JP4262576B2 - 蒸留装置 - Google Patents

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Description

本発明は蒸留装置に関する。さらに詳しくは、外力によって移動し得るトレイを備えた蒸留塔を有する蒸留装置に関する。
近年、エネルギー問題、環境問題などの観点から、種々の装置において、省エネを含む効率化が検討されている。蒸留装置においても、種々の装置が考案されている。省エネの観点からは、図6に示すようなペトリューク型の蒸留塔が用いられている。図6において、31および32は蒸留塔であり、蒸留塔32の上部および下部が蒸留塔31と連通している。蒸留塔31および32の内部には複数の段が設けられ、各段には充填物またはトレイが備えられている。蒸留塔31のほぼ中央部には原料供給口33が設けられ、蒸留塔32のほぼ中央部には排出口34が設けられ、液が溶媒回収タンク41に回収される。蒸留塔31の塔頂部には、蒸気抜出ライン35が設けられ、コンデンサー36で凝縮された液体は一部が還流され、残りは溶媒回収タンク37に回収されるように構成されている。蒸留塔31の下部には抜出ライン38が設けられ、一部はリボイラー39を通過して加熱されて蒸留塔31に循環され、残りは溶媒回収タンク40に回収されるように構成されている。
この図6に示されるペトリューク型の蒸留塔を用いて、沸点の低い順からA、BおよびCの3成分を有する溶媒から、それぞれの成分に分離する場合について説明する。原料供給口33から導入された原料は、蒸留塔31内の上方にA成分とB成分に富む蒸気を、下方にB成分とC成分に富む蒸気を分離させる。A成分は蒸気抜出ライン35から抜き出され、コンデンサー36で凝縮されたA成分の一部が蒸留塔31に還流され、残りの一部が溶媒回収タンク37に回収される。B成分とC成分に富む蒸気は、蒸留塔31の低部で、塔底からのC成分に富む加熱蒸気と接触し、B成分とC成分に富む蒸気が蒸留塔32の下部から供給される。蒸留塔32の上部には、A成分とB成分に富む蒸気が蒸留塔31から供給される。これらの蒸気が接触することにより、A成分に富む蒸気が蒸留塔32の上部に、B成分に富む蒸気が蒸留塔32の中間部に、そしてC成分に富む蒸気が蒸留塔32の下部に分離する。そして、蒸留塔32の中間部に設けられた排出口34から、B成分に富む蒸気が取り出され、A成分に富む蒸気およびC成分に富む蒸気は、それぞれ、蒸留塔31に戻り、A成分は蒸気抜出ライン35から、C成分は蒸留塔31の下部から抜き出され、3成分に分離される。
このようなペトリューク型の蒸留装置においては、2つの蒸留塔間に圧力差がない場合には蒸留塔として機能しないなどの問題があり、強制的に蒸気あるいは液体の流れ創出するために大きなダンパーなどを設ける必要があり、そのために蒸留効率が低下するという問題がある。そこで、種々の改良がなされている。例えば、特許文献1の段落番号0032〜0048には、蒸留塔内に内筒を配設して蒸留塔を内筒−外筒の二重構造とし、この内筒内に原液を供給するように構成した蒸留塔が説明されている。しかし、この二重円筒構造の蒸留塔は内筒の支持、内筒への原料供給ラインの設置、内筒からの抜出ラインが外筒を貫通させる必要があるため気密性が保てないなどの問題がある。さらに、トレイ型の蒸留塔を用いると、内筒および外筒にトレイを配置する必要があり、構造が複雑になるだけでなく、気密性にも問題がある。その上、トレイ型にすると各蒸留部を流れる液体の量が制御できないという問題がある。
