JP4245282B2 - 書き込み遅延データベース管理方法、装置、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、データベース管理方法、システム、プログラム、及び記録媒体に関し、より詳細には、例えば文書管理システムのように更新と検索が頻繁に発生するデータベースシステムに適用可能な、データベースの更新及び検索の処理を行うためのデータベース管理方法、システム、プログラム、及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
リレーショナルデータベースはデータを表で表現して扱う。表はタプルの集合であり、タプルは属性値の並びである。表の実体はファイルに格納される。
データベースに対する操作は、検索操作、挿入操作、更新操作、及び削除操作に分けることができる。検索操作は属性値に関する条件を検索条件として与えてそれに合致するタプルの集合を得る操作である。挿入操作は与えられた属性値を持った新たなタプルを表に挿入する操作である。更新操作は表から選び出されたタプルの属性値を新たな値に変更する操作である。削除操作は表から選び出されたタプルを削除する操作である。挿入(Insert)操作、更新(Update)操作、削除(Delete)操作をまとめてここでは変更操作と呼ぶことにする。
【0003】
リレーショナルデータベースで代表されるデータベースを用いたシステムで重要視される性能のひとつは検索操作に対する応答時間である。検索操作に対する応答時間を短縮するために用いられる方法は索引ファイルの導入である。索引ファイルはひとつ又は複数の属性値を特定の構造に変換することでそれらの属性値に関する条件を高速に評価できるようにしたものとして一般化することができる。
【0004】
一方、変更操作においては索引ファイルの更新にかかる時間が性能を低下させる原因となっている。これまでは変更操作に対する応答時間で測られる性能は重要視されてこなかった。それは検索操作に比べて変更操作の要求頻度が少ないこと、利用形態として通常はおもに検索操作のみが実行され、大量の変更操作は夜間などにシステムを停止した状態で行うことができること、などの状況によっている。
【0005】
しかし、オンラインシステムのようにリアルタイム性が求められる場合においては変更操作に対する応答時間が重要視される。このような問題に対し、例えば、特開平10−143412号公報の「データベース管理システム」では、データベースへの書き込みを磁気ディスクに反映する前に不揮発性メモリに一時的に保持して、該当データの参照には磁気ディスクの代わりに不揮発性メモリをディスクキャッシュとして用いている。しかしながら、ディスクキャッシュには構造が単純なデータしかおくことができず、高機能の索引ファイルを用いることはできないという問題が生じる。
【0006】
データベースシステムを複数のユーザが同時に利用する場合、検索操作と変更操作が非同期に要求される。このときにデータの一貫性を保つためにトランザクション処理が用いられる。トランザクション処理については[1]「“トランザクション処理システム入門” フィリップ・A・バーンスタイン、エリック・ニューカマー 日経BP社」に詳しく説明されている。
【0007】
トランザクションを完全に隔離するとデータの一貫性がどの時点においても保証されるようになるが、同時実行性の低下によって全体のスループットが著しく低下する場合がある。この問題を回避するためにアイソレーションレベルの概念が用いられる。アイソレーションレベルについては[2]「“A Critique of ANSI SQL Isolation Levels” HalBerenson, Philip A Bernstein, Jim Gray, Jim Melton, Elizabeth J. O’Neil, Patrick E. O,Neil Proc. ACM SIGMODConf. (Jun. 1995) p.1−10」に詳しく説明されている。
【0008】
上述したごとくに、データベースの扱うデータが大量になるなかで、システムを停止することなく稼動させつづけることが求められるようになり、本出願人は、特願2000−252472号明細書において、高度な検索要求に高速に応答できる性能を維持しつつ、システム稼働中の更新性能を向上させることができるデータベース管理方式及びシステムを提案した。
【0009】
しかしながら、特願2000−252472号明細書におけるデータベース管理方式及びシステムにおいては、変更処理(挿入、更新、削除)を一つのデータ保持手段で処理している。そのため削除されたタプルを識別するために削除フラグという属性値を用意している。検索結果を求める際には求まった結果集合のすべてのタプルの削除フラグを調べて結果から取り除く処理が必要であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、高度な検索要求に高速に応答できる性能を維持しつつ、システム稼働中の更新性能をさらに向上させることができるデータベース管理方法、システム、プログラム、及び記録媒体を提供することをその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るデータベース管理方法、システム、プログラム、及び記録媒体においては、削除処理のために別の削除向けデータ保持手段を使用する。このデータ保持手段には挿入向けデータ保持手段(特願2000−252472号明細書に記載の発明における変更向けデータ保持手段)と同じ機構を使用することができる。検索結果を求める際には検索向け,挿入向け,削除向けのデータ保持手段から求まったタプルIDの集合に対する集合演算のみでよくタプルの属性値を参照する必要がなくなり処理が効率よく行える。
【0012】
