JP4242629B2 - Circulating hydroponic equipment - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、栽培用培地へ培養液を供給することによって植物を栽培できるようにした養液栽培装置、特に、栽培用培地から流出した余剰の培養液を回収して再利用できるように構成した循環式養液栽培装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年では、栽培容器内へ培養液を供給することによって植物を栽培できるようにした装置（養液栽培装置）が広く実用に供されている。図３は、従来の基本的な養液栽培装置２１の構成図であり、図示されているように、この養液栽培装置２１は、所定量の培養液を貯留できるように構成された栽培容器２４内の栽培用培地２５に対象植物２６を定植し、ポンプ２３を制御することによって、培養液タンク２２から定期的に必要量の培養液を対象植物２６に供給するように構成されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
この種の養液栽培装置２１においては、栽培用培地２５からの余剰の培養液（排液）は、何らの処理もされずに、排水手段２７から、そのまま系外（地下水系、下水系等）へと放出されるようになっていることが多いが、培養液には、各種の化学成分が含まれているため、地下水汚染、河川や海水の富栄養化の原因となるなど、周辺環境へ悪影響を及ぼす可能性があり、また、省資源化、経済性の観点からも問題がある。
【０００４】
そこで、最近では、図４に示すように、排液を回収して循環タンク２８に貯留し、この排液を再利用できるように構成した、再利用方式の養液栽培装置３１も開発されている。
【０００５】
しかしながら、図４に示すような再利用方式の養液栽培装置３１においては、循環タンク２８内の培養液の量が少なくなってきたら、新しい培養液が新液供給管２９を介して循環タンク２８に補充されるように構成されているため、培養液が循環を重ねるうちに、次第に培養液の養分濃度、成分バランスが不均衡となっていき、最終的には、栽培容器２４へ供給される培養液が、適性範囲を外れてしまう（培養液としての機能を十分に発揮でないような濃度、成分となってしまう）ことになるため、実際の運用時においては、適性範囲を外れてしまった培養液を系外へと放出せざるを得ず、周辺環境への悪影響という問題を完全に解決することはできない。
【０００６】
また、作物養水分吸収最適化の観点からは、栽培容器２４内の水分状態が一定に保たれるように構成することが望ましいと考えられるが、従来の養液栽培装置においては、毎回定量の培養液が供給されるように構成されているため、栽培容器２４内の水分状態を一定に保つことができるようには構成されていない。
【０００７】
更に、作物生理を考慮すると、日の出から日射強度が最高となる時刻までの時間帯が、作物養水分吸収が行われるうえで重要な時間帯であると考えられるが、従来の養液栽培装置においては、新しい培養液と排液を混合してなる循環液が対象植物２６に供給されるように構成されており、作物生理に応じた給液管理を行えるようには構成されていない。
【０００８】
本発明は、上記のような従来技術の問題を解決すべくなされたものであって、培養液の濃度、成分バランスが不適となった場合でも、特定の制御手法を適用することによって作物生育への影響を最小限に抑えることができ、また、作物生理に応じた給液管理を実現することができ、更に、栽培用培地内の水分状態を一定に保つことにより、作物養水分吸収最適化を図ることができるという、循環式養液栽培装置を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る循環式養液栽培装置は、栽培容器と、この栽培容器内に配設された栽培用培地と、栽培用培地へ培養液を供給する培養液供給手段と、栽培用培地から流出した余剰の培養液を回収する培養液回収手段と、制御手段とを有し、培養液供給手段が、制御手段による制御下において、新しい培養液（新液）と、培養液回収手段によって回収された余剰の培養液（循環液）のうちのいずれかを選択して栽培用培地へ供給できるように構成されていることを特徴としている。
【００１０】
尚、この循環式養液栽培装置においては、実施日の日射強度が最高となる最高日射強度時刻との関係で基準時刻を自動設定し、この基準時刻前においては、新液を栽培用培地へ供給し、基準時刻後においては、循環液を栽培用培地へ供給するように構成されることが好ましく、制御手段は、日射時間帯（日の出から日の入りまでの時間帯）の中間時刻を最高日射強度時刻として把握するように構成されていることが好ましい。
【００１１】
また、循環液を栽培用培地へ供給しようとする際、即ち、基準時刻後に実行される給液の際、循環液の残量が十分でない場合には、その不足分が、新液によって補われるように構成されていることが好ましい。
【００１２】
基準時刻は、日射強度最高時刻の約１時間前の時刻（１時間前の時刻±１５分）に設定されることが好ましく、更に、実施日の日の出前においては、タイマー制御によって給液を行い、日中においては、積算日射量制御によって給液を行うように構成されていることが好ましい。
【００１３】
また、日中、積算日射量制御によって給液が行われる場合、所定時間が経過しても積算日射量が規定量に達していない場合には、強制的に給液が実行されるように構成することもできる。
【００１４】
更に、培養液回収手段によって回収された余剰の培養液は、濃度及び成分バランスが適性範囲内となるように自動調整されたうえで、再利用されるように構成することが好ましい。
【００１５】
また、栽培用培地から流出した余剰の培養液のＥＣ濃度及びｐＨが測定されるように構成し、培養液のｐＨが適正範囲から外れてしまった場合に、ｐＨ変動の原因が特定されるとともに、その特定された原因に応じて、適切な処方の未使用の培養液が栽培用培地へ供給されるように構成した場合には、栽培用培地内において培養液の成分バランスの不均衡が生じた場合でも、これを短時間で是正することができる。
【００１６】
更に、栽培用培地から流出した余剰の培養液のＥＣ濃度が測定されるように構成し、培養液のＥＣ濃度が適正範囲から外れてしまった場合には、未使用の培養液が前記栽培用培地へ供給されるように設定されるとともに、その未使用の培養液が、ＥＣ濃度の測定値をもとに計算された濃度に自動調整されることにより、栽培容器内における培養液のＥＣ濃度が適正化されるように構成することもできる。
【００１７】
また、循環液のＥＣ濃度及びｐＨが監視され、そのＥＣ濃度及びｐＨが適正範囲を外れてしまった場合に、複数種類用意されたｐＨ調整剤のうちの少なくとも１種類、及び／又は、原水が循環液に添加されるように構成し、これによって循環液のＥＣ濃度及びｐＨが適正化されるように構成することもできる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。図１は、本発明の第１の実施形態に係る循環式養液栽培装置１の構成図である。この図に示されているように、本実施形態における循環式養液栽培装置１は、基本的には培養液供給手段（原液タンク２、混入ポンプ１７、第１ポンプ３、循環タンク８、ノズル１９）、栽培容器４、栽培用培地（栽培マット５）、培養液回収手段（排液管７、排液タンク９、第２ポンプ１０）、及び、図示しない制御手段、日照センサー等によって構成されている。
【００１９】
これらのうち、原液タンク２は、新たに生成した未使用の培養液（新液）の濃縮液を貯留しておくためのものである。この原液タンク２に貯留されている培養液の濃縮液は、制御手段による制御下において、混入ポンプ１７によって所要量が吸引され、原水に混入された上で、ノズル１９から対象植物６に供給されるようになっている。尚、培養液の濃縮液と原水との混合比は、制御手段により、必要に応じて適宜変更されるようになっており、対象植物６の種類、作型、季節、生育ステージ等を考慮して、適切な濃度にて給液を行えるようになっている。
【００２０】
栽培容器４の内部には、対象植物６を定植させるための栽培用培地として、スポンジ状の栽培マット５が配設されている。
【００２１】
給液の際は、栽培マット５から余剰分が流出する程度に、十分な量の培養液が栽培マット５へ供給されるようになっており、余剰の培養液（排液）は、図示されているように、栽培容器４の底面に設けられた孔１８から流出し、排液管７によって回収されて、排液タンク９に貯留されるようになっている。
【００２２】
排液タンク９に貯留された排液は、制御手段による制御下において、第２ポンプ１０によって吸引され、循環タンク９へ移送され、再利用のために貯留される。尚、本発明においては、再利用に供される培養液乃至は排液を、特に「循環液」と言う。
【００２３】
また、図１に示されているように、本実施形態の循環式養液栽培装置１においては、排液タンク９内に第１センサー１５が設置され、循環タンク８内には第２センサー１６が設置されており、排液及び循環液の濃度、成分バランスが監視されるようになっている。そして、排液又は循環液が、培養液としての適性範囲を外れてしまった場合には、第１センサー１５、第２センサー１６によって検出され、ｐＨ調整剤供給手段１３、及び、原水供給手段１４により、循環タンク８内において濃度及び成分バランスが自動調整され、培養液としての機能を十分に発揮できるような性状に維持されるようになっている。
【００２４】
循環タンク８に貯留されている循環液は、制御手段による制御下において、第１ポンプ３によって吸引され、ノズル１９から、対象植物６が栽培されている栽培マット５へと供給されるようになっている。
【００２５】
つまり、本実施形態の循環式養液栽培装置１は、新液（原液タンク２に貯留されている培養液の濃縮液を原水と混ぜ合わせることによって所望の濃度に調整された未使用の培養液）と循環タンク８に貯留されている循環液のうち、いずれか一方の培養液を選択して栽培用マット５へ供給できるようになっており、その選択は、制御手段により、諸事情を考慮して自動的に判断されるようになっている。従って、状況に応じ、新液を供給する必要がある場合には新液を供給し、それ以外の場合には、循環液を使用するというような制御方法（例えば、作物生理に応じた制御方法）を適用することが可能となるほか、省資源化、コストの節減を図ることができる。
【００２６】
そして、前述したように、この循環式養液栽培装置１においては、循環液が繰り返し使用されることによって、培養液の濃度、成分バランスが不均衡となってしまった場合には、それらが適性範囲内となるように自動調整され、培養液としての機能を十分に発揮できるような性状に常時維持されるようになっているため、図４に示したような従来の再利用方式の養液栽培装置３１のように、「適性範囲を外れてしまった循環液を系外へと放出せざるを得ない」というような事態を好適に回避することができ、完全閉鎖型の培養液循環システムを実現することができる。
【００２７】
