JP4277085B2 - 電力変換装置の統合設計方法及びシステム並びに統合設計プログラム - Google Patents

電力変換装置の統合設計方法及びシステム並びに統合設計プログラム Download PDF

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Description

本発明は、回路寄生パラメータが変換器仕様におよぼす影響を回路設計データベース化した電力変換器の設計方法及びシステム並びに統合設計プログラムに関し、特に、電力変換器の高出力電力密度化に必要な、構造設計、電磁設計および熱設計を含む統合設計に関する。
電力変換装置の損失は大きく分けて半導体素子損失が約60%、フィルタ損失が約30%、その他の損失が約10%である[非特許文献1参照]。従来の電力変換装置の熱設計方法は、損失の大半を占める半導体素子の熱設計が中心に行われており、フィルタ損失およびその他の損失を加味した総合的な熱設計は行われていない。
電力変換器の主回路には、所定の回路動作を実現するために設けられた抵抗R、インダクタンスL、容量Cなどのなど真性回路パラメータと、主回路を構成する配線構造を実現する上で必然的に発生する寄生インダクタンスLs、寄生キャパシタンスCsなどの外因性回路パラメータが存在する。数kHzから数10kHzの比較的低周波のスイッチング周波数で駆動される従来の電力変換装置では、寄生インダクタンスLsおよび寄生キャパシタンスCsに蓄えられるエネルギーの充放電による損失の影響は半導体素子やフィルタなどの損失と比較して少ないため無視されてきた。
また、数kHzから数10kHzの比較的低周波のスイッチング周波数で駆動される従来の電力変換器のノイズ設計では、制御系で決定されるスイッチング周波数のみを対象に行われており、変換器主回路に存在する外因性パラメータである寄生インダクタンスLsおよび寄生キャパシタンスCsにより発生する共振周波数成分や、フィルタの巻き線構造を実現する上で必然的に発生する寄生インダクタンスLfsおよび寄生キャパシタンスCfsにともなうフィルタ周波数特性の劣化は無視されてきた。
図26は従来の代表的な電力変換装置の設計方法のフローチャートである。従来の電力変換装置の設計方法は以下のように行われる。
目的仕様を決定する処理1の工程で電力変換装置の容量定格および電圧・電流定格ならびに目標効率と目標パワー密度を決定する。
処理2の素子・主回路設計の工程で、電力変換装置の定格電圧および電流を満たす素子を選択し、導通損失を決定する半導体素子パラメータであるオン抵抗Ronを決定する。決定の方法は、(1)半導体素子のデータシートを使用、(2)測定のいずれかの方法が使われる。
半導体素子のオン抵抗Ronの値を以下の式(1)に代入し導通損失Pcondを算出する。
ここで、Vtは半導体素子の閾値電圧を表し、Iは電力変換器から負荷側へ流れる電流実効値を表す。kは電力変換器の出力電圧振幅を制御するための振幅変調率であり、cosφは負荷力率を表す。
また、ターンオンスイッチングエネルギーEON(Iave)およびターンオフスイッチングエネルギーEOFF(Iave)を実験的に測定する。Iaveは半導体素子を流れる平均電流値をあらわし、目的仕様から得られる負荷電流実効値IRMSを用いて次式で与えられる。
次に、処理3の制御・ドライブ設計の工程で、電力変換器を駆動するための動作条件として、スイッチング周波数fSWおよびスイッチングパターンを決定する。これより、次式を用いて半導体素子のスイッチング損失PSWを求める。
前記の導通損失PCONDとスイッチング損失PSWの合計をとることで、半導体素子総合損失を算出する。
次に、処理4のフィルタ設計の工程で、変換器出力波形に含まれるスイッチング周波数成分の高調波を除去するためのフィルタインダクタンスLfとフィルタキャパシタンスCfを決定する。フィルタ減衰特性は、フィルタインダクタンスおよびフィルタキャパシタンスにより決定され、一般的にスイッチング周波数において減衰率が1/5〜1/10になるようにフィルタインダクタンスおよびフィルタキャパシタンスを設定する。
処理5の工程で、前記の工程で得られた結果を用いて電力変換器の試作を行う。
処理6の工程において、処理5で試作された電力変換器の変換効率、パワー密度、半導体素子温度などの目的仕様を実験的に測定する。
判断7において、試作された電力変換器と目的仕様を比較する。目的仕様を満たしていれば工程を終了し、満たしていなければ、処理8の分析および調整パラメータの決定に移行する。
処理8の分析および調整パラメータの決定の工程において、目的仕様を満たすために調整すべきパラメータを決定する。このとき、半導体素子温度がデータシートから得られる動作許容温度を超えていれば、処理2の素子・主回路設計の工程または処理3のフィルタ設計の工程を再度実行する。また、変換器出力波形に含まれるスイッチング周波数成分の高調波が仕様を満たさなければ、処理4のフィルタ設計の工程を再度実行する。
今後発展が予想される、CPU電源、データセンタなどの情報通信システム用電源、ハイブリッド自動車や燃料電池車などモータドライバなどの出力電力密度の大きい小型で軽量な電力変換装置では、高速スイッチングができる超低損失の半導体素子が使われるようになる。こうした高出力電力密度の電力変換装置では電力変換装置の挙動に対して寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスなどの外因性パラメータの影響が半導体素子、フィルタの損失や要求される周波数特性に対して与える影響を考慮する必要が生じる。しかし、図26の説明で見てきたように従来の電力変換装置の設計方法では、こうした問題に対応する事ができない。
A. Lidow, Proc. of IEEE, 89, 803(2001)
電力を使用目的にあった電圧、電流、周波数、位相などに変換し、社会のあらゆる領域で、電力をどこでも、いつでも自由に使える事が前提で現代社会は成立している。そのため、インバータに代表される電力変換装置は情報通信機器、家電機器、産業用機器、電気鉄道、配電系統、電力系統などの非常に広範な分野で使われる。電力変換装置技術の進歩により電力変換効率は小型軽量化している。小型軽量化の流れの中で、電力変換装置の出力電力密度は過去30年間で二桁以上の向上が図られて、現在5W/cm3の値が実現しており、今後、重要性が増す、情報通信システムの電源、電気自動車、風力発電や太陽光発電の分散電源に使われる電力変換装置の出力電力密度は、益々増加すると考えられている。
