JP4241368B2 - 養魚用飼料及び魚類の飼育方法 - Google Patents

養魚用飼料及び魚類の飼育方法 Download PDF

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この発明は、例えば養殖等に使用する養魚用飼料及び魚類の飼育方法に関する。更に詳しくは、より品質の高い魚類を養殖することのできる養魚用飼料及び魚類の飼育方法に関する。
従来、魚類養殖においては、ウイルス、細菌、真菌、原虫、寄生虫などを原因とする各種疾病を防止するために、抗生物質、サルファ剤などの薬剤が投与されている。また、これらの薬剤を含有する養魚用飼料が給与されている(特許文献1参照)。
特開平7−048274号公報
しかしながら、従来の薬剤を用いた疾病の治療および予防は、高価な薬剤の使用により、生産単価の上昇を招き、魚類養殖業にとって経営上の大きな問題となっている。また、薬剤を多用することにより、耐性菌の発生を促がし、既存の対処法では治療できないケースも増加してきている。加えて、食の安全に対する消費者の関心が高まる中、薬剤等を含有しない養魚用飼料が強く望まれている。
本願発明はこのような問題に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、薬剤等を使用せずに、品質の高い魚を育成することができる養魚用飼料及び魚類の飼育方法を提供することである。
本願の発明者らは、養魚用飼料について種々の研究を重ねた結果、飼料中にコンブ属に属するコンブ類を添加することにより、品質の高い魚類を養殖できることを見出し、以下の(1)〜(4)の発明を完成するに至った。
(1)コンブ属に属するコンブ類を2.5〜10.0重量%含有する、ペレット状に成形された体内ダイオキシン低減用養殖ハマチ用飼料。
(2)コンブ属に属するコンブ類を2.5〜10.0重量%含有する、ペレット状に成形された体内ダイオキシン低減用の飼料を、成長期を通して恒常的に連続給与することを特徴とする養殖ハマチの飼育方法。
本発明にいう「魚類」とは、ブリ、マダイ、カンパチ、フグ、シマアジ、スズキ、ヒラメ、アジなどの海産養殖魚類、また、ニジマス、コイ、ウナギ、アユ、アマゴ、イワナなどの淡水養殖魚類のことを指している。勿論、これに限らず、飼料を給与することで養殖が可能な魚類であれば、本願発明にいう「魚類」に含まれる。
本発明にいう「コンブ」とは、コンブ目植物(Laminariales)に属する1種であり、例を挙げると、大西洋北西部、大西洋北東部、大西洋南東部、太平洋北西部、太平洋北東部などに生息しているコンブ類である。コンブ属に属するコンブ類は、マコンブ、ホソメコンブ、リシリコンブ、オコンブ、エナガコンブ、ミツイシコンブ、ナガコンブ、ガッカラコンブ、チヂミコンブ、カラフトコンブ、カラフトトロロコンブ、エンドウコンブ、ゴヘイコンブのいずれを使用しても良く、また、単独、あるいは混合して用いても良い。
コンブ類は、養殖物、天然物のいずれを使用しても良く、単独あるいは、混合して用いても良い。コンブ類であるならば、根、茎、葉などのいずれの部位を用いても良い。また、利用部位は、単独あるいは、複数部位が混合しても良い。
コンブ類は、未加工のものを用いても良いし、加工されたものを用いても良い。加工後の残滓を用いても良い。また、湿潤した状態のものを用いても、乾燥した状態のものを用いても良い。コンブ類の形態に関しては、コンブ類の成分が飼料中に溶出(抽出)し易く、生理活性効果の向上が期待できるように、適当に裁断あるいは粉砕加工されたものを用いるのが好ましい。
