JP4263788B2 - パワーウインドレギュレータ - Google Patents

パワーウインドレギュレータ Download PDF

Info

Publication number
JP4263788B2
JP4263788B2 JP32413298A JP32413298A JP4263788B2 JP 4263788 B2 JP4263788 B2 JP 4263788B2 JP 32413298 A JP32413298 A JP 32413298A JP 32413298 A JP32413298 A JP 32413298A JP 4263788 B2 JP4263788 B2 JP 4263788B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass support
tape
door
guide rail
lowering means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32413298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000104448A (ja
Inventor
一馬 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asmo Co Ltd filed Critical Asmo Co Ltd
Priority to JP32413298A priority Critical patent/JP4263788B2/ja
Priority to US09/210,809 priority patent/US6115966A/en
Priority to DE19857872A priority patent/DE19857872C2/de
Publication of JP2000104448A publication Critical patent/JP2000104448A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4263788B2 publication Critical patent/JP4263788B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Power-Operated Mechanisms For Wings (AREA)
  • Window Of Vehicle (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用サイドドア内に設けられ、駆動力によってドアガラスを自動的に昇降させるパワーウインドレギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のサイドドア内に配設されるパワーウインドレギュレータ、例えば大型トラックの助手席側サイドドア内に配設されるパワーウインドレギュレータでは、乗用車のサイドドア内に配設されるパワーウインドレギュレータとは異なり、以下の点に留意して配設する必要がある。
【0003】
すなわち、大型トラックの助手席側サイドドアはタイヤ接地面から高い位置に存在するため、下方視界確保の要請から、助手席側サイドドアのドア本体の中央部下側に比較的大きな覗き窓を設置する必要がある。従って、このような大型トラックの助手席側サイドドア内に配設されるパワーウインドレギュレータでは、覗き窓を通した視界を遮らないように各部材のレイアウト等に留意してパワーウインドレギュレータを配設しなければならない。
【0004】
図24には上記留意点を踏まえた従来のパワーウインドレギュレータ(即ち、所謂ワイヤ方式を採用し、しかもドア本体の両サイドに配設された二本のレギュレータ本体を単一のモータで駆動させる方式のパワーウインドレギュレータ)が示されており、以下に概説的に説明する。
【0005】
この図に示されるように、パワーウインドレギュレータ1200は、助手席側のサイドドア1202のドア本体1204に設定された覗き窓1206を通した視界を遮らないように、覗き窓1206の両側に一対の長尺状のガイドレール1208が平行に配設されている。これらのガイドレール1208には、ドアガラス1210を支持するガラス支持体1212が各々一対のローラ1214によって上下動可能に支持されている。
【0006】
また、各ガイドレール1208の上端部及び下端部には、ドア前方側へ延出されたアッパブラケット1216及びロアブラケット1218がそれぞれ形成されている。アッパブラケット1216には単一のアッパプーリ1220が軸支されており、又ロアブラケット1218には一対のロア第1プーリ1222及びロア第2プーリ1224が軸支されている。
【0007】
さらに、これらのアッパプーリ1220並びにロア第1プーリ1222及びロア第2プーリ1224には、ガラス支持体1212と連結されたワイヤ1226が巻き掛けられている。このワイヤ1226は、覗き窓1206の下方側に配設されたモータ1228の駆動力を受けて移動するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したパワーウインドレギュレータ1200による場合、助手席側のサイドドア1202のドア本体1204に設定された覗き窓1206を通した視界を遮らないようにするため、多くのプーリ(アッパプーリ1220、ロア第1プーリ1222、ロア第2プーリ1224)を使用してワイヤ1226を複雑に折り返す構成を採っている。このため、繰り返し使用することによる疲労がワイヤ1226に蓄積し、当該ワイヤ1226の耐久性ひいてはパワーウインドレギュレータ1200の耐久性が低下する。
【0009】
なお、耐久性が良い既存のパワーウインドレギュレータシステムとして所謂セクタ方式が知られているが、投影面積が非常に大きく、下方視界確保等の要請に応えることは到底できない。
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、下方視界確保等の要請に応えることができ、しかも耐久性に優れたパワーウインドレギュレータを得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、車両用サイドドア内に設けられ、駆動力によってドアガラスを自動的に昇降させるパワーウインドレギュレータであって、側面視で車両用サイドドアのドア本体の下部に設けられた下方視界確保のための覗き窓を挟んで車両用サイドドア内のドア前端側及びドア後端側にドアガラス昇降方向を長手方向として互いに平行に配置された第1ガイドレール及び第2ガイドレールと、第1ガイドレール及び第2ガイドレールに設けられ、ドアガラスを支持する第1ガラス支持体及び第2ガラス支持体と、テープ状又はベルト状の長尺体を含んで構成されると共に第1ガイドレール側にループ状に設けられ、所定の部位で第1ガラス支持体と連結された第1ガラス支持体昇降手段と、この第1ガラス支持体昇降手段に駆動力を付与し、当該第1ガラス支持体昇降手段をループ状に移動させる駆動手段と、テープ状又はベルト状の長尺体を含んで構成されると共に一端部が第1ガラス支持体昇降手段又は第1ガラス支持体に連結されかつ他端部が第2ガラス支持体と連結され、少なくとも第2ガラス支持体を第2ガイドレールに沿ってドアガラス昇降方向へ移動させる程度の剛性を備えた可撓性を有しかつドアガラスの昇降動作に応じて引張力と押圧力とを使い分けるプッシュ・プル方式によって力の伝達を行う第2ガラス支持体昇降手段と、を備えていることを特徴としている。
【0012】
上記構成の本発明の作用を、構成上のレイアウト並びに作動の観点から、以下に説明する。
【0013】
本発明では、側面視で車両用サイドドアのドア本体の下部に設けられた下方視界確保のための覗き窓を挟んで車両用サイドドア内のドア前端側及びドア後端側に、ドアガラスを支持する第1ガラス支持体及び第2ガラス支持体がそれぞれ設けられた第1ガイドレール及び第2ガイドレールがドアガラス昇降方向を長手方向として互いに平行に配置されている。従って、第1ガイドレール及び第2ガイドレール間には、広いスペースが確保される。また、第1ガイドレール側には、テープ状又はベルト状の長尺体を含んで構成され所定の部位で第1ガラス支持体と連結された第1ガラス支持体昇降手段がループ状に設けられている。従って、この第1ガラス支持体昇降手段によって第1ガイドレール及び第2ガイドレール間のスペースが狭められることはない。さらに、第1ガラス支持体昇降手段又は第1ガラス支持体と第2ガラス支持体とは、テープ状又はベルト状の長尺体を含んで構成されたプッシュ・プル方式の第2ガラス支持体昇降手段によって連結されているが、この第2ガラス支持体昇降手段は可撓性を有するため、レイアウト上の自由度があり、前述したスペースを狭めないように配置することができる。
【0014】
その結果、本発明によれば、例えば、車両用サイドドアの中央部下側付近に下方視界確保のための覗き窓(視界確保用補助ガラス)を設置した場合に覗き窓から見える下方視界が遮られることはない。
【0015】
また、本発明では、駆動手段から第1ガラス支持体昇降手段に駆動力が付与されると、第1ガラス支持体昇降手段がループ状に移動される。例えば、第1ガラス支持体昇降手段の移動方向が第1ガラス支持体を上昇させる方向であれば、第1ガラス支持体昇降手段の移動に伴って第2ガラス支持体昇降手段が第2ガイドレール側の第2ガラス支持体を引き上げて上昇させる。
【0016】
逆に、第1ガラス支持体昇降手段の移動方向が第1ガラス支持体を下降させる方向であれば、第1ガラス支持体昇降手段の移動に伴って第2ガラス支持体昇降手段が第2ガイドレール側の第2ガラス支持体を押し下げて下降させる。なお、第2ガラス支持体昇降手段は、少なくとも第2ガラス支持体を第2ガイドレールに沿ってドアガラス昇降方向へ移動させる程度の剛性を備えているため、第2ガラス支持体を押し下げる際に屈曲して押し下げることができない等の不具合は生じない。
【0017】
このように本発明では、第1ガラス支持体についてはループ状に移動する第1ガラス支持体昇降手段によって昇降させ、第2ガラス支持体については、ドアガラスの昇降動作に応じて引張力と押圧力とを使い分けるプッシュ・プル方式によって力の伝達を行う第2ガラス支持体昇降手段によって昇降させる構成としたので、第1ガラス支持体及び第2ガラス支持体を昇降させるために、従来のように複雑にワイヤを折り返す必要がなくなる。その結果、本発明によれば、繰り返し使用しても、第1ガラス支持体昇降手段及び第2ガラス支持体昇降手段に蓄積される疲労は少なく、これらの第1ガラス支持体昇降手段及び第2ガラス支持体昇降手段の耐久性、ひいてはパワーウインドレギュレータの耐久性を向上させることができる。
