JP4279077B2 - 焼結体の製造方法および焼結体 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結体の製造方法および焼結体に関するものである。
ハイドロキシアパタイトは、生体親和性が高く、人工骨、人工歯根、医科用あるいは、歯科用セメント等の生体材料として利用されている。
また、ハイドロキシアパタイトは、細胞やタンパク質等との親和性も高く、細胞培養用の担体や、タンパク質の分離材料等としても使用されている。
例えば、特許文献1には、アパタイトシートを細胞培養の担体として用いる技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のアパタイトシートでは、付着した細胞の状態を観察するのにSEMを用いている。しかし、SEM等で細胞を観察する場合には、当然のことながら細胞は死んでしまう。また、光学顕微鏡で細胞を観察する場合には、細胞を生きた状態のままで観察することは可能であるが、細胞とアパタイトシートとの界面を観察することは難しかった。これは、このアパタイトシートが光透過性を有さず、光学的な細胞の観察が困難なためである。
また、タンパク質の濃度を、簡便に測定する方法としては、紫外線を用いる方法がある。ところが、前述したアパタイトシートでは、光透過性を有さないことから、かかる簡便な方法によるタンパク質の濃度測定も困難である。
特開2003−047461号公報
本発明の目的は、高い光透過性を有する焼結体、特に、広範囲の波長の光を透過可能な焼結体を製造し得る焼結体の製造方法、および、かかる焼結体の製造方法により製造される焼結体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(21)の本発明により達成される。
(1) アパタイト粉体を、1ton/cm以上の圧力で加圧して圧粉体を得る工程と、
焼成炉内に存在する気体の50vol%以上を酸素が占める酸素含有雰囲気中で、前記圧粉体に対して第1の焼成を施すことにより、前記圧粉体を焼結させて焼結体を得る工程と、
低活性雰囲気中で、前記焼結体に対して第2の焼成を施す工程とを有することを特徴とする焼結体の製造方法。
これにより、高密度、かつ広範囲の波長の光を透過可能な焼結体を得ることができる。
(2) 前記圧粉体を得る工程において、前記加圧は、等方的に行われる上記(1)に記載の焼結体の製造方法。
これにより、より高密度の焼結体を得ることができる。
(3) 前記等方的な加圧は、静水圧加圧により行われる上記(2)に記載の焼結体の製造方法。
これにより、より高密度の焼結体を得ることができる。
(4) 前記静水圧加圧は、5〜50℃の温度で行われる上記(3)に記載の焼結体の製造方法。
かかる圧粉体の製造方法は、簡易な装置で行うことができ、工業製品の製造工程として実用性に優れている。
(5) 前記第1の焼成工程において、前記酸素含有雰囲気の酸素分圧は、380mmHg以上である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
これにより、より高密度の焼結体を得ることができる。
(6) 前記第1の焼成工程において、前記酸素含有雰囲気の圧力は900mmHg以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
これにより、より高い光透過性を有する焼結体を得ることができる。
(7) 前記第1の焼成工程において、前記圧粉体を焼成する際の温度は、850〜1350℃である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
これにより、圧粉体をより確実に焼結させることができる。
(8) 前記第2の焼成工程において、前記低活性雰囲気は、窒素ガス雰囲気または不活性ガス雰囲気である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
これらのガスは、アパタイトとの反応性が極めて低いことから好ましい。
(9) 前記第2の焼成工程において、前記焼結体を焼成する際の温度は、1000〜1350℃である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
第2の焼成における温度を、かかる範囲とすることにより、焼結体は、可視光より短波長側の光を確実に透過し得るものとなる。
(10) 前記アパタイト粉体の平均粒径は、40μm以下である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
これにより、より高密度の焼結体を得ることができる。
(11) 2つの前記焼成工程は、一つの焼成炉内で、焼成雰囲気を入れ替えて行われる上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
これにより、より短時間での焼結体の製造が可能となる。
(12) 前記アパタイト粉体は、ハイドロキシアパタイト粉体である上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
