JP4273799B2 - Method for producing alkylene derivative - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルキレン誘導体の製造方法、詳しくは、4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイド触媒を用いて、二酸化炭素の存在下にエチレンオキシド等のアルキレンオキシドと水又は二酸化炭素とを反応させて、エチレングリコール等のアルキレングリコール又はエチレンカーボネート等のアルキレンカーボネートを製造する方法に係り、特に、この反応系から4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイド触媒を効率的に回収して循環使用する方法に関する。
【0002】
なお、本発明におけるアルキレングリコールとは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数2〜10程度のアルキレングリコールを指し、アルキレンカーボネートとは、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の炭素数2〜10程度のアルキレンカーボネートを指す。
【0003】
【従来の技術】
エチレングリコールは、エチレンオキシド(酸化エチレン)を水と直接反応させて加水分解することにより、大規模に製造されているが、この方法では、加水分解に際し、ジエチレングリコールやトリエチレングリコールなどの副生を抑制するために、エチレンオキシドに対して化学量論量よりも大過剰の水を使用しなければならない。そのため、生成したエチレングリコール水溶液を蒸留して大過剰の水を脱水する必要があり、精製されたエチレングリコールを取得するのに多大のエネルギーを要するという問題がある。
【0004】
この問題を解決する方法として、二酸化炭素の存在下に水とエチレンオキシドとを反応させることにより、エチレングリコールを製造する方法が提案されている。この反応は、エチレンオキシドと二酸化炭素との反応でエチレンカーボネートが生成し、エチレンカーボネートが加水分解されることによりエチレングリコールが生成する2段反応である。この2段反応は、反応系に水が存在するため、同一の反応器内でも進行するが、第2段目の反応を完結させるために、後段に更に反応器を設けても良い。エチレンカーボネートの加水分解では、ジエチレングリコールやトリエチレングリコールなどは殆ど副生しないため、加水分解は化学量論量より若干過剰の水で行わせることができ、生成したエチレングリコール水溶液の脱水に要する費用を大きく減少させることができる。なお、エチレンオキシドと二酸化炭素との反応で生成したエチレンカーボネートの加水分解で二酸化炭素が生成するため、この二酸化炭素は循環再使用される。
【0005】
また、この方法では、反応条件を低温化して原料水量を低下させることでエチレングリコールの生成量を抑え、エチレンカーボネートを製造することも可能である。
【0006】
このようにしてエチレンオキシドからエチレングリコール及び/又はエチレンカーボネートを製造する際の触媒としては種々のものが提案されているが、その好ましいものの一つは有機ホスホニウム塩、特に好ましくは4級ホスホニウムヨーダイド又はブロマイドである(特公昭55−47617号公報)。また、このような有機ホスホニウム塩に助触媒としてアルカリ金属の炭酸塩を併用しても良い(特開平12−128814号公報)。
【0007】
ところで、原料のエチレンオキシドは、エチレンの酸化により製造されるが、その際、反応系には、酸化反応の選択性を向上させるためにエチルクロライド等のクロロ炭化水素が選択性調節剤として供給される(特開平2−104579号公報)。
【0008】
【特許文献1】
特公昭55−47617号公報
【特許文献2】
特開平12−128814号公報
【特許文献3】
特開平2−104579号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
二酸化炭素の存在下でエチレンオキシドと水又は二酸化炭素とを反応させてエチレングリコール又はエチレンカーボネートを製造する方法は、上述の如く、副生物の問題のない工業的に有利な方法であるが、反応を継続することにより、反応効率が低下するという問題がある。
【0010】
本発明者は、この反応効率低下の原因について検討した結果、反応系内の4級ホスホニウムヨーダイド又はブロマイド触媒が触媒活性の低いクロライドに変換されることが原因であることを知見した。実際、約1年の装置の稼動により、反応系内の4級ホスホニウムヨーダイド又はブロマイド触媒の20%程度が4級ホスホニウムクロライドに変換されていた。
【0011】
4級ホスホニウムヨーダイド又はブロマイドが4級ホスホニウムクロライドに変換される理由は、原料のエチレンオキシドに不純物として含まれる塩素化合物が反応系内に導入されることによるものと考えられた。即ち、前述の如く、エチレンオキシドの製造工程では、反応の選択性の向上のために反応系にクロロ炭化水素が選択性調節剤として供給されているが、このクロロ炭化水素に含まれる塩素は、精製系を経てもなお製品エチレンオキシドに塩素化合物として残留するため、これがエチレングリコール又はエチレンカーボネートの製造工程に混入することとなる。この製品エチレンオキシドに混入して導入される塩素化合物により、その反応機構の詳細は明らかではないが、4級ホスホニウムヨーダイド又はブロマイドが4級ホスホニウムクロライドに変換されるものと考えられる。
【0012】
従って、エチレングリコール又はエチレンカーボネートの製造工程では、反応系から触媒由来の反応活性の低い4級ホスホニウムクロライドを分離除去し、高活性の4級ホスホニウムヨーダイド又はブロマイドのみを残すようにする必要がある。しかしながら、従来においては、経時による反応効率の低下がこのクロライドへの経時的変換に起因するものであるとの解明もなされておらず、まして反応系の触媒である4級ホスホニウムヨーダイド又はブロマイドと4級ホスホニウムクロライドとを分離する方法についても、4級ホスホニウムクロライドを4級ホスホニウムヨーダイド又はブロマイドに変換する方法についても全く検討されていなかった。
【0013】
本発明は上記従来の問題点を解決し、4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイド触媒を用いて二酸化炭素の存在下にエチレンオキシド等のアルキレンオキシドと水又は二酸化炭素とを反応させてエチレングリコール等のアルキレングリコール又はエチレンカーボネート等のアルキレンカーボネートを製造する方法において、反応系で生成した4級ホスホニウムクロライドを効率的に4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドに変換して回収し、これを反応系に循環使用する方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルキレン誘導体の製造方法は、
4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドを触媒として用いて、二酸化炭素の存在下にアルキレンオキシドと水とを反応させてアルキレングリコールを生成させる反応工程を備えるアルキレングリコールの製造方法、
或いは、
4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドを触媒として用いて、アルキレンオキシドと二酸化炭素とを反応させてアルキレンカーボネートを生成させる反応工程を備えるアルキレンカーボネートの製造方法
において、
該反応工程から得られた、4級ホスホニウムクロライドと4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドとを含有する混合物に、ヨウ化物及び/又は臭化物を添加することにより、該4級ホスホニウムクロライドをヨーダイド及び/又はブロマイドに変換して水中で析出させることを特徴とする。
【0015】
本発明者は、上記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイド触媒を用いて、二酸化炭素の存在下にアルキレンオキシドと水又は二酸化炭素とを反応させてアルキレングリコール又はアルキレンカーボネートを生成させる反応工程から得られた、4級ホスホニウムクロライドと4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドとを含有する混合物に、ヨウ化物及び/又は臭化物を添加することにより、この混合物中の4級ホスホニウムクロライドをヨーダイド及び/又はブロマイドに変換させることが可能であり、これにより、予め存在する4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドと、4級ホスホニウムクロライドとヨウ化物及び/又は臭化物との反応で生成した4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドとを、水中で析出させて沈殿として回収することができることを見出し、本発明に到達した。
