JP4273695B2 - 動きベクトル検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、動きベクトル検出装置に関する。
【0003】
また、詳しくは、入力画像データより解像度の異なる複数階層の画像データを形成し、この複数階層の画像データを使用して入力画像の所定位置の動きベクトルを検出するものにあって、複数階層の画像データを記憶するメモリ部として上述の記憶装置を使用し、複数階層の画像データのうち最下位階層の画像データを第2のメモリセルに記憶し、複数階層の画像データのうち最下位階層以外の階層の画像データを第1のメモリセルに記憶する構成とすることによって、メモリ部に対して各階層の画像データを独立して書き込み読み出しを行い得るようにし、動きベクトルの検出処理の効率を上げるようにした動きベクトル検出装置に係るものである。
【0004】
【従来の技術】
従来、動画像の処理として、動きベクトル、すなわち時間的に異なる画像中の物体の動き方向と大きさを用いるものがある。例えば画像の高能率符号化における動き補償予測符号化に動きベクトルが用いられる。
【0005】
この画像の動き量を求める動き量検出方法として、演算量を低減するために、入力画像データより解像度の異なる複数階層の画像データを形成し、この複数階層の画像データを使用して入力画像の所定位置の動きベクトルを検出する方法が提案されている(特開平7−222157号参照)。
【0006】
この動きベクトル検出方法では、まず入力画像データ(階層1の画像データ)を、平均化やローパスフィルタ処理等で平均値階層化して、画素数を低減した画像データ(階層2の画像データ)を作成する。次に作成した階層2の画像データで大まかな動きベクトルを検出し、その動きベクトルに基づいて階層1の画像データについて細かな動きベクトルの検出を行うことにより、少ない演算量で動きベクトルを検出し得るようになされている。
【0007】
なおここでの階層数は2階層に限らず、順次平均値階層化を繰り返すことにより、さらに画素数を低減した階層3、階層4、……の画像データを作成し、上述したと同様にして動きベクトルを検出することもできる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この場合、各階層の画像データを同一のメモリ部に記憶する場合、各階層の書き込み、読み出しを独立して行うことができれば効率的である。
この発明の目的は、各階層の画像データを用いて動きベクトルを検出するものにあって、当該各階層の画像データをメモリ部に対して独立して書き込み、読み出しを行い得るようにして、動きベクトルの検出処理の効率を上げるようにした動きベクトル検出装置を提供することにある。
【0017】
またこの発明に係る動きベクトル検出装置は、入力画像データより解像度の異なる複数階層の画像データを形成する画像階層化手段と、この画像階層化手段で形成された複数階層の画像データに基づいて、入力画像の所定位置の動きベクトルを、ブロックマッチング処理を用いて検出する動きベクトル検出手段とを備える動きベクトル検出装置であって、複数階層の画像データを記憶するメモリ部として上述の記憶装置を有し、複数階層の画像データのうち最下位階層の画像データは第2のメモリセルに記憶され、複数階層の画像データのうち最下位階層以外の階層の画像データは第1のメモリセルに記憶されるものである。
【0018】
この発明においては、入力画像データより解像度の異なる複数階層の画像データが形成され、この複数階層の画像データに基づいて、入力画像の所定位置の動きベクトルが、ブロックマッチング処理を用いて検出される。
【0019】
そして、複数階層の画像データのうち最下位階層の画像データは、第1のワード線のみに接続された第2のメモリセルに記憶される。一方、複数階層の画像データのうち最下位階層以外の階層の画像データは、第1のワード線および第2のワード線にそれぞれ接続された第1のメモリセルに記憶される。
【0020】
そのため、複数階層の画像データのうち最下位階層の画像データは、第1のワード線によって第2のメモリセルを活性化して、書き込み読み出しが行われる。一方、複数階層の画像データのうち最下位階層以外の階層の画像データは、第2のワード線によって第1のメモリセルを活性化して、最下位階層の画像データとは独立して、書き込み読み出しが行われる。これにより、動きベクトルの検出処理を効率よく行うことができる。
【0021】
ここで、階段状パターンをそれぞれ異にする複数の第2のワード線が併存し、この複数の第2のワード線にそれぞれ接続される第1のメモリセルは異なり、この複数の第2のワード線にそれぞれ接続される第1のメモリセルにはそれぞれ異なる階層の画像データが記憶されることで、各第2のワード線で第1のメモリセルを活性化して、それぞれ階層を異にする画像データの書き込み読み出しを行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態としての動き補償予測符号化装置100の構成を示している。
この符号化装置100は、画像データ(動画像を構成するフレームデータ)Diを入力する入力端子101と、この入力端子101に供給される画像データDiと後述する動き補償回路110から供給される予測画像データとの差分を演算する減算器102と、この減算器102で得られる差分データに対してDCT(Discrete Cosine Transform:離散コサイン変換)を行うDCT回路103と、このDCT回路103で得られるDCT係数に対して量子化を行う量子化回路104と、この量子化回路104で得られた符号化データDoを出力する出力端子105とを有している。
【0023】
また、符号化装置100は、量子化回路104で得られた符号化データDoに対して逆量子化を行う逆量子化回路106と、この逆量子化回路106の出力データに対して逆DCTを行って差分データを得る逆DCT回路107と、この逆DCT回路107で得られる差分データと動き補償回路110で得られる予測画像データとを加算して元の画像データを復元する加算器108と、この加算器108で復元された画像データを記憶するフレームメモリ109とを有している。
