JP4255297B2 - マイクロ化学プロセス用基材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複雑な流路や微細表面形状などを有するマイクロ化学プロセス用基材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
少量の溶液や検体液を用いて反応、培養、分別、精製、吸着、分析などを行ったり、微細パターンを転写したり、微小刺激に応答して駆動したりすることが可能なマイクロ化学プロセスが、迅速性、正確性、低コスト、安全性、環境対応性などの観点から、注目され、種々の目的に対して開発が進められている(例えば、非特許文献1参照)。
近年マイクロ化学プロセスとして、目的によりマイクロリアクター、マイクロアナリシス、バイオチップ、マイクロフィルトレーション、マイクロマシン、リソグラフィーなどの名前で呼ばれるものが含まれるようになってきている。このようなマイクロ化学プロセスのためには、微小で複雑な外形形状を有したり、微少量の液体やガスを流すことができるように設計された微細な流路を有したり、表面に微細な凹凸パターン等を有するマイクロ化学プロセス用基材が必要となっている。
そのようなマイクロ化学プロセス用基材としては、外形形状が目的に応じた形に加工されたものであること、表面に微細凹凸パターンを有するものであること、基材の一部に圧力や歪み、または加温や冷却が加えられるもの、また、例えば、直線部、曲線部、分岐部、拡大部、縮小部などを含む単純または複雑に入り込んだ流路が形成されており、更に流路内またはその近傍に必要に応じて混合器、濾過器、停止弁、流路変更弁、液溜まり、吸着部、加温/冷却部などを有するものであることなどが必要とされる。
一方、高分子ゲルとしては有機高分子の三次元架橋物が水または有機溶媒を含んで膨潤したものであり、ソフトマテリアル(柔軟材料)、振動制御材料、高吸水性材料、薬剤放出制御剤、アクチュエータなどとして、医療・医薬、食品、土木、バイオエンジニアリング、スポーツ関連などの分野で広く応用が検討されている(例えば、非特許文献2参照)。
しかしながら、これまでマイクロ化学プロセス用基材の殆どは、固体状のガラス、金属、またはプラスチックからなるものであり、例えばマイクロリアクターにおいて、温度応答性高分子ゲルの微粒子を弁の一部の材料として用いることなどが検討された例はあっても、高分子ゲルを主材料または主材料の一つとするマイクロ化学プロセス用基材は得られていなかった。これは一つには、高分子ゲルがソフトマテリアルで、一般に脆く、壊れやすいこと、また分岐部や曲線部や拡大部/縮小部などを含む複雑な流路を内部に形成したり、微細な表面凹凸や外形形状を安定して形成することが困難だったためである。また他の部材との接合や埋め込みなどが十分行えない場合もあった。
【非特許文献1】
W.Ehrfeld編、「Maicroreaction Technology:Industrial Prospects(IMRET3)」Springer社、Berlin−Heidelberg(2000)
【非特許文献2】
「ゲルハンドブック」長田義仁、梶原莞爾編:エヌ・ティー・エヌ株式会社、1997年
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、微細で複雑な外形形状、表面凹凸、内部流路、内部空隙などを有し、機能性及び取り扱い性に優れたマイクロ化学プロセス用基材及びその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究に取り組んだ結果、水溶性有機モノマーを粘土鉱物共存下の水溶液中で重合して得られる高分子ゲルを用いて、微細で複雑な流路、空隙、表面凹凸、外形形状などを有する、優れたマイクロ化学プロセス用基材が調製できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、水溶性有機モノマーとして ( メタ ) アクリルアミド類又は(メタ)アクリルエステル類を用いた重合物と層状に剥離した水膨潤性粘土鉱物が三次元網目を形成してなる高分子ゲルを主材料として用い、流路を該高分子ゲル内部に含む、および/または該高分子ゲルの表面に凹凸を有することを特徴とするマイクロ化学プロセス用基材に関する。
また、本発明は、マイクロ化学プロセス用基材を成形することができる一つまたは複数の鋳型に、水溶性有機モノマーと微分散した水膨潤性粘土鉱物を含む水溶液を注入し,該水溶性有機モノマーを重合させて高分子ゲルを調製した後,該高分子ゲルを該鋳型から離型するマイクロ化学プロセス用基材の製造方法であって、該水溶性有機モノマーが ( メタ ) アクリルアミド類又は(メタ)アクリルエステル類であることを特徴とする上記のマイクロ化学プロセス用基材の製造方法に関する。
