JP4238651B2 - 画像処理装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに係り、特に、画像形成装置でC,M,Y,K各色の色材によりカラー画像を形成させるために、原画像データをC,M,Y,Kの形成用画像データへ変換する画像処理装置、該画像処理装置に適用可能な画像処理方法、及び、コンピュータを前記画像処理装置として機能させるためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
記録用紙等に形成すべき画像のデータとしてR,G,Bの原画像データが入力され、該原画像データが表す画像を、カラープリンタ等の画像形成装置によりC,M,Y,K各色の色材(例えばトナー)を用いて形成する場合には、入力されたR,G,Bの原画像データをC,M,Y,Kの画像データへ変換する(詳しくは、R,G,Bを直接C,M,Y,Kに変換するか、又はR,G,Bを一旦C,M,Yへ変換した後にUCR(Under Color Removal:下色除去)処理によってKのデータを生成する)必要がある。
【0003】
上記の変換における変換条件は、例えばC,M,Y(及びK)の値の組み合わせを多数種指定することで画像形成装置により多数のパッチを形成・出力させ、出力された個々のパッチを測色して均等色空間上での測色値(例えばCIE(Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会)が均等知覚色空間として推奨したL*a*b*表色系の色空間上での色値L,a,b)を求め、均等色空間上での色値が一致するR,G,B値とC,M,Y(及びK)値を対応付けることで得ることができる。
【0004】
しかし、R,G,B画像データにおける無彩色(R=G=B)は、均等色空間で明度軸(L*a*b*色空間ではL*軸)上に位置するのに対し、Kの色材には僅かながら色味があるため、Kの色材のみを用いて色材の量を増減させたときの色変化(Kの色材のみを用いて再現可能な色変化)の均等色空間上での軌跡は、均等色空間の明度軸と一致しない。このため、上記のようにして定めた変換条件を用いた場合、R,G,Bの原画像データは、該原画像データにおける無彩色をC,M,Y,Kの色材の組み合わせで再現する画像データに変換されることになり、この画像データを用いて画像を形成すると色材の消費量が増大したり、色のにじみが生ずる等の不都合が発生する。
【0005】
これを解決するため、原画像データの変換時に、入力されたR,G,Bの値が無彩色(R=G=B)であった場合は、Kの色材のみを用いて無彩色を再現するデータ(K=x,C=M=Y=0)へ強制的に変換することも考えられるが、この方式は原画像データにおける無彩色についてのみ、形成画像上での色再現を強制的に変えるものであるため、形成した画像上の無彩色付近の色変化における連続性が損なわれ、色変化に段差が生ずるという問題がある。
【0006】
原画像データにおける無彩色をKの色材のみで再現させると共に、無彩色付近の色変化の連続性も確保する技術として、L*a*b*色空間でL*軸上に位置するR,G,Bの原画像データの無彩色を、L*a*b*色空間のK軸(Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の軌跡を近似した直線を便宜上こう称する)上の値に変換する変換条件を、原画像データ全体に適用する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
また、R,G,Bの原画像データを一旦C,M,Yの画像データへ変換した後にUCR処理によってKのデータを生成する処理方式において、L*a*b*色空間でL*軸上に位置するR,G,Bの原画像データの無彩色を、L*a*b*色空間のCMY軸(C,M,Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の軌跡を近似した直線を便宜上こう称する)上の値に変換する変換条件を、原画像データ全体に適用する技術も提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
更に、画像出力装置が形成する無彩色軸(画像を形成する記録用紙における白の装置非依存空間における座標位置と、Kの色材で再現可能な最大濃度の黒の装置非依存空間における座標位置を直線で結んだ軸)を、装置非依存空間における無彩色軸と一致させる色補正を行う技術も提案されている(特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−232588号公報
【特許文献2】
特開2002−218273号公報
【特許文献3】
特開2001−86356号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、均等色空間上での画像形成装置の色再現範囲は、均等色空間上でのR,G,Bの画像データの色再現範囲よりも狭いことが一般的であり、R,G,Bの原画像データからC,M,Y又はC,M,Y,Kの画像データへの変換時には、均等色空間上での画像データの分布範囲が画像形成装置の色再現範囲内に収まるように、原画像データを画像形成装置の色再現範囲内にマッピングする処理も同時に行われる。これに対して特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、一定の変換条件を原画像データ全体に適用しているので、原画像データにおける高彩度の色が画像形成装置の色再現範囲から外れてしまうことで、高彩度の色が適正に再現されなくなるという問題がある。
【0011】
また、特許文献3に記載の技術では、画像形成装置が形成する無彩色軸を直線とみなすことで処理の簡略化を実現しているが、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡は実際には直線ではないので、原画像データにおける無彩色が、明度によりKの色材のみによって再現されることもあれば、C,M,Y等の複数の色材の組み合わせで再現されることもあり、無彩色の色再現が一定していないという欠点がある。
