JP4253568B2 - 呼吸データ収集システム - Google Patents

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Description

本発明は呼吸データ収集システムに係り、特に無呼吸に関係する呼吸音の変化を収集する呼吸データ収集システムに関する。
人によって睡眠中に断続的に無呼吸を繰り返し、その結果日中傾眠などの種々の症状を呈することがあり、これらは睡眠呼吸障害と呼ばれる。ここで無呼吸とは、10秒以上の気流の停止をいい、睡眠呼吸障害のなかで、7時間以上の睡眠中に30回以上の無呼吸を伴うか、あるいは睡眠1時間当たり5回以上の無呼吸を伴うものが睡眠時無呼吸症候群と定義される。
睡眠呼吸障害の診断については、脳波測定、眼電図測定、筋電図測定等が行われる。また、鼻気流及び口気流の有無により無呼吸の判定が行われる。鼻気流及び口気流の有無の判定にはさまざまな方法が用いられている。例えば、サーミスタを鼻、口に固定し気流による温度変化から鼻、口呼吸の有無を測定するもの、鼻腔より呼気中の炭酸ガスをサンプリング測定しその濃度測定で呼気の有無を判別するもの、首に固定したマイクロフォンにより呼吸中の気流音を定性的に測定し呼吸の有無を判別するもの等がある。
睡眠呼吸障害の診断には、この他に引き伸ばされることで抵抗値の変化する弾力性のひもを胸部及び腹部に巻いて呼吸運動の測定を行い、食道内にバルーンを留置して腹腔内圧を測定し呼吸努力を評価し、いわゆるオキシメータにより血流中のHbとHbOの吸収スペクトルから血液の酸素濃度を測定する等、さまざまな測定や評価が睡眠中の長時間に渡って行われる。そして、これらの総合的な評価により、睡眠時無呼吸症候群かどうか、睡眠時呼吸障害の程度等についての判断、その原因の解明、それに基づく治療法の決定が行われる。
本間日臣編,睡眠時無呼吸症候群,克誠堂出版,2002年2月1日,第1版第4刷,p48−57
このように、病院における睡眠時呼吸障害についての検査は、無呼吸の計測だけでなくその原因を解明し、それに適した治療を行うことを目的とするため、さまざまな測定及び評価が行われる。例えば、口と鼻を覆うマスクでの呼吸確認は勿論、心電計、オキシメータ、脈拍計、脳波測定器等の検査装置を装着し、最低でも一泊を要する大掛かりな検査を要する。
このように、従来技術では、睡眠時呼吸障害については病院等の医療機関における大掛かりな検査しかなく、日常の中で手軽に睡眠時呼吸障害を定量的にモニタすることができない。
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、日常の中で無呼吸に関する定量的なデータを収集することを可能とする呼吸データ収集システムを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る呼吸データ収集システムは、顔に被着して呼吸データを収集し記憶する呼吸データ収集装置と、呼吸音データの収集が終わった後に顔から外された呼吸データ収集装置から呼吸データの転送を受けて呼吸データを解析し表示する解析表示装置とを含む呼吸データ収集システムであって、呼吸データ収集装置は、顔の鼻孔又は口の近傍付近を被着して顔に対し着脱可能な被着パッドと、被着パッドに取り付けられ、呼吸音を検出し、被着パッドから取り外し再び取り付けられることで再使用可能な呼吸音センサと、被着パッドに取り付けられ、呼吸音センサにより検出されたデータを収集し記憶するデータ収集部と、を備え、解析表示装置は、呼吸音データ又は呼吸音データの解析結果のうちの少なくとも1つを表示するディスプレイを備えることを特徴とする。
また、被着パッドは、データを解析表示装置に転送する出力ポートを有し、解析表示装置は、呼吸音データの収集が終わった後に顔から外された被着パッドを受け入れる挿入部と、挿入部に設けられ、被着パッドの出力ポートと着脱可能に接続する入力ポートと、を備えることが好ましい。
また、解析表示装置は、呼吸データ収集装置から転送を受けたデータに基づいて、呼吸音データ又は呼吸音データの解析結果のうちの少なくとも1つの出力データを出力する出力部を備え、出力部は、出力データを可搬型メモリに書き込む書込手段、又は出力データを通信回線により外部に送信する送信手段のうちの少なくとも1つを有することが好ましい。
また、呼吸音センサは、鼻孔を通る空気の流れと、口から上気道を通る空気の流れとを検出し、データ収集部は、呼吸音センサにより検出されたデータに基づき、鼻呼吸音と口呼吸との区分をして記憶し、解析表示装置は、鼻呼吸音と口呼吸のそれぞれの発生状況のデータ、又はその発生状況と生活習慣との関連付けデータのうちの少なくとも1つを表示することが好ましい。
また、呼吸音収集装置は、呼吸音センサを被着パッドに着脱自在に取り付ける着脱手段を備えることが好ましい。
また、被着パッドは、鼻孔と口との間の口蓋部の外面に沿った形状の被着部分を有し、呼吸音センサは、被着部分に設けられる焦電性高分子フィルムであって、金属薄板に取り付けられ、さらに柔軟性のある樹脂でコーティングされた焦電性高分子フィルムであることが好ましい。
また、本発明に係る呼吸データ収集システムにおいて、被着パッドには、柔軟性のある樹脂の中に導電性線材が埋め込まれ外形が変更可能なビーム部分が取り付けられ、呼吸音センサは、ビーム部分の先端に保持され、その信号端子が導電性線材を介してデータ収集部に接続されることが好ましい。
また、本発明に係る呼吸データ収集システムにおいて、被着パッドには、柔軟性のある樹脂の中に導電性弾性線材が埋め込まれ外形が両鼻孔に挿入可能な二股状の形状を有するビーム部分が取り付けられ、呼吸音センサは、ビーム部分の先端に保持され、ビーム部分の導電性弾性線材の弾性を利用し、二股状の各先端をそれぞれ各鼻孔の内壁に押し付けるようにして両鼻孔に取り付けられることが好ましい。
また、データ収集部は、被測定者の行う呼吸が口呼吸か又は鼻呼吸かの区別を示す合図信号に基づき、口を通る口呼吸音の大きさと鼻孔を通る鼻呼吸音の大きさとを識別する識別水準を求める呼吸音識別手段と、求められた識別水準に基づき、呼吸音を鼻呼吸音又は口呼吸音に区別する呼吸音区別手段と、を有することが好ましい。
また、データ収集部は、呼吸音センサが検知した信号に基づいて呼吸ピッチを測定するピッチ測定手段と、測定された呼吸ピッチに対応するピッチを表示して知らせるピッチ知らせ手段と、表示された知らせピッチに基づいて被測定者が出力する再測定指示信号を受け取る再測定信号受取手段と、再測定指示信号を受け取るときは呼吸ピッチの測定を再び行い、再測定指示信号を所定時間内に受け取らないときは、そのときの呼吸データを初期基準呼吸データとして設定する初期基準呼吸データ設定手段と、を有することが好ましい。また、ピッチ知らせ手段は、測定時間の経過とともに表示の強度を次第に弱め被測定者を睡眠に誘導することが好ましい。
また、データ収集部は、呼吸音センサが検知した信号に基づいて呼吸ピッチを測定するピッチ測定手段と、最新に測定された複数の呼吸ピッチのデータに基づき、最新の平均呼吸ピッチを順次算出する平均ピッチ算出手段と、を有し、平均ピッチ算出手段は、それまでの複数の平均呼吸ピッチについてその標準偏差を求め、求められた標準偏差に基づいて呼吸ピッチの正規範囲を定め、最新に測定された複数の呼吸ピッチデータの中で正規範囲を外れるデータが含まれるときはこれを除外して最新の平均呼吸ピッチを算出し直すことが好ましい。
また、データ収集部は、呼吸ピッチを推定する推定手段と、推定された呼吸ピッチに基づき、呼吸音の検出後次の呼吸音検出に必要なタイミングまで回路動作をスリープさせるスリープ手段と、を有することが好ましい。
また、データ収集部は、呼吸音センサからの信号の有無を判定する信号有無判定手段と、被測定者が出力する測定終了信号を受け取る終了信号受取手段と、呼吸音センサからの信号が無く、呼吸データ収集装置の被着が外されたと判定されるときは、最後の無呼吸データを削除する削除手段と、信号有無判定手段の判定結果又は測定終了信号の取得に基づいてデータ処理を終了させる終了手段と、を有することが好ましい。
また、本発明に係る呼吸音データ収集システムは、顔に被着して呼吸データを収集する呼吸データ収集装置と、呼吸データ収集装置から呼吸データの転送を受けて呼吸データを解析し表示する解析表示装置とを含む呼吸データ収集システムであって、呼吸データ収集装置は、顔の一部に着脱可能に被着される被着パッドと、被着パッドに取り付けられ、呼吸音を検出する呼吸音センサと、被着パッドに設けられ、呼吸音センサにより検出されたデータを非可聴域周波数帯の信号に変調し、外部の受信手段に送信する送信手段と、を備え、解析表示装置は、送信手段により送信された非可聴域周波数帯の信号を受け取り、呼吸音データに復調する受信手段と、復調された呼吸音データ又は呼吸音データの解析結果のうちのすくなくとも1つを表示するディスプレイと、を備えることを特徴とする。
上記構成の少なくとも1つにより、顔の鼻孔又は口の近傍付近を被着する着脱可能な被着パッドを備え、この被着パッドに呼吸音センサを取り付け、また、呼吸音データを収集し記録するデータ収集部を取り付ける。したがって、被着パッドを被着するだけの負荷で、睡眠中等のデータ収集期間内における呼吸音データの取得と収集と記録とを完結して行うことができ、日常の中で手軽に呼吸データを収集できる。
また、呼吸音センサは、被着パッドから取り外し再び取り付けられることで再使用可能であるので、例えば、呼吸音センサ40を被測定者に合わせて交換し、あるいは呼吸音センサ40が不具合のとき別のものと交換し、あるいは洗浄等を行うために、被着パッド20から呼吸音センサ40を自由に着脱できる。
