JP4248720B2 - アレスタ劣化検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受変電設備などに使用する碍子形アレスタ(以下、単に「アレスタ」と言う。)の素子の劣化と碍子の汚損を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアレスタ劣化検出装置は、各相ごとに漏れ電流変流器を用いて漏れ電流を常時測定していた。そして、測定した漏れ電流値が所定の管理値(しきい値)を超えると、アレスタ素子に劣化が生じたと判定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のアレスタ劣化検出装置は、以下の問題点を有していた。
1.各相のアレスタの漏れ電流を常時測定するには、漏れ電流が微小であるため、高価な漏れ電流変流器を用いて各種ノイズ対策を施す必要があった。このため、システムが複雑となり、また高価なものとなってしまう。
【0004】
2.外気温度の変化によりアレスタ素子の漏れ電流特性が変化するが、アレスタ素子の劣化判定には、外気温度の変化による影響はあまり問題とならないと考えられていたため、これらの影響をアレスタ素子の劣化の判定値に反映していなかった。しかしながら、碍子の汚損を同時に検出する場合は、できるだけ温度変化などの外乱要因を除去する必要がある。
【0005】
3.アレスタの漏れ電流監視は素子劣化の検出のみに使用しており、碍子汚損については監視できない場合が多い。また、碍子汚損監視をする場合は汚損による漏れ電流の増大と、素子劣化による漏れ電流の増大減少を識別する必要があるが、素子劣化と碍子汚損を同時に検出する場合、素子劣化した相の判定を行う手段が確立されていない。
【0006】
4.湿度や温度により漏れ電流が変化するため、漏れ電流値から素子劣化及び碍子汚損の程度を定量的に把握できない。
5.素子劣化の管理値を決めるときに、運用を開始してから漏れ電流を測定し、その値を初期値として入力していたため、人手がかかる。
6.漏れ電流測定手段と検出手段との間の信号伝送が、ワイヤによっているため、サージ、アレスタ放電による故障、ノイズなどをワイヤが拾うことによりS/N比低下、感度低下が発生する。
【0007】
本発明は、素子劣化を簡単な構成で正確に検出でき、更に、碍子汚損も区別して検出できるアレスタ劣化検出装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の手段を採用する。
1.漏れ電流用変流器の負荷として発光ダイオードに定電流バイアスを行った低インピーダンス負荷を接続し、電気信号を光信号に変換して出力することにより、微小漏れ電流を安価、かつ、ノイズフリーで測定する。
【0009】
2.外気温度によるアレスタ素子の漏れ電流変化の補正を行う。
3.碍子の汚損は基本的にはどの相も同時に汚損されるため、多相の漏れ電流が同様に増大した場合は碍子の汚損と判定し、1相のみが特異的に変化した場合は素子劣化と判定する。
4.湿度センサ、温度センサを併用して、湿度、温度の影響を漏れ電流に補正する。
【0010】
5.運用開始時に自動的に設定すべき各種電流値及び管理値(しきい値)を算出する。具体的には湿度センサの併用により乾燥時の漏れ電流値は汚損の影響がないとして、乾燥時の値を平均化し、素子の初期漏れ電流値を計算し、初期設定値に自動で反映する。
6.測定装置と検出装置との間の信号伝達に光ファイバによる信号絶縁を採用し、ノイズフリーとする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。
図1は、アレスタ劣化検出装置の構成を示す。アレスタ1は、酸化亜鉛からなる素子2を碍子3内に収納する。多相分のアレスタ1が電力線4とグランド間に接続される。各相のアレスタ1に漏れ電流を検出する変流器5が設けられる。変流器5の出力は、セレクタ6を通して電/光変換器7に入力される。電/光変換器7により電気信号が光信号に変換され、光ファイバ8により検出装置本体9に伝達される。このように、信号伝送を光ファイバ8により行うことで、S/N比の低下が防止できる。