請求項1の発明は、データベースを管理するためのデータベース管理装置において、データの検索操作の処理は高速だがデータの変更操作の処理は低速な検索向けデータ保持手段と、データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の挿入向けデータ保持手段と、データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の削除向けデータ保持手段と、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段で処理されたデータの反映を行うために、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段から前記検索向けデータ保持手段へデータを転送するデータ転送手段と、データベースに対する操作要求を該操作要求の内容に応じて、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段と前記検索向けデータ保持手段のそれぞれに振り分けて実行するデータベース操作要求処理手段と、前記データ転送手段と前記データベース操作要求処理手段との間でデータの一貫性を保証するトランザクション処理手段と、を有し、前記データベース操作要求処理手段は、前記データベース操作要求処理手段に対する操作要求が検索操作である場合には、前記検索向けデータ保持手段、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段のそれぞれに対して前記検索操作を実行し、該実行結果としてそれぞれ第一の検索集合(Rr)、第二の検索集合(Ri)、及び第三の検索集合(Rd)を求め、前記第一の検索集合(Rr)と前記第二の検索集合(Ri)と前記第三の検索集合(Rd)から、最終結果集合R(R=Rr+Ri−Rd;ただし、+は論理和、−は論理差をあらわす。)を作成することを特徴としたものである。
【0013】
請求項2の発明は、データベースを管理するためのデータベース管理装置において、複数のユーザからのデータベース操作要求を入力するデータベース操作要求入力手段と、データの検索操作の処理は高速だがデータの変更操作の処理は低速な検索向けデータ保持手段と、データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の挿入向けデータ保持手段と、データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の削除向けデータ保持手段と、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段で処理されたデータの反映を行うために、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段から前記検索向けデータ保持手段へデータを転送するデータ転送手段と、前記データベース操作要求入力手段に入力されたデータベースに対する操作要求を、該操作要求の内容に応じて、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段と前記検索向けデータ保持手段のそれぞれに振り分けて実行するデータベース操作要求処理手段と、前記データ転送手段と前記データベース操作要求処理手段との間でデータの一貫性を保証するトランザクション処理手段と、を有し、前記データベース操作要求処理手段は、前記データベース操作要求処理手段に対する操作要求が検索操作である場合には、前記検索向けデータ保持手段、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段のそれぞれに対して前記検索操作を実行し、該実行結果としてそれぞれ第一の検索集合(Rr)、第二の検索集合(Ri)、及び第三の検索集合(Rd)を求め、前記第一の検索集合(Rr)と前記第二の検索集合(Ri)と前記第三の検索集合(Rd)から、最終結果集合R(R=Rr+Ri−Rd;ただし、+は論理和、−は論理差をあらわす。)を作成することを特徴としたものである。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記第1の挿入向けデータ保持手段のデータを検索向けデータ保持手段に挿入中に、データの挿入要求があった場合に、前記第2の挿入向けデータ保持手段に該挿入要求があったデータを挿入することを特徴としたものである。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、前記第1の削除向けデータ保持手段のデータを検索向けデータ保持手段から削除中に、データの削除要求があった場合に、前記第2の削除向けデータ保持手段に該削除要求があったデータを挿入することを特徴としたものである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1の発明において、前記検索向けデータ保持手段、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段、のいずれか1又は複数は、それ自体が独立して動作可能にデータベース管理システムを構成することができることを特徴としたものである。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれか1の発明において、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段、のいずれか1又は複数が、メモリ上にあることを特徴としたものである。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1乃至4のいずれか1の発明において、前記検索向けデータ保持手段、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段は、属性値の特性に応じてその形態が選定されることを特徴としたものである。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1乃至4のいずれか1の発明において、前記データ転送手段に転送指定時刻情報を保持させておくことにより、該データ転送手段による前記検索向けデータ保持手段へのデータの変更操作を前記転送指定時刻情報に指定された時刻まで遅延することができることを特徴としたものである。
【0020】
請求項9の発明は、請求項1乃至4のいずれか1の発明において、前記データ転送手段は、該データ転送手段が実行すべき前記検索向けデータ保持手段への変更操作要求が一定数になるごとに変更操作を実行することを特徴としたものである。
【0021】
請求項10の発明は、請求項1乃至4のいずれか1の発明において、前記検索向けデータ保持手段における複数の処理単位データに対する変更操作がバッチ処理として実行されることを特徴としたものである。
【0022】
