JP4253526B2 - Magnetic resonance imaging system - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検体内のスピン(原子核スピン)の磁気共鳴現象に基づいてその内部を画像化する磁気共鳴イメージングに係り、とくに、造影剤を用いることなく、被検体の血流などの流体の動態情報を収集して提示することができる磁気共鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の高周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生するMR信号から画像を再構成する撮像法である。
【0003】
この磁気共鳴イメージングの分野において、肺野や腹部の血流像を得る場合、臨床的には、被検体に造影剤を投与して血管造影を行うMRアンギオグラフィが行われ始めている。しかし、この造影MRアンギオグラフィ法は、造影剤の投与を伴うことから、被検体に対して侵襲的な処置が必要で、何よりもまず、患者の精神的且つ体力的な負担が大きい。また、検査コストも高い。さらに、患者の体質などによっては造影剤を投与できない場合もある。
【0004】
この造影MRアンギオグラフィ法に代わる手法として、本発明者は特許文献1に示すように、静磁場中に置かれた被検体の内部で動きを示す血流の動き方向に読出し傾斜磁場パルスの印加方向を実質的に合わせた状態で、当該読出傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスに拠るスキャンを実行して被検体からエコー信号を収集する手段と、このエコー信号から画像を生成する手段とを備え、読出し傾斜磁場パルスを、エコー信号を読み出すためのパルス本体と、このパルス本体に付加され且つ血流の磁化スピンの位相挙動を制御する強度変更可能な位相挙動制御パルスとにより形成し、この位相挙動制御パルスは前記流体の磁化スピンをディフェーズ又はリフェーズさせるディフェーズパルス又はリフェーズパルスで形成するという構成を提案している。このスキャンは、事前に最適な心電同期タイミングを測定して、このタイミングで心電同期スキャンとして実行するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平2002−200054号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の読出し傾斜磁場パルスを含むパルスシーケンスに拠るスキャンは、イメージング用のスキャンとして実行されるものであり、このスキャンを実行する前に、ECG−prepスキャンと呼ばれる準備用スキャンを実行して、最適な心電同期タイミングを測定しなければならず、その測定に手間や時間が掛かることから、医療の現場で、もっと簡便に且つ非造影で血流の動態に関する情報を得たいとする要望には応えきれていない、という現状にあった。
【0007】
本発明は、このような従来技術の現状を打破するためになされたもので、造影剤を投与することなく、また事前の心電同期タイミングの測定をする必要も無く、従来よりも簡単に、被検体内の血流などの流体の動態情報を提供する磁気共鳴イメージング装置を提供することを、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明は、心時相収集手段により収集された被検体の心時相を表す信号に現れる参照波の複数個それぞれに異なる複数の遅延時間で各別に同期して前記被検体の所望領域にパルスシーケンスに基づくスキャンを実行するとともに前記所望領域から磁気共鳴に基づくエコー信号を収集するスキャン手段を備えた磁気共鳴イメージング装置において、前記パルスシーケンスは、前記エコー信号を周波数エンコードして読み出すための読出し傾斜磁場パルスを含み、この読出し傾斜磁場パルスを、前記周波数エンコードを担うパルス本体と、このパルス本体に付加され且つ前記所望領域の磁化スピンの位相挙動を制御する位相挙動制御パルスとにより形成し、さらに前記スキャン手段により相互に異なる複数の遅延時間それぞれに同期して収集された複数の時相における複数のエコー信号に基づく複数の画像データを時間軸方向に差分演算することによって差分画像を生成し、この差分画像として前記被検体の所望領域を流れる撮像目的の流体に関する動態情報を提供する動態情報提供手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
この位相挙動制御パルスの強度を適宜に調整することで、スピンの位相分散の状態を積極的に制御することができる。これにより、流速が遅い流体(血流など)や流速が速すぎる流体から確実にエコー信号を収集できる。同時に、異なる心時相で、すなわちマルチフェースでエコー信号を収集するので、エコー信号に差分演算などの適宜な処理を施して流体の動態情報を提供することができる。この結果、準備用スキャンを行って事前に最適な心電同期タイミングを測定する必要も無くなるので、使い易いMRイメージング法を提供できる。
【0010】
好適には、前記スキャン手段は、前記パルスシーケンスに含まれる前記読出し傾斜磁場パルスの印加方向を前記流体の流れ方向に実質的に合わせるように前記スキャンを実行するように構成される。この場合、例えば、前記位相挙動パルスは、前記流体の磁化スピンをディフェーズ又はリフェーズさせるディフェーズパルス又はリフェーズパルスで形成される。前記位相挙動制御パルスの強度を前記流体の流れの速度に応じて変更することが好ましい。
【0011】
また、好適には、前記動態情報提供手段は、前記流体の流れの動態を画像化して表示するように構成することである。
【0012】
例えば、前記パルスシーケンスは、少なくともハーフフーリエFSE(Fast Spin Echo)法、EPI(Echo Planar Imaging)法、及びFSE(Fast Spin Echo)法のパルスシーケンスを含むパルスシーケンス群の中から選択された1つのパルスシーケンスである。また、前記パルスシーケンスは、例えば、2次元のスキャンを担うパルス列から成る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態を、図1〜図5を参照して説明する。
【0015】
この実施形態にかかる磁気共鳴イメージング(MRI)装置の概略構成を図1に示す。
【0016】
(1.1)装置の構成
この磁気共鳴イメージング装置は、被検体Pを載せる寝台部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール及び画像再構成を担う制御・演算部と、被検体Pの心時相を表す信号としてのECG信号を計測する心電計測部とを備えている。
【0017】
静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場H0を発生させる。なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられている。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のための電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0018】
傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイルユニット3は、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部はまた、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述するシーケンサ5の制御のもとで、x,y,zコイル3x〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給する。
【0019】
傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、物理軸である3軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の傾斜磁場を合成して、互いに直交するスライス方向傾斜磁場GS、位相エンコード方向傾斜磁場GE、および読出し方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場GRから成る論理軸方向を任意に設定・変更することができる。スライス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾斜磁場は静磁場H0に重畳される。
【0020】
送受信部は、磁石1内の撮像空間にて被検体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。この送信器8T及び受信器8Rは後述するシーケンサ5の制御のもとで動作する。送信器8Tは、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受信器8Rは、RFコイル7が受信したエコー信号などのMR信号(高周波信号)を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号処理を施した後、A/D変換してMR信号のデジタルデータ(原データ)を生成する。
【0021】
さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器12、入力器13、及び音声発生器16を備える。この内、ホスト計算機6は、記憶したソフトウエア手順(図示せず)により、シーケンサ5にパルスシーケンス情報を指令するとともに、装置全体の動作を統括する機能を有する。
【0022】
シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシーケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するとともに、受信器8Rが出力したMR信号のデジタルデータを一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3zに印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミングなどに関する情報を含む。
【0023】
このパルスシーケンスとしては、フーリエ変換法を適用したものであれば、2次元(2D)スキャン又は3次元スキャン(3D)のものであってもよいが、とくに、そのスキャン時間の長さを考慮すると、本実施形態は2次元スキャンに好適である。また、そのパルス列の形態としては、高速SE(FSE)法、EPI(Echo Planar Imaging;エコープラナーイメージング)法、FASE(Fast Asymmetric SE)法(すなわち、高速SE法にハーフフーリエ法を組み合わせたイメージング法)などが特に好適である。
【0024】
これらのパルスシーケンスは、後述するように、本発明の特徴の一部を成す、マルチフェース(複数の心時相)に拠る心電同期法として実行される。
【0025】
さらに好適には、この心電同期法を、スキャン時間にも拠るが、被検体に数十秒から1分程度の間、息を止めてもらう息止め法を併用して、体動アーチファクトを防止するようにしてもよい。
【0026】
また、上述した心電同期法を、近年、高速撮像法として注目されているパラレルイメージング(PI)法の元で実行してもよい。このパラレルイメージング法は、基本的に、複数のRFコイル(要素コイル)から成るアレイコイル(以下、Phased Array Coil: PAC)、いわゆるマルチコイルを用いるとともに、位相エンコードをスキップさせることで、その位相エンコード数を画像再構成に必要な所定位相エンコード数のRFコイル数分の1に減らす、いわゆる、サブエンコーディング収集の元で実行される。これにより、各RFコイルが同時にエコー信号を受信し、これらの受信したエコー信号からRFコイル毎に画像データが生成される。これにより、RFコイル毎に生成した画像のFOVは小さくなり、スキャン時間は短縮されて撮影の高速化が図られる。
【0027】
その一方で、各RFコイルから収集したエコー信号を再構成した画像には、その画像端には折返し(wrap-around又はfolding;エリアシングとも呼ばれる)が生じる。そこで、このパラレルMRイメージング法の場合、複数のRFコイルの感度が個々に異なることを利用して、各RFコイルに対応して得られた複数枚の画像それぞれをアンフォールディング(unfolding)する展開処理が後処理として行われる。この展開処理には、RFコイルの空間的な感度マップが用いられる。
【0028】
この展開処理が施された複数枚の画像が最終のフルFOV(視野)の画像に合成される。このようにパラレルイメージング法によって、スキャンの高速化を図るとともに(高速撮像)、例えば腹部全体のように広い視野の最終画像を得ることができる。
【0029】
図1に戻って説明すると、演算ユニット10は、受信器8Rが出力したデジタルデータ(原データ又は生データとも呼ばれる)を、シーケンサ5を通して入力し、その内部メモリによるk空間(フーリエ空間または周波数空間とも呼ばれる)にそのデジタルデータを配置し、このデータを1組毎に2次元又は3次元のフーリエ変換に付して実空間の画像データに再構成する。また演算ユニットは、必要に応じて、画像に関するデータの合成処理や差分演算処理(重付け差分処理も含む)も実行可能になっている。この合成処理には、画素毎に加算する処理、最大値投影(MIP)処理などが含まれる。また、上記合成処理の別の例として、フーリエ空間上で複数フレームの軸の整合をとって原データのまま1フレームの原データに合成するようにしてもよい。なお、加算処理には、単純加算処理、加算平均処理、重み付け加算処理などが含まれる。
【0030】
記憶ユニット11は、再構成された画像データのみならず、上述の合成処理や差分処理が施された画像データを保管することができる。表示器12は画像を表示する。また入力器13を介して、オペレータが希望する心電同期タイミング設定情報、スキャン条件、パルスシーケンス、画像合成や差分の演算に関する情報をホスト計算機6に入力できる。
【0031】
音声発生器16は、ホスト計算機6から指令があったときに、息止め開始および息止め終了のメッセージを音声として発することができる。
【0032】
さらに、心電計測部は、被検体の体表に付着させてECG信号を電気信号として検出するECGセンサ17と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各種の処理を施してホスト計算機6およびシーケンサ5に出力するECGユニット18とを備える。この心電計測部による計測信号は、心電同期法に拠るイメージングスキャンを実行するときに用いることができる。
【0033】
(1.2)イメージングスキャン
次に、この実施形態におけるイメージングスキャンの動作を図2〜5を参照して説明する。