【0016】
なお、以下において、4級ホスホニウムクロライドを4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドに変換するために、ヨウ化物及び/又は臭化物を添加する、4級ホスホニウムクロライドと4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドとを含有する混合物を「処理対象混合物」と称す場合がある。また、以下において、反応器から流出する液ないし反応器から抜き出した液を単に「反応液」と称し、この反応液から水及びアルキレングリコール、アルキレンカーボネートを蒸留分離することにより、触媒が濃縮された液を単に「触媒液」と称す場合がある。
【0017】
本発明は、この処理対象混合物として、アルキレングリコール又はアルキレンカーボネートの反応工程から抜き出した触媒を含有する反応液に対して、そのまま適用することが可能であるが、別法としてこの反応液中の溶媒であるアルキレングリコール又はアルキレンカーボネートの一部又は全量を蒸発除去した後の液状の触媒液又は固体状の残留物に対して水を添加して触媒の一部を析出させて回収した後の液に適用することも可能である(以下において、この触媒液又は固体状の残留物に水を添加して触媒の一部を析出させて回収する操作を「前回収」と称す場合がある。)。このような前回収処理を経ることにより、処理対象混合物の4級ホスホニウムクロライドの濃度を高めることができ、その4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドへの転換、回収率を高めることができる。
【0018】
また、更に別法として、上記前回収を行う際に、触媒液又は固体状の残留物に添加する水の代わりにヨウ化物及び/又は臭化物を溶解させた水溶液を使用しても良く、これにより、4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドの回収率を高めることができる。
【0019】
いずれの方法においても、水に溶解している4級ホスホニウムクロライドにヨウ化物及び/又は臭化物を添加すると4級ホスホニウムクロライドはヨーダイド及び/又はブロマイドとして析出沈殿し、溶液中には添加した化合物に対応するクロライドが溶解したまま残る。従って、析出した沈殿を固液分離することにより、容易に4級ホスホニウムクロライドを4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドとして分離回収することができる。
【0020】
このようにして回収した4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドはアルキレングリコール又はアルキレンカーボネートの反応工程へ循環使用することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のアルキレン誘導体の製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
なお、以下においては、本発明を、4級ホスホニウムヨーダイド触媒を用いてエチレンオキシドからエチレングリコールを製造する反応に適用する場合について主に説明するが、本発明は、その他、プロピレンオキシドからのプロピレングリコールの製造等、各種アルキレングリコールの製造に好適に適用可能である。また、触媒として4級ホスホニウムブロマイドを用いる場合、或いは、触媒として4級ホスホニウムヨーダイドと4級ホスホニウムブロマイドとを併用する場合にも同様に適用することができる。更にまた、本発明は、前述の如く、このアルキレングリコールの製造方法と同様の手法で、反応条件を変更し、反応温度を低温下してエチレングリコール等のアルキレングリコールの生成量を抑え、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネートを製造する反応にも適用することができ、また、アルキレンカーボネートとアルキレングリコールとの両方を目的生成物とする反応にも適用することができる。
【0023】
また、以下においては、処理対象混合物にヨウ化物を添加して4級ホスホニウムクロライドを4級ホスホニウムヨーダイドに変換して回収する方法を例示するが、臭化物を添加して、4級ホスホニウムクロライドを4級ホスホニウムブロマイドに変換して回収しても良く、また、ヨウ化物と臭化物を併用添加して4級ホスホニウムクロライドを4級ホスホニウムヨーダイド及び4級ホスホニウムブロマイドに変換して回収しても良い。
【0024】
本発明に適用可能な4級ホスホニウムヨーダイド触媒としては、特公昭58−22448号公報に記載の化合物がある。代表的なものとしては、トリフェニルメチルホスホニウムヨーダイド、トリフェニルプロピルホスホニウムヨーダイド、トリフェニルベンジルホスホニウムヨーダイド、トリブチルメチルホスホニウムヨーダイド等が挙げられる。このような4級ホスホニウムヨーダイド触媒は、エチレンオキシドに対して0.001〜0.05倍モルとなるように反応系に供給するのが好ましい。なお、4級ホスホニウムブロマイド触媒を用いる場合、上記4級ホスホニウムヨーダイド触媒に対応するブロマイド触媒を用いることができ、その好適な使用量は、4級ホスホニウムヨーダイド触媒と同等である。
【0025】
本発明においては、反応系内に助触媒としてアルカリ金属の炭酸塩を共存させても良く、これによりエチレングリコールの生成効率を高めることができる。アルカリ金属の炭酸塩を反応系内に共存させるには、ナトリウム又はカリウム、好ましくはカリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、又は重炭酸塩を添加すれば良く、いずれのアルカリ金属化合物を添加しても、これらは反応系内では炭酸塩として存在する。この場合、アルカリ金属の炭酸塩、好ましくは炭酸カリウムは、4級ホスホニウムヨーダイドに対してモル比で0.01〜1となるように存在させることが好ましい。
【0026】
エチレンオキシドに対する水の量は化学量論量まで減らすことが可能であり、また、反応形式によってはそれ以下でも良いが、通常エチレンオキシドに対して1.0〜10.0倍モル程度用いることが好ましい。また、二酸化炭素はエチレンオキシドに対し当モル以下の量で十分な効果が得られ、通常の条件下においてはエチレンオキシド1モル当り0.1〜5.0モル程度用いられる。しかし、これらの量比については必ずしも厳密な制限はない。
【0027】
反応温度はアルキレンオキシドの種類、触媒の種類、反応当初の反応液組成等により異なるが、一般に50〜180℃の範囲で行われる。圧力は二酸化炭素の量、反応温度等によって異なり、また反応の進行に伴い、その経過に応じても変化するが、一般に0.5〜5.0MPaの範囲で行われる。
【0028】
反応器からでた反応液は、水及びエチレングリコールの大部分を蒸留により分離する。残った触媒を含む液(触媒液)は、触媒を再度反応に使用するために反応器に循環される。
【0029】
本発明に係る、4級ホスホニウムクロライドとヨーダイドとを含有する処理対象混合物に含まれる4級ホスホニウムクロライドとヨーダイドの比率、組成はエチレングリコール製造プロセス内の塩素とヨウ素の比率、ブリードする場所、以下に示すその後の処理(前回収操作の有無等)により変化する。処理対象混合物中の4級ホスホニウムクロライドとヨーダイドの存在比、濃度は特に限定がないが、ヨーダイドに対するクロライドの比率及びクロライドの濃度が高い方が回収操作の効率の面からは望ましく、好ましくは処理対象混合物中の4級ホスホニウムヨーダイドに対する4級ホスホニウムクロライドが1/20モル倍以上、さらに好ましくは1/10以上であり、処理対象混合物中の4級ホスホニウムクロライドの濃度が0.1重量%以上、特に1重量%以上であることが好ましい。
【0030】
本発明を適用する具体例としては、処理対象混合物を得る方法とヨウ化物の添加方法別に以下の各方法が挙げられる。これらを順に説明するが、本発明は何ら以下の方法に限定されるものではない。
【0031】
[適用例I]
触媒を含有する液としてエチレングリコール製造プロセス内の液を一部抜き出す。プロセス内に存在する触媒を含有する液であれば、特に抜き出し場所は限定されるものではない。前述の如く、エチレンオキシドからのエチレングリコールの生成反応は、エチレンオキシドと二酸化炭素との反応でエチレンカーボネートが生成し、エチレンカーボネートが加水分解されることによりエチレングリコールが生成する2段反応である。従って、この製造プロセスからの液の抜き出しは、この反応を直列に2段に設けた反応器で行う場合、いずれの反応器から抜き出しても良く、両方の反応器から抜き出しても良い。反応器の出口で液を抜き出す場合、後工程での4級ホスホニウムヨーダイドの回収率を高くするには、処理対象混合物中の4級ホスホニウムクロライド、ヨーダイドの濃度が高い方が好ましいので、この場合は溶媒である水、エチレングリコール又はエチレンカーボネートを留去して濃縮することが好ましい。留去する方法は蒸留塔でも可能であるが、単純な蒸発缶を使用しても良い。好ましくは、処理対象混合物中の4級ホスホニウムヨーダイドの濃度が溶媒の1/20モル倍以上になるまで濃縮する。4級ホスホニウム塩の耐熱性を考慮すると、この蒸留による濃縮操作は減圧で行うのが好ましい。好適には400torr(53.2Pa)以下で、60〜210℃の温度で実施するのが好ましい。
