JP4237320B2 - 粉砕再生利用ゴムの性質を改善する方法 - Google Patents

粉砕再生利用ゴムの性質を改善する方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉砕された再生利用ゴムの性質を改善する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
加硫ゴムを再生したり再生利用することがしばしば望まれる。加硫ゴムは、一般に、空気入りタイヤ、工業用コンベヤーまたは動力伝達ベルト、ホースなどのような製品の形になっている。空気入りタイヤのスクラップがそのような加硫ゴムの特に大きな原料である。
【0003】
加硫ゴムは、通常、さまざまな方法または方法の組み合わせにより破壊されて再生または再生利用される。これらの方法として物理的破壊法、粉砕法、化学的破壊法、脱硫法(devulcanization)および/または極低温粉砕法を挙げることができる。加硫ゴムがヤイヤー補強材や紡織繊維補強材を含有していると、それは、一般に、磁気分離工程、空気吸引工程および/または空気浮遊工程を含むことがあるさまざまな方法により除去される。
【0004】
本明細書の説明において、用語「リサイクル」および「再生利用ゴム」は互換的に使用され、それらは後記において更に完全に説明される加硫および脱硫ゴムの両方に関係がある。脱硫リサイクルゴム(recycle rubber)または同再生利用ゴム(recycled rubber)(時には、再生ゴム(reclaim rubber)と称される)は、加硫され、続いて実質的にまたは部分的に脱硫されたゴムに関すると理解することが重要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
脱硫されて得られたリサイクルゴムは幾分未加硫ゴムの外観を有する高分子材料であるが、それはそれに由来して重要な相異と性質を有している。第一に、それは、本質的に、未加硫または加硫ゴムのいずれとも異なる、多数の雑多な構造の重合体単位の混合物から構成される部分的に加硫されたゴムである。
【0006】
第二に、再生利用ゴムは、普通の未加硫ゴムとは違って、諸成分、多分少量の紡織繊維などが配合されている、大部分未知の重合体の複雑な混合物でもある。
【0007】
ゴムを再生利用するために硫黄と促進剤を添加し、続いて再加硫した後、引張特性および伸度のような物理的性質は、通常、それが誘導された元の加硫ゴムの対応する性質よりも低いことが認められている。また、時には、リサイクルゴムのベール(bale)やスラブの露出縁部が巻き上がる傾向もあることが観察されている。これは、明らかに、多分、普通は未加硫の配合ゴム中に適度に存在している分解防止剤が不足していることによる、酸化分解の結果である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本明細書には、次の:
(a)個々の粒径が420ミクロン以下の再生利用ゴムコンパウンドに0.18〜10.8phrの3,3’−テトラチオジプロピオン酸を均質に分散して、処理された再生利用ゴムコンパウンドを形成する工程、
(b) 1〜40重量部の上記処理済み再生利用ゴムコンパウンドと60〜99重量部の少なくとも1種の未加硫ゴムとを混合して再生利用/未加硫ゴムコンパウンドを形成する工程、
(c)上記再生利用/未加硫ゴムコンパウンド中のゴムをすべて加硫するのに十分な時間と温度でその再生利用/未加硫ゴムコンパウンドを加熱する工程
を含んでなる、粉砕された再生利用ゴムの性質を改善する方法が開示される。
【0009】
リサイクルゴムは、420ミクロン(40メッシュ)以下の粒径を持っている。粒子がこれよりも大きくなると、引き続く未加硫ゴムとの混合が実行できなくなる。一般的に言えば、個々の粒径は250ミクロン(60メッシュ)以下、好ましくは177ミクロン(80メッシュ)以下であるべきである。個々の粒径は250ミクロン(60メッシュ)〜74ミクロン(200メッシュ)の範囲であるのが好ましい。
【0010】
テトラチオジプロピオン酸は0.18〜10.0phrの範囲の量でリサイクルゴム中に分散される。分散されるテトラチオジプロピオン酸のレベルは0.36〜5.0phrの範囲であるのが好ましい。
【0011】