次に、本発明の第２の実施形態として、第１の実施形態の循環式養液栽培装置１の好適な制御方法について説明する。本実施形態においては、まず、１日を「日の出前」、「日中」、「日の入り後」という３つの時間帯に分け、図１に示した循環式養液栽培装置１を運用する際、ａ．モードの起動（又は、切替）、ｂ．給液アクション、ｃ．給液量、及び、ｄ．培養液の選択、という制御項目について、（ア）日の出前モード、（イ）日中モード、及び、（ウ）日の入り後モードという３つのモード毎に、それぞれ異なる制御を行うことによって、「対象植物の作物生理に応じた給液管理」及び「循環液の濃度・成分バランスの不均衡による作物生育への悪影響を最小限に抑える給液管理」を実現できるようになっている。以下、モード毎に、各項目についての制御方法について詳細に説明する。
【００２８】
（ア）日の出前モード
ａ．モードの起動
日の出前モードは、タイマー制御により、「日の出時刻」の一定時間前（例えば、２時間前）に起動される。尚、実施日当日の「日の出時刻」は、実施日前「１週間分の日射量計測データ」をもとに、制御手段によって予測され、「１週間分の日射量計測データ」は、日照センサーによって連続的に、或いは、定時的に計測され、制御手段に記憶されるようになっている。但し、「日の出時刻」は、ユーザーが事前に登録することによって設定することもでき、この場合には、制御手段による「日の出時刻の予測」は行われない。
【００２９】
ｂ．給液アクション
日の出前モードにおける給液は、給液アクション（培養液を栽培マット５へ供給するという動作）を複数回実行することによって行われる。第１回目の給液アクションは、日の出前モードの起動後、準備が整い次第実行され、第２回目以降の給液アクションは、第１回目の給液アクションの終了後、一定の間隔（例えば、３０分）をおいて、「計測排液率」が「基準排液率」に到達するまで繰り返し実行される。このように、日の出前の給液は、実質的にはタイマー制御によって行われる。
【００３０】
尚、ここに言う「排液率」とは、栽培マット５への培養液の給液量（一回の給液アクションによって供給される培養液の量）に対する排液量（栽培マット５から流出した余剰の培養液の量）の比率を意味し、「計測排液率」とは、実際に計測された排液量の対給液量比率を意味し、「基準排液率」とは、対象植物（作物）、作型、栽培マット５の保水力等を勘案して、ユーザーによって設定された排液率の目標値である。そして、給液アクションを繰り返し実行することによって、計測排液率が基準排液率に到達した場合、「栽培マット５内の水分は適正な状態にある」とみなされる。換言すれば、ユーザーは、栽培マット５内の水分が適正な状態となるように、諸事情を考慮して基準排液率を設定する必要がある。
【００３１】
ｃ．給液量
第１回目の給液アクションにおいては、「基準給液量」の培養液が栽培マット５へ供給される。この「基準給液量」とは、前日に実施された日中モードの給液（「日中モード」及びその給液の態様等については後述する。）によって栽培マット５へ供給された培養液の総量を、給液アクションの実行回数で割ったもの、即ち、前日の日中モードにおける給液アクション１回当たりの給液量の平均値である。
【００３２】
第２回目以降の給液アクションにおいては、「給液量適正化制御」に従って給液量が決定され、給液アクションが実行される。この「給液量適正化制御」とは、前回の給液アクションによって生じた排液量の計測値と給液量から計測排液率を計算し、基準排液率と計測排液率との差から、基準排液率を達成するために（即ち、栽培マット５内の水分状態を適正にするために）今回の給液アクションにおいて供給すべき培養液の量を算出して（このようにして算出された給液量を「算出給液量」と言う。）、給液アクションを実行する、というものである。
【００３３】
但し、この給液量適正化制御において、その直前の回に実行された給液アクションの際に排液が生じなかった場合には、今回の給液アクションにおいて供給すべき適正な培養液の量は算出できないことになるので、算出給液量ではなく、基準給液量の培養液が栽培マット５へ供給されることになる。
【００３４】
ｄ．培養液の選択
日の出前モードにおいては、すべての給液アクションにおいて、新液が使用される。
【００３５】
ここで、図２に示すフローチャートに沿って、日の出前モードにおける給液の手順（日の出前モードの起動から終了まで）について説明する。まず、日の出前モードが起動されると、第１回目の給液アクションとして、基準給液量の培養液が栽培マット５へ供給される。次に、第２回目の給液アクションにおける給液量を決定するため、給液量適正化制御により、第１回目の給液アクションが実行された結果、排液が生じたかどうかが計測される。尚、排液量は、第２流量計１２（図１参照）によって計測される。
【００３６】
より詳細には、給液アクションの際に余剰分が生じると、その余剰分は栽培マット５から流出して排液管７によって排液として回収され、その排液は排液タンク９に貯留されることになる。排液タンク９に貯留された排液は、その次の回の給液アクションが実行される前に、第２ポンプ１０によってすべて吸引され、循環タンク８に移送される。このとき、第２流量計１２によって、その回に移送された排液の量がその都度計測され、制御手段に記憶されるようになっている。
【００３７】
そして、第１回目の給液アクションによって生じた排液量が「０」であった場合、即ち、排液が計測されなかった場合、第２回目の給液アクションにおいて使用される培養液の量は、基準給液量となる。
【００３８】
一方、排液量が「０以上」であった場合には、計測排液率が計算され、その値が基準排液率を超えているかどうかが判定される。その結果、計測排液率が基準排液率を超えていた場合には、第２回目の給液アクションの給液量は「０」、即ち、それ以上給液アクションは実行されない。この場合、日の出前モードにおける給液は、そのまま終了する。
【００３９】
計測排液率が基準排液率を超えていない場合には、その計測排液率をもとに、第２回目の給液アクションによって基準排液率を達成するために必要な給液量が制御手段によって算出され、その算出給液量にて、第２回目の給液アクションが実行される。この場合、第２回目の給液アクションの実行によって基準排液率を達成できることになるので、第２回目の給液アクションをもって、日の出前モードの給液は終了する。
【００４０】
尚、第３回目以降の給液アクションが実行される場合も、上述したような第２回目の給液アクションと同様の手順に従って、給液量が決定され、給液が実行される。
【００４１】
本実施形態においては、このような手順に従って給液アクションを繰り返し実行することによって、日の出前において、栽培マット５内の水分を適正な状態とすることができるようになっている。
【００４２】
（イ）日中モード
ａ．モードの切替
日の出前モードの給液が終了すると、自動的に日中モードに切り替わる。
ｂ．給液アクション
日中モードにおける給液も、給液アクションを複数回実行することによって行われるが、日の出前モードの給液アクションのように、繰り返し連続的に実行されるのではなく、「積算日射量制御」によって行われる。この「積算日射量制御」とは、日照センサーによって計測された日射量の積算値が所定の値を超えた場合に給液が開始されるという制御を意味する。
【００４３】
つまり、この制御方法による場合、日射量の強い時間帯には、比較的短い間隔で給液アクションが実行され、日射量が弱い時間帯や曇天の場合には、比較的長い間隔で給液アクションが実行されることになる。
【００４４】
但し、タイムリミットを設定できるようになっており、例えば、タイムリミットを「６時間」と設定した場合には、前回の給液アクション終了から６時間経過しても、日射量の積算値が所定の値を超えていない場合には、強制的に給液アクションが開始されるようになっている。
【００４５】
ｃ．給液量
日中モードにおいて実行される各給液アクションの給液量は、日の出前モードの第２回目以降の給液アクションと同様に、「給液量適正化制御」に従って決定される。つまり、前回の給液アクション（日中モードにおける第１回目の給液アクションの場合には、日の出前モードにおいて実行された最後の給液アクション）の実行により生じた排液量の計測値及び給液量をもとに、基準排液率を達成するために必要となる給液量が算出され、その算出給液量にて給液アクションが実行されることになり、前回の給液アクションの際に排液が生じなかった場合には、基準給液量にて給液アクションが実行されることになる。
【００４６】
ｄ．培養液の選択
日中モードの各給液アクションにおいては、時間帯によって、新液と循環液のいずれかが選択される。より詳細には、日射強度が最高となる時刻（最高日射強度時刻）の１時間前（±１５分）を境として、その時刻（基準時刻）よりも前に実行される給液アクションにおいては新液が使用され、基準時刻よりも後に実行される給液アクションにおいては循環液が使用される。但し、循環液が使用されるべき時間帯であっても、循環液が不足している場合、或いは、枯渇してしまった場合には、自動的に新液が使用され、不足分が補われるようになっている。
【００４７】
尚、制御手段は、日射時間帯（日の出から日の入りまでの時間帯）の中間時刻を最高日射強度時刻として把握し、その時刻から基準時刻を計算（自動設定）するようになっている。例えば、日の出が午前５時、日の入りが午後７時となる日においては、日射時間帯の中間時刻となる「正午」が最高日射強度時刻ということになり、基準時刻は「午前１１時」ということになる。また、実施日の日射時間帯は、実施日前１週間分の日射量計測データをもとに、制御手段によって予測される。
【００４８】
このように、日中モードにおいて、基準時刻前には新液を使用し、基準時刻後には循環液を使用するという制御を行うこととしているのは、次のような理由による。
【００４９】
まず、作物生理（光合成による代謝等）を考慮すると、日の出から日射強度が最高となる時刻までの時間帯が、作物養水分吸収が行われるうえで重要な時間帯であると考えられ、また、発明者等が実際に行った試験により、日射強度が最高となる時刻の１時間前以降は、推定養水分吸収が低下し、排液のＥＣ（電気伝導度）濃度が高まることが判った。これらのことから、日の出から最高日射強度時刻の１時間前までの時間帯が、作物養水分吸収が行われるうえで重要な時間帯であることが推定できる。
【００５０】
そこで、本実施形態においては、作物養水分吸収が行われるうえで重要な時間帯である「日の出から最高日射強度時刻の１時間前まで」は、養分濃度及び成分バランスについて申し分のない新液を供給し、養水分吸収量の低下する「最高日射強度時刻の１時間前以降」は、循環液を再利用することとしたのである。
【００５１】
そして、このような制御を行うことにより、作物生理に応じた給液管理を実現でき、また、万が一循環液の濃度・成分バランスが不適となってしまった場合であっても、対象植物や作物への悪影響を最小限に抑えることができる。
【００５２】
（ウ）日の入り後モード
ａ．モードの切替
日照センサーによって「日没」が確認されると、自動的に日の入り後モードに切り替わる。
【００５３】
ｂ．給液アクション
