JP4249317B2 - Pressure sensitive copy paper - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、感圧複写用紙に関する。さらに詳しくは、一枚ものの用紙からなる改ざん防止機能を有する感圧複写用紙であって、用紙面に汎用ノンインパクトプリンター等の印字装置でユーザー固有の可変情報を印字記録して利用し得、それ自身をS字状またはZ字状に3つ折りに折ることで、筆記による感圧複写機能を発揮し得る感圧複写用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の感圧複写用紙(シート)は、例えば、特開平8−230317号公報にみられるように、一方の用紙基材の裏面に発色剤を塗布し、他方の用紙基材の表面に顕色剤を塗布し、それぞれの用紙端部を接着剤で接着することにより複数枚の用紙を重ね合わせた構成の、いわゆる複写シート組が挙げられる。
また、単票の用紙からなる感圧複写式情報記録用紙としては、特開平9−207433号公報が挙げられる。同公報の一枚ものの用紙からなる複写シートの構成は、シート基材面の全面に顕色剤層を設け、該顕色剤層の表面所定部分に減感インキ層を設け、該減感インキ層の表面に発色剤層を設けた感圧複写シートである。
【0003】
従来の帳票類は、量産印刷による固定情報のみを付与したものであった。しかしながら、近年は、帳票類の形態に対する嗜好が、従来の固定情報のみのものに加えて、後からユーザーの目的に応じて必要な書式や情報を、固定情報に追加して印字(オーバーレイ印刷)できるものが求められるようになっている。感圧複写シートからなる帳票類も同様である。
特開平8−230317号公報に開示の構成の感圧複写シートは、顕色剤を塗布形成した用紙と、発色剤を塗布形成した用紙とを、別々に用意し、その後に重ね合わせて、両用紙端部を接着や密着等の手段で接合して用いる、いわゆる複写帳票組と称されるものである。当該複写帳票組に対する顧客の個別情報の印字は、インパクトプリンター(ドットプリンターともいう。)を用いて、重ね合わされた帳票の表面から圧力を加えて印字する必要がある。
しかしながら、近年、追加する可変情報をオーバーレイ印刷する手段は、印刷品質、コスト、処理速度の面から見てインパクトプリンターからノンインパクトプリンターに変わってきている。そのため、このような重ね合わせ方式の複写帳票組に可変情報をオーバーレイ処理するには、わざわざインパクトプリンターを別に用意する必要がある、という課題がある。
【0004】
特開平9−207433号公報に開示の構成の感圧複写シートによれば、全面に設けた顕色剤層上の一部に減感インキ層を介して発色剤層を設け、該発色剤層を内側にして折り畳むことで、用紙裏面からの筆記圧により発色剤の一部が顕色剤層面に転移して文字等を顕色剤層表面に表示することができる。
しかしながら、減感インキ層を設けたとは云うものの、自己発色性であるため筆記圧が加わり、発色剤マイクロカプセルが破れると、発色剤はオイル状であるため、発色剤が、減感インキ層をとおして、該減感インキ下層の顕色剤と反応するため、当該筆記部分に滲んだ画像ができる。また、単に積み重ねて保存しておくだけでも条件によっては、減感インキ層を介して顕色剤と発色剤が反応してしまい、用紙表面が汚れたような状態になる、という課題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明では、折り畳んで使用、特にS字状またはZ字状に3つ折りに折ることにより感圧複写用紙の機能を発揮でき、単票の状態でユーザーにおいて可変情報をオーバーレイ印刷し易く、かつ金額等の所定の筆記後には、当該部分の改ざんが困難な一枚ものの複写用紙を提供すべくなされたものである。
【0006】
【課題を解決する手段】
上記課題を解決する本発明の要旨の第1は、感圧複写記録面の全面または一部に可変情報を印字して用い得る感圧複写用紙であって、当該感圧複写用紙を構成する基材裏面の第1の部分に発色剤層を設け、該発色剤層の上の一部に特色発色剤層を設け、前記基材裏面の第2の部分に顕色剤層を設け、該顕色剤層の上の一部に転移性顕色剤層を設け、感圧複写用紙をS字状またはZ字状に3つ折りに折った際に、少なくとも、前記発色剤層の一部と前記顕色剤層の一部、および、前記特色発色剤層の一部と前記転移性顕色剤層の一部が対面して重なり合うことを特徴とする感圧複写用紙、にある。かかる感圧複写用紙であるので、筆記または印字事項の改ざんが困難となる。
【0007】
