JP4266110B2 - 磁気共鳴映像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療分野で利用される磁気共鳴映像装置に関する
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴映像(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置は、核磁気共鳴現象を利用して、空間的な核磁化分布を画像化する画像診断装置である。主に人体の水素原子密度、緩和時間、血流情報等を利用して、軟部組織において優れたコントラストをもつ画像を収集でき、医用画像診断において重要な位置を占めている。この磁気共鳴映像装置は、例えば、静磁場発生用の主磁石、被検体に高周波磁場を照射するための照射コイル、被検体からNMR信号を受信するための受信コイル、傾斜磁場を生成するための傾斜磁場コイル装置を有している。
【0003】
磁気共鳴映像の画質は、様々な要因によって影響を受ける。その一つの要因として、渦電流が挙げられる。これは、例えば傾斜磁場コイル装置に流れるパルス電流により主磁石の外壁や傾斜磁場コイル等に発生する電流であり、アーチファクトの原因となるものである。
【0004】
この渦電流の発生を抑制する技術として、アクティブシールド傾斜磁場コイル装置(Actively Shielded Gradient Coil:以下「ASGC」と称する。)と呼ばれるものがある。この技術は、傾斜磁場コイル装置をメインコイルとシールドコイルとの二層で構成し、それそれに逆向きの電流を供給することで、それぞれが発生する磁場を相殺させて渦電流の発生を抑制するものである。
【0005】
ところで、近年、磁気共鳴映像装置の架台(静磁場発生用磁石、ASGC等を含む)の長さは、短くなる傾向にある。これは、静磁場磁石等に囲まれた狭い空間となる架台に入る患者に、閉塞感を与えないようにするためである。
【0006】
しかしながら、ASGCが静磁場発生用磁石より短くなると、当該ASGC端部からの漏れ磁場が大きくなり、電磁カップリングが誘起される。この電磁カップリングは、当該ASGC等に渦電流を発生させ、これを原因とするアーチファクトや騒音を発生させる。
【0007】
この問題の一解決策として、例えば、静磁場発生用磁石内をFRP化する等、非導電化することで渦電流の発生を防止し、静音化を実現する方法が開示されている(例えば、William A. EDELSTEIN, et al 「Making MRI Quiet」:Proc. Intl. Soc. Mag. Reson. Med9, 611(2001、又はRobert A. HEDEEN, et al 「Vibroacoustic Modeling of Noise in Magnetic Resonance Imagers」:Proc. Intl. Soc. Mag. Reson.Med9, 1751(2001)。しかしながら、この方法は、既に導入されているシステムに対しては適用できないため、従来機種からのアップグレードでは実現することができない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、ASGCが静磁場発生用磁石より短い場合であっても、アーチファクトや騒音を抑制することができる磁気共鳴映像装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0010】
請求項1に記載の発明は、静磁場領域に存在する被検体から発生した磁気共鳴信号を受信し、磁気共鳴画像を生成する磁気共鳴映像装置であって、前記被検体を配置するための空間を有し、前記静磁場を発生する円筒形の磁石と、前記磁石の長手方向に関して当該磁石よりも短軸化され、前記被検体を配置するための前記空間内に設けられる真空空間に配置される傾斜磁場コイル装置と、を具備し、前記傾斜磁場コイル装置は、前記静磁場領域内の所定の領域に傾斜磁場を供給する第1のコイルと、前記所定の領域外に漏れた前記傾斜磁場を相殺するための磁場を発生する第2のコイルと、を有するシールド型コイルと、前記真空空間内に配置され、前記シールド型コイルの少なくとも一方の端部から漏れる磁場を遮断するための磁場遮断手段と、を有すること、を特徴とする磁気共鳴映像装置である。
【0012】
このような構成によれば、ASGCが静磁場発生用磁石より短い場合であっても、アーチファクトや騒音を抑制することができる磁気共鳴映像装置を実現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0014】