出力電力密度を向上させるには電力変換装置の出力電力を下げる事なく装置体積を小さくする事が必要になる。装置の体積を占めている主要部分は冷却装置とフィルタの大きさである。冷却装置の体積を小さくするには、電力変換装置に使われる半導体素子とフィルタから発生する損失を正確に把握した熱設計が重要になる。また、インダクタンスとキャパシタンスで構成されるフィルタの体積を小型化するためには半導体素子のスイッチング周波数を高くする必要がある。
従って、高速スイッチング駆動される将来の高出力電力密度の電力変換装置では、今まで無視してきた半導体素子構造や電力変換装置の配線構造に由来する寄生インダクタンス寄生キャパシタンスとの相互作用による半導体素子損失の影響が無視できなくなり、従来の方法では正確な熱設計は不可能となる。
寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスによるフィルタの損失や要求される周波数特性も同様に無視できないものとなる。電力変換回路を高速・高周波化させる場合、従来はフィルタ周波数特性の設計対象とされなかった寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスによる共振周波数成分の影響が大きくなり、スイッチング周波数だけでなく共振周波数成分も除去するためのフィルタ配線構造およびフィルタ構造設計が必要となる。また、従来は設計対象とされていなかった受動フィルタの損失が変換器損失全体に占める割合が大きくなるので、半導体素子損失の設計と同様に受動フィルタ損失設計法が必要となる。
以上より、従来の電力変換器設計手法は、高速・高周波化により顕在化する寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスの影響を定量化しておらず、試作と再設計による微調整の繰り返しにより目的仕様を達成している。
このため、寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスの影響が顕在化する高速・高周波動作条件化では、試作と再設計に膨大な時間を必要とする。また、試作と再設計を行うことで目的仕様を満たす設計方法では、変換器の最適設計を行うことはできない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、半導体素子構造と配線構造に由来する寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスが半導体素子損失、フィルタ損失やフィルタ周波数特性さらには制御系に与える影響を考慮した電力変換器の高出力電力密度化に必要な統合設計方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記問題を解決するために、電力変換器の統合設計において、半導体素子損失、半導体素子過電圧、フィルタ損失およびフィルタ周波数特性に大きな影響を及ぼす寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスに着目し、制御・素子と素子・フィルタおよび制御・フィルタの各2体問題に含まれるパラメータと半導体素子損失、半導体素子過電圧、フィルタ損失およびフィルタ周波数特性との相互関係を定量化し、寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスを媒介変数とすることで複数の定量化されたデータを纏めた変換器統合設計データベースを構築し、実動作条件における電力変換器の目的仕様を満たすための最適パラメータを選定することを特徴とする電力変換器の統合設計方法が提供される。
このような電力変換器の統合設計法によれば、外因性パラメータの総合損失への影響を事前評価することにより、高出力電力密度を向上させるために必要な冷却装置とフィルタの体積を最小化する設計をすることができる。
また、本発明では、電力変換器の構造設計に伴い外因性パラメータと半導体素子やフィルタが本来持っている特性を発現するための真性パラメータとの設計協調の最適化技術が提供される。さらに、この発明によれば仮想変換器設計が開発初期の段階で可能になるので開発期間の大幅短縮と開発効率の向上を実現できる。
本発明によれば電力変換器の熱設計において、従来無視されてきた、寄生インダクタンスや寄生容量など寄生パラメータなどの外因性パラメータと従来の設計に使われてきた真性回路パラメータ、真性半導体素子パラメータを分離し、真性、外因性のパラメータが相互に半導体素子損失、フィルタ損失およびフィルタ周波数特性に与える影響を定量的に算出することにより、外因性パラメータを媒介変数とした制御設計、素子・主回路設計およびフィルタ設計を総合的に実現する電力変換器回路の総合設計を可能にした。これにより小形で軽量な高出力電力密度電力変換器を実現するのに必用な外因性パラメータ最適選定を容易に行うことが出来る。その結果、従来の電力変換器設計方法では実現できなかった次のような多くの効果が本発明を適用する事により実現できる。
本発明によれば電力変換回路が実際に動作する際に半導体素子損失、フィルタ損失に与える真性パラメータと外因性パラメータの影響を分離きるので、これらのパラメータと半導体素子やフィルタが本来持っている特性と設計協調が可能になり、半導体素子やフィルタの特性を最大限に活用できる熱設計やノイズ設計が可能になる。
本発明によれば、電力変換装置の配線構造設計に伴い発生する外因性パラメータが変換回路に与える熱的な影響と電磁的な影響を定量的に算出できるので、電力変換器の高出力電力密度化に必要な構造設計と半導体素子やフィルタの特性との協調設計による電力変換装置の最適設計が可能になる。
本発明によれば、研究開発段階の新型半導体素子を将来実用化した際に使われる実際の電力変換回路に搭載した時の損失と装置の仮想設計が正確に算出できて、製品開発に伴う課題を事前に予測でき、回路および装置設計に伴う課題を制御系、半導体素子やフィルタの開発にフィードバックをかけることができるので、研究開発効率が向上する。
本発明によれば、研究開発段階のフィルタ設計用新型磁性体材料を将来実用化した際に使われる実際の電力変換回路に搭載した時の損失やノイズ減衰特性と装置の仮想設計が正確に算出できて、製品開発に伴う課題を事前に予測でき、回路および装置設計に伴う課題を制御系、半導体素子やフィルタの開発にフィードバックをかけることができるので、研究開発効率が向上する。
また、本発明によれば、変換器仮想設計が可能になるので、新型半導体素子や新型磁性体材料の開発段階から、電力変換装置を実用化の過程で業務を分担する担当部署の責務が予測でき、開発期間の大幅な短縮と効率的な研究開発が可能になる。
以上のように本発明では従来の方法では実現が不可能だった多くの効果を得る事ができる。
