JP4263523B2 - Activated carbon and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、活性炭およびその製造方法に関する。特に、ガス吸蔵効率の高い活性炭に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の排気ガスを清浄化することを目的として、ガソリンに代えて炭化水素、特にメタン(CH4)を主な構成成分とするガス、たとえば都市ガス等を燃料とする技術が注目されている。このような技術開発においてメタンの貯蔵効率を向上することはメタン燃料を自動車に適用するうえで重要な開発要素となっている。また、地球温暖化の支障にならないクリーンな燃料として水素が注目されており、水素の貯蔵技術も重要な開発要素になっている。
【0003】
水素の吸蔵には、従来水素吸蔵合金の存在が知られている。また、水素あるいはメタンの貯蔵には、その吸蔵媒体として、古くから知られている活性炭の適用が考えられている。活性炭の貯蔵効率の改善には、容器(たとえば燃料タンク)内に高密度の活性炭を充填する技術が重要になる。ただし、この高密度化の際に活性炭の細孔構造を破壊しないという条件が付加される。
【0004】
活性炭の高密度形成には、以下の技術が知られている。たとえば、非特許文献1に記載されているように、あらかじめ粉末活性炭を製造した後、これを原料として原料活性炭にバインダ(粘結剤)を添加し、混練および造粒した後、これを焼成し、さらに賦活して造粒活性炭を製造する。
【0005】
造粒に代えて、バインダを添加した原料活性炭を加熱状態でプレスし、たとえばペレット状の形成活性炭を形成する技術もある。図1は、従来技術の活性炭製造方法を示すフローチャートであり、図2はその模式図である。図示するように、原料(ステップ1)を炭化・賦活して(ステップ2)、粉末の活性炭11を製造し(ステップ3)、バインダ12を添加して(ステップ4)、これらを混合する(ステップ5)。バインダ12としてはフェノール樹脂、PVA(ポリビニルアルコール)、コールタールピッチ、PVDC(サラン)等が用いられる。この混合された活性炭とバインダとをヒータ13を有する加圧用治具14(ステンレスセル)に充填し、加熱状態でプレスする(ステップ6)。加熱プレスは、たとえば0.25〜1t/cm2の圧力を保持した状態で100〜150℃の温度になるように加熱する。プレスにより成型された形成体15を取り出し(ステップ7)、さらにこれを炭化・賦活して(ステップ8)、成型加工された活性炭16を得る(ステップ9)。このような製造方法では、粉末活性炭をバインダで相互に接着して活性炭を成型するので、任意形状の形成活性炭が製造可能である。容器内形状に合わせた形成活性炭を製造してこれを容器内に設置することにより、容器内を活性炭で効率的に占有させることが出来る。このため所定形状の容器内の活性炭密度(嵩密度)を向上することが可能になる。
【0006】
なお、特許文献1には、メタンおよび二酸化炭素を主成分とする2成分系の消化ガスを効率良く吸着脱着することを目的とした消化ガス用吸着材(活性炭)の発明が記載されている。この発明では、吸着材(活性炭)を、0.2〜3.5mmの粒径(0.8〜2.7mmのメディアン径)の大粒径のものと、1〜1000μmの粒径(50〜450μmのメディアン径)の小粒径のものとの混合物とし、また、混合重量比を、大粒径の活性炭:小粒径の活性炭=20〜80:80〜20とする旨の記載がある。
【0007】
特許文献2には、被吸着材の通路が確保でき、かつ吸着性能が高い吸着粒子及びその製造方法を提供することを目的とした吸着粒子の発明が記載されている。この発明では、吸着粒子を、吸着能力を持つ1次粒子と1次粒子の集合群からなる2次粒子とで構成し、2次粒子の間には2次粒子の密度より小さい密度で1次粒子が配置される低密度領域を形成するとしている。
【0008】
特許文献3には、本願の発明者を含む発明者らによって為されたバインダを用いない活性炭の発明が記載されている。この発明では、原料粉末にバインダを添加することなく加圧成型し、成型後に炭化および賦活を行うことによってバインダなしの高性能な活性炭および製造方法の技術を提供する。
【0009】
【非特許文献1】
真田雄三他2名著,「講談社サイエンティフィク 新版 活性炭 基礎と応用」、株式会社講談社,1992年3月1日,p61
【特許文献1】
特開2001−269570号公報
【特許文献2】
特開2002−336695号公報
【特許文献3】
特開2001−287905号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記した図1および図2に記載の活性炭製造方法では、粉末活性炭間の接着にバインダを用いるため、活性炭の表面や細孔構造の一部(ボイド、マクロ孔やメソ孔)をバインダで塞ぐ問題がある。細孔構造の閉塞は細孔容量の低下を引き起こし、ガス吸蔵効率を低下させるので好ましくない。バインダは成型後の炭化および賦活で成型される活性炭の一部になり得るものの、既に粉末活性炭の製造段階で形成されている細孔構造を閉塞しているバインダ組成物を、炭化および賦活によって完全に取り除くことは困難である。特にバインダと粉末活性炭とを加熱してプレスする前記方法では溶融したバインダが細孔内にまで進入し、閉塞の問題が顕著になる。
【0011】
粉末活性炭とバインダとの混合物をプレスおよび加熱する条件を最適化することにより細孔構造の閉塞を最小限に留める方策が考え得る。しかしこの方策にも限界がある。プレス圧力を小さくし、あるいは加熱温度を低くすることは、細孔構造の閉塞を緩和する方向に作用する。しかし、プレス圧力を低くすることは活性炭の充填密度(嵩密度)を低下させる要因になる。また、加熱温度の低下は十分な接着強度の確保を困難にさせる。十分な機械的強度が確保された形成活性炭を得ることを前提にすれば、充填密度の増加と細孔容量の増加とはトレードオフの関係にある。
【0012】
これら問題の根本的な解決は、バインダを用いないで形成活性炭を得ることである。この一解決策として、本発明者らは、特許文献3に記載の技術を提案した。特許文献3記載の発明により高性能な活性炭を得ることが可能になったが、更なる改良も考え得る。一方、バインダを用いる形成活性炭には先に説明したようなデメリットがあるものの、これを改良することに意味がないとはいえない。
【0013】
前記したとおり成型される活性炭の原料は粉末活性炭であるから、これら活性炭が成型された状態ではその間にバインダが存在することになる。バインダに起因するデメリットを最小限に抑制するにはこの粉末活性炭間の空間を出来るだけ小さくしてバインダの量を最小限に抑制することが有効であると考えられよう。
【0014】