図1は、本実施形態に係る磁気共鳴映像装置の構成を示すブロック図である。同図において、磁気共鳴映像装置10は、静磁場磁石11、傾斜磁場コイル装置13、シムコイル12、高周波コイル14、傾斜磁場コイル装置電源16、シムコイル電源17、送信部18、受信部19、データ収集部20、シーケンス制御部21、計算機システム22、コンソール23、ディスプレイ24を具備している。
【0015】
静磁場磁石11は、静磁場を発生する磁石であり、一様な静磁場を発生する。この静磁場磁石11には、例えば永久磁石、超伝導磁石等が使用される。
【0016】
傾斜磁場コイル装置13は、静磁場磁石11の内側に設けられ、且つ静磁場磁石11よりも短軸であり、傾斜磁場コイル装置電源16から供給されるパルス電流を傾斜磁場に変換する。この傾斜磁場コイル装置13が発生する傾斜磁場によって、信号発生部位(位置)が特定される。
【0017】
また、傾斜磁場コイル装置13は、アクティブシールド傾斜磁場コイル装置(Actively Shielded Gradient Coil:以下「ASGC」と称する。)としての機能を有している。さらに、傾斜磁場コイル装置13は、パルス電流の印加による磁場の変動によって発生する渦電流を抑制するための磁場遮断部を有している(図2参照)。これについては、後で詳しく説明する。
【0018】
なお、本実施形態において、傾斜磁場コイル装置13及び静磁場磁石11は円筒形をしており、また、傾斜磁場コイル装置13は所定の支持機構によって真空中に配置される。これは、静音化の観点から、パルス電流の印加によって発生する傾斜磁場コイル装置13の振動を、音波として外部に伝播させないためである。
【0019】
シムコイル12は、静磁場磁石11の内側に設けられており、能動的に磁場の均一性を高めるためのコイルである。このシムコイル12は、シムコイル電源17により駆動される。
【0020】
このシムコイル12及び傾斜磁場コイル装置13により、図示しない被検体に一様な静磁場と、互いに直交するX,Y,Zの三方向に線形傾斜磁場分布を持つ傾斜磁場が印加される。なお、Z軸方向は、本実施形態では静磁場の方向と同方向にとるものとする。
【0021】
高周波コイル(RFコイル)14は、被検体の撮像領域に対して、磁気共鳴信号を発生させるための高周波パルスを印加する送信用高周波コイルと、被検体の近傍、好ましくは密着させた状態で当該被検体を挟むように設置され、被検体から磁気共鳴を受信する受信用高周波コイルとからなる。当該高周波コイル14は、一般的には、部位別に専用の形状を有する。
【0022】
送信部18は、発振部、位相選択部、周波数変換部、振幅変調部、高周波電力増幅部(それぞれ図示せず)を有しており、ラーモア周波数に対応する高周波パルスを送信用高周波コイルに送信する。当該送信によって高周波コイル14から発生した高周波によって、被検体の所定の原子核の磁化は、励起状態となる。
【0023】
受信部19は、増幅部、中間周波数変換部、位相検波部、フィルタ、A/D変換器(それぞれ図示せず)を有する。受信部19は、高周波コイル14から受信した、核の磁化が励起状態から基底状態に緩和するとき放出する磁気共鳴信号(高周波信号)に対して、増幅処理、発信周波数を利用した中間周波数変換処理、位相検波処理、フィルタ処理、A/D変換処理を施す。
【0024】
データ収集部20は、受信部19によってサンプリングされたディジタル信号を収集する。
【0025】
シーケンス制御部21は、傾斜磁場コイル装置電源16、シムコイル電源17、送信部18、受信部19およびデータ収集部20を制御する。
【0026】
計算機システム22は、計算機システム22はコンソール23から入力される指令に基づいて、シーケンス制御部21を制御する。また、計算機システム22は、データ収集部20から入力した磁気共鳴信号に対して後処理、すなわちフーリエ変換等の再構成等を実行し、被検体内の所望核スピンのスペクトルデータあるいは画像データを求める。
【0027】
コンソール23は、オペレータからの各種指示・命令・情報をとりこむため入力装置(マウスやトラックボール、モード切替スイッチ、キーボード等)を有している。
【0028】
ディスプレイ24は、計算機システム22から入力したスペクトルデータあるいは画像データ等を表示する出力手段である。
【0029】
(傾斜磁場コイル装置)
次に、傾斜磁場コイル装置13の構成の詳細について、図2を参照しながら説明する。本傾斜磁場コイル装置13は、磁場を能動的に遮蔽する(ActiveShield)機能と受動的に遮蔽する(Passive Shield)機能とを併用したハイブリッド傾斜磁場コイル装置(Hybrid ShieldGradient Coil:以下「HSGC」と称する)である。
【0030】
図2(a)は、傾斜磁場コイル装置13の長手方向に沿った断面の一部(下半分)を示した図である。図2(a)に示すように、傾斜磁場コイル装置13は、磁場を能動的に遮蔽する機能を有するASGC130と、磁場を受動的に遮断する磁場遮断部131を有している。