モードが日の入り後モードに切り替えられてから一定時間（例えば、１時間）が経過すると、日の入り後モードの給液として、給液アクションが１回だけ実行される。尚、日中だけでなく日の入り後にも給液を実行することとしているのは、光合成が行われない夜間においても養水分吸収は行われる、と考えられるからである。
【００５４】
ｃ．給液量
日の入り後モードの給液アクションが実行される際、まず、その日に実行された日中モードの給液アクション１回当たりの平均給液量が計算され、その値と同量の培養液が栽培マット５へ供給される。
【００５５】
ｄ．培養液の選択
日の入り後モードの給液アクションにおいては、新液が選択される。
【００５６】
ｅ．その他
前述の通り、日の入り後モードの給液アクションが実行される際には、その日に実行された日中モードの給液アクション１回当たりの平均給液量が計算されることになるが、その平均給液量の値は、翌日の基準給液量として、制御手段にセットされる。
【００５７】
以上に説明したような制御方法によれば、対象植物の作物生理に応じた給液管理、及び、循環液の濃度・成分バランスの不均衡による作物生育への悪影響を最小限に抑える給液管理を実現できる。
【００５８】
また、発明者等が実施した試験において、給液量、給液ＥＣ濃度を一定の値で管理すると、作物の養水分吸収が行われる栽培マット内の水分状態によって、排液量や排液のＥＣ濃度が変化することが確認されており、このことから、栽培マット内の水分状態を一定に保つということが、作物養水分吸収最適化を図るうえで非常に重要であるということが判明しているが、以上に説明したような制御方法によれば、栽培マット５内の水分状態が一定に保たれることになるので、作物養水分吸収を最適化し、効率よく対象植物及び作物を生育させることができる。
【００５９】
次に、本発明の第３の実施形態として、第１の実施形態の循環式養液栽培装置１について適用することができる他の制御方法について説明する。本実施形態においては、作物の生育ステージ、時期ごとの養水分吸収量に合わせて、適切な処方の培養液を選択することにより、栽培マット５内の成分バランスの不均衡を短時間で是正することができるようになっている。以下、本実施形態に係る循環式養液栽培装置１の制御方法について詳細に説明する。
【００６０】
図１の循環式養液栽培装置１を用いて植物の栽培を実施する際、培養液の排液を再利用し続けると、培養液のＥＣ濃度が上昇するとともに、その成分バランスが不均衡となり、培養液のｐＨが上昇若しくは下降し、適正範囲から外れてしまうことがある。
【００６１】
本実施形態においては、このように培養液のｐＨが適正範囲から外れてしまった場合、速やかにこれを検知し、ｐＨ変動の原因（症状）を特定し、その特定された原因（症状）に応じて、適切な処方の培養液を選択して、給液が実行されるようになっている。
【００６２】
より具体的には、給液アクションの起動条件が満たされた場合（例えば、日射量の積算値が所定の値を超えた場合など）、まず、給液アクションの実行前に、前回の給液アクションによって生じた排液（排液タンク９に貯留されている。）のＥＣ濃度、及び、ｐＨが測定される。尚、ＥＣ濃度、及び、ｐＨの測定は、排液タンク９内に設置されている第１センサー１５によって行われる。
【００６３】
そして、その測定結果をもとに、ｐＨ変動の原因（症状）が特定される。尚、ｐＨが上昇する要因として、硝酸に対して塩基（Ｋ，Ｃａ，Ｍｇ）が相対的に多く排液中に存在していることが推定され、逆に、ｐＨが低下する要因としては、塩基に対して硝酸が相対的に多く排液中に存在していることが推定される。また、ＥＣ濃度の上昇という症状は、排液中の硝酸による影響と考えられるが、ｐＨが高い場合には、排液中の塩基の影響と考えられる。逆に、ＥＣ濃度が低下する要因としては、養分濃度が全体的に低下している場合、特に、硝酸が不足している場合が多いが、ｐＨが低い場合は、塩基が極端に少なくなっている、とも考えられる。
【００６４】
これらのことから、ＥＣ濃度、及び、ｐＨの測定結果と、ｐＨ変動の原因（症状）とは、次表に示すような関係にある、と考えられる。
【００６５】
【表１】
尚、上記表の「硝酸」及び「塩基」の欄において、「高」とは、排液中における各成分の「含有量が多い」ことを意味し、「低」とは、「含有量が少ない」ことを意味する。また、「塩基」の欄において「多」とは、排液中における塩基の含有量が「硝酸よりも多い」ことを意味し、「少」とは、「硝酸よりも少ない」ことを意味している。
【００６７】
そして、特定されたｐＨ変動の原因（症状）が、上記表１のケース１、ケース４、及び、ケース７に該当する場合、即ち、ｐＨが高い場合には、次表に示す第１培養液が選択され、ケース３、ケース６、及び、ケース９に該当する場合、即ち、ｐＨが低い場合には、次表に示す第２培養液が選択される。また、ケース２、ケース５、及び、ケース８に該当する場合、即ち、ｐＨが適正であれば、通常の培養液が選択されて、給液が実行される。
【００６８】
【表２】
上記のうち、第１培養液は、「山崎処方」と呼ばれる処方に従って調整された培養液であり、第２培養液は、塩基の割合が高い処方の培養液である。
【００７０】
第１培養液、第２培養液、及び、ｐＨが適正である場合に給液される通常の培養液は、いずれも未使用の培養液（新液）であって、濃縮された状態で原液タンク２内に貯留されている。尚、図１には、１つの原液タンク２しか表示されていないが、本実施形態における循環式養液栽培装置１においては、３つの原液タンク２が設置され、第１培養液、第２培養液、及び、通常の培養液の濃縮液が、それぞれ別々の原液タンク２内に貯留されており、給液アクションの際には、選択された培養液の濃縮液が混入ポンプ１７によって吸引され、原水と混合され、所望の濃度にて栽培マット５へ供給されるようになっている。
【００７１】
このように、本実施形態においては、培養液の排液を再利用し続けることによって、培養液のｐＨが上昇若しくは下降し、適正範囲から外れてしまった場合に、排液タンク９内の第１センサー１５によってこれが検知され、第１センサー１５によるＥＣ濃度及びｐＨの測定結果に基づいて、ｐＨ変動の原因（症状）が特定されるとともに、その原因（症状）に応じて、適切な培養液が選択されて給液されるようになっており、その結果、栽培マット５内の成分バランスの不均衡を短時間で是正できるようになっている。
【００７２】
次に、本発明の第４の実施形態として、第１の実施形態の循環式養液栽培装置１について適用することができる他の制御方法について説明する。本実施形態においては、栽培マット５内の養水分状態を一定に保つことによって作物生育を適正に管理できるよう、給液ＥＣ濃度を自動調整することによって、栽培マット５内における培養液のＥＣ濃度を適正化し、成分濃度・バランスの不均衡を最小限に抑えることができるようになっている。以下、本実施形態に係る循環式養液栽培装置１の制御方法について詳細に説明する。
【００７３】
培養液の排液を再利用し続けると、循環液のＥＣ濃度が上昇あるいは下降し、適正範囲から外れてしまうことがある。本実施形態においては、このように排液のＥＣ濃度が適正範囲から外れてしまった場合、速やかにこれを検知し、次回の給液アクションによって生じる排液のＥＣ濃度を、管理ＥＣ濃度（ユーザーによって設定された排液ＥＣ濃度についての目標値）に近づけるようになっている。
【００７４】
より具体的には、給液アクションの起動条件が満たされた場合（例えば、日射量の積算値が所定の値を超えた場合など）、まず、給液アクションの実行前に、前回の給液アクションによって生じた排液のＥＣ濃度が、第１センサーによって測定される。
【００７５】
そして、その排液ＥＣ濃度が適正範囲から外れてしまっている場合には、その測定値をもとに、今回の給液アクションにおいて使用する培養液の濃度（給液の原液希釈倍率）を計算する。尚、培養液の濃度計算は、今回の給液アクションにおいて、どの程度の濃度で培養液を供給すれば、今回の給液アクションの実行後に生じる排液のＥＣ濃度を、管理ＥＣ濃度に近づけることができるか、という事項を基準として行う。
【００７６】
また、このような場合（前回の排液ＥＣ濃度が適正範囲から外れてしまった場合）に給液対象となる培養液は、循環液ではなく、原液タンク２に貯留されている新液の濃縮液であり、新液の濃縮液は、通常、原液希釈基準倍率（濃縮液の処方ごとに定められた希釈倍率）にて原水に混入され、栽培マット５へ供給されるようになっている。
【００７７】
従って、培養液の濃度計算は、まず、排液のＥＣ濃度を管理ＥＣ濃度に近づけるために必要となる希釈率（管理ＥＣ濃度に適正化する希釈率）を求め、原液希釈基準倍率を、管理ＥＣ濃度に適正化する希釈率で割ることによって、実際に使用される培養液の濃縮液を希釈する倍率（給液の原液希釈倍率）を求める、という手法によって行う。
【００７８】
つまり、管理ＥＣ濃度に適正化する希釈率をｄとし、原液希釈基準倍率をｆｎとし、給液の原液希釈倍率をｅｎとすると、次のような関係式が成り立つ。
【００７９】
【数１】
ｅｎ＝ｆｎ／ｄ
【００８０】
例えば、前回の排液ＥＣ濃度の測定結果より、管理ＥＣ濃度に適正化する希釈率が「１．０４」であると計算された場合であって、使用される培養液の原液希釈基準倍率が「１００」である場合には、今回の給液アクションにおいて使用される培養液は、原液タンク２に貯留されている培養液の濃縮液を、「９６．２」倍に希釈されて、栽培マット５へ供給されることになる。
【００８１】
本実施形態においては、このように、前回の排液ＥＣ濃度測定結果に基づいて、今回の給液アクションにおいて使用する培養液の濃度を自動計算し、その結果生じる排液のＥＣ濃度が、管理ＥＣ濃度に近づくように自動調整されるようになっており、栽培マット５内の培養液のＥＣ濃度が適正化され、成分濃度・バランスの不均衡が最小限に抑制されるようになっている。
【００８２】
次に、本発明の第５の実施形態として、第１の実施形態の循環式養液栽培装置１について適用することができる他の制御方法について説明する。本実施形態においては、循環タンク８内の循環液のＥＣ濃度、ｐＨを常時監視し、複数種類用意されたｐＨ調整剤のうちの少なくとも１種類、及び／又は、原水を循環タンク８内へ添加することにより、循環液のＥＣ濃度、ｐＨが、常時適正化されるようになっており、これにより、循環式養液栽培装置１を完全閉鎖型の装置とすることができる。以下、本実施形態に係る循環式養液栽培装置１の制御方法について詳細に説明する。
【００８３】
図１に示されているように、本実施形態においては、循環式養液栽培装置１の循環タンク８内に、第２センサー１６が備えられており、常時、循環タンク８内における循環液のＥＣ濃度及びｐＨが測定され、これらが適正範囲を外れている場合には、原水、或いは、ｐＨ調整剤が循環タンク８内へ添加され、ＥＣ濃度及びｐＨが適正化される。
【００８４】
原水の添加は、図１に示す原水供給手段１４によって行われ、第２センサー１６によるＥＣ濃度の計測値が、適正範囲内となるまで（管理ＥＣ濃度に近づくまで）実行される。一方、ｐＨ調整剤の添加は、図１に示すｐＨ調整剤供給手段１３によって行われる。
【００８５】