【0012】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、原画像データにおける無彩色を常にKの色材のみで再現させることができ、かつ無彩色付近の色変化や高彩度の色も適正に再現させることができる画像処理装置、画像処理方法及びプログラムを得ることが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る画像処理装置は、画像形成装置でC,M,Y,K各色の色材によりカラー画像を形成させるために、原画像データをC,M,Y,Kの形成用画像データへ変換する画像処理装置であって、補正目標軌跡として、 , , Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を表す補正目標軌跡データに対し、C , , Y各色の色材の値をKに置き換える処理が行われるか、又は、Kの色材のみを用いて作成した複数の無彩色パッチが測色されることで得られる、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を取得した後に、均等色空間上での原画像データの分布が均等色空間上での前記画像形成装置の色再現範囲内に収まり、かつ原画像データのうち、均等色空間上での座標位置が明度軸と前記補正目標軌跡を含むように定めた補正範囲内に位置している画素データの前記座標位置が、前記明度軸上であれば前記補正目標軌跡上に移動し、前記明度軸上でなければ、均等色空間上での画素データの座標位置と前記明度軸との距離が大きくなるに従って、補正目標軌跡に近づく方向への画素データの座標位置の移動量が小さくなるように定められた変換条件を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている変換条件に従って原画像データを変換する変換手段と、を含むことを特徴としている。
【0014】
請求項1記載の発明に係る均等色空間としては、例えばL*a*b*表色系の色空間を適用できるが、他の色空間(例えばL*u*v*表色系の色空間等)を用いてもよい。請求項1記載の発明では、原画像データに対する変換条件を定めるにあたり、まず補正目標軌跡として、 , , Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を表す補正目標軌跡データに対し、C , , Y各色の色材の値をKに置き換える処理が行われるか、又は、Kの色材のみを用いて作成した複数の無彩色パッチが測色されることで得られる、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を取得している。
【0015】
そして、均等色空間上での原画像データの分布が均等色空間上での前記画像形成装置の色再現範囲内に収まり、かつ原画像データのうち、均等色空間上での座標位置が明度軸(例えば均等色空間の明度軸)と補正目標軌跡を含むように定めた補正範囲内に位置している画素データの均等色空間上での座標位置が、明度軸上であれば補正目標軌跡上に移動し、明度軸上でなければ、均等色空間上での画素データの座標位置と前記明度軸との距離が大きくなるに従って、補正目標軌跡に近づく方向への画素データの座標位置の移動量が小さくなるように変換条件が定められており、記憶手段には上記のようにして定められた変換条件が記憶され、変換手段はこの変換条件に従って原画像データを変換する。
【0016】
このように、請求項1記載の発明に係る変換条件は、均等色空間上での座標位置が補正範囲から外れている画素データに対しては、前記座標位置を補正目標軌跡上に移動させたり補正目標軌跡に近づける変換が行われないので、原画像データにおける高彩度の色(の画素データ)については、単に均等色空間上での画像形成装置の色再現範囲内に収まるように変換されることで、画像形成装置によって形成される画像上で適正に再現されることになる。
【0017】
また、均等色空間上で明度軸上に位置している画素データ(原画像データにおける無彩色の画素のデータ)に対しては、均等色空間上での画像形成装置の色再現範囲内に収まり、かつ均等色空間上での座標位置が補正目標軌跡(すなわち、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡)上に移動するように変換が行われるので、原画像データにおける無彩色は常にKの色材のみで再現されるように変換されることになる。
【0018】
また、均等色空間上で明度軸上には位置していないものの、明度軸と補正目標軌跡を含むように定めた補正範囲内に位置している画素データ(原画像データにおける無彩色に近い色の画素のデータ)については、均等色空間上での画素データの座標位置と明度軸との距離が大きくなるに従って、補正目標軌跡に近づく方向への画素データの座標位置の移動量が小さくなるように変換が行われるので、画像形成装置によって形成される画像の無彩色付近の色変化における連続性が損なわれて色変化に段差が生ずることを確実に防止することができる。従って、請求項1記載の発明によれば、原画像データにおける無彩色を常にKの色材のみで再現させることができ、かつ無彩色付近の色変化や高彩度の色も適正に再現させることができる。
【0019】
なお、請求項1記載の発明において、均等色空間がL * * * 色空間である場合、記憶手段に記憶される変換条件は、例えば請求項2に記載したように、 * * * 色空間上での画素データL , , bの座標位置と明度軸との距離をC、画素データL , , bと同一明度におけるL * * * 色空間上での明度軸と補正範囲の外縁との距離をC max 、画素データL , , bと同一明度における補正目標軌跡の色値をa k, k としたときに、補正範囲内に位置している画素データのL , , bのうちの色値a , bを、
a=a+(1− ( C÷C max)) ×a k
b=b+(1− ( C÷C max)) ×b k
へ変換するように定めることで実現することができる。
【0020】
また、請求項1記載の発明において、均等色空間がL * * * 色空間である場合、記憶手段に記憶される変換条件は、例えば請求項3に記載したように、L * * * 色空間上での画素データL , , bの座標位置と明度軸との距離をC、画素データL , , bと同一明度におけるL * * * 色空間上での明度軸と補正範囲の外縁との距離をC max 、画素データL , , bと同一明度における補正目標軌跡の色値をa k, k 、色値a , bを変換した後で距離C ( =√ ( 2 +b 2 )) が距離C max を越えないように定められた1以上の正の数をNとしたときに、補正範囲内に位置している画素データL , , bのうちの色値a , bを、
