JP4265246B2 - 映像処理出力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号に映像効果を与えて各種効果の付与された映像信号を出力する映像処理出力装置に関し、特に、複数系統の映像信号をミキシングした映像信号を出力するビデオミキサー装置等に適したものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオミキサー装置は、オペレータによって指定された複数の入力系統の映像信号をミックスして映像表示装置にリアルタイムに出力するものであり、例えばコンサートや各種イベントにおいてバック映像などを演出する際に用いられる。その際、入力系統の選択、複数入力系統の映像信号の混合比の設定、各入力系統の映像信号に付与する視覚的効果(映像効果)の設定等が行われる。なお、これらの設定による映像の各加工仕様の一つ一つ、あるいはこの設定により加工処理された映像自体を「シーン」という。
【0003】
これらのシーンの設定は操作子の操作でパラメータを設定するものであるが、特に複数の操作子を同時に操作してリアルタイムにシーンを設定するのは困難であり、操作に熟練を要する。このため、複数のシーンを予め設定して作り込んでおき、所望のシーン(設定用のパラメータ)をリアルタイムに読み出して映像に対して所望の信号処理を行うことが考えられている。このようなのもとして、例えば特開2002−262179号公報にシーンデータの記録再生機能を有するビデオミキサー装置が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−262179号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、複数作り込まれたシーンから所望のシーンを選ぶ場合、間違えたシーンを実行(出力)してしまわないようにに、各シーンに対応する操作子の位置などを記憶しておかねばならず、改良の余地を残している。特に、多くのシーンを作り込んだ場合、リアルタイムでのシーンの選択はきわめて困難な作業となってしまう。
【0006】
本発明は、多数のシーンから間違いなく所望のシーンを選択指定できるようにして操作性の良い映像処理出力装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の映像処理出力装置において、加工仕様は例えばシーンであり、複数のシーンが加工仕様記憶手段に記憶される。指定手段でシーンが選択指定されると、情報提示手段によりこのシーンに対応する加工結果状態が提示される。すなわち、選択指定では加工が実行されずに加工結果状態の提示のみが行われ、この提示により、選択指定したシーンの内容(映像処理結果)を確認できる。したがって、間違いなく所望のシーンを選択指定できる。なお、加工実行指示手段で実行指示がなされるとシーン(加工仕様)による加工が実行される。また、指定手段と加工実行指示手段とが同一の操作子に対応するので操作子の数を少なくできるとともに、同一操作子の連続操作で選択指定と実行指示を行えるので、操作性が良い。
【0008】
本発明の請求項2の映像処理出力装置は、請求項1の作用効果に加えて、当該映像処理出力装置における表示画面に加工結果状態を示す疑似的な図柄を表示するので、この表示に要する画像データの加工等も容易になるとともに、表示画面のサイズや解像度なども小さくて済む。
【0010】
請求項1において、外部機器から入力される映像信号に対してリアルタイムに加工して該加工された映像信号を外部に出力可能にしてもよい。これにより、請求項1の作用効果に加えて、外部機器から映像信号が入力されると、選択指定されているシーンによりリアルタイムに加工して映像表示装置等に出力されるので、映像表示装置に映し出される映像に対してシーンに基づく映像効果をリアルタイムに与えることができる。
【0011】
請求項1において、前記加工仕様は複数系統の映像信号に同時に加工を施すものであり、該複数の映像信号をミキシングして出力するようにしてもよい。これにより、請求項1の作用効果に加えて、選択指定された例えばシーンにより複数の映像信号に同時に加工を施すことができ、この加工した映像信号をミキシングして映像表示装置等に出力することができるので、さらに多様な映像効果(視覚効果)を得ることができる。
