JP4263871B2 - Wound dressing and method for producing the same - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、創傷被覆材に関するものであり、医療分野における外傷、熱傷、潰瘍、褥瘡、採皮創等の創傷に好適に使用できるものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、キチン又はキトサンは抗菌作用、止血作用、治癒促進作用、吸着作用、植物の生育促進作用などさまざまな性質が解明され、幅広い分野で使用されている。使用される形態も粉末、繊維、フィルム、膜、綿状、ウェブ状などさまざまであり、それぞれの用途によって使い分けられているが、特にキチンウェブ状物は上記の性質を利用した応用が数多く考えられる。
【０００３】
例えば、特開平4-371161号公報には、キチンウェブ状物を傷の保護材として使用することが提案され、その優れた滲出液排除効果や、治癒促進効果から良い結果を得られると記載されている。更に特開平7-102458号公報において使いやすさ等においてかなり改善されたキチンウェブ状混合物が提案されている。
【０００４】
一方、軟膏は広く膏薬療法として古くから用いられている。軟膏剤に混和する有効成分を変えることによりさまざまな治療に応用可能である。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
キチン又はキトサン成形体からなる創傷被覆材は臨床現場の創傷治療において十分な効果を発揮しているが、さらなる治癒促進、整容性等の効能・効果の向上が望まれていた。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、キチン又はキトサンからなる成形体に軟膏剤を含浸させた軟膏含浸キチン又はキトサン成形体がかかる課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【０００７】
すなわち、本発明の第一は、キチン又はキトサンからなる成形体に軟膏剤が含浸されている創傷被覆材であって、軟膏剤の量がキチン又はキトサンからなる成形体に対し（軟膏剤重量ｇ／キチン又はキトサンからなる成形体重量ｇ）３．３〜６６．６の範囲であることを特徴とする創傷被覆材を要旨とするものであり、好ましくは、キチン又はキトサンからなる成形体が、フリース状、スポンジ状又はシート状であり、また、軟膏剤が、ワセリンとラノリンの混合物であるものである。
本発明の第二は、キチン又はキトサンからなる成形体に軟膏剤を塗布し、高圧蒸気処理して軟膏剤を含浸させて上記した創傷被覆材を得ることを特徴とする創傷被覆材の製造方法を要旨とするものである。
【０００８】
【実施の実施の態様】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるキチン又はキトサンとは、甲殻類、昆虫類等の外骨格を塩酸処理並びに苛性ソーダ処理して灰分および蛋白質を除去して得られるもの及びその誘導体をいい、通常のキチン（ポリ-Ｎ-アセチル-D-グルコサミン）以外にこれらと酸類とで形成された塩、例えば塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機酸類との塩および酢酸塩、マレイン酸塩などの有機酸塩、さらにはグルコサミン残基の-OH基又はCH2OH基がエステル化、エーテル化、カルボキシメチル化あるいはO-エチル化等に修飾された誘導体も含まれる。
【０００９】
本発明の創傷被覆材は、上記したキチン又はキトサンからなる成形体に、軟膏剤が含浸されているものである。キチン又はキトサンからなる成形体の形態としては特に限定されるものではないが、繊維状をしており、これからフリース状、フェルト状、球状、スライーバー状、マット状、シート状体などに成形されているものを挙げることができる。また、繊維状以外にフィルム、多孔体、粉末などの形態を有しているものでも構わない。ここで、フリース状とはキチン又はキトサンの繊維又はフィブリルを開繊して得られる綿状集合体を公知の方法により交絡させた物である。
【００１０】
本発明で用いられる軟膏基剤としては、皮膚刺激性等、生体に対して有害な作用のないものであればいかなるものでもよく、例えば、油性基剤成分、乳性基剤成分、水溶性基剤成分等が挙げられる。
油性基剤成分としては、例えば、黄色ワセリン、流動パラフィン、ゼレン50W、樹脂、プラスチック、シリコン、プラスチベース、白色ワセリン、植物油、豚油、サラシミツロウ、単軟膏等が挙げられる。