【0024】
また、符号化装置100は、フレームメモリ109に記憶された画像データを読み込み、後述する動きベクトル検出部111からの動きベクトルMVに基づいて動き補償をした後、上述したように減算器102および加算器108に予測画像データとして供給する動き補償回路110と、入力端子101に供給される画像データDiの動きベクトルMVを検出して動き補償回路110に供給する動きベクトル検出部111とを有している。
【0025】
図1に示す動き補償予測符号化装置100の動作を説明する。
入力端子101に入力される画像データDiは、減算器102および動きベクトル検出部111に供給される。減算器102では、この画像データDiと動き補償回路110から供給される予測画像データとの差分が演算される。
【0026】
減算器102で得られる差分データはDCT回路103に供給されて離散コサイン変換される。このDCT回路103で得られるDCT係数は量子化回路104に供給されて量子化される。そして、この量子化回路104で得られた符号化データDoが出力端子105に出力される。
【0027】
また、量子化回路104で得られる符号化データDoが逆量子化回路106に供給されて逆量子化され、さらにこの逆量子化回路106の出力データが逆DCT回路107に供給されて逆DCTされ、差分データが復元される。この差分データと動き補償回路110からの予測データとが加算器108で加算されて元の画像データが復元され、この復元された画像データがフレームメモリ109に記憶される。
【0028】
動き補償回路110では、あるフレームにおいては、その前のフレームにフレームメモリ109に記憶された画像データの読み込みが行われて、動きベクトル検出部111からの動きベクトルMVに基づいて動き補償されて、予測画像データが得られる。この予測画像データは、上述したように、差分データを得るために減算器102に供給されると共に、画像データを復元するために加算器108に供給される。
【0029】
次に、動きベクトル検出部111の詳細を説明する。
この動きベクトル検出部111では、ブロックマッチング法により動きベクトルが検出される。これは、図2に示すように、探索フレームの候補ブロックを所定の探索範囲内で移動し、参照フレームの参照ブロックと最も合致している候補ブロックを検出することにより、動きベクトルを求めるものである。
【0030】
ブロックマッチング法では、図3Aに示すように、1枚の画像、例えば水平H画素、垂直Vラインの1フレームの画像が図4Bに示すように、P画素×Qラインのブロックに細分化される。図3Bの例では、P=5、Q=5の例である。cがブロックの中心画素位置である。
【0031】
図4A〜Cは、cを中心画素とする参照ブロックとc´を中心とする候補ブロックの位置関係を示している。cを中心画素とする参照ブロックは、参照フレームの注目しているある参照ブロックであり、それと一致する探索フレームの候補ブロックが探索フレームにおいてc´を中心とするブロックの位置にあるものとしている。ブロックマッチング法では、探索範囲内において、参照ブロックと最も合致する候補ブロックを見出すことによって、動きベクトルを検出する。
【0032】
図4Aの場合では、水平方向に+1画素、垂直方向に+1ライン、すなわち、(+1,+1)の動きベクトルが検出される。図4Bでは、(+3,+3)の動きベクトルMVが検出され、図4Cでは、(+2,−1)の動きベクトルが検出される。動きベクトルは、参照フレームの参照ブロック毎に求められる。
【0033】
動きベクトルを探索する範囲を水平方向で±S画素、垂直方向で±Tラインとすると、参照ブロックは、その中心cに対して、水平に±S、垂直に±Tずれたところに中心c´を有する候補ブロックと比較される必要がある。
【0034】
図5は、参照フレームのある参照ブロックの中心cの位置をRとする時に、比較すべき探索フレームの(2S+1)×(2T+1)個の候補ブロックとの比較が必要なことを示している。すなわち、この図5のます目の位置にc´が存在する候補ブロックの全てが比較対象である。図5は、S=4,T=3とした例である。
【0035】
探索範囲内の比較で得られた評価値(すなわち、フレーム差の絶対値和、このフレーム差の二乗和、あるいはフレーム差の絶対値のn乗和等)の中で、最小値を検出することによって、動きベクトルが検出される。図5の探索範囲は、候補ブロックの中心が位置する領域であり、候補ブロックの全体が含まれる探索範囲の大きさは、(2S+P)×(2T+Q)となる。
【0036】
また、動きベクトル検出部111では、入力画像データについて平均値階層化の手法によつて複数階層の画像データを形成すると共に、各階層の高周波成分(以下、「アクティビティ」と呼ぶ)を表すデータについても階層化(以下、「アクティビティ階層化」と呼ぶ)してアクティビティデータを形成し、階層毎にこれらを用いて動きベクトル(動き量)を検出する。
【0037】
実際上それぞれ階層化された画像データとアクティビティデータについては、上位階層から順にブロックマッチング法で評価値を求め、これらを総合判断することにより、その階層の動きベクトルを求める。この動きベクトルに基づいて順次下位階層の評価値を求める際に動き補償して参照することにより、入力画像の動きベクトルを検出する。
【0038】
図6は、階層化された画像データを生成する例を示している。図6(A)は入力画像データについて3階層に階層化された画像データを生成する場合である。階層1は入力画像データそのものである。この場合、階層n(n=2,3)の画像データMn(x,y)は、(1)式のように平均値化によって求めることができる。ここで、階層nのブロックサイズは、階層n−1と比べて水平方向および垂直方向のそれぞれに1/2となる。このように生成された階層1〜階層3の画像データはそれぞれ解像度が異なるものとなる。
【0039】
【数1】
【0040】
また、図6(B)に示すように、平均値階層化された画像データについてアクティビティ階層化してアクティビティデータを生成する。階層2のアクティビティデータをΔ2(x,y)とすると、このアクティビティデータΔ2(x,y)は、(2)式に示すように、階層2の画像データと入力画像データ(階層1の画像データ)との対応する画素の差分の絶対値和によって求められる。
