〔発明の実施の形態の説明〕
以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
次に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下の説明において、プロセスカートリッジBの短手方向とは、プロセスカートリッジBを装置本体13へ着脱する方向であり、記録媒体の搬送方向と一致している。またプロセスカートリッジBの長手方向とは、プロセスカートリッジBを装置本体13へ着脱する方向と交差する方向(略直交する方向)であり、記録媒体の表面と平行であり、且つ、記録媒体の搬送方向と交差(略直交)する方向である。又、プロセスカートリッジに関し左右とは記録媒体の搬送方向に従って記録媒体を上から見て右又は左である。
図1は本発明の実施の形態を適用した電子写真画像形成装置(レーザービームプリンタ)の構成説明図、図2はその外観斜視図である。また図3〜図8は本発明の実施の形態を適用したプロセスカートリッジに関する図面である。図3はプロセスカートリッジの側断面図、図4はその外観の概略を図示した外観斜視図、図5はその右側面図、図6はその左側面図、図7はそれを上方(上面)から見た斜視図、図8はプロセスカートリッジを裏返して上方から見た斜視図である。また以下の説明において、プロセスカートリッジBの上面とは、プロセスカートリッジBを装置本体13へ装着した状態で上方に位置する面であり、下面とは下方に位置する面である。
(電子写真画像形成装置A及びプロセスカートリッジB)
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態を適用する電子写真画像形成装置としてのレーザービームプリンタAについて説明する。また図3にプロセスカートリッジBの側断面図を示す。
このレーザービームプリンタAは、図1に示すように、電子写真画像形成プロセスによって記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート、布等)に画像を形成するものである。そしてドラム形状の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと称す)にトナー像を形成する。詳しくは、帯電手段によって感光体ドラムに帯電を行い、次いでこの感光体ドラムに光学手段から画像情報に応じたレーザー光を照射して前記感光体ドラムに画像情報に応じた潜像を形成する。そしてこの潜像を現像手段によって現像してトナー像を形成する。そして前記トナー像の形成と同期して、給紙カセット3aにセットした記録媒体2をピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c,3d及びレジストローラ対3eで反転搬送する。次いで、プロセスカートリッジBの有する前記感光体ドラム7に形成したトナー像を転写手段としての転写ローラ4に電圧を印加することによって記録媒体2に転写する。その後トナー像の転写を受けた記録媒体2を搬送ガイド3fで定着手段5へと搬送する。この定着手段5は駆動ローラ5c及びヒータ5aを内蔵する定着ローラ5bを有する。そして通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して転写されたトナー像を定着する。そしてこの記録媒体2を排出ローラ対3g,3h,3iで搬送し、反転経路3jを通して排出トレイ6へと排出する。この排出トレイ6は画像形成装置Aの装置本体13の上面に設けられている。なお、揺動可能なフラッパ3kを動作させ、排出ローラ対3mによって反転経路3jを介することなく記録媒体2を排出することもできる。本実施の形態においては、前記ピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c,3d、レジストローラ対3e、搬送ガイド3f、排出ローラ対3g,3h,3i及び排出ローラ対3mによって搬送手段3を構成している。
一方、前記プロセスカートリッジBは、図3乃至図8に示すように、感光層7b(図11参照)を有する感光体ドラム7を回転し、その表面を帯電手段である帯電ローラ8への電圧印加によって一様に帯電する。次いで光学系1からの画像情報に応じたレーザービーム光を露光開口部1eを介して感光体ドラム7へ照射して潜像を形成する。そしてこの潜像をトナーを用いて現像手段10によって現像する。すなわち、帯電ローラ8は感光体ドラム7に接触して設けられており、感光体ドラム7に帯電を行う。なおこの帯電ローラ8は、感光体ドラム7に従動回転する。また、現像手段10は、感光体ドラム7の現像領域へトナーを供給して、感光体ドラム7に形成された潜像を現像する。なお光学系1は、レーザーダイオード1a、ポリゴンミラー1b、レンズ1c、反射ミラー1dを有している。
ここで、前記現像手段10は、トナー容器10A内のトナーをトナー送り部材10bの回転によって、現像ローラ10dへ送り出す。そして、固定磁石を内蔵した現像ローラ10dを回転させると共に、現像ブレード10eによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ10dの表面に形成し、そのトナーを感光体ドラム7の現像領域へ供給する。そして、そのトナーを前記潜像に応じて感光体ドラム7へ転移させることによってトナー像を形成して可視像化する。ここで現像ブレード10eは、現像ローラ10dの周面のトナー量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与するものである。またこの現像ローラ10dの近傍には現像室内のトナーを循環させるトナー撹拌部材10fを回転可能に取り付けている。
そして転写ローラ4に前記トナー像と逆極性の電圧を印加して、感光体ドラム7に形成されたトナー像を記録媒体2に転写した後に、クリーニング手段11によって感光体ドラム7上の残留トナーを除去する。ここでクリーニング手段11は、感光体ドラム7に当接して設けられた弾性クリーニングブレード11aによって感光体ドラム7に残留したトナーを掻き落として廃トナー溜め11cへ集める。
