JP4238939B2 - 監視カメラ装置及び監視カメラシステム装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パン(横振り)回転及びチルト(縦振り)回転が可能な監視カメラ
用回転台に取り付けられる監視カメラ装置において、プライバシー保護のため、
画面の一部をプライバシー保護範囲として画像をマスクする(隠す)ためのマス
ク位置の記憶手段及びマスク表示手段を具備したことを特徴とする監視カメラ装
置に関する。
通常、監視カメラ装置はいろいろな方向を撮影できるように、パン方向、チル
ト方向に自由に回転できるカメラ用回転台に、ビデオカメラを固定して使用して
いる。また、外部のコントローラ部によりカメラ用回転台のパン、チルトおよび
監視カメラ装置のズーミング等を操作して、カメラが映し出す映像個所を自由に
変えることのできる監視カメラシステム装置がある。この監視カメラシステム装
置は、一般的に、映し出すべき複数の映像個所を記憶し、この記憶した映像個所
を一定の時間で順次映し出すシーケンス機能や、監視エリアに人感センサ等を設
置し、その人感センサにより異常があったと判断した時に瞬時にその方向に監視
カメラ装置を向けさせるアラーム機能等を備えている。このような監視カメラシ
ステム装置を、街路等の公共な場所に設置した場合、民間の家等、プライバシー
の保護ため撮影することが好ましくない個所の処理の問題がある。この問題の解
決方法として、プライバシー保護が必要な箇所を別の映像でマスクする方法があ
る。以下、従来のプライバシー保護個所のマスク方法を説明する。
特開2001−69494では、プライバシー保護する範囲すなわちマスク範
囲を、絶対座標上の座標位置及び大きさ等で記憶しておき、監視カメラ装置がパ
ンチルト方向に回転した場合のマスク表示時は、絶対座標上の座標位置から画面
上の座標位置を演算してマスクを表示させる方法が記載されている。また、この
方法においては、パン方向、チルト方向の回転速度が予め定められた一定速度以
上の場合はプライバシー保護のためのマスク表示処理を行わないとしている。
特開2001−69494号公報
しかしながら、上記記載の従来技術では、カメラ用回転台をパン方向、チルト
方向に回転させた場合、マスク表示の位置は演算しているため表示するまでに時
間的に遅延が発生する。このため、マスク表示の位置の演算を終了したときには
、実際の画像はこの演算による遅延時間の分だけ進んでおり、マスク表示の位置
と実際にプライバシーを保護したい範囲との間にズレが生じプライバシー保護範
囲の一部が露出するといった問題があった。カメラ用回転台のパン方向、チルト
方向の回転速度が遅い場合には、この遅延のために発生するマスク表示の位置と
プライバシー保護範囲のズレは少ないのでプライバシー保護範囲の露出する範囲
は小さいが、カメラ用回転台のパン方向、チルト方向の回転速度が速い場合には
、この演算による遅延のために発生するマスク表示の位置とプライバシー保護範
囲のズレが大きくなりプライバシー保護範囲の露出する範囲は大きくなり、問題
が顕著化する。
本発明の目的は、カメラ用回転台のパン方向、チルト方向の回転時、カメラ用
回転台のパン方向、チルト方向の角度情報からマスク表示の位置を演算して表示
するまでの時間的遅延のために生じるマスク表示の位置とプライバシー保護範囲
にズレを、以前のマスク表示の位置と、現在における演算したマスク表示の位置
とから前述の時間的遅延を考慮した新たなマスク表示の位置を演算し、この新た
なマスク表示の位置によりプライバシー保護範囲を覆うことで前述のズレの改善
を図った監視カメラ装置を提供することにある。
さらには、プライバシー保護範囲にマスクを設定する場合、マスク設定中は、映
像信号とプライバシー保護のマスクの合成比率を任意に可変できる様にする事で
、操作者はマスクの設定時に映像信号とマスク位置を同時に確認することが出来
るようになり、操作者がマスク設定を行い易くする事を目的とする。
上記課題を解決するために第一の発明は、基本構成として第一にレンズと撮像
素子の光学系と、第二にマスク位置の決定や表示を算出する為の演算手段と、第
三に複数のマスク表示を可能にするための演算管理手段と、第四にマスクデータ
とこの監視カメラを正常に動作させる為のデータの記憶手段と、第五に撮像素子
からの映像信号に部分的なマスクを施して映像出力させる映像信号処理手段とで
構成している。そして、この監視カメラは回転台に搭載し回転されるものであり
、この回転台を含め監視カメラシステム装置を構成する。さらにこの監視カメラ
システム装置を操作するコントローラ部や映像を表示するモニタ部等への通信手
段を具備している。
第一の光学系は光路上に固定配置されたレンズと、レンズを通過した光を受光
して電気信号に変換する撮像素子から成る。
第二の演算手段は、後述する記憶手段からの情報と、回転台のパン及びチルト回
転角度情報(以下パンチルト角度情報と称す)やコントローラ部からのマスク領
域設定情報により、マスクすべき領域の各頂点の角度座標を定めるマスクデータ
算出処理部と、マスクすべき領域の各頂点の表示位置座標を算出するマスク表示
位置算出処理部から成る。
第三の演算管理手段は、複数のマスク設定および表示を可能にするためにマスク
毎の状態に合わせて、前述のマスクデータ算出処理部と、前述のマスク表示位置
算出処理の演算に関して割り振りを行うマスク演算管理部から成る。
第四の記憶手段は、撮像素子の画素の大きさを記憶(メモリC)する第一の記
憶部と、マスクデータ算出処理部の算出結果を記憶する第二の記憶部(メモリD
)と、マスク表示位置算出処理部の算出結果を記憶する第三の記憶部(メモリE
)と、コントローラ部からのマスク領域設定情報を記憶する第四の記憶部(メモ
リF)と、レンズ系の焦点距離のデータメモリ部(メモリB)を、有している。
第五の映像信号処理手段は、コントローラ部からのマスク領域設定座標情報また
は、第二で演算したマスク頂点の表示位置座標情報から、撮像素子の映像の一部
をマスクした撮像画面に処理し、外部となるコントローラ部やモニタ部にこの撮
像画面に送出する。
またコントローラ部やモニタ部や監視カメラシステム装置との間には、被写体を
写す制御指示やマスク位置決定指示を送受する通信手段を構成するものである。
マスク設定時は、コントローラ部からのマスク設定指示と、コントローラ部か
らのマスク領域設定座標情報と、その時の回転台のパンチルト角度情報と、第一
の記憶部の撮像素子1画素の大きさと、レンズの焦点距離で演算し、マスク形状
の各頂点のパン及びチルト角度を算出して第二の記憶部に記憶する。またマスク
設定時は、コントローラ部からのマスク領域設定座標情報を第五の映像信号処理
手段に送出される。第五の映像信号処理手段では、入力されたマスク領域設定座
標情報から映像信号の一部に対してマスクする信号を生成し、この生成されたマ
スク信号と第一の光学系から入力された映像信号を合成して映像信号の一部に対
してマスク処理を施す際に、入力されたマスク領域設定座標情報から映像信号の
一部に対してマスクする信号と第一の光学系から入力された映像信号の合成する
比率を任意の割合で行い、この撮像画面に送出する。この送出された撮像画面を
モニタ部に接続することで、操作者は設定中のマスク位置をの確認と、プライバ
シー保護範囲の映像信号とコントローラ部を使用して設定した設定中のマスクが
同時に確認可能となる。
マスク稼働時は、時間t(tは自然数)における回転台のパンチルト角度情報
と、撮像素子1画素の大きさと、レンズの焦点距離と、第二の記憶部の情報から
撮像素子面でのマスク表示位置情報W[t](Wは自然数)を算出する。同時に
時間tにおけるマスク情報W[t]を第三の記憶部に記憶する。そしてこの算出
されたマスク位置情報W[t]と、第三の記憶部に記憶されている前回の時間t
−1で回転台のパンチルト角度情報と、撮像素子1画素の大きさと、レンズの焦
点距離と、第二の記憶部の情報から算出された撮像素子面でのマスク表示位置情
報W[t−1]から、監視カメラが搭載されている回転台の動きと、マスク位置
情報を演算して表示するまでに発生した遅延のために生じる、マスク表示位置の
ズレを補正する新たなマスク位置情報V(Vは自然数)を算出する。そして、こ
のマスク表示位置のズレを補正するために算出されたマスク位置情報Vは、第五
の映像信号処理手段に送出される。第五の映像信号処理手段では、入力されたマ
スク領域設定座標情報から映像信号の一部に対してマスクする信号を生成し、こ
の生成されたマスク信号と第一の光学系から入力された映像信号を合成して映像
信号の一部に対してマスク処理を施す際に、入力されたマスク領域設定座標情報
から映像信号の一部に対してマスクする信号と第一の光学系から入力された映像
信号の合成する比率を100対0の割合で行い、この撮像画面に送出する。この
送出された撮像画面をモニタ部に接続することで、操作者は回転台のパンチルト
角度に応じて設定したマスクの表示位置が移動するため、常にプライバシー保護
範囲がマスクされた映像信号を確認することができる。
本発明により、カメラ用回転台のパン方向、チルト方向の回転時、カメラ用回
転台のパン方向、チルト方向の角度情報からマスク表示の位置を演算して表示す
るまでの時間的遅延のために生じるマスク表示の位置とプライバシー保護範囲に
ズレを、以前のマスク表示の位置と、現在における演算したマスク表示の位置と
から前述の時間的遅延を考慮した新たなマスク表示の位置を演算し、この新たな
マスク表示の位置によりプライバシー保護範囲を覆うことで前述のズレの改善を
可能とした。
さらには、プライバシー保護範囲にマスクを設定する場合、マスク設定中は、映
像信号とプライバシー保護のマスクの合成比率を任意に可変できる様にする事で
、操作者はマスクの設定時に映像信号とマスク位置を同時に確認することが出来
るようになり、操作者がマスク設定を行い易くし、操作性を可能とした。
本発明によれば、監視カメラのプライバシー保護のためのマスクした撮像画面
をモニタ部に表示させる監視カメラ装置と、その回転台を含む監視カメラシステ
ム装置において、回転台のパン方向、チルト方向回転動作とマスクの位置を演算
し表示するまでの時間的遅延のために生じるマスク表示の位置とプライバシー保
護範囲との間のズレの改善を行うことができる。
また、操作者がプライバシー保護範囲にマスクを設定する際に、プライバシー
保護範囲の映像信号と合成するマスク信号の合成比率を任意に可変できる様にす
ることで、映像を見ながらマスク範囲を設定できることにより操作者がマスクを
