JP4270570B2 - マイケル付加組成物 - Google Patents

マイケル付加組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4270570B2
JP4270570B2 JP2005132789A JP2005132789A JP4270570B2 JP 4270570 B2 JP4270570 B2 JP 4270570B2 JP 2005132789 A JP2005132789 A JP 2005132789A JP 2005132789 A JP2005132789 A JP 2005132789A JP 4270570 B2 JP4270570 B2 JP 4270570B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
functional
pack
mixture
michael
weakly basic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005132789A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005320538A (ja
Inventor
ロナルド・スコット・ベックリー
トーマス・フレデリック・カウフマン
マイケル・ジョン・ゼイジャックコウスキ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm and Haas Co
Original Assignee
Rohm and Haas Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm and Haas Co filed Critical Rohm and Haas Co
Publication of JP2005320538A publication Critical patent/JP2005320538A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4270570B2 publication Critical patent/JP4270570B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J201/00Adhesives based on unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G61/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G61/12Macromolecular compounds containing atoms other than carbon in the main chain of the macromolecule
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2261/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G2261/10Definition of the polymer structure
    • C08G2261/13Morphological aspects
    • C08G2261/135Cross-linked structures
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2261/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G2261/30Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain
    • C08G2261/33Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain incorporating non-aromatic structural elements in the main chain
    • C08G2261/334Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain incorporating non-aromatic structural elements in the main chain containing heteroatoms

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Sealing Material Composition (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

