JP4278821B2 - ワイヤカット放電加工機のncプログラム作成装置とその作成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、加工対象物を所定の加工形状にワイヤ電極によって放電加工するためのNCプログラムを作成するワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置とその作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加工対象物とワイヤ電極との間の相対運動を位置、速度などの数値情報によって制御して、放電加工に関する一連の動作をプログラムした指令によって実行するワイヤカット放電加工機が知られている。このワイヤカット放電加工機では、APT装置(Automatically Programmed Tools:自動プログラミング装置)又はCAD/CAM装置(Computer Aided Design/Computer Aided Manufacturing)を使用することによって、加工形状を特定した図面に基づいて加工形状のNC(Numerical Control:数値制御)プログラムを作成する。ワイヤカット放電加工機は、このNCプログラムが入力され、加工条件などの必要な事項が設定されると、放電加工を開始する。
【0003】
一般に、APT装置を使用してプログラムを作成する場合には、加工形状を特定した図面に合わせて線や円などの図形要素を順次指定することで図形定義がされ、加工形状が決定される。そして、決定した加工形状に対してワイヤ電極の移動経路(運動軌跡)が指定されるとともに、加工位置、加工個数、加工開始点及び加工終了点などの加工に必要な種々の情報が入力される。APT装置は、これらの情報に基づいて所定の演算処理を実行し、加工開始点や加工終了点などを含む加工形状の全周にわたるワイヤ電極の移動経路をNCプログラムコードにより表現したNCプログラムを出力する。
【0004】
このようなワイヤカット放電加工機を使用して精密金型などを作成する場合には、APT装置が作成したNCプログラムを数値制御装置に入力する必要がある。数値制御装置は、要求される面粗度(加工面粗さ)及び加工精度に適した加工回数及び加工条件を決定する工具補正機能(補正機能)を備えている。ワイヤカット放電加工機は、入力された一連のNCプログラムで表現されたワイヤ電極の移動経路をシフトさせながらオフセット量を徐々に小さくして、ファーストカットからセカンドカット、サードカットと加工対象物を複数回加工する。この場合に、APT装置は、ファーストカットでは、一定のオフセット量及び加工条件によって加工形状の全周を加工する一つのプログラムを作成し、セカンドカット以降では、ファースカットのプログラムを利用してオフセット量及び加工条件のみを変更したプログラムを作成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなワイヤカット放電加工機を使用して精密金型や部品などを作成する場合には、高い加工精度や細かい面粗度が部品の全周にわたり要求されずに、加工形状の一部にのみ要求されるときがある。例えば、はさみなどを加工する場合には、切刃部やかしめ部にのみ高い加工精度や細かい面粗度が要求されることがある。
【0006】
しかし、従来のAPT装置では、一定のオフセット量及び加工条件によって加工形状の全周を加工する一つのプログラムを作成する。その結果、高い加工精度や細かい面粗度が加工形状の一部に要求される場合であっても、この加工形状の一部の加工精度や面粗度に合わせて加工形状の全てを仕上げてしまうために、加工時間が長くなって生産性を向上させることができない。
【0007】
従来のAPT装置は、このような無駄な加工時間を省略するために、加工形状の全周を加工するための全体加工プログラムと、加工形状の一部を複数回加工するための部分加工プログラムとを作成する。ワイヤカット放電加工機は、全体加工プログラムによって加工形状の全周を加工した後に、部分加工プログラムによって所定の位置にワイヤ電極を位置決めして、加工形状の一部のみを複数回加工して仕上げる。
【0008】
図12は、従来のワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置が作成したNCプログラムによって加工された加工対象物の斜視図である。図13は、従来のワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置が作成したNCプログラムによる加工方法を説明するための図である。
【0009】
図12に示すように、加工対象物110は、加工形状L104,L105,L106が加工形状L103,L107よりも高い加工精度と細かい面粗度で加工されている。図13に示すように、全体加工プログラムPWに基づいて、加工形状L103,L104,…,L107をワイヤ電極が仕上げる。次に、部分加工プログラムPR2に基づいて、開始点Sに位置決めされ開始点Sから往復移動しながら点線部分C1をワイヤ電極が加工し、加工形状L104,L105,L106をワイヤ電極が仕上げる。
【0010】
このような加工作業を放電加工機によって連続した自動運転とするためには、APT装置や数値制御装置のプログラム編集機能を利用して、全体加工プログラムPWと部分加工プログラムPR2とを一つのNCプログラムに作業者が編集しなければならない。しかし、このような編集作業は、例えば、図13に示す座標A,B,Cなどの相互の位置関係を決定したり、開始点Sにワイヤ電極を移動させ位置決めするためのプログラムなどを作成する必要があり、熟練したプログラミング能力と煩雑な編集労力が必要になる。
【0011】
