JP2749115B2 - 眼科診断装置 - Google Patents

眼科診断装置

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JP2749115B2
JP2749115B2 JP1095422A JP9542289A JP2749115B2 JP 2749115 B2 JP2749115 B2 JP 2749115B2 JP 1095422 A JP1095422 A JP 1095422A JP 9542289 A JP9542289 A JP 9542289A JP 2749115 B2 JP2749115 B2 JP 2749115B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は眼科診断装置に係り、さらに詳しくは眼底部
に所定径のレーザー光を照射し、眼底部からの散乱反射
光によって形成されるスペックルパターンの移動を光強
度変化として検出し、それにより得られるスペックル信
号を解析することにより眼科診断を行う眼科診断装置に
関する。
[従来の技術] 従来光学的手法による眼底組織の血流状態を測定する
方法が、例えば特開昭58−118730、特開昭56−49134、
特開昭61−38240の各号に開示されている。
又、光学的手法により眼底の血管径を測定する方法で
は、眼底をある波長帯域の光束で照射し、眼底からの反
射光を検出して、その検出された波長による反射光の強
度の相違を判別し、血管部分を識別することにより血管
径を測定するようにしている。
具体的には、眼底カメラを用いて眼底写真を撮影し、
その写真より血管径を測定する方法、あるいはTVカメラ
などによって撮影された眼底画像に対して画像処理(例
えば、画像のサンプリング、A/D変換、鮮鋭化、マスク
処理、フィルタ処理等の画像処理)を行い、血管径を測
定する方法が知られている。また眼底像を移動させ、こ
れを光電検出することにより血管エッジを検出し血管径
を測定する方法も知られている。
また、血管径や血管部分を識別する場合、眼球が移動
すると測定が困難になったり、あるいは不可能になるの
で、眼球の移動量を測定することが行われている。従
来、光学的手法により眼球運動を測定する方法として
は、角膜表面に照射光をあて、その照射光により角膜で
反射された反射光の動きを測定し、眼球運動を測定する
方法、あるいは血管径を測定するところで述べた方法を
用い、眼底の血管部分を識別し、その血管の移動を測定
することにより眼球運動を測定する方法が知られてい
る。
[発明が解決しようとする課題] 上述した眼科測定方法を用いて、例えば血流量を測定
する場合従来の血管径を測定する方法と血流状態から血
流速度を測定する方法を組み合わせ、血管径と血流速度
から血流量を求める方法が提案されている(例えば、特
開昭56−125033)。しかし、眼底カメラを用いて血管径
を測定する方法を用いるときは、眼底写真を撮影してそ
の写真より血管径を測定するため測定結果を得るまでに
かなりの長い時間を必要とし、リアルタイムで瞬時に血
管径を測定することは不可能であるという欠点がある。
又、TVカメラを用いて血管径を測定する場合には、TVカ
メラなどによって撮影された眼底画像は、一般に光量不
足となり充分なS/N比が得られないため、複雑な画像処
理が必要となり、装置が大がかりになり、高価になって
しまうという欠点がある。
また、眼球に移動があった場合、その移動量を補償す
るように自動追従させないと血流の正確な測定は困難で
ある。特開昭58−118730、特開昭56−49134に開示され
た血流測定方法においては、自動追従の機能がないた
め、測定対象に対してレーザー光の照射位置並びに検出
部の位置の設定に精密さが要求されるにも拘らず、眼球
運動による測定対象部と検出部のずれを補正できないの
で、正確な血流測定が保証されない。また、特開昭61−
38240に説明されている方法では、眼球運動による測定
対象部と検出部に多少のずれがあっても測定誤差が発生