a=a+(1− ( C÷C max) N ) ×a k
b=b+(1− ( C÷C max) N ) ×b k
へ変換するように定めることによっても実現することができる。
【0022】
また、請求項1記載の発明に係る補正範囲としては、例えば請求項に記載したように、明度軸を中心とし、補正目標軌跡を含むように、明度が各値のときの補正目標軌跡の彩度の最大値に基づいて半径C max が定められた均等色空間上の円筒状の範囲を適用することができる。但し、明度軸と補正範囲の外縁との距離は明度によって相違していてもよいし、同一明度での明度軸と補正範囲の外縁との距離が色相によって相違していてもよい(任意の明度での補正範囲の外縁の形状が明度軸に関して回転対称な形状でなくてもよい)。
【0023】
請求項記載の発明に係る画像処理方法は、画像形成装置でC,M,Y,K各色の色材によりカラー画像を形成させるために、原画像データをC,M,Y,Kの形成用画像データへ変換する画像処理方法であって、補正目標軌跡として , , Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を表す補正目標軌跡データに対し、C , , Y各色の色材の値をKに置き換える処理が行われるか、又は、Kの色材のみを用いて作成した複数の無彩色パッチが測色されることで得られる、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を取得する第1ステップ、均等色空間上での原画像データの分布が均等色空間上での前記画像形成装置の色再現範囲内に収まり、かつ原画像データのうち、均等色空間上での座標位置が明度軸と前記補正目標軌跡を含むように定めた補正範囲内に位置している画素データの前記座標位置が、前記明度軸上であれば前記第1ステップで取得した補正目標軌跡上に移動し、前記明度軸上でなければ、均等色空間上での画素データの座標位置と前記明度軸との距離が大きくなるに従って、補正目標軌跡に近づく方向への画素データの座標位置の移動量が小さくなるように変換条件を定める第2ステップ、及び、前記第2ステップで定めた変換条件に従って原画像データを変換する第3ステップを含むことを特徴としているので、請求項1記載の発明と同様に、原画像データにおける無彩色を常にKの色材のみで再現させることができ、かつ無彩色付近の色変化や高彩度の色も適正に再現させることができる。
【0024】
請求項記載の発明に係るプログラムは、コンピュータを、画像形成装置でC,M,Y,K各色の色材によりカラー画像を形成させるために、原画像データをC,M,Y,Kの形成用画像データへ変換する画像処理装置として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、補正目標軌跡として、 , , Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を表す補正目標軌跡データに対し、C , , Y各色の色材の値をKに置き換える処理が行われるか、又は、Kの色材のみを用いて作成した複数の無彩色パッチが測色されることで得られる、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を取得した後に、均等色空間上での原画像データの分布が均等色空間上での前記画像形成装置の色再現範囲内に収まり、かつ原画像データのうち、均等色空間上での座標位置が明度軸と前記補正目標軌跡を含むように定めた補正範囲内に位置している画素データの前記座標位置が、前記明度軸上であれば前記補正目標軌跡上に移動し、前記明度軸上でなければ、均等色空間上での画素データの座標位置と前記明度軸との距離が大きくなるに従って、補正目標軌跡に近づく方向への画素データの座標位置の移動量が小さくなるように定められた変換条件を、前記コンピュータの記憶手段に記憶させる記憶制御手段、前記記憶手段に記憶された変換条件に従って原画像データを変換する変換手段として機能させることを特徴としている。
【0025】
請求項記載の発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記の記憶制御手段及び変換手段として機能させるためのプログラムであるので、コンピュータが請求項記載の発明に係るプログラムを実行することで、該コンピュータが請求項1に記載の画像処理装置として機能することになり、請求項1記載の発明と同様に、原画像データにおける無彩色を常にKの色材のみで再現させることができ、かつ無彩色付近の色変化や高彩度の色も適正に再現させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係るカラープリンタ10と、該カラープリンタ10に接続されたコンピュータ(PC)30が示されている。なお、図1ではカラープリンタ10の台数n=1、PC30の台数m=1の例を示しているが、台数n,mは複数であってもよい(n,mが同数でなくてもよいことは言うまでもない)。
【0027】
カラープリンタ10は像担持体としての感光体ドラム12を備え、この感光体ドラム12は帯電器14によって帯電される。感光体ドラム12の上方には、形成すべき画像に応じて変調されると共に主走査方向(感光体ドラム12の軸線に平行な方向)に沿って偏向された光ビームを射出する光ビーム走査装置16が配置されている。光ビーム走査装置16から射出された光ビームは感光体ドラム12の周面上を主走査方向に走査し、同時に感光体ドラム12が回転されて副走査が成されることで、感光体ドラム12の周面上に静電潜像が形成される。
【0028】
また、図1における感光体ドラム12の右側方には多色現像器18が配置されている。多色現像器18はC(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)及びK(ブラック)の何れかの色のトナーが装填された現像器18A〜18Dを備えており、感光体ドラム12に形成された静電潜像をC,M,Y,Kの何れかの色に現像する。なお、カラープリンタ10におけるフルカラー画像の形成は、感光体ドラム12上の同一の領域に対して静電潜像を形成して互いに異なる色に現像することが複数回繰り返され、前記領域上で各色のトナー像が順次重ね合わされることによって成される。