この発明は、加工形状の一部に異なる加工要求を含む放電加工を連続して実行するためのNCプログラムを自動的に簡単に作成することができるワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置とその作成方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、以下に記載する解決手段により、前記課題を解決する。なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定するものではない。請求項1の発明は、加工対象物を所定の加工形状にワイヤ電極によって放電加工するためのNCプログラムを作成するワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置であって、前記加工形状の全形状(L1〜L13)のうち前記加工形状の全形状(L1〜L13)に比較して高い仕上げ面粗度または仕上げ加工精度が要求される部分仕上げの形状要素を指定形状(L4〜L6,L8〜L10)として指定するとともに前記加工形状の全形状(L1〜L13)と前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)とのそれぞれに対して異なる前記仕上げ面粗度、前記仕上げ加工精度または加工回数の何れかの加工要求を入力する入力手段(2)と、前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)に要求される前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)に対して入力された前記加工要求に基づいて得られる加工回数だけ前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)を前記ワイヤ電極によって往復加工させる往復加工プログラム(PAn,PBn)を作成する往復加工プログラム作成手段(8a)と、前記加工形状の全形状(L1〜L13)のうち前記指定形状以外の形状要素を非指定形状(L1〜L3,L7,L11〜L13)として前記非指定形状(L1〜L3,L7,L11〜L13)に要求される前記加工形状の全形状(L1〜L13)に対して入力された前記加工要求に基づいて得られる加工回数だけ非指定形状(L1〜L3,L7,L11〜L13)を前記ワイヤ電極によって加工させる加工プログラム(PW)を作成する加工プログラム作成手段(8b)と、前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)に対して入力された前記加工要求に適する前記加工回数毎の加工条件及び前記ワイヤ電極のオフセット量を前記往復加工プログラム(PAn,PBn)に設定するとともに前記加工形状の全形状(L1〜L13)に対して入力された前記加工要求に適する前記加工回数毎の加工条件及び前記ワイヤ電極のオフセット量を前記加工プログラム(PW)に設定する設定手段(8c)と、前記往復加工プログラム(PAn,PBn)と前記加工プログラム(PW)とを連続したNCプログラムに合成するプログラム合成手段(8d)とを含むワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置(1)である。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の放電加工機のNCプログラム作成装置において、前記ワイヤ電極の径と前記加工対象物の板厚毎に前記面粗度と前記加工精度と前記加工回数および前記面粗度または前記加工精度に適する前記加工回数毎の前記加工条件及び前記オフセット量を各値に対応するように記憶する記憶手段(5)と、前記加工回数が入力されていないときは前記面粗度または前記加工精度に適する前記加工回数を検索するとともに前記加工要求に適する前記加工条件及び前記オフセット量を前記記憶手段から検索する検索手段(6)とを含むワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置である。
【0014】
前記指定形状に要求される加工回数と前記非指定形状に要求される加工回数とが入力されているときは、前記面粗度または前記加工精度から前記加工回数を検索することなく、前記加工回数、前記加工条件及び前記オフセット量を記憶する記憶手段(5)から前記入力手段によって入力された前記加工回数に適した前記加工条件及び前記オフセット量を検索する。
【0015】
請求項3の発明は、加工対象物を所定の加工形状にワイヤ電極によって放電加工するためのNCプログラムを作成するワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成方法であって、前記加工形状の全形状(L1〜L13)のうち前記加工形状の全形状(L1〜L13)に比較して高い仕上げ面粗度または仕上げ加工精度が要求される部分仕上げの形状要素を指定形状(L4〜L6,L8〜L10)として指定するとともに前記加工形状の全形状(L1〜L13)に対して前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)の仕上げ面粗度または仕上げ加工精度が高くなるように前記加工形状の全形状(L1〜L13)と前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)のそれぞれに対して異なる前記仕上げ面粗度、前記仕上げ加工精度または前記加工回数の何れかの加工要求を入力する手順(S200,S700)と、前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)に要求される前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)に対して入力された前記加工要求に基づいて得られる加工回数だけ前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)を前記ワイヤ電極によって往復加工させる往復加工プログラム(PAn,PBn)を作成する手順(S803,S804,S806,S808)と、前記加工形状の全形状(L1〜L13)のうち前記指定形状以外の形状要素を非指定形状(L1〜L3,L7,L11〜L13)として前記非指定形状(L1〜L3,L7,L11〜L13)に要求される前記加工形状の全形状(L1〜L13)に対して入力された前記加工要求に基づいて得られる加工回数だけ前記非指定形状(L1〜L3,L7,L11〜L13)を前記ワイヤ電極によって加工させる加工プログラム(PW)を作成する手順(S802,S812,S813,S817,S8171〜S8173)と、前記指定形状(L4〜L6,L8〜L10)に対して入力された前記加工要求に適する前記加工回数毎の加工条件及び前記ワイヤ電極のオフセット量を前記往復加工プログラム(PAn,PBn)に設定するとともに前記加工形状の全形状(L1〜L13)に対して入力された前記加工要求に適する前記加工回数毎の加工条件及び前記ワイヤ電極のオフセット量を前記加工プログラム(PW)に設定する手順(S809,S816,S818)と、前記往復加工プログラム(PAn,PBn)と前記加工プログラム(PW)とを連続したNCプログラムに合成する手順(S819)とを含むワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成方法である。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3に記載の放電加工機のNCプログラム作成方法において、前記ワイヤ電極の径と前記加工対象物の板厚毎に前記面粗度と前記加工精度と前記加工回数および前記面粗度または前記加工精度に適する前記加工回数毎の前記加工条件及び前記オフセット量を各値が対応するように記憶されている記憶手段(5)から前記加工回数が入力されていないときは前記加工回数を検索するとともに前記加工要求に適する前記加工条件及び前記オフセット量を検索する手順(S805,S816,S8053,S8055,S8056)とを含むワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成方法である。