以下、本発明の実施の形態を、三相インバータに適用した場合を例にして、本来の変換器の設計パラメータすなわち真性パラメータと電力変換回路に寄生する回路寄生インダクタンスと回路寄生キャパシタンスなどの外因性パラメータを分離し、外因性パラメータを媒介変数にした半導体素子損失、半導体素子過電圧およびフィルタ損失、フィルタ周波数特性のデータベースを用いる電力変換器の統合設計方法について説明する。
図1は、本発明における電力変換器設計において使用する、電力変換装置の設計フローチャートである。図1は大きく分けて、電力変換回路構成要因の相互関係を定量化しデータベース構築のためのデータを取得する工程2と、取得したデータを用いて変換器設計を行う工程19から構成される。変換器設計を行う工程19は、電力変換装置設計データベース7と、設計対象となる電力変換装置のパラメータ設定を行う工程16と、構造設計と電磁設計と熱設計などを含む電力変換装置統合設計10から構成される。
図1の電力変換装置の設計フローチャートにおいて、処理0の開始の工程で設計作業を開始する。次に処理1の変換回路決定の工程で、設計対象となる電力変換装置の変換回路方式を決定する。
図1の電力変換装置の設計フローチャートにおける電力変換回路構成要因の相互関係を定量化する工程2において、回路設計データベースを構築するための入力データを実験的またはシミュレーションにより取得する。処理1の変換回路決定の工程で決定された変換回路方式は、処理3の制御・ドライバ設計を行う工程と、処理4の素子・主回路設計を行う工程と、処理5のフィルタ設計を行う工程などの変換回路構成要因の設計を行う工程に分離され、各工程において設計パラメータの抽出を行う。処理6の相互関係定量化において、実験的または理論解析的に相互関係を算出し、電力変換装置設計データベース7に含まれる回路設計データベース8に入力する。
図1の電力変換装置の設計フローチャートにおける設計対象となる電力変換装置のパラメータ設定を行う工程16は、処理17の設計仕様を決定する工程と、処理18の変換器パラメータを決定する工程から構成される。
図1の電力変換装置の設計フローチャートにおける電力変換装置設計データベース7は、回路設計データベース8と材料データベース9から構成され、図1の処理18で決定された変換器パラメータを入力することで、処理11の回路パラメータ選定を行う工程で主回路配線構造に起因して発生する回路寄生インダクタンスと回路寄生キャパシタンスなどの回路寄生パラメータを選定する。
図1の電力変換装置の設計フローチャートにおける構造設計と電磁設計と熱設計などを含む電力変換装置統合設計10は、処理12の構造設計を行う工程と、処理13の熱設計を行う工程と、処理14の変換器体積を算出する工程と、処理15の変換器出力パワー密度を算出する工程など、変換器統合設計要素から構成される。図1の処理11の回路パラメータ選定を行う工程で決定された回路寄生パラメータは、処理12の構造設計を行う工程で、決定された回路寄生パラメータを満たす構造体として設計され、処理13の熱設計を行う工程で設計された構造体を用いて使用する半導体素子を所定の温度以下に保つための冷却装置を設計する。処理13と処理14の工程で、上記の構造体と冷却装置とその他電力変換装置構成要素の体積を用いて電力変換装置の体積を算出し、出力パワー密度(OPD : Output Power Density)を算出する。
図2は本発明における変換器設計において使用する、設計データベースを構築するためのフローチャートである。図2の16は、図1における2に示す電力変換回路構成要因の相互関係を定量化し、回路設計データベース構築のためのデータ取得を行う工程の詳細をあらわす。図2の処理0の工程で作業を開始し、処理1の工程で変換回路方式を決定する。処理2で制御・ドライバ設計を開始し、処理3の工程で変換器を駆動するためのスイッチング周波数やスイッチング速度およびスイッチングパターンなどパラメータ選定を行う。処理3で得られた制御パラメータは処理12,14の制御・ドライブ設計パラメータと素子・主回路設計パラメータの相互関係を定量化する工程に入力される。処理4の工程で素子・主回路設計を開始し、処理5と処理6の工程でそれぞれ半導体素子の真性パラメータと配線構造に起因する外因性パラメータの抽出を行う。工程5,6で得られたパラメータは素子・主回路パラメータ7として処理12,13の素子・主回路設計パラメータとフィルタ設計パラメータの相互関係を定量化を行う工程に入力される。また、処理8の工程でフィルタ設計を開始し、処理9,10においてそれぞれ磁性体材料の持つ真性パラメータとフィルタ配線構造に伴う外因性パラメータの抽出を行う。フィルタパラメータ11は処理13,14の制御・ドライブ設計パラメータとフィルタ設計パラメータの相互関係を定量化する工程に入力される。処理12,13,14で得られた関係はデータベース15に入力され、主回路配線構造に起因する外因性パラメータを媒介変数とする半導体素子損失、半導体素子過電圧、フィルタ損失およびフィルタ周波数特性のデータベースが構築される。
図3は、図2で構築されたデータベースを用いて、変換器目的仕様を達成するための最適パラメータを選定するためのフローチャートである。図3における10は、図1の変換器設計を行う工程19の一部であり、図3における9は、図1における変換器パラメータを決定する工程16に相当する。処理1の工程で変換回路方式を決定し、処理2の工程で、設計対象となる電力変換器の仕様を決定する。次に処理3の工程で制御パラメータを決定し、処理4の工程で素子選定を行い、処理5の工程でフィルタ選定を行う。処理3,4,5の工程で決定されたパラメータは処理6に示される前記の設計データベースに入力され、処理7の工程で目的仕様を満たす外因性パラメータを出力する。このとき、判断8で目的仕様を満たすための外因性パラメータが存在しない場合は、処理3,4,5に戻り、再び目的仕様を満たすための外因性パラメータ選定を実施する。
図4は図3のパラメータ選定結果を使い、電力変換回路の構造・電磁設計をおこなう実施例である。図4における14は、図1の変換器設計を行う工程19の一部であり、図4における12は、図1における変換器パラメータを決定する工程16に相当し、図4における13は図1における統合設計を行う工程10の一部に相当する。図2のフローチャートにより得られた目的仕様を満たすための回路寄生インダクタンスおよび寄生キャパシタンスの選定結果である図4の処理7を、図4の構造設計を行う工程9に入力し変換回路配線構造設計を行う。工程9で設計された配線構造は、変換回路電磁設計を行う工程10において寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスが算出され、判断11において工程7で指定した値を満足すれば、工程12に移動し終了する。判断11において指定した値を満足しなければ、工程9に移動し構造設計を再び実行する。
