JP4278972B2 - 加湿器および透湿モジュール - Google Patents

加湿器および透湿モジュール Download PDF

Info

Publication number
JP4278972B2
JP4278972B2 JP2002370808A JP2002370808A JP4278972B2 JP 4278972 B2 JP4278972 B2 JP 4278972B2 JP 2002370808 A JP2002370808 A JP 2002370808A JP 2002370808 A JP2002370808 A JP 2002370808A JP 4278972 B2 JP4278972 B2 JP 4278972B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
permeable
tube
water
moisture permeable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002370808A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004101161A (ja
Inventor
靖浩 秋田
林  俊一
寛 水谷
典生 三輪
章雄 八木
尭 新田
忠夫 高橋
泉 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2002370808A priority Critical patent/JP4278972B2/ja
Publication of JP2004101161A publication Critical patent/JP2004101161A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4278972B2 publication Critical patent/JP4278972B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内等の任意の空間に水分を供給をすることで湿度を上昇させる加湿器に関し、特に水分の透過膜として透湿性ポリウレタンを使用する加湿器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の加湿器に使用されている透湿性の樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)に無数の微細孔をあけた「ゴアテックス(登録商標)」や、ポリウレタン樹脂が知られている。四フッ化エチレン樹脂は、特に布帛として用いられた場合に、液体状の水は透過させず、気体状の水蒸気は透過するといった、防水、透湿の相反する機能を備えたものとなることにより、各種の衣料に広く用いられている。
【0003】
ところで、近年ではこのような防水、透湿の機能を兼ね備えた材料の用途が広がりつつあり、清浄な湿気(水蒸気)のみを設定量だけ放出するといったことに上記の材料を応用する加湿器が検討され、一部で実施されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平08−100935号公報
【特許文献2】
特開昭60−171337号公報
【特許文献3】
特開昭61−250429号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の四フッ化エチレン樹脂からなる透湿性樹脂を使用した加湿器では、透湿性樹脂を重ね合わせて袋状にした中空構造体に水を流し、透湿性樹脂に形成された微細孔から水蒸気を透過させるようになっているが、加湿器内外で繁殖した雑菌が、水蒸気と一緒に微細孔を透過して空気中に拡散されるため、衛生面での問題が指摘されている。
【0006】
また、水に含まれるカルキや微小な金属成分等の異物(一般にスケールと呼ばれる)は、水分のみを蒸発させて放出する加湿器の構造上、中空構造体の内部に残って次第に濃縮する傾向にあるため、加湿器を長期にわたって運転するとこれら濃縮したカルキや異物等が微細孔に詰まり易くなり、一度詰まりが生じると水蒸気の抜けが悪くなって加湿器の性能を著しく悪化させてしまうという問題も指摘されている。こういった場合には、透湿性樹脂を使用した部品を交換しなければ加湿器としての機能を回復させることができないため、メインテナンスのための費用が発生するといったことも問題である。しかもその費用は、中空構造体が複雑な構造で製造コストが嵩むとの理由から割高になってしまう。
【0007】
さらに、従来の加湿器では、湿度の調節を行うには加湿した空気を作り出すヒータが必要であるが、熱を発する大容量のヒータを駆動することでエネルギーの消費量が多いため、市場性の高い省エネルギーの面では消費者の要望を満たすことができなかった。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、衛生面に優れ、手入れが簡単で、風の調整やポンプの加圧によって湿度の調節も行い易く、消費するエネルギーも少なくて済む加湿器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための手段として、次のような構成の加湿器を採用する。すなわち本発明に係る請求項1記載の加湿器は、イソシアネート成分と、鎖延長剤としてのジオールと、ポリオール成分としてのポリエチレングリコールとが少なくとも原料として用いられ、前記鎖延長剤と、分子量が2500以上3500以下の範囲の前記ポリオール成分との比が、前記ポリオール成分1モルに対して鎖延長剤が4モル以上10モル以下となる範囲内に調製され、これら原料が反応させられて得られる透湿性ポリウレタンを備え、該透湿性ポリウレタンを透過した水分を任意の空間に供給して加湿することを特徴とする。
請求項2記載の加湿器は、請求項1記載の加湿器において、さらに、前記ポリオール成分全体に対する配合量として1wt%以上70wt%以下のシリコン型ポリオールが原料として用いられることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の加湿器は、請求項1または2に記載の加湿器において、前記鎖延長剤としてのジオールは、1,4−ブタンジオールであることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の加湿器は、請求項1から3のいずれかに記載の加湿器において、前記イソシアネート成分は、4−4’メチレンビスフェニルイソシアネートであることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の加湿器は、請求項1から4のいずれかに記載の加湿器において、前記イソシアネート成分とポリオール成分との比が、ポリオール成分1モルに対してイソシアネート成分が2モル以上12モル以下となる範囲内に調製されたことを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の加湿器は、請求項1から5のいずれかに記載の加湿器において、前記透湿性ポリウレタンを管状に成形して透湿性チューブとし、該透湿性チューブの内側に水を供給して外側に透過させることを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の加湿器は、請求項6記載の加湿器において、前記水を前記透湿性チューブの内側に加圧供給するポンプを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の加湿器は、請求項6または7に記載の加湿器において、前記透湿性チューブの一端を、該透湿性チューブの他端よりも上方に配置し、前記透湿性チューブに前記他端から前記一端に向けて前記水を流通させることを特徴とする。
【0019】
請求項9記載の加湿器は、請求項6または7に記載の加湿器において、前記透湿性チューブの一端を、該透湿性チューブの他端よりも上方に配置し、前記透湿性チューブに前記一端から前記他端に向けて前記水を流通させることを特徴とする。
【0020】
請求項10記載の加湿器は、請求項1から5のいずれかに記載の加湿器において、前記透湿性ポリウレタンを管状に成形して透湿性チューブとし、該透湿性チューブの両端を除く部分を水中に配置し、該透湿性チューブの外側から内側に水を透過させるとともに、該透湿性チューブの内側を掃気することを特徴とする。
【0021】
請求項11記載の加湿器は、請求項10記載の加湿器において、前記透湿性チューブの全長を、前記両端間の距離よりも長くしていることを特徴とする。
【0022】
請求項12記載の加湿器は、請求項6から11のいずれかに記載の加湿器において、前記透湿性チューブを複数、並列に接続した透湿モジュールを備えることを特徴とする。