更に、本発明は、水溶性有機モノマーと水膨潤性粘度鉱物を含む水溶液中にマイクロ化学プロセス用基材を成形することができる一つまたは複数の鋳型を独立または連結した状態で浸し,該水溶性有機モノマーを重合させて高分子ゲルを調製した後、生成した高分子ゲル中から鋳型の一部または全部を取り除くことにより,三次元的に複雑な形状を有するマイクロ化学プロセス用基材を得るマイクロ化学プロセス用基材の製造方法であって、該水溶性有機モノマーが ( メタ ) アクリルアミド類又は(メタ)アクリルエステル類であることを特徴とする上記のマイクロ化学プロセス用基材の製造方法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明におけるマイクロ化学プロセス用基材は、水膨潤性粘土鉱物を含有する高分子ゲルを主成分とするもの、好ましくは水膨潤性粘土鉱物と高分子が三次元網目を形成しているものであって、他の成分も含有することができる。
【0006】
なお、水膨潤性粘土鉱物を含有する高分子ゲルと共に用いられる他成分としては、特に限定されず、マイクロ化学プロセス用基材の一部として有効なものが一つまたは複数組み合わせて用いられる。具体的には、例えば、シリカガラスや石英、シリコン、銅、アルミニウム等の金属、チタニアやアルミナなどの金属酸化物、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、テトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、ポリメチルメタクリレートやポリヒドロキシエチルアクリレートなどのアクリル樹脂、ナイロン6やナイロン66などのアミド樹脂、エポキシ樹脂などがあげられる。
【0007】
本発明におけるマイクロ化学プロセス用基材は、好ましくは内部に曲線形状、分岐形状、拡大部及び/又は縮小部を有する形状から選ばれる形状の部分を一つ以上を含む流路、及び/または表面に凹凸を有するものである。これらの形状と共に、直線状の形状からなる流路部分を有するものも使用することができる。特に曲線形状、分岐形状、拡大部及び/又は縮小部を有する形状から選ばれる形状の部分を有したり、外表面に複雑で微細な凹凸を有するマイクロ化学プロセス用基材は、使用される水膨潤性粘土鉱物を含有する高分子ゲルの特性、即ち高い靭性や強度を活用することで製造が可能となる。
【0008】
本発明におけるマイクロ化学プロセス用基材に形成される流路としては、一つの連続する流路からなり、拡大部及び/又は縮小部を有する形状の部分を有する場合には、その拡大部の断面積(a)と最小部の断面積(b)の比(a/b)が好ましくは1.1〜200、より好ましくは1.5〜150、特に好ましくは2〜100、最適には3〜50である。かかる(a/b)の比が上記範囲であれば、流路の形状変化の効果が発揮され易く、且つマイクロ化学プロセス用基材の調製がより容易となる。
また、本発明において上記流路の大きさは、その断面の直径または一片の長さがナノメーターサイズからセンチメーターサイズまで、広い範囲から目的に応じて選択でき、特に限定されないが、好ましくは、1mm以下のマイクロメーターまたはナノメーターレベルである。
【0009】
本発明におけるマイクロ化学プロセス用基材は、その表面に凹凸があるものでも使用することができる。かかる凹凸としては、凹部の深さ/幅の比、または凸部の高さ/幅の比が好ましくは0.1〜30であり、より好ましくは凹部または凸部の幅が0.05ミクロンから50mmの範囲にあり、それらの表面凹凸を一つ以上、好ましくは連続して含むものが通常用いられる。
【0010】
本発明の高分子ゲルは水膨潤性粘土鉱物を含有する高分子ゲルであるが、好ましくは水溶性有機モノマーの重合物と層状に剥離した水膨潤性粘土鉱物からなる高分子ゲルであり、より好ましくは両成分が分子レベルで相互作用することにより水中で三次元網目を形成してなるゲルである.従来の有機架橋剤を用いて三次元網目を形成した高分子ゲルの場合は,強度的に脆いため,鋳型を取り除く際やその後の取り扱いにおいて,高分子ゲルが破壊したり,ゲル表面の構造が壊れ,鋳型の形状や表面凹凸を反映したものにならないことが多い。特に好ましくは、有機架橋剤を用いずに調製された水膨潤性粘土鉱物を含む高分子ゲルである。
【0011】
