JP4269978B2 - 波長多重光受信モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、波長多重された光を受信する波長多重光受信モジュールに係り、クロストーク及び損失を低減した波長多重光受信モジュールに関する。
波長多重された光を受信する波長多重光受信モジュールにあっては、各波長の光を分離するために多層膜フィルタを使用することが知られている。即ち、光ファイバからの出射光をコリメートし、そのコリメート光を多層膜フィルタに入射させると、この光は波長毎に異なる光軸へ反射するので、各々の光軸の光を別々の受光素子で受光することで、各波長の光が別々に電気信号に変換できる。
特許文献1には、この目的で用いる多層膜フィルタが開示されている。
特開2002−72010号公報
光ファイバと受光素子群との間に上記の多層膜フィルタを設けた波長多重光受信モジュールは、波長多重光がシングルモード光である場合には有効である。しかし、波長多重光がマルチモード光である場合には、次のような問題がある。
光ファイバを出射したマルチモード光は、見かけ上、シングルモード光に比べてビーム径が大きい。このマルチモード光をコリメータレンズでコリメートしようとすると、このコリメータレンズの入射側で既にビーム径が大きいために、出射側でビーム径が平行よりも広がっていくことになる。この広がりのために、多層膜フィルタで分離された波長別の光が当該波長の光を受光するポート(受光素子のこと)とは異なる他のポートにまで広がり、漏れ込んでしまう。つまり光クロストークが発生する。
また、ビーム径が広がると、多層膜フィルタの望ましい場所(所望した受光素子へ光を反射できる場所)から外れたところにも光が入射することになる。つまり、必要な光が失われてしまい、いわゆる光が蹴られた状態になって、光損失が増加する。
また、多層膜フィルタを用いる場合、入射角を正確に合わせておかなければ、所望した光軸へ各波長の光を分配できないので、多層膜フィルタを所定の設置角で固定するステーが必要になる。その一方で、複数の受光素子をアレイ化して一平面上に配置した受光モジュールも所定の設置角で固定しなければ光軸が合わない。さらに、コリメータレンズ、多層膜フィルタ、受光モジュールを形状・大きさの限られた空間に収納するために光ファイバから受光モジュールまでの間にミラーを介在させる場合、そのミラーについてもステーが必要になる。これら各ステーと受光モジュールをそれぞれ個別に位置決めして波長多重光受信モジュールのシャーシに取り付けると、各々の取り付け誤差が相乗して光軸のズレを大きくしてしまうという問題もある。この問題は、結局、光損失の増加に繋がる。
また、受光モジュールには、プリアンプを搭載したものがある。このプリアンプには、同一半導体チップに複数の増幅回路を集積したものを使用し、各波長の光による電気信号をそれぞれの増幅回路で増幅する。しかし、この種の集積回路には電気的なクロストークがあり、せっかく光学的に信号を分離したにもかかわらず、クロストークが生じてしまうという問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、クロストーク及び損失を低減した波長多重光受信モジュールを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、マルチモード光からなる複数波長の光を有限径の出射領域から出射する光ファイバと、前記光ファイバの出射領域からの光を収束光として出射する位置に設置された集光レンズと、前記集光レンズは前記光ファイバの光出射端面と前記集光レンズの主点との距離が前記集光レンズの焦点距離の106.7〜119%である位置に設置され、前記集光レンズからの収束光を波長毎に異なる光軸へ反射する4つ以下の波長別フィルタ部からなる多層膜フィルタと、各々の光軸の光を受光する受光素子を一平面上に配置した受光モジュールとを備えた波長多重光受信モジュールである。
前記光ファイバの光軸中心線とこの光ファイバの光軸中心線に平行な前記集光レンズの光軸中心線との間隔が10μm以内であってもよい。