【0034】
ホスト計算機6は、図示しない所定のメインプログラムを実行し、その一環として、入力器13からの操作情報に応答して図2に示すイメージングスキャンの処理を実行する。
【0035】
具体的には、ホスト計算機6は操作者が入力器13から指定したスキャン条件(読出し方向傾斜磁場パルスの印加方向、画像サイズ、スキャン部位に応じたパルスシーケンスの種類など)、位相挙動制御パルス条件(読出し方向傾斜磁場パルスに付加する位相制御パルスの種類(パーシャル・フロー・コンペンセーション(Partial FC)パルス又はパーシャル・フロー・スポイリング(Partial FS)パルス)、位相挙動制御パルスの強度など)、心電同期条件(初期遅延時間d1、遅延時間のインクリメント値、同期回数(撮像画像数)、R−R間隔など)、及び画像処理法の情報(MIP処理、差分処理など。差分処理の場合には、単純差分、重み付け差分処理、加算処理のいずれかなど。)を入力し、それらの情報を制御データに処理し、その制御データをシーケンサ5および演算ユニット10に出力する(ステップS1)。
【0036】
次いで、ホスト計算機6は、スキャン前の準備完了の通知があったと判断できると(ステップS2)、息止め開始の指令を音声発生器14に出力する(ステップS3)。これにより、音声発生器14は、「息を止めて下さい」といった内容の音声メッセージを発するから、これを聞いた患者は息を止めることになる。
【0037】
この後、ホスト計算機6はシーケンサ5にイメージングスキャンの開始を指令する(ステップS4)。
【0038】
シーケンサ5は、このイメージングスキャン開始の指令を受けると、パルスシーケンス情報として予め指定されているパルスシーケンスをECG信号に基づく心電同期法の元で実行する。
【0039】
このパルスシーケンスの一例を図3に示す。同図に示すパルスシーケンスは、2次元のFASE法に基づくパルス列で成る。ただし、このパルス列には、スライス方向傾斜磁場パルス及び位相エンコード方向傾斜磁場パルスは図示しておらず、読出し方向傾斜磁場パルス(RO gradient)のみについて、その原形(オリジナル)波形、位相挙動制御パルスとしてのパーシャル・フロー・スポイリング(Partial FS)パルス、及び、同じく位相挙動制御パルスとしてのパルスパーシャル・フロー・コンペンセーション(Partial FC)パルスが図の下から順に記載されている。なお、エコー間隔(ETS)は4msec程度と極力短縮させ、スキャン時間の短縮化を図っている。
【0040】
Partial FCパルスは、血流速度が速めのときに読出し傾斜磁場パルス(本体パルス:オリジナル波形参照)とは逆極性の方向に印加されるパルスであり、血流速度が速い又は速めであるときに、その磁化スピンの位相分散を抑制し、信号値を確実に捕捉できるようにすることを目的としている。Partial FSパルスは、血流速度が遅めのときに読出し傾斜磁場パルス(本体パルス)と同極性の方向に印加されるパルスであり、血流速度が遅い又は遅めであるときに、その磁化スピンの位相分散を助長して、高い信号値を収集できるようにすることを目的としている。
【0041】
Partial FCパルス及びPartial FSパルスは、読出し傾斜磁場パルス(本体パルス)の時間軸方向の先頭に付加されているパルスがその機能を果たし、この先頭パルスと対をなすように後ろに付加されているパルスは、先頭パルスによって制御したスピン位相を補償する機能を有する。このように、先頭及び後ろに付した両パーシャルパルスによってスピンの位相挙動制御という同一目的を果たすので、両パーシャルパルスを含めて位相挙動制御パルス(Partial FCパルス及びPartial FSパルス)と呼ぶことにする。
【0042】
なお、本実施形態において用いている「パーシャル(Partial)」の用語は、本体パルスに対して部分的であることを示し、この「部分的」とは、本体パルスの波形面積(強度)を100%としたときに、0よりも大きく且つ100%未満の面積範囲を表している。したがって、この位相挙動制御パルスの波形面積の割合は、測定対象部位を流れる血流速度などを勘案してオペレータにより位相挙動制御パルス条件の入力項目の中で、そのパルスの種類と共に、指定される。
【0043】
なお、この位相挙動制御パルスの波形面積、すなわちスピンの位相を制御する強度は、オペレータが所望撮像部位の種別に応じて手動設定する場合に限られず、撮像部位と位相挙動制御パルスの強度との関係をテーブルとして記憶しておいて、オペレータがスキャン条件の中で所望の撮像部位を指定することに応じて、かかるテーブルを参照して自動的に位相挙動制御パルスの強度を設定できるようにしてもよい。
【0044】
さらに、図3に模式的に示すように、心電同期条件によってオペレータから指令された条件の元に、2次元FASE法に基づくパルス列が被検体の所望撮像領域に印加される。具体的には、最初にECG信号に現れるR波のピーク値から遅延時間d1だけ遅れた時刻に同期して2次元FASE法に基づく1ショットのスキャンが実行される。これにより、2次元k空間に充填されエコーデータが収集される(このとき、収集後にハーフフーリエ法に従う演算によりエコーデータを充填させるk空間の一部領域は除く)。次いで、2R−R後、R波のピーク値からd2(>d1)だけ遅れた時刻に同期して、同じく2次元FASE法に基づく1ショットのスキャンが前回と同一スライスに対して実行される。さらに、2R−R後、R波のピーク値からd3(>d2)だけ遅れた時刻に同期して、同じく2次元FASE法に基づく1ショットのスキャンが前回と同一スライスに対して実行される。以下、同様にして、遅延時間を所定のインクリメント値ずつ変えて同様のスキャンが同一スライスに対してなされる。
【0045】
このとき、初期遅延時間、インクリメント値(遅延時間の変化幅)、及びショット回数は心電同期条件によりオペレータから指定されている。例えば、初期遅延時間=100msec、インクリメント値=5ms、及びショット回数=30回というもので、とくに、遅延時間のインクリメント値、すなわち「dn+1−dn」が数msと非常に狭い時間間隔にも設定することで、血流動態の観測が可能になることが特徴である。また、R−R間隔も、観測対象の血流速度によってオペレータから予め指定されている。血流速度が比較的早いときは、観測部位へのフレッシュな血流の流入も速いので、1R−R又は2R−Rとすることができ、一方、その反対に、血流速度が比較的遅いときは、観測部位へのフレッシュな血流の流入を待つために、例えば3R−R以上の間隔に設定される。
【0046】
さらに、このパルスシーケンスによれば、読出し方向傾斜磁場パルスGRの印加方向は、オペレータにより、撮像目的の血流(動脈AR,静脈VE)の流れる方向にほぼ一致するように予め設定される。
【0047】
図3に戻って説明すると、ホスト計算機6は、シーケンサ5からのスキャン完了通知を受けると(ステップS5)、息止め解除の指令を音声発生器16に出力する(ステップS6)。そこで、音声発生器16は、例えば「息をして結構です」といった音声メッセージを患者に向けて発し、息止め期間が終わる。
【0048】
患者Pから発生するエコー信号は、RFコイル7で受信され、受信器8Rに送られる。受信器8Rはエコー信号に各種の前処理を施し、デジタル量に変換する。このデジタル量のエコーデータはシーケンサ5を通して演算ユニット10に送られ、メモリで形成される2次元k空間の位相エンコード量に応じたライン位置毎に配置される。
【0049】