【0012】
検出装置本体9では、光ファイバ8により伝達された光信号が、光/電変換器11により電気信号に変換されて検出手段12に入力される。検出手段12には、更に、外気温を測定する温度測定手段13、湿度を測定する湿度測定手段14、素子劣化及び碍子汚損の発生状況を表示する表示部15が接続される。温度測定手段13と湿度測定手段14は、アレスタ1の周囲の温度と湿度を検出する場所に配置される。検出手段12は、CPUにより構成され、以下に説明する各種制御を実行する。
【0013】
セレクタ6は、検出手段12から送られる切換制御信号によって漏れ電流測定相の切換え動作を行う。セレクタ6の3つのスイッチの内の1つのスイッチがオンすることで1相の漏れ電流信号が電/光変換器7へ入力される。セレクタ6の全部のスイッチがオンすることで3相合成回路が構成され、零相の漏れ電流信号が電/光変換器7へ入力される。このように、セレクタ6を使用することにより、アレスタの相数に関係なく、光ファイバ8の本数を1本のみとすることができる。
【0014】
電/光変換器7では、セレクタ6の出力電流が発光ダイオード16により光信号に変換される。発光ダイオード16は微小電流に対して比較的高抵抗を示すので、発光ダイオード16には予め直流電源17により直流バイアス電流が流されている。これにより、マイクロアンペアオーダーの微小漏れ電流が正確に光信号に変換されることとなり、高精度の漏れ電流検出が可能となる。
【0015】
図2を用いて、検出手段12の機能を説明する。
第1の機能F1により、温度測定手段13と湿度測定手段14によりアレスタ1周辺の温度Tと湿度Hを測定する。
第2の機能F2により、漏れ電流を測定する。このとき、セレクタ6を切替えることにより、3相の各相ごとの漏れ電流Iと3相合成の電流(零相電流)Ioを測定する。なお、この測定値としては実効値を測定するが、後述のように、必要な場合は波高値も測定する。
【0016】
第3の機能F3により、温度測定手段13で測定した外気温により漏れ電流値を補正する。
図3は、酸化亜鉛素子2の電流密度Jの容量成分と抵抗成分の一般的な温度変化特性曲線を示す。これから明らかなように、漏れ電流Iは素子2の温度特性により変化するため、測定した各相の漏れ電流Iを外気温Tにより補正して測定値の信頼性、精度向上を図る。温度補正した漏れ電流値をIxで表す。
【0017】
図2の第4の機能F4で、湿度測定手段14で測定した湿度Hが、所定の管理値(湿度管理値)Hnより大であるか否かを判定する。湿度Hが湿度管理値Hn以下に低下した場合は、碍子3の汚損による漏れ電流はほとんどゼロになる。このため、湿度Hが湿度管理値Hn以下の状態では、第5の機能F5で、温度補正した漏れ電流値Ixを湿度管理値Hn以下における漏れ電流値Ixoとして記録する。
【0018】
湿度Hが湿度管理値Hnを超えた場合は、第6の機能F6で、漏れ電流値をIyとして記憶すると同時に、管理値を超える直前の漏れ電流値Ixoを記憶する。
図4は、漏れ電流を湿度で管理した結果を示す。図の横軸は、時間を示し、1目盛りが1日を表す。(a)は、1か月分の、ある1相の実測値の漏れ電流Iの推移を示す。(b)は、湿度Hが湿度管理値Hn以下の漏れ電流値Ixoの推移を示す。これから明らかなように、管理値以下の漏れ電流値Ixoは、湿度に関係なくなり、素子2に対応した一定の値を示す。
【0019】
図2の第7の機能F7で、以上の処理で求めた各電流値を利用して素子劣化及び碍子汚損の検出に必要な各種電流値及び管理値を求める。
アレスタ1の素子2及び碍子3が健全な時の漏れ電流値として、アレスタ1の導入当初に、湿度Hが湿度管理値Hn以下にあるときに漏れ電流を温度補正した電流値、つまり、健全時の素子電流値Ixoを算出する。この電流値Ixoから素子劣化検出のための管理値(劣化管理値)Inを次式により自動的に決定する。
【0020】
In=Ixo*n (nは任意の定数)