硬化反応として有用となる可能性のある化学反応の1つはマイケル(Michael)付加である。たとえば、米国特許出願公開第20030083436号には、α,β−不飽和多価カルボン酸エステルと、カルボニル基に隣接するメチレン基を有する特定のポリエステル又はポリアミド化合物との間の、非アミンの強塩基触媒、たとえばアルカリアルコキシドの存在下での反応生成物を含む接着剤として有用な組成物が開示されている。
クレメンス(Clemens)及びレクター(Rector)(Journal of Coatings Technology,Vol.61,No.770,1989)に記載されているように、強塩基性触媒の使用はマイケル付加反応の場合にはよく知られており、一方、25℃以下で硬化させるための弱塩基性触媒の使用は知られていない。米国特許第6,855,796号には、化学線に曝露するとさらに硬化して高重合体になる、オリゴマー又は低分子量ポリマーの未架橋硬化性樹脂を調製するための第3級ホスフィン弱塩基の使用が開示されている。これらの硬化性樹脂は高められた温度(50〜90℃)において調製される。しかし米国特許第6,855,796B2号は、高重合体又は架橋されたポリマーを生成するためのホスフィン弱塩基性触媒の使用は教示しておらず、かつ周囲温度で硬化させるための弱塩基の使用も教示していない。さらに、接着剤、たとえば積層用接着剤、2成分又は2パック接着剤、シーラント、フォーム(foam)、フィルム、又はエラストマーを製造するための弱塩基性触媒の使用も教示していない。
従来の公知の組成物の欠点の1つは、一部の触媒が望ましくない毒性又は腐食性であることである。従来の公知の組成物の別の欠点は、一部の触媒が、偏在的な材料(たとえば、空気及び/又は水など)、及び/又は硬化前の組成物の成分、及び/又は組成物の硬化過程の生成物に対して望ましくない反応性があることである。一例は、可溶性強塩基触媒(pKa>11)の使用であり、これによって反応物又は生成物の加水分解、又はその他の分解を引き起こしうる。別の例は、アミン塩基の使用であり、これによって変色又は黄変が生じうる。マイケル付加反応で硬化可能であり、室温で硬化し、2パック組成物であり、望ましくない毒性、腐食性、及び/又は望ましくない反応性を有する触媒は使用しない組成物が提供されることが望ましい。
米国特許出願公開第20030083436号明細書 米国特許第6,855,796号明細書 クレメンス(Clemens)及びレクター(Rector)(Journal of Coatings Technology,Vol.61,No.770,1989) RTモリソン(Morrison)及びRNボイド(Boyd)の有機化学第3版(Organic Chemistry,third edition),アリン・アンド・ベーコン(Allyn and Bacon),1973 FWビルマイヤー(Billmeyer),JR.の高分子科学教科書第2版(Textbook of Polymer Science,second edition,)1971 物理化学ハンドブック第82版(Handbook of Chemistry and Physics,82nd edition),CRCプレス(CRC press),2001
したがって、本発明は、
(i)少なくとも1種類の多官能性マイケル受容体を含む第1のパックと、
(ii)少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体を含む第2のパックと、
(iii)任意に、1種類以上の非官能性成分とを含み、
前記第1のパック及び前記第2のパックの少なくとも一方が少なくとも1種類の弱塩基性触媒をさらに含み、前記第1のパック及び前記第2のパックがそれぞれ貯蔵安定性であり、前記第1のパックと、前記第2のパックとを含む成分を混合することによって形成される官能性混合物が23℃で7日以内に硬化可能である、官能性組成物を提供する。
本発明は、
(i)少なくとも1種類の多官能性マイケル受容体を含む第1のパックと、
(ii)少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体を含む第2のパックと、
(iii)任意に、1種類以上の非官能性成分とを含み、
前記第1のパック及び前記第2のパックの少なくとも一方が少なくとも1種類の弱塩基性の非アミン、非ホスフィン触媒をさらに含み、前記第1のパック及び前記第2のパックがそれぞれ貯蔵安定性であり、前記第1のパックと、前記第2のパックと、を含む成分を混合することによって形成される官能性混合物が23℃で7日以内に硬化可能である、官能性組成物も提供する。
本発明は、
(i)少なくとも1種類の多官能性マイケル受容体を含む第1のパックと、
(ii)少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体を含む第2のパックと、
(iii)任意に、1種類以上の非官能性成分とを含み、
前記第1のパック及び前記第2のパックの少なくとも一方が、少なくとも1種類の弱塩基性触媒をさらに含み、前記触媒が、カルボン酸のナトリウム塩、カルボン酸のマグネシウム塩、カルボン酸のアルミニウム塩、6個以下の炭素原子を有するアルキルカルボン酸のクロム塩、芳香族カルボン酸のクロム塩、6個以下の炭素原子を有するアルキルモノカルボン酸のカリウム塩、多価カルボン酸のカリウム塩、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属リン酸塩エステル、及びアルカリ金属ピロリン酸塩、ならびにそれらの混合物からなる群より選択され、前記第1のパック及び前記第2のパックがそれぞれ貯蔵安定性であり、前記第1のパック、前記第2のパック、及び前記任意の非官能性成分を含む成分を混合することによって形成される官能性混合物が23℃で7日以内に硬化可能である、官能性組成物も提供する。
本明細書で使用される場合、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミド又はメタクリルアミドを意味する。
本発明は、マイケル付加反応の進行が可能な官能基を有する化合物の使用を含む。本明細書で使用される場合、マイケル付加反応とは、供与体がアミンではなく活性化メチレン化合物である炭素マイケル付加を意味する(アミンマイケル反応と区別するため)。マイケル付加は、たとえば、RTモリソン(Morrison)及びRNボイド(Boyd)の有機化学第3版(Organic Chemistry,third edition),アリン・アンド・ベーコン(Allyn and Bacon),1973に教示されている。この反応は、触媒の存在下、マイケル供与体とマイケル受容体との間で起こると考えられており、供与体はアミンではなく活性化メチレン化合物である。
本明細書で使用される場合、「マイケル供与体」は、少なくとも1つのマイケル供与体官能基を有する化合物であり、この官能基は、少なくとも1つのマイケル活性水素原子を含有する官能基であり、この水素原子は、C=O及び/又はC≡Nなどの2つの電子吸引基の間にある炭素原子と結合している水素原子である。マイケル供与体官能基の例は、マロネートエステル、アセトアセテートエステル、マロンアミド、及びアセトアセトアミド(これらでは、マイケル活性水素が2つのカルボニル基の間の炭素原子と結合している)、ならびにシアノアセテートエステル及びシアノアセトアミド(これらでは、マイケル活性水素が、カルボニル基とシアノ基との間の炭素原子と結合している)である。2つ以上のマイケル活性水素原子を有する化合物を、本明細書では多官能性マイケル供与体と呼ぶ。マイケル供与体は、それぞれが1つ以上のマイケル活性水素原子を含有する1、2、3、又はそれを超える数の独立した官能基を有することができる。分子上のマイケル活性水素原子の総数が、マイケル供与体の官能価である。本明細書で使用される場合、マイケル供与体の「骨格」は、マイケル活性水素原子を含有する官能基以外の供与体分子の部分である。
本明細書で使用される場合、「マイケル受容体」は、構造(I)
Figure 0004270570
を有する少なくとも1つの官能基を有する化合物であり、上式中、R、R、及びRは、独立に、水素又は有機基、たとえば、アルキル(線状、分岐、又は環式)、アリール、アリール置換アルキル(アラルキル又はアリールキル(arylkyl)とも呼ばれる)、及びアルキル置換アリール(アルカリール又はアルキルアリールとも呼ばれる)であり、これらの誘導体及び置換された変形も含まれる。R、R、及びRは、独立に、エーテル結合、カルボキシル基、さらなるカルボニル基、それらのチオ類似体、窒素含有基、又はそれらの組み合わせを含んでも含まなくてもよい。Rは、酸素、窒素含有基、又は、R、R、及びRの場合に前述した任意の有機基である。それぞれが構造(I)を含有する2つ以上の官能基を有する化合物を、本明細書では多官能性マイケル受容体と呼ぶ。分子上の構造(I)を含有する官能基の数が、マイケル受容体の官能価である。本明細書で使用される場合、マイケル受容体の「骨格」は、受容体分子の構造(I)以外の部分である。任意の構造(I)は、別の(I)基又は骨格に直接結合することができる。
一実施形態によると、Mnが1000未満の骨格を有する供与体及び受容体が使用される。かかる供与体及び受容体は、モノマー又はオリゴマーのいずれかである。かかる骨格の例は、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリプロピレングリコール、Mnが200〜600のポリエチレングリコール、ペンタエリトリトール(pentaerytritol)、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、トリシクロデカンジメチロール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1、3プロパンジオール、ビスフェノールAジグリシジルエポキシ、1,4ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ならびにネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAジグリシジルエポキシ、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、のアルコキシル化及びプロポキシル化されたものである。供与体及び受容体の両方が1000未満のMnの骨格に基づく官能性混合物は、接着剤及び関連する用途に特に有用である。かかる混合物は、溶媒を使用しなくても低い初期粘度を有し、50℃未満、より好ましくは45℃未満、最も好ましくは40℃未満の温度で種々の方法によって適用可能となる。かかる混合物は、加工の容易さ、良好なポットライフ、及び速い硬化速度の特有の組み合わせを有する。
本発明の実施は、少なくとも1種類の可溶性弱塩基性触媒の使用を伴う。本明細書で使用される場合、「触媒」は、マイケル付加反応を触媒する化合物である。いかなる特定の理論にも本発明を限定しようとするものではないが、触媒が水素イオンをマイケル供与体から引き抜くものと考えられる。
ある実施形態では、1種類以上の任意選択の補助剤を使用することができる。補助剤は、マイケル供与体、マイケル受容体、及び触媒のいずれでもない材料であり、補助剤は本明細書では「非官能性成分」と呼ぶ場合もある。補助剤は性質を改善するために選択され、補助剤としては、たとえば、溶媒、粘着付与剤、乳化剤、ポリマー、可塑剤、発泡剤、界面活性剤、湿潤剤、発泡性微小球、顔料、染料、及び増粘剤などの材料が挙げられる。補助剤は、本発明の実施を妨害しないように選択され使用されることが好ましい(たとえば、補助剤は、成分の混合、官能性混合物の硬化、基体への適用、又は硬化した官能性混合物の最終的性質を妨害しないように選択されることが好ましい)。
本発明の実施において、多官能性マイケル受容体の骨格は、多官能性マイケル供与体の骨格と同じ場合もあるし、異なる場合もあり得る。ある実施形態では、1種類以上の多価アルコールが少なくとも1つの骨格として使用される。多官能性マイケル受容体又は多官能性マイケル供与体のいずれかの骨格として好適ないくつかの多価アルコールとしては、たとえば、アルカンジオール、アルキレングリコール、アルカンジオール二量体、アルカンジオール三量体、グリセリン、ペンタエリスリトール、多水酸化ポリアルキレンオキシド、他の多水酸化ポリマー、及びそれらの混合物が挙げられる。骨格として好適ないくつかの多価アルコールとしては、たとえば、シクロヘキサンジメタノール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールエタン、類似の多価アルコール、それらの置換されたもの、及びそれらの混合物が挙げられる。
本発明における骨格として好適な多価アルコールのさらなる例としては、たとえば、分子量が150以上の多価アルコール(上記の名称のものに加えて)が挙げられる。また、好適な多価アルコールの混合物も好適である。
ある実施形態では、多官能性マイケル供与体又は多官能性マイケル受容体の骨格、又はその両方の骨格が、オリゴマー又はポリマーである。本明細書で使用され、FWビルマイヤー(Billmeyer),JR.の高分子科学教科書第2版(Textbook of Polymer Science,second edition,)1971(「ビルマイヤー」)で定義されるポリマーは、より小さな化学的繰り返し単位の反応生成物で構成される比較的大きな分子である。通常、ポリマーは、11個以上の繰り返し単位を有する。ポリマーは、線状、分岐、星形、ループ、高分岐、又は架橋の構造を有することができ、ポリマーは、1種類の繰り返し単位を有する場合があり得るし(「ホモポリマー」)、または1種類より多くの繰り返し単位を有する場合もあり得る(「コポリマー」)。コポリマーは、不規則、ある順序通り、ブロック、その他の配列、又はそれらの任意の混合物又は組み合わせで配列した種々の繰り返し単位を有することができる。
ポリマーは、比較的高分子量を有する。ポリマーの分子量は、標準的な方法たとえば、サイズ排除クロマトグラフィー又は固有粘度によって測定することができる。一般に、ポリマーは、1,000以上の数平均分子量(Mn)を有する。ポリマーは非常に高いMnを有することもでき、いくつかのポリマーは1,000,000を超えるMnを有し、典型的なポリマーは1,000,000以下のMnを有する。
本明細書で使用される場合、「オリゴマー」は、オリゴマーが、より少ない繰り返し単位及びより低い分子量を有することを除けば、ポリマーと同様の構造である。通常、オリゴマーは2〜10個の繰り返し単位を有する。一般に、オリゴマーは400〜1,000のMnを有する。
本発明の官能性組成物は2パック組成物である。本明細書では、用語「2パック」は、マイケル付加を行うために必要なすべての成分が、第1のパックと第2のパックとを混合することによって得られる混合物中に含まれることを意味するために使用される。本発明のいくつかの実施形態が、第1のパックと第2のパックとの混合によって得られた混合物にいかなる補助剤を加えることなく、第1のパックと第2のパックとを混合することによって得られた官能性混合物の使用を含むことが意図される。第1のパックと、第2のパックと、1種類以上の補助剤とが混合されて本発明の官能性混合物が形成される実施形態も意図される。
本発明の実施において、第1のパックは、少なくとも1種類の多官能性マイケル受容体を含有する。ある実施形態では、第1のパックは、さらに任意選択の成分を含有し、たとえば、1種類以上のマイケル供与体、1種類以上の任意選択の補助剤、及びそれらの混合物などを含有する。ある実施形態では、第1のパックは多官能性マイケル供与体を含有しない。ある実施形態(本明細書では「2PA」実施形態と呼ぶ)では、第1のパックはマイケル供与体を含有しない。第2のパックは、少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体を含有する。ある実施形態では、第2のパックが、さらに任意選択の成分を含有し、たとえば、1種類以上のマイケル受容体、1種類以上の任意選択の補助剤、及びそれらの混合物などを含有する。ある実施形態では、第2のパックは多官能性マイケル受容体を含有しない。ある実施形態では、第2のパックはマイケル受容体を含有しない。
官能性混合物の成分は、本発明の2パック組成物中に多数の方法で分配することができる。2パック組成物の一実施形態によると、第1のパックが少なくとも1種類の多官能性マイケル受容体を含み、第2のパックが少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体を含む。本発明の2パック実施形態の実施において、第1のパック及び第2のパックの一方又は両方が、少なくとも1種類の弱塩基性触媒を含む。ある2パック実施形態では、第1のパック、又は第2のパック、又は両方のパックが、任意選択の補助剤をさらに含む。ある2パック実施形態では、各パックの成分は、1つのパックがマイケル受容体、マイケル供与体、及び触媒の3つすべてを含むことがないように選択される。
本発明の実施において、第1のパック及び第2のパックの一方又は両方が少なくとも1種類の弱塩基性触媒を含む。ある実施形態では、各パック成分は、1つのパックが、マイケル受容体、マイケル供与体、及び触媒の3つすべてを含むことがないように選択される。
ある2PA実施形態では、第2のパックは、少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体に加えて、少なくとも1種類の弱塩基性触媒を含み、マイケル受容体は含まない。別の2PA実施形態では、第2のパックは、少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体に加えて、少なくとも1種類のマイケル受容体を含み、触媒は含まない。また、第2のパックがマイケル受容体及び触媒を含まない2PA実施形態も意図される。
別の例として、ある実施形態(本明細書では「2PNA」実施形態と呼ぶ)では、第1のパックは触媒を含まず、第2のパックは、少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体に加えて、少なくとも1種類の弱塩基性触媒を含む。2PNA実施形態では、第2のパックはマイケル受容体を含まない。
第1のパック及び第2のパックのそれぞれが1種類以上の弱塩基性触媒を含む実施形態も意図される。
マイケル受容体及びマイケル供与体の両方である少なくとも1種類の化合物の使用を含む実施形態も意図され、かかる化合物は、少なくとも1つのマイケル供与体官能基と構造(I)を有する少なくとも1つの官能基との両方を有する。かかる化合物が、マイケル付加の触媒として有効な化合物と同じパック中に使用されないことが意図される。
第1のパック及び第2のパックは、それらを混合することによって得られる官能性混合物を使用しようとする直前まで、別々の容器中で保存されることが意図される。2つのパックとあらゆる任意選択の補助剤(補助剤が使用される場合)との混合物を本明細書では官能性混合物と呼ぶ。