【0023】
請求項13記載の加湿器は、請求項6から11のいずれかに記載の加湿器において、前記透湿性チューブを、該透湿性チューブの長さ方向から見て該透湿性チューブの断面が複数の列をなすように配置したことを特徴とする。
【0024】
請求項14記載の加湿器は、請求項13記載の加湿器において、前記透湿性チューブの列を、前記長さ方向から見て前記透湿性チューブの断面が波打つように配置したことを特徴とする。
【0025】
請求項15記載の加湿器は、請求項6から11のいずれかに記載の加湿器において、前記透湿性チューブを、該透湿性チューブの長さ方向から見て該透湿性チューブの断面が千鳥状をなすように配置したことを特徴とする。
【0026】
請求項16記載の透湿モジュールは、イソシアネート成分、鎖延長剤としてのジオール、ポリオール成分としてのポリエチレングリコールを少なくとも原料として用い、前記鎖延長剤と、分子量が2500以上3500以下の範囲の前記ポリオール成分との比が、ポリオール成分1モルに対して鎖延長剤が4モル以上10モル以下となる範囲内に調製され、これらを反応させることで得られる透湿性ポリウレタンを管状に成形して透湿性チューブとし、該透湿性チューブを複数束ねて保持するとともに、これら複数の透湿性チューブの両端を除く部分を水槽の内側に配置していることを特徴とする。
請求項17記載の透湿モジュールは、請求項18記載の透湿モジュールにおいて、らに、前記ポリオール成分全体に対する配合量として1wt%以上70wt%以下のシリコン型ポリオールが原料として用いられることを特徴とする。
【0027】
請求項18記載の透湿モジュールは、請求項16または17に記載の透湿モジュールにおいて、前記水槽を、注水口を有する密閉形とし、内側に配置した各透湿性チューブの両端を前記水槽の内側面に接続し、各透湿性チューブの内側を、前記水槽の外側面に形成した孔を通じて外部に露出させていることを特徴とする。
【0028】
請求項19記載の透湿モジュールは、請求項16または17に記載の透湿モジュールにおいて、前記水槽を、上部を開放させた開放形とし、内側に配置した各透湿性モジュールの一端を前記水槽の内側面に接続し、各透湿性チューブの内側を、前記水槽の外側面に形成した孔を通じて外部に露出させたことを特徴とする。
【0029】
請求項20記載の透湿モジュールは、請求項16または17に記載の透湿モジュールにおいて、前記水槽の一部を樹脂成形し、該樹脂が固化する過程で前記透湿性チューブの端部を接着し、各透湿性チューブの内側を、前記水槽の一部に形成した孔を通じて前記水槽の外部に露出させていることを特徴とする。
【0030】
請求項21記載の透湿モジュールは、請求項20記載の透湿モジュールにおいて、前記透湿性チューブの端部内面に、該透湿性チューブの内側への変形を防止する樹脂体が形成されていることを特徴とする。
【0031】
請求項22記載の透湿モジュールは、請求項16または17に記載の透湿モジュールにおいて、前記水槽の内側面に、前記孔に連通する筒状部を立設し、該筒状部に前記透湿性チューブの端部を被着させることで前記水槽に該透湿性チューブを接続していることを特徴とする。
【0032】
請求項23記載の透湿モジュールは、請求項22記載の透湿モジュールにおいて、前記水槽の内側面に接着剤を付着させて前記水槽と前記透湿性チューブとを接着していることを特徴とする。
【0033】
請求項24記載の透湿モジュールは、請求項21記載の透湿モジュールにおいて、前記筒状部と該筒状部に被着させた前記透湿性チューブとの間に接着剤を満たして両者を接着していることを特徴とする。
【0034】
請求項25記載の加湿器は、請求項16から24のいずれかに記載の透湿モジュールを備え、前記水槽に溜めた水を前記透湿性チューブの外側から内側に水を透過させるとともに、該透湿性チューブの内側を掃気することを特徴とする。
【0035】
本発明の加湿器においては、イソシアネート成分と、鎖延長剤としての1,4−ブタンジオールと、ポリオール成分としての分子量が600〜4000のポリエチレングリコールとが少なくとも原料として用いられ、かつ前記鎖延長剤とポリオール成分との比(鎖延長剤/ポリオール成分)がモル比で1〜11の範囲内になるように調製され、これら原料が反応させられて得られる透湿性ポリウレタンに、分子レベルの水を透過する微細孔が形成される。この微細孔は、巨視的に存在している孔ではなく、「ゴアテックス(登録商標)」等の四フッ化エチレン樹脂からなる透湿性樹脂に設けられる微細孔と比べて遙かに小さい。このため、雑菌やスケールは透過されず、空気中への雑菌の拡散や微細孔の詰まりを原因とする性能低下が防止できる。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る加湿器の第1の実施形態を図1ないし図3に示して説明する。
図1は本実施形態の加湿器の構造を示す概略図であって、符号1は水を溜めるタンク、2はタンク1から供給される水を水蒸気化する透湿モジュール、3は透湿モジュール2で発生した水蒸気を押し出して室内に供給するファン、4はファン3によって透湿モジュール2に送り込まれる空気を加熱するヒータである。タンク1は透湿モジュール2よりも高い位置に配置され、透湿モジュール2に配管5を通じて接続されており、水に作用する重力を利用して透湿モジュール2に水を供給するしくみとなっている。
【0037】
タンク1の頂部には、加湿器の運転に伴って順次減少する水を外部から補給する水供給口1aが設けられている。また、タンク1の底部には、タンク1内の古くなった水を強制的に排出して加湿器内部の汚れの蓄積を防止するドレーン排出部1bが設けられている。
【0038】
透湿モジュール2は、チューブ状に形成した透湿性ポリウレタン、すなわち透湿性チューブ10を同じ長さに切り分けて複数用意し、それぞれの両端をヘッダ11,12に接続して構成されたものである。
【0039】
透湿モジュール2を構成する複数の透湿性チューブ10は、図2に示すように、長さ方向から見て断面が複数の列をなし、各列間には等しい隙間pが設けられるように配置されている。例えば、透湿チューブ10には外径;3,5,8mmのいずれかの太さを採用することが検討されており、外径;3mmの場合には間隔p;2mm、外径;5mmの場合には間隔p;3mm、外径;8mmの場合には間隔p;4mmとすることが好ましい。透湿モジュール2は、列間の隙間Lがファン3によって送り込まれる空気の方向に一致するように配置される。
【0040】
ここで、透湿性チューブ10の材料となる透湿性ポリウレタンは、イソシアネート成分と、鎖延長剤ジオール成分と、ポリオール成分とが少なくとも原料として用いられ、これら原料が反応させられて得られるものである。
【0041】
イソシアネート成分としては、特に限定されることなく従来一般的な種々のものが用いられる。例えば、4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)や、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、4,4’−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンイソシアネートなどが用いられるが、特に4,4’−メチレンビスフェニルイソシアネート(MDI)は、蒸気圧が低いために取り扱い性や作業性に優れ、また、得られるポリウレタンの機械的物性も高くなることから、好適に用いられる。
【0042】
鎖延長剤としては、1,4−ブタンジオールが用いられる。これは、従来例えば衣料用の透湿性ポリウレタン樹脂では、鎖延長剤としてエチレングリコールを用いていたが、その場合に溶媒中で重合・成形を行うことになっていたのを、このように1,4−ブタンジオールを用いることにより、後述するように溶媒レス化を図っているのである。なお、ポリウレタンの原料に用いられる鎖延長剤としては、これ以外にもジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等各種が利用できる。得られるポリウレタンの成形性や機械的物性を確保する観点からは、1,4−ブタンジオールが特に好ましく利用できる。
【0043】
ポリオール成分としては、分子量が600以上4000以下のポリエチレングリコール(PEG)が用いられる。ポリエチレングリコールは、例えばポリテトラメチレングリコール(PTMG)やポリプロピレングリコール(PPG)とポリエチレングリコールとの共重合体に比べ、得られるポリウレタン樹脂の透湿性がより良好になるからである。また、分子量、すなわち重量平均分子量を600以上4000以下としたのは、4000を超えると反応性が低くなってしまい、また600未満であると逆に反応性が高くなって安定したポリマーの重合が困難になってしまうとともに、透湿性も低くなって実用的でなくなるおそれがあるからである。また、この分子量については、特に2500以上3500以下の範囲にするのが好ましく、このような範囲にすることにより、ポリマーの安定した重合性と、得られたポリウレタンの良好な透湿性を確保することができる。
