることが適しており、前記原料ガスの60容量%以上、好ましくは80容量%以上をアセチレンとする。尚、前記原料ガスが実質的にアセチレンからなる場合、該アセチレンは製造過程等で混入する不可避的な不純物を含んでいてもよい。
【0040】
そして、前記原料ガスを供給しつつ、マイクロ波発生装置16を作動して、例えば周波数2.45GHz、出力100〜2000Wのマイクロ波を照射することにより、前記原料ガスを電磁励起して処理室14内にプラズマを発生せしめ、ドラム21上に保持されたプラスチックフィルム3の表面にアモルファスカーボン被膜2を形成する。マイクロ波発生装置16は、ガスバリア性の優れたアモルファスカーボン被膜2を短時間で形成させるためには、単一マイクロ波発生装置16を配置するよりも、前述のように複数設けられていることが好ましい。
【0041】
このとき、前述のように、前記原料ガスを連続的に供給する一方、連続的に排気して、処理室14の内部を定常的に前記1〜50Paの範囲の真空度に保持することにより、安定なアモルファスカーボン被膜2を形成することができる。前記真空度が50Paを超えると、アモルファスカーボン被膜2のプラスチックフィルム3に対する密着性、加工性が低下する上、酸素透過性が前記範囲よりも大になることがある。一方、前記真空度が1Pa未満では、アモルファスカーボン被膜2の形成に長時間を要する。
【0042】
また、前記マイクロ波の出力が100W未満では形成された被膜の着色が大になることがあり、2000Wを超えると酸素透過性が高くなることがある。
【0043】
また、前記マイクロ波の照射時間が短かすぎるとアモルファスカーボン被膜2において所望の膜厚が得られないことがあり、長すぎるとアモルファスカーボン被膜2の膜厚が大になり、着色が濃くなることがある。
【0044】
次に、前記マイクロ波の照射時間が経過したならば、開閉弁18,20を閉じ、原料ガス供給装置17、マイクロ波発生装置5を停止して、大気開放弁22を開くことにより処理室14とフィルム室15との内部を大気圧に戻す。
【0045】
前記方法によりプラスチックフィルム3の表面にアモルファスカーボン被膜2を形成する処理を連続的に行うことができるが、プラスチックフィルム3を所定長ずつ断続的に供給し、アモルファスカーボン被膜2が形成されたプラスチックフィルム3を、巻取りロール24に断続的に巻取ると同時に、巻出しロール23から前記所定長の新たなプラスチックフィルム3を処理室14に供給し、前記処理をくり返すという方法でもよい。
【0046】
前記プラスチックフィルム3を所定長ずつ断続的に供給する方法では、原料ガス供給装置17を停止した後、大気開放弁22を開く前に、前記マイクロ波の照射をさらに短時間行ってもよく、このようにすることにより、アモルファスカーボン被膜2に吸着されている原料ガスの残存成分を被膜化することができ、さらに優れたガスバリア性を得ることができる。
【0047】
次に、プラスチックフィルム3の全長に亘ってアモルファスカーボン被膜2を形成する処理が終了したならば、プラスチックフィルム3をプラズマCVD装置11から取り出す。そして、プラスチックフィルム3のアモルファスカーボン被膜2が形成された面にプラスチックフィルム4を積層する処理を行う。
【0048】
プラスチックフィルム4の積層は、プラスチックフィルム4が熱圧着可能な樹脂構造を備える場合には、プラスチックフィルム3,4によりアモルファスカーボン被膜2を挟持するようにして、プラスチックフィルム3,4を熱圧着することにより行うことができる。また、プラスチックフィルム4の一方の面に接着剤層を設け、該接着剤層とプラスチックフィルム3とによりアモルファスカーボン被膜2を挟持するようにして、プラスチックフィルム3,4を熱圧着または圧着するようにしてもよい。前記熱圧着または圧着は、プラスチックフィルム3,4を1対のロール間に挟んで加圧することにより行うことができる。
【0049】
また、プラスチックフィルム4の積層は、プラスチックフィルム3のアモルファスカーボン被膜2が形成された面に樹脂を押し出して該樹脂からなるフィルムを形成する押出ラミネート法により行うこともできる。
【0050】
この結果、図1に示す構成を備えるガスバリア性プラスチックフィルム1が得られる。本実施形態のガスバリア性プラスチックフィルム1によれば、アモルファスカーボン被膜2により酸素、水蒸気、二酸化炭素等の透過を妨げることができる。従って、本実施形態のガスバリア性プラスチックフィルム1は、内容物の酸化、吸湿の防止や、内容物に含まれる炭酸ガス、香気成分等の揮散の防止が望まれる飲料、食品、薬品、化粧品等の包装材料として好適に用いることができる。
【0051】
また、本実施形態のガスバリア性プラスチックフィルム1は、着色が少ないので、前記包装材料として用いたときに内容物を透視することができ、該ガスバリア性プラスチックフィルム1に対する印刷を明瞭なものとすることができる。さらに、本実施形態のガスバリア性プラスチックフィルム1は、回収後に再利用する際に用途の制限を低減することができる。
【0052】
また、前記アモルファスカーボン被膜2は、酸素、水蒸気、二酸化炭素等の透過を防止するガスバリア性に優れている上、プラスチックフィルム3,4に対する密着性に優れているので、加工変形を受けた際に剥離しにくいという効果を得ることができる。
【0053】