しないように対処されているが、測定誤差が小さいだけ
で根本的な解決方法ではない。
従って本発明は、この様な従来の欠点を解消するため
になされたもので、レーザースペックル現像を用いて簡
単な構成で精度良く眼底部の動きを検出して瞬時に眼底
部の血管径を測定して血流量を測定することが可能な眼
科診断装置を提供することを課題とする。
[課題を解決するための手段] 本発明では、このような課題を解決するために、眼底
部に所定径のレーザー光を照射し、眼底部からの散乱反
射光によって形成されるスペックルパターンの移動を光
強度変化として検出し、それにより得られるスペックル
信号を解析することにより眼科診断を行う眼科診断装置
において、レーザー光束を対象血管にその血管径より大
きな所定径で照射する光学系と、前記スペックルパター
ンを眼底と共役な像面に形成する光学系と、前記スペッ
クルパターンの移動を光強度変化として検出する第1の
検出手段と、前記第1の検出手段より得られるスペック
ル信号により血流状態を測定して血流速度を求める手段
と、 前記スペックルパターンの移動を光強度変化として検
出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段より得ら
れるスペックル信号により血管部を識別し、血管径を測
定する手段と、前記測定された血流速度と血管径から血
管の血流量を算出する手段を設ける構成を採用した。
[作用] この様な構成において、投光光学系により所定径のレ
ーザー光を眼底部に照射し、生体組織の血球からの拡散
反射により形成されるレーザースペックルパターンの移
動を受光光学系を通してスペックルの光強度変化として
光電変換素子を用いて検出する。スペックル信号は生体
組織の血球移動速度を反映する。光電変換素子上のスペ
ックル径と光電変換素子の走査速度を最適に設定するこ
とにより、生体組織の血球移動速度が速い場合、スペッ
クルの光強度変化が激しいので、光電変換素子の蓄積時
間による平均化により出力は小さくなる。逆に遅い場合
は出力の減少は少なくなる。本発明では、スペックル信
号の出力の強弱を判別して血管部分の識別を行い、血管
径を測定することにより血流量を算出している。また、
眼球運動により移動する血管位置と、レーザー光の照射
位置と検出部の位置の関係を一定に保つように自動追従
を行い血流量の正確な測定を保証している。
[実施例] 第1図は、血流状態測定用と血管測定及び観察用の光
学系を眼底と略共役な位置にある穴開きミラーで分離す
る場合の全体構成を示す。
第1図において、例えば赤色のHe−Ne(波長632.8n
m)レーザー光源1からのレーザー光束は、コンデンサ
レンズ2を介し光強度を調節するための光量調節フィル
ター3を通過する。さらにコリメートレンズ4で平行ビ
ームとなり、その平行ビーム中に開口5,6が設置されて
おり、これによって被検眼16の眼底16b上におけるレー
ザー光の照射領域の大きさと形状を選択できるようにな
っている。
さらにレーザービームは集光レンズ9を介して、第2
図に示すように眼底カメラ照明光学系内のリングスリッ
ト11の環状開口11aの一部に設置したミラー10上に集光
され反射される。この構成により眼底観察撮影用光束が
眼底に入射するのと同じ光路に導かれる。レーザー光は
リレーレンズ12,13、穴開きミラー14、対物レンズ15を
経て被検眼16の角膜16aから眼底16bに達し、測定すべき
血管に照射される。
以上のレーザー照射光学系において、可動ミラー8は
被検眼16の眼底16b上のビームスポット位置を移動可能
とするためのものであり、測定開始前は例えばトラック
ボール17を操作することによって出力部46bを介してそ
の制御が行なわれる。可動ミラー8は光軸に対するXと
Y両方向で各々独立にミラーの傾き角を変えられるよう
になっており、コアギュレーター等で通常用いられてい
る方法により可動ミラーが制御される。
また可動ミラー8によるレーザーの反射角は、XとY
方向のミラーの傾き角に対するレーザー光の傾き角の違