アパタイトとしてハイドロキシアパタイトを用いることにより、焼結体を生体材料や細胞培養担体への適用に適したものとすることができる。
(13) 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、カルシウム源とリン酸源との少なくとも一方を溶液として用いる湿式合成法により合成され、前記合成の際に得られるスラリーを用いて製造されたものである上記(11)に記載の焼結体の製造方法。
これにより、高価な製造設備を必要とせず、容易かつ効率よくハイドロキシアパタイトを合成することができる。
(14) 前記カルシウム源は、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを主成分とするものであり、前記リン酸源は、リン酸を主成分とするものである上記(12)に記載の焼結体の製造方法。
これにより、ハイドロキシアパタイトをより効率よくかつ安価に合成することができる。
(15) 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、リン酸三カルシウムの含有量が0.1wt%以下の前記スラリーを用いて製造されたものである上記(13)に記載の焼結体の製造方法。
これにより、より高密度の焼結体を得ることができる。
(16) 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、下記の条件Aを満足する前記スラリーを用いて製造されたものである上記(13)または(14)に記載の焼結体の製造方法。
条件A:前記スラリーの一部を取り出し、成形圧力2ton/cmで圧縮成形し、検出面を有するサンプル用成形体を形成した後、該サンプル用成形体を大気中1200℃×2時間で焼成して得られたサンプルの検出面(表面粗さRa=10μm)に存在する物質をX線回折により解析した場合、得られるピークのうち、ハイドロキシアパタイトに由来するピークの強度が最も大きく、かつ、リン酸三カルシウムに由来するピークが観察されない。
かかるスラリーを用いることにより、特に高密度の焼結体を得ることができる。
(17) 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムの含有量が3wt%以下の前記スラリーを用いて製造されたものである上記(12)ないし(15)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
これにより、より高密度の焼結体を得ることができる。
(18) 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、下記の条件Bを満足する前記スラリーを用いて製造されたものである上記(13)ないし(16)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
条件B:前記スラリーの一部を取り出し、200℃で乾燥させ、このサンプルを大気中1200℃×20分で焼成して得られたサンプルに存在する物質を粉末X線回折により解析した場合、ハイドロキシアパタイトに由来するピークの強度をXとし、酸化カルシウムに由来するピークの強度をYとしたとき、Y/X<1/10なる関係を満足する。
かかるスラリーを用いることにより、特に高密度の焼結体を得ることができる。
(19) 前記第1の焼成を施して得られた焼結体は、その相対密度が99%以上である上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
これにより、焼結体は、可視光より短波長側の光をより確実に透過し得るものとなる。
(20) 厚さ0.5mmの板状となるように焼結体を作製し、該焼結体に、波長300nmの光を照射したとき、該光の透過率が10%以上となる上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
かかる焼結体(テストピース)は、可視光より短波長側の光を効率よく透過可能であると判断することができ、同様の条件で製造された焼結体も可視光より短波長側の光を効率よく透過可能であると判断することができる。
(21) 上記(1)ないし(20)のいずれかに記載の焼結体の製造方法により製造されることを特徴とする焼結体。
本発明の焼結体は、高密度なものであり、機械的強度も極めて高いものとなる。このため、本発明の焼結体は、椎弓スペーサーや耳小骨等の人工骨、人工歯根等の生体材料として好適に使用し得る。
また、本発明の焼結体は、高い光透過性を有するため、細胞培養担体(容器)や分析用容器(セル)等に好適に適用することもできる。
本発明の焼結体を細胞培養担体(容器)に適用した場合、これに付着、増殖した細胞の状態を、光学的に観察する方法(例えば光学顕微鏡等を用いる方法)により観察することができる。かかる方法によれば、大掛かりな設備を必要とせず、比較的容易に、細胞の観察を行うことができるという利点が得られる。