また、解析表示装置は、呼吸音データの収集が終わった後に顔から外された呼吸収集装置から呼吸データの転送を受け、呼吸データを解析し、呼吸音データ又はその解析結果を表示する。つまり、データの収集記録と、その結果の解析表示とは分離されており、睡眠中等のデータ収集期間においてはデータの出力等に特別な処理が必要なく、また呼吸音収集の際にデータ転送用のコード等を要しない。したがって被着の負荷を軽減でき、日常の中で手軽に呼吸データを収集し、その結果を見ることができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、被着パッドはデータ転送用の出力ポートを有し、解析表示装置の挿入部には入力ポートが設けられる。したがって、被着パッドを挿入部に挿入し、その出力ポートと入力ポートを接続することで呼吸データの転送を容易に行うことができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、解析表示装置は、転送を受けた呼吸音データ又はその解析結果を、ディスプレイに表示するほか、可搬型メモリに書き込んで出力し、又は通信回線を介して外部に送信する。このように、ディスプレイにより呼吸データ等を知る他に、それらのデータを可搬型メモリや通信回線を介してさらに利用することができる。例えば、別のデータ解析装置で詳細にデータを解析することもでき、医療機関において医師等の判断に提供することもできる。したがって、日常の中で手軽に収集できた呼吸データをさらに有効に用いることができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、呼吸音センサは、鼻孔を通る空気の流れと、口から上気道を通る空気の流れとをともに捉える。したがって、鼻呼吸音用のセンサと口呼吸音センサとを別々に設ける必要がなく、センサ取り付けの負荷が軽減できる。そして、データ収集部は、これらのデータから鼻呼吸音と口呼吸との区分をして記憶する。解析表示装置はそれらの発生状況のデータ、例えば回数や比率等を表示する。あるいは、発生状況と生活習慣とを関連付けたデータを表示する。したがって、睡眠時呼吸障害に関係する口呼吸の頻度等を手軽に知ることができ、また、生活習慣との関連付けを手軽に知ることで生活習慣の改善等に役立てることができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、呼吸音センサを被着パッドに着脱自在に取り付ける着脱手段を備える。したがって、呼吸音センサのみを取り外し、交換し、あるいは洗浄、清掃等を容易に行うことができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、焦電性高分子フィルムを金属薄板に取り付け、柔軟性のある樹脂でコーティングしたものを呼吸音センサとし、これを鼻孔と口との間の口蓋部の外面に沿った形状の被着部分に設ける。したがって、呼吸音センサ及びその取り付け部分の全体を小型軽量にでき、また柔軟性があるので、被着の負担を少なくし、日常の中で手軽に呼吸データを収集できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、導電性線材を内部に埋め込んだ柔軟性ある樹脂のビーム部分の先端に呼吸音センサが保持され、全体が被着パッドに取り付けられる。導電性線材は、ビーム部分の外形を例えば顔の外面に沿ってその形状を変更する際の芯材になると共に、呼吸音センサの信号線を兼ねる。したがって、信号線等が外に露出せず、また全体的に柔軟性があるので、被着の負担を少なくし、日常の中で手軽に呼吸データを収集できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、ビーム部分は両鼻孔に挿入できる二股形状を有し、ビーム部分は弾性及び柔軟性を有する導電性線材を心材として有するので、導電性線材の弾性を利用し、ビーム部分の先端の呼吸音センサを両鼻孔の内壁に押し付けて取り付けることができる。いわば鼻中隔挟み又は鼻孔広げ取り付けを行うことができ、例えば被着パッドの粘着性で顔に固定する必要を軽減することができる。粘着材に対して過敏な被測定者や、ひげ等で粘着材による被着が困難な場合に対しても、負担を軽くして被着パッド及び呼吸音センサを顔に固定することができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、被測定者の行う呼吸が口呼吸か又は鼻呼吸かの区別を示す合図信号に基づき、鼻呼吸音と口呼吸音との識別水準を求める。一般に睡眠時呼吸障害にいびきが関係すること、いびきは口呼吸の頻度に関係することが知られているので、その識別をすることが好ましい。鼻呼吸音と口呼吸音の大きさのレベルは、呼吸音センサの配置位置が定まればほぼ定まるので、合図信号に従って鼻呼吸音の大きさのレベルと、口呼吸音の大きさのレベルとを比較することで、鼻呼吸音と口呼吸音とを識別する信号レベルの大きさ等を求めることができる。合図信号は被測定者が出力してこれをデータ収集部が取得してもよく、データ収集部が出力しこれに従って被測定者が口呼吸あるいは鼻呼吸を行うものとしてもよい。一旦識別水準が求まれば、その後はその識別水準に従い、自動的に鼻呼吸か口呼吸かを判断できる。したがって、被測定者に負担を大きくすることなく、容易に鼻呼吸か口呼吸かのデータを収集できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、呼吸音ピッチを測定し、測定した呼吸音ピッチと同じピッチで知らせ表示を行う。知らせ表示は音でも音声でも光でも振動等であってもよい。そして被測定者はこの知らせ表示により自分の呼吸ピッチと、呼吸音データ収集装置が判断した呼吸ピッチとが一致しているかどうかを判断でき、一致していないとき等には再測定指示の合図信号を出す。この再測定指示信号を受け取ることで、呼吸音ピッチ測定をやり直すことができる。これにより、測定やデータ処理等におけるノイズを除去することができる。被測定者は、覚醒しているときにこの判断を行うので、再測定指示が一定時間出力されなければ、そのときの呼吸ピッチ等の呼吸データがその被測定者の正常な呼吸データと考えられる。そこで、これを初期基準呼吸データとして設定すれば、その後はこの初期基準呼吸データを基準に自動的に呼吸音データの変化を測定できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、呼吸ピッチの知らせ表示は、測定時間の経過とともに表示の強度を次第に弱める。例えば、知らせ表示を光の点滅として、時間経過とともに次第に暗くする。これにより被測定者は誘導されて睡眠に入りやすくなる。したがって負担を少なくし、日常の中で手軽に呼吸データを収集できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、呼吸ピッチの測定について平均ピッチを順次算出する。そして、求められた平均ピッチについてその標準偏差を求め、それにより正規の呼吸ピッチ範囲を設定する。平均ピッチは時間の経過と共に順次変化するので、正規の呼吸ピッチ範囲も順次変化する。そして、呼吸ピッチの正規範囲を外れるデータは除外して平均呼吸ピッチを算出しなおす。このようにすることで、一時的な呼吸の乱れを除外できると共に、呼吸音の測定及びデータ処理等におけるノイズを除去することができる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、呼吸ピッチを推定し、それに基づき呼吸音検出に用いられない期間のあいだ、回路動作をスリープさせる。これにより呼吸データ収集装置の消費電力を低減し、より小型の電池の使用を可能にする。
また、上記構成の少なくとも1つにより、データ処理の終了を、特別な終了処理手続を要することなく、呼吸音センサからの応答の有無又は被測定者の終了合図に基づいて行う。また呼吸音センサから応答がなく呼吸データ収集装置の被着が外されたと判定されるときは、最後の無呼吸データを削除してデータの信頼性を確保する。このように被測定者に対する終了処理の負担を少なくできるので、日常の中で手軽に呼吸データを収集できる。
また、上記構成の少なくとも1つにより、呼吸音センサにより検出されたデータを聴覚で検出できない信号に変換して、外部の受信装置に送信する。したがって被着パッドにデータ収集部を要せず、さらに小型軽量化を図れ、負担を少なくして日常の中で手軽に呼吸データを収集できる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下の説明において、各要素の材質や寸法は一例を示したものであり、また測定に関する時間も一例を示したものである。なお、以下において呼吸音センサ等を取り付ける被着パッドは、鼻孔と口との間の口蓋部に貼り付けることを主に説明するが、それ以外の被着の方法、例えば、補助的に耳かけ式の紐等を被着パッドに取り付けてもよく、また、被着パッドに取り付けた紐を頭部にまわして被着の補助としてもよい。
最初に呼吸データ収集システムの概要を説明し、次にその構成要素につき詳細な説明を行う。呼吸データ収集システムは、睡眠中の被測定者の顔に被着して呼吸音を収集し記憶する呼吸データ収集装置と、これとは別に例えば机の上等に置かれる解析表示装置とを含んで構成される。解析表示装置には後述するように呼吸データ収集装置を受け入れる挿入部があり、被測定者が目覚めたときに顔から呼吸データ収集装置を外し、これを解析表示装置に挿入することで、呼吸データ収集装置に記憶された睡眠中の呼吸データが解析表示装置に転送される。解析表示装置は、呼吸データを表示するディスプレイを有している。
このような構成の呼吸データ収集システムにおいて、次に呼吸データ収集装置について説明する。図1は、顔の鼻孔と口との間の口蓋部の皮膚上に呼吸データ収集装置10を貼り付けて取り付ける様子を示す図である。鼻孔と口との間の口蓋部は、鼻呼吸の気流2による音又は振動と、口呼吸の気流4による音又は振動とを、ともに捉えるのに適した位置である。したがって、鼻呼吸検出用と口呼吸検出用とに別々のセンサを用意し、別々に取り付ける等の必要がない。
図2は、呼吸データ収集装置10の分解図である。呼吸データ収集装置10は、概略蝶が羽を広げた形状の被着パッド20と、鼻からの気流と口からの気流がともに間を流れるようにブリッジ型をした形状を有する呼吸音センサ40と、被着パッド20に呼吸音センサ40を着脱自在に取り付けるための1組のホック22a,22bを含んで構成される。このホック22a,22bの着脱により、例えば、呼吸音センサ40を被測定者に合わせて交換し、あるいは呼吸音センサ40が不具合のとき別のものと交換し、あるいは洗浄等を行うために、被着パッド20から呼吸音センサ40を自由に着脱できる。
被着パッド20は、呼吸音センサ40を取り付けて保持する機能と、呼吸音センサ40により検出される呼吸音データを収集し処理し記憶する回路ブロックを収納する機能と、これらに必要な要素全体を一体として皮膚面に貼り付けて位置を固定する機能を有する部材である。被着パッド20は、プラスチック樹脂製の左右回路パッケージ24a,24bと、左右回路パッケージ24a,24bを保持するプラスチック樹脂薄板からなるパッド板26と、パッド板26の上に設けられるプラスチック樹脂製の気流土手部材30を含む。
