JP4275540B2 - オイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器およびそれを用いたオイルミスト除去装置 - Google Patents

オイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器およびそれを用いたオイルミスト除去装置 Download PDF

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Description

本発明は、オイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器およびそれを用いたオイルミスト除去装置に係り、詳しくは、機械加工などにより発生する切削油煙や飛散微粉を吸引し、オイルミストを順次捕捉して空気を浄化するオイルミストの除去装置で使用されるフィルタ目詰まりインジケータ、ならびにそれを装着したオイルミスト除去装置に関するものである。
工場などで発生する塵埃や油煙を除去するために用いられるオイルミスト除去装置は、例えば特開平10−216437号公報に記載されているように、オイルミスト等を含んだ空気をファンケース内の羽根車の回転によって吸引し、この吸入空気をフィルタに通して随伴するオイルミストや微細な切削屑などを捕捉する。
図9を参照して、吸入空気23からは、羽根車3Bおよび電動機29を格納しているファンケース7の上流側に位置するフィルタケース6内の面状入側フィルタ1によって、オイルミストが一次捕集される。羽根車室3Aを経てファンケース後半部に導入されると、水平配置の円筒籠27に外嵌させた筒状の出側フィルタ2によって残存オイルミストが二次的に除去される。なお、オイルミスト除去装置41で処理される空気は一般的に少し離れた場所に設置の旋盤やボール盤の上方空間等で捕集されたもので、ダクト22で導かれ空気導入管18を通してフィルタケース6に供給される。
フィルタ1,2を経て浄化された空気はその工場建屋雰囲気に戻されたり、屋外に放出される。フィルタとしては多重構造の繊維質フィルタや厚みのある不織布等が使用されたりするが、いずれもオイルミストや塵埃が多量に付着すると目詰まりを起こすので、適宜時間の使用後の保守点検作業時に交換される。フィルタケース6内の面状入側フィルタ1は側方へ引き出され、排気吐出口28を持ったファンケース7に格納の出側フィルタ2は後方へ引き出すなどして、交換が簡単にできるように配慮される。
このようなフィルタ取付構造を採用しておけば、壁際に配備されたり工作機械群の上方空間に設置されることの多いこの種の装置でのフィルタ交換作業が極めて容易となる。従って、フィルタケース6にはサイドカバー6Aが、ファンケース7にはリヤカバー7Aが取りつけられ、手軽にそれぞれのカバーを取り除くことができるようにしている。このようにしておくと、入側フィルタを前方へ抜くときフロントカバーの開放に欠かせない空気導入管18の取り外し作業や、梯子を掛けるなどして高いところへ登りフィルタ1を上方へ引き出す労力負担の大きい作業を排除することができる。
吸入空気には微細な切削屑が混入しているが、これがフィルタに付着すると目詰まりの進行を早める。そのため、入側フィルタ1の前面に衝突板24が設けられ、空気の流れの勢いで衝突する質量の大きいダストや油滴を予めはたき落とすことができるようにしている。この衝突板24の面積は入側フィルタ1の前面面積よりも小さいので、空気の流れは衝突板の周囲から矢印42,43のごとくフィルタ1に進入する。
落下したダスト等は、受け箱44やフィルタケース6の底部に溜められる。衝突板24を越えた空気に伴われるオイルミストは、かなりの部分が入側フィルタ1で捕捉される。そのオイルミストはフィルタを伝って徐々に流下するが、これもフィルタケース6の底部に溜められる。
ところで、カバーを取ることなくフィルタの目詰まりを知ることができれば、保守点検作業がおおいに軽減される。図9の右部分には、排気吐出口28から放出される浄化空気45の持つエネルギの多少をもとにして、フィルタの目詰まりを知る検出器46が示されている。これは、排気吐出口28が通常上向きエルボで形成されていることに鑑み、そのセンターに立てたガイドバー47とこれに沿って昇降することができるディスク48とからなっている。
ディスク48は上昇する排気の動圧を受けて浮漂する程度に軽量化されており、かつその除去装置41で生じる排気量にふさわしいウエイト調整が予め施される。排気の動圧が小さくなればすなわち上昇流の勢いが弱まれば、ディスクは下降してストッパ49で受け止められ、勢いがある間は図のように上昇した位置を保持する。上昇流が強い間はフィルタ1,2の目詰まりはたいして進んでおらず、排気の動圧が小さくなればフィルタの目詰まりが進んでいることになる。上昇流の勢いは徐々に低下するが、ディスクの重量を支えられなくなった時点で浮漂バランスは崩れ、ディスクは最下位置まで一気に沈降する。
この目詰まり検出器46は排気吐出口28に設けられることから、ディスク48は常に排気に曝される。排気は浄化された空気であるとはいえ、極めて僅かにしてもオイルミストが残存する。すなわち、上昇流中のミストがディスク48に衝突し、またガイドバー47に付着する。稼働期間が長くなれば摺動部48aの滑りが悪くなり、ディスクの昇降が阻害される。動きが鈍ったり不動状態になると、検出器としてもはや機能しなくなる。