テトラチオジプロピオン酸は、これをリサイクルゴムに直接分散させてもよいし、あるいは溶媒中に懸濁または溶解させ、そのあとに同再生利用ゴムに適用してもよい。そのような溶媒の代表的な例として、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、キシレン、ベンゼン、ジクロロエチレン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびトルエンが挙げられる。溶媒はアセトンであるのが好ましい。
【0012】
テトラチオジプロピオン酸が中や上に分散されている再生利用ゴムは、本明細書では、「処理された再生利用ゴム」または「処理済み再生利用ゴム」として互換的に称されている。処理済み再生利用ゴムは未加硫ゴムと混合される。1〜40重量部の処理済みリサイクルゴムを60〜99重量部の少なくとも1種の未加硫ゴムと混合して、リサイクル/未加硫ゴムコンパウンドを形成する。2〜30重量部の処理されたリサイクルゴムを70〜98重量部の少なくとも1種の未加硫ゴムと混合するのが好ましい。
【0013】
処理済みリサイクルゴムと混合し得る未加硫ゴムの代表的な例にはさまざまな合成コムがある。代表的な合成ゴムとして、ブタジエンの単独重合生成物およびその同族体と誘導体、例えば、メチルブタジエン、ジメチルブタジエンおよびペンタジエン、さらにはブタジエンやその同族体か誘導体と他の不飽和有機化合物から形成されたもののような共重合体が挙げられる。後者の中にはアセチレン類、例えばビニルアセチレン;オレフィン類、例えば、イソプレンと共重合してブチルゴムを形成するイソブチレン;ビニル化合物、例えばアクリル酸、アクリロニトリル(これはブタジエンと共重合してNBRを形成する)、メタクリル酸、およびブタジエンと共重合してSBRを生成するスチレン;さらにはビニルエステル類およびさまざまな不飽和アルデヒド類;ケトン類;およびエーテル類、例えばアクロレイン、メチルイソプロペニルケトンおよびビニルエチルエーテルがある。また、イソプレンの単独重合およびさまざまな不飽和有機化合物中でのイソプレンと他のジオレフィン類との共重合により製造されるさまざまな合成ゴムもある。また、1,4−シス−ポリブタジエンおよび1,4−シス−ポリイソプレン並びに同様の合成ゴムのような合成ゴムもある。
【0014】
合成ゴムの特定の例に、ネオプレン(ポリクロロプレン)、ポリブタジエン(トランス−およびシス−1,4−ポリブタジエンを含む)、ポリイソプレン(シス−1,4−ポリイソプレンを含む)、ブチルゴム、1,3−ブタジエンまたはイソプレンとスチレン、アクリロニトリルおよびメタクリレートのような単量体とのハロブチルゴム共重合体、並びにエチレン/プロピレン/ジエン単量体(EPDM)、特にエチレン/プロピレン/ジシクロペンタジエンターポリマーがある。本発明での使用に好ましいゴムは、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、EPDM、ブタジエン・スチレン共重合体、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレン・イソプレン共重合体、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合体、ポリクロロプレンおよびそれらの混合物がある。
【0015】
当業者であれば理解できるだろうように、上に挙げた未加硫ゴムはどれも粉砕再生利用ゴム中に見出される同種または異種のゴムであることができる。
【0016】
本発明のゴム組成物を加硫するために、硫黄系加硫剤を添加する。適当な硫黄系加硫剤の例に元素硫黄(遊離硫黄)または硫黄供与性加硫剤、例えば、二硫化アミン、高分子ポリスルフィドまたは硫黄オレフィン付加体がある。硫黄系加硫剤は元素硫黄であるのが好ましい。硫黄系加硫剤の量はゴムのタイプおよび使用される硫黄系加硫剤の特定のタイプに依存して変わる。一般的に言えば、硫黄系加硫剤の量は約0.1〜約5phrの範囲であり、約0.5〜約2phrの範囲が好ましい。
【0017】