相対的に大きな粒子と大きな粒子との間には大きな空間が形成されるので、この大きな空間に相対的に小さな粒子を充填することにより、粉末活性炭間の空間を最小限に抑制する方策が考え得る。このような方策に適用できる技術として特許文献1あるいは特許文献2に記載の技術がある。しかし、特許文献1には、粉末活性炭(吸着材)を大粒径のものと小粒径のものとの混合物とし、混合比率を20〜80:80〜20とする旨の記載はあるもの、実施例においては50:50のガス貯蔵量のみが具体的に示されるだけであり、何れの範囲が効果的であるかを具体的に把握することが出来ない。特許文献2には、小粒径活性炭に相当する一次粒子と大粒径活性炭に相当する二次粒子(一次粒子の集合群)が存在し、一次粒子が二次粒子の間に配置される活性炭の構造を開示する。しかし、二次粒子の間に配置される一次粒子の密度は二次粒子の密度よりも小さいものであり、嵩密度を向上しようとする本願発明の思想とは逆の発想である。
【0015】
本願発明の目的は、粉末活性炭からバインダを用いて形成活性炭を得る場合の、活性炭の嵩密度を、ガス吸蔵効率を阻害することなく向上できる技術を提供することにある。また、本願発明の他の目的は、粉末材料を成型した後に炭化および賦活を行って成型された活性炭を得る場合の、更なる嵩密度の向上を実現できる技術を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する発明は、粉状または粒状の第1活性炭および第2活性炭を含む原料から成型された活性炭であって、前記第1活性炭の最大粒径が、前記第2活性炭の最大粒径の4倍以上であり、前記第1活性炭および第2活性炭の合計重量に対する前記第1活性炭の重量が10%〜70%の範囲内にあるものである。このような活性炭によれば、細孔容量を減少することなく、嵩密度を向上することが可能である。特に、第1活性炭の最大粒径を第2活性炭の最大粒径の6倍〜7倍の範囲内、第1活性炭および第2活性炭の合計重量に対する第1活性炭重量を30%〜60%の範囲内とすることにより、嵩密度を極大化することができ、第1活性炭と第2活性炭との混合割合の最適値を提供することが出来る。なお、本発明において嵩密度の極大化が図れるのは、粒径の大きな粉末活性炭の隙間に粒径の小さな粉末活性炭が適度に入り込み、単一粒径の粉末活性炭から成型する場合よりも効率的に空間が粉末活性炭で充填されるためである。従って従来バインダで占有されていた空間が小さな粒径の粉末活性炭で置き換えられ、従来に比較してバインダに起因するデメリットが抑制される。よって、ここでバインダの種類は特に限定されるわけでなく、従来技術同様の熱溶融により接着効果を発揮するバインダであってもかまわない。
【0017】
ここで、成型された活性炭に第1活性炭と第2活性炭が含まれることはもとよりであるが、第3の粉末活性炭あるいは必要に応じてさらに多数の粉末活性炭(第4活性炭等)が含まれても良い。これら複数の粉末活性炭をその粒径の大きい順に並べたとすると粒径の隣接する活性炭材料の大きいものと小さいものとの関係は、前記した第1活性炭と第2活性炭との関係を満足する。たとえば粒径の大きい順が第1活性炭、第2活性炭、第3活性炭であると仮定すると、第1活性炭の最大粒径は第2活性炭の最大粒径の4倍以上好ましくは6〜7倍であり、第2活性炭の最大粒径は第3活性炭の最大粒径の4倍以上好ましくは6〜7倍である。そして第1活性炭および第2活性炭の合計重量に対する第1活性炭の重量が10%〜70%の範囲好ましくは30%〜60%の範囲であるとともに、第2活性炭および第3活性炭の合計重量に対する第2活性炭の重量が10%〜70%の範囲好ましくは30%〜60%の範囲である。第4あるいは第5活性炭等さらに多数の活性炭が存在する場合も同様の関係が成立する。
【0018】
また、ここで最大粒径とは、粉末活性炭の有する粒径分布において最大粒径領域に属する活性炭粒子の粒径のうち最小の粒径である。すなわち、ある母集団(この場合第1活性炭や第2活性炭という粉末活性炭の集合)に属するすべての活性炭粒子の粒径を測定して、そのうち最も大きな値を有する活性炭粒子の粒径を以って最大粒径とするのは現実的ではない。一般に統計的手法が採られることは自明であり、ここでも統計的な手法を採用した最大粒径を定義する。母集団から適当に採取されたサンプル(粉末活性炭)の粒径を測定し、粒径の度数分布が適切な分布関数で表される分布をしているとの仮定の下に粒径が大きい方から10%の範囲を最大粒径領域とする。この最大粒径領域に属する活性炭粒子のうち最小の粒径を有する活性炭粒子の粒径が最大粒径である。従って、サンプリングによっては、測定される活性炭粒子の最大粒径が最大粒径領域に入らない場合もある。統計的処理であるから当然のことである。なお、適切な分布関数としては正規分布、χ2分布等が例示できる。また、粒径はその測定方法によって各種定義が存在するが、何れの定義を採用しても良い。具体的には、2軸平均径、3軸平均径、調和平均径、表面積平均径、立体積平均径、外接長方形相当径、正方形相当径、円形相当径、直方体相当径、円筒体相当径、立方体相当径、球形相当径、定方向径、定方等分径、ナッセンシュタイン径、ストークス径等を採用できる。本明細書において粒径は粒度と同義で用いる。
【0019】
前記した発明において、第1活性炭および第2活性炭を接着するバインダにヒドロキシプロピルメチルセルロースを代表とするセルロース系材料を用いることができる。セルロース系材料を用いれば、加熱してバインダを溶融することなく、接着を実現できる。これにより活性炭表面の閉塞を抑制して細孔容量の低下を抑制できる。また、セルロース系材料は後の炭化および賦活により比較的高品質な活性炭に転化されるので、成型された活性炭の性能を高く維持できる。
【0020】
前記した活性炭によれば、嵩密度が0.5g/cc以上、メタンの3.5MPa環境下における吸蔵効率が138倍以上という高性能な活性炭を得ることが出来る。このような高性能活性炭は、粉末活性炭原料からバインダを用いて成型した従来の活性炭では得られない性能が実現される。なお、吸蔵効率は、活性炭の占有する体積に1気圧環境下で存在する吸蔵ガス量の倍数で表す。
【0021】
本明細書で開示する他の発明は、前記した活性炭を製造する方法である。すなわち、粉状または粒状の、複数の原料活性炭を用意する工程と、前記複数の原料活性炭を所定割合で混合する工程と、前記混合した原料活性炭にバインダを添加し活性炭混成物とする工程と、前記活性炭混成物を加圧して成型する工程と、を含む活性炭の製造方法であって、前記複数の原料活性炭をその最大粒径の順に並べた場合における任意の隣接する第1活性炭および第2活性炭において、前記第1活性炭の最大粒径が前記第2活性炭の最大粒径の4倍以上であり、前記第1活性炭および第2活性炭の合計重量に対する前記第1活性炭の重量が10%〜70%の範囲内にあるものである。このような活性炭の製造方法によれば、前記した活性炭を製造することが可能である。バインダにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むセルロース系材料を利用できることは前記と同様である。
【0022】
本明細書で開示するさらに他の発明は、粉状または粒状の原料を成型、炭化および賦活して生成された活性炭であって、前記原料には、その最大粒径が相違する粉状または粒状の第1原料および第2原料を含むものである。このような活性炭によれば、バインダを用いない形成活性炭において、細孔容量を減少することなくより大きな嵩密度を得ることが出来る。すなわち、互いに粒径の相違する原料粒子の間に他の原料粒子が入り込み、原料粉末の成型の段階で稠密な形成体が製造される。炭化賦活前に稠密な形成体が成型されるので、嵩密度が高い形成活性炭を得ることが可能になる。
