JP4241104B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種類以上の光情報記録媒体間での互換性を有する光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、二種類以上の光ディスクの情報記録面に対して、二種類以上の波長が異なる光束を一つの対物レンズにより収束させる、いわゆる互換性を有する光ピックアップ装置が各種提案されている。
光ピックアップ装置の光源としては一般的にレーザダイオード(半導体レーザ)が用いられているが、半導体レーザは活性領域の縦横の比率が異なるために、ビーム発散角(半値全角)が、一般的に接合面に対して垂直方向と水平方向で異なり、また、これら両方向でビームウエスト位置が異なるために非点隔差を生じ、情報の記録及び/又は再生用の集光スポットを情報記録面上に形成する際に、光束を十分に絞れず、スポット径が大きくなるという問題がある。
【0003】
そこで、光ピックアップ装置の集光光学系を構成する光学素子(カップリングレンズ、コリメートレンズ、対物レンズ等)の一つに、通過光束に対して非点収差を与える機能を持たせることで、半導体レーザの非点隔差により生じる集光光学系全体の非点収差を相殺する技術が知られている(例えば、特許文献1〜4参照。)。
特許文献1には、光源の光軸を、非点収差補正手段による光軸ずれの分だけずらして配置することにより、非点収差補正手段による非点収差の補正を適切に行なう技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、CD用光検出器付光源モジュール及びDVD用光検出器付光源モジュールをそれぞれ光学系の主光軸から離れた位置に配置し、これら各モジュールから、主光軸に対して傾斜して配置した平行平板に対して発散光を出射し、CD用の光束は平行平板を通過させ、DVD用の光束は平行平板で反射させる構成が開示されている。そして、CD用光検出器付光源モジュールの位置を調節することにより、CD用の光束が平行平板及び光学系を通過することによりCDの情報記録面上で生じるコマ収差及び非点収差を打ち消すようになっている。
【0005】
特許文献3には、透過光束に位相差を与えることにより収差補正を行う収差補正手段としての液晶素子(液晶パネル)を用いた技術が開示されている。
特許文献4には、光ビームの収差を補正する第1収差補正素子(ビームエキスパンダ等)、この第1収差補正素子を駆動する駆動部、光ビームに位相変化を生じせしめる複数の位相調整部からなる第2収差補正素子(液晶パネル)等から構成され、検出信号に基づいてビームエキスパンダを駆動した後、液晶素子を駆動することで最適な収差補正を行なう技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−11791号公報
【特許文献2】
特開平11−250492号公報
【特許文献3】
特開平11−259892号公報
【特許文献4】
特開2002−237076号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1の技術によれば、光源との非点収差補正手段の相対的な位置ずれ量の調節や、取り付け精度の確保が難しいという問題がある。また、一種類の光束に対応するものであるため、互換性を有する光ピックアップ装置への適用は困難である。特に、レーザダイオードは、発振波長によって非点隔差が異なる場合が多く、互換性を有する光ピックアップ装置では、二種類のレーザダイオードから生じる二つの異なる非点隔差をそれぞれ実用上支障が生じない程度に補正する必要があるため、特許文献1に開示されているような、一種類の光束に対応した技術を、互換性を有する光ピックアップ装置にそのまま適用するのは困難である。
【0008】
特許文献2の技術では、CD用とDVD用の各光検出器付光源モジュール及び平行平板の取り付け精度の確保が困難であるという問題がある。
特許文献3及び4の技術では、液晶素子を駆動するための液晶駆動手段やこの液晶駆動手段の駆動を制御する装置が必要となり、製造コストの増大や装置の構成の複雑化を招くという問題がある。また、二種類の光束を用いることが示唆されていないため、互換性を有する光ピックアップ装置に対して本技術をそのまま適用するのは困難である。
【0009】
本発明の課題は、上述の問題を考慮したものであり、複数の光源が有する非点隔差や光学素子の製造誤差によって集光スポットに生じる複数の非点収差の補正が可能な、互換性を有する光ピックアップ装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数の光学素子からなる集光光学系を備え、前記集光光学系を用いて、第1光源から出射される波長λ1の光束を保護基板厚t1の第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させると共に第2光源から出射される波長λ2(λ2>λ1)の光束を保護基板厚t2(t2≧t1)の第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させて、情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、
前記集光光学系が、前記波長λ1の光束と波長λ2の光束が共に通過する光路中に配置される共通補正光学素子と、前記波長λ1の光束のみが通過する光路中又は前記波長λ2の光束のみが通過する光路中に配置される専用補正光学素子とを有し、
前記集光光学系を構成する複数の光学素子のうち、前記共通補正光学素子及び専用補正光学素子以外の光学素子を通過する前記波長λ1の光束及び前記波長λ2の光束によって所定の前記情報記録面上に形成される集光スポットにおける非点収差をそれぞれ第1非点収差及び第2非点収差とした場合に、
前記共通補正光学素子は、これら各光学素子を通過する前記波長λ1の光束及び前記波長λ2の光束に対して所定の非点収差を与えることにより、前記第1非点収差及び前記第2非点収差を共に補正し、
前記専用補正光学素子は、これら各光学素子を通過する前記波長λ1の光束に対して所定の非点収差を与えることにより、前記第1非点収差を補正するか、或いは、これら各光学素子を通過する前記波長λ2の光束に対して所定の非点収差を与えることにより、前記第2非点収差を補正し、
前記共通補正光学素子は、対物レンズ又はコリメータであり、前記専用補正光学素子は、カップリングレンズであって、
前記第1光源及び前記第2光源と前記対物レンズとの間の光路中にビーム整形プリズムが配置される光ピックアップ装置を除くことを特徴とする。
【0011】
ここで、本明細書中において光学素子には、光ピックアップ装置の集光光学系を構成する、例えば、対物光学素子(対物レンズ)、カップリングレンズ、コリメートレンズ、ビームエキスパンダ、ビームシェイパ、補正板等の部材が該当する。
また、光学素子としては、単一のレンズのみで構成されているものに限定されず、複数のレンズを光軸方向に組み合わせて構成されるレンズ群をまとめて光学素子としてもよい。
【0012】
また、光情報記録媒体とはCD、DVDの他に、光源波長や保護基板厚が異なる種々の規格の光ディスク、例えばCD−R,RW(追記型コンパクトディスク)、VD(ビデオディスク)、MD(ミニディスク)、MO(光磁気ディスク)などの一般的な光ディスクや、波長400nm程度の青色レーザー光を用いる高密度の光ディスク(以下、「高密度DVD」という。)も含む。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、波長λ1の光束と波長λ2の光束が共に通過する光路中に配置される共通補正光学素子と、前記波長λ1の光束のみが通過する光路中又は前記波長λ2の光束のみが通過する光路中に配置される専用補正光学素子の少なくとも2つの光学素子を用いるので、第1非点収差及び第2非点収差の収差量をより小さい値に補正できる。
また、共通補正光学素子及び専用補正光学素子として、集光光学系に一般的に含まれている光学素子を用いるので、例えば、液晶素子を用いて非点収差を補正する場合に必要となる、液晶駆動手段や液晶駆動手段の制御装置等が必要無くなり、光ピックアップ装置の製造コストの上昇や構成の複雑化を防止できる。
