図7は、従来の画像伝送システムを示すブロック図である。図8は、図7に示される画像伝送システムにおいて、カメラで撮影された画像信号を画像フレーム単位に画像データに変換されたフレーム画像データの送受信の動作フローを示す図である。図7 において、101a,101b,・・・・・・,101sは、画像送信装置であって、特に区別する必要がないときは、画像送信装置101と総称する。画像送信装置101は、カメラ103a,103b,・・・・・・,103s(特に区別する必要がないときは、カメラ103と総称する)から得られる画像信号を画像データ変換部116で画像フレーム単位にデジタル画像データ121に変換し、フレーム画像データバッファ114に記憶する。そして画像送信装置101は、外部からの画像信号の送信要求により、フレーム画像データバッファ114のフレーム画像データをネットワーク100(以下、特に断らない限りリンク100a,100b,・・・・・・,100xを含む)へ送出する機能を有する。102a,102b,・・・・・・,102nは、画像受信装置であって、送信要求をネットワーク100に送出し、画像送信装置101からのフレーム画像データを受信して画像信号に変換し、モニタ350a,350b,・・・・・・,350nに出力する機能を有する。なお、ここでも、画像受信装置およびモニタは、特に区別する必要がないときは、画像受信装置102およびモニタ350と総称する。
画像送信装置101の構成及び動作を画像送信装置101aにより説明する。画像送信装置101aは、画像データ変換部116、制御部117、フレーム画像データバッファ114、受信部111および複数の送信部112−1,112−2,・・・・・・,112−pから構成されている。カメラ103aからの画像信号103aaは、画像データ変換部116で、デジタル画像データ121に変換される。なお、デジタル画像データ121としては、非圧縮の画像データとすることもできるが、圧縮機能がある場合には画像圧縮したデジタル画像データ121とすることもできる。画像圧縮した場合には、画像信号を記憶する場合のメモリ容量を削減できるし、それを伝送する場合は、伝送帯域を狭くできる利点がある。画像圧縮するためには、例えば、国際標準符号化方式のISO/IEC MPEG(Moving Picture Experts Group)、ITU−T Recommendation H.261/H.263などの方式が使用できる。
デジタル画像データ121は、例えば、30フレーム/秒、あるいは24フレーム/秒のデジタルフレーム画像データであり、この場合には、このデジタル画像データ121をフレーム画像データ121とも称する。デジタル画像データ121は、制御部117を介してフレーム画像データバッファ114へ逐次記録される。なお、フレーム画像データバッファ114は、カメラ103で撮影された最新の画像データが常に上書きされ、画像データが常に更新されるタイプのバッファメモリで構成されている。
また、制御部117は、画像受信装置102のどれか1つ、例えば、画像受信装置102aからの送信要求情報111aを受信部111を介して受信すると、先に記録されたデジタル画像データ121をフレーム画像データバッファ114から読み出し、データバス115を介して、送信部112−1に出力する。また、制御部117は、送信部112−1を制御し、送信部112−1から所定の通信プロトコルとタイミングで先に送信要求のあった画像受信装置102aにデジタル画像データ121を配信する。なお、制御部117は、複数の画像受信装置102からのデジタル画像データ121の送信要求がある場合には、複数の送信部112−1〜112−pの中から空いている送信部を選択し、送信要求情報111aを受信した順序に配信する機能を有する。
上述した画像伝送システムについて、更に、詳細に説明する。フレーム画像データの送受信を担う通信プロトコルとしては、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)あるいはUDP/IP(User Datagram Protocol/Internet Protocol)などが良く用いられている。