前記受光モジュールを前記受光素子が光透過窓付きの金属製筐体に収容されたキャン型受光モジュールで構成し、この光透過窓への入射光軸が前記光ファイバの中心線に対してほぼ直角になるよう前記受光モジュールを配置し、前記集光レンズと前記多層膜フィルタとの間にミラーを介在させ、このミラーを前記光ファイバの中心線に対して前記所定の角度に保持すると共に前記多層膜フィルタを前記受光モジュールの光透過窓のほぼ正面に保持する金属ベースを設け、この金属ベースを前記受光モジュールの筐体に固定してもよい。
各受光素子の電気信号を増幅するプリアンプを各々別体の半導体チップで構成し、これら半導体チップを前記受光モジュールの筐体内に収容してもよい。
前記金属ベースを前記受光モジュールの筐体にレーザ溶接により固定してもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)クロストーク及び損失を低減することができる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1に示されるように、本発明に係る波長多重光受信モジュールは、マルチモード光からなる複数波長の光を有限径の出射領域から出射する光ファイバ1と、その光ファイバ1の出射領域全域からの光を収束光として出射する位置に設置された集光レンズとしての球体レンズ2と、この球体レンズ2からの出射光(収束光)を反射するミラー3と、このミラー3から入射された収束光を波長毎に異なる光軸へ反射する多層膜フィルタ4と、各々の光軸の光を受光する受光素子を一平面上に配置した受光モジュール5とからなる。なお、集光レンズには、球体レンズに限らず、球体レンズの一部を欠いたドラムレンズ、球面レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ等の集光可能なレンズを採用することができる。
光ファイバ1は、その光ファイバ1の周囲を囲むフェルール100及びスリーブ6と共に光学筒7に収容されている。光ファイバ1の径の中心を通る線(=光軸中心線、以下、単に中心線という)は光学筒7の中心線に一致する。光学筒7にはフェルール100又はスリーブ6に当接されて光ファイバ1の端面を位置決めする隔壁8が設けられている。この隔壁8には、光ファイバ1のコア(図示せず)と同径の窓が形成されている。光学筒7には、隔壁8の反対側に円筒状のレンズ室9が形成されている。このレンズ室9には、球体レンズ2が嵌め込まれている。球体レンズ2は、この球体レンズ2の法線のうち光ファイバ1の中心線と平行な法線が光軸となるよう位置決めされている。
この位置決めに関して、光ファイバ1の中心線と球体レンズ2の法線(=光軸中心線)とのズレ間隔は±10μm以内であるのが望ましい(詳細は後述)。
また、光ファイバ1の光出射端面と球体レンズ2の球の中心(=光学的には主点、以下、中心という)との距離d1(図2(b)参照)は球体レンズ2の焦点距離(球体レンズ2の中心からの距離)Fよりも大きい。ここで球体レンズ2の直径を2mmとすると焦点距離Fは約1.49mmである。これに対して隔壁8で止められている光ファイバ1の光出射端面と球体レンズ2の表面との距離d2は、0.60〜0.66mmである。距離d2に球体レンズ2の半径1mmを足すと、距離d1は1.60〜1.66mmとなる。
光学筒7のレンズ室9側の端部に臨ませて金属ベース10が設けられている。図1には金属ベース10のみ取り出して右下に示してある。金属ベース10は、ミラー3を光ファイバ1の中心線に対して所定の角度に保持するミラー保持斜面11と、多層膜フィルタ4を受光モジュール5の光透過窓のほぼ正面に保持するフィルタ保持斜面12と受光モジュール5に臨む底面とを有する。底面は、光学筒7に近い側と受光モジュール5の中心に臨む側とで段差があり、ここでは光学筒7に近い側を入射側底面13、受光モジュール5の中央部分に臨む側を出射側底面14と呼ぶことにする。入射側底面13、出射側底面14は、光ファイバ1の中心線と平行になっている。なお、図示は省略したが、金属ベース10は、少なくとも光の通路となる内部が中空に形成されている。
ミラー保持斜面11にミラー3が取り付けられ、フィルタ保持斜面12に多層膜フィルタ4が取り付けられ、さらに、出射側底面14には、多層膜フィルタからの各々の光軸の光を集光する複数のレンズからなるレンズアレイ15が取り付けられている。