本発明のある実施形態では、第1のパックの成分、又は第2のパックの成分、又はそれぞれのパックの成分が、溶媒中に溶解されるか、又は流体媒体中にその他の形態で保持される(たとえば、エマルジョン又は懸濁液として)。溶媒又は他の流体媒体が両方のパック中に使用される場合、2つのパックの溶媒又は他の流体媒体は、互いに独立に選択することができる。ある実施形態では、第1のパック、又は第2のパック、又は両方のパックは溶媒を実質的に含有しない。本明細書の定義では、材料が、その材料の全重量を基準にして少なくとも75重量%の固形分を含有する場合に、材料が「溶媒を実質的に含有しない」とする。本明細書において、「固形分」とは、全マイケル供与体、全マイケル受容体、全ポリマー、25℃において純粋な場合に固体である全ての材料、及び沸点が200℃を超える全ての材料の重量を意味する。ある実施形態では、官能性混合物は溶媒を実質的に含有しない。ある実施形態では、官能性混合物は、官能性混合物の重量を基準にして少なくとも80重量%の固形分、又は少なくとも90重量%の固形分、少なくとも95重量%の固形分、又は少なくとも98重量%の固形分である。
官能性混合物が、官能性混合物の重量を基準にして75重量%未満の固形分を含有する実施形態である「低固形分」実施形態も意図される。ある低固形分実施形態では、固形分は、流体媒体中に溶解したり、流体媒体中に分散したり、又はそれらの組み合わせであってよい。低固形分実施形態では、非固体成分は、1種類以上の非水性化合物、又は水、あるいはそれらの組み合わせを含むことができる。ある低固形分実施形態では、官能性混合物は、官能性混合物の重量を基準にして25重量%以上の固形分を含有する。ある低固形分実施形態では、1種類以上の多官能性マイケル供与体、1種類以上の多官能性マイケル受容体、又はそれぞれの1種類以上、がポリマーである。
本発明のある実施形態では、官能性混合物は、外部から添加される光開始剤を含有しない。本明細書において「光開始剤」とは、可視光、紫外線(UV)、又はその他の放射線に曝露することによって重合を効果的に開始する化合物を意味する。本明細書において「外部から添加される」とは、マイケル供与体、マイケル受容体、触媒(本発明の実施に関して本明細書で前述した定義)、及び本発明の組成物の硬化過程の生成物ではない化合物を意味する。以上とは独立して、本発明のある実施形態では、官能性混合物は、エポキシド基を有する化合物を含有しない。以上とは独立して、本発明のある実施形態では、官能性混合物は、イソシアネート基を有する化合物を含有しない。以上とは独立して、本発明のある実施形態では、官能性混合物は、マイケル付加反応に関与する反応性基を有する化合物以外に、硬化に有効な化学反応が可能な反応性基を有する化合物を含有しない。
本発明のある実施形態では、外部から添加される光開始剤を含まない官能性混合物は、電子ビーム(EB)放射線に曝露して部分的に反応させた後、マイケル付加反応によって硬化させることができる。この二重硬化機構では、迅速な「グリーン強度」の進展が可能となり、その後完全に硬化させることによって架橋されたポリマー網目が形成される。
本発明の別の実施形態では、官能性混合物は外部から添加された光開始剤を含有する。ある実施形態では、外部から添加された光開始剤が、フリーラジカル開始剤、たとえばIrgacure(商標)184であり、これによって多官能性アクリレート(受容体)の一部のフリーラジカル重合を開始させ、マイケル付加反応を介してさらに反応させることができる(二重反応系)。あるいは、ある実施形態では、外部から添加された光開始剤が、UV線の曝露前に対応する11未満のpKaを有する共役酸を有する、弱塩基性の光潜在性(Photolatent)アミン触媒である。放射線を照射することによって、この光開始剤の塩基性が顕著に増加し、それによって、マイケル付加反応を触媒するか、さらなる触媒作用が起こる。ある実施形態では、光潜在性アミンは、化学線照射前には弱塩基性触媒挙動を示さないが、照射後にはその挙動を示す(光開始剤としてのみ機能する)。ある実施形態では、光潜在性アミン触媒が、化学線照射前に触媒挙動を示すことができる(最初は弱塩基性触媒として機能し、照射後は塩基性触媒光開始剤として機能する)。後者の種類の光潜在性アミンの一例は、チバ(Ciba)のCGI(商標)90であり、これによってマイケル付加反応に有用な2つの触媒が得られる。
本発明の実施に使用するための特定の多官能性マイケル供与体及び特定の多官能性マイケル受容体の選択においては、官能価を考慮することが望ましい。官能価2のマイケル供与体を、官能価2のマイケル受容体と反応させると、線状分子構造をもたらすと一般に考えられている。多くの場合、分岐された及び/又は架橋された分子構造を形成することが望ましく、これには3以上の官能価を有する少なくとも1種類の成分を使用することが必要であると考えられている。したがって、ある実施形態が、3以上の官能価を有する少なくとも1種類のマイケル供与体を有するか、3以上の官能価を有する少なくとも1種類のマイケル受容体を有するか、又は3以上の官能価を有する少なくとも1種類のマイケル供与体と3以上の官能価を有する少なくとも1種類のマイケル受容体との両方を有することが意図される。ある実施形態では、官能性混合物中で合わせた全マイケル供与体及び全マイケル受容体の平均官能価が2を超え、ある実施形態では、この平均官能価が2.5以上、又は3以上、又は4以上である。
本発明の官能性混合物中、多官能性マイケル受容体の多官能性マイケル供与体に対する相対的比率は、反応性当量比によって特徴づけることができ、この反応性当量比は、官能性混合物中の全ての官能基(I)の数の、官能性混合物中のマイケル活性水素原子の数に対する比率である。ある実施形態では、反応性当量比は0.1:1以上の比率、又は0.2:1以上の比率、又は0.3:1以上の比率、又は0.4:1以上の比率、又は0.45:1以上の比率である。ある実施形態では、反応性当量比は3:1以下の比率、又は2:1以下の比率、又は1.2:1以下の比率、又は0.75:1以下の比率、又は0.6:1以下の比率である。
ある実施形態では、硬化した官能性混合物が未反応官能基(I)をほとんど又は全く有さないことが意図される。
通常は比較的高い反応性当量比を有する別の実施形態では、硬化した官能性混合物が、未反応の官能基(I)を含有している可能性が高いと考えられ、反応性当量比が十分に高い場合は、硬化した官能性混合物は、反応した分子の官能基(I)が全く反応していない完全な多官能性マイケル受容体分子(本明細書では「未反応多官能性マイケル受容体分子」と呼ぶ)を含有すると考えられる。たとえば、多官能性マイケル受容体分子がすべて2つの官能基(I)をそれぞれ含む場合、反応性当量比が2:1以上の比率である官能性混合物からは、ある程度の未反応多官能性マイケル受容体分子が存在する硬化した官能性混合物が得られる可能性が高いと考えられる。また、硬化した官能性混合物が未反応多官能性マイケル受容体分子をほとんど又は全く有さないが、有用な量の未反応官能基(I)を有する実施形態も考慮される。ある実施形態では、硬化した官能性混合物中に未反応官能基(I)が存在し、未反応多官能性マイケル受容体分子は、存在すること、又は存在しないことのいずれかが望ましい(たとえば、マイケル付加以外の化学反応を実施することを意図する場合)。別の実施形態では、硬化した官能性混合物が、未反応多官能性マイケル受容体分子をほとんど又は全く有さないことが望ましいか、あるいは、硬化した官能性混合物が未反応官能基(I)をほとんど又は全く有さないことが望ましいかであり、かかる実施形態では、希望通りに、硬化した官能性混合物が、未反応多官能性マイケル受容体分子をほとんど又は全く有さない、又は未反応官能基(I)をほとんど又は全く有さないように十分低い反応性当量比を実行者が容易に選択できると考えられる。
本発明のある実施形態では、多官能性マイケル供与体、多官能性マイケル受容体、弱塩基性触媒、及び任意の他の成分は、それらの官能性混合物が均一となるように選択される(すなわち、この混合物は、静置又は硬化によって相分離をしない)。本発明の別の実施形態では、多官能性マイケル供与体、多官能性マイケル受容体、弱塩基性触媒、及び任意の他の成分は、それらの官能性混合物がエマルジョンを形成するように選択される。官能性混合物が、液体中の懸濁物として分散した1種類以上の成分を含有する実施形態も想定され、その懸濁液が安定となる(すなわち、静置又は硬化によって固形分の沈降や凝固が起こらない)いくつかのかかる実施形態は有用である。
本発明の実施は、少なくとも1種類の多官能性マイケル受容体の使用を伴う。ある実施形態では、多官能性マイケル受容体の骨格は、例えば本明細書で前述したような多価アルコールの残基である。ある実施形態では、多官能性マイケル受容体の骨格がポリマーであってよい。ある実施形態では、多官能性マイケル受容体の骨格がオリゴマーであってよい。
本発明において好適な多官能性マイケル受容体のいくつかには、たとえば、構造(I)の一部又はすべてが、エステル結合又はアミド結合を介して多官能性マイケル受容体分子と結合している(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、フマル酸、又はマレイン酸、それらの置換されたもの、又はそれらの組み合わせの残基である分子が挙げられる。エステル結合を有する化合物と結合している(メタ)アクリル酸の2つ以上の残基を含む構造(I)を有する化合物を、本明細書では「多官能性(メタ)アクリレート」と呼ぶ。マイケル付加の受容体として機能することができる少なくとも2つの二重結合を有する多官能性(メタ)アクリレートが、本発明に好適な多官能性マイケル受容体である。いくつかの好適な多官能性の(メタ)アクリレートは、たとえば、多官能性アクリレート(エステル結合を介して骨格とそれぞれ結合する2つ以上のアクリル酸残基を有する化合物、MFAとも呼ばれる)である。
本明細書において、化合物の「アクリレート」(又は「ジアクリレート」又は「トリアクリレート」など)と記載される受容体、又は「アクリル化」化合物と記載される受容体は、その化合物をアクリル酸と反応させることによって形成することが可能な構造を有するものと理解されたい。多くの場合、このように記載される受容体は、実際にかかる反応を実施することによって形成されるが、このように記載される受容体は実際には他の方法で形成することも可能である。いくつかの好適な受容体は、ヒドロキシル基、アミン基、エポキシド基、カルボキシル基と反応すると考えられる他の基、又はそれらの組み合わせを有する、「アクリル化」化合物、又はそれらを有する化合物の「アクリレート」(又は「ジアクリレート」又は「トリアクリレート」など)と説明されることが考慮される。たとえば、受容体
Figure 0004270570
はアクリル化ブタンジオールと記載されるし、ブタンジオールのジアクリレートとも記載され、この受容体はブタンジオールをアクリル酸と反応させることによって得ることができるが、同じ構造を任意の方法によって得ることができると考えられる。別の例では、既知のジグリシジルエーテル化合物が構造(II)、
Figure 0004270570
を有する場合、「IIのジアクリレート」と記載されるMFAは次の構造、
Figure 0004270570
を有する。
MFAである好適な多官能性マイケル受容体の例としては、たとえば、以下のものの1種類以上のジアクリレートが挙げられる。すなわちアルキルジオール、グリコール、エーテル含有ジオール(たとえば、グリコール二量体、グリコール三量体、及びポリアルキレンジオールなど)、アルコキシル化アルキルジオール、ポリエステルオリゴマージオール、ビスフェノールA、エトキシル化ビスフェノールA、及び少なくとも2つのヒドロキシル基を有するポリマーである。また、類似のトリオール、たとえば、アルキルトリオール及びアルコキシル化アルキルトリオールなどのトリアクリレートも好適である。類似の多水酸化化合物のテトラアクリレート、ペンタアクリレート、及びより高次のアクリレートも好適である。
好適なMFAのさらなる例としては、ヒドロキシル基以外の2つ以上の官能基を有し、アクリル酸とエステル結合を形成することが可能な化合物のジ−、トリ−、テトラ−、及びより高次のアクリレートが挙げられる。このようなMFAとしては、2つのエポキシド基を有する化合物のジアクリレート、たとえば、エポキシ樹脂、ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エトキシル化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、及びそれらの混合物などのジアクリレートが挙げられる。
また、特に好適な多官能性マイケル受容体は、それぞれ構造(I)を含有する2つ以上の官能基を有し、それらの構造(I)を含有する官能基の1つ以上が(メタ)アクリルアミドの残基である化合物である。別の好適な多官能性マイケル受容体では、構造(I)を含有する少なくとも1つの官能基が(メタ)アクリルアミドの残基であり、構造(I)を含有する少なくとも1つの官能基が(メタ)アクリルアミドの残基以外の官能基である。
好適な多官能性マイケル受容体の混合物も好適である。ある実施形態では、多官能性マイケル受容体は、2つのエポキシド基を有する化合物の少なくとも1つのジアクリレートと、ポリアルキレンオキシドジオールの少なくとも1つのジアクリレートとを含む。
本発明の実施は、少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体の使用を伴う。本発明のある実施形態では、多官能性マイケル供与体の骨格が、例えば前述したものなどをはじめとする多価アルコールの残基である。ある実施形態では、多官能性マイケル供与体の骨格がポリマーであってよく、たとえば、ポリアルキレンオキシド、ポリウレタン、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリジエン、水素化ポリジエン、アルキド、アルキドポリエステル、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリエステル、ハロゲン化ポリエステル、(メタ)アクリレートポリマー、それらのコポリマー、又はそれらの混合物などであってよい。多官能性マイケル供与体の骨格がポリマーである実施形態では、マイケル供与体官能基が、ポリマー鎖からぶら下がっていてもよいし、ポリマー鎖中に組み込まれてもよいし、それらの組み合わせであってもよい。
好適な多官能性マイケル供与体では、マイケル活性水素を有する官能基は、任意の種々の配置で骨格と結合してよい。ある実施形態では、多官能性マイケル供与体は構造
Figure 0004270570
を有し、式中nは2以上であり、R
Figure 0004270570
又は
Figure 0004270570
又は
Figure 0004270570
であり、R
Figure 0004270570
又は
Figure 0004270570
又は
Figure 0004270570
又は−C≡Nであり、R、R、R、R10、及びR11は、独立に、H、アルキル(線状、環式、又は分岐)、アリール、アリールキル、アルカリール、又はそれらの置換されたものであり、Rは、多官能性マイケル供与体の骨格として好適であるとして前述した任意の多価アルコール又はポリマーの残基である。ある実施形態では、Rはマイケル受容体の残基である。ある実施形態では、R、R、R、R10、及びR11の1つ以上が、マイケル活性水素を有する別の官能基と結合している。
ある実施形態では、nが3以上である。ある実施形態では、第2のパックが1より多くの多官能性マイケル供与体を含有している。かかる実施形態では、多官能性マイケル供与体の混合物は、nの数平均値によって特徴付けることができる。ある実施形態では、第2のパック中の多官能性マイケル供与体混合物は、nの数平均値が4以下、又は3以下である。
いくつかの好適な多官能性マイケル供与体としては、たとえば、アセトアセトキシ置換アルキル(メタ)アクリレート、マロン酸のアミド、アセト酢酸のアミド、マロン酸のアルキルエステル、アセト酢酸のアルキルエステルが挙げられ、これらのアルキル基は線状、分岐、環式、又はそれらの組み合わせであってよい。
いくつかの好適な多官能性マイケル供与体は、たとえば、2つ以上のアセトアセテート基を有するアルキル化合物である。かかる多官能性マイケル供与体としては、たとえば、アルキルジオールジアセトアセテート(アルキルジオールビスアセトアセテートとも呼ばれる)、たとえば、ブタンジオールジアセトアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセトアセテート、ネオペンチルグリコールジアセトアセテート、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、2−メチル−1,3−プロパンジオールジアセトアセテート、エチレングリコールジアセトアセテート、プロピレングリコールジアセトアセテート、シクロヘキサンジメタノールジアセトアセテート、その他のジオールジアセトアセテート、アルキルトリオールトリアセトアセテート(アルキルトリオールトリスアセトアセテートとも呼ばれる)、たとえば、トリメチロールプロパントリアセトアセテート、ペンタエリスリトールトリアセトアセテート、グリセリントリスアセトアセテート、又はトリメチロールエタントリアセトアセテートなどが挙げられる。好適な多官能性マイケル供与体のさらなる例のいくつかとして、多価アルコールのテトラ−、ペンタ−及びより高次のアセトアセテート(すなわち、エステル結合を介して4、5、又はそれを超える数のヒドロキシル基がアセトアセテート基と結合している多価アルコール)、たとえば、ペンタエリスリトールテトラアセトアセテート、ジペンタエリスリトールペンタアセトアセテート、及びジペンタエリスリトールヘキサアセトアセテートが挙げられる。
好適な多官能性マイケル供与体のさらなる例のいくつかは、エーテルグリコールジアセトアセテート(エーテルグリコールビスアセトアセテートとも呼ばれる)、たとえば、ジエチレングリコールジアセトアセテート、ジプロピレングリコールジアセトアセテート、ポリエチレングリコールジアセトアセテート、及びポリプロピレングリコールジアセトアセテートである。
他の好適な多官能性マイケル供与体のいくつかは、1分子当たり1つのマイケル供与体官能基を有するものであり、このマイケル供与体官能基が2つのマイケル活性水素原子を有する。かかる多官能性マイケル供与体としては、たとえば、アルキルモノアセトアセテート(すなわち、構造が、1つのアセトアセテート基が結合しているアルキル基である化合物)が挙げられる。
好適な多官能性マイケル供与体のさらなる例としては、1つ以上の次の官能基を有する化合物が挙げらる。すなわちアセトアセテート、アセトアセトアミド、シアノアセテート、及びシアノアセトアミドであり、これらの官能基は、1つ以上の以下の骨格と結合することができる。すなわち、ポリエステルポリマー、ポリエーテルポリマー、(メタ)アクリルポリマー、ポリジエンポリマーである。