そこで、特許文献1は、蒸留塔内に中仕切りを設けることによって、原料を供給するフィードノズルを設けた領域である第1の蒸留部、この第1の蒸留部の上端と連絡する第2の蒸留部および第1蒸留部の下端と連絡する第3の蒸留部という3つの蒸留部を形成させるように構成した蒸留塔(以下、内壁ペトリューク型蒸留塔という)を用いる蒸留装置を提案している。内壁ペトリューク型蒸留塔を用いて、上記A、BおよびCの3成分を含む原料を分離する場合を、図7に基づいて説明する。図7において、図6と同じ符号は、図6と同じ機能を有するので、説明を省略する場合がある。蒸留塔50の中央部には中仕切り51が設けられ、中仕切り51で区切られた一方の部分にフィードノズル33を設ける。この蒸留塔50を稼動させフィードノズル33から原料を導入すると、フィードノズル33の側に第1の蒸留部54が形成され、この第1の蒸留部54の上端と連絡する第2の蒸留部55、および第1の蒸留部54の下端と連続する第3の蒸留部56が形成される。第1に蒸留部54では、上部にA成分とB成分に富む蒸気が分離し、下部にB成分とC成分に富む蒸気が分離する。A成分とB成分に富む蒸気は、第2の蒸留部55に移行し、B成分とC成分に富む蒸気は第3の蒸留部56に移行する。第2の蒸留部55においては、B成分に富む蒸気と、A成分およびB成分に富む蒸気とが接触して、A成分に富む蒸気が上部に、B成分に富む蒸気が下部に分離する。第3の蒸留部56には、リボイラー39で加熱されたC成分に富む蒸気が供給され、この加熱されたC成分に富む蒸気と、B成分およびC成分に富む蒸気とが接触して、B成分に富む蒸気が上部に、C成分に富む蒸気が下部に分離する。B成分は、排出口53から回収され、C成分は塔底から回収される。
この内壁ペトリューク型蒸留塔は、上記二重円筒タイプの構造上の欠点は解消できる。しかし、特許文献1における蒸留装置は、充填塔タイプの蒸留塔であり、金属薄板または金網を積層することによって形成された充填物エレメントを使用している。この隣接する充填物エレメントは、エレメントごとに金属薄板を配列する方向が90度変えられることによって充填塔の効率を上げることができるが、いったん組立てた後(すなわち、運転中)には変更できないという欠点がある。さらに、第1蒸留部と第2蒸留部に供給する液体量を制御するために、分配孔の数を変える必要があることが記載されているが、これも運転中には変えることができない。そのため、用いる原料によって蒸留条件が変わるため、運転開始前に調整しなければならないという問題がある。また、各蒸留部にはディストリビューターを備える必要もあり、設備のコストがかかるという問題もある。さらに、特許文献1の段落番号0052〜0053に記載のように、特許文献1に記載の装置はトレイ式の蒸留塔には不向きであるとし、その理由として、構造が複雑になる、液体の蒸留部を流れる液体の量を制御できないなどの点を挙げている。他方で、特許文献1に記載のような充填物を用いる充填塔は、スラリー液あるいは廃棄物などの固形物を多く含む原料からの溶媒を回収する場合、目詰まりなどの理由で使用できないなどの問題がある。
特開2002−159801号公報 特開平5−115702号公報
本発明は、熱効率に優れたペトリューク型蒸留塔を備えた蒸留装置、並びに従来、充填塔でなければ使用できないとされている内壁ペトリューク型蒸留塔においても、スラリーあるいは固形物を多く含む原料にも適用できるような蒸留装置を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも1ヶ所で互いに連通する2つの蒸留塔を備え、該2つの蒸留塔の少なくとも一方に固定多孔板と外力によって移動し得る可動多孔板とから構成されるトレイが配置され、該可動多孔板を移動させることによって、一方の蒸留塔から他方の蒸留塔への蒸気の流量調整が行われるように構成された蒸留装置を提供する。