上記課題を解決する本発明の要旨の第2は、感圧複写記録面の全面または一部に可変情報を印字して用い得る感圧複写用紙であって、当該感圧複写用紙を構成する基材裏面の第1の部分に第1の発色剤層、基材裏面の第2の部分に第1の顕色剤層、基材表面の第2の部分に第2の発色剤層、基材表面の第3の部分に第2の顕色剤層を設け、該第1の発色剤層の上の一部に第1の特色発色剤層を設け、該第1の顕色剤層の上の一部に第1の転移性顕色剤層を設けており、感圧複写用紙をS字状またはZ字状に3つ折りに折った際に、少なくとも、前記第1の発色剤層の一部と前記第1の顕色剤層の一部、および、前記第2の発色剤層の一部と前記第2の顕色剤層の一部が対面して重なり合い、さらに、前記第1の特色発色剤層と第1の転移性顕色剤層とが重なり合うことを特徴とする感圧複写用紙、にある。かかる感圧複写用紙であるので、筆記または印字事項の改ざんが困難となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の感圧複写用紙の実施形態を詳述する。本発明の感圧複写用紙には、実施形態I.と実施形態II.とがあるので、それぞれについて、以下順次説明する。
図1は、本発明の実施形態I.の感圧複写用紙をS字状またはZ字状に3つ折りに折って使用する状態の断面図、図2は、同平面に展開した場合の断面図、図3は、同平面に展開した場合の平面図を示す図である。
【0009】
図1のように、本発明の実施形態I.の感圧複写用紙は単票の用紙からなる。図1において、符号10は複写用紙の基材、13a,13bは折り線を示す。折り線13a,13bは通常は複写用紙を3つの部分にほぼ等分するように設けられるが等分でなくても発色剤層と顕色剤層の少なくとも一部が重なり合えば複写用紙の機能を果たすことができる。図1では折った断面状態が矩形状に図示されているが図示の都合上で、実際には紙であるから平面的な状態に折られる。
図1のように、S字状またはZ字状に3つ折りに折った状態では基材10の第1の部分101裏面に設けられた発色剤層11と基材10の第2の部分102裏面に設けられた顕色剤層21が対面する状態になる。この状態で用紙の表面から筆記具30またはインパクトプリンタ等により記録することにより発色剤層11と顕色剤層21が「反応A」し、顕色剤層が発色する。なお、用紙の表面、裏面とはいずれがどちらであっても構わないが便宜上、筆記等する側を表面としその反対面を裏面とすることにする。また、用紙をS字状またはZ字状に3つ折りにして使用する際の筆記具等が接触する上面部分を第1の部分101、中折り部分を第2の部分102、最下面部分を第3の部分103ということにする。
【0010】
発色剤層11の一部には特色発色剤層12が設けられていて、当該部分に筆記具30またはインパクトプリンタ等による筆圧等がかかった場合は、転移性顕色剤層22との間で、発色剤層11と特色発色剤層12とが混合による他の部分とは異なる色の特色に発色して発色剤層側に転移する特性を有する。すなわち特色発色剤層12は転移性顕色剤層22があってはじめて「反応B」して発色する。また、「反応A」と「反応B」との組み合わされた発色反応もあり得る。
この発色は、転移性顕色剤層22のある顕色剤層21の部分で特色発色するが、転移性顕色剤層22は特色発色剤層12側にも転移するし、顕色剤層21の部分にも残存する。かかる特色発色剤層部は特色であるので、用紙の第1の部分に転移した場合に他の部分と異なる発色となり、当該部分の改ざんを困難にするとともに改ざんの発見を容易にすることができる。
図2の平面に展開した場合の断面図のように、発色剤層11は用紙の第1の部分裏面、顕色剤層21は用紙の第2の部分裏面に塗布形成されており、第3の部分には塗布されていない。また、用紙の表面のいずれの部分にも感圧記録材料は塗布されないことになる。
【0011】
図3は、実施形態I.の感圧複写用紙を平面に展開した平面図であって、図3(A)は表面側、図3(B)は裏面側を示している。複写用紙の感圧記録材料塗布部と折り線のみ表示され、その他の印刷表示等は省略されている。図3(A)のように、複写用紙は折り線13a,13bにより前記3つの部分101,102,103に分割されており、基材10の101部分と102部分とが対面するように折り畳んで使用することになる。折り線13a,13bは切り取り可能なミシン目線であってもよい。表面側には前記のごとく感圧記録材料は塗布形成されていない。
図3(B)のように、複写用紙の裏面側には、用紙の第1の部分101に発色剤層11を塗設しており、当該発色剤層11の一部に特色発色剤層12が設けられている。当該特色発色剤層12に対応する表面側には記入欄が設けら、領収金額とか、コード番号とかの特別の事項が記入されることになる。
【0012】
図4は、本発明の実施形態II.の感圧複写用紙をS字状またはZ字状に3つ折りに折って使用する状態の断面図、図5は、同平面に展開した場合の断面図、図6は、同平面に展開した場合の平面図を示す図である。
いずれも第2の特色発色剤層122と第2の転移性顕色剤層222を設けた例が図示されているが、当該第2の特色発色剤層122、第2の転移性顕色剤層222は設けなくてもよい。
【0013】
図4のように、本発明の実施形態II.の感圧複写用紙も単票の用紙からなる。図4のように、S字状またはZ字状に3つ折りに折った状態では、基材10の第1の部分101裏面に設けられた第1の発色剤層111と基材の第2の部分102裏面に設けられた第1の顕色剤層211、および第1の特色発色剤層121と第1の転移性顕色剤層221が対面する状態になる。また、基材10の第2の部分102表面には第2の発色剤層112が設けられ、第3の部分103表面に設けられた第2の顕色剤層212と対面する状態になる。第2の特色発色剤層122と第2の転移性顕色剤層222を設ける場合はこれらも対面することになる。この状態で用紙の表面から筆記具30またはインパクトプリンタ等により記録することにより第1の発色剤層111と第1の顕色剤層211が「反応A」し、第1の顕色剤層211が発色する。また、第2の発色剤層112と第2の顕色剤層212が「反応C」し、第2の顕色剤層212が発色する。