乳剤性基剤成分としては、例えば、親水軟膏、バニシングクリーム、親水ワセリン、精製ラノリン、アクアホール、オイセイン、吸水軟膏、親水プラスチベース、加水ラノリン、コールドクリーム等が挙げられる。
水性基剤成分としては、例えば、ステアリルアルコール、セタノール、プロピレングリコール等のアルコール類、ブチレングリコール、カルボキシルビニルモノマー等からなる新型ゲル基剤、各種分子量（分子量：1000、1500、1540、2000、4000、10000、20000等）のマクロゴール（ポリエチレングリコール）等が挙げられる。
【００１１】
本発明においては、これらの軟膏基剤を単独で用いてもよく、また２種以上併用しても良い。なかでもワセリンとラノリンの混合物がよく、その混合比はワセリンの比率が多すぎても、ラノリンの比率が多すぎても常温にて硬くなりキチン成形体に塗布し難くなるため、ワセリン：ラノリン＝3：7〜4：1の割合が好ましい。
【００１２】
本発明の創傷被覆材において、キチン又はキトサンからなる成形体に含浸される軟膏剤の量は、多すぎても少なすぎても相乗効果が発揮されないため、キチン又はキトサンからなる成形体に対し（軟膏剤重量ｇ／キチン又はキトサンからなる成形体重量ｇ）３．３〜６６．６の範囲であることが必要であり、好ましくは６．７〜３３．３、より好ましくは１０〜２６．７が好適である。上記した軟膏剤の量は、キチン又はキトサンからなる成形体１０ｃｍ×１０ｃｍに対して、凡そ５〜１００ｇ、好ましくは１０〜５０ｇ、より好ましくは１５〜４０ｇに相当する量である。
【００１３】
次に、本発明の第二の創傷被覆材の製造方法について説明する。
先ず、キチン又はキトサンからなる成形体を作製する。キチン又はキトサンが繊維状であれば、キチン又はキトサンからなる成形体の形態としてフリース状綿状体、フエルト状体、球状体、スライバー状体、マット状体又はシート状体などに成形することが可能なので好ましい。
【００１４】
キチン又はキトサンを溶剤に溶かしてから繊維にする方法としては、通常の湿式紡糸法又は湿式成形法を採用することができる。溶剤としては、キチン又はその誘導体の種類によって適切なものを使用することができる。例えば、天然物を精製したままのキチンおよび脱アセチル化度の比較的低いキチンについては、ハロゲン化炭化水素とトリクロル酢酸の混合物、Ｎ-メチルピロリドン又はＮ,Ｎ-ジメチルアセトアミドと塩化リチウムとの混合物が好ましく使用され、脱アセチル化度の高いキトサンに対しては、酢酸等の酸溶液が好ましく用いられる。
【００１５】
具体的には、キチン又はキトサンを上記溶剤に溶かしキチン又はキトサンドープを作製し、ステンレスネット等のフィルターで濾過して未溶解部分や異物を除去した後、ギヤポンプ等で輸送、計量し、細孔であるノズルから水、アルコール類、ケトン類、アルカリ溶液等の凝固液中に押し出して凝固する。凝固物は回転ローラー等にて一定速度で引き取ることにより、繊維を得ることができる。
【００１６】
本発明で用いられるキチン又はキトサン繊維とは、長手方向に長い形状のものであればよい。天然から得られたキチン又はキトサンが繊維状のものであればそのまま使用することができる。また、キチン又はキトサンを溶剤に溶かした後、凝固液にて凝固してフィブリル状、繊維状にし作製したものを使用してもよい。繊維の直径は１〜120μmが好ましく、さらに好ましくは5〜50μmであり、最も好ましくは8〜30μmである。繊維の直径が1μm以下の場合は繊維の強度が弱く、成形性に劣り操作性が落ちる。また直径120μm以上の繊維は剛直になり過ぎるため、成形性が悪くなる。キチン又はキトサン繊維の繊度は好ましくは0.27〜9.0dtex/単糸、さらに好ましくは0.45〜4.5dtex/単糸であり、0.6〜2.7dtex/単糸が最適である。
【００１７】
綿状のキチン又はキトサン成形体を製造する場合は、上記のようにして得られたキチン又はキトサンの繊維を開繊機により開繊して綿状集合体からなる綿状物を得る。フリース状に成形するには、得られたキチン又はキトサン綿状物をニードルパンチもしくはウォータージェット機にて交絡させる等の公知の方法が使用できる。また、キチン又はキトサン綿状物と支持体である不織布を積層し、ニードルパンチもしくはウォータージェット機にて交絡させることにより、支持体とキチン又はキトサンフェルトが積層した成形体も作製することができる。上記のようなフリース状のキチン又はキトサン成形体を得る場合のキチン又はキトサン繊維の長さは、好ましくは0.5〜15.0cm、より好ましくは2.0〜8.0cm、さらに好ましくは5.0〜7.0cmである。
【００１８】
