JP4266861B2 - ボイラ用脱気装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軟水器にて軟水化処理されてボイラに供給される原料水を加熱して脱気するように構成されたボイラ用脱気装置に関する。
かかるボイラ用脱気装置は、水道や受水槽等の給水源からの水を原料水として軟水器にて軟水化処理してボイラに供給するときに用いるものであり、原料水に溶存している酸素等によりボイラ内部が腐食する虞があるので、ボイラへ供給される原料水を加熱して、溶存酸素等の原料水に含まれる気体を脱気するようにしたものである。
このようなボイラ用脱気装置において、従来では、図4に示すように、給水源1からの原料水を給水タンク33に貯留し、その給水タンク33内の原料水を大気圧下で100°Cよりもかなり低い温度に加熱して脱気するように構成し、その給水タンク33内の原料水をボイラ3に供給するようになっていた。
説明を加えると、給水源1から被脱気原料水供給路32を通じて供給される原料水を貯留する前記給水タンク33内に、ボイラ3から加熱用蒸気供給路34を通じて蒸気を通流させて給水タンク33内の原料水を加熱する熱交換器35を設け、前記加熱用蒸気供給路34に電磁式の流量調整弁36を設け、前記給水タンク33にその内部の原料水の温度を検出する温度センサ37を設けていた。そして、制御部38により、前記温度センサ37の検出温度が80°Cに達すると前記流量調節弁36を閉じて前記熱交換器35への蒸気の供給を停止し、前記温度センサ37の検出温度が75°Cまで低下すると前記流量調節弁36を開いて前記熱交換器35への蒸気の供給を開始して、前記給水タンク33内の原料水を75〜80°Cといった100°Cよりもかなり低い温度の範囲に加熱するように構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、前記給水タンク33内の原料水は、ボイラ供給用ポンプ40により脱気後原料水供給路39を通じて前記ボイラ3に供給されるようになっている。
前記特許文献1には記載されていないが、軟水器は、給水源1から被脱気原料水供給路32を通じて前記給水タンク33に供給される原料水を軟水化処理するように設ける。
特開平11−193904号公報
ところで、軟水器にて軟水化処理された原料水には、その軟水化処理により生成された炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)等の軟水化処理生成物が含有されている。そして、このような軟水化処理生成物が含有された状態で原料水がボイラに供給されて、100°C以上の二酸化炭素分解発生温度(例えば130°C以上)に加熱されると、下記の反応式にて例示するように、軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスが発生することになって、その二酸化炭素ガスが凝縮水に溶解して凝縮水のpHを低下させるので、ボイラの凝縮水回収ラインの腐食の原因となる。
Na2CO3+H2O→2NaOH+CO2
NaHCO3→NaOH+CO2
しかしながら、従来のボイラ用脱気装置は、原料水を75〜80°Cといった100°Cよりもかなり低い温度に加熱するものであり、軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを
発生させて除去することができないことから、前述のようなボイラの凝縮水回収ラインの腐食を防止するために、原料水に、二酸化炭素ガスを中和するためのアミン系薬剤や、配管の内面に防食用の被膜を形成するためのアミン系薬剤等を添加していたが、このようなアミン系の薬剤の添加はランニングコストの上昇に繋がっていた。
又、水に対する酸素の溶解度は、図5に示すように、水の温度が低くなるほど高くなる。
従って、従来のように、原料水を大気圧下で75〜80°Cというように100°Cよりもかなり低い温度に加熱して脱気する場合では、そのような100°Cよりもかなり低い温度での水に対する酸素の溶解度が高いことから、従来では、原料水中の溶存酸素を十分に除去することができないという問題があった。
ちなみに、原料水を大気圧下で100°Cに加熱して脱気する場合が想定されるが、この場合は、原料水が沸騰して原料水の蒸発により放出されるエネルギー量が多くなり、延いては、エネルギー効率が低下するので好ましくはない。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、エネルギー効率を向上しながら、二酸化炭素ガスを除去することができ且つ溶存酸素の除去性能を向上することができるボイラ用脱気装置を提供することにある。
本発明のボイラ用脱気装置は、軟水器にて軟水化処理されてボイラに供給される原料水を加熱して脱気するように構成されたものであって、
第1特徴構成は、前記軟水器にて軟水化処理されたのち加圧用ポンプにて加圧されて供給される原料水を100°Cよりも高い二酸化炭素発生用温度に加熱して、軟水化処理により生成されて原料水に含有される軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させる二酸化炭素発生処理を行う二酸化炭素発生処理手段と、
その二酸化炭素発生処理手段に供給される二酸化炭素発生処理前の原料水と前記二酸化炭素発生処理手段から排出された二酸化炭素発生処理後の原料水とを熱交換させて、二酸化炭素発生処理前の原料水を予熱する熱回収用熱交換器と、
その熱回収用熱交換器にて熱交換させた後の二酸化炭素発生処理後の原料水を100°C以上で且つ前記二酸化炭素発生用温度よりも低い大気開放用温度に調節する温度調節手段と、
その温度調節手段にて温度調節される二酸化炭素発生処理後の原料水を沸騰させない大気開放用圧力に調整して、大気に開放された排出部に排出する大気開放時圧力調整手段とが設けられている点を特徴とする。
