JP4260945B2 - Automatic transmission - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多板式摩擦係合装置及びワンウェイクラッチを有する自動変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等で用いられている自動変速機は、サンギア、リングギア、ピニオンギア等で構成されたプラネタリギアを有している。このような動力伝達機構の特性の切り換え、すなわち変速は、多板式クラッチや多板式ブレーキといった摩擦係合装置を締結または解放することによって実行される。一般に、これらの多板式摩擦係合装置は、動力の入力側プレートであるドライブプレートと、動力の出力側プレートであるドリブンプレートとが交互に配列された構造を有している。ドライブプレート及びドリブンプレートはプレッシャプレートからの押圧によって挟着されるため、これらのプレート間で動力を伝達することが可能となる。
【0003】
ところで、このような自動変速機では、多板式摩擦係合要素の他にもワンウェイクラッチが用いられているものも多い。そして、例えば、自動変速機の変速をマニュアル操作により行うスポーツシフトでは、ワンウェイクラッチをロックさせると共に、多板式ブレーキも締結させるような係合制御を行う場合がある(例えば1速発進時)。
【0004】
図17は、ワンウェイクラッチがハブ側に取り付けられている従来の多板式摩擦係合要素の構造を示した断面図である。インナーレース71及びハブ(アウターレース)72間には、多数のスプラグ73が配置されており、これらの部材によりワンウェイクラッチが構成されている。スプラグ73が図示したように配置されている状態において、ハブ72がロック方向A(同図における時計方向)に回転する場合(例えば1速加速時)、スプラグ73が立ち上がってインナーレース71とハブ72とを繋止し、ハブ72の回転はロックされる。しかしながら、ハブ72がロック方向Aとは反対の方向へ回転する場合(例えば1速減速時)は、スプラグ73が寝てハブ72は回転可能となる。一方、ハブ72及びミッションケース74間には、図17の紙面の表面から裏面へ向けてドライブプレート75及びドリブンプレート76が交互に配列されている。ドライブプレート75はハブ72とスプライン嵌合しており、ドリブンプレート76はミッションケース74とスプライン嵌合している。ハブ72、ミッションケース74、及び摩擦プレート75,76によりブレーキが構成される。なお、インナーレース71はミッションケース74に固定されている。
【0005】
上記のような構成において、ブレーキが締結した状態で、ハブ72がロック方向Aに回転するケースを考える。ハブ72がロック方向Aに回転するとスプラグ73が立ち上がり始める。ワンウェイクラッチは、スプラグ73が立ち上がらないと、ハブ72の回転を規制(すなわちロック)するような作用は生じない。換言すると、ワンウェイクラッチの規制力は、スプラグ73の立ち上がり分に相当する回転量だけハブ72が回転することによって生じる。従って、ハブ72の回転は、ワンウェイクラッチまたはブレーキのいずれか一方の規制力が生じることにより、規制される。その結果、ワンウェイクラッチの規制力が生じる前に、ブレーキの規制力が作用してしまうことがある。
【0006】
すなわち、図17において、ハブ72がロック方向Aに回転すると、ハブ72及びドライブプレート75の嵌合領域におけるクリアランスa(いわゆるガタ)が詰まり、ドライブプレート75もロック方向Aに回転する。この時点で、ドライブプレート75及びドリブンプレート76が締結状態にあるから、ドリブンプレート76もロック方向Aに回転する。従って、ドリブンプレート76及びミッションケース74の嵌合領域におけるガタであるクリアランスbも詰まるため、ドリブンプレート76の突部がスプライン溝の側部に接触する。そのため、ハブ72のトルク、及びプレート75,76の締結の程度に応じた負荷が、摩擦プレート75,76の突部に加わることになる。アクセルの踏み込み量が大きい全開発進時などにおいては、この負荷が非常に大きくなるためドリブンプレート76が疲労し、その耐久性を低下させてしまうおそれがある。また、このような負荷が頻繁に加わることを考慮して、高価な材料からなる摩擦プレートを用いて摩擦プレート自体の耐久性や強度を向上させるアプローチは、自動変速機のコストアップを招くことになり好ましくない。
【0007】
上記のような問題を意図したものではないが、特公平3−78495号公報(特開昭59−208231)には、アウタレースをワンウェイクラッチのロック方向に常に押圧するような付勢手段が、アウタレースと固定部材間に配設されたワンウェイクラッチが開示されている。このような付勢手段を設けることにより、ワンウェイクラッチがフリーからロックに反転したとき、アウタレースと固定部材との衝撃を防止し、ノイズの発生を防止する。しかしながら、この技術は、摩擦係合装置との関係、特に、ワンウェイクラッチの立ち上がりと摩擦係合装置の締結との関係から生じる上述したような問題については全く意図されておらず、それに起因して構成も相違している。最も特徴的な構成上の相違点は付勢手段が付勢する方向であるが、その詳細については後述する説明から明確に理解できるであろう。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、摩擦プレートに加わる負荷を有効に低減し、摩擦プレートの疲労を抑制することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の発明は、ハブとドラムとの間に複数の摩擦プレートが配列された多板式摩擦係合装置と、ハブまたはドラムの一方の部材側に設けられたワンウェイクラッチとを有する自動変速機において、ハブに形成されたスプライン溝のそれぞれに嵌合される突部が、円周方向に複数形成された第1のプレートと、ドラムに形成されたスプライン溝のそれぞれに嵌合される突部が、円周方向に複数形成された第2のプレートと、ドラムに形成されたスプライン溝と第2のプレートの突部とが嵌合する嵌合領域に設けられ、嵌合領域における第2のプレートの突部を、ワンウェイクラッチが作用するロック方向とは反対の方向に付勢する付勢手段とを有する自動変速機を提供する。
【0010】