パッド板26は概略蝶が羽を広げた形状の薄板で、その両端部に左右回路パッケージ24a,24bがそれぞれ離されて配置され、左右回路パッケージ24a,24bの間の位置でかつ呼吸音センサ40のブリッジ型形状の隙間空間に入る位置に気流土手部材30が配置される。また、一組のホック22a,22bがはまりこむ一対の穴28a,28bが左右回路パッケージ24a,24bの配置位置の外側位置に設けられる。パッド板26の裏面には、図3に示すように、その両端部に一対の粘着シート36a,36bが取り付けられる。粘着シート36a,36bは、被着パッド20を顔の皮膚面に押付け貼り付けてその位置を固定する機能を有する。粘着シート36a,36bに代えて粘着性を有するゲルを塗布してもよい。
気流土手部材30は、呼吸音センサ40のブリッジ型形状と協働して呼吸の気流の流れを狭め、呼吸音センサ40が効率よく呼吸音を検出できるようにする機能を有し、翼断面に似た断面形状を有する部材である。図2に示すように、パッド板26において、鼻孔寄りの位置に配置され、翼断面が次第に細くなってゆく方向を鼻孔側に向けることが好ましい。
左右回路パッケージ24a,24bは、内部に回路部品を収納するプラスチック樹脂パッケージである。一方の回路パッケージ24bにはLED(Light Emission Diode)32が取り付けられる。LED32は、後述するように呼吸音センサ40が呼吸音を検出し、その呼吸音データを処理して算出した呼吸ピッチと同じピッチで光を点滅させて被測定者に知らせる機能を有するピッチ知らせ表示手段である。また、他方の回路パッケージ24aには、データ転送と充電のための入出力ポート34が設けられる。入出力ポート34は回路パッケージ24aの外周からはみ出さず埋め込まれていることが好ましい。例えば雌型のジャックを用いることができる。
呼吸音センサ40は、呼吸音を検出する機能を有する素子で、検出器であるコンデンサマイク50と、鼻孔からの気流2及び口からの気流4をコンデンサマイク50に集中するようにブリッジ型のマイク保持枠42を含んで構成される。マイク保持枠42は、プラスチック樹脂製で、そのブリッジ型形状の天井部分にコンデンサマイク50が集音面をブリッジの内側に向けて取り付けられ、そのブリッジ型形状の両脚部においてそれぞれその根元が外側に広がり、そこに一対のホック22a,22bがはめ込まれる穴44a,44bが設けられる。
図4に呼吸音センサ40を裏面から見た分解図を示す。コンデンサマイク50は、円筒形をなし、その一方側の底面が集音面となる。その寸法は、例えば直径が約7mm、高さが約2−3mm程度である。マイク保持枠42のブリッジ型形状の天井部分には穴49が設けられ、その穴49にコンデンサマイク50の円筒部分の外周がはめ込まれ、接着材等で固定される。マイク保持枠42には、正側電極46と負側電極48とが、一組のホック22a,22bがはまり込む穴の位置に対応して設けられる。正側電極46はコンデンサマイク50の集音面の出力端子に接続され、負側電極はコンデンサマイク50の接地、例えばその筐体に接続される。
次に、呼吸データ収集システムを構成する解析表示装置について説明する。図5は、呼吸データ収集装置10に記憶されたデータを受け取ってその内容を表示する解析表示装置60を示す図である。解析表示装置60は、直方体の筐体を備え、筐体の上面には呼吸データ収集装置10を立てた姿勢で挿入できる挿入くぼみ62が設けられる。挿入くぼみ62において、呼吸データ収集装置10の回路パッケージ24aに設けられる入出力ポート34に対応する位置に、データ転送と充電のための入出力ポート64が配置される。
図5では雌型の入出力ポート34に対応して雄型の入出力ポート64が挿入くぼみ62の中に設けられる様子が示される。この挿入くぼみ62の雄型入出力ポート64に、呼吸データ収集装置10の雌型の入出力ポート34を着脱可能にはめ込むことで、呼吸データ収集装置10から解析表示装置60に対しデータ転送が行われ、解析表示装置60から呼吸データ収集装置10に対し充電が行われる。したがって、呼吸データ収集装置10は通常解析表示装置60に挿入したままとしておき、呼吸音を収集するときに解析表示装置60から呼吸データ収集装置10を取り外して被測定者に被着し、呼吸データの収集が終わったとき、例えば被測定者が目覚めたときは、顔からデータ収集装置10を取り外して解析表示装置60に挿入するものとすることが好ましい。
解析表示装置60の筐体上面にはさらにディスプレイ66、操作ボタン68が配置される。ディスプレイ66は、文字及びキャラクタにより呼吸データ等を表示する表示素子で、例えば液晶パネル等を用いることができる。操作ボタン68は、ディスプレイ66の表示内容を切替えるためのボタンである。操作ボタン68は、押しボタン、タッチボタンのほかロール式の切替ボタンを用いることができる。ディスプレイ66及び操作ボタンの機能については後述する。解析表示装置60の筐体正面には、電池ボックスの蓋70と、メモリカード80の挿入スロット72が設けられる。
図6は、呼吸データ収集装置10の回路部分である収集装置回路90と、解析表示装置60の回路部分である表示装置回路110についてのブロック図である。収集装置回路90は、左右回路パッケージ24a,24bに収納され、表示装置回路110はその筐体内部に収納される。収集装置回路90と表示装置回路110の間はケーブルで接続され、データの交信と、充電電力の供給が行われる。最初に収集装置回路90の構成を説明し、その後表示装置回路110の構成の説明をする。
収集装置回路90は、呼吸音センサ40の検出した信号を受け取って増幅する増幅器(AMP)92と、増幅後の信号を帯域フィルタ処理するバンドパスフィルタ(BPF)94と、その処理後のアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器96が直列に接続され、その後CPU98に接続される。
CPU98は、受け取ったディジタル信号をデータ処理する機能を有する演算処理装置である。具体的には、被測定者が覚醒しているときにその呼吸データの初期値を設定するティーチング機能と、設定された初期値に基づき被測定者の睡眠中における呼吸ピッチと無呼吸を監視するランニング機能とを有する。その詳細については後述する。
LED32は、ティーチングのときに算出した呼吸ピッチを光の点滅で出力し、被測定者に知らせる機能を有する。
フラッシュメモリ100は、CPU98のティーチング機能及びランニング機能によりデータ処理された呼吸データを記憶する半導体メモリである。記憶容量としては、少なくとも10時間前後の呼吸データを記憶できる容量であることが望ましい。かかるフラッシュメモリ100としては、例えば32MB程度の市販品を用いることができる。
2次電池106は、収集装置回路90全体の電源で、DCコンバータ108により所定の電圧レベルに昇圧されて各要素に供給される。かかる2次電池106として、小型の充電型ボタン電池等を用いることができる。また、必要に応じ、スイッチ104を設けてもよい。
表示装置回路110において、表示コントロール部114は、表示装置回路110全体の動作を制御する機能を有する回路である。具体的には、入出力ポート64において収集装置回路90からデータを受け取り、受け取ったデータについて集計等のデータ解析処理を行い、転送されたデータとともにメモリに記憶する機能を有する。また、転送されたデータや解析結果のデータについて画像処理等を行ってディスプレイ66に出力する機能を有する。また、受け取ったデータや解析結果のデータをメモリインタフェース116を介してメモリカード80に出力する機能を有する。また、充電コントロール部120を制御し、1次電池の電力を入出力ポート64経由で収集装置回路90の2次電池106に充電電力として供給させる機能を有する。
メモリカード80は、小型可搬型の記憶媒体で、例えば市販の32MBフラッシュメモリカードを用いることができる。1次電池118は、表示装置回路110全体の電源であると共に、上記のように収集装置回路90の2次電池106の充電電源としての機能を有する。かかる1次電池としては、市販の単2電池又は単3電池等を用いることができる。
次に、CPU98のデータ処理機能についてフローチャートを用いて説明する。最初にティーチング機能、次にランニング機能の順に説明する。かかる機能は、ソフトウエアにより実現でき、具体的には呼吸データ収集プログラムを実行することで実現できる。以下のフローチャートの各STEPは、呼吸データ収集プログラムの各処理手順に対応する。なお、以下の説明において、各要素については図1−6における符号を用いる。
図7は、ティーチング工程全体を示すフローチャートである。ティーチング工程においては、被測定者に呼吸データ収集装置10を取り付け、被測定者が睡眠のためにベッド等に横たわり、まだ覚醒しているときに、被測定者と協働して、呼吸データの初期設定を行う。図5において説明したように、呼吸データ収集装置10は非使用状態において解析表示装置60に挿入されて充電されているので、ティーチングに際し、まず解析表示装置60から呼吸データ収集装置10を取り外す。この取り外しを検出し、イニシャライズ工程(S10)が開始する。具体的には、ハードウエア及びソフトウエアの初期値を設定し、内部タイマーを起動させる。そして、呼吸データ収集装置10の被着パッド20の裏面における粘着シート36a,36bを、被測定者の鼻孔と口との間の口蓋部の皮膚上にしっかり押付けて固定する。この状態で被測定者はベッドに横たわる。
次に、鼻呼吸指示か否か判断する(S12)。具体的には、コンデンサマイク50により、被測定者の合図を検出する。被測定者は、あらかじめ定めておいた識別方法にしたがって鼻呼吸を行うのか口呼吸を行うのかの合図を出す。例えば「ハナ」「クチ」という音声を合図としてもよく、「トン」「トントン」という音声を合図としてもよい。あるいは呼吸データ収集装置10側に音声スピーカ又は圧電ブザー等の知らせ手段を設け、それにより例えば「鼻呼吸をして下さい」等の音声又はブザーの断続音等で合図を出力し、それに従って被測定者が鼻呼吸又は口呼吸を行うものとしてもよい。
被測定者の指示が鼻呼吸指示か又は口呼吸指示かの判断がなされれば、その判断を一旦記憶し、いずれの場合も次に呼吸音取得工程(S14)に進む。呼吸音取得工程は、コンデンサマイク50により検出された信号を、呼吸音として利用できるように加工を行う工程である。すなわち、S12の工程の後は、コンデンサマイク50により検出された音はすべて呼吸音として取り扱われる前提となるが、生の信号のままではノイズがあり、また、呼吸音において呼状態と吸状態との区別がしにくいことがある。そこで、データ処理を行う前に、呼吸音取得工程において、生の音を加工し、ノイズの影響を受けにくくし、音の区別をしやすくして、これを呼吸音として取得することが必要となる。