本実施形態では、アモルファスカーボン被膜2を形成する際に、長尺状のプラスチックフィルム3を連続的に処理室14に供給するようにしているが、断続的に処理室14に供給するようにしてもよい。長尺状のプラスチックフィルム3に代えて、定尺のプラスチックフィルム3を用いるようにしてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、プラズマCVD装置11において処理室14の側壁12の外部にマイクロ波発生装置16を複数個配設しているが、処理室14内に供給されたプラスチックフィルム3の表裏両面に臨む位置に電極を配置し、該電極に高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させるようにしてもよい。ただし、ガスバリア性、フィルムに対する密着性に優れたアモルファスカーボン被膜2を形成するには、マイクロ波発生装置16によりマイクロ波を照射してプラズマを発生させる方法が適している。
【0055】
また、本実施形態のガスバリア性フィルム1は、図1に示すように、プラスチックフィルム3のアモルファスカーボン被膜2が形成された面にプラスチックフィルム4を積層して一体化した構成となっているが、所望によりプラスチックフィルム3またはプラスチックフィルム4にさらにアモルファスカーボン被膜を追加し、或いは他のガスバリア被膜や他のフィルムを積層してもよい。
【0056】
次に、本発明の実施例を示す。
【0057】
【実施例1〜7】
本実施例では、図2に示すプラズマCVD装置11を用いて、膜厚12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム3の表面にアモルファスカーボン被膜2を形成した。
【0058】
原料ガスとしては空気、窒素、酸素を含むアセチレンガスを用い、処理室14に該原料ガスが供されている間、処理室14とフィルム室15との内部の真空度を5〜20Paの範囲に保持した。そして、マイクロ波発生装置16により2.45GHzのマイクロ波を照射した。
【0059】
この結果、膜厚400〜600オングストロームのアモルファスカーボン被膜2を備えるポリエチレンテレフタレートフィルム3が得られた。アモルファスカーボン被膜2は、炭素骨格を主要構成とし、透明で極く僅かに茶色に着色していた。前記着色は、プラスチックフィルム3に対し色差計により垂直に光を通過させたときのΔb値が2〜4であった。
【0060】
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルム3のアモルファスカーボン被膜2が形成された面に、一方の面に接着剤層を備える膜厚12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム4を該接着剤層を介して積層した。そして、ポリエチレンテレフタレートフィルム3,4を1対の熱ロール間に挟んで加圧することにより相互に接着して、ガスバリア性プラスチックフィルム1を得た。
【0061】
原料ガスの組成と、プラズマCVD装置11における処理条件とを変えて得られた、実施例1〜7の7種のガスバリア性プラスチックフィルム1について、アモルファスカーボン被膜2に含まれる、窒素、酸素の量、酸素透過性を表1に示す。
【0062】
次に、本実施例で得られたガスバリア性プラスチックフィルム1を粉砕し、押出機を用いてチップを製造した。前記チップの着色は極めて少なく、該チップを用いて実用上問題の無いポリエステルを製造することができた。
【0063】
従って、本実施例で得られたガスバリア性プラスチックフィルム1は、回収後の再利用について前記着色による制限を受けないことが明らかである。
【0064】
【比較例1】
本比較例では、原料ガスの組成と、プラズマCVD装置11における処理条件とを変えた以外は、前記実施例と全く同一にして、ガスバリア性プラスチックフィルム1を得た。本比較例で得られたガスバリア性プラスチックフィルム1について、アモルファスカーボン被膜2に含まれる、窒素、酸素の量、酸素透過性を表1に示す。
【0065】
【比較例2】
本比較例では、アモルファスカーボン被膜2を形成していない膜厚12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム3に、一方の面に接着剤層を備える膜厚12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム4を該接着剤層を介して積層し、ポリエチレンテレフタレートフィルム3,4を1対の熱ロール間に挟んで加圧することにより熱圧着して、積層フィルムを得た。
【0066】
本比較例で得られた積層フィルムの酸素透過性を表1に示す。
【0067】
【表1】

Figure 0004282360
【0068】
表1から、実施例1〜8のガスバリア性プラスチックフィルム1によれば、アモルファスカーボン被膜2の酸素透過性が20×10−5ml/日/cm以下、さらに条件を整えることにより10×10−5ml/日/cm以下であり、優れたガスバリア性を備えていることが明らかである。これに対して、比較例の積層フィルムは、酸素透過性が46×10−5ml/日/cm以上であり、実施例に比べ、内容物の酸化、吸湿や、内容物に含まれる炭酸ガス、香気成分等の揮散を防止することが望まれる包装材料に適していないことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスバリア性プラスチックフィルムの構成を示す説明的断面図。
【図2】プラズマCVD装置の一構成例を示す説明的断面図。
【符号の説明】
1…ガスバリア性プラスチックフィルム、 2…アモルファスカーボン被膜、
3,4…プラスチックフィルム、 11…プラズマCVD装置。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a gas barrier plastic film used as a packaging material for beverages, foods, medicines, cosmetics and the like.