【0017】
前記指定形状に要求される加工回数と前記非指定形状に要求される加工回数とが入力されているときは、前記面粗度または前記加工精度から前記加工回数を検索することなく、前記加工回数、前記加工条件及び前記オフセット量を記憶する記憶手段(5)から、入力された前記加工回数に適した前記加工条件及び前記オフセット量を検索する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置のブロック図である。
【0019】
NCプログラム作成装置1は、加工対象物を所定の加工形状にワイヤ電極によって放電加工するためのNCプログラムを作成する装置である。NCプログラム作成装置1は、図1に示すように、入力装置2と、表示装置3と、加工形状演算処理部4と、データベース5と、検索手段6と、一時記憶メモリ7と、プログラム作成処理部8とを備えている。
【0020】
入力装置2は、加工形状に要求される面粗度、加工精度又は加工回数(加工要求)などを入力する装置である。入力装置2は、キーボード2a及びマウス2bから構成されている。入力装置2は、直線、円又は点などの図形要素によって加工形状を定義したり、ワイヤ電極の移動経路を定義したり、加工手順を決定したりする数値情報、プログラムコード又は加工メニューなどを入力又は指定するときに、作業者によって操作される。入力装置2は、加工形状のうち加工要求の異なる形状要素を指定形状として指定するときや、加工形状のうち指定形状以外の形状要素を非指定形状として指定するときにも、作業者によって操作される。入力装置2は、加工要求に関する加工要求情報や、指定形状又は非指定形状に関する形状指定情報を加工形状演算処理部4に出力する。
【0021】
表示装置3は、加工形状や加工状態などを表示するモニタである。表示装置3は、入力装置2を使用して作業者が容易に入力作業や選択作業を行えるように、種々の情報やメニューを画面上に表示する。
【0022】
加工形状演算処理部4は、加工対象物を所定の加工形状に加工するときに必要となる座標値などを演算する装置である。加工形状演算処理部4は、加工形状を線分や円弧などのブロックに分割し、各ブロック毎に開始点、終了点及び中心点などを演算したり交点や接点などの座標値を演算する。加工形状演算処理部4は、入力装置2が出力する加工要求情報を検索手段6に出力するとともに、入力装置2が出力する形状指定情報を往復加工プログラム作成処理部8a及び加工プログラム作成処理部8bに出力する。また、加工形状演算処理部4は、演算した加工形状に関する加工形状情報を表示装置3、往復加工プログラム作成処理部8a及び加工プログラム作成処理部8bに出力する。
【0023】
データベース5は、面粗度、加工精度、加工回数、加工条件及びワイヤ電極のオフセット量などの種々の情報を記憶した記憶装置である。データベース5は、例えば、面粗度又は加工精度に対応する加工回数、加工条件及びワイヤ電極のオフセット量などを対照表形式で予めテーブル化して記憶している。
【0024】
検索手段6は、入力手段2から入力された加工要求情報に基づいて、加工要求に適した加工条件及びワイヤ電極のオフセット量などに関する情報をデータベースから検索する装置である。検索手段6は、例えば、加工要求情報が面粗度又は加工精度であるときには、この面粗度又は加工精度に適した加工回数、加工条件及びワイヤ電極のオフセット量などをデータベースから検索して読み出す。検索手段6はこれらの加工条件などを加工情報として一時記憶メモリ7に出力する。
【0025】
一時記憶メモリ7は、検索手段6が検索した加工回数、加工条件及びワイヤ電極のオフセット量などの加工情報を一時的に記憶する装置である。一時記憶メモリ7は、プログラム作成処理部8からの指令に基づいて、往復加工プログラム作成処理部8a、加工プログラム作成処理部8b及び設定処理部8cに記憶した加工情報を出力する。
【0026】
プログラム作成処理部8は、加工対象物を所定の加工形状にワイヤ電極によって放電加工するためのNCプログラムを作成する中央処理部である。プログラム作成処理部8は、往復加工プログラム作成処理部8aと、加工プログラム作成処理部8bと、設定処理部8cと、プログラム合成処理部8dとを備えている。
【0027】
往復加工プログラム作成処理部8aは、加工形状のうち指定された指定形状(形状要素)を仕上げるために、この指定形状に要求される加工回数だけワイヤ電極によって往復加工させる往復加工プログラムを作成する。往復加工プログラム作成処理部8aは、加工形状演算処理部4が出力する加工形状情報及び形状指定情報に基づいて往復加工プログラムを作成する。
【0028】
加工プログラム作成処理部8bは、加工形状のうち指定形状以外の非指定形状(形状要素)を仕上げるために、この非指定形状に要求される加工回数だけワイヤ電極によって加工させる加工プログラムを作成する。加工プログラム作成処理部8bは、加工形状演算処理部4が出力する加工形状情報及び形状指定情報に基づいて加工プログラムを作成する。
【0029】
設定処理部8cは、指定形状に要求される加工条件及びワイヤ電極のオフセット量を往復加工プログラムに設定するとともに、非指定形状に要求される加工条件及びワイヤ電極のオフセット量を加工プログラムに設定する。設定処理部8cは、一時記憶メモリ7から読み出した加工情報を往復加工プログラム及び加工プログラムにそれぞれ挿入する。
【0030】
プログラム合成処理部8dは、往復加工プログラムと加工プログラムとを連続したNCプログラムに合成する。プログラム合成処理部8dは、NCプログラムを記録媒体に記録する図示しない記録装置を備えている。
【0031】