スポンジ状のキチン又はキトサンからなる成形体を製造する場合は、キチン又はキトサンのドープと水溶性高分子もしくは無機塩類を混合し、水溶性高分子をキチン又はキトサンのドープ中に分散して成形凝固させた後、得られた成形体より水溶性高分子を除去することにより成形できる。また、スポンジの支持体としてガーゼや不織布などをキチン又はキトサンのスポンジと一体化させてもよい。水溶性高分子を含むキチン又はキトサンのドープの凝固液としてはキチン又はキトサン繊維を成形したときと同様の液体を用いることができる。
【００１９】
水溶性高分子とは、常温で固体であって、水に溶解可能な天然高分子又は合成高分子のことをいい、本発明では、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、寒天可溶性澱粉が挙げられ、特にポリビニルアルコール、寒天が好ましく使用される。
ポリビニルアルコールとしては、低温又は高温の水に溶解可能であるケン化度60モル％以上が好ましく、さらに60℃以上の水に溶解可能なケン化度95モル％以上がより好ましい。ポリビニルアルコールの重合度は50〜20,000、より好ましくは300〜10,000であり、1000〜5000が最適である。
寒天とはテングサ等紅藻類中に細胞膜成分として存在する粘質物又はそれを凍結乾燥したもの及びそれから分離したアガロース、アガロペクチン及びその誘導体を意味する。
ポリプロピレングリコールとしては、分子量が1000以上のものが常温にて固体であるため好ましく用いられる。
【００２０】
キチン又はキトサンのドープと水溶性高分子の混合比は重量比でキチン又はキトサンドープ/水溶性高分子＝1/5〜10/1の範囲が好ましく、より好ましくは1/2〜5/1であり、1/1〜5/4が最適である。上記のように得られたスポンジを洗浄しスポンジ中に含まれる溶剤、水溶性高分子を十分に除去した後、凍結乾燥させることによりキチン又はキトサンからなるスポンジが得られる。
【００２１】
次に、上記により得られたキチン又はキトサンからなる成形体に、軟膏剤を塗布し、その後オートクレーブなどにより高圧蒸気処理を行い浸透含浸させればよい。このときのキチン又はキトサン成形体に塗布する軟膏剤の比率は、上記した含浸量になるようにすればよい。
高圧蒸気処理の温度条件としては、１００〜１５０℃がよく、より好ましくは１１０〜１４０℃がよく、１２０〜１３５℃が最適である。処理時間は１分〜２００分がよく、より好ましくは５分〜６０分がよく、１０分〜３０分が最適である。
【００２２】
本発明の創傷被覆材は、創傷部に直接貼与して使用すればよい。
【００２３】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1
キチン（甲陽ケミカル社製）の粉末を100メッシュに粉砕し、1M-塩酸にて55℃で１時間処理した後、45％苛性ソーダ中90℃で3時間加熱処理し、再度キチンの粉末中に含まれるカルシウム分およびタンパク質を除去し、水洗を繰り返し乾燥した。塩化リチウムを8重量%含むジメチルアセトアミド溶液に得られたキチンを0.4重量％の濃度になるように溶解し、30℃における溶液の粘度を測定したところ60mPa・sであった。
【００２４】
次に得られたキチンを8重量％の塩化リチウムを含んだジメチルアセトアミド溶液に8重量%となるように溶解し、ドープを得た。得られたドープは、1480メッシュの金網で濾過し放置脱泡後、タンクに入れ加圧下でギヤポンプにて輸送し、口径0.07mmのノズルから80℃の熱水中に押出し凝固した後、6m/minの速度で引取り再度熱水洗浄、乾燥すると2.2dtex/単糸のキチン繊維を得ることができた。上記のごとく得られたフィラメントを6cmの長さにカットした。
【００２５】
上記キチン短繊維をローラーカード機（大和機工株式会社製、SC-360）でキチン繊維のウェブ状物を作成しニードルパンチ（大和機工株式会社製、NL-380）により交絡しフリース状綿状物を得た。このときのフリース状物の目付けは150g/m2あった。
【００２６】
白色ワセリン（(株)フジミ製薬所製）とラノリン（石津製薬(株)製）を７：３の割合でマルチブレンダーミル（日本精機会社(株)製）により混合し、混合軟膏を得た。上記で得られたキチンフリース状物を10cm×10cmにカットし混合軟膏をカットしたキチンフリース状物1枚に対し30gを塗布し、オートクレーブにて132℃、15分処理し含浸させた。
【００２７】
実施例２
実施例１で用いたのと同じキチンの粉末を100メッシュに粉砕し、1M-塩酸にて40℃で１時間処理した後、3％苛性ソーダ中90℃で3時間加熱処理し、再度キチンの粉末中に含まれるカルシウム分およびタンパク質を除去し、水洗を繰り返し乾燥した。塩化リチウムを8重量%含むジメチルアセトアミド溶液に得られたキチンを0.2重量％の濃度になるように溶解し、30℃における溶液の粘度を測定したところ60mPa・sであった。
