JP4265276B2 - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CeO 2 ZrO 2 Al 2 O 3 系複合酸化物を担体とする排ガス浄化用触媒に関する。本発明の排ガス浄化用触媒は、高い耐久性を備えている。
【0002】
【従来の技術】
CeO2は酸素吸放出能(以下、 OSCという)を有するため、内燃機関からの排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒の助触媒として広く用いられている。また、 OSCを高めるためには比表面積を大きくすることが望ましいため、CeO2は粉末状態として用いられている。
【0003】
しかしながら、排ガス浄化用触媒に用いる場合には、高温における浄化活性が高いことが必要である。そのためCeO2には、粉末として高比表面積をもつようにして用いた場合においても、高温での使用時に比表面積の低下が生じないこと、つまり耐熱性に優れていることが要求されている。
【0004】
そこで従来より、CeO2にZrO2や希土類元素の酸化物を固溶させることが提案されている。例えば特開平04−055315号公報には、セリウムの水溶性塩とジルコニウムの水溶性塩の混合水溶液からCeO2とZrO2とを共沈させ、それを熱処理する酸化セリウム微粉体の製造方法が開示されている。この製造方法によれば、共沈物を熱処理することによりCeO2とZrO2とが互いに固溶した酸化物固溶体が生成する。
【0005】
また特開平04−284847号公報には、含浸法又は共沈法により、ZrO2又は希土類元素の酸化物とCeO2とが固溶した粉末を製造することが示されている。
【0006】
しかしながら従来のCeO2−ZrO2固溶体では、 OSCがまだ十分とはいえず、その改善が強く望まれていた。そこで特開平09−221304号公報には、ZrO2の固溶度が50%以上であり、かつ粒子中の結晶子の平均径が 100nm以下であるCeO2−ZrO2固溶体粒子が提案されている。このCeO2−ZrO2固溶体によれば、Zr/(Ce+Zr)のモル比が0.25〜0.75の範囲にありCeO2量が比較的多いため、 300℃以上において 250〜 800μmol O2/g以上と優れた OSCを示す。
【0007】
また特開平11−165067号公報には、セリウム( III)化合物とジルコニウム(IV)化合物の混合物又は共沈物を 500〜1000℃の非酸化性雰囲気で加熱し、熱分解してセリウム( III)−ジルコニウム(IV)複合酸化物を形成し、次いで、これを 400〜1000℃の酸化性雰囲気下に加熱してなるCeO2−ZrO2複合酸化物が開示されている。このようにして得られるCeO2−ZrO2複合酸化物はパイロクロア類似構造を有する立方晶であり、高い OSCを示す。
【0008】
ところがこれらのCeO2−ZrO2複合酸化物においては、特開平11−165067号公報の図3からも明らかなように、 400℃を超える温度では高い OSCを示すものの、
300℃以下の低温域では OSCを示さない。したがって自動車の排ガス浄化用触媒などとして用いた場合には、始動時などの低温域における浄化活性の向上が困難である。また、 800〜1000℃に加熱保持しているためにCeO2−ZrO2複合酸化物の比表面積の低下が避けられず、排ガス浄化用助触媒として用いた場合には実用的な高い浄化活性を得ることは困難である。
【0009】
また特開平08−103650号公報には、さらに酸化ハフニウムを含み、それを還元処理後に酸化処理してなるCeO2−ZrO2複合酸化物が開示され、1000μmol O2/g以上の高い OSCを示すことが記載されている。そして 300℃程度でも僅かに OSCが発現されることが記載されている。
【0010】
しかし従来のCeO2−ZrO2複合酸化物においては、高い OSCを示すCeO2量が比較的多い範囲で用いられるため、 200〜 300℃の低温域では排ガス中の硫黄酸化物とCeが反応して硫酸セリウムが生成し、CeO2−ZrO2固溶体が分解するという問題がある。また 200℃程度の低温域における OSCが低すぎるために、実用的でないという問題もある。
【0011】