図5は図4の構造設計および変換回路電磁設計の結果を使い、電力変換回路の熱設計をおこなう実施例である。図5における16は、図1の変換器設計を行う工程19の一部であり、図5における14は、図1における変換器パラメータを決定する工程16に相当し、図5における15は図1における統合設計を行う工程10の一部に相当する。電力変換装置の熱挙動を設計する工程12は、前記工程9で決定された配線構造と、工程7で選定された、判断8の目的仕様を満足するための寄生パラメータから得られた半導体素子の損失と、フィルタの損失と、半導体素子と変換回路基板を接続するボンディングワイヤの寄生抵抗成分による損失と、変換回路基板とフィルタなどの受動部品を接続する端子の寄生抵抗成分による損失と、電力変換器の直流側配線の寄生抵抗成分による損失などと、電力変換回路を構成する部品の接続形態により決定される放熱条件などを考慮することで、半導体素子の動作温度とフィルタの動作温度など、変換装置の動作温度を計算し、判断13で熱設計の対象箇所が所定の動作温度の許容範囲に収まっているかどうかを判断する。所定の許容値をクリアしない場合は、変換回路熱設計を行う工程12までもどり、所定の値をクリアするまで設計を行う。
図6は、図5の処理工程12で得られた熱設計結果を使い、処理14の工程で、冷却装置、フィルタなどの体積を求める工程である。図6における18は、図1の変換器設計を行う工程19の一部であり、図6における16は、図1における変換器パラメータを決定する工程16に相当し、図6における17は図1における統合設計を行う工程10の一部に相当する。電力変換装置の体積の主要部分を占める冷却装置およびフィルタの体積が判断15の工程において所定の値に入らない場合には、処理12の変換器熱設計の工程か、処理3,4,5の直前までもどり、所定の値をクリアするまで再設計を行う。
図7は、図6で得られたフィルタおよび冷却装置の体積を使い、電力変換装置の出力パワー密度(OPD:Output Power Density)を設計するフローチャートである。図7における21は、図1の変換器設計を行う工程19の一部であり、図7における19は、図1における変換器パラメータを決定する工程16に相当し、図7における20は図1における統合設計を行う工程10に相当する。得られた冷却部とフィルタ部の体積に、図1の9に相当する変換器部品データベース17から当該変換回路を構成するその他の部品の体積を加えて、工程16において当該電力変換装置の出力電力密度OPDを算出し、判断18において目標値が未達であればOPD算出を再度実施するために、処理3,4,5までもどり、所定の値をクリアするまで再設計を行う。
以上が本発明において提案する、電力変換装置の熱設計方法のフローチャートである。本発明で提案する電力変換装置の統合設計方法のフローチャートである図2〜7は、アプリケーションとして用いられる電力変換装置だけでなく、電力変換装置に配置される半導体素子を駆動するために用いられるゲートドライブ回路などの制御装置に適用することも可能である。
次に、図2に示した処理12,13,14の相互関係定量化を行う工程の詳細を述べる。図8は、図2に示した処理12の工程を実施するためのフローチャートであり、制御設計パラメータと素子・主回路設計パラメータに着目し、制御パラメータ、素子・主回路パラメータと半導体素子損失と半導体素子過電圧の関係を定量化するためのフローチャートである。処理1で制御・ドライブ設計を開始し、処理2、処理3、処理4で制御・ドライブ設計のパラメータであるスイッチング周波数とスイッチング速度およびスイッチングパターンを決定する。図8の工程13は処理2、処理3、処理4をまとめたものであり、図2の処理3に相当する。同時に処理5で素子・主回路設計を開始し、処理6で半導体素子と回路の挙動を決める半導体素子構造と配線構造を決定し、つづく処理7と処理8の工程で、半導体素子パラメータである真性パラメータと回路寄生パラメータである外因性パラメータを分離決定する。図8における14は同図の処理6,7,8をまとめたものであり、図2の処理7に相当する。処理9において、実験または理論的に真性エネルギーを計算し、処理10において、実験または理論的に外因性エネルギーを計算する。前記の制御・ドライブ設計のパラメータと処理9,10で得られた素子・主回路設計の真性エネルギーと外因性エネルギーを用いて半導体素子過電圧と半導体素子損失を計算する。半導体素子過電圧と半導体素子損失は理論計算または実験的な測定により求められる。
図9は、図2に示した処理13の工程を実施するためのフローチャートであり、素子・主回路設計パラメータとフィルタ設計パラメータに着目し、素子・主回路パラメータ、フィルタパラメータと変換器から負荷側に現れる出力高調波電圧の関係を定量化するためのフローチャートである。素子・主回路設計の処理1, 2, 3, 4は図8と同様である。同時に処理6でフィルタ設計を開始し、フィルタ配線構造の計算を行う処理7でフィルタの周波数特性を決定する磁性体材料選定と配線構造を決定する。次に、処理8と処理9でフィルタパラメータをフィルタの周波数特性を決定する磁性体材料の持つ真性パラメータと配線の巻き方などの配線構造に起因する外因性パラメータに分離する。ここで、図9の処理12は処理7,8,9をまとめたものであり、図2の処理10に相当する。その後、図9の処理5と処理10で前記の素子・主回路設計のパラメータとフィルタ設計の真性パラメータと外因性パラメータを用いて半導体素子過電圧とフィルタ周波数特性を実験的または理論的に計算し、処理11で変換器から負荷側に現れる出力高調波電圧を計算する。出力高調波はシミュレーションを用いた計算または実験的な測定により求められる。
図10は、図2に示した処理14の工程を実施するためのフローチャートであり、制御・ドライバ設計とフィルタ設計に着目し、制御・ドライバ設計パラメータ、フィルタパラメータと変換器から負荷側に現れる出力ノイズの関係を定量化するためのフローチャートである。制御・ドライバ設計パラメータの決定と、フィルタ設計パラメータの分離・決定は前記と同様である。得られたパラメータを用いて、処理9においてフィルタ損失計算を実行する。フィルタ損失はシミュレーションを用いた計算または実験的な測定により求められる。