いによって生じる差の補正を最小限にするために、スペ
ースの許す限り小さくとってある。また可動ミラー8の
位置は被検眼16の角膜16aあるいは瞳との略共役な位置
に設置しておくことにより、被検眼16の角膜上のレーザ
ービーム入射位置を大きく変えることなく、眼底上でビ
ームを移動することができる。
眼底の測定領域は眼底カメラとして用いられる照明光
学系によって照明され観察が容易にされる。この照明光
学系は撮影光源20と同一光軸上に配置された観察光源1
8、コンデンサレンズ19,21、フィルタ22、ミラー23から
構成される。
以上の照明光学系においてコンデンサレンズ21とミラ
ー23の間に配置されるフィルター22は、第3図に図示し
たような分光特性を有する波長分離フィルターとして構
成されるので、観察、撮影光に含まれる赤色成分はカッ
トされる。この分光特性は使用するレーザー光源の波長
に応じて適切なものが使われる。
レーザー光が眼底で散乱されて生ずるスペックル光
と、他の観察撮影用の反射光は、ともに再び対物レンズ
15で受光され穴開きミラー14の穴を通過してフォーカッ
シングレンズ24、結像レンズ25又は26を介して一度空間
上に結像され再びリレーレンズ29を介して可動ミラー30
で反射されリレーレンズ31を介して穴開きミラー32の付
近に結像される。穴開きミラー32で反射された光はリレ
ーレンズ33を介して波長分離ミラー34で分離される。ス
ペックル光は波長分離ミラー34で反射され、結像レンズ
42によりCCD43上に結像される。
なお波長分離ミラー34は光軸に対して約45゜で設置さ
れており、波長分離フィルター22と同様、第3図に示す
ような分光特性を有し、赤色のHe−Neレーザー光による
スペックル光の大半を反射する。波長分離ミラー34を通
過した光は、結像レンズ35を介してレチクル36の面上に
結像され、接眼レンズ37を介して検者に観察される。こ
こで接眼レンズ37はレチクル36を基準に検者の視度補正
が行なえるようになっている。
またレチクル36は第4図に示したように直角に印して
あるレチクルのうち一方が区別できるような模様になっ
ており、その直角に交わる部分が穴開きミラー32の穴の
中心と一致している。またその直角に交わっている部分
を中心に回転可能となっている。また、レチクル36を回
転させ、第4図のように血管16cの像の傾きに合わせる
ことにより、その方向にCCD43が同期して回転し自動的
にCCD43と血管像が垂直方向に交叉するように制御され
る。このときのCCD43の面上に形成される眼底像を第5
図に示す。第5図のようにCCD43の面上の穴開きミラー3
2の穴の像に交わらない位置にCCD43は設置してあり、ま
たそのCCD43は血管16cの方向と垂直方向に設置してあ
る。またビームスポット1aは、上述したように血管16a
の径よりも大きくなっている。
また、写真撮影時には跳ね上げミラー27が27aを支点
として矢印の方向に27′まで跳ね上げられ、跳ね上げミ
ラー27で反射されてきた眼底からのレーザースペックル
光を含む観察撮影光束が写真フィルム28上に結像され撮
影が行なわれる。
以上のように通常は眼底カメラとして眼底の観察撮影
が可能であり、しかもレーザー光が照射されている時で
あれば、その状態が観察撮影できるため測定点の確認や
記録が直接行なえる点でも極めて有用性のある装置が得
られる。
以上の眼底からのスペックル光、観察撮影用の反射光
を受ける受光光学系において穴開きミラー32の穴を通過
した光はピンホール38上に被検眼16の眼底16bの像を形
成する。ピンホール38のピンホールを通過した光は、干
渉フィルタ39を経て測定開始時光電検出装置として機能
するフォトマル40で受光される。このフォトマル40で検
出されたスペックル信号は解析部41に送られ、血流状態
の解析が行なわれる。又ピンホール38の代わりに穴開き
ミラーの穴をスペックル検出に利用することもできる。
なお干渉フィルタ39は赤色He−Neレーザーの波長632.