画像受信装置102aが画像送信装置101aから受信するデジタル画像データ121をモニタ350aで表示する場合について説明する。画像受信装置102aは、ネットワーク100を介して送信要求情報111aを画像送信装置101aに送信する。画像送信装置101aの制御部117は、ネットワーク100、受信部111を介して送信要求情報111aを受信すると、フレーム画像データバッファ114に記憶されたデジタル画像データ(フレーム画像データ)121を読み出してデータバス115を介して送信部112−1へ転送する。同時に、制御部117は、カメラ103aから画像フレーム単位の次のフレーム画像データをフレーム画像データバッファ114に記録し、フレーム画像データバッファ114の記録内容を更新する。そして、送信部112−1は、デジタル画像データ121をネットワーク100介して画像受信装置102aへ送信する。
画像受信装置102aは、ネットワーク100を介してフレーム画像データを受信すると、フレーム画像データを画像受信装置102aの画像データ変換部(図示せず)で、画像送信装置101aの画像データ変換部116でのデータ変換とは逆のデータ変換処理をし、画像信号として伝送路102aaを介してモニタ350aに出力する。
更に、画像受信装置102aは、このフレーム画像データの受信期間の所定のタイミングで次のフレーム画像データの送信要求情報111aを画像送信装置101aへ送信する。また、他の画像受信装置102b,・・・・・・,102nのいずれかの画像受信装置からも画像送信装置101aにデジタル画像データ121の送信要求があり、画像送信装置101aと画像受信装置102との間で、フレーム画像データの送受信の動作が行われる。
これらフレーム画像データの送受信の動作について図8を用いて説明する。図8において、画像フレーム期間T1でカメラ103aからの映像信号103aaが画像データ変換部116でデジタルフレーム画像データに変換され、図8(a)に示すようにフレーム画像データ121(記号Aで示す)となる。このフレーム画像データAが図8(b)のようにフレーム画像データバッファ114に記憶される。また、この画像フレーム期間T1のタイムスロットt1、t4のタイミングで、画像受信装置102d、102cから図8(c)に示す送信要求情報111aが制御部117に入力される。送信要求情報111aは、制御部117のメモリ部(図示せず)に保持され、デジタル画像データ121が送信されるまで、その送信要求情報111aは、メモリに保持され、リセットされない。図8(c)は、その状態を示している。即ち、図8において、四角の箱の中の数字(網かけの部分)、例えば1〜5は、画像受信装置102に割当てられたID(IDentifier)番号である。例えば、画像受信装置が5台の場合、画像受信装置102aは、ID−1、画像受信装置102bは、ID−2、・・・・・・、画像受信装置102eは、ID−5となる。従って、画像フレーム期間T1では、タイムスロットt1で画像受信装置102dからフレーム画像データAの送信要求があり、タイムスロットt4で画像受信装置102cからフレーム画像データAの送信要求があったことを示している。また、白の箱の部分は、制御部117のメモリ部に送信要求情報111aが保持されていることを示している。なお、本説明では、説明を簡単にするために、画像フレーム期間をt1、t2、t3、t4の4組のタイムスロットに分けて説明しているが、これは、模式的に表現したものであり、実際のシステムでは、このようなタイムスロットを設けているわけではない。これについては、後述する。
次の画像フレーム期間T2の期間に、制御部117は、フレーム画像データバッファ114からデジタル画像データAを読み出し、ID−4の画像受信装置102dおよびID−3の画像受信装置102cに送信部112−1を介して、図8(d)に示すように伝送時間Txでデジタル画像データAを送信する。この画像フレーム期間T2では、制御部117は、デジタル画像データAの送信が行われているために、カメラ103aからの最新のフレーム画像データBが入力されるが、フレーム画像データバッファ114は、フレーム画像データAの記憶が保持され、フレーム画像データBには更新されない。一方、画像フレーム期間T2において、新たに画像受信装置102d(ID−4)、画像受信装置102a(ID−1)、画像受信装置102c(ID−3)から画像データの送信要求があったことを示している。また、画像フレーム期間T2において、画像受信装置102d、102cへフレーム画像データA の送信が終了したので、画像フレーム期間T3でフレーム画像データバッファ114の内容がフレーム画像データAからフレーム画像データC に書き換えられる。この間(画像フレーム期間T3)、画像データの送信は行われない。
