JP4264531B2 - 画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム - Google Patents

画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関し、特に、より正確に動きベクトルを検出できるようにした画像処理装置および方法、記録媒体、並びにプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の動きを示す動きベクトルを求め、この動きベクトルに基づいて効率よく動画像を圧縮する技術がある。
【0003】
この動画像圧縮技術における上述の動きベクトルを求める手法としては、いくつか提案されているが、代表的な手法としてブロックマッチングアルゴリズムと呼ばれる手法がある。
【0004】
図1は、ブロックマッチングアルゴリズムを採用した従来の画像処理装置の動き検出部1の構成例を示している。
【0005】
動き検出部1のフレームメモリ11は、例えば、時刻t1において、入力端子Tinから画像信号が入力されると、1フレーム分の情報を格納する。さらに、フレームメモリ11は、次のタイミングとなる時刻t2において、入力端子Tinから次のフレームの画像信号が入力されると、時刻t1において、格納した1フレーム分の画像情報をフレームメモリ12に出力した後、新たに入力された1フレーム分の画像情報を格納する。
【0006】
また、フレームメモリ12は、時刻t2のタイミングで、フレームメモリ11から入力されてくる時刻t1のタイミングで入力端子Tinから入力されてきた1フレーム分の画像情報を格納する。
【0007】
すなわち、フレームメモリ11が、上述の時刻t2のタイミングで入力される(今現在の)1フレーム分の画像情報を格納するとき、フレームメモリ12は、時刻t1のタイミングで入力された(1タイミング過去の)1フレーム分の画像情報を格納していることになる。なお、以下において、フレームメモリ11に格納される画像情報をカレントフレームFc、フレームメモリ12に格納される画像情報を参照フレームFrと称するものとする。
【0008】
動きベクトル検出部13は、フレームメモリ11,12に格納されているカレントフレームFcと参照フレームFrをそれぞれから読出し、このカレントフレームFcと参照フレームFrに基づいて、ブロックマッチングアルゴリズムにより動きベクトルを検出し、出力端子Toutから出力する。
【0009】
ここで、ブロックマッチングアルゴリズムについて説明する。例えば、図2で示すように、カレントフレームFc内の注目画素P(i,j)に対応する動きベクトルを求める場合、まず、カレントフレームFc上に注目画素P(i,j)を中心としたL(画素数)×L(画素数)からなる基準ブロックBb(i,j)、参照フレームFr上に、注目画素P(i,j)の位置に対応するサーチエリアSR、そして、そのサーチエリアSR内に、L(画素数)×L(画素数)の画素からなる参照ブロックBrn(i,j)がそれぞれ設定される。
【0010】
次に、この基準ブロックBb(i,j)と、参照ブロックBrn(i,j)の各画素間の差分の絶対値の和を求める処理が、参照ブロックBrnをサーチエリアSR内の全域で水平方向、または、垂直方向に1画素分ずつ移動させながら、図2中のBr1からBrm(参照ブロックBrnが、サーチエリアSR内にm個設定できるものとする)まで繰り返される。
【0011】
このようにして求められた基準ブロックBb(i,j)と、参照ブロックBrn(i,j)の各画素間の差分絶対値和のうち、差分絶対値和が最小となる参照ブロックBrnを求めることにより、基準ブロックBb(i,j)に最も近い(類似している)参照ブロックBrn(i,j)を構成するL×L個の画素の中心となる参照画素Pn(i,j)が求められる。
【0012】
そして、このカレントフレームFc上の注目画素P(i,j)に対応する参照フレームFr上の画素P’(i,j)を始点とし、参照画素Pn(i,j)を終点とするベクトルが、注目画素P(i,j)の動きベクトル(Vx,Vy)として出力される。ここで、例えば、P(i,j)=(a,b)、および、Pn(i,j)=(c,d)である場合、(Vx,Vy)は、(Vx,Vy)=(c−a,d−b)となる。
【0013】
すなわち、注目画素P(i,j)に対応する参照フレームFr上の参照画素P’(i,j)を始点とし、基準ブロックBb(i,j)に最も近い(類似している)参照ブロックBrn(i,j)を構成するL×L個の画素の中心となる参照画素Pn(i,j)を終点とするベクトルが動きベクトルとして求められる。
【0014】
次に、図3のフローチャートを参照して、図1の動き検出部1の動き検出処理について説明する。
【0015】
ステップS1において、動きベクトル検出部13は、フレームメモリ11に格納されているカレントフレームFc上の注目画素P(i,j)の画素位置に応じて、サーチエリアSRを設定する。
【0016】
ステップS2において、動きベクトル検出部13は、上述のように、基準ブロックBb(i,j)と参照ブロックBrn(i,j)の画素間の差分絶対値和の最小値を設定する変数Minを、画素の諧調数に基準ブロックBb(i,j)を構成する画素数を乗じた値に設定することにより初期化する。すなわち、例えば、1画素が8ビットのデータであった場合、1画素の諧調数は、2の8乗となるため256階調(256色)となる。また、基準ブロックBb(i,j)がL画素×L画素=3画素×3画素から構成される場合、その画素数は、9個となる。結果として、変数Minは、2304(=256(諧調数)×9(画素数))に初期化される。
【0017】
ステップS3において、動きベクトル検出部13は、参照ブロックBrnをカウントするカウンタ変数nを1に初期化する。
【0018】
ステップS4において、動きベクトル検出部13は、基準ブロックBbと参照ブロックBrnの画素間の差分絶対値和を代入するために用いる変数sumを0に初期化する。
【0019】
ステップS5において、動きベクトル検出部13は、基準ブロックBb(i,j)と参照ブロックBrn(i,j)の画素間の差分絶対値和(=sum)を求める。すなわち、基準ブロックBb(i,j)の各画素がP_Bb(i,j)、基準ブロックBrn(i,j)の各画素がP_Brn(i,j)としてそれぞれ示される場合、動きベクトル検出部13は、以下の式(1)で示される演算を実行して、基準ブロックBb(i,j)と参照ブロックBrn(i,j)の画素間の差分絶対値和を求める。
【0020】
【数1】
Figure 0004264531
【0021】
ステップS6において、動きベクトル検出部13は、変数Minが変数sumよりも大きいか否かを判定し、例えば、変数Minが変数sumよりも大きいと判定する場合、ステップS7において、変数Minを変数sumに更新し、その時点でのカウンタnの値を動きベクトル番号として登録する。すなわち、今求めた差分絶対値和を示す変数sumが、最小値を示す変数Minよりも小さいと言うことは、これまで演算したどの参照ブロックよりも、今演算している参照ブロックBrn(i,j)が基準ブロックBb(i,j)により類似したものであるとみなすことができるので、動きベクトルを求める際の候補とするため、その時点でのカウンタnが動きベクトル番号として登録される。また、ステップS6において、変数Minが変数sumよりも大きくないと判定された場合、ステップS7の処理がスキップされる。
【0022】
ステップS8において、動きベクトル検出部13は、カウンタ変数nがサーチエリアSRの参照ブロックBrnの総数mであるか否か、すなわち、今の参照ブロックBrnがBrn=Brmであるか否かを判定し、例えば、総数mではないと判定した場合、ステップS9において、カウンタ変数nを1インクリメントし、その処理は、ステップS4に戻る。
【0023】
ステップS8において、カウンタ変数nがサーチエリア内の参照ブロックBrnの総数mである、すなわち、今の参照ブロックBrnがBrn=Brmであると判定された場合、ステップS10において、動きベクトル検出部13は、登録されている動きベクトル番号に基づいて動きベクトルを出力する。すなわち、ステップS4乃至S9が繰り返されることにより、差分絶対値和が最小となる参照ブロックBrnに対応するカウンタ変数nが動きベクトル番号として登録されることになるので、動きベクトル検出部13は、この動きベクトル番号に対応する参照ブロックBrnのL×L個の画素のうち、その中心となる参照画素Pn(i,j)を求め、カレントフレームFc上の注目画素P(i,j)に対応する参照フレームFr上の画素P’(i,j)を始点とし、参照画素Pn(i,j)を終点とするベクトルを、注目画素P(i,j)の動きベクトル(Vx,Vy)として求めて出力する。
【0024】
以上説明したようなブロックマッチング法により、動きベクトルを検出する場合において、動きベクトル検出対象ブロック、および、参照フレームの小ブロック毎に定常成分および過渡成分を抽出し、これらの定常成分および過渡成分の差分をそれぞれ検出して、絶対値差分を累算した値を加重平均して評価値を形成し、この評価値に基づいて動きベクトルを検出することにより、演算量を低減することができ、また、誤検出のおそれを防止することができるようにする技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、1ビットADRCによって各画素値を1ビットのコード値に符号化し、そのコード値を使用してマッチング演算を行うことにより、動きベクトルの検出に係る回路構成、演算時間等を簡素化することができる技術がある(例えば、特許文献2参照)。
【0025】
【特許文献1】
特開平07−087494号公報
【特許文献2】
特開2000−278691号公報
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したブロックマッチングアルゴリズムは、式(1)の演算量が非常に膨大なものとなるため、MPEG(Moving Picture Experts Group)等の画像圧縮処理においては、大半の時間がこの処理に費やされてしまうという課題があった。