【0023】
前記発明において、第1原料の最大粒径を第2原料の最大粒径の4倍以上好ましくは6〜7倍とし、かつ、第1原料および第2原料の合計重量に対する第1原料の重量を10%〜70%の範囲内好ましくは30%〜60%の範囲内とすることができる。原料粉末の条件をこれら条件に合致させることにより、出来上がった活性炭の嵩密度を最適に制御することが出来る。なお、第3あるいは第4等の原料粉末を採用できることは前記した場合と同様である。また、最大粒径および粒径の考え方は前記したとおりである。
【0024】
また、原料にはセルロース、セルロース化合物、ポリイミド、ポリイミド化合物、または、セルロースを主成分とする天然物もしくは人工物のうちから選択された何れかの材料またはそれらの混合材料を採用できる。
【0025】
本明細書でさらに開示する発明は、粉状または粒状の、複数の原料を用意する工程と、前記複数の原料を混合する工程と、前記混合した原料を加圧して成型する工程と、成型された前記原料を炭化して炭化物を生成する工程と、前記炭化物を賦活する工程と、を含む活性炭の製造方法であって、前記複数の原料に含まれる任意の原料の最大粒径は、前記複数の原料に含まれる他の原料の最大粒径と相違するものである。このような製造方法により前記した活性炭を製造できる。ここで、原料粉末として第1原料、第2原料(必要に応じて第3原料等他の粒径分布を持つ原料)を用意することが出来る。これら原料粉末の関係は、前記と同様にすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図3は、本発明の一実施の形態である活性炭の製造方法の一例を示したフローチャートである。まず、活性炭の原料を用意する(ステップ20)。活性炭の原料としては、セルロース、セルロース化合物、ポリイミド、ポリイミド化合物、セルロースを主成分とする天然物または人工物を例示できる。セルロースを主成分とする天然物には、椰子殻、桃種、胡桃殻、珈琲滓、トウモロコシ芯、古紙を例示できる。このような材料は、本来廃棄物として廃棄されるものであるが、環境意識の高まりとともに廃棄物の減少に寄与でき、環境問題の解決の一助にできる。また、廃棄物を原料に用いることは材料コストを低減する観点からも好ましい。また、セルロース化合物、ポリイミド化合物は、金属原子を置換させたイオン交換機能を有するものとすることができる。イオン交換機能を有すれば、形成活性炭に金属を添加することができ、この金属を触媒として作用させることが可能となる。
【0027】
次に、公知の炭化・賦活方法によって原料を活性炭化する(ステップ21)。炭化方法としては、窒素等不活性雰囲気に置換した炉内で原料を熱処理する方法を例示できる。炭化熱処理の処理温度はたとえば900℃、処理時間はたとえば12時間を例示できる。賦活方法としては、一酸化炭素等の酸化雰囲気に置換した炉内で炭化された原料を熱処理する方法を例示できる。賦活熱処理の処理温度はたとえば800℃、処理時間はたとえば12時間を例示できる。
【0028】
次に、ステップ21で得られた活性炭を擂り潰す等の方法により粉末状にする(ステップ22)。得られた粉末活性炭をたとえばふるいを用いてふるい分けを行う(ステップ23)。たとえば一辺が200μmの四角い開口をもつメッシュで粉末活性炭をふるいにかけた場合、メッシュを通過する粉末活性炭は最大粒径が200μmの活性炭となる(ステップ24)。さらに、このふるいを通過した粉末活性炭を一辺が30μmの四角い開口を持つメッシュでふるいにかけると最大粒径が30μmの粉末活性炭を得ることができる(ステップ25)。ここでは、最大粒径が200μmの活性炭を第1活性炭、30μmの粉末活性炭を第2活性炭とする。なお、ふるい分けは、第1活性炭と第2活性炭とを連続して(つまり第1活性炭を得るためのふるい分けの後、このふるいによって得られた活性炭を第2活性炭を得るためのふるいにかける)行うこともでき、第1活性炭と第2活性炭とをおのおの独立のふるいわけによって得ることも可能である。
【0029】
次に、第1活性炭と第2活性炭を所定割合で混合する(ステップ26)。混合割合は、第1活性炭および第2活性炭の合計重量に対し、第1活性炭の重量が10%〜70%好ましくは30%〜60%となるようにする。混合割合を変化させた場合の活性炭性能については後に説明する。この混合の際、バインダを添加する(ステップ27)。バインダとしては、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを例示できる。バインダはヒドロキシプロピルメチルセルロースに限られずその他のセルロース系材料を適用できる。
【0030】
次に、バインダを添加した第1活性炭および第2活性炭をプレス(加圧成型)し(ステップ28)、形成活性炭を得る(ステップ29)。ここで、プレスの際に材料を加熱する必要は無い。これはバインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いるためである。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは常温であっても若干の水分を含むことにより接着作用を発揮し、プレス段階である程度材料を潮解させておくことにより接着剤としての機能を果たすことが可能になる。プレス後に材料を乾燥させることで所定性能の形成活性炭を得ることが出来る。
【0031】
以上のようにして、本発明の活性炭を製造することが可能である。次に、第1活性炭と第2活性炭との混合割合を変化させたときの実施例を説明する。
【0032】
【実施例1】
表1は、第1活性炭および第2活性炭の合計重量の対する第1活性炭の重量(表中では単に第1活性炭の割合と表している。以下同様に略称する。)を変化させた場合の実験例1〜10で得られた形成活性炭の嵩密度およびミクロ孔容量を測定した結果である。また、この表1の結果を第1活性炭の割合を横軸にしてグラフ化したものが図4である。
【表1】
【0033】
図4から明らかに、嵩密度は第1活性炭の割合が増加するに従い増加し、約0.5をピークに減少する。すなわち、嵩密度を高くする最適な第1活性炭割合が存在する。嵩密度が0.5g/cc以上であれば従来にない良好な活性炭特性が得られることから、第1活性炭の割合が0.1〜0.7(10%〜70%)の範囲は有効な活性炭特性が得られる範囲であると言える。特に、第1活性炭の重量が30%〜60%の範囲は嵩密度が高く、またピーク近傍であるからその範囲での嵩密度の変化もさほど大きくない。よって、第1活性炭の重量が30%〜60%の範囲は特に好ましい範囲といえる。
【0034】
一方図4のミクロ孔容量に着目すれば、第1活性炭の割合を変化させてもほぼ一定であり、ミクロ孔容積を減少させる等の不具合は見られない。すなわち、本実施の形態の活性炭では、従来存在した嵩密度とミクロ孔容量との間のトレードオフの関係が存在せず、ミクロ孔容量を減少させることなく嵩密度を増加させることが可能である。