ｐＨ調整剤供給手段１３は、ｐＨを上げるために使用される３種類のｐＨアップ剤（ＫＯＨを主体とするもの、Ｃａ（ＯＨ）２を主体とするもの、及び、Ｍｇ（ＯＨ）２を主体とするもの）と、ｐＨを下げるために使用される２種類のｐＨダウン剤（硝酸を主体とするもの、及び、りん酸を主体とするもの）の、合計５種類のｐＨ調整剤の中から、適宜選択された１種類のｐＨ調整剤を循環タンク８内へ添加し、或いは、必要に応じて複数種類のｐＨ調整剤を選択して循環タンク８内へ添加することができるようになっている。
【００８６】
より具体的には、第２センサー１６によるｐＨの測定結果より、循環液のｐＨを上げる必要がある場合において、作物の種類、生育ステージの養分吸収特性に合わせたユーザーの事前登録により、カリウムが必要と予測される場合には、ＫＯＨを主体とするｐＨアップ剤が添加され、カルシウムが必要と予測される場合には、Ｃａ（ＯＨ）２を主体とするｐＨアップ剤が添加され、マグネシウムが必要と予測される場合には、Ｍｇ（ＯＨ）２を主体とするｐＨアップ剤が添加される。
【００８７】
また、第２センサー１６によるｐＨの測定結果より、循環液のｐＨを下げる必要がある場合において、ＥＣ濃度が管理ＥＣ濃度よりも高い場合には、りん酸を主体とするｐＨダウン剤が添加され、ＥＣ濃度が管理ＥＣ濃度よりも低い場合には、硝酸を主体とするｐＨダウン剤が添加される。
【００８８】
このように、本実施形態に係る循環式養液栽培装置１の制御方法によれば、循環タンク８内の循環液のＥＣ濃度、ｐＨが常時監視され、複数種類のｐＨ調整剤や原水を循環タンク８内へ適宜添加することにより、循環液のＥＣ濃度、及び、ｐＨが、常時適正化されるようになっており、これにより、循環式養液栽培装置１を完全閉鎖型の装置とすることができる。
【００８９】
また、ｐＨ調整剤として、Ｎ、Ｐ、Ｋ、Ｃａ、Ｍｇをそれぞれ主体とする調整剤を循環液に添加できるように構成されているため、循環液における成分バランスの適正化を図るとともに、養分補給機能も具現化することができる。但し、ｐＨ調整剤は上記のものには限定されず、他の成分を主体とする調整剤を用いることもできる。
【００９０】
尚、上記各実施形態における本発明の構成は例示であり、例えば、栽培容器４の構造や形状は、図１に示したものには限定されず、その材質、排液の排出方法についても、何ら限定されるものではない。また、上記実施形態においては、栽培用培地として栽培マット５を例示して説明したが、必ずしもこれには限定されず、その種類、設置方法も限定されるものではない。
【００９１】
更に、循環液や排液の濃度、成分バランスを計測する手段として、第１センサー１５及び第２センサー１６が例示され、これらは、培養液のＥＣ濃度及びｐＨを計測するためのものと説明されているが、必要に応じてイオンメーターと置換し、或いは、併用させることもできる。
【００９２】
また、原液タンク２の数量や、原水との混合方法も、図１に示すものには限定されず、作物の種類等に応じて、適宜変更することができる。
【００９３】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る循環式養液栽培装置は、新液と循環液とを必要に応じて使い分けることができるので、例えば、作物生理に応じた制御方法などを適用することが可能となり、対象植物、作物を効率よく生育されることができるほか、省資源化及びコストの節減を図ることができる。
【００９４】
また、循環液の濃度、成分バランスが自動調整されるように構成した場合には、完全閉鎖型の培養液循環システムを実現することができる
【００９５】
更に、この循環式養液栽培装置において、給液量適正化制御や、積算日射量制御を実施できるように構成した場合には、培養液の濃度、成分バランスが不適となった場合でも、作物生育への影響を最小限に抑えることができ、また、作物生理に応じた給液管理を実現することができるほか、栽培用培地内の水分状態を一定に保つことにより、作物養水分吸収最適化を図ることができる。
【００９６】
また、栽培用培地から流出した余剰の培養液のＥＣ濃度及びｐＨが測定されるように構成し、培養液のｐＨが適正範囲から外れてしまった際、ｐＨ変動の原因が特定されるとともに、その特定された原因に応じて、適切な処方の未使用の培養液が栽培用培地へ供給されるように構成した場合や、培養液のＥＣ濃度が適正範囲から外れてしまった際、未使用の培養液が栽培用培地へ供給されるように設定されるとともに、その未使用の培養液が、ＥＣ濃度の測定値をもとに計算された濃度に自動調整されるように構成した場合には、栽培用培地内において培養液の成分バランスの不均衡が生じた場合でも、これを短時間で是正することができ、或いは、栽培容器内における培養液のＥＣ濃度を速やかに適正化することができる。
【００９７】
そして、循環液のＥＣ濃度及びｐＨが監視され、そのＥＣ濃度及びｐＨが適正範囲を外れてしまった場合に、複数種類用意されたｐＨ調整剤のうちの少なくとも１種類、及び／又は、原水が循環液に添加されるように構成した場合には、循環液のＥＣ濃度及びｐＨを速やかに適正化することができ、その結果、循環式養液栽培装置を完全閉鎖型の装置として構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１の実施形態に係る循環式養液栽培装置１の構成図。
【図２】 本発明の第２の実施形態に係る循環式養液栽培装置１の制御方法の説明図。
【図３】 従来の基本的な養液栽培装置２１の構成図。
【図４】 従来の再利用方式の養液栽培装置３１の構成図。
【符号の説明】
１：循環式養液栽培装置、
２：原液タンク、
３：第１ポンプ、
４，２４：栽培容器、
５：栽培マット、
６，２６：対象植物、
７：排液管、
８，２８：循環タンク、
９：排液タンク、
１０：第２ポンプ、
１１：第１流量計、
１２：第２流量計、
１３：ｐＨ調整剤供給手段、
１４：原水供給手段、
１５：第１センサー、
１６：第２センサー
１７：混入ポンプ、
１８：孔、
１９：ノズル、
２１，３１：養液栽培装置、
２２：培養液タンク、
２３：ポンプ、
２５：栽培用培地、
２７：排水手段、
２９：新液供給管、
３０：孔、[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is configured to be capable of cultivating a plant by supplying a culture solution to the culture medium, and particularly configured to collect and reuse the excess culture solution that has flowed out of the culture medium. It relates to a circulation type hydroponic cultivation apparatus.
[0002]
[Prior art]
In recent years, an apparatus (nutritional culture apparatus) that can grow a plant by supplying a culture solution into a cultivation container has been widely put into practical use. FIG. 3 is a configuration diagram of a conventional basic nutrient solution cultivating apparatus 21, and as shown in the figure, the nutrient solution cultivating apparatus 21 is a cultivation container configured to store a predetermined amount of culture solution. The target plant 26 is fixedly planted in the culture medium 25 in 24 and the
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In this type of nutrient solution cultivating apparatus 21, the surplus culture solution (drainage) from the cultivation medium 25 is not subjected to any treatment, and is directly discharged from the drainage means 27 (groundwater system, sewage system, etc.). ), But the culture medium contains various chemical components, which may cause groundwater contamination and eutrophication of rivers and seawater. There is also a problem from the viewpoint of resource saving and economic efficiency.
[0004]
Therefore, recently, as shown in FIG. 4, a recycling type hydroponic cultivation device 31 configured to collect the drainage liquid and store it in the circulation tank 28 and to reuse the drainage liquid has been developed. Yes.
[0005]
However, in the recycle type nutrient solution cultivation apparatus 31 as shown in FIG. 4, when the amount of the culture solution in the circulation tank 28 decreases, a new culture solution is supplied via the new solution supply pipe 29 to the circulation tank 28. Therefore, as the culture solution circulates, the nutrient concentration and the component balance of the culture solution gradually become unbalanced, and finally supplied to the cultivation container 24. Because the culture solution is out of the suitable range (concentration and components that do not fully function as a culture solution), it is out of the suitable range during actual operation. The culture solution must be discharged out of the system, and the problem of adverse effects on the surrounding environment cannot be completely solved.
