JP4263207B2 - 黒色パターン形成用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、黒色パターン形成用組成物、及び該組成物を用いて形成された黒色パターンを備えるプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)に関するものである。
PDPは、プラズマ発光を利用した平面表示素子の一種として公知である。例えば、PDP(AC型)の典型的な基本構造は、図1に示すとおりである。
この構造では、ガラス等の透明材料からなる表示面側基板1と背面側基板2とを、所定の空間を有して互いに対向させて構成してあり、該空間には、放電ガスとして希ガスが封入されている。
表示面側基板1には、透明電極3と、透明電極3のライン抵抗を下げるためのバス電極4とから構成された電極対が、所定のピッチで多数設けられ、それらが透明な誘電体層5、さらには保護層6で覆われている。同様に誘電体層7で覆われた背面側基板2には、上記の電極対と直交する多数のアドレス電極8が設けられている。これら電極対とアドレス電極8との交差部、あるいはその近傍には、隔壁9によって放電セルが画定され、これら各放電セルを選択的に放電させて蛍光体10を発光させることによって表示が行われる。
表示面側基板1上の電極対の透明電極3は、典型的には、ITO(インジウム・スズ酸化物)からなる。
一方、バス電極4は、典型的には、銀を導電性粒子として含む感光性ペーストを塗布し、次いでパターンマスクを通して露光した後、現像、焼成して形成される。しかしながら、銀を用いると、バス電極4が銀白色を呈し、外光を反射してしまうので表示のコントラストが低下するという問題があった。
この問題解決のために、表示面側(すなわち透明電極3と接触する側)に、黒色顔料を含む黒色パターン形成用組成物のペーストを印刷し、その上に、従来の銀を導電性粒子として含む白層形成用ペーストを印刷して、バス電極を白層と黒層の白黒二層構造とする方法が提案されている。
このような白黒二層構造のバス電極においては、黒層は、透明電極3と白層とを導通させる必要があるため、一般には黒色パターン形成用組成物のペーストにも銀が配合される。しかしながら、銀の配合は黒色度の低下にもつながるので、近年では、銀を配合せずに、良好な黒色度を有し、かつ透明電極と白層との導通性に優れた黒層を形成することができる黒色パターン形成用組成物のペーストが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、黒色顔料としてルテニウム化合物を使用した場合以外については、黒色度、導通性が不十分となる傾向があった。一方、ルテニウム化合物は非常に高価であり、コストの面で障壁となる。
なお、黒色パターン形成用組成物のペーストは、一般にPDPのブラックマトリックスの形成にも使用されるが、ブラックマトリックスはガラス基板上に形成されるため黄変が生じやすい。そのため、特に黄色度が低い黒色パターンを形成可能な黒色パターン形成用組成物は、そこでも求められている。
特開2000−221671号公報 特開2003−187692号公報
本発明の目的は、白黒二層構造のバス電極の黒層やブラックマトリックスといったPDPの黒色パターンを形成した場合に、良好な黒色度を達成することができる黒色パターン形成用組成物を提供することである。特に、バス電極の黒層を形成した場合に、良好な黒色度、及び透明電極と白層との十分な導通性とを同時に達成することができる、黒色パターン形成用組成物を提供することである。
本発明者らは、黒色顔料及び特定の平均粒子径の非晶質シリカを配合した黒色パターン形成用組成物を用いると、良好な黒色度を有するパターンが得られ、さらには白黒二層構造のバス電極の黒層を形成すると、透明電極とバス電極との接触抵抗が著しく低くなり、銀を配合しなくても十分な導通性が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、
(a)黒色顔料、及び
(b)平均粒子径0.1〜1μmの非晶質シリカ粒子
を含有する、黒色パターン形成用組成物に関する。
また、本発明は、上記組成物を用いて形成された黒色パターンを備えるプラズマディスプレイパネルに関する。
本発明の黒色パターン形成用組成物によれば、白黒二層構造のバス電極の黒層やブラックマトリックスといったPDPの黒色パターンを形成した場合に、良好な黒色度を達成することができ、特に、バス電極の黒層を形成した場合に、良好な黒色度、及び透明電極と白層との十分な導通性とを同時に達成することができる。さらに、ブラックマトリックスを形成した場合に黄色度が抑制されており、また、ブラックマトリックスの色調をバス電極と同程度にすることができるため、有用性が高い。
すなわち、本発明は、
(a)黒色顔料
(b)平均粒子径0.1〜1μmの非晶質シリカ粒子
を含有する、黒色パターン形成用組成物に関する。
(a)黒色顔料