なお、プロセスカートリッジBは、トナーを収納するトナー容器(トナー収納部)10Aを有するトナーフレーム12aと現像ローラ10d等の現像手段10を保持する現像フレーム12bとを結合する。そしてこれに感光体ドラム7、クリーニングブレード11a等のクリーニング手段11及び、帯電ローラ8を取付けたクリーニングフレーム12cを結合して構成している。そしてこのプロセスカートリッジBは、操作者によって画像形成装置本体13に着脱可能である。
このプロセスカートリッジBには画像情報に応じた光を感光体ドラム7へ照射するための露光開口部1e及び感光体ドラム7を記録媒体2に対向するための転写開口部12nが設けてある。詳しくは、露光開口部1eはクリーニングフレーム12cに設けられており、また、転写開口部12nは現像フレーム12bとクリーニングフレーム12cとの間に構成される。
次に本実施の形態に係るプロセスカートリッジBのハウジングの構成について説明する。
本実施の形態で示すプロセスカートリッジBは、トナーフレーム12aと現像フレーム12bとを結合し、これにクリーニングフレーム12cを回動可能に結合して構成したハウジング内に前記感光体ドラム7、帯電ローラ8、現像手段10及びクリーニング手段11等を収納してカートリッジ化したものである。そして、このプロセスカートリッジBを画像形成装置本体13に設けたカートリッジ装着手段に対して取り外し可能に装着する。
(プロセスカートリッジBのハウジングの構成)
本実施の形態に係るプロセスカートリッジBは、前述したようにトナーフレーム12aと現像フレーム12b及びクリーニングフレーム12cを結合してハウジングを構成しているが、次にその構成について説明する。
図3に示すように、トナーフレーム12aにはトナー送り部材10bを回動可能に取り付けてある。また現像フレーム12bには現像ローラ10d及び現像ブレード10eを取り付け、更に前記現像ローラ10dの近傍には現像室内のトナーを循環させるトナー撹拌部材10fを回動可能に取り付けてある。また、現像フレーム12bには図3に示すように現像ローラ10dの長手方向と対向して、前記現像ローラ10dと略平行にアンテナ棒10hが取り付けられている。そして前記トナーフレーム12aと現像フレーム12bを溶着(本実施の形態では超音波溶着)して一体的な第二枠体としての現像ユニットD(図13参照)を構成している。
なおプロセスカートリッジBを画像形成装置本体13から取り外したときに感光体ドラム7を覆い、これを長時間光に晒されるあるいは異物との接触等から保護するドラムシャッタ部材48をトナー現像ユニットに取り付けている。
このドラムシャッタ部材48は図6に示すように図3に示した転写開口部12nを開閉するシャッターカバー48aとシャッターカバー48aを支持するリンク48b,48cを備えている。このシャッターカバー48aの長手方向の両端部で記録媒体2の搬送方向の上流側で、図4、図5に示すように現像ホルダ41の穴41gに右側のリンク48cの一端が枢着され、図6、図7に示すように左側のリンク48cの一端はトナーフレーム12aの下方枠体12a2に設けたボス12a3に枢着されている。両側のリンク48cの他端はシャッターカバー48aのプロセスカートリッジBの装着方向に関し上流側に枢着されている。このリンク48cは金属線材であり、シャッターカバー48aに枢着した部分はプロセスカートリッジBの両側間でつながっていて左右のリンク48cは一体である。また、リンク48bはシャッターカバー48aの片側のみに設けられ、リンク48cを枢着した位置とは記録媒体2の搬送方向の下流側の端においてシャッターカバー48aに一端が枢着され、他端は現像フレーム12bに設けたダボ12b1に枢着されている。このリンク48bは合成樹脂製である。
リンク48b,48cは長さを異にしており、シャッターカバー48a、トナーフレーム12aと現像フレーム12bを併せた枠体を夫々リンクとする四節連鎖機構をなしている。両側のリンク48cに設けた側方へ突出する突出部48c1は画像形成装置13のカートリッジ装着スペースSの傍に設けた固設部材(不図示)と当接し、プロセスカートリッジBの移動により、ドラムシャッタ部材48を作動して、シャッターカバー48aを開くようになっている。
このシャッターカバー48a、リンク48b,48cからなるドラムシャッタ部材48は、ダボ12b1に挿入され一端がリンク48bに係止され、他端が現像フレーム12bに係止された不図示のねじりコイルばねでシャッターカバー48aが転写開口部12nを覆うように付勢されている。
また、図3及び図12に示すようにクリーニングフレーム12cには感光対ドラム7、帯電ローラ8及びクリーニング手段11の各部材を取り付けて第一枠体としてのクリーニングユニットC(図12参照)を構成している。
そして、上記現像ユニットDと上記クリーニングユニットCを丸いピンの結合部材22によって互いに回動可能に結合することによってプロセスカートリッジBを構成する。即ち、図13に示すように、現像フレーム12bの長手方向(現像ローラ10dの軸線方向)両側に形成したアーム部19の先端には現像ローラ10dに平行に丸い形状の回動穴19aが設けてある(図13参照)。一方、クリーニングフレーム12cの長手方向両側2箇所には前記アーム部19を進入するための凹部21が設けてある(図12参照)。この凹部21に前記アーム部19を挿入し、結合部材22をクリーニングフレーム12cの取付穴12c4に圧入し、且つアーム部19端の回動穴19aに嵌入して更に内側の取付穴12c4に圧入して取り付けることにより、現像ユニットDとクリーニングユニットCは結合部材22を中心に回動可能に結合される。このときアーム部19の根本に立設した図示されないダボに挿入して取り付けた圧縮コイルばね22aがクリーニングフレーム12cの凹部21の上壁に当たりこの圧縮コイルばね22aによって現像フレーム12bを下方へ付勢することにより、現像ローラ10dを感光体ドラム7へ確実に押し付ける。なおクリーニングフレーム12cの凹部21の上壁は現像ユニットDとクリーニングユニットCを組付ける際に上記圧縮コイルバネ22aが非圧縮状態から圧縮を次第に強めるように傾斜が付されている。従って、図13に示すように現像ローラ10dの長手方向両端に現像ローラ10dよりも大径のスペーサコロ10iを取り付けることにより、このコロ10iが感光体ドラム7に押し付けられ、感光体ドラム7と現像ローラ10dとが一定間隔(約300μm程度)をもって対向する。したがって、現像ユニットDとクリーニングユニットCは結合部材22を中心にして互いに回動可能であり、そこで、圧縮コイルばね22aの弾性力によって、感光体ドラム7の周面と、現像ローラ10dの周面の位置関係を保持することができる。