制御部117は、画像フレーム期間T2、T3で画像データの配信要求のあった画像受信装置102d、102a、102c、102eに、デジタル画像データ121のフレーム画像データCを、次の画像フレーム期間T4でそれぞれ伝送時間Tx、Ty、Tx、Tzで送信する。ここで、伝送時間Tx、Ty、Tzは、例えば、Tx:10.3msec、Ty:42msec(伝送速度3Mbps)、Tz:63msec(伝送速度2Mbps)のような値である。このように伝送速度が異なる理由は、ネットワーク100には、伝送速度の異なるさまざまな伝送路が接続されているためである。例えば、高速の伝送路としては、伝送速度が約100Mbpsの100Base−T、伝送速度が1Gbpsの光ファイバーケーブルや伝送速度が8Mbpsまたは1.5MbpsのADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)があり、また低速の伝送路としては、64KbpsのISDN(Integrated Services Digital Network)や56Kbpsのアナログ伝送路等がネットワークに混在する。従って、画像送信装置101aから画像受信装置102へフレーム画像データCを送信する場合、通信速度に応じた画像データを配信する必要がある。即ち、図7の画像フレーム期間T4では、伝送時間Tx、Ty、Tzでフレーム画像データCを配信する必要があるため、送信部112−1(伝送時間Txに対応)、送信部112−2(伝送時間Tyに対応)、送信部112−3(伝送時間Tzに対応)を介して、それぞれの画像受信装置102に配信している。この様子を図7(d)および図7(ed)、(ea)、(ec)、(ee)に示す。
而して、図8から明らかなように伝送時間Ty、Tzは、画像フレーム期間T4、T5にまたがっているので、フレーム画像データバッファ114は、フレーム画像データCを保持し続けるため、カメラ103aからのフレーム画像データD、Eは、記録されず、削除される。以後同様の動作が繰り返されてフレーム画像データの送受信が一定の周期で画像送信装置101と画像受信装置102との間で行われる。
本発明の第1の実施例を図1、2,3および4を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例の画像伝送システムのブロック構成図である。図1において、200a,200b,・・・・・・,200sは、画像送信装置であり、特に区別する必要のないときは、画像送信装置200と総称する。なお、図7と同じものには、同じ符号が付されている。
図1において、カメラ103で撮影された画像信号は、画像送信装置200でデジタル化され、フレーム画像データ(デジタル画像データ)として蓄積されると共に、このフレーム画像データは、順次最新のフレーム画像データ(カメラ103で撮影された一番新しい画像信号に基づくデジタル画像データ)に更新される。一方、複数の画像受信装置102のいくつかの画像受信装置からフレーム画像データの送信要求が画像送信装置200へ送られてくると、この送信要求に応じて画像送信装置200に蓄積されている最新のフレーム画像データがそれぞれ配信要求のあった画像受信装置102に配信される。以下その詳細について図2および図3を用いて説明する。
図2は、画像送信装置200のうちの1つ、例えば、画像送信装置200aの一実施例の構成を示すブロック図である。図2において、211は、送信フレーム画像データバッファであり、この送信フレーム画像データバッファ211は、211−1,211−2,・・・・・・,211−mで示されるm個の記憶部を備えている。また、112−1,112−2,・・・・・・,112−rは、r個の送信部を示している。ここに、mとrは、同じ数であっても良いが、ネットワーク100の構成によっては異なる数を設定することもできる。また、画像受信装置102の数nと記憶部の数mとは、n>m>1を満たす整数である。215は、データバスで、制御部217、送信フレーム画像データバッファ211、送信部112の間の制御信号、画像データ等の信号の授受に使用される。なお、図7と同じものには、同じ符号が付されている。