また、非点収差を抑える機能に優れた互換性を有する光ピックアップ装置を得ることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光ピックアップ装置であって、前記第1光源と第2光源とが別体に配置され、前記集光光学系が少なくとも一つのビームスプリッタを有し、前記第1光源と第2光源から出射される前記波長λ1の光束と波長λ2の光束が、前記ビームスプリッタに向かって異なる光路で進行し、該ビームスプリッタによって、これら波長λ1の光束の光路と波長λ2の光束の光路とが一致するように進行方向を変更され、所定の前記情報記録面に集光することを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果を得られると共に、ビームスプリッタによって、波長λ1の光束の光路と波長λ2の光束の光路とが一致するように進行方向を変更されて所定の前記情報記録面に集光する。従って、ビームスプリッタと光情報記録媒体の間に配置される光学素子を、波長λ1の光束と波長λ2の光束とで共用することができる。また、これら光学素子に対して高い取り付け精度が要求されないので、集光光学系の組付け作業の作業性を向上できる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置であって、前記専用補正光学素子が、前記波長λ1の光束のみが通過する光路と前記波長λ2の光束のみが通過する光路のうちいずれか一方の光路中のみに配置されることを特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られると共に、専用補正光学素子をいずれか一方の光路中のみに配置するので、集光光学系を構成する光学素子の数を抑えることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置であって、前記専用補正光学素子が、前記波長λ1の光束のみが通過する光路と前記波長λ2の光束のみが通過する光路の両方の光路中に配置されることを特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2と同様の効果を得られると共に、専用補正光学素子が両方の光路中に配置されるので、第1非点収差と第2非点収差の補正精度を向上できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記第1非点収差と第2非点収差の収差量が異なることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子及び専用補正光学素子が、前記第1非点収差と第2非点収差のうちいずれか一方の収差の収差量を最小値に補正することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子及び専用補正光学素子が、前記第1非点収差と第2非点収差の収差量を共に最小値に補正することを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子及び専用補正光学素子により補正される前記第1非点収差の収差量と第2非点収差の収差量とが異なることを特徴とする
【0023】
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記波長λ1の光束が前記共通補正光学素子を通過する際に該共通補正光学素子により与えられる非点収差量ASが、0008λrms<AS<0032λrmsを満たすことを特徴とする。
【0024】
請求項に記載の発明によれば、請求項1〜のいずれか一項と同様の効果を得られると共に、共通補正光学素子により与えられる非点収差量を上記範囲内とすることで、光ピックアップ装置の収差補正精度を確保できる。仮に0008λrmsより小さい場合には、第1非点収差の補正が困難となり、0032λrmsより大きい場合には、共通補正光学素子の製造が困難となる。
【0025】
請求項1に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記第1光源が有する非点隔差量d1と前記第2光源が有する非点隔差量d2が、4μm<d1<50μm、4μm<d2<50μmを満たすことを特徴とする。
【0026】
請求項1に記載の発明によれば、請求項1〜のいずれか一項と同様の効果を得られると共に、第1光源が有する非点隔差量と第2光源が有する非点隔差量を上記範囲内とすることが光ピックアップ装置の収差補正精度を確保する上で好ましい。4μmより小さい場合には、第1非点収差及び第2非点収差を補正する必要が無く、50μmより大きい場合には、光源として使用することに適さないからである。
【0027】
請求項1に記載の発明は、請求項1〜1のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記専用補正光学素子が、前記波長λ1の光束のみが通過する光路と前記波長λ2の光束のみが通過する光路の両方に配置され、前記波長λ1の光束が前記専用補正光学素子を通過する際に該専用補正光学素子により与えられる非点収差の方向と、前記波長λ2の光束が前記専用補正光学素子を通過する際に該専用補正光学素子により与えられる非点収差の方向とが異なることを特徴とする。
【0029】
請求項1に記載の発明は、請求項1〜1のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子と専用補正光学素子のうち少なくとも一方の光学素子の光学面の面形状が、光軸を中心とする非球面形状であることを特徴とする。
【0030】
請求項1に記載の発明は、請求項1〜1のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子と専用補正光学素子のうち少なくとも一方の光学素子の光学面に回折構造が形成されていることを特徴とする。
【0031】
請求項19に記載の発明は、請求項1〜17のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子と専用補正光学素子のうち少なくとも一方の光学素子の光学面に、光軸を中心とした複数の輪帯面が光軸にほぼ平行な段差を介して連続して形成され、前記各輪帯面を通過した前記波長λ1及び/又はλ2の光束は、前記所定の情報記録面上において位相がほぼ揃っていることを特徴とする。
【0032】
請求項20に記載の発明は、複数の光学素子からなる集光光学系を備え、該集光光学系を用いて、第1光源から出射される波長λ1の光束を保護基板厚t1の第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させると共に第2光源から出射される波長λ2(λ2>λ1)の光束を保護基板厚t2(t2≧t1)の第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させて、情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、前記集光光学系が、前記波長λ1の光束と波長λ2の光束が共に通過する光路中に配置される共通補正光学素子を少なくとも一つ有し、前記集光光学系を構成する複数の光学素子のうち、前記共通補正光学素子以外の光学素子を通過する前記波長λ1の光束及び前記波長λ2の光束によって所定の前記情報記録面上に形成される集光スポットにおける非点収差をそれぞれ第1非点収差及び第2非点収差とした場合に、前記共通補正光学素子が、該共通補正光学素子を通過する波長λ1及び波長λ2の光束の少なくとも一方の光束に対して所定の非点収差を与えることにより、前記第1非点収差及び第2非点収差の少なくとも一方を補正することを特徴とする。
【0033】
請求項20に記載の発明によれば、波長λ1の光束と波長λ2の光束が共に通過する光路中に配置される共通補正光学素子を用いて第1非点収差及び第2非点収差の少なくとも一方を補正するので、共通補正光学素子と専用補正光学素子とを併用する場合と比較して、集光光学系を構成する光学素子の部品点数を抑えることができる。