即ち、軟水器にて軟水化処理された脱気対象の原料水が熱回収用熱交換器にて二酸化炭素発生処理後の原料水との熱交換により予熱されながら、加圧用ポンプにより加圧されて二酸化炭素発生処理手段に供給され、そのように加圧供給される原料水が二酸化炭素発生処理手段にて二酸化炭素発生用温度(例えば、前記二酸化炭素分解発生温度と同等)に加熱されて二酸化炭素発生処理が施されて、原料水に含有される軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスが発生する。
そして、その二酸化炭素ガスが混合した二酸化炭素発生処理後の原料水が、熱回収用熱交換器にて二酸化炭素発生処理前の原料水との熱交換により冷却された後、温度調節手段に供給される。そして、その二酸化炭素発生処理後の原料水が大気開放時圧力調整手段により大気開放用圧力に調整される状態で温度調節手段にて大気開放用温度に調節された後、大気開放時圧力調整手段から、大気に開放された排出部に排出される。
そして、そのように二酸化炭素発生処理後の原料水が大気開放時圧力調整手段から大気開放の排出部に排出される際に、減圧によって原料水の一部がフラッシュ蒸気となり、そ
のフラッシュ蒸気と共に、原料水に混合していた二酸化炭素ガス及び原料水に溶存していた酸素等の気体が大気中に放出されるので、原料水から二酸化炭素ガス及び溶存酸素等の気体が除去される。
つまり、原料水を加圧状態で二酸化炭素発生用温度に加熱して二酸化炭素発生処理を施すことにより、軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させることができる。
そして、その二酸化炭素発生処理により発生して原料水に混合される二酸化炭素ガス及び溶存酸素等の気体を原料水から除去するに当たっては、加圧状態で二酸化炭素発生用温度に加熱した原料水を一挙に大気開放の排出部に放出することにより、原料水の一部を蒸発させて、そのフラッシュ蒸気と共に、二酸化炭素ガス及び溶存酸素等の気体を大気中に放出させることにより、それら二酸化炭素ガス及び溶存酸素等の気体を原料水から除去することができる。
しかしながら、加圧状態で二酸化炭素発生用温度に加熱した原料水を一挙に大気開放の排出部に放出すると、原料水の圧力及び温度が高いことからフラッシュ蒸気量が多くなって、そのフラッシュ蒸気と共に放出されるエネルギー量が多くなり、延いては、エネルギー効率が低下することになるので好ましくない。
これに対して、この第1特徴構成によれば、熱回収用熱交換器にて、二酸化炭素発生処理前の原料水と二酸化炭素発生用温度に加熱した二酸化炭素発生処理後の原料水とを熱交換させて、二酸化炭素発生用温度に加熱した二酸化炭素発生処理後の原料水から二酸化炭素発生処理前の原料水に熱回収し、その熱回収後の二酸化炭素発生処理後の原料水を、大気開放時圧力調整手段により大気開放用圧力に調整する状態で温度調節手段にて100°C以上で且つ二酸化炭素発生用温度よりも低温の大気開放用温度に調節した後、大気開放の排出部に放出させるので、フラッシュ蒸気量を少なくして、そのフラッシュ蒸気と共に放出されるエネルギー量を少なくすることが可能になり、延いては、エネルギー効率を向上することが可能になる。
しかも、水に対する酸素の溶解度は、図5に示すように、その水の温度が100°Cのときでは極めて低いものであり、更に100°Cよりも高い温度では、図5には示していないが、100°Cにおけるよりも更に低くなるので、二酸化炭素発生処理後の原料水を温度調節手段にて100°C以上の大気開放用温度に調節することにより、原料水中の溶存酸素を十分に除去することができ、溶存酸素の除去性能を向上することができる。
そして、二酸化炭素発生処理後の原料水を100°C以上の大気開放用温度に加熱しながらも、大気開放時圧力調整手段により、二酸化炭素発生処理後の原料水の圧力をその原料水を沸騰させない大気開放用圧力に調整するので、原料水の沸騰によるエネルギー効率の低下を回避することができる。
従って、エネルギー効率を向上しながら、二酸化炭素ガスを除去することができ且つ溶存酸素の除去性能を向上することができるボイラ用脱気装置を提供することができるようになった。
又、上述のように軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させて、その発生二酸化炭素ガスを除去することができるので、凝縮水回収ラインの腐食を抑制しながらも、アミン系の薬剤の添加を不要とする、又は、その添加量を少なくすることが可能となり、もって、ランニングコストを低減することが可能になった。
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記二酸化炭素発生処理手段が、原料水を前記二酸化炭素発生用温度に加熱する加熱手段と、その加熱手段にて加熱される原料水を前記大気開放用圧力よりも高い二酸化炭素発生用圧力に調整して排出する二酸化炭素発生時圧力調整手段とを備えて構成されている点を特徴とする。
即ち、原料水が二酸化炭素発生時圧力調整手段により二酸化炭素発生用圧力に調整される状態で加熱手段により二酸化炭素発生用温度に加熱された後、二酸化炭素発生時圧力調整手段から排出されて大気開放用圧力に減圧される。
そして、そのように原料水が二酸化炭素発生用温度に加熱された状態で二酸化炭素発生用圧力から大気開放用圧力に減圧される際に、原料水の一部が蒸発することになり、そのように原料水の一部が蒸発することにより、軟水化処理生成物からの二酸化炭素ガスの発生が助長されるので、軟水化処理生成物からの二酸化炭素ガスの発生量を一層多くすることが可能になる。
従って、二酸化炭素ガスの除去性能を一段と向上するようにする上で好適な手段を提供することができるようになった。
第3特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記大気開放時圧力調整手段により、前記加圧用ポンプから前記大気開放時圧力調整手段に至る経路中の原料水の圧力が前記大気開放用圧力に調整されるように構成されている点を特徴とする。
即ち、原料水が、その圧力が大気開放時圧力調整手段により大気開放用圧力に調整される状態で、熱回収用熱交換器、二酸化炭素発生処理手段、熱回収用熱交換器、温度調節手段を順次経由して通流して、大気開放時圧力調整手段に至り、その大気開放時圧力調整手段から大気開放用温度に加熱された状態で大気開放の排出部に排出され、その排出の際に、フラッシュ蒸気と共に、二酸化炭素発生処理手段での二酸化炭素発生処理により発生した二酸化炭素ガス及び原料水に溶存していた酸素等の気体が大気中に放出されて、原料水から二酸化炭素ガス及び溶存酸素が除去される。