8nmの光のみを通過させる分光特性を有している。
また眼底からのスペックル光、観測撮影用の反射光を
受ける受光光学系において可動ミラー30は被検者16の眼
底16b上の血管を穴開きミラー32を介してピンホール38
上に結像させるように位置補正を行なうためのものであ
り、測定開始前に例えばトラックボール17を操作するこ
とによって出力部46bを介してその制御が行なわれる。
ここでトラックボール17は測定開始前は可動ミラー8
を操作するためにも使用されたが、例えば切替えスイッ
チ等で可動ミラー8が可動ミラー30を各々独立に操作す
ることができるようにしている。可動ミラー30は光軸に
対するXとY方向で各々独立にミラーの傾き角を変えら
れるものであり、これは可動ミラー8と同様である。
また可動ミラー30での光束の反射角は,XとY方向のミ
ラーの傾き角に対する光束の傾き角の違いによって生じ
る差の補正を最小限にするために、スペースの許す限り
小さくとってある。
また可動ミラー30の位置は、可動ミラー8と同様に被
検者16の角膜16aあるいは瞳と略共役な位置に設置して
おくことにより、可動ミラー30を傾けても被検者の瞳等
で光束が遮られることなく眼底16bの像をピンホール38
上で移動することができる。
また受光光学系において結像レンズ25は広画角用結像
レンズであり、被検眼の眼底16bの全体像が確認できる
くらい広視野で観察することが可能な画角を有し、この
広視野のときレーザースポットを所望の血管に位置合わ
せできるようになっている。一方結像レンズ26は狭画角
用結像レンズであり、この高倍率レンズにより高倍率で
拡大像として観察することにより眼底16b上のレーザー
スポット16c内の血管像を穴開きミラー32を介してピン
ホール38上に位置合わせすることが可能になる。
なお結像レンズ25と26は光軸をずらすことなく瞬時に
交換できるように構成されている。この2つの変倍レン
ズによって所望の測定点への位置合わせが正確かつ容易
に行なうことができる。
また受光光学系において、穴開きミラー32の穴径は被
検眼16の眼底16b上の測定すべき血管上からの光束が通
るぐらい小さくしてあることと、穴開きミラー32が被検
眼16の眼底16bと略共役な位置に設置してあることによ
り、観察者は測定すべき血管の像を穴開きミラー32の穴
と重ね合わす操作をすることにより確実に位置合わせす
ることができる。第4図にその時の観察される像を示
す。なお、波長分離ミラー34をスペックル光はわずかに
透過するため観察者はレーザースポット1aの位置を確認
することが可能になる。
次に血流測定について説明する。
ここでは、一例としてスペックル法による血流測定に
ついて説明するが、本発明では、これに限定されること
なく、ドップラー法など他の散乱法による血流測定にも
適用されることはいうまでもない。
解析部41は例えば光子相関処理法による場合について
は、第6図に示すようにアンプ81、光子計数ユニット8
2、アナログデジタル変換器88と89、相関器83、マイク
ロコンピュータ84、CRT85、プリンタ86、メモリ87から
構成される。
本実施例においては、レーザー照射を容易にするため
に、眼底16bの測定部位でのレーザー光照射領域を血管1
6cに比べて広い領域、例えば1〜3mmφのように設定す
るため、この中には毛細血管網の他に、比較的太い血管
が複数本含まれる場合も当然ありうる。従って特定の1
本の血管の血流を測定するためにスペックルパターンの
検出を、本実施例では拡大した像面上で行なう方法を用
いている。すなわち眼底の共役像を第1図の結像面とな
るピンホール38上に形成する。ピンホール38は検出開口
として使われ、スペックル光強度変化を検出する。検出
された光はフォトマル(光電子増倍管)40で信号に変換
される。
測定時フォトマル40からの出力は、血球の移動に伴な
い時間と共に変動するスペックル信号となる。スペック
ル信号は解析部41内の増幅器81で増幅され、光子計数ユ
ニット82で所定の単位サンプリング時間ごとに光電子パ
ルスが計数される。各サンプリング毎の計数値は随時メ
モリ87に格納さ8れ、測定終了後相関器83によって自己
相関関数が計数され、血球状態が測定される。
本実施例では第4図あるいは第5図に示すように、拡
大面上でレーザー光照射領域中の所望の測定しようとす
る血管像を選択し、その血管16c内にピンホール38が設
置されるように調整されるため、特定の1本の血管血流
を測定することができる。従って後に述べるごとく検出
方法及び信号処理により、血流状態を速度として算出す
ることが可能になる。