【0027】
また、カレントフレームFc、または、参照フレームFrの動きベクトルの始点、または、終点付近でノイズが含まれた場合、ブロックマッチングでは基準ブロックに類似する参照ブロックを検出することができず、正確な動きベクトルを検出することができないという課題があった。
【0028】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、正確に動きベクトルを生成することができるようにするものである。
【0029】
本発明の画像処理装置は、第1のフレームを構成する各画素のそれぞれを注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量を、注目画素の第1の特徴量として抽出する第1の特徴量抽出手段と、第1のフレームより時間的に前のフレームである第2のフレームを構成する各画素をそれぞれ注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量を、注目画素の第2の特徴量として抽出する第2の特徴量抽出手段と、第2のフレームを構成する各画素毎に、第2の特徴量抽出手段により抽出された第2の特徴量と、対応する画素位置の情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶されている第2のフレームを構成する各画素のそれぞれの画素位置の情報のうち、第1の特徴量抽出手段により抽出された第1のフレームに含まれる注目画素の第1の特徴量と同一と判断される第2の特徴量と対応付けられて記憶された画素位置の情報を検索する検索手段と、検索手段により検索された画素位置の情報のうち、第1のフレーム中の注目画素との距離が最小となる画素位置を検出し、検出された画素位置と、注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成手段とを備え、注目画素の第1の特徴量と対応すると検索手段により判断される第2の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲が、その第1の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲を含み、かつ、その範囲より広範囲となるように、第2の特徴量が第2の特徴量抽出手段により抽出されることを特徴とする。
【0030】
検索手段により検索された画素位置の情報のうち、第1のフレーム中の注目画素との距離が最小となる画素位置を検出し、検出された画素位置と、注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成手段を更に備えさせるようにすることができる。
【0031】
第1の特徴量抽出手段により第1の特徴量として抽出される量は、所定物理量の1単位量であり、第2の特徴量抽出手段には、検索手段により第1の特徴量と対応すると判断される第2の特徴量として、第1の特徴量抽出手段により抽出された1単位量を含む、所定物理量の複数の単位量を抽出させるようにすることができる。
【0032】
第1のフレームおよび第2のフレームに含まれている画素の画素値は、所定のステップ数で量子化されるものとすることができ、第1の特徴量抽出手段により第1の特徴量として抽出される量は、第1のフレームの量子化された画素値のnステップ(nは 1 以上の整数値)分が1グループに属するようにグループ化された結果得られる1つのグループを示す量であり、第2の特徴量抽出手段により第2の特徴量として抽出される量は、第2のフレームの量子化された画素値のmステップ(mはnよりも大きな整数値)分が1グループに属するように、かつ、第1のフレームについてのグループ化のグループの境界と異なる位置に境界ができるようにグループ化された結果得られる1つのグループを示す量である。
【0033】
第1のフレームおよび第2のフレームに含まれている画素の画素値は、所定のビット数のデータに量子化されるものとすることができ、第1の特徴量は、量子化された第1のフレームの画素値の上位nビットで表わされ、第2の特徴量は、量子化された第2のフレームの画素値の上位(n−1)ビットに対して、正方向に所定のビット数だけシフトして得られる第1の値と、負方向に所定のビット数だけシフトして得られる第2の値とで表わされる。
【0034】
第1の特徴量抽出手段は、第1のフレームに含まれる注目画素を中心とした所定の画素範囲のブロックを単位として、ブロックに含まれる画素のうち注目画素を除く複数の画素をクラスタップとして抽出する第1のクラスタップ抽出手段と、第1のクラスタップ抽出手段により抽出されたクラスタップの各画素値のうち、最小値と最大値とを検出し、最大値と最小値との差分に基づくダイナミックレンジの値を演算し、ダイナミックレンジの値と最小値とを出力する第1のダイナミックレンジ演算手段と、第1のダイナミックレンジ演算手段から出力されたダイナミックレンジの値と最小値とから、クラスタップの各画素値を基に、ADRCコードからなるnビットの量子化コードを抽出する第1のコード抽出手段を有するものとすることができ、第2の特徴量抽出手段は、第2のフレームに含まれる注目画素を中心とした所定の画素範囲のブロックを単位として、ブロックに含まれる画素のうち注目画素を除く複数の画素をクラスタップとして抽出する第2のクラスタップ抽出手段と、第2のクラスタップ抽出手段により抽出されたクラスタップの各画素値のうち、最小値と最大値とを検出し、最大値と最小値との差分に基づくダイナミックレンジの値を演算し、ダイナミックレンジの値と最小値とを出力する第2のダイナミックレンジ演算手段と、第2のダイナミックレンジ演算手段から出力されたダイナミックレンジの値と最小値とから、クラスタップの各画素値を基に、ADRCコードからなるnビットの量子化コードを抽出する第2のコード抽出手段と、第2のコード抽出手段により抽出された量子化コードのnビットのうちの1ビットを反転させたn個のコードを生成する生成手段とを有するものとすることができ、第1の特徴量は、第1のコード抽出手段により抽出された量子化コードであるものとすることができ、第2の特徴量は、第2のコード抽出手段により抽出された量子化コード、および、生成手段により生成された、n個のコードであるものとすることができる。
【0035】
本発明の画像処理方法は、第1のフレームを構成する各画素のそれぞれを注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量を、注目画素の第1の特徴量として抽出する第1の特徴量抽出ステップと、第1のフレームより時間的に前のフレームである第2のフレームを構成する各画素をそれぞれ注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量を、注目画素の第2の特徴量として抽出する第2の特徴量抽出ステップと、第2のフレームを参照フレームとして、参照フレームを構成する各画素毎に、第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出された第2の特徴量と、対応する画素位置の情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる制御をする記憶制御ステップと、記憶制御ステップの処理により記憶されている参照フレームを構成する各画素のそれぞれの画素位置の情報のうち、第1の特徴量抽出ステップの処理により抽出された第1のフレームに含まれる注目画素の第1の特徴量と同一と判断される第2の特徴量と対応付けられて記憶された画素位置の情報を検索する検索ステップと、検索ステップの処理により検索された画素位置の情報のうち、第1のフレーム中の注目画素との距離が最小となる画素位置を検出し、検出された画素位置と、注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成ステップとを含む処理を実行し、注目画素の第1の特徴量と対応すると検索ステップの処理により判断される第2の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲が、その第1の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲を含み、かつ、その範囲より広範囲となるように、第2の特徴量が第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出されることを特徴とする。
【0036】
本発明の記録媒体に記録されているプログラムは、第1のフレームを構成する各画素のそれぞれを注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量を、注目画素の第1の特徴量として抽出する第1の特徴量抽出ステップと、第1のフレームより時間的に前のフレームである第2のフレームを構成する各画素をそれぞれ注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量を、注目画素の第2の特徴量として抽出する第2の特徴量抽出ステップと、第2のフレームを参照フレームとして、参照フレームを構成する各画素毎に、第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出された第2の特徴量と、対応する画素位置の情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる制御をする記憶制御ステップと、記憶制御ステップの処理により記憶されている参照フレームを構成する各画素のそれぞれの画素位置の情報のうち、第1の特徴量抽出ステップの処理により抽出された第1のフレームに含まれる注目画素の第1の特徴量と対応する第2の特徴量と対応付けられて記憶された画素位置の情報を検索する検索ステップと、検索ステップにより検索された画素位置の情報のうち、第1のフレーム中の注目画素との距離が最小となる画素位置を検出し、検出された画素位置と、注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成ステップとを含む制御処理を実行させるプログラムであって、注目画素の第1の特徴量と対応すると検索ステップの処理により判断される第2の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲が、その第1の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲を含み、かつ、その範囲より広範囲となるように、第2の特徴量が第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出されることを特徴とする。