コンブ類に含有され得る成分としては、例えば、タンパク質のレクチンおよび芳香族アミノ酸、脂質の脂肪酸およびその誘導体、多糖類の酸性多糖類およびフコイダン、アルギン酸、その他、核酸、ポルフィオシン、タンニン、テルペノイド、ハロゲン、クロロフィル類、食物繊維などが挙げられる。これらの成分のうち、一部の成分を取り除いた抽出物を用いることもできる。コンブ類の抽出物は、飼料に直接添加して給与できるばかりでなく、精製物、溶液、半固形、固形、流体、粉体などの形態で使用することができる。
養殖魚類に対するコンブ類の投与量は、特には限定されないが、飼料中に0.1重量%から10重量%の範囲で配合することが好ましい。これらの配合量は、魚類の種類、成長段階、年齢、体重、環境条件、体調、飼料の原材料の種類、投与する時期、季節などの諸条件に応じて適宜調整することができる。
コンブ類の投与期間は特に限定されるものではないが、好ましくは、成長期を通して魚類の飼料に添加して投与する恒常的な連続投与がよい
養魚用飼料の原材料としては、例えば、魚粉、カゼイン、イカミール、オキアミミールなどの動物質原料、大豆粕、コーングルテンミール、小麦粉、脱脂糠、澱粉などの植物質原料、タラ肝油、イカ肝油などの動物性油脂、大豆油、菜種油、コーン油などの植物油、アルファ化澱粉、CMC(カルボキシメチルセルロース)、アルギン酸ナトリウム、グァガムなどの粘結剤、ビタミン、ミネラル類、アミン酸、抗酸化剤などを挙げることができる。また、モイストペレットなどの生餌の原料としては、例えば、マイワシ、カタクチイワシ、サバ、サンマ、ニシン、ホッケ、タラ、イカナゴ、オキアミ、イサザアミなどを挙げることができる。養魚用飼料の原材料としては、これらの全部もしくは一部を用いてもよいし、これら以外の原材料を用いることもできる。
本願の発明は、上記に説明した養魚用飼料を給与することを特徴とする魚類の飼育方法(養殖方法)として構成することができる。この方法によれば、魚類の体内中にダイオキシン類等の有害物質が蓄積されている場合に、これらの有害物質を体外に排出できるという意外な効果がある(この効果については、下記の実施例で詳細に説明する)。
本発明によれば、薬剤等を使用せずに、品質の高い魚を育成することができる養魚用飼料及び魚類の飼育方法を提供することができる。
本発明の実施例について説明する。
〔実施例1〕マダイによる飼育試験
(試験飼料および設定条件)
魚粉、魚油、澱粉、小麦粉、ビタミンミックス、ミネラルミックスおよびコンブ粉末からなる原料を表1に示す割合にて配合し、ペレットマシンにて成形することにより、本実施例(マダイによる飼育試験)の試験飼料とした。コンブ粉末の配合割合を0%(対照区)、1.0%、2.5%、5.0%、10.0%とし(すべて重量%)、計5区を設定した。各試験飼料は、澱粉、小麦粉の量を変化させて一般分析値がほぼ同等となるように調節した。
Figure 0004241368
(試験方法)
500L円形水槽5面に平均魚体重125gのマダイ当歳魚をそれぞれ30尾ずつ収容し、試験飼料を用いて水温24℃で2ヶ月間の飼育を行った。
(試験結果および考察)
飼育結果を表2に示す。本発明のコンブ粉末を配合した試験飼料を給餌したマダイは、各試験区において、飼料効率、増重率、日間給餌率で対照区に比べて同等もしくはそれ以上の良好な結果が得られた。この結果より、コンブ粉末を添加した飼料を給与することによって、マダイの成長が効率的に促進されることが判明した。
また、飼育試験後、各試験区の魚の体色、ツヤを官能検査にて評価した。評価した結果を表3に示す。対照区の評価は普通であったが、コンブ添加区においては、各区ともに良好という評価が得られた。この結果より、コンブ粉末を添加した飼料を給与することによって、見た目にも健康的で品質の高いマダイを養殖できることが判明した。
Figure 0004241368
Figure 0004241368
〔実施例2〕マダイによる免疫評価試験
(試験飼料および設定条件)