また、共通補正光学素子として、集光光学系に一般的に含まれている光学素子を用いるので、例えば、液晶素子を用いて非点収差を補正する場合に必要となる、液晶駆動手段や液晶駆動手段の制御装置等が必要無くなり、光ピックアップ装置の製造コストの上昇や構成の複雑化を防止できる。
また、非点収差を抑える機能に優れた互換性を有する光ピックアップ装置を得ることができる。
【0034】
請求項21に記載の発明は、請求項20に記載の光ピックアップ装置であって、前記第1光源と第2光源とが別体に配置され、前記集光光学系が少なくとも一つのビームスプリッタを有し、前記第1光源と第2光源とから出射される前記波長λ1の光束と波長λ2の光束とが、前記ビームスプリッタに向かって異なる光路で進行し、該ビームスプリッタによって、これら波長λ1の光束の光路と波長λ2の光束の光路とが一致するように進行方向を変更され、所定の前記情報記録面に集光することを特徴とする。
【0035】
請求項21に記載の発明によれば、請求項20と同様の効果を得られると共に、ビームスプリッタによって、波長λ1の光束の光路と波長λ2の光束の光路とが一致するように進行方向を変更されて所定の前記情報記録面に集光する。従って、ビームスプリッタと光情報記録媒体の間に配置される光学素子を、波長λ1の光束と波長λ2の光束とで共用することができる。また、これら光学素子に対して高い取り付け精度が要求されないので、集光光学系の組付け作業の作業性を向上できる。
【0036】
請求項22に記載の発明は、請求項20記載の光ピックアップ装置であって、前記第1光源と第2光源とが一体に配置され、前記集光光学系が少なくとも一つのビームスプリッタを有し、前記第1光源と第2光源とから出射される前記波長λ1の光束と波長λ2の光束とが、前記ビームスプリッタに向かってほぼ一致した光路で進行し、該ビームスプリッタによって、これら波長λ1の光束の光路と波長λ2の光束の光路の進行方向が変更されず、所定の前記情報記録面に集光することを特徴とする。
【0037】
請求項22に記載の発明によれば、請求項20と同様の効果を得られると共に、第1光源と第2光源から、波長λ1の光束と波長λ2の光束が、その光路がほぼ一致した状態で出射され、ビームスプリッタを通過して所定の情報記録面に集光する。従って、第1光源及び第2光源と光情報記録媒体の間に配置される光学素子を、波長λ1の光束と波長λ2の光束とで共用することができる。また、これら光学素子に対して高い取り付け精度が要求されないので、集光光学系の組付け作業の作業性を向上できる。
【0038】
請求項23に記載の発明は、請求項20〜22のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記波長λ1が450nm以下であり、前記波長λ1の光束が通過する光路中に液晶素子が配置され、前記第1非点収差を、前記共通補正光学素子と前記液晶素子との協働により補正することを特徴とする。
【0039】
請求項23に記載の発明によれば、請求項20〜22のいずれか一項と同様の効果を得られると共に、波長λ1が450nm以下となる光束を利用する、いわゆる高密度DVDにおいて、第1非点収差を共通補正光学素子と液晶素子との協働により補正するので、収差補正精度を向上できる。
【0040】
請求項24に記載の発明は、請求項20〜23のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、前記第1非点収差と第2非点収差のうちいずれか一方を最小値に補正することを特徴とする。
請求項25に記載の発明は、請求項20〜24のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、前記第1非点収差と第2非点収差を共に最小値に補正することを特徴とする。
請求項26に記載の発明は、請求項20〜25のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子により補正される前記第1非点収差の収差量と第2非点収差の収差量とが異なることを特徴とする。
【0041】
請求項27に記載の発明は、請求項20〜26のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記集光光学系が、前記波長λ1の光束と波長λ2の光束が共に通過する光路中にカップリングレンズを有することを特徴とする。
請求項28に記載の発明は、請求項20〜27のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記集光光学系が、前記波長λ1の光束と波長λ2の光束が共に通過する光路中にコリメートレンズを有することを特徴とする。
請求項29に記載の発明は、請求項20〜28のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、単玉のレンズで構成されることを特徴とする。
【0042】
請求項30に記載の発明は、請求項29に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、カップリングレンズであることを特徴とする。
請求項31に記載の発明は、請求項29に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、コリメートレンズであることを特徴とする。
請求項32に記載の発明は、請求項29に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、対物レンズであることを特徴とする。
請求項33に記載の発明は、請求項20〜28のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、複数のレンズを組み合わせて構成されることを特徴とする。
【0043】
請求項34に記載の発明は、請求項33に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、カップリングレンズと対物レンズを組み合わせて構成されることを特徴とする。
請求項35に記載の発明は、請求項33に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、カップリングレンズとコリメートレンズを組み合わせて構成されることを特徴とする。
請求項36に記載の発明は、請求項33に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、コリメートレンズと対物レンズを組み合わせて構成されることを特徴とする。
請求項37に記載の発明は、請求項33に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子が、カップリングレンズとコリメートレンズと対物レンズを組み合わせて構成されることを特徴とする。
【0044】
請求項38に記載の発明は、請求項20〜37のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記波長λ1の光束が前記共通補正光学素子を通過する際に該共通補正光学素子により与えられる非点収差量ASが、0.008λrms<AS<0.032λrmsを満たすことを特徴とする。
【0045】
請求項38に記載の発明によれば、請求項20〜37のいずれか一項と同様の効果を得られると共に、共通補正光学素子により与えられる非点収差量を上記範囲内とすることで光ピックアップ装置の収差補正精度を確保できる。仮に0.008λrmsより小さい場合には、第1非点収差の補正が困難となり、0.032λrmsより大きい場合には、共通補正光学素子の製造が困難となる。
【0046】
請求項39に記載の発明は、請求項20〜38のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記第1光源が有する非点隔差量d1と前記第2光源が有する非点隔差量d2が、4μm<d1<50μm、4μm<d2<50μmを満たすことを特徴とする。
【0047】
請求項39に記載の発明によれば、請求項20〜38のいずれか一項と同様の効果を得られると共に、第1光源が有する非点隔差量と第2光源が有する非点隔差量を上記範囲内とすることが光ピックアップ装置の収差補正精度を確保する上で好ましい。4μmより小さい場合には、第1非点収差及び第2非点収差を補正する必要が無く、50μmより大きい場合には、光源として使用することに適さないからである。