図1〜7に示した変換器設計の詳細な実施例を述べる。始めに図1,2のデータベース構築を行うための実験的方法について示す(実施例1)。次に、図2の処理5,6,7に示した相互関係定量化について具体的な実施例を示す(実施例2,3)。次に、図3〜7の処理7でパラメータ選定を行い、同図の処理9,10に示した構造設計および電磁設計の実施例を一般的な電力変換器の回路構成である三相フルブリッジインバータについて示す(実施例4)。図5,6,7の処理12に示した変換回路熱設計の実施例を実施例5に示し、最後に図7の処理16のパワー密度計算の実施例と作成例を実施例6に示す。
図11は図2における処理12,13,14の相互関係定量化の処理を行うための、3相フルブリッジインバータ構成の実験装置の等価回路を示す。実験回路は、半導体素子と配線構造を含む3相フルブリッジ回路1と、フィルタインダクタとフィルタキャパシタから構成される受動フィルタ3と制御系4から構成される。半導体素子と配線構造を含む3相フルブリッジ回路1は、単相ハーフブリッジ回路2を3並列に接続することで構成される。単相ハーフブリッジ回路2は、半導体素子と回路寄生インダクタンス5,6,7,8と、回路寄生キャパシタンス8,9と、ゲートインダクタンス10,11とゲート抵抗12,13から構成される。ここで、回路寄生インダクタンスと回路寄生キャパシタンスとゲートインダクタンスとゲート抵抗は外部から付加することで可変である。
図12は図11に示した等価回路を実現した実験装置である。図12の実験装置の全体構成1は、図11の半導体素子と配線構造を含む3相フルブリッジ回路1に相当する図12の回路基板2と、図11の受動フィルタ3に相当する図12のLCフィルタ3と、図11の制御4に相当する図12のFPGA制御装置4から構成される。
図13は、図11に示す単相ハーフブリッジ回路2であり、図12の2で用いられる回路基板の単相分である。図11における回路寄生インダクタンス5,6,7,8は図13における端子3,4に外部からインダクタンスを付加することで変化させることが可能であり、図11の回路寄生キャパシタンス8,9は図13の端子3,5と4,6に外部からキャパシタンスを付加することで変化させることが可能である。図11のゲートインダクタンス10,11とゲート抵抗12,13は図13の端子7,8と9,10に外部からそれぞれ抵抗とインダクタンスを付加することで変化させることが可能である。以上を用いて任意の主回路の外因性パラメータに対する半導体素子損失と半導体素子過電圧を実験的に測定する。
次に、図12に示す実験装置を用いて、図2における電力変換器設計データベース構築のための処理工程である、処理12の制御・ドライバ設計と素子・主回路設計の相互関係定量化の実施例について述べる。半導体素子損失と半導体素子過電圧は制御パラメータであるスイッチング周波数やスイッチング速度あるいはスイッチングパターンと素子・主回路パラメータである回路寄生インダクタンスや回路寄生キャパシタンスに大きく依存する。半導体素子損失と半導体素子過電圧はシミュレーションまたは実験的に求められる。
図14は図2の処理12に示した制御・ドライバ設計と素子・主回路設計の相互関係定量化の一例である。制御パラメータとしてスイッチング周波数とスイッチングパターンを変化させ、素子・主回路パラメータとして回路寄生キャパシタンスを変化させた場合の半導体素子損失をグラフ化したものである。横軸は回路寄生キャパシタンスであり、縦軸は半導体素子損失を表す。制御パラメータのスイッチングパターンとしてサブハーモニック変調方式とSVM方式を適用し、それぞれの制御方式に対してスイッチング周波数を99kHzと198kHzの2種類を変化させたときの半導体素子損失を測定した。図14で得られた関係は、設計データベースに入力され、変換器設計を行う際の、寄生キャパシタンス許容値を求めるために使用される。
図2における電力変換器設計データベース構築のための処理工程である、処理13の素子・主回路設計とフィルタ設計の相互関係定量化の実施例について述べる。半導体素子過電圧は回路寄生パラメータに大きく依存し、図11,12,13のパラメータ可変回路基板を用いて実験的に測定する。一方、フィルタ周波数特性もインピーダンスアナライザなどの既存の測定器を用いて実験的に測定することができる。以上より、任意の回路パラメータにおける半導体素子過電圧をフィルタに通過させた場合に、負荷側に現れるノイズを実験的に求めることができる。図15は回路寄生インダクタンスを変化させた場合の半導体素子過電圧である。横軸は回路寄生インダクタンスであり、縦軸は半導体素子過電圧をあらわす。図16は、図15に関連して、縦軸を半導体素子過電圧から半導体素子過電圧の持つ周波数成分に変更した図である。図17はインダクタンスが等しく巻き方の異なる3種類のフィルタ周波数特性を現わす。図17は配線構造に起因する寄生パラメータが異なるため、周波数特性に変化が見られる。図15,16の半導体素子過電圧が図17の周波数特性を持つフィルタを通過した際に、負荷側に現れる出力高調波電圧を図18に示す。
図15,16,18は回路寄生インダクタンスを変化させたときの、半導体素子過電圧と出力高調波電圧をあらわしたものであり、回路寄生インダクタンスの影響が変換器設計に影響を及ぼすことを示す。以上の結果は図2の設計データベース15に入力され、目的仕様を満たすための寄生インダクタンス許容値を算出するために使用される。
前記実施例1,2,3により、得られた結果を図2の処理15の設計データベースに入力することで、任意の制御・ドライバ設計パラメータ、素子・主回路パラメータおよびフィルタ設計パラメータに対して、半導体素子損失と半導体素子過電圧とフィルタ損失と出力高調波電圧を見積もるためのデータベースを構築する。構築されたデータベースは図3,4,5,6,7の設計データベース6で用いられる。図19は構築されたデータベースの一例である。図19は寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスをパラメータとし、制御パラメータとフィルタパラメータを固定したときの半導体素子損失をあらわす。図19から、外部から付加する寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスはそれぞれ40nHと0pFであれば半導体素子損失が最小となる結果が得られる。
以上より、電気回路上の設計工程は終了し、次に機械的設計に移行する。図4,5,6,7の工程12, 13に示した構造設計および電磁設計の実施例を示す。はじめに、構造設計の最終目的となる、回路の配線構造に起因する外因性パラメータである寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスの許容値を目的仕様から選定する。