【0012】
請求項1において、前記指定手段は複数の操作子を備えたものであって、該操作子の操作により該操作子の個々に割り当てられている加工仕様を選択指定するものでもよい。これにより、請求項1の作用効果に加えて、複数のシーンの各々が個々の操作子に割り当てられており、各操作子の操作で対応するシーンを選択指定できるので、どのシーンも即座に選択できる。
【0013】
請求項1において、連続する前記実行指示に対して、前の実行指示に対応する加工仕様から後の実行指示に対応する加工仕様まで連続する仕様で映像信号を加工できるようにしてもよい。これにより、請求項1の作用効果に加えて、前の実行指示に対応するシーンから後の実行指示に対応するシーンまで連続する仕様で映像(映像信号)を加工できるので、例えば、前のシーンから後のシーンまで補間されて連続的に変化するような映像としたり、前のシーン(映像)をフェードアウトしながら後のシーン(映像)をフェードインするいわゆるクロスフェード等を行うことができ、多様な映像効果が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は実施形態の映像処理出力装置における操作パネルを示す図である。この実施形態の映像処理出力装置はビデオミキサー装置であり、一つの系統の映像信号を処理単位とする映像入力チャンネルをch1,ch2,ch3,ch4の4チャンネル備えている。そして、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、DVD(Digital Versatile Disk)、パーソナルコンピュータ等の外部の映像機器から複数系統の映像信号を入力し、4つの映像入力チャンネルの各々に対して任意の系統の映像信号を割り当てることができる。なお、入力する映像信号はアナログのコンポジット形式であり、図示しないリアパネルに配設されたIn1,2,3,4及びExt(エクスターナル)の5端子から入力する。
【0015】
[機能の概略]
各映像入力チャンネルでは、操作子の操作によるパラメータ等の設定により映像信号の加工を行うことができ、この加工された映像信号はミキシングされて、テレビモニタ、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ等の映像表示装置に出力される。なお、映像入力チャンネルでExtの入力を選択すると入力映像のプレビュー以外に、静止画等を入力することもできる。
【0016】
また、映像入力チャンネルにおいて映像信号に加工を施すための各種パラメータ等を設定し、これらの設定データ(1チャンネルまたは複数チャンネル分)をシーンメモリスイッチに対応させて一つのシーンデータ(加工仕様)として記憶することができる。さらに、記憶したシーンデータを読み出したりパラメータ等を設定しながら、複数のシーンデータの時系列なセットからなるストリームデータを作成し、このストリームデータをストリームメモリスイッチに対応させて記憶することができる。このストリームデータは映像を順次更新して再生するビジュアルアルペジェータ機能に用いる。
【0017】
この実施形態では「確認モード」または「非確認モード」を選択することができ、「確認モード」が選択されているときは請求項1に対応し、次のように動作する。シーンデータの編集や、リアルタイムに映像信号に映像効果を与えるとき(映像出力時)あるいはストリームデータを作成するときなど、シーンデータを選択設定するときに対応するシーンメモリスイッチを1回押すと、そのシーンデータによる加工結果状態を示す擬似的(簡易的)な画像(以後、「疑似画像」という。)が表示画面に表示される。これにより、選択したいシーンデータを容易に確認することができる。また、その状態で続けて同じシーンメモリスイッチを押すと(2度押しすると)そのシーンデータにより映像信号に映像効果を与える(加工する)ように実行指示がなされる。
【0018】
すなわち、この実施形態では加工結果状態を示す擬似画像を表示画面に表示する機能が「情報提示手段」に対応し、シーンメモリスイッチを最初に押したときの機能が「指定手段」に対応し、シーンメモリスイッチを2度押ししたときの2度目の機能が「加工実行指示手段」に対応する。なお、シーンメモリスイッチを1回押した後、別のシーンメモリスイッチを押した場合は、その別のシーンメモリスイッチに対応するシーンデータが選択設定される。「非確認モード」は通常(従来)の動作であり、シーンメモリスイッチを押すと対応するシーンデータが選択されるとともに即座に実行される。