【0019】
また、本発明では、第2ガラス支持体昇降手段がテープ状又はベルト状の長尺体であることから、第2ガイドレール側の第2ガラス支持体のプッシュ・プルを安定的に行うことができる。
【0020】
すなわち、例えば従来のようにワイヤで第2ガラス支持体のプッシュ・プルを行おうとした場合、通常ワイヤは縒り線構造になっているため、第2ガラス支持体を押し下げる際に曲がりやすく、又押圧面積(ワイヤの断面積)も小さいことから、第2ガラス支持体を安定的に押し下げることは困難である。しかし、本発明のようにテープ状又はベルト状の長尺体を用いれば、第2ガラス支持体の押圧に寄与する断面積並びに剛性を確保しやすいため、第2ガイドレール側の第2ガラス支持体のプッシュ・プルを安定的に行うことができる。
【0022】
さらに、本発明では、第2ガラス支持体昇降手段がテープ状又はベルト状の長尺体であることに加えて、第1ガラス支持体昇降手段もテープ状又はベルト状の長尺体を含んで構成されていることから、両者を構造的に同質の部材として構成することができる。このため、第2ガラス支持体昇降手段の一端部を第1ガラス支持体昇降手段又は第1ガラス支持体に連結する際に連結しやすく、又第1ガラス支持体昇降手段及び第2ガラス支持体昇降手段の移動時に両者の連結部位に応力集中が生じにくくなる。
【0023】
請求項2記載の本発明に係るパワーウインドレギュレータは、請求項1に記載の発明において、前記第2ガラス支持体昇降手段は、その中間部が第1ガイドレール及び第2ガイドレールの上端部間を移動するように配置されている、ことを特徴としている。
【0024】
上記構成の本発明によれば、第2ガラス支持体昇降手段の中間部が第1ガイドレール及び第2ガイドレールの上端部間を移動するように当該第2ガラス支持体昇降手段が配置されているため、車両用サイドドアの下縁側をも含めて車両用サイドドアの中央部をフリースペースにすることができる。従って、前述した下方視界確保のための覗き窓(視界確保用補助ガラス)を設置する等の要請に対して容易に応えることができる。
【0025】
請求項3記載の本発明に係るパワーウインドレギュレータは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第1ガラス支持体昇降手段及び第2ガラス支持体昇降手段は複数の転動体に巻き掛けられており、ドアガラス上昇時における当該複数の転動体の回転方向並びにドアガラス下降時における当該複数の転動体の回転方向がそれぞれに同一回転方向とされている、ことを特徴としている。
【0026】
上記構成の本発明の作用は、以下の通りである。
【0027】
いずれかの転動体の回転方向が他の転動体の回転方向と異なると、特に、第1ガラス支持体昇降手段、第2ガラス支持体昇降手段としてテープ状又はベルト状の長尺体を用いた場合に、長尺体は転動体毎に屈曲方向が変化し、多くの折り返しを経ることになる。その結果、当該長尺体に疲労が蓄積されやすくなる。しかし、本発明のように構成すれば、第1ガラス支持体昇降手段、第2ガラス支持体昇降手段としてテープ状又はベルト状の長尺体を用いたとしても、疲労の蓄積を抑制することができ、その結果、第1ガラス支持体昇降手段、第2ガラス支持体昇降手段の耐久性、ひいてはパワーウインドレギュレータの耐久性を向上させることができる。
【0028】
請求項4記載の本発明に係るパワーウインドレギュレータは、請求項3に記載の発明において、前記第1ガイドレールの上端側に配置された同一の転動体に、ループ状に移動する第1ガラス支持体昇降手段の上端側及び第2ガラス支持体昇降手段の中間部が共に巻き掛けられている、ことを特徴としている。
【0029】
上記構成の本発明によれば、第1ガイドレールの上端側に配置された同一の転動体に、ループ状に移動する第1ガラス支持体昇降手段の上端側及び第2ガラス支持体昇降手段の中間部が共に巻き掛けられているため、第1ガラス支持体昇降手段の上端側を巻き掛けるための転動体と第2ガラス支持体昇降手段の中間部が巻き掛けられる転動体を別個独立に設ける場合に比し、部品点数の削減を図ることができ、構造の簡素化を図ることができる。
【0030】
請求項5記載の本発明に係るパワーウインドレギュレータは、請求項3に記載の発明において、前記第1ガイドレールの上端側に配置された転動体には、ループ状に移動する第1ガラス支持体昇降手段の上端側が巻き掛けられており、当該転動体の外側付近に配置された別の転動体には、直線状に移動する第2ガラス支持体昇降手段の中間部が巻き掛けられている、ことを特徴としている。
【0031】
上記構成の本発明によれば、第1ガラス支持体昇降手段の上端側が巻き掛けられる転動体とは別個独立に配置された転動体に第2ガラス支持体昇降手段の中間部を巻き掛けることとしたので、部品点数が増加するという不利はあるが、第1ガラス支持体昇降手段の上端側と第2ガラス支持体昇降手段の中間部とが折曲部にて摺接するのを極力防止することができる。その結果、第1ガラス支持体昇降手段、第2ガラス支持体昇降手段の耐久性、ひいてはパワーウインドレギュレータの耐久性を向上させることができる。
【0051】
請求項6記載の本発明に係るパワーウインドレギュレータは、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発明において、前記第1ガラス支持体昇降手段の一方の端末部は前記第1ガラス支持体に固定されていると共に、当該第1ガラス支持体昇降手段の他方の端末部側には当該第1ガラス支持体昇降手段の伸びを吸収する伸び吸収手段が設けられており、さらに、当該伸び吸収手段は当該一方の端末部に対してドア前後方向へオフセットして配置されている、ことを特徴としている。
【0052】
上記構成の本発明によれば、環境温度の変化や長期間の使用等によりループ状に移動する第1ガラス支持体昇降手段に伸びが生じた場合には、第1ガラス支持体昇降手段の他方の端末部側に設けられた伸び吸収手段によって当該伸びが吸収される。このため、第1ガラス支持体昇降手段に弛みが生じるのを防止することができる。
【0053】
さらに、本発明では、第1ガラス支持体昇降手段の他方の端末部側に設けられた当該伸び吸収手段を、第1ガラス支持体昇降手段の一方の端末部に対してドア前後方向へオフセットして配置したので、第1ガラス支持体昇降手段の伸び量が大きい場合にも当該伸びを確実に吸収することができる。つまり、第1ガラス支持体昇降手段の一方の端末部と他方の端末部とをドア上下方向に対向して配置させ、当該一方の端末部と他方の端末部とを伸び吸収手段を介して連結することも可能であるが、この場合には双方の端末部間の距離が極めて短くなるため、吸収し得る伸び量も小さくなる。しかし、本発明のように伸び吸収手段を一方の端末部に対してドア前後方向へオフセットして配置すれば、吸収し得る伸び量も大きくなる。その結果、本発明によれば、第1ガラス支持体昇降手段に弛みが生じるのを確実に防止することができ、ひいてはパワーウインドレギュレータの適切な作動を確保することができる。
【0054】
請求項7記載の本発明に係るパワーウインドレギュレータは、請求項6に記載の発明において、前記伸び吸収手段は、前記第1ガラス支持体昇降手段の他方の端末部が固定され、前記第1ガラス支持体内でスライド可能に配置されたスライダと、このスライダを当該第1ガラス支持体昇降手段の伸び方向へ付勢する付勢手段と、この付勢手段の付勢力を調節する調節手段と、を含んで構成されている、ことを特徴としている。
【0055】
上記構成の本発明によれば、第1ガラス支持体昇降手段に伸びが生じた場合には、第1ガラス支持体昇降手段の一方の端末部側が固定端となることから、他方の端末部側で当該伸びを吸収することになる。具体的には、第1ガラス支持体昇降手段に伸びが生じると、付勢手段の付勢力によってスライダが第1ガラス支持体内において伸び方向へスライドされる。このスライダには第1ガラス支持体昇降手段の他方の端末部が固定されているため、スライダが第1ガラス支持体昇降手段の伸び方向へスライドすることにより、第1ガラス支持体昇降手段が引っ張られる。これにより、第1ガラス支持体昇降手段の伸びが吸収される。
【0056】
ここで、本発明では、スライダを第1ガラス支持体昇降手段の伸び方向へ付勢している付勢手段の付勢力を調節手段によって調節することができるため、第1ガラス支持体昇降手段に付与すべき付勢力を最適なものとすることができる。
【0057】
請求項8記載の本発明に係るパワーウインドレギュレータは、請求項7に記載の発明において、前記スライダには嵌合溝が設けられており、前記第1ガラス支持体には当該嵌合溝に嵌合される屈曲部が設けられている、ことを特徴としている。
【0058】
上記構成の本発明によれば、スライダに設けられた嵌合溝内へ第1ガラス支持体に設けられた屈曲部が嵌合された状態を維持しながら、スライダがスライドすることになる。従って、屈曲部の屈曲代及び屈曲部が嵌合される嵌合溝の溝幅を比較的大きく確保することができる。その結果、本発明によれば、第1ガラス支持体内におけるスライダの移動を安定的に行わせることができ、ひいては第1ガラス支持体昇降手段の伸び吸収性能の信頼性を高めることができる。
【0059】
請求項9記載の本発明に係るパワーウインドレギュレータは、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の発明において、前記駆動手段は、第1ガイドレールの上端側又は下端側に配置されている、ことを特徴としている。
【0060】
上記構成の本発明によれば、駆動手段を第1ガイドレールの上端側又は下端側に配置することとしたので、駆動手段を上端側に配置した場合には、当該駆動手段が被水の影響を受けるのを防止することができるというメリットがある。
【0061】
一方、駆動手段を下端側に配置した場合には、タバコ灰受などの他の設置部品や機能部品との干渉を容易に避けることができる。このため、駆動手段を第1ガイドレールの下端側に配置する際に当該駆動手段をどのような向きでも配置することができると共に、他の設置部品や機能部品についても自由なレイアウトで配置することができるというメリットがある。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図10を用いて、本発明の実施形態について説明する。
【0063】
図4には、大型トラックの助手席側のサイドドア10内に配設されたパワーウインドレギュレータ12の概略構成が示されている。この図に示されるように、「車両用サイドドア」としての助手席側のサイドドア10におけるドア本体14の中央部下側には、下方視界確保のための覗き窓16(二点鎖線で図示)が設けられている。一方、パワーウインドレギュレータ12はこの覗き窓16を避けるかたちで配設されており、具体的にはサイドドア10内のドア前端側に配設された第1レギュレータ本体18と、ドア後端側に配設された第2レギュレータ本体20と、を含んで構成されている。