【0032】
反応液の蒸留濃縮により得られた高濃度触媒液には、4級ホスホニウムヨーダイドとエチレングリコール製造プロセス内で4級ホスホニウムヨーダイドが塩素化されて生成した4級ホスホニウムクロライドが含有される。なお、触媒液としては、反応液をプロセス外に取り出して濃縮したものであっても良く、プロセス内の、水、エチレングリコール、エチレンカーボネートと触媒液とを分離する蒸留塔から抜き出した触媒液であっても良い。
【0033】
4級ホスホニウムヨーダイドを回収するために処理対象混合物に添加するヨウ化物としては、4級ホスホニウムクロライドとイオン交換できるような水中で解離するイオン性化合物であればどんなものでも適用可能であるが、溶解度、毒性、価格の面から、ナトリウム塩、カリウム塩、水素酸が好ましい。
【0034】
ヨウ化物の添加量としては、処理対象混合物中に存在する4級ホスホニウムクロライド1モルに対して0.5〜10倍モル、好ましくは1〜5倍モルであれば良い。ヨウ化物を必要以上に添加することは回収率を高めはするが、過剰のヨウ化物はロスとなるので望ましくない。水の量はヨウ化物を溶解するに足る量であれば良く、その量は使用するヨウ化物に依存する。例えば、ヨウ化カリウムを使用する場合は、水に対する飽和溶解度が60%であるので、処理物中のヨウ化カリウム濃度がこれ以下となるように添加すれば良い。
【0035】
処理対象混合物へのヨウ化物の添加は固体又は水溶液の形態で行うことができるが、工業的に実施する場合、液体である方が取り扱い上便利であるので通常、1〜60重量%程度の水溶液として添加するのが好ましい。
【0036】
処理対象混合物にヨウ化物を添加する装置はどのような形態の容器でも実施可能であるが、イオン交換反応を促進するために攪拌装置を有したベッセルで行うのが好ましい。
【0037】
この操作により処理対象混合物中に存在する4級ホスホニウムクロライドは4級ホスホニウムヨーダイドに変換され、既に処理対象混合物中に存在していた4級ホスホニウムヨーダイドと共に水中で析出する。析出させる温度は低温の方が水中への4級ホスホニウムヨーダイドの残存が少なく好ましい。好適には0〜30℃で行われる。
【0038】
析出した4級ホスホニウムヨーダイドは、これを濾別して回収する。濾過の方法は特に制限はなく、通常のフィルターによる濾過のほか、遠心分離などが適用可能である。
【0039】
固体として回収された4級ホスホニウムヨーダイドは、4級ホスホニウムクロライドと添加したヨウ化物を10重量%程度含有する場合がある。この濃度であってもこのままエチレングリコールの反応工程に循環させることは可能であるが、必要に応じて、水により洗浄を行い4級ホスホニウムヨーダイドの純度を上げてから循環使用する。洗浄に用いた後の水は4級ホスホニウムヨーダイドを含むので、次の洗浄に用いるか、前述の処理対象混合物に添加するヨウ化物を溶解させるための水として再使用することも可能である。
【0040】
回収した4級ホスホニウムヨーダイドは、例えば、エチレングリコールに溶解させて反応系に循環させることができる。
【0041】
本発明の別の実施態様として、以下の方法がある。
【0042】
[適用例II]
適用例Iにおいて、4級ホスホニウムヨーダイドの濃度がエチレングリコールに対して1/20モル倍以上であるか、或いはこのような濃度に濃縮した高濃度触媒液に対して、水を添加混合した後冷却して4級ホスホニウムヨーダイドを選択的に析出させてこれを回収する前回収を行う。ここで、水の添加量は任意であるが、少なすぎる場合は十分な析出効果を得ることができないため、少なくとも溶存する4級ホスホニウムヨーダイドの0.1重量倍以上を添加する必要がある。水の添加量の上限については特に制限はないが、処理容量を過度に大きくしないために溶存する4級ホスホニウムヨーダイドに対して5重量倍以下程度とするのが好ましい。
【0043】
この析出操作時の温度は低温の方が、水中への4級ホスホニウムヨーダイドの残存量が少なく好ましい。好適には0〜30℃で行われる。
【0044】
析出した4級ホスホニウムヨーダイドを回収した残りの水溶液には、析出しなかった4級ホスホニウムヨーダイドと4級ホスホニウムクロライドが存在するため、これを処理対象混合物として、必要に応じて濃縮した後、ヨウ化物を添加して、4級ホスホニウムクロライドの4級ホスホニウムヨーダイドへの変換と析出を行うことができる。濃縮は、ヨウ化物を添加する前の処理対象混合物中の4級ホスホニウムクロライド濃度が1重量%以上となるように行うことが、4級ホスホニウムクロライドの変換効率及び4級ホスホニウムヨーダイドの回収効率の面で好ましい。
【0045】
添加するヨウ化物種、添加濃度及び添加方法、析出物の濾別方法、その後の処理等は前述の適用例Iの方法と同様である。
【0046】
ただし、この場合は既に系内に水が存在しているので、ヨウ化物は固体として添加することが可能であり、これにより、結果的に使用する水の量が減少するので排水への4級ホスホニウムヨーダイドの溶解ロスが低減できる。
【0047】
さらなる別の実施態様として、以下の方法がある。
【0048】
[適用例III]
適用例Iにおいて、4級ホスホニウムヨーダイドの濃度がエチレングリコールに対して1/20倍以上であるか、或いはこのような濃度に濃縮した高濃度触媒液を更に濃縮し、溶媒の90%以上を留去する。この場合、残留物(蒸留残渣)は冷却と共に固化する。この固化した残留物を適量の水で洗浄することにより、残留物中の4級ホスホニウムクロライドを水側へ溶出させて除去することができる。この場合も洗浄する水の温度は低温の方が洗浄水中への4級ホスホニウムヨーダイドの溶解量が少なく好ましい。好適には0〜30℃で行われる。
【0049】
洗浄に用いる水の量は、特に制限はないが、洗浄効率と排水への4級ホスホニウムヨーダイドのロスを勘案すると、洗浄される固体残留物の0.5〜10重量倍であることが望ましい。洗浄に用いる水は純水である必要はなく、プロセス内のリサイクル水が使用可能である。また、何度も循環使用することも可能である。特に、4級ホスホニウムヨーダイドを含む水溶液であれば、4級ホスホニウムヨーダイドの水中への溶解ロスを低減できるので好ましい。
【0050】
洗浄後の水には溶出した4級ホスホニウムクロライドとわずかに溶解した4級ホスホニウムヨーダイドが存在するため、これを処理対象混合物として、上述の如く、必要に応じてこれを濃縮した後、ヨウ化物を添加して4級ホスホニウムクロライドの4級ホスホニウムヨーダイドへの変換と析出を行うことができる。
【0051】
この場合においても、ヨウ化物を添加する前の処理対象混合物の4級ホスホニウムクロライド濃度としては1重量%以上が好ましく、添加ヨウ化物種、添加濃度及び添加方法、析出物の濾別方法、その後の処理等は前述の適用例Iの方法と同様である。
【0052】
この場合においても、既に系内に水が存在しているので、ヨウ化物は固体で添加することが可能であり、これにより、結果的に使用する水の量が減少するので排水への4級ホスホニウムヨーダイドの溶解ロスが低減できる。
【0053】
また、上記洗浄操作を行って、洗浄後の水を処理対象混合物としてヨウ化物を添加する方法においては、工程を短縮して実施する形態として、洗浄水としてヨウ化物水溶液を使用することもできる。この場合、用いるヨウ化物水溶液の濃度は洗浄後の水中のヨウ化物濃度が、前述の添加混合した状態の濃度となるような濃度であれば良い。
【0054】
また、上記4級ホスホニウムヨーダイドの濃度がエチレングリコールに対して1/20倍以上であるか、そのように濃縮した高濃度触媒液を更に濃縮し、溶媒の90%以上を留去した後に90℃以上の温度を保つことで液体状態を保つことができるので、ここに水を添加した後に0〜40℃に冷却して4級ホスホニウムヨーダイドを析出させることも可能である。この場合も析出した4級ホスホニウムヨーダイドを分離回収した残りの水溶液には、析出しなかった4級ホスホニウムヨーダイドとクロライドが存在するため、これを処理対象混合物として、上述の如く、必要に応じてこれを濃縮した後、ヨウ化物を添加して4級ホスホニウムクロライドの4級ホスホニウムヨーダイドへの変換と析出を行うことができる。
【0055】
この場合においても、ヨウ化物を添加する前の処理対象混合物の4級ホスホニウムクロライド濃度としては1重量%以上が好ましく、添加ヨウ化物種、添加濃度及び添加方法、析出物の濾別方法、その後の処理等は前述の適用例Iの方法と同様である。
【0056】