【0029】
感光体ドラム12の近傍には無端の転写ベルト20が配置され、転写ベルト20の配置位置の下方には記録用紙22を収容する用紙トレイ24が配置されている。転写ベルト20の周面は、感光体ドラム12の回転方向に沿って多色現像器18による現像位置よりも下流側で感光体ドラム12の周面に接触しており、感光体ドラム12に形成されたトナー像は転写ベルト20に一旦転写された後に、用紙トレイ24から引き出されて転写ベルト20の配置位置迄搬送された記録用紙22に再転写される。カラープリンタ10への機体外へと向かう記録用紙22の搬送路の途中には定着器26が配置されており、トナー像が転写された記録用紙22は、定着器26によってトナー像が定着された後にカラープリンタ10への機体外へ排出される。
【0030】
また、光ビーム走査装置16にはプリンタコントローラ28が接続され、PC30もプリンタコントローラ28に接続されている。プリンタコントローラ28はマイクロコンピュータを含んで構成され、光ビーム走査装置16を含むカラープリンタ10の各部の動作を制御すると共に、入力された画像データに対して所定の処理を行う機能(詳細は後述)を備えている。
【0031】
PC30は、CPU30A,ROM30B,RAM30C,入出力ポート30Dを備え、これらはバスを介して互いに接続されている。また、入出力ポート30Dには表示装置としてのディスプレイ32、キーボード34、マウス35、ハードディスクドライブ(HDD)36が接続されている。HDD36にはOSや各種のアプリケーションソフトのプログラムが記憶されており、更に、カラープリンタ10の設定やカラープリンタ10で行う印刷の条件等を設定して印刷を行なうためのプリンタドライバ38(図2参照)のプログラムも記憶されている。PC30で動作するアプリケーションソフトからの印刷は、プリンタドライバ38を介してカラープリンタ10を制御することによって行われる。
【0032】
図2に示すように、プリンタドライバ38は、入力されたR,G,Bの画像データを多次元ルックアップテーブル(DLUT)40によってC,M,Yの画像データに変換する機能を有している。プリンタドライバ38のDLUT40による変換は、詳しくは、入力されたR,G,Bの画像データをL*a*b*表色系の色空間(以下、単にL*a*b*色空間という)のデータL0,a0,b0へ変換する第1の変換と、第1の変換を経たデータL,a,bを、明度レンジがカラープリンタ10の色再現域(L*a*b*色空間上でのカラープリンタ10が再現可能な色の範囲)の明度レンジに合致したデータL",a",b"へ変換する第2の変換と、第2の変換を経たデータL",a",b"をC,M,Yの画像データに変換する第3の変換を含んでいる。
【0033】
HDD36には、上記第1〜第3の変換を統合した変換をDLUT40で行うための色変換パラメータが記憶されており(色変換パラメータの記憶は後述するインストール・プログラムによって行われる)、プリンタドライバ38は、HDD36に記憶されている色変換パラメータを読み出して予め設定したDLUT40に、入力されたR,G,Bの画像データを入力することで、第1〜第3の変換を統合した変換を行ってC,M,Yの画像データを出力する。
【0034】
プリンタドライバ38から出力されたC,M,Yの画像データはカラープリンタ10のプリンタコントローラ28に入力される。プリンタコントローラ28のうち、入力された画像データに対して所定の処理を行う機能を実現する画像データ処理部は、入力されたC,M,Yの画像データを1次元のLUT(ルックアップテーブル)によってC,M,Y,Kの画像データへ変換するUCR(Under Color Removal:下色除去)処理を行うUCR処理部42と、1次元のLUTを用いて画像データの階調特性をカラープリンタ10のトナーの特性等に応じて補正するTRC(トーンリプロダクション)処理を行うTRC処理部44と、1ページ毎にページイメージを生成するSCREEN処理を行うSCREEN処理部46で構成されている。
【0035】
SCREEN処理部46から出力されたC,M,Y,Kの画像データは光ビーム走査装置16へ入力され、光ビーム走査装置16から射出された光ビームの変調に用いられる。なお、PC30及びカラープリンタ10(のプリンタコントローラ28)は本発明に係る画像処理装置に対応しており、HDD36は本発明に係る記憶手段に、プリンタドライバ38のDLUT40及びプリンタコントローラ28UCR処理部42は本発明に係る変換手段に各々対応している。
【0036】
次に本実施形態の作用として、まず図3を参照して色変換パラメータ生成処理について説明する。プリンタドライバ38のDLUT40によってR,G,B→C,M,Y変換を行うための色変換パラメータを生成する処理であり、カラープリンタ10の出荷前に、カラープリンタ10やPC30とは別のコンピュータ(以下では便宜的に「データ生成用コンピュータ」と称する)によって色変換パラメータ生成プログラムが実行されることで実現される。
【0037】
ステップ100では、R,G,Bの値の組み合わせが互いに異なる多数のR,G,BのデータをL*a*b*表色系のデータL,a,bへ各々変換する。この変換は、例えば変換対象のR,G,Bのデータを所定の演算式に従ってXYZ表色系のデータ(三刺激値X,Y,Z)へ変換した後に、XYZ表色系のデータを所定の演算式に従ってL*a*b*表色系のデータ(L,a,b)へ変換することで実現できる。ステップ102では、ステップ100の変換における変換前のR,G,B値を変換後のL,a,b値と各々対応付けるデータをテーブルに登録することで、R,G,BのデータをDLUT40によってL,a,bのデータへ変換するための第1の変換テーブルを生成する。
【0038】
ところで、本実施形態では色変換パラメータの生成にあたり、C,M,Yの値として互いに異なる値を指定してカラープリンタ10(例えば製造した多数台のカラープリンタ10のうち代表的な特性を有しているカラープリンタ10)で多数のパッチを作成・出力し、出力された個々のパッチを測色してL,a,bの値を求める作業が事前に行われる。