以上のイメージングスキャンが終わると、シングルスライス・マルチフェーズで収集されたエコーデータが各k空間に配置され、さらにハーフフーリエ法の元での演算によるデータ充足がなされるので、2次元のフーリエ変換による画像再構成が行われる。これにより、心時相がインクリメント値INC(=「dn+1−dn」)分ずつ異なった同一スライスの実空間画像データが順次作成される(ステップS7)。
【0050】
画像再構成が終わると、ホスト計算機6は、作成した実空間画像をMRA像として時系列にそのまま表示する(ステップS8)。これにより、術者などに、血流動態の情報をある程度、提供することができる。
【0051】
加えて、ホスト計算機6は、作成した実空間画像に基づく差分演算によるシネ表示を行うか否かについて、オペレータとの間でのインターラクティブなやり取りを行って判断する(ステップS9)。この判断によりシネ表示の実行が決せられると、ホスト計算機6は差分画像の演算及びシネ表示(動画表示)を行う(ステップS10、S11)。これらの演算は、演算ユニット10に実行させてもよい。
【0052】
上述したように収集したシングルスライス・マルチフェーズの複数枚の画像は、それらを1心周期内で表すと、図4に示す概念図のようになる。すなわち、1心周期を細かいインクリメント値INCで区切った、互いに異なる心時相d1,d2,d3,…で順に同一スライスを収集した複数枚の画像になる。インクリメント値INCは、例えば、数msでもよいし、数十msでもよいし、100ms程度であってもよい。
【0053】
この複数枚の画像は、上述したように、位相挙動制御パルスとしてのPartial FCパルス又はPartial FSパルスが読出し方向傾斜磁場パルスのパルス本体に付加されて収集されたものである。このため、Partial FCパルス又はPartial FSパルスによって、各心周期内に収集されるスピンのバラケ度(位相分散)が抑制又は助長される。すなわち、心周期内において収集される信号値を概念的には図5に示す如く、制御することができる。同図の曲線は、収縮期から拡張期に至る血流速度(比較的速い流速の場合)とFASE法で収集した信号値との変化を示している。Partial FCパルス又はPartial FSパルスの強度を変更することより、信号値曲線を図5のS1、S2のように制御することができる。このPartial FCパルス又はPartial FSパルスの強度を適宜に設定してやることで、異なる心時相t1、t2間の信号値差を強調しながら、血流を描出した画像(MRA像)を提供することができる。
【0054】
そこで、複数枚の画像を時間軸方向(昇順又は降順)において適宜な方法の差分演算を行うと、静止している画素信号は消去され、動いて画素信号が変化している成分、すなわち血流を描出することができる。この差分演算は、例えば、時間軸方向において最初に又は最後に収集された画像を基準に、この画像から順次、残りの画像を時間軸方向に沿って差分することで、血流の動態のみを描出することができる。この差分演算によって生成された複数枚の差分画像をシネ(動画)表示することで血流の動態をダイナミックに提供することができる。
【0055】
なお、血流動態を表す情報として、上述した複数枚の画像から血流速度を演算して数値で又はグラフ化して表示するようにしてもよい。
【0056】
このように、本実施形態によれば、読出し方向傾斜磁場パルスに、強度を調整したPartial FCパルス又はPartial FSパルスを付加し且つ1心周期内で心時相を変えてスキャンを行うようにしたため、遅い血流の動静脈の差別化や、速い血流のディフェーズ効果の低減化を実現して、血流動態の情報をダイナミックに提供することができる。したがって、従来のように、イメージングスキャンの前に最適な心電同期タイミングを測定するための準備用スキャンを実行しなければならないということも無く、簡単に勝つ迅速に血流動態を観察することができる。
【0057】
とくに、従来のECG−prepスキャンの場合、ETS(echo train spacing)と血流流速が互いに適した血管についてはその動静脈分離が可能であったが、下肢などの血流速度が著しく遅い手足の血管についてはその動静脈分離は困難であった。それは、位相エンコード方向のボケ(Blur)を防止するには、ETSを極力短くしたFSE法やFASE法のパルスシーケンスを用いる必要があるためであり、このようなパルスシーケンス用いると、遅い血流の場合、信号が集まりすぎて動静脈分離を行うことができない。さらに血流流速が速い血管(大動脈弓部、頚部など)の場合も、ETSを短くしても、ETSの期間に信号がディフェーズしてしまい、そのため再構成画像にN/2アーチファクトを生じ易い。これに対し、本実施形態によれば、Partial FCパルス又はPartial FSパルスを付加しているので、このパルス強度を適宜な値に調整することによって、磁化スピンのディフェーズやリフェーズの変化を積極的に利用してフローボイド効果を制御することができ、ECG−prepスキャンが抱える問題も克服することができる。
【0058】
さらに、造影剤を投与しなくても済むので、非侵襲に撮像でき、この点からも患者の精神的、体力的な負担が著しく軽くなる。同時に、造影効果のタイミングを計る必要があるなど、造影法固有の煩わしさからも解放される。
【0059】
実施形態の説明は以上の通りであるが、本発明は実施形態記載の構成に限定されるものではなく、当業者においては、特許請求の範囲に記載の要旨を逸脱しない範囲で適宜に変更、変形可能なものであり、それらの構成も本発明に含まれる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の磁気共鳴イメージング装置によれば、造影剤を投与することなく、また事前の心電同期タイミングの測定を行う必要も無く、従来よりも簡単に、被検体内の血流などの流体の動態情報を提供して医用診断に供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の構成例を示す機能ブロック図。
【図2】実施形態で実行されるイメージングスキャン及び収集データに処理を示す概略フローチャート。
【図3】実施形態で使用されるパルスシーケンスの一例を示すタイミングチャート。
【図4】血流動態の情報を抽出するために行う、1心周期における差分演算を説明する図。
【図5】収縮期から拡張期に及ぶ血流速度と信号強度との関係例を説明する図。
【符号の説明】
1 磁石
2 静磁場電源
3 傾斜磁場コイルユニット
4 傾斜磁場電源
5 シーケンサ
6 ホスト計算機
7 RFコイル
8T 送信器
8R 受信器
10 演算ユニット
11 記憶ユニット
12 表示器
13 入力器
17 ECGセンサ
18 ECGユニット[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to magnetic resonance imaging that images the inside of a subject based on the magnetic resonance phenomenon of spins (nuclear spins), and in particular, without using a contrast agent, The present invention relates to a magnetic resonance imaging apparatus capable of collecting and presenting dynamic information.