請求項11の発明は、データの検索操作の処理は高速だがデータの変更操作の処理は低速な検索向けデータ保持手段と、データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の挿入向けデータ保持手段と、データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の削除向けデータ保持手段とを用いてデータベースを処理し、管理するためのデータベース管理方法であって、複数のユーザからのデータベース操作要求を入力し、前記処理されたデータの反映を行うために、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段から前記検索向けデータ保持手段へデータを転送し、前記入力されたデータベースに対する操作要求を、該操作要求の内容に応じて、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段と前記検索向けデータ保持手段のそれぞれに振り分けて処理するデータベース操作要求処理を実行し、前記データの転送と前記データベース操作要求の処理との間でデータの一貫性を保証する処理を実行し、前記データベース操作要求処理は、前記入力されたデータベースに対する操作要求が検索操作である場合には、前記検索向けデータ保持手段、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段のそれぞれに対して前記検索操作を実行し、該実行結果としてそれぞれ第一の検索集合(Rr)、第二の検索集合(Ri)、及び第三の検索集合(Rd)を求め、前記第一の検索集合(Rr)と前記第二の検索集合(Ri)と前記第三の検索集合(Rd)から、最終結果集合R(R=Rr+Ri−Rd;ただし、+は論理和、−は論理差をあらわす。)を作成することを特徴としたものである。
【0023】
請求項12の発明は、請求項11の発明において、前記第1の挿入向けデータ保持手段のデータを検索向けデータ保持手段に挿入中に、データの挿入要求があった場合に、前記第2の挿入向けデータ保持手段に該挿入要求があったデータを挿入することを特徴としたものである。
【0024】
請求項13の発明は、請求項11の発明において、前記第1の削除向けデータ保持手段のデータを検索向けデータ保持手段から削除中に、データの削除要求があった場合に、前記第2の削除向けデータ保持手段に該削除要求があったデータを挿入することを特徴としたものである。
【0025】
請求項14の発明は、請求項11乃至13のいずれか1の発明において、前記検索向けデータ保持手段、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段、のいずれか1又は複数は、それ自体が独立して動作可能にデータベース管理システムを構成することができることを特徴としたものである。
【0026】
請求項15の発明は、請求項11乃至13のいずれか1の発明において、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段、のいずれか1又は複数が、メモリ上にあることを特徴としたものである。
【0027】
請求項16の発明は、請求項11乃至13のいずれか1の発明において、前記検索向けデータ保持手段、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段は、属性値の特性に応じてその形態が選定されることを特徴としたものである。
【0028】
請求項17の発明は、請求項11乃至13のいずれか1の発明において、前記データ転送の時刻を指定する指定時刻情報を保持させておくことにより、該データ転送の際の前記検索向けデータ保持手段へのデータの変更操作を前記指定時刻情報に指定された時刻まで遅延することを特徴としたものである。
【0029】
請求項18の発明は、請求項11乃至13のいずれか1の発明において、前記データ転送は、転送すべき前記検索向けデータ保持手段への変更操作要求が一定数になるごとに変更操作を実行することを特徴としたものである。
【0030】
請求項19の発明は、請求項11乃至13のいずれか1の発明において、前記検索向けデータ保持手段における複数の処理単位データに対する変更操作をバッチ処理として実行することを特徴としたものである。
【0031】
請求項20の発明は、請求項1乃至10のいずれか1記載のデータベース管理装置の各手段としてコンピュータを機能させるための、又は、請求項11乃至19のいずれか1記載のデータベース管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0032】
請求項21の発明は、請求項20記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0033】
【発明の実施の形態】
(システム構成)
図1は、本発明によるデータベース管理システムの機能を説明するためのブロック構成図である。以下、リレーショナルデータベースを代表させて説明するが、通常のデータベースにも本発明は適用可能である。データベース操作要求入力手段1からデータベースに対する操作要求が入力され、データベース操作要求処理手段3が操作を実行する。検索向けデータ保持手段4は、データベースの検索操作を処理する。また第1の挿入向けデータ保持手段5(挿入向けデータ保持手段1という。以下同様に表現する。)及び挿入向けデータ保持手段2(6)は、データベースのデータ挿入操作、削除操作及び更新操作を処理し、削除向けデータ保持手段1(7)及び削除向けデータ保持手段2(8)はデータベースのデータ挿入操作及び削除操作を処理する。なお、ここでデータ保持手段4〜8として説明しているものは、例えばリレーショナルデータベースにおいては索引ファイル及び索引ファイルを用いた処理を行うための手段であり、データを参照等するために関連付けて保持し、その関連付けに従って各種処理を行なう手段である。データ転送手段9は、挿入向けデータ保持手段5,6及び削除向けデータ保持手段7,8から処理単位データ(リレーショナルデータベースにおいてはタプル)を読みとって検索向けデータ保持手段4に対するタプルの挿入、更新、削除の操作を行う。トランザクション(排他制御)処理手段2は、システムにおけるトランザクション制御を行う。これら各要素については、この後さらに詳しく説明する。
【0034】
(データベース操作要求入力手段)
図2は、本発明を具体化するシステム構成の一例を示す図で、データベース操作要求入力手段1は、入力端末21として実現される。データベースを保持するサーバホスト10は、CPU11、プログラム領域12aとデータ領域12bとを有するメモリ12、及びハードディスク13がバス14にて接続され、このサーバホストに対してLAN22により複数の入力端末21が接続可能となっている。
【0035】
ユーザは入力端末21から例えばSQL文の形式で文字列により表現されたデータベース操作要求を入力する。データベース操作要求はLAN22を通じてサーバーホスト10に送られて処理される。処理の結果は再びLAN22を通じて入力端末21に送られ、当該入力端末21のディスプレイに表示するなどしてユーザに知らせることができる。