つまり、上記の第2特徴構成において設けた二酸化炭素発生時圧力調整手段を設けずに、大気開放時圧力調整手段を設けるだけで、軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させてその発生二酸化炭素ガスを除去すると共に、溶存酸素を除去することができるのである。
従って、低廉化を図りながら本発明を実施するようにする上で好適な手段を提供することができるようになった。
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれかに加えて、
前記熱回収用熱交換器により、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度が前記大気開放用温度よりも低い温度になるように、二酸化炭素発生処理前の原料水と二酸化炭素発生処理後の原料水とを熱交換させるように構成され、
前記温度調節手段が、加熱により二酸化炭素発生処理後の原料水の温度を前記大気開放用温度に調節するように構成されている点を特徴とする。
即ち、熱回収用熱交換器により、二酸化炭素発生処理後の原料水が二酸化炭素発生処理前の原料水との熱交換にて大気開放用温度よりも低い温度にまで冷却され、その大気開放用温度よりも低い温度にまで冷却された二酸化炭素発生処理後の原料水が、温度調節手段により、大気開放用温度に加熱される。
つまり、熱回収用熱交換器にて、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度が大気開放用温度よりも低い温度になるように、二酸化炭素発生処理前後の原料水を熱交換させることにより、二酸化炭素発生処理後の原料水から二酸化炭素発生処理前の原料水に十分に熱回収して、原料水を二酸化炭素発生用温度に加熱するためのエネルギー消費量を少なくすることが可能になる。
しかも、熱回収用熱交換器にて、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度が大気開放用温度よりも低い温度になるように二酸化炭素発生処理前後の原料水を熱交換させるにしても、熱交換後の二酸化炭素発生処理後の原料水の温度と大気開放用温度との差を小さくすることにより、温度調節手段にて二酸化炭素発生処理後の原料水を大気開放用温度に加熱す
るために消費するエネルギー消費量を少なくすることが可能になる。
要するに、原料水を二酸化炭素発生用温度に加熱して軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させて、その発生二酸化炭素ガスと原料水に溶存している溶存酸素等の気体をフラッシュ蒸気量を少なくしながら除去するように脱気処理を行うに当たって、それに要するエネルギー消費量を全体として少なくして、エネルギー効率を向上することが可能になる。
ちなみに、第4特徴構成の比較例として、前記熱回収用熱交換器により、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度が大気開放用温度よりも高い温度になるように、二酸化炭素発生処理前後の原料水を熱交換させるように構成し、前記温度調節手段を、冷却により二酸化炭素発生処理後の原料水の温度を大気開放用温度に調節するように構成する場合が想定される。
しかしながら、この比較例は、熱回収用熱交換器にて、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度が大気開放用温度よりも高い温度にまでしか二酸化炭素発生処理前後の原料水を熱交換させないので、二酸化炭素発生処理後の原料水から二酸化炭素発生処理前の原料水に十分に熱回収することができず、原料水を二酸化炭素発生用温度に加熱するためのエネルギー消費量が多くなる。
しかも、温度調節手段にて二酸化炭素発生処理後の原料水を冷却して、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度を大気開放用温度に調節するので、その冷却のために二酸化炭素発生処理後の原料水から回収した熱は無駄になってしまう。
要するに、上記の比較例では、脱気処理に要するエネルギー消費量が多くなり、エネルギー効率が低下することになる。
従って、エネルギー効率を一層向上するようにする上で好適な手段を提供することができるようになった。
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記二酸化炭素発生処理手段に、前記二酸化炭素発生用温度に加熱した原料水を滞留させる滞留部を備えて構成されている点を特徴とする。
即ち、二酸化炭素発生用温度に加熱された原料水が滞留部に一時滞留した後、熱回収用熱交換器に通流することになる。
つまり、原料水を二酸化炭素発生用温度に保持する時間を長くすることが可能になり、そして、そのように原料水を二酸化炭素発生用温度に保持する時間を長くすることにより、軟水化処理生成物からの二酸化炭素ガスの発生量を多くすることが可能になり、延いては、原料水からの二酸化炭素ガスの除去量を多くすることが可能になる。
従って、二酸化炭素ガスの除去性能を一層向上するようにする上で好適な手段を提供することができるようになった。
〔第1実施形態〕
以下、図面に基づいて、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本発明によるボイラ用脱気装置Dを備えたボイラ設備を示し、このボイラ設備は、水道等の給水源1からの原料水を軟水化処理する軟水器2、その軟水器2にて軟水化処理された原料水を加熱して脱気するように構成した前記ボイラ用脱気装置D、そのボイラ用脱気装置Dにて脱気された原料水が供給されて蒸気を生成するボイラ3、及び、ボイラ設備の運転を制御する制御部4等を備えて構成してある。
前記軟水器2は、周知であるので詳細な説明は省略して簡単に説明すると、前記給水源1からの原料水に含有されるカルシウムイオン、マグネシウムイオン等の硬度成分をイオン交換樹脂を用いて除去するように構成したものである。そして、その軟水器2にて軟水