次に、健全素子2の電流値Ixoから容量成分電流Icと抵抗成分電流Irを求める。健全時の素子2における容量成分電流Icと抵抗成分電流Irの比率A:Bは既知であるので、この比率を用いて、次式により電流値Ixoから仮定値の容量成分電流Icと仮定値の抵抗成分電流Irを求める。
【0021】
Ic=Ixo*(A/(A+B))
Ir=(Ixo2 −Ic2 1/2
なお、Irは実際には歪んだ波形であるが、Icに対して充分に小さい値であるため、正弦波として近似することができる。なお、以上の各種電流値としては、アレスタ導入当初の温度によって、それぞれの素子特性を基準化し、その後に測定した気温による温度補正式を適用しても良い。
【0022】
以上説明した各値は、アレスタ1の導入当初に基準化される。このように、各種電流値及び管理値を算出することにより、素子劣化検出及び碍子汚損検出に必要な各種電流値及び管理値が自動的に登録されることとなる。また、アレスタの導入当初に得た各種電流値及び管理値は、運用開始後に、過去のデータによって、移動平均又は代表値手法によって、定期的に更新していくことができる。
【0023】
湿度Hが湿度管理値Hnを超えると碍子表面電流Igが流れる。碍子表面電流Igは、機能F6で得た漏れ電流の実測値Iyから、次式により算出できる。
Ig=((Iy2 −Ic2 1/2 )−Ir
また、健全アレスタの素子電流Ixoは容量成分電流Icがほとんど支配的となることから、素子電流Ixoを容量成分電流Icと抵抗成分電流Irに分離せずに簡略化し、その季節に関わる温度特性を温度換算なしに得られる方法で求めても良い。
【0024】
Ig=(Iy2 −Imi2 1/2
(Imiは、過去数日間の最小平均値、又は最小代表値)
また、温度補正した漏れ電流値Ixの1日ごとの最小値を所定日数分記憶しておく。
図2の第8の機能F8で、零相電流Ioが所定の管理値(識別管理値)Nn以上であるか否かを判定する。碍子汚損進展時や、湿度上昇時の汚損による漏れ電流(碍子表面電流Ig)は3相ともほぼ同一の変化をし、電圧と同位相の抵抗性の正弦波となるため、セレクタ6が3相合成回路を構成した場合は、碍子の汚損による抵抗成分電流は打ち消されるように作用する。一方、素子劣化時の非線形抵抗分漏れ電流は3相合成回路によっても打ち消されないため、いずれかの相、若しくは各相が同時に劣化した場合でも、零相電流Ioはいずれもレベル増大する。したがって、3相合成回路の零相電流Ioをモニタすることにより素子の劣化と碍子の汚損が識別できる。
【0025】
図5〜図11を用いて、機能F8により素子の劣化と碍子の汚損を識別方法について詳細に説明する。
図5(a)は、健全なアレスタの内部素子電流と電圧位相の関係を示した波形である。容量成分電流Icは電圧Vの位相に対して90°進んだ波形となり、抵抗成分電流Irは電圧位相のピーク付近で僅かに流れている程度である。(b)は2つの内部素子電流Ic,Irの合成電流Iarを示す。(c)は健全アレスタの各相電圧Va,Vb,Vcと各相電流Ia,Ib,Icの位相関係を示したものである。(d)は各相電圧と零相電流Ioの関係を示したものである。各相の容量性電流Icは正弦波に近い波形となるため、3相合成によって打ち消され、零相電流Ioには各相の元々の非線形の抵抗成分電流Irが僅かにながれる。
【0026】
図6は、碍子汚損によって碍子表面電流が流れたときの合成電流を示したものである。碍子表面電流Igは(a)に示すとおり、歪みの少ない正弦波となり、電圧Vとほぼ同位相となる。碍子汚損電流が流れることによって、アレスタの漏れ電流Iは(b)に示すように内部素子電流Iarと表面電流Igの合成電流となる。
【0027】
(c)は、碍子汚損による抵抗性電流が流れたときの各相電圧Va,Vb,Vcと各相電流Ia,Ib,Icの関係を示したものである。碍子汚損は基本的に3相同時進行するため、各相の碍子表面電流Igと内部素子電流Iarの合成電流Ioは、これもまた歪みの少ない正弦波となる。(d)は、その時の各相電圧と零相電流の関係を示したものである。アレスタ健全時の零相電流Ioは碍子汚損がある場合でも、汚損がないとき(図5(d))と同じになる。