オイルミスト除去装置は高い所に置かれることが多いため、排気吐出口28より上方に設置されることになるこのような目詰まり検出装置では、そのディスクの動きを観察しにくくなる。まして、排気吐出口に図示しないアフターフィルタ装置が取りつけられたりすると、ますます上方に位置する結果となり、それに遮られて見えなくなることもある。
ところで、特開平6−14855号公報には掃除機用集塵メータが開示されている。電機掃除機は吸込口側に集塵袋があり、その背後の吸込みファンにより誘引された吸入空気が集塵袋を通過する間に随伴ダストを空気から分離する。この集塵袋に多くのごみやダストが蓄積すると、オイルミスト除去装置のフィルタが目詰まりを起こしたのと同じ現象を呈する。
そこで、この集塵メータの思想をオイルミスト除去装置に適用したとすれば、図10のようになる。この種の集塵メータや吸塵力メータといった目詰まりインジケータ50は、下流側に位置する吸込みファン3とこのファンにより誘引された吸入空気23が通過する上流側のフィルタ1との間の低圧空間51に一端が連通し、他端は大気開放されているパイプ体52を備える。
このパイプ体には、パイプ一端に作用する負圧と他端に作用する大気圧との差で生じる力がコイルスプリング53の弾発力とバランスするまで位置を変えるフロート54が内装される。なお、この図においては、入側フィルタ1が電気掃除機の集塵袋に相当するが、出側フィルタ2に相当するものは電気掃除機には存在しない。
このような構成によれば、低圧空間51の圧力の大小がフロート54の占める位置によって教えられることになる。すなわち、入側フィルタ1に目詰まりがなければ吸込みファン3による空気の吸引流れは円滑であり、低圧空間51の圧力は大気圧より低くなるものの、その絶対値はさして大きくない。フロート54はストッパ55からやや左の位置へ変位する程度にとどまる。
フィルタ1の目詰まりが進行し吸入空気の流れが悪くなると、低圧空間51に大きな負圧が立つ。パイプ体内のフロート54の前後差圧が大きくなって破線で示した位置にあるフロート54はさらに左方向へ移動する力を受ける。この力がコイルスプリング53を大きく縮ませるに十分なものとなると、フロート54は実線のようにスプリング53の弾発力に抗して変位する。
ここで、集塵メータを上流側フィルタ1と下流側フィルタ2を備えるオイルミスト除去装置に適用した場合の動作をもう少し考察する。まず、ファン上流側フィルタ1および下流側フィルタ2が目詰まりしていなければ、低圧空間51に発生する負圧の絶対値は余り大きくならないから、フロートは大気開口側の待機位置から変位するにしても低圧空間方向へ少し移動するにすぎない。縮められることによって弾発力を増したコイルスプリングの復元力とバランスした時点で、そこをマザーポジションとして停止する。
ファン上流側フィルタ1の目詰まりが進むとそのフィルタでの空気の流通が悪くなって吸入量が減るので、低圧空間51の負圧の絶対値は大きくなる。ファン上流側フィルタ1の目詰まりはマザーポジションをとっていたフロート54をさらに低圧空間方向へ変位させ、その過大な変位がファン上流側フィルタ1の目詰まりを教える。
ファン上流側フィルタ1は正常であるが、下流側フィルタ2に目詰まりが生じた場合、空気の排出量は減る。低圧空間51の負圧の絶対値は、ファン上流側フィルタおよび下流側フィルタが目詰まりしていないときよりも小さくなる。フロート54はマザーポジションから大気開口側へ少し変位し、この後退がファン下流側フィルタ2の目詰まりを教えることになる。
しかし、下流側フィルタ2は吸込みファン3で加圧された高エネルギ流が通過するので空気の流れ出る力は強く、下流側フィルタの目詰まりが少々進んでも低圧空間51の負圧の絶対値低下は鋭敏に現れない。しかも、マザーポジションからの戻りは待機位置までの狭いレンジでなされるので、目詰まりの有無やその程度の判別が容易でない。このことから分かるように、下流側フィルタの目詰まり検知にはフロートの微妙な動きの把握が余儀なくされ、このときの目詰まり表示動作は実用に供し得るものとはなりがたい。
ファン上流側フィルタ1の目詰まりが進むと共に下流側フィルタ2も同様に進んだとすると、前者の目詰まりによって低圧空間51は減圧されようとするが、後者の目詰まりは当該空間の減圧を阻止しようとする。これが低圧空間の圧力の昇降を相殺するように作用し、上流側および下流側の両フィルタの目詰まりが進行しているにもかかわらずフロートはマザーポジション近傍を保持する。これでは目詰まりの進行を教えることはできず、しかも電動機29の冷却も事欠き、稼働を続行すれば故障の原因ともなる。
以上のごとく目詰まり検出機能が全うされないのは、パイプ体の一端が上流側フィルタ背後の低圧空間に臨まされているからにほかならない。かと言って、その一端開口を下流側フィルタの背後すなわち排気吐出口28の内部もしくは出口等に臨ませたとしても、大気圧より僅かに高い圧力の排気が作用するだけでスプリングに拘束されたフロートを変位させるに十分な力は生じなく、フロートの明確な変位をもとにした目詰まり検出はできない。
一端開口を上流側フィルタの前方すなわち空気導入管18の内部もしは衝突板の前部空間に臨ませたとしても、大気圧より僅かに低い圧力の吸気が作用するだけでスプリングに拘束されたフロートと圧力バランスするにしても、フロートの変位量は目に見えるほどに現れず、これまた目詰まりは検出しようがない。