[0002]
[Prior art]
Plastic films used as packaging materials for beverages, foods, medicines, cosmetics, and the like are required to have various physical properties depending on applications. For example, in applications that avoid oxidation of contents and moisture absorption due to contact with the outside air, and applications that avoid volatilization of carbon dioxide gas, aroma components, etc. contained in the contents, the plastic film has a gas barrier property against oxygen, water vapor, carbon dioxide, etc. It is required to have.
[0003]
Conventionally, as a plastic film having the gas barrier property, a plastic film having a diamond-like amorphous carbon film formed by a plasma deposition method on one surface is known (for example, see Patent Document 1).
[0004]
In the plasma vapor deposition method, for example, the plastic film is accommodated in a hollow processing chamber, the inside of the processing chamber is evacuated, and a predetermined vacuum is maintained. It is introduced as a gas and a plasma is generated by applying a high frequency voltage. According to the plasma deposition method, a hard amorphous carbon film having a diamond structure is formed on the plastic film surface.
[0005]
However, when the amorphous carbon film is thin, the plastic film is deformed in a processing process, or after packaging the solid content, the content comes into contact with the amorphous carbon film, and the amorphous carbon film is damaged or peeled off. There is an inconvenience. Further, when the amorphous carbon film is thin, gas barrier properties are lowered, and gas such as oxygen, water vapor, carbon dioxide is easily transmitted, and the content is oxidized, moisture is absorbed, or carbon dioxide gas contained in the content, There is an inconvenience that aroma components and the like are volatilized.
[0006]
In the plastic film, if the amorphous carbon film has a thickness of 0.09 to 0.12 μm (900 to 1200 angstroms), sufficient gas barrier properties can be obtained. However, coloring of the amorphous carbon film becomes conspicuous as the film thickness increases, and the coloring may not be preferred depending on the contents. Furthermore, the plastic film that is markedly colored by the hard carbon film has a problem in that its use after reuse is limited.
[0007]
[Patent Document 1]
JP 9-272567 A
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention eliminates such inconveniences and provides a gas barrier plastic film that has excellent gas barrier properties and does not damage or peel off the amorphous carbon film due to deformation in the processing step or contact with the solid contents. The purpose is to provide.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
  In order to achieve such an object, the gas barrier plastic film of the present invention mainly comprises a carbon skeleton formed by plasma CVD from a starting material containing carbon atoms, and is 20 × 10 6.-5ml / day / cm2A first plastic film having an amorphous carbon film having oxygen permeability described below on the surface, and a second plastic film integrally laminated on the surface of the first plastic film having the amorphous carbon film.In the amorphous carbon film, when the number of carbon atoms contained in the film is 100, the ratio of the number of nitrogen atoms to the number of carbon atoms is 15 or less, or the ratio of the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms is 20 or less, or the ratio of the sum of the number of nitrogen atoms and the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms is 27 or less, or the ratio of the number of nitrogen atoms to the number of carbon atoms is 15 or less, and oxygen atoms to the number of carbon atoms The ratio of the number is 20 or less, and the ratio of the total number of nitrogen atoms and oxygen atoms to the number of carbon atoms is 27 or less, and the thickness of the amorphous carbon film is 400 to 600 angstroms B when the light is passed vertically to the first plastic film by a color difference meter. * The value is compared between the case where the amorphous carbon film is provided and the case where the amorphous carbon film is not provided, and Δb calculated as the difference between the two * The coloration by the amorphous carbon film represented by the value is in the range of 2-4.It is characterized by that.
[0010]
According to the gas barrier plastic film of the present invention, the surface of the first plastic film is 20 × 10-5ml / day / cm2Or less, more preferably 10 × 10-5ml / day / cm2Since an amorphous carbon film having the following oxygen permeability is formed, it is possible to obtain excellent gas barrier properties against gases such as oxygen, water vapor, and carbon dioxide. The oxygen permeability is an index indicating the permeability of gas such as water vapor and carbon dioxide in addition to oxygen, and the oxygen permeability of the amorphous carbon film is 20 × 10.-5ml / day / cm2If it exceeds, gas such as oxygen, water vapor, and carbon dioxide is likely to permeate. The oxygen permeability is determined by measuring the oxygen permeability of a plastic film provided with an amorphous carbon coating based on JIS K 7126 using a gas permeability measuring device such as OX-TRAN (trade name) manufactured by MOCON. It can be calculated by correcting the oxygen permeability of the plastic film alone.
[0011]
In addition, according to the gas barrier plastic film of the present invention, the amorphous carbon coating is covered with both the first and second plastic films, so that the amorphous carbon coating is peeled off even if deformed in the processing step. There is no. Furthermore, according to the gas barrier plastic film of the present invention, the amorphous carbon coating is covered with both the first and second plastic films, so that the amorphous carbon coating is also contained when the solid contents are packaged. It is protected without contact with the contents and will not be damaged or peeled off.
[0012]
According to the study by the present inventors, the oxygen permeability of the amorphous carbon coating varies greatly depending on the ratio of atoms other than carbon, particularly nitrogen atoms or oxygen atoms contained in the amorphous carbon coating. The amorphous carbon film has a predetermined oxygen permeability even if the film thickness is reduced to some extent by setting the ratio of the number of nitrogen atoms or the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms contained in the film within a predetermined range. Was found to be obtained.
