JP4261704B2 - 眼底血管の酸素濃度検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は眼底血管の酸素濃度検出装置に関する。さらに詳しくは、被検眼の眼底を異なる波長の照明光によってそれぞれ照明、撮影し、撮影画像から眼底血管の酸素濃度を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
眼底の撮影は、眼科目的以外にも動脈硬化や高血圧症などに関する多くの有用な内科的所見を得るために広く行われている。
【0003】
かかる目的に用いられる眼底撮影装置として特開平8−154924号公報に開示されたものがある。この眼底撮影装置は、テレビカメラによる眼底画像から動脈の任意箇所を選択して当該位置の動脈血の酸素含有率を測定しようというものである。
【0004】
その構成は、還元ヘモグロビンと酸化ヘモグロビンとの含有率をそれぞれ計測する目的から第一フィルタと第二フィルタとを備えている。そして、第一フィルタを透過した照明光による眼底像と第二フィルタを透過した照明光による眼底像とをそれぞれフレームメモリに記憶し、両眼底像における同一位置の画素のメモリ値を比較演算して当該位置の酸素含有率を求めるものである。
【0005】
しかしながら、この眼底撮影装置では、第一フィルタを透過した光による眼底像と第二フィルタを透過した光による眼底像とが、僅かであるが時間差をもって撮影されるものである。そうすれば、もともと眼底の血管中の血液も脈流しているので、撮影時点が異なればとくに動脈血管中の血液流量が異なるため、光分析においてその差異がフィルタによるものなのか血液量によるものなのかが不明確になるなどの不具合が生じる。
【0006】
さらに、上記公報には眼底画像から血管の酸素濃度を検出する手法について開示されていない。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、異なった波長の光によって同時に眼底を撮影し、これらの眼底画像から眼底状態の時間的変化に影響されずに眼底の任意血管の酸素含有状況を測定することが可能な眼底血管の酸素濃度検出装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の酸素濃度検出装置は、
眼底の同一部位を、酸化ヘモグロビンの吸収スペクトルと還元ヘモグロビンの吸収スペクトルとの差が小さい波長の第一光と、該差が大きい波長の第二光とにより同時に撮影する撮影手段と、
上記第一光による撮影画像と第二光による撮影画像との光学的位置ずれを補正する位置補正手段と、
撮影画像上の血管を特定する血管抽出手段と、
上記各撮影画像から血管の明るさと血管の近傍の明るさとを検出して血管の濃度を演算する血管濃度演算手段と
を備えている。
【0009】
かかる構成によれば、同時に撮影する撮影手段によって異なる波長によるデータが得られるので、このデータに対して時間的な変動を考慮、補正する必要がなく、酸化ヘモグロビンおよび還元酸化ヘモグロビンの含有状況が識別しやすくなる。さらに、位置補正手段により、一の画像について血管を抽出するだけでかかる識別が両画像の眼底における同一の位置について可能となり、正確なデータが得られる。
【0010】
つぎに、上記血管濃度演算手段が、眼底の上記撮影画像上の任意の軌跡に沿って該軌跡に垂直な方向の明るさの分布を検出し、血管の明るさの平均値と血管の近傍の明るさの平均値とを求める第一明度検出手段と、血管の明るさの平均値と血管の近傍の明るさの平均値とから血管の濃度を求める第一血管濃度算出手段と、を備えてなる酸素濃度検出装置にあっては、血管抽出手段により、血管抽出手段が特定した血管に沿って血管の長手方向に垂直な方向の明るさ分布が得られるため、血管の明るさとその近傍の明るさが容易に得られる。その結果、相対的な血管の濃度が得られる。血管の濃度が得られると、動脈と静脈との濃度から酸素濃度を判定することができる。
【0011】
また、上記第一明度検出手段が、血管抽出手段によって特定された血管に沿った多数点について、その長手方向に垂直な方向の明るさの分布を検出し、血管部分の明るさの最低値と、血管近傍の明るさの最高値とを検出するように構成されており、上記第一血管濃度算出手段が、上記最低値の血管の長手方向に沿った平均値と、上記最高値の血管の長手方向に沿った平均値とを算出し、両平均値の比から血管の濃度を求めるように構成されてなる酸素濃度検出装置にあっては、精度の高い血管の濃度が得られる。
【0012】