しかして、この場合においても、既に系内に水が存在しているので、ヨウ化物は固体で添加することが可能であり、これにより、結果的に使用する水の量が減少するので排水への4級ホスホニウムヨーダイドの溶解ロスが低減できる。
【0057】
また、上記工程を短縮する実施する形態として、水の代りにヨウ化物水溶液を加温して使用することもできる。
【0058】
全ての実施態様を通して、ヨウ化物を添加し4級ホスホニウムヨーダイドを析出させて、これを固液分離した後の分離液に含まれる4級ホスホニウムクロライドとヨーダイドに関して本発明を適用することも可能である。即ち、所望の回収率に達するまで繰り返しヨウ化物の添加、4級ホスホニウムヨーダイドの回収を実施することも可能である。
【0059】
また、この分離液には未回収の4級ホスホニウムヨーダイド、4級ホスホニウムクロライドの他に、未反応の添加したヨウ化物、対応する塩化物が存在する。例えばヨウ化カリウムを添加するヨウ化物として使用した場合、分離液中には4級ホスホニウムヨーダイド、クロライド、ヨウ化カリウムと塩化カリウムが存在する。これらのうち塩化物以外は有機溶媒への溶解性が高いので適当な溶媒を選択することで4級ホスホニウムヨーダイド、クロライド、ヨウ化カリウムを回収して、これを触媒の析出、回収に循環使用することも可能である。
【0060】
本発明の適用には、連続稼動している反応プロセスから、連続的に又は間欠的に反応液及び/又は触媒液の少なくとも一部を抜き出して、必要に応じて濃縮及び/又は前回収を行った後、4級ホスホニウムクロライドの4級ホスホニウムヨーダイドへの変換及び4級ホスホニウムヨーダイドの回収を行い、回収した4級ホスホニウムヨーダイド触媒を反応器に循環させれば良い。この場合、4級ホスホニウムヨーダイド触媒の回収のために抜き出す反応液及び/又は触媒液の量には特に制限はないが、触媒の回収コストを過度に高めない範囲で4級ホスホニウムクロライドを除去して反応効率を高く維持するために、反応器内のヨーダイドに対する4級ホスホニウムクロライドの重量比が0.01〜1.0の範囲になったところで反応液及び/又は触媒液を連続的又は間欠的に抜き出して処理することが好ましい。抜き出し量としては、特に制限はないが、それぞれ系内の反応液量又は触媒液量に対して0.1〜100重量%程度が好ましい。
【0061】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0062】
実施例1
二酸化炭素2.0MPaで加圧した滞留時間1Hr、100℃の第一反応器に、触媒としてトリブチルメチルホスホニウムヨーダイド5重量部/Hr、炭酸カリウム0.8重量部/Hr、原料エチレンオキシド水溶液(60重量%)78重量部/Hrを供給することによりエチレンカーボネート及びエチレングリコール(EG)を含む反応液を得た。これを全量滞留時間2Hr、圧力0.5MPa、温度150℃の第2反応器に移液して含有されるエチレンカーボネートを加水分解して、触媒を含有するエチレングリコールの水溶液66.5重量部/Hrを得た。
【0063】
得られた反応液を塔底140℃、80mmHgの減圧蒸留塔により蒸留して塔底から脱水された液を得、これをさらに140℃、60mmHgで操作される減圧蒸発器によりエチレングリコールの大部分を蒸発させ、蒸発器底部より触媒が濃縮された触媒液を13重量部/Hrを回収した。回収した触媒液は触媒として第1反応器へ循環使用した。1年の連続運転後の触媒液の組成は下記の通りであった。
[触媒液組成]
エチレングリコール :約59重量%
ヨウ素塩(4級ホスホニウムヨーダイド) :約33重量%
塩素塩 (4級ホスホニウムクロライド) :約 6重量%
炭酸カリウム :約 2重量%
【0064】
上記組成に到達後、この触媒液の一部を0.02重量部/Hrで抜き出す運転に変更した。抜き出した触媒液(以下、「抜き出し液A」と称す。)をフラッシュベッセルに供給し、3torr(400Pa)、128℃の条件で、液中に含まれるエチレングリコールの約93重量%を除去した。エチレングリコール除去後の液(以下、「濃縮液A」と称す。)を95℃に保ったまま、3重量%ヨウ化カリウム水溶液を添加し撹拌混合しながら20℃まで冷却した後、1時間静置した。ここで添加したヨウ化カリウムは濃縮液A中の塩素塩と等モル、使用した水の量は濃縮液Aと等重量であった。
【0065】
析出物を吸引濾過器により固液分離して分析したところ、この析出物の組成は下記の通りであり、これは、上記抜き出し液A中のヨウ素塩及び塩素塩のうち90重量%を4級ホスホニウムヨーダイド触媒として効率的に分離することができたことに相当する。
[析出物組成]
水 :約18重量%
エチレングリコール :約 2重量%
ヨウ素塩(4級ホスホニウムヨーダイド) :約80重量%
塩素塩 (4級ホスホニウムクロライド) :約 2重量%
炭酸カリウム :1重量%以下
【0066】
この析出物をエチレングリコールに溶解させ、反応器に循環した。
このようにして触媒の回収及び循環を行いながら、運転を継続したところエチレングリコールの製造工程に置いて反応効率の低下の問題なく効率的な運転を継続することができた。
【0067】
実施例2
実施例1において、エチレングリコールを分離除去後の濃縮液Aに、ヨウ化カリウム水溶液の代わりに濃縮液Aと等量の蒸留水を添加して同様の操作を行い固体を析出させた。
【0068】
析出物を固液分離して分析したところ、この析出物には、上記抜き出し液A中のヨウ素塩の94重量%、塩素塩の約13重量%が含まれており、4級ホスホニウムヨーダイド触媒を塩素塩から効率的に分離することができたことが確認された。
【0069】
析出物を分離した液(以下「分離液A」と称す。)には同じく抜き出し液A中のヨウ素塩の約6重量%、塩素塩の約87重量%が溶解していた。この分離液Aに対し、液中の塩素塩に対し1.2モル倍のヨウ化カリウムを50重量%水溶液として添加し、20℃で1時間静置した。析出物を固液分離して分析したところ、この析出物中には、上記抜き出し液A中の塩素塩のうち50重量%を4級ホスホニウムヨーダイド触媒として効率的に分離することができたことが確認された。
【0070】
実施例3
実施例2で得られた分離液Aを蒸留し、分離液A中の水を50重量%を留去して濃縮した。この濃縮液に対し、液中の塩素塩に対し1.2モル倍のヨウ化カリウムを50重量%水溶液として添加し、20℃で1時間静置した。析出物を固液分離して分析したところ、この析出物中には、上記抜き出し液A中の塩素塩のうち約75重量%を4級ホスホニウムヨーダイド触媒として効率的に分離することができたことが確認された。
【0071】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明によれば、4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイド触媒を用いて二酸化炭素の存在下にエチレンオキシド等のアルキレンオキシドと水又は二酸化炭素とを反応させてエチレングリコール等のアルキレングリコール又はエチレンカーボネート等のアルキレンカーボネートを製造する方法において、反応系で生成した4級ホスホニウムクロライドを効率的に4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドに変換して回収し、これを反応系に循環使用することができる。このため、触媒活性の低い4級ホスホニウムクロライドの系内蓄積を防止すると共に、これを触媒活性の高い4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドに変換して循環使用することにより、系内の触媒活性を高く維持し、アルキレングリコール又はアルキレンカーボネートの生成反応を長期に亘り安定かつ効率的に行うことができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing an alkylene derivative, more specifically, by reacting an alkylene oxide such as ethylene oxide with water or carbon dioxide in the presence of carbon dioxide using a quaternary phosphonium iodide and / or bromide catalyst. The present invention relates to a method for producing alkylene glycol such as glycol or alkylene carbonate such as ethylene carbonate, and particularly relates to a method for efficiently recovering and recycling a quaternary phosphonium iodide and / or bromide catalyst from this reaction system.