本発明の高分子ゲルに用いる水溶性有機モノマーとしては、水に溶解する性質を有し、且つ水膨潤性粘土鉱物と相互作用を有するものが好ましく、例えば、かかる粘土鉱物と水素結合、イオン結合、配位結合、共有結合等を形成できる官能基を有するものが好ましく用いられる。これらの官能基を有する水溶性有機モノマーとしては、具体的には、アミド基、アミノ基、エステル基、水酸基、カルボキシル基、テトラメチルアンモニウム基、シラノール基、エポキシ基などを有する水溶性有機モノマーが挙げられ、なかでもアミド基やエステル基を有する水溶性有機モノマーが好ましい。なお、本発明で言う水には、水単独以外に、水と混和する有機溶媒をとの混合溶媒で水を主成分とするものが含まれる。
【0012】
上記アミド基を有する水溶性有機モノマーの具体例としては、N−アルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、アクリルアミド等のアクリルアミド類、または、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミド等のメタクリルアミド類、が挙げられる。ここでアルキル基としては炭素数が1〜4のものが特に好ましく選択される。またエステル基を有する水溶性有機モノマーの具体例としては、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレートなどがあげられる。
【0013】
かかる水溶性有機モノマー重合物としては、例えば、ポリ(N−メチルアクリルアミド)、ポリ(N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(アクリロイルモルフォリン)、ポリ(メタクリルアミド)、ポリ(N−メチルメタクリルアミド)、ポリ(N−シクロプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N−イソプロピルメタクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−エチルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド)、ポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、ポリ(N−アクリロイルピロリディン)、ポリ(N−アクリロイルピペリディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルホモピペラディン)、ポリ(N−アクリロイルメチルピペラディン)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(メトキシエチルアクリレート)、ポリ(エトキシエチルアクリレート)、ポリ(メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(エトキシエチルメタクリレート)が例示される。
【0014】
また、水溶性有機モノマー重合物としては、以上のような単一水溶性有機モノマーからの重合物の他、これらから選ばれる複数の異なる水溶性有機モノマーを重合して得られる共重合体を用いることも有効である。また上記水溶性有機モノマーとそれ以外の水溶性有機モノマーまたは有機溶媒可溶性有機モノマーとの共重合体も、得られた重合体が水膨潤性粘土鉱物との複合体を形成する限り使用することができる。
【0015】
本発明における水溶性有機モノマーの重合物は、水溶性や水を吸湿する性質を有する親水性または両親媒性を有するものであり、その内、熱、pHや光に応答する等といった機能性や、生体吸収性を含む生体適合性や生分解性などの特性を有しているものは、用途に応じてより好ましく用いられる。例えば、水溶液中でのポリマー物性(例えば親水性と疎水性)が下限臨界共溶温度(Lower Critical Solution Temperature:LCST)前後のわずかな温度変化により大きく変化する特性を有する水溶性有機モノマー重合物などであり、具体的にはポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)やポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)などが挙げられる。また生体適合性に優れたものとしては、ポリ(メトキシエチルアクリレート)やポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)などがあげられる.なお,本発明の高分子ゲルには,目的に応じて,色素,タンパク質,糖類,医薬成分,芳香成分などを含ませたり,ゲル界面より放出するようにしておくこともできる.