または、上記血管濃度演算手段が、眼底の上記撮影画像上の任意の軌跡上の二点を特定し、該二点を結ぶ直線に垂直な方向に上記軌跡を移動させつつ、移動する軌跡上の明るさを連続して検出し且つ軌跡上の明るさの平均値を演算する第二明度検出手段と、上記平均値の最高値と最低値とから血管の濃度を求める第二血管濃度算出手段とを備えている酸素濃度検出装置にあっては、さらに精度の高い血管の濃度が得られる。
【0013】
さらに、上記血管抽出手段が、撮影画像表示装置を有し、且つ、該撮影画像表示装置に表示された画像上をトレースすることによって座標位置の連続として入力されるように構成されてなる酸素濃度検出装置にあっては、血管の抽出が容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1には本発明の一実施形態にかかる眼底血管の酸素濃度検出装置が示されている。
【0016】
この酸素濃度検出装置1は従来の眼底撮影装置に様々な機構を加えたものである。この酸素濃度検出装置1は、観察用照明光源2および撮影用照明光源3からの照明光によって被検眼Eの眼底の観察部位および撮影部位を照明するための照明光学系4を備えている。
【0017】
この照明光学系4は、観察用照明光源2を備えた観察用照明光学系4aと、撮影用照明光源3を備えた撮影用照明光学系4bとを有している。観察用照明光学系4aからは赤外光(近赤外光を含むこともある)が、撮影用照明光学系4bからは可視光が、対物レンズ5を透して被検眼Eの眼底へ導かれる。検査者は観察用照明光学系4aによる照明によって眼底を観察しながら眼底における検査部位を選択する。そして撮影用照明光学系4bによる照明によって上記検査部位を撮影するのである。
【0018】
両光学系4a、4bは、いわゆるホットミラー6を図示の形態で挿入することにより光路を一体にしている。ホットミラーは赤外光を反射して可視光を透過するものである。
【0019】
一方、各照明光学系4a、4bによる照明によって眼底を観察および撮影するための撮影光学系7が配設されている。撮影光学系7は撮影用照明光学系4bからの照明光に基づいて眼底の一部を撮影するための受光手段たるエリアセンサ8を備えている。
【0020】
撮影光学系7には一対のダイクロイックミラー9a、9bが配設されている。被検眼側(上流側)のダイクロイックミラー9aによって撮影用照明光学系4bからの照明光の光路を短波長域の光と長波長域の光との二系統に分離する。そして、若干ずらされた状態で他方のダイクロイックミラー9bを介してエリアセンサ8に至るようにされている。ダイクロイックミラーとは、特定の波長を境にしてその短波長(長波長)側の光を透過し、長波長(短波長)側の光を反射するものである。
【0021】
分離された二光路にはそれぞれ、特定波長をピークとした波長域(狭帯域)の光のみを透過する波長選択フィルタ(バンドパスフィルタ)10a、10bが配設されている。また、本実施形態では上記一方のバンドパスフィルタ10aは600nm波長をピークとする波長域の光(以下、600nm光という)を透過するものであり、他方のバンドパスフィルタ10bは569nm波長をピークとする波長域の光(以下、569nm光という)を透過するものである。ここで、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの吸収スペクトル曲線を重ねて描くと、600nm波長の光については酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの吸収スペクトル値に差があり、569nm波長の光についてはほぼ同一値となるのである。もちろん、上記600nmと569nmとの波長域の組合せに限定されることはない。同様な選択基準から、たとえば、640nmと505nmとの組合せや600nmと805nmとの組合せなどにしてもよい。
【0022】
本実施形態では、上流側のダイクロイックミラー9aによって例えば波長580nmを境に短波長光と長波長光とが分離される。そして、一方の光路においてバンドパスフィルタ10aによって選択された600nm光と、他方の光路においてバンドパスフィルタ10bによって選択された569nm光とが、下流側のダイクロイックミラー9bにより、相互に若干離間した光路を形成してエリアセンサ8へ至る。その結果、エリアセンサ8においては600nm光による眼底像と569nm光による眼底像とが受光される。エリアセンサ8には制御装置11とモニタ装置12が接続されている。各画像は制御装置11内のフレームメモリに記憶される。また、図2に示すモニタ装置12の画面Dに両画像(撮影視野内の像)P1、P2が分離して表示される。かかる構成により、異なる波長域の光によって同時に撮影された二種の眼底像が分離されて同時に一画面に表示される。各画像P1、P2にはそれぞれ動脈Aと静脈Vとが表されている。