すなわち、第7図のように所望の血管1本92が拡大像
で得られているとき、少なくともこの像上での血管径よ
りは小さい径をもつ第8図のようなピンホール38を血管
内の像面スペックル93が移動している部分に配置するよ
うにする。このような配置にすることにより、ピンホー
ル38をスペックル93が横切るのに応じて得られる検出光
強度の変化を検出することにによりスペックル信号が得
られる。血流が速ければ像面スペックル93が拡大像上で
ピンホール38を横切る速度も速くなり、スペックル信号
の時間変化が速くなるため、スペックル信号は高周波成
分が多くなる。
そこで解析部41でスペックル信号の自己相関関数を求
め、その相関時間によって減衰度を評価することにより
血流速度を求めることができる。例えば第9図のような
データを得た後、コンピュータ84でスムージング処理を
行なった後第10図の相関カーブを得る。この曲線に関し
て相関値が1/2(または1/eなど)になる遅れ時間を相関
時間τcとすれば、その逆数1/τcの像面スペックルの
速度が直線関係にある。像面スペックルの速度は血流速
度vと1対1の直線関係にあることは既にわかっている
ので、1/τcの測定により、血流速度vは、第11図のよ
うな関係からすぐに求められる。第11図の直線の傾きは
1/τcとvとの比例関係の計数で決まるので、予め較正
しておくことにより血流速度vが得られる。
血流速度の結果は解析部41内のCRT85やプリンタ86に
表示される一方、演算部45にも送られ後述するように血
流量の演算に使われる。血流量の結果は出力部46aに出
されるが、同時に再び解析部41内のマイクロコンピュー
タに戻され、メモリ87に格納したり、表示したりされ
る。
次にCCD43の出力信号の取扱いについて説明する。
測定開始によりスペックル光はCCD43で受光されCCD43
からの出力信号は信号処理部44に送られる。信号処理部
44では血管判別信号を得てA/D変換してデジタル信号と
して出力する。演算部45ではデジタル化された血管判別
信号より血管を認識し、血管径を演算により求め血管径
と解析部41の血流速度から演算により血流量を求める。
演算後結果は出力部46aに出力され、血流量を表示す
る。
又、演算部45の血管判別信号より血管位置の検出を行
ない、血管移動に対して初期位置に戻るような補正量を
演算する。演算結果を出力部46bに出力し、出力部46bで
は演算結果に基づいて可動ミラー30、可動ミラー8の制
御を行ないピンホール38上に常に眼底血管像の同じ位置
があるように又、眼底16bの同じ位置にレーザースポッ
トがあるようにフィードバック補正を行なう。
なお測定中、波長分離ミラー34を透過した赤色成分以
外の観察撮影光束やわずかに透過したスペックル光束は
レチクル36上に測定前同様に眼底像が形成され、観察者
は観察可能であるため、対象位置がずれていないか監視
することができ、極めて好ましい作用が得られる。
次に、信号処理部44以降の電気系について詳しく説明
する。
第12図は信号処理部ブロック図である。信号処理部44
は駆動回路56、ハイパスフィルター51、増幅器52、絶対
値回路53、リミッタ付増幅器54、A/D変換器55で構成さ
れる。駆動回路56で発生する駆動パルスを1024画素のリ
ニアCCD43に供給する。CCD43ではスペックル光の光電変
換を行ないスペックル信号を得る。CCD43で得られたス
ペックル信号は、ハイパスフィルター51を通過し、高周
波成分だけが抽出される。高周波成分だけになったスペ
ックル信号を増幅器52で増幅し、絶対値回路53を通して
信号の絶対値をとる。
絶対値回路53の出力信号は第13図のようになる。絶対
値をとった信号をリミッタ付増幅器54に入力し、必要部
分を選択的に、例えば第13図に示された信号の点線の範
囲Aの部分を増幅し、不必要部分はリミッターで制限す
ることにより血管判別信号を抽出する。リミッタ付増幅
器54の出力信号は第14図のようになる。得られた血管判
別信号はA/D変換回路55でA/D変換されたデジタル信号の
データとして演算部45に出力される。
演算部45では信号処理部44よりのデジタル信号のデー
タをいったんメモリに格納する。CCDがn画素でn個の
データをメモリに格納した場合、メモリから読み出され
たデータに各アドレスを与えるならば最初に読み出され
たデータのアドレスは0、n番目のデータのアドレスは
n−1となる。読み出されたデータは血管部分の値は大
きく、血管でない部分は小さい値となる。ここでは説明
の簡単のために、血管部分を示すデータの大きな値を
1、血管でない部分を示すデータの小さい値を0とす
