JP4250201B1 - 液体加熱加圧保温容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱と保温を一つの容器でそのまま行え、電磁誘導加熱のための装置が不必要で外部から直接の加熱ができ、容器内の圧力を指定して、その圧力での沸点に近い液体を保温でき、容器内の液体を加熱のエネルギーを利用して自動的に排出でき、また、液体と気体を別々に排出できる液体加熱加圧保温容器を提供する。
【解決手段】密閉される外容器(J)は、液体を注入するための液体注入口(B)を有し、内部に内容器(I)を設ける。通路(E)は、外容器(J)の内側底部付近に下端が開口し、内容器(I)の底部を貫通し、上端が内容器(I)の内側上部に開口し、この上端には、外容器(J)側の圧力が低くなることで閉じる逆止弁(F)が設けられる。内容器(I)には、減圧弁(K)を設ける。内容器(I)内で保温される液体などを排出するため、液体排出パイプ(N)には、液体排出用コック(O)が備えられる。気体排出パイプ(M)には気体排出用コック(L)が備えられる。
【選択図】図1

Description

この発明は、水などの液体を加熱し加圧し保温する容器に関する。
一般に、水などの液体を加熱するには、水をヤカンや鍋に入れて加熱する。保温するには、構造が二重になったポットなどに入れる。また、水などとともに加熱加圧して食材を煮炊きするには、圧力鍋が用いられる。圧力鍋には、高圧になる内部を一定の圧力に維持するための減圧弁が設けられる。
また、下記の特許文献1には、電磁誘導加熱によって煮炊きする鍋であって、保温のために二重になった部分が真空に保たれる鍋の構造が記載される。この構造によれば、加熱終了後に沸騰した熱い鍋を移動する必要がない。加熱と保温を一つの鍋でそのまま行える。
また、特許文献2には、二重になった部分の水が沸騰により上昇して内側の部屋に移動するコヒーメーカーとしての容器が記載される。
特開2003-275097 特開2001-238799
しかしながら、特許文献1の鍋では、(1)電磁誘導加熱のための装置が必要であり、通常のヤカンや鍋のように外部から直接の加熱はできない。(2)また、容器内の圧力を指定して、その圧力での沸点に近い液体を保温することもできない。(3)さらに、容器内の液体を自動的に排出するためには加熱以外のエネルギーが必要である。例えば、手動式のポンプを設け、手動によるエネルギーが必要である。(4)また、液体と気体を別々に排出することもできない。
この発明は、以上の問題点を解決するために、加熱と保温を一つの容器でそのまま行え、電磁誘導加熱のための装置が不必要で外部から直接の加熱ができ、容器内の圧力を指定して、その圧力での沸点に近い液体を保温でき、容器内の液体を加熱のエネルギーを利用して自動的に排出でき、また、液体と気体を別々に排出できる液体加熱加圧保温容器を提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、第一発明は、密閉される外容器(J)と、この外容器(J)に液体を注入するための液体注入口(B)と、前記外容器(J)の内部に設けられ密閉される内容器(I)と、前記外容器(J)の内側底部付近に下端が開口し前記内容器(I)の底部を貫通し上端が前記内容器(I)の内側上部に開口する通路(E)と、この通路(E)の前記上端に設けられ前記外容器(J)側の圧力が低くなることで閉じる逆止弁(F)と、前記内容器(I)の液体を排出するための開閉手段(LまたはO)を有する排出路(MまたはN、あるいはH)と、を有することを特徴とする液体加熱加圧保温容器である。
第二発明は、さらに、前記内容器(I)に減圧弁(K)を設けたことを特徴とする液体加熱加圧保温容器である。
第三発明は、さらに、前記排出路は、前記内容器(I)の内側底部付近に下端が開口する液体排出路(N)、及び前記内容器(I)の内側上部に下端が開口する気体排出路(M)の二つを備えたことを特徴とする液体加熱加圧保温容器である。