これから分かるように、集塵メータ方式の目詰まりインジケータでは、オイルミスト除去装置の持つ特有のフィルタ構造にはいずれの位置に装着しても適合させ得ないことが分かる。ちなみに、オイルミスト除去装置においては、上流側フィルタと下流側フィルタの一方だけが目詰まりしてもオイルミスト除去作用は大きく減退する。従って、上流側フィルタと下流側フィルタのいずれが目詰まりを起こしたかは二の次のことであり、まずはオイルミスト除去装置をそのまま稼働させ続けても差し支えないかどうかの指針を与える目詰まり検出器となっていることが重要である。
と言うことは、いずれか一方のフィルタでも目詰まりを起こしていれば、それを知らせることができる検出機構、すなわち、ファンが上流側フィルタと下流側フィルタの間に存在していても、ファン前後に分散して配置されるフィルタの全てをひとまとめにして目詰まりの検出対象とすることができる構造が望ましく、従って、集塵メータ方式では達成し得ない目詰まり検出器の出現が待たれる。
特開平6−14855号公報 特開平10−216437号公報
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、フィルタの目詰まり検出部品が排気に曝されることを可及的に回避して残存ミストの付着蓄積による動作不良をきたしにくくすること、排気吐出口にアフターフィルタ装置が取りつけられる場合であっても、その影響を何ら受けないようにすること、除去装置を高所に設置しても歩廊等から目詰まりの有無を点検しやすくしておくこと、オイルミスト除去装置内のいずれの位置のフィルタで目詰まりが起こっても、ミスト除去装置としての稼働を続けるべきであるかどうかを教えられるようにすることである。
上記の目的のほかに、処理能力の異なるオイルミスト除去装置であっても装置ごとに簡単な調整を施せばそれにふさわしい目詰まり検出を可能にすること、上流側フィルタの側方引き出しを可能とした除去装置の場合、目詰まり検出器の取付面の選定に自由度を持たせられること、目詰まりの進行を無段階で検出できることを実現したミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器を提供することである。
本発明は、フィルタの目詰まりを通過空気の圧力変化によって検出できるようにしたミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器に適用される。その特徴とするところは、図1および図2を参照して、下流側に位置する吸込みファン3により誘引された吸入空気23が通過するフィルタ1の上流側における負圧発生空間13に上端が連通し、下端は大気開放されているパイプ体10と、そのパイプ体に内装されパイプ上端に作用した負圧による吸引力を受けて浮上し、吸引力の低下によって自重で沈降するフロート11とを備えたことである。
パイプ体10の大気開放側には、大気開放口10の開度を調整しておく絞り機構12が設けられる。フロート11を外部から目視できるようにするため、パイプ体10における少なくともフロート浮沈域は透視材で製作しておく。フロート11の位置を外部から把握することができるようにするためには、図4の(c)に示すように、フロート11Aにはパイプ体10の下端から突出する垂下材33を取りつけておくとよい。
パイプ体10は下すぼまり形状であり、図4の(e)に示されるように、フロート11とパイプ壁との間隙δが下になるほど小さくなるようにしておく。
図2にあるように、目詰まり検出器5を装備し、オイルミストを捕捉して吸入空気を浄化するフィルタ1,2が吸込みファン3の上流側のみならず下流側にも設置されているオイルミスト除去装置としておく。
吸込みファン3の上流側に位置する入側フィルタ1を内装したフィルタケース6の側面にフィルタ出し入れ用開口を閉止するサイドカバー6Aが設けられ、このサイドカバーに目詰まり検出器5を装備させておくとよい。
本発明によれば、フロートが内装されたパイプ体の上端を入側フィルタの上流側負圧発生空間に連通させ、下端を大気開放口としたので、パイプ上端に作用する負圧と大気開放口から及ぶ大気圧との差圧の多少によってフロートを浮沈させることができる。このフロートの位置を介してオイルミスト除去装置全体を通過する空気の流れの強弱が知られ、結果として目詰まりの有無を教えることができる。
目詰まり検出器にはオイルミストを随伴した吸入空気、それを浄化した処理済空気が流通するわけではないので、付着ミストでフロートの動作不良をきたすことはなくなる。排気吐出口にアフターフィルタ装置が取りつけられても、検出器はフィルタの下流側に装着されることはないから、アフターフィルタの存在で目詰まりの検出が阻害されることもない。
パイプ体の大気開放口開度を調整しておく絞り機構を設ければ、フロートの浮揚力の変更設定が可能となる。開度を絞って非目詰まり時のフロート浮揚力を小さくすれば初期目詰まりでフロートを沈降させ、目詰まり進行を早期に教えることができる。浮揚力が大きくなるように開度調整すれば、末期目詰まりの段階でフロートを沈降させることができるといったように、検出したい目詰まりの程度に見合ってフロートを動作させることができるようになる。
パイプ体における少なくともフロート浮沈域を透視材で製作しておけば、フロートを外部から目視することが容易となる。オイルミスト除去装置が高所に設置されることになっても、少し見上げた箇所に目詰まり検出器を位置させることができるので、目詰まりの点検作業は著しく負担の軽いものとなる。