【0048】
請求項40に記載の発明は、請求項20〜39のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子の光学面の面形状が、光軸に垂直な第1平面内における曲率半径と、光軸に垂直かつ前記第1平面に垂直な第2平面内における曲率半径とで異なることを特徴とする。
【0049】
請求項41に記載の発明は、請求項20〜39のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子の光学面の面形状が、光軸を中心とする非球面形状であることを特徴とする。
【0050】
請求項42に記載の発明は、請求項20〜41のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子の光学面に回折構造が形成されていることを特徴とする。
【0051】
請求項43に記載の発明は、請求項20〜41のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、前記共通補正光学素子の光学面に、光軸を中心とした複数の輪帯面が光軸にほぼ平行な段差を介して連続して形成され、前記各輪帯面を通過した前記波長λ1及び/又はλ2の光束は、前記所定の情報記録面上において位相がほぼ揃っていることを特徴とする。
【0052】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、光ピックアップ装置10は、波長λ1の光束を出射する半導体レーザ11(第1光源)、波長λ2の光束を出射する半導体レーザ12(第2光源)、光源から出射された光束を通過させ、またDVD60及びCD61で反射された光束を分岐する2つのビームスプリッタ13、14(第1ビームスプリッタ、第2ビームスプリッタ)、波長λ1の光束と波長λ2の光束が共に通過する光路中に配置されるコリメートレンズ20(共通補正光学素子)、波長λ1の光束のみが通過する光路中に配置されるカップリングレンズ15、波長λ2の光束のみが通過する光路中に配置されるカップリングレンズ30(専用補正光学素子)、1/4波長板16、絞り17、波長λ1及びλ2の光束をDVD60及びCD61の情報記録面60a、61a上に集光させる対物レンズ40、対物レンズ40を光軸L方向及びDVD60及びCD61の情報記録面60a、61aに平行で円周と垂直方向に移動させる2次元アクチュエータ(図示せず)、シリンドリカルレンズ18、凹レンズ19、DVD60及びCD61からの反射光を検出する光検出器50等から概略構成される。
【0053】
上述のように、第1光源11及び第2光源12として半導体レーザが用いられており、各光源は、活性領域の縦横の比率が異なることに起因した非点隔差を有している。
また、本実施の形態においては、波長λ1の光束と波長λ2の光束が共に通過する光路中に配置されるコリメートレンズ20が共通補正光学素子としての機能を有し、波長λ2の光束のみが通過する光路中に配置されるカップリングレンズ30が専用補正光学素子としての機能を有する。なお、波長λ1の光束のみが通過する光路中に配置されるカップリングレンズ15は、本発明における専用補正光学素子30としての機能を有さず、入射光束の発散度合い変更して出射する一般的なカップリングレンズとしての機能のみを有している。
また、対物レンズ40、2つのカップリングレンズ15、30、コリメートレンズ20、第1ビームスプリッタ13、第2ビームスプリッタ14、絞り17により集光光学系が構成されている。
【0054】
なお、本実施の形態においては、対物レンズ40が平行光を集光させる、いわゆる無限系の構成としているが、対物レンズ40が発散光を収束させる、いわゆる有限系の構成であってもよい。
また、便宜上、DVD60とCD61を一つの図で表している。DVD60及びCD61は、情報が記録される情報記録面60a、61aと、情報記録面60a、61aを保護するために情報記録面60a、61a上に形成される保護基板60b、61bとを備える。
【0055】
図2に示すように、対物レンズ40は両面非球面の単レンズである。
対物レンズ40の入射面の光学面は、光軸Lを中心とした高さh以下の範囲(以下、「中央領域A1」という。)と、光軸Lを中心とした高さh以上の範囲(以下、「周辺領域A2」という。)に区分されている。そして、中央領域A1及び周辺領域A2に、光軸Lを中心とした同心円状の複数の回折輪帯41と段差面42とからなる回折構造43が形成されており、通過光束に対して回折作用を与えるようになっている。
なお、中央領域A1と周辺領域A2のいずれか一方に回折構造43を形成し、他方を屈折面で構成しても良い。また、中央領域A1と周辺領域A2が共に屈折面で構成されていても良い。
また、図3に示すように、中央領域A1と周辺領域A2の少なくとも一方に、光軸Lを中心とした複数の輪帯面44を、光軸Lにほぼ平行な段差45を介して連続させた構成としてもよい。この場合、各輪帯面44は光軸Lから離れるに従って光源側に突出するように形成されており、各輪帯面44に入射する光束に対して所定の光路差を付与することにより、光束に位相差が生じ、結果として各輪帯を通過した光束の位相が、情報記録面60a、61a上でほぼ揃うようになっている。
【0056】
このように構成された光ピックアップ装置10を用いてDVD60に情報を記録又は再生する場合について説明する。
まず上述のように、非点隔差を有する第1光源11から波長λ1の発散光が出射されると、この光束はカップリングレンズ15、第1ビームスプリッタ13、第2ビームスプリッタ14、共通補正光学素子20を通過する。なお、この際に共通補正光学素子20が波長λ1の光束に与える作用については後述する。
共通補正光学素子20を通過した波長λ1の光束は、1/4波長板16を通過し、絞り17により絞られて、対物レンズ40に入射する。
そして、波長λ1の光束は、中央領域A1及び周辺領域A2の回折構造43により回折作用を受けて出射面から出射され、DVD60の情報記録面60a上に集光スポットPを形成する。
【0057】
集光スポットPを形成した光束は、情報記録面60aで情報ピットにより変調されて反射され、再び対物レンズ40、絞り17、1/4波長板16、第2ビームスプリッタ14を通過して第1ビームスプリッタ13に入射する。
そして、第1ビームスプリッタ13で反射して分岐され、シリンドリカルレンズ18、凹レンズ19を経て光検出器50上ヘ入射する。そして、光検出器50は凹レンズ19からの入射光を検出して信号を出力し、その出力された信号を用いて、DVD60に記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0058】
CD61に情報を記録又は再生する場合は、上述のように非点隔差を有する第2光源12から波長λ2の発散光が出射されると、この光束は専用補正光学素子30を通過して第2ビームスプリッタ14に向かう。この際に専用補正光学素子30が波長λ2の光束に与える作用については後述する。
そして、波長λ2の光束は、第2ビームスプリッタ14により、その光路が上記波長λ1の光束の光路と一致するように進行方向を変更されて、共通補正光学素子20を通過する。この際に共通補正光学素子20が波長λ1の光束に与える作用については後述する。
共通補正光学素子20を通過した波長λ2の光束は、1/4波長板16を通過し、絞り17により絞られて、対物レンズ40に入射する。
そして、波長λ2の光束は、中央領域A1及び周辺領域A2の回折構造43により回折作用を受ける。
この際に、波長λ2の光束のうち中央領域A1を通過する光束はCD61の情報記録面61a上に集光スポットPを形成する。一方、周辺領域A2を通過する光束は、回折作用によりフレア化されることにより、CD61の情報記録面61a外に到達し、情報の再生及び/又は記録に寄与しないようになっている。
【0059】
CD61の情報記録面60a上に集光スポットPを形成した光束は、情報記録面60aで情報ピットにより変調されて反射され、再び対物レンズ40、絞り17、1/4波長板16、第2ビームスプリッタ14を通過して第1ビームスプリッタ13に入射する。