このようにアーム部19の根本側において現像フレーム12bに圧縮コイルばね22aを取り付けてあるため、アーム部19根本以外へ圧縮コイルばね22aの加圧力が及ばず、現像フレーム12bへ取り付けた部材をばね座とするように、ばね座回りを特に強化しなくても、アーム部19根本側は強度、剛性の大きい部分であるため、精度の維持に効果がある。
(プロセスカートリッジBのガイド手段の構成)
次に、プロセスカートリッジBを装置本体13に着脱する際のガイド手段について説明する。なお、このガイド手段については、図9、図10に示している。
なお、図9はプロセスカートリッジBを装置本体13に装着する方向(矢印X)に見た場合(現像ユニットD側から見た場合)の左側の斜視図である。図10はその右側の斜視図である。
さて、上記クリーニングフレーム12cの両外側面には、図4、図5、図6、図7に示すように、プロセスカートリッジBを装置本体13に着脱するときのガイドとなるガイド手段が設けられている。該ガイド手段は位置決め用ガイド部材としての円筒形ガイド9aR,9aLと、着脱時の姿勢保持手段たるガイド部材としての回り止めガイド9bR,9bLとにより構成されている。
図5に示すように前記円筒形ガイド9aRは中空の円筒状部部材であり、回り止めガイド9bRは前記円筒形ガイド9aRと一体成形であり、円筒形ガイド9aRの円周から一体でほぼ放射方向へ突出している。円筒形ガイド9aRには取付フランジ9aR1が一体に設けられている。このように円筒形ガイド9aR、回り止めガイド9bR、取付フランジ9aR1を有する右側ガイド部材9Rは取付フランジ9aR1の小ねじ用穴を挿通して小ねじ9aR2をクリーニングフレーム12cにねじ込み固定されている。クリーニングフレーム12cに固定された右側ガイド部材9Rの回り止めガイド9bRは現像フレーム12bに固定された現像ホルダ41の側方へ延出するように現像フレーム12bの側面側に配設されている。
図6に示すようにクリーニングフレーム12cの穴9k1(図11参照)にドラム軸7dの拡径部7a2が嵌合している。そしてクリーニングフレーム12cの側面に突出する位置決めピン9cに嵌合して回転止めされ、小ねじ9dでクリーニングフレーム12cに固定された平板状のフランジ29に外方(図6の紙面に直交して手前方向)へ向って円筒形ガイド9aLが突設されている。このフランジ29の内部側には感光体ドラム7に嵌入した平歯ギア25bを回転自在に支持する固定の前記ドラム軸7dを備えている(図11参照)。前記円筒形ガイド9aLとこのドラム軸7dは同軸である。このフランジ29と、円筒形ガイド9aLと、ドラム軸7dは一体または一体的に金属材料例えば鉄材で作られる。
図6に示すように、円筒形ガイド9aLから少し離れて円筒形ガイド9aLのほぼ放射方向に細長い回り止めガイド9bLがクリーニングフレーム12cから側方へ突出するようにクリーニングフレーム12cに一体に成形されている。この回り止めガイド9bLがフランジ29と干渉する部分はフランジ29が切り欠かれてこの回り止めガイド9bLの側方への突出高さは頂面が回り止めガイド9bLの頂面とほぼ一致する程度である。この回り止めガイド9bLは現像フレーム12bに固定した現像ローラ軸受箱9vの側方へ延出されている。このように左側ガイド部材9Lは金属製の円筒形ガイド9aLと合成樹脂製の回り止めガイド19bLが別れて別部材で設けられている。
次にクリーニングユニットCの上面9iに設けられた規制当接部9jについて説明する。ここで上面とは、プロセスカートリッジBを画像形成装置本体13に装着した際に、上方に位置する面である。
本実施の形態では、図4〜図7に示すようにクリーニングユニットCの上面9iであって、プロセスカートリッジ装着方向に対して直交する方向の右側端9p及び左側端9qに各々規制当接部9jを設けている。この規制当接部9jは、プロセスカートリッジBを画像形成装置本体13に装着した際に、プロセスカートリッジBの位置を規定するものである。すなわち、プロセスカートリッジBを装置画像形成本体13に装着した際に、画像形成装置本体13に設けられた固設部材26(図9、図10参照)に前記規制当接部9jが当接して、プロセスカートリッジBは円筒形ガイド9aR,9aLを中心とする回動位置が規定される。
次に画像形成装置本体13側のガイド手段について述べる。画像形成装置本体13の開閉カバー14を軸14aを中心に図1において反時計回りに回動すると、画像形成装置本体13の上部が開放され、プロセスカートリッジBの装着部が図9、図10のように見える。この開閉カバー14を開けた開口部から画像形成装置本体13の左右両側の内壁のプロセスカートリッジBの着脱方向から見て左側に図9、右側に図10に示すようにガイド部材15(15R,15L)が夫々設けられている。
図に示すようにガイド部材15には夫々プロセスカートリッジBの挿入方向の矢印Xから見て前下がりになるように斜設したガイド部15a,15cと、このガイド部15a,15cに夫々つながりプロセスカートリッジBの円筒形ガイド9aR,9aLが嵌入する半円形の位置決め用のU溝15b,15dを備えている。このU溝15b,15dは下部周壁が半円筒形をしている。このU溝15b,15dの中心はプロセスカートリッジBを装置本体13に装着時プロセスカートリッジBの円筒形ガイド9aR,9aLの中心を結ぶ中心線と一致しない。即ち、U溝15bに円筒形ガイド9aLは丁度嵌合して、感光体ドラム7の反駆動側の位置は定まるが、U溝15dに円筒形ガイド9aRが嵌入すると円筒形ガイド9aRは単に支持され、後述の軸継手の調心作用でU溝15dから離れるようになっている。