図3は、画像受信装置102の1つ、例えば、画像受信装置102aの一実施例のブロック構成を示す図である。図3において、301は、受信部、302は、制御部、303は、受信データ記憶部、304は、画像データ変換部、305は、入力部、306は、送信部である。
本発明の動作を説明すると、カメラ103aで撮影された画像信号103aaは、画像データ変換部116で画像フレーム単位のデジタル画像データ121に変換され、制御部217を介してフレーム画像データバッファ114へ記録される。一方、画像受信装置102(例えば、画像受信装置102a)から送信要求情報111aが画像送信装置200aへ入力されるとフレーム画像データバッファ114からデジタル画像データ121を読み出してデータバス215を介して複数の記憶部211−1,211−2,・・・・・・, 211−mから成る送信フレーム画像データバッファ211の内、空き記憶部へデジタル画像データ121が記録される。そして、制御部217は、所定のタイミングで送信要求情報111aの送信元の画像受信装置102(例えば、画像受信装置102a)へデジタル画像データ121を出力するように送信部112−1を制御する。データバス215は、送信されるデジタル画像データ121の他に、制御部217からの送信フレーム画像データバッファ211へのフレーム単位のデジタル画像データとともに書き込みと読み出しの制御情報も送信される。また送信部112への送信フレーム画像データバッファ211からのフレーム画像データの転送およびフレーム画像データの送信を所定の通信プロトコルとタイミングで行うための送信部112への制御情報の送信を行なう。送信フレーム画像データバッファ211は複数の記憶部211−1,211−2,・・・・・・,211−mから成り、各記憶部に対して制御部217の制御に基づいてデータバス215を介して所定のタイミングでフレーム画像データの書き込みと読み出しを行う。画像データの送受信を担う通信プロトコルとして、前述と同様に、TCP/IPあるいはUD/IPなどが挙げられる。
次に、画像受信装置102(例えば、ここでは、画像受信装置102a)が画像送信装置200aに画像データの送信を要求し、画像送信装置200aからの画像データを受信し、モニタ350aに表示する場合について説明をする。まず、画像受信装置102aの入力部305から画像データの送信を要求する送信要求情報を制御部302、送信部306、ネットワーク100( 以下、特に断らない限りリンク100a,100b,・・・・・・,100xを含む)を介して送信する。
画像送信装置200aは、ネットワーク100、受信部111を介して送信要求情報111aを受信する。画像送信装置200aの制御部217は、画像受信装置102aからの送信要求情報111aを受け取ると、フレーム画像データバッファ114に記憶したデジタル画像データ121を読み出してデータバス215を介して送信フレーム画像データバッファ211の記憶部211−1,211−2,・・・・・・,211−mのいずれかの空き記憶部に記録する。
さらに、制御部217は、送信フレーム画像データバッファ211に記憶されたデジタル画像データ121を所定のタイミングで読み出してデータバス215を介して送信部1121−1に転送する。送信部112−1は、デジタル画像データ121と制御情報を受けてデジタル画像データ121をネットワーク100を介して送信要求情報111aの送信元の画像受信装置102aへ送信する。
画像受信装置102aは、ネットワーク100を介してデジタル画像データ(フレーム画像データ)を受信部301で受信すると、一旦受信データ記憶部303に記録し、制御部302の制御のもとに、デジタル画像データを受信データ記憶部303から読み出し、画像データ変換部304で画像信号に変換してモニタ350aに出力する。また、画像受信装置102aは、このデジタル画像データの受信期間の所定のタイミングと通信プロトコルで次の画像データの送信要求情報を画像送信装置200aへ送信する。
以上、画像受信装置102aの送信要求について説明したが、他の画像受信装置102b,・・・・・・・,102nのいずれかの画像受信装置からの送信要求にも対応して動作し、画像送信装置101aは、複数の画像受信装置102との間で、画像データの送受信の動作を行う。