フロートにパイプ体の下端から突出する垂下材を取りつけておけば、空気を取り込む大気開放口を通過させて、フロートの浮漂位置を突出量の大小で把握することができる。この場合、パイプ体は透明である必要がなく、部品素材採択の自由度が拡大する。
パイプ体を下すぼまりの逆円錐台形とし、フロートとパイプ壁との間隙が下になるほど小さくしておくなら、フロートの下降につれて閉塞率を上げることになり、フロートの中間位置浮漂も可能にする。吸引力の強さによってフロートのとる位置を変えることができるので、パイプ体上端に作用する負圧の変化を無段階的に知ることができる。目詰まりの進行度がある程度きめ細かく把握できれば、フィルタ交換の緊急性の有無や保守作業のスケジュール指針も得やすくなる。
以上述べた構成の目詰まり検出器をオイルミスト除去装置に装備させれば、吸込みファンに対するフィルタの位置に関係なく、オイルミストを捕捉して吸入空気を浄化する能力を保有しているかどうかを、ケースカバーを外すことなく常時確認できる除去装置とすることができる。このオイルミスト除去装置によれば、吸込みファンの上流側にフィルタを備える場合のみならず、下流側のフィルタも有する複数段構成のフィルタリングシステムにおいても、検出精度の低下をきたすことがない。
吸込みファンの上流側に位置する上流側フィルタを内装したフィルタケースの側面にフィルタを出し入れする開口にサイドカバーが取りつけられる場合、そのサイドカバーに目詰まり検出器を装備させることができる。サイドカバーは通常フィルタケースの左右に設けられるゆえ、いずれの側のサイドカバーにも取付孔が形成されていれば、任意の側に装着できる。オイルミスト除去装置が壁際に置かれた場合、スペースに余裕のある側もしくは観察しやすい側に検出器を取りつけるといったように取付面の選択幅が拡がる。
以下に本発明に係るオイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器およびそれを用いたオイルミスト除去装置を、その実施の形態を表した図面をもとにして、詳細に説明する。図2は、オイルミストを捕捉して吸入空気を浄化するフィルタ1,2が吸込みファン3の上流側と下流側に設置されているオイルミスト除去装置4の縦断面図である。この除去装置には、フィルタの目詰まりの有無やその程度をある一つの空間の圧力変化によって検出できるようにしたミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器5が装備されている。
オイルミスト除去装置自体は図9のところですでに述べたのでその詳しい繰り返しは避けるが、吸込みファン3の上流側に設置されたフィルタ1と下流側に設置されたフィルタ2とにより、オイルミストを捕捉して浄化された空気を放出させることに変わりはない。その吸込みファン3の作用で吸入空気をフィルタ1に通過させる点では電気掃除機と原理を同じくするものの、オイルミスト除去装置の場合上記したように吸込みファン3の下流側にもフィルタ2が装着され、吸込みファンを挟んでフィルタが多段に配備される点で異なる。
このオイルミスト除去装置4は、吸込みファン3の上流側に位置する入側フィルタ1を内装したフィルタケース6の側面にフィルタ出し入れ用開口を閉止するサイドカバー6Aが設けられ、下流側フィルタ2を内装したファンケース7の背面には筒状の出側フィルタ2を出し入れするリヤカバー7Aが設けられた例となっている。この除去装置には、左右のサイドカバー6Aの一方に図3に示すごとく目詰まり検出器5が装着される(他方のカバーは反対側であり図に現れていない)。他方のサイドカバーにも検出器を取りつけることができるように通気孔8(図1を参照)が設けられているなら、その部分には盲蓋9が嵌められるなどして、空気の出入りが阻止される。
図1を参照して、目詰まり検出器5を説明する。検出器は垂直設置のパイプ体10と、パイプ体内で位置を変えるフロート11と、パイプ下端の絞り機構12とからなる。パイプ体10はフロート11の変位をガイドすると共に浮漂するフロートの周囲を抜けて流通する空気の量に制約を与えるための密閉空間を形成するものである。従って、パイプ、チューブの名称の如何を問わず、その機能を発揮するものであればよい。
そのパイプ体10は、上端が吸込みファンにより誘引された吸入空気が通過するフィルタの上流側における負圧発生空間13に連通し、下端が大気開放されたものである。例示したパイプ体10は、上端部がエルボ14、中間部がストレートパイプ15、下端部がスリーブ16で構成され、一つの空気通路をなす。このパイプ体10には目詰まりの有無を教えるフロート11が内装されるので、少なくともフロートの浮沈域を透視材すなわち透明ガラスパイプ、アクリルパイプもしくは透明樹脂チューブ等で製作しておけば、フロート11を外部から直接視認できて都合がよい。オイルミスト除去装置が高所に設置されることになっても、サイドカバー6Aへの取り付けを可能にしたことで少し見上げるだけの目詰まり確認で済み、点検作業の負担は著しく軽減される。
フロート11は、パイプ上端に作用した負圧による吸引力を受けて浮上し、ある一定の吸引力まで低下した場合には自重で沈降するものである。すなわち、負圧発生空間13の負圧の大小によってパイプ体内での位置を変える。それゆえ、フロート11は検出したい目詰まりの度合いに対応した負圧を受けたとき、それによって生じる吸引力に勝る重量が与えられる。ちなみに、軽量プラスチックや発泡プラスチック、ナイロン樹脂等により例えば弾頭状に形成される。