【0016】
本発明の高分子ゲルに用いる粘土鉱物は、水に膨潤性を有するものであり、好ましくは水によって層間が膨潤する性質を有するものが用いられる。より好ましくは少なくとも一部が水中で層状に剥離して分散できるものであり、特に好ましくは水中で1ないし10層以内の厚みの層状に剥離して均一分散できる層状粘土鉱物である。例えば、水膨潤性スメクタイトや水膨潤性雲母などが用いられ、より具体的には、ナトリウムを層間イオンとして含む水膨潤性ヘクトライト、水膨潤性モンモリロナイト、水膨潤性サポナイト、水膨潤性合成雲母などが挙げられる。
【0017】
本発明の高分子ゲルに用いる溶媒は、水または有機溶剤であるが、それらの混合溶媒であっても良い。また、塩などを含む水溶液も使用可能である。有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びそれらの混合溶媒が挙げられる。
【0018】
本発明での高分子ゲルの生成は,まず、水溶性有機モノマーと水膨潤性粘土鉱物を含む水溶液を鋳型と接触させた後,該水溶性有機モノマーを重合させることで行われる。次いで、生成した高分子ゲルを鋳型から離型することにより、鋳型の形状、即ち内部の流路や表面の凹凸を形成したマイクロ化学プロセス用基材が得られる。また、本発明での高分子ゲルの生成には、水溶性有機モノマーと水膨潤性粘度鉱物を含む水溶液中に一つまたは複数の鋳型を独立または連結した状態で浸し,該水溶性有機モノマーを重合させて高分子ゲルを調製する.次いで、生成した高分子ゲル中から鋳型の一部または全部を取り除くことにより,三次元的に複雑な形状を有するマイクロ化学プロセス用基材を得ることができる。
【0019】
上記高分子ゲルの生成の際の水溶性有機モノマーの重合反応は例えば、過酸化物の存在、加熱または紫外線照射など慣用の方法を用いたラジカル重合により行わせることができる。ラジカル重合開始剤および触媒としては、慣用のラジカル重合開始剤および触媒のうちから適宜選択して用いることができる。好ましくは水に分散性を有し、系全体に均一に含まれるものが用いられる。特に好ましくは層状に剥離した水膨潤性粘土鉱物と強い相互作用を有するカチオン系ラジカル重合開始剤である。具体的には、重合開始剤として水溶性の過酸化物、例えばペルオキソ二硫酸カリウムやペルオキソ二硫酸アンモニウム、水溶性のアゾ化合物、例えば、和光純薬工業株式会社製のVA−044、V−50、V−501などが好ましく用いられる。その他、ポリエチレンオキシド鎖を有する水溶性のラジカル開始剤なども用いられる。
【0020】
また触媒としては、3級アミン化合物であるN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンやβ−ジメチルアミノプロピオニトリルなどが好ましく用いられる。重合温度は、用いる水溶性有機高分子、重合触媒および開始剤の種類などに合わせて0℃〜100℃の範囲に設定する。重合時間も触媒、開始剤、重合温度、重合溶液量(厚み)などの重合条件によって異なり、一概に規定できないが、一般に数十秒〜十数時間の間で行う。
【0021】
本発明における高分子ゲルを構成する水溶性有機モノマーの重合物と水膨潤性粘土鉱物との割合は、該重合物と該粘土鉱物とからなるゲル構造体が調製されば良く、また用いる水溶性有機モノマーや該粘土鉱物の種類によっても異なり、必ずしも限定されるものではないが、ゲル合成が容易であることや均一性に優れることなどから、高分子ゲルを構成する固形分の1〜90質量%が水膨潤性粘土鉱物であることが好ましく,より好ましくは3〜70質量%,特に好ましくは10〜50質量%である.かかる量が上記範囲であれば、容易に微細または複雑形状のものが得られ易く、高分子ゲルの調製も容易で、また得られる高分子ゲルも物性により優れている。
【0022】
また本発明における高分子ゲルの含水率は、広い範囲で設定でき、具体的には、水溶性有機モノマーの重合時には30〜99質量%が好ましく、より好ましくは40〜95質量%,特に好ましくは50〜90質量%である.しかし,本発明においては,高分子ゲルを調製後,乾燥することによって低水含有率の高分子ゲルとすることもでき,具体的には高分子ゲルの含水率としては0〜99質量%の範囲を取り得る。
【0023】
本発明のマイクロ化学プロセス用基材を製造するために用いる鋳型としては、球や棒,立方体や楕円形,星形やくさび形などの基本的な形を始めとして,目的とする様々な形状を有するもの,更に表面凹凸を有するものが選択して使用できる。鋳型形状としては、例えば,ミリメーターからナノメーターレベルの大きさの微粒子,ら旋形態を有する細線,異なった大きさを部分的に含む棒,種々の突起部を有する直方体など、更にそれらの形の組合わさった複雑形状があげられる。また鋳型の表面についても,凹凸のない平滑な面から微細な凹凸を有するもの,単一凹凸から繰り返しパターンの凹凸を有するもの、単純な溝状やくぼみ状の凹凸から複雑な凹凸を有するものまで多種多様なものが使用できる.例えば、凹部または凸部の幅が0.05ミクロン〜50mmの範囲にある表面凹凸を含む鋳型は好ましく用いられる。かかる鋳型の形状や表面凹凸の形成には,機械的切削加工、リソグラフィー技術,分子の自己組織化技術,天然物の形態利用など,多くの技術の中から選択して用いられる.これらの鋳型と接触して調製されて得られるマイクロ化学プロセス用基材は,その形状及び表面凹凸が鋳型のそれをほぼ完全に反映した形及び表面凹凸を示す特徴を有する。
【0024】
本発明で用いる鋳型は,鋳型の全面または特定面と反応前の水溶液を接触させる他,反応前の水溶液中に一つまたは複数の鋳型を含ませた状態で用いることができる.水溶液中に複数の鋳型を含ませた状態で用いる場合は,個々の鋳型を独立して配置する場合と,連結して配置する場合が目的に応じて選択出来る.複数の鋳型の連結法としては単純な接触,ねじ式や押し込みなどによる結合,型合わせによる方法など公知慣用の方法から任意に選択される.これらの鋳型を取り外す場合は,組み立てた時の逆の順で順次取り外すことができる.
