JP4261179B2 - ダクトおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面に繊維状シートを貼り付けたダクトおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の空調装置の冷気や冷媒のプラスチック製ダクトにおいて、その表面に顆粒状の高吸水性樹脂を塗布した不織布を貼り付けて吸水性を向上させたものは、特開平6−166096号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前掲の特開平6−166096号公報に記載されているダクトにおいては、その表面に顆粒状の高吸水性樹脂を塗布した不織布を貼り付けてあるので、表面に結露して生じた水滴の吸水性にすぐれているが、顆粒状の高吸水性樹脂は不織布の表面に塗布されているものであるから、振動などが長期間にわたって加わることによる経時的劣化により、顆粒状の高吸水性樹脂が不織布の目を通して離脱してしまい、吸水性が損なわれることが指摘されていた。
【0004】
そこで本発明は、上記の技術的課題を解決することを目的とするものであって、ダクトの表面に貼り付ける繊維状シートを、その大部分をなす基本繊維と、その表面を覆う吸水性能を有しかつ前記基本繊維と親和性を有する共重合体成分を共重合させてなる被覆層とで構成することにより、振動等を受けながら長期間にわたって使用しても、基本繊維から吸水性能を有する被覆層の離脱が生じず、高度の吸水性能を維持することができるという機能を有するダクト、およびその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、請求項1に記載するダクト、および請求項に記載するダクトの製造方法を提案するものである。すなわち、請求項1に係るダクトは、表面に繊維状シートを貼り付けたダクトであって、その繊維状シートは、繊維の大部分をなす基本繊維とその表面を覆う被覆層とで構成されており、被覆層は吸水性能を有しかつ前記繊維状シートの大部分をなす基本繊維と親和性を有する共重合体成分を共重合させてなることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に係るダクトの製造法は、表面に繊維状シートを貼り付けたダクトの製造方法であって、繊維の大部分をなす基本繊維とその表面を覆う被覆層とで構成され、かつ被覆層は吸水性能を有しかつ前記基本繊維と親和性を有する共重合体成分を共重合させてなる繊維状シートを金型にインサートし、ブロー成形して表面に繊維状シートを貼り付けたダクトを形成することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係るダクトの斜視図、図2はシート状繊維を構成する繊維の拡大断面図、図3は本発明に係るダクトのブロー成形態様を示す断面図である。
【0008】
図1において、1はダクトであって、自動車の空調装置のエアコンダクトを例示している。ダクト1は、ポリプロピレンからなり、表面に繊維状シート2を貼り付けたものである。3,4はダクトの開口部、5は取付スティである。
【0009】
繊維状シート2は、図2に詳細を示すように、繊維の大部分をなす基本繊維6とその表面を覆う被覆層7とで構成されており、被覆層7は、吸水性能を有する。ここでいう吸水性能とは、一般にいう吸水性だけでなくを保水性も含むものである。
【0010】
被覆層7を構成する吸水性能を有する物質は、水溶性の物質をイオン架橋または化学架橋により不溶性にした吸水性を有する物質であり、特に、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩およびこれらのブレンド体を架橋し乾燥することにより得られた物質である。より具体的には、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩及びこれらのブレンド体と、架橋剤から構成される。特に、これらに多価アルコールが含まれているとさらに好適である。
【0011】
ここでイオン架橋とは、アルミニウムイオン、亜鉛イオンなどの金属カチオンとカルボキシル基、スルホン酸基等のアニオン基との間にイオン結合による架橋をいい、化学架橋とは、主として共有結合に基づいた分子間結合による架橋をいう。
【0012】
ここでポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩およびこれらのブレンド体とは、アクリル酸ないしその塩を繰り返し単位の主成分とする重合体であり、アクリル酸塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩、セシウム塩などのアルカリ金属塩やアンモニウム塩あるいはアミン塩などが好ましい。
【0013】
また、架橋剤としては、一般的にポリマーの架橋に使用される架橋剤であればよく、イオン架橋できる架橋剤としては酸化アルミニウムや水酸化アルミニウム、カリミョウバン、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミニウム等の金属塩が使用でき、化学架橋できる架橋剤としてはポリエチレンイミンなどのアミン化合物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ化合物等がある。なお、架橋剤の配合量は、10%以下が好ましい。
【0014】
さらに、多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオールなどの2価アルコール類、グリセリン等の3価アルコール類、4価以上のアルコール基を有するソルビトールやポリエチレングリコールである。なお、多価アルコールをブレンドすることにより、架橋された吸水性ポリマーの柔軟性を増すことができる。ブレンド量としては、70重量%までが好ましく、70重量%を超えると吸水性能が低下する。
【0015】
また、被覆層7を構成する保水性を有する物質とは、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの保水性を有する物質である。