【0037】
本発明のプログラムは、第1のフレームを構成する各画素のそれぞれを注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量を、注目画素の第1の特徴量として抽出する第1の特徴量抽出ステップと、第1のフレームより時間的に前のフレームである第2のフレームを構成する各画素をそれぞれ注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量を、注目画素の第2の特徴量として抽出する第2の特徴量抽出ステップと、第2のフレームを参照フレームとして、参照フレームを構成する各画素毎に、第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出された第2の特徴量と、対応する画素位置の情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる制御をする記憶制御ステップと、記憶制御ステップの処理により記憶されている参照フレームを構成する各画素のそれぞれの画素位置の情報のうち、第1の特徴量抽出ステップの処理により抽出された第1のフレームに含まれる注目画素の第1の特徴量と対応する第2の特徴量と対応付けられて記憶された画素位置の情報を検索する検索ステップと、検索ステップの処理により検索された画素位置の情報のうち、第1のフレーム中の注目画素との距離が最小となる画素位置を検出し、検出された画素位置と、注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成ステップとを含む制御処理を実行させるプログラムであって、注目画素の第1の特徴量と対応すると検索ステップの処理により判断される第2の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲が、その第1の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲を含み、かつ、その範囲より広範囲となるように、第2の特徴量が第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出されることを特徴とする。
【0038】
本発明の画像処理装置および方法、並びにプログラムにおいて、第1のフレームを構成する各画素のそれぞれを注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量が、注目画素の第1の特徴量として抽出され、第1のフレームより時間的に前のフレームである第2のフレームを構成する各画素をそれぞれ注目画素として、注目画素自身または注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または画素値を使用して算出される量が、注目画素の第2の特徴量として抽出され、第2のフレームを参照フレームとして、参照フレームを構成する各画素毎に、抽出された第2の特徴量と、対応する画素位置の情報とが対応付けられて記憶され、記憶されている参照フレームを構成する各画素のそれぞれの画素位置の情報のうち、第1のフレームに含まれる注目画素の第1の特徴量と対応する第2の特徴量と対応付けられて記憶された画素位置の情報が検索され、検索された画素位置の情報のうち、第1のフレーム中の注目画素との距離が最小となる画素位置が検出され、検出された画素位置と、注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルが生成され、注目画素の第1の特徴量と対応すると判断される第2の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲が、その第1の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲を含み、かつ、その範囲より広範囲となるように、第2の特徴量が抽出される。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0040】
図4は、本発明を適用した画像処理装置の動き検出部51の構成を示すブロック図である。
【0041】
動き検出部51は、フレームメモリ61および62、特徴量抽出部63および64、データベース制御部65、データベース検索部66、および、動きベクトル決定部67で構成されている。
【0042】
第1のフレームメモリであるフレームメモリ61は、入力端子Tinから入力された画像信号の1画面の情報を格納し、フレームメモリ62および特徴量抽出部63に供給する。入力端子Tinから入力される画像信号は、各画素の画素値が、所定のビット数に量子化された情報であり、例えば、PCM符号化などにより、符号化されていてもかまわない。ここでは、画素値が、8ビットに量子化されているものとして説明する。
【0043】
特徴量抽出部63は、フレームメモリから供給された画面情報、すなわちカレントフレームFcの情報を基に、注目画素の特徴量を抽出する。特徴量には、例えば、注目画素の画素値、注目画素を中心とした所定の画素範囲のブロックの複数の画素値またはこれらの画素値の平均値、注目画素を中心とした所定の画素範囲のブロックの画素値を基に算出されるADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)のコード、ブロック内の画素値分布のダイナミックレンジ、あるいは、ブロック内の画素値分布の最小値などがある。
【0044】
ここでは、特徴量抽出部63は、特徴量として、注目画素の画素値を用いるものとして説明する。特徴量抽出部63は、注目画素の画素値として、8ビットのデータの入力を受け、上位4ビットを用いて、コード化を実行する。すなわち、8ビットで示される画素値0乃至28−1が、24種類のコードで示される。具体的には、特徴量抽出部63において、次の式(2)により、コードA(codeA)が算出される。
【0045】
codeA=[p(x、y)/16]・・・(2)
【0046】
ただし、p(x、y)は、注目画素の画素値であり、[]の括弧内の計算値は、小数点以下を切り捨てるものとする。特徴量抽出部63は、算出されたコードAを、第1の特徴量として、対応する画素の位置(例えば、座標情報)とともに、データベース検索部66に供給する。
【0047】
第2のフレームメモリであるフレームメモリ62は、フレームメモリ61に格納されていた、以前(たとえば1画面前)の画面情報の入力を受け、参照フレームFrの情報として格納し、順次、特徴量抽出部64に供給する。
【0048】
参照フレームFrとカレントフレームFcにおいて対応する画素は、本来、同一の特徴を有しているはずであるが、例えば、ノイズなどの影響により、その特徴が多少変化することがある。参照フレームFrとカレントフレームFcにおいて、いずれも、式(2)を用いて説明したコードAの演算結果を特徴量として用いた場合、例えば、参照フレームFrにおいて、画素値が15であった画素が、カレントフレームFcにおいて、画素値16となってしまったとき、コードAの算出結果は、参照フレームFrではコードA=0、カレントフレームFcではコードA=1となる。このような場合、同一の特徴量算出結果を得ることができないため、本来、対応する画素であるとして検出されるべきである画素を検出することができず、動きベクトルを正しく検出することができなくなってしまう。
【0049】
そこで、特徴量抽出部64は、フレームメモリ62から供給された参照フレームFrの情報を基に、特徴量抽出部63とは異なる規準を用いて、注目画素の特徴量を抽出する。
【0050】
特徴量抽出部64は、供給された画素値のうち、上位3ビットを用いて、コード化を実行する。すなわち、8ビットで示される画素値0乃至28−1が、23種類のコードで示されるのであるが、ここでは、2種類のコードを算出する。従って、算出されるコードの種類の総数は、23×2種類となり、特徴量抽出部63において算出されるコードの種類と同数となる。具体的には、次の式(3)および式(4)により、コードB(codeB)およびコードC(codeC)が算出される。
【0051】
codeB=[{p(x、y)+8}/32]×2・・・(3)
codeC=[{p(x、y)−8}/32]×2+1・・・(4)
【0052】
ここでも、[]の括弧内の計算値は、小数点以下切り捨てるものとする。特徴量抽出部63において算出されるコードAと、特徴量抽出部64において算出されるコードBおよびコードCとの関係を図5に示す。
【0053】
コードAが、上位4ビットの値を用いてコード化されているのに対し、コードBおよびコードCは、上位3ビットの値を用いてコード化されているため、同一コードに含まれる画素範囲は、コードAにおいては16ステップであり、コードBおよびコードCにおいては、コードAにおける場合の2倍の32ステップとなる。そして、コードBのコードの境界は、コードAの境界と比較して、マイナス側に3ビットシフトされ、コードCのコードの境界は、コードAの境界と比較して、プラス側に3ビットシフトされている。