【0039】
ステップ104では、上記の作業によって予め作成・測色された多数のパッチのC,M,Y値及び測色値L,a,bを各々取り込み、次のステップ106では、各パッチの測色値L,a,bをC,M,Y値と対応付けるデータをテーブルに登録することで、L,a,bのデータをDLUT40によってC,M,Yのデータへ変換するための第3の変換テーブルを生成する。これにより、カラープリンタ10で画像を形成出力する場合のL,a,b値とC,M,Y値の関係に応じてL,a,bのデータをC,M,Yのデータへ変換できる変換特性を有する変換テーブル(第3の変換テーブル)が得られる。
【0040】
ステップ108では、L,a,bの値の組み合わせが互いに異なる多数のL,a,bのデータをカラープリンタ10の明度レンジに応じて各々変換(圧縮)することで、L*a*b*色空間上での座標位置がカラープリンタ10の色再現範囲内に位置しているデータL,a,bを求める。ステップ110では、ステップ108の変換における変換前のL,a,b値を変換後のL',a',b'値と各々対応付けるデータをテーブルに登録することで、第2の変換テーブルを仮生成する。仮生成した第2の変換テーブルは、L,a,bのデータをカラープリンタ10の色再現範囲内に収まるように変換する変換特性を有している。
【0041】
また本実施形態では、色変換パラメータの生成にあたり、C=M=Yかつ濃度(明度)が互いに異なるC,M,Y値を指定してカラープリンタ10で複数の無彩色パッチを作成・出力し、出力された個々の無彩色パッチを測色してL,a,bの値(Lk,ak,bk)を求める作業も事前に行われる。ステップ112では、予め作成・測色したC=M=Yの複数の無彩色パッチの測色値Lk,ak,bkを各々取り込む。なお、取り込んだ複数の無彩色パッチの測色値Lk,ak,bkは、C,M,Y各色等量の色材(トナー)を用いて再現可能な色変化のL*a*b*色空間上での軌跡を表しており、以下では補正目標軌跡データと称する。
【0042】
プリンタコントローラ28のUCR処理部42によって行われるUCR処理では、入力されたC,M,Y値に対しC=M=Yの成分をKに置き換える処理が行われる。すなわち、
K←min(C,M,Y) C←C−K M←M−K Y←Y−K
従って、補正目標軌跡データが表す補正目標軌跡は、カラープリンタ10による画像形成時にKのトナーのみによって再現される色の軌跡を表している。図4に「C=M=Yの軌跡」と表記して示すように、上記軌跡はL*a*b*色空間の明度軸(L*軸)に対して湾曲している。
【0043】
ステップ114では、補正目標軌跡データが補正目標軌跡における最大彩度Csを演算する。彩度Cは次の(1)式で求めることができる。
【0044】
【数1】
Figure 0004238651
ステップ114では、例えば明度Lが各値のときの色値ak,bkを各々上記(1)式に代入することで明度Lが各値のときの彩度Cを各々求め、その最大値を抽出することで最大彩度Csを求めることができる。本実施形態では、本発明に係る変換(座標位置を補正目標軌跡に近づける補正)を行う範囲(補正範囲)を、図4にも示すように明度軸(L*軸)を軸線とする円筒状の範囲としており、次のステップ116では、ステップ114で求めた最大彩度Csに基づき、明度軸(L*軸)に加えて補正目標軌跡も補正範囲内に入るように補正範囲の半径(彩度)Cmaxを設定する(例えば最大彩度Csに所定値を加算した値を半径(彩度)Cmaxとする等)。
【0045】
ステップ118では、先のステップ110で仮に生成した第2の変換テーブルに対応付けて登録されている変換前のL,a,b値と変換後のL',a',b'値の組を1つ取り出す。ステップ120では変換後のL',a',b'値のうちのa',b'を先の(1)式に代入することで彩度C'を演算し、この彩度C'が彩度Cmaxよりも小さいか否かを判断することで、変換後のL',a',b'値が補正範囲内に位置しているか否かを判定する。
【0046】
上記の判定が否定された場合はステップ122へ移行し、第2の変換テーブルの出力値a"としてa'を設定すると共に、出力値b"としてb'を設定し、ステップ128へ移行する。色変換パラメータ生成処理では、後述するようにステップ118で取り出した変換前のL,a,b値を出力値L",a",b"へ変換されるように第2の変換テーブルを修正するが、上記のようにL*a*b*色空間上での座標位置が補正範囲内に位置している色については、本発明に係る変換(座標位置を補正目標軌跡に近づける補正)が行われないので、第2の変換テーブルによる変換に伴って高彩度の色がカラープリンタ10の色再現範囲から外れることを防止することができる。
【0047】
また、L',a',b'値が補正範囲内に位置していた場合には、ステップ120の判定が肯定されてステップ124へ移行し、補正目標軌跡データに基づいてL',a',b'値と同一明度(=L')での補正目標軌跡の色値ak,bkを導出する。そしてステップ126では、色値a',b',ak,bk及び彩度C',Cmaxを次の(2)式及び(3)式に代入して演算することで、補正目標軌跡に近づける補正を行ったに相当する出力値a",b"を求める。
a"←a'+(1−C'÷Cmax)・ak …(2)
b"←b'+(1−C'÷Cmax)・bk …(3)
ここで、L',a',b'値がL*a*b*色空間でL*軸上に位置する無彩色を表している場合には、a'=b'=0となり(無彩色はR,G,BのデータではR=G=Bとなる)、彩度C'=0となるので、a"←ak、b"←bkとなる。従って、L*a*b*色空間でL*軸上に位置する無彩色は、L*a*b*色空間での座標位置が補正目標軌跡上へ移動されるように(図5の矢印A参照)、すなわちカラープリンタ10による画像形成時にKのトナーのみで再現されるように補正(変換)されることになる。
【0048】