そして、第1ビームスプリッタ13で反射して分岐され、シリンドリカルレンズ18、凹レンズ19を経て光検出器50上ヘ入射する。光検出器50は凹レンズ19からの入射光を検出して信号を出力し、その出力された信号を用いて、CD61に記録された情報の読み取り信号が得られる。
【0060】
また、光検出器50上での集光スポットPの形状変化や位置変化による光量変化等を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出結果に基づいて、2次元アクチュエータは、波長λ1及びλ2の光束が情報記録面60a、61a上に結像するように、対物レンズ40を光軸L方向に移動させ、情報記録面60a、61a上の所定のトラックに結像するように対物レンズ40を情報記録面60a、61aに平行で、トラックの円周と垂直方向に移動させるようになっている。
なお、本実施の形態においては、対物レンズ40に回折構造43を設けることで、波長λ1とλ2の光束に対する互換性を持たせるものとしたが、光ピックアップ装置10に互換性を持たせる手段として一般的に知られている手段であればよい。
【0061】
次に、共通補正光学素子20及び専用補正光学素子30が波長λ1、λ2の光束に与える作用について説明する。
まず、上述のような構成を備える光ピックアップ装置10において、波長、対物レンズ40の像側の開口数等のスペックは表1に記す値に設定している。
【表1】
Figure 0004241104
具体的に説明すると、第1の光情報記録媒体(DVD60)に対する情報の記録及び/又は再生に用いる光束の波長(λ1)を660nmとし、λ1=660nmにおける対物レンズ40の像側開口数NAi=0.65、集光光学系の物体側の開口数NAo=0.110に設定されている。また、第1光源11の非点隔差ΔI=8μmと設定されている。
【0062】
また、第2の光情報記録媒体(CD61)に対する情報の記録及び/又は再生に用いる光束の波長(λ2)を790nmとし、λ2=790nmにおける対物レンズ40の像側開口数NAi=0.50、集光光学系の物体側の開口数NAo=0.125に設定されている。また、第2光源12の非点隔差ΔI=10μmと設定されている。
【0063】
ここで、従来より一般的に用いられている光ピックアップ装置、つまり、集光光学系を構成する光学素子が上記共通補正光学素子20としての機能及び専用補正光学素子30としての機能を持たない光ピックアップ装置を用いる場合、光源の非点隔差をΔI(μm)、この光源から出射される光束の波長をλ(μm)、集光光学系の物体側の開口数をNAoとした場合、光源の非点収差、つまり、集光光学系を通過する波長λの光束によって情報記録媒体の情報記録面60a、61a上に形成される集光スポットPにおける非点収差AS(λrms)は、以下の数1で表される。
【数1】
Figure 0004241104
【0064】
従って、数1に、表1中のDVD60(第1光情報記録媒体)に対する各値を代入することにより、本実施の形態に係る第1光源11の非点収差、つまり、波長λ1の光束が共通補正光学素子20以外の光学素子を通過した場合に、この波長λ1の光束によりDVD60の情報記録面60a上に形成される集光スポットPにおける非点収差(第1非点収差)は、表1に示すように0.015λrmsと算出される。
また、数1に、表1中のCD61(第2光情報記録媒体)に対する各値を代入することにより、本実施の形態に係る第2光源12の非点収差、つまり、波長λ2の光束が共通補正光学素子20及び専用補正光学素子30以外の光学素子を通過した場合に、この波長λ2の光束によりCD61の情報記録面61a上に形成される集光スポットPにおける非点収差(第2非点収差)は、表1に示すように0.020λrmsと算出される。
【0065】
従って、上記第1非点収差を、本実施の形態の共通補正光学素子20(コリメータ)によって実用上支障が生じない程度(ほぼ0)に補正するには、詳しい説明は後述するが、表1及び表2に示すように、共通補正光学素子20は、この共通補正光学素子20を通過する波長λ1の光束に対して0.015λrmsの非点収差を、上記第1非点収差における焦線の向きを基準(0°)として、この焦線に対して焦線の向きを90°変えた状態で与える必要がある。換言すると、共通補正光学素子20を、波長λ1の光束に対して、第1非点収差における焦線の向きに対して焦線の向きを90°変えた状態で、0.015λrmsの非点収差を与えることが可能な構成とする必要がある。
具体的には、第1非点収差と共通補正光学素子20により与えられる非点収差とのベクトル和が0となるように、共通補正光学素子20により与えられる非点収差の収差量を調節することになる。
【0066】
ここで、第1非点収差をAS1、その焦線の向き(方向)をθ1とし、共通補正光学素子20により与えられる非点収差をAS2、その焦線の向き(方向)をθ2と規定した場合には、上記非点収差のベクトル和ASTは、以下の式(数2)により算出することができる。
【数2】
Figure 0004241104
【0067】
従って、AST=0となるように、AS2及びθ2を算出して、共通補正光学素子20を設計することにより、非点隔差を有する第1光源11からの波長λ1の光束を、集光スポットPにおいて非点収差が補正された状態で収束させることが可能となる。
表2は、数2により求められた、共通補正光学素子20により与えられる非点収差と、その焦線の向き(方向)を示すものであり、それぞれ、0.015λrms、90°となっている。そして、各値を満たすように共通補正光学素子20を設計して、集光光学系中に組み込むことにより、表2に示すように、第1非点収差と共通補正光学素子20により与えられる非点収差とのベクトル和、つまり、集光スポットPの非点収差をほぼ0に補正できる。
【表2】
Figure 0004241104
【0068】
これら各値を満たすような共通補正光学素子20の構成としては、例えば、図4に示すように、共通補正光学素子20の光学面上に楕円状の回折輪帯21を複数形成する構成が挙げられる。他にも、例えば、上記対物レンズ40に形成したような(図3を参照)、光軸Lを中心とした複数の輪帯面44を、光軸Lにほぼ平行な段差45を介して連続させた構成としてもよい。また、図示は省略するが、光学面の面形状を、光軸Lに垂直な第1平面内における曲率半径と、光軸Lに垂直かつ第1平面に垂直な第2平面内における曲率半径とで異なるように構成してもよく、あるいは、面形状を、光軸Lを中心とする非球面形状としてもよい。
そして、このような構成を備える共通補正光学素子20を集光光学系中に組み込む際に、共通補正光学素子20を光軸Lを中心として回転させることにより、上記焦線の向き(方向)を変更することが可能となり、上記ベクトル和(集光スポットPの非点収差)がほぼゼロとなるように調節することができる。
【0069】
ここで、上述のように波長λ1の光束の集光スポットPにおける非点収差がほぼ0となるように共通補正光学素子20を設計した場合、波長λ2の光束に対しては、共通補正光学素子20により、共通補正光学素子20が波長λ1の光束に与える非点収差の収差量とは異なる量の非点収差が、その焦線の向き(方向)が同一で与えられることになる。
数3は、共通補正光学素子20が波長λ1の光束にAS(dvd)の非点収差量を与える場合の、共通補正光学素子20により波長λ2の光束に対して与えられる非点収差量AS(cd)を算出するための式である。
【数3】
Figure 0004241104
【0070】
ここで、NA1は波長λ1の光束を用いた場合の集光光学系の物体側の開口数、NA2は波長λ2の光束を用いた場合の集光光学系の物体側の開口数を表す。
従って、上記数3に、AS(dvd)=0.015λrms、NA1=0.110、NA2=0.125、λ1=660nm、λ2=790nmを代入すると、表1に示すように、AS(cd)=0.007λrmsとなる。
従って、上記第2非点収差を、本実施の形態の共通補正光学素子20(コリメータ)及び専用補正光学素子30(カップリングレンズ)によって実用上支障が生じない程度(ほぼ0)に補正するには、上述のように、共通補正光学素子20によって、波長λ1の光束に対して0.007λrmsの非点収差が上記所定の焦線の向きで与えられることを考慮する必要がある。
【0071】