【0064】
図1にはパワーウインドレギュレータ12の全体構成が示されており、又図2及び図3には第1レギュレータ本体18及び第2レギュレータ本体20の側面構成がそれぞれ示されており、更に図4及び図5には第1レギュレータ本体18の要部拡大正面図がそれぞれ示されている。以下、これらの図を適宜参照しつつ、第1レギュレータ本体18及び第2レギュレータ本体20の構成について説明していく。
【0065】
特には、図1及び図2に示されるように、第1レギュレータ本体18は、ドアガラス昇降方向を長手方向として配置された第1ガイドレール22を備えている。第1ガイドレール22の断面形状は、開放側の両端部が互い接近する方向へそれぞれ所定長さ屈曲されたチャンネル形状とされている(図5及び図6参照)。この第1ガイドレール22は、その上端部に配設されたアッパブラケット24、中間部に配設された中間ブラケット26、及び下端部に配設されたロアブラケット28を介してドア本体14側に取り付けられている。
【0066】
ロアブラケット28には、図示しないパワーウインドレギュレータスイッチを操作することにより正転及び逆転される「駆動手段」としてのモータ30が配設されている。モータ30は、ウォーム収容部32内に収容されて軸線回りに駆動回転するウォームと、ウォームホイール収容部34内に収容されてウォームが回転することにより減速回転するウォームホイールと、このウォームホイールの軸芯部に嵌合されてウォームホイールと同軸的に回転する出力軸36(図2参照)と、を含んで構成されている。さらに、モータ30の出力軸36には図示しない動力伝達部材を介して「転動体」としてのスプロケット38が連結されており、出力軸36がその軸線回りに回転すると、スプロケット38も同一方向へ回転するようになっている。
【0067】
図5に示されるように、アッパブラケット24には、スプロケット38と上下に対向する位置に「転動体」としてのアッパプーリ40が軸線回りに回転自在に取り付けられている。さらに、アッパブラケット24には、アッパプーリ40と隣接する位置に後述する第2テープ68の移動方向を規制するガイド部材42が取り付けられている。アッパプーリ40にはテープ巻掛部が結果的に同心円状に二重に設けられており、内側のテープ巻掛部40A(なお、当該内側のテープ巻掛部40Aはアッパプーリ40の軸芯部に本来的に形成されているテープ巻掛部である)とスプロケット38とに所定の剛性を備えかつ可撓性を有する長尺体である第1テープ44がループ状に巻き掛けられている。なお、第1テープ44には所定の間隔で矩形状等の多数の開口(図示省略)が形成されており、これらの開口の一部がスプロケット38の歯に係合されることでスプロケット38の回転力が第1テープ44に伝達されるようになっている。
【0068】
補足すると、図6に示されるように、第1テープ44はそれ単体で閉ループを構成するのではなく、上下一対のアッパスライダ46及びロアスライダ48並びに両者を連結して第1テープ44の伸びを吸収する役目を果たすテンション機構50を介すことで全体として閉ループを構成している。
【0069】
すなわち、第1ガイドレール22にはアッパスライダ46及びロアスライダ48が上下に離間して摺動可能に配置されており、アッパスライダ46の図上において右側面に形成された複数の突起52に第1テープ44の一方の端末部44Aが嵌合係止されている。また、ロアスライダ48の図上において右側面に形成された複数の突起54には、第1テープ44の他方の端末部44Bが嵌合係止されている。さらに、アッパスライダ46及びロアスライダ48は、両者を互いに接近する方向へ引張付勢するテンション機構50によって相互に連結されている。これにより、第1テープ44は、所定のテンションが付与された状態で第1ガイドレール22の長手方向に沿って細長いループ状に構成されている。
【0070】
また、上述したアッパスライダ46にはドアガラス56の前端下縁側を支持する「第1ガラス支持体」としてのキャリアプレート58が固定されており、アッパスライダ46と一体に第1ガイドレール22に沿って昇降するようになっている。
【0071】
なお、上記構成において、第1テープ44、アッパスライダ46、ロアスライダ48、及びテンション機構50が、本発明における「第1ガラス支持体昇降手段」に相当する。
【0072】
一方、図1及び図3に示されるように、第2レギュレータ本体20は、ドアガラス昇降方向を長手方向としかつ第1ガイドレール22に対して平行に配置された第2ガイドレール60を備えている。第2レギュレータ本体20の上端部及び下端部には所定形状のアッパブラケット62及びロアブラケット64がそれぞれ配設されており、これらのアッパブラケット62及びロアブラケット64を介してドア本体14側に取り付けられている。なお、第2ガイドレール60の断面形状も、開放側の両端部が互い接近する方向へそれぞれ所定長さ屈曲されたチャンネル形状とされている。
【0073】
また、アッパブラケット62にはテープ巻掛部が一重構造である「転動体」としてのアッパプーリ66が軸線回りに回転自在に取り付けられており、更にアッパプーリ66に隣接する位置には後述する第2テープ68の移動方向を規制するガイド部材67が取り付けられている。また、第2ガイドレール60の長手方向中間部には、ドアガラス56の後端下縁側を支持する「第2ガラス支持体」としてのキャリアプレート70が昇降可能に支持されている。
【0074】
上述した第1レギュレータ本体18のアッパプーリ40の外側のテープ巻掛部40B(なお、当該外側のテープ巻掛部40Bはアッパプーリ40の軸芯部に本来的に形成されている内側のテープ巻掛部40Aに第1テープ44が巻き掛けられた結果として形成されるテープ巻掛部であり、第1テープ44の外周面である)及び第2レギュレータ本体20のアッパプーリ66には、所定の剛性を備えかつ可撓性を有する長尺体である「第2ガラス支持体昇降手段」としての第2テープ68が巻き掛けられている。なお、ここでいう所定の剛性とは、キャリアプレート70をプッシュ・プル方式で昇降させるのに必要な剛性を意味する。
【0075】
より具体的に説明すると、図1に示されるように、第2テープ68の一端部68Aは、第1レギュレータ本体18のループ状の第1テープ44の前端側ラインの所定部位にクリップ72によって固定されている。また、第2テープ68の中間部68Bは、第1レギュレータ本体18側のアッパプーリ40の外側のテープ巻掛部40Bに巻き掛けられた後に第2レギュレータ本体20側へ引き出されている。さらに、第2テープ68の中間部68Bは一対のガイド部材42、67を通されることで第1ガイドレール22及び第2ガイドレール60の上端部間を略水平に配置された後、第2レギュレータ本体20側のアッパプーリ66に巻き掛けられて垂下されている。また、第2テープ68の他端部68Cは、第2レギュレータ本体20側のキャリアプレート70の側部に係止されている。これにより、第2テープ68は、全体としては下方が開放された略コ字形に配置されている。
【0076】
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0077】
本実施形態の構成上のレイアウトに基づく作用並びに効果は以下の通りである。
【0078】
本実施形態に係るパワーウインドレギュレータ12では、大型トラックの助手席側のサイドドア10内のドア前端側に第1ガイドレール22及びこの第1ガイドレール22に沿って細長いループ状に構成された第1テープ44を含む第1レギュレータ本体18を配設すると共に、ドア後端側に第1ガイドレール22に対して平行に配置された第2ガイドレール60を含む第2レギュレータ本体20を配設し、更に第1テープ44の前端側ラインと第2レギュレータ本体20側に配置されたキャリアプレート70とを第2テープ68で略コ字形に連結したので、第1ガイドレール22及び第2ガイドレール60間に広い空間を確保することができる。
【0079】
その結果、本実施形態によれば、助手席側のサイドドア10の中央部下側付近に下方視界確保のための覗き窓16(視界確保用補助ガラス)を設置する等の要請に応えることができる。
【0080】
本実施形態に係るパワーウインドレギュレータ12の作動に基づく作用並びに効果は以下の通りである。
【0081】
ドアガラス56を上昇させるべく、図示しないパワーウインドレギュレータスイッチが操作されると、モータ30が正転駆動される。モータ30が正転駆動されると、ウォーム、ウォームホイール、及び出力軸36等を介してスプロケット38が図1において反時計方向へ回転し、第1テープ44を矢印A方向へ移動させる。なお、このとき、アッパプーリ40もスプロケット38と同様に反時計方向へ回転する。第1テープ44が矢印A方向へ移動すると、第1テープ44の後端側ラインに連結されたキャリアプレート58が上昇すると共に、第1テープ44の前端側ラインに連結された第2テープ68の一端部68Aがドア下方側へ引き込まれる。このため、第2テープ68は図1において矢印B方向へ移動し、当該第2テープ68によってキャリアプレート70が第2ガイドレール60に沿って上昇(プル)される。その結果、ドアガラス56が一対のキャリアプレート58、70に支持されながら、上昇していく。
【0082】
逆に、ドアガラス56を下降させるべく、図示しないパワーウインドレギュレータスイッチが操作されると、モータ30が逆転駆動される。モータ30が逆転駆動されると、スプロケット38が図1において時計方向へ回転し、第1テープ44を矢印A方向と反対方向へ移動させる。第1テープ44が矢印A方向と反対方向へ移動すると、キャリアプレート58が下降すると共に、第2テープ68の一端部68Aはドア上方側へ引き上げられる。このため、第2テープ68は図1において矢印B方向と反対方向へ移動し、当該第2テープ68によってキャリアプレート70が第2ガイドレール60に沿って下降(プッシュ)される。その結果、ドアガラス56が一対のキャリアプレート58、70に支持されながら、下降していく。なお、第2テープ68は、キャリアプレート70を押し下げるだけの所定の剛性を備えているため、キャリアプレート70を押し下げる際に屈曲して押し下げることができない等の不具合は生じない。
【0083】
このように本実施形態では、第1レギュレータ本体18側のキャリアプレート58についてはループ状に移動する第1テープ44によって昇降させ、第2レギュレータ本体20側のキャリアプレート70についてはプッシュ・プルタイプの第2テープ68によって昇降させる構成としたので、一対のキャリアプレート58、70を昇降させるために従来のように複雑にワイヤを折り返す必要がなくなる。その結果、本実施形態によれば、繰り返し使用しても、第1テープ44及び第2テープ68に蓄積される疲労は少なく、これらの第1テープ44及び第2テープ68の耐久性、ひいてはパワーウインドレギュレータ12の耐久性を向上させることができる。