【００２８】
次に得られたキチンを8重量％の塩化リチウムを含んだジメチルアセトアミド溶液に2重量%となるように溶解し、ドープを得た。このキチンドープ100ｇにポバール粉末（ユニチカケミカル社製、UF-170G）を添加して均一に分散させ、この分散液をガラス板上に２mmの厚さに流延し、その上にガーゼをのせて十分に圧着させた後、約２５℃の流水中に浸漬した。一晩放置後、凝固物をガラス板から剥離し、沸騰水中で５時間以上処理し、凍結乾燥してガーゼと一体化したキチンスポンジ状物を得た。
【００２９】
得られたキチンスポンジ状物を10cm×10cmにカットし、実施例１で用いた混合軟膏をカットしたキチンスポンジ状物1枚に対し30gを塗布し、オートクレーブにて132℃、15分処理し含浸させた。
【００３０】
比較例１
実施例で用いた白色ワセリンとラノリンとを、ワセリン/ラノリン＝7：3の比率で混合し軟膏を得、これを比較例１とした。
【００３１】
比較例２
実施例１の工程途中で得られた、混合軟膏を含浸させる前のキチンからなるフリース状物を比較例２とした。
【００３２】
比較例３
実施例２の工程途中で得られた、混合軟膏を含浸させる前のキチンからなるスポンジ状物を比較例３とした。
【００３３】
実施例３（創傷被覆材の評価）
パジェットフードデルマトームを使用したヒト分層皮膚採皮創34症例、43部位に対し採皮創の深さが同様の部位を3分割し、実施例１、比較例１および比較例2ならびに実施例２、比較例１ならびに比較例３を分割した部位に貼付もしくは塗布した。評価は全上皮化に要した日数に加え、滲出液の量、疼痛、感染、被覆材の密着性、周囲皮膚の皮膚炎の5項目について行った。結果を表１に示す。
【００３４】
【表１】
なお、評価方法は以下のとおりである。
〔滲出液量〕
++：滲出液の貯留、又は被覆したガーゼ表層までおよぶ滲出液の汚染
＋：ガーゼに少量付着する程度の滲出液
−：滲出液を全く、又はほとんど認めない
〔疼痛〕
++：強い痛み
＋：わずかな痛み
−：疼痛を感じない
〔感染〕
++：菌創培養において感染を認める
＋：菌培養にて感染を認めないが、滲出液が粘稠、又は濁っている。
−：感染兆候を認めない
〔密着性〕
++：明らかなずれにより創の露出を認める
＋：わずかにずれを認めるが創の露出は認めない
−：ずれを認めない
〔周辺皮膚炎の状態〕
++：強い発赤、掻痒、水泡形成などを認める
＋：軽度発赤のみ
−：兆候を認めない
【００３６】
【発明の効果】
本発明の創傷被覆材は、キチンの持つ特性を利用して肉芽形成、表皮形成を促進し、更に軟膏により創面を早期に適度な湿潤環境へ導く作用が相乗しこれまでに得られなかった治癒促進効果を示すものである。したがって、本発明の創傷被覆材は、熱傷、採皮創、植皮創、褥瘡、潰瘍等に用いた場合、治療期間の短縮、患部への密着性、疼痛緩和、滲出液の排除効果、創傷周辺における皮膚炎の減少等の優れた効果を発揮する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a wound dressing, and can be suitably used for wounds such as trauma, burns, ulcers, pressure sores and skin wounds in the medical field.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, chitin or chitosan has been clarified in various properties such as antibacterial action, hemostasis action, healing promotion action, adsorption action, and plant growth promotion action, and has been used in a wide range of fields. There are various forms such as powders, fibers, films, membranes, cotton-like, web-like, etc., and they are properly used according to their respective uses. In particular, chitin web-like products can have many applications utilizing the above properties. .