また、第2の発明は、ハブとドラムとの間に複数の摩擦プレートが配列された多板式摩擦係合装置と、ハブまたはドラムの一方の部材側に設けられたワンウェイクラッチとを有する自動変速機において、ハブに形成されたスプライン溝のそれぞれに嵌合される突部が、円周方向に複数形成された第1のプレートと、ドラムに形成されたスプライン溝のそれぞれに嵌合される突部が、円周方向に複数形成された第2のプレートと、ハブに形成されたスプライン溝と第1のプレートの突部とが嵌合する嵌合領域に設けられ、嵌合領域における第1のプレートの突部を、ワンウェイクラッチが作用するロック方向とは反対の方向に付勢する付勢手段とを有する自動変速機を提供する。
【0011】
上記の第1及び第2の発明において、嵌合領域における突部には、第1の係合部が設けられており、付勢手段は、第1の係合部と係合する形状を有する第2の係合部を有し、かつ、スプライン溝の底部に配置された板状の弾性部材であって、この弾性部材は、第1の係合部と第2の係合部とが係合した状態において、ハブに形成されたスプライン溝におけるワンウェイクラッチのロック方向側の側部と第1のプレートの突部との間に形成された第1のクリアランスの方が、ドラムに形成されたスプライン溝におけるロック方向側の側部と第2のプレートの突部との間に形成された第2のクリアランスよりも大きくなるような位置に、突部を位置させることが好ましい。
【0012】
この場合、弾性部材は、第1の係合部と第2の係合部とが係合していない状態において、第1のクリアランスの方が第2のクリアランスよりも広くなるような方向に、突部を付勢することが望ましい。
【0013】
また、第1及び第2の発明において、付勢手段は、スプライン溝の側部に取り付けられ、突部をロック方向と反対の方向に付勢する弾性部材であってもよい。この弾性部材は、例えば、ロック方向側の側部に設けられた圧縮スプリングであってもよく、ロック方向とは反対側の側部に設けられた引張スプリングであってもよい。
【0014】
さらに、第1及び第2の発明において、ワンウェイクラッチは、インナーレースと、インナーレース及びハブ間に配設された複数のスプラグを有し、ロック方向においてスプラグが立ち上がることによって、ロック方向おいてのみインナーレースとハブを繋止し、付勢手段は、突部をロック方向とは反対の方向に付勢することによって、スプライン溝のロック方向側の側部と突部との間にクリアランスを生じさせ、クリアランスは、スプラグの立ち上がり分に相当する突部の変位量よりも広いことが望ましい。
【0015】
【作用】
このような構成においては、付勢手段は、その弾性作用によって、摩擦プレートの突部をワンウェイクラッチのロック方向とは反対方向に付勢している。その結果、付勢手段は、この突部とスプライン溝のロック方向側の側部との間のクリアランスを広げるように作用している。従って、ワンウェイクラッチが作用するまでの回転分に相当して突部が変位したとしても、クリアランスが広がっているため、突部がスプライン溝に接触する可能性が低減される。また、仮に接触しても、全負荷の一部を分担して受ける程度となるため負荷は低減される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、一例としての自動変速機における概略的構造を示す図である。エンジンのクランクシャフト9からの駆動力は、トルクコンバータ10を介して、タービンシャフト11に伝達される。変速機の入力軸であるタービンシャフト11は、リアプラネタリギア2のサンギアに連結されている。一方、変速機の出力軸であるリダクションドライブシャフト12は、フロントプラネタリギア1のリングギア及びリアプラネタリギア2のプラネタリキャリアに連結されている。2つのプラネタリギア1,2における各メンバ(サンギア、プラネタリキャリア、リングギア)は、図示したように、3つの多板クラッチ(リバースクラッチ3、ハイクラッチ5、ロークラッチ6)、2つの多板ブレーキ(2&4ブレーキ4、ロー&リバースブレーキ7)、ローワンウェイクラッチ8に連結されている。これらの係合要素(クラッチ、ブレーキ)は、スロットル開度等の各種パラメータに応じて決定される変速段になるように、選択的に係合または解放される。このように動力の伝達または動力の伝達経路を選択的に切り換えることで、この自動変速機は前進4段、後進1段の変速を行うことができる。
【0017】
図2は、図1の変速機における変速位置と係合要素の係合状態との関係を示した表である。この表において、○印は、該当する係合要素が係合していることを表し、ブランクは解放していることを表している。また、◎印は、該当する駆動時のみ係合していることを表している。この変速機における変速は、基本的には、クラッチ・ツウ・クラッチ変速(前段係合要素を解放し後段係合要素を係合する変速)により達成されるが、1速−2速間の変速だけはワンウェイクラッチ・ツウ・クラッチ変速を用いている。
【0018】
ここで、ロー&リバースブレーキ7が締結するのは、セレクト位置がR(リバース)レンジの場合、SPORTシフトの1速の場合、そして、1レンジの1速の場合の3つである。従って、例えば、D(ドライブ)レンジの1速状態で、SPORTシフトにチェンジした場合、ロー&リバースブレーキ7が締結される。1速における加速方向の入力トルクは、ローワンウェイクラッチ8で受けるため、基本的には、ロー&リバースブレーキ7を締結しておく必要はない。しかしながら、ワンウェイクラッチ8のみでは、減速方向(ワンウェイクラッチ8の空転方向)の入力トルクを受けることができない。そこで、エンジンブレーキの利きが要求されるようなレンジ、すなわち1レンジ及びSPORTシフトだけは、1速においてロー&リバースブレーキ7を締結している。なお、ここで、SPORTシフトは、通常のシフトパターン(P−R−N−D−2−1)に対応したゲートとは別に設けられたスポーツゲートにおいて、シフトノブをマニュアル操作することにより、シフトアップ及びシフトダウンを行うセミオートマチックモードである。なお、このSPORTシフトによる変速は、ステアリングホイールに設けられたアップ/ダウンスイッチの操作によって実行できるようにしてもよい。
【0019】