【0019】
また、この実施形態では表示画面における表示と所定の操作子の操作(GUI等)により「試験モード」と「仮画面表示モード」を任意に選択することができる。「試験モード」のときは、前記「確認モード」でなくてもシーンに応じた加工結果状態を示す擬似画像が表示画面に表示される。「仮画面表示モード」のときは、シーンで設定されている映像入力チャンネル(シーンを構成するチャンネル)のうち実際に映像信号が入力されていないチャンネルがある場合、その実際に出力する映像がないのでその映像の変わりに上記擬似画像を実際の映像として出力する。また、「仮画面表示モード」でないときは、シーンで設定されてる映像入力チャンネルに映像信号がない場合、その映像入力チャンネルについてはそのシーンでクリア(映像を出力しない)とする。
【0020】
[操作子]
図1において、各映像入力チャンネル(ch1〜ch4)はそれぞれ同じ操作子11〜19を備えている。11はその映像入力チャンネルへの入力映像信号を選択する入力セレクトスイッチであり、各映像入力チャンネルごとに、In1,2,3,4及びExtの5入力から任意に1つを選択することができる。12はそのチャンネルの使用/不使用(オン/オフ)をワンタッチで設定するチャンネルオンスイッチ、13はポジ表示とネガ表示を切り替えるネガスイッチである。14〜17は回転式ボリュームであり、14は輝度信号(Y信号)と色差信号(Cb信号,Cr信号)のゲインを調整するトリムボリューム、15は色相を調整する色相ボリューム、16は色ゲイン(彩度)を調整する色ゲインボリューム、17は後述のチャンネル共通制御部のパラメータをアサイン可能なアサイナブルボリュームである。18は映像入力チャンネルの映像信号を後述のクロスフェーダ46のA入力/B入力の何れに割り当てるかあるいは「スルー」に設定するかを選択するクロスフェーダアサインスイッチである。このクロスフェーダアサインスイッチ18による選択状態はLED18aで点灯表示される。19はその映像入力チャンネルの映像信号の出力レベルを設定するチャンネルフェーダ(スライダ)である。
【0021】
21〜26、31〜38は各映像入力チャンネルにさらに多様なパラメータを設定するチャンネル共通制御部の操作子である。21はパラメータ値を変化させるロータリーエンコーダであり、Param1,Param2,Param3の3つを備えている。22は各ロータリーエンコーダ21に対応するパラメータ値を初期値に戻すためのイニシャライズボタンである。23はロータリーエンコーダ21によるパラメータ値を設定する映像入力チャンネル(設定対象)を選択するためのチャンネルセレクトスイッチである。このチャンネルセレクトスイッチ23は各映像入力チャンネルに対応して4つ設けられており、複数の映像入力チャンネルを選択すると複数チャンネル同時にパラメータ値を設定できる。24はパラメータ値を微調整したり、ビジュアルアルペジェータ機能で2つのシーンの間を補間しながら変更するためのジョグシャトル、25はジョグシャトル24で補間変更する2つのシーンをアサインするアサインスイッチ、26はこのジョグシャトル24による補間変更の有効/無効を選択するアルペジオジョグスイッチである。
【0022】
31〜38はロータリーエンコーダ21に対してアサインするパラメータの種類を選択するためのパラメータスイッチである。スイッチ31は映像の表示位置を決めるパラメータを選択し、スイッチ32は画面分割数を決めるパラメータを選択し、スイッチ33は反転表示の態様を決めるパラメータを選択する。スイッチ34は映像のフレームを間引く割合を決めるパラメータを選択し、スイッチ35は映像の表示サイズを決めるパラメータを選択し、スイッチ36は映像の歪みの態様を決めるパラメータを選択する。スイッチ37は選択チャンネルの映像をレイヤーとして表示するかしないか(レイヤー表示のオン/オフ)を選択し、スイッチ38はパラメータ値のプラス/マイナス領域などをシフトするスイッチである。
【0023】