さらに特開2003−073123号公報には、CeO2と、ZrO2と、CeO2及びZrO2と反応しない金属酸化物との複合酸化物からなり、Ce及びZrが規則配列したパイロクロア相をもつ複合酸化物に、貴金属を担持した排ガス浄化用助触媒が開示されている。この複合酸化物では、CeO2及びZrO2と反応しない金属酸化物がCeO2−ZrO2複合酸化物の間に介在しているため、互いに障壁となるために粒成長が抑制され高い比表面積を有する。そしてこの複合酸化物は、Ce及びZrが規則配列したパイロクロア相を有しているため、特開平11−165067号公報に記載の複合酸化物と同様に高い OSCが発現される。したがってこの複合酸化物に貴金属を担持してなる排ガス浄化用助触媒は、高い比表面積と高い OSCとを併せ持ち、実用的な高い浄化活性が発現される。
【0012】
【特許文献1】
特開平04−055315号
【特許文献2】
特開平08−103650号
【特許文献3】
特開平09−221304号
【特許文献4】
特開平11−165067号
【特許文献5】
特開2003−073123号
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら特開2003−073123号公報に開示の助触媒でも、主としてRhを触媒貴金属として用いる場合に多くのCeO2が含まれていると、耐久試験時の高温酸化雰囲気下でRhとCeO2との固相反応が進行して活性が低下するという不具合があった。またCeO2が極端に少なくても十分な OSCが発現されず、好ましくない。
【0014】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、特開2003−073123号に記載の助触媒をさらに改良して、高温耐久試験後においてもRhの劣化を抑制し、より活性の高い排ガス浄化用触媒とすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、Ce Zr モル比が 85 15 75 25 、又は 30 70 0.5 99.5 でありさらに Al 2 O 3 を含む複合酸化物を非酸化性雰囲気において 700 1200 ℃で熱処理されてなる担体に少なくとも Rh を担持してなり、 500℃の還元雰囲気に1分間以上晒した後に含有されるセリウム酸化物がCeO2-x(x= 0.3〜 0.5)であることにある。
【0017】
複合酸化物は、少なくとも一部でCeとZrとが規則配列した構造をもつことが好ましい。また複合酸化物は、Ce/Zrモル比が25/75〜1/99であることがより好ましい。
【0018】
さらに複合酸化物は、混合溶液からの共沈後に沈殿物を熟成し、その後焼成することで得られたものであることが好ましい。
【0020】
Rhは、複合酸化物を還元雰囲気又は非酸化雰囲気において熱処理した後に担持されてもよいし、Rhを担持した複合酸化物を熱処理することもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化用触媒は、Ce Zr モル比が 85 15 75 25 、又は 30 70 0.5 99.5 でありさらに Al 2 O 3 を含む複合酸化物を非酸化性雰囲気において 700 1200 ℃で熱処理されてなる担体に Rh を担持し、 500℃の還元雰囲気に1分間以上晒した場合に、含有されるセリウム酸化物がCeO2-x(x= 0.3〜 0.5)である。このような担体を用いることによって、塩基性酸化物であるCeO2とRhとの固相反応が抑制され、かつCeO2による OSCとがバランスされるため、本発明の触媒は劣化が抑制され耐久後も高い活性を示す。
【0023】
本発明の触媒の担体として用いられるセリウム酸化物を含む複合酸化物は、非酸化性雰囲気において 700〜1200℃で熱処理されてなる。 700 1100 の範囲とすることがより好ましい。以下、CeO2−ZrO2複合酸化物について作用機構を説明する。
【0024】
CeO2−ZrO2複合酸化物を非酸化性雰囲気下にて 700〜1200℃の温度範囲で熱処理することによって、Rh 担持し 500℃の還元雰囲気に1分間以上晒した場合に、含有されるセリウム酸化物はCeO2-x(x= 0.3〜 0.5)となる。またCeO2−ZrO2相におけるCeイオンとZrイオンの少なくとも一部が規則配列する。熱処理温度は、 700〜1100℃の範囲とすることが特に好ましい。
【0025】