好ましい実施態様においては、前記一方の蒸留塔の中間部に原料供給口を設け、前記トレイが該原料供給口の上部および/または下部に配置されている。
また本発明は、蒸留塔のほぼ中央部を中心にして中仕切りが配置され、それによって蒸留塔内の一部が縦方向に分割されて2つの空間が形成された蒸留塔を備え、該少なくとも一方の空間に固定多孔板と外力によって移動し得る可動多孔板とから構成されるトレイが配置され、該可動多孔板を移動させることによって、一方の空間から他方の空間への蒸気の流量調整が行われるように構成された蒸留装置を提供する。
好ましい実施態様においては、前記一方の空間を形成する塔壁の中間部には原料供給口を設け、該原料供給口を中心に、あるいは該原料供給口の上部および/または下部に前記トレイが配置されている。
本発明により、ペトリューク型の蒸留塔を、トレイを用いて構成することが可能となる。特に、固定多孔板と外力により移動可能な可動多孔板とから構成されるトレイ(以下、本明細書においては、「チェンジトレイ」という)を用いることにより、多孔板の開孔比を調整して、運転中であってもペトリューク型蒸留塔の各蒸留部への溶媒の蒸気および液体の還流量を適宜調整することができる蒸留装置が提供される。従って、高いエネルギー効率で蒸留が行われ、省エネが可能となる。さらに、充填式の蒸留装置では行うことができないスラリー液あるいは廃棄物などの固形物を多く含む原料からの溶媒の分離・回収が、ペトリューク型蒸留塔またはその変形である内壁ペトリューク型蒸留塔を用いて可能となるので、これらの溶媒回収においても、省エネが達成される。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
図1は、本発明の実施態様の一つである2つの蒸留塔を有し、チェンジトレイを備えたペトリューク型の蒸留装置を示す。チェンジトレイの詳しい説明は特許文献2に記載されているが、図2において、まず、チェンジトレイについて簡単に説明する。
図2において、チェンジトレイ12は固定多孔板12aと可動多孔板12bとを交互に配置することにより構成されている。可動式多孔板12bは、外力、例えばアクチュエーター13によって、上下移動(昇降)、回転、および上下移動と回転を同時に行うなどの方法で可動であるように配置される。図2aは可動式多孔板12bに外力が加わっていない状態の図であり、図2bは可動式多孔板12bに外力が加わり、可動式多孔板12bが降下した図である。このような可動式多孔板12bの移動により、圧力調整が可能となる。また、図示していないが、トレイを外周多孔板と中心多孔板とで構成し、外周多孔板を固定多孔板とし、中心多孔板を上下および/または回転させるように構成してもよい。
なお、「外力によって移動し得る」とは、リフトトレイのように、塔内部の蒸気あるいは液体の流れに依存して浮遊するのではなく、塔の外部あるいは内部に配設した移動手段(例えば、アクチュエーター、梃子棒、ギアなど)により移動し得ることを意味する。
本発明に用いられるチェンジトレイは、固定多孔板12aの孔の一部と、移動多孔板12bの非孔部とが重なりあえるように、あるいは固定多孔板12aの非孔部と、移動多孔板12bの孔の一部とが重なりあえるように構成されていることが好ましい。上下移動あるいは回転移動により、孔の面積(開孔比)が変動し、圧力損失量が調整されるため、ペトリューク型の2つの蒸留塔への、あるいは内壁ペトリューク型蒸留装置の2つの流路への蒸気あるいは液体の流量を調整することができる。