(a)成分は、特に制限されず、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、Fe、Co、Cr、Mn、Ni、Cu、Al、Ru等の1種又は2種以上の金属酸化物が挙げられる。コストの面からは、Ru以外の金属酸化物、特にRu以外の複合酸化物を使用することが好ましく、例えばFe−Co−Cr系複合酸化物、Fe−Co−Mn系複合酸化物、Fe−Mn系複合酸化物を使用することができる。
(a)成分の形状は、特に限定されず、球状、リン片状、針状、不定形状が挙げられる。平均粒子径は、通常、0.01〜5μmである。(a)成分の比表面積は、黒色度の点から、好ましくは3〜20m/gであり、より好ましくは5〜15m/gである。本明細書において、平均粒子径とは、球状の場合は粒子径、りん片状の場合は粒子薄片の長径、針状の場合は長さ、不定形状の場合は粒子の長径のそれぞれ平均をいう。
(a)成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(b)平均粒子径0.1〜1μmの非晶質シリカ粒子
本発明は、(b)成分を含有することを特徴とする。(b)成分の形状は、特に限定されず、球状、リン片状、針状、不定形状が挙げられるが、入手可能性、作業性の点から、球状が好ましい。平均粒子径は、0.1〜1μmであり、1μm超であると、バス電極を形成した場合に、CIE1976(L)系の明度の指標となるL値が大きくなり、黒色度が悪化し、0.1μm未満であるとbが大きくなり、黄色度が悪化する傾向にある。平均粒子径は、より好ましくは、0.2〜0.6μmである。
(b)成分のBET比表面積は、例えば8〜25m/gである。(b)成分の製造方法は、特に限定されず、例えば、湿式又は乾式法により製造された合成非晶質シリカを使用することができる。
(b)成分は、黒色度の点から、(a)成分100重量部あたり、6〜65重量部が好ましく、より好ましくは15〜40重量部である。
(c)ガラスフリット
本発明においては、(a)成分、(b)成分に加えて、ガラスフリットを、(c)成分として含有させることが好ましい。(c)成分は、当該分野で公知のものを使用することができる。当該分野では、通常、軟化点が600℃以下のものが用いられ、580℃以下のものが好ましい。具体例としては、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸鉛系、ホウ酸鉛系、ケイ酸鉛系等を挙げることができ、環境への配慮の点から鉛フリーであることが好ましく、例えばホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸アルカリ金属系が挙げられる。形状は、特に限定されず、平均粒子径は、通常、0.1〜10μmであり、好ましくは、0.2〜5μmである。
(c)成分は、黒色度の点から、(a)成分100重量部あたり、100〜400重量部が好ましく、より好ましくは150〜300重量部である。
本発明の組成物は感光性組成物として使用することができ、その場合には、通常
(d)カルボキシル基含有樹脂
(e)光重合性モノマー、及び
(f)光重合開始剤
を配合する。
(d)カルボキシル基含有樹脂
(d)成分は、特に制限されず、当該分野で公知のものを使用することができる。例えば、不飽和カルボン酸のホモポリマーやコポリマー、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物とのコポリマーが挙げられる。
不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸又はこれらの酸無水物等が挙げられる。
エチレン性不飽和化合物の具体的な例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン等が挙げられるが、これらに限定されない。熱分解性の点から、メチルメタクリレートが好ましい。
特に、エチレン性不飽和基とカルボキシル基を含む感光性樹脂としたものが好ましく、例えば、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物とのコポリマーに、エチレン性不飽和基をペンダントとして付加させて製造することができる。
エチレン性不飽和基を有するペンダントの具体的な例としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基等が挙げられるが、これらに限定されない。このようなペンダントを、コポリマーの主鎖に付加させる方法としては、コポリマーの主鎖中のカルボキシル基に、グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物を付加反応させる方法が知られている。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物の具体例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、α−エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテル等が挙げられる。