ガイド部15a,15cの幅は、プロセスカートリッジBの着脱方向から見て円筒形ガイド9aR,9aLが遊嵌する幅を有する。円筒形ガイド9aR,9aLの直径よりも夫々せまい幅をもつ回り止めガイド9bR,9bLは当然ゆるく嵌まり込むが円筒形ガイド9aR,9aL、回り止めガイド9bR,9bLはガイド部15a,15cにより回動を制約され、プロセスカートリッジBは一定範囲の姿勢を保って装着される。そしてプロセスカートリッジBが画像形成装置本体13へ装着された状態においては、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド9aR,9aLが夫々ガイド部材9R,9Lの位置決め溝15b,15dに嵌合すると共にプロセスカートリッジBのクリーニングフレーム12c先端左右の規制当接部9jが装置本体13の固設部材26に当接するようになっている。
上述したプロセスカートリッジBは円筒形ガイド9aR,9aLの中心を結ぶ中心線のクリーニングユニットC側と現像ユニットD側ではこの中心線を水平に保つと現像ユニットD側がクリーニングユニットC側よりも大きな一時モーメントを生ずるような重量配分になっている。
プロセスカートリッジBの画像形成装置本体13への装着には、トナーフレーム12aの凹部47側及び下側の夫々のリブ47aを片手でつかみ、円筒形ガイド9aR,9aLを夫々画像形成装置本体13のカートリッジ装着部のガイド部15a,15cへ挿入し、続いて挿入方向から見てプロセスカートリッジBを前下りにして回り止めガイド9bR,9bLを画像形成装置本体13のガイド部15a,15cへ挿入する。プロセスカートリッジBの円筒形ガイド9aR,9aL、回り止めガイド9bR,9bLは画像形成装置本体13のガイド部15a,15cに沿って奥側へ進み、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド9aR,9aLが画像形成装置本体13の位置決め溝15b,15dに達すると、この円筒形ガイド9aR,9aLは位置決め溝15b,15dの位置へプロセスカートリッジBの重力で着座する。そして円筒形ガイド9aR,9aLの中心を結ぶ中心線は、感光体ドラム7の中心線であるから、感光体ドラム7は画像形成装置本体13に対して概略に位置が定まる。尚、最終的には軸継手が結合した状態で感光体ドラム7は装置本体13に対する位置が決まる。
この状態では、画像形成装置本体13の固設部材26とプロセスカートリッジBの規制当接部9jはわずかに隙間がある。ここでプロセスカートリッジBを持っている手を離すと、プロセスカートリッジBはその円筒形ガイド9aR,9aLを中心にして現像ユニットD側が下り、クリーニングユニットC側が上昇し、プロセスカートリッジBの規制当接部9jは画像形成装置本体13の固設部材26に当接し、プロセスカートリッジBは画像形成装置本体13に対して装着される。その後、開閉カバー14を図1において軸14aを中心に時計回りに回動して閉める。
プロセスカートリッジBを装置本体13から取り外すのは、上記と逆で、装置本体13の開閉カバー14を開いてプロセスカートリッジBの把手部をなす前述の上下のリブ47aに手を掛け持ち上げるようにすると、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド9aR,9aLが装置本体13の位置決め溝15b,15dを中心に回動し、プロセスカートリッジBの規制当接部9jが装置本体13の固設部材26から離れる。プロセスカートリッジBを更に引くと上記円筒形ガイド9aR,9aLが上記位置決め溝15b,15dから脱出して装置本体13に固定したガイド部材15R,15Lのガイド部15a,15cへ移動し、そのまま、プロセスカートリッジBを引き上げるとプロセスカートリッジBの円筒形ガイド9aR,9aL、回り止めガイド9bR,9bLは装置本体13のガイド部15a,15c中を移動して上昇し、これによって、プロセスカートリッジBの姿勢を規制されて、プロセスカートリッジBは装置本体13の他の部分に当たることなく装置本体13外へ取り出される。
なお、図12に示すとおり、平歯ギア25bは感光体ドラム7の軸方向ではす歯ギア16aと反対側の端部に設けられている。この平歯ギア25bは、プロセスカートリッジBが装置本体13に装着された際に、装置本体13に設けられた転写ローラ4と同軸のギア(図示せず)と噛合して、転写ローラ4を回転させる駆動力をプロセスカートリッジBから伝達する。
{カップリング及び駆動構成}
次に画像形成装置本体からプロセスカートリッジへの駆動伝達機構である軸継手装置の構成について説明する。
図14はカップリング凸軸17が一体的に形成された駆動力伝達部品としてのドラムフランジ16の斜視図、図15は前記ドラムフランジ16を取り付けた感光体ドラム7の一部切断斜視図、図16は図11に示したプロセスカートリッジBのカップリング凸軸17付近の拡大斜視図、図17は軸継手部材としての、カップリング凸軸17(プロセスカートリッジBに設けられている)と、カップリング凹軸18(装置本体13に設けられている)との関係説明図ある。
さて、図11、及び図15乃至図17に示すように、プロセスカートリッジBに取り付けられた感光体ドラム7の長手方向一方端部にはプロセスカートリッジ軸継手手段が設けてある。この軸継手手段は、感光体ドラム7の一方端部に固着したドラムフランジ16にカップリング凸軸17(円柱形状)を設けたものであり、前記カップリング凸軸17の先端面に凸部17aが形成してある。また、このカップリング凸軸17は軸受24に嵌合して、ドラム回転軸として機能する。
そして、本実施の形態1では、ドラムフランジ16とカップリング凸軸17及び凸部(連結突部)17aは一体に設けてある。そして、ドラムフランジ16にはプロセスカートリッジBに設けた現像ローラ10dに駆動力を伝達するため、はす歯ギア16aが一体に設けてある。したがって、図14に示すとおり、前記ドラムフランジ16は、はす歯ギア16a、カップリング凸軸17及び凸部17a及び嵌合部16b(後述する)を有するプラスチック製の一体成型品であって、駆動力を伝達する機能を有する駆動力伝達部品である。
そして、前記凸部17aの形状は、略正三角柱(ねじれていない)であり、前記凸部17aと嵌合する凹部(連結穴)18aは、凹部空間の断面が略正三角形のねじれた穴である。そして、この凹部18aは装置本体13に設けられた大ギア(装置本体側ギア)34と一体的に回転する。そこで、本実施の形態1の構成においては、プロセスカートリッジBが装置本体13に装着されて、凸部17aと装置本体13に設けられた凹部18aとが嵌合して凹部18aの回転力が凸部17aに伝達される際に、凸部17aの略正三角柱の各稜線が凹部18aの略正三角形の入口の縁18a1と当接する。そのため互いに軸心が略合致する。(図24、図28参照)。また、前述したように、装置本体13の装着ガイド部材15に設けられた板ばね41によって、プロセスカートリッジBは感光体ドラム7の軸方向の駆動側に向かって付勢されている。そこで、前記凸部17aと一体の感光体ドラム7は画像形成装置本体13内で長手方向及びラジアル方向の位置が安定して決まる。尚、この板ばね41は必ずしも必要でない。