【0084】
以上が本実施形態の基本的な作用並びに効果であるが、本実施形態によれば、更に以下の作用並びに効果が得られる。
【0085】
第1に、本実施形態によれば、所定の剛性を備えたテープ状の長尺体である第2テープ68を利用してキャリアプレート70を昇降させる構成としたので、キャリアプレート70のプッシュ・プルを安定的に行うことができる。
【0086】
すなわち、例えば従来のようにワイヤでキャリアプレート70のプッシュ・プルを行おうとした場合、通常ワイヤは縒り線構造になっているため、キャリアプレート70を押し下げる際に曲がりやすく、又押圧面積(ワイヤの断面積)も小さいことから、キャリアプレート70を安定的に押し下げることは困難である。しかし、本実施形態のように所定の剛性を備えたテープ状の長尺体である第2テープ68を用いれば、キャリアプレート70の押圧に寄与する断面積並びに剛性を確保しやすいため、キャリアプレート70のプッシュ・プルを安定的に行うことができる。
【0087】
第2に、本実施形態によれば、キャリアプレート58を昇降させるための構成としても、テープ状の長尺体であるループ状の第1テープ44を用いているので、第1テープ44及び第2テープ68を構造的に同質の部材として構成することができる。このため、第2テープ68の一端部68Aを第1テープ44に連結(固定)する際に単純にクリップ72で連結することができると共に、両者の連結部位に応力集中が生じにくくなる。
【0088】
第3に、本実施形態によれば、第2テープ68の中間部68Bを第1ガイドレール22及び第2ガイドレール60の上端部間を移動するように配置したので、サイドドア10のドア本体14の中央部のみならず、下縁側をもフリースペースにすることができる。従って、前述した下方視界確保のための覗き窓16を設置する等の要請に対して容易に応えることができる。
【0089】
また、第2テープ68の中間部68Bを第1ガイドレール22及び第2ガイドレール60の上端部間を移動するように配置することにより、ドアガラス56の下降時において第2ガイドレール60側のキャリアプレート70を押し下げる(プッシュ)際に、ドアガラス56の自重を利用することができる。このため、第2テープ68に要求される剛性を必要最小限に抑えることができる。
【0090】
第4に、本実施形態によれば、ドアガラス56の上昇時には、スプロケット38、第1レギュレータ本体18側のアッパプーリ40、及び第2レギュレータ本体20側のアッパプーリ66はすべて図1において反時計方向へ回転し、逆にドアガラス56の下降時には、スプロケット38、第1レギュレータ本体18側のアッパプーリ40、及び第2レギュレータ本体20側のアッパプーリ66はすべて図1において時計方向へ回転する。すなわち、ドアガラス56の昇降時におけるスプロケット38及び一対のアッパプーリ40、66の回転方向はそれぞれに同一回転方向とされているため、いずれかのプーリ等の転動体の回転方向が他の転動体の回転方向と異なる構成に比し、第1テープ44及び第2テープ68の全長を短くすることができる。従って、コスト削減を図ることができる。
【0091】
また、いずれかの転動体の回転方向が他の転動体の回転方向と異なると、第1テープ44及び第2テープ68の屈曲方向が転動体毎に変化し、多くの折り返しを経ることになるため、疲労が蓄積されやすくなるが、本実施形態によれば、このような疲労の蓄積を抑制させることができる。従って、第1テープ44及び第2テープ68の耐久性、ひいてはパワーウインドレギュレータ12の耐久性を向上させることができる。
【0092】
第5に、本実施形態によれば、第1ガイドレール22の上端側に配置されたアッパプーリ40が本来的に形成されている内側のテープ巻掛部40A及び結果として形成される外側のテープ巻掛部40Bを備えた二重構造とされており、内側のテープ巻掛部40Aにはループ状に移動する第1テープ44の上端側が巻き掛けられ、外側のテープ巻掛部40Bには第2テープ68の中間部68Bが巻き掛けられる構成としたので、第1テープ44の上端側を巻き掛けるためのプーリと第2テープ68の中間部が巻き掛けられるプーリを別個独立に設ける場合に比し、部品点数の削減を図ることができ、構造の簡素化を図ることができる。
【0093】
なお、本実施形態では、前記の如く、第1テープ44及び第2テープ68をアッパプーリ40に二重に巻き掛ける構成を採ったが、必ずしもそのように構成する必要はなく、図7に示されるように、第1テープ44巻掛用の「転動体」としてのアッパ第1プーリ80と第2テープ68巻掛用の「転動体」としてのアッパ第2プーリ82とを別個独立に設ける構成を採っても差し支えない。
【0094】
この場合、第1テープ44及び第2テープ68をアッパプーリ40に二重に巻き掛ける構成に比べて部品点数が増加するという不利はあるが、第1テープ44の上端側と第2テープ68の中間部68Bとが折曲部にて相互に摺接するのを極力防止することができるという利点がある。その結果、第1テープ44及び第2テープ68の耐久性、ひいてはパワーウインドレギュレータ12の耐久性を向上させることができる。
【0095】
また、本実施形態では、第2テープ68の他端部68Bはキャリアプレート70の側面に係合されるのみの構成を採っているが、以下に説明するように、第2テープ68の弛み防止手段を第2ガイドレール60側に付加してもよい。
【0096】
具体的に説明すると、図8〜図10に示されるように、この実施形態では、第2ガイドレール90の一方の側部に、第2テープ68の幅方向の一端部を包囲するようにコ字形に屈曲された部分を有する第1ガイド部90Aが一体に形成されている。さらに、この第1ガイド部90Aの長手方向の所定位置には、端部が階段状に屈曲された複数の第2ガイド部92が所定の間隔でネジ94によって固定されている。そして、弛み防止手段として把握されるこれらの第1ガイド部90Aのコ字形部分と第2ガイド部92の階段状の端部とによって、第2テープ68の幅方向の両端部の移動がガイドされ、これにより第2テープ68の弛みが防止されている。
【0097】
次に、図11〜図17を用いて、本発明の別の実施形態について説明する。なお、前述した図1等に示される実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。また、この図11〜図17に示した別の実施形態は、本発明の一実施形態ではなく、参考例とする。但し、この実施形態の中で、後述する第1実施形態の構成部分を補足説明している箇所はこの限りではない。
【0098】
代表的には図11に示されるように、この実施形態では、二本のループ状の第1テープ44と第2テープ100とをクリップ72で結合することにより、パワーウインドレギュレータ12のシステムを成立させた点に特徴がある。
【0099】
具体的に説明すると、第1ガイドレール22の上端側に配置されたアッパプーリ40と下端側に配置されたスプロケット38とには、前述した実施形態と同様構成の第1テープ44がループ状に巻き掛けられている。この第1テープ44には、第1ガイドレール22側に配置されたキャリアプレート58が結合されている。
【0100】
また、第1ガイドレール22の上端側に配置されたアッパプーリ40及び下端側に配置されたスプロケット38並びに第2ガイドレール60の上端側に配置されたアッパプーリ66及び下端側に配置されたロアプーリ102には、予めループ状に形成された第2テープ100が巻き掛けられている。なお、第2テープ100の左上端側は、アッパプーリ40に既に巻き掛けられている第1テープ44の外周面に重ねて巻き掛けられている(図13及び図14参照)。また、第2テープ100の左下端側は、スプロケット38に既に巻き掛けられている第1テープ44の外周面に重ねて巻き掛けられている(図15及び図16参照)。
【0101】
なお、第2ガイドレール60の下端側にロアプーリ102を配置するべく、当該下端側に配設されたロアブラケット64は第1ガイドレール22側へ向けて張り出されている。
【0102】
上述した第2テープ100は、第2ガイドレール60側に配置された他方のキャリアプレート70と結合されていると共に、クリップ72で第1テープ44とも結合されている。
【0103】
以上説明してきた構成が、この実施形態の要部である。以下に説明する構成は、前述した図1乃至図6に示される実施形態においても同様に採用されている構成であるが、詳細を省略したので、ここで補足説明しておく。
【0104】
図16には、パワーウインドレギュレータ12を駆動させる駆動源となるモータ30の縦断面構造が拡大して示されている。この図に付された陰影線から判るように、モータ30の出力軸36は四角柱形状を成している。出力軸36は、略円板状に形成された動力伝達部材104の軸芯ボス部104Aに嵌合されている。さらに、動力伝達部材104の裏面の外周側には円柱状の小突起106が90度間隔で立設されており、これら四つの小突起106がスプロケット38に嵌合されている。スプロケット38の軸芯部には円柱状の支軸部110が一体に形成されており、当該支軸部110がハウジング112に形成された軸受部114に軸支されている。
【0105】
上記構成によっても、前述した図1等に示される実施形態と同様の作用並びに効果が得られる。
【0106】
すなわち、本実施形態の構成上のレイアウトに基づく作用並びに効果は以下の通りである。
【0107】
本実施形態に係るパワーウインドレギュレータ12では、大型トラックの助手席側のサイドドア10内のドア前端側及びドア後端側に第1ガイドレール22及び第2ガイドレール60がドアガラス昇降方向を長手方向として互いに平行に配置されている。従って、第1ガイドレール22及び第2ガイドレール60間には、広いスペースが確保される。また、第1ガイドレール22側には、一方のキャリアプレート58と連結されこれを昇降させる第1テープ44が細長いループ状に設けられている。従って、当該第1テープ44によって前記スペースが狭められることはない。さらに、第1ガイドレール22及び第2ガイドレール60間にループ状の第2テープ100が配索され、当該第2テープ100に他方のキャリアプレート58が結合されると共に第1テープ44がクリップ72で結合されているため、当該第2テープ100によって前記スペースが狭められることもない。
【0108】
その結果、本実施形態によっても、助手席側のサイドドア10の中央部下側付近に下方視界確保のための覗き窓16(視界確保用補助ガラス)を設置する等の要請に応えることができる。
【0109】
本実施形態に係るパワーウインドレギュレータ12の作動に基づく作用並びに効果は以下の通りである。
【0110】