【0035】
図5は、形成活性炭の貯蔵効率を貯蔵圧力の関数として示したグラフである。図中実線で示したラインは第1活性炭の割合が50%の場合(混合割合50%)である。比較のため、第1活性炭のみで形成活性炭を作成した場合(混合割合100%)のグラフを図中点線のラインで示す。図示するように、全ての貯蔵圧力領域で混合割合50%の場合の方が貯蔵効率は高く、特に2MPa以上の貯蔵圧力領域でその差は顕著となる。3.5MPaの貯蔵圧力では、貯蔵効率は143Ncc/ccという良好な特性を示す。なお、吸蔵効率は、メタンガスの吸蔵効率であり、活性炭が占める体積に常温1気圧で存在するメタン量の倍数で表している
【0036】
(実施の形態2)
図6は、本発明の他の実施の形態である活性炭の製造方法の一例を示したフローチャートである。本実施の形態では、原料粉末の粒径を制御し、バインダを用いないで形成活性炭を製造する例を説明する。
【0037】
まず、活性炭になる原料粉末を用意する(ステップ30)。原料粉末としては、セルロース、セルロース化合物、ポリイミド、ポリイミド化合物、セルロースを主成分とする天然物または人工物等の粉末を例示できる。セルロースを主成分とする天然物は実施の形態1の場合と同様である。
【0038】
次に原料粉末をふるい分ける(ステップ31)。ふるい分けは実施の形態1と同様に行える。ここで、最大粒径が200μmの原料粉末を第1原料とする(ステップ32)。また、最大粒径が30μmの原料粉末を第2原料とする(ステップ33)。
【0039】
次に、第1原料と第2原料とを混合する(ステップ34)。このとき、第1原料および第2原料の合計重量に対する第1原料の重量を、10%〜70%好ましくは30%〜60%とするのがよい。第1原料と第2原料との混合割合をこれら範囲内とすることにより、実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0040】
ステップ34の混合の際、バインダは添加しない。バインダを添加しないことにより、バインダに起因する細孔入り口の閉塞等の不具合を抑制してより高性能な活性炭を製造することが可能になる。
【0041】
次に、混合した材料をプレスして成型した原料を得る(ステップ35)。成型により成型される原料の形状は任意である。すなわち円筒体や立方体に成型することを望むのであれば、それに適合したプレス容器を用意すればよい。なお、プレス圧力としては、0.5t/cm2〜1t/cm2を例示することができる。
【0042】
次に、公知の炭化・賦活方法によってプレスした原料を炭化および賦活する(ステップ36)。炭化方法としては、窒素等不活性雰囲気に置換した炉内で原料を熱処理する方法を例示できる。炭化熱処理の処理温度はたとえば900℃、処理時間はたとえば12時間を例示できる。賦活方法としては、一酸化炭素等の酸化雰囲気に置換した炉内で炭化された原料を熱処理する方法を例示できる。賦活熱処理の処理温度はたとえば800℃、処理時間はたとえば12時間を例示できる。なお、この炭化および賦活処理により原料が若干収縮するので、炭化および賦活はプレス容器に入れたまま行っても良い。体積収縮によって簡単にプレス容器から製造された活性炭を取り出すことが出来る。このようにして形成活性炭を得る(ステップ37)。
【0043】
以上のようにしてバインダを用いない形成活性炭を製造することができる。本実施の形態の形成活性炭は前記の通り原料粉末の粒径を制御して、適切な割合でこれを混合しているので、原料粉末を成型した段階での形成体の密度を向上できる。よって、原料形成体を熱処理して得られる活性炭の密度も向上する効果を得ることができる。さらにバインダを用いないことによりバインダに起因するデメリットを受けることなくさらに性能の高い活性炭を製造することが可能である。
【0044】
以上、本発明を具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0045】
たとえば前記実施の形態では粉末活性炭あるいは粉末原料の粒径制御にふるいを用いる例を示した。しかし、粒径を分けるのにふるいである必要はなく、流体中を沈降する速度の差を利用した沈降法等の他の精粒方法を適用することも可能である。
【0046】
【発明の効果】
本願発明によれば、粉末活性炭からバインダを用いて形成活性炭を得る場合の活性炭の嵩密度を、ガス吸蔵効率を阻害することなく向上できる。また、粉末材料を成型した後に炭化および賦活を行って成型された活性炭を得る場合の、更なる嵩密度の向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の活性炭製造方法を示すフローチャートである。
【図2】従来技術の活性炭製造方法を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施の形態である活性炭の製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図4】表1の結果を第1活性炭の割合を横軸にして示したグラフである。
【図5】形成活性炭の貯蔵効率を貯蔵圧力の関数として示したグラフである。
【図6】本発明の他の実施の形態である活性炭の製造方法の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
11…活性炭、12…バインダ、13…ヒータ、14…加圧用治具、15…形成体、16…活性炭。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to activated carbon and a method for producing the same. In particular, the present invention relates to a technique that is effective when applied to activated carbon with high gas storage efficiency.
[0002]
[Prior art]
In recent years, hydrocarbons, especially methane (CH 4 Attention has been focused on a technology that uses as a main component a gas such as city gas as a fuel. In such technology development, improving the storage efficiency of methane is an important development factor in applying methane fuel to automobiles. Hydrogen is attracting attention as a clean fuel that does not interfere with global warming, and hydrogen storage technology is an important development factor.