ここで、理論上の立体の断面位置が安定して決まるための軸直角平面上における当接点は3点であり、本実施の形態1のような凸部17aの当接部17a1が軸線方向に対して直角な平面上において略正三角形の頂点に配置され、且つ、凹部18aの形状が略正三角形の場合には、凸部17aの当接部17a1は凹部18aの略正三角形の入口の縁18a1に等しい条件で当接する。このことから、プロセスカートリッジBの回転時の負荷変動により、当接点のがたつきやカップリング駆動の回転ムラを最小限に押えることが可能となり、感光体ドラム7の回転精度を向上させることができた。
図28は、凸部17aと凹部18aの嵌合状態を示す図である。図28に示す通り、凹部18aから凸部17aに駆動力が伝達される際には、凸部17aの根元付近(先端17a2よりも軸部17に近い部分)17a3が凹部18aの入口18a3の角部(縁)18a4と当接する。そして前記凸部17aは前記凹部18aの斜面18a1には当接していない。このように、ねじれていない三角柱17aが前記ねじれた凹部(穴)18aへ侵入して前記穴18aが回転を始める。
すると、前記三角柱17aはその根元の部分17a3でもって前記穴18aの入口18a3の角部18a4と接触し、穴に対する位置が決まる。この根元の部分は他の部分と比較して強度が強いので、突起としての三角柱は変形することがない。また、三角柱の角部付近及び/又は穴の入口の角部が僅かに局所的に変形して、前記角部付近が穴の内部にくい込む。したがって、前記凹部と穴の結合がより強固になる。尚、両者をプラスチック成形した場合には、この効果は明らかである。
ここで、前記カップリング凸軸17及び凸部17aは、前記ドラムフランジ16が感光体ドラム7の一端部に取り付けられた際に、感光体ドラム7の軸線と同軸線上に位置するようにドラムフランジ16に設けられている。尚、16bは嵌合部であって、ドラムシリンダ7aの内面に嵌合する嵌合部分である。このドラムフランジ16は感光体ドラム7に“かしめ”或いは“接着”等によって取り付けられる。また、ドラムシリンダ7aの周囲には、感光層7bが被覆されている。(図11及び図15参照)。
また、この感光体ドラム7の他端側には、ドラムフランジ25が固定されている。そして、このドラムフランジ25には、平歯ギア25bが一体的に成型されている(図11参照)。ドラムフランジ25はクリーニングフレーム12cに固定されたフランジ29と一体のドラム軸7dに回転自在に嵌合している。
尚、プロセスカートリッジBを装置本体13に装着すると、前記ドラム軸7dと同軸心の円筒形ガイド9aLが装置本体13のU溝15b(図9参照)に嵌合して位置決めされ、且つ、ドラムフランジ25と一体的に成型した平歯ギア25bが転写ローラ4に駆動力を伝達するギア(図示せず)と嵌合する。
また、プロセスカートリッジBのカップリング凸軸17の凸部17aの周りには、凸軸17と同心円の中空円筒形のボス24aがクリーニングフレーム12cに設けられている(図4、図11、図16参照)。このボス24aによって、プロセスカートリッジBを着脱する際等にカップリング凸部17aは保護され、外力による傷や変形等から守られる。そこで、凸部17aが損傷することによるカップリング駆動時のガタつきや振動を防止することができる。
また、前記ドラムフランジ16,25及び軸17及び凸部17aの材質としては、ポリアセタール(polyacetal)、ポリカーボネイト(polycarbonate)、ポリアミド(polyamide)、及び、ポリブチレンテレフタレート(polybutyleneterephthalate)等の樹脂材料を用いている。但し、他の材料を適宜選択して用いても構わない。
更に、このボス24aはプロセスカートリッジBを画像形成装置本体13に着脱する際の円筒形ガイド9aRを兼ねている。即ち、プロセスカートリッジBを装置本体13に装着する際には、ボス24aと本体側ガイド部15cとが当接して、前記ボス24aはプロセスカートリッジBを装着位置に装着する際のガイド部材の役目をなし、プロセスカートリッジBの装置本体13への着脱を容易にする。また、プロセスカートリッジBが装着位置に装着された際には、前記ボス24aはガイド部15cに設けられた凹部をなすU溝15dに支持される。そして、画像形成時に駆動を受けてカップリング凸軸17と凹軸18とが調芯されたときには、ボス24aはU溝15dからわずかに浮き上がり(約0.3mm〜1.0mm程度)、このボス24aと本体ガイド部15c(U溝15d)との隙間は、カップリング凸部17aと凹部18aとのラジアル方向の隙間よりも小さい。
このことから、プロセスカートリッジBが装置本体13に装着された状態で、カップリング凸部17aと凹部18aとの係合が可能となる。尚、前記U溝15dの奥に凹部18aが設けられている。また、前記ボス24aの形状は、本実施の形態に示す円筒形に限定されることはなく、前記ガイド部15cにガイドされること、また、前記U溝15dに支持されることができればよく、例えば完全な円でなく欠円形となる円弧形状であっても構わない。また、本実施の形態では、カップリング凸軸17を回転可能に支持するための軸受24と円筒形ボス24aとを一体成形してクリーニングフレーム12cにねじ止め(図示せず)した例を示したが(図11)、軸受24とボス24aは別体であっても構わない。
また、本実施の形態では、クリーニングフレーム12cに設けられたドラム軸7dに前記ドラムフランジ25が嵌合して(図11参照)、また、前記クリーニングフレーム12cに設けられた軸受24の内面に前記カップリング凸軸17が嵌合した状態で、前記感光ドラム7はプロセスカートリッジBのクリーニングフレーム12cに取り付けられている。そこで、感光体ドラム7はカップリング凸軸17、ドラム軸7dを中心として回転する。尚、本実施の形態では、感光体ドラム7はクリーニングフレーム12cに軸方向に移動可能に取り付けられている。これは、取り付け公差を考慮したためである。しかしながら、これに限定されるものではなく、感光体ドラム7は軸方向に移動できなくても構わない(後述の感光体ドラムの軸方向の位置決め参照)。