可動多孔板を複数用いる場合、1つの可動多孔板のみを移動させてもよく、複数の可動多孔板を同時に移動させてもよい。蒸気あるいは液体の必要な流量を考慮して、移動する可動多孔板の枚数、移動距離(可動多孔板の高さ)などを決定すればよい。上下移動の場合は、例えば、アクチュエーター、梃子棒などの塔外に設けられた手段を用いて行われる。塔外からの外力を用いる場合、気密性を充分に保つ必要があるため、ベローズ、グランドなどが好適に用いられる。あるいは、蒸気または液体の流量計あるいは流量センサーを蒸留塔内に設け、自動調節機構と連動させて可動多孔板を移動させ、所定の流量に調節することが可能である。
このようなチェンジトレイを用いると処理液量を大きくすることができ、さらに気液接触が充分に行われるため、高い効率で蒸留が行われる。そのうえ、開孔比を調節することにより、圧力調整を行うことができるため、ペトリューク型蒸留装置の2つの蒸留塔に蒸気あるいは液体の必要な量を供給できるので、蒸留効率がさらに向上する。すなわち、固定多孔板と外力で移動し得る可動多孔板からなるチェンジトレイを、従来の気液分離装置として機能させるのみならず、調節弁としても機能させることにより、初めてトレイ型の塔を用いたペトリューク型および内壁型ペトリューク蒸留装置が可能となった。以下、図1に戻って、このチェンジトレイ12を用いる蒸留装置について説明する。
図1の蒸留装置は、第1蒸留塔1、第1蒸留塔1に取り付けられた第2蒸留塔2を有している。第2蒸留塔2は、その上端部および下端部で第1蒸留塔1と連通している。第1蒸留塔1の中間部には原料供給口11が設けられ、この原料供給口11の位置を中心に、固定多孔板12aと可動多孔板12bとから構成されるチェンジトレイ12が配置されている。固定多孔板12aは第1蒸留塔1の塔壁に取り付けられ、可動多孔板12bはアクチュエーター13により、上下に移動可能なように取り付けられている。このチェンジトレイ12は、少なくとも第1蒸留塔1と第2蒸留塔2との上端接続部21、および第1蒸留塔1と第2蒸留塔2よの下端接続部22との間に設けられている。第1蒸留塔1の塔頂部には蒸気の抜出口14が設けられ、コンデンサー15を通過して、凝縮液の一部は溶媒回収タンク16に、残りの一部は第1蒸留塔1に還流するように構成されている。また、第1蒸留塔1の塔底部には、塔底液の抜出口17が設けられ、溶媒回収タンク18に回収され、残りの一部はリボイラー19で加熱されて第1蒸留塔1の塔底部に還流されるように構成されている。
なお、図1において、原料供給口11は、第1蒸留塔1の中間部の任意の位置に配置され得る。すなわち、チェンジトレイ12の上部または下部に、あるいはチェンジトレイ12の間に(すなわち、原料供給口11の上部および下部にチェンジトレイ12があるように)配置してもよい。このように、第1蒸留塔1の中間部の任意の位置に原料供給口11を配置することができるので、蒸留する原料に応じて最適な部位に原料供給口11を配置することができる。従来の充填物充填型の蒸留塔では、充填物が存在する部位には原料供給口11を設けることができないことを考慮すると、最適な部位に原料供給口11を配置することができる点で、本発明の装置が優れている。なお、本発明においては、原料供給口11は複数設けてもよい。運転中に最適な位置の原料供給口に繋ぎ変え、原料供給位置を変えることもできる。この点でもチェンジトレイ12を用いる本発明の装置が従来の装置と比べて優れている。この原料供給口11の位置および数についての説明は、以下の図3〜図5においても、同様に適用される。
第2蒸留塔2の中間部には抜出口23が設けられ、その下部には、チェンジトレイ12が第1蒸留塔1と同様に配置されている。抜出口23から抜き出され、必要によりコンデンサー24で凝縮された凝縮液は溶媒回収タンク25に回収される。