【0054】
ノイズなどの影響により、参照フレームFrとカレントフレームFcとにおいて画素の特徴量が変化した場合、最も誤検知を起こしやすいのは、コードの境界部分である。従って、この部分を誤検知しないように、参照フレームFrのコードBおよびコードCが、それぞれ、コードAの境界部分を含んで、同じ画素値範囲でオーバーラップするように設定される。
【0055】
図5に示されるように、上述した式(3)および式(4)によって生成されるコードBまたはコードCは、それぞれ、コードA=X(Xは、0乃至14)と、コードA=X+1との境界部分の画素値を含む。そして、コードA=Xと、コードA=X+1との境界部分となる画素値において、コードB=Xとなり、コードC=X+1となる。
【0056】
具体的には、例えば、注目画素の画素値が63である場合、カレントフレームFcにおいて、コードA=3となり、参照フレームFrにおいて、コードB=4、かつ、コードC=3となる。また、注目画素の画素値が64である場合、カレントフレームFcにおいて、コードA=4となり、参照フレームFrにおいて、コードB=4、かつ、コードC=3となる。
【0057】
従って、参照フレームFrとカレントフレームFcとにおいて画素の特徴量が63と64で変化してしまった場合においても、コードBかコードCのいずれかにおいて、コードAと同一のコードを得ることが可能となる。上述した式(3)および式(4)によってコードBおよびコードCが生成された場合、コードBまたはコードCは、コードAの対応する境界を挟んで、3ビット(画素値で8ステップ)ずつずれているので、参照フレームFrとカレントフレームFcとにおいての画素の特徴量の変動が3ビット(画素値で8ステップ)以内であれば、コードBかコードCのいずれかにおいて、正しい検出結果を得ることが可能となる。
【0058】
ここでは、コードAを検出するために用いる情報のビット数を上位4ビットとし、コードBおよびコードCを検出するために用いる情報のビット数を上位3ビットとして説明したが、特徴量としてのコードの検出方法はこの限りではない。例えば、コードAを検出するために用いる情報のビット数を上位5ビットとし、コードBおよびコードCを検出するために用いる情報のビット数を上位4ビットとしてもよい。
【0059】
特徴量抽出部64は、算出されたコードBおよびコードCを、第2の特徴量、および第3の特徴量として、対応する画素の位置(例えば、座標情報)とともに、データベース制御部65に供給する。
【0060】
データベース制御部65は、特徴量抽出部64から供給された、参照フレームFrの特徴量情報を基に、特徴量をアドレスとして、画素の位置情報をデータベース71に格納することにより、参照フレーム情報を生成する。データベース制御部65は、内部に、処理済の画素数をカウントするためのカウンタを有している。
【0061】
データベース71に格納される参照フレーム情報の構成を図6に示す。
【0062】
データベース71は、特徴量アドレス0乃至aと、フラグアドレス0乃至bによって示される(a+1)×(b+1)個のセルにより構成されている。ここで、特徴量であるコードA、コードB、およびコードCが、上述した方法で算出される場合、特徴量アドレス0乃至aは、それぞれ、コードA、コードB、およびコードCのコード番号0乃至15に対応する(a=15)。
【0063】
データベース制御部65は、参照フレームFrの画素の特徴量であるコードB、およびコードCを、特徴量アドレスに対応つけて、その画素の位置情報を、データベース71の、特徴量アドレスに対応するフラグアドレス1乃至bに順次格納する。そして、フラグアドレス0には、現在、その特徴量アドレスに格納されている位置情報の数が、順次、インクリメントされて格納される。具体的には、特徴量アドレス1に、1つの位置情報が格納されている場合、セル(1,0)には、格納されている位置情報の数として、1が格納される。そして、次の注目画素の特徴量が、特徴量アドレス1に対応するものであった場合、セル(1,0)に格納されている値は、インクリメントされて2となり、注目画素の位置情報が、セル(1,2)に格納される。
【0064】
そして、参照フレームFrの注目画素1つに付き、コードB、およびコードCに対応する2つの画素位置情報が、特徴量アドレスに対応するフラグアドレス1乃至bのいずれかに格納される。1フレーム分の格納処理が終了したとき、データベース71のセル(0,1)からセル(a,b)には、1フレームの画素数の2倍の画素位置情報が格納される。
【0065】
再び、図4に戻り、動き検出部51の構成について説明する。データベース検索部66は、特徴量抽出部63から供給されたカレントフレームFcの特徴量情報と、データベース制御部65のデータベース71に記憶されている参照フレーム情報とのマッチング処理を実行する。すなわち、データベース検索部61は、特徴量抽出部63から、カレントフレームFcの注目画素の特徴量であるコードAの入力を受け、データベース71の参照フレーム情報を参照して、カレントフレームFcの注目画素の特徴量と一致する特徴量アドレスに記載されている、複数の参照画素候補の画素位置情報を検出して、カレントフレームFcの注目画素の画素位置情報とともに、動きベクトル決定部67に供給する。
【0066】
動きベクトル決定部67は、カレントフレームFcの注目画素の画素位置情報と、複数の参照画素候補の画素位置情報との距離を演算し、例えば、算出された距離が最小である参照画素候補を、カレントフレームFcの注目画素に対応する参照画素であると決定し、その位置情報に基づいて、差分座標を検出して出力する。出力された差分座標は、注目画素の動きベクトル(Vx,Vy)である。
【0067】
ここでは、距離演算結果が最小のものを選択することにより、複数の参照画素候補のうち、カレントフレームFcの注目画素に対応する参照画素を決定するものとして説明したが、参照画素の決定方法は、それ以外の方法であってもかまわないことは言うまでもない。
【0068】
図7を参照して、動き検出部51が実行する動き検出処理1について説明する。
【0069】
ステップS31において、フレームメモリ61は、フレームの入力を受ける。
【0070】
ステップS32において、フレームメモリ61は、ステップS31において入力されたフレームを、第2のフレームメモリであるフレームメモリ62に供給する。フレームメモリ62は、例えば、n番目のフレームがフレームメモリ61からフレームメモリ62に供給されるよりも前に、格納されていたn−1番目のフレームを、特徴量抽出部64に供給する。
【0071】
ステップS33において、図9を用いて後述する参照フレーム情報生成処理が、特徴量抽出部64において実行される。
【0072】
特徴量抽出部63は、ステップS34において、フレームメモリ61から入力されたフレームの注目画素の画素値の上位4ビットを抽出し、ステップS35において、コードAを算出する。ステップS34およびステップS35の処理は、上述した、式(2)の演算処理に等しい。
【0073】
ステップS36において、図11を用いて後述するマッチング処理が実行されて、処理が終了される。
【0074】
ステップS31乃至ステップS36の処理は、一部、並行して実行される。例えば、n−1番目に入力されたフレーム(n−1フレーム)、n番目に入力されたフレーム(nフレーム)、および、n+1番目に入力されたフレーム(n+1フレーム)が処理されるタイミングの例について、図8を用いて説明する。
【0075】
例えば、フレームメモリ61にnフレームが入力されたとき、特徴量抽出部64においては、n−1フレームのコードBおよびコードCが算出される。
【0076】
次に、特徴量抽出部63において、nフレームのコードAが算出されているとき、第2のフレームメモリであるフレームメモリ62にnフレームが供給され、特徴量抽出部64において算出されたn−1フレームのコードBおよびコードCが、データベース制御部65の処理により、データベース71に登録される。
【0077】
そして、その後、データベース検索部66において、特徴量抽出部63において算出されたnフレームのコードAに対応する特徴量を有する画素位置の情報が、データベース71に登録されているn−1フレームの情報より抽出される(マッチング)。このとき、特徴量抽出部64において、nフレームのコードBおよびコードCが算出され、フレームメモリ61にn+1フレームが入力される。
【0078】
次に、特徴量抽出部63において、n+1フレームのコードAが算出されているとき、第2のフレームメモリであるフレームメモリ62にn+1フレームが供給されるとともに、特徴量抽出部64において算出されたnフレームのコードBおよびコードCが、データベース制御部65の処理により、データベース71に登録される。
【0079】
そして、データベース検索部66において、特徴量抽出部63において算出されたn+1フレームのコードAに対応する特徴量を有する画素位置の情報が、データベース71に登録されているnフレームの情報より抽出され、以下、同様に処理が繰り返される。
【0080】
このようにして、ステップS31乃至ステップS36の処理は、一部、並行して実行される。
【0081】
次に、図9を参照して、図8のステップS33において実行される、参照フレーム情報生成処理について説明する。
【0082】
ステップS51において、データベース制御部65は、データベース71に登録されている参照フレーム情報を初期化する。すなわち、データベース制御部65は、全ての特徴量アドレスに対応するフラグアドレス0のセルに0を書き込み、フラグアドレス1乃至bに格納されている位置情報を削除する。
【0083】
ステップS52において、データベース制御部65は、1フレームメモリ内の画素をカウントするカウンタのカウンタ変数nを0に初期化する。
【0084】
ステップS53において、特徴量抽出部63は、図10を用いて後述する特徴量算出処理を実行する。
【0085】