【0023】
そして、後述するとおり画像上の任意の部位を選択して光分析を行うことにより、還元ヘモグロビンおよび酸化ヘモグロビンの含有状況等が検出される。
【0024】
上記モニタ装置12には上記両画像P1、P2の光学的位置を一致させる機能が備わっている。すなわち、画面D上で一方の画像P1(P2)の任意の2点と、他方の画像P2(P1)の対応する2点について入力すれば、対応点同士の座標位置(X、Y、θ)のずれ量が数学的に算出されるものである。そして、後述の明るさ分布を検出するときに補正されて一致させられる。これは、両画像P1、P2はダイクロイックミラー等の傾斜によって分離されたものであるため、画面D上で相互に回転していたりXY方向にずれていたりするため、これを一致させるために構成されたものである。そのための機構としては、たとえば座標の定まった格子状の像を表示しておくのもよく、また、画像処理における公知のパターンマッチングによって自動的に処理されるようにしておいてもよい。
【0025】
また、制御装置11には濃度を検出すべき対象血管を特定する機構が備わっている。手動によるものでは、マウスなどの操作によって画面上の対象血管Bをカーソルによってトレースする。トレースすることによってその軌跡が座標位置の連続として記録される。また、自動の場合は画像処理によって血管とその近傍との濃度差を認識して血管の中心線を求める手法がある。具体的には、ある閾値で二値化して血管部分を抽出した後に細線化して血管の中心線を求める等である。
【0026】
さらに、以下のごとく特定された血管の明るさと当該血管の近傍の明るさとを検出する機構も備えている。そして、検出された各明るさ値を用いて血管の濃度が演算される。この血管の明るさと血管近傍の明るさとを検出する機構として、以下の二種類のものを例示する。
【0027】
まず、第一の機構は、フレームメモリに記憶された画像中の、上記トレースされた軌跡(または細線化された血管)の長手方向に垂直な方向の明るさ分布を算出する機構である。これを示すのが図3である。
【0028】
図3(a)は血管の長手方向に垂直な方向の明るさ分布を示しており、縦軸が明るさであり、横軸が垂直方向の座標位置である。図中、符号Lが上記トレースされた軌跡の位置を示す。トレース線Lと血管の中心線とは必ずしも一致しない。符号Fおよび符号Gが血管の近傍の明るさの最も高い点を示す。j点とk点との間がおおよそ血管の太さを表す。符号Mおよび符号Nが血管の明るさを示す。符号Mと符号Nとの間は血管によって照明光が鏡面反射された位置であり、血管の真の明るさを示してはいない。
【0029】
図3(b)は、図3(a)の明るさ分布を血管の長手方向に沿って所定ピッチで検出した結果である。そして、符号F、G、M、Nの各点の明るさを血管の長手方向に沿って多数点検出する。つぎに、多数個のF点とG点との値の平均値を算出し、多数個のM点とN点との値の平均値を算出する。異常データを排除するために標準偏差、mean(平均値)±2SD内のデータのみを採用する。ついで、血管近傍の明るさの平均値を血管の明るさの平均値で除することにより血管の濃度が算出される。すなわち、
血管の濃度=log10(血管近傍の明るさ平均値/血管の明るさ平均値)と定義する。
【0030】
つぎに、第二の機構は、トレースされた軌跡(または細線化された血管を特定する線であり、中心線とする)Lを当該軌跡(当該中心線)に対して両側に平行移動させつつ明るさを測定するものである。
【0031】
具体的には、図4に示すように、トレースされた軌跡L上に、たとえば濃度を検出したい血管の範囲を含んで始点Qと終点Rとを入力し、この始点Qと終点Rとをむすぶ直線(図4中の符号S)に垂直な方向にトレース軌跡または血管の中心線を移動させる。この移動させられるトレース軌跡(または中心線)LLが明るさを測定する点の集合となる。そして、移動させつつ連続的にトレース軌跡または中心線についての明るさの平均値を演算していく。
【0032】
移動距離はとくに限定されないが、血管幅の3倍程度が適当である。この基準となる血管幅は、明るさをある閾値で二値化して抽出する。このようにして得た血管幅は図4中にハッチングで示す。移動させつつ計測、演算した明るさの平均値の最低値を血管の明るさとし、最高値を血管近傍の明るさして記録する。各トレース軌跡(または中心線)LLの明るさの平均値を得る上で異常データを排除するために標準偏差、mean(平均値)±2SD内のデータのみを採用する。