好適な多官能性マイケル供与体のいくつかとしては、たとえば、メタクリル酸アセトアセトキシエチル(AAEM)と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル、(メタ)アクリル酸のアミド、それらの置換されたもの、及びそれらの混合物の1種類以上とを含むモノマーから生成されるオリゴマー及びポリマーが挙げられる。ある実施形態では、オリゴマー又はポリマーを生成するために使用した全モノマー重量を基準にして、10重量%以上のAAEMを含むモノマーから生成される少なくとも1種類のこのようなオリゴマー又はポリマーを使用することが意図される。
いくつかの好適な多官能性マイケル供与体は、多官能性アセトアセテート官能性ポリエステルポリマー及びアセトアセテート官能性ポリエステルアミドポリマーである。
好適な多官能性マイケル供与体の混合物も好適である。
多官能性マイケル供与体の分類の1つはマロネートとして知られている。マロネートは、R
Figure 0004270570
及びR
Figure 0004270570
を有する(式中、R、R、及びRは本明細書で前述したように定義される)。ある実施形態では、マロネートが使用されず、すなわちかかる実施形態では、非マロネート多官能性マイケル供与体が使用される。
本発明の実施は、少なくとも1種類の弱塩基性触媒の使用を伴う。以下の可溶性基準に適合する場合、触媒が「可溶性」であると本明細書において定義される。好適な試験混合物を選択し、試験混合物は、1種類の多官能性マイケル受容体、2種類以上の多官能性マイケル受容体の混合物、1種類の多官能性マイケル供与体、又は2種類以上の多官能性マイケル供与体の混合物であってよい。この試験混合物は、弱塩基性触媒が使用されるパックの一部又はすべてである。たとえば、触媒が第1のパック中で使用される場合、第1のパック中で使用されるその触媒の重量の、第1のパック中の全ての多官能性マイケル受容体の重量の合計に対する比を、本明細書ではX1と呼ぶ。試験混合物の成分の重量の合計の、第1のパック中の全ての多官能性マイケル受容体の重量の合計に対する比を、本明細書ではX2と呼ぶ。次に、可溶性試験を実施するために、触媒重量の、試験混合物重量に対する比がY以上となるために少なくとも十分な触媒を試験混合物に加える。ここでY=X1/X2である。触媒と試験混合物との混合物について、本明細書で後に規定する溶解手順を行い、試験混合物中に実際に溶解した触媒量がそれによって決定される。実際に溶解した触媒重量の、試験混合物重量に対する比がY以上であれば、その触媒は可溶性であると見なされる。
上記可溶性試験を実施するための有用な方法の1つは、比X2が1.0となるように試験混合物及び触媒の量を選択することである。
第2のパック中で使用される触媒の場合は、1種類以上の多官能性マイケル供与体を試験混合物として使用して同じ可溶性基準を適用する。
可溶性を決定するために用いられる溶解手順は、本明細書において以下のように規定される。触媒と試験混合物との混合物を75℃に2時間で加熱して、得られた混合物が透明であれば(すなわち、肉眼で曇り又は沈殿物が見られない)、触媒が可溶性であると見なされる。得られた混合物が、75℃未満の温度に加熱した後で透明である場合、又は、得られた混合物が、75℃未満の任意の温度で混合した場合に透明である場合、又は、得られた混合物が、触媒を試験混合物に加えてから2時間以内に透明である場合、その触媒は可溶性であると見なされる。75℃で2時間後、得られた混合物が透明でない場合は、フリットガラスを通し濾過し、その濾液を希HClで滴定して、試験混合物中に実際に溶解した触媒の量を決定する。
濾液を希HClで滴定する場合、許容できる手順の1つは以下の通りである。0.1〜0.2ミリモルの間の触媒を含有すると推定される量の濾液を、30mlの変性アルコール中に溶解する。この濾液の溶液を次に、0.1022モル/lのHCl水溶液で鋭い終点が得られるまで滴定する。滴定は、当技術分野で公知の多種多様な任意の方法及び/又は装置を使用して行うことができる。たとえば、ラジオメーター・アナリティカルSAS(Radiometer Analytical SAS)によって製造されたRTS822記録滴定システムを使用することができる。滴定の進行及び終点は、当技術分野で公知の多種多様な任意の方法及び/又は装置によって測定することができ、たとえば電極、たとえばガラス電極及び基準電極、たとえば、ラジオメーター・アナリティカルSASによるpHG201及びREF201電極を使用して測定することができる。終点を検出した後、標準的方法によって以下の量を計算する。すなわち、濾液の溶液中に存在する触媒のモル数、及び試験混合物中に実際に溶解した触媒の量である。
一般に、本発明の実施において、十分な触媒が試験混合物中に溶解して、官能性組成物中に十分な触媒が得られれば、触媒は可溶性であり、それによって、官能性混合物が形成されると、硬化が23℃で7日以内に起こる。ある実施形態では、触媒は試験混合物中に、試験混合物100g当たり0.1g以上の触媒、又は試験混合物100g当たり0.2g以上の触媒、又は試験混合物100g当たり0.5g以上の触媒、又は試験混合物100g当たり1g以上の触媒の量で溶解する。触媒と試験混合物との混合物が75℃未満の温度で混合される、又は2時間未満の時間混合される、又はその両方が行われて、十分な量の触媒が実際に試験混合物中に溶解する場合、その触媒は可溶性であると見なされる。
本発明の一実施形態によると、弱塩基性触媒は、1種類以上の溶媒中に溶解され、次に、反応物に導入されてエマルジョンが形成される、不溶性の弱塩基性触媒である。
本発明の一実施形態によると、弱塩基性触媒は、反応物中に分散される不溶性の弱塩基性触媒である。
本発明のある実施形態では、少なくとも1種類の可溶性弱塩基性触媒が純粋材料の形態で使用される。本明細書において「純粋材料」とは、商業的な製造元から容易に入手可能な純度レベル、又はより高い純度を有する材料を意味する。
本発明の別の実施形態では、第1のパック、又は第2のパック、又はそれぞれのパックは、可溶性弱塩基性触媒の溶液をそのパックの他の成分に対して加えることによって形成される。本明細書において「可溶性弱塩基性触媒の溶液」とは、溶媒(本明細書で前述した定義の非官能性成分である)と、可溶性(本明細書で前述した定義)弱塩基性触媒との均一な混合物を意味する。かかる実施形態中の溶媒は、水であってよいし、又は有機溶媒、たとえば、炭化水素、アルコール、及びケトンであってよい。水が好適であることが知られている。たとえば、ある実施形態では、第1のパックを形成するために、可溶性弱塩基性触媒の溶液が1種類以上の多官能性マイケル受容体に加えられる。可溶性弱塩基性触媒のある好適な溶液は、可溶性弱塩基性触媒の濃度が、溶液の重量を基準にして、50重量%以上、又は65重量%以上である。可溶性弱塩基性触媒の溶液を加えることを含むある実施形態では、可溶性弱塩基性触媒を含むパックが、高温、又は減圧、又はその両方にさらされて、溶媒の一部又はすべてが除去される。可溶性弱塩基性触媒の溶液を加えることを含む別の実施形態では、溶媒はパックの一部としてそのまま残され、すなわち、パックからの溶媒除去の工程は行われない。
可溶性弱塩基性触媒の溶液がパックに加えられる(すなわち、第1のパック、又は第2のパック、又は両方のパックに加えられる)本発明のある実施形態の実施においては、可溶性弱塩基性触媒の溶液が加えられたパックは均一に見えるようになる。
可溶性弱塩基性触媒の溶液がパック又は官能性混合物に加えられる本発明のある実施形態の実施においては、得られる混合物は濁って見える。かかる実施形態では、本発明をいかなるモデルや理論にも限定しようとするものではないが、可溶性弱塩基性触媒の溶液中に使用される溶媒が他の成分と非相溶性又は不溶性であり、そのため溶媒が分離した相として残留し、パックの体積全体に分散する液滴として溶媒が存在するために、この濁りが生じると考えられる。さらに、かかる溶媒液滴の分散が起こる場合、可溶性弱塩基性触媒が溶媒液滴中に残留することがあり得、または可溶性弱塩基性触媒が溶媒中から移動して他の成分中に溶解することがあり得、または可溶性弱塩基性触媒が、溶媒液滴と他の成分との間で、ある比率で分配される場合もあり得ると考えられる。これらの実施形態では、可溶性弱塩基性触媒の位置とは無関係に、可溶性弱塩基性触媒が前述の定義の可溶性の基準に適合できる限りは、このような溶媒液滴の分散体を含むパック又は官能性混合物が、本発明の実施において好適であると見なされる。
一例として、ある実施形態では、弱塩基性触媒は水中に溶解されて水溶液を形成し、その水溶液が次に1種類以上の多官能性マイケル受容体と混合される。
弱塩基性触媒がパックの少なくとも1種類の反応物、又は官能性混合物に加えられる本発明のある別の実施形態では、結果として得られる混合物がエマルジョンを形成する。一例として、ある実施形態では、弱塩基性触媒が1種類以上の多官能性マイケル受容体と混合されて、エマルジョンが形成される。このエマルジョンは、少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体を含む別のパックに加えることができるし、又は、このエマルジョンを1つのパックを形成する1種類の多官能性マイケル供与体とさらに混合することもできる。
本発明の他のある実施形態では、本発明の弱塩基性触媒は、以下から選択される。すなわち、カルボン酸のナトリウム塩、カルボン酸のマグネシウム塩、カルボン酸のアルミニウム塩、1〜22個の炭素原子(たとえば6個以下の炭素原子が挙げられる)のアルキルカルボン酸のクロム塩、芳香族カルボン酸のクロム塩、1〜22個の炭素原子(たとえば6個以下の炭素原子が挙げられる)を有するアルキルモノカルボン酸のカリウム塩、多価カルボン酸のカリウム塩、及びそれらの混合物である。本明細書において「モノカルボン酸」とは、1分子当たり1つのカルボキシル基を有するカルボン酸を意味する。本明細書において「多価カルボン酸」とは、1分子当たり1つより多くのカルボキシル基を有するカルボン酸を意味する。特に、カルボン酸のナトリウム塩、マグネシウム塩、及びアルミニウム塩としては、たとえば、以下の種類のカルボン酸のナトリウム塩、マグネシウム塩、及びアルミニウム塩が挙げられる。すなわち、芳香族カルボン酸、7〜22個の炭素原子を有するアルキルカルボン酸、6個以下のカルボン酸を有するアルキルカルボン酸、及びそれらの混合物である。
ある実施形態では、本発明の弱塩基性触媒は以下のものから選択される。すなわち7〜22個の炭素原子を有するアルキルモノカルボン酸のナトリウム塩、6個以下の炭素原子を有するアルキルモノカルボン酸のナトリウム塩、6個以下の炭素原子を有するアルキルモノカルボン酸のカリウム塩、及びそれらの混合物である。
触媒が、その共役酸のpKaが3以上であり11以下でもあることを特徴とする塩基性化合物である場合、本明細書の定義では、その触媒が「弱塩基性」となる。ある実施形態では、可溶性弱塩基性触媒の共役酸のpKaが3.5以上、又は4以上である。ある実施形態では、可溶性弱塩基性触媒の共役酸のpKaが7.5以下、又は5.5以下、又は4.9以下である。塩基の共役酸のpKaはよく知られている特性であり、多くの塩基の共役酸のpKa値が公表されており、たとえば、物理化学ハンドブック第82版(Handbook of Chemistry and Physics,82nd edition),CRCプレス(CRC press),2001に公表されている。pKaが希薄水溶液中で測定される場合があるが、pKa自体は化合物の特性であり、化合物が実際に水溶液中で使用されているかどうかは無関係である。
触媒の共役酸が複数のカルボキシルを有するカルボン酸である場合、第1のpKa(すなわち、第1の水素イオンの解離定数を表しているpKa)が3以上11以下である場合に、その可溶性触媒が弱塩基性であると見なされる。第2以降の解離定数は任意の値であってよい。このことは、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属リン酸水素塩、アルカリ金属リン酸塩エステル、及びアルカリ金属ピロリン酸塩にも適用される。
いくつかの別の好適な弱塩基性触媒は、たとえば、酢酸カリウム、オクタン酸ナトリウム、カプリル酸カリウム、及び酢酸クロムである。好適な可溶性弱塩基性触媒の混合物も好適である。
好適な可溶性弱塩基性触媒の1つは、たとえば酢酸カリウムである。
ある実施形態では、少なくとも1種類の可溶性弱塩基性触媒が、多価陽イオン(たとえば、クロム陽イオン、マグネシウム陽イオン、及びアルミニウム陽イオンなどが挙げられる)とカルボン酸との塩である。好適な多価陽イオンの1つは、たとえばクロム陽イオンである。好適な可溶性弱塩基性触媒の1つは、たとえば酢酸クロムである。
好適な可溶性弱塩基性触媒の混合物も好適である。
場合によっては、製造元より供給されたままの状態の多官能性マイケル受容体化合物は、ある量(通常は比較的少量)のカルボン酸塩を含有している。本発明は、かかる塩を含有する多官能性マイケル受容体、かかる塩を含有しない多官能性マイケル受容体、又はそれらの混合物を使用して実施できることを意図している。
ある実施形態では、製造元より供給されたままの状態の好適な多官能性マイケル受容体が、可溶性弱塩基性触媒として好適な少なくとも1種類の塩を含有する。かかる多官能性マイケル受容体を、本発明の実施に使用することが意図される。場合によっては、製造元より供給されたままの状態の多官能性マイケル受容体中に存在する塩の量が十分少ないため、本発明の実施において、追加の量の弱塩基性触媒を使用することが望ましく、これは、多官能性マイケル受容体中にすでに存在する触媒と同種であっても異種であってもよい。たとえば、ある実施形態では、第1のパックが、少なくとも1種類のかかる多官能性マイケル受容体と、任意に、1種類以上の他のマイケル受容体と、追加の量の弱塩基性触媒とを含有する。
ある実施形態では、本発明の実施は、1種類以上の弱塩基性触媒の使用を伴う。
ある実施形態では、本発明の官能性混合物は、弱塩基性触媒ではない触媒を含有しない。
本発明のある実施形態では、第2のパックと混合する前、又は硬化過程の開始前には、第1のパックは、マイケル活性水素原子をマイケル供与体化合物から取り去ることによって生成することができる陰イオン(本明細書では「供与体由来の陰イオン」と呼ぶ)を含まない。供与体由来の陰イオンの一例は、マイケル活性水素原子をアセトアセテート基から取り去ることによって生成することができる陰イオンである。同様の供与体由来の陰イオンは、本明細書で前述したマイケル供与体官能基の任意の1つからマイケル活性水素原子を取り去ることによって生成することができる。これとは別に、本発明のある実施形態においては、有効な量の供与体由来の陰イオンが第2のパック中には存在しないことも意図される。いかなる特定の理論にも本発明を限定しようとするものではないが、ある実施形態では、第1のパックと第2のパックが混合された後、1種類以上の供与体由来の陰イオンを含有する化合物がマイケル付加反応過程において中間体として生成しうると考えられる。
本発明の実施は官能性混合物の使用を伴う。官能性混合物の成分は、本発明の実施条件下でマイケル付加が起こるように選択されることを意図している。たとえば、特定の多官能性マイケル受容体は、ある多官能性マイケル供与体とのマイケル付加反応が、他の多官能性マイケル供与体との反応よりも進行しにくい場合があり得る。たとえば通常、メタクリレート基は、アセトアセテート基よりもシアノアセテート基との方が反応しやすい。さらに、ある弱塩基性触媒は、他の触媒よりも強くマイケル付加反応を促進する。しかし、特定の多官能性マイケル供与体と特定の多官能性マイケル受容体との間の反応が遅い又は反応が起こらない場合でさえも、場合によっては、より活性の高い弱塩基性触媒を使用することで反応を促進したり反応するようにしたりすることが可能である。本発明の実行者は、本発明の実施において所望の硬化速度を実現するために、成分の有効な組み合わせを容易に選択することができる。
本発明の実施において、官能性混合物は、第1のパックと第2のパックを混合することによって形成され、この混合は任意の手段によって行うことができる。任意に、官能性混合物は、1種類以上の追加成分を含む。ある実施形態では、成分がすべて液体であり、成分を容器中に入れて撹拌することでそれらを簡単に混合することができる。いずれかの成分が固形分である場合には、官能性混合物中にその固形分を溶解又は懸濁させるために十分な撹拌を行うことが意図される。ある実施形態では、たとえば、第1のパック及び第2のパックの層を交互に適用することによって、又は基体の同じ領域上に第1のパック及び第2のパックの別々の流れを吹き付けることによって、第1のパックと第2のパックを基体上で混合することができる。
本発明の官能性混合物は、新しく混合した場合には、23℃において有用な粘度を有する必要がある。粘度測定の有用な手段の1つは、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計を使用し、粘度計の製造元の取扱説明に従って、測定される材料に適切であるとして選択したスピンドルの種類及び回転速度を使用することである。一般に、ブルックフィールド粘度計を適切に使用するための条件には、たとえば、最大目盛の10%〜90%の装置の目盛で読み取りが行われるスピンドル及び回転速度の選択が含まれる。ある実施形態では、#4スピンドルが適切である。ある実施形態では、新しく混合された官能性混合物は、粘度が0.01Pa・s(10cps)以上の液体である。新しく混合された官能性混合物は、粘度が10,000Pa・s(10,000,000cps)以下の液体である。所望の粘度は、成分の混合に使用した手段、及び官能性混合物の成形又はその基体への適用に使用した手段によって決定される。官能性混合物の基体への適用を含むある実施形態では、官能性混合物の粘度は、23℃で0.1Pa・s(100cps)以上、又は23℃で0.2Pa・s(200cps)以上、又は23℃で0.4Pa・s(400cps)以上である。これとは独立に、官能性混合物の基体への適用を含むある実施形態では、粘度は、23℃で2,000Pa・s(2,000,000cps)以下、又は23℃で1,000Pa・s(1,000,000cps)以下、又は23℃で500Pa・s(500,000cps)以下である。硬化した官能性混合物をエラストマーとして及び/又はポリマーフォームとして使用することを含む実施形態では、好ましい粘度は、基体に適用される官能性混合物に好ましい粘度よりも通常は高くなる。
本発明の硬化した官能性混合物は、種々の目的、たとえば、接着剤、シーラント、コーティング、エラストマー、フィルム、フォームとして、又はそれらの成分として有用となりうる。さらに、より具体的には、可撓性積層用接着剤、剛性積層用接着剤、感圧接着剤、構造用接着剤、組立用接着剤、又は家庭用修理用接着剤として有用となりうる。
本発明の官能性混合物は、23℃で7日以内に硬化可能である。23℃で硬化が起こる事実は、23℃における官能性混合物のポットライフ(すなわち、官能性混合物を形成してから、官能性混合物をもはや成形したり基体に適用したりすることができなくなるほど高粘度に混合樹脂の粘度が上昇するまでの時間)を測定することによって実証可能である。新しく混合した官能性混合物の粘度は、23℃において任意の標準的な方法によって測定することができ、有用な粘度測定方法の1つは、前述したようなブルックフィールド粘度計の使用である。