【0041】
【数2】
【0042】
同様に、階層3のアクティビティデータをΔ3(x,y)とすると、このアクティビティデータΔ3(x,y)は、(3)式に示すように、階層3の画像データと入力画像データ(階層1の画像データ)との対応する画素の差分の絶対値和によって求められる。
【0043】
【数3】
【0044】
(2)式、(3)式に示すように、アクティビティデータΔ2(x,y),Δ3(x,y)をいずれも入力画像データを基底にして求めるようにしたことにより、アクティビティデータとして入力画像データに忠実な高周波成分を抽出できる。
【0045】
このようにしてアクティビティデータを求めると、その階層構造は図6(B)に示すようになり、最下位階層以外での階層プレーンを持つことになる。このアクティビティデータは、平均値階層化したときに画像データ中で欠落する特徴量を反映していることになる。
【0046】
ここで、例えば図7に示すような入力画像データ(階層1の画像データ)中の4×4の画素x1,x2,・・・,x15,x16でなるブロックに対して階層化する場合、平均値階層化の階層2の画像データ中の画素y1、y2、y3、y4は、(1)式に基づいて、それぞれ(4)式により求められる。
y1=(x1+x2+x3+x4)/4
y2=(x5+x6+x7+x8)/4
y3=(x9+x10+x11+x12)/4
y4=(x13+x14+x15+x16)/4 ・・・(4)
【0047】
さらに、この階層2の2×2の画素y1,y2,y3,y4に対して階層化する場合、平均値階層化の階層3の画像データ中の画素z1は、(1)式に基づいて、(5)式により求められる。
z1=(y1+y2+y3+y4)/4 ・・・(5)
【0048】
また同様にして、アクティビティ階層化してなる階層2のアクティビティデータは、平均値階層化された階層2の画像データの画素y1,y2,y3,y4と階層1の画像データの画素x1,x2,……,x15,x16を用いて、(2)式に基づいて、(6)式により求められる。
a1=(|x1−y1|+|x2−y1|+|x3−y1|+|x4−y1|)/4
a2=(|x5−y2|+|x6−y2|+|x7−y2|+|x8−y2|)/4
a3=(|x9−y3|+|x10−y3|+|x11−y3|+|x12−y3|)/4
a4=(|x13−y4|+|x14−y4|+|x15−y4|+|x16−y4|)/4
・・・(6)
【0049】
さらに、アクティビティ階層化してなる階層3のアクティビティデータは、平均値階層化された階層3の画像データの画素z1と階層1の画像データの画素x1、x2、……、x15、x16を用いて、(3)式に基づいて、(7)式により求められる。
b1=(|x1−z1|+|x2−z1|+|x3−z1|
+|x4−z1|+|x5−z1|+|x6−z1|
+|x7−z1|+|x8−z1|+|x9−z1|
+|x10−z1|+|x11−z1|+|x12−z1|
+|x13−z1|+|x14−z1|+|x15−z1|
+|x16−z1|)/16 ・・・(7)
【0050】
上述のようにして求めた平均値階層化した画像データとアクティビティ階層化したアクティビティデータを用いて、各階層でブロックマッチング法による動きベクトル検出を行う。すなわち、ブロックマッチングの評価関数は、現フイールドをtで表すと、(8)式で求められる。ただし、(un、vn)は、階層nでの動きベクトルを示している。
【0051】
【数4】
【0052】
この評価関数E(Y)n の最小を与えるV′n =(un、vn)を、求める動きベクトルとする。現在の階層における動きベクトルVnは、(9)式の関係に基づいて、求めることができる。
Vn=V′n+2Vn+1 ・・・(9)
本実施の形態においては、図6(B)のアクティビティデータについても、(8)式と同様に、(10)式により評価関数を求める。
【0053】
【数5】
【0054】
そして、新たな評価関数E(G)nを、(11)式とする。ただし、w1、w2は重み係数である。そして評価関数E(G)nの最小を与える動きベクトルを求める。なお、最下位階層ではアクティビティデータが存在しないため、(8)式の評価関数E(Y)nのみによる評価を行う。
E(G)n=w1・E(Y)n+w2・E(D)n ・・・(11)
【0055】
このように平均値階層化された画像データとアクティビティ階層化されたアクティビティデータの両者を用いて評価することにより、一方の階層の最適評価値が誤検出であっても、もう一方の評価値で正しい検出ができるようになり、各階層における動きベクトル検出の精度が向上する。このように各階層における動きベクトル検出精度が向上すると、(9)式で求める最終的な動きベクトルも検出精度が向上する。
【0056】
図8のフローチャートは、ある参照ブロック(例えば16×16のブロックサイズ)における動きベクトル検出処理の手順を示している。
まず、ステップSP1において、入力画像データから動きベクトルを検出すべき参照ブロックを得る。次に、ステップSP2で、参照ブロックの画像データを、(1)式に従つて平均値階層化すると共に、(2)式および(3)式に従つてアクティビティ階層化して、例えば階層1、階層2および階層3の画像データと、階層2および階層3のアクティビティデータを生成する。
【0057】
次に、ステップSP3で、現在処理済みの階層が最下位階層(階層1)か否か判断する。現在処理済みの階層が最下位階層でないときは、ステップSP4で、全サーチ領域について探索終了か否かを判断する。ここで、探索終了でないときは、ステップSP5で、画像データおよびアクティビティデータの現在および過去のデータ(過去のデータはメモリに蓄積されている)を用いて、(8)式および(10)式に基づいて評価関数E(Y)n ,E(D)n による評価値を求め、ステップSP4に戻る。
【0058】
一方、ステップSP4で、探索終了であるときは、ステップSP6で、画像データおよびアクティビティデータについて求めた評価関数E(Y)nおよびE(D)nを用いて、(11)式より得られる新たな評価関数E(G)nによる評価を行って最適評価値を求め、その後にステップSP7に移る。