[0013]
The reason why nitrogen atoms or oxygen atoms are contained in the film is that if the removal of air is insufficient when the plasma CVD apparatus is set to a predetermined degree of vacuum, the airtightness of the apparatus becomes insufficient. When a leak occurs, when nitrogen gas is used as the carrier gas for the gaseous starting material, the starting material contains a nitrogen-containing compound such as dimethylformamide or an oxygen-containing compound, and the concentration increases, A case where a nitrogen-containing component or an oxygen-containing component is adsorbed on one plastic film is considered.
[0015]
  Therefore,The gas barrier plastic film of the present invention has a smaller film thickness and oxygen permeability within the above range by setting the ratio of the number of nitrogen atoms or the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms contained in the amorphous carbon coating within the above range. Obtainable. On the other hand, when the ratio of the number of nitrogen atoms or the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms contained in the amorphous carbon film exceeds the above range, the oxygen permeability of the amorphous carbon film increases, and oxygen, water vapor, carbon dioxide, etc. It becomes impossible to obtain a sufficient gas barrier property against the gas. The ratio of the number of nitrogen atoms or the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms in the amorphous carbon film can be measured by, for example, an X-ray photoelectron spectrometer (ESCA).
[0016]
The amorphous carbon coating is mainly composed of a carbon skeleton and contains carbon in the range of 40 to 55 mol% and hydrogen in the range of 45 to 60 mol%. In the gas barrier plastic film of the present invention, the amorphous carbon coating contains carbon and hydrogen in the above ranges, whereby excellent adhesion to both the first and second plastic films can be obtained. Elution and volatilization of low molecular weight components contained in both plastic films can be suppressed.
[0017]
On the other hand, when the carbon contained in the amorphous carbon coating is less than 40 mol% and hydrogen exceeds 60 mol%, the elution and volatilization of the low molecular weight component cannot be sufficiently suppressed, and the carbon content is 55 mol%. When the excess hydrogen is less than 45 mol%, the processability is lowered, and the adhesion to the two plastic films is lowered.
[0018]
Further, in the gas barrier plastic film of the present invention, the amorphous carbon film has an oxygen permeability in the above range, and in order to suppress coloring by the film, it is 0.007 to 0.08 μm (70 to 800 Å). It is preferable to have a thickness in the range. When the thickness of the amorphous carbon coating is less than 0.007 μm, coloring by the coating is suppressed, but oxygen permeability is increased regardless of the components of the amorphous carbon coating. Further, when the thickness of the amorphous carbon film exceeds 0.08 μm, the oxygen permeability is lowered, but the coloring becomes dark and difficult to reuse, and the amorphous carbon film adheres to the first plastic film. Decrease.
[0019]
Coloring by the amorphous carbon coating is performed when b is passed through the gas barrier plastic film vertically by a color difference meter.*The value is compared for the presence or absence of the coating, and Δb calculated as the difference between the two*It can be represented by a value. Said b*The value is L standardized by the International Commission on Lighting (CIE).*a*b*This is a value indicating the saturation in the yellow direction in the color system (JIS Z 8729).*The value increases as the thickness of the film containing amorphous carbon increases.
[0020]
Examples of the starting material for forming the amorphous carbon film include unsaturated hydrocarbon compounds such as acetylene, ethylene and propylene, saturated hydrocarbon compounds such as methane, ethane, propane and cyclohexane, and aromatics such as benzene, toluene and xylene. A hydrocarbon compound etc. can be mentioned. In the gas barrier plastic film of the present invention, as the starting material, each of the above compounds may be used alone, or a mixture of two or more of them may be used. It is preferable to use an unsaturated hydrocarbon compound such as acetylene or ethylene alone, and it is particularly preferable to use acetylene substantially alone.
[0021]
The starting material substantially consisting of acetylene may contain inevitable impurities as components other than acetylene. Further, as the starting material, for example, a material in which 60% by volume or more, preferably 80% by volume or more of the entire starting material is made of acetylene can be used. The starting material may contain a film modifier such as hydrogen, an organic silicon compound, or a film-forming organic compound as other components. The starting material may be diluted with a rare gas such as argon or helium.
[0022]
In the gas barrier plastic film of the present invention, the first and second plastic films are any one of a film made of polyester such as polyethylene terephthalate and polyethylene naphthalate, a polyamide film, or a film made of polyolefin such as polyethylene and polypropylene. A seed film can be used. In this case, both the first and second plastic films may be a polyester film, a polyamide film, or a polyolefin film, and each may be a separate film. In consideration of use as a packaging material or the like, the second plastic film is preferably a polyolefin film for hermetic adhesion between films in post-processing.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described in more detail with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 is an explanatory cross-sectional view showing the configuration of the gas barrier plastic film of the present embodiment, and FIG. 2 is an explanatory cross-sectional view showing an example of the configuration of a plasma CVD apparatus for forming an amorphous carbon film on the surface of the plastic film. is there.
[0024]
A gas barrier plastic film 1 of this embodiment shown in FIG. 1 is used as a packaging material for beverages, foods, medicines, cosmetics, etc., and includes a plastic film 3 having an amorphous carbon coating 2 on its surface, and a plastic film 3. It is a laminate comprising a plastic film 4 integrally laminated on a surface provided with an amorphous carbon coating 2.