ポットライフの有用な基準の1つは、官能性混合物の粘度が、新しく混合した官能性混合物の粘度の5倍の値に到達するまでに要する時間(本明細書では「粘度五倍増時間」と呼ぶ)である。ポットライフの別の有用な基準は、官能性混合物の粘度が、新しく混合した官能性混合物の粘度の2倍の値に到達するまでに要する時間(本明細書では「粘度倍増時間」と呼ぶ)である。2種類の混合物を比較する場合、より長い粘度五倍増時間を有する混合物の方が、粘度倍増時間もより長く有すると考えられる。ポットライフのさらに別の有用な基準は、官能性混合物の粘度が、新しく混合した官能性混合物の粘度の10倍の値に到達するまでに要する時間である。ポットライフのさらに別の有用な尺度は、官能性混合物の粘度が、新しく混合した官能性混合物の粘度の100倍の値に到達するまでに要する時間である。
さらに別の有用な基準は、硬化反応の半減期である。一般に、2種類の混合物を比較する場合、より長い半減期を有する混合物の方が、粘度五倍増時間もより長く有すると考えられる。硬化反応の半減期は以下のように決定される。任意の公知の分析方法を使用して、硬化反応開始前に存在する構造(I)を含有する官能基(かかる官能基を本明細書では「I基」と呼ぶ)の濃度を測定し、さらに時間の関数として(官能性混合物が形成された時点から測定する)、硬化反応で反応したI基の濃度を測定することによって、官能性混合物の観測を行う。硬化反応で反応したI基濃度の、硬化反応開始前に存在したI基濃度に対する比を、本明細書では「転化率」と呼ぶ。硬化反応の半減期は転化率が0.50に到達するまでに要する時間である。半減期は、任意の多種多様な方法で評価することができる。
硬化反応の半減期の評価方法の1つは、ラインフィット法であり、これは以下のように実施される。各時点において、転化率を測定し、これを使用して、本明細書において(転化率)/(1−転化率)で定義される「反応進行比」を計算する。標準的な線形最小二乗法を使用して、時間の関数として反応進行比の値を直線に適合させる。その結果、硬化反応の半減期は、こうして決定した直線の傾きの逆数である。半減期を評価するラインフィット方法は、当業者が反応進行比対時間の依存性が直線であると見なしている場合には好適であり、当業者が反応進行比対時間の依存性が直線でないと見なしている場合には、次いで、反応の半減期の評価に別の方法が使用される。
ある実施形態では、官能性混合物のポットライフは、5分以上、又は10分以上、又は25分以上である。これとは独立に、ある実施形態では、ポットライフは、7日以下、又は1日以下、又は8時間以下、又は2時間以下、又は30分以下である。
別の実施形態では、ポットライフの短い官能性混合物が望ましい。短いポットライフのある実施形態では、官能性混合物のポットライフは、30秒以上、又は1分以上、又は2分以上である。これとは独立に、短いポットライフのある実施形態では、ポットライフは、20分以下、又は10分以下、又は5分以下である。たとえば、硬化した官能性混合物がフォーム又はエラストマーとして使用されるある実施形態は、より短いポットライフの実施形態が望ましい。
本発明の実施において、第1のパック及び第2のパックがそれぞれ独立して貯蔵安定性であることが意図される。貯蔵中に物理的又は化学的性質が有意な変化をしない場合に、本明細書ではパックが「貯蔵安定性」であると規定される。ある実施形態では、各パックは、周囲温度(20℃〜25℃)で7日間、又は30日間貯蔵した場合に、2倍以上まで変化しない粘度を有する。1種類以上の触媒を含むパックの場合、貯蔵安定性は、貯蔵中にパックが反応性を維持することも意味し、すなわち、マイケル付加に関与するパックの能力が、貯蔵によっては有意に低下しない。
反応性の維持を試験するために、1種類以上の触媒を含む新しく作製したパックを他の成分と混合して本発明の官能性混合物を形成し、そのポットライフ(前述の定義の通り)を測定し、同様に、1種類以上の触媒を含むパックを60℃のオーブンで7日間貯蔵し、続いて同じ他の成分と混合して官能性混合物を作製し、そのポットライフを測定する。新しい(すなわち、1種類以上の触媒を含む新しく混合したパックから作製した)官能性混合物のポットライフの、エージングした(すなわち、1種類以上の触媒を含むオーブンで貯蔵したパックから作製した)官能性混合物のポットライフに対する比率が0.5〜2.0の間であれば、1種類以上の触媒を含むパックは貯蔵安定性であると見なされる。ある実施形態では、この比率が0.75以上であり、ある実施形態では、この比率が1.5以下、又は1.2以下、又は1.1以下である。ある実施形態では、新しい官能性混合物及びエージングした官能性混合物のポットライフの両方が、前述の定義の半減期法によって適切に測定される。
本発明のある実施形態では、官能性混合物は、少なくとも1種類の酸捕捉剤を含有する。本明細書の定義では、酸捕捉剤は、カルボン酸又は他の酸のいずれかである酸と反応することができ、酸性化合物を中和する機能を果たす化合物である。ある実施形態では、弱塩基性触媒の一部が酸捕捉剤として機能し、残りの部分が触媒として機能する。好適な例の1つは炭酸カリウムである。別の実施形態では、ある酸捕捉剤は官能性混合物の硬化を触媒することができず、弱塩基性触媒を必要とする。好適な例の1つはカルボジイミドである。本明細書において「酸と反応する」とは、酸捕捉剤が酸と相互作用して(たとえば、共有結合、イオン結合、又は錯体を形成することによって)一時的又は永続的な生成物を形成することができることを意味し、酸捕捉剤と酸との間の相互作用によって、酸捕捉剤以外の化合物との相互作用に酸が関与する傾向が解消又は減少する。いくつかの酸捕捉剤の例は、第3級アミン(たとえばトリエタノールアミンが挙げられる)、アミジン類、グアニジン類、アジリジン類(たとえばエチレンイミンが挙げられる)、カルボジイミド類、有機チタン化合物、有機ジルコネート、弱塩基イオン交換樹脂、窒素含有樹脂(たとえば、ポリ−2−エチル−2−オキサゾリン及びポリビニルピロリドンが挙げられる)、及びそれらの混合物である。酸捕捉剤として有効であることが知られているいくつかの有機チタン化合物は、たとえば、チタン酸テトラブチル、チタン酸テトライソプロピル、及びアセチル酢酸チタンであり、それぞれデュポン・カンパニー(DuPont Co.)より、Tyzor(商標)TnBT、Tyzor(商標)TPT、及びTyzor(商標)AAで販売されている。
1種類以上の酸捕捉剤が使用されるある実施形態では、酸捕捉剤は1種類以上のカルボジイミド(CDI)を含む。カルボジイミドは化学構造
21−N=C=N−R12
を有し、式中、R21及びR12は、互いに独立に、炭化水素構造、又は炭素及び水素に加えて、少なくとも1つのヘテロ原子(すなわち、水素又は炭素以外の原子)、たとえば酸素、窒素、硫黄、又はリンなどを含む構造である。たとえば、R21及びR12は、アルキル、アリール、アルキル置換アリール、アリール置換アルキル、及びそれらの混合物から選択することができる。ある実施形態では、R21及びR12の少なくとも1つが、少なくとも1つのエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、アミド結合、又はそれらの組み合わせを含有する。R21及びR12の一方又は両方がポリマーであるカルボジイミドも意図される。
ある実施形態では、本発明の酸捕捉剤は、ポリカルボジイミド(pCDI):
Figure 0004270570
として知られる構造を有する1種類以上のカルボジイミドを含み、上式中、nは2以上であり、R13、R14、及びR15はそれぞれ独立に、R21及びR12に好適であるとして本明細書で前述した基から選択される。R14基はすべて同じでもよいし、任意の数(最大n)の異なる基であってもよい。ある実施形態では、R13及びR15の少なくとも1つが、少なくとも1つのエーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、又はアミド結合を含有する。ある実施形態では、R13及びR15の少なくとも1つが、200以上の分子量を有する。ある実施形態では、R14基が、アルキル、アリール、アルキル置換アリール、及びそれらの組み合わせから選択される。すべてのR14基がアリール、アルキル置換アリール、及びそれらの混合物から選択されるpCDIを本明細書では「芳香族pCDI」と呼ぶ。ある実施形態では、少なくとも1種類のpCDIが使用される。ある実施形態では、R14基がすべて同じである少なくとも1種類のpCDIが使用される。
本発明のある実施形態は、官能性混合物の層を基体に適用することを含む。この層は連続又は不連続の被膜であってよい。適用方法は、当業者に公知の多数の任意の方法、たとえば、はけ塗り、吹き付け、ローラーコーティング、輪転グラビアコーティング、フレキソコーティング、フローコーティング、カーテンコーティング、浸漬、ホットメルトコーティング、押出成形、同時押出成形、類似の方法、及びそれらの組み合わせによるものであってよい。ある実施形態では、官能性混合物の層の基体への適用が周囲温度で実施される。別の実施形態では、たとえば官能性混合物の粘度を調整するために、適用を高温で実施することができる。高温を使用して混合物を適用する場合でも、23℃で7日以内に硬化が達成される、又は達成可能である。
別の実施形態、特に、硬化した官能性混合物がフォーム又はエラストマーとして使用される実施形態では、官能性混合物を、型又は他の好適な容器中で成分を混合することによって形成することができ、硬化反応中その中で維持することができる。あるいは、成分を混合した後、官能性混合物を型又は他の好適な容器の中に入れて、硬化反応過程中その中で維持することができる。
ある実施形態では、官能性混合物を乾燥させることができる。すなわち、第1のパック及び第2のパックを互いに混合した後で、その官能性混合物を使用する前に、いずれか揮発性の化合物が存在する場合には、ある時間を経過させて、揮発性の化合物、たとえば溶媒などを蒸発させることができる。この時間の間、ある実施形態では、官能性混合物を、減圧又は移動雰囲気に曝露することができる。乾燥は、硬化反応が起こる前、反応中、又は反応後に行うことができる。これとは独立に、官能性混合物を基体に適用する工程又は型の中に入れる工程を含む実施形態では、官能性混合物を基体に適用する又は型に入れる前、最中、又は後に乾燥を実施することができる。
ある実施形態では、硬化工程中に揮発性化合物がほとんど又はまったく放出されない。たとえば、ある実施形態では、硬化工程中の官能性混合物の重量減は、官能性混合物の初期重量(すなわち、新しく混合された官能性混合物の重量)を基準にして10%以下である。ある実施形態では、硬化工程中の官能性混合物の重量減は、官能性混合物の初期重量を基準にして、5%以下、2%以下、又は1%以下である。
官能性混合物の層を基体に適用する工程を含むある実施形態では、1種類以上の基体は、官能性混合物と接触させる前に、1種類以上の処理、たとえば、コロナ放電又は化学的プライマーのコーティングなどを使用して処理することができる。別の実施形態では、前処理を行わずに基体を本発明の官能性混合物と接触させる。官能性混合物は、例えば0.2〜116g/m(0.12〜71.2ポンド/リーム)のレベルで適用することができる。
複数の基体を互いに接合させるために官能性混合物が使用される実施形態では、官能性混合物の層を第1の基体に適用した後で、次いで、その層を別の基体と接触させて複合体を形成することができる。こうして形成された複合体は、任意に、ローラーの間に通すことなどによって圧力を加えることで、基体の組成物との接触が増加をもたらし、このような圧力は、多くの場合、硬化反応が実質的に完了する前に加えられる。本発明の別の実施形態では、官能性混合物の層を、第1の基体の両面に同時に又は順次適用することができ、次に、これらの層をさらに、同種の場合も異種の場合もあり得る2つの基体と同時に又は順次接触される。本発明の官能性混合物、又は異なる組成物を使用して、本明細書に記載される方法の前又は後に、この複合構造体を別の基体に順次接合させることができることもさらに意図される。本発明の方法で接合される第1及び第2の基体は同種の場合も異種の場合もあり得、たとえばプラスチック、金属化されたプラスチック、金属、紙、木材、及びパーティクルボードが挙げられ、これらは平滑な表面又は構造化された表面を有していてもよい。
官能性混合物を使用して複数の基体を互いに接合させる実施形態の中で、これらの実施形態のいくつかでは、複合体が23℃を超える温度まで加熱される。本発明の官能性混合物は、23℃で7日以内に硬化可能であるが、ある実施形態では、複合体を23℃を超える温度に加熱することによって、硬化過程の促進又はその他の改善が行われることが望ましい。このような加熱が行われる場合、複合体は、35℃を超える温度、又は50℃を超える温度、又は100℃を超える温度に加熱することができる。硬化過程中に複合体が35℃未満の温度に維持される実施形態も意図される。
官能性混合物を使用して複数の基体を互いに接合させる実施形態の中で、これらの実施形態のいくつかでは、官能性混合物が任意の基体と接触する前にマイケル付加反応の大部分又はすべてが完了し、又は官能性混合物が1つのみの基体と接触しながら、マイケル付加反応の大部分又はすべてが完了する。
官能性混合物を使用して複数の基体を互いに接合させる他の実施形態では、官能性混合物が少なくとも2つの基体と接触しているときに、マイケル付加反応の実質的な部分が進行する。かかる実施形態のいくつかでは、官能性混合物が少なくとも2つの基体と接触しているときにマイケル付加反応の少なくとも25モル%が進行し、別のかかる実施形態では、官能性混合物が少なくとも2つの基体と接触しているときにマイケル付加反応の少なくとも50モル%、又は少なくとも75モル%、又は少なくとも90モル%が進行する。
本発明のある実施形態では、基体は比較的薄く平坦であり、結果として得られる複合体は積層体と呼ばれる。積層体のための基体のいくつかの例は、ポリアルキレン、たとえばポリエチレン及びポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(ナイロン)、エチルセルロース、酢酸セルロース、金属化ポリプロピレン、紙、アルミニウム箔、他の金属、セラミックシート材料などであり、これらはロール、シート、フィルム、箔などの形態で提供されていてもよい。積層体のための基体のさらなる例は、たとえば、綿、羊毛、レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアルキレン、ガラス、又はセラミックスなどの材料で製造された1種類以上の天然繊維又は合成繊維を用いた繊維で構成され得る織物又は不織布である。
基体を互いに接合して積層体を形成するのに好適な接着剤を、本明細書では「積層用接着剤」と呼ぶ。
本発明の実施において、本発明の官能性混合物によって互いに接合して積層体を形成することができる基体は、互いに同種の場合もあり得るし、互いに異なる種類である場合もあり得る。
硬化した官能性混合物は、多種多様の任意の目的に使用することができる。たとえば、硬化した官能性混合物は、基体への接合のため、又はエラストマー物品としてのいずれかのエラストマーとして使用することができる。別の例では、硬化した官能性混合物は、フォームを製造する条件下で、成形し硬化させることができる。さらなる例では、官能性混合物の層を基体に適用することができ、次いで、空気中に露出したままにしてコーティングを形成することができ、かかるコーティングは、連続又は不連続であってよく、保護用又は装飾用、又はその両方であってよく、たとえば塗料、他の種類のコーティング、又はインクとして機能させることができる。硬化した官能性混合物の使用は、たとえば、ガスケット、シーラント、屋根葺き膜、又はフィルムの1つ以上であってよい。
硬化した官能性混合物は、そのガラス転移温度(T)を測定することによって特徴づけることができる。ガラス転移温度は、動的機械分析(DMA)を曲げモード(flexural mode)で1ヘルツ(1サイクル/秒)において使用することで測定することができる。Tは、tanδ対温度の曲線のピークとして決定される。DMA試験は、硬化した官能性混合物単独で実施することができるし、硬化した官能性混合物を他の材料と接触させながらDMA試験を行うこともできる。たとえば、硬化した官能性混合物が複合体中の基体の間の層として存在する場合、全体の複合体をDMA試験で調べることができ、tanδ対温度の曲線における、基体、又は硬化した官能性混合物以外の材料によるあらゆるピークをどのように無視すればよいかは、同業者であれば容易に理解できるであろう。ある実施形態(本明細書では「複数T」実施形態と呼ぶ)では、硬化した官能性混合物が、tanδ対温度の曲線中に1より多くのピークを有する。
硬化した官能性混合物がある値の「Tを有する」という表現は、本明細書においては、硬化した官能性混合物がそのある値の単独のTを有するか、または、その硬化した官能性混合物がtanδ対温度の曲線の複数のピークを有し、その中の1つが、そのある値のピークを有するか、のいずれかを意味するものと理解されたい。
本発明の硬化した官能性混合物は、任意の広範囲のTを有することができる。ある実施形態では、硬化した官能性混合物が−80℃以上のTを有する。これとは独立に、ある実施形態では、硬化した官能性混合物が120℃以下のTを有する。1つ又は複数のTは、硬化した官能性混合物の意図する使用に望ましい最良の性質が得られるように選択される。
たとえば、硬化した官能性混合物の構造用接着剤としての使用が意図されている場合、官能性混合物は、硬化した官能性混合物が50℃以上のTを有するように通常は選択される。別の例として、硬化した官能性混合物の感圧接着剤としての使用が意図されている場合、官能性混合物は、硬化した官能性混合物が15℃以下、又は0℃以下、又は−25℃以下、又は−50℃以下のTを有するように通常は選択される。さらに別の例として、硬化した官能性混合物の積層用接着剤としての使用が意図されている場合、官能性混合物は、硬化した官能性混合物が−30℃以上、又は−15℃以上、又は−5℃以上、又は15℃以上、又は30℃以上のTを有するように通常は選択される。
本明細書及び特許請求の範囲の目的のためには、これらに記載の、範囲及び比率の制限は組み合わせることができるものと理解されたい。たとえば、特定のパラメーターで60〜120と80〜110の範囲が列挙されている場合、60〜110と80〜120の範囲も意図されるものと理解されたい。さらに、範囲最小値1及び2が列挙されており、範囲最大値3、4、及び5が列挙されている場合、範囲1〜3、1〜4、1〜5、2〜3、2〜4、及び2〜5のすべてが意図される。
(材料及び略語)
SR−259=サートマー・カンパニー(Sartomer Co.)のポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、
Morcure(商標)2000=ローム・アンド・ハース・カンパニー(Rohm and Haas Co.)のジグリシジルエーテルビスフェノールAのジアクリレート、
SR−610=サートマー・カンパニーのポリエチレングリコール(600)ジアクリレート、
NPGBisAcAc=ネオペンチルグリコールビスアセトアセテート、