[0002]
In addition, the alkylene glycol in the present invention refers to an alkylene glycol having about 2 to 10 carbon atoms such as ethylene glycol and propylene glycol, and the alkylene carbonate includes, for example, 2 to 10 carbon atoms such as ethylene carbonate and propylene carbonate. Refers to the degree of alkylene carbonate.
[0003]
[Prior art]
Ethylene glycol is produced on a large scale by hydrolyzing ethylene oxide (ethylene oxide) directly with water, but this method suppresses by-products such as diethylene glycol and triethylene glycol during hydrolysis. In order to do this, a greater excess of water than the stoichiometric amount relative to ethylene oxide must be used. Therefore, it is necessary to distill the generated aqueous ethylene glycol solution to dehydrate a large excess of water, and there is a problem that a great deal of energy is required to obtain purified ethylene glycol.
[0004]
As a method for solving this problem, a method for producing ethylene glycol by reacting water and ethylene oxide in the presence of carbon dioxide has been proposed. This reaction is a two-stage reaction in which ethylene carbonate is produced by the reaction of ethylene oxide and carbon dioxide, and ethylene glycol is produced by hydrolysis of ethylene carbonate. This two-stage reaction proceeds in the same reactor because water exists in the reaction system. However, in order to complete the second-stage reaction, a further reactor may be provided in the subsequent stage. In the hydrolysis of ethylene carbonate, diethylene glycol, triethylene glycol and the like are hardly produced as by-products, so the hydrolysis can be carried out with a little excess of water than the stoichiometric amount, and the cost required for dehydration of the generated aqueous ethylene glycol solution is reduced. It can be greatly reduced. In addition, since carbon dioxide is produced by hydrolysis of ethylene carbonate produced by the reaction of ethylene oxide and carbon dioxide, this carbon dioxide is recycled.
[0005]
Further, in this method, it is also possible to produce ethylene carbonate by reducing the reaction conditions and lowering the amount of raw material water to suppress the amount of ethylene glycol produced.
[0006]
Various catalysts have been proposed for producing ethylene glycol and / or ethylene carbonate from ethylene oxide in this way, and one of the preferred catalysts is an organic phosphonium salt, particularly preferably a quaternary phosphonium iodide or It is bromide (Japanese Patent Publication No. 55-47617). Further, an alkali metal carbonate may be used in combination with such an organic phosphonium salt as a promoter (Japanese Patent Laid-Open No. 12-128814).
[0007]
By the way, raw material ethylene oxide is produced by oxidation of ethylene. At that time, a chlorohydrocarbon such as ethyl chloride is supplied to the reaction system as a selectivity regulator in order to improve the selectivity of the oxidation reaction. (Japanese Patent Laid-Open No. 2-104579).
[0008]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No.55-47617
[Patent Document 2]
JP-A-12-128814
[Patent Document 3]
JP-A-2-104579
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
The method of producing ethylene glycol or ethylene carbonate by reacting ethylene oxide with water or carbon dioxide in the presence of carbon dioxide is an industrially advantageous method free from by-product problems as described above. There is a problem that the reaction efficiency is lowered by continuing.
[0010]
As a result of studying the cause of the reduction in reaction efficiency, the present inventor has found that the quaternary phosphonium iodide or bromide catalyst in the reaction system is converted to a chloride having low catalytic activity. In fact, about 20% of the quaternary phosphonium iodide or bromide catalyst in the reaction system was converted to quaternary phosphonium chloride by the operation of the apparatus for about one year.
[0011]
The reason why quaternary phosphonium iodide or bromide is converted to quaternary phosphonium chloride is thought to be that chlorine compounds contained as impurities in the raw material ethylene oxide are introduced into the reaction system. That is, as described above, in the production process of ethylene oxide, chlorohydrocarbon is supplied to the reaction system as a selectivity regulator to improve the selectivity of the reaction. Chlorine contained in this chlorohydrocarbon is purified. Even after passing through the system, it remains as a chlorine compound in the product ethylene oxide, which is mixed into the production process of ethylene glycol or ethylene carbonate. Although the details of the reaction mechanism are not clear due to the chlorine compound introduced by mixing into this product ethylene oxide, it is considered that quaternary phosphonium iodide or bromide is converted to quaternary phosphonium chloride.
[0012]
Therefore, in the production process of ethylene glycol or ethylene carbonate, it is necessary to separate and remove the quaternary phosphonium chloride having a low reaction activity derived from the catalyst from the reaction system, leaving only the highly active quaternary phosphonium iodide or bromide. . However, in the past, it has not been clarified that the decrease in reaction efficiency with time is due to the conversion to chloride over time, and even quaternary phosphonium iodide or bromide which is a catalyst of the reaction system. Neither the method of separating quaternary phosphonium chloride nor the method of converting quaternary phosphonium chloride into quaternary phosphonium iodide or bromide has been studied.
[0013]
The present invention solves the above-mentioned conventional problems, and reacts an alkylene oxide such as ethylene oxide with water or carbon dioxide in the presence of carbon dioxide using a quaternary phosphonium iodide and / or bromide catalyst to produce ethylene glycol or the like. In the process for producing alkylene carbonate such as alkylene glycol or ethylene carbonate, the quaternary phosphonium chloride produced in the reaction system is efficiently converted to quaternary phosphonium iodide and / or bromide and recovered, and this is recycled to the reaction system. It aims to provide a method of use.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The method for producing the alkylene derivative of the present invention comprises:
A process for producing alkylene glycol, comprising a reaction step of reacting alkylene oxide with water in the presence of carbon dioxide to produce alkylene glycol using quaternary phosphonium iodide and / or bromide as a catalyst;
Or
Process for producing alkylene carbonate comprising a reaction step of producing alkylene carbonate by reacting alkylene oxide and carbon dioxide using quaternary phosphonium iodide and / or bromide as a catalyst
In
By adding iodide and / or bromide to the mixture containing quaternary phosphonium chloride and quaternary phosphonium iodide and / or bromide obtained from the reaction step, the quaternary phosphonium chloride is converted into iodide and / or bromide. Alternatively, it is converted into bromide and precipitated in water.
[0015]
As a result of various studies to solve the above-mentioned problems, the present inventor reacted alkylene oxide with water or carbon dioxide in the presence of carbon dioxide using a quaternary phosphonium iodide and / or bromide catalyst. By adding iodide and / or bromide to a mixture containing quaternary phosphonium chloride and quaternary phosphonium iodide and / or bromide obtained from the reaction step to produce alkylene glycol or alkylene carbonate. It is possible to convert the quaternary phosphonium chloride in the mixture to iodide and / or bromide, whereby pre-existing quaternary phosphonium iodide and / or bromide, quaternary phosphonium chloride and iodide and / or bromide Quaternary phospho produced by reaction with Umuyodaido and / or a bromide, precipitated in water found that can be recovered as a precipitate, have reached the present invention.
[0016]
In the following, in order to convert quaternary phosphonium chloride into quaternary phosphonium iodide and / or bromide, iodide and / or bromide is added, and quaternary phosphonium chloride and quaternary phosphonium iodide and / or bromide are added. In some cases, a mixture containing is referred to as a “processed mixture”. In the following, the liquid flowing out from the reactor or the liquid withdrawn from the reactor is simply referred to as “reaction liquid”, and the catalyst is concentrated by distilling and separating water, alkylene glycol, and alkylene carbonate from the reaction liquid. The liquid may be simply referred to as “catalyst liquid”.
[0017]
The present invention can be applied as it is to the reaction liquid containing the catalyst extracted from the reaction step of alkylene glycol or alkylene carbonate as the mixture to be treated. However, as an alternative, the solvent in the reaction liquid To a liquid catalyst solution after evaporating and removing a part or all of the alkylene glycol or alkylene carbonate, or a liquid after depositing and collecting a part of the catalyst by adding water to the solid residue. It is also possible to apply (hereinafter, an operation in which water is added to the catalyst solution or solid residue to precipitate a part of the catalyst and then recovered may be referred to as “pre-recovery”). Through such pre-recovery treatment, the concentration of the quaternary phosphonium chloride in the mixture to be treated can be increased, and the conversion to the quaternary phosphonium iodide and / or bromide and the recovery rate can be increased.