設定する際の便宜性を図ることができる。
以下、この発明の一実施形態について図1〜図12を用いて説明する。
図1、図2により本発明の一実施例である監視カメラシステム装置及び監視カメ
ラの構成及び動作概要を説明する。図1は、本発明の一実施例による監視カメラ
のブロック構成を示し、図2はこの監視カメラを用いた監視カメラシステム装置
全体の概略構成を示す。
図2に示す監視カメラ12は回転台11に取り付け、カバー50で覆われてい
る。監視カメラ12の光学系に固定した光学レンズを介して撮像素子から取りこ
まれた被写体の映像信号は、回転台11、コントローラ14に送られ、システム
制御メニューなどのOSD表示等システム制御に必要な情報を重畳してモニタ1
3に出力する。操作者は、モニタ13を見ながら、コントローラ14を操作し、
回転台11のパン、チルト回転、監視カメラ12のズーム及びプライバシー保護
範囲のマスク設定等の監視カメラシステム装置としての制御を行う。コントロー
ラ14、モニタ13、回転台11と監視カメラ12の間では、回転台11のパン
方向、チルト方向の回転動作などの制御情報、回転台11のパンチルト角度など
の状態情報、監視カメラ12のズーム移動、プライバシー保護範囲のマスク設定
など監視カメラ12の制御を行うための制御情報、監視カメラ12のズーム位置
、プライバシー保護範囲のマスク設定状態などの状態情報等を、通信ケーブル5
1a、51bにより送受信する。ここで、コントローラ14は、監視システム専
用コントローラを用いても良いし、パソコン及び監視システム制御ソフトウェア
等他の制御手段を用いてもよい。また、図2において、本実施例では映像信号は
回転台11を経由してコントローラ14に送信しているが、監視カメラ12から
直接コントローラ14に送信するようにしてもよい。
次に、図1を用いて本発明の監視カメラ12の構成を説明する。
第一に、光学系は、監視カメラ12の光路に固定した光学レンズ1aと、撮像素
子1bで構成している。この撮像素子1bは、被写体の撮像光(L)を電気信号
に変換して映像信号として出力する素子である。
第二に、演算手段は、マスクデータ算出処理部8bと、マスク表示位置算出処
理部8cから成る。マスクデータ算出処理部8bは、マスク表示位置の設定時、
後述するマスク演算管理部8aを介して入力された回転台11のマスク表示位置
設定時のパンチルト角度情報と、後述するメモリB8fに記憶されている焦点距
離の情報と、後述するメモリC8gに記憶されている撮像素子の一つ画素の大き
さの情報と、後述するメモリF8kに記憶されている操作者がプライバシー保護
範囲を設定するために入力したマスク表示の設定位置座標データ及び入力した表
示させるマスク形状の頂点数から、後述する演算式[式5]を用いて、操作者が
プライバシー保護範囲に設定したマスク表示位置の各頂点の角度(以下、マスク
設定時におけるマスク各頂点の角度情報と称す)を算出して後述するメモリD(
マスクデータメモリ)8hに送り記憶する。同時に、メモリF(マスクの設定位
置座標)8kに記憶されている操作者がプライバシー保護範囲を設定するために
入力したマスク表示の設定位置座標データは、操作者がプライバシー保護範囲に
設定したマスク表示の設定位置を確認できるようにするためにマスクデータ表示
算出処理8cを介して後述するカメラ信号処理4内部のマスク信号発生部4cに
出力する。また、本発明による本実施例では、マスクデータ算出処理部8bは、
後述するカメラ信号処理4内部の信号合成部4dに対して、操作者が設定中のマ
スク表示のためのマスク信号と第一の光学系から出力された映像信号に信号処理
4aで信号処理が施された映像信号との合成比率を変えるための制御情報を出力
することができるようになっている。
マスク表示位置算出処理部8cは、メモリD(マスクデータメモリ)8hに記
憶されているマスク設定時におけるマスク各頂点の角度情報と、後述するマスク
演算管理部8aを介して入力されたある時間[t](tは自然数)における回転
台11のパンチルト角度情報と、後述するメモリB8fに記憶されている焦点距
離データと、後述するメモリC8gに記憶されている撮像素子1画素の大きさの
情報から、後述する演算式[式4]を用いて、時間[t]における回転台11の
パンチルト角度でのマスク表示の各頂点のマスク表示位置座標W[t](以下、
マスク表示位置座標情報と称す、Wは自然数)を算出する。またこの時間[t]
におけるマスク表示位置座標情報の算出結果は、後述するメモリE(マスク表示
位置座標データバックアップ)8eに送られ、記憶される。
次に、本発明であるマスク表示位置座標情報を演算して表示するまでに発生し
た時間的遅延のために生じるマスク表示位置のズレを補正する動作の概要を説明
する。後述する[式4]を用いて演算された時間[t]におけるマスク表示位置
座標情報W[t]と、メモリE(マスク表示位置座標データバックアップ)8e
に記憶されている前回の時間[t−1]でのマスク表示位置座標情報W[t−1
]と、監視カメラ12が搭載されている回転台11のパンチルト角度情報の出力
遅延情報、マスク表示位置座標情報を演算して表示するまでに発生した遅延情報
とを元に、表示座標位置補正処理を施して時間[t]におけるマスク表示位置ズ
レ補正用の新たなマスク位置座標情報V[t](Vは自然数)を算出する。同時
に新たなマスク位置座標情報V[t]は、後述するカメラ信号処理4内部のマス
ク信号発生部4cに出力し、マスク済み映像信号として回転台11、コントロー
ル14を介してモニタ13に送信し、マスク位置を補正された映像を表示する。
ここで、本実施例ではメモリE(マスク表示位置座標データバックアップ)8
eでは今回の時間[t]のマスク表示位置座標情報を記憶するとともに前回の時
間[t−1]のマスク表示位置座標情報は消去されるようになっているが、前回
の時間[t−1]のマスク表示位置座標情報は消去されないようにしても構わな
い。
第三に、演算管理手段は、マスク演算管理部8aから成る。本実施例では、監
視カメラ12が取り付けてある回転台11をパン方向、チルト方向に回転して映
し出すことの可能な範囲全体で、操作者がプライバシー保護範囲にマスクを設定
することが可能なマスクの総数をN個(Nは自然数)としている。マスク演算管
理部8aは、プライバシー保護範囲に設定するマスク(以下、プライバシーマス
クと称す)の設定可能な個数N個全てに対しそれぞれの制御状態が、操作者がマ
スク表示位置を設定中の処理でありマスク各頂点の角度情報を算出する制御状態
か、操作者のマスク表示位置を設定中の処理が終了した状態での処理でありマス
ク表示位置座標情報を記憶する制御状態か、または操作者が何も設定していない
時の処理であり何も処理を行わない未処理の制御状態かを判定する手段である。
また、マスク演算管理部8aで状態判定するプライバシーマスクの設定は、操作
者がコントローラ14を使用して監視カメラ12に指示を行う。尚、プライバシ
ーマスクの制御状態としては、操作者がプライバシーを保護したい領域に対して
プライバシーマスクを現在設定を行っている状態である設定中と、操作者が設定
中のプライバシーマスクの設定が完了した状態である設定完了と、既に設定が完
了し監視カメラシステムのプライバシーマスクとして稼働している状態である稼
働許可と、操作者が何も設定していない状態である未設定とがある。
また、ここで、回転台11から送信された回転台11のパンチルト角度情報と
、操作者がプライバシー保護範囲に設定したマスク表示の設定位置座標データと
、操作者がプライバシー保護範囲を設定するために入力した表示させるマスク形
状の頂点数は後述する外部通信処理部8dを介して入力され、回転台11のパン
チルト角度情報は、前述のマスクデータ算出処理部8bと前述のマスク表示位置
算出処理部8cに出力し、マスク表示の設定位置座標データと、マスク形状の頂
点数はメモリF(マスクの設定位置座標)に出力する。
第四に、記憶手段は光学レンズの焦点距離のデータを記憶するメモリB8fと
、撮像素子の一つの画素の大きさである水平方向と垂直方向の長さを記憶するメ
モリC8gと、マスク表示角度データを記憶するメモリD8hと、マスク表示位
置座標を記憶するメモリE8eと、コントローラ14から操作者が設定したプラ
イバシーマスクの設定情報を記憶するメモリF8kを有している。メモリF8k
は、後述する外部通信処理部8dを介して入力された、操作者がプライバシー保
護範囲に設定したマスクの設定位置座標データと、操作者がプライバシー保護範
囲に設定したマスク形状の頂点数を記憶する手段である。メモリD8hは、前述
したマスクデータ算出処理部8bで算出したマスク設定時における回転台11の
パンチルト角度でのマスク設定時におけるマスク各頂点の角度情報を記憶する手
段である。メモリE8eは、前述したマスク表示位置算出処理部8cで算出した
時間[t]における回転台11のパンチルト角度でのマスク表示位置座標情報を
記憶する手段である。
尚、本実施例では、前述の演算手段と、前述の演算管理手段と、前述の記憶手
段は、外部通信処理部8dと共に、マイコン8に組み込んである。
また、この外部通信処理部8dは、コントローラ14と、回転台11と、監視
カメラ12との間で、回転台11のパンチルト角度などの状態情報、監視カメラ
12へのズーム、プライバシー保護範囲のマスク設定などの監視カメラ12の制
御を行うための制御情報、監視カメラ12のズーム位置、プライバシー保護範囲
のマスク設定状態などの状態情報などの各種情報のデータ送受信処理手段として
働く。
また、マイコン8と後述するカメラ信号処理4は制御ライン9で接続されてお
り、マイコン8とカメラ信号処理4の制御データ及び各種データは、この制御ラ
イン9を介してデータの送受信を行う。カメラ信号処理4に組み込んであるマス
ク信号発生部4cへのマスク信号発生のためのマスク信号設定データと、カメラ
信号処理4に組み込んである信号合成部4dへの映像信号とプライバシーマスク
の合成比率の設定データも、この制御ライン9を介してマイコン8からカメラ信
号処理4に送信される。
第五に、映像信号処理手段は、信号処理変換3、カメラ信号処理4、デジタル
/アナログ変換(DAC)5と映像出力信号端子10で構成する。
信号処理変換3は、映像信号のリセット雑音を除去するCDS回路と、自動利得
制御(AGC)回路と、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジ
タル変換(ADC)回路である。また、カメラ信号処理4は、映像信号を信号処