図20は三相インバータの一相分の等価回路である。図20の1は熱設計の対象とする電力変換部であり、2と5は主スイッチング半導体素子であるMOSFETと、MOSFETの内部ダイオードを相殺するためのダイオード3および6と、逆並列ダイオード4と7から構成される。図21は図20の等価回路をCADソフトウェアにより描いたものである。図21の1は熱設計の対象とする電力変換部であり、2と5は主スイッチング半導体素子であるMOSFETと、MOSFETの内部ダイオードを相殺するためのダイオード3および6と、逆並列ダイオード4と7から構成される。
次に、図4,5,6,7の工程13の変換回路電磁設計において、構造設計を行った構造体の配線構造が有する寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスの解析を行う。解析は解析式あるいはシミュレーションを用いて行われる。ここでは、シミュレーションを用いた寄生インダクタンスの見積もりに関する実施例を示す。図22に変換回路電磁設計の結果を示す。図22の構造は図21と同様であり、電流の流れる銅パターンと半導体素子を基板に接続するために用いるワイヤボンディングを抽出したものである。図22のシミュレーションは銅パターンを流れる電流を表し、電流により生じる磁界を計算することにより寄生インダクタンスを計算する。結果は17nHであった。同様に寄生キャパシタンスも電界を計算することで算出され、32pFであった。これらの値が回路パラメータ選定7で選定した値と等しければ、熱設計にすすみ、等しくなければ再度構造設計と電磁設計を実施する。
以下、図面を参照して本発明を適用した電力変換器の熱設計について説明する。本発明は、図4, 5,6,7のフローチャートに示すように、図4, 5,6,7の設計データベース7を用いて、変換回路の総合損失などを算出し、判断8の目的仕様を満たすパラメータ選定を行う。判断8の目的仕様クリアにおいて、選定パラメータが半導体素子損失やフィルタ損失および出力高調波電圧などの許容値を満足すれば、処理9および10の構造設計と電磁設計に移行し、処理7で選定された配線構造に起因する外因性パラメータを満足する構造体の機械的な設計を行う。処理9と10で算出された外因性パラメータが選定パラメータ7を満足した後、処理12の変換回路熱設計において、処理6で得られた半導体素子損失とフィルタ損失から得られた損失を用いて電力変換器の熱設計を行う。変換回路熱設計では、実験的またはシミュレーションにより電力変換回路に使用する半導体素子の温度を測定または計算し、半導体素子温度が許容温度以下に保つ範囲で冷却装置を設計する。処理12の変換回路熱設計において、設計した冷却装置が半導体素子温度を許容温度以下に保つものであれば、図6,7の体積算出14に進み、そうでなければ、再度、変換回路熱設計の処理12に戻る。
以下に、変換回路熱設計の一例を示す。図20と図21の三相インバータ一相分に対して、熱設計を行う。変換回路の仕様は単相容量1kW、直流電圧300V、スイッチング周波数200kHzとする。
図23は、図20,21に示す回路に対して熱設計を行った際の温度分布である。各半導体素子の発熱は、図3〜7の設計データベース6から得られ、単相1kW、300V、200kHz条件下において、図20, 21に示すMOSFETの損失はそれぞれ18W、図20, 21に示すダイオード損失はそれぞれ2W、図20, 21に示す逆並列ダイオード損失はそれぞれ1Wである。図23の1は図20, 21の1に示す電気回路の回路基板と半導体素子の構造を示す。回路基板は、図3〜7のパラメータ選定の処理7に基づき処理9の構造設計で設計される。図23の2と5はインバータの主スイッチング半導体素子であるMOSFETである。図23の3と6はMOSFETの内部ダイオードを相殺するためのダイオードである。図23の4と7は逆並列ダイオードである。図23の8は設計対象である冷却装置である。この冷却装置は、図23の2、3、4、5、6、7に示す各半導体素子の温度が許容温度である125℃以下に保たれるように設計する。以上の手順により、変換回路の熱設計を行い、以下の体積算出およびOPD算出に進む。
図6, 7に示す体積算出14では、変換回路熱設計を行う処理12から得られる冷却装置体積と設計データベースである工程6から得られるフィルタ体積を用いて、電力変換回路体積を占める主な要素であるフィルタ体積と冷却装置体積の和を算出する。体積条件を判断する工程15において、体積算出14で求めたフィルタ体積と冷却装置体積の和が許容値以下であれば、先に進み、許容値を満たさなければ、図6,7のパラメータ決定を行う処理3,4,5の直前に戻り、再設計を行う。図7の工程16と処理17では、フィルタ体積と冷却装置体積以外の変換回路部品を含めて電力変換回路の総合的な体積を算出し、電力変換回路の出力電力を、電力変換回路の総合的な体積で除することにより、電力変換回路のパワー密度(OPD:Output Power Density)を算出する。以下に、図7中のOPDを算出する処理18の算出例を示す。
図25は変換器のOPD算出の算出例であり、電力変換器の出力容量と直流電圧を三相3kWおよび直流電圧300Vと固定し、スイッチング周波数を変化させたときの変換器体積変化を示す図である。図25における、Circuit Boardは回路基板の体積であり、Chipは半導体素子体積であり、Gate DriverはゲートドライバICの体積であり、Heat Sinkは図4〜6の変換回路熱設計を行う工程12で得られた冷却装置の体積であり、LC filterは図2のデータベース構築を行う工程15あるいは図3〜7の工程6で得られたLCフィルタ体積であり、FANは冷却に使用するファンの体積である。その他の体積は、変換器部品として、データシートなどから求められる。各周波数におけるフィルタ体積と、冷却装置体積は、周波数ごとに図3〜7のフローチャートに従い計算される。各周波数におけるOPDは、変換器出力容量を変換回路部品の体積の総和で除することで算出する。図24より、最大パワー密度を取りうる最適動作周波数を得ることがでる。本計算例では、200kHzから300kHzのスイッチング周波数において、単相あたり90cc、パワー密度11W/ccの変換器が実現可能であることを示す。
図25は図24で得られた結果をもとに組み立てられた三相インバータのプロトタイプである。出力容量三相3kW、直流電圧300V、スイッチング周波数200kHzを仕様とする。図25の1は三相インバータの概観であり、その単相分は、MOSFET2および5と、MOSFET内部ダイオード相殺用ダイオード3および6と、逆並列ダイオード4および7と、冷却装置8とフィルタ9から構成される。図25の10は構造設計、電磁設計と熱設計を行った図21, 22, 23に相当する。図25に示す、半導体素子2、3、4、5、6、7と、冷却装置8とフィルタ9は、それぞれ図24の体積に等しく、これより、変換器のOPD算出の計算例の妥当性を示すことが可能である。