【0036】
(データベース操作要求処理手段)
図3乃至図5は、一連の、データベース操作要求処理手段の処理手順の一例を示すフロー図である。データベース操作要求の種類によって処理内容が分かれる。この例では表の各タプルは一意に定まるID(タプルID)を付与され、タプルはすべてタプルIDで識別される。
【0037】
データベース操作要求処理手段3がデータベース操作要求処理を受け取ると(ステップS1)、挿入操作かどうかを判断し(ステップS2)、挿入操作の場合は新しいタプルに対してタプルIDを取得した後(ステップS3)、挿入向けデータ保持手段1(5)が検索向けデータ保持手段4へデータを反映中か、すなわち使用中かを判断する(ステップS4)。データ反映中であれば、挿入向けデータ保持手段2(6)に対してタプルの挿入操作を実行し(ステップS5)、その結果を返す(ステップS7)。反映中でないなら、挿入向けデータ保持手段1(5)に対して挿入操作を実行して(ステップS6)、その結果を返す(ステップS7)。
【0038】
ステップS2で挿入操作でない場合は、検索向けデータ保持手段4,挿入向けデータ保持手段1(5),挿入向けデータ保持手段2(6),削除向けデータ保持手段1(7),削除向けデータ保持手段2(8)のそれぞれに検索操作を実行し(図4のステップS8〜S12)、それぞれの検索結果集合Rr,Ri1,Ri2,Rd1,Rd2から、最終結果集合R(R=Rr+Ri1+Ri2−Rd1−Rd2;ただし、+は論理和、−は論理差をあらわす。)を作って検索結果とする(ステップS13)。
【0039】
次いで、ステップS14で検索操作であれば、その結果を返し(ステップS7)、検索操作でなければさらに検索結果集合Ri1にあるかを判断する(ステップS15)。Ri1になければ、検索結果集合Ri2にあるかを判断する(ステップS17)。Ri1,Ri2に存在する場合には、それぞれ、挿入向けデータ保持手段1(5),挿入向けデータ保持手段2(6)に対して削除操作を実行する(ステップS16,S18)。このようにして、削除操作では検索操作と同様の手順で選ばれたタプルがRi1にある場合には挿入向けデータ保持手段1(5)に対して削除処理を実行し、Ri2にある場合には挿入向けデータ保持手段2(6)に対して削除処理を実行する。
【0040】
Ri1にもRi2にもない場合すなわちRrにある場合には(ステップS17においてRi2に存在しなければ)、図5のステップS19へ進む。すなわち、削除向けデータ保持手段1(7)が使用中かを判断し(ステップS19)、削除向けデータ保持手段1(7)が検索向けデータ保持手段4へデータを反映中なら、タプルを削除向けデータ保持手段2(8)に対して挿入操作を実行する(ステップS20)。反映中でなければ、削除向けデータ保持手段1(7)に対してタプルの挿入操作を実行する(ステップS21)。
【0041】
その後、更新操作かどうかを判断し(ステップS22)、更新操作であれば、新しい値にタプルを更新する(ステップS23)。挿入向けデータ保持手段1(5)が使用中かを判断し(ステップS24)、使用中であれば挿入向けデータ保持手段2(6)にタプルの挿入を実行し(ステップS25)、使用中でなければ挿入向けデータ保持手段1(5)にタプルの挿入操作を実行し(ステップS26)、ステップS7へ進む。このようにして、更新操作では検索操作と同様の手順で選ばれたタプルに対して、削除操作と同様の手段で削除操作を実行し、新しい値に変更したタプルに対して、挿入操作と同様の手段で挿入操作を実行し、更新操作を実行する。
【0042】
(検索向けデータ保持手段)
検索向けデータ保持手段4は、データベース操作要求処理手段3が実行する検索操作を処理する。また、データ転送手段9が実行する変更操作を処理する。検索向けデータ保持手段4は検索操作を高速で実行できる代わりに変更操作が比較的低速である。例えば、全文検索を行うことができる全文検索サーバを用いることが考えられる。
【0043】
(挿入向けデータ保持手段1及び2)
挿入向けデータ保持手段1(5)および2(6)はデータベース操作要求処理手段3が実行する挿入操作、削除操作及び更新操作を処理する。また、データ転送手段9が実行する削除操作を処理する。挿入向けデータ保持手段1(5)および2(6)は変更操作を高速に実行できる。例えばOSが管理する通常のファイルを用いることが考えられる。
【0044】
通常のファイルのように挿入向けデータ保持手段1(5)および2(6)が検索操作を実行できない場合は、保持しているタプルを逐次的に返しデータベース操作要求処理手段3が検索条件を評価(全数検索と呼ぶ)する。挿入向けデータ保持手段1(5)および2(6)が保持するタプル数は検索向けデータ保持手段4が保持するタプル数に比べて非常に少数なので全数検索を行っても応答時間に影響しない。
【0045】
(削除向けデータ保持手段1及び2)
削除向けデータ保持手段1(7)及び2(8)は、データベース操作要求処理手段3が実行する挿入操作を処理する。また、データ転送手段9が実行する削除操作を処理する。削除向けデータ保持手段1(7)及び2(8)は変更操作を高速に実行できる。例えばOSが管理する通常のファイルを用いることが考えられる。
【0046】
通常のファイルのように削除向けデータ保持手段1(7)及び2(8)が検索操作を実行できない場合は、保持しているタプルを逐次的に返しデータベース操作要求処理手段3が検索条件を評価(全数検索と呼ぶ)する。削除向けデータ保持手段1(7)及び2(8)が保持するタプル数は検索向けデータ保持手段4が保持するタプル数に比べて非常に少数なので全数検索を行っても応答時間に影響しない。
【0047】
各データ保持手段4〜8のいずれか1又は複数は、それ自体が独立して動作可能にデータベース管理システムを構成することができるものであってよい。このようなデータ保持手段4〜8のいずれかを本発明のデータベース管理システムに適用すればよい。すなわち、既存のデータベース管理システムで検索は高速だが更新が比較的低速であるようなものに対して、そのデータベース管理システムに特別な変更を施すことなく、更新要求への応答を向上することができる。また、逆に既存のデータベース管理システムの更新応答が高速ならば、検索が高速なデータ保持手段と組み合わせることによって、更新応答性能を生かしながら検索要求への応答を向上することができる。
【0048】