具体的には、第2非点収差と共通補正光学素子20により与えられる非点収差(0.007λrms)と専用補正光学素子30により与えられる非点収差のベクトル和が0となるように、上記数2を用いて、専用補正光学素子30により与えられる非点収差の収差量を調節することになる。
表2に示すように、数2により求められた、専用補正光学素子30により与えられる非点収差と、その焦線の向き(方向)は、それぞれ、0.007λrms、90°となる。そして、これら各値を満たすように専用補正光学素子30を設計して、集光光学系中に組み込むことにより、表2に示すように、第2非点収差と、共通補正光学素子20により与えられる非点収差と、専用補正光学素子30により与えられる非点収差とのベクトル和、つまり、集光スポットPの非点収差が0となる。
【0072】
なお、専用補正光学素子30の構成は、上記共通補正光学素子20と同様に、光学面上に楕円状の回折輪帯41を複数形成したり、第1平面と第2平面における曲率半径を異なるように構成する等、光ピックアップ装置10の用途及び構成に応じて選択するものとする。
また、図5に示すように、波長λ1の光束を出射する第1光源11と波長λ1の反射光を検出する光検出器50とを一体構成とし、同様に、波長λ2の光束を出射する第2光源12と波長λ2の反射光を検出する光検出器50とを一体構成とした光ピックアップ装置70に対しても、本実施の形態に示した発明を適用できる。
【0073】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、図6に示すように、波長λ1の光束のみが通過する光路中にも専用補正光学素子30としてのカップリングレンズ31を配置する点と、表3に示すように、第1光源11の非点隔差ΔIが10μmに設定されている点が上記第1の実施の形態と主に異なる。従って、図面中、第1の実施の形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【表3】
Figure 0004241104
なお、説明の便宜上、波長λ1の光束のみが通過する光路中に配置される専用補正光学素子30を第1専用補正光学素子31、波長λ2の光束のみが通過する光路中に配置される専用補正光学素子30を第2専用補正光学素子32と表記する。
従って、本実施の形態においては、対物レンズ40、第1専用補正光学素子31、第2専用補正光学素子32、共通補正光学素子20、第1ビームスプリッタ13、第2ビームスプリッタ14、絞り17により集光光学系が構成されている。
【0074】
上述のように構成された光ピックアップ装置10において、共通補正光学素子20、第1専用補正光学素子31及び第2専用補正光学素子32が波長λ1、λ2の光束に与える作用について説明する。
まず、光ピックアップ装置10のスペックは表3に記す値に設定されている。
具体的に説明すると、第1の光情報記録媒体(DVD60)に対する情報の記録及び/又は再生に用いる光束の波長(λ1)を660nmとし、λ1=660nmにおける対物レンズ40の像側開口数NAi=0.65、集光光学系の物体側の開口数NAo=0.108に設定されている。また、第1光源11の非点隔差ΔI=10μmと設定されている。
【0075】
また、第2の光情報記録媒体(CD61)に対する情報の記録及び/又は再生に用いる光束の波長(λ2)を790nmとし、λ2=790nmにおける対物レンズ40の像側開口数NAi=0.50、集光光学系の物体側の開口数NAo=0.125に設定されている。また、第2光源12の非点隔差ΔI=10μmと設定されている。
そして、これら各値を上記数1に代入することにより、本実施の形態に係る第1光源11の非点収差(第1非点収差)は、表3に示すように0.018λrmsと算出される。
また、数1に、表3中のCD61に対する各値を代入することにより、本実施の形態に係る第2光源12の非点収差(第2非点収差)は、0.020λrmsと算出される。
【0076】
そして、上記第1非点収差を、共通補正光学素子20(コリメータ)と第1専用補正光学素子31によって実用上支障が生じない程度(ほぼ0)に補正するには、上記数2を用いることにより、表3及び表4に示すように、共通補正光学素子20は、この共通補正光学素子20を通過する波長λ1の光束に対して0.015λrmsの非点収差を、上記第1非点収差における焦線の向きに対して焦線の向きを116°変えた状態で与える必要があり、第1専用補正光学素子31は、この第1専用補正光学素子31を通過する波長λ1の光束に対して0.015λrmsの非点収差を、上記第1非点収差における焦線の向きに対して焦線の向きを64°変えた状態で与える必要があると算出された。
【表4】
Figure 0004241104
このように、共通補正光学素子20及び第1専用補正光学素子31を設定することにより、表4に示すように、第1非点収差と共通補正光学素子20と第1専用補正光学素子31により与えられる非点収差のベクトル和(集光スポットPの非点収差)をほぼ0にできる。
【0077】
また、このように波長λ1の光束の集光スポットPにおける非点収差がほぼ0となるように共通補正光学素子20及び第1専用補正光学素子31を設計した場合、波長λ2の光束に対しては、共通補正光学素子20により、共通補正光学素子20が波長λ1の光束に与える非点収差の収差量とは異なる量の非点収差が、その焦線の向き(方向)が同一で与えられることになる。
この非点収差(AS(cd))は、上記数3により求められ、表3に示すように、AS(cd)=0.007λrmsとなる。
なお、本実施の形態においては、波長λ2の光束は、第1専用補正光学素子31を通過しないので、第1専用補正光学素子31により非点収差が与えられることはない。
【0078】
従って、上記第2非点収差を、本実施の形態の共通補正光学素子20(コリメータ)及び第2専用補正光学素子32(カップリングレンズ)によって実用上支障が生じない程度に補正するには、上述のように、共通補正光学素子20によって波長λ1の光束に対して0.007λrmsの非点収差が、上記所定の焦線の向きで与えられることを考慮する必要がある。
具体的には、第2非点収差と共通補正光学素子20により与えられる非点収差(0.007λrms)と第2専用補正光学素子32により与えられる非点収差のベクトル和が0となるように、上記数2を用いて、第2専用補正光学素子32により与えられる非点収差の収差量を調節することになる。
【0079】
そして、表3及び表4に示すように、数2により、第2専用補正光学素子32により与えられる非点収差と、その焦線の向き(方向)は、それぞれ、0.018λrms、80°となる。従って、各値を満たすように第2専用補正光学素子32を設計して、集光光学系中に組み込むことにより、表4に示すように、第2非点収差と共通補正光学素子20により与えられる非点収差と第2専用補正光学素子32により与えられる非点収差のベクトル和、つまり、集光スポットPの非点収差を実用上支障が無い程度の値(0.001λrms)とすることができる。
なお、図7に示すように、図5に示した構成と同様に、第1光源11と波長λ1の反射光を検出する光検出器50とを一体構成とし、第2光源12と波長λ2の反射光を検出する光検出器50とを一体構成とした光ピックアップ装置80に対しても、本実施の形態に示した発明を適用できる。
【0080】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、第2の実施の形態で示した集光光学系を構成する複数の光学素子のうち、共通補正光学素子20、第1専用補正光学素子31及び第2専用補正光学素子32以外の光学素子が非点収差を有する場合、即ち、光束がこの光学素子を通過する際に、この光学素子により非点収差が与えられる場合について説明する。なお、以下の説明においては、この光学素子を「非点収差を有する光学素子」と表記する。
【0081】
本実施の形態においては、図示は省略するが、非点収差を有する光学素子が波長λ1の光束のみが通過する光路上に配置されているものとし、表5に示すように、この非点収差を有する光学素子が、波長λ1の光束に対して0.005λrmsの非点収差を、第1非点収差における焦線の向きに対して焦線の向きが90°ずれた状態で与えるものとする。
【表5】
Figure 0004241104