[0006]
In addition, from the viewpoint of optimizing crop nutrient moisture absorption, it is desirable to configure the moisture state in the cultivation container 24 to be kept constant. Since it is comprised so that a culture solution may be supplied, it is not comprised so that the moisture state in the cultivation container 24 can be kept constant.
[0007]
Furthermore, considering crop physiology, the time zone from sunrise to the time when the solar radiation intensity is highest is considered to be an important time zone for the absorption of crop nourishing water. Is configured such that a circulating fluid obtained by mixing a new culture solution and drainage is supplied to the target plant 26, and is not configured to perform liquid supply management according to crop physiology.
[0008]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems of the prior art, and even when the concentration of the culture solution and the component balance are not suitable, by applying a specific control method, crop growth can be achieved. Can minimize the effects of water, and can manage the supply of water according to the physiology of the crop. It aims at providing the circulation type hydroponic cultivation apparatus that can be aimed at.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The circulation type hydroponic cultivation apparatus according to the present invention includes a cultivation container, a cultivation medium disposed in the cultivation container, a medium supply means for supplying the cultivation liquid to the cultivation medium, and an outflow from the cultivation medium. A culture medium recovery means for recovering the excess culture medium and a control means, and the culture medium supply means is recovered by the new culture liquid (new liquid) and the culture medium recovery means under the control of the control means. It is characterized by being configured so that any one of the excess culture fluid (circulating fluid) can be selected and supplied to the cultivation medium.
[0010]
In addition, in this circulation type hydroponic cultivation apparatus, the reference time is automatically set in relation to the maximum solar radiation intensity time at which the solar radiation intensity on the implementation day is the highest, and before this reference time, the new liquid is transferred to the cultivation medium. After the reference time is supplied, it is preferable that the circulating fluid is supplied to the cultivation medium, and the control means sets the intermediate solar time in the solar radiation time zone (time zone from sunrise to sunset) as the maximum solar radiation intensity. It is preferable to be configured to grasp as time.
[0011]
In addition, when the circulating fluid is to be supplied to the cultivation medium, that is, when the remaining amount of the circulating fluid is insufficient at the time of liquid supply executed after the reference time, the shortage is compensated by the new fluid. It is preferable that it is comprised.
[0012]
The reference time is preferably set to a time approximately one hour before the highest solar radiation intensity time (time ± 15 minutes one hour before). Further, before the sunrise of the implementation day, the liquid is supplied by timer control. In the daytime, it is preferable that the liquid supply is performed by the integrated solar radiation amount control.
[0013]
In addition, when the liquid supply is performed during the day by the integrated solar radiation amount control, the liquid supply is forcibly executed if the integrated solar radiation amount does not reach the specified amount even after a predetermined time has elapsed. You can also
[0014]
Furthermore, it is preferable that the excess culture solution recovered by the culture solution recovery means be reused after being automatically adjusted so that the concentration and the component balance are within the appropriate ranges.
[0015]
In addition, the EC concentration and pH of the excess culture solution flowing out from the culture medium are measured, and when the pH of the culture solution is out of the proper range, the cause of the pH variation is specified. Depending on the specified cause, when an unused culture solution having an appropriate formulation is supplied to the culture medium, an imbalance in the component balance of the culture medium occurs in the culture medium. This can be corrected in a short time.