理する信号処理4aと、マスク信号を発生させるマスク信号発生部4cと映像信
号の一部をマスク信号と合成する信号合成部4dで構成する。マスク信号発生部
4cでは、制御ライン9を介してマイコン8から入力されたマスク信号設定デー
タに従い映像信号のプライバシー保護範囲をマスクする信号を発生させる。信号
合成部4dでは、制御ライン9を介してマイコン8から入力された映像信号とプ
ライバシーマスクの合成比率の設定データに従い、映像信号とプライバシーマス
クの合成比率を可変する。デジタル/アナログ変換(DAC)5は、カメラ信号
処理4からの映像デジタル信号をアナログ信号に変換した映像出力信号を映像出
力信号端子10から出力する回路である。
次にマスクデータ算出処理部8bにおいてマスク設定時におけるマスク各頂点
の角度情報の算出に用いる演算式[式5]と、マスク表示位置算出処理部8cに
おいてマスク表示位置座標情報の算出に用いる演算式[式4]について、図13
、14を用いて説明する。
図13は、原点をパンチルト回転の中心(O)15とし、被写体は点状の物体
(S)22としたときのX軸の正の方向をパン及びチルト角度の基準としたXY
Z空間内における、撮像素子2と被写体(S)22の位置関係を示している。図
14は、被写体を点状の物体(S)22としたときに被写体(S)22が撮像素
子2上に映る位置(P)26を示している。
図13,図14において、パンチルト回転の中心(O)15から撮像素子2の
中心(o)16までの距離(r)19と、撮像素子2の中心(o)16から焦点(
Q)20までの距離(f)21と、被写体(S)22のパン角度(θxp)23、
チルト角度(θyp)24、パンチルト回転中心(O)15から被写体(S)22
までの距離(l)25とする。また、図14において、撮像素子1画素の水平方向
の長さ(xu)27と、撮像素子1画素の垂直方向の長さ(yu)28とする。
監視カメラ12のパン角度(θxo)17と、チルト角度(θyo)18は、回転
台11に取り付けて監視カメラ12が回転する時、そのパンチルト回転の中心(
O)15から見た撮像素子への光軸の角度であり、この角度の基準はX軸を水平
としている。すなわち、回転支持された撮像素子の回転中心(O)を通過し、撮
像素子の成す平面に対して、垂線となる光軸の角度情報をパン角度(θxo)17
と、チルト角度(θyo)18にする。すなわち、撮像素子の回転中心(O)と撮
像素子の光軸交点の成す角度が、回転台11のパンチルト角度情報である。
また、通常、プライバシー保護が必要な範囲のすぐ近くに監視システムを設置
することはないため、被写体距離(l)25は、パンチルト回転の中心(O)1
5から撮像素子の中心(o)16までの距離(r)19と、撮像素子の中心(o)
16から焦点Q20までの距離(f)21に比べ非常に大きい。したがって、パ
ンチルト回転の中心(O)15が、監視カメラ12の中心とほぼ一致している場
合は、l >>(r-f)であるため、被写体距離(l)25を無限大であるとする。
そこで、図14に示すように、撮像素子の中心(o)16から物体(S)22
が撮像素子2上に映る位置(P)26における水平方向の画素数を水平方向画素
数(xp)41と、撮像素子の中心(o)16から物体(S)22が撮像素子2上
に映る位置(P)26における垂直方向の垂直方向画素数(yp)42は、被写体
(S)22のパン角度(θxp)23、被写体(S)22のチルト角度(θyp)2
4、撮像素子1画素の水平方向の長さ(xu)27と、撮像素子1画素の垂直方向の
長さ(yu)28と、監視カメラ12のパン角度(θxo)17と、監視カメラ12
のチルト角度(θyo)18から演算式[式4]を用いて算出している。マスク表
示位置算出処理部8cでは、メモリD(マスクデータメモリ)8hに記憶されて
いるマスク設定時におけるマスク各頂点の角度情報を被写体(S)22のパン角
度(θxp)23、被写体(S)22のチルト角度(θyp)24とし、マスク演算
管理部8aを介して入力されたある時間[t](tは自然数)における回転台1
1のパンチルト角度情報を監視カメラ12のパン角度(θxo)17と、監視カメ
ラ12のチルト角度(θyo)18とし、メモリB8fに記憶されている焦点距離
データを撮像素子2の中心(o)16から焦点(Q)20までの距離(f)21と
し、メモリC8gに記憶されている撮像素子1画素の大きさの情報を撮像素子1画
素の水平方向の長さ(xu)27と、撮像素子1画素の垂直方向の長さ(yu)28
として、演算式[式4]からマスク表示位置座標情報を算出している。
また、マスクデータ算出処理部8bでは、前述の演算式[式4]の逆関数であ
る演算式[式5]を用いて、マスク設定時におけるマスク各頂点の角度情報を算
出しているが、マスク表示位置の設定時にマスク演算管理部8aを介して入力さ
れた回転台11のマスク表示位置設定時のパンチルト角度情報を監視カメラ12
のパン角度(θxo)17と、監視カメラ12のチルト角度(θyo)18とし、メ
モリB8fに記憶されている焦点距離の情報を撮像素子2の中心(o)16から
焦点(Q)20までの距離(f)21とし、メモリC8gに記憶されている撮像
素子の一つ画素の大きさの情報を撮像素子1画素の水平方向の長さ(xu)27と
、撮像素子1画素の垂直方向の長さ(yu)28としている。
以下、取り込んだ画像のプライバシー保護範囲をマスクする全体の処理構成を
図3に示すフローチャート用いて説明する。図3に示すフローチャートの処理は
、前述のマスク演算管理部8aで行われる。
監視カメラ12が動作状態になると、ステップ31において、プライバシーマス
クの番号をカウントするためのマスク管理カウンタjをゼロに設定し、ステップ
32に進む。マスク管理カウンタjは、監視カメラ12が取り付けてある回転台
11をパン方向、チルト方向に回転して映し出すことの可能な範囲全体で、操作
者がプライバシー保護範囲のマスクとして設定することが可能なマスクの総数N
個(Nは自然数)の処理順番を管理するカウンタである。
ステップ32において、操作者が設定可能なプライバシーマスクの総数Nと、
マスク管理カウンタjが示している今回処理を行うプライバシーマスク番号M(
Mは自然数)との比較を行う。マスク管理カウンタjが、操作者が設定可能なプ
ライバシーマスクの総数N以上の場合(M≧N)は、ステップ31に戻り、図3
に示すフローチャートの処理を再度実行する。逆に、マスク管理カウンタjが示
すプライバシーマスク番号Mが、操作者が設定可能なプライバシーマスクの総数
N未満(M<N)の場合は、ステップ33の処理を行う。
ステップ33において、マスクデータ算出処理部8bは、前述したメモリF8
kに記憶されている操作者がコントローラ14を使用して設定されたマスクの設
定位置座標データと、操作者がコントローラ14を使用して設定したマスク形状
の頂点数を取得する。この取得した操作者がコントローラ14を使用して設定さ
れたマスクの設定位置座標データは後述するステップ46でも使用する。同時に
取得した操作者がコントローラ14を使用して設定したマスク形状の頂点数は後
述するステップ43と、ステップ52と、ステップ62でも使用する。メモリF
8kに記憶されている操作者がコントローラ14を使用して設定されたマスクの
設定位置座標データと、マスク形状の頂点数データを取得後、ステップ34に進
む。
ステップ34において、プライバシーマスクの演算処理の分岐を行うため、マ
スク管理カウンタjが示す番号Mのプライバシーマスクの状態を判定する。プラ
イバシーマスクの状態設定は、操作者がコントローラ14を使用して監視カメラ
12に指示を行う。操作者がコントローラ14を使用して設定したプライバシー
マスクの状態設定データは、図1に示す外部通信処理8dを介してマスク演算管
理部8aに入力される。操作者が設定するプライバシーマスクの状態としては、
操作者がプライバシーを保護したい領域に対して現在プライバシーマスクの設定
を行っている状態である設定中と、操作者が設定中のプライバシーマスクの設定
が完了した状態である設定完了と、既に設定が完了し稼働している状態である稼
働許可と、操作者が何も設定していない状態である未設定となる。マスク管理カ
ウンタjが示す番号M番目のプライバシーマスクの状態が未設定の場合はステッ
プ37、設定中もしくは設定完了の場合はステップ35に進みM番目のマスク設
定時のマスク各頂点の角度情報演算及び表示等を行い、稼働許可の場合はステッ
プ36に進みM番目のプライバシーマスクのマスク表示座標情報演算及び表示を
行なう。
また、図3に示すフローチャートでは、操作者が設定するプライバシーマスク
の状態遷移は、設定中から設定完了に遷移、そして設定完了から稼働許可の順番
となっている。
ステップ35において、操作者が設定中または設定完了のプライバシーマスクの
各頂点についてのマスク設定時におけるマスク各頂点の角度情報の演算と、設定
中のプライバシーマスク表示と、設定完了時に演算したマスク設定時におけるマ
スク各頂点の角度情報の結果をマイコン8内部のメモリD(マスクデータメモリ
)に書き込む処理を行う。ステップ35に関しては、図4を用いて後述する。
ステップ36において、操作者が稼動許可したプライバシーマスクに関しての
マスク表示位置座標情報の演算と、演算したマスク表示位置座標情報をマイコン
8内部のメモリE(マスクデータバックアップメモリ)に書き込む処理と、演算
したマスク表示位置座標情報の表示座標位置補正処理と、プライバシーマスクの
表示する処理を行う。ステップ36に関しては、図5を用いて後述する。
ステップ35、およびステップ36でプライバシーマスクの状態に合わせた分岐
処理終了後、ステップ37に進む。
ステップ37において、マスク管理カウンタjが示すM番目の値に1を加算す
る。その後、ステップ32に戻りステップ32からステップ37の処理を操作者
がプライバシー保護範囲のマスクを設定することが可能なマスクの総数N回繰り
返し行う。処理がN回終了後すると、前述したステップ32の条件を満たし、ス
テップ31に戻り、図3に示すフローチャートの処理を再度実行する。
また、操作者が設定したプライバシーマスクは、確実にプライバシー保護部を覆
う必要がある。そのため、プライバシーマスク処理は、図3に示すフローチャー
トの処理が映像信号の出力周期に合わせて最低1回は行われる必要がある。本実
施例では1フィールド毎に行うようになっているが、周期はこれに限るものでは
ない。
次に、図4に示すフローチャートを用いてマスクデータ算出処理部8bで行う
ステップ35の処理についてさらに説明する。マスクデータ算出処理部8bでは