図8に、呼吸音取得工程(S14)の内部フローチャートを示す。まず10msec経過か否かを判断(S40)する。10msec経過していなければ最初に戻り、10msec経過すればデータ前処理工程(S42)に進むので、ここでは10msec毎にデータ前処理を行うことになる。つまり10msecは、サンプリング時間に相当する。
データ前処理工程(S42)は、検出した信号を呼吸音として用いやすくするための加工を行う工程で、A/D変換器96によりディジタル信号に変換し、例えば微分処理して信号変化を検出しやすくし、加算処理してノイズの影響を少なくし、加算処理しやすくするためにその前に絶対値処理する等の処理を行う。
図9に、横軸を時間、縦軸を電圧として、鼻呼吸におけるコンデンサマイク50の検出した生信号130を示す。また、図10は、横軸と縦軸とを図9と同様にして、口呼吸における生信号134を示したものである。図9、図10において、吸信号131,135とともに呼信号132,136が示されている。これらのデータでは、吸信号は呼信号よりレベルが小さく、鼻呼吸は口呼吸よりレベルが小さくなっている。これらのレベルの差を用いて、鼻呼吸と口呼吸との区別、吸信号と呼信号との区別をすることができる。また、これらの生信号130,134において、信号の直流レベルは異なるが、ちょうど見やすい位置にシフトしてある。なお、生信号130,134に微分処理を行うことで、この直流レベルの差を除去することができる。
再び図8に戻り、100msec経過か否かを判断(S44)する。100msec経過していなければ最初に戻り、100msec経過すれば100msecごとに加算処理する工程(S46)に進むので、ここでは100msec毎にデータ前処理後のデータについて加算処理を行うことになる。この100msec毎の加算処理後のデータを呼吸音データとして、以後のデータ処理に用いることになる。
図11は、横軸と縦軸と図9と同様にして、鼻呼吸の微分後信号133と、微分後信号を絶対値処理したものを100msec毎に加算処理した後の信号138とを比較しやすいように示したものである。このように、信号の大きさ、つまり呼吸音の大きさを比較するには、微分後信号133の波高値の比較よりも、絶対値処理しこれをある時間幅毎に加算処理することで、微分後信号の過渡的なノイズの影響を少なくできることがわかる。図11における信号138が呼吸音データである。
このようにして、呼吸音取得工程(S14)により呼吸音データが取得されると、あとはこれを用いて、鼻呼吸と口呼吸との区別のための呼吸レベルの設定(S22)や呼吸ピッチの設定(S30)を行うためのデータ処理を進めることになる。これらの処理を行うに当たり、演算処理のみを進めることもできるが、被測定者による確認(S16)を用いた方がデータ処理における誤処理を少なくできる。そこで、被測定者による確認(S16)は必ずしも必須の工程ではないが、次にその処理の内容を図12のフローチャートを用いて説明する。
図12は、被測定者による確認工程(S16)の内部フローチャートである。呼吸音取得、すなわち100msec毎の加算データが得られると、それを用いて仮呼吸判定(S50)を行う。具体的には、仮に定めたしきい値を用い、取得された呼吸音データと比較する。そして、仮呼吸有りか否かの判断(S52)を行う。呼吸音データが仮のしきい値を超えているときは仮呼吸有りとし、LEDon工程(S54)に進み、仮のしきい値以下のときは仮呼吸有りとは判断せず、LEDoff工程(S56)に進む。LEDon工程(S54)ではLED32を点灯し、LEDoff工程(S54)ではLED32を消灯する。したがって、仮のしきい値を超えている間、LED32は点灯し、仮のしきい値以下になるとLED32が消灯するので、LED32は、呼吸音取得工程で演算処理された結果の呼吸音データの変化につれて点灯と消灯とを繰り返す。すなわち、呼吸音処理工程で得られる呼吸ピッチに対応するピッチでLED32が点灯と消灯とを繰り返す。つまり、LED32は、演算によるピッチを知らせるピッチ知らせ手段に対応する。
被測定者は、このLED32の点滅を見て、自分が行っている鼻呼吸等のピッチと合っているかどうか容易に判断できるので、ピッチが合っていなければ、あらかじめ定めておいた取り決めに従い、リトライ指示の合図を出す。例えば、「リトライ」の音声を出す。そこで、リトライ指示有りか否かの判断(S58)を行う。リトライ指示有りと判断するときは、呼吸音取得工程の最初に戻り、呼吸音取得工程(S14)をやり直す。ある程度の時間経過してもリトライ指示有りと判断されないときは、被測定者は、呼吸音取得工程において取得した呼吸音データの呼吸ピッチは自分の呼吸ピッチと同じと考えているとみなせるので、呼吸音取得工程で取得した呼吸音データを用いてデータ処理を進めることができる。
このようにして、被測定者に、演算による呼吸ピッチに対応するピッチを知らせて確認させることで、ティーチングにおける演算にノイズ等が入って誤処理となることを防げる。
ピッチ知らせ手段は、LED32による知らせ光を用いるほか、発音体を呼吸データ収集装置10に設け、音又は音声により呼吸ピッチを知らせてもよく、振動体を設けて振動により呼吸ピッチを知らせてもよい。
また、被測定者による確認は、呼吸音取得工程の後であるので、鼻呼吸指示及び口呼吸指示が終了していれば被測定者はそのまま睡眠に入ってもよい。そこで、知らせ光の明るさを時間経過と共に次第に弱くしてゆく。その様子を図13に示す。図13(a)は呼吸音データを示し、図13(b)は仮呼吸有りをHレベル、仮呼吸無しをLレベルとして示したものである。LED32は、このHレベルで点灯し、Lレベルで消灯する。図13(c)から(f)は、呼吸音が図13(a)のまま安定して継続したときに、LED32の点灯・消灯が時間経過と共に変化させる様子を示したもので、(c)−(d)−(e)と時間が経過するに従い、点灯期間が次第に短くなりついには(f)において完全に消灯する。このようにすることにより、被測定者を睡眠に誘導することができる。
再び図7に戻り、被測定者による確認(S16)を経て、呼吸音取得工程(S14)で信頼性の高い呼吸音データが取得されると、次に20sec経過か否かを判断(S18)する。20sec経過していなければ最初に戻り、20sec経過すればMAX値検出工程(S20)に進むので、ここでは20sec分の呼吸音データを取得することになる。20secとしたのは、睡眠時又は安静時の呼吸ピッチは通常4−6秒なので、5回程度の呼吸を1単位として定量的な呼吸ピッチを算出したいと考えたからであって、20sec以外の適当な時間設定でも構わない。
MAX値検出工程(S20)は、鼻呼吸と口呼吸とを識別できる信号レベルを定めるために、鼻呼吸を行っている20secの間における呼吸音データの最大値と、口呼吸を行っている20secの間における呼吸音データの最大値を求める工程である。例えば、S12において鼻呼吸指示と判断したときは、MAX値検出工程(S20)で検出したMAX値は鼻呼吸におけるMAX値である。鼻呼吸指示と判断しないときは、検出されたMAX値は口呼吸におけるMAX値である。
次に、検出されたMAX値に基づき、呼吸レベル設定(S22)を行う。例えば、鼻呼吸におけるMAX値に適当な係数を乗じ、それをもって鼻呼吸の呼吸レベルと設定する。口呼吸においても、検出されたMAX値に適当な係数を乗じてそれを鼻呼吸の呼吸レベルと設定する。設定された呼吸レベルは、ランニング工程において、取得された呼吸音データを鼻呼吸か口呼吸か自動的に区別する基準として用いられる。例えば、鼻呼吸におけるMAX値を5mVとし、口呼吸におけるMAX値を50mVとし、係数を0.3とすれば、鼻呼吸の呼吸レベルは1.5mV、口呼吸の呼吸レベルは15mVと設定される。
次に念のため呼吸検出か否か判断(S24)する。判断は、ノイズレベル以上の適当な信号レベルを設定し、それ以下のときは呼吸検出されないとして、呼吸音取得工程(S14)の最初に戻る。呼吸検出と判断されると、呼吸ピッチ取得工程(S26)に進む。
図14は呼吸ピッチ取得工程の内部フローチャートである。最初に、呼吸音データから呼吸レベルを減算する(S60)。つまり設定された呼吸レベルをしきい値として、しきい値を横切る点、いわゆるゼロクロス点を求め、このゼロクロス点の間隔を呼吸ピッチと扱おうとするものである。呼吸レベル減算工程は、100msec毎の呼吸音データについて20secの期間について行われる。
補間処理工程(S62)は、ノイズのために、100msec毎の減算処理においてゼロクロス点がひんぱんに検出されることが起こるので、余り短い間隔でおこるゼロクロス点はノイズによるものとして無視し、無視した区間を補間処理により接続し、滑らかにつながった呼吸曲線とするための工程である。補間処理後のデータに基づいてゼロクロス点検出(S64)を行い、呼吸ピッチを取得する。
図15に、呼吸ピッチ取得工程のデータ処理の様子を示す。ここで、呼吸音データは、図11における信号138を用いた。図15(a)は、信号138のMAX値140と、呼吸レベル142を示す図で、S20,S22及びS60の工程の処理に対応する。図15(b)は、補間処理(S64)を行った後の信号144を示し、図15(c)は、正方向から負方向へのゼロクロス点146a〜146fを示し、S64の工程の処理に対応する。
再び図7に戻り、ゼロクロス点検出の結果について、20secの区間におけるゼロクロス点の数が所定範囲か否かの判断(S28)を行う。これは安静時の呼吸ピッチの通常範囲にあるかどうかをみて、余りにかけ離れているときは誤動作として呼吸音取得工程(14)の最初に戻すものである。所定範囲とは、例えばゼロクロス点の数を3−7個とすることができる。図15(c)の場合は6個であるので、所定範囲内にあると判断される。
ゼロクロス点の数が所定範囲であると判断されると、初期呼吸ピッチ設定工程(S30)に進む。具体的には、検出された複数のゼロクロス点の間隔を算出し、これらの平均値をもって初期呼吸ピッチとして設定する。図15(c)の場合ゼロクロス点の平均間隔が3.5secとすると、この値を口呼吸における初期呼吸ピッチと設定する。
このようにして、S12において鼻呼吸指示か口呼吸指示かの判断、S22において呼吸レベルの設定、S30において初期呼吸ピッチの設定がされると、これらをまとめて初期基準呼吸データとして設定登録する。上記の例では、(鼻呼吸−1.5mV−3.5sec)と登録される。
こうして鼻呼吸又は口呼吸のいずれかについて設定登録がされると、これで鼻呼吸についての設定と口呼吸についての設定とが完了したか否かの判断(S34)が行われる。まだいずれか一方の設定しか行われていないときには、工程S12に戻り以下S32までの工程を実行し、もう一方の設定を行う。双方について設定登録が完了するとティーチングが終了する。