[0003]
For example, in Japanese Patent Laid-Open No. 4-371161, it is proposed that a chitin web is used as a protective material for wounds, and it is described that good results can be obtained from its excellent exudate removal effect and healing promotion effect. ing. Further, Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-102458 proposes a chitin web-like mixture which is considerably improved in ease of use.
[0004]
On the other hand, ointments have long been used as salve treatments. It can be applied to various treatments by changing the active ingredients mixed in the ointment.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
A wound dressing made of a chitin or chitosan molded article has exhibited a sufficient effect in the treatment of wounds in the clinical field, but further improvement in efficacy and effects such as healing promotion and tonicity has been desired.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventors have found that an ointment-impregnated chitin or chitosan molded article obtained by impregnating a molded article composed of chitin or chitosan with an ointment can solve such problems. The present invention has been reached.
[0007]
That is, the first of the present invention is a wound dressing in which an ointment is impregnated with a molded body made of chitin or chitosan, and the amount of the ointment is smaller than that of the molded body made of chitin or chitosan. / Molded body weight g of chitin or chitosan g) The wound dressing characterized by being in the range of 3.3 to 66.6 , preferably a molded body made of chitin or chitosan, It is in the form of a fleece, sponge, or sheet, and the ointment is a mixture of petrolatum and lanolin.
The second aspect of the present invention, the ointment was applied to the molded body consisting of chitin or chitosan, the production of by-containing saturated with ointment and high-pressure steam treatment wound dressing, characterized in that to obtain a wound dressing as described above The summary of the method is as follows.
[0008]
[Mode for carrying out the invention]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The chitin or chitosan used in the present invention refers to those obtained by removing ash and protein by treating the exoskeleton of shellfish, insects, etc. with hydrochloric acid and caustic soda, and derivatives thereof. N-acetyl-D-glucosamine) and salts formed with these acids, such as salts with inorganic acids such as hydrochloride, nitrate and phosphate, and organic acid salts such as acetate and maleate, Includes derivatives in which the —OH group or CH 2 OH group of the glucosamine residue is modified by esterification, etherification, carboxymethylation, O-ethylation or the like.
[0009]
The wound dressing of the present invention is one in which an ointment is impregnated into a molded body made of the above-described chitin or chitosan. The form of the molded body made of chitin or chitosan is not particularly limited, but is in the form of a fiber, and from this, it is molded into a fleece, felt, spherical, sliver, mat, or sheet. You can list what you have. Moreover, what has forms, such as a film, a porous body, and powder other than fibrous form, may be used. Here, the fleece shape is a product obtained by entanglement of a cotton-like aggregate obtained by opening fibers or fibrils of chitin or chitosan by a known method.
[0010]
The ointment base used in the present invention may be any base as long as it does not have harmful effects on the living body, such as skin irritation, for example, an oily base component, a milky base component, a water-soluble group. Agent components and the like.
Examples of the oily base component include yellow petrolatum, liquid paraffin, Zelen 50W, resin, plastic, silicone, plastibase, white petrolatum, vegetable oil, pork oil, honey beeswax, simple ointment and the like.
Examples of the emulsion base component include hydrophilic ointment, burnishing cream, hydrophilic petrolatum, purified lanolin, aquahole, oiseiin, water-absorbing ointment, hydrophilic plastibase, hydrolanoline, cold cream and the like.