[0025]
The amorphous carbon film 2 is formed by plasma CVD and has a carbon skeleton as a main component, and contains carbon in the range of 40 to 55 mol% and 45 to 60 mol% of hydrogen. In addition, the amorphous carbon coating 2 is used to prevent oxidation and moisture absorption of contents such as beverages, foods, medicines, and cosmetics, or to prevent volatilization of carbon dioxide, aroma components, etc. contained in the contents. × 10-5ml / day / cm2It has the following oxygen permeability.
[0026]
The amorphous carbon coating 2 may contain nitrogen, oxygen, etc. In this case, in order to provide oxygen permeability in the above range, the number of carbon atoms when the number of carbon atoms contained in the coating is 100 is used. The ratio of the number of nitrogen atoms to the number of oxygen is 15 or less, the ratio of the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms is 20 or less, or the ratio of the sum of the number of nitrogen atoms and the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms is 27 or less is there. Further, in the amorphous carbon film, when the number of carbon atoms contained in the film is 100, the ratio of the number of nitrogen atoms to the number of carbon atoms is 15 or less, and the ratio of the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms is 20 The ratio of the sum of the number of nitrogen atoms and the number of oxygen atoms may be 27 or less.
[0027]
The amorphous carbon film 2 has oxygen permeability in the above range, and has a thickness in the range of 0.007 to 0.08 μm (70 to 800 angstroms) in order to suppress coloring. The coloring by the amorphous carbon coating 2 is the b when the light is passed vertically to the plastic film 3 by a color difference meter.*The value is compared between the case where the amorphous carbon coating 2 is provided and the case where the amorphous carbon coating 2 is not provided, and Δb calculated as the difference between the two.*It can be represented by a value.
[0028]
Δb*The value becomes larger as the film thickness of the amorphous carbon coating 2 becomes thicker, and the apparent coloring becomes deeper as the value becomes larger. Therefore, it is desirable that the value be as small as possible within the range having the oxygen permeability in the above range. Further, the gas barrier plastic film 1 is desired to have a thin film thickness of the amorphous carbon coating 2 for reuse after recovery. Therefore, the coloring in the gas barrier plastic film 1 is the Δb.*The value is suitably in the range of 2-7, more preferably in the range of 2-6.
[0029]
Δb*When the value exceeds 7, coloring of the gas barrier plastic film 1 becomes conspicuous, and when the contents are contained in the packaging material made of the gas barrier plastic film 1, the transparency of the film and the clearness of the printing applied to the film The appearance quality such as the property is deteriorated. Further, Δb*When the value exceeds 7, the oxidation permeability of the gas barrier plastic film 1 may be increased, and further, the use is limited during reuse. Meanwhile, Δb*If the value is less than 2, the oxygen permeability becomes high regardless of the components of the amorphous carbon film 2.
[0030]
Since the plastic films 3 and 4 are excellent in adhesion to the amorphous carbon coating 2 formed as described above, films made of polyester such as polyethylene terephthalate and polyethylene naphthalate, polyamide films, polyethylene, polypropylene It is preferable that the film is any one of films made of polyolefin such as polycarbonate, but known films made of resins such as polycarbonate, acrylic resin, epoxy resin, and biodegradable plastic can also be used. The thickness of the plastic films 3 and 4 can be appropriately selected within the range of 5 to 50 μm for use as the packaging material.
[0031]
The plastic film 3 provided with the amorphous carbon coating 2 on the surface can be manufactured using, for example, a plasma CVD apparatus 11 shown in FIG.
[0032]
In the plasma CVD apparatus 11, the microwave introduction part is surrounded by a side wall 12 made of Pyrex (registered trademark) glass and is hermetically formed, and is divided into a processing chamber 14 and a film chamber 15 by a partition wall 13. . The film chamber 15 accommodates the plastic film 3 supplied to the processing chamber 14 and the plastic film 3 on which the amorphous carbon coating 2 is formed.
[0033]
A plurality of microwave generators 16 are provided outside the processing chamber 14 at a position facing the side wall 12, and a raw material gas supply device 17 is connected through an on-off valve 18, while a vacuum device 19 has an on-off valve 20. Connected through. Further, the processing chamber 14 is provided with a drum 21 that supports the plastic film 3 so as to face the microwave generator 16, and a part of the drum 21 protrudes into the film chamber 15. There is a gap between the partition wall 13 and the drum 21, and the processing chamber 14 and the film chamber 15 communicate with each other through the gap. Therefore, the film chamber 15 is provided with an air release valve 22.
[0034]
In the film chamber 15, an unwinding roll 23 that unwinds the long plastic film 3 and supplies it to the processing chamber 14, and a winding roll 24 that winds and collects the plastic film 3 on which the amorphous carbon film 2 is formed. And are provided. The plastic film 3 unwound from the unwinding roll 23 is supplied to the drum 21 via the unwinding guide roll 25 and the set roll 26, and after the amorphous carbon film 2 is formed on the drum 21, the winding guide roll 27 is taken up by a take-up roll 24 through 27 and collected.
[0035]
In the plasma CVD apparatus 11 shown in FIG. 2, first, the plastic film 3 is mounted on the unwinding roll 23, and the tip of the plastic film 3 is unwound from the unwinding roll 23 and attached to the winding roll 24 via the drum 21. . In the plasma CVD apparatus 11, for example, the plastic film 3 is continuously supplied from the unwinding roll 23 to the surface of the portion located in the processing chamber 14 of the drum 21, and continuously wound on the winding roll 24.