次にランニング工程につき説明する。ランニング工程ではすでに被測定者は睡眠に入っているので、コンデンサマイク50により検出した音のみにより、鼻呼吸か口呼吸かを識別し、呼吸ピッチの変化を監視し、無呼吸の監視を行う。図16はランニング工程全体のフローチャートである。
最初にイニシャライズ(S70)を行う。次に終了指示有りか否かの判断(S72)を行う。具体的には、コンデンサマイク50により、被測定者の合図を検出する。被測定者は、睡眠から覚め、呼吸音データの収集を終りにしようとするときは、あらかじめ定めておいた取り決めに従い、終了指示の合図を出す。例えば、「おわり」の音声を出す。そこで、ランニング工程においては、この終了指示を監視し、終了指示があるまで終了処理(S88)を行わず、呼吸音取得を継続する。呼吸音取得工程(S74)の内容は、図7、図8で説明したものと同じである。そして、取得した呼吸音データに基づき、呼吸ピッチ監視と無呼吸監視を平行して行う。
すなわち、呼吸音取得工程(74)ののち、20sec経過か否かの判断(S76)と1sec経過か否かの判断(S80)を平行して行う。S76の処理の内容は、ティーチング工程のS18の内容と同じで、S80の処理の内容は設定時間が1secであることが異なるのみである。したがって、20sec毎に呼吸ピッチ監視(S78)を行い、1sec毎に無呼吸監視(S82)を行うことになる。
図17は、呼吸ピッチ監視工程(S78)の内部フローチャートである。最初に20sec期間における呼吸音データのMAX値検出(S90)を行う。この内容は、ティーチング工程のS20の処理内容と同じである。次に鼻呼吸か口呼吸か区別する処理(S92)を行う。すなわち、設定登録されている鼻呼吸における呼吸レベル及び口呼吸における呼吸レベルと、検出されたMAX値とを比較し、取得した呼吸音データは鼻呼吸か口呼吸か区別する。例えば、検出されたMAX値が5mVであるとすると、上記の例の場合、口呼吸の呼吸レベルである15mVより小さく、鼻呼吸の呼吸レベルである1.5mVより大きいので、取得した呼吸音データは鼻呼吸によるものとされる。
次に呼吸ピッチ取得(S94)を行う。この工程は、図7、図14の呼吸ピッチ工程の内容と同じである。そして所定範囲か否かの判断(S96)を行う。この工程もティーチング工程のS28における処理の内容と同じである。そして、検出されたゼロクロス点の数が所定範囲にあると判断されると、呼吸ピッチ算出(S98)を行う。具体的には、検出された複数のゼロクロス点の間隔を算出し、これらの平均値をもって呼吸ピッチとする。
そして、算出された呼吸ピッチが正規範囲か否かの判断(S100)を行う。最初に呼吸ピッチが算出されるときは、設定登録されている初期呼吸ピッチを中心値とし、適当な範囲を定め、その範囲を正規範囲とする。数回にわたり呼吸ピッチが算出された後は、その移動平均を求め、それを中心値とし、その両側にそれぞれ標準偏差の3倍程度の範囲を設定し、その範囲を正規範囲とする。なお、移動平均とは、最新のデータをその直前のデータとの間で平均をとり、これを時間経過と共に繰り返すもので、平均値の時間変化が滑らかになる。このように正規範囲か否かを判断し、正規範囲を外れるデータは異常値として除外し、改めて最新の平均呼吸ピッチを算出する。
こうして最新の平均呼吸ピッチが算出されると、これを前の平均呼吸ピッチに置き換えて呼吸ピッチの更新を行う(S102)。このようにして、呼吸ピッチの監視が行われる。
図18は、無呼吸監視工程(S82)の内部フローチャートである。最初に呼吸有りか否かの判断(S110)を行う。具体的には、設定登録されている鼻呼吸における呼吸レベル又は口呼吸における呼吸レベルの小さい値の方と、取得した呼吸音データとを比較する。上記の例で、取得した呼吸音データと1.5mVとを比較する。
呼吸有りと判断したときは、無呼吸期間の設定が既に有りか否かの判断(S112)を行う。無呼吸期間の設定とは、呼吸無しの時間が10secを超えるときに行われる。したがって、無呼吸期間の設定が有りと判断されると、無呼吸が10sec以上続いた後に呼吸有りと判断されたことになり、無呼吸が解消されたことになる。この場合には、その前の無呼吸期間について、無呼吸時間の長さ、無呼吸が開始した時刻等を無呼吸情報として設定(S114)し、以前の無呼吸情報に加えて更新する(S116)。S112において無呼吸期間の設定がありとは判断されないときは、呼吸有りの状態が継続しているので、呼吸音取得工程(S74)に戻り、無呼吸監視を継続する。
S110において呼吸有りとは判断されないときは、無呼吸が始まっているので、無呼吸時間の計測を開始する(S118)。そして、無呼吸か否かの判断(S120)を行う。この判断は、無呼吸の定義により、無呼吸時間が10secを超えたか否かで判断できる。そして無呼吸と判断されると、無呼吸期間として設定(S122)が行われる。これを1sec毎に繰り返し、無呼吸監視が行われる。
再び図16に戻り、無呼吸監視工程(S82)に引き続き、センサ被着外しか否かが判断(S84)される。例えば、7分を超えて呼吸が検出されないときは、事故の場合を除けば、通常は呼吸データ収集装置10の被着を顔から外したものと考えられる。このようにしてセンサ被着外しか否かを判断できる。
上記の例で7分経過してセンサ被着外しと判断されると、例えば7分の間が全部無呼吸でないことがありうるので、無呼吸期間設定が最後に行われたものを削除する(S86)。こうして、データの信頼性を高めた上で、終了処理(S88)に進む。すなわち、被測定者が終了指示をし忘れてそのまま放置したときでも、終了処理(S88)に進むことができる。また、センサ被着外しと判断されないとき、すなわち7分経過しないときにも、解析表示装置60へ挿入か否かの判断(S85)が行われる。呼吸データ収集装置10が解析表示装置60に挿入されるときは、被測定者が終了指示をし忘れているが自発的に被着を外し測定を終了する意図があるときであるので、このときもS86を経て終了処理(S88)に進む。すなわち、自発的にせよ、何か他の理由にせよ、センサ被着外しと判断されると、最後に行われた無呼吸期間設定が削除され、終了処理が行われる。解析表示装置60へ挿入とは判断されないときはS72へ戻り、無呼吸監視を継続する。
終了処理(S88)は、S72において終了指示有りと判断された場合と、終了指示がなされていないがS86の工程処理がされた後に行われる。すなわち、終了処理は、被測定者の意思等によりデータ収集を終了させるときに行われる処理である。このときは、図5で説明したように、被着外しが行われた呼吸データ収集装置10が解析表示装置60の挿入くぼみ62に挿入され、この挿入を検出して終了処理(S88)が開始する。図19は、終了処理工程(S88)の内部フローチャートである。まず、測定STOP処理(S130)が行われる。つぎに、入出力ポート34,64を介し、メモリバックアップ(S132)と充電開始(S134)が行われる。メモリバックアップ工程(S132)は、呼吸データ収集装置10から解析表示装置60へ呼吸データを転送する工程である。S132の工程とS134の工程は、順序を逆にしてもよく、同時に行うこととしてもよい。その後呼吸データ収集装置10のCPU98のスリープ処理(S136)がなされ、ここにランニング工程がすべて終了する。
ランニング工程が終了すると、解析表示装置60に転送されたデータは、上記のように解析表示装置60においてデータの集計等の解析が行われ、転送されたデータとともに解析結果は表示コントロール部114のメモリ等に記憶される。次に解析表示装置60の操作ボタン68を操作することで、ディスプレイ66にデータを表示させることができる。図20から図26は、操作ボタン68の操作によりさまざまなデータがディスプレイ66に表示される様子を示す図である。
図22は、ディスプレイ66の初期画面と、操作ボタン68の配置を示す図である。初期画面には、A:累計と、B:ピックアップと、C:個別の、3種類の表示の選択ができることが示されている。操作ボタン68は、3種類の表示の選択を行うSELボタン、月日の変更等を行うNEXTボタン、電源のON/OFFと、選択の確定あるいは再選択を行うENTボタンの3つのボタン群からなる。
図21は、SELボタンにより表示画面上でカーソルをA:に合わせENTボタンで選択を確定してA:累計を選択したときの表示画面の様子を示す。同様に図22は、B:ピックアップを選択し、その(a)はピックアップで表示できる6項目のうち最初の3項目が表示される様子を示し、(b)はNEXTボタンの操作により次の3項目が表示される様子を示す。図23は、C:個別を選択し、(a)は前半の2項目、(b)は後半の2項目の表示を示す。
図24は、ディスプレイ66の初期画面において、さらにD:経歴累計、E:経歴ピックアップの2種類の表示ができることが示されている。図25は、D:経歴累計を選択したとき、図26(a),(b)はE:経歴ピックアップを選択し、その各項目を表示する例を示す図である。
また、解析表示装置60は、呼吸データ収集装置10から入出力ポート34,64を介して転送されたデータや解析結果のデータを、さらに、メモリカード80に書き込むことができる。図27は、メモリカード80に転送されたデータを、解析表示装置60よりさらに豊富な機能を有している解析表示装置であるパーソナルコンピュータ(PC)150を用いてより詳細なデータ解析を行う様子を示す図である。PC150は、メモリカード80からのデータ入出力を行うためのアダプタ152を備える。かかるアダプタ152としては、PCMCIAカードアダプタ等を用いることができる。アダプタ152を介してメモリカード80からデータを受け取ったPC150は、適当なデータ解析ソフトを用いてより詳細なデータ解析を行うほか、インターネット回線154等の通信回線を介し、電子メール等で外部の医療機関等にそのデータ等をさらに送信でき、判断や指示を仰ぐことができる。
このように、呼吸データ収集装置10により収集された呼吸データを、データ転送機能やデータ解析機能、データ送信機能等を有する解析表示装置を用いてさまざまに有効に利用することができる。上記では、(呼吸データ収集装置10−解析表示装置60−メモリカード80−PC150−外部送信)の例を説明したが、これ以外の利用形態、例えば、顔から取り外した呼吸データ収集装置10の入出力ポート34とPC150の適当な入出力アダプタとを信号ジャックで直接接続する等の利用形態を用いてもよい。