このような自動変速機において、例えばSPORTシフトにおける1速発進時のようにローワンウェイクラッチ8が作用する場合、その作用が生じる前に、ロー&リバースブレーキ7のスプライン嵌合部におけるガタ、すなわちクリアランスが詰まり始める。その際、ローワンウェイクラッチ8が作用する前にロー&リバースブレーキ7のガタ(クリアランス)がなくなると、ロー&リバースブレーキ7を構成する摩擦プレートの突部に加速の程度に応じた負荷が加わる。そこで、本実施例は、このクリアランスを積極的に広げるような付勢機構を設けておくことで、このような負荷が摩擦プレートに加わることを抑制しようとするものである。
【0020】
図3は、ロー&リバースブレーキ7である摩擦係合装置を構成する主要部品を展開した要部斜視図である。動力伝達部材であるロークラッチドラム20には、ロー&リバースブレーキ7用のハブ20aが一体的に設けられており、このハブ20aの内側には、ローワンウェイクラッチ8が取り付けられている。ミッションケースにおけるロー&リバースブレーキ7を収容する部位の内周には、スプライン溝が形成されており、そのスプライン溝の一端側にはスナップリングを組み付ける溝が形成されている。ハブ20a及びミッションケースのスプライン溝間には、ミッションケース側の取付溝に取り付けられるスナップリング21をはじめとして、リテーニングプレート22、摩擦プレート23a,23b、及びディッシュプレート24が組み付けられる。ここで、異なる形状を有する二種類の摩擦プレート、すなわちドライブプレート23a及びドリブンプレート23bは交互に複数配列される。ドライブプレート23aにはその内周に沿って複数の突部が一定の間隔で形成されており、ドリブンプレート23bにはその外周に沿って複数の突部が一定の間隔で形成されている。ドライブプレート23aの突部はハブ20aのスプライン溝とスプライン嵌合している。一方、ドリブンプレート23bの突部はミッションケース側に設けられたスプライン溝とスプライン嵌合している。これらのスプライン溝の幅は、係入される突部の幅よりもやや広く形成されているため、これらの幅の差に相当するクリアランスが嵌合領域において形成される。このような構成により、摩擦プレート23a,23bは軸方向にのみ移動することができる。
【0021】
図4は、図3の摩擦係合装置の要部を示した側面断面図である。なお、この図は、中空のリダクションドライブシャフト26を基準とした摩擦係合装置の下半分だけを図示したもので、実際にはほぼ同様の構成が上半分にも存在している。また、図5は、図4に示したI−I断面図である(上半分の構成も明示)。ドリブンプレート23bは、ハブ20aの同心円上に存在するミッションケース25のスプライン溝とスプライン嵌合している。図示していない油路から供給された油圧に応じてピストン27が移動し、ディッシュプレート24をリテーニングプレート22方向に押圧する。これによって、ドライブプレート23a及びドリブンプレート23bが狭着されるため、これらのプレート23a,23b間で動力を伝達することが可能となる。また、同心円上に配置されているインナーレース28とハブ20aとの間には多数のスプラグ29が配設されており、部材28,20a,29によってローワンウェイクラッチ8が構成されている。インナーレース28は、ボルトによってミッションケース25に締結されている。従って、図5に示したロック方向Aへ向けたハブ20aの回転は、ローワンウェイクラッチにより規制される。ここで、「ロック方向」とは、インナーレースとアウタレースであるハブとを繋ぐ回転制止方向、換言すると、スプラグが立ち上がる回転方向をいう。
【0022】
ドリブンプレート23bとミッションケース25とがスプライン嵌合している複数の嵌合領域のうちの特定の嵌合領域30(図5参照)には、付勢機構である板状スプリング31が装着されている。この板状スプリング31は、嵌合領域30の底部に設けられ、嵌合領域30に沿ってブリッジ状に延在した弾性部材である(図4参照)。板状スプリング31は、詳細については後述するが、その弾性によって、ドリブンプレート23bの突部(嵌合領域30に係入されている突部)をロック方向Aとは反対の方向に常時付勢している。板状スプリング31は、ミッションケース25におけるスプライン溝の開口部25aから挿入され、ミッションケース25の壁部25bに当接している。そして、板状スプリング31の挿入後に、開口部25aに近接して他の部材32(例えば2&4ブレーキのピストンリテーナ)が取り付けられる。従って、挿入された板状スプリング31が嵌合領域30から抜け落ちることはない。
【0023】
図6は、本実施例における板状スプリング31の平面図であり、図7は、図6のA−A断面図である。また、図8は、嵌合領域30における板状スプリング31の状態を説明するための図である。図6及び図7に示したように、板状スプリング31は、ミッションケース25に形成されたスプライン溝25cの軸方向の長さ(延在長)よりも若干長く、ブリッジ形状を有している。この板状スプリング31のうち、ドリブンプレート23bの突部23cと対向するように配置される面には、軸方向に延在する凸部31aが設けられている。ここで、係合部である凸部31aは、スプライン溝25cの幅方向において一方の側(図6の紙面下側)へオフセットして形成されている。板状スプリング31の一端は突部23c側へと折れ曲がっており、掛止面31bが形成されている。板状スプリング31の挿入状態において、板状スプリング31が軸方向に所定量以上変位すると、掛止面31bが図4に示した部材32と当接するため、板状スプリング31が抜け落ちることはない。
【0024】
一方、板状スプリング31の他端も掛止面31bと同方向に折り曲げられ、ストッパー面31cが形成されている。突部23cがスプライン溝25cに係入された状態で、開口部25aからクリアランス(突部23c及びスプライン溝25cの底部間に形成される隙間)に板状スプリング31を挿入していく。すると、ストッパー面31cがミッションケース25の壁部25bに当接する。さらに板状スプリング31を挿入することにより、板状スプリング31は突部23c方向へと撓もうとするような付勢力が生じる。
【0025】
一方、突部23cの略中央には、係合部である凹部23dが形成されている。この凹部23dは、板状スプリング31の凸部31aと係合可能な形状を有している。本実施例では、板状スプリング31の付勢力と、一対の係合部23d,31aとを用いることにより、突部23cを位置決めするものである。すなわち、突部23cを、スプライン溝25cの側部(ローワンウェイクラッチのロック方向Aと反対側の側部)へ付勢するものである。