【0033】
そして、第一の機構による場合と同様に、血管近傍の明るさを血管の明るさで除することにより血管の濃度が算出される。すなわち、
血管の濃度=log10(血管近傍の明るさ/血管の明るさ)と定義する。
【0034】
かかる機構により、まず一方の画像P1(569nm光による画像)についての動脈Aおよび静脈Vの血管濃度(それぞれ、A569、V569と記載する)を算出する。
【0035】
つぎに、画像P2(600nm光による画像)についても同様に血管濃度を求めるのであるが、画像P2について血管をトレースする必要はない。すなわち、画像P1でトレースされた動脈Aの軌跡(または細線化された血管)が、画像P2のために、既に数学的に算出された両画像間の直交座標および極座標に関する座標位置(X、Y、θ)のずれ量が補正される。
【0036】
その上で、上記第一の機構による場合は、画像P2における補正された動脈Aのトレース線の長手方向に垂直な方向の明るさ分布が検出される。同様にして画像P2における補正された静脈Vのトレース線の長手方向に垂直な方向の明るさ分布も検出される。これらの検出結果から血管の明るさ平均値と血管近傍の明るさ平均値とを算出し、動脈Aおよび静脈Vの血管濃度(それぞれ、A600、V600と記載する)を求める。
【0037】
第二の機構による場合には、画像P2における補正された動脈Aのトレース線には、画像P1において決定された始点と終点とが記録され、また、移動方向および移動距離も記録されている。したがって、画像P1におけると同様の動作がが自動的になされる。すなわち、トレース線を画像P1におけると同一方向および同一距離だけ移動させつつトレース線についての明るさの平均値が演算される。そして、画像P2において演算した明るさの平均値の最低値を血管の明るさとし、最高値を血管近傍の明るさして記録する。これらの検出結果から画像P2における動脈Aおよび静脈Vの血管濃度(それぞれ、A600、V600と記載する)を求める。
【0038】
なお、画像P2において改めてトレース線を画像P1におけると同一方向に異なる距離だけ移動させつつトレース線についての明るさの平均値を演算することもできる。さらに、画像P2における、画像P1において決定された明るさの平均値の上記最低値のトレース線に対応する線上の明るさの平均値を血管の明るさとし、画像P2における、画像P1において決定された明るさの平均値の上記最高値のトレース線に対応する線上の明るさの平均値を血管近傍の明るさとして採用することも可能である。
【0039】
以上説明した第一の機構および第二の機構によって血管近傍の明るさを求める場合、点(第一の機構)または線(第二の機構)上の明るさの最大値を選択した。しかし、第一の機構の場合に点を線に、第二の機構の場合には線を面にして求めることもできる。具体的には、第一の機構によれば、トレース線に垂直な方向の点の明るさの分布ではなく、垂直な方向の線上の所定範囲(たとえば血管幅相当)の平均値のうち最大位置を血管近傍の明るさとすることが可能である。また、第二の機構によれば、上記直線Sに垂直な方向に所定幅(たとえば血管幅相当)のトレース線(実際は面となる)を移動させつつ所定幅のトレース面の平均値のうち最大位置を血管近傍の明るさとすることが可能である。
【0040】
上記いずれの機構によっても、明るさを求める場合に毛細血管が多く分布する脈絡膜の影響による誤差をできる限り減少させるために、血管近傍に平均値フィルタ等のいわゆる「ぼかし操作」を実行した後に血管近傍の明るさを求めることも可能である。上記平均値フィルタは画像処理技術において公知の手法である。
【0041】
なお、両画像間の位置ずれ量を補正する機構が備わっていない場合には、両画像ともに対象血管をトレースする必要がある。しかし、その場合にはほとんどトレース線が一致しない。その結果、得られるデータの精度が低下することになる。
【0042】
以上のごとくして求められた血管濃度(A569、V569、A600、V600)から、動脈血および静脈血の酸素含有程度を算出する。酸素含有程度は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとに吸収スペクトル値に差がある波長の光による画像から得た血管濃度を、差がない波長の光による画像から得た血管濃度によって除した値とする。すなわち、本実施形態では、動脈血の酸素含有程度はA600/A569なる式から算出され、静脈血の酸素含有程度はV600/V569なる式から算出される。
【0043】