[0016]
Further, the EC concentration of the excess culture solution that has flowed out of the culture medium is measured, and when the EC concentration of the culture solution falls outside the appropriate range, the unused culture solution is used for the cultivation. The EC concentration of the culture solution in the cultivation container is set so that the unused culture solution is automatically adjusted to the concentration calculated based on the measured value of the EC concentration. Can be configured to be optimized.
[0017]
In addition, when the EC concentration and pH of the circulating fluid are monitored and the EC concentration and pH are out of the proper range, at least one of a plurality of prepared pH adjusting agents and / or raw water It can be configured to be added to the circulating fluid so that the EC concentration and pH of the circulating fluid can be optimized.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. Drawing 1 is a lineblock diagram of circulation type nutrient
[0019]
Among these, the undiluted | stock solution tank 2 is for storing the concentrate of the newly produced | generated unused culture solution (new solution). The concentrate of the culture solution stored in the stock solution tank 2 is sucked in by the mixing
[0020]
Inside the cultivation container 4, a sponge-like cultivation mat 5 is arranged as a cultivation medium for planting the
[0021]
When supplying the liquid, a sufficient amount of the culture solution is supplied to the cultivation mat 5 so that the excess amount flows out from the cultivation mat 5, and the excess culture solution (drainage) is shown in the figure. As shown, it flows out from the hole 18 provided on the bottom surface of the cultivation container 4, is collected by the drainage pipe 7, and is stored in the drainage tank 9.
[0022]
The drainage liquid stored in the drainage tank 9 is sucked by the
[0023]
Further, as shown in FIG. 1, in the circulation type
[0024]
The circulating fluid stored in the
[0025]
That is, the circulation type
[0026]
And as above-mentioned, in this circulation type
[0027]
Next, the suitable control method of the circulation type
[0028]
(A) Pre-sunrise mode
a. Invoke mode
The pre-sunrise mode is activated by a timer control a predetermined time before the “sunrise time” (for example, two hours before). The “sunrise time” on the day of the implementation date is predicted by the control means based on the “irradiance measurement data for one week” before the implementation day, and the “irradiance measurement data for one week” is estimated by the sunshine sensor. It is measured continuously or regularly and stored in the control means. However, the “sunrise time” can also be set by the user registering in advance, and in this case, “prediction of sunrise time” by the control means is not performed.
[0029]
b. Supply action
The liquid supply in the pre-sunrise mode is performed by executing a liquid supply action (operation of supplying the culture liquid to the cultivation mat 5) a plurality of times. The first liquid supply action is executed as soon as preparation is completed after the start of the pre-sunrise mode, and the second and subsequent liquid supply actions are performed at regular intervals (for example, after the first liquid supply action is completed) After 30 minutes, the process is repeated until the “measured drainage rate” reaches the “reference drainage rate”. Thus, the liquid supply before sunrise is substantially performed by the timer control.
[0030]
The “drainage rate” here refers to the drainage amount (outflow from the cultivation mat 5) with respect to the amount of the culture solution supplied to the cultivation mat 5 (the amount of the culture solution supplied by one feeding action). The ratio of the surplus culture broth), the “measured drainage rate” means the ratio of the actually measured drainage volume to the supply volume, and the “reference drainage rate” This is the target value of the drainage rate set by the user in consideration of the target plant (crop), cropping type, water retention capacity of the cultivation mat 5 and the like. When the measured drainage rate reaches the reference drainage rate by repeatedly executing the liquid supply action, it is regarded that “the water in the cultivation mat 5 is in an appropriate state”. In other words, the user needs to set the reference drainage rate in consideration of various circumstances so that the moisture in the cultivation mat 5 is in an appropriate state.
[0031]
c. Supply volume
In the first liquid supply action, the culture liquid of “reference liquid supply amount” is supplied to the cultivation mat 5. The “reference liquid supply amount” refers to the culture liquid supplied to the cultivation mat 5 by the liquid supply in the daytime mode (the “daytime mode” and the mode of the liquid supply will be described later) performed on the previous day. Is the average value of the liquid supply amount per liquid supply action in the daytime mode of the previous day.
[0032]
In the second and subsequent liquid supply actions, the liquid supply amount is determined according to the “liquid supply amount optimization control”, and the liquid supply action is executed. This "liquid supply amount optimization control" is to calculate the measured drainage rate from the measured value of the drainage amount caused by the previous liquid supply action and the liquid supply amount, and to calculate the reference drainage rate and the measured drainage rate. From the difference, in order to achieve the standard drainage rate (that is, to make the moisture state in the cultivation mat 5 appropriate), the amount of the culture solution to be supplied in the current feeding action is calculated (in this way). The liquid supply amount calculated in this way is referred to as “calculated liquid supply amount”), and the liquid supply action is executed.
[0033]
However, in this liquid supply amount optimization control, if no drainage has occurred during the liquid supply action performed immediately before that, the appropriate amount of culture solution to be supplied in the current liquid supply action Therefore, the culture solution of the reference liquid supply amount is supplied to the cultivation mat 5 instead of the calculated liquid supply amount.
[0034]
d. Selection of culture medium
In the pre-sunrise mode, new liquid is used in all liquid supply actions.
[0035]
Here, the procedure of liquid supply in the pre-sunrise mode (from the start to the end of the pre-sunrise mode) will be described with reference to the flowchart shown in FIG. First, when the pre-sunrise mode is activated, a culture solution of a reference supply amount is supplied to the cultivation mat 5 as a first supply action. Next, in order to determine the liquid supply amount in the second liquid supply action, whether or not liquid discharge has occurred as a result of the execution of the first liquid supply action is measured by the liquid supply amount optimization control. . The drainage amount is measured by the second flow meter 12 (see FIG. 1).
[0036]
More specifically, when surplus occurs during the liquid supply action, the surplus flows out from the cultivation mat 5 and is collected as drainage by the drainage pipe 7, and the drainage is stored in the drainage tank 9. Will be. The drainage liquid stored in the drainage tank 9 is all sucked by the
[0037]
When the amount of drainage generated by the first liquid supply action is “0”, that is, when the liquid drainage is not measured, the amount of the culture solution used in the second liquid supply action Is the reference liquid supply amount.
[0038]
On the other hand, when the drainage amount is “0 or more”, the measured drainage rate is calculated, and it is determined whether or not the value exceeds the reference drainage rate. As a result, when the measured liquid discharge rate exceeds the reference liquid discharge rate, the liquid supply amount of the second liquid supply action is “0”, that is, no further liquid supply action is executed. In this case, the liquid supply in the pre-sunrise mode is terminated as it is.
[0039]
If the measured drainage rate does not exceed the reference drainage rate, based on the measured drainage rate, the amount of liquid supply required to achieve the reference drainage rate by the second liquid supply action is The second liquid supply action is executed with the calculated liquid supply amount calculated by the control means. In this case, since the reference drainage rate can be achieved by executing the second liquid supply action, the liquid supply in the pre-sunrise mode ends with the second liquid supply action.
[0040]
Even when the third and subsequent liquid supply actions are executed, the liquid supply amount is determined and the liquid supply is executed according to the same procedure as that of the second liquid supply action as described above.
[0041]
In this embodiment, by repeating the liquid supply action according to such a procedure, the moisture in the cultivation mat 5 can be brought into an appropriate state before sunrise.
[0042]
(B) Daytime mode
a. Switching modes
When the pre-sunrise mode liquid supply ends, the mode automatically switches to the daytime mode.
b. Supply action
The liquid supply in the daytime mode is also performed by executing the liquid supply action multiple times, but it is not repeatedly executed continuously like the liquid supply action in the pre-sunrise mode, but "integrated solar radiation amount control" Is done by. This “integrated solar radiation amount control” means control in which liquid supply is started when the integrated value of the solar radiation amount measured by the sunshine sensor exceeds a predetermined value.
[0043]
That is, according to this control method, the liquid supply action is executed at a relatively short interval during a time period when the amount of solar radiation is strong, and the liquid supply action is performed at a relatively long interval during a time period when the amount of solar radiation is weak or in cloudy weather. Will be executed.
[0044]
However, the time limit can be set. For example, when the time limit is set to “6 hours”, even if 6 hours have elapsed since the end of the previous liquid supply action, the integrated value of the solar radiation amount is predetermined. When the value does not exceed the value, the liquid supply action is forcibly started.
[0045]
c. Supply volume
The liquid supply amount of each liquid supply action executed in the daytime mode is determined according to the “liquid supply amount optimization control” as in the second and subsequent liquid supply actions in the pre-sunrise mode. In other words, the measured value and the amount of drainage generated by the execution of the previous liquid supply action (in the case of the first liquid supply action in the daytime mode, the last liquid supply action executed in the pre-sunrise mode). Based on the amount of liquid, the amount of liquid supply required to achieve the reference drainage rate is calculated, and the liquid supply action is executed with the calculated liquid supply amount. If no liquid is discharged, the liquid supply action is executed with the reference liquid supply amount.