【0014】
第1の発色剤層111の一部には部分的に第1の特色発色剤層121が設けられていて、当該部分に筆圧等がかかった場合は、第1の転移性顕色剤層221との間で「反応B」し、すなわち発色剤層111と第1の特色発色剤層121が混合して他の部分とは異なる特色になって、第1の転移性顕色剤層221との間で発色して第1の発色剤層111側に転移する特性を有する。
同様に、必要により第2の発色剤層112の一部には部分的に第2の特色発色剤層122を設け、当該部分に筆圧等がかかった場合は、第2の転移性顕色剤層222との間で「反応D」し、すなわち発色剤層112と第2の特色発色剤層122が混合して他の部分とは異なる特色に発色して、第2の発色剤層112側に転移する特性を有する。前記のように、この第1、第2の特色発色剤層はいずれも転移性顕色剤層との間で発色するが、第1の転移性顕色剤層221のある第1の顕色剤層の部分で特色発色(第1の発色剤層111と第1の特色発色剤層121との混色)する。この第1の転移性顕色剤層221は121側にも転移するし、211側にも残存する。
この関係は第2の特色発色剤層122と第2の転移性顕色剤層222との間においても同様である。
【0015】
図5の平面に展開した場合の断面図のように、基材の101部分裏面に第1の発色剤層111と第1の特色発色剤層121、102部分裏面に第1の顕色剤層211と第1の転移性顕色剤層221、102部分表面に第2の発色剤層112と第2の特色発色剤層122が塗布形成され、103部分表面には第2の顕色剤層212と第2の転移性顕色剤層222が塗布されている。
【0016】
図6は、実施形態II.の感圧複写用紙を平面に展開した平面図であって、図6(A)は表面側、図6(B)は裏面側を示している。図6(A)のように、複写用紙は折り線13a,13bにより3つの部分101,102,103に分割されており、表面側には、第2の発色剤層112と第2の顕色剤層212を塗設し、基材10の102部分の第2の発色剤層112と103部分の第2の顕色剤層212とが対面するように折り畳んで使用することになる。また、必要により第2の特色発色剤層122と第2の転移性顕色剤層222を設ける。
図6(B)のように、複写用紙の裏面側には、第1の発色剤層111を塗設しており、当該第1の発色剤層の一部に第1の特色発色剤層121を設け、用紙の第2の部分に第1の顕色剤層211を塗設しており、当該第1の顕色剤層の一部に第1の転移性顕色剤層221を設けられている。当該第1および第2の特色発色剤層121,122に対応する表面側には記入または印字欄が設けられ、領収金額とか、コード番号とかの特別の事項が記入されることになる。
【0017】
図3、図6では、白紙の用紙からなり印刷は省略されているが用紙に共通に必要な固定情報を予め印刷して施しておいても良い。
ユーザーが設ける文字、数字や記入欄の罫線等の固有の可変情報は、この感圧複写用紙の表裏の発色剤層、顕色剤層の塗布領域のいずれの部分にも印刷形成することができる。
【0018】
次に、本発明の感圧複写用紙の使用方法について説明する。
図7は、本発明の感圧複写用紙を折り畳む工程と折り畳んだ後の状態を示し、図8は、感圧複写用紙(実施形態I.)に記入後再び平面状態に展開した状態を示す。本発明の感圧複写用紙の実施形態I.は、図7のように、折り線13a,13bから基材の103の部分が内側となるようにS字状またはZ字状に折ると、すなわち図7(A)の▲1▼→▲2▼の順序(または▲2▼→▲1▼)で折ると、基材表面の顕色剤層が形成されている領域が、発色剤層が形成されている領域に対面する。複写用紙の表面には、顧客の住所・氏名等記入欄15と、特色発色剤層が塗布された部分の表面には領収金額等記入欄16が設けられている(図7(B))。
この状態で基材表面の住所・氏名等記入欄15にボールペン等の筆記具またはインパクトプリンター等により記録することにより、筆記または印字圧により発色剤と顕色剤とが「反応A」し、顕色剤層が発色する。また、領収金額等記入欄16に記入することにより特色発色剤層12と転移性顕色剤層22が「反応B」して発色する。
このとき、特色発色剤層12の色素と発色剤層11の色素とを異なる色の色素にしておくと、発色剤層11と顕色剤層21との「反応A」により生ずる色と、発色剤層11と特色発色剤層12の混合色の発色が転移性顕色剤層22との「反応B」により生ずる色とは、異なる色になる。
【0019】
筆記または印字圧により発色剤層11と特色発色剤層12の混合色素が顕色剤層22部分に浸透し、顕色剤層21とが反応し、「イ」に「正パターン」の文字が形成される。また、顕色剤層22は転移性のものであるから発色剤層11と特色発色剤層12の混合色素と顕色剤層22が反応し、「ウ」に「逆パターン」の文字が形成される。すなわち転移性顕色剤層22が特色発色剤層12部分に転移する。