【0031】
ASGC130は、傾斜磁場を生成するためのメインコイル13aと、当該メインコイルによる漏れ磁場を外部においてキャンセルするシールドコイル13bとから構成されている(図6、図8参照)。メインコイル13aとシールドコイル13bとには、それぞれで発生する磁場を能動的に相殺させるように、逆向きの電流が供給される。
【0032】
磁場遮断部131は、銅、アルミ等の導電性金属からなり、ASGC130の両端に沿って設けられる。本実施形態ではASGC130は円筒形であるから、磁場遮断部131は、ASGC130の端部に沿った円筒形である。また、磁場遮断部131は、ASGC130の端部から漏れる磁場を効果的に遮断するための突出部1310を有している。なお、磁場遮断部131は電磁カップリングにて振動し、騒音源となり得る。これを防止するため、磁場遮断部131を静磁場磁石11とは独立した機構によって支持、又は静磁場磁石11に防振材を設けこれにより支持することで、静磁場磁石11に振動を伝えないようにする。
【0033】
パルス電流に伴いASGC130の端部から発生される磁場は、この磁場遮断部131とカップリングすることで遮断される。なお、磁場遮断部131の中心軸方向(図2(a)中のz方向)の長さは、ASGC130端部から漏れる磁場を十分に遮断できるよう、適当に選択すればよい。
【0034】
図2(b)は、傾斜磁場コイル装置13の変形例を示した図である。図2(b)の例では、傾斜磁場コイル装置13は、ASGC130の両端に沿って設けられており、且つASGC130の端面の少なくとも一部を回り込み部1320により被覆する磁場遮断部132を有している。この様な磁場遮断部132によっても、ASGC130の端部から発生される磁場を十分に遮断することができる。
【0035】
なお、磁場を受動的に遮断する磁場遮断部は、上記図2(a)、(b)に示した形態に限られず、各システムの形態に対応した適切な形態を取ることが好ましい。例えば次に示す図3(a)、(b)、図4(a)、(b)に示す形態であってもよい。
【0036】
図3(a)に示す傾斜磁場コイル装置13は、ASGC130のハウジングと静磁場磁石11のハウジングとの間の空間に、ASGC130を囲むように設けられ、且つ、z方向に関してASGC130よりも長い(すなわち、突出部1330を有する)磁場遮断部133を有している。また、図3(b)に示す傾斜磁場コイル装置13は、ASGC130のハウジングと静磁場磁石11のハウジングとの間の空間に、ASGC130を囲むように設けられ、且つASGC130の端面の少なくとも一部を回り込み部1340で被覆する磁場遮断部132を有している。
【0037】
また、図4(a)は、対向型の静磁場磁石11を有する磁気共鳴映像装置10の架台の一部を示した図である。この様な対向型の場合の磁場遮断部134は、図4(b)に示すように、ASGC130のハウジングと静磁場磁石11のハウジングとの間の空間において、ASGC130のハウジングにテープ、接着剤等で強固に固定する形態とすればよい。
【0038】
この様に、各システムの形態に対応した適切な磁場遮断部によって、ASGC130の端部から発生される磁場を十分に遮断することができる。
【0039】
次に、傾斜磁場コイル装置13の作用を、磁場遮断部の機能を中心に、従来の傾斜磁場コイル装置と比較しながら説明する。
【0040】
図5は、従来の傾斜磁場コイル装置50(静磁場発生用磁石よりも短軸化されたもの)にパルス電流を印加した場合形成される磁場の分布を示した図である。同図に示すように、傾斜磁場コイル装置50の端部近傍において特に磁束密度が大きく、従って磁場と静磁場磁石との電磁カップリングが発生する環境にある。
【0041】
一方、図7は、本傾斜磁場コイル装置13にパルス電流を印加した場合形成される磁場の分布を示した図である。図7と図5とを比較すると、磁場遮断部の磁場遮断機能により、明らかに傾斜磁場コイル装置13の端部近傍において磁束密度が小さくなっており、従って磁場と静磁場磁石との電磁カップリングが抑制されている。発明者らの実験によれば、本傾斜磁場コイル装置13が発生する磁場と静磁場磁石との電磁カップリングを原因として、シールドコイル13bの端部に発生する渦電流は、図8の領域R2(ASGCの端部)にて最大であり、また、図6の領域R1(ASGCの端部)に発生した渦電流に比して1/17まで低減されていることがわかった。また、計算誤差を加味しても、従来に比して20dB以上の電磁カップリングの抑制効果があった。
【0042】