[0018]
Further, as another method, an aqueous solution in which iodide and / or bromide is dissolved may be used in place of water added to the catalyst solution or solid residue when performing the pre-recovery. The recovery rate of quaternary phosphonium iodide and / or bromide can be increased.
[0019]
In any method, when iodide and / or bromide is added to quaternary phosphonium chloride dissolved in water, the quaternary phosphonium chloride precipitates and precipitates as iodide and / or bromide, and corresponds to the added compound in the solution. The chloride to be left remains dissolved. Therefore, the quaternary phosphonium chloride can be easily separated and recovered as quaternary phosphonium iodide and / or bromide by solid-liquid separation of the deposited precipitate.
[0020]
The quaternary phosphonium iodide and / or bromide recovered in this way can be recycled to the reaction step of alkylene glycol or alkylene carbonate.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the method for producing an alkylene derivative of the present invention will be described in detail.
[0022]
In the following, the case where the present invention is applied to a reaction for producing ethylene glycol from ethylene oxide using a quaternary phosphonium iodide catalyst will be mainly described. However, the present invention is not limited to propylene glycol from propylene oxide. The present invention can be suitably applied to the production of various alkylene glycols. The same applies to the case where quaternary phosphonium bromide is used as a catalyst, or when quaternary phosphonium iodide and quaternary phosphonium bromide are used in combination as a catalyst. Furthermore, as described above, the present invention uses the same method as the method for producing alkylene glycol, changes the reaction conditions, lowers the reaction temperature to suppress the production amount of alkylene glycol such as ethylene glycol, and the like. The present invention can also be applied to a reaction for producing an alkylene carbonate such as, and also to a reaction in which both an alkylene carbonate and an alkylene glycol are used as target products.
[0023]
In the following, a method of adding iodide to the mixture to be treated to convert quaternary phosphonium chloride to quaternary phosphonium iodide and recovering it is exemplified. However, bromide is added to convert quaternary phosphonium chloride to 4 It may be recovered by conversion to quaternary phosphonium bromide, or quaternary phosphonium chloride may be converted to quaternary phosphonium iodide and quaternary phosphonium bromide by adding iodide and bromide in combination.
[0024]
As a quaternary phosphonium iodide catalyst applicable to the present invention, there are compounds described in JP-B-58-22448. Typical examples include triphenylmethylphosphonium iodide, triphenylpropylphosphonium iodide, triphenylbenzylphosphonium iodide, tributylmethylphosphonium iodide, and the like. Such a quaternary phosphonium iodide catalyst is preferably supplied to the reaction system in an amount of 0.001 to 0.05 moles relative to ethylene oxide. In addition, when using a quaternary phosphonium bromide catalyst, the bromide catalyst corresponding to the said quaternary phosphonium iodide catalyst can be used, The suitable usage-amount is equivalent to a quaternary phosphonium iodide catalyst.
[0025]
In the present invention, an alkali metal carbonate may be allowed to coexist as a co-catalyst in the reaction system, thereby increasing the production efficiency of ethylene glycol. In order for the alkali metal carbonate to coexist in the reaction system, sodium or potassium, preferably an alkali metal hydroxide such as potassium, carbonate or bicarbonate may be added. Even if added, they are present as carbonates in the reaction system. In this case, the alkali metal carbonate, preferably potassium carbonate, is preferably present in a molar ratio of 0.01 to 1 with respect to the quaternary phosphonium iodide.
[0026]
The amount of water relative to ethylene oxide can be reduced to a stoichiometric amount, and depending on the reaction mode, it may be less than that, but it is usually preferable to use about 1.0 to 10.0 moles relative to ethylene oxide. Carbon dioxide has a sufficient effect with respect to ethylene oxide in an amount equal to or less than that of ethylene oxide. Under normal conditions, carbon dioxide is used in an amount of about 0.1 to 5.0 mol per mol of ethylene oxide. However, these quantitative ratios are not necessarily strictly limited.
[0027]
The reaction temperature varies depending on the type of alkylene oxide, the type of catalyst, the composition of the reaction solution at the beginning of the reaction, etc., but is generally performed in the range of 50 to 180 ° C. The pressure varies depending on the amount of carbon dioxide, the reaction temperature, and the like, and varies with the progress of the reaction, but is generally in the range of 0.5 to 5.0 MPa.
[0028]
Most of the water and ethylene glycol are separated from the reaction solution discharged from the reactor by distillation. The liquid (catalyst liquid) containing the remaining catalyst is circulated to the reactor in order to use the catalyst again for the reaction.
[0029]
The ratio of quaternary phosphonium chloride and iodide contained in the mixture to be treated containing quaternary phosphonium chloride and iodide according to the present invention, the composition is the ratio of chlorine and iodine in the ethylene glycol production process, the bleed location, It changes depending on the subsequent processing (presence / absence of pre-collection operation, etc.). The abundance ratio and concentration of quaternary phosphonium chloride and iodide in the mixture to be treated are not particularly limited, but a higher ratio of chloride to iodide and a higher concentration of chloride are desirable from the viewpoint of the efficiency of the recovery operation, and preferably the subject to be treated. The quaternary phosphonium chloride with respect to the quaternary phosphonium iodide in the mixture is 1/20 mol times or more, more preferably 1/10 or more, and the concentration of the quaternary phosphonium chloride in the mixture to be treated is 0.1% by weight or more, In particular, it is preferably 1% by weight or more.
[0030]
Specific examples to which the present invention is applied include the following methods according to the method for obtaining the mixture to be treated and the method for adding iodide. Although these are demonstrated in order, this invention is not limited to the following methods at all.
[0031]
[Application Example I]
A part of the liquid in the ethylene glycol production process is extracted as the liquid containing the catalyst. The extraction location is not particularly limited as long as it is a liquid containing a catalyst present in the process. As described above, the reaction of producing ethylene glycol from ethylene oxide is a two-stage reaction in which ethylene carbonate is produced by the reaction of ethylene oxide and carbon dioxide, and ethylene glycol is produced by hydrolysis of ethylene carbonate. Therefore, when the reaction is conducted in a reactor provided in two stages in series, the liquid from the production process may be withdrawn from any reactor or from both reactors. In the case of extracting the liquid at the outlet of the reactor, in order to increase the recovery rate of the quaternary phosphonium iodide in the subsequent step, it is preferable that the concentration of the quaternary phosphonium chloride and iodide in the mixture to be treated is high. Is preferably concentrated by distilling off water, ethylene glycol or ethylene carbonate as a solvent. The method of distilling off can be used in a distillation column, but a simple evaporator may be used. Preferably, it concentrates until the density | concentration of the quaternary phosphonium iodide in a process target mixture becomes 1/20 mol times or more of a solvent. Considering the heat resistance of the quaternary phosphonium salt, the concentration operation by distillation is preferably performed under reduced pressure. It is preferably carried out at a temperature of 60 to 210 ° C. at 400 torr (53.2 Pa) or less.
[0032]
The high concentration catalyst solution obtained by distillation concentration of the reaction solution contains quaternary phosphonium iodide and quaternary phosphonium chloride produced by chlorination of quaternary phosphonium iodide in the ethylene glycol production process. The catalyst solution may be a solution obtained by taking out the reaction solution from the process and concentrating it. The catalyst solution is a catalyst solution extracted from a distillation column for separating water, ethylene glycol, ethylene carbonate and the catalyst solution in the process. There may be.
[0033]
As the iodide added to the mixture to be treated for recovering the quaternary phosphonium iodide, any ionic compound dissociating in water that can be ion-exchanged with the quaternary phosphonium chloride is applicable. From the viewpoint of solubility, toxicity, and price, sodium salt, potassium salt, and hydrogen acid are preferable.
[0034]
The amount of iodide added may be 0.5 to 10 times mol, preferably 1 to 5 times mol, per mol of quaternary phosphonium chloride present in the mixture to be treated. Although adding iodide more than necessary increases the recovery rate, excess iodide is undesirably lost. The amount of water may be an amount sufficient to dissolve iodide, and the amount depends on the iodide used. For example, when potassium iodide is used, the saturation solubility in water is 60%, and therefore, it may be added so that the potassium iodide concentration in the treated product is lower than this.