なお、この欄および次の欄における( )内の符号は、これらの欄の理解を容易にするための便宜的なものであり、これらの欄内の発明構成要素を、この符号が図面中で特定する具体的部分に限定するものではない。
第一、第二、又は第三発明によれば、この液体加熱加圧保温容器へ注入口から液体が注入され、外部からの直接の加熱が行われる(前記課題(1))と、やがて外容器(J)の液体が加熱され気化し、気化し高圧になった気体が液体を押し、押された液体は通路(E)を通って逆止弁(F)を経て内容器(I)へ移動する。加熱が終了すると、外容器(J)の気体は圧力が低下しやがて液化するが、逆止弁(F)の働きにより、内容器(I)の高圧の気体や液体は内容器(I)内に留まる。外容器(J)内は気体の液化などにより、真空に近い状態になり、よって、優れた保温効果が得られる。
また、前記内容器(I)の液体を排出するための開閉手段(LまたはO)を有する排出路(MまたはN)によって、容器内の液体を加熱のエネルギーを利用して自動的に排出できる(前記課題(3))。
第二、又は第三発明によれば、さらに、内容器(I)に設けた減圧弁(K)によって内容器(I)内圧を一定に保つことができ、減圧弁(K)によって指定される圧力下の沸点(物質の転移点)に近い温度で、液体の保温が可能となる(前記課題(2))。
第三発明によれば、さらに、内容器(I)の内側底部付近に下端が開口する液体排出路(N)によって液体のみを排出でき、内容器(I)の内側上部に下端が開口する気体排出路(M)よって気体のみを排出できる。よって、液体と気体を別々に排出できる(前記課題(4))。
この発明の実施形態を、図1、図2、及び図3に示す。
[全体概略]
図2に示すように、液体加熱加圧保温容器の容器本体は、内容器(I)と外容器(J)で構成される。内容器(I)と外容器(J)はほぼ同容量である。
通路(E)はパイプによって構成され、内容器(I)と外容器(J)交通している。すなわち、このパイプ(E)は、外容器(J)の内側底部付近に下端が開口して液体吸入口(C)となり、内容器(I)の底部を貫通し、上端が内容器(I)の内側上部に開口する。
この通路(E)の上端に、すなわち内容器(I)の側に、逆止弁(F)が連通して設けられる。この逆止弁(F)は、弁ケース(D)と弁本体(F2)により構成される。そして逆止弁(F)は、内容器(I)側の圧力が、外容器(J)側よりも高まることで閉じる。つまり、外容器(J)内の圧力が内容器(I)内の圧力より低いときに逆止弁(F)は閉鎖する。
外容器(J)には、液体を注入するための液体注入口(B)が設けられる。液体加熱加圧保温容器へ液体を注入するときには、液体注入口(B)より注入し、外容器(J)に液体を満たし、その後に液体注入口(B)を液体注入口栓(A)で密閉する。この状態で液体加熱加圧保温容器の加熱をおこなう。注入された液体は、後述するように、この加熱により、内容器(I)へ移動し保温される。
内容器(I)には減圧弁(K)が設けられ、内容器(I)内の圧力を一定に維持する。内容器(I)内で保温される液体などを排出するための排出路としては、気体排出パイプ(M)、液体排出パイプ(N)、または液体取出口断熱蓋(H)などが設けられる。気体排出パイプ(M)には開閉手段として気体排出用コック(L)が備えられる。液体排出パイプ(N)には開閉手段として液体排出用コック(O)が備えられる。
[各部構成]
液体注入口栓(A)は、液体を注入後に外容器を密封するための栓で、ネジ構造になっており外容器(J)を完全に密封できる。
液体注入口(B)は、外容器(J)へ液体を注入するための口で、ヤカンの口のように突出し、内部に雌ネジが形成され、液体注入口栓(A)の雄ネジが螺合される。
液体吸入口(C)は、パイプ(E)の下端で、外容器(J)の内側底部付近に開口する口である。加熱された液体が内容器(I)へ移動するときに最初に通過する口となる。