41〜47は映像信号の出力時にリアルタイムに映像効果を与えるリアルタイムシーン機能に関する操作子である。41は複数のシーンデータの各記憶領域に対応するシーンメモリスイッチ、42はシーンデータの記憶(登録)モードを設定するストアスイッチである。なお、シフトスイッチ43の操作で、シーンメモリスイッチ41に対応する記憶領域を別の領域に切り替えることができ、10個のシーンメモリスイッチ41に対して20パターンのシーンデータを記憶できる。また、パターンスイッチ44の操作によりプリセットシーンを呼び出すことができる。
【0024】
45は前記「確認モード」と「非確認モード」とを切替え選択するビュースイッチであり、このビュースイッチ45で「確認モード」が選択されているときはシーンメモリスイッチ41の操作に対して「確認モード」の前記疑似画像を表示する機能が有効となる。46はクロスフェーダであり、このクロスフェーダ46は、異なる映像入力チャンネルの前記クロスフェーダアサインスイッチ18で「A入力」,「B入力」に割り当てられた2つの映像信号を合成し、その際の混合比(0〜1)を設定する。なお、操作子47は、クロスフェーダ46によるクロスフェード方法を選択するスイッチである。
【0025】
51はストリームデータにより映像を順次更新して再生するビジュアルアルペジェータ機能を有効にするアルペジェータモードスイッチ、52〜59,61〜69はこのビジュアルアルペジェータ機能に関する操作子である。52は複数のストリームデータ(アルペジオパターン)を対応させて記憶するストリームメモリスイッチ、53はストリームデータの記憶モードを設定するストアスイッチであり、前記シーンメモリスイッチ41の場合と同様にシフトスイッチ54の操作で6つのストリームメモリスイッチ52に対して12パターンのストリームデータを記憶できる。
【0026】
55は複数のシーンデータを対応させて記憶するシーンメモリスイッチ、56はシーンデータの記憶モードを設定するストアスイッチであり、上記同様にシフトスイッチ57の操作で24個のシーンメモリスイッチ55に対して48パターンのシーンデータを記憶できる。また、パターンスイッチ58の操作によりプリセットシーンを呼び出すことができる。59は、前記ビュースイッチ45と同様に、「確認モード」と「非確認モード」とを切替え選択するビュースイッチであり、このビュースイッチ59で「確認モード」が選択されているときはシーンメモリスイッチ55の操作に対して前記「確認モード」の機能が有効となる。
【0027】
61はストリームデータによるシーンの切替えタイミングのタイムベースとなるテンポを設定するテンポタップであり、トリガスイッチ62の操作に続いてこのテンポタップ61を叩くことにより、最後に叩いた4回の平均でテンポが決まる。また、63は同テンポを設定するためのテンポダイヤルであり、このテンポダイヤル63で25四分音符/分のスローから400四分音符/分のファーストの間でテンポを設定できる。なお、テンポタップ61とテンポダイヤル63の有効/無効はダイヤルタップスイッチ64の操作により切り替わる。
【0028】
65は2つのシーンが切り替わるときの切替え開始タイミングを調整するチェンジタイムダイヤルであり、このチェンジタイムダイヤル65の機能はリアルタイムメモリスイッチ66の操作により有効になる。テンポの拍間隔を100%としてチェンジタイムダイヤル65により切り替わり時間を0〜100%の間で設定でき、切り替わり時間から次の映像まで補間される。0%では補間せず、100%では常に補間し続ける。
【0029】
67〜69はストリームデータのドライブモードに関するスイッチであり、67は再生ボタン、68は停止ボタン、69は先頭戻りボタンである。再生ボタン67を押すとストリームデータに基づく映像出力が開始され、もう一度押すとそのときのシーンで一時停止し、もう一度押すとそのシーンから再生する。停止ボタン68を押すと停止し、先頭戻りボタン69を押すとストリームデータの先頭のシーンに戻る。71はミキシングされた映像信号の出力レベルを調整するマスタフェーダである。72はシーンデータの削除や設定のキャンセル等の操作を行うシステム制御部、73は写真(静止画像)のロードや出力形態等を設定するフォトロード部である。なお、スイッチ12,13,22,23,25,26,31〜38,41〜45,47,51〜59,62,64,66〜69等はLED内蔵のスイッチであり、LEDの点灯/消灯によりオン/オフを識別できる。