[0035]
Addition of iodide to the mixture to be treated can be performed in the form of a solid or an aqueous solution. However, when industrially carried out, a liquid is more convenient for handling, so usually an aqueous solution of about 1 to 60% by weight is used. It is preferable to add as.
[0036]
The apparatus for adding iodide to the mixture to be treated can be implemented in any form of vessel, but it is preferably carried out in a vessel having a stirrer to promote the ion exchange reaction.
[0037]
By this operation, the quaternary phosphonium chloride present in the mixture to be treated is converted into a quaternary phosphonium iodide, and is precipitated in water together with the quaternary phosphonium iodide already present in the mixture to be treated. The lower the temperature for precipitation, the less the remaining quaternary phosphonium iodide in the water is preferable. It is preferably carried out at 0 to 30 ° C.
[0038]
The precipitated quaternary phosphonium iodide is recovered by filtration. There is no particular limitation on the filtration method, and in addition to filtration with a normal filter, centrifugation or the like can be applied.
[0039]
The quaternary phosphonium iodide recovered as a solid may contain about 10% by weight of quaternary phosphonium chloride and added iodide. Even at this concentration, it can be circulated to the reaction step of ethylene glycol as it is, but if necessary, it is circulated for use after washing with water to increase the purity of the quaternary phosphonium iodide. Since the water used for washing contains quaternary phosphonium iodide, it can be used for the next washing or reused as water for dissolving the iodide added to the aforementioned mixture to be treated.
[0040]
The recovered quaternary phosphonium iodide can be dissolved in, for example, ethylene glycol and circulated in the reaction system.
[0041]
As another embodiment of the present invention, there is the following method.
[0042]
[Application Example II]
In Application Example I, the concentration of the quaternary phosphonium iodide is 1/20 mol times or more with respect to ethylene glycol, or after adding water to the high concentration catalyst solution concentrated to such a concentration. Cooling is carried out before the quaternary phosphonium iodide is selectively deposited and recovered. Here, the amount of water added is arbitrary, but if it is too small, a sufficient precipitation effect cannot be obtained. Therefore, it is necessary to add at least 0.1 times by weight of the dissolved quaternary phosphonium iodide. Although there is no restriction | limiting in particular about the upper limit of the addition amount of water, It is preferable to set it as about 5 weight times or less with respect to the quaternary phosphonium iodide dissolved in order not to make processing capacity too large.
[0043]
A lower temperature during the precipitation operation is preferable because the amount of quaternary phosphonium iodide remaining in the water is small. It is preferably carried out at 0 to 30 ° C.
[0044]
In the remaining aqueous solution in which the precipitated quaternary phosphonium iodide is recovered, since the quaternary phosphonium iodide and the quaternary phosphonium chloride that have not been precipitated are present, this is treated as a mixture to be treated, and is concentrated as necessary. Iodide can be added to effect conversion and precipitation of quaternary phosphonium chloride to quaternary phosphonium iodide. Concentration is carried out so that the concentration of quaternary phosphonium chloride in the mixture to be treated before addition of iodide is 1% by weight or more. In terms of surface.
[0045]
The kind of iodide to be added, the concentration and method of addition, the method of separating precipitates, the subsequent treatment, and the like are the same as in the method of Application Example I described above.
[0046]
However, in this case, since water already exists in the system, the iodide can be added as a solid, and as a result, the amount of water used is reduced, so that the fourth grade to the wastewater. Dissolution loss of phosphonium iodide can be reduced.
[0047]
As still another embodiment, there is the following method.
[0048]
[Application Example III]
In Application Example I, the concentration of the quaternary phosphonium iodide is 1/20 times or more that of ethylene glycol, or the high concentration catalyst solution concentrated to such a concentration is further concentrated, and 90% or more of the solvent is removed. Distill off. In this case, the residue (distillation residue) solidifies with cooling. By washing the solidified residue with an appropriate amount of water, the quaternary phosphonium chloride in the residue can be eluted and removed to the water side. Also in this case, the temperature of the water to be washed is preferably low, since the amount of quaternary phosphonium iodide dissolved in the washing water is small. It is preferably carried out at 0 to 30 ° C.
[0049]
The amount of water used for washing is not particularly limited, but is preferably 0.5 to 10 times the weight of the solid residue to be washed in consideration of washing efficiency and loss of quaternary phosphonium iodide to drainage. . The water used for cleaning does not need to be pure water, and recycled water in the process can be used. It can also be used repeatedly. In particular, an aqueous solution containing a quaternary phosphonium iodide is preferable because it can reduce the dissolution loss of the quaternary phosphonium iodide in water.
[0050]
The washed water contains eluted quaternary phosphonium chloride and slightly dissolved quaternary phosphonium iodide. As a mixture to be treated, this is concentrated as necessary, and then iodide. Can be added to convert and precipitate quaternary phosphonium chloride to quaternary phosphonium iodide.
[0051]
Even in this case, the quaternary phosphonium chloride concentration of the mixture to be treated before adding the iodide is preferably 1% by weight or more, and the added iodide species, the addition concentration and the addition method, the precipitate separation method, The processing and the like are the same as those of the application example I described above.
[0052]
Even in this case, since water already exists in the system, iodide can be added as a solid, and as a result, the amount of water used is reduced, so that the quaternary to the waste water. Dissolution loss of phosphonium iodide can be reduced.
[0053]
Moreover, in the method of performing the above-described washing operation and adding iodide using the washed water as a mixture to be treated, an aqueous iodide solution can be used as the washing water as an embodiment in which the steps are shortened. In this case, the concentration of the iodide aqueous solution to be used may be a concentration such that the iodide concentration in the washed water becomes the concentration in the above-described mixed state.
[0054]
Further, the concentration of the quaternary phosphonium iodide is 1/20 times or more than that of ethylene glycol, or the concentrated high concentration catalyst solution is further concentrated, and after 90% or more of the solvent is distilled off, 90% of the solvent is distilled off. Since the liquid state can be maintained by maintaining the temperature at or above ° C, it is possible to deposit quaternary phosphonium iodide by cooling to 0 to 40 ° C after adding water thereto. Also in this case, the remaining aqueous solution from which the precipitated quaternary phosphonium iodide was separated and recovered contains quaternary phosphonium iodide and chloride that did not precipitate. After concentration, the iodide can be added to convert and precipitate the quaternary phosphonium chloride to a quaternary phosphonium iodide.
[0055]
Even in this case, the quaternary phosphonium chloride concentration of the mixture to be treated before the addition of iodide is preferably 1% by weight or more. The added iodide species, addition concentration and addition method, precipitate separation method, The processing and the like are the same as those of the application example I described above.
[0056]
Even in this case, since water is already present in the system, iodide can be added as a solid. As a result, the amount of water used is reduced, so that the wastewater is discharged. The dissolution loss of the quaternary phosphonium iodide can be reduced.
[0057]
Further, as an embodiment for shortening the above steps, an aqueous iodide solution can be used instead of water.
[0058]
Through all the embodiments, it is also possible to apply the present invention with respect to the quaternary phosphonium chloride and iodide contained in the separated liquid after the iodide is added and the quaternary phosphonium iodide is precipitated and separated into solid and liquid. is there. That is, it is also possible to repeatedly add iodide and recover the quaternary phosphonium iodide until a desired recovery rate is reached.
[0059]
In addition to unrecovered quaternary phosphonium iodide and quaternary phosphonium chloride, this separated liquid contains unreacted added iodide and the corresponding chloride. For example, when used as an iodide to which potassium iodide is added, quaternary phosphonium iodide, chloride, potassium iodide and potassium chloride are present in the separated liquid. Of these, the compounds other than chloride are highly soluble in organic solvents, so by selecting an appropriate solvent, quaternary phosphonium iodide, chloride, and potassium iodide can be recovered and used for catalyst precipitation and recovery. It is also possible to do.