弁ケース(D)は、逆止弁(F)を構成するケースで、パイプ(E)の上端に連通し、内部に球状の弁本体(F2)を収納する。側面に、液体排出口(G)としてスリットが形成され、液体や気体が通る。スリットの位置は、弁本体(F2)の着座位置よりもやや上部にあり、このため内容器(I)の高まった圧力がスリットを通して達すると、弁本体(F2)は下方へ押さえられ、パイプ(E)の上端を閉じる。逆に、外容器(J)の高まった圧力がパイプ(E)の上端を通して達すると、弁本体(F2)は上方へ押し上げられ、パイプ(E)の上端は開く。
通路(E)はパイプによって構成される。加熱された液体が内容器(I)へ移動するときに通過する。
逆止弁(F)は、上述したように弁ケース(D)と弁本体(F2)により構成される。外容器の圧力より内容器(I)の圧力が低いときに開き、高いときに閉じる。
液体排出口(G)は、上述したように、弁ケース(D)にスリットとして形成され、加熱された液体が内容器(I)へ移動するときに最後に通過する口となる。
液体取出口断熱蓋(H)は、必要に応じて内容器(I)内の液体を取り出す時に開く蓋で、ネジ構造になっており、内容器(I)を完全に密封できる。
内容器(I)は、加熱した液体を貯蔵し保温する容器である。
外容器(J)は、注入された加熱する前の液体を貯溜し更に加熱すると伴に、沸点に近い温度の液体を内容器(I)へ送った後には、内容器(I)との間に真空層を形成する。外容器(J)の内部の上底付近で内容器(I)とリング状に連続する。このリング状の連続部位の内側に、液体取出口断熱蓋(H)が位置する。
減圧弁(K)は、内容器(I)内を指定の圧力にするための弁である。
気体排出用コック(L)は、気体排出パイプを開閉するコックである。
気体排出パイプ(M)は、内容器(I)の蓋を貫通して内容器(I)の上底に開口するパイプである。
液体排出パイプ(N)は、内容器(I)の蓋を貫通して内容器(I)の底部近くまで到達する液体内に続くパイプである。
液体排出用コック(O)は、液体排出パイプを開閉するコックである。
これらの構成各部は、は耐熱性且つ、耐圧性の素材を使用する。
[使用方法]
液体加熱加圧保温容の使用方法とそのときの状態の説明をおこなう。
(注入)
図1(1)に示すように、この液体加熱加圧保温容器へ、液体注入口栓(A)を外した注入口から、液体を注入する。減圧弁(K)は、外気圧より内容器内の圧力が、所定の圧力だけ高圧になったときに開くように設定する。液体排出コック(L)と気体排出コックは閉じておく。満水にしたら液体注入口栓(A)をしっかりと閉める。
(加熱)
図1(2)に示すように、外部からの直接の加熱が行われると、液体が沸騰し、一部の液体は気化する。これによって外容器(J)の上部に気体が貯蔵され、内部圧力も上昇する。
(液体の移動)
図1(3)に示すように、さらに加熱すると、沸騰した液体は開いた逆止弁(F)を通り内部容器(I)へと導かれる。すなわち、気化し高圧になった気体が液体を押し、押された液体は、パイプ(E)の液体吸入口(C)、パイプ(E)、逆止弁(F)、液体排出口(G)よりを経て内容器(I)へ移動する。また、減圧弁(K)は指定した圧力(設定圧力)に達すると内容器(I)の内圧によって開く。
(移動完了と加熱終了)
図1(4)に示すように、十分に加熱すると、移動が完了し、流水音がなくなることなどで液体の移動が知られるので、加熱を終了する。加熱が終わると指定した圧力で減圧弁(K)は閉じ、内容器内は設定した圧力に保たれ、外気圧での沸点より高い液体が内容器(I)に保存される。このとき、外容器内は気体で満たされる。内容器内には液体と上部に気体が貯留している。
(保温)