、先述のマスク管理カウンタjが示すM番目のプライバシーマスクについて、操
作者がコントローラ14等を使用して設定中の状態指示を行っているプライバシ
ーマスクの場合には、操作者がプライバシー保護範囲に設定した前述のマスク設
定時におけるマスク各頂点の角度情報の演算と、プライバシーマスク表示を行う
。操作者が設定完了の状態指示を行っている場合には、演算したマスク設定時に
おけるマスク各頂点の角度情報の結果をマイコン8内部のメモリD(マスクデー
タメモリ)8hに書き込む処理を行う。
プライバシー保護範囲をマスクするためには、操作者は多角形のプライバシー
マスクを設定する必要があり、設定されたプライバシーマスクの頂点の数は複数
個存在する。操作者がプライバシー保護範囲に設定したマスクの設定および稼働
方法を前述の演算式[式4]と[式5]を用いて行う場合は、操作者がプライバ
シー保護範囲に設定したマスク形状の全ての頂点に対してそれぞれ演算を行う必
要がある。そのため、マスク設定時におけるマスク各頂点の角度情報の演算を繰
り返し実行させる必要があるので、ステップ42において演算回数を管理する変
数iをゼロに設定し初期化し、ステップ43に進む。
ステップ43において、演算回数を管理する変数iと、操作者が設定中のプラ
イバシーマスクで、プライバシーマスクの状態指示が設定中か、もしくは設定完
了であるマスク形状の頂点の総数を比較する。比較される頂点の総数は、操作者
がコントローラ14を使用して設定したマスク形状の頂点数であり、前述したス
テップ33においてメモリF8kから取得したデータである。本実施例ではプラ
イバシー保護範囲として設定できるマスク形状は四角形としているので、ステッ
プ43では、操作者がプライバシー保護範囲に設定したマスク形状の頂点数は4
となるので、i≧4の条件判定としている。演算回数を管理する変数iが設定中
のプライバシーマスクの頂点の数未満であれば、ステップ44に進む。また、演
算回数を管理する変数iが、プライバシーマスクの状態指示が設定中か、もしく
は設定完了であるマスク形状の数以上であれば、ステップ46に進む。
ステップ44では、前述の演算式[式5]を用いて操作者が設定中のプライバ
シーマスクに対して、マスク設定時におけるマスク各頂点の角度情報を算出する
ための演算を行う。[式5]の演算を行うに当たっては、前述したマスク演算管
理部8aを介して入力された回転台11のパンチルト角度情報と、メモリB8f
に記憶されている焦点距離の情報と、メモリC8gに記憶されている撮像素子の
一つ画素の大きさの情報と、およびマスク演算管理部8aを介してメモリF8k
に入力された操作者がプライバシー保護範囲に設定したマスクの設定位置座標デ
ータを使用する。演算終了後、次の頂点の角度を演算するためステップ45に進
む。
ステップ45では、演算回数を管理する変数iに1を加算し、ステップ43に
戻る。
ステップ46において、操作者が設定中でプライバシーマスクの状態指示が設定
中か、もしくは設定完了であるプライバシーマスクの表示処理を行う。ここで、
表示するプライバシーマスクは、前述したメモリF8kに記憶されている操作者
がコントローラ14を使用して設定されたマスクの設定位置座標データである。
このメモリF8kに記憶されているデータを、図1に示す制御ライン9を介して
カメラ信号処理4内部のマスク信号発生部4cに対して出力し、マスク信号発生
部4cでは入力したデータに従い映像信号のプライバシー保護範囲をマスクする
信号を発生させる。またステップ46において行われるマスク表示処理では、前
述したメモリF8kに記憶されている操作者がコントローラ14を使用して設定
された設定中のプライバシーマスクのマスク信号と、映像信号とを任意の割合で
合成する。この設定中のプライバシーマスクのマスク信号と、映像信号とを合成
させる割合データは、図1に示す制御ライン9を介してカメラ信号処理4内部の
信号合成部4dに対して出力され、信号合成部4dでは、入力したデータに従い
設定中のプライバシーマスクのマスク信号と、映像信号とを合成する割合を設定
する。尚、操作者が設定中のプライバシーマスクのマスク信号と、映像信号を任
意の割合で合成しマスクを表示する処理に関しては、図12を用いて後述する。
ステップ46において操作者が設定中のプライバシーマスク表示を行った後、ス
テップ47に進む。ステップ47において、操作者がコントローラ14を使用し
て監視カメラ12に指示を行っている設定中のプライバシーマスクの状態判定を
行う。また、操作者は、カメラ信号処理4の信号合成部4dで設定中のプライバ
シーマスクと映像信号の合成処理が施された映像を映像出力端子10から送出さ
れた映像信号で確認して、操作者がコントローラ14などを使用して監視カメラ
12に指示を行っているプライバシーマスク設定に問題がなければ、操作者は監
視カメラ12に設定完了の指示を行う。このため、ステップ47で操作者から設
定完了の指示が行われていた場合、ステップ48に進む。操作者から設定完了の
状態設定指示が行われていない場合は、ステップ37に示す処理に進む。
ステップ48において、ステップ44で前述の演算式[式5]を用いて演算し
たマスク設定時におけるマスク各頂点の角度情報と、マスク管理カウンタjが示
す番号Mをマイコン8内のメモリD(マスクデータメモリ)8hに書き込む。
尚、本実施例ではプライバシー保護範囲として設定できるマスク形状は四角形と
しているためステップ43の条件判定をi≧4としているが、設定できるマスク
形状はこれに限定されるものではなく、五角形のときは条件判定をi≧5とし、
L角形の時にはi≧Lとするようにすればよい。
ここで、操作者が設定中のプライバシーマスクのマスク信号と、映像信号を任
意の割合で合成しマスクを表示する処理に関して、図12を用いて説明する。図
12(a)はモニタ13の画面でのプライバシーマスクを示すものであり、P0
、P1,P2,P3で囲む閉領域をマスクするものである。図12(b)は一つ
の水平ライン毎のマスク検知信号、図12(c)は撮像素子1bからの撮像画面
の映像信号、図12(d)はマスクとして合成させるマスク信号、図12(e)
はカメラ信号処理4の信号合成部4d経由後に映像出力端子10から送出される
マスクされた撮像画面の映像信号である。
マスクすべき領域を形成する頂点を示す信号は、図12のように、マスク信号
発生部4cにより、各々水平1ライン毎に、P0〜P3で囲まれる部分の線分と
の交点を求め、水平ラインの先頭から最初の交点までをLow、最初の交点から2
つ目の交点までをHigh、2つ目の交点から水平ラインの最後までをLow、以下、
交点おきにHigh/Lowをトグル(順送り)するマスク信号を発生させ図12(b
)に示すマスク検知信号を生成する。そして、信号合成部4dにて、マスク検知
信号がHighであるとき、撮像素子1bからの撮像画面の映像信号(図12(c)
に示す信号)と、合成させるマスク信号(図12(d)に示す信号)とを任意の
割合で合成し、プライバシーマスク情報が含まれる映像信号を生成する。例えば
、図12(e)マスク処理後の信号のA点での映像信号輝度レベルは、図12(
c)映像信号のA点に於ける輝度信号レベルYと、図12(d)合成させるマス
ク信号のA点に於ける輝度信号レベルXとを合成比率Y:X=1:1で合成処理
を施した輝度レベルY+Xとなる。また、映像信号とマスク信号との合成比率は
、操作者が任意に設定するもしくは、予め設定した比率としてもよい。
操作者がコントローラ14を使用して監視カメラ12に指示を行っている設定
中のマスク表示データと、撮像素子1bからの撮像画面の映像信号との合成比率
を任意の割合として、プライバシーマスク情報が含まれる映像信号を生成するこ
とで、操作者はプライバシーマスク保護部分の映像信号と、設定中のプライバシ
ーマスクを同時に確認することが可能になり、プライバシーマスク保護部分が、
設定中のプライバシーマスクによってどの程度覆われているかの判断が可能にな
り、操作者がコントローラ14を使用して監視カメラ12に指示を行うプライバ
シーマスクの設定が行い易くなる。
次に、図5に示すフローチャートを用いてマスク表示位置算出処理部8cで行
うステップ36の処理についてさらに説明する。マスク表示位置算出処理部8c
では、先述のマスク管理カウンタjが示すM番目のプライバシーマスクが、操作
者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対して設定完了の状態設定指示
を行ったのち、稼働許可の状態設定指示を行い稼働許可となっている場合に、メ
モリD(マスクデータメモリ)8hに記憶されているマスク管理カウンタjが示
すM番目のマスク設定時における各頂点の角度情報と、マスク演算管理部8aか
ら入力した時間[t]における回転台11のパンチルト角度情報と、メモリB8
fに記憶されている焦点距離の情報と、メモリC8gに記憶されている撮像素子
1画素の大きさの情報から、前述の演算式[式4]を用いてマスク表示位置座標
情報を算出し、算出したマスク表示位置座標情報の結果と、マスク管理カウンタ
jが示すMの番号をメモリE(マスクデータバックアップメモリ)8eに書き込
む。そして、後述するステップ55で処理される表示座標位置補正処理において
演算したマスク表示位置座標W[t]と、メモリE8eに記憶されている前回の
マスク表示位置座標の演算結果W[t−1]から、マスク表示位置ズレ補正用の
新たなマスク座標位置V[t]を生成する。マスク表示部では、表示座標位置補
正処理が施された新たなマスク座礁位置Vのマスクを表示する。
マスク表示位置算出処理部8cでは、操作者が設定したプライバシーマスクが
多角形であるため、設定中のプライバシーマスクの各頂点は複数個存在する。前
述の演算式[式4]を用いて行う場合は、操作者がプライバシー保護範囲に設定
したマスクの全ての頂点に対してそれぞれ演算を行う必要がある。そのため、マ
スク表示位置におけるマスク頂点のマスク表示座標位置の演算を繰り返し実行さ
せる必要があるので、ステップ51において演算回数を管理する変数iをゼロに
設定し初期化し、ステップ52に進む。
ステップ52において、演算回数を管理する変数iと、操作者が設定済みのプ
ライバシーマスクで、プライバシーマスクの状態指示が稼働許可であるマスク形
状の頂点の総数を比較する。ステップ52では、前述のステップ33で取得した
操作者がコントローラ14を使用して設定したマスク形状の頂点数と比較する。
本実施例のステップ52では、操作者がプライバシー保護範囲に設定したマスク