通常のCeO2−ZrO2複合酸化物は固溶体を形成しているが、単位格子内でのCeとZrの配列に規則性はない。 OSCが発現される機構は、単位格子内のCeが Ce(III)とCe(IV)の間で価数変化を起こす際に電気的中性の原理によって酸素原子が放出されるものであり、この際放出される酸素は、バルクの場合、Zrに対して4配位した酸素原子であると考えられている。完全な規則配列を有しない通常のCeO2−ZrO2複合酸化物では、Zrに対して4配位した酸素原子が理論値限界まで存在しないこと、並びにCeがCe(IV)から Ce(III)に変化する際、イオン半径が0.86Åから1.15Åへ増大することによって格子に歪みが生じることから、理論限界値までの酸素原子は放出されない。
【0026】
しかしパイロクロア構造などではCeとZrとが規則的に配列し、酸素原子に対して規則的に配列しているため、放出可能な酸素原子を十分に格子内に保有し、かつCeの価数変化に伴う格子の歪みを最小限にまで緩和できるため、理論限界値に近い酸素原子を放出することが可能となり、 OSCが大きく向上する。
【0027】
したがって本発明の排ガス浄化用触媒では、CeイオンとZrイオンの少なくとも一部が規則配列しているので、高い OSCが発現される。
【0028】
さらに本発明の排ガス浄化用触媒は、Ce原子に対してZr原子を十分に多くすることができる。その場合には、高温酸化雰囲気でのRhとCeO2との固相反応が抑制されるので、Rhの活性低下が抑制される。
【0029】
複合酸化物におけるセリウムとジルコニウムの比率は、Ce/Zrモル比が85/15〜75 25又は25/75〜1/99である。Rhを担持した場合には、塩基性酸化物であるCeO2によるRhの活性低下と OSCによるRhの粒成長抑制効果、あるいはZrO2の増加によるRhの酸素貯蔵材への固溶抑制効果などが背反事象となるので、Ce/Zrモル比が85/15〜75 25、又は25/75〜1/99であればこれらの性能がバランスされ、浄化活性が向上する。Ce/Zrモル比が25/75〜1/99であることが特に望ましい。
【0030】
本発明の排ガス浄化用触媒は、 700℃以上の温度でCeO2及びZrO2と固溶しない Al 2 O 3 を含む。CeO2及びZrO2と反応しない Al 2 O 3 CeO2−ZrO2複合酸化物の間に介在していることで、CeO2−ZrO2複合酸化物と Al 2 O 3 互いに障壁となるために粒成長が抑制され、高い比表面積が維持される。
【0032】
本発明の排ガス浄化用触媒において、複合酸化物はさらに希土類元素酸化物を含み、希土類元素酸化物の70mol%以上が Al2O3中に固溶していることが望ましい。これにより Al2O3の耐熱性が向上するとともに、希土類元素酸化物の固溶によるCeO2の OSCの低下を抑制することができる。希土類元素酸化物の90mol%以上が Al2O3中に固溶していることがさらに望ましい。この希土類元素酸化物としては、La,Nd,Sm,Prなどの酸化物が例示されるが、 La2O3が最も好ましい。
【0033】
また本発明で用いられる複合酸化物は、CeとZrの比率が上記範囲を満足すれば、希土類元素,アルカリ土類金属,鉄,チタンなど他の金属元素を含んでもよい。例えばアルカリ土類元素の酸化物又はCe以外の希土類元素の酸化物の少なくとも一つを含むことにより、固溶体相を安定化することができる。しかし、これらの他の金属元素の含有量は、全陽イオンに対して10モル%以下とすることが望ましい。これらの他の金属元素の含有量がこれより多くなると、 OSCが全温度域で低下してしまう。
【0034】
本発明の排ガス浄化用触媒に用いる複合酸化物を製造するには、アルコキシド法を用いることも可能であるが、共沈法を用いることが好ましい。例えば少なくともCe化合物とZr化合物及びAl 化合物が溶解した水溶液に、アルカリ性物質を添加することにより沈殿物を形成し、これを焼成することで製造することができる。
【0035】
水溶液に溶解している化合物としては、硝酸セリウム( III)、硝酸セリウム(IV)アンモニウム、塩化セリウム( III)、硫酸セリウム( III)、硫酸セリウム(IV)、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸アルミニウムなどが例示される。またアルカリ性物質としては、水溶液としてアルカリ性を示すものであれば用いることができる。加熱時に容易に分離できるアンモニアが特に望ましい。しかしアルカリ金属の水酸化物などの他のアルカリ性物質であっても、水洗によって容易に除去することができるので用いることができる。