さらに、本発明の焼結体は、紫外領域の波長の光を透過可能であるため、細胞培養容器や分析用容器へ適用した場合、溶液中に存在するタンパク質の濃度を、紫外線(波長280〜300nm程度)を用いる簡便な方法により、容易に測定することができるという利点が得られる。
本発明によれば、高い光透過性を有する焼結体、特に、広範囲の波長の光を透過可能な焼結体が得られる。
以下、本発明の焼結体の製造方法および焼結体の好適な実施形態について詳細に説明する。
ここで、本発明に供されるアパタイトとしては、例えば、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト、これらが有するカルシウムイオンの少なくとも一部を他の金属イオン(例えば、Niイオン、Coイオン、Mnイオン等)で置換したもの等が挙げられる。また、これらのものは、1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、以下では、アパタイトの一例として、ハイドロキシアパタイトを代表に説明する。
図1は、本発明の焼結体の製造方法を示す工程図である。
図1に示す焼結体の製造方法は、ハイドロキシアパタイト粉体の製造工程1と、圧粉体の成形工程2と、圧粉体の整形工程3と、第1の焼成工程4と、第2の焼成工程5とを有している。以下、各工程について順次説明する。
[1]ハイドロキシアパタイト粉体の製造
まず、カルシウム源とリン酸源とを反応させて、ハイドロキシアパタイト(HAp)を合成する。なお、本明細書中のハイドロキシアパタイトとは、Ca/Pモル比が1.60〜1.70のものを指す。
このハイドロキシアパタイトの合成には、湿式合成法、乾式合成法、水熱合成法等のいかなる方法を用いてもよいが、カルシウム源とリン酸源との少なくとも一方を溶液として用いる湿式合成法を用いるのが好ましい。これにより、高価な製造設備を必要とせず、容易かつ効率よくハイドロキシアパタイトを合成することができる。
湿式合成法を用いる場合、カルシウム源としては、例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、硝酸カルシウム等を用いることができる。一方、リン酸源としては、リン酸、リン酸アンモニウム等を用いることができる。
これらの中でも、特に、カルシウム源として水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを主成分とするものが、また、リン酸源としてリン酸を主成分とするものが好ましい。かかるカルシウム源およびリン酸源を用いることにより、ハイドロキシアパタイトをより効率よくかつ安価に合成することができる。
以下、カルシウム源として水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを主成分とするものを、また、リン酸源としてリン酸を主成分とするものを用いる場合について説明する。
この場合、ハイドロキシアパタイト(HAp)は、例えば容器内で、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)または酸化カルシウム(CaO)の懸濁液中に、リン酸(H3PO4)溶液を滴下し、混合することにより合成される。
この反応は、次式(I)または(II)の通りである。
10Ca(OH)2+6H3PO4 → 2Ca5(PO4)3(OH)+18H2O ・・・(I)
10CaO+10H2O+6H3PO4 → 2Ca5(PO4)3(OH)+18H2O ・・・(II)
ここで、合成の進行が不十分であると、スラリー状をなす混合物(以下、単に「スラリー」と言う。)中に、未反応物(Ca(OH)2やCaO)が、不純物として存在することになる。
また、さらに反応を継続すると、次式(III)に示す反応により、2次反応生成物としてリン酸三カルシウム(TCP)が生成される。
3Ca5(PO4)3(OH)+H3PO4 → 5Ca3(PO4)2+3H2O ・・・(III)
この反応が進行すると、2次反応生成物であるリン酸三カルシウムが、スラリー中に不純物として存在することになる。
このようにして合成されたハイドロキシアパタイトを含むスラリーを用いて、ハイドロキシアパタイト粉体を製造する。このとき、かかるスラリー中に、前述したような不純物がほとんど存在しないようにすることにより、高密度の焼結体を得ることができる。そして、かかる高密度の焼結体は、高い光透過性(透光性)を有するものとなる。
以下、スラリー中のリン酸三カルシウムおよび未反応物(Ca(OH)2、CaO)の含有量(濃度)の好適な範囲について、それぞれ説明する。
[リン酸三カルシウム]
スラリー中のリン酸三カルシウムの含有量(濃度)は、特に限定されないが、0.1wt%以下であるのが好ましく、存在しないことがより好ましい。このように、リン酸三カルシウムの含有量が少ないスラリーを用いることにより、より高密度の焼結体を得ることができる。
さらに、スラリーとしては、下記の条件Aを満足するようなものが最適である。