Examples of the aqueous base component include new gel bases made of alcohols such as stearyl alcohol, cetanol and propylene glycol, butylene glycol and carboxyl vinyl monomers, various molecular weights (molecular weight: 1000, 1500, 1540, 2000, 4000, 10000, 20000, etc.) macrogol (polyethylene glycol).
[0011]
In the present invention, these ointment bases may be used alone or in combination of two or more. Among them, a mixture of petrolatum and lanolin is good, and the blending ratio is too high at a room temperature and difficult to apply to a chitin molded article even if the ratio of petrolatum is too high or too high in the ratio of lanolin. A ratio of 3: 7 to 4: 1 is preferred.
[0012]
In the wound dressing of the present invention, the amount of ointment to be free immersed in the molded body made of chitin or chitosan, since the too much or too less synergistic effect not exhibited, the molded body consisting of chitin or chitosan On the other hand , it should be in the range of 3.3 to 66.6 (weight of the ointment weight g / weight of the molded body comprising chitin or chitosan), preferably 6.7 to 33.3, more preferably 10 to 26. .7 is preferred. The amount of the ointment described above is an amount corresponding to approximately 5 to 100 g, preferably 10 to 50 g, more preferably 15 to 40 g with respect to a molded body 10 cm × 10 cm made of chitin or chitosan.
[0013]
Next, the manufacturing method of the 2nd wound dressing material of this invention is demonstrated.
First, a molded body made of chitin or chitosan is produced. If chitin or chitosan is in a fibrous form, it can be formed into a fleece-like cotton-like body, felt-like body, spherical body, sliver-like body, mat-like body or sheet-like body as a molded body made of chitin or chitosan. It is preferable because it is possible.
[0014]
As a method of dissolving chitin or chitosan in a solvent and then forming a fiber, a normal wet spinning method or wet molding method can be employed. A suitable solvent can be used depending on the kind of chitin or its derivative. For example, for chitin as it is purified from natural products and chitin with a relatively low degree of deacetylation, a mixture of halogenated hydrocarbon and trichloroacetic acid, a mixture of N-methylpyrrolidone or N, N-dimethylacetamide and lithium chloride Is preferably used, and an acid solution such as acetic acid is preferably used for chitosan having a high degree of deacetylation.
[0015]
Specifically, chitin or chitosan is dissolved in the above solvent to prepare chitin or chitosan dope, filtered through a filter such as stainless steel net to remove undissolved parts and foreign matters, and then transported and measured with a gear pump etc. It is solidified by being extruded into a coagulating liquid such as water, alcohols, ketones, and alkali solutions from the nozzle. A fiber can be obtained by taking the coagulated material at a constant speed with a rotating roller or the like.
[0016]
The chitin or chitosan fiber used in the present invention only needs to have a shape that is long in the longitudinal direction. If chitin or chitosan obtained from nature is fibrous, it can be used as it is. Alternatively, a solution prepared by dissolving chitin or chitosan in a solvent and then coagulating with a coagulating liquid to form a fibril or fiber may be used. The diameter of the fiber is preferably 1 to 120 μm, more preferably 5 to 50 μm, and most preferably 8 to 30 μm. When the fiber diameter is 1 μm or less, the strength of the fiber is weak and the formability is poor and the operability is lowered. In addition, fibers having a diameter of 120 μm or more are too stiff, resulting in poor moldability. The fineness of the chitin or chitosan fiber is preferably 0.27 to 9.0 dtex / single yarn, more preferably 0.45 to 4.5 dtex / single yarn, and 0.6 to 2.7 dtex / single yarn is optimal.
[0017]
When producing a cotton-like chitin or chitosan molded article, the chitin or chitosan fibers obtained as described above are opened by a spreader to obtain a cotton-like product comprising a cotton-like aggregate. For forming into a fleece shape, a known method such as entanglement of the obtained chitin or chitosan cotton-like material with a needle punch or a water jet machine can be used. Moreover, the molded object which laminated | stacked the support body and chitin or chitosan felt can also be produced by laminating | stacking the chitin or chitosan cotton-like material and the nonwoven fabric which is a support body, and making it entangle with a needle punch or a water jet machine. The length of the chitin or chitosan fiber for obtaining the fleece-shaped chitin or chitosan molded body is preferably 0.5 to 15.0 cm, more preferably 2.0 to 8.0 cm, and still more preferably 5.0 to 7.0 cm.