ステップS54において、データベース制御部65は、特徴量抽出部63において抽出された参照フレームFrの注目画素の特徴量であるコードBおよびコードCの供給を受け、データベース71から、コードBおよびコードCに対応する特徴量アドレスの、フラグアドレス0に記載されている値Kを読み込む。上述したように、1つの注目画素に対して、2つの特徴量であるコードBおよびコードCが決定されるので、2箇所の特徴量アドレスに対応する値Kが読み出される。
【0086】
ステップS55において、データベース制御部65は、ステップS54において読み出した値Kを、それぞれ、K=K+1とし、データベース71の対応する特徴量アドレスの、フラグアドレス0に書き込む。
【0087】
ステップS56において、データベース制御部65は、特徴量抽出部63から供給された、参照フレームFrの注目画素の位置情報を、データベース71の対応する特徴量アドレスのフラグアドレスK+1で示される2箇所のセルに書き込む。
【0088】
ステップS57において、データベース制御部65は、カウンタ変数nをインクリメントして、n=n+1とする。
【0089】
ステップS58において、データベース制御部65は、カウンタ変数n=1フレームの画素数であるか否かを判断する。ステップS58において、カウンタ変数n=1フレームの画素数ではないと判断された場合、処理は、ステップS53に戻り、それ以降の処理が繰り返される。ステップS58において、カウンタ変数n=1フレームの画素数であると判断された場合、処理は、終了される。
【0090】
このような処理により、図6を用いて説明したデータベース71のフラグアドレス=0のセルであるセル(0,0)乃至セル(a,0)に、対応する特徴量を有する参照フレームFrの画素位置の候補の数が格納され、データベース71のフラグアドレス=1乃至bのセルであるセル(0,1)乃至セル(a,b)に、対応する特徴量を有する参照フレームFrの画素位置が格納される。換言すれば、参照フレームFrにおいて、同一の特徴量を有する可能性の高い画素の画素位置が、特徴量毎にアドレシングされて、データベース71に格納される。
【0091】
次に、図10のフローチャートを参照して、図9のステップS53において実行される特徴量算出処理について説明する。
【0092】
ステップS81において、特徴量抽出部64は、入力された参照フレームFrの注目画素の画素値の上位3ビットを抽出する。
【0093】
ステップS82において、特徴量抽出部64は、コードBおよびコードCを算出して、処理は、図9のステップS54に戻る。
【0094】
ステップS81およびステップS82の処理は、具体的には、上述した、式(3)および式(4)を用いて、コードBおよびコードCを算出する処理と等価である。
【0095】
この処理により、コードBおよびコードCの2つのコードが特徴量として算出されるため、図8のステップS54においては、コードBおよびコードCに対応する2つの特徴量アドレスにおいて、フラグアドレス0に記載されている値Kが読み込まれて、ステップS55において、それぞれインクリメントされ、ステップS56において、コードBおよびコードCに対応する2つの特徴量アドレスに対応するフラグアドレスK+1に、注目画素の画素位置情報が記載される。
【0096】
すなわち、1フレームの画素全ての処理が終了した場合、図6を用いて説明したデータベース71のセルのうち、1フレームの画素数の2倍のセルに、位置情報が記載される。
【0097】
次に、図11のフローチャートを参照して、図8のステップS36において実行されるマッチング処理について説明する。
【0098】
ステップS101において、データベース検索部66は、特徴量抽出部63から、カレントフレームFcの注目画素のコードAの入力を受ける。
【0099】
ステップS102において、データベース検索部66は、データベース71に記録されている参照フレームFrの特徴量のうち、カレントフレームFcのコードAと等しいものを検出する。
【0100】
ステップS103において、データベース検索部66は、検出された特徴量のアドレスのフラグアドレス1乃至フラグアドレスKのセルに記載されている画素位置情報を読み込んで、動きベクトル決定部67に供給する。
【0101】
ステップS104において、動きベクトル決定部67は、読み込まれた画素位置の中で、カレントフレームFcの注目画素に最も近い画素位置を検出する。
【0102】
ステップS105において、動きベクトル決定部67は、注目画素の画素位置と検出された画素位置を基に、動きベクトルを算出し、処理が終了される。
【0103】
ここでは、カレントフレームFcの注目画素から最も近い候補が、対応する参照フレームFrの画素であるものとして説明したが、動きベクトルの検出方法は、これ以外の方法であってもかまわない。
【0104】
また、データベースを2つ設けることにより、データベースへの登録処理である参照フレーム情報生成処理と、データベースに登録された情報を用いて実行されるマッチング処理を、並行して行えるようにし、処理を高速化することができる。
【0105】
図12は、データベースを2つ備えるようにした動き検出部101の構成を示すブロック図である。なお、図4における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0106】
すなわち、図12の動き検出部101は、データベース制御部65に代わり、データベース71−1およびデータベース71−2の2つのデータベースを備え、データベース選択処理部121を有するデータベース制御部111が備えられ、フレームメモリ62が省略されている以外は、基本的に、図4を用いて説明した動き検出部51と同様の構成を有するものである。
【0107】
図13は、図12のデータベース制御部の更に詳細な構成を示すブロック図である。データベース選択処理部121は、データベース71−1およびデータベース71−2の一方に、特徴量抽出部64から供給されるカレントフレームFcの特徴量が登録され、他方にすでに登録されている参照フレームFrの情報が、データベース検索部66により読み込まれるように、情報の入出力を制御する。
【0108】
すなわち、データベース制御部111には、データベース71−1およびデータベース71−2の2つのデータベースが備えられ、例えば、カレントフレームFcの特徴量が、データベース71−2に登録されている間、その前の処理でデータベース71−1に登録された参照フレームFrの情報が、データベース検索部66により読み込まれる。そして、データベース71−1に登録された参照フレームFrと、カレントフレームFcとのマッチング処理、および、カレントフレームFcの特徴量のデータベース71−2への登録処理が終了した後、次のフレームがカレントフレームFcとなり、カレントフレームFcの特徴量がデータベース71−1に登録され、データベース71−2に登録されている情報が、参照フレームFrの情報としてデータベース検索部66により読み込まれる。
【0109】
すなわち、データベース71−1からの情報の読み出しと、データベース71−2への情報の書き込みが、並行して行われ、データベース71−2からの情報の読み出しと、データベース71−1への情報の書き込みが、並行して行われる。
【0110】
図14のフローチャートを参照して、図12の動き検出部101が実行する動き検出処理2について説明する。
【0111】
ステップS121において、フレームメモリ61は、フレームの入力を受ける。フレームメモリ61は、入力されたフレームを、特徴量抽出部63および特徴量抽出部64に供給する。
【0112】
ステップS122において、図9を用いて説明した参照フレーム情報生成処理が、特徴量抽出部64において実行される。
【0113】
特徴量抽出部63は、ステップS123において、フレームメモリ61から入力されたフレームの注目画素の画素値の上位4ビットを抽出し、ステップS124において、コードAを算出する。ステップS123およびステップS124の処理は、上述した、式(2)の演算処理に等しい。
【0114】
ステップS125において、図11を用いて説明したマッチング処理が実行されて、処理が終了される。
【0115】
ステップS31乃至ステップS36の処理は、一部、並行して実行される。例えば、n−1番目に入力されたフレーム(n−1フレーム)、n番目に入力されたフレーム(nフレーム)、および、n+1番目に入力されたフレーム(n+1フレーム)が処理されるタイミングの例について、図15を用いて説明する。
【0116】
例えば、フレームメモリ61にnフレームが入力されたとき、特徴量抽出部64において、n−1フレームのコードBおよびコードCが算出されて、データベース制御部111に供給される。
【0117】
次に、特徴量抽出部63において、nフレームのコードAが算出されているとき、特徴量抽出部64において、nフレームのコードBおよびコードCが算出される。この処理と並行して、特徴量抽出部64において算出されたn−1フレームのコードBおよびコードCがデータベース制御部111の処理により、データベース71のいずれか一方(以下、データベース1と称する)に登録される。このとき、フレームメモリ61には、n+1フレームが入力される。
【0118】
そして、その後、データベース検索部66において、特徴量抽出部63において算出されたnフレームのコードAに対応する特徴量を有する画素位置の情報が、データベース1に登録されているn−1フレームの情報より抽出される(マッチング)。このとき、特徴量抽出部64において算出された、フレームnのコードBおよびコードCが、データベース制御部111の処理により、データベース71の他方(以下、データベース2と称する)に登録される。
【0119】
すなわち、データベース1からの情報の読み出しと、データベース2への情報の書き込みが、並行して行われる。更に、並行して、特徴量抽出部63において、n+1フレームのコードAが算出され、特徴量抽出部64において、n+1フレームのコードBおよびコードCが算出される。
【0120】