また、挿入向けデータ保持手段1(5),2(6)、削除向けデータ保持手段1(7),2(8)がメモリ上にあるようにしてもよく、メモリが大量にある場合に挿入向けデータ保持手段1(5),2(6)、削除向けデータ保持手段1(7),2(8)をメモリ上で利用することで更新性能の著しい向上が実現できる。
【0049】
また、検索向けデータ保持手段4及び挿入向けデータ保持手段1(5),2(6)及び削除向けデータ保持手段1(7),2(8)は、属性値の特性に応じてその形態を選定することことが好ましく、例えばデータ量が少ない属性値については上述のごとくのメモリ上で挿入向けデータ保持手段1(5),2(6)、削除向けデータ保持手段1(7),2(8)を用いることによって性能の向上が実現できる。
【0050】
(データ転送手段)
図6は、データ転送手段の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
データ転送手段9が削除向けデータ保持手段1(7)からタプルを順次読み込み(ステップS31)、その値にしたがって検索向けデータ保持手段4から削除し(ステップS32)、反映が終わったタプルを削除向けデータ保持手段1(7)から削除する(ステップS33)。同様に削除向けデータ保持手段2(8)からタプルを順次読み込み(ステップS34)、その値にしたがって検索向けデータ保持手段4から削除し(ステップS35)、反映が終わったタプルを削除向けデータ保持手段2(8)から削除する(ステップS36)。次に、挿入向けデータ保持手段1(5)からタプルを順次読み込み(ステップS37)、そのタプルを検索向けデータ保持手段4に挿入し(ステップS38)、反映が終わったタプルを挿入向けデータ保持手段1(5)から削除する(ステップS39)。そして、同様に挿入向けデータ保持手段2(6)からタプルを順次読み込み(ステップS40)、そのタプルを検索向けデータ保持手段4に挿入し(ステップS41)、反映が終わったタプルを挿入向けデータ保持手段2(6)から削除する(ステップS42)、という手順で実行される。
【0051】
またデータ転送手段9に転送時刻情報を指定することにより、データ転送手段9による検索向けデータ保持手段4へのデータの変更操作を、上記の指定時刻まで遅延することができる。これにより、システムの稼働率が低くなる時間帯が決まっている場合に、検索向けデータ保持手段4へのデータの反映をその時間帯に集中させることでシステム全体のスループットを上げることができる。
【0052】
さらにデータ転送手段9は、検索向けデータ保持手段4への変更操作要求が一定数になるごとに変更操作を実行させるようにすることにより、検索向けデータ保持手段4への更新要求が発生する頻度を減らすことができ、これにより排他制御が必要になる頻度を減らし、システム全体のスループットを上げることができる。
【0053】
さらに、検索向けデータ保持手段4における複数のタプルに対する変更操作がバッチ処理として実行されるようにすることにより、高速に実行できる場合にはデータ転送手段9の操作の実行が高速になり、結果としてシステム全体のスループットを上げることができる。
【0054】
(トランザクション処理手段)
トランザクション処理手段2は非同期に要求される検索操作と変更操作をデータの一貫性を保つように実行順序を制御するための排他制御と、変更操作を中止したときにトランザクション開始前の状態に戻すための情報を記録するためのロギングを行う。排他制御は複数のユーザから要求されるデータベース操作間の排他制御のほかに、データベース操作要求処理手段3とデータ転送手段9の間の排他制御にも用いられる。
【0055】
前述の文献[1]で説明される複粒度ロックを用いてさまざまなアイソレーションレベルを実現する。ロックの対象は表、タプル、ファイルである。本発明におけるファイルは検索向けデータ保持手段、挿入向けデータ保持手段1,2および削除向けデータ保持手段1,2からなるものとみなすことができる。排他制御とロギングにおいてはファイルを構成する検索向けデータ保持手段、挿入向けデータ保持手段1,2および削除向けデータ保持手段1,2がどういう構造であるかは無関係にこれらをまとめてひとつのオブジェクトとして扱うことができる。
【0056】
ここでロックに関して説明する。2相ルールによるロック方式では、書き込み操作は、操作対象に対して更新(X)ロックを、読み出し操作は、操作対象に対して参照(S)ロックをそれぞれ確保することにより、対象を予約してから、操作する。あるトランザクションT1がある種類のロックをしたときに、他のトランザクションT0がその対象に対してすでにある種類のロックをしているときの結果は、表1のようになる。
【0057】
【表1】
【0058】
表1において、○はロックが共存できることを表し、トランザクションT1は、操作対象をロックできる。Xはロックが衝突することを表し、トランザクションT1は、衝突の原因となっているロックが放棄され、操作対象をロックできるようになるまで、実行を中断し、待つことになる。
【0059】
あるトランザクションにおいては、ロックをひとつでも放棄したら、それ以降、トランザクションが終了するまで、ロックを確保しない。あるトランザクションの終了時に、そのトランザクションが確保したロックのうち、放棄されていないものが残っていれば、すべて放棄される。つまり、トランザクションを複数のロックを確保していく過程と、確保していたロックをはずす過程の2相に分ける。このことにより、トランザクションの直列化可能性が保証される。
【0060】
また、トランザクション中において異なる種類の操作対象を認める場合、例えば、データベース、データベースを構成する表、表を構成するタプルなどに対する操作を認める場合、複粒度ロックが必要になる。つまり、ある対象への書き込み操作は、その上位の対象に対して、更新の意図があることを表すIXやSIXを確保してから、その対象に対してXロックを確保する。ある対象への読み出し操作は、その上位の対象に対して、参照の意図があることを表すISロックを確保してから、その対象に対してSロックを確保する。
表1にこれらの意図的ロックIX、SIX、ISを加えると、表2のようになる。表1と同様に、○はロックが共存できる事を表し、×はロックが衝突することを表す。
【0061】
【表2】
【0062】
以下で本発明においてREAD COMMITTEDのアイソレーションレベルを実現する方法について述べる。まず、ロックに関して以下の前提条件がある。
・ 表にかかるロックはIS、IX、S、SIX、Xのいずれかのモードを持つ。
・ タプルにかかるロックはS、Xのいずれかのモードを持つ。
・ タプルにかかっているSロックは参照後にいつでも解除することができる。
・ タプルにかかっているXロックはトランザクションの終了まで解除できない。