【0036】
上記製造方法においては、Ceの価数に注意する必要がある。4価のCeの場合には、CeO2はZrO2と比較的容易に固溶するため、上記製造方法で本発明に最適なCeO2−ZrO2固溶体を製造することができる。しかし3価のCeの場合には、CeO2はZrO2と固溶しにくいので、別の手段を採用することが望ましい。
【0037】
そこでこの場合には、過酸化水素を添加することが好ましい。このようにすれば、Ce( III)が過酸化水素と錯体を作り酸化されてCe(IV)となるので、CeO2をZrO2と容易に固溶させやすくすることができる。
【0038】
過酸化水素の添加量は、Ceイオンの1/4以上であることが望ましい。過酸化水素の添加量がCeイオンの1/4未満であるとCeO2とZrO2の固溶が不十分となる。過酸化水素の過剰の添加は特に悪影響を及ぼさないが、経済的な面で不利となるのみでメリットはなく、Ceイオンの1/2〜2倍の範囲にあることがより望ましい。
【0039】
なお、過酸化水素の添加時期は特に制限されず、アルカリ性物質の添加前でもよいし、これらと同時あるいはそれより後に添加することもできる。また過酸化水素は後処理が不要となるので特に望ましい酸化剤であるが、場合によっては酸素ガスやオゾン、過塩素酸、過マンガン酸などの過酸化物など他の酸化剤を用いることもできる。
【0040】
さらに水溶液を103sec-1以上、望ましくは104sec-1以上の高せん断速度で高速撹拌しながらアルカリ性物質を添加することにより沈殿物を得ることも好ましい。中和生成物である沈殿微粒子中の成分は、ある程度の偏析が避けられない。強力な撹拌によりこの偏析を均一にするとともに分散性を向上させることで、各金属元素の接触度合いが一層向上する。また水溶液から共沈させる場合、各金属元素によって沈殿するpHが異なるため同種の沈殿粒子が集団になりやすい。そこで高せん断速度で高速撹拌することにより、同種の沈殿微粒子の集団が破壊され、沈殿粒子がよく混合される。
【0041】
したがってこの方法によれば、固溶度が向上するとともに結晶子の平均粒径を一層小さくすることができる。せん断速度が103sec-1未満では、固溶促進効果が十分でない。なお、せん断速度Vは、V=v/Dで表される。ここでvは撹拌機のロータとステータの速度差(m/sec)であり、Dはロータとステータの間隙(m)である。そしてこの方法によれば、3価のCeを用いた場合でも固溶が促進されるため、過酸化水素で4価に酸化しなくとも高い固溶度をもつCeO2−ZrO2複合酸化物を製造できる。
【0042】
また遅くともアルカリ物質の添加時に、溶液中に界面活性剤を添加することも好ましい。これによりCeO2−ZrO2固溶体の生成が促進されるとともに、複合酸化物の粒径をより均一にすることができる。
【0043】
ここで界面活性剤の作用は明らかではないが、以下のように推察される。つまり、アルカリ性物質で中和したばかりの状態では、各金属元素は数nm以下の粒径の非常に微細な水酸化物又は酸化物の状態で沈殿する。そして界面活性剤の添加により、界面活性剤のミセルの中に複数種の沈殿粒子が均一に取り込まれる。そしてミセル中で中和、凝集及び熟成が進行することによって、複数成分が均一に含まれ濃縮された小さな空間の中で固溶体を含む複合酸化物粒子の生成が進行する。さらに、界面活性剤の分散効果により沈殿微粒子の分散性が向上し、偏析が小さくなって接触度合いが高まる。
【0044】
界面活性剤の添加時期は、アルカリ性物質の先に添加してもよいし、アルカリ性物質と同時でもよく、またアルカリ性物質より後に添加することもできる。しかし界面活性剤の添加時期があまり遅くなると偏析が生じてしまうので、アルカリ物質の添加と同時もしくはそれより前に添加することが望ましい。
【0045】
界面活性剤としては、陰イオン系、陽イオン系及び非イオン系のいずれも用いることができるが、その中でも形成するミセルが内部に狭い空間を形成しうる形状、例えば球状ミセルを形成し易い界面活性剤が望ましい。また臨界ミセル濃度(cmc)が0.1mol/L以下のものが望ましい。より望ましくは、0.01 mol/L以下の界面活性剤が望ましい。
【0046】