受光モジュール5は、複数の受光素子からなる受光素子アレイ16を光透過窓17付きの金属製筐体18に収容したものである。この金属製筐体18は、円筒形に形成されており、端面に光透過窓17を有する。即ち、受光モジュール5は、いわゆるキャン型受光モジュールである。この受光モジュール5は、光透過窓17に対する垂線が光ファイバ1の中心線に直交するよう配置されている。また、受光素子アレイ16上の複数の受光素子は、光透過窓17と平行に一定間隔で配置され、レンズアレイ15の各レンズからの光軸に各受光素子が臨むようになっている。
受光モジュール5の金属製筐体18と一体化されているフランジ付き側壁19に沿って、金属ベース10のミラー保持斜面11と出射側底面14とを支持するスペーサ20が設けられている。スペーサ20は、ミラー保持斜面11に接する部分と出射側底面14に接する部分とで高さが異なる段差付きの円筒状の部材であり、金属ベース10を受光モジュール5に固定すると共にミラー保持斜面11と出射側底面14との段差を解消して出射側底面14を光透過窓17に正対させるものである。
このスペーサ20は、金属ベース10に対してYAGレーザ溶接により固定されている。また、スペーサ20は、受光モジュール5の金属製筐体18に対してYAGレーザ溶接により固定されている。
次に、本発明の作用効果を明確にするために、背景技術と本発明とを対比しつつ解析する。
図2(a)に示されるように、背景技術では、光ファイバ201の端面から出射された拡散光202aはコリメータレンズ203を透過するとコリメート光204a(ビーム幅を両矢印で示す)になる。このために光ファイバ201の端面はコリメータレンズ203の焦点上に配置されている。しかし、これは光ファイバ201のコア径が十分に小さい、言い換えると拡散光の出射点が点光源と見なせる場合のことである。光ファイバ201のコア径が大きい場合、有限径の出射領域を有することになる。この出射領域のうちコアの周辺部の微小領域からから出射された拡散光202bはコリメータレンズ203を透過するとコリメート光204bになる。このコリメート光204bはコリメート光204aに対して角度を有する。このためコリメータレンズ203から十分に離れた光軸上ではコリメート光204b及びコアの反対側周辺部微少領域から出射された拡散光によるコリメート光(符号略)とコリメート光204aとのズレが生じ、その結果として全体のビーム径r1がコリメート光204a単独のビーム径より太くなっていく。このために前述した光クロストークや蹴りの問題が発生する。
図2(b)に示されるように、本発明では、光ファイバ1の端面を球体レンズ2の焦点よりも遠くに配置し、光ファイバ1の端面から出射された拡散光205を球体レンズ2で集光(収束光として出射)し、その収束光を受光素子207に導くようにしている。図示のように、光ファイバ1の中心線あたりから出射された拡散光205aもコアの周辺部の微小領域からから出射された拡散光205bもコリメートされるのではなく集光され、収束光206a,206bとなる。全体のビームも球体レンズ2から十分に離れた受光素子207に入射するまで集光傾向(収束傾向)にある。受光素子207に入射するときの全体のビーム径r2は、図2(a)のビーム径r1より小さい。よって、光クロストークや蹴りの問題を解消することができる。
図2では、多層膜フィルタを考慮しなかったが、図3では多層膜フィルタがある場合について背景技術と本発明とを対比しつつ解析する。
図3(a)及び図3(b)に示されるように、背景技術では、光ファイバ301の端面が球体レンズ302の中心から焦点距離Fの位置に配置されている。図3(a)のように、コア303の中心部から出射した拡散光304aは球体レンズ302を透過するとコリメート光305aになる。このコリメート光305aは光ファイバ301の中心線上を直進し多層膜フィルタ306に入射する。なお、実際には多層膜フィルタ306は波長分離のため光ファイバ301の中心軸に対して傾斜して設けるが、ここではビームのズレを分かりやすくするために、光ファイバ301の中心軸に対して直角にしてある。また、多層膜フィルタ306の幅はビーム径と同程度としてある。図のようにコリメート光305aは多層膜フィルタ306にもれなく入射する。