図1(5)に示すように、加熱を終了すると、液体の気化は止まって圧力は内容器の方が高くなって逆止弁(F)は閉鎖する。この閉鎖により、内容器(I)の高圧の気体や液体は内容器(I)内に留まる。外容器(J)内の気体は外気によって冷却され少容積の液体に戻り、外容器(J)内は真空に近い状態となる。この外容器(J)内部は熱伝導しない真空状態に近くなる。この真空部分は、内容器(I)を包んでいるために優れた保温層の働きをする。更に気体の凝縮による熱吸収と内部が真空のために外容器(J)の外側面の表面温度は急速に低下する。
(排出)
保温された液体や気体は、以下のように、任意に開閉手段であるコック(LまたはO)を開けることで、圧力を利用して自動的に排出でき、利用できる。
−液体排出パイプからの液体の排出−
図3(A)に示すように、液体排出用コック(O)を開くと外気圧よりも内容器(I)内の圧力が高いために液体は液体排出パイプ(N)を通り自動的に内容器(I)外に排出できる。液体排出コック(O)を閉じれば液体の排出が止まる。
−気体排出パイプからの液体の排出−
図3(B)に示すように、気体排出用コック(L)を開くと外気圧よりも内容器(I)内の圧力が高いために気体は気体排出用パイプ(M)を通り自動的に内容器(I)外に排出できる。気体排出用コック(L)を閉じれば液体の排出が止まる。
−気体と液体の同時排出−
図3(C)に示すように、気体排出用コック(L)と液体排出用コック(O)を同時に開くと気体と液体を同時に排出することができる。正立させた場合は重力に逆らうことなく気体を排出するのに適している。
−倒立状態での排出−
図3(D)に示すように、液体加熱加圧保温容器を逆さにして倒立させ、気体排出用コック(L)を開けば液体を、液体排出用コック(O)を開けば気体を排出する。また、両者を同時に開くと液体と気体を同時に排出させることができる。倒立させた場合は重力に逆らうことなく液体を排出するのに適している。
[原理]
以下、この液体加熱加圧保温容器の動作原理を説明する。
A 外容器から内容器へ液体が移動する原理
図1(3)に示すように、加熱を続けると外容器内(J)の液体の温度が沸点に達する。すると気体が外容器の上部に蓄積して外容器内の圧力が上昇する。この圧力が減圧弁(K)の設定圧力に達すると減圧弁(K)が開き逆止弁(F)も開く。気体に転移していない沸点に達した液体は外容器内の高圧によってパイプの液体吸入口(C)から逆止弁(F)を通り液体排出口(G)から内容器(I)へと移動する。その時の内容器内圧は外気圧を超えるために内容器内は減圧弁(K)で指定した圧力に保たれる。
液体が加熱され転移点(沸点)に到達したときの気体への転移は理想気体の状態方程式(ideal gas equation) pv=nRT で与えられる。P:気体の圧力 一気圧、V:体積 n::物質量(水1gは1/18mol) 、R::気体定数(0.082・atm/mol・K)、T:熱力学温度(:373°単位はK)、p は気体の圧力、V は気体が占める体積、n は気体の物質量(モル数)である。従って、圧力は
(式1) V=nRT/p
例として、1グラムの水(4℃)から1.7Lの水蒸気を(式2)のように発生させることができる。
(式2) VnRT/p={1/18}mol 0.08[{atm/molK]X373.15{K}/1[atm]=1.7[l]
また、実在気体の場合は気体は近似的にこの方程式に従う。このことより液体を気化させれば液体の体積に比して傍大な気体を得ることができる。加熱によって液体より物質の密度の低い気体が外容器上部に蓄積して外容器内の圧力は徐々に高くなる。
しかし、圧力が上がり減圧弁が指定の圧力で開くと外容器は内容器と交通しているために転移点(沸点)に到達していない液体はパイプと開いた逆止弁を通り液体排出口から内容器へ流入する。液体の外容器から内容器の移動原理は「気体の圧力Pは体積Vに反比例し絶対温度Tに比例する」というボイル・シャルウの法則に従う。
(式3) P=k(T/V)
Pは圧力 Vは圧力 Tは温度 kは気体定数)を変形して
(式4) V=k(T/P)
とする。k=0.082 T=373 で一定である。従ってV=0.082X373/P となり、加熱を継続している訳であるから圧力は始めの外容器内圧を越えで上昇を続ける。