【0028】
図7は、アレスタの1相の素子劣化時の内部素子電流と電圧位相の関係を示した波形である。(a)に示すように、容量成分電流Icは電圧Vの位相に対して90°進んだ波形となり、抵抗成分電流Irは電圧位相のピーク付近で大きな値となる。(b)はこの2つの内部素子電流の合成電流Iarを示す。(c)は各相電圧Va,Vb,Vcと各相電流Ia,Ib,Icの位相関係を示したものである。(d)は各相電圧と零相電流Ioの関係を示したものである。この波形から明らかなように、アレスタの素子劣化が1相で発生した場合は、零相電流Ioが大きな値を示す。
【0029】
図8は、1相の素子劣化と碍子汚損が同時に発生した時の電流と電圧位相の関係を示す波形である。(a)に示すように、碍子表面電流Igは、抵抗成分が大きくなるので、電圧Vと同相の大電流となる。内部素子電流Iarは、図7(b)と同様に、電圧Vよりほぼ90°進んで歪み波形の大電流となる。図8(b)は、1相の電圧Vと合成電流Iとの位相関係を示したものである。
【0030】
(c)は各相電圧Va,Vb,Vcと各相電流Ia,Ib,Icの位相関係を示したものである。1相の電流Iaが素子劣化により歪んだ波形となる。他の相電流Ib,Icは、碍子汚損による大電流となっている。(d)は、各相電圧と零相電流Ioとの位相関係を示す。各相の碍子汚損による電流成分は3相合成により打ち消し合うので、零相電流Ioは1相の素子劣化による成分のみが検出される。
【0031】
図9は、素子劣化が3相同時に発生した場合(碍子汚損は発生していない場合)の電圧及び電流波形を示す。(a)は、各相電圧Va,Vb,Vcと各相電流Ia,Ib,Icの位相関係を示す。(b)は、各相電圧と零相電流Ioとの位相関係を示す。この波形から明らかなように、3相同時に素子劣化が発生した場合も、大きな零相電流Ioが検出される。
【0032】
図10は、素子劣化と碍子汚損が3相同時に発生した場合の電圧及び電流波形を示す。(a)は、各相電圧Va,Vb,Vcと各相電流Ia,Ib,Icの位相関係を示す。(b)は、各相電圧と零相電流Ioとの位相関係を示す。この波形から明らかなように、3相同時に素子劣化が発生した場合でも、電流波形の歪みにより、大きな零相電流Ioが検出される。
【0033】
図2の機能F8で零相電流Ioが識別管理値Nn以上であると判定されると、第9の機能F9で、素子劣化検出アルゴリズムを用いて、素子劣化の検出を行う。
図11(a)は、アレスタ漏れ電流の実測値の1か月の推移を示す図である。横軸の目盛りは、1日を表している。漏れ電流は碍子汚損と湿度の影響により激しく変動している。碍子汚損と湿度の影響を排除するため、既述の機能F7で記憶した1日ごとの漏れ電流の最小値Imdを1か月プロットすると、(b)(c)(d)に示す傾向となる。(b)は、素子劣化がない場合を示し、(c)(d)は、1相に素子劣化が発生した場合を示す。
【0034】
(c)の場合は、各相のデータを相互に3相比較して素子劣化の有無を検出する。ある相が他の相に対して突出している状態が継続すれば、内部素子電流が増加したことになるので、その相を劣化相として検出する。同じデータに対して、3相比較でなく、(d)のように劣化管理値In(機能F7参照)と比較して、それを超える状態が継続すれば、その相を劣化相として検出し、表示手段15に表示をする。
【0035】
アレスタの3相同時劣化が確率的に発生しにくいと考えれば、(c)(d)を合わせた条件で劣化を判定してもよい。
以上説明した例では、漏れ電流の最小値Imdと劣化管理値Inとを比較しているが、機能F7で記憶してある、湿度管理値Hn以下の漏れ電流値Ixoを劣化管理値Inと比較するようにしても良い。湿度Hが湿度管理値Hn以下に低下した場合は、碍子汚損による漏れ電流Igがほとんどゼロになるため、碍子汚損の影響を受けずに劣化判定をすることができ、信頼性が向上する。
【0036】