形状の頂点数4と設定する、すなわち四角形のプライバシーマスクを設定済みと
するため、i≧4としている。演算回数を管理する変数iが稼働許可中のプライ
バシーマスクの頂点の数未満であれば、ステップ53に進む。また、演算回数を
管理する変数iが稼働許可中であるマスク形状の頂点の数以上であれば、ステッ
プ55に進む。
ステップ53では、前述の演算式[式4]を使用して操作者がコントローラ1
4を使用し監視カメラ12に対して稼働中指示を行ったプライバシーマスクのマ
スク表示位置座標情報の演算を行う。[式4]の演算を行うに当たっては、メモ
リD(マスクデータメモリ)8hに記憶されているマスク管理カウンタjが示す
M番目のマスクに関してのマスク設定時における各頂点の角度情報、マスク演算
管理部8aを介して入力された回転台11のパンチルト角度情報、メモリB8f
に記憶されている焦点距離の情報と、およびメモリC8gに記憶されている撮像
素子の一つ画素の大きさの情報を使用する。演算終了後、次の頂点の位置座標を
演算するためステップ54に進む。ステップ54では、演算回数を管理する変数
iに1を加算し、ステップ52に戻る。
ステップ55において、稼働中のプライバシーマスクについて表示座標位置補
正処理を行い、表示座標位置補正処理終了後、ステップ56に進む。尚、この表
示座標位置補正処理については、図6、図7、図8、図9、図10、図11を用
いて後述する。
ステップ56において、表示座標位置補正処理が施されたプライバシーマスクの
表示処理を行う。表示座標位置補正処理が施されたプライバシーマスクデータは
、図1に示す制御ライン9を介してカメラ信号処理4内部のマスク信号発生部4
cに対して出力し、マスク信号発生部4cでは入力したデータに従い映像信号の
プライバシー保護範囲をマスクする信号を発生させる。またステップ56におい
て行われるマスク表示処理では、表示座標位置補正処理が施されたプライバシー
マスクデータのマスク信号と、映像信号との合成比率を100対0とする。この
表示座標位置補正処理が施されたプライバシーマスクデータのマスク信号と、映
像信号とを合成させる割合データは、図1に示す制御ライン9を介してカメラ信
号処理4内部の信号合成部4dに対して出力され、信号合成部4dでは、入力し
たデータに従い設定中のプライバシーマスクのマスク信号と、映像信号とを合成
する割合を設定する。
次に、表示座標位置補正処理の第一の実施例の動作説明を、図7、図8、図9
、図10を用いて説明する。
図7では、操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対してプライバ
シーマスクの設定を行い、その後設定完了の指示を行い、そして稼働許可となっ
たプライバシーマスク(マスクPa)に関して、回転台11が右方向に移動した
ために表示中のマスクPaが画面右から画面左に動作する場合について説明する
。この時回転台11は、パン角度[PL0]⇒[PL1]⇒[PL2]と動作す
るものとしチルト角度の動作はないとする。パン角度[PL0]と、[PL1]
と、[PL2]は、回転台11から外部通信処理8dを介してマスク演算管理部
8aに入力し、マスク表示算出処理8cに入力されたパン角度情報である。また
、時間はT0⇒T1⇒T2⇒T3と変わるものとする。
操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対してプライバシーマス
クの設定を行う状態である設定中に、映像信号のプライバシー保護範囲にマスク
信号が任意の割合で合成されている映像信号をモニタ13などで操作者が確認を
行いマスクの設定に関して問題がない場合にコントローラ14を使用し監視カメ
ラ12に対してプライバシーマスクの設定を行う状態である設定完了と、設定完
了を経てプライバシーマスクを稼働させる状態である稼働許可となったマスクP
aは、時間T0において監視カメラ12が取り付けてある回転台11のパン角度
が[PL0]を示す際には、図7に示す画面上の位置に表示している。マスクP
aは各頂点ma0_i(iは頂点の番号)で囲まれた大きさでありパン方向の座
標位置はma0_i.x(iは頂点の番号)である。
次に、回転台11が右方向に回転し、回転台11のパン角度が[PL0]から
[PL1]と変化した場合、マスクPaの表示位置は、前述のマスク表示位置算
出処理部8cのステップ53で表示位置座標の演算を行い算出した、マスクPb
の座標位置に移動する。このマスクPbの座標位置は頂点ma1_i(iは頂点
の番号)で囲まれた大きさであり、パン方向の座標位置はma1_i.x(iは
頂点の番号)である。
しかし、回転台11がパン方向に回転動作する動きと、回転台11のパン方向
、チルト方向の角度情報をもとにマスク表示位置算出処理部8cのステップ53
で演算して、後述するステップ56によるマスク表示処理が終了し、プライバシ
ー保護部分にマスク信号が合成されて出力されるまでに遅延が発生する。回転台
11の回転速度が遅い場合は、前述の遅延の影響は少なくマスクPbの位置でも
プライバシー保護部分が露出する範囲は小さく、プライバシー保護部分をほぼ覆
うことは可能である。しかし、回転台11の回転速度が速い場合は、前述の遅延
の影響が大きくなりマスクPbの位置ではプライバシー保護部分を確実に覆うこ
とは出来ず、プライバシー保護部分の一部が露出してしまうという問題が起こっ
てしまう。
そのため回転台11の回転動作と、マスク表示位置の演算による遅延を補正す
るために、マスクPaの進行方向に当たるマスクPbの頂点ma1_0、ma1
_1の先に新たな2つの頂点mb1_0、mb1_1の位置を算出して補正マス
ク[Pd]を生成する。補正マスク[Pd]は頂点mb1_0、mb1_1、m
a1_1、ma1_0で囲まれた大きさとなり、パン方向の座標位置はmb1_
0.x、mb1_1.x、ma1_1.x、ma1_0.xとなる。またこの補
正マスク[Pd]の頂点ma1_1、ma1_0は、マスク表示位置算出処理部
8cのステップ53で表示位置の演算で生成されたマスクPbの頂点ma1_1
、ma1_0と同じ座標となり、それぞれの頂点結ぶ辺は同じである。そのため
、時間T1時に表示されるプライバシーマスクはマスクPb’=マスクPb+補
正マスク[Pd]となる。マスクPb’は頂点mb1_0、mb1_1、ma1
_2、ma1_3で囲まれた大きさとなり、パン方向の座標位置はmb1_0.
x、mb1_1.x、ma1_2.x、ma1_3.xとなる。
マスクPb’で新たに生成させるパン方向の頂点の座標位置mb1_0、mb
1_1は[式7]、[式8]を用いて演算を行う。
[式7]
mtq_i=m(t-1)q_i+DELTA_mtq_i
mtq_i ;新たな頂点の座標位置(i番目)
m(t-1)q_i ;頂点の座標位置(i番目)で移動後の
位置を演算して求めた座標位置
DELTA_mtq_i;頂点の座標位置の差分(i番目)で前回
の演算した頂点座標位置と新たに演算
した頂点座標位置の差分
[式8]
DELTA_mtq_i={m(t-1)(q-1)_i−m(t-1)q_i}/K
mtq_i ;新たに演算した頂点座標位置位置(i番目)
m(t-1)(q-1)_i ;マスク移動前の頂点座標位置(i番目)で
前回の演算で求めた頂点座標位置
K ;演算係数
マスクPb’で新たに生成させるパン方向の座標位置mb1_0.x、mb1
_1.xを[式7]、[式8]で具体的に表現すると[式9]となる。
[式9]
座標位置 ;
mb1_i=ma1_i+{ma0_i−ma1_i}/K
パン方向の位置 ;
mb1_i.x=ma1_i.x
+{ma0_i.x−ma1_i.x}/K
i ;頂点番号 i=0、1 である。
マスクの進行方向に対して新たに設定される頂点座標位置は、現在のパン角度
[PL1]時におけるマスクPbの頂点座標位置と、現在のパン角度[PL1]
の1つ前のパン角度[PL0]時におけるマスクPaの頂点座標位置から生成さ
れることになる。また、[式8]、[式9]で示した演算係数Kは、回転台11
の回転速度とは無関係な固定値としてもよいし、回転台11の回転速度に依存し
て変化する可変値としてもよいし、回転台11がパン方向、チルト方向に回転動
作する動きと、回転台11から監視カメラ12内の外部通信処理部8dを介して
マスク演算管理部8aに入力されるまでに発生する時間的な遅延のために発生す
るマスク表示位置ズレを考慮して変化する可変値、もしくは回転台11がパン方
向、チルト方向に回転動作する動きと、回転台11から監視カメラ12内の外部
通信処理部8dを介してマスク演算管理部8aに入力されるまでに発生する時間
的な遅延のために発生するマスク表示位置ズレを考慮した固定値にしてもよい。
また前述の演算係数Kのデータ設定は、回転台11が監視カメラ12に対して固
定値または可変値の設定を常に行ってもよいし、操作者がコントローラ14を使
用し回転台11経由して監視カメラ12に設定してもよいし、予め監視カメラ1
2に固定値または可変値の設定をしておいてもよい。
次に、回転台11が右方向に回転し回転台11のパン角度が[PL1]から[
PL2]と変化した場合について説明する。
回転台11のパン角度が[PL1]から[PL2]に変化した場合も回転台11
のパン角度が[PL0]から[PL1]に変化した場合と同様に処理を行う。マ
スク表示位置算出処理部8cのステップ53で表示位置座標の演算を行いパン角
度[PL2]で表示するマスクPcと、前述の[式7]、[式8]を用いてマス
クPcの進行方向に対して補正マスク[Pe]の算出をそれぞれ行い、マスクP
c’=マスクPc+補正マスク[Pe]を生成する。このマスクPc’が時間T
2において表示されるプライバシーマスクとなる。このとき、前述の[式7]、
[式8]を用いてマスクPcの進行方向に対して補正マスク[Pe]を算出する
際に使用するm(t-1)(q-1)_iは、マスクPb’の座標位置情報ではなく、マ
スクPbの座標位置情報を使用する。前回のパン角度[PL1]で表示したマス
クPb’は、回転台11の動作とマスク表示位置の遅延を補正するために新たに
生成された表示位置であり、マスク表示位置算出処理部8cのステップ53で演
算した表示位置座標ではないからである。
さらに、回転台11の回転が終了し回転台11のパン角度が[PL2]で停止
した場合について説明する。回転台11のパン角度が[PL2]で停止した場合
も、回転台11のパン角度が[PL1]から[PL2]に変化した場合と同様に
マスク表示位置算出処理部8cのステップ53で表示位置座標の演算と、[式7
]、[式8]を用いての演算処理を行う。しかし、回転台11の回転が発生して