【0059】
ステップSP7では、最適評価値より動きベクトルV′nを決定する。そして、次に、ステップSP8で、(9)式に基づいて、上位階層で決定された動きベクトルVn+1を2倍して加算し、現在処理している階層における動きベクトルVnを求める。その後に、ステップSP3に戻る。
ステップSP3で、現在処理済みの階層が最下位階層であるときは、ステップSP9で、当該参照ブロックの動きベクトルの検出処理を終了する。
【0060】
図9は、動きベクトル検出部111の構成を示している。この動きベクトル検出部111においては、入力画像データDiがブロック回路2に入力され、所定のサイズ(例えば16×16のブロックサイズ)で順次ブロック化される。ブロック回路2から順次出力される参照ブロックの画像データは、それぞれ階層1のフレームメモリ3および評価値算出回路4、階層2の平均値階層化回路5、アクティビティ階層化回路6、階層3のアクティビティ階層化回路7に入力される。
【0061】
階層2の平均値階層化回路5では、ブロック回路2より順次出力される参照ブロックの階層1の画像データについて、(1)式の演算による平均値階層化処理を実行して参照ブロックの階層2の画像データを求める。この結果得られる階層2の画像データは、階層2のフレームメモリ9、アクティビティ階層化回路6および評価値算出回路26、階層3の平均値階層化回路10に入力される。
【0062】
階層2のアクティビティ階層化回路6では、ブロック回路2より順次出力される参照ブロックの階層1の画像データと、平均値階層化回路5より出力される当該参照ブロックの階層2の画像データとを用いて、(2)式の演算によるアクティビティ階層化処理を実行して、参照ブロックの階層2のアクティビティデータを求める。この結果得られる階層2のアクティビティデータは、それぞれ階層2のフレームメモリ12および評価値算出回路27に入力される。
【0063】
階層3の平均値階層化回路10では、平均値階層化回路5より順次出力される参照ブロックの画像データについて、(1)式の演算による平均値階層化処理を実行して参照ブロックの階層3の画像データを求める。この結果得られる階層3の画像データは、階層3のフレームメモリ14、アクティビティ階層化回路7および評価値算出回路19に入力される。
【0064】
階層3のアクティビティ階層化回路7では、ブロック回路2より順次出力される参照ブロックの画像データと、平均値階層化回路10より出力される当該参照ブロックの階層3の画像データとを用いて、(3)式の演算によるアクティビティ階層化処理を実行して、参照ブロックの階層3のアクティビティデータを求める。この結果得られる階層3のアクティビティデータは、階層3のフレームメモリ16および評価値算出回路20に入力される。
【0065】
この動きベクトル検出部111では、ブロック回路2より順次出力される参照ブロックの画像データが、図6(A),(B)に示すように、階層1、階層2および階層3の画像データとして平均値階層化されると共に、階層2および階層3のアクティビティデータとしてアクティビティ階層化される。
【0066】
そして、各参照ブロックのそれぞれの動きベクトルの検出においては、まず最上位階層である階層3における動きベクトルの検出が行われる。フレームメモリ14に格納されている、1フレーム前のフレーム(探索フレーム)における階層3の画像データより、サーチブロック回路17で、サーチ領域(探索範囲)内の各候補ブロックに対応した階層3の画像データが順次読み出されて評価値算出回路19に供給される。
【0067】
評価値算出回路19では、平均値階層化回路10からの参照ブロックの階層3の画像データと、サーチブロック17からの各候補ブロックの階層3の画像データとを用いて、(8)式の評価関数E(Y)3に基づいて、各候補ブロックの評価値を求める。
【0068】
また、フレームメモリ16に格納されている、1フレーム前のフレーム(探索フレーム)における階層3のアクティビティデータより、サーチブロック回路18で、サーチ領域(探索範囲)内の各候補ブロックに対応した階層3のアクティビティデータが順次読み出されて評価値算出回路20に供給される。
【0069】
評価値算出回路20では、アクティビティ階層化回路7からの参照ブロックの階層3のアクティビティデータと、サーチブロック18からの各候補ブロックの階層3のアクティビティデータとを用いて、(10)式の評価関数E(D)3に基づいて、各候補ブロックの評価値を求める。
【0070】
評価値算出回路19,20でそれぞれ求められ各候補ブロックの評価値は、加算回路21で、(11)式に基づいて重み付け加算される。この結果得られる新たな評価関数E(G)3に基づく各候補ブロックの評価値は動きベクトル検出回路22に入力される。
【0071】
本実施の形態において、評価値算出回路40(19,20)は、図10に示すように構成されている。すなわち、評価値算出回路40においては、参照ブロックメモリ41と候補ブロックメモリ42とを有している。参照ブロックメモリ41は、平均値階層化回路10からの参照ブロックの階層3の画像データ、あるいはアクティビティ階層化回路7からの参照ブロックの階層3のアクティビティデータを格納する。候補ブロックメモリ42は、サーチブロック回路17からの候補ブロックの階層3の画像データ、あるいはサーチブロック回路18からの候補ブロックの階層3のアクティビティデータを格納する。
【0072】
この参照ブロックメモリ41および候補ブロックメモリ42の内容が、メモリコントローラ43で指定されたアドレスの順に読み出され、それぞれレジスタ44およびレジスタ45を通じて減算回路46で減算される。この結果得られる差分データは絶対値化回路47で絶対値化され、加算回路48およびレジスタ49で累積加算される。この累積加算結果は、当該候補ブロックの評価値となる。評価値算出回路40で順次算出される各候補ブロックの評価値は、評価値メモリ50に、評価値メモリコントローラ51より指定されたアドレスの順に従つて入力される。
【0073】