また、コポリマーの主鎖中のカルボキシル基に、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、アリルクロリド、メタアリルクロリド等を付加反応させてもよい。
これらのエチレン性不飽和化合物又はクロリドの付加量は、感光特性の点から、コポリマー主鎖中のカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量が望ましく、さらに好ましくは0.1〜1モル当量が望ましい。
(d)成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(e)光重合性モノマー
(e)成分は、感光性を有する炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物であれば、特に限定されず、当該分野で公知のものを使用することができる。具体的な例として、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。
(e)成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(f)光重合開始剤
(f)成分は、特に限定されず、当該分野で公知のものを使用することができる。具体的な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロロアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ナフタレンスルホニルクロリド、キノリンスルホニルクロリド、N−フェニルチオアクリドン、4,4’−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、カンファーキノン、四臭化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾイン、及びエオシン、メチレンブルー等の光還元性色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミン等の還元剤の組み合わせ等が挙げられる。
(f)成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせ使用することができる。
本発明において、(a)成分100重量部あたり、(d)成分は、解像度の点から、60〜250重量部が好ましく、より好ましくは100〜200重量部である。
(e)成分は、解像度の点から、15〜80重量部が好ましく、より好ましくは30〜60重量部である。
(f)成分は、解像度の点から、5〜30重量部が好ましく、より好ましくは8〜20重量部である。
感光性組成物は、有機溶媒に分散させて感光性ペーストとすることができる。有機溶媒の具体例としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン類、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸エチル、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類、ソルベッソ(登録商標)100、ソルベッソ(登録商標)150等の芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせ使用してもよい。有機溶媒の量は、ペーストの塗布方法によって適宜、選択することができる。
また、本発明の組成物は、スクリーン印刷等によってもパターン形成することができ、その場合には、通常、(g)有機バインダを配合する。
(g)成分としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロースのようなセルロース系樹脂;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のポリマー及びコポリマーのようなポリ(メタ)アクリレート類;ポリビニルアルコール;ポリ−α−メチルスチレン、ポリブテン等が挙げられる。
本発明において、(a)成分100重量部あたり、(g)成分は、印刷性の点から、3〜40重量部が好ましく、より好ましくは10〜20重量部である。
(g)成分を有機溶媒に溶解・分散させたビヒクルを用いて、発明の組成物を印刷によってパターン形成するためのペーストとすることができる。有機溶媒の具体例としては、上記感光性ペーストについて述べたものが挙げられる。有機溶媒の量は、ペーストの塗布方法によって適宜、選択することができる。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の導電性粒子、可塑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、重合禁止剤、増感剤、安定剤等を含有することができる。導電性粒子としては、ITO粒子が挙げられ、例えばBET比表面積が20m/g以上のものを使用することができる。なお、本発明の組成物は、良好な黒色度の達成の点から、銀粒子を含有しないことが好ましい。
本発明の組成物をペースト化したものを用いて、当該分野で公知の方法により、所定のパターンを形成することができる。