これらの界面活性剤を例示すると、アルキルベンゼンスルホン酸、及びその塩、αオレフィンスルホン酸、及びその塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、フェニルエーテル硫酸エステル塩、メチルタウリン酸塩、スルホコハク酸塩、エーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、エーテルスルホン酸塩、飽和脂肪酸、及びその塩、オレイン酸等の不飽和脂肪酸、及びその塩、その他のカルボン酸、スルホン酸、硫酸、リン酸、フェノールの誘導体等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンポリプロレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシポリプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、多価アルコール;グリコール;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ペンタエスリトール;ショ糖;など多価アルコールの脂肪酸部分エステル、多価アルコール;グリコール;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ペンタエスリトール;ショ糖;など多価アルコールのポリオキシエチレン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン化ヒマシ油、ポリグリセン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステル、トリアルキルアミンオキサイド等の非イオン性界面活性剤、第一脂肪アミン塩、第二脂肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩;トリアルキルベンジルアンモニウム塩;アルキルピロジニウム塩;2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩;N,N−ジアルキルモルホリニウム塩;ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩;等の第四吸アンモニウム塩、等の陽イオン性界面活性剤、ベタイン化合物等の両イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも一種である。
【0047】
なお、上記臨界ミセル濃度(cmc)とは、ある界面活性剤がミセルを形成する最低の濃度のことである。
【0048】
界面活性剤の添加量としては、得られる複合酸化物 100重量部に対して1〜50重量部となる範囲が望ましい。1重量部以上とすることにより、より固溶度が向上する。50重量部を超えると、界面活性剤が効果的にミセルを形成しにくくなるおそれがある。
【0049】
得られた沈殿は、濾過・洗浄後に焼成されることで複合酸化物が得られる。この焼成工程は、大気中 150〜 600℃で加熱することで行うことができる。
【0050】
得られた複合酸化物は、非酸化性雰囲気下にて 700〜1200℃の温度範囲で熱処理される。この熱処理により、複合酸化物中でCe原子の少なくとも一部が3価となって酸素欠陥ができ、CeとZrの相合拡散が容易となってCeO2とZrO2の固溶が促進されやすい状態になる。
【0051】
熱処理における加熱温度が 700℃未満であると、相互拡散が不十分となり OSCは改善されない。また加熱温度が1200℃を超えると、固溶体が相分離する、あるいは酸化物が焼結を起こして粒子が凝集するおそれがある。また熱処理の雰囲気としては、水素,CO,炭化水素,アンモニア,その他有機物などを含む還元性雰囲気、あるいはN2ガスなどの不活性雰囲気とすることができる。還元性雰囲気であることが特に好ましい。還元性ガスを含まないと、結晶格子からの酸素原子の脱離が充分に速く進行しないため規則相が充分に生成できず、高い OSCが得られない場合がある。
【0052】
また 700℃以上の温度でCeO2及びZrO2と固溶しない Al 2 O 3 がCeO2−ZrO2複合酸化物の間に介在しているので、 700〜1200℃という高温で熱処理を行っても熱処理の間の粒成長が抑制される。そのため、得られる複合酸化物の比表面積の低下を抑制することができる。
【0053】