[0002]
[Prior art]
Magnetic resonance imaging is an imaging method in which a nuclear spin of a subject placed in a static magnetic field is magnetically excited with a high-frequency signal of its Larmor frequency, and an image is reconstructed from an MR signal generated by the excitation. .
[0003]
In the field of magnetic resonance imaging, when an blood flow image of a lung field or abdomen is obtained, clinically, MR angiography in which a contrast medium is administered to a subject and angiography is started. However, since this contrast-enhanced MR angiography method involves administration of a contrast agent, an invasive treatment is required for the subject, and above all, the burden on the patient's mental and physical strength is great. Also, the inspection cost is high. Furthermore, the contrast agent may not be administered depending on the patient's constitution.
[0004]
As an alternative to this contrast-enhanced MR angiography method, the present inventor has applied a readout gradient magnetic field pulse in the direction of blood flow indicating movement inside a subject placed in a static magnetic field, as shown in
[0005]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2002-200054
[Problems to be solved by the invention]
However, the scan based on the pulse sequence including the readout gradient magnetic field pulse described in
[0007]
The present invention was made in order to break down the current state of the prior art, without the need to administer a contrast agent, and without the need to measure the prior ECG synchronization timing. It is an object of the present invention to provide a magnetic resonance imaging apparatus that provides fluid dynamics information such as blood flow in a subject.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-described object, the present invention synchronizes each of the reference waves appearing in the signal representing the cardiac time phase of the subject collected by the cardiac phase collecting means with a plurality of different delay times. In the magnetic resonance imaging apparatus including a scan unit that performs a scan based on a pulse sequence on a desired region of the subject and collects an echo signal based on magnetic resonance from the desired region, the pulse sequence includes the echo signal at a frequency A read gradient magnetic field pulse for encoding and reading out, the read gradient magnetic field pulse being added to the pulse main body and the phase behavior for controlling the phase behavior of the magnetized spin in the desired region And a plurality of delay times different from each other by the scanning means. It generates a difference image by subtracting calculating a plurality of image data based on the plurality of echo signals in the time axis direction in a plurality of time phases collected in synchronization with each of the desired region of the subject as the difference image It is characterized by comprising dynamic information providing means for providing dynamic information relating to a flowing fluid for imaging purposes.
[0009]
By appropriately adjusting the intensity of the phase behavior control pulse, the state of spin phase dispersion can be positively controlled. As a result, echo signals can be reliably collected from a fluid having a low flow velocity (such as a blood flow) or a fluid having a too high flow velocity. At the same time, since echo signals are collected at different cardiac phases, that is, by multi-face, it is possible to provide fluid dynamic information by performing appropriate processing such as differential calculation on the echo signals. As a result, since it is not necessary to perform a preparatory scan and measure the optimal ECG synchronization timing in advance, an easy-to-use MR imaging method can be provided.
[0010]
Preferably, the scanning means is configured to perform the scan so that an application direction of the readout gradient magnetic field pulse included in the pulse sequence is substantially matched with a flow direction of the fluid. In this case, for example, the phase behavior pulse is formed by a dephasing pulse or a rephasing pulse for dephasing or rephasing the magnetization spin of the fluid. It is preferable that the intensity of the phase behavior control pulse is changed according to the flow velocity of the fluid.
[0011]
Preferably, the dynamic information providing means is configured to display and display the dynamics of the fluid flow .
[0012]
For example, the pulse sequence is at least one pulse sequence selected from a pulse sequence group including a pulse sequence of a half Fourier FSE (Fast Spin Echo) method, an EPI (Echo Planar Imaging) method, and an FSE (Fast Spin Echo) method. It is a pulse sequence. The pulse sequence is composed of, for example, a pulse train responsible for two-dimensional scanning.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments according to the present invention will be described below.
[0014]
(First embodiment)
A first embodiment will be described with reference to FIGS.
[0015]
A schematic configuration of a magnetic resonance imaging (MRI) apparatus according to this embodiment is shown in FIG.
[0016]
(1.1) Configuration of Apparatus This magnetic resonance imaging apparatus includes a bed unit on which a subject P is placed, a static magnetic field generation unit that generates a static magnetic field, and a gradient magnetic field generation unit for adding position information to the static magnetic field. A transmission / reception unit that transmits / receives a high-frequency signal, a control / calculation unit that controls the entire system and image reconstruction, and an electrocardiogram measurement unit that measures an ECG signal as a signal representing the cardiac time phase of the subject P ing.