リムーバブルディスク9は、プログラム作成処理部8が作成したNCプログラムを記録する情報記録媒体である。リムーバブルディスク9は、例えば、フロッピーディスク、光ディスク又は光磁気ディスクなどである。
【0032】
次に、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置の動作を説明する。
図2は、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置の動作を説明するためのフローチャートである。図3は、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置の表示装置が表示した加工形状を示す図である。
以下では、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置によって図3に示す加工形状を加工する場合を例に挙げて説明する。
【0033】
ステップ(以下、Sとする)100において、形状が定義される。入力手段2が作業者によって操作されて、加工形状演算処理部4が加工形状を定義すると、図3に示すように表示装置3が加工形状L1,…,L13を画面上に表示する。
【0034】
S200において、加工開始位置、加工要求が入力される。作業者は、表示装置3が表示する加工形状L1,…,L13を参照しながら、スタート穴SH内の加工開始点Sと、この加工開始点Sから最初の加工形状L1に至る加工経路ALと、加工終了点Eと、加工形状L1,…,L13の全形状に対して面粗度、加工精度又は加工回数などの加工要求とを入力手段2を使用して入力する。
【0035】
S300において、工具電極が運動定義される。作業者は、加工形状L1,…,L13を参照しながら、ワイヤ電極の移動経路や右回り又は左回り(加工方向)などを定義する。
【0036】
S400において、加工形状演算処理部4は、部分仕上げの有無を選択するメニューを表示させる指令を表示装置3に出力し、作業者により部分仕上げのメニューが選択されると部分仕上げ処理が必要と判断されS600に進む。また部分仕上げ無が選択されるとS500に進む。
【0037】
S500において、プログラム作成処理1が実行される。プログラム作成処理部8は、S200において入力された加工要求にもとづいて検索手段6がデータベース5から検索した加工形状L1,…,L13に要求される加工回数、加工条件及びワイヤ電極のオフセット量によって、この加工形状L1,…,L13の全てを加工させるNCプログラムを作成する。
【0038】
次に、例えば、図3に示す加工形状のうち指定された形状要素L4,L5,L6及びL8,L9,L10に部分仕上げが要求される場合について説明する。S600において、仕上げ部分の形状要素が指定される。作業者は、加工形状L1,…,L13を参照しながら、加工形状L1,…,L13のうち高い面粗度や細かい加工精度を要求する部分の形状要素を仕上げ部分(指定形状)として入力装置2、例えばマウス2bを用いて指定する。図3において、太線部分として示された加工形状L4〜L6,L8〜L10は仕上げ部分(指定形状)であり、加工形状L1〜L3,L7,L11〜L13は仕上げ部分以外の部分(非指定形状)である。
【0039】
S700において、仕上げ部分の加工要求が入力される。作業者は、指定した仕上げ部分に対して要求する加工回数、面粗度又は加工精度などの加工要求を入力装置2によって入力する。
【0040】
S800において、プログラム作成処理2が実行される。プログラム作成処理部8は、仕上げ部分に要求される加工回数、加工条件及びワイヤ電極のオフセット量によって、この仕上げ部分を加工するプログラムを作成する。また、プログラム作成処理部8は、S200で入力された加工要求情報をもとに検索手段6が検索した仕上げ部分以外の部分に要求される加工回数、加工条件及びワイヤ電極のオフセット量によって、この仕上げ部分以外の部分を加工するプログラムを作成する。そして、プログラム作成処理部8は、これらのプログラムを連続したNCプログラムに合成する。
【0041】
S900において、NCプログラムが出力される。プログラム作成処理部8は、リムーバブルディスク9にNCプログラムを記録する。
【0042】
次に、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置におけるプログラム作成処理2を説明する。
図4は、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置におけるプログラム作成処理2を説明するためのフローチャートのである。図5は、図4に続くフローチャートである。図6は、図3のVI部分を拡大して示す図である。
以下では、プログラム作成処理部8の動作を中心に説明する。
【0043】
S801において、プログラム作成処理部8は、カウンタn=1に設定する。プログラム作成処理部8は、指定形状の個数をカウントするためのカウンタnを1に設定する。このカウント数が後述する各プログラムをそれぞれ区別する特定番号となる。
【0044】
S802において、プログラム作成処理部8は、加工開始点Sから指定形状の開始点SPn までプログラムPWn を作成する。加工プログラム作成処理部8bは、図3に示す加工開始点Sから経路ALを通過して最初の指定形状の開始点SP1 まで加工するためのプログラムPW1 を作成する。
【0045】
S803において、プログラム作成処理部8は、指定形状の開始点SPn から終点EPn までのプログラムPAn を作成する。往復加工プログラム作成処理部8aは、図6に示す最初の指定形状の開始点SP1 から終点EP1 まで加工するためのプログラムPA1 を作成する。
【0046】
S804において、プログラム作成処理部8は、指定形状の終点EPn から開始点SPn までのプログラムPBn を作成する。往復加工プログラム作成処理部8aは、最初の指定形状の終点EP1 から開始点SP1 まで加工するためのプログラムPB1 を作成する。
【0047】
S805において、検索手段6は、加工要求に適した加工回数、補正値、加工条件をデータベース5から検索する。ここで、補正値とは、図6に示すワイヤ電極Wのプログラム軌跡(図中太線)と実際の工具軌跡(図中細線)との差を補正するためのオフセット量H1,H2,H3である。このオフセット量H1,H2,H3は、ワイヤ電極Wの半径Rと、ワイヤ電極表面と放電加工面との間の距離Gとを合計した値である。また、加工条件とは、例えば、ピーク電流値、平均加工電圧、加工液の流量や比抵抗値、ワイヤ電極の直径などである。検索手段6は、加工形状演算処理部4が出力する加工要求情報に基づいて、加工要求に適した加工回数、加工条件及び補正値などに関する加工情報をデータベースから検索して一時記憶メモリ7に出力する。