[0018]
In the case of producing a molded product made of sponge-like chitin or chitosan, chitin or chitosan dope and water-soluble polymer or inorganic salt are mixed, and the water-soluble polymer is dispersed in chitin or chitosan dope to form and solidify. Then, it can be molded by removing the water-soluble polymer from the obtained molded body. Alternatively, gauze or nonwoven fabric may be integrated with chitin or chitosan sponge as a sponge support. As the coagulating liquid of the chitin or chitosan dope containing the water-soluble polymer, the same liquid as when chitin or chitosan fiber is formed can be used.
[0019]
The water-soluble polymer refers to a natural polymer or a synthetic polymer that is solid at room temperature and can be dissolved in water. In the present invention, examples include polyvinyl alcohol, polyethylene glycol, polypropylene glycol, and agar-soluble starch. In particular, polyvinyl alcohol and agar are preferably used.
The polyvinyl alcohol preferably has a saponification degree of 60 mol% or more that can be dissolved in low-temperature or high-temperature water, and more preferably has a saponification degree of 95 mol% or more that can be dissolved in water at 60 ° C or more. The degree of polymerization of polyvinyl alcohol is 50 to 20,000, more preferably 300 to 10,000, and most preferably 1000 to 5,000.
Agar means mucilage which exists as a cell membrane component in red algae such as Aegusa, or lyophilized product thereof and agarose, agaropectin and derivatives thereof separated therefrom.
Polypropylene glycol having a molecular weight of 1000 or more is preferably used because it is solid at room temperature.
[0020]
The mixing ratio of chitin or chitosan dope and water-soluble polymer is preferably chitin or chitosan dope / water-soluble polymer in the range of 1/5 to 10/1, more preferably 1/2 to 5/1. Yes, 1/1 to 5/4 is optimal. The sponge obtained as described above is washed to sufficiently remove the solvent and water-soluble polymer contained in the sponge, and then freeze-dried to obtain a sponge composed of chitin or chitosan.
[0021]
Next, an ointment may be applied to the molded body made of chitin or chitosan obtained as described above, followed by high-pressure steam treatment with an autoclave or the like to impregnate it. The ratio of the ointment applied to the chitin or chitosan moldings at this time may be such that the free immersion amount described above.
The temperature condition for the high-pressure steam treatment is preferably 100 to 150 ° C, more preferably 110 to 140 ° C, and most preferably 120 to 135 ° C. The treatment time is preferably 1 minute to 200 minutes, more preferably 5 minutes to 60 minutes, and most preferably 10 minutes to 30 minutes.
[0022]
The wound dressing of the present invention may be used by being directly applied to a wound part.
[0023]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described by way of examples.
Example 1
The powder of chitin (manufactured by Koyo Chemical Co., Ltd.) is pulverized to 100 mesh, treated with 1M-hydrochloric acid at 55 ° C for 1 hour, then heated in 45% caustic soda at 90 ° C for 3 hours, and again contained in the chitin powder Calcium and protein were removed, and washing with water was repeated and dried. Chitin obtained in a dimethylacetamide solution containing 8% by weight of lithium chloride was dissolved to a concentration of 0.4% by weight, and the viscosity of the solution at 30 ° C. was measured to be 60 mPa · s.
[0024]
Next, the obtained chitin was dissolved in a dimethylacetamide solution containing 8% by weight of lithium chloride to 8% by weight to obtain a dope. The obtained dope was filtered through a 1480 mesh wire net and allowed to defoam, then placed in a tank and transported with a gear pump under pressure, extruded from a 0.07 mm nozzle into 80 ° C. hot water and solidified, then 6 m / When taken up at a rate of min and washed again with hot water and dried, 2.2 dtex / single yarn of chitin fiber was obtained. The filament obtained as described above was cut to a length of 6 cm.
[0025]
A chitin fiber web-like material is made with a roller card machine (SC-360, manufactured by Yamato Kiko Co., Ltd.), and the above chitin short fibers are entangled with a needle punch (NL-380, manufactured by Yamato Kiko Co., Ltd.) to create a fleece-like cotton product. Got. The basis weight of the fleece material at this time was 150 g / m 2 .