常用のゴム添加剤が本発明のゴム原料に配合することができる。ゴム原料中で普通に使用される添加剤として、充填材、可塑剤、ワックス、プロセスオイル、素練り促進剤、遅延剤、オゾン劣化防止剤、酸化防止剤などが挙げられる。使用できる充填材の総量は約30〜約150phrの範囲であることができ、約45〜約100phrの範囲が好ましい。充填材としてはクレー、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、二酸化チタンおよびカーボンブラックが挙げられる。ゴム原料中で普通使用される代表的なカーボンブラックに、N110、N121、N220、N231、N234、N242、N293、N299、S315、N326、N330、M332、N339、N343、N347、N351、N358、N375、N472、N539、N582、N630、N642、N660、N754、N762、N765、N774、N990およびN991がある。可塑剤は通常約2〜50phrの範囲の量で使用され、約5〜約30phrの範囲が好ましい。使用される可塑剤の量は望まれる柔軟効果に依存する。適した可塑剤の例に、芳香族抽出油、アスファルテンを含めて石油系柔軟剤、ペンタクロロフェノール、飽和および不飽和の炭化水素および窒素基剤、コールタール製品、クマロン・インデン樹脂、並びにフタル酸ジブチルおよびリン酸トリクレゾールのようなエステルが挙げられる。典型的な素練り促進剤は、例えばペンタクロロチオフェノールおよび二酸化ジベンズアミドフェニルである。そのような素練り促進剤は0.1〜1phrの範囲の量で使用される。使用できる一般的なワックスにパラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンブレンドがある。このようなワックスは約0.5〜3phrの範囲の量で使用される。配合の際に使用される、硬化促進剤・活性化剤として機能する物質に酸化亜鉛および酸化マグネシウムのような金属酸化物があり、それらは脂肪酸、例えばトール油脂肪酸、ステアリン酸、オレイン酸などのような酸性物質と共に使用される。金属酸化物の量は約1〜約14phrの範囲であることができ、約2〜約8phrの範囲が好ましい。使用できる脂肪酸の量は約0〜約5.0phrの範囲であることができ、この場合約0〜約2phrの範囲が好ましい。
【0018】
促進剤は、加硫に必要な時間および/または温度を制御するために、および加硫物の性質を改善するために使用される。一つの態様において、単一促進剤系、すなわち一次促進剤が使用することができる。一次促進剤(1種または複数種)は総量で約0.5〜約4phr、好ましくは約0.8〜約2.0phrの範囲の量で使用することができる。別の態様においては、一次促進剤と二次促進剤の組み合わせが使用されることもあり、この場合二次促進剤は一次促進剤に対して等量で、またはそれより少量若しくは大量で使用される。これらの促進剤の組み合わせは、最終生成物の性質に相乗効果を生むと予想されるもので、とちらかの促進剤単独の使用によりもたらされる性質より多少良好である。さらに、標準的な加工温度では影響を受けないが、通常の加硫温度では満足な加硫を生じさせる遅効型促進剤を使用してもよい。加硫遅延剤も使用されることがある。本発明に使用できる適したタイプの促進剤は、アミン類、ジスルフィド類、グアニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、チウラム類、スルフェンアミド類、ジチオカルバメート類およびザンテート類である。一次促進剤はスルフェンアミドであるのが好ましい。二次促進剤を使用する場合、それはグアニジン、ジチオカルバメート、ジスルフィドまたはチウラム系の化合物であるのが好ましい。
【0019】
本発明のゴムコンパウンドは加硫活性化剤も含有していることができる。代表的な加硫活性化剤は、メチルトリアルキル(C8 〜C10)アンモニウムクロリドであって、それはオハイオ洲(Ohio)、ダブリン(Dublin)のシェレックス ケミカル社(Sherex Chemical Company)から登録商標・アドゲン(Adogen)464として市販されている。活性化剤は0.05〜5phrの範囲内の量で使用することができる。
【0020】