この例では、パイプ体10の中間部を透明にしてフロート11の位置を目視できるようにしているため、フロートが上下で色分けされている。後述する図4の(a)にあるように、フロート11がスリーブ16に着座したときには上半部のみが見え、最上端に位置しているときには下半部のみが見えるように、各端における座面14a,16aの位置を定めておく。上半部に赤を下半部に緑を施せば、フロート11が最下位置にあるとき赤のみが目に入り、最上位置にあるとき緑のみが目に入ることになる。
フロート11の最大径を例えば8.5ミリメートルとするなら、パイプの内径は9ミリメートルとしておく。0.25ミリメートル幅の環状間隙がフロートの周囲に形成されるが、この僅かな間隙の存在によりフロート11がストレートパイプ15に沿って円滑に昇降することができる。なお、間隙を通して少量の空気17(図1を参照)が上昇してフィルタケース6に導入されることになるが、空気導入管18(図2、図3を参照)を通してフィルタケース6に入る空気量に比べれば無視し得る量であり、特に問題を惹き起こすほどのことはない。
フロート11には色違いの境界部分に段差が与えられているが、これは最下位置での着座にあたりスリーブ16の上縁で噛み込みの発生を避けるためのものである(図1中に仮想線で表したフロート11を参照)。しかし、これは是非なければならないというものではない。なお、フロートが弾頭状であるのは僅かとはいえ発生する上昇流の乱れを少なくするためとフロート自体の姿勢を保持しやすくするためである。しかし、パイプ体10の中を高速気流が通過するわけではないから、後で説明する図4の(c)に示す整流機能の低い形状のフロート11Aであって差し支えない。
また、フロートは一つとは限らず、球の二つを上下に並べて内装することも差し支えない。その場合、上球を赤く、下球を緑として、座面14a,16aの位置を適宜に設定すれば、最上位置では緑のボールだけが見え、最下位置では赤だけが見えるというようにすることができる。ちなみに、ボールが二つ存在しても、その浮沈は一つである場合と何ら変わらず、インジケータとしての挙動に違いが生じるわけでない。このように、フロートの形状等には幾つかのバリエーションが存在するが、本発明においてはフロートの形状を特定しようとするものではない。
絞り機構12はパイプ体10の大気開放側に設けられ、大気開放口の開度を予め調整する。これは、フロートの下方空間にも幾分かの負圧を生じさせるためのものであるが、その説明は後で述べる。開度変更の目的とするところは、フィルタ交換が必要となるほどの目詰まりが発生したときフロート11の沈降を実現する圧力関係を生じさせやすくべく、スリーブ16に設けた大気開放口19の開度を規定する。図1の例ではスリーブ16内に形成されたねじ孔に螺着されるボルト20の脚の進出量の多少で、開放口開度を変更できるようにしている。適宜の進出量を与えたところでナット21を締めれば、スリーブ16との螺合状態が固定される。変更したければナットを緩めて同様の操作をすればよい。
このような構成された目詰まり検出器5によれば、以下のような挙動により、オイルミスト除去装置の稼働の継続の可否を判定することができる。図2を参照して、まず、ダクト22から空気導入管18を経てフィルタケース6に入った吸入空気23は、衝突板24で質量の大きい随伴物を脱落させ、軽微な浮遊物と共に入側フィルタ1に吸引される。入側フィルタは図のような多層体とは限らないが、単層多層の別なく流通空気からオイルミストを分離する。濾過空気は背後に設けた一次デミスタ25を経て羽根車室3Aに入る。なお、デミスタは成長油滴の下流側への飛散を防止する。
吸込みファン3の羽根は回転しているので、吸入空気は背後に圧送される。二次デミスタ26を通過して筒状フィルタ2の周囲に到達する。このフィルタにおいて残存浮遊物が捕捉され、電動機の設置スペースを確保している円筒籠27の内部を経て排気吐出口28から放出される。吸入空気23は吸込みファン3の上流側のフィルタ1と下流側のフィルタ2で濾過されることになるが、以上の説明から容易に想像できるように、上流側フィルタ1を通過する空気は大気圧よりも低いマイナス圧となり、下流側フィルタ2を通過する空気は大気圧より高いプラス圧である。
この現象は、フィルタ1,2の一方もしくは両方で目詰まりが発生しようとも変わることはない。プラス圧は大気圧から吸込みファン3の吐出圧力に到る大きな圧力レンジを持つが、上流側フィルタ1の前面の圧力はフィルタ1に目詰まりがないときに生じる例えば0.27kPa(=27mmAq)程度から、目詰まりが末期状態となったときすなわち吸入空気量が少なくなって空気が停滞した状態に近いとき、例えば0.05kPa(=5mmAq)程度となる。このマイナス圧レンジは極めて小さいことが分かる。
これに着目すれば、図10のところで述べたように大きな吸引力に対抗させるためのスプリング53は必要でなく、負圧となったフィルタケース6に向けて大気開放口19(図2を参照)から僅かな空気が流入する。パイプ体10内には僅かな上昇流が発生することになるが、フロート11の上面に作用する負圧と下面に作用する大気圧との差圧によって生じる力がフロートの重量に勝っている間はフロート11を浮揚させる。それゆえ、フロートの上面が大気圧に近づくと上下差圧が小さくなり、浮揚力は維持されなくなることが理解される。