そして、データベース検索部66において、特徴量抽出部63において算出されたn+1フレームのコードAに対応する特徴量を有する画素位置の情報が、データベース2に登録されているnフレームの情報より抽出される(マッチング)。このとき、特徴量抽出部64において算出されたフレームn+1のコードBおよびコードCが、データベース制御部111の処理によりデータベース1に登録され、以下、同様に処理が繰り返される。
【0121】
このような構成にすることにより、図8を用いて説明した場合と比較して、処理を高速化することが可能となる。
【0122】
以上の処理では、特徴量として、注目画素の画素値を用いるものとして説明したが、特徴量として、これ以外のものが用いられた場合においても、本発明は適用される。特徴量としては、例えば、注目画素の画素値、注目画素を中心とした所定の画素範囲のブロックの複数の画素値またはこれらの画素値の平均値、注目画素を中心とした所定の画素範囲のブロックの画素値を基に算出されるADRCのコード、ブロック内の画素値分布のダイナミックレンジ、あるいは、ブロック内の画素値分布の最小値などが、単独、または、複数の特徴量の集合として用いられる。
【0123】
例えば、特徴量として、ADRCが用いられる場合、特徴量抽出部63は、図16に示されるブロック図のように構成される。
【0124】
クラスタップ抽出部151は、入力された画像情報のうち、特徴量の抽出に必要な注目画素に対応する周辺画素(クラスタップ)の情報(画素値)を抽出しDR(ダイレクトレンジ)演算部152、および、ADRCコード生成部153に出力する。また、クラスタップ抽出部151は、クラスタップのパターンを記憶したタップテーブル151aを有しており、タップテーブル151aに記憶されているクラスタップのパターンに基づいて、抽出するクラスタップのパターンを決定する。
【0125】
すなわち、タップテーブル151aは、クラスタップのパターンとして、図17で示すように注目画素(図中黒丸で表示されている画素)を中心とした3画素×3画素からなるブロックの最外周位置に配置される8画素(図中斜線で塗りつぶされている画素)のパターンや、図18で示すように、注目画素(図中黒丸で表示されている画素)を中心とした5画素×5画素からなるブロックの最外周位置に配置される16画素(図中斜線で塗りつぶされている画素)のパターンや、図19で示すように、注目画素(図中黒丸で表示されている画素)を中心とした7画素×7画素からなるブロックの最外周位置に配置される24画素(図中斜線で塗りつぶされている画素)パターンや、さらに、図示しないが、注目画素(図中黒丸で表示されている画素)を中心としたn画素×n画素からなるブロックの最外周位置に配置される4(n−1)画素パターンを記憶している。
【0126】
また、クラスタップのパターンは、図20で示すように、注目画素の上下左右の1画素からなる4画素であってもよいし、図21で示すように、注目画素の上下左右の2画素からなる8画素であってもよいし、図22で示すように、注目画素の上下左右の3画素からなる12画素であってもよいし、さらには、図示しないが、注目画素の上下左右のm画素からなる4m画素であってもよい。さらに、クラスタップは、図示した以外の構成でもよく、例えば、注目画素との位置関係が非対称となる配置のものであってもよい。
【0127】
DR(ダイナミックレンジ)演算部152は、クラスタップ抽出部151より入力されるクラスタップの情報(画素値)からダイナミックレンジを求め、ダイナミックレンジをADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)コード生成部153に出力するとともに、ダイナミックレンジを求める際に得られる最小値の情報をADRCコード生成部153に出力する。すなわち、クラスタップのパターンが、例えば、図20で示すものであった場合、各クラスタップC1乃至C4の情報(画素値レベル)が、(C1,C2,C3,C4)=(60,90,51,100)であるとき、その関係は、図23で示すようになる。このような場合、ダイナミックレンジは、画素値レベルの最小値と最大値の差として定義され、その値は、以下の式(5)で定義される。
【0128】
DR=Max−Min+1・・・(5)
【0129】
ここで、Maxは、クラスタップの情報である画素値レベルの最大値であり、Minは、クラスタップの画素値レベルの最小値を示す。ここで、1を加算するのは、クラスを定義するためである(例えば、0,1で示されるクラスを設定する場合、両者の差分は1であるが、クラスとしては2クラスとなるため、差分に1を加算する)。従って、図23の場合、クラスタップC3の画素値レベル100が最大値であり、クラスタップC1の画素値レベル51が最小値となるので、DRは、50(=100−51+1)となる。
【0130】
このように、DR演算部152は、ダイナミックレンジを演算するにあたり、クラスタップの画素値レベルのうちの最小値と最大値を検出することになるので、その最小値(または最大値)をADRCコード生成部153に出力する。
【0131】
ADRCコード生成部153は、DR演算部152より入力されたダイナミックレンジの値と最小値Minとから、クラスタップの各画素値レベルを基に、ADRCコードからなる量子化コードを生成して出力する。より詳細には、ADRCコードは、クラスタップの各画素値レベルを以下の式(6)の代入することにより求められる。
【0132】
Q=Round((L−Min+0.5)×(2^n)/DR)・・・(6)
【0133】
ここで、Roundは切捨てを、Lは画素値レベルを、nは割当てビット数を、(2^n)は2のn乗を、それぞれ示している。
【0134】
従って、例えば、割当てビット数nが1であった場合、各クラスタップの画素値レベルは、以下の式(7)で示される閾値th以上であれば1であり、閾値thより小さければ0とされる。
【0135】
th=DR/2−0.5+Min・・・(7)
【0136】
結果として、割当てビット数nが1である場合、図23で示すようなクラスタップが得られたとき、閾値thは、75.5(=50/2−0.5+51)となるので、ADRCコードは、ADRC(C1,C2,C3,C4)=0101となる。
【0137】
そして、特徴量抽出部63が図16を用いて説明した構成を有している場合、特徴量抽出部64は、図24のように構成される。なお、図16における場合と対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0138】
すなわち、図24の特徴量抽出部64は、ADRCコード生成部153により生成されたADRCコードを変換するコード変換部161が更に備えられている以外は、図16の特徴量抽出部63と基本的に同様の構成を有するものである。
【0139】
コード変換部161は、供給されたADRCコードを1ビットずつ反転したコードを生成し、データベース制御部65、または、データベース制御部111に供給する。具体的には、コード変換部161は、ADRCコード生成部153から、ADRC(C1,C2,C3,C4)=0101の供給を受けた場合、1ビット反転された1101,0001,0111,0100の4つのコードを生成して、入力されたADRC(C1,C2,C3,C4)=0101とともに、データベース制御部65、または、データベース制御部111に供給する。
【0140】
参照フレームFrとカレントフレームFcの対応する画素の特徴量は、同一であるはずであるが、例えば、ノイズなどの影響により、特徴が変化してしまうことが考えられる。特徴量として、ADRCコードが用いられる場合、例えば、画素値が閾値thに近い値を有しているいずれかのビットが、特徴量の変化によって反転してしまう恐れがある。
【0141】
特徴量抽出部64においては、コード変換部161の処理により、生成されるADRCコードから、1ビット反転されたコードが生成されて、出力される。すなわち、ノイズなどの影響により変化する可能性のある特徴量を含む複数の特徴量が出力される。
【0142】
データベース制御部65、または、データベース制御部111は、供給されたADRC(C1,C2,C3,C4)=0101と、1101,0001,0111,0100の4つのコードとを特徴量として、データベース71の対応する特徴量アドレスに、それらの画素位置情報を格納する。そして、上述した場合と同様にして、マッチング処理が実行されて、カレントフレームFcの注目画素から最も近い候補が、対応する参照フレームFrの画素として求められて、動きベクトルが検出される。
【0143】
ここでは、1ビット反転により、ノイズなどの影響により変化する可能性のある特徴量を含む複数の特徴量を生成するものとして説明しているが、例えば、ノイズの影響が大きい場合など、データベース71の記憶容量を増やして、1ビット反転のみならず、2ビット反転のコードを作成し、データベース71に格納するようにすることにより、参照フレームFrとカレントフレームFcの対応する画素の特徴量が大きく変化してしまった場合においても、正しい動きベクトルを求めるようにすることができる。
【0144】
上述した一連の処理は、ソフトウェアにより実行することもできる。そのソフトウェアは、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0145】
この記録媒体は、図25に示すように、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク241(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク242(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク243(MD(Mini-Disk)(商標)を含む)、もしくは半導体メモリ144などよりなるパッケージメディアなどにより構成される。
【0146】
図25を用いて、パーソナルコンピュータ201について説明する。
【0147】