【0017】
上記するように被覆層7は、ポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩およびこれらのブレンド体を架橋し乾燥することにより得られた吸水性を有する物質あるいはポリグリセリン脂肪酸エステルなどのような保水性を有する物質により構成されているが、基本繊維との密着性を考慮すると、これらの吸水性を有する物質および保水性を有する物質には、基本繊維6と親和性を有する共重合成分を共重合させることが好ましい。
【0018】
基本繊維6は、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨンなどの再生繊維、アセテート、トリアセテートなどの半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどの合成繊維及びこれらのブレンド繊維である。特に経済性および利便性を考慮すると、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロンの合成繊維が好ましい。
【0019】
図3には、本発明の一実施の形態に係るダクト1をブロー成形する態様が例示されている。8,8は金型であり、9,9はそのキャビティである。ダクト1のブロー成形にあたっては、開いた金型8,8間に、ポリプロピレンを加熱軟化して管状としたパリソン10をヘッド11から押し出して配置するとともに、パリソン10と金型8,8のキャビティ9,9との間に、2枚の繊維状シート2,2を配置する。次いで金型8,8の下端に達した際に、パリソン10の垂下を停止し、金型8,8を閉じパリソン10内に吹込みノズル(図示省略)より加圧流体を導入し、膨脹するパリソン10を繊維状シート2,2に圧接しながら、キャビティ9,9に沿った形状の図1に示すダクト1を成形する。
【0020】
上記のように、金型8,8にインサートする繊維状シート2,2は、繊維の大部分をなす基本繊維6とその表面を覆う被覆層7とで構成されたものであることは前述のとおりであるが、この繊維状シート2,2は、ブロー成形前にポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩およびこれらのブレンド体と架橋剤が混入された槽に浸漬し乾燥して、繊維状シート2の基本繊維6の表面に被覆層7を形成したものである。
【0021】
架橋にあたっては特に限定するものではないが、効率よく架橋を行なうには、上記する被覆層を浸漬またはスプレーにて形成したのち高温(70℃〜80℃)にて加熱して乾燥するのが好適である。
【0022】
繊維の表面をポリアクリル酸塩などの水溶液でコーティングして乾燥しただけでは、結露した後、繊維の表面からポリアクリル酸塩などが離脱してしまうため、化学架橋またはイオン架橋による架橋処理してポリアクリル酸塩などを繊維表面に固定することが必要である。
【0023】
繊維状シート2の基本繊維6の表面に被覆層7を形成する方法としては、ブロー成形前にポリアクリル酸またはポリアクリル酸塩およびこれらのブレンド体と架橋剤をスプレーし乾燥してもよい。
【0024】
本発明に係るダクトは上記するような自動車の空調装置に関するダクトだけでなく、エンジンルーム内のダクトのように車両全般のダクトに使用できるが、さらには事務所や家庭用の空調用のダクトや排気ダクトなど広くに使用できる。本発明に係るダクトは、上記するようにダクトの内部と外部の温度から発生する露点現象に伴う水の落下を防止することを目的とするものであるので、上記する例のほか、このような目的に適合する用途全般に使用できるものであることはいうまでもないことである。
【0025】
本発明に係るダクト1は、ダクトの表面に貼り付ける繊維状シート2を、その大部分をなす基本繊維6と、その表面を覆う吸水性能を有する被覆層7とで構成されるので、長期間にわたって振動等を受け続けても、基本繊維6から吸水性能を有する被覆層7の離脱が生じない。このため、本発明に係るダクト1は、高度の吸水性能を維持することができるという機能を有するのである。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、ダクトの表面に貼り付ける繊維状シートを、その大部分をなす基本繊維と、その表面を覆う吸水性能を有しかつ前記基本繊維と親和性を有する共重合体成分を共重合させてなる被覆層とで構成することにより、振動等を受けながら長期間にわたって使用しても、基本繊維から吸水性能を有する被覆層の離脱が生じず、高度の吸水性またはそれに保水性を兼ね備えた機能を有するダクトを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係るダクトの斜視図である。
【図2】 シート状繊維を構成する繊維の拡大断面図である。
【図3】 本発明に係るダクトのブロー成形態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ダクト
2 繊維シート
3,4 開口部
5 取付スティ
6 基本繊維
7 被覆層
8,8 金型
9,9 キャビティ
10 パリ
11 ヘッド

Claims (2)

  1. 表面に繊維状シートを貼り付けたダクトであって、その繊維状シートは、繊維の大部分をなす基本繊維とその表面を覆う被覆層とで構成されており、被覆層は吸水性能を有しかつ前記繊維状シートの大部分をなす基本繊維と親和性を有する共重合体成分を共重合させてなることを特徴とするダクト。
  2. 表面に繊維状シートを貼り付けたダクトの製造方法であって、繊維の大部分をなす基本繊維とその表面を覆う被覆層とで構成され、かつ被覆層は吸水性能を有しかつ前記基本繊維と親和性を有する共重合体成分を共重合させてなる繊維状シートを金型にインサートし、ブロー成形して表面に繊維状シートを貼り付けたダクトを形成することを特徴とするダクトの製造方法。
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