魚粉、魚油、澱粉、小麦粉、ビタミンミックス、ミネラルミックスおよびコンブ粉末からなる原料を表4に示す割合にて配合し、ペレットマシンにて成形することにより、本実施の(マダイによる免疫評価試験)の試験飼料とした。コンブ粉末の配合割合を0%(対照区)、1.0%、2.5%とし、計3区を設定した。各試験飼料は、澱粉、小麦粉の量を変化させてほぼ同等な一般分析値となるように調節した。
Figure 0004241368
(試験方法)
500L円形水槽3面に平均魚体重125gのマダイ当歳魚をそれぞれ20尾ずつ収容し、試験飼料を用いて水温24℃で2ヶ月間の飼育を行った。2ヶ月間の飼育の後、免疫評価試験として、魚類免疫機構の補体系の補体第二経路活性(ACH50値)の測定を行った。
(試験結果および考察)
補体第二経路活性値の測定結果を図1に示す。図1に示すように、コンブ粉末添加区における活性値は、対照区の活性値を100として比較した場合に、各区ともに対照区より高い値を示した。これにより、コンブ粉末を含有する飼料を給与することによって、魚類免疫機構の1つである補体系が活性され、マダイの免疫機能が向上することが判明した。
〔実施例3〕マダイによるエト゛ワシ゛ュラ・タルタ゛(Edwardsiella tarda)菌攻撃試験
(試験飼料および設定条件)
魚粉、魚油、澱粉、小麦粉、ビタミンミックス、ミネラルミックスおよびコンブ粉末からなる原料を表5の割合にて配合し、ペレットマシンにて成形することにより、本実施例(マダイによるエト゛ワシ゛ュラ・タルタ゛菌(Edwardsiella tarda)攻撃試験)の試験飼料とした。コンブ粉末の配合割合を0%(対照区)、1.0%、2.5%、5.0%とし、計4区を設定した。各試験飼料は、澱粉、小麦粉の量を変化させてほぼ同等な一般分析値となるように調節した。
Figure 0004241368
(試験方法)
500L円形水槽4面に平均魚体重80gのマダイ当歳魚をそれぞれ15尾ずつ収容し、試験飼料を用いて水温24℃で1ヶ月間の飼育を行った。1ヶ月の飼育の後、エト゛ワシ゛ュラ・タルタ゛菌(Edwardsiella tarda)(3.5×10−7 CFU/尾)を腹腔内注射により注入し、その後の生残率を調査した。
(試験結果および考察)
エト゛ワシ゛ュラ・タルタ゛菌を注入した日を0日目とした場合におけるマダイの生存率の変化を図2に示す。対照区のコンブ粉末無添加区においては、7日目から死亡が確認され、20日目の生残率は80%であった。一方、コンブ粉末添加区は、攻撃試験開始20日後においても、各添加区ともに、1尾の死亡も無く100%の生存率であり、抗病性が向上していることが判明した。また、対照区における魚の死亡原因は、病理解剖所見及び細菌検査によりエト゛ワシ゛ュラ・タルタ゛菌の感染によるものあることが確認された。コンブ添加区については、エト゛ワシ゛ュラ・タルタ゛菌による病状は全く認められなかった。
〔実施例4〕ハマチによる飼育試験
(試験飼料および設定条件)
魚粉、魚油、澱粉、小麦粉、ビタミンミックス、ミネラルミックスおよびコンブ粉末からなる原料を表6の割合にて配合し、ペレットマシンにて成形することにより、本実施例(ハマチによる飼育試験)の試験飼料とした。コンブ粉末の配合割合を0%、2.5%とし、それぞれ対照区、試験区の2区を設定した。各試験飼料は、澱粉、小麦粉の量を変化させて同等な一般分析値となるように調節した。
Figure 0004241368
(試験方法)
1t円形水槽2面に平均魚体重370gのハマチ当歳魚をそれぞれ9尾ずつ収容し、試験飼料を用いて水温24℃で3ヶ月間の飼育を行った。
(試験結果および考察)
ハマチの成長に関する試験結果を表7に示す。表7に示すように、飼料中にコンブ粉末を配合した試験区においては、対照区と比較すると、飼料効率、増重率、日間給餌率において同等もしくはそれ以上の良好な結果となった。