いないため、[式7]、[式8]を用いて演算した結果はマスクPcの位置とな
り、このマスクPcが時間T3において表示されるプライバシーマスクとなる。
次に、図8を用いて、操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対
してプライバシーマスクの設定を行い、その後設定完了の指示を行い、そして稼
働許可となったプライバシーマスク(マスクPf)が回転台11が右方向に回転
したために画面左から画面右に動作する場合について説明するが、この時回転台
11は、パン角度[PR0]⇒[PR1]⇒[PR2]と回転動作するとしチル
ト角度の動作はない。パン角度[PR0]と、[PR1]と、[PR2]は、回
転台11から外部通信処理8dを介してマスク演算管理部8aに入力し、マスク
表示算出処理8cに入力されたパン角度情報である。また、時間はT0⇒T1⇒
T2⇒T3と変わるものとする。この場合も前述の図7を用いて説明した動作と
同様な処理を行う。
操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対してプライバシーマス
クの設定を行う状態である設定中に、映像信号のプライバシー保護範囲にマスク
信号が任意の割合で合成されている映像信号をモニタ13などで操作者が確認を
行いマスクの設定に関して問題がない場合にコントローラ14を使用し監視カメ
ラ12に対してプライバシーマスクの設定を行う状態である設定完了と、設定完
了を経てプライバシーマスクを稼働させる状態である稼働許可となったマスクP
fは、時間T0において監視カメラ12が取り付けてある回転台11のパン角度
が[PR0]を示す際には、図8に示す画面上に表示している。マスクPfは各
頂点mf0_i(iは頂点の番号)で囲まれた大きさでありパン方向の座標位置
はmf0_i.x(iは頂点の番号)である。
次に、回転台11が左方向に回転し、回転台11のパン角度が[PR0]から
[PR1]と変化した場合、マスクPfの表示位置は、前述のマスク表示位置算
出処理部8cのステップ53で表示位置の演算を行い算出したマスクPgの座標
位置に移動する。このマスクPgは頂点mf1_i(iは頂点の番号)で囲まれ
た大きさでありパン方向の座標位置はmf1_i.x(iは頂点の番号)である
。また、[式7]、[式8]で演算を行いマスクPgの進行方向に対して、補正
マスク[Pj]の座標位置が算出される。この補正マスク[Pj]は、頂点mf
1_3、mf1_2、mj1_2、mj1_3で囲まれた大きさとなり、パン方
向の座標位置はmf1_3.x、mf1_2.x、mj1_2.x、mj1_3
.xとなる。
この補正マスク[Pj]の頂点、mf1_2、mf1_3はマスク表示位置算
出処理部8cのステップ53で表示位置の演算で生成されたマスクPgの頂点と
同じ座標となり、それぞれの頂点結ぶ辺は同じである。そのため、時間T1で表
示されるプライバシーマスクはマスクPg’=マスクPg+補正マスク[Pj]
であり、マスクPg’の頂点はmf1_0、mf1_1、mj1_2、mj1_
3で囲まれた大きさとなり、パン方向の座標位置はmf1_0.x、mf1_1
.x、mj1_2.x、mj1_3.xとなる。
次に回転台11が左方向に回転し回転台11のパン角度が[PR1]から[P
R2]と変化した場合について説明する。
回転台11のパン角度が[PR1]から[PR2]に変化した場合も回転台1
1のパン角度が[PR0]から[PR1]に変化した場合と同様な処理を行い、
パン角度[PR2]で表示するマスクPhと、前述の[式7]、[式8]を用い
てマスクPhの進行方向に対して補正マスク[Pk]の座標位置の算出処理をそ
れぞれ行い、マスクPh’=マスクPh+補正マスク[Pk]を生成する。この
マスクPh’が時間T2において表示されるプライバシーマスクとなる。このと
き、前述の[式7]、[式8]を用いてマスクPhの進行方向に対して補正マス
ク[Pk]を算出する際に使用するm(t-1)(q-1)_iは、マスクPg’の座標
位置情報ではなく、マスクPgの座標位置情報を使用する。前回のパン角度[P
R1]で表示したマスクPg’は、回転台11の動作とマスク表示位置の遅延を
補正するために新たに生成された表示位置であり、マスク表示位置算出処理部8
cのステップ53で演算した表示位置座標ではないからである。
次に、回転台11の回転が終了し回転台11のパン角度が[PR2]で停止し
た場合について説明する。
回転台11のパン角度が[PR2]で停止した場合も、回転台11のパン角度が
[PR1]から[PR2]に変化した場合と同様にマスク表示位置算出処理部8
cのステップ53で表示位置座標の演算と、[式7]、[式8]を用いて補正マ
スクの演算処理を行う。しかし、回転台11の移動が発生していないため、[式
7]、[式8]を用いて演算した結果はマスクPhの位置となり、このマスクP
hが時間T3において表示されるプライバシーマスクとなる。
次に、図9を用いて、操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対
してプライバシーマスクの設定を行い、その後設定完了の指示を行い、そして稼
働許可となったプライバシーマスク(マスクTa)が回転台11が上方向に回転
したために画面上から画面下に移動する場合について説明するが、この時回転台
11は、パン角度の動作はなく、チルト角度が[TD0]⇒[TD1]⇒[TD
2]と動作する。チルト角度[TD0]と、[TD1]と、[TD2]は、回転
台11から外部通信処理8dを介してマスク演算管理部8aに入力し、マスク表
示算出処理8cに入力されたチルト角度情報である。また、時間はT0⇒T1⇒
T2⇒T3と変わるものとする。この場合も前述の図7を用いて説明した動作と
同様である。
操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対してプライバシーマス
クの設定を行う状態である設定中に、映像信号のプライバシー保護範囲にマスク
信号が任意の割合で合成されている映像信号をモニタ13などで操作者が確認を
行いマスクの設定に関して問題がない場合にコントローラ14を使用し監視カメ
ラ12に対してプライバシーマスクの設定を行う状態である設定完了と、設定完
了を経てプライバシーマスクを稼働させる状態である稼働許可となったマスクT
aは、時間T0において監視カメラ12が取り付けてある回転台11のパン角度
が[TD0]を示す際には、図9に示す画面上に表示している。マスクTaは各
頂点ma0_i(iは頂点の番号)で囲まれた大きさでありチルト方向の座標位
置はma0_i.y(iは頂点の番号)である。
次に、回転台11が上方向に回転し、回転台11のチルト角度が[TD0]か
ら[TD1]と変化した場合、マスクTaは前述のマスク表示位置算出処理部8
cのステップ53で表示位置の演算を行いマスクTbの座標位置に移動する。こ
のマスクTbは頂点ma1_i(iは頂点の番号)で囲まれた大きさでありチル
ト方向の座標位置はma1_i.x(iは頂点の番号)である。また、[式7]
、[式8]で演算を行いマスクTbの進行方向に対して、補正マスク[Td]の
座標位置が算出される。この補正マスク[Td]は頂点ma1_1、mb1_1
、mb1_2、ma1_2で囲まれた大きさとなり、チルト方向の座標位置はm
a1_1.y、mb1_1.y、mb1_2.y、ma1_2.yとなる。
この補正マスク[Td]の頂点、ma1_1、ma1_2はマスク表示位置算
出処理部8cのステップ53で表示位置の演算で生成されたマスクTbの頂点と
同じ座標となり、それぞれの頂点結ぶ辺は同じである。そのため、時間T1で表
示されるプライバシーマスクはマスクTb’=マスクTb+補正マスク[Td]
であり、マスクTb’の頂点はma1_0、mb1_1、mb1_2、ma1_
3で囲まれた大きさとなり、チルト方向の座標位置はma1_0.y、mb1_
1.y、mb1_2.y、ma1_3.yとなる。
次に回転台11が左方向に回転し回転台11のチルト角度が[TD1]から[
TD2]と変化した場合について説明する。
回転台11のチルト角度が[TD1]から[TD2]に変化した場合も回転台1
1のチルト角度が[TD0]から[TD1]に変化した場合と同様な処理を行い
、チルト角度[TD2]で表示するマスクTcと、前述の[式7]、[式8]を
用いてマスクPcの進行方向に対して補正マスク[Te]の算出をそれぞれ行い
、マスクTc’=マスクTc+補正マスク[Te]を生成する。このマスクTc
’が時間T2において表示されるプライバシーマスクとなる。
このとき、前述の[式7]、[式8]を用いてマスクPcの進行方向に対して
補正マスク[Te]を算出する際に使用するm(t-1)(q-1)_iは、マスクTb
’の座標位置情報ではなく、マスクTbの座標位置情報を使用する。前回のチル
ト角度[TD1]で表示したマスクTb’は、回転台11の動作とマスク表示位
置の遅延を補正するために新たに生成された表示位置であり、マスク表示位置算
出処理部8cのステップ53で演算した表示位置座標ではないからである。
次に、回転台11の回転が終了し回転台11のチルト角度が[TD2]で停止
した場合について説明する。
回転台11のチルト角度が[TD2]で停止した場合も、回転台11のチルト角
度が[TD1]から[TD2]に変化した場合と同様にマスク表示位置算出処理
部8cのステップ53で表示位置座標の演算と[式7]、[式8]を用いて処理
を行う。しかし、回転台11の移動が発生していないため、[式7]、[式8]
を用いて演算した結果はマスクTcの位置となり、このマスクTcが時間T3に
おいて表示されるプライバシーマスクとなる。
次に、図10を用いて、操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に
対してプライバシーマスクの設定を行い、その後設定完了の指示を行い、そして
稼働許可となったプライバシーマスク(マスクTf)が回転台11が下方向に回
転したために画面下から画面上に動作する場合について説明するが、この時回転
台11は、パン角度の動作はなく、チルト角度が[TU0]⇒[TU1]⇒[T
U2]と動作する。チルト角度[TU0]と、[TU1]と、[TU2]は、回
転台11から外部通信処理8dを介してマスク演算管理部8aに入力し、マスク
表示算出処理8cに入力されたチルト角度情報である。また、時間はT0⇒T1
⇒T2⇒T3と変わるものとする。この場合も前述の図7を用いて説明した動作