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本磁気共鳴映像装置では、傾斜磁場コイル装置に設けられた磁場遮断部によって、ASGCの端部から発生される磁場を十分に遮断する。従って、傾斜磁場コイル装置が発生する磁場と静磁場磁石との電磁カップリングを抑制することができる。その結果、ASGCが静磁場発生用磁石より短い場合であっても、アーチファクトを発生させず、質の高い磁気共鳴映像を提供することができる。
【0043】
本磁気共鳴映像装置は、既存のシステムのASGCに磁場遮断部を設けるだけで実現することができる。従って、高価な静磁場発生用磁石、傾斜磁場コイル装置等を交換することなく、従来機種からのアップグレードで実現することができる。
【0044】
磁場遮断部は、銅、アルミ等の導電性金属からなり、比較的低コストである。また、磁場遮断部は、接着剤、固定器具等の通常の手法により簡単にASGCに設置することができる。従って、簡便かつ低コストにて、本磁気共鳴映像装置を実現することができる。
【0045】
また、本磁気共鳴映像装置によれば、以下の理由により、撮影時の騒音を低減することができる。すなわち、一般に、磁気共鳴映像装置の動作時における騒音の原因として、傾斜磁場コイル装置の振動自体が直接空気を振動させること、傾斜磁場コイル装置の振動が支持機構を介して外部の空気を振動させること、傾斜磁場コイル装置が発生する磁場と静磁場磁石との電磁カップリングにより、静磁場磁石が外部の空気を振動させること、等が考えられる。本磁気共鳴映像装置では、傾斜磁場コイル装置に設けられた磁場遮断部の働きによって、傾斜磁場コイル装置が発生する磁場と静磁場磁石との電磁カップリングを抑制されるから、静磁場磁石が空気を振動させることを防止することができる。また、傾斜磁場コイル装置は真空内に配置されているから、傾斜磁場コイル装置の振動の空気への伝播を防止することができる。
【0046】
(第2の実施形態)
第1の実施形態においては、磁場遮断部131の磁場遮断機能により、従来と比較して傾斜磁場と静磁場磁石との電磁カップリングを顕著に抑制することができた(図5及び図7参照。)。しかしながら、図7において、静磁場磁石11の端点近傍領域Aにおいては、磁場の分布が未だ密となっており、傾斜磁場と静磁場磁石との電磁カップリングを誘発しやすい。このカップリングは、静磁場磁石の端面を振動させ、太鼓をたたく原理と同様に作用することとなり、大きな騒音の原因にもなる。
【0047】
そこで、第2の実施形態では、この静磁場磁石11の端点付近の磁場の密集を緩和し、傾斜磁場と静磁場磁石との電磁カップリングをより良好に抑制するHSGCとしての傾斜磁場コイル装置、及びこれ有する磁気共鳴映像装置について説明する。
【0048】
図9(a)は、本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置13の長手方向に沿った断面の一部を示した図である。図9(a)に示すように、傾斜磁場コイル装置13は、磁場を受動的に遮断するための磁場遮断部31を具備している。この磁場遮断部31は、ASGC130端部から漏れる磁場を効果的に遮断するための突出部310と、静磁場磁石11の端部から漏れる磁場を効果的に遮断するため静磁場磁石11の端面に回り込む回り込み部33と、を有している。なお、第1の実施形態と同様に、磁場遮断部31は銅、アルミ等の導電性金属からなり、ASGC130の両端の輪郭に沿って設けられている。また、磁場遮断部31と静磁場磁石11との間は、防振材(図示せず)が設けられている。
【0049】
パルス電流に伴いASGC130の端部から発生される磁場は、この磁場遮断部31とカップリングすることで遮断される。特に、回り込み部33が傾斜磁場又は静磁場磁石と電磁カップリングすることで、静磁場磁石11の端点近傍(図7領域A)での磁場の発生を抑制することができる。なお、磁場遮断部31は、傾斜磁場又は静磁場磁石との電磁カップリングにより激しく振動するが、この振動は、ASGC130と静磁場磁石11との間に設けられた防振材によって吸収することができる。
【0050】
図9(b)は、本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置13の変形例を示した図である。図9(b)の例では、磁場遮断部32は、ASGC130の長手方向に沿って設けられており、且つ突出部310と静磁場磁石11の端面に回り込む回り込み部33とを有している。この様な磁場遮断部32によっても、ASGC130の端部から発生される磁場を十分に遮断することができる。
【0051】
なお、発明者らの実験によれば、回り込み部33は、静磁場磁石11の端面の略20%以上を覆う面積を有することが好ましい。
【0052】