条件A:スラリーの一部を取り出し、成形圧力2ton/cmで圧縮成形し、検出面を有するサンプル用成形体を形成した後、このサンプル用成形体を大気中1200℃×2時間で焼成して得られたサンプルの検出面(表面粗さRa=10μm)に存在する物質をX線回折により解析する。このとき、得られるピークのうち、ハイドロキシアパタイトに由来するピークの強度が最も大きく、かつ、リン酸三カルシウムに由来するピークが観察されない。
かかる解析方法は、前記焼成に際して、ハイドロキシアパタイトと不純物との焼結速度の違いにより、ハイドロキシアパタイトの粒子成長が先行し、これに伴って、不純物が粒子間隙から押し出され、サンプル表面(特に検出面)に析出することを利用し、この検出面をX線回折により解析することにより、不純物の存在を確認することができる。かかる解析方法によれば、高精度でスラリー中の不純物の存在を確認することができる。
そして、スラリーが前記条件Aを満足すれば、このものは、リン酸三カルシウムを含有しないか、または、リン酸三カルシウムを含有する場合でも極めて少量であることがわかる。このため、かかるスラリーを用いることにより、特に高密度の焼結体を得ることができる。
[未反応物]
スラリー中の未反応物の含有量(濃度)は、特に限定されないが、3wt%以下であるのが好ましく、0.025〜1wt%程度であるのがより好ましい。スラリー中に比較的少量の未反応物が存在する場合、酸化カルシウム(なお、未反応物である水酸化カルシウムは、焼成により酸化カルシウムに変化する)は、僅かに存在しても焼成密度(焼結密度)には影響を及ぼさないので、この条件が適当である。なお、スラリー中の未反応物の含有量が前記上限値を超えると、後述する圧粉体の焼成条件等によっては、高密度の焼結体を得ることが困難となる場合がある。
さらに、スラリーとしては、下記の条件Bを満足するようなものが最適である。
条件B:スラリーの一部を取り出し、200℃で乾燥させ、このサンプルを大気中1200℃×20分で焼成して得られたサンプルに存在する物質を粉末X線回折により解析する。このとき、ハイドロキシアパタイトに由来するピークの強度をXとし、酸化カルシウムに由来するピークの強度をYとしたとき、Y/X<1/10なる関係(特に、Y/X<1/100なる関係)を満足する。
前述したように、かかる解析方法によれば、高精度でスラリー中の不純物の存在を確認することができ、その結果、スラリーが前記条件Bを満足すれば、このものは、未反応物の含有量が極めて少量であることがわかる。このため、かかるスラリーを用いることにより、特に高密度の焼結体を得ることができる。
なお、スラリーは、リン酸三カルシウムの含有量および未反応物の含有量のいずれか一方のみが前記範囲であるものでもよいが、それらの双方が前記範囲であるものが好ましい。これにより、極めて高密度の焼結体を得ることができる。
次に、このようにして得られたスラリーを、例えば噴霧乾燥等することにより、ハイドロキシアパタイト粉体(以下、単に「粉体」と言う。)を製造する。
粉体の平均粒径は、特に限定されないが、40μm以下であるのが好ましく、8〜25μm程度であるのがより好ましい。このような平均粒径の粉体を用いることにより、より高密度の焼結体を得ることができる。
なお、得られた粉体は、より緻密な圧粉体を得るために、例えば500〜800℃×2〜6時間程度の処理条件で熱処理した後、例えばジェットミルやターボミル等で粉砕して、平均粒径6〜20μm程度(粉砕前の50〜80%程度の平均粒径)とするようにしてもよい。
[2]圧粉体の成形
次に、得られた粉体(またはこれを予め所望の形状に圧粉成形したもの)に対し、圧力を加え、圧密化する。
加圧の方法としては、等方的に加圧する方法や、一軸プレスのように一方向(一軸方向)にのみ加圧する方法等のいずれであってもよいが、等方的に加圧する方法、特に静水圧加圧が好ましい。これにより、加圧後の圧粉体の密度を均一にすることができ、その結果、より高密度の焼結体を得ることができる。
静水圧加圧としては、例えば5〜50℃程度(好ましくは10〜30℃程度)の温度で加圧されるCIP(Cold Isostatic press)法が好適である。このCIP法は、簡易な装置で行うことができ、後述する被膜に耐熱性を要求されない等の利点を有し、工業製品の製造工程として実用性に優れている。なお、加圧の方法には、加熱下(例えば80℃以上)で加圧されるHIP(Hot Isostatic press)法、Hot press法等を利用することもできる。
静水圧加圧の具体的な方法としては、粉体の表面を液体遮断性のある被膜で覆い、これを静水圧加圧装置に装填し、静水圧加圧を施す。
CIP法の場合、被膜としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料や、天然ゴム、イソプレンゴムのようなゴム材料を用いることができる。この被膜は、例えばディッピングや真空パッキング法により形成することができる。
加圧の圧力(加圧圧力)は、特に限定されないが、1ton/cm以上であるのが好ましく、1〜3ton/cm程度であるのがより好ましく、1.5〜2.5ton/cm程度であるのがさらに好ましい。この圧力が低過ぎると、十分な加圧の効果(特に密度の均一化)が期待できない場合があり、また、圧力を前記上限値よりさらに高くしても、効果の向上が見られず、また、大型の装置が必要となり設備が高価になる。