と同様である。
操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対してプライバシーマス
クの設定を行う状態である設定中に、映像信号のプライバシー保護範囲にマスク
信号が任意の割合で合成されている映像信号をモニタ13などで操作者が確認を
行いマスクの設定に関して問題がない場合にコントローラ14を使用し監視カメ
ラ12に対してプライバシーマスクの設定を行う状態である設定完了と、設定完
了を経てプライバシーマスクを稼働させる状態である稼働許可となったマスクT
fは、時間T0において監視カメラが取り付けてある回転台11のパン角度が[
TU0]を示す際には、図10に示す画面上に表示している。マスクTfは各頂
点mf0_i(iは頂点の番号)で囲まれた大きさでありチルト方向の座標位置
はmf0_i.x(iは頂点の番号)である。
次に、回転台11が下方向に回転し、回転台11のチルト角度が[TU0]か
ら[TU1]と変化した場合、マスクTfは前述のマスク表示位置算出処理部8
cのステップ53で表示位置の演算を行いマスクTgの座標位置に移動する。こ
のマスクTfは頂点mf1_i(iは頂点の番号)で囲まれた大きさでありチル
ト方向の座標位置はmf1_i.y(iは頂点の番号)である。また、[式7]
、[式8]で演算を行いマスクTgの進行方向に対して、補正マスク[Tj]の
座標位置が算出される。また補正マスク[Tj]は頂点mj1_0、mf1_0
、mf1_3、mj1_3で囲まれた大きさとなり、チルト方向の座標位置はm
j1_0.y、mf1_0.y、mf1_3.y、mj1_3.yとなる。
この補正マスク[Tj]の頂点、mf1_0、mf1_3はマスク表示位置算
出処理部8cのステップ53で表示位置の演算で生成されたマスクTgの頂点と
同じ座標となり、それぞれの頂点結ぶ辺は同じである。そのため、時間T1で表
示されるプライバシーマスクはマスクTg’=マスクTg+補正マスク[Tj]
であり、マスクTg’の頂点はmj1_0、mf1_1、mf1_2、mj1_
3で囲まれた大きさとなり、チルト方向の座標位置はmj1_0.y、mf1_
1.y、mf1_2.y、mj1_3.yとなる。
次に、回転台11が左方向に回転し回転台11のチルト角度が[TU1]から
[TU2]と変化した場合について説明する。
回転台11のチルト角度が[TU1]から[TU2]に変化した場合も回転台1
1のチルト角度が[TU0]から[TU1]に変化した場合と同様な処理を行い
、チルト角度[TU2]で表示するマスクThと、前述の[式7]、[式8]を
用いてマスクPhの進行方向に対して補正マスク[Tk]の算出をそれぞれ行い
、マスクTh’=マスクTh+補正マスク[Tk]を生成する。このマスクTh
’が時間T2において表示されるプライバシーマスクとなる。
このとき、前述の[式7]、[式8]を用いてマスクThの進行方向に対して
補正マスク[Tk]を算出する際に使用するm(t-1)(q-1)_iは、マスクTg
’の座標位置情報ではなく、マスクTgの座標位置情報を使用する。前回のチル
ト角度[TU1]で表示したマスクTg’は、回転台11の動作とマスク表示位
置の遅延を補正するために新たに生成された表示位置であり、マスク表示位置算
出処理部8cのステップ53で演算した表示位置座標ではないからである。
次に、回転台11の回転が終了し回転台11のチルト角度が[TU2]で停止
した場合について説明する。
回転台11のチルト角度が[TU2]で停止した場合も、回転台11のチルト角
度が[TU1]から[TU2]に変化した場合と同様にマスク表示位置算出処理
部8cのステップ53で表示位置座標の演算と[式7]、[式8]を用いて処理
を行う。しかし、回転台11の移動が発生していないため、[式7]、[式8]
を用いて演算した結果はマスクThの位置となり、このマスクThが時間T3に
おいて表示されるプライバシーマスクとなる。
表示座標位置補正処理の第一の実施例の動作説明を、図7、図8,図9,図1
0を用いて動作を説明行ったが、例えは、カメラ用回転台11がパン方向とチル
ト方向の両方に回転動作した場合でもパン方向の補正マスクとチルト方向の補正
マスク演算は双方を独立して処理しているため対応することは可能である。
次に図11を用いて表示座標位置補正処理の第二の実施例の動作を説明する。
図11では、図7と同様な操作を行った場合に対して説明を行うが、図7を用い
て説明した表示座標位置補正処理の第一の動作説明では、回転台11の回転動作
中はマスク表示位置算出処理部8cのステップ53で表示位置座標の演算を行っ
たマスクと、回転台11がパン方向に回転動作する動きと、回転台11のパン方
向、チルト方向の角度情報をもとにマスク表示位置算出処理部8cのステップ5
3で演算して、ステップ56によるマスク表示処理が終了し、プライバシー保護
部分にマスク信号が合成されて出力されるまでの遅延のために発生するプライバ
シー保護部分の一部が露出してしまう現象を防ぐためにマスクの進行方向に新た
に補正マスク生成し、この補正マスクと、回転台11の動作中はマスク表示位置
算出処理部8cのステップ53で表示位置座標の演算を行ったマスクを表示して
いる。これは、マスクする範囲を大きくする事で前述の原因によるプライバシー
保護部分が一部露出する現象を防いでいる。しかし、マスクする範囲を大きくす
る事で結果的にプライバシー保護部分以外の映像信号までプライバシーマスクで
覆しまう。図11では、より精度よくプライバシー保護範囲をマスクするための
表示座標位置補正処理の説明を行う。
図7と同様に、操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対してプ
ライバシーマスクの設定を行い、その後設定完了の指示を行い、そして稼働許可
となったプライバシーマスク(マスクPa)に関して、回転台11が右方向に回
転したために表示中のマスクPaが画面右から画面左に動作する場合について説
明する。この時回転台11は、パン角度[PL0]⇒[PL1]⇒[PL2]と
動作するものとしチルト角度の動作はないとする。パン角度[PL0]と、[P
L1]と、[PL2]は、回転台11から外部通信処理8dを介してマスク演算
管理部8aに入力し、マスク表示算出処理8cに入力されたパン角度情報である
。また、時間はT0⇒T1⇒T2⇒T3と変わるものとする。
操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対してプライバシーマス
クの設定を行う状態である設定中に、映像信号のプライバシー保護範囲にマスク
信号が任意の割合で合成されている映像信号をモニタ13などで操作者が確認を
行いマスクの設定に関して問題がない場合に、コントローラ14を使用し監視カ
メラ12に対してプライバシーマスクの設定を行う状態である設定完了と、設定
完了を経てプライバシーマスクを稼働させる状態である稼働許可となったマスク
Paは、時間T0において監視カメラが取り付けてある回転台11のパン角度が
[PL0]を示す際には、図11に示す画面上の位置に表示している。マスクP
aは各頂点ma0_i(iは頂点の番号)で囲まれた大きさでありパン方向の座
標位置はma0_i.x(iは頂点の番号)である。
次に、回転台11が右方向に移動し、回転台11のパン角度が[PL0]から
[PL1]と変化した場合、マスクPaの表示位置は、前述のマスク表示位置算
出処理部8cのステップ53で表示位置座標の演算を行い算出した、マスクPb
の座標位置に移動する。このマスクPbの座標位置は頂点ma1_i(iは頂点
の番号)で囲まれた大きさであり、パン方向の座標位置はma1_i.x(iは
頂点の番号)である。そして、回転台11がパン方向に動作する動きと、回転台
11のパン方向、チルト方向の角度情報をもとにマスク表示位置算出処理部8c
のステップ53で演算して、ステップ56によるマスク表示処理が終了し、プラ
イバシー保護部分にマスク信号が合成されて出力されるまでの遅延の影響が大き
くなりマスクPbの位置ではプライバシー保護部分を確実に覆うことは出来ず、
プライバシー保護部分の一部が露出してしまう。そのため、[式7]、[式8]
で演算を行いマスクPbの進行方向に対して、第一の補正マスク[Pd]の座標
位置を算出する。この第一の補正マスク[Pd]は頂点mb1_0,mb1_1
、ma1_1、ma1_0で囲まれた大きさとなり、パン方向の座標位置はmb
1_0.x、mb1_1.x、ma1_1.x、ma1_0.xとなる。またこ
の第一の補正マスク[Pd]の頂点ma1_1、ma1_0は、マスク表示位置
算出処理部8cのステップ53で表示位置の演算で生成されたマスクPbの頂点
ma1_1、ma1_0と同じ座標となり、それぞれの頂点結ぶ辺は同じである
。さらに、[式7]、[式8]で演算を行いマスクPbの進行方向の反対側(第
一の補正マスク[Pd]の反対側)に対して、第二の補正マスク[Pd’]の座
標位置を算出する。この第二の補正マスク[Pd’]は頂点ma1_3、mb1
_3、mb1_2、ma1_2で囲まれた大きさとなり、パン方向の座標位置は
ma1_3.x、mb1_3.x、mb1_2.x、ma1_2.xとなる。ま
たこの第二の補正マスク[Pd’]の頂点ma1_3、ma1_2は、マスク表
示位置算出処理部8cのステップ53で表示位置の演算で生成されたマスクPb
の頂点ma1_3、ma1_2と同じ座標となり、第二の補正マスク[Pd’]
で新たに定めた頂点mb1_3、mb1_2は、マスクPbの進行方向の対して
存在する。そして、時間T1で表示されるプライバシーマスクはマスクPb’’
=マスクPb+第一の補正マスク[Pd]−第二の補正マスク[Pd’]とする
と、マスクPb’は頂点mb1_0、mb1_1、mb1_2、mb1_3で囲
まれた大きさとなり、パン方向の座標位置はmb1_0.x、mb1_1.x、
mb1_2.x、mb1_3.xとなる。時間T1で表示されるマスクの面積を
図7で用いた場合と図11を用いた場合で比較すると、マスクPb’’<マスク
Pb’となり、プライバシー保護範囲をより精度よくマスクすることが可能にな
る。
次に回転台11が右方向に回転し回転台11のパン角度が[PL1]から[P
L2]と変化した場合について説明する。
回転台11のパン角度が[PL1]から[PL2]に変化した場合も回転台1
1のパン角度が[PL0]から[PL1]に変化した場合と同様に処理を行う。
マスク表示位置算出処理部8cのステップ53で表示位置座標の演算を行いパン
角度[PL2]で表示するマスクPcと、前述の[式7]、[式8]を用いてマ