[0003]
Conventionally, the existence of hydrogen storage alloys is known for storing hydrogen. In addition, for storage of hydrogen or methane, it has been considered to apply activated carbon, which has been known for a long time, as its storage medium. In order to improve the storage efficiency of activated carbon, a technique of filling a container (for example, a fuel tank) with high-density activated carbon is important. However, a condition that the pore structure of the activated carbon is not destroyed during the densification is added.
[0004]
The following techniques are known for high density formation of activated carbon. For example, as described in Non-Patent
[0005]
In place of granulation, there is also a technique in which raw material activated carbon to which a binder is added is pressed in a heated state to form, for example, pelletized activated carbon. FIG. 1 is a flowchart showing a conventional activated carbon production method, and FIG. 2 is a schematic diagram thereof. As shown in the figure, the raw material (step 1) is carbonized and activated (step 2) to produce powdered activated carbon 11 (step 3), a binder 12 is added (step 4), and these are mixed (step 5). As the binder 12, phenol resin, PVA (polyvinyl alcohol), coal tar pitch, PVDC (saran), or the like is used. The mixed activated carbon and binder are filled in a pressing jig 14 (stainless steel cell) having a
[0006]
[0007]
[0008]
[0009]
[Non-Patent Document 1]
Yuzo Sanada and two other authors, “Kodansha Scientific New Edition Activated Carbon Fundamentals and Applications”, Kodansha Co., Ltd., March 1, 1992, p61
[Patent Document 1]
JP 2001-269570 A
[Patent Document 2]
JP 2002-336695 A
[Patent Document 3]
JP 2001-287905 A
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In the activated carbon manufacturing method shown in FIGS. 1 and 2, since a binder is used for bonding between powdered activated carbons, the surface of the activated carbon and part of the pore structure (voids, macropores and mesopores) are blocked with the binder. There is. The blockage of the pore structure is not preferable because it causes a decrease in pore volume and gas storage efficiency. Although the binder can become a part of the activated carbon that is molded by carbonization and activation after molding, the binder composition that has already blocked the pore structure formed in the production stage of powdered activated carbon is completely carbonized and activated. It is difficult to get rid of. In particular, in the method in which the binder and powdered activated carbon are heated and pressed, the molten binder enters into the pores, and the problem of clogging becomes significant.
[0011]
A strategy to minimize pore structure blockage by optimizing the conditions for pressing and heating the mixture of powdered activated carbon and binder can be envisaged. However, this strategy has its limits. Reducing the pressing pressure or lowering the heating temperature acts in the direction of relaxing the pore structure blockage. However, lowering the pressing pressure becomes a factor that lowers the packing density (bulk density) of the activated carbon. In addition, a decrease in heating temperature makes it difficult to ensure sufficient adhesive strength. If it is assumed that a formed activated carbon having sufficient mechanical strength is obtained, an increase in packing density and an increase in pore volume are in a trade-off relationship.
[0012]
The fundamental solution to these problems is to obtain formed activated carbon without using a binder. As one solution, the present inventors have proposed the technique described in
[0013]
Since the activated carbon raw material molded as described above is powdered activated carbon, a binder exists between these activated carbons in a molded state. In order to minimize the disadvantages caused by the binder, it is considered effective to minimize the amount of the binder by minimizing the space between the powdered activated carbons.
[0014]
Since a large space is formed between relatively large particles and large particles, it is possible to minimize the space between the powdered activated carbons by filling this large space with relatively small particles. obtain. As a technique applicable to such a measure, there is a technique described in
[0015]
An object of the present invention is to provide a technique capable of improving the bulk density of activated carbon without impairing gas storage efficiency when forming activated carbon from powdered activated carbon using a binder. Another object of the present invention is to provide a technique capable of realizing further improvement in bulk density in the case of obtaining a molded activated carbon by performing carbonization and activation after molding a powder material.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The invention disclosed in this specification is activated carbon molded from a raw material containing powdered or granular first activated carbon and second activated carbon, and the maximum particle size of the first activated carbon is the largest particle of the second activated carbon. It is four times or more the diameter, and the weight of the first activated carbon with respect to the total weight of the first activated carbon and the second activated carbon is in the range of 10% to 70%. According to such activated carbon, it is possible to improve the bulk density without reducing the pore volume. Particularly, the maximum particle diameter of the first activated carbon is in the range of 6 to 7 times the maximum particle diameter of the second activated carbon, and the weight of the first activated carbon relative to the total weight of the first activated carbon and the second activated carbon is in the range of 30% to 60%. By setting the inside, the bulk density can be maximized, and the optimum value of the mixing ratio of the first activated carbon and the second activated carbon can be provided. In the present invention, the bulk density can be maximized because the powdered activated carbon having a small particle diameter enters the gap between the powdered activated carbon having a large particle diameter and is more efficient than the case of molding from powdered activated carbon having a single particle diameter. This is because the space is filled with powdered activated carbon. Therefore, the space previously occupied by the binder is replaced with powdered activated carbon having a small particle diameter, and the disadvantages caused by the binder are suppressed as compared with the conventional case. Therefore, the type of the binder is not particularly limited here, and may be a binder that exhibits an adhesive effect by heat melting as in the prior art.
[0017]
Here, it is natural that the first activated carbon and the second activated carbon are included in the molded activated carbon, but the third powder activated carbon or a larger number of powder activated carbon (fourth activated carbon etc.) is included if necessary. Also good. Assuming that the plurality of powdered activated carbons are arranged in the order of their particle sizes, the relationship between the large and small activated carbon materials having adjacent particle sizes satisfies the relationship between the first activated carbon and the second activated carbon. For example, assuming that the order of the particle size is the first activated carbon, the second activated carbon, and the third activated carbon, the maximum particle size of the first activated carbon is 4 times or more, preferably 6 to 7 times the maximum particle size of the second activated carbon. Yes, the maximum particle size of the second activated carbon is at least 4 times the maximum particle size of the third activated carbon, preferably 6 to 7 times. The weight of the first activated carbon relative to the total weight of the first activated carbon and the second activated carbon is in the range of 10% to 70%, preferably in the range of 30% to 60%, and the weight relative to the total weight of the second activated carbon and the third activated carbon. 2 The weight of activated carbon is in the range of 10% to 70%, preferably in the range of 30% to 60%. The same relationship is established when there are a large number of activated carbons such as the fourth or fifth activated carbon.