ドアガラス56を上昇させるべく、図示しないパワーウインドレギュレータスイッチが操作されると、モータ30が正転駆動される。モータ30が正転駆動されると、ウォーム、ウォームホイール、出力軸36、及び動力伝達部材104等を介してスプロケット38が図11において反時計方向へ回転し、第1テープ44を矢印A方向へ移動させる。なお、このとき、アッパプーリ40もスプロケット38と同様に反時計方向へ回転する。第1テープ44が矢印A方向へ移動すると、第1テープ44の後端側ラインに連結されたキャリアプレート58が上昇すると共に、第1テープ44の前端側ラインに連結された第2テープ100も矢印B方向へループ状に移動する。このため、第2テープ100と結合されたキャリアプレート70が第2ガイドレール60に沿って上昇(プル)される。その結果、ドアガラス56が一対のキャリアプレート58、70に支持されながら、上昇していく。
【0111】
逆に、ドアガラス56を下降させるべく、図示しないパワーウインドレギュレータスイッチが操作されると、モータ30が逆転駆動される。モータ30が逆転駆動されると、スプロケット38が図11において時計方向へ回転し、第1テープ44を矢印A方向と反対方向へ移動させる。第1テープ44が矢印A方向と反対方向へ移動すると、キャリアプレート58が下降すると共に、第2テープ100も矢印B方向と反対方向へループ状に移動される。このため、第2テープ100によってキャリアプレート70が第2ガイドレール60に沿って下降(プル)される。その結果、ドアガラス56が一対のキャリアプレート58、70に支持されながら、下降していく。
【0112】
このように本実施形態では、第1レギュレータ本体18側のキャリアプレート58については細長いループ状に移動する第1テープ44によって昇降させると共に、第2レギュレータ本体20側のキャリアプレート70については幅広いループ状に移動する第2テープ100によって昇降させる構成としたので、一対のキャリアプレート58、70を昇降させるために従来のように複雑にワイヤを折り返す必要がなくなる。その結果、本実施形態によれば、繰り返し使用しても、第1テープ44及び第2テープ100に蓄積される疲労は少なく、これらの第1テープ44及び第2テープ100の耐久性、ひいてはパワーウインドレギュレータ12の耐久性を向上させることができる。
【0113】
さらに、本実施形態によれば、第1ガイドレール22側のキャリアプレート58を昇降させる第1テープ44並びに第2ガイドレール60側のキャリアプレート70を昇降させる第2テープ100のいずれもループ状に構成したので、キャリアプレート70の上昇動作及び下降動作がいずれも第2テープ100のプル動作(引張動作)によって行われる。このため、プッシュ動作を考慮しなくても済む分、第2テープ100の要求剛性を緩和することができる。
【0114】
以上が本実施形態の基本的な作用並びに効果であるが、本実施形態によれば、更に以下の作用並びに効果が得られる。
【0115】
第1に、本実施形態によれば、所定の剛性を備えたテープ状の長尺体である第2テープ100を利用してキャリアプレート70を昇降させる構成としたので、キャリアプレート70の昇降動作を安定的に行うことができる。
【0116】
第2に、本実施形態によれば、キャリアプレート58を昇降させるための構成としても、テープ状の長尺体であるループ状の第1テープ44を用いているので、第1テープ44及び第2テープ100を構造的に同質の部材として構成することができる。このため、第2テープ100を第1テープ44に連結(固定)する際に単純にクリップ72で連結することができると共に、両者の連結部位に応力集中が生じにくくなる。
【0117】
第3に、本実施形態によれば、第2テープ100を第1ガイドレール22及び第2ガイドレール60の上端部間及び下端部間を移動するように配置したので、サイドドア10のドア本体14の中央部をフリースペースにすることができる。従って、前述した下方視界確保のための覗き窓16を設置する等の要請に対して容易に応えることができる。
【0118】
第4に、本実施形態によれば、ドアガラス56の上昇時には、スプロケット38、第1レギュレータ本体18側のアッパプーリ40、及び第2レギュレータ本体20側のアッパプーリ66、ロアプーリ102はすべて図11において反時計方向へ回転し、逆にドアガラス56の下降時には、スプロケット38、第1レギュレータ本体18側のアッパプーリ40、及び第2レギュレータ本体20側のアッパプーリ66、ロアプーリ102はすべて図11において時計方向へ回転する。すなわち、ドアガラス56の昇降時におけるスプロケット38及び一対のアッパプーリ40、66並びにロアプーリ102の回転方向はそれぞれに同一回転方向とされているため、いずれかのプーリ等の転動体の回転方向が他の転動体の回転方向と異なる構成に比し、第1テープ44及び第2テープ100の全長を短くすることができる。従って、コスト削減を図ることができる。
【0119】
また、いずれかの転動体の回転方向が他の転動体の回転方向と異なると、第1テープ44及び第2テープ100の屈曲方向が転動体毎に変化し、多くの折り返しを経ることになるため、疲労が蓄積されやすくなるが、本実施形態によれば、このような疲労の蓄積を抑制させることができる。従って、第1テープ44及び第2テープ100の耐久性、ひいてはパワーウインドレギュレータ12の耐久性を向上させることができる。
【0120】
第5に、本実施形態によれば、第1ガイドレール22の上端側に配置されたアッパプーリ40及びスプロケット38に第1テープ44及び第2テープ100の双方を巻き掛ける構成としたので、第1テープ44の巻掛用のプーリと第2テープ100の巻掛用のプーリとを別個独立に設ける場合に比し、部品点数の削減を図ることができ、構造の簡素化を図ることができる。
【0121】
なお、図11に示される実施形態では、予めループ状に形成された第2テープ100を用いたが、これに限らず、図17に示される如く、結果的にループ状となる第2テープ116を使用してもよい。簡単に説明すると、この第2テープ116は、第1テープ44と同様に構成されており、双方の端末部116A、116Bを重合させた上でクリップ72で第1テープ44に留めることにより、ループ状に構成されている。
【0122】
また、図11に示される実施形態では、前記の如く、第1テープ44及び第2テープ100をアッパプーリ40に二重に巻き掛ける構成を採ったが、必ずしもそのように構成する必要はなく、第1テープ44巻掛用のアッパプーリと第2テープ100巻掛用のアッパプーリとを別個独立に設ける構成を採っても差し支えない。
【0123】
この場合、前述した図7に示される実施形態のところで説明したように、第1テープ44及び第2テープ100をアッパプーリ40に二重に巻き掛ける構成に比べて部品点数が増加するという不利はあるが、第1テープ44の上端側と第2テープ100の上端左側とが折曲部にて相互に摺接するのを極力防止することができるという利点がある。その結果、第1テープ44及び第2テープ100の耐久性、ひいてはパワーウインドレギュレータ12の耐久性を向上させることができる。
【0124】
次に、図18〜図23を用いて、本発明の更に別の実施形態について説明する。なお、前述した図1、図11等に示される実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0125】
図18に示されるように、この実施形態では、第1ガイドレール22側に配設された「第1ガラス支持体」としてのキャリアプレート150をループ状に移動する第1テープ44を使って昇降させ、第2ガイドレール60側に配設された「第2ガラス支持体」としてのキャリアプレート152を直線状に移動するプッシュ・プルタイプの第2テープ68を使って昇降させる構成を採用している点で、図1に示される実施形態と共通している。
【0126】
この実施形態では、ループ状に移動する第1テープ44の伸びを吸収する伸び吸収機構(テンション機構)154の構成に特徴があり、以下に詳述する。
【0127】
図19(A)には第1ガイドレール22側に配設されたキャリアプレート150の正面図が示されており、又同図(B)にはキャリアプレート150の側面図が示されており、更に同図(C)にはキャリアプレート150の裏面図が示されている。さらに、図20にはキャリアプレート150の横断面図が示されている。
【0128】
これらの図に示されるように、キャリアプレート150の略中央部には、略矩形状の開口部156が形成されている。また、キャリアプレート150の裏面側には、第1ガイドレール22に沿ったキャリアプレート150の昇降動作をガイドするための二種類のガイド158、160がボルト162、164でそれぞれ固定されている。
【0129】
いずれのガイド158、160も樹脂製でありかつブロック状に形成されているが、開口部156の側方に配置されたガイド158の側面には複数の突起166が形成されている。これらの突起166に第1テープ44の一方の端末部444Aが嵌合(圧入)されることにより、当該一方の端末部44Aがガイド158を介してキャリアプレート150に固定されている。
【0130】
さらに、キャリアプレート150の開口部156内には、「伸び吸収手段」としての伸び吸収機構154が配設されている。この伸び吸収機構154は、スライダ168、「付勢手段」としての圧縮コイルスプリング170、及び「調節手段」としてのストッパ172を主要部として構成されている。
【0131】
より具体的に説明すると、スライダ168はキャリアプレート150の開口部156を貫通するようにして配置されており、上部側を構成する筒状のスプリング収容部174と、下部側を構成するブロック状のテープ取付部176とを備えている。スプリング収容部174の両側部にはスライド溝178(図20参照)がそれぞれ形成されており、当該スライド溝178にはキャリアプレート150の開口部156の両側部から互いに接近する方向へ延出された一対のレール部180が嵌合されている。これにより、スライダ168は、一対のレール部180に沿って開口部156内をその上下方向へスライド可能とされている。
【0132】
また、スライダ168のテープ取付部176の側面には、ガイド158の突起166と対向する形で複数の突起182が形成されている。この突起182には第1テープ44の他方の端末部44Bが嵌合(圧入)されることにより、当該他方の端末部44Bがスライダ168に固定されている。従って、第1テープ44の一方の端末部44Aと他方の端末部44Bとは互いに対向した状態(オーバーラップした状態)で配置されており、スライダ168も当該一方の端末部44Aに対してドア前後方向へオフセットして配置されている。
【0133】