一方、図3(b)のように、コア303の周辺部から出射した拡散光304bは球体レンズ302を透過するとコリメート光305bになる。このコリメート光304bは光ファイバ301の中心線とは異なる角度で進む。多層膜フィルタ306から見ると、コリメート光305bはズレた位置に入射していることが分かる。つまり、蹴りが発生する。
これに対し、図3(c)及び図3(d)に示されるように、本発明では、光ファイバ1の端面が球体レンズ2の中心から焦点距離Fより遠い位置に配置されている。図3(c)のように、コア303の中心部から出射した拡散光307aは球体レンズ2を透過すると、収束光308aとなり、多層膜フィルタ306に対し多層膜フィルタ306の幅より狭いビーム幅で入射する。また、図3(d)のように、コア303の周辺部から出射した拡散光307bは球体レンズ2を透過すると収束光308bとなり、多層膜フィルタ306に対し多層膜フィルタ306の幅より狭いビーム幅で入射する。このように、本発明では、球体レンズ2で収束光を得ているので、コア303の中心部から出射した拡散光307aもコア303の周辺部から出射した拡散光307bも多層膜フィルタ306にもれなく入射する。即ち、蹴りの問題を解消することができる。
次に、光ファイバの中心線と球体レンズの中心とのズレ間隔について考察する。
図4に示されるように、光ファイバ(図示せず)を保持したフェルール100は、スリーブ6に嵌め込まれており、スリーブ6は光学筒7に収容されている。ここで、簡単のため、光ファイバとフェルール100とスリーブ6の中心のズレ及びスリーブ6と光学筒7の中心のズレは無視し、光ファイバの中心線が光学筒7の中心線に一致しているものとする。一方、レンズ室9に収容された球体レンズ2の中心は光学筒7の中心線に対してズレDを有するものとする。
図1において、光クロストークや蹴りの問題を解消するには、レンズアレイ15に入射する光線群の各光線間ピッチpを0.5±0.02mmにする必要がある。これはレンズアレイ15上の各レンズの形成ピッチが0.5mmだからである。このためには、多層膜フィルタ4に対する光の入射角度αは10°±0.5°である必要がある。
ここで、図4のズレDが前記入射角度αに与える影響を計算すると、光ファイバ1の光出射端面と球体レンズ2の表面との距離d2が0.5mmのとき、ズレDが0.01mmであると入射角度αの誤差は0.38°であり、距離d2が0.6mmのとき、ズレDが0.01mmであると入射角度αの誤差は0.36°である。つまり、ズレDが0.01mm以内であれば入射角度αは10°±0.5°を満足する。
次に、金属ベース10について詳しく説明する。
図1に示したように、金属ベース10は、ミラー保持斜面11とフィルタ保持斜面12と入射側底面13と出射側底面14とを有し、入射側底面13及び出射側底面14が光ファイバ1の中心線と平行であることは既に述べた。ミラー保持斜面11は入射側底面13に対し29.86°の傾斜角を有する。また、フィルタ保持斜面12は、入射側底面13に平行な金属ベース10の上面に対し−15.139°の傾斜角を有する。これらの傾斜角は、球体レンズ2からミラー3に入射した光が多層膜フィルタ4で波長毎に分離されて各々レンズアレイ15の各レンズを透過して受光モジュール5の各受光素子に入射するように設定した角度である。
一体の金属ベース10にこれらの斜面が形成されているので、ミラー3及び多層膜フィルタ4を各斜面に取り付ければ、ミラー3が光ファイバ1の中心線に対し29.86°の傾斜角に設置され、多層膜フィルタ4が光ファイバ1の中心線に対し−15.139°の傾斜角に設置される。また、金属ベース10自体はスペーサ20を介して受光モジュール5の金属製筐体18に取り付けられる。つまり、ミラー3と多層膜フィルタ4と受光モジュール5の三者は金属ベース10によって相対的位置関係が規定されている。このため位置ズレや角度ズレの要因が少なくできる。
次に、多層膜フィルタ4内における集光光の振る舞いを説明する。