【0026】
図9は、板状スプリング31が装着された状態を状態別に示した正面断面図である。同図(a)に示したように、ドリブンプレート23b側の凹部23dと板状スプリング31側の凸部31aとが係合した状態にあるときは、突部23cとスプライン溝25cのロック方向A側の側部との間に形成されるクリアランスbは最大となる。ここで、スプライン溝25cの幅をw1とし、突部23cの幅をw2とすると、最大クリアランスbmaxはw1−w2となる。一方、同図(b)のように係合部が係合していない状態(すなわち、ドリブンプレート23bに外力が加わり突部23cがロック方向Aに変位した状態)では、板状スプリング31の付勢力によって、凹部23dが凸部31aの位置に復帰するような作用が働く。
【0027】
このような板状スプリング31を設けていない場合、それぞれのドリブンプレート23bの突部23dは、幅w1の範囲内でランダムに位置しているため、クリアランスbも、0≦b≦bmaxの範囲内でランダムな値をとる。しかしながら、本実施例のように、すべてのドリブンプレート23bの突部23には凹部23dが設けられており、かつ、これらの凹部23dは板状スプリング31の凸部31aと係合している。従って、板状スプリング31の作用により、すべてのドリブンプレート23bに関して、クリアランスbが最大クリアランスbmaxとなるような作用が働いている。
【0028】
このように、板状スプリング31により突部23cをロック方向Aとは反対の方向に付勢して、クリアランスbを大きく取ることにより、ドリブンプレート23bやドライブプレート23aの突部に大きな負荷が加わることを抑制することができる。図17に基づいて説明すると、ハブ72がロック方向Aに回転する場合、ローワンウェイクラッチによるロック作用は、スプラグ73の立ち上がり分に相当する変位量だけハブ72が回転しなければ生じない。ハブ72の回転に伴い、ハブ72とドライブプレート75間のクリアランスaが詰まり、ドライブプレート75が回転し始める。この時、ドライブプレート75とドリブンプレート76が締結していると、ドリブンプレート76も回転する。その結果、ミッションケース74のスプライン溝の側部とドリブンプレート76の突部間に存在するクリアランスbが詰まる。しかしながら、本実施例のような付勢機構31を用いた場合、最大クリアランスbmaxが、スプラグ73の立ち上がり分に相当するドリブンプレート76の突部の変位量よりも大きいならば、突部がスプライン溝に接触することはない。また、仮に接触したとしても、突部が受ける負荷は、全負荷の一部を受ける程度に軽減される。
【0029】
従って、ドリブンプレート及びミッションケースのスプライン嵌合領域や、ドライブプレート及びハブのスプライン嵌合領域に、大きな負荷が加わることを有効に低減することができる。その結果、ドリブンプレートやドライブプレートの疲労を抑制することが可能となる。特に、ドライブプレートはドリブンプレートよりも薄く形成されている関係上、ドライブプレート側の疲労が問題となっていたが、本実施例を適用することでかかる問題を解決することができる。また、耐久性や強度の高いプレート材料を用いる必要性を回避できるため、自動変速機のコストアップを招くことがない。さらに、摩擦プレートの接触音、すなわち、振動等により生じるフリーな状態にあるプレート間の接触音を有効に低減できるという効果もある。
【0030】
(第2の実施例)
図10は、第2の実施例における板状スプリングの側面図であり、図11は、図10の板状スプリングの上面図である。この板状スプリング41は、板をV字状に折り曲げた構造を有している。そして、板状スプリング41の一端を直角に折り曲げて掛止部41aが形成されており、他端も若干折り曲げられている。このような構成により、本実施例における板状スプリングは圧縮スプリングとして作用する。
【0031】
図12は、嵌合領域30における板状スプリング41の状態を説明するための図である。ドリブンプレート23bの突部23cが、ミッションケース25のスプライン溝25cに係入された状態において、板状スプリング41が、ローワンウェイクラッチのロック方向A側のクリアランスに挿入されている。第1の実施例の場合と同様に、板状スプリング41の掛止部41aが、近傍に取り付けられた2&4ブレーキのピストンリテーナ等の部材と当接することで、板状スプリング41がスプライン溝25cから抜け落ちないようになっている。なお、同図に示した矢印は、スプライン溝25cと板状スプリング41との位置関係を示しているにすぎず、板状スプリング41の挿入方向を示しているわけではない。
【0032】
このような構成において、スプライン溝25cのロック方向A側の側部に設けられた板状スプリング41は、その弾性によって、突部23cをロック方向Aとは反対の方向に常時付勢するように作用している。これによって、突部23cは、ロック方向Aとは反対側の側部に当接した状態になっている。そのため、スプライン溝25cにおけるロック方向A側の側部と突部23c間に形成されるクリアランスbを、上述した最大クリアランスbmaxにすることができる。
【0033】
このように、板状スプリング41は、ロック方向A側のクリアランスbが最大クリアランスbmaxになるように付勢している。従って、最大クリアランスbmaxがスプラグの立ち上がり分に相当する突部23cの変位量より大きいならば、突部23cがスプライン溝25cに接触して、大きな負荷が摩擦プレートに加わることを防ぐことができる。従って、第1の実施例で述べた効果と同様の効果を有する。
【0034】
(第3の実施例)
図13は、第3の実施例における付勢機構51の上面図であり、図14は、図13の付勢機構の側面図である。また、図15は、図13のB−B断面図である。この付勢機構51は、係合部51a、一対の引張コイルスプリング51b、及び取付部51cで構成されている。係合部51aは、コ字状の断面を有し、対向する壁部の距離はドリブンプレート23bの突部cの幅よりも若干大きく形成されているので、この係合部51aに突部23cを係合することができる。係合部51aと取付部51cは、引張コイルスプリング51bを介して接続されている。従って、係合部51aは、スプリング51bの弾性作用により、取付部51c側へ向けて常時付勢されている。
【0035】