例えば、感光性ペーストを使用する場合、例えば、所望の基材上に、上記ペーストを、スクリーン印刷、バーコーター等の方法で塗布した後、有機溶媒を蒸発させ、タックフリーの塗膜を得て、その後、パターンマスクを通して露光し、現像、焼成を行うことによって、所定のパターンを形成することができる。
具体例として、バス電極の形成を以下に説明する。
(1)ガラス基板上に、スパッタリング等の公知の方法によりITOの透明電極を形成する。
(2)透明電極を形成したガラス基板に、本発明の黒色パターン形成用組成物のペーストを塗布し、乾燥させて、タックフリーの黒層形成用塗膜を得る。
(3)さらに、銀を含有する白層形成用ペーストを塗布し、乾燥させて、タックフリーの白層形成用塗膜を得る。
(4)次いで、所定の露光パターンを有するパターンマスクを重ね合わせ、露光し、次いで、アルカリ水溶液等の現像液により現像して、電極パターンを形成する。
(5)その後、焼成して、透明電極上に白黒二層構造のバス電極を形成する。
上記の白層形成用ペーストとしては、従来の公知のものを使用することができる。バス電極の黒色度を一層改善するためには、銀粒子に加えて、平均粒子径0.1〜1μmの非晶質シリカ粒子を含有する組成物をペースト化したものを使用することが好ましい。銀粒子、並びに平均粒子径0.1〜1μmの非晶質シリカ粒子を含有する組成物に配合することができる他の成分としては、本発明の黒色形成用組成物について挙げられた(c)成分が挙げられる。これに、さらに(d)〜(f)成分を配合して感光性ペーストとして使用することもできるし、あるいはさらに(g)成分を配合してスクリーン印刷等によってパターン形成することもできる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明を更に詳細に説明する。部、%は、他に断りのない限り、重量部、重量%を表す。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
表1に示す組成で、各成分を三本ロールミルにて均一に混練、分散して、黒色パターン形成用組成物のペーストであるペースト1(実施例)、ペースト2(比較例)を得た。
Figure 0004263207
表2に示す組成で、各成分を三本ロールミルにて均一に混練、分散して、電極の白層形成用のペーストA〜Cを得た。
Figure 0004263207
〔バス電極の作製〕
以下のようにして、黒色パターン形成用組成物のペースト1〜2及び白層形成用のペーストA〜Cを用いて、バス電極を作成した。
(1)ITO付きPDP用ガラス基板(50mm×75mm、厚み2.8mm)にペースト1〜2のいずれかを全面印刷した(48mm×70mm、ポリエステル350メッシュ、乳剤厚10μm)。
(2)80℃、10分の条件で乾燥させた。
(3)ペーストA〜Cのいずれかを、乾燥後のペースト1〜2のいずれかの上に全面印刷した(48mm×70mm、ポリエステル350メッシュ、乳剤厚10μm)
(4)80℃、10分の条件で乾燥させた。
(5)所定のパターンマスクを介し、UV200mJ/cm照射を行った(スポットUV照射機SP−7(USHIO製)、10mW/cm)。
(6)所定時間(TTC(The Total Cleaning Time)×1.5)、アルカリ現像液をスプレーし、取り出し後、直ちに水洗した。
(7)エアーで水分除去した後、メッシュベルト式連続炉で、580℃、10分の条件で焼成してバス電極を作製した。
上記のようにして、ペースト1と、ペーストA〜Cのいずれかの組み合わせで、異なるパターンマスクを使用して、ライン/スペースが50μm/50μm、100μm/100μm、200μm/200μmのバス電極を作製することができた。
〔ブラックマトリックスの作製〕
以下のようにして、黒色パターン形成用組成物のペースト1〜2を用いて、ブラックマトリックスを作成した。
(1)ITO付きPDP用ガラス基板(50mm×75mm、厚み2.8mm)にペースト1〜2のいずれかを全面印刷した(48mm×70mm、ポリエステル350メッシュ、乳剤厚10μm)。
(2)80℃、10分の条件で乾燥させた。
(3)所定のパターンマスクを介し、UV200mJ/cm照射を行った(スポットUV照射機SP−7(USHIO製)、10mW/cm)。
(4)所定時間(TTC×1.5)、アルカリ現像液をスプレーし、取り出し後、直ちに水洗した。
(5)エアーで水分除去した後、メッシュベルト式連続炉で、580℃、10分の条件で焼成してブラックマトリックスを作製した。
上記のようにして、ペースト1で、異なるパターンマスクを使用して、ライン/スペースが50μm/50μm、100μm/100μm、200μm/200μmのブラックマトリックスを作製することができた。
〔L、a、b値〕
上記のバス電極、ブラックマトリックスと同様にして、20mm×20mmパターンを作製して、L、a、b値を、ガラス面より色彩計NF999(日本電色工業製)で測定した。L値が小さいほど、黒色度に優れる。a値が大きいほど、赤色、低いほど緑色に近づく。また、bが高いほど黄色、低いほど青色に近づく。結果を表3及び4に示す。