る。メモリから読み出されたデータは血管部分は1であ
るが、血管でない部分もスペックルの影響により1とな
ったり0となったりする。
このスペックルの影響を少なくする方法を血管探索フ
ローチャート図第15図に従って説明する。
ブロックB1は血管探索の基準位置を設定する部分であ
る。1回目の探索時には、検者によってあらかじめ血管
がCCD43の中心をまたいでいるようにアライメントされ
ている。従って1回目の探索開始時には、CCDの中心位
置のデータは必ず1であり、血管であることを示す。し
かし2回目以降では血管が移動するため徐々に血管はCC
D中心からはずれつつあるので、基準点をCCD中心位置か
ら移動させる必要がある。ブロックB1、ステップS1で1
回目の探索か2回目以降の探索かを判断し、1回目の探
索であればステップS2でCCD中心アドレスを基準点に、
2回目以降の探索であればステップS3で前回の両エッジ
の中間位置を基準点に設定する。
ブロックB2及びブロックB3はそれぞれ血管のエッジを
探索する部分であり、ブロックB2で血管の左エッジを探
索するとブロックB3では血管の右エッジ探索する。逆に
ブロックB2で血管の右エッジを探索するとブロックB3で
は血管の左エッジを探索する。ステップS4ではアドレス
に対応したデータを読み出し、ステップS5で読出したデ
ータが1か0かを判断する。基準アドレスはブロックB1
より血管上にあると信頼できるので、血管の中心から左
右に向かってエッジを探索する。つまりステップS6によ
りアドレスをカウントダウンしていき最初にデータが1
から0に変化する点を血管エッジ1と判定する。血管エ
ッジ1の位置をステップS7で検出し、血管エッジデータ
として格納する。
同様にステップS9〜S12でも血管エッジ2の位置を検
出し、血管エッジデータとして格納する。このように血
管中心より血管エッジを探索する方法は、別の方法とし
て考えられるアドレスの0からn−1まで順次探索して
いきスペックルの影響か血管が存在するのかをその都度
調べる方法に対して、データの読出しは血管径に相当す
る部分のみであるから読出しデータ数は激減し、スペッ
クルの影響も少なくなり信頼性が高く、高速な判定がで
きる。
認識された血管は両エッジの幅から受光光学系におい
て決定される係数によって血管径を求めることができ
る。このとき、数回にわたって血管の存在する幅を求
め、数回の幅から平均を求める。あるいは最小値を求め
るなどの演算をしてから血管径を算出すると、より信頼
性が向上する。
血管エッジのみの情報から血管の移動量を求めるには
複数回の位置情報が必要である。しかもこの情報はスペ
ックルの影響を多少受けるので、血管の移動を判断する
には最低3回分の情報が必要となる。すなわちm番目及
びm+1番目のデータの差分と、m+1番目及びm+2
番目のデータの差分を比較することで、m番目からm+
2番目のデータを採るまでに移動があったかどうかを調
べることができる。移動が判明した場合には、差分量か
ら重みつき平均を求める等の手段により移動量を判定で
きるが「動いていないものに対して補正しない」という
考え方から差分量のうちの最小値を移動量とする方法に
ついて説明する。
第16図は上述の移動量判定のフローチャート図であ
る。
ステップT1では新しくデータが更新される前に2回前
までのデータを格納し直している。ステップT2は血管探
索で詳細は第15図血管探索フローチャート図で説明した
通りであり、新しい血管エッジデータを取り込んでい
る。ステップT3は移動量を求められるようなデータがそ
ろっているかどうか判断する箇所であり、もしデータが
不足していればステップT1に戻り、データがそろってい
ればステップT4に進む。ステップT4では2つの連続デー
タ間の差分C1,C2,D1,D2を両エッジについて求め、ステ
ップT5でその差分C1,C2,D1,D2の符号の一致、すなわち
移動方向が同一であるかを判定して移動の有無を判定す
る。
符号が一致して移動方向が同一と判定されるとステッ
プT6へ進み、符号が一致せず移動方向が異なると判定さ
れるとステップT7へ進む。ステップT6では差分C1,C2,D
1,D2の値の最も小さい値(minimum)を移動量とし、光
学系の倍率等によって決まる補正演算を行なった後、血
管線の位置移動を初期位置に戻すための補正量を得、出
力する。
ステップT7は血管が微少量の移動をしていた場合1回
や2回の連続データからでは移動が検出されないという
ことに対応したもので、(am,bm),(am−1,bm−
1),(am−2,bm−2)の各エッジと初期位置(a0,b