[0018]
In addition, the maximum particle size is the smallest particle size among the activated carbon particles belonging to the maximum particle size region in the particle size distribution of the powdered activated carbon. That is, the particle diameters of all activated carbon particles belonging to a certain population (in this case, a set of powdered activated carbons such as the first activated carbon and the second activated carbon) are measured, and the particle diameter of the activated carbon particles having the largest value among them is measured. The maximum particle size is not realistic. In general, it is obvious that a statistical method is adopted, and the maximum particle diameter adopting the statistical method is also defined here. Measure the particle size of a sample (powdered activated carbon) appropriately collected from the population, and the larger particle size under the assumption that the frequency distribution of the particle size is represented by an appropriate distribution function To 10% is the maximum particle size region. Of the activated carbon particles belonging to the maximum particle size region, the particle size of the activated carbon particles having the smallest particle size is the maximum particle size. Therefore, depending on sampling, the maximum particle size of the activated carbon particles to be measured may not fall within the maximum particle size region. Of course, it is a statistical process. As an appropriate distribution function, a normal distribution, χ 2 A distribution etc. can be illustrated. In addition, various definitions of the particle diameter exist depending on the measurement method, but any definition may be adopted. Specifically, biaxial average diameter, triaxial average diameter, harmonic average diameter, surface area average diameter, standing volume average diameter, circumscribed rectangle equivalent diameter, square equivalent diameter, circular equivalent diameter, rectangular parallelepiped equivalent diameter, cylindrical body equivalent diameter, A cube equivalent diameter, a spherical equivalent diameter, a constant direction diameter, a uniform split diameter, a Nassenstein diameter, a Stokes diameter, or the like can be employed. In the present specification, the particle size is used synonymously with the particle size.
[0019]
In the above-described invention, a cellulose-based material typified by hydroxypropylmethylcellulose can be used as a binder for bonding the first activated carbon and the second activated carbon. If a cellulosic material is used, adhesion can be realized without heating and melting the binder. Thereby, obstruction | occlusion on the surface of activated carbon can be suppressed and the fall of pore volume can be suppressed. In addition, since the cellulosic material is converted into a relatively high quality activated carbon by the subsequent carbonization and activation, the performance of the molded activated carbon can be maintained high.
[0020]
According to the above-mentioned activated carbon, it is possible to obtain a high-performance activated carbon having a bulk density of 0.5 g / cc or more and a methane occlusion efficiency of 138 times or more in a 3.5 MPa environment. Such high-performance activated carbon achieves performance that cannot be obtained with conventional activated carbon molded from a powdered activated carbon raw material using a binder. The storage efficiency is expressed as a multiple of the amount of stored gas present in the volume occupied by the activated carbon under a 1 atm environment.
[0021]
Another invention disclosed in the present specification is a method for producing the above-described activated carbon. That is, a step of preparing a plurality of raw material activated carbon in powder or granular form, a step of mixing the plurality of raw material activated carbons at a predetermined ratio, a step of adding a binder to the mixed raw material activated carbon to obtain an activated carbon hybrid, A method for producing activated carbon, comprising the step of pressurizing and molding the activated carbon composite, wherein the plurality of raw activated carbons are arranged adjacent to each other in the order of their maximum particle sizes. In the method, the maximum particle size of the first activated carbon is four times or more the maximum particle size of the second activated carbon, and the weight of the first activated carbon with respect to the total weight of the first activated carbon and the second activated carbon is 10% to 70%. Is within the range of According to such a method for producing activated carbon, it is possible to produce the activated carbon described above. As described above, a cellulosic material containing hydroxypropylmethylcellulose in the binder can be used.
[0022]
Still another invention disclosed in the present specification is activated carbon produced by molding, carbonizing and activating a powdery or granular raw material, and the raw material has a powdery or granular shape having a different maximum particle size. The first raw material and the second raw material are included. According to such activated carbon, a larger bulk density can be obtained without reducing the pore volume in the formed activated carbon that does not use a binder. That is, other raw material particles enter between raw material particles having different particle diameters, and a dense formed body is produced at the stage of forming the raw material powder. Since a dense formed body is molded before carbonization activation, it is possible to obtain formed activated carbon having a high bulk density.
[0023]
In the above invention, the maximum particle size of the first raw material is 4 times or more, preferably 6 to 7 times the maximum particle size of the second raw material, and the weight of the first raw material with respect to the total weight of the first raw material and the second raw material is It can be in the range of 10% to 70%, preferably in the range of 30% to 60%. By matching the conditions of the raw material powder with these conditions, the bulk density of the finished activated carbon can be optimally controlled. In addition, it is the same as that of the above-mentioned that raw material powder of 3rd or 4th etc. is employable. The concept of the maximum particle size and the particle size is as described above.
[0024]
In addition, as the raw material, any material selected from cellulose, cellulose compound, polyimide, polyimide compound, a natural product or an artificial product mainly containing cellulose, or a mixed material thereof can be adopted.
[0025]
The invention further disclosed in the present specification includes a step of preparing a plurality of raw materials in the form of powder or granules, a step of mixing the plurality of raw materials, a step of pressing the mixed raw materials, and molding. A method of producing activated carbon comprising carbonizing the raw material to produce carbide, and a step of activating the carbide, wherein the maximum particle size of any raw material included in the plurality of raw materials is the plurality This is different from the maximum particle size of other raw materials contained in the raw material. The aforementioned activated carbon can be produced by such a production method. Here, a first raw material and a second raw material (a raw material having another particle size distribution such as a third raw material as required) can be prepared as the raw material powder. The relationship between these raw material powders can be the same as described above.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
(Embodiment 1)
FIG. 3 is a flowchart showing an example of a method for producing activated carbon according to an embodiment of the present invention. First, a raw material for activated carbon is prepared (step 20). Examples of the activated carbon material include cellulose, cellulose compounds, polyimides, polyimide compounds, and natural products or artificial products mainly composed of cellulose. Examples of natural products mainly composed of cellulose include coconut shell, peach seed, walnut shell, cocoon, corn core, and waste paper. Such materials are originally discarded as waste, but can contribute to the reduction of waste as environmental awareness increases and can help solve environmental problems. In addition, it is preferable to use waste as a raw material from the viewpoint of reducing material costs. Cellulose compounds and polyimide compounds may have an ion exchange function in which metal atoms are substituted. If it has an ion exchange function, a metal can be added to the formed activated carbon, and this metal can be used as a catalyst.