【0044】
このポリオール成分としては、前記のポリエチレングリコールに加えて、シリコン型ポリオールを用いることができる。このシリコン型ポリオールとしては、特に以下に示すポリシロキサンカルビノール変性体が用いられ、中でも分子量が1000以上3000以下のものが好適に用いられる。
【0045】
【化1】
Figure 0004278972
【0046】
このシリコン型ポリオールは、得られるポリウレタンをシリコンの分子間力(凝集力)が小さいという特性を付与するために少量添加する。シリコン型ポリオールは、成形物、特にチューブ成形時の離型性を高くし、成形物のタック性を低減するために用いる。このようなシリコン型ポリオールのポリオール成分全体に対する配合量としては、1wt%以上70wt%以下、好ましくは2wt%以上4wt%以下とされる。1wt%未満では得られるポリウレタン中のシリコン含有量が少なくなるため、離型性を高くし、タック性を低減する効果が十分に得られず、70wt%を超えると高価なシリコン型ポリオールを添加して得られる成形性や機械強度等の物性が飽和するからである。また、2wt%以上4wt%以下の範囲では、チューブ成形時の離型性を高くし、かつ成形物のタック性を低減でき、十分な透湿性が得られる。
【0047】
また、前記鎖延長剤とポリオール成分とは、その比、すなわち(鎖延長剤/ポリオール成分)のモル比が1〜11の範囲内、好ましくは4〜10の範囲内になるように調製されて用いられる。モル比が4未満であると、得られるポリウレタンの強度が不足し、実用性が低下してしまうからであり、10を超えると、得られるポリウレタンの透湿性が低下し、またポリマーの重合も困難になってしまうからである。また、モル比が4を超えると、得られるポリウレタンの強度が良好となり、好ましい。
【0048】
なお、イソシアネート成分の、ポリオール成分に対する配合量としては、特に限定されることはないものの、(イソシアネート成分/ポリオール成分)のモル比が42以上12以下程度、好ましく5以上11以下程度とされる。このような範囲にすることにより、良好なポリマー重合性を確保することができるとともに、得られるポリウレタンの良好な強度を確保することができる。
また、本発明の透湿性ポリウレタンでは、前記のイソシアネート成分と鎖延長剤とポリオール成分とを原料としてこれらが反応させられることにより形成されるが、特に反応に際しては、公知のウレタン化触媒、安定化剤、相溶化剤、着色剤等を適宜に添加することができる。
【0049】
透湿性チューブ10の材料となる透湿性ポリウレタンは、以上のように、イソシアネート成分と特定の鎖延長剤及びポリオール成分を原料として用い、これら原料をそれぞれが適宜な配合比となるようにして反応させることにより、溶剤を用いることなく重合して得られるものである。反応法としては、特に限定されることなく、プレポリマー法、ワンショット法等、公知の方法を採用することが可能である。
【0050】
通常、この種の透湿性を有するポリウレタンは、溶媒(ジメチルホルムアミド等)中で重合を行うため、フィルム等に成形するときには、この溶媒を除去する必要がある。一般的に、溶液中の樹脂固形分は30%程度であるため、残り70%の溶媒を成形時に除去することとなる。ところが、昨今の環境問題としてVOC規制等を鑑みるに、除去されて蒸気となった溶媒の処理が問題となる。
【0051】
また、広く実施されている押出成形や射出成形では、樹脂を溶融させる必要性から、成形温度が高くなっている。ここに、溶媒を含んだ樹脂を成形することは、溶媒の蒸気が発生しやすいことを意味する。溶媒の蒸気は作業環境の悪化を起こすものであるので、別途に溶媒蒸気除去装置が必要となる等の理由により、コスト高になってしまう。
【0052】
さらに、前記した30%の樹脂固形分を含む原料を用いる場合は、高温成形の過程で仕込み原料の70%が失われて、歩留まりは30%となる。このような低い歩留まりの成形機は設計や運転が困難であり、製品としては成立しにくいものである。
【0053】
このようにして得られる透湿性ポリウレタンは、それ自体で良好な高透湿性および機械的物性を有しており、さらには良好な成形性を備えることにより、例えば常法の造粒法によるペレット化が可能となり、このペレット化の際に、公知の抗菌剤、防かび剤、タルク等の無機充填材、顔料等の着色剤等を1種以上任意に混合することができる。さらに、このようにして得られるペレットを用いることにより、各種の成形法、例えば押出成形法等が可能になる。押出成形法としては、マンドレルを用いて中空押出する方法や、押出成形機を用いた成形法が好適に採用される。また、チューブを直接成形する方法以外に、押出成形によって薄いフィルム状に成形した透湿性ポリウレタンのシート10a,10bを2枚、図3の(a)や(b)のように重ね合わせて熱溶着(ヒートシール)したものや、図3の(c)のように一体となった複数の管状に一度に異形押出成形することができ、これらを重ね合わせて透湿モジュールとすることも可能である。
【0054】
図1および図2に示した加湿器の作動の仕方について説明する。
タンク1に水を入れると、配管5を通じて、地球の重力を利用したいわゆるグラビティフローによって透湿モジュール2に水が供給され、各透湿性チューブ10に水が満たされる。透湿性チューブ10に満たされた水は、透湿性チューブ10の内外の湿度の不均衡をドライビングフォースとして、透湿性チューブ10の外側の湿度が内側より低い限り、透湿性チューブ10の外側に分子レベルで透過される。透湿性チューブ10を透過した水分は水蒸気となり、ファン3によって送り込まれる空気によって透湿モジュール2から押し出され、加湿空気となって任意の空間に供給される。
【0055】
上記の加湿器はヒータ4を作動させなくとも液体の水分を水蒸気に変えることができるので、一定の性能を発揮し、室内に自然な湿度環境を作り出すことが可能であり、無駄にエネルギーを消費しない点が大きなメリットである。
本実施形態におけるヒータ4は、加湿器の能力を調節する場合に作動させるものである。上記のように、透湿性チューブ10は内外の湿度が均衡していれば水分を透過しないが、そういった状態からさらに湿度を高めようとする場合、ヒータ4を作動させると、ファン3によって透湿モジュール2に送り込まれる空気がヒータ4に加熱されて乾燥し、相対湿度を低下させるので、透湿性チューブ10の外側の湿度が内側より低くなり、水分が透過して水蒸気が生み出される。ヒータ4による加熱の度合いを調節すれば、所望の湿度環境を作り出すことも可能になる。
【0056】
上記のような構造の加湿器においては、透湿性チューブ10が分子レベルの水のみを透過し、雑菌やスケールは透過させないため、空気中への雑菌の拡散を防止するとともに微細孔の詰まりを原因とする性能低下が防止できる。しかも、詰まりを生じないので透湿モジュール2の掃除や交換をする必要がなく、使用に際して余計な手間やコストが削減できる。
【0057】
また、四フッ化エチレン樹脂からなる透湿性樹脂を使用した従来の加湿器に比べ、本発明の透湿性チューブは、透湿性チューブ自体が剛性を有しているために、水蒸気を発生させる透湿モジュール2が透湿材を支えるための補強材やスペーサ等を必要とせず、透湿性チューブのみで構成される単純な構造なので、製造コストも安価で組立時の取り扱いも簡単である。
【0058】
さらに、上記加湿器においては、図2に示すごとく複数の列をなして透湿性チューブ10を配置することにより、透湿モジュール2内部の水蒸気の抜けが良くなり、水分の透過も円滑に行われるようになるので、効率の高い運転が可能である。
【0059】
次に、本発明に係る加湿器の第2の実施形態を図4に示して説明する。なお、上記実施形態において既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態においては、透湿モジュール2の下部に水を導入し上部から導出してタンク1と透湿モジュール2との間で水を循環させる構造となっている。具体的には、タンク1と透湿モジュール2との間に、タンク1から透湿モジュール2に水を供給する配管5の他に、透湿モジュール2からタンク1に水を戻す配管6が設けられている。
【0060】
配管5には、タンク1内の水を透湿モジュール2に送出する加圧ポンプ7が設けられている。さらに、配管5には透湿モジュール2への無用な水の出入りを防止し、加圧ポンプ7にうち勝つ逆流を防止する弁8が設けられている。配管5の一端はタンク1の底部に接続され、配管5の他端は透湿モジュール2を構成する下部のヘッダ12に接続されており、配管6の一端は上部のヘッダ11に接続され、配管6の他端はタンク1の上部に接続されている。