この場合、第1非点収差と、非点収差を有する光学素子により与えられる非点収差とを、共通補正光学素子20(コリメータ)と第1専用補正光学素子31とによって実用上支障が生じない程度に補正するには、上記数2を用いることにより、表5に示すように、共通補正光学素子20は、この共通補正光学素子20を通過する波長λ1の光束に対して0.015λrmsの非点収差を、上記第1非点収差における焦線の向きに対して焦線の向きを122°変えた状態で与え、第1専用補正光学素子31は、この第1専用補正光学素子31を通過する波長λ1の光束に対して0.015λrmsの非点収差を、上記第1非点収差における焦線の向きに対して焦線の向きを58°変えた状態で与える必要があると算出される。
【0082】
このように、集光光学系を構成する複数の光学素子のうち、共通補正光学素子20、第1専用補正光学素子31及び第2専用補正光学素子32を除く他の光学素子が非点収差を有する場合であっても、波長λ1の光束に対して、共通補正光学素子20と第1専用補正光学素子31のそれぞれが与える非点収差量(共に0.015λrms)は、上記第2の実施の形態に示した場合と変える必要が無い。
つまり、第2の実施の形態では、集光光学系を構成する複数の光学素子のうち、共通補正光学素子20、第1専用補正光学素子31及び第2専用補正光学素子32を除く他の光学素子が非点収差を持たない場合において共通補正光学素子20と第1専用補正光学素子31のそれぞれが与える非点収差量は共に0.015λrmsであり、本実施の形態のように、集光光学系を構成する複数の光学素子のうち、共通補正光学素子20、第1専用補正光学素子31及び第2専用補正光学素子32を除く他の光学素子(非点収差を有する光学素子)が非点収差を有する場合でも、共通補正光学素子20と第1専用補正光学素子31のそれぞれが与える非点収差量は0.015λrmsでよい。
【0083】
従って、集光光学系中に、非点収差を有する光学素子が含まれている場合であっても、共通補正光学素子20及び第1専用補正光学素子31の構成(形状)自体は第2の実施の形態に示したものと何ら変える必要がなく、共通補正光学素子20と第1専用補正光学素子31をそれぞれ光軸Lを中心として所定角度回転させ、焦線の向きを調節するだけで、波長λ1の光束に関する集光スポットPの非点収差をほぼ0に補正することが可能となる。
また、このように波長λ1の光束の集光スポットPにおける非点収差がほぼ0となるように共通補正光学素子20及び第1専用補正光学素子31を光軸Lを中心として回転させた場合、波長λ2の光束に対しては、共通補正光学素子20により、共通補正光学素子20が波長λ1の光束に与える非点収差の収差量とは異なる量の非点収差(0.007λrms)が、その焦線の向き(方向)が同一(122°)で与えられることになる。
【0084】
従って、上記第2非点収差を、本実施の形態の共通補正光学素子20(コリメータ)及び第2専用補正光学素子32(カップリングレンズ)によって実用上支障が生じない程度に補正するには、第2非点収差(0.0020λrms)と共通補正光学素子20により与えられる非点収差(0.007λrms)と第2専用補正光学素子32により与えられる非点収差(0.018λrms)のベクトル和が0となるように、上記数2を用いて、第2専用補正光学素子32を光軸Lを中心として所定角度回転させて調節すればよい。
そして、表5に示すように、数2により、第2専用補正光学素子32により与えられる非点収差の焦線の向き(方向)が79°となるように、第2専用補正光学素子32を光軸Lを中心として回転させればよいことが分かる。
【0085】
従って、上記第2の実施の形態に示した光ピックアップ装置10の構成において、第2専用補正光学素子32の構成(形状)を変えることなく、光軸Lを中心として回転させ、焦線の向きを調節するだけで、第2非点収差と共通補正光学素子20により与えられる非点収差と第2専用補正光学素子32により与えられる非点収差のベクトル和、つまり、集光スポットPの非点収差を実用上支障が無い程度の値(ほぼ0)とすることができる。
【0086】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態の光ピックアップ装置90においては、図8に示すように、集光光学系中に共通補正光学素子20(コリメートレンズ)のみが含まれており、専用補正光学素子30が含まれない構成となっている。
このような構成であっても、例えば上述した楕円状の回折輪帯21を光学面に設けたり、あるいは、光軸Lにほぼ平行な段差45を介して複数の輪帯面44を光学面に連続的に設けることにより、波長λ1とλ2の光束のうちいずれか一方の光束に対してのみ、あるいは両方の光束に対して、非点収差を補正する機能(波長選択機能)を持たせることができる。このような波長選択機能を共通補正光学素子20に持たせることで、第1非点収差及び/又は第2非点収差を実用上支障が無い程度に補正することが可能となる。
【0087】
なお、このように構成された光ピックアップ装置90において、共通補正光学素子20が波長λ1、λ2の光束に与える作用については、上記第1〜第3の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態においては、図8の拡大図に示すように、第1光源11と第2光源12とを一体化させた構成となっており、波長λ1の光束と波長λ2の光束とがほぼ一致した光路で進行するようになっている。なお、図1及び図6に示したように、第1光源11と第2光源12が別体の構成であってもよい。
【0088】
また、例えば、光ピックアップ装置10が高密度DVDと他の光ディスクとの互換性を有する場合には、高密度DVDに利用される光束の波長λ1は通常450nm以下となる。このような場合には、上記共通補正光学素子20だけでなく、波長λ1の光束が通過する光路中に液晶素子を配置し、第1非点収差を、共通補正光学素子20と液晶素子との協働により補正するものとしてもよい。なお、液晶素子を用いて非点収差を補正する技術は例えば、上記特許文献3、4等に開示されており周知であるため説明を省略する。
【0089】
なお、上記第1〜第3の実施の形態においては、集光光学系中に共通補正光学素子20と専用補正光学素子30とが少なくとも一つずつ含まれていればよく、これら光学素子が複数含まれていても良い。
また、第1〜第3の実施の形態において、コリメータが共通補正光学素子20としての機能を有し、カップリングレンズ30が専用補正光学素子(第1専用補正光学素子31、第2の専用補正光学素子32)としての機能を有するものとしたが、これに限らず、共通補正光学素子20及び専用補正光学素子30は集光光学系を構成する光学素子であればよい。例えば、共通補正光学素子20と専用補正光学素子30がそれぞれ対物レンズとカップリングレンズ、コリメータとカップリングレンズ、対物レンズとコリメータであってもよい。また、共通補正光学素子が対物レンズで、専用補正光学素子がカップリングレンズとコリメータとを組み合わせたものであってもよい。
【0090】
また、第4の実施の形態において、コリメータが共通補正光学素子20としての機能を有するものとしたが、これに限らず、共通補正光学素子20は集光光学系を構成する光学素子であればよく、例えば、対物レンズ、カップリングレンズ、あるいはカップリングレンズとコリメートレンズとを組み合わせたもの、カップリングレンズと対物レンズとを組み合わせたもの、コリメートレンズと対物レンズとを組み合わせたもの、カップリングレンズとコリメートレンズと対物レンズとを組み合わせたものであってもよい。
【0091】
また、第1〜第4の実施の形態において、波長λ1の光束が共通補正光学素子20を通過する際に、この共通補正光学素子20により与えられる非点収差量は、0.008λrms<AS<0.032λrmsの範囲内であることが、光ピックアップ装置10、70、80、90の収差補正精度を確保する上で好ましい。0.008λrmsより小さい場合には、第1非点収差の補正が困難となり、0.032λrmsより大きい場合には、共通補正光学素子20の製造が困難となる。
また、第1〜第4の実施の形態において、第1光源11が有する非点隔差量と第2光源12が有する非点隔差量は、共に4μm〜50μmの範囲内であることが光ピックアップ装置10、70、80、90の収差補正精度を確保する上で好ましい。4μmより小さい場合には、第1非点収差及び第2非点収差を補正する必要が無く、50μmより大きい場合には、光源として使用することに適さないからである。