また、始めの外容器内圧(外気圧より高い)より高い圧力(P)を創造するのに必要な気体の体積(V)は十分である。何故ならば、気体の体積は温度(T)が臨界点に達するまで増加し続けるためである。水を例として揚げれば前述(式2)のように1gの水が1.7 Lの気体へ転移することを考えると、始めの外容器内圧を1.1気圧 容積0.001 L、水1g、内容器内圧を1.0気圧と仮定すると(式4)より0.1気圧の圧力上昇に必要な気体の体積はk及びTは一定であるから
(式5)V=1/P
で体積と圧力の関係を表わすことができる。よって、 V=1/1.1より 1.1気圧で約0.00091 Lであり、1気圧で0.0011 L に過ぎない。従って、1gの水を内容器へ移動させるのに必要な気体0.0011Lである。この量は1gの水を水蒸気に転移できる量(1.7L)に比して極めて少量である。従って、外容器から内容器へ液体を移動させる圧力は十分である。また、このことは内容器の液体や気体を外部へ排出るための圧力としても利用できる。
全ての液体の気化が完了して液体が外容器に存在しなくなると、外容器(J)内の気体の質量は増加出来なくなる。加熱を中止した外容器(J)内の圧力は内容器内(I)の圧力(減圧弁(K)の設定圧力)と等しくなり逆止弁(F)は自動的に閉鎖する。この時点で加熱を終了する。外容器(J)内は減圧弁(F)の設定圧力での沸点の気体が残留している。また、減圧弁(F)は設定圧力より内容器((I)内圧より低くなり閉じるため内容器(I)内部は減圧弁(F)の設定圧力に保たれる。液体の温度は内容器内の圧力での沸点温度である。(図1(4)参照)
B 容器の放冷と真空状態
放冷を始めると外容器(J)の外側面は外気に接しているため、気体の温度は比較的短時間で転移点以下となる。転移点(沸点)より低温となった分子は凝結して液体に戻り外容器(J)の底面に液体が貯留する。外容器内は真空状態となる。この真空層に包まれている内容器(I)は保温される。従って、高い保温能力を有する。また、内容器(I)の減圧弁(K)は閉じており、内容器(I)は密閉されている。内容器(I)の内部圧力を減圧弁(K)の設定圧力に保つことができる。更に気体の凝結による熱吸収と内部が真空のために外容器(J)の外側面の温度は急速に低下する。従って、高温高圧の液体や気体を真空状態の外容器に包まれた内容器に保温保存できる。(図1(5)参照)
「実施形態の効果」
この液体加熱加圧保温容器によれば、電磁誘導加熱を利用せず、通常の加熱によって加熱と保温及び加圧の機能を一体化した容器で沸騰した液体を自動的に保温容器に移動する。
原理は、上述したように、物質の相転移よる体積の変化を応用した装置である。第一段階は液体が加熱され転移点(沸点)に達すると気体へと転移することを利用して、外容器の液体を内容器へ移動させる。第二段階は気体が冷却され沸点より低くなると液体へと転移することを利用して、外容器に満たされた気体が凝結して外容器内を真空状態する。外容器の外側表面の温度も急速に低下する。
真空状態では熱伝導物質が存在しないために、外容器に包み込まれた内容器を保温できる。また、内容器の圧力を外気圧より高く設定できるため、沸点を高くでき高温の液体や気体を保存できる。さらに、内容器内圧が外気圧より高いため液体や気体を自動的に排出できる。以上のような機能を有する容器である。
以下にその効果を列挙する。
1. 外気圧より高温高圧の環境で液体を内容器に保温保存が可能であるので、以下の効果を有する。
a 沸点より高温な液体を保存できるため、外気圧まで圧力を下げたときは沸騰した液体を得られる。
b 内容器に保存した液体を高温高圧にでき内容器内の温度が低下しても長時間に渡り液体の保温保存を可能とする。
c 減圧弁の設定をより高圧にすれば、さらに長時間の高温高圧な液体の保存が可能となる。