〔ITO接触抵抗〕
ITO接触抵抗については、TLM(Transmission Line Model)法を用いて測定した。測定に際しては、4端子法で行った。具体的には、以下のとおりである。上記のバス電極と同様にして、ITO上に直線上に並んだ5個のパッド(1.5mm×1.5mm、パッド間距離1.5mm)を作製した。最端部にあるパッドに一方の測定端子を固定し、他の4個のパッドに順次、もう一方の測定端子を当て、距離の異なる電極間の電流−電圧を測定し抵抗を導き出した。縦軸を抵抗、横軸を電極間距離としてプロットし、近似直線を作成し、この近似直線が縦軸と交わる切片の値の1/2をITO接触抵抗とした。結果を表3に示す。
Figure 0004263207
Figure 0004263207
ペースト1(実施例)を用いたバス電極1〜3は、非晶質シリカ粒子を含有しないペースト2(比較例)を用いたバス電極よりも、L値が小さく黒色度に優れ、かつb値が小さく黄色度も低かった。特に、非晶質シリカ粒子を含有する白層形成用ペーストBとCとの組み合わせである、バス電極2及び3では、黒色度が極めて優れていた。また、バス電極1〜3は、バス電極4よりも、ITO接触抵抗が小さかった。
ペースト1(実施例)を用いたブラックマトリックス1は、銀を含むペースト2(比較例)を用いたブラックマトリックス2に比べて、黄色度が著しく改善した。
表5に示す配合で、ペースト3、ペースト4を得た。また、ペースト4に配合した非晶質シリカ粒子を、さらに表6に示す平均粒子径の球状の非晶質シリカ粒子に変更し、ペースト5〜10を得た。ペースト5〜9は実施例、ペースト3、4、10は比較例である。
Figure 0004263207
Figure 0004263207
ペースト3〜10及び白層形成用のペーストCを用いて、上記のバス電極と同様にして20mm×20mmパターンを作製し、L、a、b値を測定した。結果を表6に表す。
また、ペースト3〜10及び白層形成用のペーストCを用いて、上記のブラックマトリックスと同様にして20mm×20mmパターンを作製し、L、a、b値を測定した。結果を表6に表す。
ペースト5〜9(実施例)を用いたバス電極は、非晶質シリカ粒子を含有しないペースト3(比較例)を用いたバス電極に比べて、黒色度の指標となるL及び黄色度の指標となるbがともに著しく改善されていた。特に、ペースト5〜8を用いたバス電極は黒色度において優れていた。一方、平均粒子径が1.5μmと大きいペースト10(比較例)を用いたバス電極は、非晶質シリカ粒子を含有しないペースト3(比較例)と比較して、黒色度が悪化していた。また、平均粒子径が0.05μmと小さいペースト4(比較例)を用いたバス電極には、黄色度の改善が小さかった。
なお、バス電極及びブラックマトリックスは同程度の色調になることが好ましいが、上記表6より、ペースト5〜9(実施例)を用いると、バス電極及びブラックマトリックスの双方において黄色度を同程度に抑制することができ、好ましいことがわかる。特に、ペースト5〜8を用いると、バス電極及びブラックマトリックスの双方の色調をより同程度に制御することができ、一層好ましいことがわかる。
本発明の黒色パターン形成用組成物によれば、良好な黒色度と良好な透明電極と白層との導通性とを同時に有する白黒二層構造のバス電極の黒層を形成することができる。また、黄色度が抑制され、バス電極と色調が近いブラックマトリックスを得ることもでき、PDPの分野で極めて有用である。
PDP(AC型)の典型的な基本構造である。
符号の説明
1 表示面側基板
2 背面側基板
3 透明電極
4 バス電極
5 誘電体層
6 保護層
7 誘電体層
8 アドレス電極
9 隔壁
10 蛍光体
11 観察者

Claims (7)

  1. (a)黒色顔料、及び
    (b)平均粒子径0.1〜1μmの非晶質シリカ粒子
    (c)ガラスフリット
    さらに、有機溶媒
    を含有する、バス電極の黒層又はブラックマトリックスを形成するための黒色パターン形成用組成物。
  2. (b)成分が、平均粒子径0.2〜0.6μmの非晶質シリカ粒子である、請求項1記載の組成物。
  3. (a)成分100重量部に対して、(b)成分が6〜65重量部である、請求項1又は2記載の組成物。
  4. さらに、(d)カルボキシル基含有樹脂、(e)光重合性モノマー及び(f)光重合開始剤を含む、請求項1〜のいずれか1項記載の組成物。
  5. さらに、(g)有機バインダを含む、請求項1〜のいずれか1項記載の組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の黒色パターン形成用組成物を用いて得られる黒色パターンを備えたプラズマディスプレイパネル。
  7. 請求項1〜のいずれか1項記載の黒色パターン形成用組成物を用いて得られる黒層、並びに銀粒子及び平均粒子径0.1〜1μmの非晶質シリカ粒子を含有する組成物を用いて得られる白層からなるバス電極を備えたプラズマディスプレイ。
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