また、(2)式及び(3)式の第2項は、L*a*b*色空間上での補正目標軌跡へ向かう方向への座標位置の移動量を表しているが、L',a',b'値が、L*a*b*色空間で補正範囲内に位置しているもののL*軸上に位置していない色を表している場合、彩度C'が(すなわちL*a*b*色空間上での座標位置のL*軸との距離)が大きくなるに従って(2)式及び(3)式の第2項の係数(1−C'÷Cmax)の値が小さくなるので、図5に示す矢印Bを矢印Aと比較(個々の矢印の長さは移動量を表している)しても明らかなように、L*a*b*色空間上での座標位置の移動量も小さくなる。このように、彩度C'の大きさに応じて座標位置の移動量が連続的に変化されることで、無彩色と無彩色に近い色との間の色変化の連続性が損なわれることが防止されると共に、補正範囲内の色と補正範囲外の色との間の色変化の連続性が損なわれることも防止されることになる。
【0049】
ステップ126の処理を行うとステップ128へ移行し、第2の変換テーブルの出力値L"としてL'を設定する。ステップ130では、 ステップ118では先のステップ110で仮生成された第2の変換テーブルのうち、ステップ118で取り出したL,a,b値と対応付けられているL',a',b'値をL",a",b"値に書き換えることで、L,a,b値がL",a",b"値と対応付けされるように第2の変換テーブルを修正する。
【0050】
次のステップ132では、第2の変換テーブルに登録されている全てのデータ(L,a,b値とL',a',b'値の組)についてステップ118以降の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ118に戻り、ステップ132の判定が肯定される迄ステップ188〜ステップ132を繰り返す。これにより、カラープリンタ10によって形成された画像上で、無彩色がKのトナーのみで再現され、無彩色と無彩色に近い色との間の色変化の連続性が損なわれることが防止され、かつ補正範囲内の色と補正範囲外の色との間の色変化の連続性が損なわれることも防止されるように第2の変換テーブルの変換特性が補正され、L*a*b*色空間上で図4(A)に示すように分布している画像データは、第2の変換テーブルによって変換することで、図4(B)に示すような分布に変更されることになる。
【0051】
第2の変換テーブルの変換特性の補正が完了すると、ステップ132の判定が肯定されてステップ134へ移行し、以上の処理によって生成された第1〜第3の変換テーブルを統合し、入力されたR,G,BのデータをDLUT40によってC,M,Yのデータへ変換するための色変換パラメータを生成・出力して色変換パラメータ生成処理を終了する。
【0052】
上記の色変換パラメータ生成処理によって生成された色変換パラメータは、任意のPCにプリンタドライバ38のプログラム本体をインストールするためのインストール・プログラムと共に、プリンタドライバ38のプログラム本体に付加された状態で、CD−ROM等の記録媒体に記録される。前記インストール・プログラムには、PCへのプリンタドライバ38のプログラム本体のインストール時に色変換パラメータをPCのHDDに記憶させる機能が付加されており(請求項に記載の記憶制御手段に相当する機能)、PC30へのプリンタドライバ38へのインストールが指示されると、プリンタドライバ38のプログラム本体がPC30にインストールされると同時に、色変換パラメータがHDD36に記憶される。このように、上記のインストール・プログラムはプリンタドライバ38のプログラム本体と共に、請求項に記載のプログラムに対応している。
【0053】
続いて、記録用紙22へ画像記録時にPC30及びカラープリンタ10で行われる処理について説明する。PC30でアプリケーションソフトが動作している状態で、ユーザがアプリケーションソフトに対して印刷を指示すると、アプリケーションソフトからプリンタドライバ38が呼び出され、プリンタドライバ38のプログラムがPC30によって実行される。
【0054】
プリンタドライバ38はHDD36に記憶されている色変換パラメータを読み出し、DLUT40に設定する。そして印刷対象のR,G,Bの画像データを個々の画素のデータを単位として順に取り出し、取り出した画素データを、先に色変換パラメータを設定したDLUT40に順に入力することで、印刷対象のR,G,Bの画像データをC,M,Yの画像データへ変換する。これにより、印刷対象のR,G,Bの画像データに対して第1〜第3の変換が同時に行われることになる。
【0055】
DLUT40から出力されたC,M,Yの画像データは、PC30(プリンタドライバ38)からプリンタコントローラ28へ順次入力され、UCR処理部42でUCR処理が行われることでC,M,Y,Kの画像データへ順次変換された後に、TRC処理部44でTRC処理が行われることで、カラープリンタ10のトナーの特性等に応じて階調特性が補正される。そして、SCREEN処理部46でSCREEN処理が行われることで1ページ毎にC,M,Y,Kのページイメージが生成される。
【0056】
C,M,Y,Kのページイメージは、感光体ドラム12に静電潜像を形成する際に1色ずつ光ビーム走査装置16へ出力され、感光体ドラム12に特定の色に対応する静電潜像が形成され、形成された静電潜像が多色現像器18によって特定の色のトナーで現像されることが4回繰り返されることで、感光体ドラム12上にフルカラーのトナー像が形成され、このトナー像が転写ベルト20を介して記録用紙22に転写され、記録用紙22に転写されたトナー像が定着器26によって定着されることで、印刷対象の画像が記録された記録用紙22がカラープリンタ10への機体外へ排出される。
【0057】
カラープリンタ10での画像形成に用いられるデータは、前述のように本発明に係る第2の変換を経たデータであるので、印刷対象のR,G,Bの画像データにおける無彩色(R=G=B)の画素は、記録用紙22に記録された画像上でKのトナーのみによって再現される。従って、必要以上にトナーが消費されたり、記録用紙22に記録された画像に色のにじみが生ずることが防止される。また、記録用紙22に記録された画像上で、無彩色と無彩色に近い色との間の色変化や、補正範囲内に相当する色と補正範囲外に相当する色との間の色変化に段差等が生ずることが防止されると共に、印刷対象のR,G,Bの画像データにおける高彩度の色がカラープリンタ10の色再現範囲から外れることによる色の潰れ等が生ずることも防止される。
【0058】
なお、第2の変換テーブルの出力値L",a",b"の演算にあたり、前出の(2)式及び(3)式に代えて、以下の(4)式及び(5)式を用いてもよい。
a"←a'+(1−(C'÷Cmax)N)・ak …(4)