図16は、嵌合領域30における付勢機構51の状態を説明するための図である。ドリブンプレート23bの突部23cが、ミッションケース25のスプライン溝25cに係入された状態において、それらの間に存在するクリアランス(側部及び底部のクリアランス)に付勢機構51が挿入されている。ここで、取付部51cは、スプライン溝25cにおけるロック方向Aと反対側の底部に形成された切欠溝25fに取り付けられている。なお、同図に示した矢印は、図12の矢印の意味と同様に、スプライン溝25c、突部23c、付勢機構51の三者の位置関係を示しているにすぎず、取り付け方向を示しているわけではない。
【0036】
このような構成において、嵌合領域30に設けられた付勢機構51は、係合部51aにおいて係合している突部23cを、スプリング51bの付勢力によりロック方向Aとは反対の方向に常時付勢している。これによって、突部23cは、ロック方向Aとは反対側の側部に当接した状態になっている。そのため、スプライン溝25cにおけるロック方向A側の側部と突部23c間に形成されるクリアランスbは、上述した最大クリアランスbmaxになる。
【0037】
従って、第1及び第2の実施例で説明した理由と同様の理由により、摩擦プレートに加わる負荷を有効に低減できるため、摩擦プレートの疲労等を抑制することができる。
【0038】
なお、第1から第3の実施例で説明した板状スプリング等の付勢機構31,41,51は一例であり、その他にもコイルスプリングやゴム等の弾性部材を利用して付勢機構を構成した場合であっても、本発明の適用範囲に含まれる。ここで重要なことは、付勢機構が、その機構が有する弾性作用を利用して、突部をロック方向Aとは反対の方向に付勢しているということである。
【0039】
また、第1から第3の実施例は、ドリブンプレート及びミッションケース(ドラム)のスプライン嵌合領域に付勢機構が取り付けられている場合について説明した。しかしながら、本発明の趣旨から、付勢機構をドライブプレート及びハブのスプライン嵌合領域に設けることも可能である。図17に基づき説明すると、ハブ72及びドライブプレート75の嵌合領域におけるクリアランスaを、本発明における付勢機構により広げておく。スプラグ73の立ち上がり分に相当して、ハブ72が変位しても、クリアランスaが広がった分だけ、ドリブンプレート76の突部の変位量を小さくすることができる。その結果、ドリブンプレート76の突部がミッションケース74のスプライン溝に接触することを抑制することが可能となる。また、ワンウェイクラッチは必ずしもハブ側に設けられている必要はなく、ミッションケースの代わりに回転可能なドラムを用いて、そのドラム側にワンウェイクラッチが設けられているような構造においても、本発明を適用することが可能である。
【0040】
さらに、図1及び図2の自動変速機は、本発明が適用可能な一例を示しているにすぎず、本発明を別の構造を有する自動変速機に適用できることは当然である。また、ロー&リバースブレーキ以外の摩擦係合装置に関して適用することも当然に可能である。本明細書中の説明から明らかなように、本発明は、ワンウェイクラッチと協動して係合制御されるさまざまな摩擦係合装置について適用することが可能である。
【0041】
【発明の効果】
このように本発明によれば、スプリング等の付勢機構をスプライン溝に設け、この付勢機構により、摩擦プレートの突部をワンウェイクラッチのロック方向とは反対の方向に付勢している。これにより、スプライン溝のロック方向側の側部と突部との間に形成されるクリアランスを広くすることができる。従って、ワンウェイクラッチのスプラグの立ち上がり相当分だけ摩擦プレートの突部が変位した場合であっても、摩擦プレートの突部がスプライン溝に接触することを有効に抑制することができる。従って、摩擦プレートの突部に過大な負荷が加わることを低減できるため、摩擦プレートの疲労を抑制でき、かつ、摩擦プレートの耐久性の低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一例としての自動変速機における概略的構造を示す図
【図2】図1の自動変速機における変速位置と係合要素の係合状態との関係を示した表
【図3】摩擦係合装置を構成する主要部品を展開した要部斜視図
【図4】図3の摩擦係合装置の要部を示した側面断面図
【図5】図4のI−I断面図
【図6】第1の実施例における板状スプリングの平面図
【図7】図6のA−A断面図
【図8】嵌合領域における板状スプリングの状態を説明するための図
【図9】板状スプリングが装着された状態を状態別に示した正面断面図
【図10】第2の実施例における板状スプリングの側面図
【図11】図10の板状スプリングの上面図
【図12】嵌合領域における板状スプリングの状態を説明するための図
【図13】第3の実施例における付勢機構の上面図
【図14】図13の付勢機構の側面図
【図15】図13のB−B断面図
【図16】嵌合領域における付勢機構の状態を説明するための図
【図17】ワンウェイクラッチがハブ側に設けられた従来の多板式摩擦係合要素の構造を示した断面図
【符号の説明】
1 フロントプラネタリギア、 2 リアプラネタリギア、
3 リバースクラッチ、 4 2&4ブレーキ、
5 ハイクラッチ、 6 ロークラッチ、
7 ロー&リバースブレーキ、 8 ローワンウェイクラッチ、
9 クランクシャフト、 10 トルクコンバータ、
11 タービンシャフト、 12 リダクションドライブシャフト、
20 ロークラッチドラム、 20a ハブ、
21 スナップリング、 22 リテーニングプレート、
23a ドライブプレート、 23b ドリブンプレート、
24 ディッシュプレート、 25 ミッションケース、
26 リダクションドライブシャフト、
27 ビストン、 28 インナーレース、
29 スプラグ、 30 嵌合領域、
31 板状スプリング、 32 他の部材、
41 板状スプリング、 51 付勢機構、
71 インナーレース、 72 アウターレース、
73 スプラグ、 74 ミッションケース、
75 ドライブプレート、 76 ドリブンプレート[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an automatic transmission having a multi-plate friction engagement device and a one-way clutch.