化処理された原料水には、その軟水化処理により生成された炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)等の軟水化処理生成物が含有される。
前記ボイラ用脱気装置Dは、前記軟水器2にて軟水化処理された原料水を貯留する給水タンク5と、その給水タンク5の原料水を加圧して吐出する加圧用ポンプ6と、その加圧用ポンプ6にて加圧されて供給される原料水を100°Cよりも高い二酸化炭素発生用温度Thに加熱して、軟水化処理により生成されて原料水に含有される軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させる二酸化炭素発生処理を行う二酸化炭素発生処理手段Hと、その二酸化炭素発生処理手段Hに供給される二酸化炭素発生処理前の原料水と二酸化炭素発生処理手段Hから排出された二酸化炭素発生処理後の原料水とを熱交換させて、二酸化炭素発生処理前の原料水を予熱する熱回収用熱交換器7と、その熱回収用熱交換器7にて熱交換させた後の二酸化炭素発生処理後の原料水を100°C以上で且つ前記二酸化炭素発生用温度Thよりも低い大気開放用温度Tcに調節する温度調節手段Cと、その温度調節手段Cにて温度調節される二酸化炭素発生処理後の原料水を沸騰させない大気開放用圧力Pcに調整して、大気に開放された排出部としてのボイラ供給用タンク8に排出する大気開放時圧力調整手段としての大気開放時圧力調整弁9とを設けて構成してある。
前記軟水器2にて軟水化処理された原料水を被脱気原料水流路10にて前記給水タンク5に供給し、その給水タンク5の原料水を処理前原料水流路11を通じて前記加圧用ポンプ6にて加圧して前記熱回収用熱交換器7を通過させて前記二酸化炭素発生処理手段Hに供給し、その二酸化炭素発生処理手段Hにて二酸化炭素発生処理した二酸化炭素発生処理後の原料水を処理後原料水流路12を通じて熱回収用熱交換器7を通過させて前記温度調節手段Cに供給し、その温度調節手段Cにて温度調節された二酸化炭素発生処理後の原料水を大気開放時圧力調整弁9にて原料水排出路13を通じてボイラ供給用タンク8に排出するようになっている。
前記ボイラ用脱気装置Dの各部について説明を加える。
前記給水タンク5には、フロート弁14を設け、そのフロート弁14に、前記被脱気原料水流路10を接続してある。
前記フロート弁14は、給水タンク5に貯留されている原料水に対して浮上可能なフロート14fを備えて、そのフロート14fが閉じ用高さに上昇するのに伴って閉じられ、且つ、前記閉じ用高さよりも下降するのに伴って開かれるようになっていて、そのフロート弁14の作用により、給水タンク5に所定の水位範囲にて原料水を貯留するように構成してある。
又、給水タンク5内には、原料水予熱用の加熱用蒸気が給水予熱用蒸気供給路15を通じて供給されて、加熱用蒸気の通流により給水タンク5内の原料水を給水予熱用温度Tpに加熱する給水予熱用蒸気通流部16を設けてあり、更に、前記給水予熱用蒸気供給路15には、加熱用蒸気の通流量を調整する電磁式の給水予熱用比例弁Vpを設けてある。
更に、給水タンク5内には、その給水タンク5に貯留されている原料水の温度を検出する給水予熱温度センサSpを設けてある。
そして、給水予熱温度センサSpの検出温度が給水予熱用温度Tpになるように、給水予熱用比例弁Vpを制御することにより、原料水を給水予熱用温度Tpに予熱するようになっている。
前記二酸化炭素発生処理手段Hは、前記処理前原料水流路11を通じて加圧供給される原料水を二酸化炭素発生用温度Thに加熱する加熱手段としての二酸化炭素発生用加熱器17と、前記処理後原料水流路12の途中に介装されて、二酸化炭素発生用加熱器17にて加熱される原料水を前記大気開放用圧力Pcよりも高い二酸化炭素発生用圧力Phに調整して排出する二酸化炭素発生時圧力調整手段としての二酸化炭素発生時圧力調整弁18
とを備えて構成してある。
この二酸化炭素発生時圧力調整弁18は、一次側、即ち、二酸化炭素発生用加熱器17にて加熱される原料水の圧力が制御用圧力導入路18cを通じて導入されて、その一次側圧力が二酸化炭素発生用圧力Phに設定した設定圧力を越えると原料水を排出するように作動し、一次側圧力が設定圧力になると原料水の排出を停止するように作動するものであり、電気的な制御を必要とすることなく一次側の圧力を設定圧力に調整することが可能なように構成されたものであり、所謂自力式の圧力調整弁である。
前記二酸化炭素発生用加熱器17は、二酸化炭素発生用蒸気供給路19を通じて供給される二酸化炭素発生用の加熱用蒸気を通流させる加熱用通流部17gと原料水を通流させる被加熱用通流部17tとを熱交換可能に設けて、加熱用通流部17gを通流する蒸気により被加熱用通流部17tを通流する原料水を加熱するように構成してある。
二酸化炭素発生用蒸気供給路19には、二酸化炭素発生用の加熱用蒸気の通流量を調整する電磁式の二酸化炭素発生温調用比例弁Vhを設け、又、処理後原料水流路12における二酸化炭素発生時圧力調整弁18の介装箇所よりも上流側箇所には、その処理後原料水流路12を通流する原料水の温度、即ち、二酸化炭素発生用加熱器17にて加熱された原料水の温度を検出する二酸化炭素発生温度センサShを設けてある。
そして、二酸化炭素発生温度センサShの検出温度が二酸化炭素発生用温度Thになるように二酸化炭素発生温調用比例弁Vhを制御することにより、原料水を二酸化炭素発生用温度Thに加熱して、軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させるようになっている。尚、軟水化処理生成物が例えば炭酸ナトリウム(Na2CO3)や炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)である場合、軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させるための反応式は、前記の通りである。