0)とのずれ、C02,C01,C00,D02,D01,D00を求める。C02,
C01,C00,D02,D01,D00の符号判断をステップT8で行な
い、全て同符号であればすでに初期位置に比較して片側
へ移動していることになるのでステップT9へ進み、符号
が違うものが存在すれば初期位置に比較して片側に移動
したかどうかは不定なのでステップT1に戻る。ステップ
T9ではステップT6と同様にずれC02,C01,C00,D02,D01,D0
0値の最も小さい値(minimum)をずれ量とし、補正量を
得て出力する。
出力部46bでは、演算部45の補正量に基づいてパルス
モーターを駆動し、パルスモーターに連結された可動ミ
ラー8、可動ミラー30の制御を行なう。
眼底上の血管からの情報を得ようとする場合、計測点
が血管の中心部と端では、計測結果に差異が生じる場合
がある。これによるバラツキをなくするため中心位置補
正を行なっている。
中心位置補正フローチャート図を第17図に示す。ステ
ップR1は血管位置を検出する検出部分でステップR2で検
査開始となるまで常に血管位置を検出しつづける。ステ
ップR3では検査開始直後、最新の血管位置情報から血管
中心位置を求め、CCD43の中心位置とのずれ量を求めて
血管中心とCCD中心のずれがなくなるよう補正する。又
ステップR4では血管の初期位置を血管中心とCCD中心が
一致するように設定する。初期位置をステップR4のよう
に設定することによってステップR5の追従もステップR6
で検査終了となるまで血管中心がCCD43の中心位置と一
致するように常に補正することになる。この方法によ
り、検者によるアライメントが血管中心よりずれていて
も、検査開始直後には常に血管中心の検査ができるよう
になる。
レチクル36を光軸に関して回転させることによってCC
D43も光軸に関して回転し、CCDが血管と垂直方向に設定
できるような構造となっていることは先に説明したが、
さらにCCDの回転角を検出するためにポテンショメータ
ー47が取りつけられている。角度検出部48ではポテンシ
ョメーターの出力を8ビットにA/D変換して角度データ
を得ている。得られた角度データは演算部45に送られ角
度データよりCCDの回転角を判定される。演算部45では
血管位置移動に対してX,Y方向への補正量を演算して出
力する。
CCD43上に結像するスペックルサイズとCCD43の1画素
のサイズの関係が大きくずれると、良好なスペックル信
号93aを得ることができない。たとえば第18図(a)の
ようにスペックル93′のサイズがCCD43の1画素Gに比
較して大きい場合には、CCD43の1画素に入射する光量
が減ってしまい十分な強度のスペックル信号が得られず
第18図(b)のようになる。又逆に第18図(e)のよう
にスペックル93′のサイズがCCD43の1画素Gに比較し
て小さい場合にはCCD43の各画素に入射する光量が平均
化されてしまい、第18図(f)に図示したようにコント
ラストのないスペックル信号93Aのようになってしま
う。スペックルサイズとCCD43の1画素のサイズの関係
は第18図(c)のようにほぼ等しいような関係になると
第18図(d)に図示したように良好なスペックル信号93
aが得られる。
[他の実施例] 第19図以下に説明する実施例は、前実施例と目的は同
じであるが、血流速度測定用と血管径測定及び観察用の
光学系を眼底を物体面としたときの物体面に対するフラ
ウンホーファー回折面に配置した穴開きミラーで分離す
る場合の実施例である。以下の説明では前実施例と同じ
ものは図示が省略されており、また同一部分には同一の
参照番号が付されており、その説明は省略されている。
第19図に示した装置において、スペックル光、観察光
は可動ミラー30で反射され、眼底16bに対するフラウン
ホーファー回折面に配置された穴開きミラー101で再び
反射され結像レンズ103を介して波長分離ミラー34で分
離される。波長分離ミラー34を通過した光は、リレーレ
ンズ104よりレチクル36に結像される。一方、穴開きミ
ラー101の穴を通過した光は、結像レンズ102によってピ
ンホール38に結像される。
この場合、観察される像とCCD上での像が第20図と第2
1図に図示されている。第20図に図示したように穴開き
ミラー101の穴は観察されない。又第21図に図示したよ
うにCCD34は、測定している血管16cと同じ位置にあるよ
うに設計することができ、前実施例と同様間接的に自動
追従や血管径の測定を行うのではなく、直接測定部位の
自動追従や血管径を測定することが可能になる。なお、
スペックルの性質からフォトマル40で検出できる光量は