【0030】
ここで、パネル面の入力セレクトスイッチ11の上部には、各映像入力チャンネル(ch1〜ch4)に対応して、縦線、横線、斜線、逆斜線の縞柄のチャンネル識別パターンP1,P2,P3,P4がそれぞれ印刷されている。また、ロータリーエンコーダ21の上部には液晶パネル等の表示画面10が配設されている。この表示画面10には、各操作子のパラメータ操作で現在設定されているシーンや、シーンメモリスイッチ41,55で現在選択されているシーンの概要(シーンデータによる加工結果状態)が、上記チャンネル識別パターンP1,P2,P3,P4と同じパターンの疑似画像として表示される。なお、表示画面10には機器の設定状態も表示される。
【0031】
図1に図示した表示画面10における表示例は、「試験モード」のときの表示れであり、各種操作子12〜19、21〜23、31〜38の設定に応じた疑似画像の表示例である。これは、入力セレクトスイッチ11の設定状態とは無関係であり、外部からの映像信号の入力の有無に関わらずシーンの概要が表示されている。この例では、表示画面10の左側から「A入力」、「スルー」、「B入力」に対応する疑似画像が表示されており、クロスフェーダアサインスイッチ18により各映像入力チャンネルch1,ch2,ch3,ch4が「A入力」、「スルー」、「B入力」、「A入力」にそれぞれ設定されていることを表示している。
【0032】
また、疑似画像は、ロータリーエンコーダ21の操作あるいはアサイナブルボリューム17により設定された映像の表示位置と表示サイズに応じた表示となり、さらに、「A入力」の映像チャンネルch1の疑似画像(縦線)と「B入力」の映像チャンネルch3の疑似画像(斜線)は表示サイズが小さいことを示す表示となっている。また、「A入力」においてレイヤー表示オンの映像入力チャンネルch1の疑似画像が、映像入力チャンネルch4の疑似画像(逆斜線)の上にオーバーラップされており、映像入力チャンネルch1、ch4のミキシング結果が表示されている。
【0033】
図2は実施形態の映像処理出力装置の要部信号経路図及びブロック図である。なお、信号経路は前記各種操作子操作による機能を等価な電気回路として図示し、Extの系統は省略してある。CPU1はROM2に格納されたシステムプログラムや各種設定データを用いてRAM3のワーキングエリアを使用して全体の制御を行う。記憶部4は制御プログラムやシーンデータを記憶している。各種設定操作子群5は電源スイッチ、ダイヤル、フェーダ、ボタンスイッチ等の前記パネル面の各種操作子からなり、シーン指定操作子群6はシーンを指定する前記複数のシーンメモリスイッチ41,55からなる。これらの各種設定操作子群5及びシーン指定操作子群6の操作状態や操作イベントは図示しないインターフェース及びバス7を介してCPU1に取り込まれ、CPU1はこの操作状態や操作イベントに応じて信号経路の各部を制御する。また、CPU1は操作パネルに設けられた前記表示画面10の表示の制御を行う。
【0034】
各映像入力チャンネルにおいて、スイッチ部20は入力セレクトスイッチ11により切替え設定され、画質制御部30は、ネガスイッチ13、トリムボリューム14、色相ボリューム15、色ゲインボリューム16等の操作に応じて、入力された映像信号の画質を調整する。画像位置制御部30は、ロータリーエンコーダ21あるいはアサイナブルボリューム17の操作に応じて、画像位置、表示サイズ、歪み等を調整し、ボリューム50は、チャンネルフェーダ19の操作により映像信号の出力レベルを設定する。オンオフスイッチ60は、チャンネルオンスイッチ12の操作により映像信号の出力/非出力を切り替え、スイッチ部70は、クロスフェーダアサインスイッチ18の操作に応じて映像信号を「A入力」,「B入力」,「スルー」に選択的に出力する。2連ボリューム80は、クロスフェーダ46の操作に応じて、「A入力」の映像信号と「B入力」の映像信号を、設定された混合比に応じたレベルで出力し、この2連ボリューム80の各出力信号はミキシングされて画像出力チャンネルOUTに出力される。また、「スルー」の映像信号はそのまま画像出力チャンネルOUTに出力される。
【0035】