目詰まりが上流側フィルタ1のみで起こった場合、下流側フィルタ2のみで起こった場合、両方のフィルタで起こった場合と、目詰まりには幾つかの組み合わせがあるが、いずれにしてもどれかのフィルタでミスト捕捉能力が大きく減退していれば、もはやそのオイルミスト除去装置を保守作業の対象としなければならない。上流側フィルタ1での目詰まりが酷くなると吸入空気の通過が抑止され、吸入空気量が減少する。下流側フィルタ2での目詰まりが激しくなったときは、羽根によって押し出される空気の流出が阻害される。いずれにしてもオイルミスト除去装置を通過する空気量を減少させるように作用する。
通過空気量が減るということは流れが停滞気味になるわけであるから、入側フィルタ1の前面の負圧発生空間13の静圧は可及的に大気圧に近づく。ついでながら、この場合、電動機29の冷却に必要な空気の流れも確保されにくくなる。フィルタケース6内が大気圧に近づくと、パイプ体10内でフロート11を浮揚させていた吸引力は極端に低下し、フロート11の沈降が目詰まりのあることを教える。各カバー6A,7Aを開いて目詰まりしている一方もしくは両方のフィルタを交換する。目詰まり検出器5の中を空気が流れるが、吸込みファン3により吸引された吸入空気や浄化処理済空気が通過するわけではなく、除去装置周囲の清浄雰囲気がしかも僅かな量通過するにすぎず、動作不良をきたすほどに影響することはない。
排気吐出口28にアフターフィルタ装置が取りつけられていても、検出器5はフィルタ1,2の下流側に装着されるわけではないから、アフターフィルタの存在で目詰まりの検出が阻害されることもない。オイルミストを捕捉して吸入空気を浄化する能力を持続しているかどうかを、ケースカバーを外すことなく常時確認できる除去装置となる。吸込みファン前後で複数段構成をなすフィルタリングシステムであっても、何ら検出精度の低下をきたすことがない。
パイプ体10の大気開放口開度を調整しておく絞り機構12により、フロート11の浮揚力を変更することができる。従って、浮揚力の変更によりフロートが沈降するときの目詰まりの進行程度を違えることができる。末期目詰まりを知らせたいときは、非目詰まり時のフロート浮揚力を増大させるべく大気開放口の開度を大きくしておく。負圧発生空間13の圧力が大気圧に接近して、すなわち目詰まりが酷くなって初めてフロートが沈降することになる。
中期目詰まりを教えようとする場合は、開放口19を少し絞る。フロート下面のパイプ体内空間15A(図1を参照)にも幾らかの負圧が生じるので、フロートの浮揚力を低減することができる。負圧発生空間13の圧力が大気圧に接近しなくても、すなわち末期目詰まりに到る以前にフロートを沈降させることができる。絞り度合いを大きくすれば、非目詰まり時のフロート浮揚力はますます小さくなり、初期目詰まりでもフロートを沈降させることができる。
フィルタのどの程度の目詰まり時点で交換するのがよいかは経験則で定められるが、この絞り機構12によれば、そのときのフロート吸引力の強さ調整が可能となり、インジケータとして教えるべき目詰まりの進行程度に合わせてフロートを動作させることができるようになる。従って、処理能力や吸入空気量の異なるオイルミスト除去装置であっても、調整ひとつで同じ目詰まり検出器を使用することができるようになり、検出器の適用範囲の拡大が図られる。
具体的に述べれば、上記した0.25ミリメートル幅の環状間隙がフロート周囲に形成されているとしても、フィルタケース6で立つ負圧が例えば0.27kPaより絶対値の大きいオイルミスト除去装置、すなわち吸込みファン3の吸引力の大きい吸込みファン3が搭載されている除去装置においては、たとえ0.25ミリメートル幅間隙といえども、パイプ体10内の空気流を高速化させる。高速化すれば通過空気量が多くなることを意味するが、そのままにしておけば、負圧発生空間に発生する負圧レンジのうち大気圧寄りの極く狭い部分に至らなければ同じ重量のフロートは沈降しなくなる。これでは目詰まりを知らせた時点で目詰まりが進行しすぎることになる。
そこで、絞り機構12によって大気開放口19の開度を減らせばフィルタケース6での負圧が高くてもフロート11の下方空間にも負圧が立ち、結局はフロートの上下面に作用する差圧を小さくできる。すなわち、目詰まりがある程度進行してフロート上面に作用する負圧の絶対値が小さくなった時点で、フロートを支え切れない状態をつくることができる。吸込みファンの能力が異なってもフロートの重量を変更することなく、この絞り機構による絞り加減でもって、目詰まりの進んでいることを適宜な時点で知らせることができるようになる。
吸込みファン3の上流側に位置する上流側フィルタ1を内装したフィルタケース6の側面にフィルタ出し入れ用開口を閉止するサイドカバー6Aが設けられるから、そのサイドカバーに目詰まり検出器5を装備させることができる。サイドカバー6Aはフィルタケース6の左右に設けられるので、いずれの側のサイドカバーにも通気孔8(図1を参照)が形成されれば、任意の側に装着できる。オイルミスト除去装置が壁際に置かれた場合、スペースに余裕のある側もしくは観察しやすい側に検出器を取りつけるというように取付面を自由に選択する余地が与えられる。
図4は目詰まり検出器の異なる例の模式図である。(a)は大気開放口19をスリーブ16の通路自体とし、その通路に絞り機構としてのバタフライ弁30を採用したものである。(b)はバタフライ弁に代えて流通遮断部材としてボルト31を使用したもので、絞り機構としては適宜な手段を採用できることが分かる。