【0048】
S806において、プログラム作成処理部8は、プログラムPAn とプログラムPBn とを交互に加工回数分作成する。往復加工プログラム作成処理部8aは、一時記憶メモリ7に記憶された加工情報を読み出して、プログラムPAn とプログラムPBn とを加工回数だけ交互に作成する。図6に示すように、加工形状(指定形状)L4〜L6の加工回数は3回に指定されている。この場合に、往復加工プログラム作成処理部8aは、開始点SP1 から終点EP1 まで加工(1回目)するためのプログラムPA1 と、終点EP1 から開始点SP1 まで逆方向に加工(2回目)するためのプログラムPB1 と、開始点SP1 から終点EP1 まで加工(3回目)するためのプログラムPA1 とを作成する。このように、往復加工プログラム作成処理部8aは、加工形状(指定形状)L4〜L6の加工要求に適した加工回数だけワイヤ電極によって往復加工するための往復加工プログラムを作成する。
【0049】
S807において、プログラム作成処理部8は、加工回数が偶数であるか否かを判断する。往復加工プログラム作成処理部8aは、一時記憶メモリ7から読み出した加工情報に基づいて、加工回数が偶数か否かを判断する。加工回数が偶数であるときには、S808に進み、加工回数が奇数であるときには、S809に進む。
【0050】
S808において、プログラム作成処理部8は、プログラムPAn を移動プログラムに変換作成する。例えば、図6に示す加工形状(指定形状)L4〜L6の加工回数が2回であるときには、終点EP1 から開始点SP1 まで逆方向に移動してワイヤ電極が加工を終了するために、開始点SP1 から終点EP1 までワイヤ電極を戻すためのプログラムが必要になる。その結果、往復加工プログラム作成処理部8aは、開始点SP1 から終点EP1 まで加工を行わずにワイヤ電極を移動させるために、プログラムPA1 を移動プログラムに変換する。
【0051】
S809において、プログラム作成処理部8は、プログラムPAn 及びプログラムPBn の先頭に、検索された補正値と加工条件とを順次挿入する。設定処理部8cは、一時記憶メモリ7に記憶された加工情報を読み出して、プログラムPAn 及びプログラムPBn に加工条件及び補正量を挿入する。図6に示す加工形状(指定形状)L4〜L6は加工回数が3回である。この場合に、設定処理部8cは、開始点SP1 から終点EP1 まで加工をしながらワイヤ電極を移動させるプログラムPA1 に補正量H1を設定し、終点EP1 から開始点SP1 までワイヤ電極を移動させるプログラムPB1 に補正量H2を設定し、開始点SP1 から終点EP1 までワイヤ電極を移動させるプログラムPA1 に補正量H3を設定する。
【0052】
S810において、プログラム作成処理部8は、カウンタn=n+1に設定する。プログラム作成処理部8は、指定形状の個数をカウントするためのカウンタnを1つインクリメントする。
【0053】
S811において、プログラム作成処理部8は、次の指定形状があるか否かを判断する。プログラム作成処理部8は、加工形状(指定形状)L4〜L6以外にも指定形状があるか否かを判断する。図3に示すように、加工形状L8〜L10が指定形状であるときには、S812に進む。一方、S810において、加工形状L8〜L10以外に指定形状がないときは、S813に進む。
【0054】
S812において、プログラム作成処理部8は、次の指定形状までのプログラムPWn を作成する。加工プログラム作成処理部8bは、図3に示す終点EP1 から次の指定形状の開始点SP2 までのプログラムPW2 を作成して、S803に進む。そして、往復加工プログラム作成処理部8aは、加工形状L8〜L10を往復加工するためのプログラムを作成する。
【0055】
S813において、プログラム作成処理部8は、指定形状の終了点EPn-1 から加工終了点EまでのプログラムPWE を作成する。加工プログラム作成処理部8bは、図3に示す終点EP2 から加工終了点EまでのプログラムPWE を作成する。
【0056】
S814において、プログラム作成処理部8は、指定形状以外は複数回加工であるか否かを判断する。プログラム作成処理部8は、S200で入力された加工要求情報に基づいて検索手段6で検索され一時記憶メモリ7に記憶されている加工情報を一時記憶メモリ7から読み出して、加工形状(指定形状)L4〜L6,L8〜L10以外の加工形状(非指定形状)L1〜L3,L7,L11〜L13の加工回数が複数回であるか否かを判断する。非指定形状の加工回数が1回であるときには、S815に進み、非指定形状の加工回数が2回以上であるときには、S816に進む。
【0057】
S815において、プログラム作成処理部8は、プログラムPW n 及びプログラムPW E の先頭に加工要求入力情報に基づいて検索された1回加工用の補正値と加工条件とを挿入する。設定処理部8cは、一時記憶メモリ7に記憶された加工情報を読み出して、プログラムPW1,PW2,PWEに加工条件及び補正量を挿入して、S819に進む。
【0058】
S816において、複数加工である場合、検索手段6は、加工要求に適した加工回数、補正値、加工条件をデータベース5から検索する。検索手段6は、加工形状演算処理部4が出力する加工要求情報に基づいて、加工要求に適した加工回数、加工条件及び補正値などに関する加工情報をデータベース5から検索して一時記憶メモリ7に出力する。
【0059】
S817において、プログラム作成処理部8は、全形状往復プログラムPWを作成する。加工プログラム作成処理部8bは、例えば、図3に示す加工形状(非指定形状)L1〜L3,L7,L11〜L13を複数回加工するための全形状往復プログラムPWを作成する。
【0060】
S818において、プログラム作成処理部8は、各プログラムPWA,PWBの先頭に補正値と加工条件とを挿入する。設定処理部8cは、一時記憶メモリ7に記憶された加工情報を読み出して、全形状往復プログラムPWを構成する各プログラムPWA,PWBに補正値及び加工条件を挿入する。
【0061】
S819において、プログラム作成処理部8は、一連のプログラムを合成する。プログラム合成処理部8dは、図3に示す加工形状(指定形状)L4〜L6,L8〜L10を往復加工させるプログラムPAn ,PBn と、加工形状(非指定形状)L1〜L3,L7,L11〜L13を往復加工させる全形状往復プログラムPW とを連続したプログラムに合成する。
【0062】