図7〜図9はCPU1が実行する制御プログラムの要部のフローチャートであり、図7はメイン処理、図8は映像制御処理、図9はシーン制御処理のフローチャートである。図7のメイン処理では、ステップS1で初期化処理を行ってステップS2〜S5を繰り返すことで、各操作子の操作に応じた処理と映像データの加工制御を行う。映像制御に対応する操作があればステップS6で図8の映像制御処理を行い、シーン制御に対応する操作があればステップS7で図9のシーン制御処理を行う。
【0036】
図8の映像制御処理では、ステップS11〜S16で操作内容を判断し、各操作に対応してステップS18〜23で映像制御に関する処理を行う。また、ステップS17ではその他の操作に対応する処理を行う各操作内容に応じた処理を行う。図9のシーン制御処理では、前記確認モード/非確認モード、試験モード、仮画面表示モードに応じて、シーンデータの読み出し設定、表示画面10による疑似画像の表示/非表示、あるいは映像信号の設定を行う。
【0037】
ステップS31→S32→S33のフローは、確認モードにおいてシーンメモリスイッチを2度押ししない場合、すなわち異なるシーンメモリスイッチを1回ずつ順次あるいは交互に操作した場合であり、操作するごとに対応するシーンの疑似画像が表示画面10に表示される。ステップS31→S32→S34→S35のフローは、確認モードにおいてシーンメモリスイッチを2度押しした場合、すなわち一度目にステップS31→S32→S33で疑似画像が操作された状態で同じシーンメモリスイッチを押した場合である。これにより、ステップS35でシーンデータが映像処理用にセットされる。なお、ステップS34→S33のフローは試験モードの場合であり、確認モード/非確認モードのいずれの場合でも、シーンデータは設定されず、疑似画像の表示だけが行われる。
【0038】
ステップS36〜S39は、セットされたシーンによる加工対象となる映像信号の設定に関するフローであり、シーンで設定されている映像入力チャンネルの全てに映像信号が入力されていればそのまま復帰する。映像信号が入力されていないチャンネルがあれば、仮画面表示モードのときはそのチャンネルの疑似画像を加工対象の映像信号として生成し、仮画面表示モードでなければクリアーの映像とする。
【0039】
図3、図4は外部の映像出力装置のスクリーン等(表示部)に出力される映像のシーンデータによる加工例と、これに対応する表示画面10における疑似画像の表示例を示す図である。図3のシーン1はスクリーンを4分割して各映像入力チャンネルの映像を表示する例であり、図3(A) のようにch1は左上、ch2は右上、ch3は左下、ch4は右下に表示されている。この加工結果状態は、図3(B) のように各映像入力チャンネルの疑似画像(縦線、横線、斜線、逆斜線)により表示画面10に表示される。図4のシーン2はch1とch4を消した状態で表示する例であり、図4(A) のようにch3が左中央に表示されるとともにch2が縦に伸ばされch3に一部オーバーラップして表示されている。この加工状態は図4(B) のようにch2(横線)とch3(斜線)の疑似画像により表示画面10に表示され、ch2の疑似画像(横線)が縦に伸ばされてch3の疑似画像(斜線)に一部オーバーラップして表示されている。なお、ch2の疑似画像のように、映像が変形されると疑似画像の横線の間隔が伸ばされる。また、縦線の場合も線の間隔当が変化し、斜線及び逆斜線の場合は角度が変化する。これによっても映像が変形されていることを確認することもできる。
【0040】
図5はシーンで設定された映像入力チャンネルに映像信号が入力されていないチャンネルがある場合の映像出力の例である。シーン2は図4のようにch2とch3とで構成されているが、ch2に映像信号が入力されていない場合とする。前記「仮画面表示モード」でないときは図5(A) のようにch2に対応する画像はクリアとされ、「仮画面表示モード」のときは図5(B) のように、ch2に対応する映像として、ch2の擬似画像(横線)を映像として出力する。
【0041】