さらに、スライダ168のスプリング収容部174内には、圧縮コイルスプリング170が収容されている。この圧縮コイルスプリング170の下端部は、キャリアプレート150における開口部156の下端部側に形成されたスプリング係止板184に当接係止されている。また、圧縮コイルスプリング170の上端部は、スプリング収容部174にネジ186で固定されたストッパ172に当接係止されている。従って、圧縮コイルスプリング170は、スライダ168を上方側へ常時押圧付勢している。
【0134】
なお、圧縮コイルスプリング170の付勢力(即ち、スプリング長)は、ネジ186によるストッパ172の締込み位置を調節することにより調節可能とされている。
【0135】
上記構成によれば、環境温度の変化や長期間の使用等によりループ状に移動する第1テープ44に伸びが生じることがある。この場合、第1テープ44の他方の端末部44Bが固定されたスライダ168が圧縮コイルスプリング170の付勢力によって上方へスライドされる。これにより、第1テープ44に生じた伸びが吸収され、第1テープ44に弛みが生じるのを防止することができる。
【0136】
ここで、本実施形態では、第1テープ44の伸びを吸収するためのスライダ168を一方の端末部44Aに対してドア前後方向へオフセットして配置したので、スライダ168のスライドストロークを大きく確保することができる。このため、第1テープ44に生じた伸び量が大きい場合にも、スライダ168によって当該伸びが確実に吸収される。
【0137】
つまり、第1テープ44の一方の端末部44Aと他方の端末部44Bとをドア上下方向に対向して配置させ、当該一方の端末部44Aと他方の端末部44Bとを伸び吸収手段を介して連結することも可能ではある。しかし、この場合には、双方の端末部44A、44B間の距離が極めて短くなるため、吸収し得る伸び量も小さくなる。
【0138】
これに対し、本実施形態では、スライダ168を第1テープ44の一方の端末部44Aに対してドア前後方向にオフセットして配置したので、スライダ168のスライドストロークを大きく確保することができ、よって吸収し得る伸び量も大きくなる。その結果、本実施形態によれば、第1テープ44に弛みが生じるのを確実に防止することができ、ひいてはパワーウインドレギュレータ12の適切な作動を確保することができる。
【0139】
さらに、本実施形態では、スライダ168のスプリング収容部174にネジ186で取り付けられるストッパ172の位置を調節することにより、スライダ168をテープ伸び方向へ押圧付勢する圧縮コイルスプリング170の付勢力を調節することができるため、第1テープ44に付与すべき付勢力の大きさを最適なものとすることができる。
【0140】
次に、図21及び図22を用いて、上述した図18〜図20に示される実施形態の更なる改良例について説明する。
【0141】
これらの図、特には図22に示されるように、この実施形態では、キャリアプレート150における開口部156の下部両側縁に設定される「屈曲部」としての一対のレール部190が切り起こしにより形成されている。従って、切り落としにより形成される前述したレール部180とは、この点で相違している。これに対応して、スライダ168のスプリング収容部174の両側部には、レール部190が嵌合される「嵌合溝」としての一対のスライド溝192が形成されている。従って、この実施形態のスライド溝192の溝幅は、前述したスライド溝178の溝幅よりも広くなっている。
【0142】
上記構成によれば、第1テープ44に伸びが生じた場合には、一対のスライド溝192内へ一対のレール部190が嵌合された状態を維持しながら、スライダ168が圧縮コイルスプリング170の付勢力によって上方へスライドすることになる。
【0143】
ここで、本実施形態では、一対のレール部190を切り起こしにより形成すると共に、これに合わせて一対のスライド溝192の溝幅も広く設定したので、切り落としによる嵌合(差し込み)構造に比べて、スライダ168のキャリアプレート150への嵌合代を大きく確保することができる。その結果、本実施形態によれば、キャリアプレート150内におけるスライダ168の移動を安定的に行わせることができ、ひいては第1テープ44の伸び吸収性能の信頼性を高めることができる。
【0145】
また、上述した図1、図11、及び図18に示される実施形態では、キャリアプレート58、70を昇降させるのにテープ状の長尺体である第1テープ44及び第2テープ68、100、116を用いたが、ベルト状の長尺体を用いてもよい。
【0146】
さらに、上述した図1、図11、及び図18に示される実施形態では、第2テープ68の一端部68A又は第2テープ100、116を第1テープ44の前端側ラインの所定部位にクリップ72で固定する構成を採ったが、これに限らず、第1レギュレータ本体18側のキャリアプレート58の形状を変更する等すれば、第2テープ68の一端部68A又は第2テープ100、116を当該キャリヤプレートに固定することも可能である。
【0147】
また、上述した図1、図11、及び図18に示される実施形態では、第1ガイドレール22の下端側にモータ30及びスプロケット38を配設したが、これに限らず、図23に示されるように、第1ガイドレール22の上端側にモータ30及びスプロケット38を配設する構成を採ってもよい。なお、この実施形態では、第1ガイドレール22の下端側に第1テープ44の下端側を巻き掛けるための半円形状のロアガイド194が配設しているが、プーリを配設するようにしてもよい。
【0148】
上記構成によれば、モータ30及びスプロケット38を第1ガイドレール22の上端側に配置することとしたので、モータ30が被水の影響を受けるのを防止することができるというメリットがある。
【0149】
一方、上述した図1、図11、及び図18に示される実施形態のように第1ガイドレール22の下端側にモータ30及びスプロケット38に配置した場合には、タバコ灰受などの他の設置部品や機能部品との干渉を容易に避けることができる。このため、モータ30を第1ガイドレール22の下端側に配置する際に当該モータ30をどのような向きでも配置することができると共に、他の設置部品や機能部品についても自由なレイアウトで配置することができるというメリットがある。
【0150】
また、このようにモータ30及びスプロケット38を第1ガイドレール22の上端側又は下端側に配置すると、第1テープ44(図11の実施形態の場合には第1テープ44及び第2テープ100、又図17の実施形態の場合には第1テープ44及び第2テープ116)とスプロケット38との係合範囲が増えるため、駆動力の伝達の確実性を担保することができるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るパワーウインドレギュレータの全体構成を示す正面図である。
【図2】図1に示されるパワーウインドレギュレータの第1レギュレータ本体を同図の矢印2方向から見て示す側面図である。
【図3】図1に示されるパワーウインドレギュレータの第2レギュレータ本体を同図の矢印3方向から見て示す側面図である。
【図4】本実施形態に係る覗き窓の存在を考慮したパワーウインドレギュレータを備えた大型トラックの助手席側のサイドドアを示す概略正面図である。
【図5】図1に示される第1レギュレータ本体のアッパプーリ付近の構成を中心に示す同図の5線矢視部の拡大正面図である。
【図6】図1に示される第1レギュレータ本体のキャリアプレート付近の構成を中心に示す同図の6線矢視部の拡大正面図である。
【図7】第1レギュレータ本体側のアッパプーリを別個独立に設けた実施形態を示す図1に対応する正面図である。
【図8】第2テープの弛み防止手段を付加した実施形態を示す要部拡大正面図である。
【図9】図8に示される弛み防止手段を側方から見た状態を示す側面図である。
【図10】図8に示される弛み防止手段の横断面構造を底面側から見て示す断面図である。
【図11】別の実施形態に係るパワーウインドレギュレータの全体構成を示す正面図である。
【図12】図11に示される実施形態に係る覗き窓の存在を考慮したパワーウインドレギュレータを備えた大型トラックの助手席側のサイドドアを示す概略正面図である。
【図13】図11に示される第1レギュレータ本体のアッパプーリ付近の構成を中心に示す同図の13線矢視部の拡大正面図である。
【図14】アッパプーリに第1テープ及び第2テープが巻き掛けられた状態を示す図13の14−14線に沿う縦断面図である。
【図15】図11に示される第1レギュレータ本体のスプロケット付近の構成を中心に示す同図の15線矢視部の拡大正面図である。
【図16】スプロケットに第1テープ及び第2テープが巻き掛けられた状態を示す図15の16−16線に沿う縦断面図である。
【図17】第2テープの別の実施形態を示す図6に対応する拡大正面図である。
【図18】更に別の実施形態に係るパワーウインドレギュレータの全体構成を示す正面図である。
【図19】(A)は伸び吸収機構が配設されたキャリアプレート(図18の19線矢視部)の拡大正面図、(B)はその拡大側面図、(C)はその拡大裏面図である。
【図20】図19に示される伸び吸収機構の横断面図(図19(A)の20−20線に沿う断面図)である。
【図21】キャリアプレートへのスライダの嵌合構造を改良した実施形態を示す図19(A)に対応する拡大正面図である。
【図22】図21の22−22線に沿う図20に対応する横断面図である。
【図23】モータ及びスプロケットを第1ガイドレールの上端側に配置した実施形態を示す図18に対応するパワーウインドレギュレータの全体構成を示す正面図である。
【図24】従来例に係る覗き窓の存在を考慮したパワーウインドレギュレータを備えた大型トラックの助手席側のサイドドアを示す概略正面図である。
【符号の説明】
10 サイドドア(車両用サイドドア)
12 パワーウインドレギュレータ
22 第1ガイドレール
30 モータ(駆動手段)
38 スプロケット(転動体)
40 アッパプーリ(転動体)
44 第1テープ(第1ガラス支持体昇降手段)
44A 一方の端末部
44B 他方の端末部
46 アッパスライダ(第1ガラス支持体昇降手段)
48 ロアスライダ(第1ガラス支持体昇降手段)
50 テンション機構(第1ガラス支持体昇降手段)
56 ドアガラス
58 キャリアプレート(第1ガラス支持体)
60 第2ガイドレール
66 アッパプーリ(転動体)
68 第2テープ(第2ガラス支持体昇降手段)
68A 一端部
68B 中間部
68C 他端部
70 キャリアプレート(第2ガラス支持体)
80 アッパ第1プーリ(転動体)
82 アッパ第2プーリ(転動体)
90 第2ガイドレール
150 キャリアプレート(第1ガラス支持体)
152 キャリアプレート(第2ガラス支持体)
154 伸び吸収機構(伸び吸収手段)
168 スライダ
170 圧縮コイルスプリング(付勢手段)
172 ストッパ(調節手段)
190 レール部(屈曲部)
192 スライド溝(嵌合溝)