[0002]
[Prior art]
An automatic transmission used in an automobile or the like has a planetary gear composed of a sun gear, a ring gear, a pinion gear, and the like. Such switching of characteristics of the power transmission mechanism, i.e., shifting, is performed by fastening or releasing a friction engagement device such as a multi-plate clutch or a multi-plate brake. Generally, these multi-plate frictional engagement devices have a structure in which drive plates that are power input side plates and driven plates that are power output side plates are alternately arranged. Since the drive plate and the driven plate are clamped by pressing from the pressure plate, power can be transmitted between these plates.
[0003]
By the way, many of such automatic transmissions use a one-way clutch in addition to the multi-plate friction engagement element. For example, in a sports shift in which a shift of an automatic transmission is manually operated, there is a case where engagement control is performed to lock a one-way clutch and to engage a multi-plate brake (for example, at the time of first speed start).
[0004]
FIG. 17 is a cross-sectional view showing the structure of a conventional multi-plate friction engagement element in which a one-way clutch is attached to the hub side. A large number of
[0005]
Consider the case where the
[0006]
That is, in FIG. 17, when the
[0007]
Although not intended for the above-mentioned problem, Japanese Patent Publication No. 3-78495 (Japanese Patent Laid-Open No. 59-208231) discloses an urging means that always presses the outer race in the locking direction of the one-way clutch. And a one-way clutch disposed between the fixed members. By providing such a biasing means, when the one-way clutch is reversed from free to locked, the impact between the outer race and the fixing member is prevented, and the generation of noise is prevented. However, this technique is not intended at all for the above-mentioned problems arising from the relationship with the friction engagement device, in particular, the relationship between the start of the one-way clutch and the engagement of the friction engagement device. The configuration is also different. The most characteristic difference in configuration is the direction in which the urging means urges, and the details thereof can be clearly understood from the description given later.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In view of such problems of the prior art, an object of the present invention is to effectively reduce the load applied to the friction plate and suppress fatigue of the friction plate.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve such a problem, a first invention includes a multi-plate friction engagement device in which a plurality of friction plates are arranged between a hub and a drum, and a one-way provided on one member side of the hub or the drum. In an automatic transmission having a clutch, a first plate having a plurality of protrusions fitted in each of the spline grooves formed in the hub, and a plurality of spline grooves formed in the drum. Are provided in a fitting region where a plurality of second plates formed in the circumferential direction, spline grooves formed in the drum and the projections of the second plate are fitted, Provided is an automatic transmission having biasing means for biasing a protrusion of a second plate in a fitting region in a direction opposite to a locking direction in which a one-way clutch acts.
[0010]
The second invention is an automatic transmission having a multi-plate friction engagement device in which a plurality of friction plates are arranged between a hub and a drum, and a one-way clutch provided on one side of the hub or drum. In the machine, the protrusions fitted into the respective spline grooves formed in the hub have a plurality of first plates formed in the circumferential direction and the protrusions fitted into the respective spline grooves formed in the drum. Are provided in a fitting region where a plurality of second plates formed in the circumferential direction, a spline groove formed in the hub and a projection of the first plate are fitted, and the first in the fitting region. There is provided an automatic transmission having an urging means for urging the protruding portion of the plate in a direction opposite to the locking direction in which the one-way clutch acts.
[0011]
In the first and second inventions described above, the protrusion in the fitting region is provided with a first engagement portion, and the biasing means has a shape that engages with the first engagement portion. A plate-like elastic member having a second engaging portion and disposed at the bottom of the spline groove, wherein the elastic member is engaged with the first engaging portion and the second engaging portion. In the combined state, Formed in the hub The side of the spline groove on the lock direction side of the one-way clutch and Of the first plate The first clearance formed between the protrusions is Formed on the drum Lock direction in spline groove ~ side Side of and Of the second plate It is preferable to position the protrusion at a position that is larger than the second clearance formed between the protrusion and the protrusion.
[0012]
In this case, the elastic member is in a direction in which the first clearance is wider than the second clearance in a state where the first engagement portion and the second engagement portion are not engaged. It is desirable to bias the protrusion.
[0013]
In the first and second inventions, the biasing means may be an elastic member that is attached to a side portion of the spline groove and biases the protrusion in a direction opposite to the locking direction. This elastic member may be, for example, a compression spring provided on the side portion on the lock direction side or a tension spring provided on the side portion on the opposite side to the lock direction.
[0014]
Furthermore, in the first and second inventions, the one-way clutch has an inner race and a plurality of sprags disposed between the inner race and the hub, and the sprags rise in the lock direction so that only in the lock direction. The inner race and the hub are locked, and the biasing means biases the protrusion in a direction opposite to the locking direction, thereby generating a clearance between the side of the spline groove on the lock direction side and the protrusion. The clearance is preferably wider than the amount of displacement of the protrusion corresponding to the rising amount of the sprag.