・ ファイルにアクセスする前後では、ファイルに排他的なラッチをかける。
データベース操作の種類に応じて手順を述べる。
【0063】
(検索操作)
0.操作開始前に対象の表にISロックをかける。
1.ファイルにラッチをかける。
2.検索条件に合致するタプルを探す。
3.得られたタプルにSロックをかける。
4.Sロックをかけることができない場合はファイルへのラッチを解除して1に戻る。
5.タプルを検索結果に加える。
6.タプルへのロックを解除する。
7.ファイルへのラッチを解除する。
【0064】
(挿入操作)
0.操作開始前に対象の表にIXロックをかける。
1.ファイルにラッチをかける。
2.新たなタプルIDを取得する。
3.そのタプルにXロックをかける。
4.ログにタプル挿入を記録する。
5.ファイルにタプルを挿入する。
6.ファイルへのラッチを解除する。
【0065】
(更新操作)
0.操作開始前に対象の表にIXロックをかける。
1.ファイルにラッチをかける。
2.更新対象の条件に合致するタプルを探す。
3.得られたタプルにXロックをかける。
4.Xロックをかけることができない場合はファイルへのラッチを解除して1に戻る。
5.ログにタプル更新を記録する。
6.タプルの更新を実行する。
7.ファイルへのラッチを解除する。
【0066】
(削除操作)
0.操作開始前に対象の表にIXロックをかける。
1.ファイルにラッチをかける。
2.削除対象の条件に合致するタプルを探す。
3.得られたタプルにXロックをかける。
4.Xロックをかけることができない場合はファイルへのラッチを解除して1へ戻る。
5.ログにタプル削除を記録する。
6.タプルの削除を実行する。
7.ファイルへのラッチを解除する。
トランザクションの終了に際しては以下の処理を行う。
【0067】
(コミット)
0.変更操作の前に対象の表にIXロックがかかっている。
1.ログにコミットを記録する。
2.コミットしたトランザクションが要求したロックをすべて解除する。
【0068】
(ロールバック(アボート))
0.変更操作の前に対象の表にIXロックがかかっている。
1.ログにロールバックを記録する。
2.ログを参照しながら、データ操作をUNDOする。その際、必要なファイルへのラッチを行う。
3.ロールバックしたトランザクションが要求したロックをすべて解除する。
【0069】
以上、本発明のデータベース管理システムを中心に各実施形態を説明してきたが、本発明は、そのシステムにおける処理手順としても説明したようにデータベース管理システムとしての形態も可能である。さらに、これらデータベース管理方法をコンピュータに実行させるための、又は、データベース管理システムの各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムとしても、或いは、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も可能である。
【0070】
本発明によるデータベース管理の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、フロッピーディスク、フラッシュメモリ、及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明の各実施形態のシステムの機能をコンピュータに実行させ、データベース管理の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当該機能の実現を容易にする。そしてコンピュータ等の情報処理装置に上記のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記憶媒体に当該プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に関わるデータベース管理機能を実行することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、検索向けデータ保持手段が提供する高度な検索要求を高速に処理する能力を保ちつつ、それによって更新性能が低下することを防ぐことができる。
【0072】
本発明によれば、複数のユーザから非同期に要求されるデータベース操作要求に対して検索向けデータ保持手段と挿入向けデータ保持手段1,2および削除向けデータ保持手段1,2の整合性を保ちながら検索にも更新にも高速に応答することができる。
【0073】
本発明によれば、挿入向けデータ保持手段1または2のデータを検索向けデータ保持手段に反映中も、データ挿入を高速に行うことができ、更新要求への応答を向上することができる。
【0074】
本発明によれば、削除向けデータ保持手段1または2のデータを検索向けデータ保持手段に反映中も、データ削除を高速に行うことができ、更新要求への応答を向上することができる。
【0075】
本発明によれば、既存のデータベース管理システムで検索は高速だが更新が比較的低速であるようなものに対して、そのデータベース管理システムに特別な変更を施すことなく、更新要求への応答を向上することができる。また、逆に既存のデータベース管理システムの更新応答が高速ならば、検索が高速なデータ保持手段と組み合わせることによって、更新応答性能を生かしながら検索要求への応答を向上することができる。
【0076】
本発明によれば、メモリが大量にある場合に変更向けデータ保持手段としてメモリを利用することで更新性能の著しい向上が実現できる。
【0077】
本発明によれば、属性値の特性に応じた各データ保持手段を用いることにより、例えばデータ量が少ない属性値についてはメモリを挿入向けデータ保持手段1,2及び削除向けデータ保持手段1,2として用いることによって性能の向上が実現できる。
【0078】
本発明によれば、システムの稼働率が低くなる時間帯が決まっている場合に、検索向けデータ保持手段へのデータの反映をその時間帯に集中させることでシステム全体のスループットを上げることができる。
【0079】
本発明によれば、検索向けデータ保持手段への更新要求が発生する頻度を減らすことにより、排他制御が必要になる頻度を減らし、システム全体のスループットを上げることができる。
【0080】
本発明によれば、検索向けデータ保持手段が複数のタプルに対する変更操作をバッチ処理で行うことにより高速に実行できる場合にはデータ転送手段の実行が高速になり、結果としてシステム全体のスループットを上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるデータベース管理システムの機能を説明するためのブロック構成図である。