図28、図29は、PC150により解析されたデータの表示例である。図28は、日毎発生件数の解析結果の画面で、呼吸波形、鼻呼吸と口呼吸の区別及びその回数に基づく比率等の発生状況、日毎の無呼吸回数、無呼吸累積時間、無呼吸頻度等がまとめられている。このデータを、医師に行く判断材料として、あるいは治療の必要性判断材料に用いることができる。図29は、生活習慣履歴の解析結果の画面で、毎日の健康状態を表すものとして就寝前体調や目覚め爽快度、飲酒、喫煙等が、無呼吸データや鼻呼吸と口呼吸の発生状況データと関連付けてまとめられている。このように健康状態の履歴を残すことで、生活習慣を具体的にチェックできる。
呼吸音の検出に、焦電性高分子フィルムを用いることができる。焦電性高分子フィルムは、いわゆるピエゾフィルムであるので、膜面に気流の動き等の振動を伝え、それにより発生する電気信号を検出する。焦電性高分子フィルムは薄く、軽量であるので、被測定者への負担を軽減することができる。以下に図4で説明した呼吸音センサ40をもとにして、焦電性高分子フィルムを用いた呼吸音センサとなす例を示す。図4と同様な要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図30は、底面がふさがれた円筒212の開口面に焦電性高分子フィルム210を貼付け、これを呼吸音の検出器としたときの呼吸音センサ200の分解図である。ここで、図4で説明した呼吸音センサ40と相違するのは、マイク保持枠42において、コンデンサマイクのはめ込まれる穴49に、焦電性高分子フィルム210を貼り付けた底面のふさがれた円筒212がはめ込まれて固定されるところである。焦電性高分子フィルム210の厚みは、例えば約20−40μmとすることができる。円筒212は、直径を約12mm、高さを約1mm程度とすることができる。
図31は、ブリッジ型形状の支持枠224の天井部分をやや厚めにし、そこに矩形開口部を有するくぼみ226を形成し、その開口部に焦電性高分子フィルム222を貼付けた呼吸音センサ220を示す図である。すなわち、支持枠224に設けられたくぼみ226と焦電性高分子フィルム222とで密閉した空気室を形成するので、焦電性高分子フィルム222の表面を流れる気流の動きを検出しやすくなる。
図32は、ブリッジ型形状に曲げられた金属薄板234の内面側に焦電性高分子フィルム222を貼付けた呼吸音センサ220を示す図である。金属薄板234は、ばね性のある金属材料が好ましく、例えば、厚み0.2mm程度のステンレス薄板を用いることができる。金属薄板234に焦電性高分子フィルム222を貼付けた後、さらに柔軟性のある樹脂で表面をコーティングすることが好ましい。コーティング樹脂として、例えばシリコン樹脂を用いることができる。金属薄板234はブリッジ型形状をしており、ばね性を有し、コーティング樹脂も柔軟性があるので、これを図2で説明したパッド板26に一対のホック22a,22bで取り付け、パッド板26を被測定者の顔の形状に合わせて曲げたりしても、形を変えながら十分追従することができる。したがって、被測定者に対し、被着したときのフィット感をよくすることができる。
図33は、焦電性高分子フィルム260を円筒状に巻き、これにより呼吸音を検出する呼吸音センサ240となす様子を示す図である。図34は、その分解図である。呼吸音センサ240は、左右回路パッケージ242a,242bと、その間を接続する接続管244を有する。焦電性高分子フィルム260は、接続管244の両端部で固定されるように、丸い筒状に巻かれる。その後柔軟性を有する樹脂で表面をコーティングすることが好ましい。コーティング樹脂としてはシリコン樹脂を用いることができる。接続管144の大きさは、左右回路パッケージ間の部分の長さを約12mmとし、両端のそれぞれ約1mmの部分で焦電性高分子フィルム260を取り付ける。両端の取り付け部分の直径を約2−3mmとし、両取り付け部分の間はそれより約0.2mm小さい径とし、その外形と焦電性高分子フィルム260のとの間が密閉空気室となる。
接続管244の両端には、一対の差込信号プラグ246a,246bのそれぞれの一端部が差し込まれる。一対の差込信号プラグ246a,246bのそれぞれの他端部もプラグ形状をしており、それぞれ左右回路パッケージ242a,242bに設けられた接続ポート250a,250bに差し込まれる。一対の差込信号プラグ246a,246bは、電気信号を伝達できるプラグで、焦電性高分子フィルム260から呼吸音信号を受け取り、左右回路パッケージ242a,242bに内蔵される収集装置回路90に伝えるとともに、左右回路パッケージ242a,242b間の信号伝達を行う機能を有する。
図35は、接続管244の両側に柔軟性を持たせた腕部274a,274bを設けた呼吸音センサ270を示す図である。腕部274a,274bの材質は、柔軟性に富むプラスチック樹脂が好ましい。例えばシリコンゴム等を用いることができる。腕部274a,274bの先には差込信号プラグ278a,278bが設けられる。腕部274a,274bに沿って信号線を兼ねる導電性線材276a,276bが配置される。導電性線材276a,276bは、腕部274a,274bの外周に沿って配置し、その上から柔軟性のある樹脂でコーティングしてもよく、腕部274a,274bの内部に埋め込んでもよい。導電性線材276a,276bは、腕部274a,274bを被測定者の顔の形状に合わせ変形させるときの支持体又は心材の働きを有する。かかる導電性線材276a,276bとしては弾性及び柔軟性に富む金属線、例えば直径が約1mmの銅線を用いることができる。このような構成とすることで、図35の矢印に示すように、被測定者の顔の形状に合わせ呼吸音センサ270の形状を変え、弾性を持たせつつその形状をそのまま維持することが容易となり、フィッティング感が向上する。
図36に、横軸を時間、縦軸を電圧として、鼻呼吸における焦電性高分子フィルムの検出した信号の様子を示す。また、図37は、横軸と縦軸とを図36と同様にして、口呼吸における検出信号の様子を示したものである。コンデンサマイクについての図9、図10と比較すると、焦電性高分子フィルムの場合は、呼気のときと吸気のときでフィルムのたわむ方向が異なり、それに応じて検出電圧の符号が変化することがわかる。したがって、呼吸音取得の際のデータ前処理がコンデンサマイクに比べ簡素にできる。
呼吸音センサを鼻孔内に押し付けて配置することで、鼻呼吸の検出と、口呼吸の検出とを同じセンサで行うことができる。すなわち、口呼吸は口腔をふるわせたり、のどを鳴らせたりするので、頭部の骨を振動させ、あるいは筋肉を振動させる。そこで、鼻孔の内壁に呼吸音センサを押し付けることで、鼻呼吸による気流の検出と、口呼吸による鼻中隔等の鼻孔内壁の振動を同じセンサにより検出できる。
図38、図39は、被着パッド302に二股形状のビーム部分304を取り付け、その先端にコンデンサマイク306a,306bを取り付けた呼吸データ収集装置300を用い、ビーム部分304を鼻孔内に挿入し、鼻孔を外側に押し広げるようにしてコンデンサマイク306a,306bを保持する様子を示す図である。図40は呼吸データ収集装置300の分解図である。ビーム部分304は、柔軟性のあるプラスチック樹脂で構成され、その内部にコンデンサマイク306a,306bの信号線を兼ねる導電性線材308が埋め込まれる。導電性線材308は、弾性及び柔軟性に富む金属線、例えば直径が約1mmの銅線を用いることができる。導電性線材308の一方端はコンデンサマイク306a,306bに接続され、他方端は差込信号プラグ310a,310bに接続される。この差込信号プラグ310a,310bに対応し、被着パッド302に接続ポート312a,312bが設けられる。このように、差込信号プラグ310a,310bと接続ポート312a,312bとにより、被着パッド302とビーム部分304とは着脱が可能であり、合体しているときは、コンデンサマイク306a,306bと被着パッド302に内蔵される収集装置回路とが接続される。また、鼻孔内に挿入されるビーム部分304が汚れたときは、ビーム部分304を被着パッド302から取り外すことでその清掃等を容易に行うことができる。なお、被着パッド302には、入出力ポート314、LED316が設けられる。
図41は、ビーム部分304の拡大図である。ビーム部分304はシリコンゴム等の柔軟性に富むプラスチック樹脂で構成され、埋め込まれている導電性線材308が心材として機能するので、図41の矢印に示すように、被測定者の鼻孔の形状等に合わせてその形状を変えることができる。形状を変えた後もその形状をそのまま維持することができるので、被測定者にとりフィッティング感が向上する。
図42、図43は、二股形状のビーム部分326の先端に設けられたコンデンサマイク306a,306bを、鼻中隔を挟むようにして保持する様子を示す図である。すなわち、ビーム部分326の先端のコンデンサマイク306a,306bは、集音面が向かい合うようして、ビーム部分326の導電性線材308の弾性を利用し、二股状の各先端をそれぞれ各鼻孔の内壁に押し付けるようにして両鼻孔に取り付けられる。その他の要素は、図38−41において説明したのと同じである。
このように、鼻孔を利用してコンデンサマイクの位置を固定できるので、被着パッドを口蓋部に粘着シート等で固定する負荷を軽減できる。例えば、ひげのある被測定者や、粘着部材等に対し過敏な被測定者等にとって、被着の負荷が軽減される。
呼吸音センサにより検出されたデータを、そのまま無線手段により外部の受信装置に送信することもできる。このようにすることで、呼吸データ収集装置における電子回路部分を少なくし、より軽量小型化が図れ、被着の負荷を軽減できる。以下の説明において、図5、図6と共通の要素については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図44は、被測定者が被着している呼吸データ収集装置305から受信装置360に向けて、非可聴周波数帯の信号352を送信している様子を示す図である。図45は受信装置360と、呼吸データ収集装置305の詳細を示す図である。受信装置360は、パラボラアンテナ362と、内部に信号線を有する可撓性のアンテナ支え364と、パラボラアンテナ362とアンテナ支え364内を通る信号線により接続される解析解析表示装置370とを含む。解析表示装置370にはディスプレイ66、操作ボタン68、メモリカード80の挿入スロット72を有する。呼吸データ収集装置350には、圧電体354が設けられ、その駆動により非可聴周波数帯の信号352を放射する。