このようにして得られた加圧後の圧粉体は、高密度となり、しかもその密度が均一となる。このため、後述する第1の焼成により焼結した際に、圧粉体は、均一に収縮するようになる。したがって、得られた焼結体は、寸法精度が高くかつ密度が均一なものとなる。
このように、密度が均一な焼結体は、クラックや欠損等の焼結欠陥の発生が抑制され、その結果、破損し難い(機械的強度に優れる)ものとなる。
なお、加圧後、表面の被膜は、所定の方法により除去される。
[3]圧粉体の整形
次に、得られた圧粉体に対し、必要に応じ、その形状または寸法を整える。
この圧粉体の整形は、例えば、圧粉体に所定の機械加工を施すことにより行われる。機械加工としては、例えば、切削加工、研削加工、研磨加工等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて行うことができる。
圧粉体自体は、最終的に得られる焼結体に比べてその硬度がはるかに低いため、機械加工等による圧粉体の整形は、容易に行うことができ、特に、低硬度の工具を用いても行うことができ、また、機械加工の加工速度も速い。
[4]第1の焼成
以上のようにして得られた圧粉体に、例えば焼成炉内で、その焼成炉内に存在する気体の50vol%以上を酸素が占める酸素含有雰囲気中で第1の焼成を施す。これにより、圧粉体を焼結させて焼結体とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、圧粉体を、焼成炉内に存在する気体の50vol%以上(好ましくは、75vol%以上)を酸素が占める酸素含有雰囲気中で焼成(焼結)することにより、特に、高密度であり、高い光透過性を有する焼結体を得ることができることを見出した。
かかる酸素含有雰囲気(焼成雰囲気)の典型例としては、純酸素雰囲気が挙げられるが、酸素含有雰囲気としては、酸素と他のガスとの混合ガス(特に、酸素を主とする混合ガス)を用いることもできる。
このような酸素含有雰囲気の酸素分圧(純酸素雰囲気の場合、焼成炉内の圧力)は、380mmHg以上であるのが好ましく、550mmHg以上であるのがより好ましい。これにより、得られる焼結体の相対密度および光透過性をより高くすることができる。
また、酸素含有雰囲気の圧力(焼成炉内の圧力)は、900mmHg以下であるのが好ましく、600mmHg以下であるのがより好ましい。これにより、焼結体の光の透過率をより向上させることができる。また、減圧下の焼成では、焼成時の空間に占める気体のうち50%以上が酸素であればよい。
なお、大気圧下で酸素含有雰囲気の酸素分圧を高くするには、酸素含有雰囲気(焼成雰囲気)中に占める酸素の体積を大きく(濃度を高く)するようにすればよい。
また、本発明者は、このような酸素濃度の高い酸素含有雰囲気中で圧粉体を焼成(第1の焼成)することにより、第1の焼成における温度(焼成温度)を比較的低温とすることができること、さらに、この場合、ハイドロキシアパタイトの粒子成長を抑制しつつ、圧粉体を焼結に至らすことができ、その結果、さらに高密度かつ高い光透過性を有する焼結体を得ることができることをも見出した。
また、このような比較的低温で圧粉体の焼成を行うことにより、焼成時間の短縮、焼成に要するエネルギーの低減、焼成炉に用いられる発熱体にかかるコストの削減等を図ることができるという利点もある。
この第1の焼成における温度(焼成温度)は、850〜1350℃程度であるのが好ましく、950〜1250℃程度であるのが好ましい。なお、焼成温度が低すぎると、圧粉体が効率よく焼結されない場合がある。
かかる焼成温度の保持時間(焼成時間)は、30分〜8時間程度であるのが好ましく、2〜4時間程度であるのがより好ましい。
このようにして得られた焼結体は、高密度なものであり、かつ高い光透過性を有する。具体的には、かかる焼結体は、可視光以上の波長の光を透過することができる。
[5]第2の焼成
次に、このような焼結体に、例えば焼成炉内で、低活性雰囲気中で第2の焼成を施す。
本発明者は、さらに広範囲の光(可視光より短波長側の光)を透過可能な焼結体を得るべく鋭意検討を重ねた結果、前記焼結体を低活性雰囲気中で再焼成(第2の焼成)することにより、得られる焼結体が、可視光より短波長側の光を透過し得るものとなることを見い出した。
ここで、低活性雰囲気としては、ハイドロキシアパタイト(アパタイト)と実質的に反応しないガスを主成分としてなるものであれば、特に限定されないが、例えば、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、ヘリウムガス雰囲気、ネオンガス雰囲気のような不活性ガス雰囲気が好適である。これらのガスは、ハイドロキシアパタイト(アパタイト)との反応性が極めて低いことから好ましい。
また、これらのガスは、必要に応じて混合して用いるようにしてもよい。