また、健全で丈夫な魚類の指標として、ハマチの体色、ぬめりを調査した。体色については、体表面の背部、側線部において黄色味を色彩色差計にて測定した。測定結果を表8に示す。数値は、色彩色差計のb値(黄色味)を使用し、対照区の平均値を100とした指数である(数値が大きいほど黄色味が強い)。表8に示すように、飼料中にコンブ粉末を添加した試験区においては、背部、側線部ともに対照区よりも高い値を示した。官能検査においても、試験区では、明瞭な着色効果が確認できた。
Figure 0004241368
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体表のぬめりは、官能検査により不良、やや不良、良好、極めて良好の4段階で評価を行った。評価は、試験期間中1ヶ月ごとに、計3回行った。ぬめりの評価結果を表9に示す。表9の下部には、官能検査の評価基準を示している。表9に示すように、対照区における体表のぬめりが不良〜やや不良の範囲であったのに対して、本発明のコンブ粉末を配合した試験区では、良好〜極めて良好の評価結果となった。
Figure 0004241368
〔実施例5〕カンパチによる飼育試験
(試験飼料および設定条件)
魚粉、魚油、澱粉、小麦粉、ビタミンミックス、ミネラルミックスおよびコンブ粉末からなる原料を表10の割合にて配合し、ペレットマシンにて成形することにより、本実施例(カンパチによる飼育試験)の試験飼料とした。コンブ粉末の配合割合を0%、2.0%とし、それぞれ対照区、試験区の2区を設定した。各試験飼料は、澱粉、小麦粉の量を変化させて一般分析値がほぼ同等となるように調節した。
Figure 0004241368
(試験方法)
2tFPR水槽2面に平均魚体重437gのカンパチ当歳魚を各10尾ずつ収容し、試験飼料を用いて水温24℃で2ヶ月間の飼育を行った。
(試験結果および考察)
カンパチの成長に関する試験結果を表11に示す。表11に示すように、飼料中にコンブ粉末を混合した試験区のカンパチは、対照区と比較すると、飼料効率、増重率、日間給餌率において同等もしくはそれ以上の結果となった。
健全で丈夫な魚類の指標として、ぬめり、体色、寄生虫について調査を行った。体表のぬめりは、官能検査により不良、やや不良、良好、極めて良好の4段階で評価を行った。評価は、試験期間中1ヶ月ごとに、計2回行った。(評価基準については、前述のハマチ同様である)。ぬめりの評価結果を表12に示す。対照区が、不良〜やや不良の結果であったのに対して、飼料中にコンブ粉末を配合した試験区では、良好〜極めて良好の結果が得られた。
Figure 0004241368
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寄生虫については、カンパチの体表に寄生したネオベネデニアおよびベネデニア、通称ハダムシの数を計数した。試験中1ヶ月ごとに淡水浴を5分間実施し、死亡して白色化したハダムシを回収し、その数を計数して得られた数値を各区の寄生虫数とした。結果を表13に示す。表13中の数値は、対照区の寄生虫数を100とした指数である。表13に示すように、試験区では対照区に比べて2〜3割程度の寄生虫数の減少がみられた。
Figure 0004241368
〔実施例6〕ハマチによる飼育試験(2)
(試験飼料および設定条件)
魚粉、魚油、澱粉、小麦粉、ビタミンミックス、ミネラルミックスおよびコンブ粉末からなる原料を表14の割合にて配合し、ペレットマシンにて成形することにより、本実施例(ハマチによる飼育試験(2))の試験飼料とした。コンブ粉末の配合割合を0%、2.5%、10.0%とし、それぞれ対照区、2.5%区、10.0%区の3区を設定した。各試験飼料は、澱粉、小麦粉の量を変化させてほぼ同等な一般分析値となるように調節した。
Figure 0004241368
(試験方法)