一方、画像形成装置本体13には本体側軸継手装置が設けてある。この本体側軸継手装置は、プロセスカートリッジB側軸継手部材と嵌合して回転した状態で感光体ドラムの軸線と一直線上で回転軸線が一致する位置にカップリング凹軸18(円柱形状)が配設してある(図11、図20参照)。このカップリング凹軸18は図11、図18に示すように、モータ30の駆動力を感光体ドラム7へ伝える大ギア34と一体になっている。そして、このカップリング凹軸18は、大ギア34の回転中心であって、大ギア34の側端から突出して設けられている(図19、図20参照)。本実施の形態では、前記大ギア34とカップリング凹軸18は一体成型で形成してある。
前記装置本体13に設けられた大ギア34は、はす歯ギアによって構成されている。そこで、このはす歯ギアは図11、図18に示すモータ30の軸30aに固設されたはす歯の小ギア20から駆動力が伝達されたときに、カップリング凹軸18を凸軸17方向へ移動させる推力を発生させるような傾斜方向と角度の歯を有している。これにより、画像形成に際してモータ30を駆動すると、前記推力によってもカップリング凹軸18が凸軸17方向へ移動して凹部18aと凸部17aとが係合するのを助勢する。前記凹部18aは前記カップリング凹軸18の先端であって、前記カップリング凹軸18の回転中心に設けられている。
尚、この実施の形態ではモータ軸30aに固設した小ギア20から大ギア34へ直接駆動力を伝達しているが、ギア列を用いて減速及び駆動伝達を行う、或いはベルトとプーリ、摩擦ローラ対、タイミングベルトとプーリ等を用いても良い。
{開閉カバーと軸継手の連動装置}
次に、開閉カバー14の閉鎖動作に連動して凹部18aと凸部17aを嵌合させる構成について図21乃至図23を参照して説明する。
図23に示すように装置本体13に設けられた側板40と大ギア34を間にして側板39が固設されており、これらの側板39,40に大ギア34の中心に一体に設けたカップリング凹軸18が回転自在に支持されている。大ギア34と側板40間には、外カム35と内カム36が密に間挿されている。内カム36は側板40に固定されていて、外カム35はカップリング凹軸18に回転自在に嵌合している。外カム35と内カム36の軸方向の対向面はカム面であり、このカム面はカップリング凹軸18を中心とする互いに接するねじ面となっている。大ギア34と側板39との間に圧縮コイルばね38が圧縮してカップリング凹軸18に挿入されている。
図21に示すように外カム35の外周から半径方向にアーム35aが設けられ、このアーム35aの先端と、開閉カバー14の軸14aから、開閉カバー14を閉めた状態で図21において左斜め下方へ向って半径方向の開閉カバー14の開放側の端とは反対側の位置と、をピン37a,37bで、一つのリンク37の両端に夫々結合してある。
図22は図21を右方向からみた図である。開閉カバー14が閉じているときはリンク37、外カム35等は図示の位置にあり、カップリング凸部17a及び凹部18aが嵌合して大ギア34の駆動力が感光体ドラム7へ駆動伝達可能の状態にある。そして、開閉カバー14を開くとピン37aは軸14aを中心に回動して上昇し、リンク37を介してアーム35aが引き上げられ外カム35が回転し、外カム35と内カム36との対向カム面が摺動して大ギア34が感光体ドラム7より離れる方向へ移動する。その際、大ギア34が外カム35に押されて、側板39と大ギア34との間に取り付けられた圧縮コイルバネ38を押しつつ移動し、図23に示すようにカップリング凹部18aがカップリング凸部17aから離れて、軸継手の結合が解除されプロセスカートリッジBが着脱可能な状態になる。
逆に開閉カバー14を閉じると、開閉カバー14とリンク37を結合しているピン37aは軸14aを中心に回転して下る。そして、リンク37は下方へ移動してアーム35aを押し下げ、外カム35が逆に回転し、圧縮コイルばね38に押される。これにより、図23から大ギア34が左行して図22の位置に到達し大ギア34が再び図22の位置にセットされカップリング凹部18aがカップリング凸部17aに嵌合し、駆動伝達可能な状態に戻る。このような構成をとることにより、プロセスカートリッジBを開閉カバー14の開閉に応じて着脱及び駆動可能な状態にすることが可能になる。尚、開閉カバー14を閉じることによって外カム35が逆に回転し大ギア34が図23から左行して、カップリング凹軸18とカップリング凸軸17の端面が当たってカップリング凸部17aとカップリング凹部18aが噛合わなくても後述のように画像形成装置Aの始動後すぐ噛合う。
このように、本実施の形態1ではプロセスカートリッジBを装置本体13に着脱する際には、開閉カバー14を開放する。そして、この開閉カバー14の開閉に連動して、カップリング凹部18aが水平方向(矢印j方向)に移動する。そこで、プロセスカートリッジBを装置本体13に着脱する際には、プロセスカートリッジBと装置本体13の凸部17a、凹部18aは連結することはない。また、連結してはいない。従って装置本体13に対するプロセスカートリッジBの着脱を円滑に行うことができる。また、本実施の形態1ではカップリング凹部18aが圧縮コイルばね38によって大ギア34が押されることにより、プロセスカートリッジBの方向へ押圧されている。そこで、カップリング凸部17aと凹部18aとが噛み合う際に、カップリング凸部17aと凹部18aがぶつかってうまく噛み合わなかったとしても、プロセスカートリッジBを装置本体13へ装着後初めてモータ30が回転し、これによってカップリング凹部18aが回転することによって両者は瞬時に噛み合う。
{カップリング凸軸と凹軸}
次に前記軸継手の嵌合部である凸部17aと凹部18aの作用について説明する。
尚、装置本体13に設けたカップリング凹軸18は前述したように軸方向には移動可能であるが、半径方向(ラジアル方向)には移動しないように支持されている。一方、プロセスカートリッジBは感光体ドラム7の半径方向(ラジアル方向)に移動可能に装置本体13に装着されている。