この第2の焼成における温度(焼成温度)は、1000〜1350℃程度であるのが好ましく、1100〜1250℃程度であるのが好ましい。第2の焼成における温度が前記下限値未満の場合、前述した効果を十分に得ることができないおそれがあり、一方、第2の焼成における温度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上の効果が得られないばかりでなく、ハイドロキシアパタイトが熱分解してしまう可能性がある。
かかる焼成温度の保持時間(焼成時間)は、30分〜8時間程度であるのが好ましく、2〜4時間程度であるのがより好ましい。
また、低活性雰囲気の圧力(焼成炉内の圧力)は、3〜900mmHg程度であるのが好ましく、5〜800mmHg程度であるのがより好ましい。ここで、焼成雰囲気に中に存在する酸素の量は僅かでもよい。
なお、本工程[5]に供される焼結体は、その相対密度が99%以上(特に、99.5%以上)のものであるのが好ましい。これにより、本工程[5]の後において、焼結体は、可視光より短波長側の光をより確実に透過し得るものとなる。
また、本工程[5]は、前記工程[4]で用いる焼成炉と異なる焼成炉を用いて行うようにしてもよいが、同一の焼成炉を用いて、焼成雰囲気を入れ替えることにより行うのが好ましい。これにより、焼成に供する対象物を、焼成炉内から取り出すことなく、2つの工程(焼成)を連続して行うことができるため、焼結体の製造時間の短縮を図ることができる。
以上のような工程を経て、本発明の焼結体が得られる。
本発明の焼結体は、高密度なものであり、機械的強度も極めて高いものとなる。このため、本発明の焼結体は、椎弓スペーサーや耳小骨等の人工骨、人工歯根等の生体材料として好適に使用し得る。
また、本発明の焼結体は、高い光透過性を有するため、細胞培養担体(容器)や分析用容器(セル)等に好適に適用することもできる。
本発明の焼結体を細胞培養担体(容器)に適用した場合、これに付着、増殖した細胞の状態を、光学的に観察する方法(例えば光学顕微鏡等を用いる方法)により観察することができる。かかる方法によれば、大掛かりな設備を必要とせず、比較的容易に、細胞の観察を行うことができるという利点が得られる。
さらに、本発明の焼結体は、紫外領域の波長の光が透過可能であるため、細胞培養容器や分析用容器へ適用した場合、溶液中に存在するタンパク質の濃度を、紫外線(波長280〜300nm程度)を用いる簡便な方法により、容易に測定することができるという利点が得られる。特に、この場合、本発明の焼結体は、次のような特性を有しているのが好ましい。
すなわち、厚さ0.5mmの板状となるようにテストピース(焼結体)を作製し、該テストピースに、波長300nmの光を照射したとき、該光の透過率が10%以上(特に、15%以上)となるような特性である。
ここで、テストピースを用いる理由について説明する。実際の焼結体は、その使用目的に応じて、形状や寸法等が適宜設定される。このため、同一の条件で光の透過率を測定しても、一律に評価が行えない場合がある。
そこで、前述した焼結体の製造方法に従って、テストピースを作製し、このテストピースが前記特性を有するものであれば、これと同様の条件で製造された実際の焼結体も、テストピースで確認される特性に相当する特性が得られているものと推定することができるからである。
そして、前記特性を有するテストピースは、可視光より短波長側の光を効率よく透過可能であると判断することができ、同様の条件で製造された焼結体も可視光より短波長側の光を効率よく透過可能であると判断することができる。
以上、本発明の焼結体の製造方法および焼結体について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明では、任意の目的で、工程[1]の前工程、工程[1]〜[5]の間に存在する中間工程、または工程[5]の後工程(例えば、焼結体の表面処理工程等)を設けるようにしてもよい。
次に、本発明の焼結体の製造方法の具体的実施例について説明する。
[焼結体の製造]
次のようにして、実施例1〜3および比較例1〜3の焼結体を製造した。
(実施例1)
<1> まず、水酸化カルシウム140gを純水6Lに分散させ、その中へ、リン酸濃度2wt%のリン酸水溶液を滴下し、十分に撹拌、混合して、ハイドロキシアパタイトを合成し、ハイドロキシアパタイトを含むスラリーを得た。
次に、かかるスラリーを噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥し、平均粒径14μmのハイドロキシアパタイト粉体を得た。
このとき、スラリーの一部を取り出し、成形圧力2ton/cmで圧縮成形し、検出面を有するサンプル用成形体を形成した後、このサンプル用成形体を大気中1200℃×2時間で焼成して得られたサンプルの検出面(表面粗さRa=10μm)に存在する物質をX線回折により解析した。なお、サンプルの寸法は、直径15mm、高さ8mmとした。
その結果、リン酸三カルシウム(TCP)に由来するピークは確認されなかった。
また、スラリーの一部をサンプリングし、200℃で乾燥後、大気中1200℃×20分で焼成して得られたサンプルを粉末X線回折により解析した。