CPU(Central Processing Unit)221は、入出力インターフェース222および内部バス223を介して、ユーザが、入力部224を用いて入力した各種指令に対応する信号や、ネットワークインターフェース230を介して、他のパーソナルコンピュータが送信した制御信号の入力を受け、入力された信号に基づいた各種処理を実行する。ROM(Read Only Memory)225は、CPU221が使用するプログラムや演算用のパラメータのうちの基本的に固定のデータを格納する。RAM(Random Access Memory)226は、CPU221の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータを格納する。CPU221、ROM225、およびRAM226は、内部バス223により相互に接続されている。
【0148】
内部バス223は、入出力インターフェース222とも接続されている。入力部224は、例えば、キーボード、タッチパッド、ジョグダイヤル、あるいはマウスなどからなり、ユーザがCPU221に各種の指令を入力するとき操作される。表示部227は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置などからなり、各種情報をテキスト、あるいはイメージなどで表示する。
【0149】
HDD(hard disk drive)228は、ハードディスクを駆動し、それらにCPU221によって実行するプログラムや情報を記録または再生させる。ドライブ229には、必要に応じて磁気ディスク241、光ディスク242、光磁気ディスク243、および半導体メモリ244が装着され、データの授受を行う。
【0150】
ネットワークインターフェース230は、他のパーソナルコンピュータや、パーソナルコンピュータ以外の各種装置と所定のケーブルを用いて有線で、もしくは無線で接続され、それらの機器との情報の授受を行ったり、インターネットを介してウェブサーバにアクセスし、情報の授受を行う。
【0151】
これらの入力部224乃至ネットワークインターフェース230は、入出力インターフェース222および内部バス223を介してCPU221に接続されている。
【0152】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0153】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、カレントフレームの注目画素に対応する前記参照フレームの画素を検出することができる。特に、参照フレームとカレントフレームとで画素の特徴量が変化しても、正しく検出することができるので、正しい動きベクトルを求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の動き検出部の構成を示すブロック図である。
【図2】動きベクトルの検出方法を説明する図である。
【図3】図1の動き検出部による動き検出処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明を適用した動き検出部の構成を示すブロック図である。
【図5】特徴量として算出されるコードA、コードB、およびコードCについて説明する図である。
【図6】図4のデータベースの構造を説明する図である。
【図7】図4の動き検出部による動き検出処理1を説明するフローチャートである。
【図8】図4の動き検出部による動き検出処理のタイミングを説明する図である。
【図9】参照フレーム情報生成処理を説明するフローチャートである。
【図10】特徴量算出処理を説明するフローチャートである。
【図11】マッチング処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明を適用した動き検出部の他の構成を示すブロック図である。
【図13】図12のデータベース制御部の更に詳細な構成を示すブロック図である。
【図14】図12の動き検出部による動き検出処理2を説明するフローチャートである。
【図15】図12の動き検出部による動き検出処理のタイミングを説明する図である。
【図16】特徴量抽出部の他の構成例を示すブロック図である。
【図17】クラスタップを説明する図である。
【図18】クラスタップを説明する図である。
【図19】クラスタップを説明する図である。
【図20】クラスタップを説明する図である。
【図21】クラスタップを説明する図である。
【図22】クラスタップを説明する図である。
【図23】ADRCコードを説明する図である。
【図24】特徴量抽出部の他の構成例を示すブロック図である。
【図25】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
51 動き検出部, 61,62 フレームメモリ, 63,64 特徴量抽出部, 65 データベース制御部, 66 データベース検索部, 67 動きベクトル決定部, 71 データベース, 101 動き検出部, 111 データベース制御部, 121 データベース選択処理部, 151 クラスタップ抽出部, 151a タップテーブル, 152 DR演算部, 153 ADRCコード生成部, 161 コード変換部

Claims (8)

  1. 第1のフレームを構成する各画素のそれぞれを注目画素として、前記注目画素自身または前記注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または前記画素値を使用して算出される量を、前記注目画素の第1の特徴量として抽出する第1の特徴量抽出手段と、
    前記第1のフレームより時間的に前のフレームである第2のフレームを構成する各画素をそれぞれ注目画素として、前記注目画素自身または前記注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または前記画素値を使用して算出される量を、前記注目画素の第2の特徴量として抽出する第2の特徴量抽出手段と、
    前記第2のフレームを構成する各画素毎に、前記第2の特徴量抽出手段により抽出された前記第2の特徴量と、対応する画素位置の情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶されている前記第2のフレームを構成する前記各画素のそれぞれの前記画素位置の情報のうち、前記第1の特徴量抽出手段により抽出された前記第1のフレームに含まれる前記注目画素の前記第1の特徴量と対応する前記第2の特徴量と対応付けられて記憶された前記画素位置の情報を検索する検索手段と、
    前記検索手段により検索された前記画素位置の情報のうち、前記第1のフレーム中の前記注目画素との距離が最小となる画素位置を検出し、検出された前記画素位置と、前記注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成手段と
    を備え、
    前記注目画素の第1の特徴量と対応すると前記検索手段により判断される前記第2の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲が、その第1の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲を含み、かつ、その範囲より広範囲となるように、前記第2の特徴量が前記第2の特徴量抽出手段により抽出される
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第1の特徴量抽出手段により前記第1の特徴量として抽出される量は、所定物理量の1単位量であり、
    前記第2の特徴量抽出手段は、前記検索手段により前記第1の特徴量と対応すると判断される前記第2の特徴量として、前記第1の特徴量抽出手段により抽出された前記1単位量を含む、前記所定物理量の複数の単位量を抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記第1のフレームおよび前記第2のフレームに含まれている画素の画素値は、所定のステップ数で量子化され、
    前記第1の特徴量抽出手段により前記第1の特徴量として抽出される量は、前記第1のフレームの量子化された画素値のnステップ(nは1以上の整数値)分が1グループに属するようにグループ化された結果得られる1つのグループを示す量であり、
    前記第2の特徴量抽出手段により前記第2の特徴量として抽出される量は、前記第2のフレームの量子化された画素値のmステップ(mはnよりも大きな整数値)分が1グループに属するように、かつ、前記第1のフレームについてのグループ化のグループの境界と異なる位置に境界ができるようにグループ化された結果得られる1つのグループを示す量である
    請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1のフレームおよび前記第2のフレームに含まれている画素の画素値は、所定のビット数のデータに量子化され、
    前記第1の特徴量は、量子化された前記第1のフレームの画素値の上位nビットで表わされ、
    前記第2の特徴量は、量子化された前記第2のフレームの画素値の上位(n−1)ビットに対して、正方向に所定のビット数だけシフトして得られる第1の値と、負方向に所定のビット数だけシフトして得られる第2の値とで表わされる
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1の特徴量抽出手段は、
    前記第1のフレームに含まれる前記注目画素を中心とした所定の画素範囲のブロックを単位として、前記ブロックに含まれる画素のうち前記注目画素を除く複数の画素をクラスタップとして抽出する第1のクラスタップ抽出手段と、
    前記第1のクラスタップ抽出手段により抽出されたクラスタップの各画素値のうち、最小値と最大値とを検出し、最大値と最小値との差分に基づくダイナミックレンジの値を演算し、前記ダイナミックレンジの値と前記最小値とを出力する第1のダイナミックレンジ演算手段と、