d 内容器内が外気圧より高圧なため、液体取出口断熱蓋にコックの付いたパイプを内容器内に通して設置すれば液体層からは液体が気体層からは気体を自動的に取り出すことができる。
e 高温高圧の下での滅菌作用を得られる。
2. 外容器内が真空となり、内容器を包んでいるので、高い保温性能を持つという効果を有する。
3. 加熱終了後に、外容器の表面は急速に冷却されるので、火傷の防止に役立つという効果を有する。
4. 外容器の液体は自動的に内容器へ移動するので、沸騰した液体を保温容器へ移し変える必要がないという効果を有する。
5. 加熱以外のエネルギーを必要としないので、使用する場所を選ばないという効果を有する。
6.容器を正立させて気体コックを開けば気体を、倒立させて気体コックを開けば液体を重力に逆らうことなく排出できるので、物質の安全な排出が可能となるという効果を有する。
7.気体排出コックや液体排出コックを開くことにより内容器の内圧を外気圧と同じ圧力にできるので、液体取出口断熱蓋を安全に開けることができる、という効果を有する。
8.液体取出口断熱蓋を開けることができるので、内容器の中に比較的大きな器具を入れて滅菌や内容器の中を清掃することができる、という効果を有する。
「他の実施形態」
以上の実施形態では、液体を排出するための開閉手段を有する排出路として、気体排出用コック(L)を有する気体排出パイプ(M)、または、液体排出用コック(O)を有する液体排出パイプ(N)としたが、他の実施形態では、開閉手段はコックではなく他の手段、例えばネジ式の栓でもよい。また、排出路はパイプではなく、他の手段、例えば容器の内壁に一体的に形成される通路でもよい。
本発明は、いろいろの分野で利用可能である。例えば、日常に使用するヤカン、魔法瓶やポットとして、利用できる。また、蒸し器への蒸気の供給装置として利用できる。さらには、高圧高温な液体を必要とする実験装置やプラントへの高圧高温液体供給装置として、利用できる。また、ボイラー、タンクへの加圧、沸騰した液体の給湯をおこなう装置として利用できる。さらに、手術器具等の滅菌処理などのために、高圧で高温の環境を提供する装置として利用できる。また、以上の利用は、特に、ライフラインが繋がらなくなる災害時やアウトドアでの利用において威力を発揮する。
(1)から(5)は、この発明の一実施形態の作用過程を順に示す縦断面図である。 図1の実施形態を示す縦断面図である。 (A)から(D)は、この発明の一実施形態の作用として排出過程を示す縦断面図である。
符号の説明
(A)液体注入口栓、
(B)液体注入口、
(C)液体吸入口、
(D)弁ケース、
(E)通路(パイプ)、
(F)逆止弁、(F2)弁本体
(G)液体排出口、
(H)液体取出口断熱蓋、
(I)内容器、
(J)外容器、
(K)減圧弁、
(L)気体排出用コック、
(M)気体排出パイプ、
(N)液体排出パイプ、
(O)液体排出用コック。

Claims (3)

  1. 密閉される外容器と、この外容器に液体を注入するための液体注入口と、前記外容器の内部に設けられ密閉される内容器と、前記外容器の内側底部付近に下端が開口し前記内容器の底部を貫通し上端が前記内容器の内側上部に開口する通路と、この通路の前記上端に設けられ前記外容器側の圧力が低くなることで閉じる逆止弁と、前記内容器の液体を排出するための開閉手段を有する排出路と、を有することを特徴とする液体加熱加圧保温容器。
  2. 前記内容器に減圧弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の液体加熱加圧保温容器。
  3. 前記排出路は、前記内容器の内側底部付近に下端が開口する液体排出路、及び前記内容器の内側上部に下端が開口する気体排出路の二つを備えたことを特徴とする請求項1、または2に記載の液体加熱加圧保温容器。
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