[0017]
The static magnetic field generation unit includes, for example, a
[0018]
The gradient magnetic field generator includes a gradient magnetic
[0019]
By controlling the pulse current supplied to the x, y, z coils 3x to 3z from the gradient magnetic field power source 4, the gradient magnetic fields in the three axes (X axis, Y axis, Z axis) directions which are physical axes are synthesized. it can be arbitrarily set and change the logical axial consisting slicing direction gradient magnetic field G S, the phase encode direction gradient magnetic field G E, and readout direction (frequency encode direction) gradient magnetic field G R which are orthogonal to each other. Slice direction, phase encoding direction, and gradient magnetic fields in the readout direction are superimposed on the static magnetic field H 0.
[0020]
The transmission / reception unit includes an
[0021]
Further, the control / arithmetic unit includes a sequencer (also called a sequence controller) 5, a
[0022]
The
[0023]
This pulse sequence may be a two-dimensional (2D) scan or a three-dimensional scan (3D) as long as the Fourier transform method is applied. In particular, considering the length of the scan time, This embodiment is suitable for two-dimensional scanning. In addition, the pulse train forms include a fast SE (FSE) method, an EPI (Echo Planar Imaging) method, and a FASE (Fast Asymmetric SE) method (that is, an imaging method in which the fast Fourier transform method is combined with the half Fourier method). And the like are particularly suitable.
[0024]
As will be described later, these pulse sequences are executed as an electrocardiographic synchronization method based on a multi-face (a plurality of cardiac time phases), which is a part of the features of the present invention.
[0025]
More preferably, this electrocardiographic synchronization method is used in combination with a breath-holding method in which the subject holds his / her breath for several tens of seconds to 1 minute, depending on the scan time, to prevent body movement artifacts. You may make it do.
[0026]
In addition, the above-described electrocardiographic synchronization method may be executed under a parallel imaging (PI) method that has recently attracted attention as a high-speed imaging method. This parallel imaging method basically uses an array coil consisting of a plurality of RF coils (element coils) (hereinafter referred to as Phased Array Coil: PAC), a so-called multi-coil, and skips the phase encoding so that the phase encoding is performed. This is performed under the so-called sub-encoding acquisition, in which the number is reduced to a fraction of the number of RF coils of the predetermined phase encoding number required for image reconstruction. Thereby, each RF coil receives an echo signal simultaneously, and image data is produced | generated for every RF coil from these received echo signals. As a result, the FOV of the image generated for each RF coil is reduced, the scan time is shortened, and the shooting speed is increased.
[0027]
On the other hand, in an image obtained by reconstructing echo signals collected from each RF coil, folding (wrap-around or folding; also referred to as aliasing) occurs at the image end. Therefore, in the case of this parallel MR imaging method, using the fact that the sensitivities of the plurality of RF coils are individually different, a development process for unfolding each of a plurality of images obtained corresponding to each RF coil. Is performed as post-processing. For this development process, a spatial sensitivity map of the RF coil is used.
[0028]
A plurality of images subjected to this development processing are combined with the final full FOV (field of view) image. As described above, the parallel imaging method can speed up scanning (high-speed imaging), and can obtain a final image with a wide field of view, for example, the entire abdomen.
[0029]
Referring back to FIG. 1, the
[0030]
The
[0031]
The
[0032]
Further, the electrocardiogram measurement unit attaches to the body surface of the subject and detects an ECG signal as an electrical signal, and performs various processing including digitization processing on the sensor signal to perform the
[0033]
(1.2) Imaging Scan Next, the operation of the imaging scan in this embodiment will be described with reference to FIGS.
[0034]
The
[0035]
Specifically, the
[0036]
Next, when the
[0037]
Thereafter, the
[0038]
Upon receiving this imaging scan start command, the
[0039]
An example of this pulse sequence is shown in FIG. The pulse sequence shown in the figure is composed of a pulse train based on a two-dimensional FASE method. However, in this pulse train, the slice direction gradient magnetic field pulse and the phase encode direction gradient magnetic field pulse are not shown, and only the read direction gradient magnetic field pulse (RO gradient) is obtained as its original (original) waveform and phase behavior control pulse. The partial flow spoiling (Partial FS) pulse and the pulse partial flow compensation (Partial FC) pulse as the phase behavior control pulse are described in order from the bottom of the figure. The echo interval (ETS) is shortened to about 4 msec as much as possible to shorten the scanning time.
[0040]
Partial FC pulse is a pulse applied in the direction of the opposite polarity to the readout gradient magnetic field pulse (refer to the original pulse: original waveform) when the blood flow velocity is fast, and when the blood flow velocity is fast or fast An object of the present invention is to suppress the phase dispersion of the magnetization spin and to reliably capture a signal value. The Partial FS pulse is a pulse applied in the direction of the same polarity as the readout gradient magnetic field pulse (main body pulse) when the blood flow velocity is slow, and the magnetization spin when the blood flow velocity is slow or slow The purpose is to facilitate the phase dispersion of the signal so that a high signal value can be collected.
[0041]
The Partial FC pulse and Partial FS pulse are added to the back of the readout gradient magnetic field pulse (main body pulse) so that the pulse added to the head in the direction of the time axis functions as a pair with this leading pulse. The pulse has a function of compensating the spin phase controlled by the leading pulse. As described above, both partial pulses attached to the head and the rear serve the same purpose of controlling the phase behavior of the spin. Therefore, both partial pulses are referred to as phase behavior control pulses (Partial FC pulse and Partial FS pulse). .
[0042]
Note that the term “Partial” used in the present embodiment indicates that it is partial with respect to the main body pulse, and this “partial” means that the waveform area (intensity) of the main body pulse is 100. % Represents an area range greater than 0 and less than 100%. Therefore, the proportion of the waveform area of the phase behavior control pulse is specified by the operator together with the type of the pulse in the input items of the phase behavior control pulse condition in consideration of the blood flow velocity flowing through the measurement target site. .