次に、画像データの送受信の動作について図4により詳細に説明する。図4において、画像送信装置200aが、5個の画像受信装置102a,102b,102c,102d,102e(即ち、n=5とする)とのデジタル画像データの送受信を行っているものとする。また、送信フレーム画像データバッファ211は3個の記憶部211−1,211−2,211−3(即ち、m=3とする)を有している。また、以下の説明を容易とするために、画像受信装置102a,102b,・・・・・・,102eからの送信要求情報111aの送信要求を示すために、図(c)のように、ID番号1,2,・・・・・・,5を付与している。従って、画像受信装置102a,102b,102c,102d,102eには、それぞれID−1、ID−2、ID−3、ID−4、ID−5の番号が割当てられる。画像受信装置102a,102b,102c,102d,102eの送信要求情報の送信は、説明の簡略化のために、画像フレーム期間Tj(j=1,2,・・・・・・)を便宜的に4分割したタイムスロットt1,t2,t3,t4の所定のタイミングで行われ、このタイミングで画像送信装置200aは、フレーム画像データを送信するものとして説明する。但し、実際のシステムでは、タイムスリットに分かれているわけではなく、単に模式的に例示したにすぎない。これについては、後述する。
フレーム画像データを記憶する記憶部は、記憶部211−1,211−2,211−3の3つである。図4(fa)、(fb)、(fc)がそれに相当する。画像受信装置102a,102b,・・・・・・,102eからの送信要求情報に応じて、制御部217の制御の下に送信すべきフレーム単位のデジタル画像データが記憶部211−1,211−2,211−3 のいずれかの空きの記憶部に記録される。これに伴い、図4(fa)、(fb)、(fc)には記憶部211−1,211−2,211−3のフレーム画像データの記憶状態が示されている。また、画像受信装置102b、102c、102dへの伝送路の伝送帯域は十分に確保されて伝送時間Tx(1映像フレーム期間>伝送時間Tx>0)、例えば、10.5msecを要して送信される。画像受信装置102a、102eへは、伝送帯域が不充分なため、伝送時間TyあるいはTz(2画像フレーム期間>伝送時間Tz>伝送時間Ty>1画像フレーム期間)を要し、2画像フレーム期間の周期で送受信される。例えば、Ty:42msec、Tz:63msecである。
図4において、画像フレーム期間T1でカメラ103aからの画像信号103aaがデジタル画像データA(図4(a)で示す)としてフレーム画像データバッファ114へ記録される(図4(b)で示す)。また、この画像フレーム期間T1のタイムスロットt1、t4で、図4(c)で示すようにそれぞれ画像受信装置102d(ID−4)、102c(ID−3)からの送信要求情報111aが制御部217で受け付けられる。
次の画像フレーム期間T2では、制御部217は、フレーム画像データバッファ114からのフレーム画像データAを転送時間Tk(転送時間Tk>0)を要してデータバス215を介して送信フレーム画像データバッファ211の空きの記憶部211−1に記憶する( 図4の(fa)で示す)。同時に、制御部217は記憶部211−1に記憶されたフレーム画像データAを読み出してデータバス215を介して送信部112−1へ転送する。送信部112−1は、フレーム画像データAと制御部217の制御情報を受けて所定の通信プロトコルとタイミングで、先の画像フレーム期間T1で入力された画像受信装置102d、102cに図4(d)に示すように、伝送時間Txを要してフレーム画像データAを送信する。図4(ed)、(ec)は、画像受信装置102d、102cがフレーム画像データAを受信したことを示している。また、この画像フレーム期間T2では、制御部217の制御によりカメラ103aからの最新のフレーム画像データBがフレーム画像データバッファ114に書き込まれ、フレーム画像データバッファ114の内容が更新される。さらに、この制御部217は、画像フレーム期間T2の開始とともに画像受信装置102d、102cへのデータ送信が開始されるので、ID−4、ID−3の送信要求情報は、リセットされる。