なお、図4(B) の疑似画像の例では、ch2の映像がch3の映像にオーバーラップすることに対応して、疑似画像においても横線が斜線の上にオーバーラップするように表示している。このようなオーバーラップする場合は、例えば図6のように表示してもよい。図6(A) は両方の疑似画像をそのまま重ねて表示するものであり、これによりどの程度重なっているかが確認しやすい。また、図6(B) は映像が重なる部分で下になる方の疑似画像は破線等で表示する。これにより、さらにどちらが上あるいは下になるかを容易に確認できる。
【0042】
以上の実施形態では、ビュースイッチ45あるいは59により「確認モード」と「非確認モード」を選択できるようにしているが、専ら確認モードだけの装置としてもよいことはいうまでもない。実施形態ではシーンメモリスイッチの2度押しにより加工実行指示手段を構成しているが、この実行支持手段としてはシーンメモリスイッチとは別のスイッチ(操作子等)としてもよい。
【0043】
実施形態では映像入力チャンネルに対応してチャンネル識別パターンP1,P2,P3,P4が印刷されているので、疑似画像とチャンネルとの対応を把握しやすくなる。なお、このチャンネル識別パターンP1,P2,P3,P4は印刷されていなくてもよい。
【0044】
また、疑似画像及びチャンネル識別パターンP1,P2,P3,P4のパターン(図柄)は実施形態のものに限らず、各チャンネルを識別できればよい。また、図柄の違いに限らず、色等によってチャンネル毎に疑似画像を識別できるようにしてもよい。また、実施形態では映像入力チャンネルが4チャンネルの場合について説明したが、チャンネル数はこれより多くても少なくてもよい。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の映像処理出力装置によれば、選択指定したシーンの内容(映像処理結果)を確認でき、間違いなく所望のシーンを選択指定できる。また、操作子の数を少なくできるとともに、同一操作子の連続操作で選択指定と実行指示を行えるので、操作性が良い。
【0046】
請求項の映像処理出力装置によれば、請求項1の効果に加えて、疑似的な図柄の表示に要する画像データの加工等も容易になるとともに、表示画面のサイズや解像度なども小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の映像処理出力装置における操作パネルを示す図である。
【図2】同映像処理出力装置の要部信号経路図及びブロック図である。
【図3】実施形態における映像出力と疑似画像の第1の表示例を示す図である。
【図4】実施形態における映像出力と疑似画像の第2の表示例を示す図である。
【図5】実施形態における映像入力チャンネルに映像信号が入力されていないチャンネルがある場合の映像出力の例である。
【図6】実施形態における疑似画像の表示態様の他の例を示す図である。
【図7】実施形態におけるメイン処理のフローチャートである。
【図8】実施形態における映像制御処理のフローチャートである。
【図9】実施形態におけるシーン制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
41,55…シーンメモリスイッチ、10…表示画面、P1,P2,P3,P4…チャンネル識別パターン

Claims (2)

  1. 映像信号を入力して該映像信号に各種の加工を施して出力する映像処理出力装置において、
    映像信号に対する加工仕様を記憶する加工仕様記憶手段と、
    前記加工仕様を選択指定をする指定手段と、
    前記指定手段で加工仕様の選択指定ながなされたとき、該加工仕様による加工結果状態を提示する情報提示手段と、
    前記情報提示手段で提示したものについて加工仕様による加工処理の実行を指示する加工実行指示手段と、
    前記加工実行指示手段で実行指示がなされたとき、指定手段で選択指定された加工仕様を実行する加工処理手段と、
    を備え
    前記指定手段と前記加工実行指示手段とが同一の操作子に対応しており、該操作子の連続操作により、前記指定手段による選択指定とこれに続く前記加工実行指示手段による実行指示を行えるようにしたことを特徴とする映像処理出力装置。
  2. 前記情報提示手段は、当該映像処理出力装置における表示画面に前記加工結果状態を示す疑似的な図柄を表示するものであることを特徴とする請求項1記載の映像処理出力装置。
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