【0020】
図8のように、感圧複写用紙の表面から住所・氏名等記入欄15に記入すると基材の第2の部分102裏面には、発色剤層11と顕色剤層21との「反応A」により(ア)の色が発色し、領収金額等記入欄16に「4000」の数字を記入すると基材の第1の部分裏面には、発色剤層11と特色発色剤層12と転移性顕色剤層22の反応により(ウ)の色が発色し、基材の第2の部分102裏面には、発色剤層11と特色発色剤層12と顕色剤層21と転移性顕色剤層22との「反応B」により(イ)の色が発色することになる。この時、転移性顕色剤層22は基材の第2の部分にも残るし、基材の第1の部分裏面へも転移する機能がある。これは、発色剤層11と特色発色剤層12混合の特色性があることと転移性顕色剤層22があって初めて発色することから、領収金額の改ざん防止に極めて有効な手段を提供することになる。
【0021】
図9は、感圧複写用紙(実施形態II.)に記入後再び平面状態に展開した状態を示す。本発明の感圧複写用紙の実施形態II.の場合は、図9(B)のように、基材の第3の部分の裏面にも「正パターン」文字で、住所、氏名および領収金額等の転記がされることで実施形態I.の場合と相違する。第1の発色剤層、顕色剤層間と第2の発色剤層、顕色剤層間の発色を異なる発色にしておけば用紙の種別の違いが明瞭になる。
第2の特色発色剤層122に対応する基材表面の第2の部分102または第3の部分103のみの部分に特定事項の記載欄を設けておけば、基材の第2の部分102の裏面に特色に転移した記録を得ることができる。この記録は、第1の部分を除去して第3の部分表面からのみ記入することにすれば顧客に知り得ない情報等を記録することもできる。また、101部分回収後の追記で、上記のような改ざんを防止できる効果もある。
【0022】
図9のように、感圧複写用紙の表面から住所・氏名等記入欄に記入すると基材の第2の部分102裏面に(ア)の色が発色し、領収金額欄記入欄裏面に(ウ)の色が発色し、基材の第2の部分102裏面には、(イ)の色が発色することは前記実施形態I.の場合と同様である。実施形態II.の場合は、第2の発色剤層112と第2の顕色剤層212との「反応C」により、(エ)の色が発色し、基材の第2の部分102表面には、第2の発色剤層112と第2の特色発色剤層122と第2の転移性顕色剤層222との「反応D」により(カ)の色が発色し、基材の第3の部分103表面には、第2の発色剤層112と第2の特色発色剤層122と第2の転移性顕色剤層222と第2の顕色剤層212との「反応D」により(キ)の色が発色することになる。
【0023】
特色発色剤層の発色部分は、後から別の手段で同じ色調の発色をさせることは、単色の発色剤を用いた場合に比べて困難であるから、一旦、筆記により複写形成された文字そのものの改ざんがし難い。また、転移性のものであるので一旦、領収書を発行した後に、お客様控えの取引額に記入し、例えば、図8の16の欄に「4000」円と記入したのを「14000」円に改ざんしても、その裏面の領収金額欄を見れば、逆文字ではあるが正しい数字が残っているので改ざんした事実が一目瞭然である。
【0024】
本発明の感圧複写用紙1は、顕色剤層が形成されている基材10の表面の全面または一部に、例えば、保険会社名、お客様番号、氏名、住所などの記入欄をノンインパクトプリンターを用いてオーバーレイ印刷することができる。図示はされていないが紙面を装飾する模様や地紋印刷等を設けておくのも好ましい。これらはユーザーが追加する可変情報に該当する。また、顕色剤層形成部分は、領収金額が書かれるので、領収金額等記入欄16として位置表示枠を印刷しておくことが好ましい。
【0025】
本発明の感圧複写用紙は、S字状またはZ字状に3つ折りにし、記入または印字して使用し、顕色剤層に複写した後、折り線13a,13bを境に分離して用いるのが通常である。利用分野の一例としては、顕色剤層の形成されている102,103部分を支店、本店等の控え、発色剤層のみの形成されている101部分をお客様領収書とすることができる。また、101,102部分を支店、本店の控え、103部分をお客様領収書とすることもできる。
可変情報としては、一般的には、本体用紙と控え用紙とを関連付ける共通番号、その他後から付与する情報があり、これらの情報を、本体用紙と控え用紙の両方に、同時に印字形成する必要がある。これらの情報は、各帳票ごとにユニーク情報である必要があり、予め印刷して設けても良く、使用に際してその都度、印刷しても良く、コンピューターからの情報を適宜印字できるプリンター装置が処理が適している。図示はしないが、第1の顕色剤塗布領域の裏面に印刷するのも自由である。
【0026】
可変情報の形成手段としては、レーザービームプリンター、インキジェットプリンター、イオンプリンター感熱転写プリンター等のノンインパクトプリンター、ファクシミリ装置等を用いることができる。顧客が記入する個々に異なる個別情報は、勿論ノンインパクトプリンターで印字しても構わない。
【0027】