【0061】
上記のような構造の加湿器においては、上記第1の実施形態と同様の効果が得られることに加え、水を加圧供給することによって加湿器の能力を調節することが可能である。透湿性チューブ10は、内側に供給する水の圧力に応じて透過する水分量が変化する特性を有しているので、湿度を高めようとする場合は、加圧ポンプ7の駆動量を増やすと、透湿モジュール2に供給される水の圧力が高くなり、透過する水分量が増してより多くの水蒸気が生み出される。さらに、加圧ポンプ7の駆動量を調節すれば、所望の湿度環境を作り出すことも可能になる。したがって、本実施形態では湿度調節を行うヒータ4を併設しているが、ヒータを廃し、加圧ポンプ7のみにより湿度調節を行う構造とすることも可能である。
【0062】
四フッ化エチレン樹脂からなる透湿性樹脂を使用した従来の加湿器では、シート状の透湿性樹脂を貼り合わせる中空構造体の構造上、水に高い圧力を付加すると、中空体構造に機械的な付加がかかり、場合によっては破断を起こす恐れがある。そのため、従来の加湿器では水に付加できる圧力は一定の値以下に制限されるか、水に圧力を付加せずにヒータ4により湿度調節を行う構造を採用するしかなかったが、本実施形態の加湿器においては、エネルギー消費量の比較的多いヒータ4を省略して省エネルギー運転を実現することができる。
【0063】
なお、加圧ポンプ7は配管5の途中に設置する形態には限られない。例えば水中ポンプを採用すれば加圧ポンプ7をタンク1の内部(しかも底部付近)に設けることも可能である。また、加圧ポンプ7に代えて、水を温めて水の蒸気圧を高める加温手段を設けることも可能である。
【0064】
次に、本発明に係る加湿器の第3の実施形態を図5に示して説明する。なお、上記実施形態において既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態においては、上記第2の実施形態と同じく、タンク1と透湿モジュール2との間で水を循環させるが、第2の実施形態が、透湿モジュール2の下部に水を導入し上部から導出する構造となっていたのに対し、本実施形態では、透湿モジュール2の上部に水を導入し下部から導出する構造となっている。具体的には、配管5の一端はタンク1の下部に接続され、配管5の他端は透湿モジュール2を構成する上部のヘッダ11に接続されており、配管6の一端は下部のヘッダ12に接続され、配管6の他端はタンク1の上部に接続されている。また、加圧ポンプ7は配管5ではなく配管6に設けられている。
【0065】
上記のような構造の加湿器においては、上記第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0066】
次に、本発明に係る加湿器の第4の実施形態を図6に示して説明する。本実施形態は透湿モジュール2の構造に関するもので、上記の各実施形態で説明した加湿器のいずれにも対応可能である。なお、本実施形態においても既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態の透湿モジュール2は、複数の透湿性チューブ10が、透湿性チューブ10自身の長さ方向から見てその断面が複数の列をなし、さらに各列が波打つように配置されている。さらに、各列の波は凹凸が揃うように配置されて列間の隙間pが一定となっており、空気の流れる通路も平面視すると波打って蛇行する形状になっている。
【0067】
上記のような構造の透湿モジュール2を備える加湿器においては、透湿モジュール2内の空気の通路が波打った形状をなすことで、透湿モジュール2に送り込まれた空気の流れに変化が生まれ、透湿性チューブ10の表面に乱流が生じるので、透湿性チューブ10の表面に漂う水蒸気の層が剥離され、順次送り込まれる湿度の低い空気が透湿性チューブ10の表面に活発に接触するようになる。これにより、透湿性チューブ10の内外の湿度の不均衡による水分の透過が活発になるので、効率の高い運転が可能である。
【0068】
次に、本発明に係る加湿器の第5の実施形態を図7および図8に示して説明する。本実施形態も透湿モジュール2の構造に関するもので、上記の各実施形態で説明した加湿器のいずれにも対応可能である。なお、本実施形態においても既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態の透湿モジュール2は、複数の透湿性チューブ10が、図7に示すように長さ方向から見てその断面が千鳥状をなすように配置されている。しかもその配置は、空気の流れ方向に沿う列どうしの間隔pが一定で(図8(a)参照)、空気の流れ方向に直交する方向から見ると前後に隣り合う透湿性チューブ10どうしがオフセットされてほとんど隙間を空けない(図8(b)参照)ようになっている。
【0069】
上記のような構造の透湿モジュール2を備える加湿器においては、透湿モジュール2内の空気の通路が互いに交差し合うことで、透湿モジュール2に送り込まれた空気の流れに変化が生まれ、透湿性チューブ10の表面に乱流が生じるので、透湿性チューブ10の表面に漂う水蒸気の層が剥離され、順次送り込まれる湿度の低い空気が透湿性チューブ10の表面に活発に接触するようになる。さらに、個々の透湿性チューブ10が他と接することなく配置されるので、透湿モジュール2に送り込まれた空気と透湿性チューブ10の表面との接触面積が広くなる。これにより、透湿性チューブ10の内外の湿度の不均衡による水分の透過が活発になるので、効率の高い運転が可能である。
【0070】
なお、上記の千鳥構造に制限はないが、空気の流れを均一にし、かつ製作の便も考慮すると、千鳥の角度は30°または60°の三角配列、あるいは45°または90°の四角配列を採用することが望ましい。
【0071】
また、上記の各実施形態においては、透湿性チューブ10の列を、透湿性チューブ10の断面が波打つように配置したり千鳥状をなすように配置したりしたが、透湿性チューブ10の配列はこれらに限られるものではなく、その他の形態、例えば放射同心円状に配置したりしても構わない。
【0072】
次に、本発明に係る加湿器の第6の実施形態を図9および図10に示して説明する。なお、本実施形態においても既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態においては、上記の各実施形態とは異なり、透湿性チューブ10の外側を水に触れさせて内側に水分を透過させ、さらに透湿性チューブ10の内側を掃気することで加湿した空気を作り出す構造となっている。図9に示すように、本実施形態の加湿器には、タンク1の他に、水槽13を一体化した透湿モジュール2が設けられている。水槽13には、一方の側面13aに透湿性チューブ10の一端を固定されるとともに、他方の側面13aに同じ透湿性チューブ10の他端を固定されており、これら複数の透湿性チューブ10が槽内を直線的に横切るようにして配置されている。
【0073】
透湿性チューブ10は、両側面13a,13bにそれぞれ開口されており、内側に空気を通すことが可能である。水槽13には、複数の透湿性チューブ10が、ある側方から見ると水平方向に平行に、他の側方から見ると図10に示すように千鳥状に密に配置されている。
【0074】
タンク1は、水槽13よりも上方に配置されており、重力に従って水槽13に給水するようになっている。水槽13に給水する配管5は、水槽1に設定された所定の水位まで延出されており、その先端には、水槽13に供給した水が所定の水位に達したら給水を断つフロート弁14が設けられている。
【0075】
ファン3、ヒータ4は水槽13に配設された透湿性チューブ10の長手方向の一方に配置されており、加熱された空気を透湿性チューブ10の一方の開口端から押し込んで透湿性チューブ10の内側を掃気する構造となっている。
【0076】
図9および図10に示した加湿器の作動の仕方について説明する。
タンク1に水を入れると、配管5を通じて、地球の重力を利用したいわゆるグラビティフローによって水槽13に水が供給される。水槽13の水位が所定の水位に達すると、フロート弁14が図示しない弁体を浮かび上がらせ、配管5を閉じて水の供給が停止する。水槽13に満たされた水は、透湿性チューブ10の内外の湿度の不均衡をドライビングフォースとして、透湿性チューブ10の内側の湿度が外側より低い限り、透湿性チューブ10の内側に分子レベルで透過される。透湿性チューブ10を透過した水分は水蒸気となり、ファン3により押し込まれる空気によって透湿性チューブ10から押し出され、加湿空気となって任意の空間に供給される。運転を継続する過程で水槽13の水が減っても、随時フロート弁が開いてタンク1から水槽13に水が供給されるので、タンク1の水がなくならない限り、水槽13の水位は常に一定に保たれる。