図5に示されるように、多層膜フィルタ4は、波長に対する選択的な反射・透過特性の異なる複数の波長別フィルタ部501〜504及び波長選択性のない入射光透過部505を同一平面上に並べてなる多層膜フィルタ層506と、光を透過する光学基板507と、反射ミラー508とを積層して構成されている。
入射光透過部505にはミラー3(図1)から光が入射角度α=10°±0.5°で入射するようになっている。図5に3本示した光線のうち中央の光線c0は入射角度α=10°で入射する光線である。この光線c0は入射光透過部505を透過し、光学基板507を透過し、反射ミラー508で反射して波長別フィルタ部501の中央に至る。この光線c0に含まれる複数の波長の光のうち波長別フィルタ部501の透過波長λ1の光だけが波長別フィルタ部501を透過する。光線c0のうちの他の波長の光は波長別フィルタ部501によって反射され、光学基板507を透過し、反射ミラー508で反射して波長別フィルタ部502の中央に至る。波長別フィルタ部502では、波長別フィルタ部502の透過波長λ2の光だけが透過し、他の波長の光は反射する。この繰り返しにより、波長λ1〜λ4の光がそれぞれ異なる光軸に分離されて多層膜フィルタ4から出射することになる。
光線c0の両脇の光線c1,c2は各々入射角度α=10°+0.5°及び入射角度α=10°−0.5°で入射する。これらの光線c1,c2も光線c0と同様に各波長別フィルタ部501〜504において波長別に透過・反射が生じてそれぞれ異なる光軸に分離されて多層膜フィルタ4から出射する。ただし、光線c1,c2の入射角度は光線c0の入射角度に対して±0.5°を有するため、光路長が延びるに従い徐々に集光(収束)されていく。レンズアレイ15に到達したときの光線c0に対する光線c1,c2の離間距離は各波長λ1〜λ4の光において大きくても0.02mm程度である。従って、各波長λ1〜λ4の光はレンズアレイ15の各レンズに入射し、蹴られることがない。
以上のように、本発明はコリメート系ではなく集光系(収束係)で光を導くようにしたので、マルチモード光のようにビーム径が大きい場合でも、光クロストークや蹴りの問題を解消することができる。また、その結果として、多層膜フィルタにおける波長別フィルタ部もレンズアレイや受光素子アレイにおける素子も集約配置することが可能となり、全体を小型化できるという効果もある。
次に、受光モジュール5について詳しく説明する。
図6(a)に示されるように、受光モジュールには略円形の基板601が設けられ、この基板601に複数の受光素子からなる受光素子アレイ602と各受光素子の電気信号を増幅するプリアンプ603a〜603dとが実装されている。各受光素子は例えばフォトダイオードである。プリアンプ603a〜603dは、各々別体の半導体チップで構成されている。プリアンプ603a〜603dは、受光素子アレイ602の四方に配置され、各受光素子からの信号線604a〜604dは互いに異なる方向に延びて遠ざかっている。
参考のために、同一半導体チップに複数の増幅回路を集積した形態を図6(b)に示す。この場合、多チャンネル増幅回路IC605には複数の増幅回路があるので、各増幅回路に各受光素子からの信号線606a〜606dを配線してある。各信号線606a〜606dは、互いに近接し平行に近い位置関係で並んでいる。
図6(b)の形態は、同一半導体チップに作り込まれた増幅回路同士が非常に接近していることや電源ラインを共有していることなどから、増幅回路IC605の内部において増幅回路同士の間で電気的なクロストークが生じる。また、信号線606a〜606d相互間のクロストークも生じやすい。これに対し、図6(a)の形態であれば、プリアンプ603a〜603dが各々別体の半導体チップで構成されているので、お互いを十分に離して配置できると共に電源ラインをパスコン等で分離でき、電気的なクロストークを抑えるのに有効である。もちろん、図6(b)の形態であっても、本発明は光学的なクロストークや蹴りを解消しているので、総合的にクロストーク及び損失を低減させることができる。
なお、本実施の形態では多重される波長の数を4としたので、多層膜フィルタにおける波長別フィルタ部の数もレンズアレイや受光素子アレイにおける素子の数も4としたが、これらの数は任意であることは言うまでもない。