一方、画像受信装置102d、102cは、フレーム画像データAを受信すると、画像受信装置102d、102cは、それぞれ画像フレーム期間T2の所定のタイムスロットt1、t4で、次のフレーム画像データの送信要求情報の送信を行なう。さらに、タイムスロットt2では新たにID−1の画像受信装置102aからの送信要求情報が受け付けられる。したがって、画像フレーム期間T2では、制御部217は画像受信装置102d、102a、102cからの送信要求情報111aを受け付ける。
映像フレーム期間T3では、この期間T3の開始とともに、制御部217は、フレーム画像データバッファ114からのデジタル画像データ121(フレーム画像データB)を転送時間Tkを要してデータバス215を介して送信フレーム画像データバッファ211の空きの記憶部211−2に図4(fb)で示すように記憶する。同時に、データバス215を介して送信部112−2へ転送する。送信部112−2は、フレーム画像データBと制御部217の制御情報を受けて所定の通信プロトコルとタイミングで、先の画像フレーム期間T2で送信要求のあった画像受信装置102d、102a、102cに伝送時間TxまたはTyを要してフレーム画像データBを送信する(図4(d)に示す)。ところで、画像受信装置102aへの伝送時間Tyが2画像フレーム期間>伝送時間Ty>1画像フレーム期間であるために、図4(ea)に示すように、画像受信装置102aへのフレーム画像データBの送信終了は、次の画像フレーム期間T4に及ぶこととなる。従って、記憶部211−2の内容は、図4(fb)のように、更新されず、フレーム画像データBのまま保持される。また、この画像フレーム期間T3では、制御部217は最新のフレーム画像データCをフレーム画像データバッファ114に書き込み、その内容を更新する。さらに、制御部217は、画像フレーム期間T3の開始とともに画像受信装置102d、102a、102cへのデータ伝送が開始されたので、送信要求情報ID−4、ID−1、ID−3は、リセットされる。しかし、画像受信装置102d、102cは、フレーム画像データBを受信すると、画像受信装置102d、102cは、それぞれ画像フレーム期間T3の所定のタイムスロットt1、t4で、次のフレーム画像データの送信要求情報の送信を行い、さらにはタイムスロットt3では新たに画像受信装置102eからの送信要求情報が受け付けられる。したがって、画像フレーム期間T3では、制御部217は、再度画像受信装置102d、102e、102cからの送信要求情報111aを受け付ける。
画像フレーム期間T4では、前述と同様な動作により、空きの記憶部211−3に記憶されたフレーム画像データCが、先の映像フレーム期間T3で送信要求された画像受信装置102d、102e、102cに伝送時間TXまたはTzで送信される。ところで、画像受信装置102eへの伝送時間Tzが2画像フレーム期間>伝送時間Tz>1画像フレーム期間であるために、画像受信装置102eへのフレーム画像データCの送信終了は、次の画像フレーム期間T5に及ぶこととなる(図4(d)、(cc)に示される)。画像受信装置102aは、この画像フレーム期間T4のタイムスロットt2近傍で受信終了と判定すると、次の画像データの送信要求情報の送信を画像送信装置200aに対して行う。
以後、同様な動作が繰り返されることで、画像受信装置102b、102c、102dには1画像フレーム期間毎に、最新のフレーム画像データが送信される。画像受信装置102a、102eには、2画像フレーム期間毎にフレーム画像データ121が送信され、それぞれのモニタ350に再生映像が表示される。
以上、本発明の第一の実施例によれば、送信フレーム画像データバッファ211として複数の記憶部を有することで、画像送信装置から画像受信装置までの伝送路の伝送速度に応じて1画像フレーム期間内あるいは1画像フレーム期間以上の伝送時間を有する画像受信装置102へのフレーム画像データの伝送が可能になる。また、1画像フレーム期間以上の伝送時間が必要な場合には、送信終了までフレーム画像データを記憶部に保持し、最新のフレーム画像データは、他の空きの記憶部へ記憶して、次のフレーム画像データの伝送の処理に対応できるようになる。従って、画像送信装置から画像受信装置までの伝送路の伝送帯域に応じて、画像受信装置は、画像フレーム期間毎に最新のフレーム画像データを受信することができて、最適な動きの自然な映像の再生が可能となる。