[0015]
[Action]
In such a configuration, the urging means urges the protrusion of the friction plate in the direction opposite to the locking direction of the one-way clutch by its elastic action. As a result, the urging means acts to widen the clearance between the protrusion and the side of the spline groove on the lock direction side. Therefore, even if the protrusion is displaced corresponding to the amount of rotation until the one-way clutch is actuated, the clearance is widened, so that the possibility that the protrusion contacts the spline groove is reduced. Moreover, even if it contacts, it will become a grade which will receive and share a part of total load, and a load is reduced.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a diagram illustrating a schematic structure of an automatic transmission as an example. The driving force from the
[0017]
FIG. 2 is a table showing the relationship between the shift position and the engagement state of the engagement element in the transmission of FIG. In this table, a circle indicates that the corresponding engagement element is engaged, and a blank indicates that it is released. In addition, ◎ indicates that the engagement is performed only at the time of the corresponding drive. The shift in this transmission is basically achieved by a clutch-to-clutch shift (a shift in which the front-stage engagement element is released and the rear-stage engagement element is engaged). Only uses one-way clutch-to-clutch shifting.
[0018]
Here, the low & reverse brake 7 is engaged in three cases: the select position is in the R (reverse) range, the first speed of the SPORT shift, and the first speed in one range. Therefore, for example, when changing to the SPORT shift in the first speed state of the D (drive) range, the low & reverse brake 7 is engaged. Since the input torque in the acceleration direction at the first speed is received by the low one-
[0019]
In such an automatic transmission, when the low one-way clutch 8 acts, for example, at the time of the first speed start in the SPORT shift, before the action occurs, the play at the spline fitting portion of the low & reverse brake 7, that is, the clearance Begins to clog. At this time, if the play (clearance) of the low & reverse brake 7 disappears before the low one-way clutch 8 acts, a load corresponding to the degree of acceleration is applied to the protrusion of the friction plate constituting the low & reverse brake 7. Therefore, in this embodiment, an urging mechanism that positively widens the clearance is provided to suppress such a load from being applied to the friction plate.
[0020]
FIG. 3 is a perspective view of a main part in which main components constituting the friction engagement device which is the low and reverse brake 7 are developed. A low
[0021]
FIG. 4 is a side cross-sectional view showing a main part of the friction engagement device of FIG. This figure shows only the lower half of the friction engagement device based on the hollow
[0022]
A plate-
[0023]
FIG. 6 is a plan view of the
[0024]
On the other hand, the other end of the
[0025]
On the other hand, a
[0026]
FIG. 9 is a front sectional view showing the state in which the
[0027]
When such a plate-
[0028]
In this way, a large load is applied to the protrusions of the driven
[0029]
Therefore, it is possible to effectively reduce a large load applied to the spline fitting region of the driven plate and the transmission case and the spline fitting region of the drive plate and the hub. As a result, it becomes possible to suppress the fatigue of the driven plate and the drive plate. In particular, since the drive plate is formed thinner than the driven plate, fatigue on the drive plate side has been a problem, but this problem can be solved by applying this embodiment. Further, since it is possible to avoid the need to use plate materials having high durability and high strength, the cost of the automatic transmission is not increased. Furthermore, there is an effect that the contact sound of the friction plate, that is, the contact sound between the plates in a free state caused by vibration or the like can be effectively reduced.
[0030]
(Second embodiment)
10 is a side view of the plate spring in the second embodiment, and FIG. 11 is a top view of the plate spring of FIG. The
[0031]
FIG. 12 is a view for explaining the state of the
[0032]
In such a configuration, the
[0033]
Thus, the plate-
[0034]
(Third embodiment)
13 is a top view of the
[0035]
FIG. 16 is a view for explaining the state of the
[0036]
In such a configuration, the urging
[0037]
Therefore, because the load applied to the friction plate can be effectively reduced for the same reason as described in the first and second embodiments, fatigue of the friction plate can be suppressed.
[0038]
The urging
[0039]
In the first to third embodiments, the case where the urging mechanism is attached to the spline fitting region of the driven plate and the transmission case (drum) has been described. However, for the purpose of the present invention, it is also possible to provide the urging mechanism in the spline fitting region of the drive plate and the hub. If it demonstrates based on FIG. 17, the clearance a in the fitting area | region of the
[0040]
Further, the automatic transmission of FIGS. 1 and 2 is merely an example to which the present invention can be applied, and it is natural that the present invention can be applied to an automatic transmission having another structure. Of course, the present invention can be applied to a friction engagement device other than the low and reverse brake. As will be apparent from the description herein, the present invention can be applied to various friction engagement devices that are engaged and controlled in cooperation with the one-way clutch.
[0041]
【The invention's effect】
Thus, according to the present invention, a biasing mechanism such as a spring is provided in the spline groove, and the biasing mechanism biases the protrusion of the friction plate in a direction opposite to the locking direction of the one-way clutch. Thereby, the clearance formed between the side part on the lock direction side of the spline groove and the protrusion can be widened. Therefore, even when the protrusion of the friction plate is displaced by an amount corresponding to the rise of the sprag of the one-way clutch, it is possible to effectively suppress the protrusion of the friction plate from contacting the spline groove. Therefore, since it can reduce that an excessive load is added to the protrusion of a friction plate, it becomes possible to suppress the fatigue of a friction plate and to suppress the fall of durability of a friction plate.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a schematic structure of an automatic transmission as an example.
FIG. 2 is a table showing the relationship between the shift position and the engagement state of the engagement element in the automatic transmission of FIG.
FIG. 3 is a perspective view of a main part in which main components constituting the friction engagement device are developed.
4 is a side cross-sectional view showing a main part of the friction engagement device of FIG. 3;
5 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG.
FIG. 6 is a plan view of a plate spring in the first embodiment.
7 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG.
FIG. 8 is a view for explaining the state of the plate spring in the fitting region;
FIG. 9 is a front cross-sectional view showing a state in which a plate-like spring is mounted by state.
FIG. 10 is a side view of a plate spring in a second embodiment.
11 is a top view of the plate spring of FIG.
FIG. 12 is a view for explaining the state of the plate spring in the fitting region;
FIG. 13 is a top view of an urging mechanism according to a third embodiment.