ところで、パイプ体10は垂直でなければならないというものでもない。図5に示すように傾斜したものであってもよい。要するに上端に負圧が作用し下端に大気圧が及ぶパイプであればフロートを変位させることができる。ただし、フロート11Bは垂直変位するものでないから如何なる姿勢をとっても同じ形状を維持する球形としておく。ボール32を色分けしても意味がないから、最上位置ではボールの全部もしくは一部が隠れるようにしておき、最下位置ではボールの全部が見えるようにしておけば、位置確認に手間取ることはなくなる。
図4に戻って、その(c)にはパイプ体10が透明でなくてもフロート11Aの位置を知ることができるようにした目詰まり検出器が示されている。これは、フロートの位置を外部から把握することができるようにするため、フロート11Aには軸方向に延びてパイプ体10の下端から突出するロッドやワイヤといった垂下材33を取りつけたものとなっている。
空気を取り込む下向きの大気開放口19を通過させて、フロート11Aの浮漂位置を突出量の大小で外部から把握することができる。この場合、パイプ体10は透明である必要がないから素材選定の自由度が大きくなる。なお、大気開放口19は垂下材挿通孔でもあるので、絞り機構12を構成するボルト20等で開度調整できるように、開放口断面形状は(d)に示すように洋梨状とするなどの工夫を施せばよい。
以上述べた図1、図4の(a)ないし(c)の目詰まり検出器は、フロートがその上下差圧を利用しての浮揚であるので、浮揚している間は常に最上位置に到達する。そして目詰まりによりファンケース内負圧が小さくなった時点で生じる差圧ではフロート重量を支持しきれなくなり、フロートは一気に沈降する。その結果、最下位置まで落ちることになるので、フロートが中間位置で浮漂するということはあり得ない。
パイプ体10の上端に作用する負圧は、非目詰まり時0.27kPaであり、目詰まり時は0.05kPaであるとの一例を上で紹介した。完全に目詰まりしてからフィルタを交換したのでは、保守作業が手遅れとなる。そこで、−0.15kPa(=−0.15×103 ×1.020×10-5kgf/cm2 =−0.153×10-2kgf/cm2 =−1.53gf/cm2 )となった時点でフィルタ交換するものとする。フロートの被圧面積が0.852 π/4cm2 (=0.567cm2 )であるから、フロートの重量を0.567cm2 ×1.53gf/cm2 =0.868gとしておけば、−0.27〜−0.15kPaである間はフロートは最上位置にあり、−0.15kPaより絶対値が小さくなるとフロート11は沈降して最下位置となる。
点検作業でフロートが沈降しているのを発見すると、そのオイルミスト除去装置における負圧発生空間13の負圧の絶対値は0.15kPaより小さくなっていることを知ることができる。ところが、発見した時点で何時頃0.15kPaとなったのかは知る機会は無いに等しい。なぜなら、−0.27〜−0.15kPaである間はフロートに作用する浮揚力はフロートの重量を超えているので、フロートはその間ずっと最上位置にあるからである。
図4の(e)は、パイプ体10Aを下すぼまり形状(逆円錐台)としたものである。フロート11とパイプ壁との間隙δが下になるほど小さく、すなわち下になるほど閉塞率を上げて浮漂性を確保したものとなっている。パイプは逆円錐台形とはいえ、その最下位置での内径を9ミリメートルとしても最上位置のそれは10ミリメートル程度にすぎない。従って、(e)の図はかなり誇張して描かれている。この間隙は先のいずれの例の場合と同様にフロートの変位を阻害しないためのものであるが、それに加えて、負圧発生空間の負圧が−0.27kPaから−0.15kPaまでの範囲で低下するとき、フロート11に負圧の大きさに応じた浮漂位置をとらせ、目詰まりの進行程度をも教えることができるようにする。
フィルタケース6内の負圧が−0.27kPaの場合、フロート11の重量0.868gからみればフロートを浮上させるには過大な圧力である。従って、フロート11の周囲から空気が上昇してフロートの上面の負圧が少しくらい減ったところで、その負圧はフロートを浮上させておくに十分な力を発揮する。いま目詰まりが少し進行して負圧発生空間13の負圧が−0.20kPaとなったとする。最上位置にあるフロート11には、その周囲から上方へ空気が回り込み、フロート上面の負圧は少し減る。この負圧とフロート下面に作用する大気圧との差をもってしてはフロートの重量を支え切れなくなれば、フロートは当然降下し始める。
フロート11が降下すると、パイプ体10Aにテーパが与えられている関係上フロート周囲の間隙δが小さくなる。フロート上面に回り込む空気量は減少し、フロート上面には負圧発生空間の負圧が直接もしくはそれに近い負圧が作用する。フロートの重量がこの負圧の作用によって生じる浮揚力と一致するとその時点でバランスがとれ、フロートは浮漂状態に入ってその位置にとどまる。さらに目詰まりは進むが、その場合も同じ挙動となってそれより下がったいずれかの位置でとどまる。負圧が0.15kPaにまで降下するとフロートを支える力は消失し、フロートは一気に沈降する。