Claims (9)

  1. 車両用サイドドア内に設けられ、駆動力によってドアガラスを自動的に昇降させるパワーウインドレギュレータであって、
    側面視で車両用サイドドアのドア本体の下部に設けられた下方視界確保のための覗き窓を挟んで車両用サイドドア内のドア前端側及びドア後端側にドアガラス昇降方向を長手方向として互いに平行に配置された第1ガイドレール及び第2ガイドレールと、
    第1ガイドレール及び第2ガイドレールに設けられ、ドアガラスを支持する第1ガラス支持体及び第2ガラス支持体と、
    テープ状又はベルト状の長尺体を含んで構成されると共に第1ガイドレール側にループ状に設けられ、所定の部位で第1ガラス支持体と連結された第1ガラス支持体昇降手段と、
    この第1ガラス支持体昇降手段に駆動力を付与し、当該第1ガラス支持体昇降手段をループ状に移動させる駆動手段と、
    テープ状又はベルト状の長尺体を含んで構成されると共に一端部が第1ガラス支持体昇降手段又は第1ガラス支持体に連結されかつ他端部が第2ガラス支持体と連結され、少なくとも第2ガラス支持体を第2ガイドレールに沿ってドアガラス昇降方向へ移動させる程度の剛性を備えた可撓性を有しかつドアガラスの昇降動作に応じて引張力と押圧力とを使い分けるプッシュ・プル方式によって力の伝達を行う第2ガラス支持体昇降手段と、
    を備えていることを特徴とするパワーウインドレギュレータ。
  2. 前記第2ガラス支持体昇降手段は、その中間部が第1ガイドレール及び第2ガイドレールの上端部間を移動するように配置されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のパワーウインドレギュレータ。
  3. 前記第1ガラス支持体昇降手段及び第2ガラス支持体昇降手段は複数の転動体に巻き掛けられており、
    ドアガラス上昇時における当該複数の転動体の回転方向並びにドアガラス下降時における当該複数の転動体の回転方向がそれぞれに同一回転方向とされている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパワーウインドレギュレータ。
  4. 前記第1ガイドレールの上端側に配置された同一の転動体に、ループ状に移動する第1ガラス支持体昇降手段の上端側及び第2ガラス支持体昇降手段の中間部が共に巻き掛けられている、
    ことを特徴とする請求3に記載のパワーウインドレギュレータ。
  5. 前記第1ガイドレールの上端側に配置された転動体には、ループ状に移動する第1ガラス支持体昇降手段の上端側が巻き掛けられており、
    当該転動体の外側付近に配置された別の転動体には、直線状に移動する第2ガラス支持体昇降手段の中間部が巻き掛けられている、
    ことを特徴とする請求項3に記載のパワーウインドレギュレータ。
  6. 前記第1ガラス支持体昇降手段の一方の端末部は前記第1ガラス支持体に固定されていると共に、
    当該第1ガラス支持体昇降手段の他方の端末部側には当該第1ガラス支持体昇降手段の伸びを吸収する伸び吸収手段が設けられており、
    さらに、当該伸び吸収手段は当該一方の端末部に対してドア前後方向へオフセットして配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のパワーウインドレギュレータ。
  7. 前記伸び吸収手段は、
    前記第1ガラス支持体昇降手段の他方の端末部が固定され、前記第1ガラス支持体内でスライド可能に配置されたスライダと、
    このスライダを当該第1ガラス支持体昇降手段の伸び方向へ付勢する付勢手段と、
    この付勢手段の付勢力を調節する調節手段と、
    を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項6に記載のパワーウインドレギュレータ。
  8. 前記スライダには嵌合溝が設けられており、前記第1ガラス支持体には当該嵌合溝に嵌合される屈曲部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項7に記載のパワーウインドレギュレータ。
  9. 前記駆動手段は、第1ガイドレールの上端側又は下端側に配置されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のパワーウインドレギュレータ。
JP32413298A 1997-12-16 1998-11-13 パワーウインドレギュレータ Expired - Fee Related JP4263788B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32413298A JP4263788B2 (ja) 1997-12-16 1998-11-13 パワーウインドレギュレータ
US09/210,809 US6115966A (en) 1997-12-16 1998-12-15 Power window regulator and window regulator system
DE19857872A DE19857872C2 (de) 1997-12-16 1998-12-15 Angetriebener Fensterheber und Fensterhebersystem