【0025】
本発明で用いる鋳型の材質は有機材料及び無機材料の中から目的に応じて選択でき特に限定されない.有機材料としては,例えば,天然または合成の有機高分子,結晶または非晶質の有機低分子,有機液体または有機ゲルなどがあげられる.無機材料としては,例えば,各種金属,金属酸化物,炭素材料,無機塩などがあげられる.鋳型の材質としては,水に全く溶解しないか,溶解するものでも特定条件では溶解しがたいものであることが必要である.
【0026】
本発明における鋳型は,高分子ゲルを調製後,少なくともその一部を取り除くことが必要である.高分子ゲルから鋳型を取り除く方法としては,鋳型を剥離したり,一方向に引き抜いて取り除く方法,鋳型を溶解させたり,分解したりして取り除く方法,鋳型を収縮,変形させたりしてから取り除く方法などが有効に用いられる.ここで鋳型の溶解や分解は,高分子ゲルを水と混和性のある有機溶媒に浸漬したり,pHを変えたり,加熱したり,特定波長の光や超音波を照射したりする方法があげられる.本発明においては,高分子ゲルが伸縮性に富んだ高強度ゲルであるため,例えば,表面に深い凹凸を有する鋳型の場合でも,また途中で膨んだ形を有する異型棒状鋳型の場合でも,ゲルが破壊されることがなく、鋳型の剥離や引き抜きが行える特徴を有する。
【0027】
このようにして,一つまたは複数の鋳型を水溶液と接触させたり、水溶液中に含ませてから高分子ゲルを合成し,次いでそれらの鋳型の少なくとも一部を取り除く方法により,鋳型形状及び表面凹凸を微細な部分まで写し出したマイクロ化学プロセス用基材や、直線や曲線部さらには溜まり部からなる流路(液体やガスが流れることの出来る空隙の通路)を有するマイクロ化学プロセス用基材が得られ、更に複数の鋳型を組み合わせて用いた場合は,分岐を有する三次元的に複雑な流路を有するマイクロ化学プロセス用基材の製造が可能となる.また本発明において、以上のようにして高分子ゲルを製造した後、その溶媒(水または水と有機溶剤との混合溶媒)を有機溶剤と置換する方法により、有機溶剤を溶媒とする高分子ゲルとすることが可能である。ここで溶媒置換方法としては、多量の有機溶剤に浸漬して溶媒交換を行う方法や、一端、製造した高分子ゲルを乾燥して、有機溶剤に浸漬する方法が用いられる。
【0028】
本発明におけるマイクロ化学プロセス用基材は、慣用の方法で乾燥し、一部または全部の溶媒を除去することにより,溶媒濃度の低いものや乾燥したものとすることができる。また乾燥したものを、水または有機溶剤などの溶媒に浸漬することにより、内部流路や表面凹凸を有するマイクロ化学プロセス用基材に再生することができる。この際、有機溶剤を含むマイクロ化学プロセス用基材は、水中で高分子ゲルを生成した後、多量の有機溶剤中に浸漬する溶媒交換法によっても製造することができる。
【0029】
而して、マイクロ化学プロセス用基材は、微細で複雑な外形形状、表面凹凸、内部流路、内部空隙などを有し、機能性及び取り扱い性に優れていることにより、前記するようなマイクロ化学プロセス、即ちマイクロリアクター、マイクロアナリシス、バイオチップ、マイクロフィルトレーション、マイクロマシン、リソグラフィーなどに有用なものである。
【0030】
【実施例】
次いで本発明を実施例により、より具体的に説明するが、もとより本発明は、以下に示す実施例にのみ限定されるものではない。
【0031】
(実施例1及び2)
粘土鉱物には、[Mg5.34Li0.66Si8O20(OH)4]Na0.66 +の組成を有する水膨潤性合成ヘクトライト(商標ラポナイトXLG、日本シリカ株式会社製)を用いた。水溶性有機モノマーとして、N−イソプロピルアクリルアミド(NIPA:興人株式会社製)をトルエンとヘキサンの混合溶媒を用いて再結晶し無色針状結晶に精製してから用いた。