熱分解法および沈降シリカ系ピグメント(シリカ)を含めてシリカ系ピグメントが本発明のゴムコンパウンド用途に使用できるが、沈降シリカが好ましい。本発明において好んで使用されるシリカ系ピグメントは、例えば可溶性ケイ酸塩、例えばケイ酸ナトリウムの酸処理により得られるもののような沈降シリカである。そのようなシリカは、例えば、窒素ガスを使用して測定して、好ましくは約40〜約600m2/gの範囲内の、更に普通には約50〜約300m2/gの範囲内のBET表面積を有すると言う特徴があると思われる。表面積を測定するBET法はJournal of American Chemical Society、第60巻、304頁(1930年)に記載されている。シリカは、また、典型的には、約100〜約400、更に普通には約150〜約300の範囲内のフタル酸ジブチル(DBP)吸収値を有すると言う特徴があるだろう。シリカは、例えば電子顕微鏡により測定して0.01〜0.05ミクロンの範囲内の平均最大粒径を有すると予想されるが、但しシリカ粒子の大きさはそれより小さくてもよいし、また恐らくはそれより大きくてもよいだろう。、種々のシリカが本発明での使用に考慮することができる。これには、例として示すだけであって、限定するものではないが、PPGインダストリーズ社(PPG Industries)から商標名・ハイ−シル(Hi-Sil)、商品番号210、243などで市販されているシリカ;ローヌ・プーラン社(Rhone-Poulenc)から、例えばZ1165MPおよびZ165GRの商品名で市販されているシリカ;およびデグッサ社(Degussa AG)から、例えば商品名VN2およびVNなどで市販されるシリカがある。一般的に言えば、シリカの量は5〜120phrの範囲であることができる。シリカの量は一般に約5〜120phrの範囲である。シリカの量は10〜30phrの範囲であるのが好ましい。
【0021】
スコーチ抑制剤として知られている一群の配合材料が一般に使用される。無水フタル酸、サリチル酸、酢酸ナトリウムおよびN−シクロヘキシルチオフタルイミドが既知の抑制剤である。抑制剤は一般に約0.1〜0.5phrの範囲の量で使用される。
【0022】
普通は、以後抗分解剤と称される、酸化防止剤、時にはオゾン亀裂防止剤がゴム原料に添加される。代表的な抗分解剤に、モノフェノール類、ビスフェノール類、チオビスフェノール類、ポリフェノール類、ヒドロキノン誘導体、亜リン酸塩、チオエステル類、ナフチルアミン類、ジフェニル−P−フェニレンジアミン類、ジフェニルアミン類およびその他のジアリールアミン誘導体、パラーフェニレンジアミン類、高分子トリメチルジヒドロキノリン類およびそれらの混合物がある。そのような抗分解剤の具体的な例は、The Vanderbilt Rubber Handbook(1990年)、282−286頁に開示される。抗分解剤は一般に約0.25〜約5.0phrの量で使用され、約1.0〜約3.0phrの範囲が好ましい。
【0023】
本発明のゴムコンパウンドは、タイヤに使用するためのワイヤーコートまたはビードコートとして使用してもよい。この技術分野において知られているコバルト化合物がいずれも金属に対するゴムの接着を促進するために使用できる。しかして、使用できる適当なコバルト化合物には、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸などのような脂肪酸のコバルト塩、炭素原子が6〜30個の脂肪族または脂環式カルボン酸のコバルト塩、塩化コバルト、ナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、コバルトカルボキシレート、およびニュージャージー州(New Jersey)、トレントン(Trenton)のワイラフ アンド ルーザー社( Wyrough and Loser, Inc.)からマノボンド(Manobond)Cなる名称で市販されている有機コバルト・ホウ素錯体がある。マノボンドCは次の構造を有すると考えられる:
【0024】
【化1】
Figure 0004237320
【0025】
但し、上記の式において、Rは炭素原子が9〜12個のアルキル基である。
使用できるコバルト化合物の量は、選ばれるコバルト化合物の特定の性質、特にコンパウンド中に存在するコバルト金属の量に依存する。コバルト金属の量は使用に適しているコバルト化合物中でかなり変わるから、使用されるコバルト化合物の量は、完成原料組成物中に望まれるコバルト金属の量を基準にするのが最も適切かつ便利である。
【0026】
コバルト化合物の量は約0.1〜2.0phrの範囲であることができる。コバルト化合物の量は約0.5〜1.0phrの範囲であるのが好ましい。使用されるとき、原料組成物中に存在するコバルト化合物の量は、ゴム原料組成物の全重量基準で約0.01〜約0.35重量%のコバルト金属を与えるのに十分であるべきであり、好ましい量はスキム原料組成物の全重量基準で約0.03〜約0.2重量%である。
