JP4247595B2 - 電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池ケースから突設したスタッドボルトを介して端子台を固定する電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車等に用いられる大形の非水電解質二次電池の構成例を図1に示す。この非水電解質二次電池は、長円筒形の巻回型の発電要素1を4個密着して並べ並列接続したものである。これらの発電要素1は、両端面部に配置された集電接続体2にそれぞれ正負の電極が接続固定されて並列接続されている。集電接続体2は、正極側の場合にはアルミニウム板、負極側の場合には銅板からなり、水平に配置されたほぼ二等辺三角形の板状の本体の底辺部から下方に向けて簾状に突出した接続部に、発電要素1の正極又は負極が接続固定されている。これらの集電接続体2の板状の本体は、それぞれ下部絶縁封止板3を介して蓋板4の裏面の両端部に配置される。蓋板4は、矩形のステンレス鋼板からなり、発電要素1を収納するステンレス鋼製の容器である電池筐体5の上端開口部に嵌め込まれて溶接により固着される。この蓋板4と電池筐体5は、非水電解質二次電池の電池ケースを構成する。
【0003】
上記蓋板4の上面の両端部には、それぞれ上部絶縁封止板6を介して端子が配置されている。端子は、正極側の場合にはアルミニウム製、負極側の場合には銅製の金属材料からなり、それぞれリベット端子7と端子台8と端子ボルト9とで構成されている。上部絶縁封止板6は、図2に示すように、絶縁性のPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂等からなる矩形の板材であり、上面の一端側には八角形状の凹部6aが形成されると共に、他端側には四角形状の凹部6bが形成されている。また、八角凹部6aの底面の中央部には、裏面に貫通する貫通孔が形成されている。リベット端子7は、八角形状のフランジ部7aの下面から円筒状の下端筒状部7bを突出させると共に、このフランジ部7aの上面から円筒状の上端筒状部7cを突出させたものである。端子台8は、上部絶縁封止板6よりも小さい矩形の板状であり、一端側に嵌合孔8aが形成されると共に、他端側に貫通孔8bが形成されている。端子ボルト9は、六角形状の頭部の上面から上方に向けてボルト部を突設した六角ボルト状のものである。
【0004】
上部絶縁封止板6は、蓋板4の上面の両端部に配置される。蓋板4の上面の両端部には、それぞれ開口孔4aが形成され、この開口孔4aの真上に上部絶縁封止板6の貫通孔が位置するように配置される。リベット端子7は、下端筒状部7bを上部絶縁封止板6の貫通孔を介して蓋板4の開口孔4aに嵌入させ、この蓋板4の裏面に配置された集電接続体2の板状の本体にカシメによって接続固定される。この際、リベット端子7の正方形状のフランジ部7aは、上部絶縁封止板6の四角形状の凹部6aに嵌まり込むことにより、この上部絶縁封止板6に対するリベット端子7の回転が規制される。また、端子ボルト9も、六角形状の頭部が上部絶縁封止板6の六角形状の六角凹部6bに嵌まり込むことにより、この上部絶縁封止板6に対する回転が規制される。そして、これらリベット端子7の上端筒状部7cと端子ボルト9のボルト部に、端子台8の嵌合孔8aと貫通孔8bを上方から嵌合させることにより、この端子台8を上部絶縁封止板6の上面に配置すると共に、上端筒状部7cを端子台8にカシメることによって接続固定する。これにより、発電要素1の電極が集電接続体2からリベット端子7を介して端子台8に接続固定されると共に、上部絶縁封止板6が蓋板4と端子台8との間に圧迫挟持されて、この蓋板4の開口孔4aとリベット端子7との間を確実に封止することができる。また、端子ボルト9は、上部絶縁封止板6の六角凹部6bによって回転を規制されると共に、端子台8によって上方への抜け出しを規制されるので、ボルト部に例えば電源コードの圧着端子を嵌め込んでナット等で締め付け固定することにより、この電源コードを介して外部機器と端子台8との間を確実に接続することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記リベット端子7と端子台8と端子ボルト9からなる端子の構造では、外部機器の電源コードの着脱の際に、端子ボルト9に大きな力が加わるので、リベット端子7の上端筒状部7cと端子台8との間のカシメが緩み、電池ケース内部の気密性が損なわれるおそれがあるという問題が生じていた。即ち、例えば端子ボルト9のボルト部にナット等を締め付けるために、工具等で大きな力を加えると、端子台8に大きなトルクが加わって、リベット端子7の上端筒状部7cとのカシメ部で空回りが生じたり、この上端筒状部7cを支点として端子台8が持ち上がりカシメ部が引き剥がされるようになり、このために上部絶縁封止板6を圧迫する力が弱まって気密性が低下することになる。特に、非水電解質二次電池では、正極側のリベット端子7等が強度の弱いアルミニウム製であるため、実際にカシメ部に無理な力が加わった場合に電池ケースの気密性が損なわれるおそれが大きかった。
【0006】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、端子台の回転や持ち上がりを防止することにより、端子本体との間の接続固定部に無理な力が加わるのを防止し電池ケース内部の気密性を維持することができる電池を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、電池ケースの外部に突出する端子本体と、この電池ケースの外面上に配置され、貫通孔に端子本体を貫通させた絶縁封止材と、この絶縁封止材上に配置され、端子本体の突出端部を嵌合孔に嵌入させて接続固定した端子台とを備えた電池において、
【0008】
電池ケースにスタッドボルトが複数本突設され、このスタッドボルトによって押さえ材が絶縁封止材上に位置するように配置されたことを特徴とする電池である。
【0009】