【0077】
上記のような構造の加湿器においては、上記の各実施形態と同様の効果が得られることに加え、透湿モジュール2の小型化により加湿器そのものを小型化することが可能である。例えば上記第1の実施形態では、透湿モジュール2の通気を良くするためには、透湿性チューブ10どうしの間隔を広めに確保しなければならない。間隔が狭いと圧力損失が大きくなって透湿モジュール2の通気がままならなくなるからである。これに対し本実施形態では、給水と通気の関係が逆転しており、束になった透湿性チューブ10の外側には準静的に水を満たすだけなので、第1の実施形態のように通気時の圧力損失を考慮する必要がない。そのため、透湿性チューブ10どうしの間隔を狭くできるので、同程度の能力を発揮する加湿器について考えると、本実施形態の加湿器は第1の実施形態の加湿器よりも透湿モジュール2の小型化が可能であり、これによって加湿器そのものを小型にすることができるのである。
これだけではなく、本実施形態の加湿器では、断面円形の透湿性チューブ10を通じてほぼ直線的に通気が可能であり、圧力損失の低下が起こり難いので、同程度の風量を発揮させる場合もファン3の動力が少なくて済み、経済的である。
【0078】
なお、本実施形態においては透湿性チューブ10を千鳥状に配置したが、それらの配置は千鳥に限らずあらゆるパターン(例えば図2)が採用できる。また、本実施形態では水槽13の上位にタンク1を配置し、グラビティフォースを利用して給水する構造を採用したが、タンク1を水槽13と同位もしくは下位に配置して、ポンプの駆動により強制的に給水する構造を採用しても構わない。
【0079】
次に、本発明に係る加湿器の第7の実施形態を図11および図12に示して説明する。なお、本実施形態においても既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態においては、上記第6の実施形態と同様に水槽15一体型の透湿モジュール2を採用しているが、透湿性チューブ10両端の固定位置と槽内での形状が異なる。
水槽15は、図12に示すように横長の矩形状で、上面は中央に開口15aが設けられ、その両側には蓋部15b,15cが部分的に設けられている。透湿性チューブ10は、一端を一方の蓋部15bに固定され、他端を他方の蓋部15cに固定されており、これら透湿性チューブ10は、図11のように両端を屈曲させてU字形に配置されている。また、水槽15の内側には、槽内に水が無くなったことを知らせるセンサ16が設置されている。
【0080】
本実施形態の加湿器の作動の仕方は、第6の実施形態とまったく同じであるのでここでは省略する。上記のように構成された加湿器においては、透湿性モジュール10の特徴である膨潤性(水に浸かると膨らみ、乾くと縮む性質)が考慮されている。透湿性チューブ10を槽内に直線的に配置した場合だと、水が無くなって乾いたときに透湿性チューブ10が自ら張力を発生し、両端の固定部分に応力を発生させるから、この部分を強固に接合しておく必要がある。
【0081】
これに対して本実施形態では、槽内の透湿性チューブ10が図11のようにU字形に屈曲された状態となっているから、水槽15の水が無くなって縮んだとしても、図中の二点鎖線のように変形するだけなので、透湿性チューブそのものや水槽15との固定部分に無理な応力が作用せず、耐久性が向上する。また、水槽15との固定部分が水上に存在することになるから、この部分の遮水性に注意を払う必要がなく、構造を簡素化できる。
【0082】
本実施形態においては、透湿性チューブ10をU字形に屈曲させたが、槽内に配設される透湿性チューブ10については、その全長が、両端の固定位置間の距離よりも長くなるようにしておけば、膨潤性に起因する上記のような支障が解消される。
【0083】
次に、本発明に係る加湿器の第8の実施形態を図13ないし図16に示して説明する。なお、本実施形態においても既に説明した構成要素には同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態においても、上記第6、第7の実施形態と同様に水槽一体型の透湿モジュール2を採用している。本実施形態の透湿モジュール2は、図13に示すように、水槽20が、注水口20aを除いてその他の部分がすべて密閉された密閉形とされ、その内側に同じ長さに切り揃えられた複数の透湿性チューブ10が千鳥状に配置されている。
【0084】
水槽20は、図14に示すように、複数の透湿性チューブ10の一方の端部を保持する底板部21と、複数の透湿性チューブ10の他方の端部を保持する天板部22と、複数の透湿性チューブ10の周囲を覆い、両端にそれぞれ底板部21および天板部22を隙間なく接着された筒状の側壁部23とからなる。
【0085】
底板部21は、四方の縁辺が上方に立ち上がったトレーのような形状を有しており、図15に示すように、透湿モジュール2の下面にあたる底面21aに、通風のための孔24が、透湿性チューブ10の千鳥配置に倣って該チューブ10と同数形成されている(天板部22も上下の向きが異なるだけで同形状なので、ここでの説明は省略する)。さらに、底板部21の内側には、孔24に連通する筒状部25が、同じく透湿性チューブ10の千鳥配置に倣って立設されている。透湿性チューブ10は、その端部を筒状部25に被着させるようにして底板部21に仮止めされ、さらに底板部21の内側に流し込まれた樹脂系の接着剤26によって底板部21に接着されている。接着剤26は、底板部21の内側で透湿性チューブ10端部の外周面を接着するだけでなく、筒状部25と透湿性チューブ10端部の内周面との間にも毛細管現象を利用して導入されていて、透湿性チューブ10の底板部21に対する接着強度を高めている。
【0086】
底板部21および天板部22に両端部をそれぞれ保持された複数の透湿性チューブ10は、円形の断面形状を有し、その寸法は、透湿モジュール2の単位容積当たりの加湿面積(単位容積内に含まれる透湿性チューブ10の表面積)をなるべく広く確保するために、内径;3〜8mm、好ましくは4〜6mm、厚み0.1〜0.3mm、好ましくは0.15〜0.25mm、長さ80〜300mm、好ましくは100〜250mmが選択される。さらに、これら複数の透湿性チューブ10は、長さ方向から見て断面が千鳥状に配置されており、隣り合う透湿性チューブ10どうしの間隔は、狭すぎるとチューブどうしが接触して水が入り込み難くなり、広すぎると透湿モジュール2の小型化が図れなくなるので、一般的に0.3〜1.0mm、好ましくは0.5〜0.7mmが選択される。
【0087】
透湿性チューブ10を接着するための接着剤26としては、ウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の各種市販の接着剤を使用することができる。また、透湿モジュール2には、水を注入しても接着性に優れ水漏れしないこと、加湿中にカビ等が発生しないように防カビ処理を施せること、密に配設された複数の透湿性チューブ10間に流れ込み易い粘度であること、固化後に無臭であること、といった各種の条件が必要とされるが、特に、密に配設された複数の透湿性チューブ10間に偏りなく流れ込むように、接着剤の粘度と可使時間とが重要となる。そこで、接着剤26の粘度としては、10000cps以下が好ましく、さらに好ましくは3000cps以下のものが選択される。また、可使時間は10分以上あれば良いが、より好ましくは1時間以上のものが選択される。
【0088】
図13ないし図15に示した加湿器の作動の仕方は、上記第6の実施形態と同じなので、ここでの説明は省略する。上記のような構造の透湿モジュール2を備える加湿器においては、上記の各実施形態と同様の効果が得られることに加え、透湿モジュール2の水槽20が密閉形となっているので、加湿器を乱暴に移動させたり倒したりしても、透湿モジュール2に注入された水がこぼれ出ることがなく、装置の内部や設置場所の周辺を濡らすことがない。また、透湿性チューブ10の向きを考慮することなく、透湿モジュール2を加湿器内部に自由にレイアウトできるので、加湿器の小型化を進めるうえで有利である。
図16には、本実施形態に示した透湿モジュール2を備える加湿器のより具体的な機器の配置を示す。
【0089】
以下では、本実施形態とは異なる構造の底板部、天板部の態様とその製造方法について説明する。
[態様1]
まず、透湿性チューブ10の端部を平たく圧着させて封止する。そして、図17(a)に示すように、複数の透湿性チューブ10を、その圧着させた端部を下にして束ね、それら端部を型枠トレー30の内側に配置して保持する。そのうえで、型枠トレー30の内側に接着剤31を流し込む。接着剤31が固化したら、図17(b)に示すように、固化した接着剤31を型枠トレー30とともに上下に分割するようにバンドソー等を使って切断する。切断する位置は、透湿性チューブ10に接着して残る部分が容器20の一部をなす底板部21(または天板部22)として十分な強度を有するだけの厚みを有すること、切断により更新された透湿性チューブ10の端部が切断面に開口していることを絶対条件として決定される。