図2の機能F8で零相電流Ioが識別管理値Nn以下であると判定されると、第10の機能F10で、碍子汚損検出のアルゴリズムを用いて、碍子汚損の検出を行う。
碍子表面電流Ig(機能F7参照)と所定の管理値(汚損管理値)Mnとを比較し、Ig>Mnであれば、碍子汚損が発生していると判定し、表示手段15に碍子汚損発生の表示を行う。
【0037】
なお、アレスタ素子2が劣化し、素子電流Iarが多く流れていると、碍子表面電流Igを求める際に大きな誤差が発生することがある。このため、その相については碍子劣化汚損電流換算を行わないこととする。零相電流Ioが識別管理値Nnを超えている、又は識別管理値Nnよりも小さいが、やや大きい場合などはある相が劣化している、又は劣化に移行中である可能性が強い。そのときは、各相の中で最大のレベルとなっている相、又は上位2相については、碍子汚損電流は求めない。
【0038】
前項の碍子汚損電流を求めない相の判定方法として、最大値のレベルとなる相のみを対象としても良いし、或いは、中間レベルの相が最大値相と最小値相の中間値よりも大きければ中間値の相も除外対象としてもかまわない。または、零相の実効値と波高値の比(クレストファクタ)によって、最大1相除外、又は最大2相除外としても良い。
【0039】
碍子汚損検出中であっても緊急的な素子劣化を監視できるようにするため、機能F9で零相電流Ioのレベルと継続性によって劣化を検出する。そのとき、各相電流Ia,Ib,Icの波高値を監視することで、劣化した相を判定しても良い。不平等に碍子汚損が進展し、各相の汚損による漏れ電流に多少のばらつきがあっても波高値監視により確実に劣化相の判定ができる。
【0040】
図12は、3相アンバランス汚損により各相の碍子表面電流Igにばらつきがある場合で、汚損電流の一番少ないA相で劣化が発生した場合を示したものである。(a)は、各相電圧Va,Vb,Vcと素子電流Iarの位相関係を示す。(b)は、各相電圧と各相の碍子表面電流(碍子汚損電流)IgA,IgB,IgCとの位相関係を示す。(d)は各相電圧と各相ごとの合成電流Ioとの位相関係を示す。
【0041】
(c)に示すように、碍子表面電流Igが一番少なく且つ素子劣化したa相の電流Iaと汚損電流が一番大きなc相の電流Icは実効値で比較するとほぼ同じとなる。しかしながら、波高値で比較するとa相電流Iaの方がc相電流Icより約1.5倍大きくなる。よって、通常の碍子汚損のアンバランス電流の大きさや、劣化管理値Inの大きさを考慮すれば、碍子汚損中でも各相の波高値を監視することで劣化相を判定できる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、素子劣化を簡単な構成で正確に検出でき、更に、碍子汚損も区別して検出できるアレスタ劣化検出装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアレスタ劣化検出装置の構成を示す図。
【図2】図1の検出手段の機能を示す図。
【図3】図1のアレスタ素子の温度特性を示す図。
【図4】湿度管理値以下のアレスタ漏れ電流を示す図。
【図5】アレスタの碍子非汚損時の3相合成電流を示す図。
【図6】アレスタの碍子汚損時の3相合成電流を示す図。
【図7】アレスタの素子劣化が1相に発生した時の電圧、電流波形を示す図。
【図8】アレスタの素子劣化が1相に発生し、碍子汚損が同時に発生した時の電圧、電流波形を示す図。
【図9】アレスタの素子劣化が3相同時に発生した時の電圧、電流波形を示す図。
【図10】アレスタの3相の素子劣化と碍子汚損が同時に発生した時の電圧、電流波形を示す図。
【図11】アレスタに素子劣化が発生したときの判定方法を示す図。
【図12】碍子汚損がアンバランスに発生し、かつ素子劣化が発生したときの判定方法を示す図。
【符号の説明】
1…アレスタ
2…素子
3…碍子
4…電力線
5…変流器
6…セレクタ
7…電/光変換器
8…光ファイバ
9…検出装置本体
11…光/電変換器
12…検出手段
13…温度測定手段
14…湿度測定手段
15…表示手段