次に、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置における検索手段の検索処理を説明する。
図7は、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置における検索手段の検索処理を説明するためのフローチャートである。図8は、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置におけるデータベースの構造を説明するための図である。
【0063】
S8051において、検索手段6は加工要求入力値を取り込む。検索手段6は、加工形状演算処理部4が出力する加工要求情報を取り込む。
【0064】
S8052において、検索手段6は加工回数が指定されたか否かを判断する。図8に示すように、データベース5には、加工回数、面粗度及び加工精度に適した加工条件及び補正量が加工対象物の材質、使用ワイヤ電極径及び板厚毎に対照表形式で記憶されている。なお、図8では、データベース5に記憶されているデータを加工条件及び補正量を呼出しプログラムコードで示している。検索手段6は、加工回数に関する加工要求情報を取り込んだときには、S8053に進み、加工回数以外の加工要求情報を取り込んだときには、S8054に進む。
【0065】
S8053において、検索手段6は、加工回数をキーにデータベース5から補正量及び加工条件を検索する。検索手段6は、例えば、板厚t=20、加工回数が3回に指定されたときには、この加工回数に適した補正量及び加工条件を検索する。この場合には、検索手段6は、図8に示すように、ファーストカット(1st)が加工条件コードC11及び補正量コードH11で定義され、セカンドカット(2nd)が加工条件コードC12及び補正量コードH12で定義され、サードカット(3rd)が加工条件コードC13及び補正量コードH13で定義された加工情報を検索する。
【0066】
S8054において、検索手段6は面粗度が指定されたか否かを判断する。検索手段6は、面粗度に関する加工要求情報を取り込んだときには、S8055に進み、面粗度以外の加工要求情報を取り込んだときには、S8056に進む。
【0067】
S8055において、検索手段6は、面粗度をキーにデータベース5から補正量及び加工条件を検索する。検索手段6は、例えば、板厚t=30、面粗度5と指定されたときには、加工回数3回、加工条件コードC51,C52,C53及び補正量コードH51,H52,H53で定義された加工情報を検索する。
【0068】
S8056において、検索手段6は、加工精度をキーにデータベース5から補正量及び加工条件を検索する。検索手段6は、例えば、板厚t=20、面粗度4と指定されたときには、加工回数4回、加工条件コードC11,C12,C13,C14及び補正量コードH21,H22,H23,H24で定義された加工情報を検索する。
【0069】
S8057において、一時記憶メモリ7は、検索された補正量及び加工条件を記憶する。一時記憶メモリ7は、検索手段6が出力した加工情報をメモリ内に記憶し保存する。
【0070】
次に、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置における全形状往復プログラムの作成処理を説明する。
図9は、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置における全形状往復プログラムの作成処理を説明するためのフローチャートである。
以下では、図3に示す加工形状(非指定形状)L1〜L3,L7,L11〜L13を3回加工する場合を例に挙げて説明する。
【0071】
S8171において、プログラム作成処理部8は、加工方向を逆転しプログラムPWn ,PWn-1 ,…,PW1 とプログラムPBn ,PBn-1 ,…,PB1 とを接続してプログラムPWBを作成する。加工プログラム作成処理部8bは、加工終了点Eから加工開始点Sに向かって逆方向に加工(2回目)するプログラムを作成する。加工プログラム作成処理部8bは、加工終了点Eから終点EP2 まで加工するプログラムPWE と、開始点SP2 から終点EP1 まで加工するプログラムPW2 と、開始点SP1 から加工開始点Sまで加工するプログラムPW1 とを作成する。また、加工プログラム作成処理部8bは、終点EP2 から開始点SP2 までワイヤ電極を移動させるプログラムPB2 と、終点EP1 から開始点SP1 までワイヤ電極を移動させるプログラムPB1 とを作成する。そして、加工プログラム作成処理部8bは、プログラムPWE ,PW2 ,PW1 とプログラムPB2 ,PB1 とを接続してプログラムPWBを作成する。
【0072】
S8172において、プログラム作成処理部8は、プログラムPW1 ,…,PWn-1 ,PWn とプログラムPA1 ,…,PAn-1 ,PAn とを接続してプログラムPWAを作成する。加工プログラム作成処理部8bは、加工開始点Sから加工終了点Eに向かって加工(3回目)するプログラムを作成する。加工プログラム作成処理部8bは、加工開始点Sから開始点SP1 まで加工するプログラムPW1 と、終点EP1 から開始点SP2 まで加工するプログラムPW2 と、終点EP2 から加工終了点Eまで加工するプログラムPWE とを作成する。また、加工プログラム作成処理部8bは、開始点SP1 から終点EP1 まで移動するプログラムPA1 と、開始点SP2 から終点EP2 まで移動するプログラムPA2 とを作成する。そして、加工プログラム作成処理部8bは、プログラムPW1 ,PW2 ,PWE とプログラムPA1 ,PA2 とを接続してプログラムPWAを作成する。
【0073】
S8173において、プログラム作成処理部8は、プログラムPWBとプログラムPWAとをプログラム単位で(加工回数−1)回分交互に接続する。加工プログラム作成処理部8bは、プログラムPWBとプログラムPWAとを2回分交互に接続して全形状往復プログラムPWを作成する。
【0074】
次に、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置が作成したNCプログラムを説明する。
図10は、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置が作成したNCプログラムである。図11は、この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置による加工形状の座標値を示す図である。
【0075】