請求項1の発明によれば、複数本備えられたスタッドボルトを介して端子押さえ材が絶縁封止材上に備えられた端子台を上から押さえるので、この端子台の持ち上がりや回転を抑制することができるようになる。従って、端子本体の突出端部と端子台との接続固定が緩み電池ケース内の気密性が低下するようなことがなくなる。
【0010】
請求項2の発明は、前記押さえ材が絶縁性材料からなることを特徴とする請求項1記載の電池である。
【0011】
請求項2の発明によれば、押さえ材が絶縁性材料であることによって、電池端子部分の絶縁性を確保することができ、電池取り扱い時におけるショート等を未然に防ぐことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図3は本発明の実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の端子部分を拡大した部分拡大斜視図である。
【0014】
この非水電解質二次電池の正極端子は、図3に示すように、蓋板4の上面に上部絶縁封止板6(絶縁封止材)を介して配置されたリベット端子7(端子本体)と端子台8と端子ボルト9とからなる。そして本実施形態では、この端子台8上に押さえ材10が配置されている。押さえ材10は、その四隅に貫通孔が形成された長方形状樹脂板からなる。そして押さえ材10は電池蓋板に突設されたスタッドボルト11を介して、ナット12等によって固着されている。
【0015】
上記非水電解質二次電池は、例えば電源コードの端部に圧着した圧着端子を端子ボルト9に嵌めてナットで螺着することにより外部機器との接続を行う。この際、端子ボルト9には、ナットを締め付けるための工具によって強い力を受け、端子台8が持ち上げられたり回転させられるようになる。しかし、本実施形態では、押さえ材10が端子台8を上方から圧迫しているので、この端子台8がリベット端子7側を支点として端子ボルト9側が持ち上がり、リベット端子7とのカシメ部に無理な力が加わるようなことがなくなる。また、端子台8が回転方向の力を受けた場合にも、押さえ材10の圧迫により、この端子台8がリベット端子7側を中心に回転してカシメ部に無理な力が加わるのを防止することができる。
【0016】
この結果、本実施形態によれば、外部機器との着脱の際に、端子ボルト9に大きな力が加わっても、これによって端子台8とリベット端子7との間のカシメ部に無理な力が加わるのを防止することができるので、電池ケース内の気密性を損なうようなことがなくなる。
【0017】
この結果、本実施形態によれば、外部機器との着脱の際に、端子ボルト9に大きな力が加わっても、これによって端子台8とリベット端子7との間のカシメ部に無理な力が加わるのを防止することができるので、電池ケース内の気密性を損なうようなことがなくなる。
【0018】
また、上記の実施形態では、外部機器との接続に端子ボルト9を用いる場合について説明したが、この外部機器は、端子台8に直接接続してもよいし、端子ボルト9以外の接続部材を端子台8に固着又は係止して接続するようにしてもよい。
【0019】
また、上記の実施形態で示した上部絶縁封止板6とリベット端子7と端子台8の形状は一例にすぎず、任意の形状や構造のものを用いることができる。例えば、リベット端子7は、突出部に必ずフランジ部7aを有する必要はなく、上端筒状部7cも円筒状である必要はない。さらに、上記の実施形態では、リベット端子7の上端筒状部7cを端子台8にカシメる場合について説明したが、カシメ以外の溶接等の方法によっても接続固定することもできる。
【0020】
また、上記の実施形態では、非水電解質二次電池の正極端子について説明したが、アルミニウムよりは強度の高い銅製の負極端子についても同様に実施することができ、端子の材質は限定されない。さらに、上記の実施形態では、大形の非水電解質二次電池について説明したが、同様の端子構造を有する他の種類の電池にも同様に実施可能である。
【0021】
また、上記の実施形態では、長円筒形の巻回型の発電要素1を4個密着してならべ、並列接続したものであるが、上記の端子構造を有するならば、発電要素の数量は4個に限定されるものではない。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電池によれば、端子台の持ち上がりや回転等を防止することができるので、端子本体の突出端部と端子台との接続固定が緩み電池ケース内の気密性が低下するようなことがなくなる。
さらに押さえ材を絶縁性材料とすることによって、電池端子部分の絶縁性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の構造を示す分解斜視図である。
【図2】従来の実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の正極端子部分を拡大した部分拡大斜視図である。
【図3】本発明の実施形態を示すものであって、非水電解質二次電池の正極端子部分を拡大した部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 発電要素
2 集電接続体
3 下部絶縁封止板
4 蓋板
4a 開口孔
5 電池筐体
6 上部絶縁封止板
6a 八角凹部
7 リベット端子
7a フランジ部
7b 下端筒状部
7c 上端筒状部
8 端子台
9 端子ボルト
10 押さえ材
11 スタッドボルト
12 ナット

Claims (1)

  1. 電池ケースの外部に突出する端子本体と、この電池ケースの外面上に配置され、貫通孔に端子本体を貫通させた絶縁封止材と、この絶縁封止材上に配置され、端子本体の突出端部を嵌合孔に嵌入させて接続固定した端子台とを備えた電池において、電池ケースにスタッドボルトが複数本突設され、このスタッドボルトを介して押さえ材が絶縁封止材上に位置するように配置されたことを特徴とする電池。
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