16…発光ダイオード
17…直流電源
V…電圧
I…測定した漏れ電流
Ix…温度補正した漏れ電流
Ixo…湿度が管理値以下に低下したときの温度補正した漏れ電流
Io…零相電流
Iy…湿度が管理値を超えたときの温度補正した漏れ電流
In…素子劣化検出のための劣化管理値
Iar…素子電流
Ic…容量成分電流
Ir…抵抗成分電流
Ia,Ib,Ic…各相電流
Ig…碍子表面電流
Imi…過去数日間の最小漏れ電流又は最小代表値
T…外気温
H…湿度
Mn…汚損管理値
Nm…識別管理値
Hn…湿度管理値

Claims (10)

  1. 各相ごとに碍子内に素子が配置された多相のアレスタの劣化を検出する装置において、
    前記アレスタの各相ごとに漏れ電流を測定する手段と、
    各相ごとの測定手段の出力を、各相ごとの漏れ電流及び各相の合成の漏れ電流に切替えるチャネルセレクタと、
    このチャネルセレクタの出力信号を光信号に変換する電気/光変換手段と、
    この電気/光変換手段の出力光を伝達する光ファイバと、
    この光ファイバにより伝達された光信号に基づいて、前記多相のアレスタの各相ごとの漏れ電流及び各相の合成の漏れ電流を測定し、その測定結果に基づいて前記素子の劣化を検出する検出手段と、を具備し、
    前記検出手段は、前記合成の漏れ電流と所定の管理値とを比較する手段を更に具備し、前記各相の漏れ電流がほぼ同様に増大し、前記合成の漏れ電流が前記管理値以下の漏れ電流となる場合は前記碍子の汚損を検出するアルゴリズムにより、前記合成の漏れ電流が増大した場合は前記素子の劣化を検出するアルゴリズムにより、碍子の汚損と素子の劣化の両方の検出を可能とすることを特徴とするアレスタ劣化検出装置。
  2. 前記検出手段は、一定期間ごとに各相同士の漏れ電流値を比較し、ある相の漏れ電流値が突出していた場合は、その相を素子劣化相として特定する判定アルゴリズムを具備する請求項に記載のアレスタ劣化検出装置。
  3. 前記検出手段は、各相の漏れ電流値を一定期間ごとに劣化管理値と比較し、長時間にわたって前記管理値を超えている相を素子劣化相として検出することで、碍子汚損による影響を排除した判定アルゴリズムを具備する請求項に記載のアレスタ劣化検出装置。
  4. 請求項及び請求項の2つの判定アルゴリズムを用いて素子劣化相を特定する請求項に記載のアレスタ劣化検出装置。
  5. 湿度を測定する湿度測定手段を更に具備し、前記検出手段は、測定した湿度がある湿度管理値以下である時の各相の漏れ電流、及び合成の漏れ電流を記録していき、測定した湿度が管理値を超えた場合は、湿度が管理値を超える直前のデータを保持するアルゴリズムを具備する請求項のいずれか1項に記載のアレスタ劣化検出装置。
  6. 前記検出手段は、前記湿度管理値以下である時の漏れ電流値から各種管理値を自動決定する請求項に記載のアレスタ劣化検出装置。
  7. 前記検出手段は、前記アレスタの運用初期に健全時の全漏れ電流を登録し、
    更に、使用しているアレスタ素子により決まる既知の比率により前記登録されている全漏れ電流から前記素子の抵抗分電流と容量分電流を演算することにより、汚損による漏れ電流のみを抽出検索し、汚損レベル判定に使用する請求項に記載のアレスタ劣化検出装置。
  8. 前記検出手段は、登録されている全漏れ電流を過去のデータによって更新して、この更新した漏れ電流を使用して、素子劣化の検出と碍子汚損の検出を行う請求項に記載のアレスタ劣化検出装置。
  9. 前記検出手段は、漏れ電流から碍子汚損による漏れ電流を抽出計算する際に、素子劣化電流が流れていると仮定できる相については汚損電流計算を行わない請求項のいずれか1項に記載のアレスタ劣化検出装置。
  10. 気温を測定する温度測定手段を更に具備し、前記検出手段は、前記気温に基づいて前記測定した漏れ電流を補正する請求項1〜9のいずれか1項に記載のアレスタ劣化検出装置。
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