重合開始剤は、ペルオキソ二硫酸カリウム(KPS:関東化学株式会社製)をKPS/水=0.192/10(g/g)の割合で純水で希釈し、水溶液にして使用した。触媒は、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA:関東化学株式会社製)をそのまま使用した。水はイオン交換水を蒸留した純水を用いた。水は全て高純度窒素を用いて含有酸素を除去してから使用した。純水18.96gを入れたガラス容器に攪拌しながら0.662gのラポナイトXLGを加え、これにNIPA2.0gを撹拌しながら添加し、次いで氷浴にてTMEDA16μlとKPS水溶液1.06gを攪拌して加えて無色透明水溶液を得た。得られた水溶液をライン幅120ミクロン,深さ50ミクロン(深さ/幅の比が0.42)ののこぎり刃状パターンが5列形成されたガラス(実施例1)、ライン幅2ミクロン、深さ10ミクロン(深さ/幅の比が3)の直方体状パターンがライン間隔5ミクロンで5列形成されたシリコンウェハ(実施例2)を鋳型として含む基板上に厚みが1mmとなるように流延し,20℃で15時間重合を行った.鋳型から高分子ゲルを剥離して,厚み1mmの高分子ゲルシートを得た.高分子ゲル中の含水率(高分子ゲルに含まれる水の質量分率)は88質量%であり,高分子ゲルに含まれる固形分中の粘度鉱物は24.9質量%であった.得られた高分子ゲルの鋳型と接触した微細形状を走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック(株)製1LM15W)を用いて調べた.その結果,ガラス及びシリコンウエハ鋳型のライン幅、形状に対応した凹凸パターンが形成されているのが観測され、高分子ゲルを素材とするマイクロ化学プロセス用基材が得られた。得られたマイクロ化学プロセス用基材はいずれも均一で透明性を有すると共に、例えば、50%の圧縮変形、100%の延伸変形を行っても変形で壊れることはなく、可逆的に元の形状に戻ることが確認された。また、表面に50℃の水を接触させることで、表面が親水性から疎水性に変化することが確認された。
【0032】
(実施例3)
水溶性有機モノマーとして、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA:和光純薬工業株式会社)を5.28g用いること、及び、無機粘土を0.397g用いることを除くと、実施例1と同様にして重合前の無色透明水溶液を得た。上表面に一片40ミクロン,高さ640ミクロン(高さ/幅の比が16)を隙間間隔で400ミクロンで碁盤の目のように配置したアルミ製鋳型(全体は一片が15mmの正方形)鋳型の上に水溶液を厚み3mmに流延した後,20℃で15時間重合を行った.鋳型から高分子ゲルを剥離し,厚み3mmのシート状高分子ゲルを得た.高分子ゲルの含水率は,78質量%,高分子ゲルの固形分中の粘度鉱物の質量比率は7.0質量%であった.得られた高分子ゲルをマルチヴュアーシステム(キーエンス社製VH5910)を用いて観察した結果,一片が40ミクロン、深さが640ミクロンの規則正しい凹部が調製出来ているのが観測され、高分子ゲルを素材とするマイクロ化学プロセス用基材が得られた。得られたマイクロ化学プロセス用基材は均一で透明性を有すると共に、例えば、50%の圧縮変形、200%の延伸変形を行っても変形で壊れることはなく、可逆的に元の形状に戻ることが確認された。また、50℃の水と接触させても、表面が疎水性となることは無く、親水性を示した。
【0033】
(実施例4)