なお、本発明の感圧複写用紙は、S字状またはZ字状に3つ折りに折り畳む例について説明したが、3つ巻き折りの場合にも塗布位置を適宜変更することにより適用できる。本発明の感圧複写用紙の利用分野としては、生命保険や損害保険の申込書、領収書、口座振替依頼書、その他、各種製造業の納入書、物流伝票などが挙げられる。
【0028】
(材料に関する実施例)
発色剤層、特色発色剤層には、電子供与性の発色剤溶液をマイクロカプセル化して公知の手段でインキ化したものか使用でき、顕色剤としては電子受容性の顕色剤をインキ化したものを使用することができる。発色剤としては、スピロ系染料、フルオラン系染料、トリアリールメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、チアジン系染料等が上げられるがこれらに限られるわけではない。
発色剤層、特色発色剤層は、上記のような染料の中から、発色する色調が異なるものを組み合わせて用いる。具体的には、発色剤層の染料としては、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン(スピロ系染料)、特色発色剤層の染料としては、3−ピペリジノ−メチル−7−フェニルアミノオラン(フルオラン系染料)を用いることができる。
また、転移性顕色剤層は、転移性を持たせるために、通常の顕色剤の構成の他に、流動性油分、ワックスを主成分とし、その他、必要に応じて、炭酸カルシウム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、バインダー等を添加したインキを用いて形成する。
【0029】
【発明の効果】
本発明の感圧複写用紙は、単に一枚ものの用紙からなるのでユーザー側において、固有の書式たる可変情報をノンインパクトプリンター等でオーバーレイ印刷するのに適するという効果がある。
基材上の折り線を境に発色剤層と、顕色剤層を塗り分けて、後からS字状またはZ字状に3つ折りに折って使用する際に、発色剤と顕色剤とが反応するため、自己発色層を設ける場合のように発色による汚れが生じないという効果がある。基材表面の発色剤層と特色発色剤層が重畳した部分では、発色剤と特色発色剤および転移性顕色剤層が混ざった状態で反応するため、それぞれの発色剤による色調と異なる色調の正文字が、顕色剤層に現れる。従って、一旦、筆記により複写形成された文字は改ざんし難い、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態I.の感圧複写用紙をS字状またはZ字状に3つ折りに折って使用する状態の断面図である。
【図2】 同平面に展開した場合の断面図である。
【図3】 同平面に展開した場合の平面図である。
【図4】 本発明の実施形態II.の感圧複写用紙をS字状またはZ字状に3つ折りに折って使用する状態の断面図である。
【図5】 同平面に展開した場合の断面図である。
【図6】 同平面に展開した場合の平面図である。
【図7】 本発明の感圧複写用紙を折り畳む工程と折り畳んだ後の状態を示す。
【図8】 感圧複写用紙(実施形態I.)に記入後再び平面状態に展開した状態を示す。
【図9】 感圧複写用紙(実施形態II.)に記入後再び平面状態に展開した状態を示す。
【符号の説明】
1 感圧複写用紙
10 基材
11 発色剤層
12 特色発色剤層
13a,13b 折り線
15 住所・氏名等記入欄
16 領収金額等記入欄
21 顕色剤層
22 転移性顕色剤層
30 筆記具
101 基材の第1の部分
102 基材の第2の部分
103 基材の第3の部分
111 第1の発色剤層
112 第2の発色剤層
121 第1の特色発色剤層
122 第2の特色発色剤層
211 第1の顕色剤層
212 第2の顕色剤層
221 第1の転移性顕色剤層
222 第2の転移性顕色剤層[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to pressure sensitive copying paper. More specifically, it is a pressure-sensitive copying paper having a falsification preventing function consisting of a single sheet of paper, and can be used by printing and recording variable information unique to a user with a printing device such as a general-purpose non-impact printer. The present invention relates to a pressure-sensitive copying paper capable of exerting a pressure-sensitive copying function by writing by folding itself into three in an S shape or a Z shape.