効率よく蒸留と省エネルギーを行うためには、第1蒸留塔1から第2蒸留塔2への蒸気の流量を調整する必要がある。そのためには、下端接続部22の第1蒸留塔1から第2蒸留塔2への流路に流量計26を配置する。そして、この流路における蒸気流量をモニターし、アクチェーター13(あるいは27)を介して、チェンジトレイ12の可動多孔板22bを昇降させ、必要な流量となるように調整する。
なお、図1の装置においては、第2蒸留塔2にもチェンジトレイ12を配置しているが、必ずしも両方の蒸留装置に必要なわけではない。第2蒸留塔2の圧力損失が第1蒸留塔1より大きい場合、第1蒸留塔1にのみ、チェンジトレイ12をとり付けてもよい。逆に、第1蒸留塔1の圧力損失が第2蒸留塔2より大きい場合、第2蒸留塔2にのみ、チェンジトレイ12をとり付けてもよい。しかし、両方に取り付けると、流量の調整がより容易となる。
さらに、図1の蒸留装置は、第1蒸留塔1と連絡する蒸発釜を有する構成としてもよい。
この実施例1の装置を用いて、沸点の低い順からA成分、B成分およびC成分の3成分を含む原料を蒸留する場合について説明する。なお、図1において、領域Aは、第1蒸留塔1の上端接続部21より上部の領域をいい、領域Bは、第1蒸留塔1の上端接続部21から下端接続部22の間の領域をいい、好ましくはこの間にチェンジトレイ12が配置されている。領域Cは、第1蒸留塔1の下端接続部22から下の領域をいい、領域Dは第2蒸留塔2の抜出口23より上部の領域をいう。
原料供給口11から導入された原料は、第1蒸留塔1の領域Bにおいて加熱され、領域Bの上方にA成分とB成分に富む蒸気を、下方にB成分とC成分に富む蒸気を分離する。
A成分とB成分に富む蒸気は、第1蒸留塔1の領域Aに移動し、A成分に富む蒸気が領域Aの上方に移動する。A成分に富む蒸気は、塔頂部の抜出口14から抜き出され、コンデンサー15で凝縮されたA成分に富む液体の一部は第1蒸留塔1に還流され、残りの一部は溶媒回収タンク16に回収される。
B成分とC成分に富む蒸気は、第1蒸留塔1の下方の領域Cで塔底からの蒸気と接触して、C成分に富む蒸気が領域Cの下方に分離する。B成分とC成分に富む蒸気は、下端接続部22から第2蒸留塔2に移動する。この移動は、流量計26でモニターされ、蒸気流量が所定量と異なる場合、アクチュエーター13(または27)を介してチェンジトレイ12の可動多孔板12bを昇降させて、流量を所定量に調整する。
第2蒸留塔2では、A成分とB成分に富む蒸気が第1蒸留塔1からのB成分とC成分に富む加熱蒸気と接触して、A成分に富む蒸気が上部に、B成分に富む蒸気が中央部に、そしてC成分に富む蒸気が下部に、それぞれ、分離する。そして、第2蒸留塔2の中間部に設けられた抜出口23から、B成分に富む蒸気が回収され、コンデンサー24で凝縮した凝縮液は、溶媒回収タンク25に回収される。A成分に富む蒸気およびC成分に富む蒸気は、それぞれ、上端接続部21および下端接続部22を通過して、第1蒸留塔1に戻る。成分Cに富む液体が第1蒸留塔1の塔底に溜まる。
C成分に富む液体は塔底の抜出口17から溶媒回収タンク18に回収されるが、一部はリボイラー19で加熱されて、加熱蒸気として第1蒸留塔1に循環される。このようにして、原料がA成分、B成分およびC成分に分留される。
なお、図1において、A領域、C領域、および第2蒸留塔2のD領域にはチェンジトレイ以外のトレイが図示されているが、充填物であってもよい。トレイとしては、従来蒸留塔に使用されているトレイが用いられる。ダウンカマーがない(無堰の)シーブ型トレイ、バッフル型トレイ、弁型トレイ、シャワー型トレイ、リフトトレイなどが挙げられる。充填物としては、金属薄板、並びに金網などの規則充填物あるいは不規則充填物などが好ましく用いられる。
図3は、実施例1の別の態様であり、第1蒸留塔1および第2蒸留塔2のそれぞれの上部に、トレイの代わりに充填物が充填されている形態である。
