JP4247543B2 - 小麦粉生地の混捏状態解析方法,小麦粉生地の混捏状態解析システム及び小麦粉生地の混捏状態解析プログラム - Google Patents

小麦粉生地の混捏状態解析方法,小麦粉生地の混捏状態解析システム及び小麦粉生地の混捏状態解析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、パン生地などの小麦粉生地をミキサーで混捏する際に、コンピュータを使用して混捏時における小麦粉生地の生地物性の変化を解析する小麦粉生地の混捏状態解析方法,小麦粉生地の混捏状態解析システム及び小麦粉生地の混捏状態解析プログラムに関する。
従来、コンピュータを使用してミキサーによる小麦粉生地としてのパン生地の混捏時における生地物性の変化を解析する方法としては、例えば、ATTO社製「ドゥグラフ」システム(商品名)があった。
該システムは、装置としては、外側に冷却水を循環させるジャケットを取り付けたミキサーと、該冷却水を一定の冷却温度に維持する装置と、ミキサーの消費電力を測定してデジタル信号に変換する装置と、該デジタル信号をパソコンに送信する装置と、パソコン本体とからなる。そして、該システムの稼動下においてパン生地の混捏時におけるミキサーの消費電力を測定し、該測定結果をデジタル信号に変換してパソコンに送信して、パソコンは該測定結果を曲線グラフ化することにより、混捏ピークタイム、生地形成時間及び生地軟化時間を解析するものである。
具体的には、図25に示すように、該測定結果を曲線グラフ化するにあたり、該測定結果(消費電力値)を平均化してプロットした中心線と、該中心線の上、下側にそれぞれ該測定結果(消費電力値)の変動幅の標準偏差を平均化してプロットした上線及び下線を描く。そして、ピークタイムとして、パン生地の混捏開始時から該測定電力値(平均値)が最大になるまでの時間を測定・表示する。また、生地形成時間として、パン生地の混捏開始時から前記上側変動幅線(上線)が最初に最大電力値を超えるまでの時間を表示する。さらに、生地軟化時間として、パン生地の混捏開始時から前記上側変動幅線(上線)が最大電力値を切るまでの時間を表示する、というものである。
このように、該測定平均電力値を中心にしてその上、下変動電力幅を基にして所要の事項を解析するものである。
また、前記従来の技術と同様にパン生地の混捏時におけるミキサーの消費電力を測定し、該測定値に表される生地発生熱量の微分値が正から負に変わる時点から計って所定時間後に混捏を停止するように指示するパン生地ミキシング時間管理システムがあることも知られている(例えば、実公昭62−33566号公報掲載)。
該システムは、装置としては、前記従来の技術と同様のものを使用する。そして、該システムの稼動下において、パン生地の混捏時におけるミキサーの消費電力を単位時間毎に測定し、該測定結果をデジタル信号に変換してパソコンに送信して、パソコンは該測定結果を曲線グラフ化することにより、該測定結果の微分値が正から負に変わる時点から所定時間後に合図をしてパン生地の混捏を停止するようにするものである。これにより、生地中のグルテンの形成状態とミキシングの駆動負荷の変化との関係で、最良の状態でグルテンが形成された本捏生地を得ることができるようにしている。
実公昭62−33566号公報
ところで、前者の従来の技術(ATTO社製「ドゥグラフ」システム)は、消費電力値を平均化してプロットした中心線と、中心線の上,下側にそれぞれ消費電力値の変動幅の標準偏差を平均化してプロットした上線及び下線を描き、そして、ピークタイムとして、パン生地の混捏開始時から測定電力値(平均値)が最大になるまでの時間を測定・表示し、また、生地形成時間として、パン生地の混捏開始時から上線が最初に最大電力値を超えるまでの時間を表示し、さらに、生地軟化時間として、パン生地の混捏開始時から上線が最大電力値を切るまでの時間を表示し、これにより、パン生地の混捏状態を解析していたが、生地の混捏を担当する製パン技術者にとっては、生地形成時間や生地軟化時間よりも、生地のまとまり時点(クリーンアップ)や生地混捏終点(ファイナル)を判定することができるほうがより実務的であり、従来の技術ではこれに対応できないという問題があった。
また、そもそも、該生地形成時間や生地軟化時間は、該測定平均電力値を中心にしてその上、下変動電力幅を基にしていることから、実際の混捏工程におけるパン生地の混捏状態の観察を行ない、これと照らし合わせて判定したわけではないため、必ずしもパン生地の真の混捏状態を反映しているとは言いがたい。
さらには、本発明のように、パン生地の混捏工程の5段階のそれぞれを示すことができるものでもない。
また、後者の従来の技術にあっては、ミキサーの消費電力量を単位時間毎に測定してその増加傾向を経過時間で微分し、該微分値が正から負に転換する時点を特定し、該特定時点から所定時間後にパン生地の混捏を停止することにより、生地中のグルテンの最良の形成状態を得ることができるようにすることを目的としているが、1つの点だけの指摘になるので、指摘点が少なく、混捏経過に即したいくつかの生地状態を把握することが困難になっている。生地の混捏を担当する製パン技術者にとっては、生地のまとまり時点(クリーンアップ)や生地混捏終点(ファイナル)を混捏開始からの経過時間という客観的な指標に基づいて直接的かつ具体的に判定することができるほうがより実務的であり、この後者の従来の技術においても、これに対応できないという問題があった。
さらに、この後者の従来の技術においては、上述したパン生地の混捏を停止する前記特定時点からの所定時間については、熟練者が、パン生地の種類ごとに、実際に混捏中のパン生地の状態を観察したり、手で触ってみることにより判断する必要があり、やはり熟練者の勘に頼らざるを得ない。
ところで、従来、パン生地混捏工程の5段階のそれぞれにおける生地混捏状態は、以下のとおり説明されてきた(田中 康夫、松本 博「製パンプロセスの科学」19・20頁(1991、光琳発行)参照)。すなわち、混和ステージでは、小麦粉と水が均一に混和される段階で、生地は粘着性を示す。ピックアップステージでは、生地はグルテンの形成が始まり、その表面は湿った荒い状態を示す。クリーンアップステージでは、生地は弾性と粘性を増し、乾いた状態になり、ミキサーの内壁から剥離するようになる。ディベロプメントステージでは、生地は均質で乾いた、弾性の強い状態となるが、まだ伸展性が不足している。クリーンアップからディベロプメントステージにかけては油脂を添加する好機である。ディベロプメントステージは、物性の弱い小麦粉を使用する生地では混捏工程の終了時期である。ファイナルステージでは、生地は伸展性が表れ始めるとともに、グルテンの結合も強くなり、引っ張ってくる。通常の強力粉を使用する生地の混捏工程の終了時期である。レットダウンステージでは、生地は再び湿った伸びやすい状態となる。高蛋白強力粉を使用する生地やある種類の菓子パン生地では混捏工程の終了時期である。ブレークダウンステージでは、生地は弾性を失い、湿った粘着性の強い状態となり、半透明の光沢を示すようになる。このような生地の焼成品は満足な品質が得られない。このように、製パンにおいてパン生地混捏工程は焼成製品の品質に大きな影響を与える重要な工程である。
従って、パン生地の混捏工程においては、今、前記5段階のどの段階であるのかとか、どの段階に至ったのかとかを見極めることは重要である。特に油脂を添加する時期であるクリーンアップ又はディベロプメントステージの特定は重要であり、さらには混捏工程の終了時期を示すファイナルステージの特定は極めて重要である。そして、従来は、パン製造現場におけるミキサー担当者が経験に基づく感覚的判断によってこのような「パン生地のまとまり」時点や「ミキシング終点」時点を判断している。しかし、ミキサーを一時中止して混捏中の生地の状態を観察したり、手で触ってみたりしてこれを見極めることは、製パン作業上不便であるし、また長年の経験を積んだ製パン職人は別として、素人や初心者にとってはその判断は困難であるし、さらにはこの判断は客観的なものではない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、混捏経過に即したいくつかの生地状態を、ミキサーが消費する電力値に基づいて指摘できるようにし、長年の経験を積んだ職人が、混捏中の生地の状態を観察したり、手で触ってみることにより判断した結果と同様に、小麦粉生地の真の混捏状態を特定できるようにした小麦粉生地の混捏状態解析方法,小麦粉生地の混捏状態解析システム及び小麦粉生地の混捏状態解析プログラムを提供することを目的とする。
詳しくは、ミキサーを一時中止して混捏中の生地の状態を観察したり、手で触ってみたりする必要をなくし、また経験のない素人や初心者でも、容易に小麦粉生地の混捏工程における前記5段階のそれぞれを、客観的な指標に基づいて特定することができるようにすることを目的とする。
しかも、前記油脂を添加すべき「パン生地のまとまり」時点や前記「ミキシング終点」を含む前記パン生地の混捏工程における前記5段階のそれぞれを特定するにあたり、混捏開始時からの経過時間で一意的に、直接且つ具体的に特定することができるようにすることを目的とする。
特に、混捏工程の終了時期を示しファイナルステージからレットダウンステージに移行する変化時点であり、「ミキシング終点」とすべき時点をできるだけ正確に特定できるようにすることを目的とする。
このような目的を達成するための本発明の小麦粉生地の混捏状態解析方法は、少なくとも小麦粉及び水を含む原料をミキサーにより混捏して小麦粉生地を形成する際、混捏開始から経時的に前記ミキサーが消費する電力値を測定し、該混捏過程での小麦粉生地の物性の変化に起因する電力値の変化時点を指示して当該小麦粉生地の混捏状態を解析する小麦粉生地の混捏状態解析方法において、
前記小麦粉生地の混捏過程を、経時的に、混和・ピックアップステージ(以下「ステージ(I )」という),クリーンアップステージ(以下「ステージ(II)」という),ディベロプメントステージ(以下「ステージ(III )」という),ファイナルステージ(以下「ステージ(IV)」という),レットダウン・ブレークダウンステージ(以下「ステージ(V )」という)の5段階に分けたときに、ステージ(I )の終了時点を第1変化時点P1,ステージ(II)の終了時点を第2変化時点P2,ステージ(III )の終了時点を第3変化時点P3,ステージ(IV)の終了時点を第4変化時点P4として、前記測定された電力値から抽出単位時間ごとの移動平均値を算出し、該電力値の移動平均値の変化の特異点に基づいて上記第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出して特定することが可能であり、これにより該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)のうちの少なくともいずれか一つの変化時点を特定する構成としている。
本願発明者らは、前記各第1乃至第4変化時点(P1〜P4)が、測定した電力値から抽出単位時間ごとに算出した移動平均値の変化の特異点に良く適合しており、この電力値の変化の特異点を特定することで、正確な生地の混捏状態を解析することができることを見出した。
これにより、パン生地の混捏工程における前記5段階のそれぞれを、客観的な指標に基づいて特定することができ、混捏中の生地の状態を観察したり、手で触ってみたりする必要がなくなり、また経験のない素人や初心者でも、極めて容易に解析ができるようになる。また、前記油脂を添加すべき「パン生地のまとまり」時点や前記「ミキシング終点」を含む前記パン生地の混捏工程における前期5段階のそれぞれを特定するにあたり、混捏開始時からの経過時間で一意的に、直接且つ具体的に特定することができるようになる。
特に、混捏工程の終了時期を示しファイナルステージからレットダウンステージに移行する第4変化時点P4であり、「ミキシング終点」とすべき時点をできるだけ正確に特定できるようになる。
そして、本発明においては、前記測定された電力値から抽出単位時間ごとの移動平均値を算出し、該電力値の移動平均値の変化の特異点に基づいて上記第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出する構成としている。
ここでの移動平均値とは、単位時間(例えば、S1秒)毎に測定した数値の処理につき、該単位時間を超える移動平均値を抽出する抽出単位時間毎に、該抽出単位時間(例えば、混捏開始時間からS2秒毎の経過時点)を所定位置に包含する該抽出単位時間を超える移動平均区間(例えば、混捏開始(0秒)から、S3秒間毎の時間的区間)における単位時間毎の全測定値を合計して、これを移動平均区間で除して得た数値を、該抽出単位時間における移動平均値と言う。
一般に、コンピュータへ送信された単位時間毎に連続して測定された電力値の結果は、測定結果の原計数(実線)では測定時間毎に測定結果が上下に大きく振れながら推移しているため、測定結果の全体的な動向・傾向を把握しにくいが、移動平均値を算出することにより、このような短時間毎の細かい不規則変動を解消することができる。このため、該測定結果の原計数(実線)からこれを滑らかな変化の推移を示すデータに加工され、測定結果の基調的な方向性が把握される。その結果、前記生地混捏中における5段階に係る生地物性の変化を示す結果を、実際の混捏生地の状態とほぼ合致させることができるようになる。
このような小麦粉生地の混捏状態解析方法において、必要に応じ、 前記ミキサーが少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定し、該測定した電力値をコンピュータへ送信し、該コンピュータで該電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出して、必要に応じて記憶し、該電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成して表示部に表示し、前記コンピュータにより、前記曲線グラフ上において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出することが可能であり、該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)のうち少なくともいずれか一つの変化時点を算出して、該算出された変化時点を前記曲線グラフ上に印を付して表示部に表示することにより特定する構成としている。
そしてまた、必要に応じ、前記ミキサーが少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定し、該測定した電力値をコンピュータへ送信し、該コンピュータで該電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出して、必要に応じて記憶し、前記コンピュータにより、該電力値の移動平均値を表す仮想曲線グラフ上において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出することが可能であり、該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)のうち少なくともいずれか一つの変化時点を算出して、必要に応じて、該算出された変化時点を曲線グラフ、表グラフ又は数値等により表示部に表示することにより、特定する構成としている。
第1変化時点P1は、以下の微分式で求めることが有効である。


また、前記第4変化時点P4は、以下の微分式で求めることが有効である。

また、必要に応じ、前記ミキサーが少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定し、該測定した電力値をコンピュータへ送信し、該コンピュータで該電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出して、必要に応じて記憶し、前記コンピュータにより、前記電力値の移動平均値の集合において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、該ピークタイム出現前に現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値から当該抽出単位時間の電力値を差し引いた値がプラス最大値を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値変化量から当該抽出単位時間の電力値変化量を差し引いた値が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出することが可能であり、該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)のうち少なくともいずれか一つの変化時点を算出して、必要に応じて該算出された変化時点を曲線グラフ、表グラフ又は数値等により表示部に表示することにより、特定する構成としている。
更にまた、必要に応じ、前記ミキサーが少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定し、該測定した電力値をコンピュータへ送信し、該コンピュータで該電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出して、必要に応じて記憶し、該電力値の移動平均値を現す曲線グラフを作成して表示部に表示し、前記コンピュータにより、前記電力値の移動平均値の集合において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、該ピークタイム出現前に現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値から当該抽出単位時間の電力値を差し引いた値がプラス最大値を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値変化量から当該抽出単位時間の電力値変化量を差し引いた値が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出することが可能であり、該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)のうち少なくともいずれか一つの変化時点を算出して、必要に応じて該算出された変化時点を前記曲線グラフ上に印を付して表示部に表示することにより、特定する構成にしている。
そして、本願発明は、必要に応じて、前記各発明において、前記第1乃至第4変化時点(P1〜P2)のすべてを算出して特定する構成とすることができる。
この場合、前記表示部に表示する内容を、表示部に表示し、あるいは表示しないで、印刷することが有効である。
また、前記ステージ(I )乃至ステージ(V )の範囲のうちいずれか一つの範囲を示す表示を表示部に表示し、及び/又は印刷することが有効である。該表示は、具体的には、例えば、各範囲を指し示す矢印とともに、各範囲のステージ名を表示することである。
また、上記の目的を達成するための本発明の小麦粉生地の混捏状態解析システムは、少なくとも小麦粉及び水を含む原料をミキサーにより混捏して小麦粉生地を形成する際、混捏開始から経時的に前記ミキサーが消費する電力値を測定し、該混捏過程での小麦粉生地の物性の変化に起因する電力値の変化時点を指示して当該小麦粉生地の混捏状態を解析する小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、
前記小麦粉生地の混捏過程を、経時的に、混和・ピックアップステージ(「ステージ(I )」),クリーンアップステージ(「ステージ(II)」),ディベロプメントステージ(「ステージ(III )」),ファイナルステージ(「ステージ(IV)」),レットダウン・ブレークダウンステージ(「ステージ(V )」)の5段階に分けたときに、ステージ(I )の終了時点を第1変化時点P1,ステージ(II)の終了時点を第2変化時点P2,ステージ(III )の終了時点を第3変化時点P3,ステージ(IV)の終了時点を第4変化時点P4として、前記測定された電力値から抽出単位ごとの移動平均値を算出し、該電力値の移動平均値の変化の特異点に基づいて上記第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出して特定することが可能であり、これにより該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)のうち少なくともいずれか一つの変化時点を特定する構成としている。
上述もしたように、本願発明者らは、前記各第1乃至第4変化時点(P1〜P4)が、測定した電力値から抽出単位時間ごとに算出した移動平均値の変化の特異点に良く適合しており、この電力値の変化の特異点を特定することで、正確な生地の混捏状態を解析することができることを見出した。
これにより、パン生地の混捏工程における前記5段階のそれぞれを、客観的な指標に基づいて特定することができ、混捏中の生地の状態を観察したり、手で触ってみたりする必要がなくなり、また経験のない素人や初心者でも、極めて容易に解析ができるようになる。また、前記油脂を添加すべき「パン生地のまとまり」時点や前記「ミキシング終点」を含む前記パン生地の混捏工程における前記5段階のそれぞれを特定するにあたり、混捏開始時からの経過時間で一意的に、直接且つ具体的に特定することができるようになる。
特に、混捏工程の終了時期を示しファイナルステージからレットダウンステージに移行する第4変化時点P4であり、「ミキシング終点」とすべき時点をできるだけ正確に特定できるようになる。
そして、必要に応じ、前記ミキサーが少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定する消費電力測定手段と、該電力測定手段で測定した前記ミキサーの消費電力値から抽出単位時間ごとの移動平均値を算出し、該電力値の移動平均値に基づいて上記第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出するコンピュータとを備えた構成としている。
ここで、必要に応じ、前記コンピュータは、前記電力値から抽出単位時間ごとの移動平均値を算出し、該電力値の移動平均値の変化の特異点に基づいて上記第1乃至第4変化時点(P1〜P4)のすべてを算出する構成としている。
ここでの移動平均値とは、上述した概念と全く同様のものであり、後で詳述する。
一般に、コンピュータへ送信された単位時間毎に連続して測定された電力値の結果は、測定結果の原計数(実線)では測定時間毎に測定結果が上下に大きく振れながら推移しているため、測定結果の全体的な動向・傾向を把握しにくいが、移動平均値を算出することにより、このような短時間毎の細かい不規則変動を解消することができる。このため、該測定結果の原計数(実線)からこれを滑らかな変化の推移を示すデータに加工され、測定結果の基調的な方向性が把握される。その結果、前記生地混捏中における5段階に係る生地物性の変化を示す結果を、実際の混捏生地の状態とほぼ合致させることができるようになる。
このようなシステムにおいて、必要に応じ、前記コンピュータは、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、該移動平均値算出手段が算出した移動平均値を、必要に応じて記憶する記憶手段と、該電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成する曲線グラフ作成手段と、前記曲線グラフ上において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を前記曲線グラフ上に印を付して表示部に表示させる出力手段とを備えた構成としている。
また、必要に応じ、前記コンピュータは、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、該移動平均値算出手段が算出した移動平均値を、必要に応じて記憶する記憶手段と、該電力値の移動平均値を表す仮想曲線グラフ上において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を曲線グラフ、表グラフ又は数値等により表示部に表示させる出力手段とを備えた構成としている。
ここで、前記第1変化時点P1は、以下の微分式で求めることが有効である。

また、前記第4変化時点P4は、以下の微分式で求めることが有効である。
また、本システムにおいて、必要に応じ、前記コンピュータは、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、該移動平均値算出手段が算出した移動平均値を、必要に応じて記憶する記憶手段と、前記電力値の移動平均値の集合において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、該ピークタイム出現前に現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値から当該抽出単位時間の電力値を差し引いた値がプラス最大値を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値変化量から当該抽出単位時間の電力値変化量を差し引いた値が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を曲線グラフ、折れ線グラフ、表グラフ又は数値等により表示部に表示させる出力手段とを備えた構成としている。
また、必要に応じ、前記コンピュータは、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、該移動平均値算出手段が算出した移動平均値を、必要に応じて記憶する記憶手段と、該電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成する曲線グラフ作成手段と、前記電力値の移動平均値の集合において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、該ピークタイム出現前に現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値から当該抽出単位時間の電力値を差し引いた値がプラス最大値を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値変化量から当該抽出単位時間の電力値変化量を差し引いた値が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を前記曲線グラフ上に印を付して表示部に表示させる出力手段とを備えた構成としている。
このシステムにおいては、必要に応じ、前記表示部に表示する内容を、表示部に表示し、あるいは表示しないで、印刷する印刷手段を備えた構成としている。
また、必要に応じ、前記ステージ(I )乃至ステージ(V )の範囲のうち少なくともいずれか一つの範囲を示す表示を表示部に表示し、及び/又は印刷する出力手段を備えた構成としている。該表示の内容については上述したところと同様である。
そしてまた、上記の目的を達成するための本発明の小麦粉生地の混捏状態解析プログラムは、上記コンピュータを機能させる構成としたものである。
本発明の小麦粉生地の混捏状態解析方法,小麦粉生地の混捏状態解析システム及び小麦粉生地の混捏状態解析プログラムによれば、混捏中の生地の状態を観察したり、手で触ってみたりする必要がなく、また経験のない素人や初心者でも、極めて容易にパン生地の混捏工程における前記5段階のそれぞれを、客観的な指標に基づいて特定することができるようになる。
しかも、前記油脂を添加すべき「パン生地のまとまり」時点や前記「ミキシング終点」を含む前記パン生地の混捏工程における5段階のそれぞれを特定するにあたり、混捏開始時からの経過時間で一意的に、直接且つ具体的に特定することができるようになる。
また、本願発明は、特定された前記5段階のそれぞれが長年の経験を積んだ製パン職人が、混捏中の生地の状態を観察したり、手で触ってみることにより判断した結果と同様にパン生地の真の混捏状態を反映するような、パン生地の混捏工程における前記5段階のそれぞれを特定することを可能とする。
また、本願発明は、コンピュータの基本的機能、すなわち計算機能及びグラフィカル機能を用いることにより、容易に、迅速に、且つ視覚的に判り易く、パン生地の混捏工程における前記5段階のそれぞれを機械的に特定することを可能とする。
また、本発明は、ミキサーの消費電力値を単位時間毎に測定し、該測定値の抽出単位時間毎の移動平均値を算出して、その増加傾向を経過時間で微分し、該微分値が最大になる時点を、クリーンアップステージ開始時点として特定することを可能とする。
また、本願発明は、一次微分値の増減傾向を経過時間でさらに微分する二次微分値が「負」から「正」または「0」に転換する時点を、ファイナルステージ終了時=レットダウンステージ開始時点(第4変化時点P4)として特定することを可能とする。
これにより、特に、混捏工程の終了時期を示しファイナルステージからレットダウンステージに移行する変化時点であり、「ミキシング終点」とすべき時点をできるだけ正確に特定できるようになる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析方法,小麦粉生地の混捏状態解析システム及び小麦粉生地の混捏状態解析プログラムについて詳細に説明する。
本実施の形態において、小麦粉生地の混捏状態解析プログラムは小麦粉生地の混捏状態解析システムに用いられ、小麦粉生地の混捏状態解析方法は小麦粉生地の混捏状態解析システムの機能によって実現されるので、該解析プログラム及び該解析方法については混捏状態解析システムの作用において説明する。
また、本実施の形態においては、上記第1乃至第4変化時点(P1〜P4)のすべてを算出して特定し、また表示する実施態様について記載する。
なお、本実施の形態は本願発明の要旨を限定するものではない。
本実施の形態に係る混捏状態解析システムとしては、第一乃至第四の実施の形態のシステムがある。
各実施の形態に共通する基本的構成は、少なくとも小麦粉及び水を含む原料をミキサーにより混捏して小麦粉生地を形成する際、混捏開始から経時的に前記ミキサーが消費する電力値を測定し、該混捏過程での小麦粉生地の物性の変化に起因する電力値の変化時点を指示して当該小麦粉生地の混捏状態を解析するものである。
図1に示すように、ミキサー1は、生地Kを収容するミキサーボックス2と、モータ3の駆動により生地Kを攪拌し、ミキサーボックス2内の混捏中のパン生地Kと接触して物理(混捏)力を加えるミキシングピン、ミキシングアーム、ミキシング羽根等を有した攪拌部4と、モータ3に交流電力を供給する電源(図示せず)とを備えて構成されている。
そして、本システムは、ミキサー1が少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定する消費電力測定装置10と、消費電力測定装置10で測定したミキサー1の消費電力値に基づいてデータ処理を行なうコンピュータ20とを備えて構成されている。
消費電力測定装置10は、消費する電力値を測定するとともに測定した電力値(アナログ信号)をデシタル信号に変換してコンピュータへ送信する信号変換装置12を備えて構成されている。消費電力測定装置10は、ミキサー1が生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間ごとに連続して測定する。ここでの単位時間とは、具体的には、例えば、0.5秒間、1秒間、2秒間、3秒間等とすることができる。
本システムにおいては、図2及び図3(b)に示すように、小麦粉生地の混捏過程を、経時的に、混和・ピックアップステージ(「ステージ(I )」),クリーンアップステージ(「ステージ(II)」),ディベロプメントステージ(「ステージ(III )」),ファイナルステージ(「ステージ(IV)」),レットダウン・ブレークダウンステージ(「ステージ(V )」)の5段階に分けたときに、ステージ(I )の終了時点を第1変化時点P1,ステージ(II)の終了時点を第2変化時点P2,ステージ(III )の終了時点を第3変化時点P3,ステージ(IV)の終了時点を第4変化時点P4として、該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を前記測定した電力値から抽出単位時間ごとに算出した移動平均値の変化の特異点に基づいて特定する。
各ステージの内容は、上述したように、以下の通りである。
1.混和・ピックアップステージ(「ステージ(I )」)
混和ステージでは、小麦粉と水が均一に混和される段階で、生地は粘着性を示す。
ピックアップステージでは、生地はグルテンの形成が始まり、その表面は湿った荒い状態を示す。
2.クリーンアップステージ(「ステージ(II)」)
クリーンアップステージでは、生地は弾性と粘性を増し、乾いた状態になり、ミキサーの内壁から剥離するようになる。
3.ディベロプメントステージ(「ステージ(III )」)
ディベロプメントステージでは、生地は均質で乾いた、弾性の強い状態となるが、まだ伸展性が不足している。クリーンアップからディベロプメントステージにかけては油脂を添加する好機である。ディベロプメントステージは、物性の弱い小麦粉を使用する生地では混捏工程の終了時期である。
4.ファイナルステージ(「ステージ(IV)」)
ファイナルステージでは、生地は伸展性が表れ始めるとともに、グルテンの結合も強くなり、引っ張ってくる。通常の強力粉を使用する生地の混捏工程の終了時期である。
5.レットダウン・ブレークダウンステージ(「ステージ(V )」)
レットダウンステージでは、生地は再び湿った伸びやすい状態となる。高蛋白強力粉を使用する生地やある種類の菓子パン生地では混捏工程の終了時期である。
ブレークダウンステージでは、生地は弾性を失い、湿った粘着性の強い状態となり、半透明の光沢を示すようになる。このような生地の焼成品は満足な品質が得られない。
コンピュータ20は、消費電力測定装置10で測定したミキサ1の消費電力値に基づいて、図3(b)に示すように、第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出するものである。特に、コンピュータ20は、電力値から抽出単位時間ごとの該抽出単位時間を所定位置に包含する移動平均区間の移動平均値を算出し、この電力値の移動平均値に基づいて上記第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出する。
次に、このような基本的構成を備える第一乃至第四の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、各実施の形態に係るコンピュータの構成について説明する。
先ず、第一乃至第四の実施の形態に共通する小麦粉生地の混捏状態解析システムのコンピュータ20は、図4及び図5に示すように、前記電力値から抽出単位時間ごとに該抽出単位時間を所定位置に包含する移動平均区間の移動平均値を算出する移動平均値算出手段21と、該移動平均値算出手段21が算出した移動平均値を、必要に応じて記憶する記憶手段22と、該移動平均値に基づいて前記第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出する変化時点算出手段24と、該算出した第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を表示部に表示させる出力手段25とを備えている。
コンピュータへ送信された単位時間毎に連続して測定された電力値の結果は、これをグラフ化して見れば明らかなとおり(図6参照)、測定結果の原計数(実線)では測定時間毎に測定結果が上下に大きく振れながら推移しているため、測定結果の全体的な動向・傾向を把握しにくい。そこで、このような短時間毎の細かい不規則変動を解消する必要がある。このため、該測定結果の原計数(実線)からこれを滑らかな変化の推移を示すデータに加工することにより、測定結果の基調的な方向性を把握することができるようにする必要がある。
そこで、該コンピュータで受信した電力値(デジタル信号)から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出して、必要に応じて記憶する。ここでの移動平均値とは、上述したとおり、単位時間(例えば、1秒間)毎に測定した電力値の処理につき、抽出単位時間(例えば、混捏開始時間(0秒)から20秒間、40秒間、60秒間・・・・・・と20秒間毎の経過時点)毎に、該抽出単位時間を所定位置に包含する移動平均区間(例えば、混捏開始(0秒)から40秒経過時点まで、40秒経過時点から80秒経過時点まで、80秒経過時点から120秒経過時点まで・・・・・・と41秒間毎の時間的区間)における単位時間毎の全測定結果を合計して、これを移動平均区間で除して得た数値を、該抽出単位時間における移動平均値と言う。
ここで、該抽出単位時間及び移動平均区間の設定は、経過時間を横軸にとり、移動平均電力値を縦軸にとって移動平均値をプロットして曲線又は折れ線グラフを描いたときに、該グラフが最大値を示すピークタイムまでは一定でない上昇率で連続的に上昇し、且つピークタイム後は一定でない下降率で連続的に下降するようになるようにすることが望ましい。
移動平均区間は、具体的には、例えば、21秒間〜61秒間であり、好ましくは31秒間〜51秒間である。該移動平均区間が短過ぎると、前記測定結果の単位時間毎の細かい不規則変動を十分に解消することができず、測定結果の基調的な方向性を的確に把握することができなくなる。これに対し、該移動平均区間が長過ぎると、今度は逆に、測定結果の原計数(実線)から乖離した過度に滑らかな変化の推移をしめす単純化されたデータに加工されてしまい、同様に測定結果の基調的な方向性を的確に把握することができなくなる。
また、(該移動平均区間中に該抽出単位時間を包含する)所定位置は、該移動平均区間を前部、中央部及び後部の各位置と略3等分したときの中央部に属する時間位置(時点)であることが望ましく、特に該移動平均区間の中心位置とすることが最も望ましい。このようにすることにより、前記生地混捏中における5段階に生地物性の変化を示す結果が、実際の混捏生地の状態とほぼ合致することになる。
しかし、該所定位置が該前部に属する位置であると、該測定結果のグラフが左側にずれる、すなわち測定電力値が早めに上昇してピークに達し、早めに下降するデータのグラフとなり、従って前記生地混捏中における5段階の生地物性の変化を示す結果が、実際の混捏生地の状態よりも早めに現れることから、このままでは的確に混捏生地の状態を判定することができなくなるおそれがある。これに対して、該所定位置が該後部に属する位置であると、今度は逆に該測定結果のグラフが右側にずれる、すなわち測定電力値が遅めに上昇してピークに達し、遅めに下降するデータのグラフとなり、従って前記生地混捏中における5段階の生地物性の変化を示す結果が実際の混捏生地の状態より遅めに現れることから、このままでは同様に的確に混捏生地の状態を判定することができなくなるおそれがある。そして、どちらの場合にも、このようなおそれは、例えば、該移動平均区間が長くなるほど、また、該所定位置が該移動平均区間の中心位置からはなれるほど大きくなり、前記生地混捏中における5段階の生地物性の変化を示す結果が、実際の混捏生地の状態から乖離することになる。
しかし、このように該所定位置が該前部または後部に属する位置としたときには、本願発明の範囲から除外されるわけではなく、該所定位置が該移動平均区間の中心位置から離れた時間分だけ、それぞれ右側へ、または左側へ該測定結果のグラフをずらして位置修正し、または移動平均値を加減して補正し、該位置修正した後のグラフまたは補正後の移動平均値に基づいて後述する処理工程を行なうことにより、このような問題を解決することができる。
本実施の形態では、移動平均値は、コンピュータで抽出単位時間毎に該抽出単位時間を所定位置に包含する移動平均区間で算出して、必要に応じて記憶する。該抽出単位時間は、具体的には、例えば、10秒間〜30秒間であるが、好ましくは15〜25秒間である。より具体的には、例えば、混捏開始時間から20秒間経過毎に(20秒、40秒、60秒、80秒、100秒、120秒、・・・・・・)算出する。或いは、該移動平均値は、前記単位時間毎に算出して、該抽出単位時間毎の数値を抽出するようにしてもよい。ここで、「抽出単位時間毎に算出」するとは、このように単位時間毎に算出した結果から抽出単位時間毎の数値を抽出することを含む意味である。
次に、第一の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムのコンピュータ20について説明する。コンピュータ20は、該電力値の移動平均値を表す曲線グラフ(図3(a))を作成する曲線グラフ作成手段23と、変化時点算出手段24を備えている。この曲線グラフ作成手段23は、図3(a)に示すように、該電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成して表示部に表示させる。また、この変化時点算出手段24は、図3(b)に示すように、曲線グラフ上において、最大の電力値を示す混捏開始からの抽出単位時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの抽出単位時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの抽出単位時間を前記第4変化時点P4として算出して特定する機能を備えている。
更に、コンピュータ20は、変化時点算出手段24によって算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を前記曲線グラフ上に印を付して表示部(ディスプレイ)30(図1)に表示させる出力手段25とを備えて構成されている。
変化時点算出手段24において、第1変化時点P1は、以下の微分式で求められる。

また、第4変化時点P4は、以下の微分式で求められる。
コンピュータに必要なソフトウェア(アプリケーション)としては、少なくとも、受信した電力値から抽出単位時間ごとの該抽出単位時間を所定位置に包含する移動平均区間の移動平均値を算出し、必要に応じて記憶することができ、また、該算出した移動平均値を表す曲線グラフを作成してコンピュータディスプレイに表示し、さらに、加減乗除及び微分の計算をし、変曲点を求めることができるコンピュータプログラムが必要である。
次に、この第一の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムの作用を説明する。
最初に、消費電力測定装置10により、ミキサー1が少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間ごとに連続して測定する。
次に、信号変換装置12により、測定した電力値(アナログ信号)をデシタル信号に変換して、コンピュータ20へ送信する。
コンピュータ20では、移動平均値算出手段21が電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出し、記憶手段22に、算出した移動平均値を記憶する。そして、図3に示すように、曲線グラフ作成手段23が電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成し、これがディスプレイに表示される。
図3(a)には、本発明の一つの最適実施態様として、前記移動平均区間を41秒間とし、前記所定位置を該移動平均区間=41秒間の中心位置である20秒間とし、また、前記抽出単位時間を20秒間として作成した移動平均値を表す曲線グラフを掲げる。
次に、変化時点算出手段24が、曲線グラフ上において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する。
それから、図3(b)に示すように、出力手段25が、算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を前記曲線上に印を付してディスプレイに表示させる。
また、出力手段25は、ステージ(I )乃至ステージ(V )の範囲を示す表示をディスプレイに表示する。該表示は、具体的には、例えば、該範囲を指し示す矢印と共に、各範囲のステージ名を表示することである(図3(b)参照)。
次に、第二の実施の形態に係るシステムのコンピュータ20について説明する。
このコンピュータ20は、図5に示すように、電力値から上述したとおりに抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段21と、移動平均値算出手段21が算出した移動平均値を、必要に応じて記憶する記憶手段22と、電力値の移動平均値を表す仮想曲線グラフ上において、最大の電力値を示す混捏開始からの抽出単位時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段24と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を曲線グラフ、表グラフ又は数値等によりディスプレイに表示させる出力手段25とを備えて構成されている。
尚、本第二の実施の形態では、出力手段25は、変化時点算出手段24の算出結果とともに、曲線グラフ等を作成し表示する機能を備えている。
即ち、この第二の実施の形態にかかるシステムのコンピュータ20は、上記第一の実施の形態と略同様であるが、上記と異なって、実際に曲線グラフを作成し表示して実施することに代えて、実際には曲線グラフを作成してディスプレイに表示することなく、あたかも該曲線グラフを作成して表示したと仮想して、仮想上の曲線グラフ上において、第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出して特定し、この結果を曲線グラフ、表グラフ、数値、その他の方法でディスプレイに表示させることにより、パン生地の混捏工程における、混和・ピックアップ、クリーンナップ、ディベロプメント、ファイナル及びレットダウンの各ステージを解析するようにしている。
このように、本願発明で「仮想曲線グラフ」とか、「仮想上の曲線グラフ」とか、または「曲線グラフを仮想して」という表現は、上記の意味で用いるものである。
他の作用,効果は上記第一の実施の形態と同様である。
次に、第三の実施の形態に係るシステムにかかるコンピュータ20を説明する。これは、図5に示すように、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段21と、該移動平均値算出手段21が算出した移動平均値を、必要に応じて記憶する記憶手段22と、前記電力値の移動平均値の集合において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、該ピークタイム出現前に現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値から当該抽出単位時間の電力値を差し引いた値がプラス最大値を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値変化量から当該抽出単位時間の電力値変化量を差し引いた値が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段24と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を曲線グラフ、表グラフ又は数値等によりディスプレイに表示させる出力手段25とを備えて構成されている。尚、本第三の実施の形態でも。出力手段25は、変化時点算出手段24の算出結果とともに、曲線グラフ等を作成し表示する機能を備えている。
即ち、上記第一及び第二の実施の形態と異なって、第三の実施の形態に係るコンピュータ20においては、変化時点算出手段24が、電力値の移動平均値の集合において、上記の方法により第1乃至第4の変化時点を算出して特定している。そして、この結果を曲線グラフ、表グラフ、数値、その他の方法でディスプレイに表示させることにより、パン生地の混捏工程における、混和、ピックアップ、クリーンナップ、ディベロプメント、ファイナル及びレットダウンの5段階の各ステージを解析することができるようにしている。他の作用,効果は同様である。
次にまた、第四の実施の形態に係るシステムにかかるコンピュータ20を説明する。これは、図4に示すように、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段21と、該移動平均値算出手段21が算出した移動平均値を、必要に応じて記憶する記憶手段22と、該電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成する曲線グラフ作成手段23と、前記電力値の移動平均値の集合において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、該ピークタイム出現前に現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値から当該抽出単位時間の電力値を差し引いた値がプラス最大値を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値変化量から当該抽出単位時間の電力値変化量を差し引いた値が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段24と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を前記曲線グラフ上に印を付してディスプレイに表示させる出力手段25とを備えて構成されている。
即ち、上記第三の実施の形態と異なって、第四の実施の形態に係るコンピュータ20においては、変化時点算出手段24が、上記第三の実施の形態と同様の方法で第1乃至第4の変化時点を算出して、その結果を、上記第一の実施の形態と同様に曲線グラフ作成手段23が作成してディスプレイに表示した曲線グラフ上において印を表示している。他の作用効果は同様である。
次に、混捏状態解析プログラムについて説明する。プログラムは、コンピュータ20に組み込むことにより、以下の工程を自動的に実行することができるようなものである。すなわち、測定された電力値を受信した測定結果から上述したとおり抽出単位時間ごとの移動平均値を算出し、この電力値の移動平均値の変化の特異点に基づいて、生地混捏中における前記5段階の生地物性の変化を解析することを実行するプログラムである。
このプログラムは、該生地混捏中における5段階の生地物性の変化を解析する工程により、四つの実施の形態に分かれる。
最初に、第一の実施の形態に係るプログラムは、上述した第一の実施の形態に係るシステムにおける、電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成し、ディスプレイに表示し、この曲線グラフにおいて第1乃至第4の変化時点を算出して表示している。
次に、第二の実施の形態に係るプログラムは、上述した第二の実施の形態に係るシステムにおける、電力値の移動平均値を表す仮想曲線グラフ上において第1乃至第4の変化時点を算出し、その結果を曲線グラフ、表グラフ、数値、その他の方法でディスプレイ上に表示している。
そして、第三の実施の形態に係るプログラムは、上述した第三の実施の形態に係るシステムに対応し、上記第三の実施の形態と同様の方法で第1乃至第4の変化時点を算出して、その結果を、上記第ニの実施の形態と同様に曲線グラフ、表グラフ、数値、その他の方法でディスプレイ上に表示している。
さらに、第四の実施の形態に係るプログラムは、上述した第四の実施の形態に係るシステムに対応し、上述した第一の実施の形態と同様の方法で電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成してディスプレイに表示し、上記第四の実施の形態の方法で第1乃至第4の変化時点を算出して、この結果を前記曲線グラフに表示している。
以下に本願発明の実施例を紹介する。
実施例の生地判定システムは、装置またはハードウェアとしてはパン生地を混捏するミキサーとして100−200グラムピンミキサー(米国ナショナル社製)を用意する。ミキサーボールとしては混捏中のパン生地を冷却する冷却水循環ジャケット付きのボールを用意する。循環水の恒温冷却装置も必要である。次に、該ミキサーが混捏中に消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定する消費電力測定装置として、「ドゥグラフAF−1200型」(ATTO社製)を用意する。本装置は、測定した電力値のアナログ信号をデジタル信号に変換する信号変換装置を備えている。該信号変換装置は、該消費電力測定装置と電線で結ばれている。該信号変換装置により変換されて送信された電力値を受信し、該受信した電力値から抽出単位時間ごとに算出する移動平均値の変化の特異点に基づいて、生地混捏中における5段階の生地物性の変化を判定するコンピュータ20を用意する。該信号変換装置は、該消費電力測定装置と電線で結ばれている。該パソコンは、該信号変換装置と電線で結ばれている。
該消費電力測定装置は、該ミキサーと電線で結ばれて、ミキサーボックス内の混捏中のパン生地と接触して物理(混捏)力を加えるミキシングピンに掛かる負荷を消費する電力値で表すことができる。
これに対し、ソフトウエアとしては、少なくとも、受信した電力値から抽出単位時間ごとの該抽出単位時間を所定位置に包含する移動平均区間における移動平均値を算出し、必要に応じて記憶し、該移動平均値の変化の特異点に基づいて上記第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出して特定し、生地混捏中における5段階の生地物性の変化を判定することができ、また、該算出した移動平均値を表す曲線グラフを作成してパソコンディスプレイに表示し、該曲線グラフ上の所定箇所に上記算出した変化時点(P1〜P4)の印を表示し、さらに、加減乗除、微分及び二次微分の計算をすることができるプログラムとして「Dougraph Ver.3.1」(ATTO社製。前記「ドゥグラフAF−1200型」とセットになっている)と、表計算ソフト(Excel。米国ウインドウズ社製)とを用意する。
〔実施例1〕
以下の通り、上記第四の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムを用いて、中種法で食パン生地を混捏するときの本捏工程におけるパン生地物性変化の推移を試験して検討してみた。
1.試験内容
(1−1)材料
小麦粉は強力粉を、イーストはノーマルイーストを使用した。NaClは特級品を、吸水はイオン交換水を使用した。
(1−2)中種の調整
ナショナル製ピンミキサー用冷却ジャケット付きミキサーボール(アトー(株))に接続された循環冷却恒温装置を予め22℃に設定した。ミキサーボールに22℃のイオン交換水80g(対小麦粉40%)を注ぎ、イースト4.0g(対小麦粉2%)を添加し溶解した。ここに20℃に温度調節した小麦粉140g(対小麦粉70%)をふりいれ、ピンミキサー(ナショナル製)で1分間(250rpm)のミキシングを行なった。捏上生地温度は24.5±0.2℃であった。
中種をショートニングを塗ったポリプロピレン製容器(880ml容)に入れ、密閉しない程度に蓋をし、27.5℃、82%Rh(relative humidity)条件下で4時間20分発酵させた。中種終点温度は29.0±0.3℃であった。
(1−3)本捏生地の調整とミキシング電力の測定
ミキサーは上記と同様の条件で使用した。ミキシング電力測定と消費電力のデジタル信号への変換はアトー(株)製のドゥグラフAF−1200型を、データ処理はドゥグラフ専用プログラムソフト、Dougraph Ver.3.1(アトー(株))を使用した。ミキサーの空走電力を安定化させるためミキシング開始1時間前からミキサーの空走運転を行なった。
ミキサーボール(冷却水22℃設定)に22℃のイオン交換水50g(対粉25%)を注ぎ、上記1−2の項で調整した中種の全量、Nacl 4g(対小麦粉2%)を分散させ20℃に温度調節した小麦粉 60g(対小麦粉30%)をふり入れた。ミキシングとミキシング電力の測定は6分間とした。空走電力の測定のため、ミキシング開始前と終了後に10秒間の空運転を実施した。
最初に、前記消費電力測定装置により、ミキサーが生地を混捏するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に1秒間(前記単位時間)ごとに連続して測定する。
次に、前記信号変換装置により、該測定した電力値(アナログ信号)をデジタル信号に変換して、コンピュータ20へ送信する。該送信された測定した結果を表したグラフを図6として掲げる。
次に、該コンピュータ20で受信したデジタル信号から20秒間(前記抽出単位時間)ごとに移動平均値(前記移動平均区間を41秒間毎にし、また前記所定位置を当該41秒間毎の20秒間目とした)を算出して、記憶する。該移動平均値を集計した表を図7(a)として掲げる。また、該移動平均値を表した曲線グラフを図8(a)として掲げる。
次に、
(イ)最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイム(第3変化時点P3)を算出し、
(ロ)ピークタイム出現前に現れる、各混捏開始からの20秒間(前記抽出単位時間)毎に直ぐ次の20秒間(前記抽出単位時間)単位における電力値から、直ぐ前の20秒間単位の電力値を差し引いた値が、プラス最大値を示す混捏開始からの経過時間(第1変化時点P1=クリーンアップステージ開始時間)を算出し、
(ハ)第1変化時点P1から20秒間(前記抽出単位時間)が経過した時間(第2変化時点P2=ディベロプメントステージ開始時間)を算出し、
(ニ)前記ピークタイム出現後に初めて現れる、各混捏開始からの20秒間(前記抽出単位時間)毎に直ぐ次の20秒間(前記抽出単位時間)単位における電力値変化量から、直ぐ前の20秒間単位の電力値変化量を差し引いた値が、「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間(第4変化時点P4=レットダウンステージ開始時間)を算出する。
前記(ロ)のクリーンアップステージ開始時間を特定するためには、各混捏開始からの抽出単位時間(20秒間単位)毎に、直ぐ次の抽出単位時間(20秒間)後における電力値から、直ぐ前の電力値を差し引いた値を求め、そのプラス最大値を示す混捏開始からの経過時間を特定する。
また、前記(ニ)の第4変化時点P4(レットダウンステージ開始時間)を特定するためには、各混捏開始からの抽出単位時間(20秒単位)毎に、直ぐ次の抽出単位時間(20秒間)後における電力値変化量から、当該抽出単位時間の電力値変化量を差し引いた値を求め、この値が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を特定する。
これらの(イ)乃至(ニ)での各時点を前記集計表(図7(a))及び前記曲線グラフ(図8(a))上に印を付して表示したものをそれぞれ図7(b)及び図8(b)として掲げる。
そして、図8の移動平均値を表した曲線グラフ上に、図2の判定基準に従って判定した混和、ピックアップ、クリーンナップ、ディベロプメント、ファイナル及びレットダウンの各ステージを表示させる。
図8(c)においては、
1.第1変化時点P1(クリーンアップステージ「ステージ(II)」開始時期)
2.第2変化時点P2(ディベロプメントステージ「ステージ(III )」開始時期)
3.第3変化時点P3(ファイナルステージ「ステージ(IV)」開始時期)
4.第4変化時点P4(レットダウンステージ「ステージ(V )」開始時期)
このようにして、本実施例により判定したクリーンナップ、ディベロプメント、ファイナル及びレットダウンの各ステージにおける混捏生地の写真を図9として掲げる。
これらの写真の各混捏生地の特徴は、上述した従来から説明されてきたところの前記各混捏ステージにおけるそれぞれの生地の特徴とほぼ合致するものであった。このことから、本願発明による混捏中における生地物性変化判定の結果は、実際の混捏工程におけるパン生地の真の混捏状態を反映するものであることがわかる。
このように、本発明によれば、長年の経験を積んだ製パン職人が混捏中の生地の状態を観察したり、手で触ってみたりする必要がなく、経験のない素人や初心者でも、混捏開始時からの経過時間という客観的な指標に基づいて、油脂を添加すべき「パン生地のまとまり」時点や「ミキシング終点」を含む、前記パン生地の混捏工程における5段階を、直接かつ具体的に特定することができる。
〔実施例1−2〕
本願発明の混捏状態解析方法及びシステムの再現性の有無について確認した。
前記実施例1と同様の方法・条件で3回食パン生地の混捏を行ない、前記(イ)、(ロ)及び(ニ)の各時点を特定し、3回の相対標準偏差を求めた。
この結果、図10に掲げたとおり、前記(イ)、(ロ)及び(ニ)ともに相対標準偏差は10%以下であることから、再現性のあることが確認された。
〔実施例1−3〕
本願発明における移動平均値算出の所定位置の設定について確認した。具体的には、抽出単位時間ごとに移動平均値を算出するにあたり、該抽出単位時間を所定位置に包含する移動平均区間を設定するときに、該抽出単位時間を該移動平均区間内のどの辺の位置に置かれるようにするのか、この所定位置の相違が与える影響について確認した。本実施例では、該所定位置を該移動平均区間の開始時点、終了時点又は中心時点に設定して比較検討してみた。
先ず、パターン1〜3の移動平均をとってグラフにした。
ここで、パターン1〜3は以下の条件に従う。
パターン1・・・移動平均区間をミキシングの抽出単位時間(20秒)毎の前、後においてそれぞれ20秒間にわたって設定し(抽出単位時間が移動平均区間41秒間の中心時点に位置する)単位時間(1秒間)ごとに測定した消費電力データ(41点)を平均
パターン2・・・移動平均区間をミキシングの抽出単位時間(20秒)毎の前40秒間にわたって設定し(抽出単位時間が移動平均区間41秒間の終了時点に位置する)単位時間(1秒間)ごとに測定した消費電力データ(41点)を平均
パターン3・・・移動平均区間をミキシングの抽出単位時間(20秒)毎の後40秒間にわたって設定し(抽出単位時間が移動平均区間41秒間の開始時点に位置する)単位時間(1秒間)ごとに測定した消費電力データ(41点)を平均
結果を図11に示す。
また、各パターンにおいて、ミキシング段階の判断ポイントとなる第1変化時点P1(クリーンアップステージ「ステージ(II)」開始時期),第3変化時点P3(ピークタイム。ファイナルステージ「ステージ(IV)」開始時期)及び第4変化時点P4(レットダウンステージ「ステージ(V )」開始時)を特定した。
結果を図12に示す。
この結果から、以下のことが言える。
抽出単位時間毎に移動平均値を算出するにあたり、該抽出単位時間を所定位置に包含する移動平均区間の設定において、該所定位置の設定は、パターン1の方法、すなわち該移動平均区間を前部、中央部及び後部と略3等分したときに該中央部に属する時点に該所定位置が位置するようにすることが、最も、実際のパン生地の混捏工程における各混捏ステージの混捏状態を反映することができるものであり、望ましいことは、上述したところである(上記段落「0055」及び「0082」乃至「0086」参照)。しかし、パターン2及び3は、パターン1と相関性がある。すなわち、パターン2の方法の判定結果に移動平均区間の2分の1の値(20秒)を引くことでパターン1の値に換算することができる。同様に、パターン3では、移動平均区間の2分の1の値(20秒)を加えればよい。
即ち、上記所定位置が該前部に属する位置であると、該測定結果のグラフが左側にずれる、すなわち測定電力値が早めに上昇してピークに達し、早めに下降するデータのグラフとなり、従って前記生地混捏中における5段階の生地物性の変化を示す結果が、実際の混捏生地の状態よりも早めに現れることから、このままでは的確に混捏生地の状態を判定することができなくなるおそれがある。これに対して、該所定位置が該後部に属する位置であると、今度は逆に該測定結果のグラフが右側にずれる、すなわち測定電力値が遅めに上昇してピークに達し、遅めに下降するデータのグラフとなり、従って前記生地混捏中における5段階の生地物性の変化を示す結果が実際の混捏生地の状態より遅めに現れることから、このままでは同様に的確に混捏生地の状態を判定することができなくなるおそれがある。そして、どちらの場合にも、このようなおそれは、例えば、該移動平均区間が長くなるほど、また、該所定位置が該移動平均区間の中心位置からはなれるほど大きくなり、前記生地混捏中における5段階の生地物性の変化を示す結果が、実際の混捏生地の状態から乖離することになる。
しかし、このように該所定位置が該前部または後部に属する位置としたときには、本願発明の範囲から除外されるわけではなく、上述したとおり、該所定位置が該移動平均区間の中心位置から離れた時間分だけ、それぞれ右側へ、または左側へ該測定結果のグラフをずらして位置修正し、または移動平均値もしくは第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を加減して補正し、該位置修正した後のグラフまたは該補正後の数値に基づいて本願発明の処理工程を行なうことにより、このような問題を解決することができる。
〔実施例1−4〕
本願発明における好ましい移動平均値の移動平均区間の長さについて確認した。
該移動平均値を算出するにあたり、前記移動平均区間を11秒間、31秒間、41秒間及び61秒間と変えて、(それぞれ、該移動平均区間内に抽出単位時間が置かれる所定位置及び抽出単位時間ともに5秒間、15秒間、20秒間及び30秒間と変えて、すなわち、該移動平均区間がいずれの場合にも、該移動平均区間内に抽出単位時間が置かれる所定位置を該移動平均区間の中心時点となるようにして)設定して移動平均値を算出し、この曲線グラフを作成・表示してみた。
結果を図13に示す。
この結果、少なくとも、移動平均区間を21秒間〜61秒間に設定するときには、該移動平均値を表す曲線グラフは消費電力値の測定結果の滑らかな変化の推移を示すものであり、前記(イ)乃至(ニ)の特定のための処理工程の実施に好適であることが判る。特に、移動平均区間を31秒間〜51秒間に設定することが望ましい。
〔実施例1−5〕
本願発明における好ましい移動平均値の抽出単位時間の設定について確認した。
該移動平均値を算出するにあたり、前記抽出単位時間を5秒間、15秒間、20秒間及び30秒間と変えて(それぞれ、移動平均区間内に抽出単位時間が置かれる所定位置は同様の時間に設定し、又移動平均区間をそれぞれ11秒間、31秒間、41秒間及び61秒間と変えて)設定して移動平均値を算出し、この曲線グラフを作成・表示してみた。
結果を図13に示す。
この結果、前記抽出単位時間が5秒間(移動平均区間11秒)では滑らかな曲線にならず前記抽出単位時間が30秒(移動平均区間61秒)を超えると曲線が単純化されすぎており、いずれもミキシング段階を特定することができなかった。したがって、抽出単位時間は10〜30秒間が望ましく、15〜25秒間がより望ましく、15〜20秒間とすることが最適である。
〔実施例2〕
次に、実施例1とは別に、食パン生地を中種法で混捏するときの本捏工程におけるパン生地物性変化の推移を検討してみた。消費電力の測定方法・条件・移動平均値の算出方法・条件及び前記(イ)乃至(ニ)を特定する方法は、前記実施例1と同様とした。
まず、該移動平均値及び前記(ロ)及び(ニ)を特定するために抽出単位時間毎に計算した結果をまとめた。
結果を図14に示す。
次に、該移動平均値を表した曲線グラフ上に各時点の印をそれぞれ表示するとともに、混和、ピックアップ、クリーンナップ、ディベロプメント、ファイナル及びレットダウンの各ステージを表示させた。
その結果を図15に示す。
このようにして、本実施例により判定した前記混和・ピックアップ、クリーンアップ、ディベロプメント、ファイナル及びレットダウンの各ステージにおけるそれぞれの混捏生地の特徴は、前記実施例1と同様に、上述した従来から説明されてきたところの前記各混捏ステージにおけるそれぞれの生地の特徴とほぼ合致するものであった。このことから、本願発明による混捏中における生地物性変化判定の結果は、実際の混捏工程におけるパン生地の真の混捏状態を反映するものであることがわかる。
〔実施例2−2〕
ここでも再び、本願発明の判定方法及びシステムの再現性の有無について確認した。
前記実施例2と同様の方法・条件で3回食パン生地の混捏を行ない、前記(イ)、(ロ)及び(ニ)の各時点を特定し、3回の相対標準偏差を求めた。
この結果を図16に示す。この結果から、前記(イ)、(ロ)及び(ニ)ともに相対標準偏差は10%以下であることから、再現性のあることが確認できた。
〔実施例3〕
次に、上記第三の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムを用いて、ストレート法,液種法,100%中種法及び70%中種法の4種の製パン法により食パン生地を混捏するときの本捏工程におけるパン生地物性変化の推移を試験して検討してみた。
各製パン法における材料の配合を、図17に示す。
また、各製パン法の工程を、図18に示す。
そして、各製パン法の混捏工程(中種法では本捏工程)において、上記実施例と同様の方法で、混捏開始から経時的にミキサーが消費する電力値を測定し、抽出単位時間(20秒間)ごとに、移動平均の移動平均区間を41秒間に設定し、該移動平均区間内に該抽出単位時間が置かれる所定位置をその中心時点に設定して、移動平均値を算出し、該移動平均値の集合において、第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出し、算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成して該曲線グラフ上に印を付して表示した。
結果を図19乃至図22に示す。この結果から、本システムは、各種製法において適用できた。
また、各製パン法において、360秒間のミキシングを実施したときの各ミキシング段階の長さを製法毎に示した。結果を図23に示す。
この結果から、中種を使用する製法では、中種の割合が多いほどクリーンアップ開始(生地のまとまり)が早い。液種法,ストレート法は中種法に比べて生地のクリーンアップ開始(生地のまとまり)が遅く、ミキシング終了まで(ファイナル終了時期)に要する時間も長い。これらの傾向は、現実の製パン工程における製法別のミキシングの傾向を良く反映するものであった。
〔実施例4〕
更に、実施例3の上記各製法において、従来法(ATTO)における生地軟化時間と、本実施例に係る方法におけるレットダウン開始時間(第4変化時点P4)との比較を行なった。
結果を図24に示す。
この結果から、従来法(ATTO)における生地軟化時間は、本実施例に係る方法におけるレットダウン開始時間(第4変化時点P4)より、50〜100秒程度遅く出現する。
従って、該従来法における生地軟化時間をパン生地のミキシング終点の判断基準であるとして、生地軟化時間でミキシングを終了させるならば、オーバーミキシングとなると言うことがいえる。即ち、従来法で特定することのできる軟化時間と本実施例において特定したレットダウン開始時期は同一のものではなく、前者は後者よりも約1分以上も遅く現れることが判る。このように、本発明に関わる方法のみで、ミキシング終点の見極めの判断基準となるファイナル開始時期が特定可能である。
本発明の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムを示す図である。 本発明の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、小麦粉生地の5段階の混捏過程の特定方法(または定義)内容を表にした図である。 本発明の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、表示される電力値の移動平均値を表す曲線グラフを示す図である。 本発明の第一及び第四の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、コンピュータの構成を示す図である。 本発明の第二及び第三の実施の形態に係る小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、コンピュータの構成を示す図である。 本発明の実施例に係り、電力測定装置と信号変換装置により測定した電力値を表したグラフ図である。 本発明の実施例に係り、測定した電力値に基づいて算出されるデータを示す表図であり、(a)は本捏ミキシング時間と移動平均電力値の変化を示す表図、(b)は本捏ミキシング時間と移動平均電力値の変化を示す表図であって判断の根拠となるポイントを示した表図である。 本発明の実施例に係り、(a)は電力値の移動平均値を表したグラフ図、(b)は電力値の移動平均値を各変化時点とともに示すグラフ図、(c)は電力値の移動平均値を各変化時点及びミキシング段階とともに示すグラフ図である。 本発明の実施例に係り、各変化時点での生地の状態を示す図面代用写真である。 本願発明の実施例に係り、混捏状態解析方法及びシステムの再現性の有無を確認するために求められ、各変化時点におけるミキシング時間に係るデータを示す表図である。 本願発明の実施例に係り、移動平均値算出の所定位置の設定について確認するために求められ、パターン1〜3の移動平均をとったデータを示すグラフ図である。 本願発明の実施例に係り、上記パターン1〜3の移動平均値に基づいて算出した各変化時点の異同を示す表図である。 移動平均区間の幅とミキシング曲線との関係を示す図である。 本願発明の実施例に係り、移動平均値及び各変化時点を特定するために単位時間毎に計算した結果をまとめた表図である。 本願発明の実施例に係り、移動平均値及び各変化時点を表したグラフ図である。 本願発明の実施例に係り、混捏状態解析方法及びシステムの再現性の有無を確認するために求められ、各変化時点におけるミキシング時間に係るデータを示す表図である。 本願発明の実施例に係り、ストレート法,液種法,100%中種法及び70%中種法の4種の製造法により製造する食パン生地の配合を示す表図である。 本願発明の実施例に係り、ストレート法,液種法,100%中種法及び70%中種法の4種の製造法の工程を示す表図である。 本願発明の実施例に係り、ストレート法におけるミキシング時の電力値の移動平均値を各変化時点とともに示すグラフ図である。 本願発明の実施例に係り、液種法におけるミキシング時の電力値の移動平均値を各変化時点とともに示すグラフ図である。 本願発明の実施例に係り、100%中種法におけるミキシング時の電力値の移動平均値を各変化時点とともに示すグラフ図である。 本願発明の実施例に係り、70%中種法におけるミキシング時の電力値の移動平均値を各変化時点とともに示すグラフ図である。 本発明の実施例に係り、各製造法において、360秒間のミキシングを実施したときの各ミキシング段階の長さを製法毎に示したグラフ図である。 本発明の実施例に係り、各製造法において、従来法(ATTO)における生地軟化時間と、本実施例に係る方法におけるレットダウン開始時間(第4変化時点P4)との比較を行なった結果を示すグラフ図である。 従来の小麦粉生地の混捏状態解析システムにおけるミキシング時の電力値を示すグラフ図である。
符号の説明
K 生地
1 ミキサー
2 ミキサーボックス
3 モータ
4 攪拌部
10 消費電力測定装置
12 信号変換装置
20 コンピュータ
(I ) 混和・ピックアップステージ(「ステージ(I )」)
(II) クリーンアップステージ(「ステージ(II)」)
(III ) ディベロプメントステージ(「ステージ(III )」)
(IV) ファイナルステージ(「ステージ(IV)」)
(V ) レットダウン・ブレークダウンステージ
P1 第1変化時点
P2 第2変化時点
P3 第3変化時点
P4 第4変化時点
20 コンピュータ
21 移動平均値算出手段
22 記憶手段
23 曲線グラフ作成手段
24 変化時点算出手段
25 出力手段
30 表示部

Claims (12)

  1. 少なくとも小麦粉及び水を含む原料をミキサーにより混捏して小麦粉生地を形成する際、混捏開始から経時的に前記ミキサーが消費する電力値を測定し、該混捏過程での小麦粉生地の物性の変化に起因する電力値の変化時点を指示して当該小麦粉生地の混捏状態を解析する小麦粉生地の混捏状態解析方法において、
    前記小麦粉生地の混捏過程を、混和・ピックアップステージ(以下「ステージ(I )」という),クリーンアップステージ(以下「ステージ(II)」という),ディベロプメントステージ(以下「ステージ(III )」という),ファイナルステージ(以下「ステージ(IV)」という),レットダウン・ブレークダウンステージ(以下「ステージ(V )」という)の5段階に分けたときに、ステージ(I )の終了時点を第1変化時点P1,ステージ(II)の終了時点を第2変化時点P2,ステージ(III )の終了時点を第3変化時点P3,ステージ(IV)の終了時点を第4変化時点P4として、
    前記測定された電力値から抽出単位時間ごとの移動平均値を算出し、
    経過時間を横軸にとり、移動平均電力値を縦軸にとって移動平均値をプロットして曲線を描いたときに、
    該グラフが最大値を示すピークタイムを前記第3変化時点P3とし、
    前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、
    該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、
    前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として特定することを特徴とする小麦粉生地の混捏状態解析方法。
  2. 前記移動平均値の算出を、
    経過時間を横軸にとり、移動平均電力値を縦軸にとって移動平均値をプロットして曲線グラフを描いたときに、該グラフが最大値を示すピークタイムまでは一定でない上昇率で連続的に上昇し、且つピークタイム後は一定でない下降率で連続的に下降するようになるように該抽出単位時間及び移動平均区間を設定して行うことを特徴とする請求項1に記載の小麦粉生地の混捏状態解析方法。
  3. 前記移動平均値の算出を、
    移動平均区間を前部、中央部及び後部の各位置と略3等分したときの中央部に属する時間位置で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の小麦粉生地の混捏状態解析方法。
  4. 前記移動平均値の算出を、
    移動平均区間は、21秒間〜61秒間で、抽出単位時間は、10秒間〜30秒間で、行うことを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の小麦粉生地の混捏状態解析方法。
  5. 前記第1変化時点P1は、以下の微分式で求めることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の小麦粉生地の混捏状態解析方法。
  6. 前記第4変化時点P4は、以下の微分式で求めることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の小麦粉生地の混捏状態解析方法。
  7. 少なくとも小麦粉及び水を含む原料をミキサーにより混捏して小麦粉生地を形成する際、混捏開始から経時的に前記ミキサーが消費する電力値を測定し、該混捏過程での小麦粉生地の物性の変化に起因する電力値の変化時点を指示して当該小麦粉生地の混捏状態を解析する小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、
    前記ミキサーが少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定する消費電力測定手段と、
    前記小麦粉生地の混捏過程を、経時的に、混和・ピックアップステージ(「ステージ(I )」),クリーンアップステージ(「ステージ(II)」),ディベロプメントステージ(「ステージ(III )」),ファイナルステージ(「ステージ(IV)」),レットダウン・ブレークダウンステージ(「ステージ(V )」)の5段階に分けたときに、ステージ(I )の終了時点を第1変化時点P1,ステージ(II)の終了時点を第2変化時点P2,ステージ(III )の終了時点を第3変化時点P3,ステージ(IV)の終了時点を第4変化時点P4として、該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出するコンピュータとを備え、
    前記コンピュータは、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、該移動平均値算出手段が算出した移動平均値を記憶する記憶手段と、該電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成する曲線グラフ作成手段と、前記曲線グラフ上において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を前記曲線グラフ上に印を付して表示部に表示させる出力手段とを備えたことを特徴とする小麦粉生地の混捏状態解析システム。
  8. 少なくとも小麦粉及び水を含む原料をミキサーにより混捏して小麦粉生地を形成する際、混捏開始から経時的に前記ミキサーが消費する電力値を測定し、該混捏過程での小麦粉生地の物性の変化に起因する電力値の変化時点を指示して当該小麦粉生地の混捏状態を解析する小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、
    前記ミキサーが少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定する消費電力測定手段と、
    前記小麦粉生地の混捏過程を、経時的に、混和・ピックアップステージ(「ステージ(I )」),クリーンアップステージ(「ステージ(II)」),ディベロプメントステージ(「ステージ(III )」),ファイナルステージ(「ステージ(IV)」),レットダウン・ブレークダウンステージ(「ステージ(V )」)の5段階に分けたときに、ステージ(I )の終了時点を第1変化時点P1,ステージ(II)の終了時点を第2変化時点P2,ステージ(III )の終了時点を第3変化時点P3,ステージ(IV)の終了時点を第4変化時点P4として、該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出するコンピュータとを備え、
    前記コンピュータは、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、該移動平均値算出手段が算出した移動平均値を記憶する記憶手段と、該電力値の移動平均値を表す仮想曲線グラフ上において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、前記ピークタイム出現前に現れ前記曲線が最大傾斜角度を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、前記抽出単位時間毎の曲線の傾斜角度の差が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を曲線グラフ、表グラフ又は数値により表示部に表示させる出力手段とを備えたことを特徴とする混捏状態解析システム。
  9. 前記第1変化時点P1は、以下の微分式で求めることを特徴とする請求項7又は8記載の小麦粉生地の混捏状態解析システム。
  10. 前記第4変化時点P4は、以下の微分式で求めることを特徴とする請求項7乃至9何れかに記載の小麦粉生地の混捏状態解析システム。
  11. 少なくとも小麦粉及び水を含む原料をミキサーにより混捏して小麦粉生地を形成する際、混捏開始から経時的に前記ミキサーが消費する電力値を測定し、該混捏過程での小麦粉生地の物性の変化に起因する電力値の変化時点を指示して当該小麦粉生地の混捏状態を解析する小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、
    前記ミキサーが少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定する消費電力測定手段と、
    前記小麦粉生地の混捏過程を、経時的に、混和・ピックアップステージ(「ステージ(I )」),クリーンアップステージ(「ステージ(II)」),ディベロプメントステージ(「ステージ(III )」),ファイナルステージ(「ステージ(IV)」),レットダウン・ブレークダウンステージ(「ステージ(V )」)の5段階に分けたときに、ステージ(I )の終了時点を第1変化時点P1,ステージ(II)の終了時点を第2変化時点P2,ステージ(III )の終了時点を第3変化時点P3,ステージ(IV)の終了時点を第4変化時点P4として、該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出するコンピュータとを備え、
    前記コンピュータは、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、該移動平均値算出手段が算出した移動平均値を記憶する記憶手段と、前記電力値の移動平均値の集合において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、該ピークタイム出現前に現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値から当該抽出単位時間の電力値を差し引いた値がプラス最大値を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値変化量から当該抽出単位時間の電力値変化量を差し引いた値が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を曲線グラフ、折れ線グラフ、表グラフ又は数値等により表示部に表示させる出力手段とを備えたことを特徴とする小麦粉生地の混捏状態解析システム。
  12. 少なくとも小麦粉及び水を含む原料をミキサーにより混捏して小麦粉生地を形成する際、混捏開始から経時的に前記ミキサーが消費する電力値を測定し、該混捏過程での小麦粉生地の物性の変化に起因する電力値の変化時点を指示して当該小麦粉生地の混捏状態を解析する小麦粉生地の混捏状態解析システムにおいて、
    前記ミキサーが少なくとも小麦粉及び水を含む原料を混捏して生地を形成するにあたり消費する電力値を混捏開始から経時的に単位時間毎に連続して測定する消費電力測定手段と、
    前記小麦粉生地の混捏過程を、経時的に、混和・ピックアップステージ(「ステージ(I )」),クリーンアップステージ(「ステージ(II)」),ディベロプメントステージ(「ステージ(III )」),ファイナルステージ(「ステージ(IV)」),レットダウン・ブレークダウンステージ(「ステージ(V )」)の5段階に分けたときに、ステージ(I )の終了時点を第1変化時点P1,ステージ(II)の終了時点を第2変化時点P2,ステージ(III )の終了時点を第3変化時点P3,ステージ(IV)の終了時点を第4変化時点P4として、該第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を算出するコンピュータとを備え、
    前記コンピュータは、前記電力値から抽出単位時間ごとに移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、該移動平均値算出手段が算出した移動平均値を記憶する記憶手段と、該電力値の移動平均値を表す曲線グラフを作成する曲線グラフ作成手段と、前記電力値の移動平均値の集合において、最大の電力値を示す混捏開始からの経過時間としてのピークタイムを前記第3変化時点P3とし、該ピークタイム出現前に現れる、各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値から当該抽出単位時間の電力値を差し引いた値がプラス最大値を示す混捏開始からの経過時間を第1変化時点P1とし、該第1変化時点P1から前記抽出単位時間が経過した時間を第2変化時点P2とし、前記ピークタイム出現後に初めて現れる各混捏開始時間からの抽出単位時間毎に、直ぐ次の抽出単位時間における電力値変化量から当該抽出単位時間の電力値変化量を差し引いた値が「負」から「正」又は「0」へ転換する混捏開始からの経過時間を前記第4変化時点P4として算出する変化時点算出手段と、該算出された第1乃至第4変化時点(P1〜P4)を前記曲線グラフ上に印を付して表示部に表示させる出力手段とを備えたことを特徴とする小麦粉生地の混捏状態解析システム。
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