その結果、酸化カルシウム(CaO)に由来するピークの強度は、ハイドロキシアパタイト(HAp)に由来するピークの強度の1/250であった。
さらに、得られたハイドロキシアパタイト粉体を、600℃×4時間の条件で熱処理した後、ジェットミルにより粉砕した。これにより、平均粒径13μmのハイドロキシアパタイト粉体を得た。
<2> 次に、このハイドロキシアパタイト粉体を、圧縮成形機にて円盤状に固め、その後、ビニール製の袋状体に入れて真空梱包して、静水圧加圧により常温(24℃)下、1ton/cmの圧力で圧縮成形し、直径28mm、厚さ1mmの円盤状の圧粉体を得た。
<3> 次に、圧粉体をダイヤモンドカッターにより切削加工(機械加工)し、直径25mm、厚さ0.8mmの円盤状とした。
<4> 次に、この圧粉体を、焼成炉内で焼成(第1の焼成)することにより、焼結させて焼結体を得た。
なお、焼成条件は、純酸素雰囲気(焼成雰囲気)中、1200℃×2時間とした。また、焼成炉内の圧力は、76mmHgとした。
また、得られた焼結体(第1の焼成後の焼結体)の相対密度は、99.6%であった。この相対密度は、外形寸法より求めた体積の値と重量の値とを基に、比重を考慮して求めた。
<5> 次に、この焼結体を、前記工程<4>と同一の焼成炉内で焼成(第2の焼成)した。
なお、焼成条件は、アルゴンガス雰囲気(焼成雰囲気)中、1200℃×2時間とした。また、焼成炉内の圧力は、380mmHgとした。
なお、この第2の焼成後の焼結体の相対密度は、99.8%であった。
<6> 次に、焼結体の両面に光学研磨を施した。これにより、直径20mm、厚さ0.5mmとした。
(実施例2)
前記工程<4>において、焼成条件を、純酸素雰囲気(焼成炉内の圧力:350mmHg)中、1200℃×2時間とし、また、前記工程<5>において、焼成条件を、アルゴンガス雰囲気中、1100℃×2時間とした以外は、前記実施例1と同様にして焼結体を製造した。
なお、第1の焼成後の焼結体の相対密度は、99.6%であり、第2の焼成後の焼結体の相対密度は、99.7%であった。
(実施例3)
前記工程<4>において、焼成条件を、純酸素雰囲気(焼成炉内の圧力:760mmHg)中、1050℃×2時間とし、また、前記工程<5>において、焼成条件を、アルゴンガス雰囲気中、1050℃×2時間とした以外は、前記実施例1と同様にして焼結体を製造した。
なお、第1の焼成後の焼結体の相対密度は、99.5%であり、第2の焼成後の焼結体の相対密度は、99.5%であった。
(比較例1)
前記工程<5>を省略した以外は、前記実施例3と同様にして焼結体を製造した。
なお、得られた焼結体の相対密度は、99.5%であった。
(比較例2)
前記工程<4>を省略した以外は、前記実施例1と同様にして焼結体を製造した。
なお、得られた焼結体の相対密度は、99.0%であった。
(比較例3)
前記工程<4>および<5>に代えて、圧粉体を1気圧の大気中、1200℃×2時間で焼成した以外は、前記実施例1と同様にして焼結体を製造した。
なお、得られた焼結体の相対密度は、99.1%であった。
[評価]
1.透過可能な光の波長の測定
各実施例および各比較例で製造された焼結体に対して、それぞれ、透過可能な光の波長を測定した。なお、この測定には、日立製作所(株)製の分光光度計「U−4000」を使用した。
2.光の透過率の測定
各実施例および各比較例で製造された焼結体に対して、それぞれ、波長300nmの光を照射して、この光の透過率を測定した。
この評価1〜3の結果を、表1に、焼結体の製造条件とともに示す。
Figure 0004279077
表1に示すように、各実施例で製造された焼結体(本発明の焼結体)は、いずれも、波長275nm以上の光を透過可能であり、波長300nmの光の透過率も高いものであった。
これに対し、各比較例で製造された焼結体は、いずれも、波長295nmより短波長の光を透過できず、波長300nmの光もほとんど透過できないものであった。
本発明の焼結体の製造方法を示す工程図である。
符号の説明
1 ハイドロキシアパタイト粉体の製造
2 圧粉体の成形
3 圧粉体の整形
4 第1の焼成
5 第2の焼成

Claims (21)

  1. アパタイト粉体を、1ton/cm以上の圧力で加圧して圧粉体を得る工程と、
    焼成炉内に存在する気体の50vol%以上を酸素が占める酸素含有雰囲気中で、前記圧粉体に対して第1の焼成を施すことにより、前記圧粉体を焼結させて焼結体を得る工程と、
    低活性雰囲気中で、前記焼結体に対して第2の焼成を施す工程とを有することを特徴とする焼結体の製造方法。
  2. 前記圧粉体を得る工程において、前記加圧は、等方的に行われる請求項1に記載の焼結体の製造方法。
  3. 前記等方的な加圧は、静水圧加圧により行われる請求項2に記載の焼結体の製造方法。
  4. 前記静水圧加圧は、5〜50℃の温度で行われる請求項3に記載の焼結体の製造方法。