このように動作する目詰まり検出器としておけば、負圧が0.15kPaに降下するまでの間、フロート11が目詰まりの程度に応じた中間浮漂位置をとることができる。0.15kPaに降下するまでは、目詰まりの進行程度を無段階に教える検出器となる。目詰まりの進行度が連続的に把握できることになると、フィルタ交換の緊急性の有無や保守作業のスケジュール指針も得やすくなる。
以上幾つかの実施の形態をもとにして目詰まり検出器もしくは目詰まりインジケータとしての機能を説明したが、本発明はこれらに限らず、サイドカバーのない除去装置に適用することもできる。その場合にはフィルタケースの側面のみならず、空気導入管と干渉しない位置ならケース前面に取りつけこともできる。
また、本発明は図2に示したオイルミスト除去装置4のみならず、図6のように円筒状出側フィルタに代えて2ステージの水平面状出側フィルタ群34とした装置や、図7に示す2ステージの水平/垂直面状出側フィルタ群35とした装置、さらには図8に示す電動機29の露出タイプ装置に対しても適用できることは言うまでもない。ちなみに、吸込みファンを挟んで複数段のフィルタが設けられている場合に限らず、例えば上流側フィルタだけであっても、また、デミスタの有無にかかわらず本発明の思想は生かすことができるのも述べるまでもない。
本発明に係るオイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器の構成を表した断面図。 本発明を適用したオイルミスト除去装置の一例の縦断面図。 本発明が適用されたオイルミスト除去装置一例の外観斜視図。 形態の異なる目詰まり検出器の各模式的断面図。 パイプ体が傾斜している目詰まり検出器の一例の断面図。 出側フィルタが面状で2ステージを形成しているオイルミスト除去装置の内部構造図。 出側フィルタが水平/垂直姿勢となっている2ステージオイルミスト除去装置の内部構造図。 電動機がファンケース外に装備された例のオイルミスト除去装置の内部構造図。 従来技術としての排気吐出口に設けられた目詰まり検出器の一例を装備したオイルミスト除去装置の縦断面図。 電気掃除機等で採用される集塵メータの思想を適用して、その動作を説明するために用いたオイルミスト除去装置の断面図。
符号の説明
1…入側フィルタ(上流側フィルタ)、2…出側フィルタ(下流側フィルタ、筒状フィルタ)、3…吸込みファン、4…オイルミスト除去装置、5…目詰まり検出器、6…フィルタケース、6A…サイドカバー、10,10A…パイプ体、11,11A,11B…フロート、12…絞り機構、13…負圧発生空間、19…大気開放口、23…吸入空気、33…垂下材、δ,δMAX ,δMID ,δMIN …フロート周囲の間隙。

Claims (7)

  1. フィルタの目詰まりを通過空気の圧力変化によって検出できるようにしたミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器において、
    下流側に位置する吸込みファンにより誘引された吸入空気が通過するフィルタの上流側における負圧発生空間に上端が連通し、下端は大気開放されたパイプ体と、
    該パイプ体に内装され、パイプ上端に作用した負圧による吸引力を受けて浮上し、吸引力の低下によって自重で沈降するフロートと、
    を備えたことを特徴とするオイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器。
  2. 前記パイプ体の大気開放側には、大気開放口の開度を調整する絞り機構が、設けられていることを特徴とする請求項1に記載されたオイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器。
  3. 前記フロートを外部から目視できるようにするため、前記パイプ体における少なくともフロート浮沈域は透視材で製作されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたオイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器。
  4. 前記フロートの位置を外部から把握することができるようにするため、フロートには前記パイプ体の下端から突出する垂下材が取りつけられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたオイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器。
  5. 前記パイプ体は下すぼまり形状であり、フロートとパイプ壁との間隙が下になるほど小さくなっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載されたオイルミスト捕捉用フィルタの目詰まり検出器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された目詰まり検出器を装備し、オイルミストを捕捉して吸入空気を浄化するフィルタが吸込みファンの上流側のみならず下流側にも設置されていることを特徴とするオイルミスト除去装置。
  7. 吸込みファンの上流側に位置する入側フィルタを内装したフィルタケースの側面に該フィルタの出し入れ用開口を閉止するサイドカバーが設けられ、該サイドカバーに目詰まり検出器が装備されることを特徴とする請求項6に記載されたオイルミスト除去装置。
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