TMPTrisAcAc=トリメチロールプロパントリスアセトアセテート、
PNETetraAcAc=ペンタエリスリトールテトラアセトアセテート、
V−O2−L2=脂肪族ポリカルボジイミド溶液、当量385g/モル、水中で40%の濃度、日清紡(Nisshinbo)製造、
XL−1422=芳香族ポリカルボジイミド、溶媒中50%濃度の溶液で供給される。本明細書では使用前に溶媒を除去、ローム・アンド・ハース・カンパニー製造、
GF−10=線状低密度ポリエチレンフィルム、厚さ0.025mm(1ミル)、
GF−19=高スリップ線状低密度ポリエチレンフィルム、厚さ0.025mm(1ミル)、
48gPET=コロナ処理されたポリエチレンテレフタレート、厚さ0.012mm(0.48ミル)、
OPP=コロナ処理され延伸されたポリプロピレン、厚さ0.044mm(1.75ミル)、
75LBW=延伸されたポリプロピレン、厚さ0.019mm(0.75ミル)、
70SPW=延伸されたポリプロピレン、厚さ0.018mm(0.70ミル)、
Emblem(商標)1500=ハニーウェル(Honeywell)のナイロン、厚さ0.015mm(0.60ミル)、
48LBT=ポリエステルフィルム、厚さ0.012mm(48ゲージ)、
92LBT=ポリエステルフィルム、厚さ0.023mm(92ゲージ)。
(T型剥離試験手順)
T型剥離試験においては、官能性混合物の層を第1のフィルムに適用する。官能性混合物中に存在するあらゆる溶媒又は他の揮発性化合物は、層の適用前、適用中、又は適用後に実質的に除去される。次に、第2のフィルム(第1のフィルムと同じ材料、又は第1のフィルムとは異なる材料)を官能性混合物の層と接触させ、こうして形成された積層体をニップローラーの間に通す。この官能性混合物を硬化させる、又は自然硬化させる。
この積層体を、試験前に種々の時間で、周囲条件(20〜25℃)において保存する。
幅25mm(1インチ)の積層体のストリップを切り取り、そのストリップを4.2mm/秒(10インチ/分)の速度で引張試験機で引き剥がす。このT型剥離結果を、ストリップを引き剥がすために必要な最大荷重(荷重のg数の単位)として記録する。剥離試験中の破壊の位置も記録する。接着剤と少なくとも1つの基体との間の接合における接着破壊の場合を「A」、第1のフィルムが破壊した場合を「S1」、第2のフィルムが破壊した場合を「S2」とする。試験前の各保存時間について、T型剥離結果及び破壊形態を報告する。
(実施例1:MFA1及びMFA2の調製)
固体酢酸カリウムと残りの成分とを混合することによって以下の混合物(MFA1及びMFA2)のそれぞれを調製した。
MFA1=5.6gのMorcure(商標)2000、2.4gのSR−259、0.1gの酢酸カリウム
MFA2=7.38gのMorcure(商標)2000、3.16gのSR−610、0.1gの酢酸カリウム
(実施例2:官能性混合物FM1及びFM2)
記載の成分を互いに撹拌して以下の官能性混合物を形成した。
FM1=8.1gのMFA1、5gのTMPTrisAcAc
FM2=10.64gMFA2、5gのTMPTrisAcAc
(実施例3:FM1及びFM2の試験結果)
前述の規定によるT型剥離試験を実施し、使用した基体、コーティング重量(CW)、及び結果は以下の通りであった。
Figure 0004270570
(実施例4:ポットライフ測定)
最初に、SR−259とMorcure(商標)2000とを、SR−259対Morcure(商標)2000の重量比15:85で混合することによってアクリレート混合物(AM1)を製造した。
続いて、ある量(「X」g)の酢酸カリウム(KOAc)水溶液をAM1に加えることによって、混合物を形成した。酢酸カリウム水溶液の濃度は、水溶液重量を基準にして70%の酢酸カリウムであった。各混合物は、室温で形成した場合に濁っていた。各混合物は14.78gのAMIを含有した。
続いて、各混合物を9.00gのネオペンチルグリコールビス(アセトアセテート)と混合した。各混合物の初期粘度、及び時間の関数としての粘度を、25℃においてブルックフィールド粘度計を使用して、#4スピンドル、60rpmで測定した。粘度の自然対数対時間のプロットを作成し、その線の傾きを、線形最小二乗を適合し決定した。粘度が二倍になるのに要する時間(「倍増時間」)は、2の自然対数をその線の傾きで割ったものである。ポットライフ試験混合物(PLTM)の結果は以下の通りであった。
Figure 0004270570
粘度が初期粘度の少なくとも5倍の値に到達するまで実験を続けると、そのデータは同じ線形最小二乗の適合に一致すると推測される。そのような場合、粘度五倍増時間は、5の自然対数の2の自然対数に対する比を粘度倍増時間に乗じることによって求められる。したがって、PLTM1の粘度五倍増時間は約76分になると推測され、PLTM2の粘度五倍増時間は約33分になると推測される。これらの測定が23℃で行われる場合、PLTM1及びPLTM2の粘度五倍増時間は8時間未満になると推測される。
(実施例5:オクタン酸カリウムの調製)
5.76gのオクタン酸を2gの水中で撹拌し、3gの水で希釈した5.00gの水酸化カリウム水溶液(45%)で中和することによって、オクタン酸カリウムを調製した。蝋状固体がフラスコ中に形成され、約15mlのエタノールを加えてこれを溶解した。この全溶液を、窒素気流下の水蒸気浴上の時計皿上で蒸発させて、7.2gの白色固体を得た。
(実施例6:オクタン酸ナトリウムの調製)
3.60gのオクタン酸を3gの水中で撹拌し、2.00gの水酸化ナトリウム水溶液(50%)で中和することによってオクタン酸ナトリウムを調製した。5gの水を使用して、希釈及び洗浄を行った。ロウ状固体が形成され、これに約10mlのエタノールを加えて溶解した。pH試験紙によるとpHが約8であった。この全溶液を、窒素気流下の水蒸気浴上の時計皿上で蒸発させて、4.04gの白色固体を得た。この固体を、エタノール中において、HCl水溶液で滴定した。力価は5.88ミリモル/gであった。評価された純度は97.6%であった。
(実施例7:酢酸テトラブチルアンモニウムの調製)
0.90gの酢酸を3gの水中で撹拌し、9.7gの水性水酸化テトラブチルアンモニウム(40%)で中和し、5gの水で洗浄することによって、酢酸テトラブチルアンモニウムを調製した。このpHをpH試験紙で監視し、大部分の塩基が加えられ、pHが中性になったときに中和を停止した。この全溶液を、窒素気流下の水蒸気浴上の時計皿上で蒸発させた。透明な油が得られ、これは冷却すると結晶化した。この固体をかき集めて、ドライライト(Drierite)上の真空デシケーター中で2日間さらに乾燥して、4.21gの吸湿性白色固体を得た。この固体を、エタノール中において、HCl水溶液で滴定した。力価は3.14ミリモル/gであった。評価された純度=94.4%であった。
(実施例8 酢酸カリウムのMFA溶液)
このMFAは、70重量%のMorcure(商標)2000と30重量%のサートマーSR−610との混合物(本明細書では「MFA8」と呼ぶ)であった。このMFA混合物MFA8(956g)と、24.5gの無水酢酸カリウムとを、機械的撹拌装置、乾燥空気スパージ、及び熱電対を取り付けた2リットルの4つ口丸底フラスコ中で混合し、マントルヒーターで加熱した。マントルヒーターへの熱は、熱電対に接続したコントローラーを介して制御した。乾燥空気のゆるやかな流れを維持しながら、混合物を撹拌し、75℃まで徐々に加熱して、75℃で1時間維持した。塩の大部分は溶解したように見えた。この混合物を約60℃に冷却し、取り込まれた気泡を除去しやすくするためにフラスコを減圧した。この混合物をワットマン(Whatman)GF/Aガラスマイクロファイバーフィルター上で熱真空濾過すると、透明で粘稠な樹脂(粘度(ブルックフィールド、スピンドル#4、3rpm、25℃)137Pa・s(137,000cP))が得られた。滴定で求めた酢酸カリウム濃度は、MFA+酢酸カリウムの全重量を基準にして2.41重量%であった(理論投入量=2.50重量%)。
(実施例9〜11:他のカルボン酸塩のMFA溶液)
実施例8の多官能性アクリレート混合物MFA8と、種々のカルボン酸塩とを、機械的撹拌装置及び熱電対を取り付けた100mlの3つ口丸底フラスコ中で混合し、マントルヒーターで加熱した。マントルヒーターへの熱は、熱電対に接続したコントローラーを介して制御した。混合物を撹拌し、75℃まで徐々に加熱し、以下に「T75」で示す時間の間75℃で維持した。すべての塩が溶解したように見えない場合は、混合物を焼結ガラス漏斗で熱真空濾過して、透明で粘稠な樹脂を得た。次に、混合物を滴定して、実際に溶解したカルボン酸塩の量を決定し、この量は以下に「溶解%」で示され、これはMFA+カルボン酸塩の全重量を基準にした塩の重量%である。結果を以下に示す。
Figure 0004270570
(実施例12:トリメチロールプロパントリス(アセトアセテート)の調製)
機械的撹拌装置と、均圧添加漏斗(pressure equalizing addition funnel)(窒素入口)と、コントローラー及びマントルヒーターに接続される熱電対と、5段オールダーショー(Oldershaw)カラムと、フィンガータイプ疑縮器及び還流比を制御するための止め栓を有する減圧型蒸留ヘッドとを取り付けた1リットルの4つ口丸底フラスコに、201g(1.50モル)のトリメチロールプロパン、100g(0.63モル)のアセト酢酸tert−ブチル、及び282gのトルエンを投入した。添加漏斗にさらに626.5g(3.96モル)のアセト酢酸tert−ブチルを投入した。ゆるやかな窒素流が添加漏斗及び反応器に流れるように維持し、混合物を約111℃に加熱した。フラスコ内容物が約111℃に到達したとき還流が開始し、ヘッド温度が82〜84℃の間に維持されるように還流比/取り出しを調整した。さらにアセト酢酸tert−ブチルを約4時間かけて徐々に加え、442mlの留出物を回収した。添加中に、釜温度を徐々に117℃まで上昇させた。蒸留を続け、釜温度を徐々に132℃に上昇させ、さらに2.3時間かけてヘッド温度を109℃に上昇させた。回収した全留出物は472gであり、これは70.59%のtert−ブタノール、すなわち理論の100.1%であることが分かった。
生成物を薄膜蒸留装置に通すことによって単離した。100℃、圧力100mmで1回通し、120℃及び圧力>5mm(機械的真空ポンプ、高真空)で2回目を通した。単離された収率は98%であった。
(実施例13:マイケル反応の半減期)
25℃で温度調節された水浴中で平衡化された1オンスの蓋付き瓶の中で実験を行った。各反応において、4.2gの触媒/多官能性アクリレート混合物(実施例8〜11)を秤量し、少なくとも1時間水浴中で平衡化させた。これとは別に、トリメチロールプロパントリス(アセトアセテート)を25℃で平衡化させた。時間「0」において、2.00gのトリメチロールプロパントリス(アセトアセテート)を反応瓶中に量り入れ、金属スパチュラでよく混合し、蓋をして、水浴中に戻した。この瓶を軽く撹拌し、約30分、60分、及び120分(より高い触媒濃度の場合には20分、40分、及び60分)でサンプルを抜き取り、NMR分析によって評価した。HNMRスペクトルをBruker Avance(商標)500装置で記録し、WIN−NMRソフトウェアを使用して解析及び積分を行った。
反応混合物のNMR試料は、マイケル反応を停止させるための酢酸(20ml酢酸/20mlCDCl)を含有するCDCl溶媒中で調製した。通常、試料調製時にある程度沈殿物が生成し、これは触媒の塩であると推定されるが、スペクトルの取得を妨害しないように思われた。Morcure(商標)2000を含有する多官能性アクリレートは、δ7.12及び6.81ppmを中心とする2つの吸収を示し、これらはMorcure(商標)構造の芳香族プロトンに帰属され、これらはマイケル反応中には変化せず、内部標準として使用され、これら2つの吸収の積分の合計をともに加え、その合計を積分値Bとする。アクリレート結合上の3つのプロトンはδ6.5〜5.8ppmの領域に3つのグループとして現れ、これらを一緒に積分して、その合計を積分値Aとする。
したがって、アクリレートの規格化濃度(本明細書では「[アクリレート]」と呼ぶ)は、
[アクリレート]=(積分値A)/(積分値B)
となる。反応が起こると、反応のモルに比例してアクリレートが消費され、時間0における規格化アクリレート積分値(多官能性アクリレート混合物自体の場合には[アクリレート]と同じである)に対する転化率を計算することができる。したがってサンプリング時間(「t」)の関数としてのアクリレート転化率は簡単に計算される。
AN0=時間0における[アクリレート]
ANT=時間tにおける[アクリレート]
転化率=(AN0−ANT)/AN0
前述のように半減期を決定すると、その結果は以下の通りになった。
Figure 0004270570
この表から、反応速度と触媒濃度の用量相関が分かり、重量モルレベルに対する酢酸カリウムとオクタン酸カリウムの反応性がほぼ等しいことが分かる。
(実施例14〜16:MFA混合物中のさらに別の塩の溶液)
実施例8の方法を使用して、以下の塩をMFA混合物中に溶解した。
Figure 0004270570
(実施例17〜20:さらに別のマイケル反応の半減期)
実施例13の方法を使用して、種々のMFA/塩混合物をトリメチロールプロパントリス(アセトアセテート)と混合し、それらの半減期を測定すると、結果は以下の通りになった。
Figure 0004270570
この表より、酢酸テトラブチルアンモニウム触媒と酢酸カリウムの反応性が同等であり、酢酸ナトリウム及びオクタン酸ナトリウムの触媒の反応性はこれらより低いが0ではないことがわかる。実施例18、19、及び20の情報から、多官能性マイケル供与体及び多官能性マイケル受容体を適切に選択すると、本発明の実施形態で、可溶性弱塩基性触媒として酢酸ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、及び酢酸テトラブチルアンモニウムの1種類以上を使用することができることが示されていると考えられる。
(実施例21、C22、23、24、C25、C26 熱老化安定性)
実施例13の方法を使用して、以下に定義される種々のパックを使用して種々の混合物の半減期を測定した。ある例では、新しく調製したパックから作製した混合物で半減期を測定し、別の例では、1種類以上のパックを熱老化させた(すなわち、60℃のオーブン中で7日間保存した)。
パックA:70重量%のMorcure(商標)2000+30重量%のサートマーSR−610
パックB:実施例8に規定される酢酸カリウムのMFA混合物中溶液
パックC:12.6gのパックA中に溶解した0.126mlのナトリウムエトキシド溶液(エタノール中の濃度21%)
パックD:トリメチロールプロパントリス(アセトアセテート)
パックE:10.0gのトリメチロールプロパントリス(アセトアセテート)中に溶解した0.210mlのナトリウムエトキシド溶液(エタノール中の濃度21%)
Figure 0004270570
これらのデータから、酢酸カリウムは、熱老化後もその触媒活性の大部分を維持することが分かる。対照的に、受容体又は供与体の溶液のいずれかを熱老化させた後、ナトリウムエトキシド触媒はその活性の大部分を失った。実施例21、23、及び24で規定される官能性混合物は、23℃で8時間未満の粘度五倍増時間を示すことが予想される。
(実施例27:積層用接着剤)
以下の混合物を調製した。
パックF=7.55gのMorcure(商標)2000、1.33gのSR−259、及び0.25gの酢酸カリウム
パックG=2.5gのNPGBisAcAc及び2.5gのPNETetraAcAc
パックF及びパックGを混合して官能性混合物を形成し、これについて、92LBTの第1のフィルム及び厚さ0.025mm(1ミル)のアルミニウム箔の第2のフィルムを使用し、1.8g/m(1.1ポンド/リーム)のコーティング重量で、前述の規定の通りにT型剥離試験を行った。1日後、T型剥離荷重は182gであり破壊形態はAであり、7日後、T型剥離荷重は120gであり破壊形態はAであった。
(実施例28〜31:酸捕捉剤を有する積層用接着剤)
以下の混合物を調製した。
M28=7.37gのMorcure(商標)2000及び3.16gのSR−610
パックH1=10.53gのM28、0.11gの酢酸カリウム、及び0.8gのV−O2−L2
パックH2=10.53gのM28、0.103gの酢酸カリウム、及び0.34gのXL−1422
パックJ=5gのTMPTrisAcAc
FM28=11.44gのパックH1+5gのパックJ
FM30=10.98gのパックH2+5gのパックJ
FM28及びFM30について以下のようにT型剥離試験を行った。
Figure 0004270570
(実施例32)
第1のパックを以下のように作製した。6.74gのMorcure(商標)2000を2.89gのSR−259と60℃で混合した後、周囲温度まで冷却した。この混合物に、0.36g酢酸カリウム溶液(酢酸カリウム溶液の重量を基準にした水中の濃度70重量%)を撹拌しながら加えると、このパックは透明になった。次に、0.85gのV−O2−L2(V−O2−L2溶液の重量を基準にした水中の濃度40重量%)をこのパックに加え、十分に撹拌すると、パックは濁った。
第2のパックは6gのTMPtrisAcAcを含有した。
これら2つのパックの混合物のポットライフを以下のように測定した。10.84gの第1のパックを30ml瓶にあらかじめ量り取り、水浴中35℃で1時間、状態調節した。別の瓶で、TMPtrisAcAcを35℃で1時間、状態調節した。次に、6gのTMPtrisAcAcをあらかじめ秤量した第1のパックに加え、十分に混合した。混合物を水浴中(35℃)に入れながら、ブルックフィールド粘度計を使用しLV25スピンドルで粘度測定を行った。初期粘度は436mPa・s(436cps)であり、粘度は34分で倍増した。したがって、35℃におけるポットライフは34分であった。
ポットライフを25℃で測定した場合、そのポットライフは8時間未満になると考えられる。
2つのパックの混合物をT型剥離試験で試験した。この混合物を第1の基体上に35℃でコーティングした。結果は以下の通りであった。
Figure 0004270570
(実施例33:23℃におけるポットライフ測定)
70重量部のMorcure(商標)2000を30重量部のSR−259と混合することにより混合物MFA33を調製した。次に、6gのTMAtrisAcAc、9.63gのMFA33、及び0.34gの酢酸カリウム水溶液を混合することによってFM33を調製した。酢酸カリウム溶液は、酢酸カリウム溶液の重量を基準にして、酢酸カリウムが70%の濃度であった。時間の関数として、ブルックフィールド粘度計を使用しLV25スピンドルで23℃においてFM33の粘度を測定した。各読み取り値が適切になるように回転速度(rpm)を選択した(本明細書で前述した通り)。結果は以下の通りになった。
Figure 0004270570
粘度倍増時間は11〜12分の間であった。粘度五倍増時間は15〜16分の間であった。18〜19分の間で粘度が元の値の10倍に到達し、31〜32分の間で粘度が元の値の100倍に到達した。