[0027]
Next, the raw material is activated carbonized by a known carbonization / activation method (step 21). Examples of the carbonization method include a method of heat-treating the raw material in a furnace substituted with an inert atmosphere such as nitrogen. An example of the carbonizing heat treatment temperature is 900 ° C., and an example of the treatment time is 12 hours. Examples of the activation method include a method of heat-treating a raw material carbonized in a furnace substituted with an oxidizing atmosphere such as carbon monoxide. The treatment temperature of the activation heat treatment can be exemplified by 800 ° C. and the treatment time can be exemplified by 12 hours, for example.
[0028]
Next, the activated carbon obtained in
[0029]
Next, the first activated carbon and the second activated carbon are mixed at a predetermined ratio (step 26). The mixing ratio is such that the weight of the first activated carbon is 10% to 70%, preferably 30% to 60%, with respect to the total weight of the first activated carbon and the second activated carbon. The activated carbon performance when the mixing ratio is changed will be described later. During the mixing, a binder is added (step 27). An example of the binder is hydroxypropylmethylcellulose. The binder is not limited to hydroxypropylmethylcellulose, and other cellulosic materials can be applied.
[0030]
Next, the first activated carbon and the second activated carbon to which the binder is added are pressed (pressure molding) (step 28) to obtain formed activated carbon (step 29). Here, there is no need to heat the material during pressing. This is because hydroxypropylmethylcellulose is used as the binder. Hydroxypropyl methylcellulose exhibits an adhesive action by containing a slight amount of water even at room temperature, and can function as an adhesive by allowing the material to be deliquescent to some extent at the press stage. Formed activated carbon having a predetermined performance can be obtained by drying the material after pressing.
[0031]
As described above, the activated carbon of the present invention can be produced. Next, an embodiment when the mixing ratio of the first activated carbon and the second activated carbon is changed will be described.
[0032]
[Example 1]
Table 1 shows an experiment in which the weight of the first activated carbon with respect to the total weight of the first activated carbon and the second activated carbon (in the table, simply expressed as the ratio of the first activated carbon, hereinafter abbreviated as well) is changed. It is the result of having measured the bulk density and micropore volume of the formed activated carbon obtained in Examples 1-10. FIG. 4 is a graph showing the results of Table 1 with the ratio of the first activated carbon as the horizontal axis.
[Table 1]
[0033]
As apparent from FIG. 4, the bulk density increases as the proportion of the first activated carbon increases, and decreases to about 0.5 at the peak. That is, there is an optimal first activated carbon ratio that increases the bulk density. If the bulk density is 0.5 g / cc or more, an unprecedented good activated carbon characteristic can be obtained. Therefore, the range of the ratio of the first activated carbon is 0.1 to 0.7 (10% to 70%) is effective. It can be said that it is the range in which the activated carbon characteristics are obtained. In particular, when the weight of the first activated carbon is in the range of 30% to 60%, the bulk density is high, and since it is near the peak, the change in the bulk density in the range is not so large. Therefore, it can be said that the range in which the weight of the first activated carbon is 30% to 60% is a particularly preferable range.
[0034]
On the other hand, paying attention to the micropore capacity of FIG. 4, even if the ratio of the first activated carbon is changed, it is substantially constant, and there is no inconvenience such as reducing the micropore volume. That is, in the activated carbon of the present embodiment, there is no trade-off relationship between the existing bulk density and the micropore capacity, and the bulk density can be increased without reducing the micropore capacity. .
[0035]
FIG. 5 is a graph showing the storage efficiency of the formed activated carbon as a function of storage pressure. The line shown by the solid line in the figure is the case where the ratio of the first activated carbon is 50% (mixing ratio 50%). For comparison, a graph of the case where the formed activated carbon is created only with the first activated carbon (mixing ratio: 100%) is indicated by a dotted line in the figure. As shown in the figure, the storage efficiency is higher when the mixing ratio is 50% in all storage pressure regions, and the difference is particularly remarkable in the storage pressure region of 2 MPa or more. At a storage pressure of 3.5 MPa, the storage efficiency shows a good characteristic of 143 Ncc / cc. The storage efficiency is the storage efficiency of methane gas, and is expressed as a multiple of the amount of methane present at a normal temperature of 1 atm in the volume occupied by activated carbon.
[0036]
(Embodiment 2)
FIG. 6 is a flowchart showing an example of a method for producing activated carbon according to another embodiment of the present invention. In the present embodiment, an example will be described in which the activated carbon is manufactured without controlling the particle size of the raw material powder and using a binder.
[0037]
First, raw material powder to be activated carbon is prepared (step 30). Examples of the raw material powder include cellulose, cellulose compounds, polyimides, polyimide compounds, and natural or artificial powders mainly composed of cellulose. The natural product mainly composed of cellulose is the same as in the first embodiment.
[0038]
Next, the raw material powder is sieved (step 31). Sifting can be performed in the same manner as in the first embodiment. Here, a raw material powder having a maximum particle size of 200 μm is used as the first raw material (step 32). A raw material powder having a maximum particle size of 30 μm is used as the second raw material (step 33).
[0039]
Next, the first raw material and the second raw material are mixed (step 34). At this time, the weight of the first raw material relative to the total weight of the first raw material and the second raw material is 10% to 70%, preferably 30% to 60%. By making the mixing ratio of the first raw material and the second raw material within these ranges, the same effect as in the first embodiment can be obtained.
[0040]
During the mixing in
[0041]
Next, the mixed material is pressed to obtain a molded material (step 35). The shape of the raw material molded by molding is arbitrary. That is, if it is desired to mold into a cylindrical body or a cube, a press container suitable for it may be prepared. The press pressure is 0.5 t / cm. 2 ~ 1t / cm 2 Can be illustrated.
[0042]
Next, the raw material pressed by a known carbonization / activation method is carbonized and activated (step 36). Examples of the carbonization method include a method of heat-treating the raw material in a furnace substituted with an inert atmosphere such as nitrogen. An example of the carbonizing heat treatment temperature is 900 ° C., and an example of the treatment time is 12 hours. Examples of the activation method include a method of heat-treating a raw material carbonized in a furnace substituted with an oxidizing atmosphere such as carbon monoxide. The treatment temperature of the activation heat treatment can be exemplified by 800 ° C. and the treatment time can be exemplified by 12 hours, for example. In addition, since a raw material shrinks a little by this carbonization and activation process, you may perform carbonization and activation with putting in a press container. Activated carbon produced from the press container can be easily taken out by volume shrinkage. In this manner, formed activated carbon is obtained (step 37).