[0043]
The waveform area of the phase behavior control pulse, that is, the intensity for controlling the spin phase is not limited to the case where the operator manually sets according to the type of the desired imaging region. The relationship is stored as a table so that the intensity of the phase behavior control pulse can be automatically set by referring to this table in response to the operator specifying a desired imaging region in the scan conditions. Also good.
[0044]
Further, as schematically shown in FIG. 3, a pulse train based on the two-dimensional FASE method is applied to a desired imaging region of the subject under the condition instructed by the operator according to the electrocardiographic synchronization condition. Specifically, a one-shot scan based on the two-dimensional FASE method is executed in synchronization with a time delayed by a delay time d1 from the peak value of the R wave first appearing in the ECG signal. As a result, the two-dimensional k-space is filled and echo data is collected (at this time, a part of the k-space where the echo data is filled by computation according to the half Fourier method after the collection is excluded). Then, after 2R-R, in synchronization with a time delayed by d2 (> d1) from the peak value of the R wave, a one-shot scan based on the two-dimensional FASE method is executed on the same slice as the previous time. Further, after 2R-R, in synchronization with the time delayed by d3 (> d2) from the peak value of the R wave, a one-shot scan based on the two-dimensional FASE method is executed on the same slice as the previous time. Similarly, the same scan is performed on the same slice while changing the delay time by a predetermined increment value.
[0045]
At this time, the initial delay time, the increment value (change width of the delay time), and the number of shots are specified by the operator according to the electrocardiographic synchronization condition. For example, the initial delay time = 100 msec, the increment value = 5 ms, and the number of shots = 30 times. In particular, the delay time increment value, that is, “dn + 1− dn ” is a very short time interval of several ms. The feature is that blood flow dynamics can be observed by setting. The RR interval is also designated in advance by the operator according to the blood flow velocity to be observed. When the blood flow velocity is relatively fast, the flow of fresh blood flow to the observation site is also fast, so that it can be set to 1R-R or 2R-R, while the blood flow velocity is relatively slow. In some cases, for example, an interval of 3R-R or more is set in order to wait for a fresh blood flow to flow into the observation site.
[0046]
Furthermore, according to this pulse sequence, the application direction of the readout magnetic gradient pulses G R, an operator, the image pickup object of blood flow (arterial AR, vein VE) is set in advance such that substantially coincides with the direction of flow of.
[0047]
Returning to FIG. 3, when receiving a scan completion notification from the sequencer 5 (step S5), the
[0048]
An echo signal generated from the patient P is received by the
[0049]
When the above imaging scan is completed, echo data collected in single slice / multiphase is arranged in each k-space, and further, data is satisfied by calculation under the half Fourier method. Image reconstruction is performed. As a result, real space image data of the same slice with different cardiac time phases by increment value INC (= “dn + 1− dn ”) is sequentially generated (step S7).
[0050]
When the image reconstruction is completed, the
[0051]
In addition, the
[0052]
When a plurality of single-slice / multi-phase images collected as described above are represented within one cardiac cycle, a conceptual diagram shown in FIG. 4 is obtained. That is, it becomes a plurality of images in which the same slice is collected in order in different cardiac phases d1, d2, d3,. For example, the increment value INC may be several ms, several tens of ms, or about 100 ms.
[0053]
As described above, the plurality of images are acquired by adding a partial FC pulse or a partial FS pulse as a phase behavior control pulse to a pulse body of a reading direction gradient magnetic field pulse. For this reason, the degree of variation (phase dispersion) of spins collected in each cardiac cycle is suppressed or promoted by the Partial FC pulse or Partial FS pulse. That is, the signal values collected in the cardiac cycle can be conceptually controlled as shown in FIG. The curve in the figure shows the change between the blood flow velocity from the systole to the diastole (in the case of a relatively high flow velocity) and the signal value collected by the FASE method. By changing the intensity of the Partial FC pulse or Partial FS pulse, the signal value curve can be controlled as shown by S1 and S2 in FIG. By appropriately setting the intensity of the Partial FC pulse or Partial FS pulse, it is possible to provide an image (MRA image) depicting blood flow while enhancing the signal value difference between different cardiac phases t1 and t2. it can.
[0054]
Therefore, when a plurality of images are subjected to a difference calculation by an appropriate method in the time axis direction (ascending order or descending order), the stationary pixel signal is erased, and the component that moves and changes the pixel signal, that is, blood flow Can be drawn. This difference calculation, for example, is based on the first or last acquired image in the time axis direction, and the remaining images are sequentially subtracted from the image along the time axis direction, so that only the blood flow dynamics are obtained. Can be drawn. The dynamics of blood flow can be dynamically provided by displaying a plurality of difference images generated by the difference calculation in a cine (moving image) manner.
[0055]
In addition, as information representing the blood flow dynamics, the blood flow velocity may be calculated from the plurality of images described above and displayed numerically or in graph form.
[0056]
As described above, according to the present embodiment, the partial FC pulse or the partial FS pulse whose intensity is adjusted is added to the gradient magnetic field pulse in the reading direction, and the scan is performed by changing the cardiac phase within one cardiac cycle. It is possible to provide information on blood flow dynamics by realizing differentiation of arteries and veins of slow blood flow and reduction of dephasing effect of fast blood flow. Therefore, it is not necessary to perform a preparatory scan for measuring the optimal ECG synchronization timing before an imaging scan as in the past, and it is possible to observe blood flow dynamics easily and quickly. it can.
[0057]
In particular, in the case of a conventional ECG-prep scan, the arteriovenous separation of a blood vessel having an ETS (echo train spacing) and a blood flow velocity suitable for each other was possible. The arteriovenous separation of blood vessels was difficult. This is because in order to prevent blur in the phase encoding direction, it is necessary to use a pulse sequence of FSE method or FASE method in which ETS is shortened as much as possible. In this case, the signals are gathered too much, and the arteriovenous separation cannot be performed. Furthermore, even in the case of blood vessels with high blood flow velocity (aortic arch, neck, etc.), even if ETS is shortened, the signal is dephased during the ETS period, so that N / 2 artifacts are likely to occur in the reconstructed image. . On the other hand, according to the present embodiment, a partial FC pulse or a partial FS pulse is added. Therefore, by adjusting the pulse intensity to an appropriate value, a change in the dephasing or rephasing of the magnetized spin is positively performed. Therefore, the flow void effect can be controlled and the problems of the ECG-prep scan can be overcome.