[0036]
Next, when the plastic film 3 is supplied to the processing chamber 14, the on-off valve 20 is opened with the on-off valve 18 and the air release valve 22 closed, and the vacuum device 19 is operated. And the inside of the process chamber 14 and the film chamber 15 is pressure-reduced to the vacuum degree of 1-50 Pa.
[0037]
Next, the on-off valve 18 is opened to supply the source gas from the source gas supply device 17 into the processing chamber 14. In the plasma CVD apparatus 11, the raw material gas is continuously supplied from the raw material gas supply device 17, and continuously exhausted by the vacuum device 19, so that the inside of the processing chamber 14 is constantly kept at the vacuum degree. . The supply amount of the source gas is set to an appropriate amount according to the area of the target plastic film 3 and the thickness of the amorphous carbon coating 2 to be formed. For example, when the amorphous carbon coating 2 having a thickness of 0.007 to 0.08 μm is formed on the surface of the plastic film 3, the supply amount of the source gas is 0.1 to 2.0 sccm / cm.2It is considered as a range.
[0038]
Examples of the source gas include aliphatic unsaturated hydrocarbon compounds such as acetylene, ethylene, and propylene, aliphatic saturated hydrocarbon compounds such as methane, ethane, and propane, alicyclic hydrocarbon compounds such as cyclohexane, benzene, toluene, and xylene. A carbon-containing compound such as an aromatic hydrocarbon compound can be used. The source gas may be used alone or as a mixture of two or more as required. A small amount of hydrogen, an organosilicon compound, or other film-forming organic compound is used in combination as a film modifier. Also good. The source gas may be diluted with a rare gas such as argon or helium.
[0039]
However, in order to form a polymeric amorphous carbon thin film, which is a film excellent in gas barrier properties, in a shorter time, it is suitable that the source gas is substantially acetylene, and 60% by volume or more of the source gas. Preferably, 80% by volume or more is acetylene. When the source gas is substantially composed of acetylene, the acetylene may contain inevitable impurities mixed in during the production process.
[0040]
Then, while supplying the source gas, the microwave generator 16 is operated to irradiate, for example, microwaves having a frequency of 2.45 GHz and an output of 100 to 2000 W, thereby electromagnetically exciting the source gas and processing chamber 14. Plasma is generated therein to form an amorphous carbon coating 2 on the surface of the plastic film 3 held on the drum 21. In order to form the amorphous carbon film 2 having excellent gas barrier properties in a short time, a plurality of the microwave generators 16 may be provided as described above rather than disposing the single microwave generator 16. preferable.
[0041]
At this time, as described above, while continuously supplying the raw material gas, continuously exhausting, the inside of the processing chamber 14 is constantly maintained at a degree of vacuum in the range of 1 to 50 Pa, A stable amorphous carbon coating 2 can be formed. When the degree of vacuum exceeds 50 Pa, the adhesion and workability of the amorphous carbon coating 2 to the plastic film 3 may be deteriorated, and the oxygen permeability may be larger than the above range. On the other hand, when the degree of vacuum is less than 1 Pa, it takes a long time to form the amorphous carbon film 2.
[0042]
Further, when the microwave output is less than 100 W, the formed coating may be highly colored, and when it exceeds 2000 W, the oxygen permeability may be increased.
[0043]
Further, if the microwave irradiation time is too short, a desired film thickness may not be obtained in the amorphous carbon film 2, and if it is too long, the film thickness of the amorphous carbon film 2 becomes large and coloring becomes dark. There is.
[0044]
Next, when the microwave irradiation time has elapsed, the on-off valves 18 and 20 are closed, the raw material gas supply device 17 and the microwave generator 5 are stopped, and the atmosphere release valve 22 is opened to open the processing chamber 14. And the inside of the film chamber 15 are returned to atmospheric pressure.
[0045]
Although the process for forming the amorphous carbon coating 2 on the surface of the plastic film 3 can be continuously performed by the above method, the plastic film 3 is intermittently supplied by a predetermined length, and the plastic film on which the amorphous carbon coating 2 is formed. 3 may be intermittently wound around the take-up roll 24, and at the same time, a new plastic film 3 having a predetermined length may be supplied from the unwind roll 23 to the processing chamber 14 and the process may be repeated.
[0046]
In the method of intermittently supplying the plastic film 3 by a predetermined length, the microwave irradiation may be performed for a shorter time after the source gas supply device 17 is stopped and before the atmosphere release valve 22 is opened. By doing so, the remaining component of the raw material gas adsorbed on the amorphous carbon film 2 can be formed into a film, and further excellent gas barrier properties can be obtained.
[0047]
Next, when the process of forming the amorphous carbon coating 2 over the entire length of the plastic film 3 is completed, the plastic film 3 is taken out from the plasma CVD apparatus 11. And the process which laminates | stacks the plastic film 4 on the surface in which the amorphous carbon film 2 of the plastic film 3 was formed is performed.