さらに沈殿物の焼成前に、水又は水を含む溶液を分散媒とした懸濁状態または系内に水が充分に存在する状態で、0.11〜 0.2MPa の圧力及び 100〜 200℃の温度で処理する水熱処理を行うことが望ましい。これにより得られる複合酸化物の粒径が揃えられるため、粒成長の駆動力の一つである表面分圧が揃い、熱処理時の粒成長を抑制することができる。
【0054】
本発明の排ガス浄化用触媒は、上記した複合酸化物に少なくともRhを担持してなる。Rhの担持量は0.05〜2重量%の範囲が好ましい。Rhの担持量が0.05重量%より少ないと十分な浄化活性が発現されず、2重量%より多く担持しても活性が飽和するとともにコストが上昇してしまう。なおRhを担持するには、硝酸ロジウム水溶液などを用いて、吸着担持法、含浸担持法など公知の方法を用いて担持することができる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
【0056】
(実施例1)
硝酸アルミニウム9水和物、硝酸セリウム6水和物、オキシ硝酸ジルコニルのそれぞれ所定量を純水中に溶解した水溶液を調製し、Ceイオンの 1.1倍当量の過酸化水素水を加えた後、激しく撹拌しながら各塩の硝酸根の中和当量の 1.2倍のアンモニア水を加え、沈殿を析出させた。
【0057】
得られた共沈物を濾過・洗浄し、 150℃で乾燥した後、大気中で 300℃で3時間乾燥し、 500℃で1時間焼成し、 700℃で5時間焼成して複合酸化物粉末を調製した。得られた複合酸化物粉末の組成は、モル比で Al2O3/CeO2/ZrO2=1/ 1.7/ 0.3である。
【0058】
この複合酸化物粉末を、H2を5%含むN2雰囲気下にて 800℃で5時間熱処理した。その後、硝酸ロジウム水溶液を用いてRhを担持し、大気中にて 300℃で3時間焼成して触媒粉末を調製した。Rhの担持量は、複合酸化物粉末 100gに対して 0.3gである。この触媒粉末を圧粉成形後に粉砕し、整粒して 0.5〜1mmのペレット触媒を調製した。
【0059】
この触媒50mgをO2を5%含むN2雰囲気下に 500℃で5分間以上晒し、次いでH2を5%含むN2雰囲気下に 500℃で5分間晒した際の重量減少を熱重量測定装置にて測定し、その値から含有されるセリウム酸化物の酸素欠損量(CeO2-xのx値)を算出したところ、x値は0.31であった。
【0060】
(実施例2)
各塩の混合比率を調整し、モル比で Al2O3/CeO2/ZrO2=1/ 1.5/ 0.5の複合酸化物粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ペレット触媒を調製した。
【0061】
参考例
各塩の混合比率を調整し、モル比で Al2O3/CeO2/ZrO2=1/ 1.2/ 0.8の複合酸化物粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ペレット触媒を調製した。
【0062】
実施例3
各塩の混合比率を調整し、モル比で Al2O3/CeO2/ZrO2=1/ 0.5/ 1.5の複合酸化物粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ペレット触媒を調製した。
【0063】
実施例4
各塩の混合比率を調整し、モル比で Al2O3/CeO2/ZrO2=1/ 0.3/ 1.7の複合酸化物粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ペレット触媒を調製した。
【0064】
実施例5
各塩の混合比率を調整し、モル比で Al2O3/CeO2/ZrO2=1/ 0.1/ 1.9の複合酸化物粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ペレット触媒を調製した。
【0065】
実施例6
複合酸化物粉末を、H2を5%含むN2雰囲気下にて1000℃で5時間熱処理したこと以外は実施例5と同様にして、ペレット触媒を調製した。
【0066】
(比較例1)
各塩の混合比率を調整し、モル比で Al2O3/CeO2/ZrO2=1/1.95/0.05の複合酸化物粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ペレット触媒を調製した。
【0067】
(比較例2)
各塩の混合比率を調整し、モル比で Al2O3/CeO2/ZrO2=1/ 0.9/ 1.1の複合酸化物粉末を用いたこと以外は実施例1と同様にして、ペレット触媒を調製した。
【0068】
(比較例3)