[0002]
[Prior art]
In conventional pressure-sensitive copying paper (sheet), for example, as shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-230317, a color former is applied to the back surface of one paper substrate, and the color is developed on the surface of the other paper substrate. There is a so-called copy sheet set in which a plurality of sheets are overlapped by applying an agent and bonding the end portions of each sheet with an adhesive.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-207433 is an example of a pressure-sensitive copying type information recording sheet made of a single sheet. A copy sheet composed of a single sheet of the publication has a developer layer provided on the entire surface of the sheet substrate, a desensitizing ink layer provided on a predetermined surface of the developer layer, and the desensitizing ink. A pressure-sensitive copying sheet in which a color former layer is provided on the surface of the layer.
[0003]
Conventional forms have been given only fixed information by mass production printing. However, in recent years, in addition to the conventional fixed information only, the form and information required for the user's purpose is added to the fixed information and printed (overlay printing). What can be done is being sought. The same applies to forms composed of pressure-sensitive copying sheets.
In the pressure-sensitive copying sheet having the configuration disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-230317, a sheet coated with a developer and a sheet coated with a color developer are prepared separately, and then superimposed on each other. This is a so-called copy form set in which the end portions of the paper are used by bonding or adhering means. To print individual customer information on the copy form group, it is necessary to apply pressure from the surface of the overlaid form using an impact printer (also referred to as a dot printer).
However, in recent years, the means for overlay printing variable information to be added has changed from an impact printer to a non-impact printer in terms of print quality, cost, and processing speed. Therefore, there is a problem that it is necessary to separately prepare an impact printer in order to perform overlay processing of variable information in such a superposed copy form set.
[0004]
According to the pressure-sensitive copying sheet disclosed in JP-A-9-207433, a color former layer is provided on a part of the developer layer provided on the entire surface via a desensitizing ink layer, and the color developer layer Is folded inward so that a part of the color developing agent is transferred to the surface of the developer layer by the writing pressure from the back side of the paper, and characters and the like can be displayed on the surface of the developer layer.
However, although the desensitizing ink layer is provided, it is self-coloring, so when the writing pressure is applied and the color former microcapsule is broken, the color former is oily, so the color former is not attached to the desensitizing ink layer. Through the reaction with the developer of the lower layer of the desensitizing ink, an image blurred in the writing portion is formed. Further, depending on the conditions, the developer and the color former may react through the desensitizing ink layer even if they are simply stacked and stored, and the paper surface becomes dirty.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, in the present invention, the function of the pressure-sensitive copying paper can be exhibited by using it in a folded state, in particular by folding it in three in an S-shape or Z-shape, and it is easy for the user to overlay print variable information in the form of a single sheet. In addition, after a predetermined writing of the amount of money, etc., it was made to provide a single copy sheet that is difficult to tamper with.
[0006]
[Means for solving the problems]
The first of the gist of the present invention for solving the above-mentioned problems is a pressure-sensitive copying paper that can be used by printing variable information on the whole or a part of the pressure-sensitive copying recording surface. A color former layer is provided on the first part on the back side of the material, a spot color developer layer is provided on a part of the color former layer, a color developer layer is provided on the second part on the back side of the substrate, and the developer layer is provided. When a transferable developer layer is provided on a part of the colorant layer and the pressure-sensitive copying paper is folded in three in an S shape or a Z shape, at least a part of the color developer layer and the The pressure-sensitive copying paper is characterized in that a part of the developer layer and a part of the spot color developer layer and a part of the transferable developer layer face each other and overlap each other. Such pressure-sensitive copying paper makes it difficult to falsify writing or printing items.