【0092】
また、第1〜第4の実施の形態においては、主にCD61とDVD60との互換について説明しているが、青紫色レーザー光を使用した高密度DVDと在来光ディスクとの互換にも適用できることは勿論である。さらにこれら3つの規格を取り混ぜた、3つの光ディスクの規格間の互換についても応用することができる。
【0093】
【発明の効果】
本発明の光ピックアップ装置によれば、複数の光源が有する非点隔差や光学素子の製造誤差によって集光スポットに生じる複数の非点収差の補正が可能な、互換性を有する光ピックアップ装置を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す要部平面図である。
【図2】対物レンズの構成を示す要部横断面図である。
【図3】対物レンズの構成を示す要部横断面図である。
【図4】共通補正光学素子の構成を示す要部縦断面図である。
【図5】第1の実施の形態に係る光ピックアップ装置の他の構成を示す要部平面図である。
【図6】第2の実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す要部平面図である。
【図7】第2の実施の形態に係る光ピックアップ装置の他の構成を示す要部平面図である。
【図8】第4の実施の形態に係る光ピックアップ装置の構成を示す要部平面図である。
【符号の説明】
10 光ピックアップ装置
11 第1光源
12 第2光源
13 ビームスプリッタ
14 ビームスプリッタ
20 共通補正光学素子
30 専用補正光学素子
31 第1専用補正光学素子
32 第2専用補正光学素子
60 第1光情報記録媒体
60a 情報記録面
61 第2光情報記録媒体
61a 情報記録面
70 光ピックアップ装置
80 光ピックアップ装置
90 光ピックアップ装置

Claims (13)

  1. 複数の光学素子からなる集光光学系を備え、前記集光光学系を用いて、第1光源から出射される波長λ1の光束を保護基板厚t1の第1光情報記録媒体の情報記録面に集光させると共に第2光源から出射される波長λ2(λ2>λ1)の光束を保護基板厚t2(t2≧t1)の第2光情報記録媒体の情報記録面に集光させて、情報の再生及び/又は記録を行う光ピックアップ装置であって、
    前記集光光学系が、前記波長λ1の光束と波長λ2の光束が共に通過する光路中に配置される共通補正光学素子と、前記波長λ1の光束のみが通過する光路中又は前記波長λ2の光束のみが通過する光路中に配置される専用補正光学素子とを有し、
    前記集光光学系を構成する複数の光学素子のうち、前記共通補正光学素子及び専用補正光学素子以外の光学素子を通過する前記波長λ1の光束及び前記波長λ2の光束によって所定の前記情報記録面上に形成される集光スポットにおける非点収差をそれぞれ第1非点収差及び第2非点収差とした場合に、
    前記共通補正光学素子は、これら各光学素子を通過する前記波長λ1の光束及び前記波長λ2の光束に対して所定の非点収差を与えることにより、前記第1非点収差及び前記第2非点収差を共に補正し、
    前記専用補正光学素子は、これら各光学素子を通過する前記波長λ1の光束に対して所定の非点収差を与えることにより、前記第1非点収差を補正するか、或いは、これら各光学素子を通過する前記波長λ2の光束に対して所定の非点収差を与えることにより、前記第2非点収差を補正し、
    前記共通補正光学素子は、対物レンズ又はコリメータであり、前記専用補正光学素子は、カップリングレンズであって、
    前記第1光源及び前記第2光源と前記対物レンズとの間の光路中にビーム整形プリズムが配置される光ピックアップ装置を除くことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 請求項1に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記第1光源と第2光源とが別体に配置され、
    前記集光光学系が少なくとも一つのビームスプリッタを有し、
    前記第1光源と第2光源から出射される前記波長λ1の光束と波長λ2の光束が、前記ビームスプリッタに向かって異なる光路で進行し、該ビームスプリッタによって、これら波長λ1の光束の光路と波長λ2の光束の光路とが一致するように進行方向を変更され、所定の前記情報記録面に集光することを特徴とする光ピックアップ装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記専用補正光学素子が、前記波長λ1の光束のみが通過する光路と前記波長λ2の光束のみが通過する光路のうちいずれか一方の光路中のみに配置されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  4. 請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記専用補正光学素子が、前記波長λ1の光束のみが通過する光路と前記波長λ2の光束のみが通過する光路の両方の光路中に配置されることを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記第1非点収差と第2非点収差の収差量が異なることを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記共通補正光学素子及び専用補正光学素子が、前記第1非点収差と第2非点収差のうちいずれか一方の収差の収差量を最小値に補正することを特徴とする光ピックアップ装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記共通補正光学素子及び専用補正光学素子が、前記第1非点収差と第2非点収差の収差量を共に最小値に補正することを特徴とする光ピックアップ装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記共通補正光学素子及び専用補正光学素子により補正される前記第1非点収差の収差量と第2非点収差の収差量とが異なることを特徴とする光ピックアップ装置。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記波長λ1の光束が前記共通補正光学素子を通過する際に該共通補正光学素子により与えられる非点収差量ASが、
    0008λrms<AS<0032λrms
    を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記第1光源が有する非点隔差量d1と前記第2光源が有する非点隔差量d2が、
    4μm<d1<50μm
    4μm<d2<50μm
    を満たすことを特徴とする光ピックアップ装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記専用補正光学素子が、前記波長λ1の光束のみが通過する光路と前記波長λ2の光束のみが通過する光路の両方に配置され、
    前記波長λ1の光束が前記専用補正光学素子を通過する際に該専用補正光学素子により与えられる非点収差の方向と、前記波長λ2の光束が前記専用補正光学素子を通過する際に該専用補正光学素子により与えられる非点収差の方向とが異なることを特徴とする光ピックアップ装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記共通補正光学素子と専用補正光学素子のうち少なくとも一方の光学素子の光学面の面形状が、光軸を中心とする非球面形状であることを特徴とする光ピックアップ装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置であって、
    前記共通補正光学素子と専用補正光学素子のうち少なくとも一方の光学素子の光学面に回折構造が形成されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
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