即ち、プロセスカートリッジBを装置本体13に装着すると感光体ドラム7の長手方向他端側に取り付けたドラムフランジ25を支持するドラム軸7d(図11参照)と同軸心の円筒形ガイド9aLが装置本体13の受け部分のU溝15b(図9参照)に入り込んで隙間なく嵌合して位置決めされ、且つドラムフランジ25と一体的に成形した平歯ギア25bが転写ローラ4に駆動力を伝達するギア(図示せず)と噛合う。一方、感光体ドラム7の長手方向一端側(駆動側)は、クリーニングフレーム12cに設けたボス24aが装置本体13に設けたU溝15dに支持される。
開閉カバー14が閉じられことにより、カップリング凹軸18がカップリング凸軸17方向に移動し、凸部17aと凹部18aの位相が合っておれば、凸部17aに対して凹部18aが軸方向に進入して嵌合する。この際凹部18aと凸部17aの位相が合わないとカップリング凸軸17の端面17a2がカップリング凹軸18の先端面に当り、圧縮コイルばね38のばね力で押圧される。
次いで、駆動側軸継手部材は次のように作動する。
本体駆動モータ30が回転すると、凸部17aと凹部18aの位相があった時点(本実施の形態では120°毎に両者の位相が合う)で、カップリング凹軸18は圧縮コイルばね38のばね力で前進して凸部17aと凹部18a両者が嵌合し、装置本体13からプロセスカートリッジBに回転力が伝達される。
この軸継手の結合に際し、凸部17aが凹部18aに入り込むときは、図24(a)に示すように、両者のサイズに差があり、即ち凹部18aの断面が略正三角形の穴が凸部17aよりも大きいため、隙間を有した状態でスムーズに入り込む。このように、カップリング凸軸17とカップリング凹軸18の静的位置決め精度はラフな状態でよい。
尚、本実施の形態では、前述円筒形ボス24aの突出量を前記凸部17aの突出量よりも大きくしてある(図11参照)。そこで、前記凸部17aと凹部18aとが嵌合する際に、前記円筒形ボス24aの内面が前記カップリング凹軸18の外周面と嵌合して、前記両者が係合する際のガイドの役目を果たす。
そして、画像形成時に凸部17aが凹部18aに入り込んだ状態でカップリング凹軸18が回転すると、図24(b)に示すように、凹部18aの入口の縁18a1と凸部17aの当接部17a1とが当接して駆動力が伝達される。そしてこの時、凹部18aの入口の縁18a1と凸部17aの当接部17a1とが等しく当接するように、カップリング凸軸17が瞬時に移動する(図24(a)に示す状態から図24(b)に示す状態となる)。そして、各当接部17a1の位置関係と凹部18aとは略正三角形の形状であるので、当接力がほぼ均一となった状態で、カップリング凸軸17と凹軸18との軸芯は合致する。即ち、凸部17aが凹部18aに入り込んだ状態では、凸部17aの中心X1と凹部18aの中心X2は位置がずれている(図24(a))。そして、凹部18aが回転を始めて凸部17aの3点の当接部17a1と当接すると前記中心X1,X2は実質的に合致する(図24(b)参照)。
以上のような構成により、モータ30の駆動時にはカップリング凸軸17及び凹軸18が自動的に実質的に調芯が行われる。さらに、感光体ドラム7に駆動力が伝わることによりプロセスカートリッジBに回転力が生まれる。そしてこの回転力によりプロセスカートリッジBのクリーニングフレーム12cの上面で設けられたつき当て部9j(図4、図7参照)が画像形成装置本体13に固設されたつき当て部26(図9,図10参照)に突き当たり、画像形成装置本体13に対するプロセスカートリッジBの位置が決まる。
また、非駆動時(非画像形成時)には、凸部17aと凹部18aとの半径方向(ラジアル方向)に隙間が設けられるので、軸継手同士の係脱や画像形成装置本体13に対するプロセスカートリッジBの着脱が容易になる。また、駆動時には前述の軸継手の係合部分での当接力が安定するので、この部分でのガタつきや振動を押さえることができる。
尚、本実施の形態ではカップリング凹部の形状を略正三角形としたが、凹部を略正多角形形状とし、凸部が凹部形状に対応した当接点を持つ形状であれば同様の効果が得られることは言うまでもない。また、略正多角形形状であれば位置決めをより一層正確に行うことができるが、これに限定されずに調芯される当接点を持つ形状であれば、例えば多角形形状であってもよい。
さらに、カップリング凸部と凹部を比較すると、形状的には凸部が傷つきやすく、強度的にも劣る。このため、本実施の形態においては、交換可能なプロセスカートリッジBにカップリング凸部を設け、より高耐久性が要求される画像形成装置本体13にカップリング凹部を設けてある。
ここで、前述した実施の形態1をプロセスカートリッジBを例に挙げてまとめると次の通りである。本実施の形態のプロセスカートリッジBは、モータ30と、前記モータ30からの駆動力の伝達を受けるための装置本体の大ギア34と、前記装置本体の大ギア34の中心部に設けられた、前記装置本体の大ギア34と一体に回転する空間が多角柱の穴である凹部18aと、を有して、記録媒体2に画像を形成する電子写真画像形成装置Aの装置本体13に着脱可能である。そして、本実施の形態1のプロセスカートリッジBは、電子写真感光体ドラム7と前記電子写真感光体ドラム7に作用するプロセス手段(帯電ローラ8、現像ローラ10d、クリーニングブレード11a)と、前記電子写真感光体ドラム7の長手方向の一端に設けられ、前記多角柱の穴である凹部18aと嵌合し、その内面に当接する突起である凸部17aと、ここで前記プロセスカートリッジBが装置本体13に装着された際に、前記突起である凸部17aが前記空間が多角柱の穴である凹部18aと嵌合した状態で前記装置本体の大ギア34が回転すると、前記カップリング凸軸17と前記凹軸18との軸芯が実質的に一致した状態で、前記装置本体13の大ギア34の回転力を前記電子写真感光体ドラム7に伝達する。
また、前記凸部17aは、前記感光体ドラム7の回転中心から前記感光体ドラム7の長手方向外側へ突出したカップリング凸軸17の先端部分に突出して設けられている。ここで、前記カップリング凸軸17は前記感光体ドラム7をクリーニングフレーム12cに回転可能に支持するためのものである。