なお、実際には、階層2および階層3における処理では、平均値階層化された画像データについての評価値と、アクティビティ階層化されたアクティビティデータについての評価値が、重み付け加算されて評価値メモリ50に記憶される。
【0074】
本実施の形態において、動きベクトル検出回路60(22)は、図11に示すように構成されている。すなわち、動きベクトル検出回路60では、各候補ブロックの評価値が、評価値メモリ50より、順次評価値メモリコントローラ51より指定されたアドレスに従って読み出され、比較器61およびレジスタ62に入力される。比較器61は他方の入力と評価値メモリ50より読み出された評価値を順次比較し、このうち評価値メモリ50より読み出された評価値が小さいとき、レジスタ62およびレジスタ63の内容を更新する信号を送出する。
【0075】
レジスタ63には、評価値メモリ50を読み出すアドレスが順次設定される。このようにして評価値メモリ50に記憶された評価値が順次評価され、そのうちの評価値の最小を与えるアドレスがレジスタ63より送出され、これが動きベクトル検出回路60の出力、すなわち動きベクトルMVとして出力される。
【0076】
次に、階層2における動きベクトルの検出が行われる。この場合、上述したように階層3の動きベクトル検出回路22で得られる階層3の動きベクトルは、階層2のフレームメモリ9,12に供給され、この動きベクトルによつてサーチ領域が動き補償される。
【0077】
そして、フレームメモリ9に格納されている、1フレーム前のフレーム(探索フレーム)における階層2の画像データより、サーチブロック回路24で、サーチ領域(探索範囲)内の各候補ブロックに対応した階層2の画像データが順次読み出されて評価値算出回路26に供給される。この階層2におけるサーチ領域は、上述した階層3におけるサーチ領域より狭くされる。
【0078】
評価値算出回路26では、平均値階層化回路5からの参照ブロックの階層2の画像データと、サーチブロック24からの各候補ブロックの階層2の画像データとを用いて、(8)式の評価関数E(Y)2に基づいて、各候補ブロックの評価値を求める。
【0079】
また、フレームメモリ12に格納されている、1フレーム前のフレーム(探索フレーム)における階層2のアクティビティデータより、サーチブロック回路25で、サーチ領域(探索範囲)内の各候補ブロックに対応した階層2のアクティビティデータが順次読み出されて評価値算出回路27に供給される。
【0080】
評価値算出回路27では、アクティビティ階層化回路6からの参照ブロックの階層2のアクティビティデータと、サーチブロック25からの各候補ブロックの階層2のアクティビティデータとを用いて、(10)式の評価関数E(D)2に基づいて、各候補ブロックの評価値を求める。
【0081】
評価値算出回路26,27でそれぞれ求められ各候補ブロックの評価値は、加算回路28で、(11)式に基づいて重み付け加算される。この結果得られる新たな評価関数E(G)2に基づく各候補ブロックの評価値は動きベクトル検出回路29に入力される。そして、動きベクトル検出回路29では、各候補ブロックの評価値が順次評価され、動きベクトルが得られる。
【0082】
この動きベクトル検出回路29で得られる動きベクトルは、加算回路23で、(9)式に示すように、階層3の動きベクトルと加算され、階層2の動きベクトルとなる。なお、この評価値算出回路26,27および動きベクトル検出回路29も、上述した評価値算出回路40(図10)および動きベクトル検出回路60(図11)と同様に構成されている。
【0083】
次に、階層1における動きベクトルの検出が行われる。この場合、上述したように加算回路23で得られる階層2の動きベクトルは、階層1のフレームメモリ3に供給され、この動きベクトルによつてサーチ領域が動き補償される。
【0084】
そして、フレームメモリ3に格納されている、1フレーム前のフレーム(探索フレーム)における階層1の画像データより、サーチブロック回路31で、サーチ領域(探索範囲)内の各候補ブロックに対応した階層1の画像データが順次読み出されて評価値算出回路4に供給される。この階層1におけるサーチ領域は、上述した階層2におけるサーチ領域よりさらに狭くされる。
【0085】
評価値算出回路4では、ブロック回路2からの参照ブロックの階層1の画像データと、サーチブロック31からの各候補ブロックの階層1の画像データとを用いて、(8)式の評価関数E(Y)1に基づいて、各候補ブロックの評価値を求める。
【0086】
評価値算出回路4で求められ各候補ブロックの評価値は、動きベクトル検出回路32に入力される。この動きベクトル検出回路32では、各候補ブロックの評価値が順次評価され、動きベクトルが得られる。この動きベクトルは、加算回路30で、(9)式に示すように、階層2の動きベクトルと加算され、階層1の動きベクトル、つまり求めるべき参照ブロックの動きベクトルMVとして出力される。なお、評価値算出回路4および動きベクトル検出回路32も、上述した評価値算出回路40(図10)および動きベクトル検出回路60(図11)と同様に構成されている。
【0087】
このようにして、画像を複数の解像度で階層化し、この階層画像を用いてブロックマッチング法で動きベクトルを検出する際、アクティビティ階層化したアクティビティデータについて求めた評価値を階層毎の評価の対象とするようにしたので、少ない計算量で動き量を高い精度で検出できる。
【0088】
また、本実施の形態において、階層1,2,3の画像データがそれぞれ記憶されるフレームメモリ3,9,14は、同一のメモリブロック150によって構成されている。
【0089】
図12は、このメモリブロック150内のメモリセルアレイ160の一部160aの構成を示している。この一部160aには、階層1の16画素の画像データ(図7(A)の画素x1〜x16に相当)、それより得られる階層2の4画素の画像データ(図7(A)の画素y1〜y4に相当)、それより得られる階層3の1画素の画像データ(図7(A)の画素z1に相当)が記憶される。なお、各画素の画像データはそれぞれ8ビットのデータである。
【0090】