なお、先にも述べたように、図4および図8に示す送信要求情報やフレーム画像データの送受信は、模式的に説明したものである。実際の通信システムにおける送信要求情報やフレーム画像データの送受信について、図5を用いて説明する。なお、ここで説明する例では、通信速度100Mbps、画像データ約16Kbyte、伝送プロトコルは、HTTP、TCP/IPを用いたものであるが、画像の内容によっては、これらは変化するものであり、必ずしもこれに限定されるものではない。
図5(a)、1画像フレーム期間(例えば、33msec) Tj(j=1,2,・・・・・・)を表し、図5(b)は、データ送受信期間Trs(例えば、11msec)を表している。図5(c)は、フレーム画像データバッファ114から送信フレーム画像データバッファ211へフレーム画像データを転送する転送時間Tk(例えば、0.5msec)およびフレーム画像データを画像受信装置102へ送信する画像送信期間Tx(例えば、10.5msec)を表している。しかしながら、実際の送信要求情報やフレーム画像データは、伝送パケットにより送受信されている。即ち、図5(d)に示すように、送信要求情報111aは、1個の画像要求パケットPS(例えば、送信時間12μsec)で送られ、また、フレーム画像データ121は、12個の画像データパケットDP(1個のDPの送信時間110μsec)で送られる。したがって、33msecの1画像フレーム期間Tjでは、複数のパケットによる送受信が可能であるため、複数の送信要求情報や複数のフレーム画像データを多重化して送ることができる。
なお、図2および図4に示す第1の実施例では、カメラ103aからのデジタル画像データ121は、一旦、フレーム画像データバッファ114に記録され、画像受信装置102からの送信要求情報111aが制御部217に入力されると、フレーム画像データバッファ114からデジタル画像データ121を読み出し、送信フレーム画像データバッファ211の空いている記憶部に記憶する方法で動作を説明した。しかし、これに限られることはなく、制御部217の制御により、画像データ変換部116からのデジタル画像データ121をフレーム画像データバッファ114に記録すると同時に、送信フレーム画像データバッファ211の空いている記憶部にも記憶することができることは、言うまでもない。また、後者の方が、デジタル画像データを配信する場合、フレーム画像データバッファ114から一旦読み出し、送信フレーム画像データバッファ211の空いている記憶部に書き込み、デジタル画像データを送信するよりは、送信の時間を短縮できる。
次に、本発明の第2の実施例を図6により説明する。図6に示す実施例は、図1および2に示す画像伝送システムにおいて、m=nの場合である。即ち、画像送信装置200の送信フレーム画像データバッファ211のm 個の記憶部と画像受信装置102の個数n(102a,102b,・・・・・・,102n)が同一の場合である。従って、図6に示す実施例のシステム構成は、図1、2および3に示す構成と同様であるので、詳細説明は、省略し、第2の実施例を図1、図2、図3および図6を用いて説明する。
図1において、画像送信装置200aが、画像受信装置102a,102b,・・・・・・,102eとのフレーム画像データの送受信を行っているものとする。また、同様に図6の説明を容易とするために、画像受信装置102a,102b,・・・・・・,102eからの送信要求情報111aは、図6(c)のようにID−1,ID−2,・・・・・・,ID−5で示される。同様に画像受信装置102a,102b,・・・・・・,102eの送信要求情報の送信は、図6(c)に示すように、画像フレーム期間Tjを4分割したタイムスロットt1、t2、t3、t4の所定のタイミングで行われ、画像送信装置200aには送信要求情報111aの複数の配信要求が行われるものとする。
而して、図4に示す動作説明と、図6に示す動作説明との間の相違点は、画像受信装置102a,102b,・・・・・・,102e( この実施例では5台を示す)からの送信要求情報に対応して制御部217の制御の下に送信すべき画像データが記憶部211−1,211−2,・・・・・・,211−5にそれぞれに記憶されるということである。従って、図6の(fa)、(fb)、・・・・・・、(fe)には、記憶部211−1,211−2,・・・・・・・,211−5の画像データの記憶状態が示されている。また、送信要求情報111aにより、画像送信装置200から送信要求元の画像受信装置102までの伝送路の伝送帯域に応じて伝送時間が図6(d)に示されている。すなわち、画像受信装置102b、102c、102dへの伝送路の伝送帯域は、十分に確保されて伝送時間Txで伝送される。一方、画像受信装置102a、102eへの伝送帯域は、十分なものではなく、伝送時間TyあるいはTzで伝送されることを示している。なお、これらの相違点を除く動作は、前述の図1の本発明の第1の実施例で説明したものと同じであるので、詳細な説明は省略する。