また、図10(a)、(b)に示すように、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせた構成であってもよい。すなわち、図10(a)、(b)に示すように、磁場遮断部35、36は、ASGC130端部から漏れる磁場を効果的に遮断するための突出部310及び第1の回り込み部350と、静磁場磁石11の端部から漏れる磁場を効果的に遮断するため静磁場磁石11の端面に回り込む回り込み部33と、を有する構成であってもよい。この様な構成により、より確実にASGC130端部から漏れる磁場と静磁場磁石11の端部から漏れる磁場とのカップリングを防止することができる。
【0053】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0054】
例えば、各実施形態においては、傾斜磁場コイル装置側に、磁場を受動的に遮断するための磁場遮断部を設けた構成として説明した。これに対し、磁場遮断部を設ける目的は、傾斜磁場コイル装置による磁場と静磁場磁石による磁場との電磁カップリングを防止することであるから、同様の目的を果たす磁場遮断部を、静磁場磁石側に設ける構成であってもよい。
【0055】
また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0056】
【発明の効果】
以上本発明によれば、ASGCが静磁場発生用磁石より短い場合であっても、アーチファクトや騒音を抑制することができる磁気共鳴映像装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施形態に係る磁気共鳴映像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置の長手方向に沿った断面の一部を示した図である。図2(b)は、磁場遮断部を有する傾斜磁場コイル装置の変形例を示した図である。
【図3】図3(a)、(b)は、磁場遮断部を有する本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置の変形例を示した図である。
【図4】図4(a)は、対向型の静磁場磁石を有する磁気共鳴映像装置の架台の一部を示した図である。図4(b)は、磁場遮断部を有する本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置の変形例を示した図である。
【図5】図5は、従来の傾斜磁場コイル装置(静磁場発生用磁石よりも短軸化されたもの)にパルス電流を印加した場合形成される磁場の分布を示した図である。
【図6】図6は、従来の傾斜磁場コイル装置、及び静磁場発生用磁石の端部の断面図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置にパルス電流を印加した場合形成される磁場の分布を示した図である。
【図8】図8は、本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置、及び静磁場発生用磁石の端部の断面図である。
【図9】図9(a)は、本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置13の長手方向に沿った断面の一部を示した図である。図9(b)は、本実施形態に係る傾斜磁場コイル装置13の変形例を示した図である。
【図10】図10(a)、(b)は、第1の実施形態又は第2の実施形態の変形例を示した図である。
【符号の説明】
10…磁気共鳴映像装置
11…静磁場磁石
12…シムコイル
13…傾斜磁場コイル装置
13a…メインコイル
13b…シールドコイル
14…高周波コイル
16…傾斜磁場コイル装置電源
17…シムコイル電源
18…送信部
19…受信部
20…データ収集部
21…シーケンス制御部
22…計算機システム
23…コンソール
24…ディスプレイ
31、32、35、36…磁場遮断部
33…回り込み部
50…傾斜磁場コイル装置
50b…シールドコイル
130…ASGC
131…磁場遮断部
132…磁場遮断部
133…磁場遮断部
310、1310、1330…突出部
350、1320、1340…回り込み部

Claims (12)

  1. 静磁場領域に存在する被検体から発生した磁気共鳴信号を受信し、磁気共鳴画像を生成する磁気共鳴映像装置であって、
    前記被検体を配置するための空間を有し、前記静磁場を発生する円筒形の磁石と、
    前記磁石の長手方向に関して当該磁石よりも短軸化され、前記被検体を配置するための前記空間内に設けられる真空空間に配置される傾斜磁場コイル装置と、
    を具備し、
    前記傾斜磁場コイル装置は、前記静磁場領域内の所定の領域に傾斜磁場を供給する第1のコイルと、前記所定の領域外に漏れた前記傾斜磁場を相殺するための磁場を発生する第2のコイルと、を有するシールド型コイルと、