b"←b'+(1−(C'÷Cmax)N)・bk …(5)
但し、定数Nは1以上の正の数であり、下記の(6)式が−1以下にならないことを満足する数である。(6)式は(4)式及び(5)式により座標変換した後でC'がCmaxを越えないようにするためのNの条件である。
−Ck・N・C'N-1÷CmaxN > −1 …(6)
(4)式及び(5)式の第2項も座標位置の移動量を表している。ここで、(4)式の第2項を移動量Δa、(5)式の第2項を移動量Δbと称したときに、彩度比C'/Cmax−移動量Δa,Δb特性と乗数Nとの関係を図6に示す(「N=1」と表記して示す特性は(2)式及び(3)式を用いた場合の特性と同一)。図6より明らかなように、(4)式及び(5)式を用いることにより、乗数Nの値を調整することで彩度比C'/Cmaxの変化に対する移動量Δa,Δbの変化を自由にコントロールすることができる。
【0059】
また、上記では本発明に係る補正範囲を、L*a*b*色空間の明度軸であるL*軸を軸線とする円筒状の形状とした例を説明したが、これに限定されるものではなく、例として図7に示すように、補正範囲の半径(彩度)Cmaxは明度Lによって相違していてもよい。また、補正範囲はL*軸に関して回転対称な形状でなくてもよく、L*軸と補正範囲の外縁との距離が色相によって相違する形状であってもよい。また、本発明に係る原画像データとしてR,G,Bの画像データ以外の画像データを用いてもよい。
【0060】
また、上記ではプリンタドライバ38が、DLUT40による1回の変換で第1〜第3の変換を実現する構成となっている例を説明したが、これに限られるものではなく、第1〜第3の変換を各々別のLUTで行うようにしてもよいし、個々の変換を演算式として記憶しておき、演算式に変数を代入して演算することで上記各変換を実現するようにしてもよい。
【0061】
更に、上記ではR,G,Bの画像データを一旦C,M,Yの画像データに変換した後に、UCR処理によってKのデータを生成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、R,G,Bの画像データをC,M,Y,Kの画像データへ直接変換するようにしてもよい。この場合、補正目標軌跡として、C,M,Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の軌跡に代えて、Kの色材を用いて再現可能な色変化の軌跡を用いればよい。この軌跡を表す補正目標軌跡データは、Kの色材のみを用いて複数の無彩色パッチを作成し、各無彩色パッチを測色することで得ることができる。
【0062】
また、上記では単一の色変換パラメータを記憶しておく例を説明したが、補正目標軌跡は色材の種類によって相違するので、色材の種類毎に色変換パラメータを求めて記憶しておき、画像形成時に、画像形成に使用する色材の種類を検知し、検知した色材の種類に対応する色変換パラメータを読み出して用いるようにしてもよい。
【0063】
また、上記では電子写真方式で画像を形成するカラープリンタ10を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばインクジェット方式で画像を形成するプリンタ等にも適用可能である。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、 , , Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を表す補正目標軌跡データに対し、C , , Y各色の色材の値をKに置き換える処理が行われるか、又は、Kの色材のみを用いて作成した複数の無彩色パッチが測色されることで得られる、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を取得した後に、原画像データの分布が均等色空間上での画像形成装置の色再現範囲内に収まり、かつ原画像データのうち補正範囲内に位置している画素データの座標位置が、明度軸上であれば補正目標軌跡上に移動し、明度軸上でなければ、均等色空間上での画素データの座標位置と明度軸との距離が大きくなるに従って、補正目標軌跡に近づく方向への画素データの座標位置の移動量が小さくなるように変換条件を定め、該変換条件に従って原画像データを変換するので、原画像データにおける無彩色を常にKの色材のみで再現させることができ、かつ無彩色付近の色変化や高彩度の色も適正に再現させることができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係るカラープリンタの概略構成図である。
【図2】 プリンタドライバ及びプリンタコントローラにおける画像処理を説明するための概略ブロック図である。
【図3】 色変換パラメータ生成処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】 (A)はL*a*b*色空間上での画像データの分布、C=M=Yの色材の軌跡及び補正範囲の一例を示す概念図、(B)は本発明に係る変換(補正)後のL*a*b*色空間上での画像データの分布の一例を示す概念図である。
【図5】 本発明に係る変換(補正)によるL*a*b*色空間上での座標位置の移動を示す概念図である。
【図6】 他の補正量演算式によるC'/Cmaxと座標位置の移動量との関係の一例を示す線図である。
【図7】 補正範囲の他の例を示す概念図である。
【符号の説明】
10 カラープリンタ
18 多色現像器
22 記録用紙
28 プリンタコントローラ
30 PC
38 プリンタドライバ
40 DLUT

Claims (6)

  1. 画像形成装置でC,M,Y,K各色の色材によりカラー画像を形成させるために、原画像データをC,M,Y,Kの形成用画像データへ変換する画像処理装置であって、