【0027】
硫黄加硫性ゴムコンパウンドは約125〜180℃の範囲の温度で加硫される。その温度は約135〜160℃の範囲であるのが好ましい。
【0028】
ゴムコンパウンドの混合は、ゴム混合技術に精通している者に知られている方法により成し遂げることができる。例えば、ゴム成分は、典型的には、少なくとも2段階で、すなわち少なくとも一つの非硬化発現段階と、それに続く硬化発現混合段階で混合される。最終加硫剤は、混合が、典型的には、先行する非硬化発現混合段階(一つまたは複数工程)の混合温度よりも低い一つの温度、すなわち最終温度で行われる、通常「硬化発現」混合段階と称される最終段階で混合される。用語「非硬化発現(non-productive)」および「硬化発現(productive)」混合段階は、ゴム混合技術に精通している者にはよく知られている。
【0029】
ゴム組成物は、タイヤ、ベルトまたはホースの製造におけるような補強材料との複合体の形成に使用することができる。本発明の組成物は、タイヤの形、特にトレッド、ワイヤーコート、ビードコートおよびプライコート(ply coat)を含めてタイヤの構成部材として存在する。
【0030】
実施例1
ミシシッピー州(Mississippi)、ビックスバーグ(Vicksburg)のローズラバー工業社(Rouse Rubber Industries, Inc.)から得たGF80なる粉砕されたリサイクルゴム220gが入っている1リットルの上部開放型ガラス反応器に、アセトン325mL中に溶解した3,3’−テトラチオジプロピオン酸(TTDP)4.4gを添加した。規格シートでのふるい分析によれば、GF80は、100メッシュを通過する粒子88重量%、80メッシュを通過する粒子95重量%および60メッシュを通過する粒子100重量%を含んでいた。GF80は、TGA分析によれば、揮発分13.74重量%、灰分6.74%、カーボンブラック29.55%およびゴム炭化水素49.94%であった。この粉砕ゴムは、溶媒が29インチの水銀真空の減圧下で室温において蒸留されるつれて攪拌され、その粉砕リサイクルゴム上にTTDPを均質に分散させた。この処理されたリサイクルゴムを乾燥炉中で100℃において4時間乾燥した。
【0031】
対照の目的から、ジチオジプロピオン酸(DTDP)をテトラチオジプロピオン酸の代わりに用いたこと以外は、上記の手順を繰り返した。
【0032】
実施例2
粉砕された再生利用ゴム、ジチオジプロピオン酸を含む粉砕リサイクルゴムおよびテトラチオジプロピオン酸を含む粉砕再生利用ゴムの使用の重要性を比較および対照するために、4種類のゴム配合物を調製した。各ゴム配合物は、PLF1712C(SBR70重量部とオイル26.25重量部)を96.25重量部およびブデン(Budene:登録商標)1254(ポリブタジエン30重量部とオイル7.50重量部)を37.50重量部含有していた。PLF 1712はグッドイヤータイヤ アンド ラバー社(Goodyear Tire & Rubber Company)より市販されている油展乳化重合スチレンブタジエンゴムである。ブデン(登録商標)1254はグッドイヤー タイヤ アンド ラバー社より市販されている油展ポリブタジエンゴムである。各ゴム配合物は、また、同じ常用量のプロセスオイル、素練り促進剤、脂肪酸、抗分解剤、ワックス、酸化亜鉛、一次および二次促進剤並びに硫黄を含有していた。追加成分により異ならしめた各配合物を表1に示す。ゴム配合物は2段バンバリー(商標)ミキサーで調製した。部およびパーセントは、格別の指示がない限りは、全て重量表示による。試料1〜3は対照であり、一方試料4は本発明に関する。
【0033】
加硫性は、温度150℃、100サイクル/分で操作するモンサント式振動円盤レオメーター(Monsanto oscillating disc rheometer)を使用して測定した。振動円盤レオメーターに関する説明は、ロバート O. オーム(Robert O. Ohm)編のVanderbilt Rubber Handbook[コネチカット州(Conn.)、ノーウォーク(Norwalk)のR. T. バンダービルト社(R. T. Vanderbilt Company, Inc.)]、(1990年)、554−557頁に見いだすことができる。この加硫メーターの使用および曲線から読取った標準化された数値は、ASTM D−2084で規格化されている。振動円盤レオメーターによって得られた典型的な加硫曲線は、Vanderbilt Rubber Handbook、1990年版の555頁に示されている。