図4は、実施例1の別の態様であり、第1蒸留塔1の上部にトレイの代わりに充填物を充填し、第2蒸留塔2は全て、充填物で充填した態様である。この態様においては、第1蒸留塔1と第2蒸留塔2とは、下部において一ヶ所で連通している。この装置においては、第1蒸留塔1から第2蒸留塔2への流量を流量計26でモニターするか、またはコンデンサー24の凝縮液量を流量計(図示せず)でモニターすることにより、調整する。流量の調整は、アクチュエーター13によってチェンジトレイ12を昇降することにより行われる。この調整により、A成分がほとんど連通口には到達せず、B成分に富む蒸気が第2蒸留塔2に導入される。B成分は第2蒸留塔2の塔頂から回収され、C成分に富む蒸気は第1蒸留塔1に戻り、第1蒸留塔1の塔底から回収される。
図5は、内壁ペトリューク型蒸留塔を用いる蒸留装置の模式図を示す図である。以下、図5に基づいて説明するが、図5において、図1と同じ符号は、同じ機能を示すので、説明を省略する場合がある。
蒸留塔3のほぼ中央部を中心にして、中仕切り28が配置され、蒸留塔3内の一部が縦方向に分割され、2つの空間が形成される。この中仕切り28で形成される2つの空間はともに、蒸留塔3の上部および下部の空間と連続している。この中仕切り28で分割されて形成される2つの空間の一方の塔壁面側の中間部には、原料供給口11が設けられている。他方の塔壁面側の中間部には抜出口23が設けられている。この中仕切り28と塔内部で形成される空間には、固定多孔板12aと可動多孔板12bとから構成されるチェンジトレイ12が配置されている。図5においては、原料供給口11を有する側の空間には、チェンジトレイ12が原料供給口11よりも下部に配置されているが、上部に設けてもよい。あるいは原料供給口11を挟んで、両側にチェンジトレイ12を設けてもよい。抜出口23を有する側の空間にもチェンジトレイ12が配置されている。チェンジトレイ12は、抜出口23の上部および下部に配置されているが、抜出口23の上部のみあるいは下部のみに配置してもよい。なお、このチェンジトレイ12は、少なくとも一方に配置されれば良いことは、前記の通りである。
抜出口23を有する側の中仕切り28の最下部29には、流量計26(図示せず)を設けることが好ましい。そしてアクチュエーター13あるいは27で可動多孔板22aを昇降させることによって、流量が所定の量となるように調整する。調整は手動でもよく、コンピューターと連動させてもよい。
図5の内壁ペトリューク型蒸留塔を用いて、沸点の低い順からA成分、B成分およびC成分の3成分を含む原料を蒸留する場合について説明する。図5において、領域Xは、中仕切り28で形成された、原料供給口11が設けられた塔側の領域を示す。領域Yは、蒸留塔3の一部(Y領域の上部)と中仕切り28で仕切られた抜出口23までの空間(Y領域の下部)で構成される領域を示す。領域Zは、中仕切り28で仕切られた空間の抜出口23から中仕切り板28の下部までの空間(Z領域の上部)と蒸留塔3の一部(Z領域の下部)で構成される領域を示す。
原料供給口11から導入された原料は、蒸留塔3の領域Xにおいて加熱され、領域Xの上部にA成分とB成分に富む蒸気を、下部にB成分とC成分に富む蒸気を分離する。A成分とB成分に富む蒸気は、領域Yに移行し、B成分とC成分に富む液体は領域Zに移行する。領域Zにはリボイラー19で加熱されたC成分に富む蒸気が供給され、この加熱蒸気とB成分およびC成分に富む蒸気とが接触して、B成分に富む蒸気が上部に、C成分に富む蒸気が下部に分離する。さらに、領域Yにおいては、B成分に富む蒸気とA成分およびB成分に富む蒸気とが接触して、A成分に富む蒸気が上部に、B成分に富む蒸気が下部に分離する。