下部を切断されて残った部分は底板部21(または天板部22)をなす。透湿性チューブ10は固化した接着剤31によって端部の外周面のみを接着されている。
【0090】
[態様2]
まず、図18(a)に示すように、内側の底面から円錐台形状の突起33が多数突き出した型枠トレー34を用意し、複数の透湿性チューブ10の端部を各突起33に被着させて保持する。このとき、透湿性チューブ10の端部を型枠トレー34の内側底面に完全には突き当てないように注意するとともに、突起33と透湿性チューブ10の内周面との間にも僅かに間隙を設けておくように注意する。これは、毛細管現象を利用して突起33と透湿性チューブ10の端部の間に接着剤を導入するためである。そのうえで、型枠トレー34の内側に接着剤35を流し込む。接着剤35が固化したら、図18(b)に示すように、型枠トレー34から固化した接着剤35および接着剤35と一体となった透湿性チューブ10を離脱させる。
【0091】
型枠トレー34から離脱させて残った部分は底板部21(または天板部22)をなす。透湿性チューブ10の端部は、固化した接着剤35に外側面のみならず、内側に回り込んで固化した接着剤(樹脂体)35aによって底板部21(または天板部22)に接着されている。透湿性チューブ10の内側に回り込んで固化した接着剤35aは、単に接着強度を得るだけでなく、内側から透湿性チューブ10の潰れを阻んで蓋体を構成する接着剤35からの剥離を防止し、水漏れを防止する効果を発揮する。
【0092】
なお、水槽20は密閉形に限らず、図19に示すように上部を開放させた開放形としてもよい。この場合、水槽20の底部は上記第8の実施形態の底板部21の構造、もしくは上記[態様1]、または[態様2]の構造がそのまま適用される。
【0093】
【実施例】
以下では、上記第8の実施形態に示した透湿モジュール2を、接着剤26の種類(下記参照)を換えて複数試作し、それらについて水漏れの検証を行った結果を示す。水漏れの検証は、具体的には、試作した各透湿モジュール2に水位が常時200mmとなるように(図13参照)水を随時注入し、透湿性チューブ10の端部と接着剤26との界面からの水漏れの有無を観察した。その結果を図20に示す。なお、注水当初は、いずれの試作品においても、200mmの水頭圧がかかる透湿性チューブ10の下端に大きな変形や潰れ等は見られなかった。
[接着剤の種類]
1.サンユレック株式会社製サンユレジンウレタン配合樹脂;品番SU−2153−9(粘度1230cps,可使時間120分)
2.サンユレック株式会社製サンユレジンウレタン配合樹脂;品番UF−820(粘度200cps,可使時間30分)
3.エッチ・アンド・ケー株式会社製注形用ポリウレタン樹脂;品番T−143(粘度1500cps,可使時間20分)
4.セメダイン株式会社製エポキシ系樹脂接着剤;品番1565(粘度1500cps,可使時間30分)
5.セメダイン株式会社製アクリル系樹脂接着剤;品番Y616(粘度5000cps,可使時間4分)
6.東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製二液混合型RTVシリコーンゴム;品番CY51−038RTV(粘度500cps,可使時間20分)
7.東レ・ダウコーニングシリコーン株式会社製一液型シーラント;品番SE9186LRTV,粘度25000cps,可使時間7分)
なお、1.〜3.はいずれも二液混合型ウレタン系接着剤、4.は二液混合型エポキシ系接着剤、5.は二液混合型アクリル系接着剤、6.は二液混合型シリコーン系接着剤、7.は一液型シリコーン系接着剤である。
【0094】
図20の表に示すように、シリコーン系を除く各種の接着剤を使用した試作品において、水漏れは観察されず非常に良好な性能が確認できた。また、上記第8の実施形態に示した透湿モジュール2の[態様1]、[態様2]についても上記とまったく同様の水漏れの検証を行っており、これらについても非常に良好な性能が確認できた。
【0095】
次に、代表的な例として上記第8の実施形態に示した透湿モジュール2を、透湿性チューブ10(内径;4.6mm、外径;5.0mm、肉厚;0.2mm)の長さを変えて468本を1モジュールとしたものを複数試作し、それらについて加湿量を検証した結果を図21に示すが、本発明はこれに限定されない。加湿量の検証は、具体的には、試作した各透湿モジュール2に水位が常時一定となるように(図13参照)水を随時注入し、透湿性チューブ10内に気温20℃で湿度40%の空気を送り込んだときのタンク1の水の減少量を測定した。図21には、透湿性チューブ10内を通過する空気の速度と、透湿性チューブ10の単位表面積当たりの24時間での加湿量(水の減少量、すなわち水透過量)との関係を示す。
【0096】
図21のグラフに示すように、透湿性チューブ10の長さを81mmとした場合は、チューブ表面積が0.6mとなり、通過風速3.2m/secのとき加湿量12000g/m・24hrsを記録した。透湿性チューブ10の長さを125mmとした場合は、チューブ表面積が0.9mとなり、通過風速3.2m/secのとき加湿量10000g/m・24hrsを記録した。透湿性チューブ10の長さを175mmとした場合は、チューブ表面積が1.2mとなり通過風速3.2m/secのとき加湿量7500g/m・24hrsを記録した。チューブが長くなるにつれて、表面積は増加するものの、チューブを介した水/空気界面の濃度差が、チューブ入口で最も高く、出口付近でその空気温度の飽和水蒸気量へ近づくために、通過風速3.2m/sec以下では、チューブ長さを長くしても、効率は上がらないことが明らかとなった。
【0097】
次に、上記第8の実施形態に示した透湿モジュール2を、透湿性チューブ10(内径;4.6mm、外径;5.0mm、肉厚;0.2mm)の長さを変えて468本を1モジュールとしたものを複数試作し、それらについて加熱した空気を送り込んだときの加湿量を検証した結果を図22に示す。加湿量の検証は、具体的には、気温20℃、湿度40%の環境下で、試作した各透湿モジュール2に水位が常時一定となるように(図13参照)水を随時注入し、透湿性チューブ10内にヒータ4によって加熱された空気の温度を計測し、その空気を送り込んだときのタンク1の水の減少量を測定した。図22には、透湿性チューブ10の表面積と、透湿性チューブ10の24時間での加湿量(水の減少量、すなわち水透過量)との関係を示す。
【0098】
図22のグラフに示すように、チューブ通過風速によって、空気温度が43℃,33℃,31℃と変化し、チューブ通過風速が遅いほど、空気温度は高い。透湿性チューブ10の表面積が0.6mのとき、空気温度によって加湿量は7200〜7700g/24hrsを記録した。透湿性チューブ10の表面積が0.9mのとき、空気温度によって加湿量は8700〜10200g/24hrsを記録した。透湿性チューブ10の表面積が1.2mのとき、空気温度によって加湿量は10000〜12000g/24hrsを記録した。ヒータによって空気温度を上げることで、3.2m/secの通過風速においても加湿量をふやすことができ、チューブ通過風速とモジュールに送り込む空気温度を調節することで、加湿能力が向上する。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る加湿器によれば、透湿性ポリウレタンが分子レベルの水のみを透過し、雑菌やスケールは透過させないため、空気中への雑菌の拡散を防止するとともに微細孔の詰まりを原因とする性能低下が防止できる。しかも、詰まりを生じ難くなるので、透湿性ポリウレタンからなる部品に対する定期的または不定期的なメインテナンスや交換作業の時間的な間隔を長くすることができ、使用に際して余計な手間や交換に伴うコストが削減できる。
【0100】
また、本発明によれば、複数の透湿性チューブを、複数の列をなすように配置することにより、透湿モジュール内部の水蒸気の抜けが良くなり、水分の透過も円滑に行われるようになるので、効率の高い運転が可能である。
【0101】
本発明によれば、ポンプの駆動量を調節することにより、透湿性チューブを透過する水分量を制御できるので、従来のようにヒータで水を加熱して加湿した空気を作り出す機構を持たなくても所望の湿度環境を作り出すことが可能である。
【0102】
本発明によれば、透湿モジュール内の空気の通路を波打った形状とすることにより、透湿性チューブの表面に乱流が生じ、透湿モジュールに順次送り込まれる湿度の低い空気が透湿性チューブの表面に活発に接触するようになって透湿性チューブ内外の湿度の不均衡による水分の透過が活発になるので、効率の高い運転が可能である。