つまり、前記二酸化炭素発生時圧力調整弁18により、前記加圧用ポンプ6の吐出口から前記処理前原料水流路11、前記二酸化炭素発生用加熱器17の受熱用通流部17tを経由して二酸化炭素発生時圧力調整弁18の入口に至るまでの原料水通流経路内の原料水の圧力が、前記二酸化炭素発生用圧力Phに調整されることになる。
前記熱回収用熱交換器7は、前記処理後原料水流路12の途中に介装して二酸化炭素発生処理後の原料水を通流させる加熱用通流部7gと、前記処理前原料水流路11の途中に介装して二酸化炭素発生処理前の原料水を通流させる被加熱用通流部7tとを熱交換可能に設けて構成してある。
そして、この熱回収用熱交換器7は、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度が前記大気開放用温度Tcよりも低い温度になるように、前記給水タンク5からの二酸化炭素発生処理前の原料水と二酸化炭素発生処理後の原料水とを熱交換させるように構成してある。
前記温度調節手段Cは、加熱により二酸化炭素発生処理後の原料水の温度を前記大気開放用温度Tcに調節する大気開放時加熱器20にて構成してある。
その大気開放時加熱器20は、大気開放用蒸気供給路21を通じて供給される大気開放時温調用の加熱用蒸気を通流させる加熱用通流部20gと二酸化炭素発生処理後の原料水を通流させる被加熱用通流部20tとを熱交換可能に設けて、加熱用通流部20gを通流する蒸気により被加熱用通流部20tを通流する二酸化炭素発生処理後の原料水を加熱するように構成してある。
前記原料水排出路13は、前記大気開放時加熱器20の被加熱用通流部20tから排出される二酸化炭素発生処理後の原料水を導いて、前記ボイラ供給用タンク8に排出するように設け、前記大気開放時圧力調整弁9は、原料水排出路13の途中に設けてある。
その大気開放時圧力調整弁9は、上述した二酸化炭素発生時圧力調整弁18と同様の自力式の圧力調整弁であり、一次側、即ち、大気開放時加熱器20にて加熱される二酸化炭素発生処理後の原料水の圧力が制御用圧力導入路9cを通じて導入されて、その一次側圧力が前記大気開放用圧力Pcに設定した設定圧力を越えると原料水を排出するように作動し、一次側圧力が設定圧力になると原料水の排出を停止するように作動するものである。
つまり、前記大気開放時圧力調整弁9により、前記二酸化炭素発生時圧力調整弁18の排出口から前記処理後原料水流路12、大気開放時加熱器20の被加熱用通流部20tを経由して大気開放時圧力調整弁9の入口に至るまでの原料水通流経路内の原料水の圧力が、前記大気開放用圧力Pcに調整されることになる。
大気開放用蒸気供給路21には、大気開放時温調用の加熱用蒸気の通流量を調整する電磁式の大気開放時温調用比例弁Vcを設け、又、前記原料水排出路13における大気開放時圧力調整弁9の介装箇所よりも上流側の箇所には、その原料水排出路13を通流する二酸化炭素発生処理後の原料水の温度、即ち、大気開放時加熱器20にて加熱された二酸化炭素発生処理後の原料水の温度を検出する大気開放温度センサScを設けてある。
そして、大気開放温度センサScの検出温度が前記大気開放用温度Tcになるように大気開放時温調用比例弁Vcを制御することにより、熱回収用熱交換器7にて熱交換させた後の二酸化炭素発生処理後の原料水を大気開放用温度Tcに加熱するようになっている。
前記ボイラ供給用タンク8は、前記原料水排出路13を通じて大気開放時圧力調整弁9から排出される原料水を貯留するように構成してある。そして、そのボイラ供給用タンク8には、そのボイラ供給用タンク8における原料水の貯留水位が設定下限水位以下になること、及び、設定上限水位以上になることの夫々を検出する水位センサ22を設けてある。ちなみに、前記設定上限水位は、前記原料水排出路13の先端の排出口よりも下方になるように設定してある。
前記ボイラ供給用タンク8と前記ボイラ3の原料水供給口とを脱気後原料水供給路23にて接続すると共に、その脱気後原料水供給路23にボイラ給水ポンプ24を設けて、そのボイラ給水ポンプ24にて、ボイラ供給用タンク8に貯留されている脱気処理後の原料水を脱気後原料水供給路23を通じてボイラ3に圧送するように構成してある。
前記ボイラ3からは、原料水の供給開始を指令する給水指令信号及び原料水の供給の停止を指令する給水停止信号が出力されるように構成してある。
前記ボイラ3から給水指令信号及び給水停止信号を出力するための構成は周知であるので、図示及び詳細な説明を省略して、以下に簡単に説明する。
即ち、前記ボイラ3には、脱気処理後の原料水が供給されると共に、ボイラの加熱部との間で原料水が循環供給される気水ドラムを設けると共に、その気水ドラムに、その水位が設定下限水位以下になること及び設定上限水位以上になることの夫々を検出する水位センサを設けてある。そして、その水位センサにより気水ドラムの水位が前記設定下限水位以下になったことが検出されると、前記給水指令信号を出力し、水位センサにより気水ドラムの水位が前記設定上限水位以上になったことが検出されると、前記給水停止信号を出力するように構成してある。
前記制御部4は、前記給水予熱温度センサSp、前記二酸化炭素発生温度センサSh、大気開放温度センサSc及び前記水位センサ22夫々の検出情報、前記ボイラ3からの前記給水指令信号及び前記給水停止信号が入力され、且つ、それらの入力情報に基づいて、前記給水予熱用比例弁Vp、前記二酸化炭素発生温調用比例弁Vh、大気開放時温調用比例弁Vc、前記加圧用ポンプ6及び前記ボイラ給水ポンプ24夫々の作動を制御するよう
に構成してある。
以下、前記制御部4の制御動作について説明を加える。
予め、前記給水予熱用温度Tp、前記二酸化炭素発生用温度Th及び前記大気開放用温度Tcの夫々を設定して、前記制御部4に記憶させてある。
そして、制御部4は、給水予熱温度センサSpの検出温度が給水予熱用温度Tpになるように給水予熱用比例弁Vpの作動を制御し、二酸化炭素発生温度センサShの検出温度が二酸化炭素発生用温度Thになるように二酸化炭素発生温調用比例弁Vhを制御し、大気開放温度センサScの検出温度が大気開放用温度Tcになるように大気開放時温調用比例弁Vcを制御するように構成してある。