次に、光ファイバの光出射端面と集光レンズの主点との距離d1(図2(b)参照)について、集光レンズに球体レンズ2を用いた場合のレンズ径と距離d1の関係を考察する。
図7に、データ一覧表とグラフを示す。即ち、直径の異なる4個の球体レンズ2について、直径、焦点距離F、本発明の十分な効果が得られる最小d1、最大d1、最小Δ%、最大Δ%が一覧表に示されている。最小d1は、光ファイバ1の光出射端面を球体レンズ2に最も近づけたときの距離d1であり、最大d1は、光ファイバ1の光出射端面を球体レンズ2から最も遠ざけたときの距離であり、最小Δ%は、最小d1と焦点距離Fとの比から1を引いて百分率で示した値であり、最大Δ%は、最大d1と焦点距離Fとの比から1を引いて百分率で示した値である。
球体レンズ2の直径を横軸にとり、焦点距離F、最小d1、最大d1を縦軸にとってグラフに示してある。任意の径の球体レンズ2を用いるとき、光ファイバの光出射端面と球体レンズ2の主点との距離d1は、グラフ中の最小d1を結んだ線と最大d1を結んだ線との間であれば本発明の十分な効果が得られると考えられる。一覧表で見ると、焦点距離Fに対する比が約6.7%増しから約19%増しまでの範囲が適切である。即ち、距離d1は、集光レンズの焦点距離Fの106.7119%とするのが好ましい。
本発明の一実施形態を示す波長多重光受信モジュールの断面図である。 (a)はコリメータレンズの光線追跡図、(b)は本発明における球体レンズの光線追跡図である。 (a),(b)はコリメータレンズの光線追跡図、(c),(d)は本発明における球体レンズの光線追跡図である。 本発明におけるフェルール及び球体レンズの拡大断面図である。 本発明における多層膜フィルタ内の光線追跡図である。 (a)は個別チップを用いた場合の電気部品配置図、(b)は多チャンネルチップを用いた場合の電気部品配置図である。 距離d1の評価に用いた一覧表及びグラフの図である。
符号の説明
1 光ファイバ
2 球体レンズ
3 ミラー
4 多層膜フィルタ
5 受光モジュール
10 金属ベース
18 受光モジュールの金属製筐体

Claims (5)

  1. マルチモード光からなる複数波長の光を有限径の出射領域から出射する光ファイバと、
    前記光ファイバの出射領域からの光を収束光として出射する位置に設置された集光レンズと、
    前記集光レンズは前記光ファイバの光出射端面と前記集光レンズの主点との距離が前記集光レンズの焦点距離の106.7〜119%である位置に設置され、
    前記集光レンズからの収束光を波長毎に異なる光軸へ反射する4つ以下の波長別フィルタ部からなる多層膜フィルタと、
    各々の光軸の光を受光する受光素子を一平面上に配置した受光モジュールとを備えたことを特徴とする波長多重光受信モジュール。
  2. 前記光ファイバの光軸中心線とこの光ファイバの光軸中心線に平行な前記集光レンズの光軸中心線との間隔が10μm以内であることを特徴とする請求項1記載の波長多重光受信モジュール。
  3. 前記受光モジュールを前記受光素子が光透過窓付きの金属製筐体に収容されたキャン型受光モジュールで構成し、この光透過窓への入射光軸が前記光ファイバの中心線に対してほぼ直角になるよう前記受光モジュールを配置し、前記集光レンズと前記多層膜フィルタとの間にミラーを介在させ、このミラーを前記光ファイバの中心線に対して前記所定の角度に保持すると共に前記多層膜フィルタを前記受光モジュールの光透過窓のほぼ正面に保持する金属ベースを設け、この金属ベースを前記受光モジュールの筐体に固定したことを特徴とする請求項1又は2記載の波長多重光受信モジュール。
  4. 各受光素子の電気信号を増幅するプリアンプを各々別体の半導体チップで構成し、これら半導体チップを前記受光モジュールの筐体内に収容したことを特徴とする請求項記載の波長多重光受信モジュール。
  5. 前記金属ベースを前記受光モジュールの筐体にレーザ溶接により固定したことを特徴とする請求項又は記載の波長多重光受信モジュール。
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