【図2】 本発明を具体化するシステム構成の一例を示す図である。
【図3】 データベース操作要求処理手段の処理手順の一例を示すフロー図である。
【図4】 データベース操作要求処理手段の処理手順の一例を示すフロー図である。
【図5】 データベース操作要求処理手段の処理手順の一例を示すフロー図である。
【図6】 データ転送手段の処理手順の一例を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
1…データベース操作要求入力手段、2…トランザクション処理手段、3…データベース操作要求処理手段、4…検索向けデータ保持手段、5…挿入向けデータ保持手段1、6…挿入向けデータ保持手段2、7…削除向けデータ保持手段1、8…削除向けデータ保持手段2、9…データ転送手段、10…サーバホスト、11…CPU、12…メモリ、12a…プログラム領域、12b…データ領域、13…ハードディスク、14…バス、21…入力端末、22…LAN。
Claims (21)
- データベースを管理するためのデータベース管理装置において、
データの検索操作の処理は高速だがデータの変更操作の処理は低速な検索向けデータ保持手段と、
データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の挿入向けデータ保持手段と、
データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の削除向けデータ保持手段と、
前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段で処理されたデータの反映を行うために、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段から前記検索向けデータ保持手段へデータを転送するデータ転送手段と、
データベースに対する操作要求を該操作要求の内容に応じて、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段と前記検索向けデータ保持手段のそれぞれに振り分けて実行するデータベース操作要求処理手段と、
前記データ転送手段と前記データベース操作要求処理手段との間でデータの一貫性を保証するトランザクション処理手段と、
を有し、
前記データベース操作要求処理手段は、
前記データベース操作要求処理手段に対する操作要求が検索操作である場合には、前記検索向けデータ保持手段、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段のそれぞれに対して前記検索操作を実行し、該実行結果としてそれぞれ第一の検索集合(Rr)、第二の検索集合(Ri)、及び第三の検索集合(Rd)を求め、
前記第一の検索集合(Rr)と前記第二の検索集合(Ri)と前記第三の検索集合(Rd)から、最終結果集合R(R=Rr+Ri−Rd;ただし、+は論理和、−は論理差をあらわす。)を作成することを特徴とするデータベース管理装置。 - データベースを管理するためのデータベース管理装置において、
複数のユーザからのデータベース操作要求を入力するデータベース操作要求入力手段と、
データの検索操作の処理は高速だがデータの変更操作の処理は低速な検索向けデータ保持手段と、
データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の挿入向けデータ保持手段と、
データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の削除向けデータ保持手段と、
前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段で処理されたデータの反映を行うために、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段から前記検索向けデータ保持手段へデータを転送するデータ転送手段と、
前記データベース操作要求入力手段に入力されたデータベースに対する操作要求を、該操作要求の内容に応じて、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段と前記検索向けデータ保持手段のそれぞれに振り分けて実行するデータベース操作要求処理手段と、
前記データ転送手段と前記データベース操作要求処理手段との間でデータの一貫性を保証するトランザクション処理手段と、
を有し、
前記データベース操作要求処理手段は、
前記データベース操作要求処理手段に対する操作要求が検索操作である場合には、前記検索向けデータ保持手段、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段のそれぞれに対して前記検索操作を実行し、該実行結果としてそれぞれ第一の検索集合(Rr)、第二の検索集合(Ri)、及び第三の検索集合(Rd)を求め、
前記第一の検索集合(Rr)と前記第二の検索集合(Ri)と前記第三の検索集合(R d)から、最終結果集合R(R=Rr+Ri−Rd;ただし、+は論理和、−は論理差をあらわす。)を作成することを特徴とするデータベース管理装置。 - 請求項1又は2記載のデータベース管理装置において、前記第1の挿入向けデータ保持手段のデータを検索向けデータ保持手段に挿入中に、データの挿入要求があった場合に、前記第2の挿入向けデータ保持手段に該挿入要求があったデータを挿入することを特徴とするデータベース管理装置。
- 請求項1又は2記載のデータベース管理装置において、前記第1の削除向けデータ保持手段のデータを検索向けデータ保持手段から削除中に、データの削除要求があった場合に、前記第2の削除向けデータ保持手段に該削除要求があったデータを挿入することを特徴とするデータベース管理装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1記載のデータベース管理装置において、前記検索向けデータ保持手段、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段、のいずれか1又は複数は、それ自体が独立して動作可能にデータベース管理システムを構成することができることを特徴とするデータベース管理装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1記載のデータベース管理装置において、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段、のいずれか1又は複