    前記第1のダイナミックレンジ演算手段から出力された前記ダイナミックレンジの値と前記最小値とから、前記クラスタップの各画素値を基に、ADRCコードからなるnビットの量子化コードを抽出する第1のコード抽出手段を有し、
    前記第2の特徴量抽出手段は、
    前記第2のフレームに含まれる前記注目画素を中心とした所定の画素範囲のブロックを単位として、前記ブロックに含まれる画素のうち前記注目画素を除く複数の画素をクラスタップとして抽出する第2のクラスタップ抽出手段と、
    前記第2のクラスタップ抽出手段により抽出されたクラスタップの各画素値のうち、最小値と最大値とを検出し、最大値と最小値との差分に基づくダイナミックレンジの値を演算し、前記ダイナミックレンジの値と前記最小値とを出力する第2のダイナミックレンジ演算手段と、
    前記第2のダイナミックレンジ演算手段から出力された前記ダイナミックレンジの値と前記最小値とから、前記クラスタップの各画素値を基に、ADRCコードからなるnビットの前記量子化コードを抽出する第2のコード抽出手段と、
    前記第2のコード抽出手段により抽出された前記量子化コードのnビットのうちの1ビットを反転させたn個のコードを生成する生成手段と
    を有し、
    前記第1の特徴量は、前記第1のコード抽出手段により抽出された前記量子化コードであり、
    前記第2の特徴量は、前記第2のコード抽出手段により抽出された前記量子化コード、および、前記生成手段により生成された、前記n個のコードである
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 参照フレームの画素に関する情報を記憶する記憶手段を備える画像処理装置が、
    第1のフレームを構成する各画素のそれぞれを注目画素として、前記注目画素自身または前記注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または前記画素値を使用して算出される量を、前記注目画素の第1の特徴量として抽出する第1の特徴量抽出ステップと、
    前記第1のフレームより時間的に前のフレームである第2のフレームを構成する各画素をそれぞれ注目画素として、前記注目画素自身または前記注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または前記画素値を使用して算出される量を、前記注目画素の第2の特徴量として抽出する第2の特徴量抽出ステップと、
    前記第2のフレームを前記参照フレームとして、前記参照フレームを構成する各画素毎に、前記第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記第2の特徴量と、対応する画素位置の情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶させる制御をする記憶制御ステップと、
    前記記憶制御ステップの処理により記憶されている前記参照フレームを構成する前記各画素のそれぞれの前記画素位置の情報のうち、前記第1の特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記第1のフレームに含まれる前記注目画素の前記第1の特徴量と対応する前記第2の特徴量と対応付けられて記憶された前記画素位置の情報を検索する検索ステップと、
    前記検索ステップの処理により検索された前記画素位置の情報のうち、前記第1のフレーム中の前記注目画素との距離が最小となる画素位置を検出し、検出された前記画素位置と、前記注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成ステップと
    を含む処理を実行し、
    前記注目画素の第1の特徴量と対応すると前記検索ステップの処理により判断される前記第2の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲が、その第1の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲を含み、かつ、その範囲より広範囲となるように、前記第2の特徴量が前記第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出される
    ことを特徴とする画像処理方法。
  7. 参照フレームの画素に関する情報を記憶する記憶手段を備える画像処理装置を制御するコンピュータに、
    第1のフレームを構成する各画素のそれぞれを注目画素として、前記注目画素自身または前記注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または前記画素値を使用して算出される量を、前記注目画素の第1の特徴量として抽出する第1の特徴量抽出ステップと、
    前記第1のフレームより時間的に前のフレームである第2のフレームを構成する各画素をそれぞれ注目画素として、前記注目画素自身または前記注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または前記画素値を使用して算出される量を、前記注目画素の第2の特徴量として抽出する第2の特徴量抽出ステップと、
    前記第2のフレームを前記参照フレームとして、前記参照フレームを構成する各画素毎に、前記第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記第2の特徴量と、対応する画素位置の情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶させる制御をする記憶制御ステップと、
    前記記憶制御ステップの処理により記憶されている前記参照フレームを構成する前記各画素のそれぞれの前記画素位置の情報のうち、前記第1の特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記第1のフレームに含まれる前記注目画素の前記第1の特徴量と対応する前記第2の特徴量と対応付けられて記憶された前記画素位置の情報を検索する検索ステップと、
    前記検索ステップの処理により検索された前記画素位置の情報のうち、前記第1のフレーム中の前記注目画素との距離が最小となる画素位置を検出し、検出された前記画素位置と、前記注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成ステップと
    を含む制御処理を実行させるプログラムであって、
    前記注目画素の第1の特徴量と対応すると前記検索ステップの処理により判断される前記第2の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲が、その第1の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲を含み、かつ、その範囲より広範囲となるように、前記第2の特徴量が前記第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出される
    ことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  8. 参照フレームの画素に関する情報を記憶する記憶手段を用いて、カレントフレームの注目画素に対応する前記参照フレームの画素を検出する処理を制御するコンピュータに、
    第1のフレームを構成する各画素のそれぞれを注目画素として、前記注目画素自身または前記注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または前記画素値を使用して算出される量を、前記注目画素の第1の特徴量として抽出する第1の特徴量抽出ステップと、
    前記第1のフレームより時間的に前のフレームである第2のフレームを構成する各画素をそれぞれ注目画素として、前記注目画素自身または前記注目画素を含む画素群を単位として、その単位に含まれる各画素の画素値自身を示す量または前記画素値を使用して算出される量を、前記注目画素の第2の特徴量として抽出する第2の特徴量抽出ステップと、
    前記第2のフレームを前記参照フレームとして、前記参照フレームを構成する各画素毎に、前記第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記第2の特徴量と、対応する画素位置の情報とを対応付けて前記記憶手段に記憶をさせる制御をする記憶制御ステップと、
    前記記憶制御ステップの処理により記憶されている前記参照フレームを構成する前記各画素のそれぞれの前記画素位置の情報のうち、前記第1の特徴量抽出ステップの処理により抽出された前記第1のフレームに含まれる前記注目画素の前記第1の特徴量と対応する前記第2の特徴量と対応付けられて記憶された前記画素位置の情報を検索する検索ステップと、
    前記検索ステップの処理により検索された前記画素位置の情報のうち、前記第1のフレーム中の前記注目画素との距離が最小となる画素位置を検出し、検出された前記画素位置と、前記注目画素の画素位置の情報とを基に、動きベクトルを生成する動きベクトル生成ステップと
    を含む制御処理を実行させるプログラムであって、
    前記注目画素の第1の特徴量と対応すると前記検索ステップの処理により判断される前記第2の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲が、その第1の特徴量によって示される、前記単位に含まれる前記各画素の画素値が取り得る範囲を含み、かつ、その範囲より広範囲となるように、前記第2の特徴量が前記第2の特徴量抽出ステップの処理により抽出される
    ことを特徴とするプログラム。
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