図1に示した異型形状のアルミ製棒鋳型(表面は平滑)(拡大部の断面積aと最小部の断面積bとの比(a/b)が25)4本を上下方向に向けて一定間隔で保持した一辺50mm、高さ60mmの容器に実施例1と同様にして調製した水溶液を入れた後20℃で15時間保持し,重合を行った.その後,容器から高分子ゲルを取り出し,また棒鋳型を上方向にゆっくりと引き抜いた.得られた高分子ゲルは,棒鋳型の取り外し中に変形はするが破壊することなく,取り外し後に棒鋳型と同じ形状及び表面平滑性を有する空隙(流路)を有する高分子ゲルを素材とするマイクロ化学プロセス用基材が得られた.得られたマイクロ化学プロセス用基材は均一で透明性を有すると共に、例えば、50%の圧縮変形、300%の延伸変形を行っても変形で壊れることはなく、可逆的に元の形状に戻ることが確認された。また、流路に50℃と20℃の水を交互に流通させることで、流路内壁面が疎水性と親水性に交互に変化することが確認された。
【0034】
(実施例5)
細部の直径が0.9mmである以外は図1と同様な異型形状のアルミ製棒鋳型(表面は平滑)(最小部の断面積aと拡大部の断面積bとの比(b/a)が123)を用いること、実施例3と同様にして調製した水溶液を用いること以外は実施例4と同様にして高分子ゲルの製造を行った。その後,容器から高分子ゲルを取り出し,また棒鋳型を上方向にゆっくりと引き抜いた.得られた高分子ゲルは,棒鋳型の取り外し中に変形はするが破壊することなく,取り外し後に棒鋳型と同じ形状及び表面平滑性を有する空隙(流路)を有する高分子ゲルを素材とするマイクロ化学プロセス用基材が得られた.得られたマイクロ化学プロセス用基材は均一で透明性を有すると共に、例えば、50%の圧縮変形、300%の延伸変形を行っても変形で壊れることはなく、可逆的に元の形状に戻ることが確認された。また、流路にメチレンブルーを含む水溶液を流通させた場合、流路の壁面においてメチレンブルーが吸着されていくのが観測された。
【0035】
(実施例6)
図2に示すような形状の,アルミ製の棒(直径2mm及び最大部直径9mm)及び中空Y字型(内径1mm:端は連結する棒で蓋をされている)の組み合わせからなる鋳型を含む一辺60mmの容器を用いる以外は,実施例4と同様にして高分子ゲルの製造を行った.鋳型を含む容器に水溶液を入れ,20℃で15時間保持し,重合を行った後,鋳型を構成する棒をその長さ方向に引き抜き,Y字型の中空鋳型を除く全ての鋳型を取り除いた。鋳型の取り外し中に変形はするが破壊することなく、取り外し後に、中央にアルミの中空流路を持ち、且つそれと連結した三次元の空隙流路を持つ高分子ゲルを素材とするマイクロ化学プロセス用基材が得られた。得られたマイクロ化学プロセス用基材は均一で透明性を有すると共に、例えば、50%の圧縮変形、300%の延伸変形を行っても変形で壊れることはなく、可逆的に元の形状に戻ることが確認された。また、流路の上部(A,B)からそれぞれ異なる液(ヘキサンとヘプタン)を流すことによって、それらが流路内で混合され、混合液が流路の下部(C,D)に排出されるのが観測された。
【0036】
(比較例1)
実施例1と同様にして調製した水溶液を,厚み5mmのガラス板の間に流し込み,20℃で15時間保持して,厚み5mmの高分子ゲルを得た.これの表面をカッターナイフなどを用いて,実施例3で得られた高分子ゲルと同様な形状になるように切削を試みたが,実施例3の高分子ゲルと同様な形状を有するものは得られず、目的とするマイクロ化学プロセス用基材は得られなかった。
【0037】
(比較例2)
粘土鉱物を用いずに、有機架橋剤であるN,N’−メチレンビスアクリルアミド(関東化学株式会社製)を水溶性有機モノマー(DMAA)の1モル%用いること以外は、実施例4と同様にして、高分子ゲルを製造した。得られた高分子ゲルから鋳型を引き抜くとき、ゲルが破壊し、鋳型の形状を反映した流路を持つゲルは得られず、マイクロ化学プロセス用基材として用いることは出来なかった。
【0038】
【発明の効果】
本発明により得られるマイクロ化学プロセス用基材は、三次元的な複雑な微流路、微細な表面凹凸や形状を有すると共に、取り扱い性や耐機械的変形性(対圧縮性や延伸性)また透明性などに優れる特徴を有する。その他、例えば流通液の温度を変化させることで、流路の面の性質を親水性から疎水性に可逆的に変化させることができたり、流通液中に含まれる特定の(例えば、カチオン性の)溶質を壁面から基材に吸着し除去することができる。