又、前記制御部4は、前記ボイラ3から給水指令信号が出力されると運転を開始し且つボイラ3から給水停止信号が出力されると運転を停止する形態で、前記ボイラ用供給ポンプ24を間欠的に運転し、並びに、前記水位センサ22が前記ボイラ供給用タンク8の水位が設定下限水位以下になったことを検出すると運転を開始し且つ水位センサ22が前記ボイラ供給用タンク8の水位が設定上限水位以上になったことを検出すると運転を停止する形態で、前記加圧用ポンプ6を間欠的に運転するように構成してある。
つまり、給水タンク5内の原料水が前記給水予熱用蒸気通流部16により給水予熱用温度Tpに予熱され、そのように給水予熱用温度Tpに予熱された二酸化炭素発生処理前の原料水が熱回収用熱交換器7にて二酸化炭素発生処理後の原料水との熱交換により更に予熱されつつ、加圧用ポンプ6により加圧されて二酸化炭素発生用加熱器17に供給される。そして、そのように加圧供給される原料水が、その圧力が二酸化炭素発生時圧力調整弁18により二酸化炭素発生用圧力Phに調整される状態で二酸化炭素発生用加熱器17にて二酸化炭素発生用温度Thに加熱された後、二酸化炭素発生時圧力調整弁18から排出され、その二酸化炭素発生時圧力調整弁18から排出された二酸化炭素発生処理後の原料水は、熱回収用熱交換器7にて二酸化炭素発生処理前の原料水との熱交換により、大気開放用温度Tcよりも低い温度にまで冷却された後、大気開放時加熱器20に供給される。そして、そのように供給される二酸化炭素発生処理後の原料水が、その圧力が大気開放時圧力調整弁9により原料水を沸騰させない大気開放用圧力Pcに調整される状態で大気開放時加熱器20にて100°C以上の大気開放用温度Tcに加熱された後、大気開放時圧力調整弁9から大気開放のボイラ供給用タンク8内に排出される。
そして、二酸化炭素発生用加熱器17にて加熱された原料水が二酸化炭素発生時圧力調整弁18から排出される際に、二酸化炭素発生用圧力Phから大気開放用圧力Pcへの減圧によって原料水の一部が蒸発し、その二酸化炭素発生時圧力調整弁18から排出された二酸化炭素発生処理後の原料水には、蒸気、原料水から分離した酸素ガス及び二酸化炭素ガス発生処理により軟水化処理生成物から発生した二酸化炭素ガスが混合した状態になる。
そのように蒸気、酸素ガス及び二酸化炭素ガスが混合した二酸化炭素発生処理後の原料水が沸騰しない状態で100°C以上に加熱された状態で、大気開放時圧力調整弁9から排出される際に、大気開放用圧力Pcから大気圧への減圧によって、原料水の一部がフラッシュ蒸気となり、そのフラッシュ蒸気と共に、原料水に混合されていた蒸気、酸素ガス及び二酸化炭素ガスが大気中に排出されて、原料水が脱気され、そのように脱気された原料水がボイラ供給用タンク8内に貯留される。
そして、ボイラ3から給水指令信号が出力されるとボイラ供給用ポンプ24が運転され、ボイラ3から給水停止信号が出力されるとボイラ供給用ポンプ24が停止されて、ボイラ供給用タンク8内の脱気処理後の原料水が間欠的にボイラ3に供給される。
そして、そのようなボイラ3に対する間欠的な給水に伴って、ボイラ供給用タンク8内
の水位が変動して、水位センサ22にて設定下限水位以下になったことが検出されると加圧用ポンプ6が運転され、水位センサ22にて設定上限水位以上になったことが検出されると加圧用ポンプ6が停止されて、前記ボイラ供給用タンク8内の水位が設定下限水位と設定上限水位との間に維持されるのである。
次に、上述のように構成したボイラ用脱気装置Dを運転するに当たって、原料水通流経路の各部における原料水の温度及び圧力、並びに、各加熱用蒸気の圧力及び温度等を含む運転条件の一例を説明する。
給水予熱用温度Tp、二酸化炭素発生用温度Th、大気開放用温度Tc、二酸化炭素発生用圧力Ph及び大気開放用圧力Pcは、夫々、以下のように設定する。
給水予熱用温度Tp :70°C
二酸化炭素発生用温度Th:140°C
大気開放用温度Tc :105°C
二酸化炭素発生用圧力Ph:0.5MPaG
大気開放用圧力Pc :0.2MPaG
二酸化炭素発生用蒸気供給路19には、二酸化炭素発生用の加熱用蒸気として、0.4MPaG、150°Cの蒸気を通流させ、大気開放用蒸気供給路21には、大気開放時温調用の加熱用蒸気として、0.15MPaG、110°Cの蒸気を通流させる。
そして、原料水の圧力が二酸化炭素発生時圧力調整弁18により0.5MPaGに調整される状態で、原料水が二酸化炭素発生用加熱器17にて0.4MPaG、150°Cの加熱用蒸気を用いて140°Cに加熱され、そのように圧力が0.5MPaGに調整される状態で140°Cに加熱された原料水が二酸化炭素発生時圧力調整弁18から排出されて0.2MPaGに減圧されると、原料水の一部が蒸発して温度が132°C程度になる。
熱回収用熱交換器7においては、70°Cに予熱された二酸化炭素発生処理前の原料水と蒸気が混合された132°Cの二酸化炭素発生処理後の原料水とが熱交換して、二酸化炭素発生処理前の原料水が更に110°Cにまで予熱されると共に、二酸化炭素発生処理後の原料水が100°Cにまで冷却される。
つまり、給水タンク5において70°Cに予熱され、更に、熱回収用熱交換器7にて110°Cにまで予熱された原料水が、二酸化炭素発生用加熱器17にて140°Cに加熱されることになる。
熱回収用熱交換器7において二酸化炭素発生処理前の原料水との熱交換により100°Cにまで冷却された二酸化炭素発生処理後の原料水が、大気開放時加熱器20にて105°Cに加熱され、且つ、その圧力が大気開放時圧力調整弁9により原料水を沸騰させない圧力である0.2MPaGに調整され、そのように圧力が0.2MPaGに調整される状態で105°Cに加熱された原料水が大気開放時圧力調整弁9から大気開放のボイラ供給用タンク8に排出されて、二酸化炭素及び溶存酸素等の気体が脱気されるのである。
以下、本発明の第2及び第3の各実施形態を説明するが、その各実施形態においては、主として前記二酸化炭素発生処理手段Hの構成が異なる以外は第1実施形態と同様に構成してあるので、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として、第1実施形態と異なる二酸化炭素発生処理手段Hの構成を説明する。
〔第2実施形態〕
図2に示すように、この第2実施形態において、二酸化炭素発生処理手段Hは、上記の