上記例では、異なるバンドパスフィルタを有する二系統の撮影光学系を備えているが、とくに二系統に限定されることはなく、三系統以上の撮影光学系を備えて三種以上の眼底像を得るようにしてもよい。その場合には、一般的に酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとに吸収スペクトル値に差がある波長域の光路を一つと、差がない波長域の光路を二つ設定すればよい。
【0044】
なお、本酸素濃度検出装置は公知の眼底撮影装置にも適用することができ、また、本出願人が特願平11−101438号、特願平11−101443号において提案している眼底撮影装置に好適に適用することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、異なった波長の光によって同時に撮影された眼底の同一部位からデータを得ることができる。それによって眼底の状態の時間的な変化に影響されずに眼底の任意箇所の酸素含有状況を測定することが可能となる。また、得られた複数画像のうち一の画像について血管を抽出するだけで両画像の眼底における同一の位置についてのデータを得ることができ、容易に正確なデータが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸素濃度検出装置の一実施形態を示す構成図である。
【図2】図1の酸素濃度検出装置による眼底撮影画像の一例を概略的に示す平面図である。
【図3】図3(a)は血管の長手方向に垂直な方向の明るさ分布を示す二次元グラフであり、図3(b)は血管の長手方向に沿って得た多数個の上記明るさ分布を示す三次元グラフである。
【図4】血管の中心線を平行移動させながら中心線についての明るさ計測の要領を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・・酸素濃度検出装置
2・・・・観察用照明光源
3・・・・撮影用照明光源
4・・・・照明光学系
4a・・・観察用照明光学系
4b・・・撮影用照明光学系
5・・・・対物レンズ
6・・・・ホットミラー
7・・・・撮影光学系
8・・・・エリアセンサ
9a、9b・・・ダイクロイックミラー
10a、10b・・・バンドパスフィルタ
11・・・・制御装置
12・・・・モニタ装置
D・・・・モニタ画面
E・・・・被検眼
P1、P2・・・・眼底画像
Claims (5)
- 眼底の同一部位を、酸化ヘモグロビンの吸収スペクトルと還元ヘモグロビンの吸収スペクトルとの差が小さい波長の第一光と、該差が大きい波長の第二光とにより同時に撮影する撮影手段と、
上記第一光による撮影画像と第二光による撮影画像との光学的位置ずれを補正する位置補正手段と、
撮影画像上の血管を特定する血管抽出手段と、
上記撮影画像から血管の明るさと血管の近傍の明るさとを検出して血管の濃度を演算する血管濃度演算手段と
を備えてなる眼底血管の酸素濃度検出装置。 - 上記血管濃度演算手段が、
眼底の上記撮影画像上の任意の軌跡に沿って、該軌跡に垂直な方向の明るさの分布を検出し、血管の明るさの平均値と血管の近傍の明るさの平均値とを求める第一明度検出手段と、
血管の明るさの平均値と血管の近傍の明るさの平均値とから血管の濃度を求める第一血管濃度算出手段と
を備えてなる請求項1記載の眼底血管の酸素濃度検出装置。 - 上記第一明度検出手段が、血管抽出手段によって特定された血管に沿った多数点について、その長手方向に垂直な方向の明るさの分布を検出し、血管部分の明るさの最低値と、血管近傍の明るさの最高値とを検出するように構成されており、
上記第一血管濃度算出手段が、上記最低値の血管の長手方向に沿った平均値と、上記最高値の血管の長手方向に沿った平均値とを算出し、両平均値の比から血管の濃度を求めるように構成されてなる請求項2記載の眼底血管の酸素濃度検出装置。 - 上記血管濃度演算手段が、
眼底の上記撮影画像上の任意の軌跡上の二点を特定し、該二点を結ぶ直線に垂直な方向に上記軌跡を移動させつつ、移動する軌跡上の明るさを連続して検出し且つ軌跡上の明るさの平均値を演算する第二明度検出手段と、
上記平均値の最高値と最低値とから血管の濃度を求める第二血管濃度算出手段と
を備えてなる請求項1記載の眼底血管の酸素濃度検出装置。 - 上記血管抽出手段が、撮影画像表示装置を有し、且つ、該撮影画像表示装置に表示された画像上をトレースすることによって座標位置の連続として入力されるように構成されてなる請求項2または4記載の眼底血管の酸素濃度検出装置。
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