[0058]
Furthermore, since it is not necessary to administer a contrast medium, non-invasive imaging can be performed, and the mental and physical burden on the patient is remarkably reduced from this point. At the same time, it is freed from the troublesomeness inherent in contrast methods, such as the need to measure the timing of the contrast effect.
[0059]
The description of the embodiment is as described above, but the present invention is not limited to the configuration described in the embodiment, and those skilled in the art can appropriately change the configuration without departing from the gist described in the claims. These can be modified, and their configurations are also included in the present invention.
[0060]
【The invention's effect】
As described above , according to the magnetic resonance imaging apparatus of the present invention, it is not necessary to measure the electrocardiogram synchronization timing in advance without administering a contrast agent, and it is easier than in the past. Fluid dynamic information such as blood flow can be provided for medical diagnosis.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a functional block diagram showing a configuration example of a magnetic resonance imaging apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic flowchart illustrating a process for an imaging scan and acquired data executed in the embodiment.
FIG. 3 is a timing chart showing an example of a pulse sequence used in the embodiment.
FIG. 4 is a diagram for explaining a difference calculation in one cardiac cycle performed to extract blood flow dynamic information.
FIG. 5 is a diagram for explaining an example of the relationship between blood flow velocity and signal intensity from systole to diastole.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (9)
前記パルスシーケンスは、前記エコー信号を周波数エンコードして読み出すための読出し傾斜磁場パルスを含み、
この読出し傾斜磁場パルスを、前記周波数エンコードを担うパルス本体と、このパルス本体に付加され且つ前記所望領域の磁化スピンの位相挙動を制御する位相挙動制御パルスとにより形成し、さらに
前記スキャン手段により相互に異なる複数の遅延時間それぞれに同期して収集された複数の時相における複数のエコー信号に基づく複数の画像データを時間軸方向に差分演算することによって差分画像を生成し、この差分画像として前記被検体の所望領域を流れる撮像目的の流体に関する動態情報を提供する動態情報提供手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。A scan based on a pulse sequence in a desired region of the subject in synchronization with a plurality of different delay times for each of a plurality of reference waves appearing in a signal representing the cardiac time phase of the subject collected by the cardiac phase collection means In a magnetic resonance imaging apparatus comprising a scanning unit that executes echo and collects echo signals based on magnetic resonance from the desired region,
The pulse sequence includes a read gradient magnetic field pulse for frequency-encoding and reading the echo signal,
The readout gradient magnetic field pulse is formed by a pulse main body that carries out the frequency encoding, and a phase behavior control pulse that is added to the pulse main body and controls the phase behavior of the magnetization spin in the desired region. A difference image is generated by performing a difference calculation in a time axis direction on a plurality of image data based on a plurality of echo signals in a plurality of time phases collected in synchronization with a plurality of different delay times, and as the difference image, A magnetic resonance imaging apparatus comprising dynamic information providing means for providing dynamic information relating to a fluid for imaging flowing through a desired region of a subject.
前記スキャン手段は、前記パルスシーケンスに含まれる前記読出し傾斜磁場パルスの印加方向を流体の流れ方向に実質的に合わせるように前記スキャンを実行するように構成したことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 1.
The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 1, wherein the scanning unit is configured to execute the scan so that an application direction of the readout gradient magnetic field pulse included in the pulse sequence is substantially matched with a fluid flow direction.
前記位相挙動パルスは、流体の磁化スピンをディフェーズ又はリフェーズさせるディフェーズパルス又はリフェーズパルスで形成したことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 1.
2. The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 1, wherein the phase behavior pulse is formed by a dephase pulse or a rephase pulse for dephasing or rephasing a magnetization spin of a fluid.
前記位相挙動制御パルスの強度を前記流体の流れの速度に応じて変更するように構成したことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 3.
A magnetic resonance imaging apparatus configured to change the intensity of the phase behavior control pulse in accordance with a velocity of the fluid flow.
前記動態情報提供手段は、前記流体の流れの動態を画像化して表示するように構成したことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 1.
The magnetic resonance imaging apparatus characterized in that the dynamic information providing means is configured to image and display dynamics of the fluid flow.
前記パルスシーケンスは、少なくともハーフフーリエFSE(Fast Spin Echo)法、EPI(Echo Planar Imaging)法、及びFSE(Fast Spin Echo)法のパルスシーケンスを含むパルスシーケンス群の中から選択された1つのパルスシーケンスであることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。The magnetic resonance imaging apparatus according to any one of claims 1 to 5 ,
The pulse sequence is one pulse sequence selected from a pulse sequence group including a pulse sequence of at least a half Fourier FSE (Fast Spin Echo) method, an EPI (Echo Planar Imaging) method, and an FSE (Fast Spin Echo) method. A magnetic resonance imaging apparatus.
前記パルスシーケンスは、2次元のスキャンを担うパルス列から成ることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 6 .
2. The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 1, wherein the pulse sequence is composed of a pulse train responsible for two-dimensional scanning.
前記スキャン手段は、複数の要素コイルを用いるとともに位相エンコードをスキップさせてエコー信号を受信するパラレルイメージングによって前記エコー信号を受信するように構成されることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 1.
The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 1, wherein the scanning unit is configured to receive the echo signal by parallel imaging using a plurality of element coils and skipping phase encoding to receive the echo signal.
前記動態情報提供手段は、前記動態情報として血流速度を数値またはグラフ化して表示させる表示手段を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。The magnetic resonance imaging apparatus according to claim 1.
The magnetic resonance imaging apparatus, wherein the dynamic information providing means includes display means for displaying the blood flow velocity as a numerical value or a graph as the dynamic information.
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