[0007]
A second aspect of the present invention that solves the above-described problems is a pressure-sensitive copying paper that can be used by printing variable information on the entire surface or a part of the pressure-sensitive copying recording surface. The first color former layer on the first part on the back of the material, the first color developer layer on the second part on the back of the base material, the second color developer layer on the second part of the base material surface, the base material A second developer layer is provided on a third portion of the surface, a first spot color developer layer is provided on a part of the first color developer layer, and the first developer layer is formed on the first developer layer. A first transferable developer layer is provided on a part of the first color developer layer when the pressure-sensitive copying paper is folded in three in an S-shape or Z-shape. And a part of the first developer layer, and a part of the second color developer layer and a part of the second developer layer face each other, and further overlap the first developer layer. Special color former layer and first transitional manifestation Pressure-sensitive copying paper, characterized in that the adhesive layer overlaps, in. Such pressure-sensitive copying paper makes it difficult to falsify writing or printing items.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the pressure-sensitive copying paper of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. The pressure-sensitive copying paper of the present invention includes the embodiment I.I. And Embodiment II. Each will be described in turn below.
FIG. 1 shows an embodiment of the present invention. FIG. 2 is a cross-sectional view when the pressure-sensitive copying paper is folded in an S-shape or Z-shape, FIG. 2 is a cross-sectional view when deployed on the same plane, and FIG. 3 is when deployed on the same plane. It is a figure which shows the top view.
[0009]
As shown in FIG. The pressure-sensitive copying paper consists of a single sheet. In FIG. 1,
As shown in FIG. 1, the color
[0010]
A special
This color development causes spot color development at the portion of the
As shown in the cross-sectional view of FIG. 2, the color
[0011]
FIG. FIG. 3A is a plan view of the pressure-sensitive copying paper developed on a plane, and FIG. 3A shows the front side and FIG. 3B shows the back side. Only the pressure-sensitive recording material application portion and the folding line of the copy paper are displayed, and other print displays are omitted. As shown in FIG. 3A, the copy sheet is divided into the three
As shown in FIG. 3B, on the back side of the copy paper, a color
[0012]
FIG. 4 shows an embodiment II. FIG. 5 is a cross-sectional view when the pressure-sensitive copying paper is folded in an S-shape or Z-shape, FIG. 5 is a cross-sectional view when deployed on the same plane, and FIG. 6 is when deployed on the same plane. It is a figure which shows the top view.
In each of the examples, the second spot
[0013]
As shown in FIG. 4, the embodiment II. The pressure-sensitive copying paper is also made of single-cut paper. As shown in FIG. 4, in a state of being folded in three in an S shape or a Z shape, the first color
[0014]
A part of the first color
Similarly, if necessary, a part of the second color
This relationship is the same between the second spot
[0015]
As shown in the cross-sectional view of FIG. 5, the first
[0016]
FIG. 6 shows Embodiment II. 6A and 6B are plan views of the pressure-sensitive copying paper developed on a plane, with FIG. 6A showing the front side and FIG. 6B showing the back side. As shown in FIG. 6A, the copy paper is divided into three
As shown in FIG. 6B, a first color
[0017]
In FIG. 3 and FIG. 6, printing is omitted because it is made of blank paper, but fixed information necessary for the paper may be printed in advance.
User-provided variable information such as letters, numbers, and ruled lines in the entry field can be printed and formed on any part of the color developer layer and the developer layer on the front and back sides of the pressure-sensitive copying paper. .
[0018]
Next, a method for using the pressure-sensitive copying paper of the present invention will be described.
FIG. 7 shows the step of folding the pressure-sensitive copying paper of the present invention and the state after the folding, and FIG. 8 shows the state where the pressure-sensitive copying paper (Embodiment I.) is filled and then developed into a flat state again. Embodiments of Pressure Sensitive Copy Paper of the Present Invention 7 is folded in an S-shape or a Z-shape so that the
In this state, by recording with a writing instrument such as a ballpoint pen or an impact printer in the address /
At this time, if the dye of the special
[0019]
Due to writing or printing pressure, the mixed dye of the
[0020]
As shown in FIG. 8, when the address /
[0021]
FIG. 9 shows a state in which the pressure-sensitive copying paper (Embodiment II) is developed into a flat state again after filling in. Embodiment of pressure-sensitive copying paper of the present invention II. In this case, as shown in FIG. 9B, the address, name, receipt amount, etc. are also transferred on the back surface of the third portion of the base material with “normal pattern” characters. It is different from the case of. If the color development between the first color developer layer and the developer layer is different from the color development between the second color developer layer and the developer layer, the difference in paper type becomes clear.