また、本発明におけるマイクロ化学プロセス用基材は、微小な反応液を用いた反応実験システムや化学または生化学分析システムにおいて、また微小溶液の精製、吸着、分別システムにおいて用いられる。また、微細な表面凹凸を有するものや内部に精密な形状の空洞や異成分を含有したものは、ミクロ加工に適したソフトリソグラフィー材料としてやミクロンレベルでの形状制御された組織培養基材として、また微小刺激に応答して駆動するマイクロマシン部材や微小振動制御部材など、多様なマイクロ化学プロセス用基材として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で用いたアルミ製棒鋳型を示す図である。
【図2】実施例6で用いたアルミ製棒鋳型を示す図である。
Claims (9)
- 水溶性有機モノマーとして ( メタ ) アクリルアミド類又は(メタ)アクリルエステル類を用いた重合物と層状に剥離した水膨潤性粘土鉱物が三次元網目を形成してなる高分子ゲルを主材料として用い、流路を該高分子ゲル内部に含む、および/または該高分子ゲルの表面に凹凸を有することを特徴とするマイクロ化学プロセス用基材。
- 前記流路が、直線形状、曲線形状、分岐形状、拡大部および/または縮小部を有する形状から選ばれる形状の部分を少なくとも一部包含している請求項1記載のマイクロ化学プロセス用基材。
- 前記流路が、拡大部および/または縮小部を有する形状の部分を有し、拡大部の断面積(a)と最小部の断面積(b)の比(a/b)が1.1〜200である請求項2記載のマイクロ化学プロセス用基材。
- 凹部の深さ/幅の比、または凸部の高さ/幅の比が0.1〜30である表面凹凸を一つ以上有する高分子ゲルからなる請求項1乃至3のいずれかに記載のマイクロ化学プロセス用基材。
- 前記高分子ゲルを構成する固形分の1〜90質量%が水膨潤性粘土鉱物である請求項1乃至4のいずれかに記載のマイクロ化学プロセス用基材。
- 前記高分子ゲルを構成する水溶性有機モノマーの重合物がアミド基またはエステル基を有する請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロ化学プロセス用基材。
- マイクロ化学プロセス用基材を成形することができる一つまたは複数の鋳型に、水溶性有機モノマーと微分散した水膨潤性粘土鉱物を含む水溶液を注入し,該水溶性有機モノマーを重合させて高分子ゲルを調製した後,該高分子ゲルを該鋳型から離型するマイクロ化学プロセス用基材の製造方法であって、該水溶性有機モノマーが ( メタ ) アクリルアミド類又は(メタ)アクリルエステル類であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマイクロ化学プロセス用基材の製造方法。
- 水溶性有機モノマーと水膨潤性粘度鉱物を含む水溶液中にマイクロ化学プロセス用基材を成形することができる一つまたは複数の鋳型を独立または連結した状態で浸し,該水溶性有機モノマーを重合させて高分子ゲルを調製した後、生成した高分子ゲル中から鋳型の一部または全部を取り除くことにより,三次元的に複雑な形状を有するマイクロ化学プロセス用基材を得るマイクロ化学プロセス用基材の製造方法であって、該水溶性有機モノマーが ( メタ ) アクリルアミド類又は(メタ)アクリルエステル類であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のマイクロ化学プロセス用基材の製造方法。
- 前記高分子ゲルを構成する固形分の1〜90質量%が水膨潤性粘土鉱物である請求項7又は8のマイクロ化学プロセス用基材の製造方法。
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