  5. 前記第1の焼成工程において、前記酸素含有雰囲気の酸素分圧は、380mmHg以上である請求項1ないし4のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  6. 前記第1の焼成工程において、前記酸素含有雰囲気の圧力は900mmHg以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  7. 前記第1の焼成工程において、前記圧粉体を焼成する際の温度は、850〜1350℃である請求項1ないし6のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  8. 前記第2の焼成工程において、前記低活性雰囲気は、窒素ガス雰囲気または不活性ガス雰囲気である請求項1ないし7のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  9. 前記第2の焼成工程において、前記焼結体を焼成する際の温度は、1000〜1350℃である請求項1ないし8のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  10. 前記アパタイト粉体の平均粒径は、40μm以下である請求項1ないし9のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  11. 2つの前記焼成工程は、一つの焼成炉内で、焼成雰囲気を入れ替えて行われる請求項1ないし10のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  12. 前記アパタイト粉体は、ハイドロキシアパタイト粉体である請求項1ないし10のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  13. 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、カルシウム源とリン酸源との少なくとも一方を溶液として用いる湿式合成法により合成され、前記合成の際に得られるスラリーを用いて製造されたものである請求項11に記載の焼結体の製造方法。
  14. 前記カルシウム源は、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムを主成分とするものであり、前記リン酸源は、リン酸を主成分とするものである請求項12に記載の焼結体の製造方法。
  15. 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、リン酸三カルシウムの含有量が0.1wt%以下の前記スラリーを用いて製造されたものである請求項13に記載の焼結体の製造方法。
  16. 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、下記の条件Aを満足する前記スラリーを用いて製造されたものである請求項13または14に記載の焼結体の製造方法。
    条件A:前記スラリーの一部を取り出し、成形圧力2ton/cmで圧縮成形し、検出面を有するサンプル用成形体を形成した後、該サンプル用成形体を大気中1200℃×2時間で焼成して得られたサンプルの検出面(表面粗さRa=10μm)に存在する物質をX線回折により解析した場合、得られるピークのうち、ハイドロキシアパタイトに由来するピークの強度が最も大きく、かつ、リン酸三カルシウムに由来するピークが観察されない。
  17. 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、水酸化カルシウムまたは酸化カルシウムの含有量が3wt%以下の前記スラリーを用いて製造されたものである請求項12ないし15のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  18. 前記ハイドロキシアパタイト粉体は、下記の条件Bを満足する前記スラリーを用いて製造されたものである請求項13ないし16のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
    条件B:前記スラリーの一部を取り出し、200℃で乾燥させ、このサンプルを大気中1200℃×20分で焼成して得られたサンプルに存在する物質を粉末X線回折により解析した場合、ハイドロキシアパタイトに由来するピークの強度をXとし、酸化カルシウムに由来するピークの強度をYとしたとき、Y/X<1/10なる関係を満足する。
  19. 前記第1の焼成を施して得られた焼結体は、その相対密度が99%以上である請求項1ないし17のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  20. 厚さ0.5mmの板状となるように焼結体を作製し、該焼結体に、波長300nmの光を照射したとき、該光の透過率が10%以上となる請求項1ないし18のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  21. 請求項1ないし20のいずれかに記載の焼結体の製造方法により製造されることを特徴とする焼結体。
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