14 is a side view of the biasing mechanism of FIG.
15 is a sectional view taken along line BB in FIG.
FIG. 16 is a diagram for explaining the state of the urging mechanism in the fitting region;
FIG. 17 is a cross-sectional view showing the structure of a conventional multi-plate friction engagement element in which a one-way clutch is provided on the hub side.
[Explanation of symbols]
1 Front planetary gear, 2 Rear planetary gear,
3 Reverse clutch, 4 2 & 4 brake,
5 High clutch, 6 Low clutch,
7 Low and reverse brake, 8 Low one-way clutch,
9 Crankshaft, 10 Torque converter,
11 Turbine shaft, 12 Reduction drive shaft,
20 low clutch drum, 20a hub,
21 Snap ring, 22 Retaining plate,
23a Drive plate, 23b Driven plate,
24 dish plate, 25 mission case,
26 Reduction drive shaft,
27 Biston, 28 Inner race,
29 sprags, 30 mating areas,
31 plate spring, 32 other members,
41 plate spring, 51 biasing mechanism,
71 inner race, 72 outer race,
73 Sprag, 74 Mission Case,
75 drive plate, 76 driven plate
Claims (8)
前記ハブに形成されたスプライン溝のそれぞれに嵌合される突部が、円周方向に複数形成された第1のプレートと、
前記ドラムに形成されたスプライン溝のそれぞれに嵌合される突部が、円周方向に複数形成された第2のプレートと、
前記ドラムに形成された前記スプライン溝と前記第2のプレートの前記突部とが嵌合する嵌合領域に設けられ、前記嵌合領域における前記第2のプレートの前記突部を、前記ワンウェイクラッチが作用するロック方向とは反対の方向に付勢する付勢手段と
を有することを特徴とする自動変速機。In an automatic transmission having a multi-plate friction engagement device in which a plurality of friction plates are arranged between a hub and a drum, and a one-way clutch provided on one member side of the hub or the drum,
A first plate in which a plurality of protrusions fitted in each of the spline grooves formed in the hub are formed in the circumferential direction;
A second plate in which a plurality of protrusions fitted in each of the spline grooves formed in the drum are formed in the circumferential direction;
The one-way clutch is provided in a fitting region in which the spline groove formed in the drum and the projection of the second plate are fitted, and the projection of the second plate in the fitting region is connected to the one-way clutch. An automatic transmission comprising urging means for urging in a direction opposite to the lock direction in which the air acts.
前記ハブに形成されたスプライン溝のそれぞれに嵌合される突部が、円周方向に複数形成された第1のプレートと、
前記ドラムに形成されたスプライン溝のそれぞれに嵌合される突部が、円周方向に複数形成された第2のプレートと、
前記ハブに形成された前記スプライン溝と前記第1のプレートの前記突部とが嵌合する嵌合領域に設けられ、前記嵌合領域における前記第1のプレートの前記突部を、前記ワンウェイクラッチが作用するロック方向とは反対の方向に付勢する付勢手段と
を有することを特徴とする自動変速機。In an automatic transmission having a multi-plate friction engagement device in which a plurality of friction plates are arranged between a hub and a drum, and a one-way clutch provided on one member side of the hub or the drum,
A first plate in which a plurality of protrusions fitted in each of the spline grooves formed in the hub are formed in the circumferential direction;
A second plate in which a plurality of protrusions fitted in each of the spline grooves formed in the drum are formed in the circumferential direction;
The one-way clutch is provided in a fitting region where the spline groove formed in the hub and the projection of the first plate are fitted, and the projection of the first plate in the fitting region is connected to the one-way clutch. An automatic transmission comprising urging means for urging in a direction opposite to the lock direction in which the air acts.
前記付勢手段は、前記第1の係合部と係合する形状を有する第2の係合部を有し、かつ、前記スプライン溝の底部に配置された板状の弾性部材であって、
前記弾性部材は、前記第1の係合部と前記第2の係合部とが係合した状態において、前記ハブに形成されたスプライン溝における前記ワンウェイクラッチの前記ロック方向側の側部と前記第1のプレートの突部との間に形成された第1のクリアランスの方が、前記ドラムに形成されたスプライン溝における前記ロック方向側の側部と前記第2のプレートの突部との間に形成された第2のクリアランスよりも大きくなるような位置に、前記突部を位置させることを特徴とする請求項1または2に記載された自動変速機。The protrusion in the fitting region is provided with a first engagement portion,
The biasing means is a plate-like elastic member that has a second engagement portion having a shape that engages with the first engagement portion, and is disposed at the bottom of the spline groove,
In the state where the first engagement portion and the second engagement portion are engaged, the elastic member includes a side portion on the lock direction side of the one-way clutch in a spline groove formed in the hub, and The first clearance formed between the protrusion of the first plate is between the side of the lock direction side of the spline groove formed in the drum and the protrusion of the second plate. 3. The automatic transmission according to claim 1, wherein the protrusion is positioned at a position that is larger than a second clearance formed in the first and second clearances.
前記付勢手段は、前記突部を前記ロック方向とは反対の方向に付勢することによって、前記スプライン溝の前記ロック方向側の側部と前記突部との間にクリアランスを生じさせ、
前記クリアランスは、前記スプラグの立ち上がり分に相当する前記突部の変位量よりも広いことを特徴とする請求項1または2に記載された自動変速機。The one-way clutch has an inner race and a plurality of sprags arranged between the inner race and the hub, and the sprag rises in the locking direction, so that the inner race and the only in the locking direction. Lock the hub,
The biasing means biases the protrusion in a direction opposite to the lock direction, thereby generating a clearance between the side of the spline groove on the lock direction side and the protrusion,
3. The automatic transmission according to claim 1, wherein the clearance is wider than a displacement amount of the protrusion corresponding to a rising portion of the sprag. 4.
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