図11に示すO点は、座標系の原点である。図10に示すメインプログラム(N0000)は、加工形状を定義する座標値を原点(0,0)を基準とするアブソリュートディメンション(G90)に設定する。メインプログラムは、加工開始位置Sの座標(0,-15000)を設定(G92X0Y-15000Z0)するとともに、進行方向左側に補正値を設定(G41H000)し、座標(0,-10500)まで直線加工(G01Y-10500)を指令する。そして、メインプログラムは、座標(0,-10000)まで移動(Y-10000)を指令するとともに、補正値を設定(H001)して、サブプログラム(SUB PROGRAM)に移行(M98P0011)する。
【0076】
サブプログラム(N0011)は、進行方向左側に補正値(H001)を設定(G41)し、座標(0,-10000)から座標(-10000,-10000)及び座標(-10000,10000)を通過して座標(-8000,10000)まで直線加工を指令する。その結果、図11に示す加工形状(非指定形状)L1〜L3が加工される。
【0077】
サブプログラム(N0021)は、進行方向左側(G41)に加工条件(C011)及び補正値(H000)を設定して、座標(-8000,10000)から座標(-8000,5000)及び座標(-3000,5000)を通過して座標(-3000,10000)まで加工を指令しリターン(M99)する。
【0078】
サブプログラム(N0022)は、加工液の液圧を低く(T85)、進行方向右側(G42)に加工条件(C012)及び補正値(H012)を設定して、座標(-3000,9999)から座標(-3000,5000)及び座標(-8000,5000)を通過して座標(-3000,10000)まで加工を指令する。ここで、座標(-3000,10000)から座標(-3000,9999)へ移動するブロックは、図6に示す工具軌跡の傾斜部分に対応し、補正値H1を補正値H2に変更する変更ブロックである。
【0079】
サブプログラム(N0023)は、進行方向左側(G41)に加工条件(C013)及び補正値(H013)を設定して、座標(-8000,9999)から座標(-8000,5000)及び座標(-3000,5000)を通過して座標(-3000,10000)まで加工を指令する。その結果、図3に示す加工形状(指定形状)L4〜L6が加工される。このような処理を繰り返して、図3に示す加工終了点Eまで加工を指令する。
【0080】
この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この実施形態では、加工形状(指定形状)L4〜L6,L8〜L10を加工回数だけ往復加工させるプログラムPAn ,PBn を作成するとともに、加工形状(非指定形状)L1〜L3,L7,L11〜L13を加工回数だけ加工させるプログラムPWを作成して、これらのプログラムPAn ,PBn 及びプログラムPWにそれぞれ加工条件及び補正量を設定し、これらのプログラムPAn ,PBn ,PWを連続したプログラムに合成する。このために、加工形状L1〜L13の一部に異なる面粗度や加工精度が要求される場合であっても、面粗度や加工精度が異なる加工形状を加工するための一連のNCプログラムを簡単に作成することができる。
【0081】
(2) この実施形態では、入力された加工面粗さ又は加工精度に適した加工回数、加工条件及び補正量を、予め記憶された面粗度、加工精度、加工回数、加工条件及び補正量から検索する。このために、簡単な入力操作によって加工要求に適した加工情報を選択することができる。
【0082】
(3) この実施形態では、NCプログラム作成装置1が作成したNCプログラムをリムーバブルディスク9などの情報記録媒体に記録することができる。このために、NCワイヤカット放電加工機の読み取り装置によってこのNCプログラムを読み取り簡単に利用することができる。
【0083】
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように、種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。(1) この実施形態では、ワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置を例に挙げて説明したが、加工形状のうち指定された指定形状を工具によって加工回数だけ往復加工する工作機械などについても、本発明を適用することができる。
【0084】
(2) この実施形態では、加工形状のうち指定された指定形状を3回加工する場合を例に挙げて説明したが、加工形状に要求される加工精度などに応じて任意の加工回数に設定することができる。また、この実施形態では、加工要求項目として加工回数、面粗度及び加工精度を例に挙げて説明したが、これら以外の項目を設定することもできる。
【0085】
(3) この実施形態では、往復加工プログラム作成処理部8a、加工プログラム作成処理部8b、設定処理部8c及びプログラム合成処理部8dがそれぞれの処理を実行しているが、これらの処理を一つのプログラム作成処理部8によって実行させてもよい。また、加工要求の入力やプログラム作成処理の処理順序または時期についても本発明の目的が達成できうる範囲で変更が可能である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によると、従来の技術に記載した問題点が解決できるとともに、加工形状の一部に異なる加工要求を含む放電加工を連続して実行するためのNCプログラムを自動的に簡単に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置のブロック図である。
【図2】この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図3】この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置の表示装置が表示した加工形状を示す図である。
【図4】この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置におけるプログラム作成処理2を説明するためのフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】図3のIV部分を拡大して示す図である。