Claims (11)

  1. (i)少なくとも1種類の多官能性マイケル受容体を含む第1のパックと、
    (ii)少なくとも1種類の多官能性マイケル供与体を含む第2のパックと、
    (iii)任意に、1種類以上の非官能性成分とを含み、
    前記第1のパック及び前記第2のパックの少なくとも一方が少なくとも1種類の弱塩基性触媒をさらに含み、
    前記弱塩基性触媒の共役酸のpKaが3以上および9未満であり、
    前記弱塩基性触媒が、カルボン酸のナトリウム塩、カルボン酸のマグネシウム塩、カルボン酸のアルミニウム塩、6個以下の炭素原子を有するアルキルカルボン酸のクロム塩、芳香族カルボン酸のクロム塩、6個以下の炭素原子を有するアルキルモノカルボン酸のカリウム塩、多価カルボン酸のカリウム塩、及びそれらの混合物からなる群より選択され、
    前記多官能性マイケル受容体の前記多官能性マイケル供与体に対する反応性当量比が、0.1:1〜3:1であり、
    前記第1のパック及び前記第2のパックがそれぞれ貯蔵安定性であり、かつ、
    前記第1のパックと、前記第2のパックと、を含む成分を混合することによって形成される官能性混合物が23℃で7日以内に硬化可能である、官能性組成物。
  2. 少なくとも1種類の弱塩基性触媒が、7.5以下のpKaを有する対応する共役酸を有する、請求項1記載の官能性組成物。
  3. 前記官能性混合物が少なくとも70%の固形分を含有する請求項1記載の官能性組成物。
  4. 前記第1のパック及び前記第2のパックの少なくとも一方が、少なくとも1種類の酸捕捉剤をさらに含む請求項1記載の官能性組成物。
  5. 請求項1記載の官能性組成物を形成する工程と、前記官能性組成物の層を第1の基体に適用し、その層を別の基体と接触させる行程と、前記官能性混合物を硬化させる工程とを含む方法によって形成される物品。
  6. 前記第1のパックが、
    (a)水及び前記弱塩基性触媒を含む成分を溶解させることによって触媒溶液を調製する工程と、
    (b)前記触媒溶液を、前記少なくとも1種類の多官能性マイケル受容体に加える工程とを含む方法によって形成される請求項1記載の官能性組成物。
  7. 前記酸捕捉剤が1種類以上のカルボジイミドを含む請求項4の官能性組成物。
  8. 前記カルボジイミドが1種類以上のポリカルボジイミドを含む、請求項の官能性組成物。
  9. 少なくとも1種類の弱塩基性触媒が、5.5以下のpKaを有する対応する共役酸を有する、請求項1記載の官能性組成物。
  10. 少なくとも1種類の弱塩基性触媒が、4.9以下のpKaを有する対応する共役酸を有する、請求項1記載の官能性組成物。
  11. 硬化工程中の官能性混合物の重量減が、新しく混合された官能性混合物の重量を基準にして10%以下である、請求項1の官能性組成物。
JP2005132789A 2004-05-03 2005-04-28 マイケル付加組成物 Active JP4270570B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US56769904P 2004-05-03 2004-05-03