また、前記カップリング凸軸17は、はす歯ギア16aの中心に設けられており、前記はす歯ギア16aの前記カップリング凸軸17が設けられているのとは反対側には、前記電子写真感光体ドラム7の内面と嵌合するための嵌合部16bが設けられている。ここで、前記凸部17a、カップリング凸部17、はす歯ギア16a、及び嵌合部16bは樹脂製の一体成形物である。
また、更に、前記凸部17aを囲んで設けられた円筒形のボス24a、或いは前記凸部17aの一部に沿って設けられた円弧形状のボスが設けられている。ここで、前記ボス24aは前記凹部18aと凸部17aとを相対的に移動させて嵌合させる際の円筒形ガイド9aRとなる。
ここで実施例について述べる。前記装置本体13の大ギア34のモジュールは約0.4〜0.7である。また、前記装置本体13の大ギア34の歯元円径は約30mm〜150mm、また、前記装置本体13の大ギア34の歯数は約40〜400歯である。これら各数値は装置本体13のスペース、所望する画像形成装置の品質を考慮して適宜選択すればよい。また、この数値範囲に限定されるものではない。因みに本実施の形態では、大ギア34のモジュールは0.5、歯元円径は約100mm、歯数は200歯である。
またここで、プロセスカートリッジBの画像形成時(駆動伝達時)の装置本体13に対する位置決めをまとめると、次の通りである。
先ず、プロセスカートリッジBは、装着された時点で装置本体13のカートリッジ装着部にカートリッジ枠体が嵌合して長手方向に位置決めされる。そして軸に直角方向では、円筒形ガイド9aLがU溝15bにぴったり嵌合して位置決めされる。一方、ボス24aは受け部のU溝15bに単に支持されている。そして画像形成時(駆動伝達時)には、プロセスカートリッジBは前記凸部17aが装置本体13に設けられた凹部18aに嵌合した状態で、軸心が一致するように位置決めされる。この際、ボス24aはU溝15dから離れる。即ち、装置本体の開閉カバー14を閉じると、カップリング凹軸18が凸軸17方向に移動し、本体モータ30が回転すると凸部17aと凹部18aが噛み合って軸心が一致し、軸直角方向には、プロセスカートリッジBは感光体ドラム7の長手方向一端側をU溝15dによって、他端側を回転している凹部18aによって位置決めされる。ここで本実施例では組立公差を考慮して感光体ドラム7はその長手方向に移動可能(約0.1mm〜1.0mm程度)に設けられている。このような感光体ドラム7が長手方向に移動可能に支持されている場合は前述したようにクリーニングフレーム12cに対して軸方向の位置が決定される。また、組立公差を考慮して、本体内側板(装着ガイド部15a,15c)に対して移動可能に(約0.1mm〜3mm程度)に装着されたプロセスカートリッジBが感光体ドラム7のラジアル方向へ移動する。
また、画像形成時にプロセスカートリッジBは、感光体ドラム7の回転方向へ回転力を受けるが、この回転力によってプロセスカートリッジBのつき当て部9jが装置本体13に設けたつき当て部となっている固設部材26に当接する。
従って、プロセスカートリッジBは、画像形成時には感光体ドラム7の長手方向及びラジアル方向を装置本体13に位置決めされる。
〔他の実施の形態〕
前述の実施の形態1においては、カップリング凸軸17の凸部17aとカップリング凹軸18の凹部18aの形状を略正三角柱としたが、これに限定されることはない。例えば凹部18aは奇数辺を有する多角形断面であり、凸部17aが同数の偏位を有する等幅ひずみ円(いわゆるおむすび)であってもよく、また、凸部17aを多角柱の稜線を持ち稜線間が中心へ向って凹形、例ば断面円形の溝状としても良い。
また、前述の実施の形態においては、感光体ドラム7のドラムフランジ16とカップリング凸軸17とを一体としたが、カップリング凸軸17を別に成形し組合わせて使用しても構わない。
次に凸部17aの他の形状の具体例を述べる。
図25は凸軸17端部に略三角錐の凸部17aを設けたものである。この場合、駆動力を伝達する際には、凹部18aの入口は略三角形であるから凸部17aの根本を前記穴の入口の角に当接できる。尚、凸部17aは、凹部18aの斜面に当接しない。
図26は凸軸17の端部に先端が略三角錐17a7の略三角柱17a8の凸部17aを設けたものである。本実施の形態は、凹部18aの入口の角に略三角柱17a8の部分が当接する。そして三角錐17a7の部分は凹部18aの斜面に当接しない。
図27は凸部17aを略三角柱としその稜線をR形状の面取り形状としてある。
更にカップリング凸軸17の凸部17a及びカップリング凹軸18の凹部18aの他の形状について図29を参照して説明する。
本実施の形態における凸部17aの形状は、直線の四角柱であり、前記凸部17aと嵌合する凹部18aは、凹部空間がねじれた四角柱の穴である(図29)。また、ねじれの方向としては、凹部18aは感光体ドラム7側から装置本体13の外に向かって見て回転方向と逆の方向にねじれている。そして、凸部17aと装置本体13に設けられた凹部18aとが嵌合して凹部18aの回転力が凸部17aに伝達される際に、凸部17aの根本と凹部18aの入口の角とが当接するので安定して駆動力が伝達される。
また、本実施の形態においては、凸部17aを四角柱とし凹部18aの形状をねじれた四角穴としたがこれに限定されることはなく、他の多角柱形状であっても構わない。
尚、上述した各実施の形態において、凹部18a、即ち、穴のねじれ方向は穴の入口から奥に向ってギアの回転方向と逆方向にねじれ込んで行く方向である。
また穴のねじれ量は、軸線長さ1mmに対して回転方向で1°〜15°の割り合いである。
本実施の形態では、穴の深さは約4mmであって、約30°ねじれている。
以上説明した各実施の形態によれば、凸部17aはねじれていない。そこで凹軸18から駆動力を伝達される際に、前記凸部17aは穴18aの入口で当接する。そして、凸部17aは穴18の斜面には当接しない。そこで、ねじれていない凸部17aが前記ねじれた穴18aと嵌合して、前記穴18aが回転をする。
すると前記凸部17aはその根元の部分でもって前記穴18aの入口部分と接触し、穴18aに対する位置が定まる。この根元の部分は他の部分と比較して強度が強いので、凸部17aは変形することがない。また、凸部17aの角部付近及び/又は穴18aの入口の角部が僅かに局所的に変形して、前記角部付近が穴の内面にくい込む。したがって、前記凹部と穴の結合がより強固になる。尚、両者をプラスチック材で成形した場合にはこの効果は明らかである。