【図7】この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置における検索手段の検索処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置におけるデータベースの構造を説明するための図である。
【図9】この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置における全形状往復プログラムの作成処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置が作成したNCプログラムである。
【図11】この発明の実施形態に係るワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置による加工形状の座標値を示す図である。
【図12】従来のワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置が作成したNCプログラムによって加工された加工対象物の斜視図である。
【図13】従来のワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置が作成したNCプログラムによる加工方法を説明するための図である。
【符号の説明】
1 NCプログラム作成装置
2 入力装置
3 表示装置
4 加工形状演算処理部
5 データベース
6 検索手段
7 一時記憶メモリ
8 プログラム作成処理部
8a 往復加工プログラム作成処理部
8b 加工プログラム作成処理部
8c 設定処理部
8d プログラム合成処理部
9 リムーバブルディスク
S 加工開始点
E 加工終了点
L4〜L6,L8〜L10 加工形状(指定形状)
L1〜L3,L7,L11〜L13 加工形状(非指定形状)
Claims (4)
- 加工対象物を所定の加工形状にワイヤ電極によって放電加工するためのNCプログラムを作成するワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置であって、前記加工形状の全形状のうち前記加工形状の全形状に比較して高い仕上げ面粗度または仕上げ加工精度が要求される部分仕上げの形状要素を指定形状として指定するとともに前記加工形状の全形状と前記指定形状とのそれぞれに対して異なる前記仕上げ面粗度、前記仕上げ加工精度または加工回数の何れかの加工要求を入力する入力手段と、前記指定形状に要求される前記指定形状に対して入力された前記加工要求に基づいて得られる加工回数だけ前記指定形状を前記ワイヤ電極によって往復加工させる往復加工プログラムを作成する往復加工プログラム作成手段と、前記加工形状の全形状のうち前記指定形状以外の形状要素を非指定形状として前記非指定形状に要求される前記加工形状の全形状に対して入力された前記加工要求に基づいて得られる加工回数だけ前記非指定形状を前記ワイヤ電極によって加工させる加工プログラムを作成する加工プログラム作成手段と、前記指定形状に対して入力された前記加工要求に適する前記加工回数毎の加工条件及び前記ワイヤ電極のオフセット量を前記往復加工プログラムに設定するとともに前記加工形状の全形状に対して入力された前記加工要求に適する前記加工回数毎の加工条件及び前記ワイヤ電極のオフセット量を前記加工プログラムに設定する設定手段と、前記往復加工プログラムと前記加工プログラムとを連続したNCプログラムに合成するプログラム合成手段と、を含むワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置。
- 請求項1に記載の放電加工機のNCプログラム作成装置において、前記ワイヤ電極の径と前記加工対象物の板厚毎に前記面粗度と前記加工精度と前記加工回数および前記面粗度または前記加工精度に適する前記加工回数毎の前記加工条件及び前記オフセット量を各値が対応するように記憶する記憶手段と、前記加工回数が入力されていないときは前記面粗度または前記加工精度に適する前記加工回数を検索するとともに前記加工要求に適する前記加工条件及び前記オフセット量を前記記憶手段から検索する検索手段と、を含むワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成装置。
- 加工対象物を所定の加工形状にワイヤ電極によって放電加工するためのNCプログラムを作成するワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成方法であって、前記加工形状の全形状のうち前記加工形状の全形状に比較して高い仕上げ面粗度または仕上げ加工精度が要求される部分仕上げの形状要素を指定形状として指定するとともに前記加工形状の全形状に対して前記指定形状の仕上げ面粗度または仕上げ加工精度が高くなるように前記加工形状の全形状と前記指定形状のそれぞれに対して異なる前記仕上げ面粗度、前記仕上げ加工精度、または前記加工回数の何れかの加工要求を入力する手順と、前記指定形状に要求される前記指定形状に対して入力された前記加工要求に基づいて得られる加工回数だけ前記指定形状を前記ワイヤ電極によって往復加工させる往復加工プログラムを作成する手順と、前記加工形状の全形状のうち前記指定形状以外の形状要素を非指定形状として前記非指定形状に要求される前記加工形状の全形状に対して入力された前記加工要求に基づいて得られる加工回数だけ前記非指定形状を前記ワイヤ電極によって加工させる加工プログラムを作成する手順と、前記指定形状に対して入力された前記加工要求に適する前記加工回数毎の加工条件及び前記ワイヤ電極のオフセット量を前記往復加工プログラムに設定するとともに前記加工形状の全形状に対して入力された前記加工要求に適する前記加工回数毎の加工条件及び前記ワイヤ電極のオフセット量を前記加工プログラムに設定する手順と、前記往復加工プログラムと前記加工プログラムとを連続したNCプログラムに合成する手順と、を含むワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成方法。
- 請求項3に記載の放電加工機のNCプログラム作成方法において、前記ワイヤ電極の径と前記加工対象物の板厚毎に前記面粗度と前記加工精度と前記加工回数および前記面粗度または前記加工精度に適する前記加工回数毎の前記加工条件及び前記オフセット量を各値が対応するように記憶されている記憶手段から前記加工回数が入力されていないときは前記加工回数を検索するとともに前記加工要求に適する前記加工条件及び前記オフセット量を検索する手順と、を含むワイヤカット放電加工機のNCプログラム作成方法。
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