第1実施形態において設けた二酸化炭素発生時圧力調整弁18を省略して、二酸化炭素発生用加熱器17のみにて構成してある。
従って、前記大気開放時圧力調整弁9により、前記加圧用ポンプ6から大気開放時圧力調整弁9に至るまで、即ち、前記加圧用ポンプ6の吐出口から、前記処理前原料水流路11、前記二酸化炭素発生用加熱器17の受熱用通流部17t、前記処理後原料水流路12、前記大気開放時加熱器20の被加熱用通流部20tを経由して大気開放時圧力調整弁9の入口に至るまでの原料水通流経路中の原料水の圧力が前記大気開放用圧力Pcに調整されることになる。
前記制御部4の制御動作は、上記の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、上述のように構成したボイラ用脱気装置Dを運転するに当たっての前記運転条件の一例を説明する。
給水予熱用温度Tp、二酸化炭素発生用温度Th、大気開放用温度Tc及び大気開放用圧力Pcは、夫々、以下のように設定する。
給水予熱用温度Tp :70°C
二酸化炭素発生用温度Th:140°C
大気開放用温度Tc :105°C
大気開放用圧力Pc :0.5MPaG
上記の第1実施形態と同様に、二酸化炭素発生用蒸気供給路19には、二酸化炭素発生用の加熱用蒸気として、0.4MPaG、150°Cの蒸気を通流させ、大気開放用蒸気供給路21には、大気開放時温調用の加熱用蒸気として、0.15MPaG、110°Cの蒸気を通流させる。
そして、原料水が、その圧力が大気開放時圧力調整弁9により0.5MPaGに調整される状態で、熱回収用熱交換器7にて二酸化炭素発生処理後の原料水との熱交換により予熱され、続いて、二酸化炭素発生用加熱器17にて140°Cにまで加熱されて二酸化炭素発生処理が施され、続いて、熱回収用熱交換器7にて二酸化炭素発生処理後の原料水との熱交換により105°Cよりも低い温度にまで冷却され、続いて、大気開放時加熱器20にて沸騰しない状態で105°Cにまで加熱された後、大気開放時圧力調整弁9から大気開放のボイラ供給用タンク8に排出されて、二酸化炭素及び溶存酸素等の気体が脱気されるのである。
ちなみに、この第2実施形態では、上記の第1実施形態の如き二酸化炭素発生時圧力調整弁18を設けていないので、熱回収用熱交換器7に流入する二酸化炭素発生処理後の原料水の温度は140°Cである。
従って、この第2実施形態では、熱回収用熱交換器7においては、70°Cに予熱された二酸化炭素発生処理前の原料水と140°Cの二酸化炭素発生処理後の原料水とが熱交換して、二酸化炭素発生処理前の原料水が更に110°Cにまで予熱されると共に、二酸化炭素発生処理後の原料水が100°Cにまで冷却されることになる。
〔第3実施形態〕
図3に示すように、この第3実施形態において、二酸化炭素発生処理手段Hは、原料水を二酸化炭素発生用温度Thに加熱する蒸気ヒータ26(加熱手段に相当する)と、その蒸気ヒータ26にて二酸化炭素発生用温度Thに加熱した原料水を滞留させる滞留部としての密閉容器25と、その密閉容器25内の蒸気ヒータ26にて加熱される原料水を前記大気開放用圧力Pcよりも高い二酸化炭素発生用圧力Phに調整して排出する前記二酸化炭素発生時圧力調整弁18とを備えて構成してある。
前記密閉容器25は、前記処理前原料水流路11を通じて供給される原料水を満杯状態に貯留して、その貯留原料水が前記処理後原料水流路12に流出するように設け、前記蒸気ヒータ26は密閉容器25内に設け、前記二酸化炭素発生時圧力調整弁18は、処理後原料水流路12に介装して、蒸気ヒータ26にて加熱される原料水の圧力を二酸化炭素発生用圧力Phに調整して排出するように構成してある。
前記蒸気ヒータ26には、その熱源として、第1実施形態と同様に、前記二酸化炭素発生用蒸気供給路19を通じて二酸化炭素発生用の加熱用蒸気を通流させるようにしてあり、その二酸化炭素発生用蒸気供給路19には、第1実施形態と同様に、二酸化炭素発生用の加熱用蒸気の通流量を調整する電磁式の二酸化炭素発生温調用比例弁Vhを設けてある。
二酸化炭素発生処理手段Hにて加熱される原料水の温度を検出するための前記二酸化炭素発生温度センサShは、密閉容器25内の原料水の温度を検出するように設けてある。
そして、上記の第1実施形態と同様に、二酸化炭素発生温度センサShの検出温度が二酸化炭素発生用温度Thになるように二酸化炭素発生温調用比例弁Vhを制御することにより、原料水を二酸化炭素発生用温度Thに加熱して、軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させるようになっている。
尚、前記密閉容器25の容量は、その密閉容器25内にて原料水を滞留させる時間と、前記加圧用ポンプ26の吐出流量により設定する。
前記制御部4の制御動作は、上記の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
又、上述のように構成したボイラ用脱気装置Dを運転するに当たっての前記運転条件も、上記の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) ボイラ用脱気装置Dを運転するに当たっての前記運転条件は、上記の各実施形態において例示した条件に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
例えば、二酸化炭素発生用温度Th及び大気開放用温度Tcは、100°C以上で且つ大気開放用温度Tcが二酸化炭素発生用温度Thよりも低くなる条件で、種々に設定可能である。但し、高く設定し過ぎると、フラッシュ蒸気量が多くなって、エネルギー効率が低下することになるので、低く設定するのが好ましく、例えば、二酸化炭素発生用温度Thを130〜140°Cの範囲内に、大気開放用温度Tcは100〜120°Cの範囲内に設定するのが好ましい。