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34659997 1997-12-16
JP9-346599 1998-07-30
JP21576398 1998-07-30
JP10-215763 1998-07-30
JP32413298A JP4263788B2 (ja) 1997-12-16 1998-11-13 パワーウインドレギュレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000104448A JP2000104448A (ja) 2000-04-11
JP4263788B2 true JP4263788B2 (ja) 2009-05-13

Family

ID=27329797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32413298A Expired - Fee Related JP4263788B2 (ja) 1997-12-16 1998-11-13 パワーウインドレギュレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4263788B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013099956A1 (ja) * 2011-12-26 2013-07-04 株式会社ハイレックスコーポレーション 車両用ウインドレギュレータおよび車両用ウインドレギュレータを備えた車両用ドア構造
JP6377964B2 (ja) * 2014-06-06 2018-08-22 ナブテスコ株式会社 連結装置及び自動ドア
CN115095242B (zh) * 2022-07-12 2024-05-10 温州艾德美门窗系统开发有限公司 一种链条式开窗器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000104448A (ja) 2000-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6115966A (en) Power window regulator and window regulator system
US6796085B2 (en) Window regulator
KR930010047B1 (ko) 차량의 창문조절기에 사용되는 운동변환기구
US7905057B2 (en) Universal cable window regulator assembly for vehicles
US6112462A (en) Single-drum dual-cable window regulator
US6758013B2 (en) Integrated roller cable assembly
JP4283561B2 (ja) スライドドア開閉装置
US5657580A (en) Window regulator with spring actuated direct cable tensioning
US7328934B2 (en) Sliding door opening and closing device
US20070180773A1 (en) Dual-guided single rail window regulator
KR20060050517A (ko) 윈도우 리프터 레일
JP2010037897A (ja) ウィンドウレギュレータ
US6526696B2 (en) Window regulator, particularly for a vehicle quarter panel
US11286705B1 (en) Cable guide assembly for a window regulator
JP4263788B2 (ja) パワーウインドレギュレータ
JPH0432916B2 (ja)
JP3178742B2 (ja) ウインドレギュレ−タ装置
JP3802247B2 (ja) パワーウインドレギュレータ
US20040049986A1 (en) Automotive side window glass assembly
JPH0538225Y2 (ja)
US20030101654A1 (en) Compact cable-type window lifter
JP3616246B2 (ja) ウインドレギュレータ
KR20060006406A (ko) 자동차용 도어 윈도우 레귤레이터
JPH06167166A (ja) 自動車用ウインドレギュレ−タ
JPH03204429A (ja) 昇降装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060807

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070213

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070410

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070529

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070730

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070803

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20070824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090213

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120220

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130220

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140220

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees