JP4247409B2 - 微生物を用いた放射性物質の除去方法及び除去組成物 - Google Patents

微生物を用いた放射性物質の除去方法及び除去組成物 Download PDF

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Description

本発明は放射性物質の処理に関し、より詳細にはユーグレナを用いた放射性物質の処理に関する。
放射性核種の人体や生態系に与える影響は良く知られており、放射性廃棄物の安全な処理方法が望まれている。
様々な放射性核種のうち、テクネチウムの同位体の一種である質量数99のテクネチウム(99Tc)はウランの核分裂反応の副生成物であり、半減期が21万年と極めて長いという特徴を有する。このため、環境への蓄積や食物連鎖などを通じて人へ与える影響が懸念される。これらのことから、再処理施設や放射性廃棄物処理の長期的な安全評価において、99Tcは最も注目すべき核種の一つであるとされている。放射性廃棄物中あるいは地上生物圏において、99Tcは主に過テクネチウム酸イオン(99TcO4 -)として存在している。この化学形態は水に溶けやすく、その結果、環境中を移動しやすいことが知られている。
従来、この元素を溶液中から生物的に除く手法として、細菌を用いた方法が検討されてきた(例えば、非特許文献1参照)。細菌は細胞サイズが非常に小さいため、比表面積(単位重量当たりの表面積)が非常に大きい。つまり、細胞表面がテクネチウムを含む溶液と接する面積が非常に広いために効率よく溶液中からテクネチウムが除去できる。しかしながら、テクネチウムを溶液から除去する細菌の能力は、嫌気的条件下でのみ発揮されるため、細菌を用いたテクネチウムの除去には、絶えず溶液を嫌気的な状態に保つ必要がある。このようなテクネチウムを含む溶液を絶えず嫌気的に保つための嫌気培養装置の維持管理には多大なコストがかかり、問題であった。そこで、好気的な条件下でテクネチウムを溶液中から生物的に除く方法について検討した。
J.Henrot, Health Physics, Vol.57, No.2 (August), pp.239-245 (1989)
本発明の目的は、好気的条件下で放射性核種を溶液中から簡便に除去する方法及び前記方法に用いることができる除去組成物を提供することである。
本発明者らは、放射性核種を含有する溶液を、好気的な培養条件においてユーグレナにより処理することにより、放射性核種が除去されることを見出した。
すなわち、本発明は、ユーグレナを用いることを特徴とする、放射性核種を溶液から除去する方法を提供する。
また、本発明は、ユーグレナの生存に適した溶液中でユーグレナと放射性核種を接触させることにより、前記放射性核種をユーグレナへ移行させ、次に前記放射性核種を含むユーグレナと前記溶液とを分離することにより、放射性核種を溶液から除去する方法、を提供する。
本発明はまた、ユーグレナの生細胞を含む、放射性核種除去用組成物、を提供する。
本発明の方法及び組成物により、放射性核種、特にテクネチウムを簡便に溶液から、除去、分離することができる。特に好気的な条件において除去することが可能であり、また、振とう培養や培養のメンテナンスはほとんど必要なく、簡便に放射性核種の除去を行なうことができる。
本発明の方法及び組成物について以下説明する。
本発明の放射線核種を溶液から除去する方法は、ユーグレナを用いることを特徴とする。より具体的には、ユーグレナの生存に適した溶液中でユーグレナと放射性核種を接触させることにより、前記放射性核種をユーグレナへ移行させ、次に前記放射性核種を含むユーグレナと前記溶液とを分離することにより、放射性核種を溶液から除去する方法である。
ユーグレナ(Euglena)とは、動物学と植物学の双方の分類表に記載される属であり、淡水中に広く分布している。ユーグレナは一般に紡錘形をしているが、「ユーグレノイド(euglenoid)運動」と呼ばれる現象によって多様な形状を示すことがある。この短細胞微生物は光合成を行なうことができる一方、従属栄養的にも増殖できる(「ユーグレナ−生理と生化学」、p1〜3、北岡正三郎編、学会出版センター、1989年12月10日発行)。
本明細書において、ユーグレナとは、動物学または植物学の分類上ユーグレナ属に属する種、変種、変異種の全てを含む。
ユーグレナ属に含まれる種としては、数十種にのぼる種が知られているが、本発明の方法において使用可能な種として、例えば以下の種が挙げられる: Euglena acus, Euglena caudata, Euglena chadefaudii, Euglena deses, Euglena ehrenbergii, Euglena geniculata, Euglena glacilis, Euglena granulata, Euglena intermedia, Euglena mutabilis, Euglena oxyuris, Euglena pisciformis, Euglena proxima, Euglena sanguinea, Euglena sociabilis, Euglena spirogyra, Euglena stellata, Euglena tripteris, Euglena viridis
ユーグレナは、共通して細胞全体に前端から後端にかけてらせん状の多数の条溝を有している。また、細胞を覆う細胞外膜は、他の生物と比べて極めて特徴的であり、ペリクルと呼ばれている。ペリクルは、原形質膜、膜骨格、微小管、繊維などより成っており、膜骨格の下には小胞体と粘質体が分布している(「ユーグレナ−生理と生化学」、p4〜7、北岡正三郎編、学会出版センター、1989年12月10日発行)。このように、ユーグレナは、他の生物と異なる膜構造に特徴を有する。本発明において、テクネチウム等の放射性核種がユーグレナ中に取り込まれるメカニズムは明らかではないが、ユーグレナ属一般のこのような膜構造が、テクネチウムの取り込みに寄与していることが考えられる。
これらの種のうち好ましくは、1)酸性条件を好む;2)培養が容易である;3)増殖速度が速い;4)最大個体群密度が高い、の条件を満たす種が好ましい。このような条件を満たす種のうち、更にユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)が好ましい。
ユーグレナの死んだ細胞では放射線核種の取り込みは見られなかったことから、本発明の方法において、ユーグレナの生細胞と放射線核種とを接触させることが必要であると考えられる。
従って、本発明の方法では、ユーグレナの生存に適する条件下において放射線核種と接触させればよい。ユーグレナの生存に適する条件とは、例えば、「ユーグレナ−生理と生化学」、北岡正三郎編、学会出版センター、1989年12月10日発行、に記載されるような培養条件などである。
ユーグレナは好気的条件下で生育できるため、本発明の方法は好気的に行なうことができ、従来の嫌気的条件下で行なう微生物による放射性核種の除去方法に比べて利点を有する。
ユーグレナの培養に適する培地として、TYG培地、Cramer-Myers培地、Hutner培地、Koren-Hutner培地等が挙げられる。好ましくは、TYG培地が挙げられる。ユーグレナの培地の多くは合成において多くの有機物、無機塩類および微量元素を要求するが、TYG培地はトリプトン、酵母抽出物、グルコース、ビタミンB12から合成される非常に単純な構成要素の培地である。これにより培地作成のための費用と時間が節約できる。さらに、この培地においてユーグレナ・グラシリスは短時間で106 cells/mlを越える細胞密度となる。
ユーグレナは通常、培地条件等を変えることによりpH3〜8の広い領域で生育するが、テクネチウム除去に関してはpH7.0以下で培養することが好ましく、更にpH6.5以下で培養することがより好ましい。またユーグレナが良好な生育を示すpH3.5付近(pH3.0〜4.0)での培養は、放射性核種の除去がより効率よく行なわれるため最も好ましい。なお、通常、培地調製時に培地を適するpHに調整するが、培養中に、混入物や大気中の炭酸等様々な影響によりpHが変化し得ることは微生物の培養において知られている事実である。従って、上述したpH範囲も、培地のpHが通常の培養中に変化する程度において、変化し得ると理解することができる。
温度条件は、ユーグレナが生育できる温度であれば特に制限は無い。通常、34℃程度まで温度を上げることが可能である。
本発明の方法において、ユーグレナの生存に適した溶液とは、上述したような条件下の、ユーグレナが生存し得る溶液を意味する。
ユーグレナの接種量は特に限定されないが、接種した時の細胞密度が高いほど、テクネチウムの除去速度は速い。具体的には、106cell/mlより高い方が好ましい。
ユーグレナは光をエネルギー源として独立栄養的の生育できる一方で、同時に有機物をエネルギー源とする従属的な生育もできる。ただし、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)Z株の葉緑体変異株を以下に述べるように作製し、テクネチウムの除去実験を行なったところ、ユーグレナグラシリス株と同様にテクネチウムを除去することができた。このことから、テクネチウム除去において光条件は重要ではないと考えられる。
葉緑体変異株の作製方法は次のように行なった。TYG培地(pH 3.5)に抗生物質ストレプトマイシンを最終濃度が500μg/mLとなるように加えた培地でユーグレナを25℃、2500 Lux、12時間明暗サイクルの条件で1週間培養した。培養後、培養液をTYG寒天平板(TYG培地に1.5%の寒天を加えて作製した寒天平板培地)に塗布し、10日後、寒天上に得られた白色、および黄色のコロニーを単離した。通常のZ株はこの寒天培地上に緑色のコロニーを形成する。単離した白色および黄色のコロニーそれぞれを葉緑体変異株SmW、およびSmYとして、テクネチウム除去実験に供した。葉緑体変異SmW、およびSmYの光合成機能欠損は、これらの細胞のクロロフィルaを定量し、検出限界以下であることにより確認した。
本発明の方法により、除去可能な放射性核種としては、テクネチウム等が挙げられる。
本発明の方法により、上記放射性核種のうち、特にテクネチウムの除去を効率的に行なうことができる。テクネチウムには、97Tc,98Tc,99Tc及び99mTcを始めとして20種類以上の同位体が存在するが、いずれも放射線を放出するものであって、安定な同位体は存在しない。本発明においてテクネチウムとしてはこれら全ての同位体を含むものとする。
上記同位体のうち、99Tcはウランの核分裂反応の副生成物であり、原子炉の使用済み核燃料中に多量に存在し、半減期が21万年程度と長いため、産業的には最も重要な核種の一つである。99Tcは自然界において主に、水に溶解しやすい、過テクネチウム酸イオン(99TcO4 -)として存在している。本発明においてテクネチウムという場合には、過テクネチウム酸イオン(99TcO4 -)のようなテクネチウム(99Tc)を含む化学種も包含する。その他の化学種として、例えば[Tc(CO)]5 -, Tc2+, TcO2 -, TcO2, TcO(OH)+,TcO(OH)2, TcO3 -, TcF6, TcO3F, Tc27等が挙げられる。
本発明の方法において、放射線核種を取り込んだユーグレナを溶液から分離するには、ろ過、デカンテーション等、通常、固相と液相を分離する方法として公知の方法により分離することができ、このようにして放射線核種が含まれていた溶液から放射線核種を除去することができる。ろ過の場合にはユーグレナを捕集できる孔径のフィルターを用いればよく、例えばユーグレナ・グラシリスを用いる場合には0.2μm程度のフィルターでろ過することにより、ユーグレナを捕集することができる。
本発明のユーグレナの生細胞を含む放射線核種除去用組成物とは、ユーグレナの生細胞を含む組成物であればよく、具体的には、培養液等の溶液中にユーグレナ生細胞を含む組成物が挙げられる。培養液の組成については、上述したユーグレナの培養に用いられる公知の成分等を用いることができる。
以下の実験を行なった。実験手順の概略について図1に記載した。
1)表1の培養液(TYG培地)を作成し、オートクレイブ滅菌(121℃、15分)した。
Figure 0004247409
*1:Difco社製bacto yeast extract
*2:培地調製時のpH
2)50mL容の遠沈管(材質:ポリプロピレン)に1)で作製したTYG培地30mLを添加した。
3)TYG培地にユーグレナ・グラシリスZ株を接種した。接種量は約103〜106 cells/mlで行った。
4)ユーグレナ・グラシリスZ株を接種した培養液に、99Tc(99TcO4 -の化学形態:NH4TcO4の0.01M程度のアンモニア水溶液)を孔径0.2μmのセルロースアセテイトフィルターで濾過滅菌した後添加した。99Tcの添加量は、培地100μlに含まれる99Tcのラジオアクティビティが15000cpmとなるように調整した。
5)20℃、12時間明暗サイクルで静置培養した。
6)細胞の増殖は濁度により測定した。藻類細胞の濁度はHITACH U3210分光光度計を用い、藻類未添加の培養液をリファレンスとして、藻類培養液の波長750nmの吸光度として測定した。
7)99Tcのラジオアクティビティーを液体シンチレーションカウンターを用いて以下のように測定した。
a)培養液を孔径0.2μmのセルロースアセテイトフィルターで濾過した。
b)濾液100μlを液体シンチレーションカクテル4mLと混合した。
c)25〜290 Kevのcpmを測定した。
培養開始時に添加したテクネチウムは、孔径0.2μmフィルターで濾過滅菌した99TcO4 -であるから、培養期間中に99TcO4 -に物理化学的変化がなければ培養液を濾過したその濾液中に含まれるはずである。しかし、濾液中の99Tcを測定したところ、当初量より減少していた。これは、99TcO4 -がユーグレナ・グラシリスZ株細胞に取り込まれたり、あるいは吸着されて、培養液を孔径0.2μmフィルターで濾過したときに、ユーグレナ・グラシリスZ株細胞と共にこのフィルター上に捕集される。つまり、培養液を濾過することにより、フィルターに99Tcが捕集されたためと考えられる。また、培養液中に添加した99Tcの半減期は21万年と非常に長いために、培養期間(数ヶ月)の間に1元素当たりのラジオアクティビティが減少することはない。以上のことをふまえて、ユーグレナ・グラシリスZ株により培養液中から除かれた99Tcの相対量を以下のようにして求めた:
Figure 0004247409
ここで、RRAはユーグレナ・グラシリスZ株による培養液からの99Tc相対除去量、Tは99Tc添加直後に培養液を濾過したその濾液中のラジオアクティビティ、そしてDは培養後の濾液中の99Tcラジオアクティビティを意味する。
以上のように、培養液中のユーグレナ細胞数と、99Tc量の経時変化を求めた結果、ユーグレナ細胞は対数増殖期から定常期にかけて溶液中からテクネチウムを除去することを見出した(図2)。また、一度ユーグレナによって除かれたテクネチウムは、ユーグレナ細胞に維持されることがわかった。
比較例として、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgaris)及びクラミドモナス・プルサチラ(Chlamydomonas pulsatilla)を用いて同様にテクネチウム除去の実験を行なったところ、テクネチウムを除去することはできなかった(データは示していない)。
放射性廃棄物の好気的処理に利用することが可能である。
実施例の手順を説明した図である。 実施例の結果を示した図である。

Claims (5)

  1. 好気的条件下において、ユーグレナの生存に適した溶液中でユーグレナとテクネチウムを接触させることにより、前記テクネチウムをユーグレナへ移行させ、次に前記テクネチウムを含むユーグレナと前記溶液とを分離することにより、テクネチウムを溶液から除去する方法。
  2. ユーグレナがユーグレナ・グラシリスである、請求項1に記載の方法。
  3. pH3.0〜6.5の条件下でテクネチウムの除去を行なうことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. テクネチウムが過テクネチウム酸イオン( 99 TcO 4 - )として溶液中に存在する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の方法に用いるための、ユーグレナの生細胞を含む、テクネチウム除去用組成物。
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