数が、メモリ上にあることを特徴とするデータベース管理装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1記載のデータベース管理装置において、前記検索向けデータ保持手段、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段は、属性値の特性に応じてその形態が選定されることを特徴とするデータベース管理装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1記載のデータベース管理装置において、前記データ転送手段に転送指定時刻情報を保持させておくことにより、該データ転送手段による前記検索向けデータ保持手段へのデータの変更操作を前記転送指定時刻情報に指定された時刻まで遅延することができることを特徴とするデータベース管理装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1記載のデータベース管理装置において、前記データ転送手段は、該データ転送手段が実行すべき前記検索向けデータ保持手段への変更操作要求が一定数になるごとに変更操作を実行することを特徴とするデータベース管理装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1記載のデータベース管理装置において、前記検索向けデータ保持手段における複数の処理単位データに対する変更操作がバッチ処理として実行されることを特徴とするデータベース管理装置。
- データの検索操作の処理は高速だがデータの変更操作の処理は低速な検索向けデータ保持手段と、データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の挿入向けデータ保持手段と、データの変更操作の処理は高速な第1及び第2の削除向けデータ保持手段とを用いてデータベースを処理し、管理するためのデータベース管理方法であって、
複数のユーザからのデータベース操作要求を入力し、
前記処理されたデータの反映を行うために、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段から前記検索向けデータ保持手段へデータを転送し、
前記入力されたデータベースに対する操作要求を、該操作要求の内容に応じて、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段及び前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段と前記検索向けデータ保持手段のそれぞれに振り分けて処理するデータベース操作要求処理を実行し、
前記データの転送と前記データベース操作要求の処理との間でデータの一貫性を保証する処理を実行し、
前記データベース操作要求処理は、
前記入力されたデータベースに対する操作要求が検索操作である場合には、前記検索向けデータ保持手段、前記第1及び第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1及び第2の削除向けデータ保持手段のそれぞれに対して前記検索操作を実行し、該実行結果としてそれぞれ第一の検索集合(Rr)、第二の検索集合(Ri)、及び第三の検索集合(Rd)を求め、
前記第一の検索集合(Rr)と前記第二の検索集合(Ri)と前記第三の検索集合(Rd)から、最終結果集合R(R=Rr+Ri−Rd;ただし、+は論理和、−は論理差をあらわす。)を作成することを特徴とするデータベース管理方法。 - 請求項11記載のデータベース管理方法において、前記第1の挿入向けデータ保持手段のデータを検索向けデータ保持手段に挿入中に、データの挿入要求があった場合に、前記第2の挿入向けデータ保持手段に該挿入要求があったデータを挿入することを特徴とするデータベース管理方法。
- 請求項11記載のデータベース管理方法において、前記第1の削除向けデータ保持手段のデータを検索向けデータ保持手段から削除中に、データの削除要求があった場合に、前記第2の削除向けデータ保持手段に該削除要求があったデータを挿入することを特徴とするデータベース管理方法。
- 請求項11乃至13のいずれか1記載のデータベース管理方法において、前記検索向けデータ保持手段、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段、のいずれか1又は複数は、それ自体が独立して動作可能にデータベース管理システムを構成することができることを特徴とするデータベース管理方法。
- 請求項11乃至13のいずれか1記載のデータベース管理方法において、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段、のいずれか1又は複数が、メモリ上にあることを特徴とするデータベース管理方法。
- 請求項11乃至13のいずれか1記載のデータベース管理方法において、前記検索向けデータ保持手段、前記第1の挿入向けデータ保持手段、前記第2の挿入向けデータ保持手段、前記第1の削除向けデータ保持手段、前記第2の削除向けデータ保持手段は、属性値の特性に応じてその形態が選定されることを特徴とするデータベース管理方法。
- 請求項11乃至13のいずれか1記載のデータベース管理方法において、前記データ転送の時刻を指定する指定時刻情報を保持させておくことにより、該データ転送の際の前記検索向けデータ保持手段へのデータの変更操作を前記指定時刻情報に指定された時刻まで遅延することを特徴とするデータベース管理方法。
- 請求項11乃至13のいずれか1記載のデータベース管理方法において、前記データ転送は、転送すべき前記検索向けデータ保持手段への変更操作要求が一定数になるごとに変更操作を実行することを特徴とするデータベース管理方法。
- 請求項11乃至13のいずれか1記載のデータベース管理方法において、前記検索向けデータ保持手段における複数の処理単位データに対する変更操作をバッチ処理として実行することを特徴とするデータベース管理方法。
- 請求項1乃至10のいずれか1記載のデータベース管理装置の各手段としてコンピュータを機能させるための、又は、請求項11乃至19のいずれか1記載のデータベース管理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
- 請求項20記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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