【0103】
本発明によれば、透湿モジュール内の空気の通路が互いに交差し合うことにより、透湿モジュールに送り込まれる空気の流れに変化が生まれ、透湿モジュールに順次送り込まれる湿度の低い空気が透湿性チューブの表面に活発に接触するようになって透湿性チューブ内外の湿度の不均衡による水分の透過が活発になる。さらに、個々の透湿性チューブが他と接することなく配置されることによっても、透湿性チューブ内外の湿度の不均衡による水分の透過が活発になるので、効率の高い運転が可能である。
【0104】
本発明によれば、透湿性チューブの両端を除く部分を水中に配置し、該透湿性チューブの外側から内側に水を透過させるとともに、該透湿性チューブの内側を掃気する構造を採用したことにより、透湿性チューブの外側には準静的に水を満たせばよく、透湿性チューブの外側に通風する構造のように通気時の圧力損失を考慮する必要がない。そのため、透湿性チューブどうしの間隔を狭くできるので、加湿器の小型化が可能である。また、管状にした透湿性チューブに空気を流すことになり、圧力損失の低下が起こり難いので、掃気に必要な動力が少なくて済み、経済的である。さらに、水槽を密閉形とした透湿モジュールを形成することにより、加湿器を乱暴に移動させたり倒したりしても、透湿モジュールに注入された水がこぼれ出ることがなく、装置の内部や設置場所の周辺を濡らすことがない。加えて、透湿性チューブの配向を考慮することなく、透湿モジュールを加湿器内部に自由にレイアウトできるので、加湿器の小型化を進めるうえで有利である。
【0105】
本発明によれば、透湿性チューブの外側から内側に水を透過させるとともに該透湿性チューブの内側を掃気する構造を採用し、さらに透湿性チューブの全長を両端の固定位置間の距離よりも長くすることにより、透湿性チューブの全長が膨潤によって変化しても、透湿性チューブそのものや両端の固定部分に無理な応力が作用しないので、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す図であって、加湿器の概略構成図である。
【図2】 透湿モジュール2を構成する透湿チューブ10の配置を示す斜視図である。
【図3】 透湿性チューブを成形する他の例を示す斜視図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態を示す図であって、加湿器の概略構成図である。
【図5】 本発明の第3の実施形態を示す図であって、加湿器の概略構成図である。
【図6】 本発明の第4の実施形態を示す図であって、透湿モジュール2を構成する透湿チューブ10の配置を示す平断面図である。
【図7】 本発明の第5の実施形態を示す図であって、透湿モジュール2を構成する透湿チューブ10の配置を示す平断面図である。
【図8】 (a)は図7の透湿モジュール2を空気の流れ込む方向から見た側面図、(b)は図7の透湿モジュール2を空気の流れ込む方向に直交する方向から見た側面図である。
【図9】 本発明の第6の実施形態を示す図であって、加湿器の概略構成図である。
【図10】 図9におけるA-A線矢視断面図である。
【図11】 本発明の第7の実施形態を示す図であって、加湿器の概略構成図である。
【図12】 水槽15の斜視図である。
【図13】 本発明の第8の実施形態を示す図であって、加湿器の概略構成図である。
【図14】 透湿モジュール2の斜視図である。
【図15】 下蓋体21の要部断面図である。
【図16】 第8の実施形態に示した透湿モジュール2を備える加湿器のより具体的な機器の配置を示す側面図である。
【図17】 図15とは異なる構造の底板部の態様を示す要部断面図である。
【図18】 図15、図17と異なる構造の底板部の態様を示す要部断面図である。
【図19】 開放形の水槽20を示す斜視図である。
【図20】 本発明の第8の実施形態に示した透湿モジュール2を、接着剤26の種類を換えて複数試作し、それらについて水漏れの検証を行った結果を示す表である。
【図21】 本発明の第8の実施形態に示した透湿モジュール2を、透湿性チューブ10の長さを変えて468本を1モジュールとしたものを複数試作し、それらについて加湿量を検証した結果をに示すグラフである。
【図22】 本発明の第8の実施形態に示した透湿モジュール2を、透湿性チューブ10の長さを変えて468本を1モジュールとしたものを複数試作し、それらについて加熱した空気を送り込んだときの加湿量を検証した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 タンク
2 透湿モジュール
3 ファン
4 ヒータ
10 透湿性チューブ
13,15,20 水槽

Claims (25)

  1. イソシアネート成分と、鎖延長剤としてのジオールと、ポリオール成分としてのポリエチレングリコールとが少なくとも原料として用いられ、
    前記鎖延長剤と、分子量が2500以上3500以下の範囲の前記ポリオール成分との比が、前記ポリオール成分1モルに対して鎖延長剤が4モル以上10モル以下となる範囲内に調製され、
    これら原料が反応させられて得られる透湿性ポリウレタンを備え、
    該透湿性ポリウレタンを透過した水分を任意の空間に供給して加湿することを特徴とする加湿器。
  2. さらに、前記ポリオール成分全体に対する配合量として1wt%以上70wt%以下のシリコン型ポリオールが原料として用いられることを特徴とする請求項1記載の加湿器。
  3. 前記鎖延長剤としてのジオールは、1,4−ブタンジオールであることを特徴とする請求項1または2に記載の加湿器。
  4. 前記イソシアネート成分は、4−4’メチレンビスフェニルイソシアネートであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の加湿器。
  5. 前記イソシアネート成分とポリオール成分との比が、ポリオール成分1モルに対してイソシアネート成分が2モル以上12モル以下となる範囲内に調製されたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の加湿器。
  6. 前記透湿性ポリウレタンを管状に成形して透湿性チューブとし、該透湿性チューブの内側に水を供給して外側に透過させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の加湿器。
  7. 前記水を前記透湿性チューブの内側に加圧供給するポンプを備えることを特徴とする請求項6記載の加湿器。
  8. 前記透湿性チューブの一端を、該透湿性チューブの他端よりも上方に配置し、前記透湿性チューブに前記他端から前記一端に向けて前記水を流通させることを特徴とする請求項6または7に記載の加湿器。
  9. 前記透湿性チューブの一端を、該透湿性チューブの他端よりも上方に配置し、前記透湿性チューブに前記一端から前記他端に向けて前記水を流通させることを特徴とする請求項6または7に記載の加湿器。
  10. 前記透湿性ポリウレタンを管状に成形して透湿性チューブとし、該透湿性チューブの両端を除く部分を水中に配置し、該透湿性チューブの外側から内側に水を透過させるとともに、該透湿性チューブの内側を掃気することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の加湿器。
  11. 前記透湿性チューブの全長を、前記両端間の距離よりも長くしていることを特徴とする請求項10記載の加湿器。
  12. 前記透湿性チューブを複数、並列に接続した透湿モジュールを備えることを特徴とする請求項6から11のいずれかに記載の加湿器。
  13. 前記透湿性チューブを、該透湿性チューブの長さ方向から見て該透湿性チューブの断面が複数の列をなすように配置したことを特徴とする請求項6から11のいずれかに記載の加湿器。
  14. 前記透湿性チューブの列を、前記長さ方向から見て前記透湿性チューブの断面が波打つように配置したことを特徴とする請求項13記載の加湿器。
  15. 前記透湿性チューブを、該透湿性チューブの長さ方向から見て該透湿性チューブの断面が千鳥状をなすように配置したことを特徴とする請求項6から11のいずれかに記載の加湿器。
  16. イソシアネート成分、鎖延長剤としてのジオール、ポリオール成分としてのポリエチレングリコールを少なくとも原料として用い
    前記鎖延長剤と、分子量が2500以上3500以下の範囲の前記ポリオール成分との比が、ポリオール成分1モルに対して鎖延長剤が4モル以上10モル以下となる範囲内に調製され、
    これらを反応させることで得られる透湿性ポリウレタンを管状に成形して透湿性チューブとし、