図46は、呼吸データ収集装置350の回路部分である収集装置回路380と、受信装置360の回路部分である受信装置回路390についてのブロック図である。収集装置回路380は、呼吸データ収集装置350の左右回路パッケージ内に収納され、受信装置回路390は、その解析表示装置370の筐体内部に収納される。
収集装置回路380は、呼吸音センサ40の検出した信号を受け取って増幅する増幅器(AMP)92と、増幅後の信号を帯域フィルタ処理するバンドパスフィルタ(BPF)94と、その信号の電圧値に応じて周波数変調された信号を生成する変調用VCO(Voltage Controlled Oscillater)382と、変調信号を増幅する増幅器92と、増幅後の信号で駆動され、非可聴周波数帯の信号を放射する圧電体354とを含む。圧電体354は、市販の圧電ブザー等を用いることができる。
受信装置回路390は、圧電体354が放射する変調信号を受け取るマイク392と、増幅器92と、バンドパスフィルタ94と、コントロール部394とを含む。コントロール部394は、受け取った変調信号を呼吸音データとして復調する機能を有する。また、復調した呼吸音データについて集計等のデータ解析処理を行い、復調されたデータとともにメモリに記憶する機能を有する。また、復調されたデータや解析結果のデータについて画像処理等を行ってディスプレイ66に出力する機能を有する。また、受け取ったデータや解析結果のデータをメモリインタフェース116を介してメモリカード80に出力する機能を有する。
図47は、収集装置回路380及び受信装置回路390における、呼吸信号の変調、復調の様子を説明する図である。これらの図は、いずれも横軸が時間、縦軸が電圧であり、図47(a)の横軸のスケールは、(b)−(e)の横軸のスケールに対し、およそ1/2に縮めてある。
図47(a)は、呼吸音センサ40により検出された呼吸信号400を示す。この場合には、焦電性高分子フィルムにより検出された信号を例としてある。図47(b)は、呼吸信号400の各時刻における電圧値に応じて周波数変調された変調信号402を示す。すなわち、呼吸信号400の電圧値が大きいときは周波数を高く、電圧値が小さいときは周波数を低くする周波数変調が行われている。この変調は、変調用VCO382の機能により行うことができる。この変調信号により圧電体354が駆動され、これに対応する音波が空中に放射される。ここで、変調周波数帯と圧電体354の特性について、放射される音波が非可聴周波数帯となるように設定する。このことで、放射される音波により非測定者の睡眠を妨げることがないようにできる。
図47(c)はマイク392が受け取った受信信号404を示す図である。基本的には図47(b)と同じ波形となる。図47(d)は、受信信号404を矩形波に波形整形したパルス信号406を示し、図47(e)はパルス信号406の周波数を電圧値に変換して呼吸データに戻した復調信号408を示す。これらの復調処理は、コントロール部394の機能により行うことができる。
このようにして、受信装置回路390において呼吸データがリアルタイムで復調される。復調された呼吸データは、コントロール部394のメモリ等により一時記憶され、一日分のデータがまとまった後にデータ解析が行われ、操作ボタン68の操作により呼吸音データやその解析結果をディスプレイ66に表示させることができる。また、メモリカード80にそのデータを書き込むことができる。
呼吸データ収集装置の回路動作について、呼吸音の検出及びそのデータ処理に必要でない期間の間、スリープモードとすることができる。例えば、呼吸音の生データである図9、図10等や、これらをデータ処理する過程を示す図11、図15から解るように、呼吸音は呼吸ピッチの周期性をもって繰り返し現れる。つまり、呼吸音の検出されない期間も周期的に現れる。呼吸音のデータ処理に要する時間は呼吸音を検出する時間の長さに比べると格段に速いので、呼吸データ収集装置の呼吸音センサを含めた回路部分は、ほぼ呼吸音を検出するための時間だけ動作していれば足りる。したがって、それ以外の期間について、クロック等の必要な部分のみ動作させ、残りの回路部分の動作を停止させるスリープモードとすることができる。
スリープモードにするタイミングは、呼吸ピッチを推定し、推定された呼吸ピッチに応じて自動的にスリープモードに入り、またスリープモードを解除するものとできる。呼吸ピッチの推定値としては、ティーチング工程により得られる初期基準呼吸ピッチや、ランニング工程において順次更新される平均呼吸ピッチを用いることができる。クロック等の必要な部分のみ動作させるスリープ期間の設定は、呼吸音の検出とデータ処理とに要する期間の前後にマージン期間を持たせて設定することができる。マージン期間は、呼吸ピッチの変動を見越して設定するもので、例えば平均呼吸ピッチの標準偏差等に基づいて定めることができる。
一例として、平均呼吸ピッチを3.5sec、その標準偏差を0.2secとし、鼻呼吸音又は口呼吸音の検出及びデータ処理に必要な時間を1.2secとする。この場合マージン期間を、検出前に標準偏差の2倍分、検出後に標準偏差分設定するとすれば、呼吸音が現れる推定時刻をTとして、スリープモードに関連するタイミングを次のように設定できる。
スリープモードの解除開始時刻は、(T−2×0.2sec=T−0.4sec)の時刻である。ここから、(T+1.2sec+0.2sec=T+1.4sec)までの1.8secが呼吸音検出及びデータ処理に用いられる。そして、この(T+1.4sec)からスリープモードが開始し、次のスリープモード解除開始時刻(3.5sec+T−0.4sec=T+3.1sec)までの1.7secがスリープ期間となる。スリープモードの消費電力は動作時の消費電力に比べ格段に少ないとすると、呼吸データ収集装置全体の消費電力は、スリープモードを採用しない場合に比べ、1.8/3.5=0.51に低減できる。
マージン期間の設定のうち、呼吸音検出後のマージン期間は、呼吸音レベルに所定のしきい値を設定し、そのしきい値以下になったときにマージン期間の終了、すなわちスリープ期間の開始とすることもできる。
本発明に係る実施の形態における呼吸データ収集装置を口蓋部の皮膚上に貼り付けて取り付ける様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態における呼吸データ収集装置の分解図である。 本発明に係る実施の形態におけるパッド板の裏面図である。 本発明に係る実施の形態における呼吸音センサを裏面から見た分解図である。 本発明に係る実施の形態における呼吸データ収集装置に記憶されたデータを受け取ってその内容を表示する表示装置を示す図である。 本発明に係る実施の形態において収集装置回路と表示装置回路についてのブロック図である。 本発明に係る実施の形態におけるティーチング工程全体を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態における呼吸音取得工程の内部フローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、鼻呼吸におけるコンデンサマイクの生信号と、これの微分後信号を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、口呼吸におけるコンデンサマイクの生信号と微分後信号を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、口呼吸の微分後信号と、微分後信号を絶対値処理したものを100msec毎に加算処理した後の信号を示す図である。 本発明に係る実施の形態における被測定者による確認工程の内部フローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、知らせ光の明るさを時間経過と共に次第に弱くしてゆく様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態における呼吸ピッチ取得工程の内部フローチャートである。 本発明に係る実施の形態における呼吸ピッチ取得工程のデータ処理の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態におけるランニング工程全体のフローチャートである。 本発明に係る実施の形態における呼吸ピッチ監視工程の内部フローチャートである。 本発明に係る実施の形態における無呼吸監視工程の内部フローチャートである。 本発明に係る実施の形態における終了処理工程の内部フローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、操作ボタンの操作によりディスプレイに表示されるデータの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、操作ボタンの操作によりディスプレイに表示されるデータの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、操作ボタンの操作によりディスプレイに表示されるデータの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、操作ボタンの操作によりディスプレイに表示されるデータの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、操作ボタンの操作によりディスプレイに表示されるデータの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、操作ボタンの操作によりディスプレイに表示されるデータの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、操作ボタンの操作によりディスプレイに表示されるデータの一例を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、メモリカードに転送されたデータをPCを用いてより詳細なデータ解析を行う様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、日毎発生件数の解析結果の画面を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、生活習慣履歴の解析結果の画面を示す図である。 他の実施の形態の呼吸音センサの分解図である。 他の実施の形態の呼吸音センサの分解図である。 他の実施の形態の呼吸音センサを示す図である。 他の実施の形態の呼吸音センサを示す図である。 他の実施の形態の呼吸音センサの分解図である。 他の実施の形態の呼吸音センサの分解図である。 他の実施の形態において、鼻呼吸における焦電性高分子フィルムの検出した信号の様子を示す図である。 他の実施の形態において、口呼吸における焦電性高分子フィルムの検出した信号の様子を示す図である。 他の実施の形態の呼吸データ収集装置を示す図である。 他の実施の形態の呼吸データ収集装置を示す図である。 他の実施の形態の呼吸データ収集装置の分解図である。 他の実施の形態においてビーム部分の拡大図である。 他の実施の形態の呼吸データ収集装置を示す図である。 他の実施の形態の呼吸データ収集装置を示す図である。 他の実施の形態の呼吸データ収集装置を示す図である。 他の実施の形態の呼吸データ収集装置の詳細図である。 他の実施の形態において、収集装置回路と受信装置回路のブロック図である。 他の実施の形態において、呼吸信号の変調、復調の様子を説明する図である。