[0060]
For the application of the present invention, at least a part of the reaction liquid and / or catalyst liquid is continuously or intermittently extracted from the continuously operating reaction process, and concentrated and / or pre-recovered as necessary. Thereafter, conversion of the quaternary phosphonium chloride to quaternary phosphonium iodide and recovery of the quaternary phosphonium iodide may be performed, and the recovered quaternary phosphonium iodide catalyst may be circulated in the reactor. In this case, the amount of the reaction liquid and / or catalyst liquid withdrawn for the recovery of the quaternary phosphonium iodide catalyst is not particularly limited, but the quaternary phosphonium chloride is removed within a range not excessively increasing the catalyst recovery cost. In order to maintain high reaction efficiency, the reaction solution and / or the catalyst solution is continuously or intermittently added when the weight ratio of the quaternary phosphonium chloride to iodide in the reactor is in the range of 0.01 to 1.0. It is preferable to extract and process. The amount of extraction is not particularly limited, but is preferably about 0.1 to 100% by weight with respect to the amount of the reaction solution or the amount of the catalyst solution in the system.
[0061]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples.
[0062]
Example 1
A first reactor having a residence time of 1 Hr pressurized at carbon dioxide of 2.0 MPa and a temperature of 100 ° C. was charged with 5 parts by weight of tributylmethylphosphonium iodide / Hr as a catalyst, 0.8 parts by weight of potassium carbonate / Hr, and an aqueous ethylene oxide solution (60 (Wt%) 78 parts by weight / Hr was supplied to obtain a reaction solution containing ethylene carbonate and ethylene glycol (EG). This was transferred to a second reactor having a total residence time of 2 hours, a pressure of 0.5 MPa, and a temperature of 150 ° C. to hydrolyze the ethylene carbonate contained therein, so that an aqueous solution of ethylene glycol containing the catalyst was 66.5 parts by weight / Hr was obtained.
[0063]
The obtained reaction liquid was distilled by a vacuum distillation tower at 140 ° C. and 80 mmHg to obtain a dehydrated liquid from the bottom of the tower, which was further subjected to a large portion of ethylene glycol by a vacuum evaporator operated at 140 ° C. and 60 mmHg. And 13 parts by weight / hr of the catalyst solution in which the catalyst was concentrated was recovered from the bottom of the evaporator. The recovered catalyst solution was recycled to the first reactor as a catalyst. The composition of the catalyst solution after one year of continuous operation was as follows.
[Catalyst solution composition]
Ethylene glycol: Approximately 59% by weight
Iodine salt (quaternary phosphonium iodide): about 33% by weight
Chlorine salt (quaternary phosphonium chloride): about 6% by weight
Potassium carbonate: about 2% by weight
[0064]
After reaching the above composition, the catalyst liquid was changed to an operation of extracting 0.02 part by weight / Hr. The extracted catalyst liquid (hereinafter referred to as “extracted liquid A”) was supplied to a flash vessel, and about 93% by weight of ethylene glycol contained in the liquid was removed under the conditions of 3 torr (400 Pa) and 128 ° C. While maintaining the liquid after removal of ethylene glycol (hereinafter referred to as “concentrated liquid A”) at 95 ° C., a 3% by weight aqueous potassium iodide solution was added, and the mixture was cooled to 20 ° C. with stirring and mixed, and then allowed to stand for 1 hour. I put it. The potassium iodide added here was equimolar to the chlorine salt in the concentrate A, and the amount of water used was the same as that of the concentrate A.
[0065]
When the precipitate was analyzed by solid-liquid separation using a suction filter, the composition of the precipitate was as follows. This was because 90% by weight of the iodine salt and chlorine salt in the extraction liquid A was quaternary. This corresponds to an efficient separation as a phosphonium iodide catalyst.
[Precipitate composition]
Water: About 18% by weight
Ethylene glycol: about 2% by weight
Iodine salt (quaternary phosphonium iodide): about 80% by weight
Chlorine salt (quaternary phosphonium chloride): about 2% by weight
Potassium carbonate: 1% by weight or less
[0066]
This precipitate was dissolved in ethylene glycol and circulated to the reactor.
When the operation was continued while collecting and circulating the catalyst in this way, it was possible to continue the efficient operation without a problem of a decrease in reaction efficiency in the ethylene glycol production process.
[0067]
Example 2
In Example 1, the same operation was performed by adding the same amount of distilled water as the concentrated liquid A instead of the potassium iodide aqueous solution to the concentrated liquid A after separating and removing ethylene glycol, and a solid was precipitated.
[0068]
When the precipitate was analyzed by solid-liquid separation, the precipitate contained 94% by weight of iodine salt and about 13% by weight of chlorine salt in the extracted liquid A. The quaternary phosphonium iodide catalyst Was successfully separated from the chlorine salt.
[0069]
In the liquid from which the precipitate was separated (hereinafter referred to as “separated liquid A”), about 6% by weight of iodine salt and about 87% by weight of chlorine salt in the extracted liquid A were dissolved. To this separated liquid A, 1.2 mol times potassium iodide as a 50 wt% aqueous solution with respect to the chlorine salt in the liquid was added and allowed to stand at 20 ° C. for 1 hour. When the precipitate was analyzed by solid-liquid separation, 50 wt% of the chlorine salt in the extracted liquid A was efficiently separated as a quaternary phosphonium iodide catalyst. Was confirmed.
[0070]
Example 3
The separation liquid A obtained in Example 2 was distilled, and 50% by weight of water in the separation liquid A was distilled off and concentrated. To this concentrated solution, 1.2 mol times potassium iodide as a 50 wt% aqueous solution with respect to the chlorine salt in the solution was added and allowed to stand at 20 ° C. for 1 hour. When the precipitate was analyzed by solid-liquid separation, about 75 wt% of the chlorine salt in the extracted liquid A could be efficiently separated as a quaternary phosphonium iodide catalyst in the precipitate. It was confirmed.
[0071]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, a quaternary phosphonium iodide and / or bromide catalyst is used to react an alkylene oxide such as ethylene oxide with water or carbon dioxide in the presence of carbon dioxide to produce ethylene glycol or the like. In the process for producing alkylene carbonate such as alkylene glycol or ethylene carbonate, the quaternary phosphonium chloride produced in the reaction system is efficiently converted to quaternary phosphonium iodide and / or bromide and recovered, and this is recycled to the reaction system. Can be used. Therefore, accumulation of quaternary phosphonium chloride having a low catalytic activity is prevented in the system, and this is converted into a quaternary phosphonium iodide and / or bromide having a high catalytic activity and recycled for use in the system. Can be maintained at a high level, and the production reaction of alkylene glycol or alkylene carbonate can be carried out stably and efficiently over a long period of time.
Claims (5)
該反応工程から得られた、4級ホスホニウムクロライドと4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドとを含有する混合物に、ヨウ化物及び/又は臭化物を添加することにより、該4級ホスホニウムクロライドをヨーダイド及び/又はブロマイドに変換して水中で析出させることを特徴とするアルキレン誘導体の製造方法。In a method for producing an alkylene derivative comprising a reaction step of reacting an alkylene oxide with water in the presence of carbon dioxide to produce an alkylene glycol using a quaternary phosphonium iodide and / or bromide as a catalyst,
By adding iodide and / or bromide to the mixture containing quaternary phosphonium chloride and quaternary phosphonium iodide and / or bromide obtained from the reaction step, the quaternary phosphonium chloride is converted into iodide and / or bromide. Alternatively, a method for producing an alkylene derivative, which is converted into bromide and precipitated in water.
該反応工程から得られた、4級ホスホニウムクロライドと4級ホスホニウムヨーダイド及び/又はブロマイドとを含有する混合物に、ヨウ化物及び/又は臭化物を添加することにより、該4級ホスホニウムクロライドをヨーダイド及び/又はブロマイドに変換して水中で析出させることを特徴とするアルキレン誘導体の製造方法。In a method for producing an alkylene derivative comprising a reaction step of reacting an alkylene oxide and carbon dioxide to produce an alkylene carbonate using a quaternary phosphonium iodide and / or bromide as a catalyst,
By adding iodide and / or bromide to the mixture containing quaternary phosphonium chloride and quaternary phosphonium iodide and / or bromide obtained from the reaction step, the quaternary phosphonium chloride is converted into iodide and / or bromide. Alternatively, a method for producing an alkylene derivative, which is converted into bromide and precipitated in water.
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