    前記真空空間内に配置され、前記シールド型コイルの少なくとも一方の端部から漏れる磁場を遮断するための磁場遮断手段と、を有すること、
    を特徴とする磁気共鳴映像装置。
  2. 前記磁場遮断手段は、導電性金属からなることを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像装置。
  3. 前記磁場遮断手段は、前記シールド型コイルの少なくとも一方の端部に設けられ、当該少なくとも一方の端部から前記シールド型コイルの長手方向に突出する突出部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴映像装置。
  4. 前記磁場遮断手段は、前記シールド型コイルの少なくとも一方の端部に設けられ、当該少なくとも一方の端部の前記シールド型コイルの長手方向に垂直な方向と平行な面の少なくとも一部を被覆する回り込み部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴映像装置。
  5. 前記磁場遮断手段は、前記シールド型コイルの長手方向に平行な当該シールド型コイルの面を覆い、且つ前記シールド型コイルの長手方向に突出する突出部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴映像装置。
  6. 前記磁場遮断手段は、前記シールド型コイルの長手方向に平行な当該シールド型コイルの面を覆い、且つ前記シールド型コイルの少なくとも一方の端部の前記シールド型コイルの長手方向に垂直な方向と平行な面の少なくとも一部を被覆する回り込み部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴映像装置。
  7. 前記磁場遮断手段は、
    前記シールド型コイルの少なくとも一方の端部に設けられ、前記少なくとも一方の端部から前記シールド型コイルの長手方向に突出する突出部と、
    前記磁石の前記長手方向の端部の少なくとも一方の端面の少なくとも一部を被覆する回り込み部と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴映像装置。
  8. 前記磁場遮断手段は、前記シールド型コイルの長手方向に平行な当該シールド型コイルの面を覆い、且つ
    前記シールド型コイルの少なくとも一方の端部に設けられ、前記少なくとも一方の端部から前記シールド型コイルの長手方向に突出する突出部と、
    前記磁石の前記長手方向の端部の少なくとも一方の端面の少なくとも一部を被覆する回り込み部と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴映像装置。
  9. 前記磁場遮断手段は、
    前記シールド型コイルの少なくとも一方の端部に設けられ、前記シールド型コイルの少なくとも一方の前記端部から前記シールド型コイルの長手方向に突出する突出部と、
    前記シールド型コイルの少なくとも一方の前記端部の前記シールド型コイルの長手方向に垂直な方向と平行な面の少なくとも一部を被覆する第1の回り込み部と、
    前記磁石の前記長手方向の端部の少なくとも一方の端面の少なくとも一部を被覆する第2の回り込み部と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴映像装置。
  10. 前記磁場遮断手段は、前記シールド型コイルの長手方向に平行な当該シールド型コイルの面を覆い、且つ
    前記シールド型コイルの少なくとも一方の端部に設けられ、前記シールド型コイルの少なくとも一方の前記端部から前記シールド型コイルの長手方向に突出する突出部と、
    前記シールド型コイルの少なくとも一方の前記端部の前記シールド型コイルの長手方向に垂直な方向と平行な面の少なくとも一部を被覆する第1の回り込み部と、
    前記磁石の前記長手方向の端部の少なくとも一方の端面の少なくとも一部を被覆する第2の回り込み部と、
    を有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴映像装置。
  11. 前記磁場遮断手段と前記磁石との間に設けられ、前記磁場遮断手段の振動を吸収する防振材をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項記載の磁気共鳴映像装置。
  12. 前記磁場遮断手段は、前記磁石とは空間的に接触していないことを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか一項記載の磁気共鳴映像装置。
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