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005320538A JP2005320538A (ja) 2005-11-17
JP4270570B2 true JP4270570B2 (ja) 2009-06-03

Family

ID=34940998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005132789A Active JP4270570B2 (ja) 2004-05-03 2005-04-28 マイケル付加組成物

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1593727B1 (ja)
JP (1) JP4270570B2 (ja)
CN (1) CN100569805C (ja)
BR (1) BRPI0501450B1 (ja)
DE (1) DE602005008661D1 (ja)
TW (1) TWI310782B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2695921A1 (en) 2012-08-10 2014-02-12 Ricoh Company, Ltd. Active ray-curable composition, and active ray-curable inkjet printing ink composition and active ray-curable adhesive composition using the same

Families Citing this family (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2003226688B2 (en) 2002-03-22 2009-08-13 Kuros Biosurgery Ag Composition for hard tissue augmentation
US8282912B2 (en) 2002-03-22 2012-10-09 Kuros Biosurgery, AG Compositions for tissue augmentation
EP1640388B1 (en) * 2004-09-24 2015-02-25 Rohm and Haas Company Biomass based Michael addition composition
US7799943B2 (en) * 2005-06-24 2010-09-21 Rohm And Haas Company Method for promoting Michael addition reactions
DE602007004289D1 (de) * 2006-12-04 2010-03-04 Rohm & Haas Harter Schaum mit niedriger Dichte
US7919540B2 (en) 2006-12-04 2011-04-05 Rohm And Haas Company Rigid, low density foam
US8875472B2 (en) 2006-12-29 2014-11-04 Owens Corning Intellectual Capital, Llc Room temperature crosslinked foam
US20080161432A1 (en) 2006-12-29 2008-07-03 Korwin-Edson Michelle L Room temperature crosslinked foam
US8779016B2 (en) 2006-12-29 2014-07-15 Owens Corning Intellectual Capital, Llc Spray-in latex foam for sealing and insulating
US9868836B2 (en) 2006-12-29 2018-01-16 Owens Corning Intellectual Capital, Llc Room temperature crosslinked foam
MX2009011005A (es) 2007-04-13 2009-11-02 Kuros Biosurgery Ag Sellador polimerico para tejido.
JP4849688B2 (ja) 2007-05-14 2012-01-11 ローム アンド ハース カンパニー 硬化性および硬化した木材粒子複合体ならびにその製造法
JP4849689B2 (ja) 2007-05-14 2012-01-11 ローム アンド ハース カンパニー 硬化性および硬化した木材粒子複合体ならびにその製造法
US8209915B2 (en) 2007-10-31 2012-07-03 Owens Corning Intellectual Capital, Llc Wall construction air barrier system
EP2374836A1 (en) * 2010-04-07 2011-10-12 Nuplex Resins B.V. Crosslinkable composition crosslinkable with a latent base catalyst.
EP2764037B1 (en) * 2011-10-07 2017-03-22 Nuplex Resins B.V. A crosslinkable composition cross-linkable by real michael addition reaction and resins for use in said composition
CN103890049B (zh) * 2011-10-07 2016-03-09 树脂核动力工业有限公司 通过真实迈克尔加成(rma)反应可交联的可交联组合物
US9340644B2 (en) * 2012-05-04 2016-05-17 Eternal Materials Co., Ltd. Self-sensitive polymerizable liquid resin and use thereof
TWI500701B (zh) * 2012-10-08 2015-09-21 Rohm & Haas 芳香族碳二醯亞胺之固化
PL2984133T3 (pl) * 2013-04-08 2018-07-31 Allnex Netherlands B.V. Kompozycja sieciowalna na drodze reakcji prawdziwej addycji michaela (rma)
CN107646050B (zh) 2015-04-17 2020-12-04 欧尼克斯荷兰有限公司 用于易清洁涂层的rma可交联组合物和rma可交联树脂
CA2983150C (en) 2015-04-17 2022-06-07 Allnex Netherlands B.V. Adhesion promotor for real michael addition crosslinkable compositions
KR102349137B1 (ko) 2015-04-17 2022-01-07 알넥스 네덜란드 비. 브이. 바닥 코팅 조성물
EP3283583A1 (en) 2015-04-17 2018-02-21 Allnex Netherlands B.V. Process for the manufacture of a crosslinkable composition
WO2017190023A1 (en) * 2016-04-29 2017-11-02 Carlisle Intangible Company Adhered roof structure with two component adhesives
US11162056B2 (en) * 2017-07-31 2021-11-02 Dow Global Technologies Llc Encapsulation method
EP3674376A4 (en) * 2017-08-23 2021-06-02 Kansai Paint Co., Ltd CATIONIC ELECTROLYTIC DEPOSITORY COMPOSITION AND METHOD OF ELECTROLYTIC DEPOSITORY
CN111630081B (zh) 2018-01-26 2023-10-31 湛新荷兰有限公司 粉末涂料组合物
CN110240821B (zh) * 2019-05-07 2021-04-02 广东华润涂料有限公司 木器用涂料组合物以及由其制成的木制品
EP4021998A1 (en) * 2019-08-29 2022-07-06 BASF Coatings GmbH Coating composition curable by aceto-michael addition
US20220282119A1 (en) * 2019-08-29 2022-09-08 Basf Coatings Gmbh Coating composition curable by thio-michael addition
WO2022236519A1 (en) 2021-05-10 2022-11-17 Allnex Resins (Shanghai) Co., Ltd. Powder coating compostion blend
CA3217432A1 (en) 2021-07-05 2023-01-12 Richard Hendrikus Gerrit Brinkhuis Powder coating and crystalline donor and/or acceptor
EP4367160A1 (en) 2021-07-05 2024-05-15 Allnex Netherlands B.V. Powder coating precursor catalyst
WO2024099956A1 (en) 2022-11-07 2024-05-16 Allnex Netherlands B.V. Two component powder coating composition with separated catalyst system

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5017649A (en) * 1988-01-19 1991-05-21 Eastman Kodak Company Low temperature Michael addition reactions
EP0808860A3 (en) * 1996-05-22 1999-02-10 Nippon Paint Co., Ltd. Curable resin composition for coating use
US20030165701A1 (en) * 2001-12-13 2003-09-04 Straw Thomas Allen Water borne ambient temperature curable coating composition
US20050081994A1 (en) * 2003-01-02 2005-04-21 Beckley Ronald S. Methods of using Michael addition compositions

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2695921A1 (en) 2012-08-10 2014-02-12 Ricoh Company, Ltd. Active ray-curable composition, and active ray-curable inkjet printing ink composition and active ray-curable adhesive composition using the same
US10005922B2 (en) 2012-08-10 2018-06-26 Ricoh Company, Ltd. Active ray-curable composition, and active ray-curable inkjet printing ink composition and active ray-curable adhesive composition using the same

Also Published As

Publication number Publication date
TW200613500A (en) 2006-05-01
CN100569805C (zh) 2009-12-16
EP1593727A1 (en) 2005-11-09
DE602005008661D1 (de) 2008-09-18
BRPI0501450A (pt) 2006-01-10
JP2005320538A (ja) 2005-11-17
EP1593727B1 (en) 2008-08-06
TWI310782B (en) 2009-06-11
CN1757656A (zh) 2006-04-12
BRPI0501450B1 (pt) 2015-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4270570B2 (ja) マイケル付加組成物
JP4218898B2 (ja) マイケル付加組成物
JP4377866B2 (ja) バイオマスをベースとしたマイケル付加組成物
US7473734B2 (en) Michael addition compositions
JP2006111880A (ja) 表面促進マイケル硬化組成物
EP1462501B1 (en) Compositions curable by Michael-addition reaction
EP2831125B1 (en) Methods for activating polymerizable compositions, polymerizable systems, and products formed thereby
US20050081994A1 (en) Methods of using Michael addition compositions
EP1741741B1 (en) Method for promoting michael addition reactions
TW201229178A (en) Adhesive composition for optical use, adhesive and adhesive film
JP2009007572A (ja) ポリマー溶液
JP5881317B2 (ja) 不飽和第4級アンモニウム塩化合物の製造方法及びそれからなる帯電防止剤と帯電防止組成物
TW200415184A (en) Method for preparing a bonded composite
JPH1150033A (ja) アクリル系感圧接着剤組成物
Shah et al. Method for promoting Michael addition reactions

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061017

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080609

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080909

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080909

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081106

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090220

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090223

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4270570

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S802 Written request for registration of partial abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R311802

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250