そして、B成分は、抜出口23から回収され、必要に応じてコンデンサー24で冷却され、溶媒回収タンク25に回収される。A成分は、蒸留塔3の塔頂部の抜出口14から抜き出され、コンデンサー15で凝縮されたA成分に富む液体の一部は蒸留塔3に還流され、残りの一部は溶媒回収タンク16に回収される。C成分は塔底の抜出口17から溶媒回収タンク18に回収されるが、一部はリボイラー19で加熱されて、加熱蒸気として蒸留塔3に循環される。このようにして、原料がA成分、B成分およびC成分に分留される。
なお、中仕切り28は、断熱構造とすることが好ましく、例えば断熱材で形成される、中仕切り28の内部を真空にするなどの方法が採用される。
また、図5において、領域X、領域Y、および領域Zにはトレイが図示されているが、領域Xの少なくとも一部がチェンジトレイであれば、領域Yおよび領域Zの全てまたは一部が充填物あるいはチェンジトレイ以外のトレイでもよいことは、実施例1の場合と同様である。
本発明の装置は、トレイ型の蒸留装置であり、充填物を充填した蒸留装置では蒸留できないようなスラリーを含む液、固形分を多く含む液からも、効率良くかつエネルギーを有効に利用して、蒸留あるいは溶媒の回収が可能となるので、あらゆるタイプの原料からの蒸留あるいは溶媒の回収に用いられる。
本発明のペトリューク型蒸留装置の模式図である。 チェンジトレイの構造および動作を示す模式図である。 本発明のペトリューク型蒸留装置の別の形態を示す模式図である。 本発明のペトリューク型蒸留装置の、さらに別の形態を示す模式図である。 本発明の内壁ペトリューク型蒸留塔を用いる蒸留装置の模式図である。 従来のペトリューク型蒸留装置の模式図である。 従来の内壁ペトリューク型蒸留装置の模式図である。
符号の説明
1 第1蒸留塔
11 原料供給口
12 チェンジトレイ
12a 固定多孔板
12b 可動多孔板
13、27 アクチュエーター
14、17、23 抜出口
15 コンデンサー
16、18、25 溶媒回収タンク
19 リボイラー
2 第2蒸留塔
21 上端接続部
22 下端接続部
24 コンデンサー
26 流量計
28 中仕切り
3 蒸留塔

Claims (4)

  1. 少なくとも1ヶ所で互いに連通する2つの蒸留塔を備え、該2つの蒸留塔の少なくとも一方の蒸留塔内の、他の蒸留塔との下端接続部よりも上部に、固定多孔板と外力によって移動し得る可動多孔板とから構成されるトレイであって、該可動多孔板の移動により開孔比が変動し、圧力損失量が調整されるトレイが配置され、該可動多孔板を移動させることによって、一方の蒸留塔から他方の蒸留塔への蒸気の流量調整が行われるように構成された、蒸留装置。
  2. 前記一方の蒸留塔の中間部に原料供給口を設け、前記トレイが該原料供給口の上部および/または下部に配置されている、請求項1に記載の蒸留装置。
  3. 蒸留塔のほぼ中央部を中心にして中仕切りが配置され、それによって蒸留塔内の一部が縦方向に分割されて2つの空間が形成された蒸留塔を備え、該少なくとも一方の空間に固定多孔板と外力によって移動し得る可動多孔板とから構成されるトレイであって、該可動多孔板の移動により開孔比が変動し、圧力損失量が調整されるトレイが配置され、該可動多孔板を移動させることによって、一方の空間から他方の空間への蒸気の流量調整が行われるように構成された、蒸留装置。
  4. 前記一方の空間を形成する塔壁の中間部には原料供給口を設け、該原料供給口を中心に、あるいは該原料供給口の上部および/または下部に前記トレイが配置されている、請求項3に記載の蒸留装置。
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