スクPcの進行方向に対して第一の補正マスク[Pe]と、前述の[式7]、[
式8]を用いてマスクPcの進行方向とは反対側に対して第二の補正マスク[P
e’]の算出をそれぞれ行い、マスクPc’’=マスクPc+第一の補正マスク
[Pe]−第二の補正マスク[Pe’]を生成する。このマスクPc’’が時間
T2において表示されるプライバシーマスクとなる。このとき、前述の[式7]
、[式8]を用いてマスクPcの進行方向に対して補正マスク[Pe]を算出す
る際に使用するm(t-1)(q-1)_iは、マスクPb’’の座標位置情報ではなく
、マスクPbの座標位置情報を使用する。前回のパン角度[PL1]で表示した
マスクPb’’は、回転台11の動作とマスク表示位置の遅延を補正するために
新たに生成された表示位置であり、マスク表示位置算出処理部8cのステップ5
3で演算した表示位置座標ではないからである。
次に回転台11の移動が終了し回転台11のパン角度が[PL2]で停止した
場合について説明する。回転台11のパン角度が[PL2]で停止した場合も、
回転台11のパン角度が[PL1]から[PL2]に変化した場合と同様にマス
ク表示位置算出処理部8cのステップ53で表示位置座標の演算と、[式7]、
[式8]を用いての演算処理を行う。しかし、回転台11の移動が発生していな
いため、[式7]、[式8]を用いて演算した結果はマスクPcの位置となり、
このマスクPcが時間T3において表示されるプライバシーマスクとなる。
表示座標位置補正処理の第二の実施例の動作説明について図11を用いて説明
したが、操作者がコントローラ14を使用し監視カメラ12に対してプライバシ
ーマスクの設定を行い、その後設定完了の指示を行い、そして稼働許可となった
プライバシーマスクが、図8の様に画面左から画面右に移動する場合と、図9の
様に画面上から画面下に移動する場合と、図10の様に画面下から画面上に移動
する場合についても、図11と同様にプライバシーマスクの進行方向に対して生
成した第一の補正マスクと、進行方向とは反対側に対して生成した第二の補正マ
スクと、前述のマスク表示位置算出処理部8cのステップ53で表示位置の演算
を行い生成したマスクから表示するプライバシーマスク位置を新たに生成するこ
とで、より精度よくプライバシー保護範囲をマスクするための表示座標位置補正
処理を行うことが可能である。
次に、図6に示すフローチャートを用いてステップ55の表示座標位置補正処
理について説明する。
表示座標位置補正処理では、操作者が設定したプライバシーマスク多角形である
ため、設定中のプライバシーマスクの各頂点は複数個存在するので、演算を繰り
返し実行する必要があるので、ステップ61において演算回数を管理する変数i
をゼロに設定し初期化し、ステップ62に進む。
ステップ62において、演算回数を管理する変数iと、操作者が設定済みのプ
ライバシーマスクで、プライバシーマスクの状態指示が稼働許可であるマスク形
状の頂点の総数を比較する。ステップ62では、前述のステップ33で取得した
操作者がコントローラ14を使用して設定したマスク形状の頂点数と比較する。
本実施例のステップ62では、操作者がプライバシー保護範囲に設定したマスク
形状の頂点数4と設定する、すなわち操作者が四角形のプライバシーマスクを設
定済みとするため、i≧4としている。演算回数を管理する変数iが設定中のプ
ライバシーマスクの頂点数未満であれば、ステップ63に進む。また、演算回数
を管理する変数iが稼働許可中であるマスク形状の頂点の数以上であれば、表示
座標位置補正処理は終了する。
ステップ63において、図7、図8、図9、図10、および図11を用いて前
述した表示座標位置補正処理を行う。ステップ63で現在[t]のパンチルト角
度に基づいて演算したプライバシーマスクのマスク表示位置座標情報W[t]と
、メモリE(マスクデータメモリ)8eに記録されているマスク管理カウンタj
が示すM番目のマスクについて前回のパンチルト角度に基づいて演算したマスク
表示位置座標情報W[t−1]を用いて、前述の[式8]からDELTA_mt
q_iを算出する。そして、ステップ63で現在[t]のパンチルト角度に基づ
いて演算したプライバシーマスクのマスク表示位置座標情報W[t]と、前述の
[式8]から算出したDELTA_mtq_iと用いて、前述の[式7]からm
tq_iを算出し、する。表示座標位置補正処理を行ったマスク表示位置座標情
報V[t]を生成する。
次にステップ64において、マスク表示位置算出処理部8cのステップ53で
演算した、現在のパンチルト角度に基づいて演算したマスク表示位置座標情報と
、マスク管理カウンタjが示すMをマイコン8内のメモリE(マスクデータバッ
クアップ)8eに記録し、ステップ65に進む。このメモリEに記録したデータ
は、ステップ63の表示座標位置補正処理で使用する。
次にステップ65に進み、演算回数を管理する変数iに1を加算し、ステップ
62に戻る。
この図6で説明した表示座標位置補正処理を用いることで、回転台11のパン方
向、チルト方向の回転時、マスク表示の位置を演算し表示するまでの時間的遅延
のために生じるマスク表示の位置とプライバシー保護範囲との間のズレは改善さ
れる。
上記で述べた[式4]と[式5]を以下に示す。
[式4]
xp=(f/xu)・sin(θxp-θxo)・cosθyp/{cos(θxp-θxo)・cosθyp・cosθyo+ sinθy
p・sinθyo}
yp=(f/yu)・{-cos(θxp-θxo)・cosθyp・sinθyo + sinθyp・cosθyo }/{cos(θxp
-θxo)・cosθyp・cosθyo+ sinθyp・sinθyo}
但し、cos(θxp-θxo)・cosθyp・cosθyo+ sinθyp・sinθyo>0 の時のみ。
sinは正弦を示す
cosは余弦を示す
[式5]
(1) -yp'・sinθyo+cosθyo=0 のとき、
a)xp'=0 のとき、
i)sinθyo≧0のとき、
θxp=0
θyp=90
ii)sinθyo<0のとき、
θxp=0
θyp=-90
b)xp'>0 のとき、
θxp=θxo+90
θyp=arctan[{sin(θxp-θxo)-cosθyo・cos(θxp-θxo)}/(xp'・sinθyo)]
c)xp'<0 のとき、
θxp=θxo-90
θyp=arctan[{sin(θxp-θxo)-cosθyo・cos(θxp-θxo)}/(xp'・sinθyo)]
(2) -yp'・sinθyo+cosθyo>0 のとき、
θxp=θxo+arctan{xp'/(cosθyo-yp'・sinθyo)}
θyp=arctan{(yp'・cosθyo+sinθyo)・cos(θxp-θxo)/(cosθyo-yp'・sinθyo)
}
(3) -yp'・sinθyo+cosθyo<0 のとき、
θxp=θxo+arctan{xp'/(cosθyo-yp'・sinθyo)}+180
θyp=arctan{(yp'・cosθyo+sinθyo)・cos(θxp-θxo)/(cosθyo-yp'・sinθyo)
}
本発明の第一の実施例による監視カメラのブロック図である。 本発明の一実施例による監視システムの構成図である。 プライバシー保護範囲を別の映像でマスクする全体の処理のフローチャートである。 設定されたマスク各頂点の角度座標の演算処理および演算結果をメモリに記録するフローチャートである。 マスク各頂点の角度座標から表示位置座標を演算するフローチャートである。 表示座標位置補正処理を行うフローチャートである。 稼働中のプライバシーマスクが画面左側へ動作する際の表示座標位置補正処理の動作説明1である。 稼働中のプライバシーマスクが画面右側へ動作する際の表示座標位置補正処理の動作説明である。 稼働中のプライバシーマスクが画面下側へ動作する際の表示座標位置補正処理の動作説明である。 稼働中のプライバシーマスクが画面上側へ動作する際の表示座標位置補正処理の動作説明である。 稼働中のプライバシーマスクが画面左側へ動作する際の表示座標位置補正処理の動作説明2である。 映像信号のマスク方法を示す図である。 マスク各頂点の角度情報の算出に用いる演算式を説明する図である。 表示位置座標情報の算出に用いる演算式を説明する図である。
符号の説明
1…光学系、1a…レンズ、1b…撮像素子
3…信号処理変換、4…カメラ信号処理、4a…信号処理、4c…マスク信号発
生部、4d…信号合成部、5…デジタル/アナログ変換、8…マイクロコンピュ
ータ、8a…マスク演算管理部、8b…マスクデータ算出処理部、8c…マスク
表示位置算出処理部、8d…外部通信処理部、8e…マスクデータバックアップ
メモリ、8f…焦点距離データメモリ、8g…撮像素子1画素の水平及び垂直方
向の長さデータメモリ、8h…マスクデータメモリ、8k…マスク設定データメ
モリ、9…マイコンとカメラ信号処理回路の制御ライン、10…映像出力端子、
11…回転台、12…監視カメラ、13…モニタ、14…コントローラ、15…
パンチルト回転の中心O、16…撮像素子の中心o、17…カメラ向きのパン角
度θxo、18…カメラ向きのチルト角度θyo、19…パンチルト回転の中心Oか
ら撮像素子の中心oまでの距離r、20…焦点、21…焦点距離f、22…被写体
Q、23…被写体のパン角度θxp、24…被写体のチルト角度θyp、25…被写
体距離l、26…被写体Qが撮像素子上に映る点P、27…撮像素子1画素の水
平方向の長さxu、28…撮像素子1画素の垂直方向の長さyu、29…被写体Qが
撮像素子上に映る点Pのx成分xp、30…被写体Qが撮像素子上に映る点Pのy成
分yp

Claims (2)

  1. 撮像素子と光学レンズを配す撮像部と、前記撮像部からの撮像信号に対して閉領域を合成してマスク表示処理をする信号処理部とを備えた監視カメラ装置において、
    任意の閉領域を指定するときに、前記撮像信号と前記閉領域を表示するための閉領域信号とを合成する比率を可変できることを特徴とする監視カメラ装置。
  2. 請求項1記載の監視カメラ装置と、前記監視カメラ装置を回転支持する回転台と、前記監視カメラ装置及び前記回転台を制御するためのコントロール装置とを備え、少なくとも前記コントロール装置からの所定の操作により閉領域を指定する場合、前記撮像信号と前記閉領域信号とを合成する比率を前記コントロール装置より指定できることを特徴とする監視カメラシステム装置。
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