[0048]
When the plastic film 4 has a resin structure capable of thermocompression bonding, the plastic film 4 is thermocompression bonded so that the amorphous carbon coating 2 is sandwiched between the plastic films 3 and 4. Can be performed. Further, an adhesive layer is provided on one surface of the plastic film 4, and the amorphous carbon coating 2 is sandwiched between the adhesive layer and the plastic film 3, so that the plastic films 3 and 4 are thermocompression-bonded or pressure-bonded. May be. The thermocompression bonding or pressure bonding can be performed by pressing the plastic films 3 and 4 between a pair of rolls.
[0049]
The plastic film 4 can also be laminated by an extrusion laminating method in which a resin is extruded onto the surface of the plastic film 3 on which the amorphous carbon coating 2 is formed to form a film made of the resin.
[0050]
As a result, a gas barrier plastic film 1 having the configuration shown in FIG. 1 is obtained. According to the gas barrier plastic film 1 of the present embodiment, the amorphous carbon coating 2 can prevent transmission of oxygen, water vapor, carbon dioxide and the like. Therefore, the gas barrier plastic film 1 of the present embodiment is used for beverages, foods, medicines, cosmetics and the like that are desired to prevent oxidation and moisture absorption of the contents, and to prevent the volatilization of carbon dioxide gas and aroma components contained in the contents. It can be suitably used as a packaging material.
[0051]
Further, since the gas barrier plastic film 1 of the present embodiment is less colored, the contents can be seen through when used as the packaging material, and the printing on the gas barrier plastic film 1 should be clear. Can do. Furthermore, when the gas barrier plastic film 1 of the present embodiment is reused after collection, the limitation of use can be reduced.
[0052]
In addition, the amorphous carbon coating 2 has excellent gas barrier properties that prevent permeation of oxygen, water vapor, carbon dioxide, etc., and also has excellent adhesion to the plastic films 3 and 4, so when subjected to processing deformation. The effect that it is hard to peel can be acquired.
[0053]
In this embodiment, when the amorphous carbon coating 2 is formed, the long plastic film 3 is continuously supplied to the processing chamber 14. However, it is intermittently supplied to the processing chamber 14. Also good. Instead of the long plastic film 3, a regular plastic film 3 may be used.
[0054]
In the present embodiment, a plurality of microwave generators 16 are disposed outside the sidewall 12 of the processing chamber 14 in the plasma CVD apparatus 11, but both the front and back surfaces of the plastic film 3 supplied into the processing chamber 14 are arranged. An electrode may be arranged at a position facing the substrate, and plasma may be generated by applying a high frequency voltage to the electrode. However, in order to form the amorphous carbon film 2 having excellent gas barrier properties and adhesion to the film, a method of generating plasma by irradiating microwaves with the microwave generator 16 is suitable.
[0055]
In addition, as shown in FIG. 1, the gas barrier film 1 of the present embodiment has a configuration in which the plastic film 4 is laminated and integrated on the surface of the plastic film 3 on which the amorphous carbon coating 2 is formed. If desired, an amorphous carbon film may be further added to the plastic film 3 or the plastic film 4, or another gas barrier film or another film may be laminated.
[0056]
Next, examples of the present invention will be described.
[0057]
Examples 1-7
In this example, an amorphous carbon coating 2 was formed on the surface of a polyethylene terephthalate film 3 having a thickness of 12 μm using the plasma CVD apparatus 11 shown in FIG.
[0058]
As the source gas, acetylene gas containing air, nitrogen and oxygen is used. While the source gas is supplied to the processing chamber 14, the degree of vacuum inside the processing chamber 14 and the film chamber 15 is set in the range of 5 to 20 Pa. Retained. Then, a microwave of 2.45 GHz was irradiated by the microwave generator 16.
[0059]
As a result, a polyethylene terephthalate film 3 provided with an amorphous carbon coating 2 having a thickness of 400 to 600 angstroms was obtained. The amorphous carbon coating 2 has a carbon skeleton as a main component and is transparent and very slightly colored brown. The coloring is Δb when light is passed through the plastic film 3 perpendicularly by a color difference meter.*The value was 2-4.
[0060]
Next, a polyethylene terephthalate film 4 having a film thickness of 12 μm and having an adhesive layer on one surface was laminated on the surface of the polyethylene terephthalate film 3 on which the amorphous carbon coating 2 was formed via the adhesive layer. The polyethylene terephthalate films 3 and 4 were sandwiched between a pair of hot rolls and pressed to be bonded to each other, whereby a gas barrier plastic film 1 was obtained.
[0061]
About the seven types of gas barrier plastic films 1 of Examples 1 to 7 obtained by changing the composition of the source gas and the processing conditions in the plasma CVD apparatus 11, the amounts of nitrogen and oxygen contained in the amorphous carbon coating 2 The oxygen permeability is shown in Table 1.
[0062]
Next, the gas barrier plastic film 1 obtained in this example was pulverized, and a chip was manufactured using an extruder. The chip was very little colored, and a polyester having no practical problem could be produced using the chip.
[0063]
Therefore, it is clear that the gas barrier plastic film 1 obtained in the present example is not limited by the above-mentioned coloring for reuse after collection.
[0064]
[Comparative Example 1]
In this comparative example, the gas barrier plastic film 1 was obtained in exactly the same manner as in the above example except that the composition of the raw material gas and the processing conditions in the plasma CVD apparatus 11 were changed. Table 1 shows the amounts of nitrogen and oxygen contained in the amorphous carbon coating 2 and the oxygen permeability of the gas barrier plastic film 1 obtained in this comparative example.