[0046]
d. Selection of culture medium
In each liquid supply action in the daytime mode, either a new liquid or a circulating liquid is selected depending on the time zone. More specifically, in the liquid supply action that is executed 1 hour before (± 15 minutes) before the time when the solar radiation intensity becomes maximum (maximum solar radiation intensity time) (± 15 minutes), The liquid is used, and the circulating liquid is used in the liquid supply action executed after the reference time. However, even when the circulating fluid is to be used, if the circulating fluid is insufficient or exhausted, the new fluid is automatically used to compensate for the shortage. It is like that.
[0047]
The control means grasps the intermediate time of the solar radiation time zone (time zone from sunrise to sunset) as the maximum solar radiation intensity time, and calculates (automatically sets) the reference time from that time. For example, on the day when the sunrise is 5:00 am and the sunset is 7:00 pm, “noon”, which is the intermediate time of the solar radiation time zone, is the highest solar radiation intensity time, and the reference time is “11 am” become. Moreover, the solar radiation time zone of an implementation day is estimated by a control means based on the solar radiation amount measurement data for one week before an implementation day.
[0048]
Thus, in the daytime mode, the control of using the new fluid before the reference time and using the circulating fluid after the reference time is performed for the following reason.
[0049]
First, considering crop physiology (metabolism by photosynthesis, etc.), the time zone from sunrise to the time when solar radiation intensity is highest is considered to be an important time zone for crop nourishing and water absorption. According to tests actually conducted by the inventors, it has been found that after one hour before the time when the solar radiation intensity becomes maximum, the estimated nutrient water absorption decreases and the EC (electrical conductivity) concentration of the drainage increases. From these facts, it can be estimated that the time zone from sunrise to one hour before the highest solar radiation intensity time is an important time zone for crop nutrient moisture absorption.
[0050]
Therefore, in this embodiment, an important time zone for the absorption of crop nourishment and moisture “from sunrise to one hour before the highest solar radiation intensity time” is a new solution that is satisfactory for nutrient concentration and component balance. In the case of “after 1 hour before the maximum solar radiation intensity time” when the amount of nutrient supply absorbed decreases, the circulating fluid is reused.
[0051]
By performing such control, liquid supply management according to the crop physiology can be realized, and even if the concentration / component balance of the circulating fluid becomes inappropriate, the target plant or crop The adverse effects on can be minimized.
[0052]
(C) Mode after sunset
a. Switching modes
When “sunset” is confirmed by the sunshine sensor, the mode automatically switches to the after sunset mode.
[0053]
b. Supply action
When a certain time (for example, 1 hour) elapses after the mode is switched to the mode after sunset, the liquid supply action is executed only once as the liquid supply in the mode after sunset. The reason why the liquid supply is executed not only during the day but also after the sunset is because it is considered that the nutrient water absorption is performed even at night when photosynthesis is not performed.
[0054]
c. Supply volume
When the liquid supply action in the mode after sunset is executed, first, the average liquid supply amount per one liquid supply action in the daytime mode executed on that day is calculated, and the culture liquid of the same amount as that value is the cultivation mat. 5 is supplied.
[0055]
d. Selection of culture medium
In the liquid supply action in the after sunset mode, a new liquid is selected.
[0056]
e. Other
As described above, when the liquid supply action in the after sunset mode is executed, the average liquid supply amount per one liquid supply action in the daytime mode executed on that day is calculated. The value of the liquid supply amount is set in the control means as the reference liquid supply amount for the next day.
[0057]
According to the control method as described above, the liquid supply management according to the crop physiology of the target plant, and the liquid supply management that minimizes the adverse effects on the crop growth due to the imbalance in the concentration / component balance of the circulating fluid Can be realized.
[0058]
In addition, in the tests conducted by the inventors, when the liquid supply amount and the liquid EC concentration are managed at a constant value, the amount of drainage and the amount of drainage are determined depending on the moisture state in the cultivation mat where the nutrient is absorbed by the crop. It has been confirmed that the EC concentration changes. From this, it has been found that keeping the moisture state in the cultivation mat constant is very important for optimizing the water absorption of crop nourishment. However, according to the control method as described above, the moisture state in the cultivation mat 5 is kept constant, so that the nutrient nourishing water absorption is optimized and the target plant and the crop are efficiently grown. Can be made.
[0059]
Next, as a third embodiment of the present invention, another control method that can be applied to the circulation type
[0060]
When the cultivation of plants is carried out using the circulation type
[0061]
In the present embodiment, when the pH of the culture solution deviates from the appropriate range as described above, this is promptly detected, the cause (symptom) of pH fluctuation is identified, and the identified cause (symptom) is determined. Accordingly, a culture solution having an appropriate formulation is selected and the liquid supply is executed.
[0062]
More specifically, when the start condition of the liquid supply action is satisfied (for example, when the integrated value of the solar radiation amount exceeds a predetermined value), first, before the liquid supply action is executed, the previous liquid supply action is performed. The EC concentration and pH of the drainage produced by the action (stored in the drainage tank 9) are measured. The EC concentration and pH are measured by the first sensor 15 installed in the drainage tank 9.
[0063]
And the cause (symptom) of pH fluctuation | variation is specified based on the measurement result. As a factor for increasing the pH, it is estimated that a relatively large amount of base (K, Ca, Mg) is present in the effluent with respect to nitric acid. Conversely, as a factor for decreasing the pH, It is presumed that there is relatively more nitric acid in the drainage than the base. Moreover, although the symptom of an increase in EC concentration is considered to be an influence of nitric acid in the drainage, it is considered to be an influence of a base in the drainage when the pH is high. On the other hand, the cause of the decrease in the EC concentration is that when the nutrient concentration is decreased as a whole, particularly when nitric acid is insufficient, the base is extremely decreased when the pH is low. It is thought that there is.
[0064]
From these facts, it is considered that the measurement results of EC concentration and pH and the cause (symptoms) of pH fluctuation have a relationship as shown in the following table.
[0065]
[Table 1]
In the column of “Nitric acid” and “Base” in the above table, “high” means “high content” of each component in the drainage liquid, and “low” means “content is high”. Means less. In the “base” column, “large” means that the content of the base in the effluent is “more than nitric acid”, and “low” means “less than nitric acid”. ing.
[0067]
And when the cause (symptoms) of the specified pH change corresponds to
[0068]
[Table 2]
Among the above, the first culture solution is a culture solution prepared according to a prescription called “Yamazaki prescription”, and the second culture solution is a culture solution having a high base ratio.
[0070]
The first culture solution, the second culture solution, and the normal culture solution supplied when the pH is appropriate are all unused culture solutions (new solutions) and are concentrated in the stock solution. It is stored in the tank 2. Although only one stock solution tank 2 is shown in FIG. 1, in the circulation type nutrient
[0071]
As described above, in the present embodiment, when the culture fluid drainage continues to be reused, the pH of the culture fluid rises or falls and falls outside the appropriate range. This is detected by one sensor 15, and the cause (symptom) of pH fluctuation is specified based on the EC concentration and pH measurement results by the first sensor 15, and an appropriate culture solution is selected according to the cause (symptom). As a result, the imbalance of the component balance in the cultivation mat 5 can be corrected in a short time.
[0072]
Next, as a fourth embodiment of the present invention, another control method that can be applied to the circulation type
[0073]
If the effluent of the culture solution is continuously reused, the EC concentration of the circulating fluid may increase or decrease and deviate from the appropriate range. In this embodiment, when the EC concentration of the drainage falls outside the appropriate range as described above, this is detected immediately, and the EC concentration of the drainage generated by the next liquid supply action is determined as the management EC concentration (user To the target value for the drained EC concentration set by (1).
[0074]
More specifically, when the start condition of the liquid supply action is satisfied (for example, when the integrated value of the solar radiation amount exceeds a predetermined value), first, before the liquid supply action is executed, the previous liquid supply action is performed. The EC concentration of the drainage produced by the action is measured by the first sensor.
[0075]
If the drain EC concentration is outside the appropriate range, the concentration of the culture solution used in the current feeding action (dilution ratio of the stock solution) is calculated based on the measured value. To do. The concentration of the culture solution is calculated such that the concentration of the culture solution supplied in the current feeding action brings the EC concentration of the drainage generated after the current feeding action close to the control EC concentration. It is based on the matter of whether or not it is possible.