電力変換装置の設計フローチャート。 設計データベース構築フローチャート。 最適パラメータ抽出フローチャート。 電力変換器構造設計フローチャート。 電力変換器熱設計フローチャート。 電力変換器主要構成要素体積算出フローチャート。 電力変換器パワー密度算出フローチャート。 相互関係定量化の詳細図。 相互関係定量化の詳細図。 相互関係定量化の詳細図。 相互関係抽出を目的とした電力変換器評価試験装置の等価回路を示す図。 相互関係抽出を目的とした電力変換器評価試験装置を示す図。 パラメータ可変回路基板を示す図。 制御・ドライブと素子・主回路の相互関係実施例を示す図。 回路寄生パラメータと半導体素子過電圧との関係を示す図。 回路寄生パラメータと半導体素子過電圧の共振周波数との関係を示す図。 フィルタ周波数特性を示す図。 フィルタ通過後の出力高調波電圧を示す図。 回路寄生パラメータと半導体素子損失の関係を示す図。 三相インバータの等価回路を示す図。 三相インバータの構造設計を示す図。 三相インバータの変換回路電磁設計を示す図。 電力変換装置熱設計とその温度分布を示す図。 本発明のフローチャートによる変換器OPD算出の計算例を示す図。 電力変換器のプロトタイプの概観を示す図。 従来型電力変換装置設計方法を示す図。

Claims (17)

  1. 電力変換装置構成要素を含む電力変換装置の統合設計方法において、
    電力変換回路構成要因に分離する工程と、
    分離された電力変換回路構成要因間の相互関係を定量化する工程と、
    前記定量化されたそれぞれの相互関係に対して外因性パラメータを媒介変数とした回路設計データベースを構築する工程と、
    電力変換装置設計仕様から電力変換回路構成要因の変換回路パラメータを選定する工程と、
    選定された電力変換回路構成要因の変換回路パラメータを、前記回路設計データベース及び材料データベースを含むデータベースに入力する工程と、
    前記回路設計データベースから電力変換装置仕様を満たす回路寄生パラメータを選定する工程と、
    選定された回路寄生パラメータを満たす変換回路構造体を実現するための構造設計を行う工程と、
    構造設計により得られた変換回路構造体を用いて半導体素子と受動素子を含む変換装置構成要素の温度を所定の値以下に保つための、冷却装置の体積を見積もる熱設計を行う工程と、
    前記変換回路構造体と冷却装置と材料データベースから得られるその他変換装置構成要素から電力変換装置の体積を見積もる工程と、
    得られた電力変換装置の体積と電力変換装置仕様で決定される電力変換装置出力電力を用いて電力変換装置の出力パワー密度を見積もる工程と、
    を有することを特徴とする電力変換装置の統合設計方法。
  2. 請求項1に記載の電力変換器の統合設計方法において、
    前記電力変換回路構成要因に分離する工程は、制御及びドライバ設計を行う工程と、素子及び主回路設計を行う工程と、フィルタ設計を行う工程などの電力変換回路構成要因に分離する工程を有し、
    分離された工程間の相互関係を定量化する工程は、分離された工程のうち2つまたは2つ以上の工程を選択し、2つ以上または2つ以上の工程間の相互関係を定量化し、
    前記回路設計データベースを構築する工程は、前記定量化されたそれぞれの相互関係の様式を、主回路の回路寄生インダクタンスと回路寄生キャパシタンスなどの外因性パラメータを媒介変数として1つのデータベースに入力し、データベースに入力されたそれぞれの様式を、媒介変数である外因性パラメータを中心に整列し、回路設計データベースとして構築し、構築された設計データベースを用いて電力変換回路の設計を行う電力変換装置の統合設計方法。
  3. 請求項2に記載の電力変換器の統合設計方法において、
    前記回路設計データベースを用いて電力変換装置仕様を満たす回路寄生パラメータである寄生インダクタンスおよび寄生キャパシタンスを選定し、構造設計において変換回路構造体を設計し、設計された変換回路構造体に対して電磁解析を行うことで、構造設計において設計された変換回路構造体の有する回路寄生インダクタンスおよび寄生キャパシタンスを算出し、算出された寄生インダクタンスおよび寄生キャパシタンスが指定された値を満たさず、目標が未達であれば構造設計を再度実施することを指示する工程を有する電力変換器の統合設計方法。
  4. 請求項3に記載の電力変換器の統合設計方法において、
    指定した構造設計をクリアした場合に、指定した寄生パラメータを満たす変換回路構造体に対して変換回路熱設計を行い、半導体素子およびフィルタなどの変換装置構成要素の動作温度を算出し、算出された動作温度が所定の動作温度許容値になければ変換回路熱設計を再度実施することを指示する工程を有する電力変換装置の統合設計方法。
  5. 請求項4に記載の電力変換器の統合設計法において、
    指定した所定の許容動作温度をクリアした場合に、この動作温度を実現する変換装置の冷却部およびフィルタ部の体積を算出し、その体積値が所定の値に入らない場合には変換回路熱設計および体積算出を再度実施することを指示する工程を有する電力変換装置の統合設計方法。
  6. 請求項5に記載の電力変換器の統合設計法において、
    冷却部とフィルタ部の指定した体積条件をクリアした場合に、得られた冷却部とフィルタ部の体積に当該変換回路を構成するその他の部品の体積を加えて、当該電力変換装置の出力電力密度を算出し、その出力電力密度値が所定の値に入らない場合には出力電力密度の算出を再度実施することを指示する工程を有する電力変換装置の統合設計方法。
  7. 請求項2に記載の電力変換装置の統合設計方法において、
    前記回路設計データベース構築のための、素子及び主回路設計において、半導体素子の有する真性パラメータと、電気回路を実現する上で配線構造上寄生インダクタンスと寄生キャパシタンスとして現れる外因性パラメータを分離して抽出し、任意の外因性パラメータに対して、目的仕様となる半導体素子損失と半導体素子過電圧をデータベース化する工程を有する電力変換装置の統合設計方法。
  8. 請求項7に記載の電力変換装置の統合設計方法において、
    前記素子及び主回路設計において、半導体素子損失算出のための真性エネルギー計算は、実験的に半導体素子の静電容量・電圧特性を測定し、その結果を使い、回路動作時に静電容量に蓄積されるエネルギーを算出し、その蓄積エネルギーの充放電により生じる真性エネルギーを実験的に算出する電力変換装置の統合設計方方法。