(ロ) 上記の各実施形態においては、前記熱回収用熱交換器7を、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度が前記大気開放用温度Tcよりも低い温度になるように、二酸化炭素発生処理前後の原料水を熱交換させるように構成し、前記温度調節手段Cを、加熱により二酸化炭素発生処理後の原料水の温度を大気開放用温度Tcに調節するように構成する場合について例示したが、これに代えて、前記熱回収用熱交換器7を、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度が大気開放用温度Tcよりも高い温度になるように、二酸化炭素発生処理前後の原料水を熱交換させるように構成し、前記温度調節手段Cを、冷却により二酸化炭素発生処理後の原料水の温度を大気開放用温度Tcに調節するように構成しても良い。
(ハ) 前記二酸化炭素発生処理手段Hを、二酸化炭素発生用温度Thに加熱した原料水を滞留させる滞留部を備えて構成するに当たって、その具体構成は上記の第3実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、上記の第1実施形態において、前記処理後原料水流路12における前記二酸化炭素発生用加熱器17と前記二酸化炭素発生時圧力調整弁18との間の箇所、あるいは、
処理後原料水流路12における二酸化炭素発生時圧力調整弁18と前記熱回収用熱交換器7との間の箇所に、前記滞留部として、上記の第3実施形態と同様の密閉容器25を設けても良い。
又、上記の第2実施形態において、前記処理後原料水流路12における前記二酸化炭素発生用加熱器17と前記熱回収用熱交換器7との間の箇所に、前記滞留部として、上記の第3実施形態と同様の密閉容器25を設けても良い。
(ニ) 二酸化炭素発生処理手段Hや加熱により原料水を温調するように構成した温度調節手段Cの熱源としては、上記の各実施形態において例示した如き加熱用蒸気に限定されるものではない。
例えば、エンジン等の燃焼式原動機の排熱を熱源としたり、バーナを熱源としたり、あるいは、電気ヒータを熱源とするように構成することが可能である。
(ホ) 前記二酸化炭素発生時用圧力調整手段や、大気開放時圧力調整手段の具体構成は、上記の実施形態において例示した自力式の圧力調整弁に限定されるものではない。
例えば、電磁操作式の圧力調整弁と、その電磁操作式の圧力調整弁の上流側の原料水の圧力を検出する圧力センサを設けて、前記制御部4を、前記圧力センサの検出圧力が設定圧力になるように電磁操作式の圧力調整弁の作動を制御するように構成して、前記各圧力調整手段を前記電磁操作式の圧力調整弁、前記圧力センサ及び前記制御部4を備えて構成しても良い。
但し、ボイラ用脱気装置の低廉化をできるだけ図るためには、前記各圧力調整手段を上記実施形態の如き自力式の圧力調整弁にて構成するのが好ましい。
(ヘ) 上記の実施形態においては、本発明をボイラへの原料水の供給を間欠的に行う場合に適用して、前記加圧用ポンプ11を間欠的に運転するように構成する場合について例示したが、本発明はボイラへの原料水の供給を連続的に行う場合にも適用可能であり、その場合は、前記加圧用ポンプ11を連続して運転するように構成することになる。
第1実施形態に係るボイラ用脱気装置を備えたボイラ設備のブロック図 第2実施形態に係るボイラ用脱気装置を備えたボイラ設備のブロック図 第3実施形態に係るボイラ用脱気装置を備えたボイラ設備のブロック図 従来のボイラ用脱気装置を備えたボイラ設備のブロック図 水に対する酸素の溶解度を示す図
符号の説明
2 軟水器
3 ボイラ
6 加圧用ポンプ
7 熱回収用熱交換器
8 排出部
9 大気開放時圧力調整手段
17,26 加熱手段
18 二酸化炭素発生時圧力調整手段
25 滞留部
C 温度調節手段
H 二酸化炭素発生処理手段

Claims (5)

  1. 軟水器にて軟水化処理されてボイラに供給される原料水を加熱して脱気するように構成されたボイラ用脱気装置であって、
    前記軟水器にて軟水化処理されたのち加圧用ポンプにて加圧されて供給される原料水を100°Cよりも高い二酸化炭素発生用温度に加熱して、軟水化処理により生成されて原料水に含有される軟水化処理生成物から二酸化炭素ガスを発生させる二酸化炭素発生処理を行う二酸化炭素発生処理手段と、
    その二酸化炭素発生処理手段に供給される二酸化炭素発生処理前の原料水と前記二酸化炭素発生処理手段から排出された二酸化炭素発生処理後の原料水とを熱交換させて、二酸化炭素発生処理前の原料水を予熱する熱回収用熱交換器と、
    その熱回収用熱交換器にて熱交換させた後の二酸化炭素発生処理後の原料水を100°C以上で且つ前記二酸化炭素発生用温度よりも低い大気開放用温度に調節する温度調節手段と、
    その温度調節手段にて温度調節される二酸化炭素発生処理後の原料水を沸騰させない大気開放用圧力に調整して、大気に開放された排出部に排出する大気開放時圧力調整手段とが設けられているボイラ用脱気装置。
  2. 前記二酸化炭素発生処理手段が、原料水を前記二酸化炭素発生用温度に加熱する加熱手段と、その加熱手段にて加熱される原料水を前記大気開放用圧力よりも高い二酸化炭素発生用圧力に調整して排出する二酸化炭素発生時圧力調整手段とを備えて構成されている請求項1記載のボイラ用脱気装置。
  3. 前記大気開放時圧力調整手段により、前記加圧用ポンプから前記大気開放時圧力調整手段に至る経路中の原料水の圧力が前記大気開放用圧力に調整されるように構成されている請求項1記載のボイラ用脱気装置。
  4. 前記熱回収用熱交換器により、二酸化炭素発生処理後の原料水の温度が前記大気開放用温度よりも低い温度になるように、二酸化炭素発生処理前の原料水と二酸化炭素発生処理後の原料水とを熱交換させるように構成され、
    前記温度調節手段が、加熱により二酸化炭素発生処理後の原料水の温度を前記大気開放用温度に調節するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載のボイラ用脱気装置。
  5. 前記二酸化炭素発生処理手段に、前記二酸化炭素発生用温度に加熱した原料水を滞留させる滞留部を備えて構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のボイラ用脱気装置。
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