[0076]
In such a case (when the previous drain EC concentration is outside the appropriate range), the culture solution to be supplied is not a circulating solution but a concentrate of a new solution stored in the stock solution tank 2. The concentrate of the new solution is usually mixed with the raw water at the stock solution dilution standard magnification (dilution rate determined for each concentrate formulation) and supplied to the cultivation mat 5.
[0077]
Therefore, in calculating the concentration of the culture solution, first determine the dilution rate (dilution rate optimized for the managed EC concentration) necessary to bring the EC concentration of the drainage solution closer to the managed EC concentration, and manage the stock solution dilution reference magnification. Dividing by the dilution ratio optimized for the EC concentration is performed by a method of obtaining a magnification (dilution ratio of the stock solution for feeding) for diluting the concentrated culture solution actually used.
[0078]
That is, the following relational expression is established, where d is a dilution ratio that is optimized for the control EC concentration, fn is a stock solution dilution reference magnification, and en is a stock solution dilution magnification of a supply solution.
[0079]
[Expression 1]
en = fn / d
[0080]
For example, from the previous measurement result of the drainage EC concentration, it is calculated that the dilution rate optimized for the management EC concentration is “1.04”. In the case of “100”, the culture solution used in the current feeding action is obtained by diluting the concentrated solution of the culture solution stored in the stock solution tank 2 by “96.2” times, and growing the culture mat. 5 will be supplied.
[0081]
In this embodiment, based on the previous drainage EC concentration measurement result, the concentration of the culture solution used in the current feeding action is automatically calculated, and the resulting EC concentration of the drainage is managed. It is automatically adjusted so as to approach the EC concentration, the EC concentration of the culture solution in the cultivation mat 5 is optimized, and the imbalance between the component concentration and the balance is suppressed to the minimum. .
[0082]
Next, as a fifth embodiment of the present invention, another control method that can be applied to the circulation type
[0083]
As shown in FIG. 1, in the present embodiment, the second sensor 16 is provided in the
[0084]
The raw water is added by the raw water supply means 14 shown in FIG. 1, and is executed until the measured value of the EC concentration by the second sensor 16 falls within the appropriate range (until the management EC concentration is approached). On the other hand, the addition of the pH adjusting agent is performed by the pH adjusting agent supply means 13 shown in FIG.
[0085]
The pH adjusting agent supply means 13 has three kinds of pH increasing agents (mainly KOH, Ca (OH) used for increasing the pH. 2 And mainly Mg (OH) 2 And two types of pH-lowering agents (one mainly composed of nitric acid and one mainly composed of phosphoric acid) used for lowering pH. One kind of pH adjusting agent selected appropriately from the inside can be added into the
[0086]
More specifically, when it is necessary to increase the pH of the circulating fluid from the measurement result of the pH by the second sensor 16, the potassium is determined by the user's pre-registration according to the nutrient absorption characteristics of the type of crop and the growth stage. When it is predicted to be necessary, a pH increasing agent mainly composed of KOH is added, and when calcium is predicted to be necessary, Ca (OH) 2 In the case where a pH-up agent mainly composed of benzene is added and magnesium is expected to be necessary, Mg (OH) 2 A pH increasing agent mainly composed of is added.
[0087]
In addition, when it is necessary to lower the pH of the circulating fluid from the pH measurement result by the second sensor 16, if the EC concentration is higher than the control EC concentration, a pH lowering agent mainly composed of phosphoric acid is added. When the EC concentration is lower than the management EC concentration, a pH down agent mainly composed of nitric acid is added.
[0088]
Thus, according to the control method of the circulation type
[0089]
Moreover, since it is comprised so that the adjustment agent which mainly has N, P, K, Ca, and Mg as a pH adjuster can be added to a circulating fluid, while aiming at the optimization of the component balance in a circulating fluid, nutrients A supply function can also be realized. However, the pH adjusting agent is not limited to the above, and an adjusting agent mainly composed of other components can also be used.
[0090]
In addition, the structure of this invention in each said embodiment is an illustration, For example, the structure and shape of the cultivation container 4 are not limited to what was shown in FIG. 1, About the discharge method of the material and drainage, It is not limited at all. Moreover, in the said embodiment, although the cultivation mat 5 was illustrated and demonstrated as a culture medium, it is not necessarily limited to this, The kind and installation method are not limited.
[0091]
Further, the first sensor 15 and the second sensor 16 are exemplified as means for measuring the concentration of circulating fluid and drainage, and the component balance, and these are described as those for measuring the EC concentration and pH of the culture solution. However, if necessary, it can be replaced with an ion meter or used together.
[0092]
Further, the quantity of the stock solution tank 2 and the mixing method with the raw water are not limited to those shown in FIG. 1 and can be appropriately changed according to the type of crops.
[0093]
【The invention's effect】
As explained above, since the circulation type hydroponic cultivation apparatus according to the present invention can use a new liquid and a circulating liquid as needed, for example, a control method according to crop physiology is applied. In addition to being able to grow target plants and crops efficiently, resource saving and cost savings can be achieved.
[0094]
In addition, when configured to automatically adjust the concentration and component balance of the circulating fluid, a completely closed culture fluid circulating system can be realized.
[0095]
Furthermore, in this circulation type hydroponic cultivation device, when it is configured to be able to carry out liquid supply amount optimization control and integrated solar radiation amount control, even if the culture solution concentration and component balance become inappropriate, the crop In addition to minimizing the impact on growth, it is possible to realize liquid supply management according to the physiology of the crop, and to keep the moisture state in the cultivation medium constant, so that the optimal nutrient absorption of crops is achieved. Can be achieved.
[0096]
In addition, the EC concentration and pH of the surplus culture solution that has flowed out of the culture medium is measured, and when the pH of the culture solution is out of the appropriate range, the cause of the pH fluctuation is specified, Depending on the specified cause, when an unused culture solution of an appropriate formulation is configured to be supplied to the culture medium, or when the EC concentration of the culture solution falls outside the appropriate range, it is unused. Is set to be supplied to the culture medium, and the unused culture solution is automatically adjusted to the concentration calculated based on the measured EC concentration. Can correct this in a short time even if there is an imbalance in the component balance of the culture solution in the culture medium, or quickly optimize the EC concentration of the culture solution in the cultivation container Can do.
[0097]
Then, the EC concentration and pH of the circulating fluid are monitored, and when the EC concentration and pH are outside the appropriate range, at least one of a plurality of prepared pH adjusting agents and / or raw water When configured to be added to the circulating fluid, it is possible to quickly optimize the EC concentration and pH of the circulating fluid, and as a result, the circulating hydroponic device is configured as a completely closed device. Can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram of a circulation type
FIG. 2 is an explanatory diagram of a control method of the circulating nutrient
FIG. 3 is a configuration diagram of a conventional basic hydroponic cultivation apparatus 21.
FIG. 4 is a configuration diagram of a conventional reusable nutrient solution cultivating apparatus 31.
[Explanation of symbols]
1: Circulating hydroponic cultivation device,
2: Stock solution tank
3: First pump,
4, 24: cultivation container,
5: cultivation mat,
6, 26: target plant,
7: drainage pipe,
8, 28: Circulation tank,
9: drainage tank,
10: Second pump,
11: 1st flow meter,
12: Second flow meter,
13: pH adjuster supply means,
14: Raw water supply means,
15: first sensor,
16: Second sensor
17: Mixed pump
18: hole,
19: Nozzle,
21, 31: Hydroponic cultivation device,
22: Medium tank
23: Pump,
25: culture medium for cultivation,
27: Drainage means,
29: New liquid supply pipe,
30: hole,
Claims (6)
実施日において日射強度が最高となる最高日射強度時刻との関係で基準時刻を自動設定し、この基準時刻前においては、新しい培養液を栽培用培地へ供給し、基準時刻後においては、前記培養液回収手段によって回収された余剰の培養液を栽培用培地へ供給するように構成され、
前記制御手段は、日射時間帯の中間時刻を最高日射強度時刻として把握するように構成されていることを特徴とする循環式養液栽培装置。Cultivation container, cultivation medium disposed in the cultivation container, culture medium supply means for supplying the culture medium to the cultivation medium, and culture medium for recovering excess culture liquid flowing out from the cultivation medium A culture means supplying means for selecting either a new culture liquid or an excess culture liquid recovered by the culture liquid recovery means under the control of the control means; In the circulation type hydroponic cultivation apparatus configured to be supplied to the cultivation medium,
The reference time is automatically set in relation to the highest solar radiation intensity time at which the solar radiation intensity is highest on the implementation date, and before this reference time, a new culture solution is supplied to the cultivation medium, and after the reference time, the culture is performed. It is configured to supply excess culture solution recovered by the liquid recovery means to the culture medium,
The circulation type hydroponic cultivation apparatus, wherein the control means is configured to grasp an intermediate time in a solar radiation time zone as a maximum solar radiation intensity time.
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