  9. 請求項7に記載の電力変換装置の統合設計方法において、
    前記素子及び主回路設計において、半導体素子損失算出のための外因性エネルギー計算は、実験的に半導体素子損失を決定する外因性パラメータと半導体素子損失の関係を測定し、得られた実験的関係を近似式で記述し、その実験近似式を用いて外因性エネルギーを計算する電力変換装置の統合設計方法。
  10. 請求項7に記載の電力変換装置の統合設計方法において、
    前記素子及び主回路設計において、半導体素子損失算出のための真性エネルギー計算は、半導体素子シミュレータを用いて半導体素子損失を決定する真性パラメータと半導体素子損失の関係を測定し、半導体素子シミュレータから得られたパラメータを実験近似式に適用し、その実験近似式を用いて真性エネルギーを計算する電力変換装置の統合設計方法。
  11. 請求項7に記載の電力変換装置の統合設計方法において、
    前記素子及び主回路設計において、半導体素子損失算出のための外因性エネルギー計算は、半導体素子シミュレータを用いて半導体素子損失を決定する外因性パラメータと半導体素子損失の関係を測定し、半導体素子シミュレータから得られたパラメータを実験近似式に適用し、その実験近似式を用いて外因性エネルギーを計算する電力変換装置の統合設計方法。
  12. 請求項7に記載の電力変換装置の統合設計方法において、
    前記素子及び主回路設計において、半導体素子損失算出のための真性エネルギー計算と外因性エネルギー計算は、理論計算により求めた真性損失算出式と外因性損失算出式を使い、真性エネルギーと外因性エネルギーを計算する電力変換装置の統合設計方法。
  13. 請求項2に記載の電力変換装置の統合設計方法において、
    前記回路設計データベースの構築は、前記素子及び主回路設計を行う工程と制御及びドライバ設計を行う工程の相互関係定量化を行う工程が、制御及びドライバ設計におけるスイッチング周波数を決定する工程と、スイッチング速度を決定する工程と、スイッチングパターンを決定する工程を有し、
    前記素子及び主回路設計は、半導体素子を記述する真性パラメータと、配線構造に寄生する外因性パラメータを分離および決定する工程を有し、実験的あるいは理論的に半導体素子損失および半導体素子過電圧を算出し、設計データベースに入力する電力変換装置の統合設計方法。
  14. 請求項2に記載の電力変換装置の統合設計方法において、
    前記素子及び主回路設計を行う工程とフィルタ設計を行う工程の相互関係定量化を行う工程が、半導体素子を記述する真性パラメータと、配線構造に寄生する外因性パラメータを分離および決定する工程を有し、
    フィルタ設計において磁性体特性を記述する真性パラメータと、配線構造に起因する寄生パラメータを分離および決定する工程を有し、実験的あるいは理論的に半導体素子過電圧およびフィルタ周波数特性を算出し、変換器出力高調波を算出し、設計データベースに入力する電力変換装置の統合設計方法。
  15. 請求項2に記載の電力変換装置の統合設計方法において、
    前記の制御及びドライバ設計を行う工程とフィルタ設計を行う工程の相互関係定量化を行う工程が、制御及びドライバ設計におけるスイッチング周波数を決定する工程と、スイッチング速度を決定する工程と、スイッチングパターンを決定する工程を有し、
    フィルタ設計において磁性体の材料特性を記述する真性パラメータと、配線構造に起因する外因性パラメータを分離および決定する工程を有して、フィルタ損失を実験的あるいは理論的に算出し、設計データベースに入力する電力変換装置の統合設計方法。
  16. 電力変換装置構成要素を含む電力変換装置の統合設計システムにおいて、
    電力変換回路構成要因に分離する手段と、
    分離された電力変換回路構成要因間の相互関係を定量化する手段と、
    前記定量化されたそれぞれの相互関係に対して外因性パラメータを媒介変数とした回路設計データベースを構築する手段と、
    電力変換装置設計仕様から電力変換回路構成要因の変換回路パラメータを選定する手段と、
    選定された電力変換回路構成要因の変換回路パラメータを、前記回路設計データベース及び材料データベースを含むデータベースに入力する手段と、
    前記回路設計データベースから電力変換装置仕様を満たす回路寄生パラメータを選定する手段と、
    選定された回路寄生パラメータを満たす変換回路構造体を実現するための構造設計を行う手段と、
    構造設計により得られた変換回路構造体を用いて半導体素子と受動素子を含む変換装置構成要素の温度を所定の値以下に保つための、冷却装置の体積を見積もる熱設計を行う手段と、
    前記変換回路構造体と冷却装置と材料データベースから得られるその他変換装置構成要素から電力変換装置の体積を見積もる手段と、
    得られた電力変換装置の体積と電力変換装置仕様で決定される電力変換装置出力電力を用いて電力変換装置の出力パワー密度を見積もる手段と、
    を有することを特徴とする電力変換装置の統合設計システム。
  17. 電力変換装置構成要素を含む電力変換装置の統合設計プログラムにおいて、
    電力変換回路構成要因に分離する手順と、
    分離された電力変換回路構成要因間の相互関係を定量化する手順と、
    前記定量化されたそれぞれの相互関係に対して外因性パラメータを媒介変数とした回路設計データベースを構築する手順と、
    電力変換装置設計仕様から電力変換回路構成要因の変換回路パラメータを選定する手順と、
    選定された電力変換回路構成要因の変換回路パラメータを、前記回路設計データベース及び材料データベースを含むデータベースに入力する手順と、
    前記回路設計データベースから電力変換装置仕様を満たす回路寄生パラメータを選定する手順と、
    選定された回路寄生パラメータを満たす変換回路構造体を実現するための構造設計を行う手順と、
    構造設計により得られた変換回路構造体を用いて半導体素子と受動素子を含む変換装置構成要素の温度を所定の値以下に保つための、冷却装置の体積を見積もる熱設計を行う手順と、
    前記変換回路構造体と冷却装置と材料データベースから得られるその他変換装置構成要素から電力変換装置の体積を見積もる手順と、
    得られた電力変換装置の体積と電力変換装置仕様で決定される電力変換装置出力電力を用いて電力変換装置の出力パワー密度を見積もる手順と、
    から成る各手順を実行する電力変換装置の統合設計プログラム。
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