この一部160aには、カラム方向(列方向)に21個、ロウ方向(行方向)に8個のメモリセル161がマトリックス状に配されている。各行の21個のメモリセル161は、5個の第1のメモリセル161aと、16個の第2のメモリセル161bとからなっている。16個の第2のメモリセル161bには、階層1の2画素分の画像データ(16ビット)が記憶される。5個の第1のメモリセル161aには、階層2の画像データの4ビットおよび階層3の画像データの1ビットが記憶される。
【0091】
第1のメモリセル161aおよび第2のメモリセル161bは、それぞれ第1のワード線としてのワード線WL1に接続される。また、第1のメモリセル161aは、第2のワード線としてのワード線WL2,WL3に接続される。ワード線WL1_i〜WL1_i+7は、それぞれカラム方向に延在し、このカラム方向に並ぶ21個のメモリセル161(161a,161b)に接続される。
【0092】
また、ワード線WL2_k,WL2_k+1は、それぞれ4行にわたる階段状パターンで配され、各行の4個の第1のメモリセル161aに接続される。同様に、ワード線WL3_jは、8行にわたる階段状パターンで配され、各行の1個の第1メモリセル161aに接続される。このように、ワード線WL2_k,WL2_k+1が接続される第1のメモリセル161aとワード線WL3_jが接続される第1のメモリセル161aとは異なっている。
【0093】
なお、以上の説明は、階層1〜3のそれぞれ16画素、4画素、1画素の画像データを記憶するメモリセルアレイ160の一部160aについてであるが、その他の対応する部分も同様に構成されている。したがって、ワード線WL2,WL3の階段状パターンは、カラム方向には、21個のメモリセル単位で繰り返されている。
【0094】
図12に示すようなメモリセルアレイ160の一部160aでは、ワード線WL1により、カラム方向に延在する21個のメモリセル161(161a,161b)が同時に活性化され、これらのメモリセル161に対して、画像データの書き込み、読み出しが可能となる。
【0095】
また、この一部160aでは、ワード線WL2により、4行にわたって階段状パターンに配された16個の第1のメモリセル161aが同時に活性化され、これらの第1のメモリセル161aに対して、画像データの書き込み、読み出しが可能となる。また、この一部160aでは、ワード線WL3により、8行にわたって階段状パターンに配された8個の第1のメモリセル161aが同時に活性化され、これらの第1のメモリセル161aに対して、画像データの書き込み、読み出しが可能となる。
【0096】
そのため、本実施の形態において、階層1の画像データは、ワード線WL1によって第2のメモリセル161bを活性化して、書き込み読み出しを行うことができる。また、階層2の画像データは、ワード線WL2によって第1のメモリセル161aを活性化して、書き込み読み出しを行うことができる。さらに、階層3の画像データは、ワード線WL3によって第1のメモリセル161aを活性化して、書き込み読み出しを行うことができる。
【0097】
このように、階層1〜階層3の画像データは同一のメモリブロック150に記憶されると共に、階層2、階層3の画像データをそれぞれ階層1の画像データとは独立して書き込み読み出しを行うことができ、動きベクトルの検出処理を効率よく行うことができる。
【0098】
次に、第1のメモリセル161aについて説明する。図13は、第1のメモリセル161aの構成例を示している。負荷素子であるP型MOSトランジスタQ1とN型MOSトランジスタQ3とが電源と接地との間に直列に接続されてCMOSインバータ171が形成されていると共に、負荷素子であるP型MOSトランジスタQ2とN型MOSトランジスタQ4とが電源と接地との間に直列に接続されてCMOSインバータ172が形成されている。そして、これらCMOSインバータ171,172の各出力、すなわち記憶ノードN1,N2の各電位が互いに他のCMOSインバータ172,171の入力、すなわちN型MOSトランジスタQ4,Q3の各ゲート入力となっている。
【0099】
CMOSインバータ171の記憶ノードN1は、ワード線WL1にゲートが接続されたアクセストランジスタQ5、およびワード線WL2またはワード線WL3にゲートが接続されたアクセストランジスタQ6の双方を介してビット線BLに接続されている。ここで、アクセストランジスタQ5,Q6は並列接続されている。
【0100】
一方、CMOSインバータ172の記憶ノードN2は、ワード線WL1にゲートが接続されたアクセストランジスタQ7、およびワード線WL2またはワード線WL3にゲートが接続されたアクセストランジスタQ8の双方を介してビット線ビット線/BL(/BLはBLバーを表している)に接続されている。ここで、アクセストランジスタQ7,Q8は並列接続されている。
【0101】
このような構成の第1のメモリセル161aにおいて、一対のCMOSインバータ171,172で構成されるメモリセル部173には、“1”または“0”のデータが記憶される。そして、このメモリセル部173とビット線BL,/BLとの間で、アクセストランジスタQ5,Q7、あるいはアクセストランジスタQ6,Q8を介して、読み出しおよび書き込みのデータ転送が行われる。つまり、メモリセル部173の選択を、ワード線WL1、あるいはワード線WL2,WL3のいずれかにより行うことができる。
【0102】
なお、図13に示す第1のメモリセル161aは、通常のSRAM (Static Random Access Memory)セルをベースにしたものであるが、高抵抗負荷型やTFT負荷型などの他のタイプのSRAMセルをベースにしたものであってもよく、あるいはDRAM (Dynamic Random Access Memory)セル等のその他のタイプのメモリセルをベースにしたものであってもよい。
【0103】
次に、第2のメモリセル161bについて説明する。図14は、第2のメモリセル161bの構成例を示している。この図14において、図13と対応する部分には同一符号を付して示している。
【0104】