【0034】
そのような振動円盤レオメーターにおいて、配合ゴム試料を一定振幅の振動剪断作用に付した。試験される原料中に埋入された振動円盤の、加硫温度でローターを振動させるのに必要とされるトルクを測定した。この加硫試験を使用して得られた測定値は、ゴムすなわち配合処方の変化が非常に容易に検出されるので、意義の非常に大きいものである。迅速な加硫速度を有することが普通は有利であることは明白である。
【0035】
次の表1は、調製されたゴム原料について得られた加硫曲線から決定した加硫性を示すものである。これらの性質には、トルク最小値(最小トルク)、トルク最大値(最大トルク)、最大トルクと最小トルクとの差(デルタ トルク)、最終トルク値(最終トルク)、1%のトルクの増加に対する時間(分)(t1)、25%のトルクの増加に対する時間(分)(t25)、50%のトルクの増加に対する時間(分)(t50)、75%のトルクの増加に対する時間(分)(t75)および90%のトルクの増加に対する時間(分)(t90)が含まれる。
【0036】
【表1】
Figure 0004237320
【0037】
未加硫ゴム(試料1)を再生利用ゴム(試料2)20.0部で処理したとき、デルタトルク値は21.3から18.4へ低下した。ジチオジプロピオン酸で処理した再生利用ゴム(試料3)の添加も21.3から19.1への有意の低下をもたらした。極めて驚くべきことであったが、テトラチオジプロピオン酸で処理した再生利用ゴムの添加はデルタトルク値を本質的に維持させた。高いデルタトルク値は、ゴム中の加硫および架橋密度の増加の指標であって、再生利用ゴムが未加硫ゴム中で硬化されることを示唆するものである。試料1〜3に対する試料4の高い最終トルク値は、本発明の卓越性を示す。300%モジュラス、200%モジュラス、150%モジュラスおよび100%モジュラスに対する数値を見れば、本発明のゴム配合物(試料4)の架橋密度が高いことが分かる。

Claims (4)

  1. 次の:
    (a)個々の粒径が420ミクロン以下である再生利用ゴムコンパウンド中に0.18〜10.8phrの3,3’−テトラチオジプロピオン酸を均質に分散して、処理された再生利用ゴムコンパウンドを形成する工程、
    (b)1〜40重量部の上記処理済み再生利用ゴムコンパウンドと60〜99重量部の少なくとも1種の未加硫ゴムとを混合して再生利用/未加硫ゴムコンパウンドを形成する工程、
    (c)上記再生利用/未加硫ゴムコンパウンド中のゴムのすべてを加硫するのに十分な時間と温度で該再生利用/未加硫ゴムコンパウンドを加熱する工程
    を特徴とする、粉砕された再生利用ゴムの性質を改善する方法。
  2. 3,3’−テトラチオジプロピオン酸を加硫ゴム中に均質に分散させる前に溶媒中に分散させ、ここで該溶媒はアセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、キシレン、ベンゼン、ジクロロエチレン、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランおよびトルエンよりなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
  3. 粒径が250〜74ミクロンの範囲である、請求項1に記載の方法。
  4. 未加硫ゴムが天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、EPDM、ブタジエン・スチレン共重合体、シス−1,4−ポリイソプレン、ブタジエン・スチレン共重合体、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレン・イソプレン共重合体、ブタジエン・スチレン・イソプレン共重合体、ポリクロロプレンおよびそれらの混合物よりなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
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