以上、本発明の第2の実施例によれば、送信フレーム画像データバッファ211として画像受信装置102の個数と同数の記憶部を有して、送信要求元の画像受信装置102に対応して送信すべき画像データをそれぞれの記憶部に記憶することで、画像送信装置から画像受信装置までの伝送路の伝送帯域に応じて1映像フレーム期間以上の伝送時間を有する画像受信装置102への伝送が発生した場合でも送信終了までフレーム画像データが保持され、また送信終了し次の送信要求情報に応じて最新のフレーム画像データが送信要求元の画像受信装置102に対応した記憶部にそれぞれに記憶されて、次のフレーム画像データの伝送の処理に対応できるようになるので、前述の本発明の第1の実施例と同様に、画像送信装置から画像受信装置までの伝送路の伝送帯域に応じて、画像受信装置には画像フレーム期間毎に最新のフレーム画像データが受信されるようになるので最適な動きの自然な画像の再生が可能となる。以上の説明では、画像信号の発生源をカメラとして説明したが、たとえばVTR(Video Tape Recorder)などの他の画像信号あるいは画像データを発生するものであればこれに限定されるものではない。
本発明によれば、画像送信装置から画像受信装置までの伝送路の伝送帯域に応じて、画像受信装置に画像フレーム期間毎に最新のフレーム画像データが受信されるようになるので最適な動きのある自然な画像の再生ができるようになる。
以上説明したように、従来技術では、伝送帯域の確保状態や画像送信装置における送信要求受付の順番に影響され、十分な画像の伝送ができない。例えば、2画像フレーム期間以上の周期でもってフレーム画像データを受信する画像受信装置がネットワークの中に存在すると、この画像受信装置に影響され、伝送帯域が十分に確保されている他の画像受信装置も最新のフレーム画像データを受信できず、動きがぎこちない不自然なものとなる。
しかしながら、本発明では伝送帯域が十分に確保されていると、1画像フレーム期間の周期で画像受信装置はフレーム画像データ(デジタル画像データ)を受信できる。また、例えば、本発明によればカメラが最新のフレーム画像データを供給している場合、カメラがパン、チルトなどの動作をして、最新の画像を取り込むと、その最新画像が画像受信装置に配信される。従って、画像受信装置は、1画像フレーム期間の周期で最新のフレーム画像データを受信して再生できるので、動きのある自然な画像となる。
上記実施例では、カメラで撮影された画像信号をフレーム単位で画像データ(デジタル画像データ)に変換し、変換されたデジタル画像データごと処理を行っている。しかし、デジタル画像データは、フレーム単位である必要は無く、所定のサイズ、例えば、1フィールド単位でデジタル画像データに変換し、変換された1フィールド単位のデジタル画像データによって処理をしても良い。
100:フレーム画像データをネットワーク、100a,100b,・・・・・・,100x:リンク、101,101a,101b,・・・・・・,101s:画像送信装置、102,02a,102b,・・・・・・,102n:画像受信装置、102aa:伝送路、103,103a,103b,・・・・・・,103s:カメラ、103aa:画像信号、111:受信部、111a:送信要求情報、112−1,112−2,・・・・・・,112−p,112−r:送信部、114:フレーム画像データバッファ、115:データバス、116:画像データ変換部、117:制御部、121:デジタル画像データ、200,200a,200b,・・・・・・,200s:画像送信装置、211:送信フレーム画像データバッファ、211−1,211−2,・・・・・・,211−m:記憶部、215:データバス、217:制御部、301:受信部、302:制御部、303:受信データ記憶部、3 0 4 : 画像データ変換部、305:入力部、306:送信部、350,350a,350b,・・・・・・,350n:モニタ。