[0065]
[Comparative Example 2]
In this comparative example, a 12 μm-thick polyethylene terephthalate film 4 having an adhesive layer on one surface is laminated on a 12 μm-thick polyethylene terephthalate film 3 on which the amorphous carbon coating 2 is not formed via the adhesive layer. Then, the polyethylene terephthalate films 3 and 4 were sandwiched between a pair of hot rolls and pressed for thermocompression to obtain a laminated film.
[0066]
Table 1 shows the oxygen permeability of the laminated film obtained in this comparative example.
[0067]
[Table 1]
Figure 0004282360
[0068]
From Table 1, according to the gas barrier plastic films 1 of Examples 1 to 8, the oxygen permeability of the amorphous carbon coating 2 is 20 × 10.-5ml / day / cm2Hereinafter, 10 × 10 by further adjusting the conditions-5ml / day / cm2It is clear that it has the following and excellent gas barrier properties. On the other hand, the laminated film of the comparative example has an oxygen permeability of 46 × 10.-5ml / day / cm2As described above, it is apparent that it is not suitable for packaging materials that are desired to prevent oxidation and moisture absorption of the contents and volatilization of carbon dioxide gas, aroma components, and the like contained in the contents as compared to the examples.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory cross-sectional view showing a configuration of a gas barrier plastic film of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory cross-sectional view illustrating a configuration example of a plasma CVD apparatus.
[Explanation of symbols]
1 ... gas barrier plastic film, 2 ... amorphous carbon coating,
3, 4 ... Plastic film, 11 ... Plasma CVD apparatus.

Claims (4)

炭素原子を含む出発原料からプラズマCVDにより形成された炭素骨格を主要構成とし、20×10−5ml/日/cm以下の酸素透過性を備えるアモルファスカーボン被膜を表面に備える第1のプラスチックフィルムと、
第1のプラスチックフィルムの該アモルファスカーボン被膜を備える面に一体的に積層された第2のプラスチックフィルムとからなり、
前記アモルファスカーボン被膜は、該被膜中に含まれる炭素原子数を100とするときに、
炭素原子数に対する窒素原子数の比率が15以下であるか、
炭素原子数に対する酸素原子数の比率が20以下であるか、
炭素原子数に対する窒素原子数と酸素原子数との総和の比率が27以下であるか、
炭素原子数に対する窒素原子数の比率が15以下であり、炭素原子数に対する酸素原子数の比率が20以下であり、炭素原子数に対する窒素原子数と酸素原子数との総和の比率が27以下であるか、
のいずれかであり、
前記アモルファスカーボン被膜の厚さが400〜600オングストロームの範囲であり、
第1のプラスチックフィルムに対し色差計により垂直に光を通過させたときのb 値を、前記アモルファスカーボン被膜を備える場合と、該アモルファスカーボン被膜が無い場合とで比較し、両者の差として算出されるΔb 値により表されるアモルファスカーボン被膜による着色が、2〜4の範囲であることを特徴とするガスバリア性プラスチックフィルム。
A first plastic film having a carbon skeleton formed by plasma CVD from a starting material containing carbon atoms as a main component and an amorphous carbon coating having an oxygen permeability of 20 × 10 −5 ml / day / cm 2 or less on the surface. When,
Ri Do and a second plastic film laminated integrally on the surface with the amorphous carbon film of the first plastic film,
When the number of carbon atoms contained in the amorphous carbon film is 100,
The ratio of the number of nitrogen atoms to the number of carbon atoms is 15 or less,
The ratio of the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms is 20 or less,
The ratio of the sum of the number of nitrogen atoms and the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms is 27 or less,
The ratio of the number of nitrogen atoms to the number of carbon atoms is 15 or less, the ratio of the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms is 20 or less, and the ratio of the sum of the number of nitrogen atoms and the number of oxygen atoms to the number of carbon atoms is 27 or less Is there
Either
The amorphous carbon coating has a thickness in the range of 400 to 600 angstroms;
The b * value when light is passed vertically to the first plastic film by a color difference meter is compared between the case where the amorphous carbon coating is provided and the case where the amorphous carbon coating is not provided, and is calculated as the difference between the two. A gas barrier plastic film, characterized in that the coloration by the amorphous carbon coating represented by the Δb * value is in the range of 2-4 .
前記アモルファスカーボン被膜は、40〜55モル%の範囲の炭素と、45〜60モル%の範囲の水素とを含むことを特徴とする請求項1記載のガスバリア性プラスチックフィルム。The amorphous carbon coating, gas barrier plastic film of claim 1 Symbol mounting, characterized in that it comprises carbon in the range of 40 to 55 mol%, and hydrogen in the range of 45 to 60 mol%. 前記出発原料は、アセチレンを主成分とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガスバリア性プラスチックフィルム。 The gas barrier plastic film according to claim 1 or 2 , wherein the starting material contains acetylene as a main component . 前記第1、第2のプラスチックフィルムは、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムまたはポリオレフィンフィルムのいずれか1種のフィルムであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のガスバリア性プラスチックフィルム。The gas barrier plastic according to any one of claims 1 to 3 , wherein the first and second plastic films are any one of a polyester film, a polyamide film, and a polyolefin film. the film.
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