H2を5%含むN2雰囲気下での熱処理を行わなかったこと以外は比較例2と同様にして、ペレット触媒を調製した。
【0069】
<試験・評価>
実施例1〜6、参考例及び比較例1〜3のペレット触媒を評価装置にそれぞれ同量充填し、表1に示すリッチガスを5分間とリーンガスを 2.5分間交互に流通させる変動雰囲気中にて、空燃比10,000h-1 、1000℃で5時間処理する高温耐久試験を行った。
【0070】
【表1】
Figure 0004265276
【0071】
耐久試験後の各触媒に、表2に示すモデルガスを定常状態で流通させる雰囲気下、 100℃から 500℃まで12℃/分の昇温速度で昇温し、その間のNO、CO、C3H6の浄化率を連続的に測定した。そして各50%浄化温度をそれぞれ算出し、結果を表3及び図1に示す。
【0072】
【表2】
Figure 0004265276
【0073】
【表3】
Figure 0004265276
【0074】
表3において、各実施例の触媒では、還元雰囲気での熱処理を行うことによって、セリウム酸化物の酸素欠損量(CeO2-x のx値)が 0.3以上となり、耐久後の活性も大きく向上していることがわかる。また比較例2の組成の複合酸化物に対して還元雰囲気での熱処理を行っても、x値は 0.3未満であり、活性の向上も認められない。また比較例2,3から、還元処理によりx値が0.30に向上しても、好ましい組成範囲にない場合は活性が不十分であることがわかる。
【0075】
さらに各実施例の触媒では、x値と活性とがほぼ相関し、x値が高いほど活性が高くなる傾向にある。そして実施例5,6の比較から、還元雰囲気での熱処理温度には最適値があることが示唆される。
【0076】
またCe/Zr比によって活性が異なり、図1から、耐久試験後の活性はCeリッチ側とZrリッチ側とに二つのピークをもつことがわかる。Ceリッチ側ではCe/Zrモル比が75/25付近で活性が最も高く、Zrリッチ側ではCe/Zrモル比が 5/95付近で活性が最も高い。このように二つのピ−クをもつ原因は現時点では明らかではないが、Ceリッチ側ではCeO2増加に伴う OSCの増加と、塩基性酸化物であるCeO2とRhとの固相反応による失活とが背反事象となるためと、Zrリッチ側ではZrO2によってRhと担体との固相反応が抑制されることとCeO2の減少による OSCの低下とが背反事象になるため、と考えられる。
【0077】
【発明の効果】
すなわち本発明の排ガス浄化用触媒によれば、高温酸化雰囲気下でのRhとCeO2との固相反応の抑制作用と、CeO2による OSC向上作用とがバランスされることで、Rhの耐久性が向上し浄化性能の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の触媒の、Ce/Zrモル比(Ceのモル%)と各50%浄化温度との関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. Ce Zr モル比が 85 15 75 25 又は 30 70 0.5 99.5 でありさらに Al 2 O 3 を含む複合酸化物を非酸化性雰囲気において 700 1200 ℃で熱処理されてなる担体に少なくとも Rh を担持してなり、 500℃の還元雰囲気に1分間以上晒した後に含有されるセリウム酸化物がCeO2-x(x= 0.3〜 0.5)であることを特徴とする排ガス浄化用触媒
  2. 前記複合酸化物は、 Ce Zr モル比が 25 75 〜1/ 99 である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記複合酸化物は、モル比 Al 2 O 3 CeO 2 ZrO 2 が1: 0.1 1.7 0.3 1.9 の範囲にある請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記熱処理の温度は 700 1100 ℃である請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記複合酸化物は、混合溶液からの共沈後に沈殿物を熟成し、その後焼成することで得られたものである請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
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