符号の説明
2,4 気流、10,300,305,350 呼吸データ収集装置、20,302 被着パッド、22a,22b ホック、24a,24b,242a,242b 回路パッケージ、26 パッド板、30 気流土手部材、34,64,314 入出力ポート、36a,36b 粘着シート、40,200,220,240,270 呼吸音センサ、42 マイク保持枠、50,306a,306b コンデンサマイク、60,370 解析表示装置、66 ディスプレイ、68 操作ボタン、72 挿入スロット、80 メモリカード、90,380 収集装置回路、98 CPU、100 フラッシュメモリ、110 表示装置回路、114 表示コントロール部、116 メモリインタフェース、144,244 接続管、150 PC、210,222,260 焦電性高分子フィルム、224 支持枠、234 金属薄板、276a,276b,308 導電性線材、304,326 ビーム部分、360 受信装置、354 圧電体、382 変調用VCO、390 受信装置回路、392 マイク、394 コントロール部。

Claims (15)

  1. 顔に被着して呼吸データを収集し記憶する呼吸データ収集装置と、呼吸音データの収集が終わった後に顔から外された呼吸データ収集装置から呼吸データの転送を受けて呼吸データを解析し表示する解析表示装置とを含む呼吸データ収集システムであって、
    呼吸データ収集装置は、
    顔の鼻孔又は口の近傍付近を被着して顔に対し着脱可能な被着パッドと、
    被着パッドに取り付けられ、呼吸音を検出し、被着パッドから取り外し再び取り付けられることで再使用可能な呼吸音センサと、
    被着パッドに取り付けられ、呼吸音センサにより検出されたデータを収集し記憶するデータ収集部と、
    を備え、
    解析表示装置は、呼吸音データ又は呼吸音データの解析結果のうちの少なくとも1つを表示するディスプレイを備えることを特徴とする呼吸データ収集システム。
  2. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    被着パッドは、データを解析表示装置に転送する出力ポートを有し、
    解析表示装置は、
    呼吸音データの収集が終わった後に顔から外された被着パッドを受け入れる挿入部と、
    挿入部に設けられ、被着パッドの出力ポートと着脱可能に接続する入力ポートと、
    を備えることを特徴とする呼吸データ収集システム。
  3. 請求項1に記載の呼吸データシステムにおいて、
    解析表示装置は、呼吸データ収集装置から転送を受けたデータに基づいて、呼吸音データ又は呼吸音データの解析結果のうちの少なくとも1つの出力データを出力する出力部を備え、
    出力部は、出力データを可搬型メモリに書き込む書込手段、又は出力データを通信回線により外部に送信する送信手段のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする呼吸データ収集システム。
  4. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    呼吸音センサは、鼻孔を通る空気の流れと、口から上気道を通る空気の流れとを検出し、
    データ収集部は、呼吸音センサにより検出されたデータに基づき、鼻呼吸音と口呼吸との区分をして記憶し、
    解析表示装置は、鼻呼吸音と口呼吸のそれぞれの発生状況のデータ、又はその発生状況と生活習慣との関連付けデータのうちの少なくとも1つを表示することを特徴とする呼吸データ収集システム。
  5. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    呼吸音収集装置は、呼吸音センサを被着パッドに着脱自在に取り付ける着脱手段を備えることを特徴とする呼吸データ収集システム。
  6. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    被着パッドは、鼻孔と口との間の口蓋部の外面に沿った形状の被着部分を有し、
    呼吸音センサは、被着部分に設けられる焦電性高分子フィルムであって、金属薄板に取り付けられ、さらに柔軟性のある樹脂でコーティングされた焦電性高分子フィルムであることを特徴とする呼吸データ収集システム。
  7. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    被着パッドには、柔軟性のある樹脂の中に導電性線材が埋め込まれ外形が変更可能なビーム部分が取り付けられ、
    呼吸音センサは、ビーム部分の先端に保持され、その信号端子が導電性線材を介してデータ収集部に接続されることを特徴とする呼吸データ収集システム。
  8. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    被着パッドには、柔軟性のある樹脂の中に導電性弾性線材が埋め込まれ外形が両鼻孔に挿入可能な二股状の形状を有するビーム部分が取り付けられ、
    呼吸音センサは、ビーム部分の先端に保持され、ビーム部分の導電性弾性線材の弾性を利用し、二股状の各先端をそれぞれ各鼻孔の内壁に押し付けるようにして両鼻孔に取り付けられることを特徴とする呼吸データ収集システム。
  9. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    データ収集部は、
    被測定者の行う呼吸が口呼吸か又は鼻呼吸かの区別を示す合図信号に基づき、口を通る口呼吸音の大きさと鼻孔を通る鼻呼吸音の大きさとを識別する識別水準を求める呼吸音識別手段と、
    求められた識別水準に基づき、呼吸音を鼻呼吸音又は口呼吸音に区別する呼吸音区別手段と、
    を有することを特徴とする呼吸データ収集システム。
  10. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    データ収集部は、
    呼吸音センサが検知した信号に基づいて呼吸ピッチを測定するピッチ測定手段と、
    測定された呼吸ピッチに対応するピッチを表示して知らせるピッチ知らせ手段と、
    表示された知らせピッチに基づいて被測定者が出力する再測定指示信号を受け取る再測定信号受取手段と、
    再測定指示信号を受け取るときは呼吸ピッチの測定を再び行い、再測定指示信号を所定時間内に受け取らないときは、そのときの呼吸データを初期基準呼吸データとして設定する初期基準呼吸データ設定手段と、
    を有することを特徴とする呼吸データ収集システム。
  11. 請求項10に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    ピッチ知らせ手段は、測定時間の経過とともに表示の強度を次第に弱め被測定者を睡眠に誘導することを特徴とする呼吸データ収集システム。
  12. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    データ収集部は、
    呼吸音センサが検知した信号に基づいて呼吸ピッチを測定するピッチ測定手段と、
    最新に測定された複数の呼吸ピッチのデータに基づき、最新の平均呼吸ピッチを順次算出する平均ピッチ算出手段と、
    を有し、平均ピッチ算出手段は、それまでの複数の平均呼吸ピッチについてその標準偏差を求め、求められた標準偏差に基づいて呼吸ピッチの正規範囲を定め、最新に測定された複数の呼吸ピッチデータの中で正規範囲を外れるデータが含まれるときはこれを除外して最新の平均呼吸ピッチを算出し直すことを特徴とする呼吸データ収集システム。
  13. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    データ収集部は、
    呼吸ピッチを推定する推定手段と、
    推定された呼吸ピッチに基づき、呼吸音の検出後次の呼吸音検出に必要なタイミングまで回路動作をスリープさせるスリープ手段と、
    を有することを特徴とする呼吸データ収集システム。
  14. 請求項1に記載の呼吸データ収集システムにおいて、
    データ収集部は、
    呼吸音センサからの信号の有無を判定する信号有無判定手段と、
    被測定者が出力する測定終了信号を受け取る終了信号受取手段と、
    呼吸音センサからの信号が無く、呼吸データ収集装置の被着が外されたと判定されるときは、最後の無呼吸データを削除する削除手段と、
    信号有無判定手段の判定結果又は測定終了信号の取得に基づいてデータ処理を終了させる終了手段と、
    を有することを特徴とする呼吸データ収集システム。
  15. 顔に被着して呼吸データを収集する呼吸データ収集装置と、呼吸データ収集装置から呼吸データの転送を受けて呼吸データを解析し表示する解析表示装置とを含む呼吸データ収集システムであって、
    呼吸データ収集装置は、
    顔の一部に着脱可能に被着される被着パッドと、
    被着パッドに取り付けられ、呼吸音を検出し、被着パッドから取り外し再び取り付けられることで再使用可能な呼吸音センサと、
    被着パッドに設けられ、呼吸音センサにより検出されたデータを非可聴域周波数帯の信号に変調し、外部の受信手段に送信する送信手段と、
    を備え、
    解析表示装置は、
    送信手段により送信された非可聴域周波数帯の信号を受け取り、呼吸音データに復調する受信手段と、
    復調された呼吸音データ又は呼吸音データの解析結果のうちのすくなくとも1つを表示するディスプレイと、
    を備えることを特徴とする呼吸音データ収集システム。
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