If a description column for specific matters is provided in only the
[0022]
As shown in FIG. 9, when the address / name entry field is entered from the front surface of the pressure-sensitive copying paper, the color of (a) is developed on the back surface of the
[0023]
Since it is more difficult for the colored portion of the special color developer layer to develop the same color later by another means compared to the case of using a single color developer, the characters themselves that were once copied and formed by writing It is difficult to tamper with. Also, because it is transferable, after issuing a receipt, fill in the transaction amount of the customer's copy, for example, if you entered “4000” yen in the
[0024]
The pressure-
[0025]
The pressure-sensitive copying paper of the present invention is used after being folded in three in an S-shape or Z-shape, filled in or printed, copied to the developer layer, and then separated at the
In general, the variable information includes a common number for associating the main body sheet and the copy sheet, and other information to be given later. It is necessary to print these information on both the main sheet and the copy sheet at the same time. is there. These pieces of information need to be unique information for each form, and may be printed in advance, and may be printed each time it is used. The printer device that can appropriately print information from the computer can process the information. Is suitable. Although not shown, printing on the back surface of the first developer application region is also free.
[0026]
As the variable information forming means, a laser beam printer, an ink jet printer, a non-impact printer such as an ion printer thermal transfer printer, a facsimile machine, or the like can be used. Of course, the individual information entered by the customer may be printed by a non-impact printer.
[0027]
The pressure-sensitive copying paper of the present invention has been described with respect to an example in which the pressure-sensitive copying paper is folded in three in an S-shape or Z-shape, but the present invention can also be applied to the case of three-fold folding by appropriately changing the application position. Fields of application of the pressure-sensitive copying paper of the present invention include life insurance and non-life insurance application forms, receipts, fund transfer request forms, other manufacturing delivery forms, logistics slips, and the like.
[0028]
(Examples regarding materials)
For the color former layer and the special color developer layer, it is possible to use an electron donating color developer solution that has been microencapsulated and inked by a known means. As a developer, an electron accepting color developer is used as an ink. Can be used. Examples of the color former include, but are not limited to, spiro dyes, fluoran dyes, triarylmethane dyes, diphenylmethane dyes, and thiazine dyes.
The color former layer and the special color developer layer are used in combination with dyes having different color tone from the above dyes. Specifically, the dye of the color former layer is 3-phenyl-spiro-dinaphthopyran (spiro dye), and the dye of the special color former layer is 3-piperidino-methyl-7-phenylaminoorane (fluorane dye). ) Can be used.
In addition, in order to give transferability, the transferable developer layer is mainly composed of a fluid oil component and a wax in addition to the structure of a normal developer. In addition, if necessary, calcium carbonate, ethylene -It is formed using an ink to which a vinyl acetate copolymer, a binder or the like is added.
[0029]
【The invention's effect】
Since the pressure-sensitive copying paper of the present invention is composed of only one sheet, there is an effect that the user side is suitable for overlay printing of variable information, which is a unique format, with a non-impact printer or the like.
When the color developer layer and the developer layer are separately applied with the fold line on the substrate as a boundary, and then folded into a S-shape or a Z-shape, the color developer and the developer are used. Therefore, there is an effect that stains due to coloring do not occur as in the case of providing a self-coloring layer. In the part where the color former layer and the spot color developer layer on the surface of the substrate overlap, the color former, the spot color developer and the transferable developer layer react in a mixed state. Positive characters appear in the developer layer. Therefore, there is an effect that characters once copied and formed by writing are difficult to falsify.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 illustrates an embodiment I. of the present invention. FIG. 3 is a cross-sectional view of a state in which the pressure-sensitive copying paper is used by being folded in three in an S shape or a Z shape.
FIG. 2 is a cross-sectional view when deployed on the same plane.
FIG. 3 is a plan view when deployed on the same plane.
FIG. 4 is an embodiment II of the present invention. FIG. 3 is a cross-sectional view of a state in which the pressure-sensitive copying paper is used by being folded in three in an S shape or a Z shape.
FIG. 5 is a cross-sectional view when deployed on the same plane.
FIG. 6 is a plan view when deployed on the same plane.
FIG. 7 shows a step of folding the pressure-sensitive copying paper of the present invention and a state after folding.
FIG. 8 shows a state in which a pressure-sensitive copying paper (Embodiment I.) is filled and then developed into a flat state again.
FIG. 9 shows a state in which a pressure-sensitive copying paper (Embodiment II) has been developed and then developed into a flat state.
[Explanation of symbols]
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