試験に使用したハマチは、試験開始時までは市販されている同一種類の配合飼料にて飼育を行った。その後、1t円形水槽3面に平均魚体重370gのハマチ当歳魚をそれぞれ9尾ずつ収容し、試験飼料を用いて水温24℃で3ヶ月間の飼育を行った。試験飼料については、一般的な市販飼料に使用されている原料により製造を行い、さらに各区の試験飼料は、同じロットの原料により製造した。また、コンブ粉末、澱粉、小麦粉以外の原料については、表14からわかるように同じ割合で配合している。コンブ粉末、澱粉、小麦粉は植物性原料であるため、ダイオキシン類含量のごく微量な原料であり、試験飼料中のダイオキシン類含量の大半は、動物性原料由来である。これらのことから、各区の試験飼料中のダイオキシン類含量は、同等と考えられ、ハマチの体内に蓄積するダイオキシン類の量は、試験飼料の給餌量、飼育海水等に依存するものと考えられる。給餌については、1日1回飽食給餌を行った。飼育方法については、一般的な市販飼料に使用されている原料により製造された試験飼料を使用し、その他給餌方法等についても一般的な飼育を行い、特に特殊な方法は、いっさい用いていない。
(試験結果および考察)
試験期間中の各区の総給餌量を図3に示す。数値は、対照区を100とした指数により比較した。図3からわかるように、試験期間中、各区への給餌量は、対照区と比べてほぼ同量もしくはそれ以上であるため、コンブ粉末を配合した2.5%区、10%区のハマチが摂取したダイオキシン類量はほぼ同量もしくはそれ以上である。つまり、魚体(可食部)中のダイオキシン類濃度に有意な差がある場合、各区のダイオキシン類摂取量は同等であるので、ダイオキシン類が魚体から排泄されたことを意味する。
飼育終了時(飼育期間3ヶ月)に、各区の全ハマチから可食部のみを採取し、各区ごとにホモゲナイズし、ダイオキシン類含量を測定した。ダイオキシン類含量の測定は、高分解能ガスクロマトグラフ・質量分析計により行った。ここでいうダイオキシン類とは、ポリクロロジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリクロロジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーPCB(Co-PCB)の3つを指す。また、ダイオキシン類には、多種の異性体が存在し、一つ一つ毒性も異なるため、ダイオキシン類含量は、一般的に使用される毒性等価量によって表した。ダイオキシン類含量の測定結果を図3に示す。図3に示すように、飼料中にコンブ粉末を配合した試験区においては、対照区と比較すると、ハマチ可食部中のダイオキシン類含量が少ない結果となった。またコンブ粉末の配合割合が高いほど、可食部中のダイオキシン含量はより少なくなる傾向がみられた。以上のことより、コンブ類を配合した飼料を給餌することによって、魚体中からダイオキシン類を排出させることができることが判明した。また、コンブ類の配合率が高いほど、ダイオキシン類の排出効果がより高まることが判明した。
なお、上述した実施例1〜実施例6では、養魚用飼料中にコンブ粉末を配合する例について説明したが、コンブ類の形態は粉末に限るものではなく、未加工あるいは裁断したものなど、各種形態のコンブ類を用いることができる
補体第二経路活性値の測定値のグラフである。 マダイの生残率を示すグラフである。 試験期間中の各区の総給餌量及びダイオキシン類含量を示すグラフである。

Claims (2)

  1. コンブ属に属するコンブ類を2.5〜10.0重量%含有する、
    ペレット状に成形された体内ダイオキシン低減用養殖ハマチ用飼料。
  2. コンブ属に属するコンブ類を2.5〜10.0重量%含有する、ペレット状に成形された体内ダイオキシン低減用の飼料を、成長期を通して恒常的に連続給与することを特徴とする養殖ハマチの飼育方法。
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