負荷素子であるP型MOSトランジスタQ1とN型MOSトランジスタQ3とが電源と接地との間に直列に接続されてCMOSインバータ171が形成されていると共に、負荷素子であるP型MOSトランジスタQ2とN型MOSトランジスタQ4とが電源と接地との間に直列に接続されてCMOSインバータ172が形成されている。そして、これらCMOSインバータ171,172の各出力、すなわち記憶ノードN1,N2の各電位が互いに他のCMOSインバータ172,171の入力、すなわちN型MOSトランジスタQ4,Q3の各ゲート入力となっている。
【0105】
CMOSインバータ171の記憶ノードN1は、ワード線WL1にゲートが接続されたアクセストランジスタQ5を介してビット線BLに接続されている。一方、CMOSインバータ172の記憶ノードN2は、ワード線WL1にゲートが接続されたアクセストランジスタQ7を介してビット線ビット線/BLに接続されている。
【0106】
このような構成の第2のメモリセル161bにおいて、一対のCMOSインバータ171,172で構成されるメモリセル部173には、“1”または“0”のデータが記憶される。そして、このメモリセル部173とビット線BL,/BLとの間で、アクセストランジスタQ5,Q7を介して、読み出しおよび書き込みのデータ転送が行われる。つまり、メモリセル部173の選択を、ワード線WL1により行うことができる。
【0107】
なお、図14に示す第2のメモリセル161bは、通常のSRAMセルであるが、高抵抗負荷型やTFT負荷型などの他のタイプのSRAMセルであってもよく、あるいはDRAMセル等のその他のタイプのメモリセルであってもよい。
【0108】
次に、フレームメモリ3,9,14を構成するメモリブロック150について説明する。図15は、メモリブロック150の構成を示している。
メモリブロック150は、複数のメモリセルがマトリックス状に配されたメモリセルアレイ160と、記憶データ入出力用ポート162と、第1〜第3の記憶データ用ロウアドレスデコーダ163〜165と、制御回路166とを有している。
【0109】
記憶データ入出力用ポート162は、記憶データ用カラムアドレスデコーダ162a、アドレスバッファ162bおよびI/Oバッファ162cで構成されている。カラムアドレスデコーダ162aには、I/Oゲート(カラム・スイッチ)やセンスアンプ等が含まれている。カラムアドレスデコーダ162aには、アドレスバッファ162bを介してカラムアドレスが入力される。
【0110】
カラムアドレスデコーダ162aは、アドレスバッファ162bを介して供給されるカラムアドレスに対応して、メモリセルアレイ160のカラム方向の所定の複数のメモリセル161に接続される複数のビット線BL,/BLとの接続を確保し、I/Oバッファ162cおよびカラム・アドレス・デコーダ162aを通じて、当該カラム方向の所定のメモリセルに対する、記憶データの書き込み、読み出しが可能となるようにする。
【0111】
また、第1の記憶データ用ロウアドレスデコーダ163には、アドレスバッファ163aを介してロウアドレスが入力される。ロウアドレスデコーダ163は、アドレスバッファ163aを介して供給されるロウアドレスに対応して、メモリセルアレイ160のロウ方向の所定のメモリセル161に接続されるワード線WL1を活性化し、I/Oバッファ162cおよびカラムアドレスデコーダ162aを通じて、当該ロウ方向の所定のメモリセル161(161a,161b)に対する、記憶データの書き込み、読み出しが可能となるようにする。
【0112】
また、第2の記憶データ用ロウアドレスデコーダ164には、アドレスバッファ164aを介してロウアドレスが入力される。ロウアドレスデコーダ164は、アドレスバッファ164aを介して供給されるロウアドレスに対応して、メモリセルアレイ160のロウ方向の所定のメモリセル161に接続されるワード線WL2を活性化し、I/Oバッファ162cおよびカラムアドレスデコーダ162aを通じて、当該ロウ方向の所定のメモリセル161(161a)に対する、記憶データの書き込み、読み出しが可能となるようにする。
【0113】
また、第3の記憶データ用ロウアドレスデコーダ165には、アドレスバッファ165aを介してロウアドレスが入力される。ロウアドレスデコーダ165は、アドレスバッファ165aを介して供給されるロウアドレスに対応して、メモリセルアレイ160のロウ方向の所定のメモリセル161に接続されるワード線WL3を活性化し、I/Oバッファ162cおよびカラムアドレスデコーダ162aを通じて、当該ロウ方向の所定のメモリセル161(161a)に対する、記憶データの書き込み、読み出しが可能となるようにする。
また、制御回路166は、メモリブロック150の上述した各回路の動作を、制御入力に基づいて制御する。
【0114】
以上説明したように、本実施の形態においては、動きベクトル検出部111(図9参照)のフレームメモリ3,9,14は同一のメモリブロック150(図15参照)で構成される。そして、階層1〜階層3の画像データは同一のメモリブロック150に記憶されると共に、階層2、階層3の画像データをそれぞれ階層1の画像データとは独立して書き込み読み出しを行うことができる。したがって、動きベクトルの検出処理を効率よく行うことができる。
【0115】
なお、上述実施の形態においては、画像データを3階層に階層化して動きベクトルMVを検出する例を示したが、画像データを2階層または4階層以上に階層化して動きベクトルを検出するものにもこの発明を同様に適用することができる。この場合、同一のメモリブロックに各階層の画像データが記憶されることとなる。
【0116】
すなわち、メモリセルアレイは、上述実施の形態と同様に、第1のメモリセル161aと、第2のメモリセル161bとが混在してマトリックス状に配されて構成される。第1のメモリセル161aは、マトリックスの列方向に延在するように配された第1のワード線およびマトリックスの複数の行にわたる階段状パターンで配された第2のワード線にそれぞれ接続される。第2のメモリセル161bは、第1のワード線のみに接続される。
【0117】