[0043]
As described above, formed activated carbon without using a binder can be produced. As described above, the formed activated carbon of the present embodiment controls the particle size of the raw material powder and mixes it at an appropriate ratio, so that the density of the formed body at the stage of molding the raw material powder can be improved. Therefore, an effect of improving the density of the activated carbon obtained by heat-treating the raw material formed body can be obtained. Furthermore, by not using a binder, it is possible to produce activated carbon with higher performance without receiving the disadvantages caused by the binder.
[0044]
Although the present invention has been specifically described above, it is needless to say that the present invention is not limited to the above-described embodiment and can be variously modified without departing from the gist thereof.
[0045]
For example, in the above-described embodiment, an example is shown in which a sieve is used to control the particle size of powdered activated carbon or powder raw material. However, it is not necessary to use a sieve to divide the particle size, and it is also possible to apply other granulation methods such as a sedimentation method using the difference in the rate of sedimentation in the fluid.
[0046]
【The invention's effect】
According to the present invention, the bulk density of activated carbon in the case of obtaining formed activated carbon from powdered activated carbon using a binder can be improved without hindering gas storage efficiency. Further, when the powder material is molded and then carbonized and activated to obtain a molded activated carbon, further improvement in bulk density can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart showing a conventional activated carbon production method.
FIG. 2 is a schematic view showing a conventional activated carbon production method.
FIG. 3 is a flowchart showing an example of a method for producing activated carbon according to an embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a graph showing the results of Table 1 with the ratio of the first activated carbon on the horizontal axis.
FIG. 5 is a graph showing the storage efficiency of the formed activated carbon as a function of storage pressure.
FIG. 6 is a flowchart showing an example of a method for producing activated carbon according to another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 11 ... Activated carbon, 12 ... Binder, 13 ... Heater, 14 ... Jig for pressurization, 15 ... Forming body, 16 ... Activated carbon.
Claims (11)
前記第1活性炭の最大粒径が、前記第2活性炭の最大粒径の4倍以上であり、
前記第1活性炭および第2活性炭の合計重量に対する前記第1活性炭の重量が10%〜70%の範囲内にあり、
前記第1活性炭および第2活性炭の各活性炭粒子は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むセルロース系材料で接着されており、且つ、
前記活性炭の嵩密度が0.5g/cc以上である活性炭。Activated carbon molded from a raw material containing powdered or granular first activated carbon and second activated carbon,
The maximum particle size of the first activated carbon is at least four times the maximum particle size of the second activated carbon;
Weight of the first activated carbon to the total weight of the first activated charcoal and the second activated carbon Ri near the range of 10% to 70%,
Each activated carbon particle of the first activated carbon and the second activated carbon is bonded with a cellulosic material containing hydroxypropylmethylcellulose, and
Der Ru activated carbon bulk density of the activated carbon 0.5 g / cc or more.
前記複数の原料活性炭を所定割合で混合する工程と、
前記混合した原料活性炭にバインダを添加し活性炭混成物とする工程と、
前記活性炭混成物を加圧して成型する工程と、
を含む活性炭の製造方法であって、
前記複数の原料活性炭をその最大粒径の順に並べた場合における任意の隣接する第1活性炭および第2活性炭において、前記第1活性炭の最大粒径が前記第2活性炭の最大粒径の4倍以上であり、前記第1活性炭および第2活性炭の合計重量に対する前記第1活性炭の重量が10%〜70%の範囲内にあり、前記バインダは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むセルロース系材料である活性炭の製造方法。Preparing a plurality of raw material activated carbon in powder or granular form,
Mixing the plurality of raw material activated carbons at a predetermined ratio;
A step of adding a binder to the mixed raw material activated carbon to obtain an activated carbon hybrid,
Pressurizing and molding the activated carbon composite; and
A method for producing activated carbon containing
In any adjacent first activated carbon and second activated carbon when the plurality of raw material activated carbons are arranged in the order of the maximum particle size, the maximum particle size of the first activated carbon is four times or more the maximum particle size of the second activated carbon. , and the said weight of the first activated carbon to the total weight of the first activated carbon and second activated carbon Ri near the range of 10% to 70%, said binder is a cellulosic material der Ru activated carbon comprises hydroxypropyl methylcellulose Manufacturing method.
前記原料は、セルロース、セルロース化合物、ポリイミド、ポリイミド化合物、または、セルロースを主成分とする天然物もしくは人工物のうちから選択された何れかの材料またはそれらの混合材料であり、
前記原料には、その最大粒径が相違する粉状または粒状の第1原料および第2原料を含み、かつ、
前記第1原料の最大粒径が、前記第2原料の最大粒径の4倍以上であり、
前記第1原料および第2原料の合計重量に対する前記第1原料の重量が10%〜70%の範囲内にある活性炭。Activated carbon produced by molding, carbonizing and activating powdered or granular raw materials,
The raw material is cellulose, cellulose compound, polyimide, polyimide compound, any material selected from natural products or artificial materials based on cellulose, or a mixed material thereof,
The raw material includes a powdery or granular first raw material and a second raw material having different maximum particle sizes, and
The maximum particle size of the first raw material is at least four times the maximum particle size of the second raw material;
Activated carbon in which the weight of the first raw material is in the range of 10% to 70% with respect to the total weight of the first raw material and the second raw material.
前記複数の原料を混合する工程と、
前記混合した原料を加圧して成型する工程と、
成型された前記原料を炭化して炭化物を生成する工程と、
前記炭化物を賦活する工程と、
を含む活性炭の製造方法であって、
前記原料は、セルロース、セルロース化合物、ポリイミド、ポリイミド化合物、または、セルロースを主成分とする天然物もしくは人工物のうちから選択された何れかの材料またはそれらの混合材料であり、且つ、
前記複数の原料をその最大粒径の順に並べた場合における任意の隣接する第1原料および第2原料において、前記第1原料の最大粒径が前記第2原料の最大粒径の4倍以上であり、前記第1原料および第2原料の合計重量に対する前記第1原料の重量が10%〜70%の範囲内にある活性炭の製造方法。Preparing a plurality of raw materials in powder or granular form,
Mixing the plurality of raw materials;
Pressurizing and molding the mixed raw materials; and
Carbonizing the molded raw material to produce a carbide;
Activating the carbide;
A method for producing activated carbon containing
The raw material is any material selected from cellulose, cellulose compound, polyimide, polyimide compound, a natural product or an artificial product mainly composed of cellulose, or a mixed material thereof, and
In any adjacent first raw material and second raw material when the plurality of raw materials are arranged in the order of the maximum particle size, the maximum particle size of the first raw material is four times or more the maximum particle size of the second raw material. A method for producing activated carbon, wherein the weight of the first raw material with respect to the total weight of the first raw material and the second raw material is in the range of 10% to 70% .
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