    補正目標軌跡として、 , , Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を表す補正目標軌跡データに対し、C , , Y各色の色材の値をKに置き換える処理が行われるか、又は、Kの色材のみを用いて作成した複数の無彩色パッチが測色されることで得られる、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を取得した後に、均等色空間上での原画像データの分布が均等色空間上での前記画像形成装置の色再現範囲内に収まり、かつ原画像データのうち、均等色空間上での座標位置が明度軸と前記補正目標軌跡を含むように定めた補正範囲内に位置している画素データの前記座標位置が、前記明度軸上であれば前記補正目標軌跡上に移動し、前記明度軸上でなければ、均等色空間上での画素データの座標位置と前記明度軸との距離が大きくなるに従って、補正目標軌跡に近づく方向への画素データの座標位置の移動量が小さくなるように定められた変換条件を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されている変換条件に従って原画像データを変換する変換手段と、
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記均等色空間はL * * * 色空間であり、前記記憶手段に記憶される変換条件は、前記L * * * 色空間上での画素データL , , bの座標位置と前記明度軸との距離をC、画素データL , , bと同一明度における前記L * * * 色空間上での明度軸と補正範囲の外縁との距離をC max 、画素データL , , bと同一明度における前記補正目標軌跡の色値をa k, k としたときに、前記補正範囲内に位置している画素データのL , , bのうちの色値a , bを、
    a=a+(1− ( C÷C max)) ×a k
    b=b+(1− ( C÷C max)) ×b k
    へ変換するように定められていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記均等色空間はL * * * 色空間であり、前記記憶手段に記憶される変換条件は、前記L * * * 色空間上での画素データL , , bの座標位置と前記明度軸との距離をC、画素データL , , bと同一明度における前記L * * * 色空間上での明度軸と補正範囲の外縁との距離をC max 、画素データL , , bと同一明度における前記補正目標軌跡の色値をa k, k 、色値a , bを変換した後で距離C ( =√ ( 2 +b 2 )) が距離C max を越えないように定められた1以上の正の数をNとしたときに、前記補正範囲内に位置している画素データL , , bのうちの色値a , bを、
    a=a+(1− ( C÷C max) N ) ×a k
    b=b+(1− ( C÷C max) N ) ×b k
    へ変換するように定められていることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記補正範囲は、前記明度軸を中心とし、前記補正目標軌跡を含むように、明度が各値のときの前記補正目標軌跡の彩度の最大値に基づいて半径C max が定められた均等色空間上の円筒状の範囲であることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  5. 画像形成装置でC , , , K各色の色材によりカラー画像を形成させるために、原画像データをC , , , Kの形成用画像データへ変換する画像処理方法であって、
    補正目標軌跡としてC , , Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を表す補正目標軌跡データに対し、C , , Y各色の色材の値をKに置き換える処理が行われるか、又は、Kの色材のみを用いて作成した複数の無彩色パッチが測色されることで得られる、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を取得する第1ステップ、
    均等色空間上での原画像データの分布が均等色空間上での前記画像形成装置の色再現範囲内に収まり、かつ原画像データのうち、均等色空間上での座標位置が明度軸と前記補正 目標軌跡を含むように定めた補正範囲内に位置している画素データの前記座標位置が、前記明度軸上であれば前記第1ステップで取得した補正目標軌跡上に移動し、前記明度軸上でなければ、均等色空間上での画素データの座標位置と前記明度軸との距離が大きくなるに従って、補正目標軌跡に近づく方向への画素データの座標位置の移動量が小さくなるように変換条件を定める第2ステップ、
    及び、前記第2ステップで定めた変換条件に従って原画像データを変換する第3ステップ
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  6. コンピュータを、画像形成装置でC , , , K各色の色材によりカラー画像を形成させるために、原画像データをC , , , Kの形成用画像データへ変換する画像処理装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    補正目標軌跡として、C , , Y各色等量の色材を用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を表す補正目標軌跡データに対し、C , , Y各色の色材の値をKに置き換える処理が行われるか、又は、Kの色材のみを用いて作成した複数の無彩色パッチが測色されることで得られる、Kの色材のみを用いて再現可能な色変化の均等色空間上での軌跡を取得した後に、均等色空間上での原画像データの分布が均等色空間上での前記画像形成装置の色再現範囲内に収まり、かつ原画像データのうち、均等色空間上での座標位置が明度軸と前記補正目標軌跡を含むように定めた補正範囲内に位置している画素データの前記座標位置が、前記明度軸上であれば前記補正目標軌跡上に移動し、前記明度軸上でなければ、均等色空間上での画素データの座標位置と前記明度軸との距離が大きくなるに従って、補正目標軌跡に近づく方向への画素データの座標位置の移動量が小さくなるように定められた変換条件を、前記コンピュータの記憶手段に記憶させる記憶制御手段、
    前記記憶手段に記憶された変換条件に従って原画像データを変換する変換手段
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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