第2のワード線が接続される第1のメモリセル161aには、最下位階層(階層1)以外の階層の画像データが記憶される。4階層以上に階層化する場合、上述実施の形態と同様に、階段状パターンを異にする複数の第2のワード線が存在し、複数の第2のワード線にそれぞれ接続される第1のメモリセル161aは異なるものとされ、それぞれに階層の異なる画像データが記憶されるようになされる。
【0118】
また、上述実施の形態においては、図12に示すように、カラム方向に21個、ロウ方向に8個のメモリセル161がマトリックス状に配されたメモリセルアレイ160の一部160aに、階層1〜3の対応する画像データを記憶するように説明したが、各階層の対応する画像データを、それぞれ別個のマトリックス状に配されたメモリセルアレイ160の一部160aに記憶するようにしてもよい。
【0119】
また、上述実施の形態における、第1のメモリセル161aは、図13に示すように、2個のアクセストランジスタが並列に接続されたものを示したが、3個以上のアクセストランジスタが並列に接続されるものも同様に構成できる。その場合、この3個以上のアクセストランジスタのそれぞれに接続されるワード線のいずれかを用いて、メモリセル部の選択を行うことができる。
【0120】
また、上述実施の形態においては、メモリセルアレイ160の第2のメモリセル161bには最下位階層(階層1)の画像データが記憶され、第1のメモリセル161aには順次平均値階層化された最下位階層以外の階層の画像データが記憶されるものであるが、一般的には第2のメモリセル161bに記憶される画像データに対し、これを処理して得られた画像データなどを第1のメモリセル161aに記憶することができる。また、このようなメモリ装置は、画像データ以外のデータを記憶する場合にも使用できることは勿論である。
【0123】
また、この発明に係る動きベクトル検出装置は、入力画像データより解像度の異なる複数階層の画像データを形成し、この複数階層の画像データを使用して入力画像の所定位置の動きベクトルを検出するものにあって、複数階層の画像データを記憶するメモリ部として上述の記憶装置を使用し、複数階層の画像データのうち最下位階層の画像データを第2のメモリセルに記憶し、複数階層の画像データのうち最下位階層以外の階層の画像データを第1のメモリセルに記憶する構成とするものであり、メモリ部に対して各階層の画像データを独立して書き込み読み出しを行うことができ、動きベクトルの検出処理の効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態としての動き補償予測符号化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】動き検出のためのブロックマッチング法を説明するための図である。
【図3】動き検出のためのブロックマッチング法を説明するための図である。
【図4】動き検出のためのブロックマッチング法を説明するための図である。
【図5】動き検出のためのブロックマッチング法を説明するための図である。
【図6】階層構造を説明するための図である。
【図7】階層構造を説明するための図である。
【図8】動きベクトル検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】動きベクトル検出部の構成を示すブロック図である。
【図10】評価値算出回路の構成を示すブロック図である。
【図11】動きベクトル検出回路の構成を示すブロック図である。
【図12】メモリブロック内のメモリセルアレイの一部を示す図である。
【図13】第1のメモリセルの構成例を示す接続図である。
【図14】第2のメモリセルの構成例を示す接続図である。
【図15】メモリブロックの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
2・・・ブロック回路、3,9,12,14,16・・・フレームメモリ、4,19,20,26,27・・・評価値算出回路、5,10・・・平均値階層化回路、6,7・・・アクティビティ階層化回路、17,18,24,25,31・・・サーチブロック回路、21,23,28,30・・・加算回路、22,29,32・・・動きベクトル検出回路、100・・・符号化装置、102・・・減算器、103・・・DCT回路、104・・・量子化回路、105・・・出力端子、106・・・逆量子化回路、107・・・逆DCT回路、108・・・加算器、109・・・フレームメモリ、110・・・動き補償回路、111・・・動きベクトル検出部、150・・・メモリブロック、160・・・メモリセルアレイ、161・・・メモリセル、160a・・・一部、161a・・・第1のメモリセル、161b・・・第2のメモリセル
Claims (2)
- 入力画像データより解像度の異なる複数階層の画像データを形成する画像階層化手段と、
上記画像階層化手段で形成された上記複数階層の画像データに基づいて、上記入力画像の所定位置の動きベクトルを、ブロックマッチング処理を用いて検出する動きベクトル検出手段と、
上記複数階層の画像データを記憶するメモリ部とを備え、
上記メモリ部は、
第1のメモリセルと第2のメモリセルとが混在してマトリックス状に配され、
上記第1のメモリセルは第1のワード線および第2のワード線にそれぞれ接続され、
上記第2のメモリセルは上記第1のワード線のみに接続され、
上記第1のワード線は上記マトリックスの列方向に延在するように配され、
上記第2のワード線は上記マトリックスの複数の行にわたる階段状パターンで配され、
上記複数階層の画像データのうち最下位階層の画像データは上記第2のメモリセルに記憶され、上記複数階層の画像データのうち上記最下位階層以外の階層の画像データは上記第1のメモリセルに記憶される動きベクトル検出装置。 - 上記階段状パターンをそれぞれ異にする複数の上記第2のワード線が併存し、
上記複数の第2のワード線にそれぞれ接続される上記第1のメモリセルは異なり、
上記複数の第2のワード線にそれぞれ接続される上記第1のメモリセルには、異なる階層の画像データが記憶される請求項1に記載の動きベクトル検出装置。
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