前実施例と同じ量のものを検出することが可能である。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明では、識別された血管部
分により血管径を測定することにより血流量を算出する
ようにしているので血流量の正確な測定が可能になり、
正確な眼科診断が保証される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明装置の全体構成を示した構成図、第2
図は、リングスリットの構成を示した構成図、第3図
は、フィルタの分光特性を示した説明図、第4図及び第
5図は、観察される眼底像を示した説明図、第6図は、
信号処理部の構成を示したブロック図、第7図は、像面
に形成される血管像を示した説明図、第8図は、検出開
口の構成を示した構成図、第9図及び第10図は、遅れ時
間と相関の関係を示した特性図、第11図は、血流速度を
求めるためのデータの特性を示した線図、第12図は、信
号処理部の構成を示したブロック図、第13図は、絶対値
回路からの出力信号の波形を示した波形図、第14図は、
リミッタ増幅器の出力信号の波形を示した波形図、第15
図は、血管探索時の制御の流れを示したフローチャート
図、第16図は、血管部分を自動追従するときの制御の流
れを示したフローチャート図、第17図は、血管部分の中
心位置を補正する場合の制御の流れを示したフローチャ
ート図、第18図(a)〜(f)は、スペックルサイズ、
CCDの画素サイズの関係と出力信号を示した説明図、第1
9図は、本発明の他の実施例の構成を示す構成図、第20
図及び第21図は、観察される眼底の像を示した説明図で
ある。 1……レーザー光源 8……可動ミラー 16b……眼底 18……観察光源 20……撮影光源 30……可動ミラー 40……フォトマル 41……信号解析部 44……信号処理部 45……演算部

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】眼底部に所定径のレーザー光を照射し、眼
    底部からの散乱反射光によって形成されるスペックルパ
    ターンの移動を光強度変化として検出し、それにより得
    られるスペックル信号を解析することにより眼科診断を
    行う眼科診断装置において、 レーザー光束を対象血管にその血管径より大きな所定径
    で照射する光学系と、 前記スペックルパターンを眼底と共役な像面に形成する
    光学系と、 前記スペックルパターンの移動を光強度変化として検出
    する第1の検出手段と、 前記第1の検出手段より得られるスペックル信号により
    血流状態を測定して血流速度を求める手段と、 前記スペックルパターンの移動を光強度変化として検出
    する第2の検出手段と、 前記第2の検出手段より得られるスペックル信号により
    血管部を識別し、血管径を測定する手段と、 前記測定された血流速度と血管径から血管の血流量を算
    出する手段を設けたことを特徴とする眼科診断装置。
  2. 【請求項2】前記スペックルパターンを眼底と共役な像
    面に形成する光学系を血流速度及び血管径測定用の光学
    系に分離する手段を設けることを特徴とする請求項第1
    項に記載の眼科診断装置。
  3. 【請求項3】前記分離する手段が穴開きミラーであるこ
    とを特徴とする請求項第2項に記載の眼科診断装置。
  4. 【請求項4】前記穴開きミラーを眼底とほぼ共役な位置
    に配置することを特徴とする請求項第3項に記載の眼科
    診断装置。
  5. 【請求項5】前記穴開きミラーの穴の部分の像と前記第
    2の検出手段が検出する血管像を重ねて観察できるよう
    にしたことを特徴とする請求項第4項に記載の眼科診断
    装置。
  6. 【請求項6】前記穴開きミラーの穴の径が穴開きミラー
    の位置の周辺に形成されるスペックルパターンと所定の
    関係を持つようにし、穴開きミラーの穴よりスペックル
    パターンの移動を検出し、得られたスペックル信号を解
    析することにより前記血流状態を測定するようにしたこ
    とを特徴とする請求項第3項から第5項までのいずれか
    1項に記載の眼科診断装置。
  7. 【請求項7】前記穴開きミラーを眼底を物体面としたと
    きの物体面に対するフラウンホーファー回折面に配置す
    るようにしたことを特徴とする請求項第3項に記載の眼
    科診断装置。
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