[0026]
White petrolatum (manufactured by Fujimi Pharmaceutical Co., Ltd.) and lanolin (manufactured by Ishizu Pharmaceutical Co., Ltd.) were mixed at a ratio of 7: 3 by a multi blender mill (manufactured by Nippon Seiki Co., Ltd.) to obtain a mixed ointment. The chitin fleece material obtained above was cut to 10 cm × 10 cm and 30 g was applied to one chitin fleece material obtained by cutting the mixed ointment, and impregnated by treatment at 132 ° C. for 15 minutes in an autoclave.
[0027]
Example 2
The same chitin powder as used in Example 1 was pulverized to 100 mesh, treated with 1M-hydrochloric acid at 40 ° C for 1 hour, then heat-treated at 90 ° C for 3 hours in 3% caustic soda, and again chitin powder. The calcium content and protein contained therein were removed, and water washing was repeated and dried. Chitin obtained in a dimethylacetamide solution containing 8% by weight of lithium chloride was dissolved to a concentration of 0.2% by weight, and the viscosity of the solution at 30 ° C. was measured to be 60 mPa · s.
[0028]
Next, the obtained chitin was dissolved in a dimethylacetamide solution containing 8% by weight of lithium chloride to 2% by weight to obtain a dope. Add poval powder (UF-170G manufactured by Unitika Chemical Co., Ltd.) to 100g of this chitin dope and disperse it uniformly. Cast this dispersion to a thickness of 2mm on a glass plate and place gauze on it. Then, the film was immersed in running water at about 25 ° C. After standing overnight, the solidified material was peeled off from the glass plate, treated in boiling water for 5 hours or longer, and lyophilized to obtain a chitin sponge-like material integrated with gauze.
[0029]
The obtained chitin sponge-like material was cut into 10 cm × 10 cm, 30 g was applied to one chitin sponge-like material obtained by cutting the mixed ointment used in Example 1, and impregnated by treatment at 132 ° C. for 15 minutes in an autoclave. I let you.
[0030]
Comparative Example 1
The white petrolatum and lanolin used in the examples were mixed at a ratio of petrolatum / lanolin = 7: 3 to obtain an ointment.
[0031]
Comparative Example 2
The fleece-like product made of chitin before impregnating the mixed ointment obtained during the process of Example 1 was defined as Comparative Example 2.
[0032]
Comparative Example 3
A sponge-like material made of chitin before impregnated with the mixed ointment obtained during the process of Example 2 was used as Comparative Example 3.
[0033]
Example 3 (Evaluation of wound dressing)
34 cases of human split skin skin wounds using Paget's food dermatome, and 43 sites with the same depth of skin wounds were divided into 3 parts. Example 1, Comparative Example 1, Comparative Example 2 and Example 2 The comparative example 1 and the comparative example 3 were pasted or applied to the divided parts. In addition to the number of days required for total epithelialization, the evaluation was performed for 5 items of exudate amount, pain, infection, adhesion of the covering material, and dermatitis of the surrounding skin. The results are shown in Table 1.
[0034]
[Table 1]
The evaluation method is as follows.
[Exudate volume]
++: Accumulation of exudate, or contamination of exudate up to the surface layer of the coated gauze +: Exudate with a small amount adhering to the gauze-: No or almost no exudate [pain]
++: Strong pain +: Slight pain-: No pain [infection]
++: Infection is observed in the bacterial culture +: Infection is not observed in the bacterial culture, but the exudate is viscous or cloudy.
-: No sign of infection [adhesion]
++: Appearance of wound is recognized by obvious deviation +: Slight deviation is observed but wound exposure is not accepted-: No deviation is observed [peripheral dermatitis condition]
++: Strong redness, pruritus, blister formation, etc. +: Only mild redness-: No signs
【The invention's effect】
The wound dressing of the present invention uses the characteristics of chitin to promote granulation and epidermis formation, and the ointment synergizes the action of leading the wound surface to an appropriate moist environment at an early stage. It shows a promoting effect. Therefore, the wound dressing of the present invention, when used for burns, skin wounds, skin grafts, pressure sores, ulcers, etc., shortens the treatment period, adheres to the affected area, reduces pain, eliminates exudate, Excellent effects such as reduction of dermatitis.
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