    該透湿性チューブを複数束ねて保持するとともに、これら複数の透湿性チューブの両端を除く部分を水槽の内側に配置していることを特徴とする透湿モジュール。
  17. さらに、前記ポリオール成分全体に対する配合量として1wt%以上70wt%以下のシリコン型ポリオールが原料として用いられることを特徴とする請求項16記載の透湿モジュール。
  18. 前記水槽を、注水口を有する密閉形とし、内側に配置した各透湿性チューブの両端を前記水槽の内側面に接続し、各透湿性チューブの内側を、前記水槽の外側面に形成した孔を通じて外部に露出させていることを特徴とする請求項16または17に記載の透湿モジュール。
  19. 前記水槽を、上部を開放させた開放形とし、内側に配置した各透湿性モジュールの一端を前記水槽の内側面に接続し、各透湿性チューブの内側を、前記水槽の外側面に形成した孔を通じて外部に露出させたことを特徴とする請求項16または17に記載の透湿モジュール。
  20. 前記水槽の一部を樹脂成形し、該樹脂が固化する過程で前記透湿性チューブの端部を接着し、各透湿性チューブの内側を、前記水槽の一部に形成した孔を通じて前記水槽の外部に露出させていることを特徴とする請求項16または17に記載の透湿モジュール。
  21. 前記透湿性チューブの端部内面に、該透湿性チューブの内側への変形を防止する樹脂体が形成されていることを特徴とする請求項20記載の透湿モジュール。
  22. 前記水槽の内側面に、前記孔に連通する筒状部を立設し、該筒状部に前記透湿性チューブの端部を被着させることで前記水槽に該透湿性チューブを接続していることを特徴とする請求項16または17に記載の透湿モジュール。
  23. 前記水槽の内側面に接着剤を付着させて前記水槽と前記透湿性チューブとを接着していることを特徴とする請求項22記載の透湿モジュール。
  24. 前記筒状部と該筒状部に被着させた前記透湿性チューブとの間に接着剤を満たして両者を接着していることを特徴とする請求項21記載の透湿モジュール。
  25. 請求項16から24のいずれかに記載の透湿モジュールを備え、前記水槽に溜めた水を前記透湿性チューブの外側から内側に水を透過させるとともに、該透湿性チューブの内側を掃気することを特徴とする加湿器。
JP2002370808A 2001-12-21 2002-12-20 加湿器および透湿モジュール Expired - Fee Related JP4278972B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002370808A JP4278972B2 (ja) 2001-12-21 2002-12-20 加湿器および透湿モジュール

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001389560 2001-12-21
JP2002208170 2002-07-17
JP2002370808A JP4278972B2 (ja) 2001-12-21 2002-12-20 加湿器および透湿モジュール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004101161A JP2004101161A (ja) 2004-04-02
JP4278972B2 true JP4278972B2 (ja) 2009-06-17

Family

ID=32303179

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002370808A Expired - Fee Related JP4278972B2 (ja) 2001-12-21 2002-12-20 加湿器および透湿モジュール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4278972B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4978968B2 (ja) * 2007-06-25 2012-07-18 三菱重工業株式会社 透湿体及びこれを備えた加湿器
JP2010164266A (ja) * 2009-01-16 2010-07-29 Sankyo Air Tech Co Ltd 加湿器
JP6372786B1 (ja) * 2017-06-16 2018-08-15 蓮池 ▲昇▼ 空気清浄機
JP6960567B2 (ja) * 2017-07-21 2021-11-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 加湿装置
CN112556052A (zh) * 2020-12-29 2021-03-26 余旦 多功能的高效加湿结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004101161A (ja) 2004-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7380774B2 (en) Humidifier
JPS612868A (ja) 改善されたポツテイング及び接着組成物を有する流体分離用装置
EP1994976A1 (en) Hollow-fiber module and process for producing the same
ES2718251T3 (es) Elemento soporte para módulo de membranas con fibras huecas
JP4278972B2 (ja) 加湿器および透湿モジュール
BR112016004440B1 (pt) Módulo de membrana de fibra oca do tipo cartucho e método para fabricar o módulo de membrana de fibra oca do tipo cartucho
US20110031180A1 (en) Hollow-Fiber Module and Process for Producing The Same
US20210114903A1 (en) Sheet laminate, method for manufacturing gas supply body, gas supply body, supply body unit, and wastewater treatment device
RU2012131486A (ru) Гидрогелевая матрица с улучшенными клеящими характеристиками
US5624610A (en) Humidifier
CN101824298B (zh) 一种用于中空纤维膜组件的铸封材料
CN109789369A (zh) 气体分离膜元件、气体分离膜模块及气体分离装置
CA1147491A (en) Catalyzed non-toxic polyurethane forming compositions and separatory devices employing the same
JP7100787B2 (ja) 加湿エレメント及び該加湿エレメントを用いた加湿機装置
JP3478623B2 (ja) 加湿装置
USRE31389E (en) Non-wicking polyurethane casting systems
EP1291585A2 (en) Gas/liquid separation devices
EP0329474A2 (en) Amine containing polyurethane compositions for separatory devices
JPH0871378A (ja) 中空糸膜ポッティング用ウレタン樹脂
JP2020129431A (ja) 加湿モジュール及び該加湿モジュールを用いた流体の加湿方法
JPH08100935A (ja) 加湿用シート及び加湿エレメント
JP2000274754A (ja) 加湿用シート及び加湿エレメント
JP4563118B2 (ja) 加湿器
KR100859806B1 (ko) 기능성 필터 및 이를 포함하는 공기순환장치
JP2002035533A (ja) 除加湿エレメント、除加湿ユニット及び除加湿装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081021

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090311

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120319

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees