JP4237125B2 - 図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP4237125B2
JP4237125B2 JP2004292910A JP2004292910A JP4237125B2 JP 4237125 B2 JP4237125 B2 JP 4237125B2 JP 2004292910 A JP2004292910 A JP 2004292910A JP 2004292910 A JP2004292910 A JP 2004292910A JP 4237125 B2 JP4237125 B2 JP 4237125B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base material
nesting
arrangement
result
members
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004292910A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006107131A (ja
Inventor
裕章 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2004292910A priority Critical patent/JP4237125B2/ja
Publication of JP2006107131A publication Critical patent/JP2006107131A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4237125B2 publication Critical patent/JP4237125B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]

Landscapes

  • Numerical Control (AREA)

Description

この発明は、レーザ加工機、ウォータジェット加工機、プラズマ切断機、タレットパンチプレス加工機などの複数個の部材を母材から切り抜き切断加工する加工装置を動作させる加工用NC(Numerical Control)プログラムデータを作成するCAD(Computer Aided Design)/CAM(Computer Aided Manufacturing)装置などの図形配置装置に関するものである。また、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムにも関するものである。
被加工物に穴加工を施す場合に、加工穴がある領域に密集している被加工物に加工を行うと被加工物が熱変形してしまう。このような被加工物の熱変形を防止するために、工具の移動が最短となる点のみに意識することなく、最初に加工すべき位置を選択した後、順次、直前に選択された加工位置から距離の離れた位置を検索してつぎの加工位置として選択し、工具の位置決め経路を作成するCAD/CAMシステムにおける加工位置決め経路作成方法が従来知られている(たとえば、特許文献1参照)。
また、被加工物に加工を施す際の他の加工経路の決定方法の従来技術として、被加工物の加工領域を複数のバケットに細分割し、それぞれのバケット内における穴をあけるための加工経路を、巡回セールスマン問題を適用して決定する加工経路決定方法や(たとえば、特許文献2参照)、母材への部材の配置効率の向上や母材の使用効率の向上に加えて部材の納期などの優先順位を考慮して、優先順位の高い部材から先に母材に配置する部材配置方法(たとえば、特許文献3参照)などが知られている。
ここで、従来の部材を母材に配置する図形配置方法について説明する。図23は、従来の図形配置方法によって配置された結果の一例を示す図である。ここでは、切断加工を行うために複数種類の指定された部材をそれぞれ指定された個数分だけ、指定された母材に効率良く、つまり母材上に部材を歩留り率優先で、配置しているものとする。母材を効率良く使用するための部材の配置位置を計算する方法は従来から各種類存在するが、一般的には、まず1枚目の母材に部材が最も効率良く配置される結果を計算で導き出し、そこに配置しきれなかった残りの部材の種類と個数を、つぎの母材に配置する計算を試みる、という手順を残りの部材がなくなるまで繰り返し実行していくものである。
図23の1枚目の母材150Aを見ると、まだわずかに母材150Aの左上位置に残っている領域R201が存在するが、配置されないで残っている部材の中でこのすき間に配置できるものはないので1枚目の母材150Aの処理は終わり、続いて残りの部材151を2枚目の母材150Bに効率良く配置するための計算が行われる。この際、一旦1枚目の母材150Aの配置が決定して2枚目の母材150Bの配置の計算処理に入った場合には、1枚目の母材150Aに対してはその時点で最も効率良く配置された結果のままで処理が終了する。2枚目以降の母材150B,150Cの処理においても同様である。そのため、たとえば図23の2枚目の母材150Bにおいても、母材150Bの上方にある程度の面積の領域R202が残ったままとなっている。
この後、オペレータの作業としては切断加工の動作に移るが、一般的な運用では、この程度まで効率良く配置が行われた場合には、図23の1枚目や2枚目の母材150A,150Bにおいて全ての部材151を切断し終えた後の残材は、つぎの工程で使うことを想定して保管されることなく廃棄される。なお、この図23において、各母材150A〜150Cの周縁部に所定の間隔で部材151が配置されていない領域R220が示されているが、この領域R220は、母材の周辺部分が錆びている場合や変質している場合などの状況を想定して設けられる領域である。
特開平8−99252号公報 特開2001−195112号公報 特開平8−297503号公報
ところで、レーザなどによる熱加工で母材を加工する場合には熱の蓄積によって母材にひずみが発生し、また、タレットパンチプレス加工機などを用いて母材を加工する場合でも、局所的な位置に力が集中して加わるとひずみが発生しやすくなる。その結果、部材が波打ったりして加工された部材の品質に影響を与える虞がある。そのため、このようなひずみの発生をできる限り避ける様に図形が配置されることが望ましいが、上記した特許文献2,3に記載の従来技術では、このような加工時において発生する母材のひずみが考慮されていないという問題点があった。また、特許文献1に記載の穴加工位置決め経路作成方法では、被加工物の熱変形の防止を目的としてはいるものの、被加工物の特定の領域に穴が密集している場合に行われる穴加工時の被加工物の熱変形を防止するものであり、母材に配置された部材の切断加工時における熱変形の防止に応用することができないという問題点もあった。
この発明は、上記に鑑みてなされたもので、母材の加工時に発生するひずみの蓄積を抑制するように母材に部材の配置位置の計算を行う図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを得ることを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる図形配置装置は、入力される部材の種類と個数に基づいて部材間の最小の間隔として最初に設定された初期設定間隔値を用いて、または設定された母材のネスティング結果格納手段に格納される配置結果情報に基づいて配置間隔変更手段で設定される間隔値を用いて、部材を母材に歩留り優先でネスティング配置する歩留り優先ネスティング手段と、前記初期設定間隔値でのネスティング配置結果から求められる使用された母材枚数と、母材ごとに配置される部材の種類と個数を含む配置結果情報とを記憶するネスティング結果格納手段と、前記初期設定間隔値でのネスティング配置で得られる全ての母材について1枚ずつ再配置処理を行うように設定するとともに、再配置を終えた母材の枚数を計数する分散配置母材枚数計数手段と、前記分散配置母材枚数計数手段によって設定された母材について、部材の再配置を行う再配置可能領域を設定する再配置可能領域設定手段と、前記設定された母材に配置する部材間の間隔値を所定値だけ増加させて、前記歩留り優先ネスティング手段に設定する配置間隔変更手段と、前記配置間隔変更手段で設定された間隔値でのネスティング配置の結果得られる母材枚数に基づいて再配置が可能か否かを判定する分散配置結果判定手段と、を備え、前記配置間隔変更手段は、前記分散配置結果判定手段により再配置が不可能と判定されるまで繰り返し間隔値を増加させ、再配置が不可能と判定された場合に、その時点で設定されている間隔値から所定の値だけ減少させた間隔値を前記歩留り優先ネスティング手段に設定し、前記歩留り優先ネスティング手段は、この間隔値でのネスティング配置結果を再配置結果として設定することを特徴とする。
この発明によれば、最初に部材の所定の母材への歩留り優先での配置位置の計算を行い、そのときに生じた母材上の部材の配置されない領域を、つぎの配置位置の計算時における部材間の間隔を広げるための領域として使用するようにしたので、母材の加工時に切り出される位置の密集度が緩和され、母材の加工時に発生するひずみの蓄積を避けることができるという効果を有する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明にかかる図形配置装置の概略構成を示すブロック図である。図形配置装置10は、母材と母材から切り出される部材の形状などの情報である図形データを格納する図形データ格納部11と、入力される図形データに基づいて母材の歩留りを優先してネスティング配置処理を行う歩留り優先ネスティング部12と、歩留り優先のネスティング配置処理結果を格納するネスティング結果格納部13と、部材を分散させるように配置処理を行った母材の枚数をカウントする分散配置母材枚数計数部14と、分散配置処理を行う母材について再配置可能な領域を設定する再配置可能領域設定部15と、歩留り優先でネスティング配置する際の部材間の間隔(距離)を変更する配置間隔変更部16と、分散配置処理の結果が1枚の母材に収まったか否かを判定する分散配置結果判定部17と、この装置の使用者による各種のデータの入力を行う際のインタフェースとなる入力部18と、配置結果などを表示したり印刷したりする出力部19と、これらの各処理部を制御する制御部20と、を備えて構成される。
歩留り優先ネスティング部12は、与えられた部材に基づいて、母材上に部材を歩留り率優先でネスティング配置処理を行う機能を有する。この歩留り優先ネスティング部12の処理は、公知の歩留り優先ネスティング方法によって実現することができる。この歩留り優先ネスティング部12は、入力部18から使用者によって必要な部材の種類と個数を含む必要部材情報が入力されると、歩留り優先のネスティング処理を実行する。ただし、この場合には、隣り合う部材間の配置間隔は、予め設定された所定の間隔値(以下、初期設定間隔値ともいう)Dで行うものとする。また、歩留り優先ネスティング部12は、配置間隔変更部16によって変更された部材間の配置間隔の値が設定された場合に、初期設定間隔値Dでのネスティング配置結果である各母材に配置された部材の種類と個数を用いて、各母材について変更された間隔値で歩留り優先のネスティング配置処理を実行する機能も有する。
ネスティング結果格納部13は、歩留り優先ネスティング部12によって初期設定間隔値Dで行われた歩留り優先ネスティング配置処理の結果を格納する。格納される内容としては、与えられた部材を配置するのに必要な母材枚数Nと、各母材に配置された部材の種類とそれぞれの数を含む母材配置結果情報を少なくとも含むものである。
分散配置母材枚数計数部14は、最初に使用者によって与えられた部材に基づいて初期設定間隔値Dで歩留り優先のネスティング配置処理を行った後に、各母材について部材間の間隔値を広げた部材の分散配置が可能か否かの再配置処理が行われるが、このとき分散配置が可能か否かの計算を行った(再配置処理が終了した)母材の枚数をカウントする機能を有する。つまり、ネスティング結果格納部13に格納されている母材枚数Nと一致している間だけ、分散配置処理が繰り返し実行される。
再配置可能領域設定部15は、分散配置を行う各母材について、部材を分散させて再配置させるための再配置可能領域を設定する機能を有する。具体的には、まず、初期設定間隔値Dを用いた最初のネスティング配置処理結果から、部材が配置されない母材中の領域が後の工程で部材の配置に利用される条件を満たす有効活用領域を有するか否かを判定する。ついで、有効活用領域を有する場合には、母材中からその有効活用領域を除外した領域を再配置可能な再配置可能領域として設定し、有効活用領域を有さない場合には、母材全体を再配置可能領域として設定する。
図2−1〜図2−4は、有効活用領域の求め方の一例を示す図であり、たとえばネスティング配置処理によって最後の母材に配置された部材の配置状態を示しているものとする。図2−1〜図2−2は、有効活用領域が矩形となるように直線で母材を切断することを前提とした場合を示している。より具体的には、母材50を単純に直線a1,a2で切断した右側の残りの母材50の矩形部分の面積の大きさで有効活用領域として使用するか否かを判定するものである。そして、有効活用領域として使用する場合には、この残りの母材50の矩形部分を新たな母材として保管しておく。図2−1の場合、配置された部材52の母材50の長辺方向に最も突出している部分に切り代を加えた位置に引かれた直線a1で切断した場合の残りの母材50の右側の領域が有効活用領域となる。この方法では、たとえば図2−2に示されるように、母材50の長辺方向に最も突出している部材52の部分に切り代を加えた位置に引かれた直線a2の位置が図2−1と同じである場合には、図2−1と図2−2で配置結果が異なっても有効活用領域の面積は同じ大きさになる場合もある。
また、図2−3は、所定の長さ以上の凹凸を基準として階段状(凹凸状)に母材50を切断することを前提に有効活用領域を求める場合を示している。この場合、配置された部材52に切り代を加えた階段状の線a3で切断した残りの母材50の部分が有効活用領域となる。さらに、図2−4は、図2−3と同様に部材52a〜52cに所定の長さ以上の凹凸がある場合に、切断される部分に凹部を作らない凹部分短絡状に母材を切断することを前提に有効活用領域を求める場合を示している。この場合、階段状(凹凸状)に母材50を切断する場合には、図中の領域R110において、部材52bと部材52cとの間に作られるはずの凹部をなくし、この部分を直線状に結んだ線a4で切断する。この線a4の右側の残りの母材50の部分が有効活用領域となる。さらにまた、矩形の有効活用領域の面積を認識する際に、たとえば面積が所定値よりも大きくても、1辺が所定の長さ以下の細長い矩形の場合は有効とみなさないなどの判断基準を設けてもよい。また、その面積の大きさの判断において、面積そのものの絶対値の大きさで判断するだけでなく、母材50の板全体の面積に対する比率で判断する方法を用いてもよいし、他の方法を用いてもよい。
配置間隔変更部16は、部材間の配置間隔を所定の値だけ増減させた間隔値を、歩留り優先ネスティング部12に設定する機能を有する。具体的には、最初のネスティング配置処理結果の後、または分散配置結果判定部17によってさらに分散配置が可能と判定された場合に、該判定の際に設定されている部材間の間隔値に所定の値dを加えた値を新たな部材間の間隔値として設定して歩留り優先ネスティング部12に出力する。また、分散配置結果判定部17によって分散配置が不可能であると判定された場合に、該判定の際に設定されている部材間の間隔値から所定の値dを差し引いた値を新たな部材間の間隔値として設定して歩留り優先ネスティング部12に出力する。
分散配置結果判定部17は、各母材についての歩留り優先ネスティング部12による再配置処理の結果使用された母材の枚数が適切な枚数か否かを判定する機能を有する。具体的には、再配置処理の結果、該当する母材に最初に配置された種類の部材が全て1枚の母材に収まっているか否か、すなわち1枚の母材に新たな再配置条件で対象となる部材が配置されたか否かを判定する。判定の結果は、配置間隔変更部16に出力される。
図形データ格納部11は、母材と部材のサイズや材質、形状などに関する図形データを格納する。この図形データは、入力部18から使用者によって入力されたり、予め設定されていたりする。
入力部18は、図形配置装置10に所定の命令や図形データなどを入力する機能を有するもので、キーボードや、マウスなどのポインティングデバイスなどによって構成される。出力部19は、図形配置装置10によって生成された図形の配置結果などを表示出力する機能を有するもので、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示装置のほか、プリンタなどの印刷装置によって構成される。
つぎに、この発明にかかる図形配置方法の処理手順について説明する。図3は、この発明にかかる図形配置方法の実施の形態1の処理の一例を示すフローチャートである。まず、使用者によって、必要な部材の種類(サイズなど)や個数などの必要部材情報の入力が入力部18を介して行われる(ステップS11)。ついで、配置する部材の隣り合う最小の間隔値(初期設定間隔値)Dを設定する(ステップS12)。この間隔値Dは、装置に予め設定されているものであってもよいし、配置処理を行うたびに使用者が入力部18から設定するものであってもよい。その後、歩留り優先ネスティング部12は、初期設定間隔値Dを用いてステップS11で入力された部材について、歩留り優先のネスティング処理を実施する(ステップS13)。歩留り優先ネスティング部12は、この歩留り優先のネスティング処理によって得られる全ての母材枚数Nと、各母材に配置された部材の種類と個数である母材配置結果情報をネスティング結果格納部13に記憶する(ステップS14)。
この後、ネスティング結果格納部13に格納された母材に対して1枚目からN枚目(Nは自然数)まで1枚ずつ順に分散配置処理を行う。なお、以下の説明では、母材を識別する符号としてn(1≦n≦N)を用いるものとする。まず、分散配置母材枚数計数部14は、分散配置処理する母材nとして、1枚目の母材を設定する(ステップS15)。ついで、再配置可能領域設定部15は、1枚目の母材の有効活用領域の面積を確認し(ステップS16)、この有効活用領域の面積が所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS17)。ここでは、有効活用領域の面積が有るとみなされるか否かを判定する。
判定の結果、有効活用領域の面積が有ると判定された場合(ステップS17でYesの場合)には、再配置可能領域設定部15は、母材から有効活用領域を除いた部分を新たに部材の再配置を行う再配置可能領域に設定する(ステップS18)。一方、判定の結果、有効活用領域の面積がないと判定された場合(ステップS17でNoの場合)には、現在の母材をそのまま再配置可能領域に設定する(ステップS19)。その後またはステップS18の後、配置間隔変更部16は、再配置する部材の隣り合う間隔を所定値dだけ増加させたD+dを新たな間隔値Dとして設定する(ステップS20)。ついで、歩留り優先ネスティング部12は、ネスティング結果格納部13に格納されている母材配置結果情報からn枚目(ここでは、1枚目)の母材について使用されている部材の種類と個数を抽出し、ステップS20で設定された新たな間隔値D(=D+d)を用いて歩留り優先のネスティング処理を行う(ステップS21)。ついで、分散配置結果判定部17は、ステップS21で求められたネスティング処理の結果が1枚の母材に収まりきったか否かを判定する(ステップS22)。1枚の母材に収まりきった場合(ステップS22でYesの場合)には、さらに部材を分散して配置することができないかを調べるため、ステップS20に戻り、再びステップS20からの分散配置処理を行う。
一方、ステップS22で、間隔Dを広げすぎてしまって1枚の母材に収まらなくなってしまった場合(ステップS22でNoの場合)には、配置間隔変更部16は、再配置する部材の隣り合う間隔を所定値dだけ減らしたD−dを新たな間隔値Dとして設定する(ステップS23)。その後、歩留り優先ネスティング部12は、ステップS23で設定された間隔値D(=D−d)を用いて歩留り優先のネスティング処理を行い(ステップS24)、この結果をn枚目の母材の再配置後のネスティング処理の結果としてネスティング結果格納部13に格納する(ステップS25)。つまり、再配置可能領域内に対象となる全ての部材が収まった最後の状態を求め、これを分散配置させた母材のネスティング処理の結果として設定する。
ついで、分散配置母材枚数計数部14は、母材の識別符号nを1増加させ(ステップS26)、新たに設定したnがステップS14で記憶した母材枚数Nよりも大きいか否かを判定する(ステップS27)。nが母材枚数N以下の場合(ステップS27でNoの場合)には、ステップS16に戻り、n枚目の母材についての部材の再配置処理を行う。また、nが母材枚数Nよりも大きい場合(ステップS27でYesの場合)には、全ての母材についての部材の再配置処理が終了したことになるので、図形配置の処理が終了する。
ここで、上述した図3の図形配置方法の処理の流れについて、具体的な例を挙げて説明する。まず、使用者によって、切り出す部材の種類(形状)や個数を含む必要部材情報が入力部18から入力され(ステップS11)、初期設定間隔値Dとして3mmが設定されるものとする(ステップS12)。この部材間の初期設定間隔値Dは、たとえばレーザ加工機を用いて母材から部材を切断する場合には、ピアスラインの長さによって求められる。ついで、歩留り優先ネスティング部12によって、必要部材情報と初期設定間隔値D=3mmとを用いて歩留まり優先のネスティング配置処理が実行される(ステップS13)。図4は、必要とする部材を母材に初期設定間隔値Dで歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。この図に示されるように、8種類の部材51A〜51Hが2枚の母材に配置されているので、使用された母材枚数Nは「2」となり、また、それぞれの母材50A,50Bに配置されている部材51A〜51Hの種類とそれぞれの個数がネスティング結果格納部13に格納される(ステップS14)。
ついで、分散配置母材枚数計数部14は、1枚目の母材50Aについて分散配置処理を行うように設定し(ステップS15)、再配置可能領域設定部15によってその母材50Aの有効活用領域の面積が求められる。図4に示されるように、1枚目の母材50Aには右上の角部付近に若干のスペース(領域)R111が存在する。しかし、ここではこの有効活用領域(R111)に他の部材を配置することができるだけの面積が確保できないとして有効活用領域の面積として必要な判断値に満たない、すなわち有効活用領域の面積はないと判断する。その結果、再配置可能領域として、元の母材50Aの全面が設定される(ステップS15〜S19)。
ついで、配置間隔変更部16は、1枚目の母材50Aに対して、初期設定間隔値Dにd=1mm加えた値(4mm)を新たな間隔値Dに設定して(ステップS20)、歩留り優先ネスティング部12は、再び歩留り優先のネスティング配置処理を実行する(ステップS21)。そして、分散配置結果判定部17は、この結果に基づいて、図4の1枚目の母材50Aに配置されている全ての部材が1枚の母材に配置できたか否かを判定する(ステップS22)。図5は、図4の1枚目の母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。図4では1枚目の母材50Aには、合計11個の部材51B〜51E,51G,51Iが配置されているが、図5では1枚目の母材50に10個の部材51B〜51E,51G,51Iが配置され、残りの部材51Dが2枚目の母材50に配置されてしまっている。つまり、間隔値Dが4mmの場合には合計11個の部材51B〜51E,51G,51Iが1枚の母材50に収まりきらなくなってしまう。ここでは、分散配置結果判定部17は、全ての部材が1枚の母材に配置できないと判定する(ステップS22でNoの場合)ので、判断時における間隔値Dの直前の間隔値、すなわち所定値d(1mm)だけ広げる前の間隔値における配置を採用するため、配置間隔変更部16によって部材間の間隔値が1mm減算された間隔値D=3mmで、歩留り優先ネスティング部12は再び歩留り優先ネスティング処理を行う(ステップS23〜S24)。これによって、図4の1枚目の母材50Aの配置が得られ、これを1枚目の母材50Aの再配置後の結果として採用する(ステップS25)。
つぎに、分散配置母材枚数計数部14は、n=2、すなわち2枚目の母材についての分散配置処理を実行するように設定する(ステップS26〜S27)。これにより、再配置可能領域設定部15は、ネスティング結果格納部13に格納されている2枚目の母材50Bの母材配置結果情報を用いて有効活用領域の面積を確認する(ステップS16)。2枚目の母材50Bは、図4に示されるように、右側部分に部材の配置されていない領域が存在する。そこで、たとえば、有効活用領域の面積を直線で切断した結果を用いて判断するとした場合、図6−1に示されるように、直線a5の右側の斜線部分が有効活用領域の面積の判断部分となる。この図6−1の斜線部分の面積が有効活用領域の面積の判断値以上であれば、有効活用領域の面積は有ると判断され、図6−2に示されるように再配置可能領域として、母材50Bから図6−1の斜線部分である有効活用面積を除いた領域50Cを設定し(ステップS17,S19)、以後の分散配置処理を行う。しかし、ここでは、図6−1の斜線部分の面積が有効活用領域の面積の判断値に満たないと判断されたものとする(ステップS17)。つまり、再配置可能領域は、元の母材50Bの大きさであるとする(ステップS18)。
その後、間隔値Dを順次増加させて歩留り優先のネスティング配置を行うステップS20〜S22を何度か繰り返して実行し、部材間の間隔値Dが11mmの場合の配置が図7−1のようになったとする。この時点では、2枚目の母材50Bに配置される11個の部材51A,51B,51D,51F,51Hは全て1枚の母材50に収まっている。その後、配置間隔変更部16は部材間の間隔をさらに1mm増加させて、間隔値Dを12mmとして(ステップS20)、歩留り優先ネスティング部12は歩留り優先のネスティング処理を行う(ステップS21)。この結果が図7−2のようになったとする。つまり、11個の部材51A,51B,51D,51F,51Hのうち10個の部材51A,51B,51D,51F,51Hは1枚の母材50に配置され、残り1個の部材51Aは2枚目の母材50に配置されてしまったとする。これにより、分散配置結果判定部17は、1枚の母材50に全ての部材を配置できなかったと判断し(ステップS22でNoの場合)、配置間隔変更部16によって部材間の間隔値が1mm減算され(ステップS23)、1枚の母材50に配置できた最も広い間隔値である11mmで、歩留り優先ネスティング部12による歩留り優先のネスティング配置処理を再度実施する(ステップS24)。つまり、ここでは図7−1に示される配置結果が得られ、この結果を2枚目の再配置後の結果として採用する(ステップS25)。その後、分散配置母材枚数計数部14は、3枚目の処理を行うように設定するが(ステップS26)、ステップS13で使用された母材枚数Nとして「2」が設定されているので、分散配置処理が終了する。以上の分散配置処理の結果として、1枚目の母材50Aとして図4の1枚目の母材の配置結果が得られ、2枚目の母材50Bとして図7−1の分散配置結果が得られる。
なお、上述した説明のステップS17では、有効活用領域の面積の判断値との比較で、再配置可能領域の面積を判断したが、たとえば母材全体に対する配置の歩留り率の数値を用いて判断してもよい。図8−1は、6種類の部材を歩留り優先でネスティング配置処理した結果の一例を示す図であり、図8−2は、母材に配置された各種類の部材の面積を示す図であり、図8−3は、図8−1の各母材における歩留り率の計算結果を示す図である。図8−2に示される部材53A〜53Fが、図8−1に示されるように同じ大きさの3枚の母材50A〜50Cに配置されている。ここで、各部材53A〜53Fの面積は、それぞれ50cm2,40cm2,60cm2,45cm2,130cm2,35cm2であり、母材50A〜50Cの面積は1000cm2であるとする。この場合、図8−3に示されるように1枚目の母材50Aは歩留り率62%であり、2枚目の母材50Bは歩留り率64.5%であり、3枚目の母材50Cは歩留り率3.5%となる。ここで、単純に歩留り率が55%以上の場合に有効活用領域の面積がないと判断し、歩留り率が55%より小さい場合に有効活用領域の面積があると判断する場合、1枚目と2枚目の母材50A,50Bが、もうそれ以上部材を配置できない配置完了材、すなわち再配置可能領域が元の母材全面であると判断される。また、3枚目の母材50Cが、さらに部材を配置することができる配置可能材で、再配置可能領域が元の母材50Cから有効活用領域の面積を減算した領域となる。
また、上述した説明のステップS20,S23において、間隔値を増加または減少させていく度合dを1mmごとにしているが、配置計算には時間がかかるので、コンピュータの処理能力に応じてその値を調整してもよい。
さらに、図4〜図7−2の母材の周縁部に所定の間隔で部材が配置されていない領域R120が設けられているが、これは母材の周縁部に錆びや変質などが存在する可能性を想定して設けられるものであるので、設けなくてもよい。この場合には、再配置可能領域がその領域R120の分だけ広くなる。
この実施の形態1によれば、必要な部材の配置位置の計算を通常の間隔値で実行した後で、母材の中に部材が配置されない領域がある場合に、その領域を部材間の間隔を広げるためのスペースとして使用して、母材上に部材を分散配置するようにしたので、配置結果に基づく加工装置による加工時におけるひずみの蓄積を防止することができる。この結果、部材が波打ったりするなどの品質問題を防止することができるという効果がある。
実施の形態2.
実施の形態1では、部材間の間隔値を徐々に広げていき、歩留り優先のネスティング計算を繰り返し実行して、部材が1枚の母材に収まらずあふれてしまった時点で、その一つ前の間隔値に戻してもう一度歩留り優先のネスティング計算をやり直していた。この場合、同じ間隔値で同じ計算を2回実行することになり、処理に時間がかかってしまう。そこで、この実施の形態2では、常に一つ前の間隔値で行ったネスティング計算結果を記憶しておくようにして、部材の分散配置処理を行うようにしている。この実施の形態2における図形配置装置の構成は、実施の形態1の図1に示されるものと同一であるのでその説明を省略する。ただし、ここでは、ネスティング結果格納部13は、歩留り優先ネスティング部12によって計算された配置結果を、つぎの間隔値で計算される配置結果が分散配置結果判定部17によって所定の条件を満たすと判定されるまで格納する機能をさらに備える。なお、この配置結果は、ネスティング結果格納部13に格納するのではなく、別に記憶部を設けてそこに記憶させるようにしてもよい。また、特許請求の範囲における記憶手段は、ネスティング結果格納部13または配置結果を記憶するための記憶部に対応している。
図9は、この発明にかかる図形配置方法の実施の形態2の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、実施の形態1の図3で説明したステップS11〜S19と同じ処理を行って、各母材における再配置可能領域を設定する(ステップS41〜S49)。すなわち、入力された必要部材情報と設定した初期設定間隔値Dで歩留り優先のネスティング配置処理を行い、その結果から使用された母材枚数Nと各母材に配置される部材の種類と個数を含む母材配置結果情報を求めて、1枚目(n枚目)の母材の有効活用領域から再配置可能領域を設定する。
ついで、歩留り優先ネスティング部12は、n枚目の母材の初期設定間隔値Dで行った歩留り優先のネスティング配置結果をネスティング結果格納部13に記憶させる(ステップS50)。その後、実施の形態1の図3で説明したステップS20〜S22と同じ処理を行って、部材間の間隔値Dを広げた状態で、n枚目の母材に部材が配置されるか否かを判定する(ステップS51〜S53)。つまり、配置間隔変更部16によって部材間の間隔値Dを所定の値dだけ広げられた新たな間隔値D(=D+d)と、母材配置結果情報から抽出したn枚目の母材について使用されている部材の種類と個数とを用いて、歩留り優先ネスティング部12は歩留り優先でのネスティング配置処理を、対象となる部材が1枚の母材に収まりきらなくなるまで行う。
その後、分散配置結果判定部17は、1枚の母材に部材が収まりきらないと判定した場合(ステップS53でNoの場合)には、ステップS50で記憶していた間隔値Dでの母材の配置、すなわち1枚の母材に部材が収まりきらなくなる直前の間隔値Dでの母材の配置を、再配置後の結果に設定する(ステップS54)。そして、分散配置母材枚数計数部14は、ステップS44で記憶した全ての母材枚数について再配置後の結果を取得するまで、上述したステップS46からの分散配置処理を繰り返し実行する(ステップS55、ステップS56でNoの場合)。そして、つぎの母材が存在しない場合(ステップS56でYesの場合)には、分散配置処理が終了する。
この実施の形態2によれば、実施の形態1の効果に加えて、所定の数の部材を1枚の母材に配置した結果を記憶する処理を、部材が1枚の母材に収まらずにあふれるまで部材間の間隔値を順次増加させながら行うようにしたので、再配置の結果を得る際に、実施の形態1のように一つ前の間隔値に戻してもう一度歩留り優先でのネスティング処理をやり直す必要がなく、記憶された一つ前の間隔値で得られた配置処理結果を再配置の結果として採用すればよい。これにより、無駄な計算処理は行わずに済むという効果を有する。
実施の形態3.
実施の形態1では、各母材に配置された部材を、母材ごとに部材間の間隔を増加させて分散配置を行ったが、図4の1枚目の母材から判るように、コーナ部近傍の小さな領域(スペース)R111が残ったまま配置が完了してしまう場合があった。そこで、この実施の形態3では、母材のコーナ部近傍のスペースも分散配置に有効に使用することができる図形配置装置と図形配置方法について説明する。
図10は、この発明にかかる図形配置装置の実施の形態3の構成を模式的に示すブロック図である。この図形配置装置10Aは、実施の形態1の図形配置装置10において、母材のコーナ近傍の部材を選択するコーナ部材選択部21と、コーナ部材選択部21にて選択された部材をコーナ最外端に平行移動させるコーナ部材再配置部22とをさらに備える構成となっている。
コーナ部材選択部21は、使用者によって入力された必要な部材について予め設定された部材間の初期設定間隔値Dで行った歩留り優先のネスティング配置処理により得られる結果を用いて、母材のコーナ近傍に配置された部材を、各コーナにつき1つ選択する機能を有する。なお、コーナ近傍に配置された部材の選択方法として、コーナからの距離が最も短いものを選択する方法や、対象とするコーナを通る対角線に垂直な直線からの距離が最も短いものを選択する方法などを使用することができる。
コーナ部材再配置部22は、コーナ部材選択部21によって選択された各コーナ近傍に配置されている部材を、各コーナの端部に平行移動して固定配置する機能を有する。つまり、初期設定間隔値Dを用いて歩留り優先でネスティング配置処理された結果コーナ近傍に配置された部材を、その配置状態のまま向きを変えずにコーナに移動させて固定する。なお、母材に有効活用領域が存在しない場合には、母材そのものが再配置可能領域であるので「コーナ」は元の母材のコーナを意味するが、母材に有効活用領域が存在する場合には、母材から有効活用領域を除去した部分が再配置可能領域であるので、「コーナ」は元の母材のコーナではなく再配置可能領域のコーナを意味する。
また、歩留り優先ネスティング部12は、各母材について分散配置を行う際の歩留り優先ネスティング処理において、コーナ部材再配置部22によって各コーナに配置された部材を移動させずに、その位置に固定した状態のまま歩留り優先のネスティング処理を行う点が、実施の形態1の場合と異なる。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略している。
図11は、この発明にかかる図形配置方法の実施の形態3の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、実施の形態1の図3で説明したステップS11〜S19と同じ処理を行って、各母材における再配置可能領域を設定する(ステップS71〜S79)。すなわち、入力された必要部材情報と設定した初期設定間隔値Dで歩留り優先のネスティング配置処理を行い、その結果から使用された母材枚数Nと各母材に配置される部材の種類と個数を含む母材配置結果情報を求めて、1枚目(n枚目)の母材の有効活用領域から再配置可能領域を設定する。
ついで、コーナ部材選択部21は、再配置可能領域の各コーナの近傍に配置された部材を所定の方法で選択し(ステップS80)、コーナ部材再配置部22は、コーナ部材選択部21によって選択された部材を再配置可能領域内における各コーナの最外端部まで平行移動させて配置する(ステップS81)。
その後、n枚目の母材に対して、配置間隔変更部16は間隔値Dに所定値dを加えた値D+dを新たな間隔値Dに設定して(ステップS82)、歩留り優先ネスティング部12は、n枚目の母材について使用されている部材の種類と個数を母材配置結果情報から抽出し、再配置可能領域の各コーナに配置した部材は固定したまま新たな間隔値D(=D+d)を用いて再び歩留り優先のネスティング配置処理を実行する(ステップS83)。その結果に基づいて、分散配置結果判定部17は、全ての部材が1枚の母材に配置できたか否かを判定する(ステップS84)。全ての部材が1枚の母材に配置できたと判断された場合(ステップS84でYesの場合)には、再びステップS82へと戻り、間隔値Dの値を所定値dだけ増加させて、上記した処理を繰り返し実行する。また、全ての部材が1枚の母材に配置できなかったと判断された場合(ステップS84でNoの場合)には、配置間隔変更部16は、直前の配置を採用するため、間隔値Dとして部材間の間隔を所定値dだけ減算した値D−dを新たな間隔値Dとして設定する(ステップS85)。ついで、歩留り優先ネスティング部12は、再配置可能領域の各コーナに配置した部材は固定したままの状態で再び歩留り優先のネスティング処理を行う(ステップS86)。これによって、n枚目の母材の配置が得られ、これをn枚目の母材の再配置後の結果として採用する(ステップS87)。
ついで、分散配置母材枚数計数部14は、母材の識別符号nを1増加させ(ステップS88)、新たに設定したnが母材枚数Nよりも大きいか否かを判定する(ステップS89)。nが母材枚数N以下の場合(ステップS89でNoの場合)には、ステップS76に戻り、n枚目の母材についての上述した部材を分散させた再配置処理を行う。また、nが母材枚数Nよりも大きい場合(ステップS89でYesの場合)には、全ての母材についての部材の再配置処理が終了したことになるので、図形配置の処理が終了する。
以上説明したように、この実施の形態3では、最初のネスティング処理によって各母材に配置された部材の種類と個数は固定で、各母材についてコーナ近傍の部材のみ再配置可能領域のコーナ端部に固定配置し、その他の部材については実施の形態1と同様に間隔を増加させながら分散配置を行うものである。
ここで、上述した図11の図形配置方法の処理の流れについて、具体的な例を挙げて説明する。ここでは、実施の形態1と同様に、ステップS71〜S79までの処理によって、図4に示される歩留り優先のネスティング配置処理結果が得られ、1枚目の母材について有効活用領域の面積がなく母材全体が再配置可能領域に設定されたものとする。ついで、コーナ部材選択部21は、図4の1枚目の母材に配置されている部材のうち各コーナの近傍に配置されている部材として、母材50の左上端部の部材51C、同じく左下端部の部材51I、同じく右上端部の部材51E、同じく右下端部の部材51Gを選択する(ステップS80)。
図12−1〜図12−2は、コーナ部材選択部による部材の選択方法の一例を示す図である。ここでは、図4の2枚目の母材50Bについての各コーナ近傍の部材を求める場合を例示している。図12−1は、各コーナを通る対角線に垂直な直線からの距離にて判断する方法であり、矩形状の再配置可能領域には対角線A1,A2が引かれ、これらの対角線A1,A2のそれぞれに垂直な直線a11,a12,a13,・・・,a21,a22,a23,・・・が所定の間隔で引かれる。なお、この説明では、歩留り優先ネスティング部12による配置処理は左下部を基準にして配置を行うようにしているものとする。右上コーナ近傍における部材を選択する場合には、コーナ部材選択部21は、対角線A1のコーナから所定の間隔で引かれた直線a1i(iは任意の自然数)のうち部材51A〜51Hと最初に接触するまたは交わる直線(図12−1の場合には直線a19)を求め、この直線(a19)に接触または交わる部材51B2をコーナ部に配置する部材として選択する。同様にして、図12−1においては、左上コーナ近傍では部材51H2が選択され、左下コーナ近傍では部材51D2が選択され、右下コーナ近傍では部材51A2が選択される。
図12−2は、各コーナからの距離によってコーナに最も近い部材を判断する方法であり、矩形状の再配置可能領域には、各コーナを中心とする円弧B11,B12,B13,・・・,B21,B22,B23,・・・が所定の間隔で同心円状に描かれている。コーナ部材選択部21は、それぞれのコーナについて、これらの円弧のうち部材と最初にコーナ側で接触または交わる最も半径の小さい円弧を求め、この円弧に接触または交わる部材をコーナ部に配置する部材として選択する。この方法によっても、図12−1の場合と同様に、右上コーナ近傍では部材51B2が選択され、左上コーナ近傍では部材51H2が選択され、左下コーナ近傍では部材51D2が選択され、右下コーナ近傍では部材51A2が選択される。
ついで、コーナ部材再配置部22は、1枚目の母材50Aから選択した部材51E1,51C1,51G1を対応するコーナにそれぞれ平行移動させる(ステップS81)。ただし、この例では左下コーナ近傍の部材51I1は、ネスティング配置処理の基準として設定されているために、常に最外端に配置されているので、今回の場合は平行移動する必要がない。もちろん、ネスティング処理の基準が左下でない場合は、左下コーナの移動処理を行う必要がある。図13は、図4において各コーナ近傍に配置されている部材を再配置可能領域の各コーナに平行移動させた状態を示す図である。
その後、配置間隔変更部16は、1枚目の母材に対して、初期設定間隔値Dに所定値d=1mmを加えた値(4mm)を新たな間隔値Dに設定して(ステップS82)、歩留り優先ネスティング部12は、各コーナに配置された部材を固定した状態で歩留り優先のネスティング配置処理を行う(ステップS83)。図14−1は、図13の1枚目の母材に対して部材間の間隔値4mmで歩留り優先のネスティング処理を行った結果を示す図である。この図に示されるように、全ての部材は1枚に収まったものとする(ステップS84)。その結果、さらに間隔値Dにd=1mmを加えた値の5mmを新たな間隔値Dに設定して同様に歩留り優先のネスティング処理を行う。図14−2は、1枚目の母材に対して部材間の間隔値5mmで歩留り優先のネスティング処理を行った結果を示す図である。この図に示されるように、1つの部材51Gが1枚の母材50に収まりきらずに別の母材50に配置され、合計2枚の母材50が必要となってしまった。そこで、分散配置結果判定部17は全ての部材が1枚の母材50に配置できなかったと判定し(ステップS84でNoの場合)、間隔値を所定値d(=1mm)だけ広げる1つ前の段階での配置を採用するため、配置間隔変更部16は部材間の間隔値を1mm減算した間隔値D=4mmに設定し、歩留り優先ネスティング部12はこの間隔値Dで再び歩留り優先ネスティング処理を行う(ステップS85〜S86)。これによって、図14−1の母材50Aの配置が得られ、これを1枚目の母材50Aの再配置後の結果として採用する(ステップS87)。
つぎに、分散配置母材枚数計数部14は、n=2、つまり2枚目の母材50Bについての分散配置処理を実行するように設定する(ステップS88〜S89)。その後、再配置可能領域設定部15は、ネスティング結果格納部13に格納されている2枚目の母材50Bの母材配置結果情報を用いて有効活用領域の面積を確認する(ステップS76)。2枚目の母材50Bは、図4に示されるように、右側部分に部材の配置されていない領域が存在するが、この例では、その部分の面積が有効活用領域の面積の判断値に満たないと判断されたものとして(ステップS77)、再配置可能領域は元の母材50Bの大きさであるとする(ステップS78)。
コーナ部材選択部21は、各コーナ近傍に存在する部材として、部材51B2,51H2,51A2を選択し、コーナ部材再配置部22は、それぞれの部材51B2,51H2,51A2を各コーナの最外端まで平行移動させる。そして、ステップS82〜S84の歩留り優先のネスティング処理を何度か繰り返して実行し、部材間の間隔値Dが17mmの場合の配置が図15−1のようになったとする。この時点では、2枚目の母材50Bに配置される11個の部材51A,51B,51D,51F,51Hは全て1枚の母材50Bに収まっている。その後、配置間隔変更部16は、部材間の間隔値Dを1mm増加させて18mmとして(ステップS82)、歩留り優先ネスティング部12は、同様に歩留り優先のネスティング処理を行う。その結果が図15−2のようになったとする。つまり、11個の部材のうち10個の部材は1枚の母材50に配置されたが、残り1個の部材51Bは2枚目の母材50に配置されてしまったとする。これにより、分散配置結果判定部17は1枚の母材に全ての部材を配置できなかったと判断し(ステップS84でNoの場合)、配置間隔変更部16は間隔値Dを1mm減算する(ステップS85)。そして、歩留り優先ネスティング部12は、1枚の母材に配置できた最も広い間隔値である17mmで再度、コーナ部に部材を固定した状態で歩留り優先のネスティング配置処理を実施する(ステップS86)。つまり、ここでは図15−1に示される配置結果が得られ、この結果を2枚目の再配置後の結果として採用する(ステップS87)。その後、分散配置母材枚数計数部14は、3枚目の処理を行うように設定するが(ステップS88)、ステップS73で使用された母材枚数Nとして「2」が設定されているので、これ以上分散配置処理を行う母材が存在しないので、分散配置処理が終了する。以上の分散配置処理の結果として、1枚目の母材として図14−1の1枚目の母材50Aの配置結果が得られ、2枚目の母材50Bとして図15−1の分散配置結果が得られる。
この実施の形態3によれば、部材の配置位置の計算が完了した後で、母材の中の余っている部分に部材を固定させて配置し、残りの部材について歩留り優先でのネスティング配置処理を行うことで、配置結果に基づく加工装置による加工時におけるひずみの蓄積を防止することができる。この結果、部材が波打ったりするなどの品質問題を防止するという効果を有する。
また、上記図4、図12−1〜図15−2を用いた具体例の説明に対応する実施の形態1では、1枚目の母材50Aの間隔値Dは3mm、2枚目の母材50Bの間隔値Dは11mmで分散配置が行われたのに対して、同じ母材、部材について、この実施の形態3では、1枚目の母材の間隔は4mm、2枚目の間隔の母材は17mmとなり、明らかに実施の形態3の方が、配置される部材の分散度合いが向上していることが判る。つまり、実施の形態1で活用できなかったコーナ近傍のスペースを活用することによって、さらに分散度合いを向上することができるという効果も有する。
実施の形態4.
実施の形態3では、再配置領域の各コーナに部材を固定した状態で部材間の間隔値を徐々に広げていき、歩留り優先のネスティング計算を繰り返し実行して、部材が1枚の母材に収まらずにあふれてしまった時点で、その一つ前の間隔値に戻してもう一度歩留り優先のネスティング計算をやり直していた。この場合、同じ間隔値で同じ計算を2回実行することになり、処理に時間がかかってしまう。そこで、この実施の形態4では、常に一つ前の間隔値で行ったネスティング計算結果を記憶して分散配置処理を行うようにしている。この実施の形態4における図形配置装置の構成は、実施の形態3の図10に示されるものと同一であるのでその説明を省略する。ただし、ここでは、ネスティング結果格納部13は、歩留り優先ネスティング部12によって計算された配置結果を、つぎの間隔値で計算される配置結果が分散配置結果判定部17によって所定の条件を満たすと判定されるまで格納する機能をさらに備える。なお、この配置結果は、ネスティング結果格納部13に格納するのではなく、別に記憶部を設けてそこに記憶させるようにしてもよい。また、特許請求の範囲における記憶手段は、ネスティング結果格納部13または配置結果を記憶するための記憶部に対応している。
図16は、この発明にかかる図形配置方法の実施の形態4の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、実施の形態3の図11で説明したステップS71〜S81と同じ処理を行って、各母材における再配置可能領域の各コーナに最も近い部材を選択し、各コーナの最外端に平行移動させて配置する(ステップS101〜S111)。すなわち、入力された必要部材情報と設定した初期設定間隔値Dで歩留り優先のネスティング配置処理を行い、その結果から使用された母材枚数Nと各母材に配置される部材の種類と個数を含む母材配置結果情報を求めて、1枚目(n枚目)の母材の有効活用領域から再配置可能領域を設定した後に、再配置可能領域の各コーナに最も近い部材を選択し、各コーナの最外端に平行移動させて配置する。
ついで、歩留り優先ネスティング部12は、n枚目の母材の初期設定間隔値Dで行った歩留り優先のネスティング配置結果をネスティング結果格納部13に記憶させる(ステップS112)。その後、実施の形態3の図11で説明したステップS82〜S84と同じ処理を行って、部材間の間隔値Dを広げた状態で、1枚目の母材に部材が配置されるか否かを判定する(ステップS113〜S115)。つまり、部材間の間隔値Dを所定の値dだけ広げて設定された新たな間隔値D(=D+d)と、母材配置結果情報から抽出したn枚目の母材について使用されている部材の種類と個数とを用いて、再配置可能領域の各コーナに部材を固定した状態における歩留り優先でのネスティング配置処理を行い、その配置結果が1枚の母材に収まりきらなくなるまで行う。
その後、分散配置結果判定部17によって、対象となる部材が1枚の母材に収まりきらないと判定された場合(ステップS115でNoの場合)には、分散配置結果判定部17は、ステップS112で記憶していた間隔値Dでの母材の配置、すなわち1枚の母材に部材が収まりきらなくなる直前の間隔値Dでの母材の配置を、再配置後の結果に設定する(ステップS116)。そして、分散配置母材枚数計数部14は、つぎの母材が存在する場合(ステップS117、ステップS118でNoの場合)には、再びステップS106へと戻りつぎの母材について分散配置処理を行い、つぎの母材が存在しない場合(ステップS118でYesの場合)には、分散配置処理が終了する。
この実施の形態4によれば、実施の形態3の効果に加えて、所定の数の部材を1枚の母材に配置した結果を記憶する処理を、部材が1枚の母材に収まらずにあふれるまで部材間の間隔を順次増加させながら行うようにしたので、再配置の結果を得る際に、実施の形態3のように一つ前の間隔値に戻してもう一度歩留り優先でのネスティング処理をやり直す必要がなく、記憶された一つ前の間隔で得られた配置処理結果を再配置の結果として採用すればよい。
実施の形態5.
実施の形態1では、各母材に配置された部材を、母材ごとにすなわち1枚の母材ずつ、部材間の間隔を増加させて分散配置を行ったが、この実施の形態5では、全母材に対し一括して部材間の間隔を増加させて分散配置を行う場合を説明する。
図17は、この発明にかかる図形配置装置の実施の形態5の概略構成を示すブロック図である。この図形配置装置10Bは、母材と母材から切り出される部材の形状などの情報である図形データを格納する図形データ格納部11と、母材に対して歩留り率優先で部材のネスティング配置処理を行う歩留り優先ネスティング部12と、使用された全ての母材の枚数と各母材の使用状況を確認する配置母材状態確認部23と、使用された母材の枚数に基づいて適切な配置か否かを判断する母材枚数比較判断部24と、母材の使用状況を比較し適切な配置か否かを判断する母材使用状況比較判断部25と、分散配置するための配置間隔を変更する配置間隔変更部16と、この装置の使用者による各種のデータの入力を行う際のインタフェースとなる入力部18と、配置結果などを表示したり印刷したりする出力部19と、これらの各処理部を制御する制御部20と、を備えて構成される。なお、実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略している。
配置母材状態確認部23は、歩留り優先ネスティング部12によって計算された配置結果に基づいて、部材が配置される全ての母材枚数Nと、各母材における母材の使用状況である有効活用領域の面積の全ての母材についての総和Sとを求め、これらを配置母材状態情報として保持する機能を有する。以下では、最初に使用者によって入力された必要部材情報に基づいて初期設定間隔値Dを用いて歩留り優先でネスティング配置処理された母材枚数と有効活用領域の面積の総和をそれぞれN0,S0と表記し、初期設定間隔値Dよりも間隔を広げた状態で歩留り優先のネスティング配置処理によって得られる母材枚数と有効活用領域の面積の総和をそれぞれN1,S1と表記するものとする。
母材枚数比較判断部24は、配置間隔変更部16によって部材間の配置間隔を広げた後の歩留り優先のネスティング配置処理された結果得られる配置母材状態情報中の母材枚数N1と、初期設定間隔値Dを用いて歩留り優先のネスティング処理によって得られる母材枚数N0とを比較し、部材間の配置間隔を広げたことにより使用した母材枚数が増加したか否かを判定する機能を有する。判定の結果、母材枚数が増加した場合(N1>N0の場合)には、配置間隔を広げた処理は不適切である旨の情報を配置間隔変更部16に出力する。また、母材枚数に変化がない場合(N1=N0の場合)には、配置間隔を広げた処理は適切である旨の情報を母材使用状況比較判断部25に出力する。
母材使用状況比較判断部25は、配置間隔変更部16によって部材間の配置間隔を広げた後に歩留り優先のネスティング配置処理された結果得られる配置母材状態情報中の有効活用領域の面積の総和S1と、初期設定間隔値Dを用いて歩留り優先のネスティング配置処理によって得られる有効活用領域の面積の総和S0とを比較し、部材間の配置間隔を広げた処理が適切であるか否かを判定する機能を有する。具体的には、初期設定間隔値Dを用いて求められる有効活用領域の面積の総和S0と部材間の配置間隔を広げた後の有効活用領域の面積の総和S1との差が所定値sよりも大きい場合(S0−s>S1の場合)には、部材間の配置間隔を広げすぎであり不適切な配置であると判断し、その旨の情報を配置間隔変更部16に出力する。また、最初に求められる有効活用領域の面積S0と部材間の配置間隔を広げた後の有効活用領域の面積の総和S1との差が所定値s以下の場合(S0−s≦S1の場合)には、配置間隔を広げた処理は適切であり、その配置情報を分散配置後の配置情報として採用する。なお、この母材使用状況比較判断部25は、母材枚数比較判断部24の使用母材枚数の判定の結果、配置間隔を広げた処理が適切である場合にのみ実行される。
つぎに、図形配置方法の処理手順について説明する。図18は、この発明にかかる図形配置方法の実施の形態5の処理の一例を示すフローチャートである。まず、使用者によって、必要な部材の種類(サイズなど)や個数などの必要部材情報の入力が入力部18を介して行われる(ステップS131)。ついで、配置する部材の隣り合う最小の間隔である初期設定間隔値Dを設定する(ステップS132)。この初期設定間隔値Dは、装置に予め設定されているものであってもよいし、配置処理を行うたびに使用者が入力部18から設定するものであってもよい。その後、歩留り優先ネスティング部12は、初期設定間隔値Dを用いてステップS131で入力された部材について、歩留り優先のネスティング処理を実施する(ステップS133)。配置母材状態確認部23は、この歩留り優先のネスティング処理によって得られる部材の配置に使用された全母材の枚数(以下、全使用母材枚数という)N0と、各母材における有効活用領域の面積の総和(以下、有効活用領域総面積という)S0を求め、配置母材状態情報として保持する(ステップS134)。
この後、全母材について一括して分散配置処理を行う。まず、配置間隔変更部16は、再配置する部材の隣り合う間隔値を所定値dだけ増加させたD+dを新たな間隔値Dとして設定する(ステップS135)。ついで、歩留り優先ネスティング部12は、設定された新たな間隔値D(=D+d)を用いて、全ての部材について歩留り優先のネスティング処理を行う(ステップS136)。その後、配置母材状態確認部23は、この歩留り優先のネスティング処理の結果から、全使用母材枚数N1と、有効活用領域総面積S1を求め、配置母材状態情報として保持する(ステップS137)。
ついで、母材枚数比較判断部24は、ステップS134とステップS137で求められた全使用母材枚数N0,N1を比較し、部材間の間隔値をdだけ広げたことにより使用した母材が増加したか否かについて判定する(ステップS138)。間隔を広げた後の全使用母材枚数N1と初期設定間隔値Dを用いて歩留り優先のネスティング配置処理で求められた全使用母材枚数N0とが等しい場合(ステップS138でN1=N0の場合)には、母材枚数比較判断部24はステップS135で間隔値Dを広げたことにより得られる再配置は適切であると判断し、その結果を母材使用状況比較判断部25に出力し、続けて2次判定を行う。
母材使用状況比較判断部25は、間隔を広げた後の有効活用領域総面積S1と初期設定間隔値Dで歩留り優先のネスティング配置処理を行って求められた有効活用領域総面積S0とを比較する(ステップS139)。より具体的には、有効活用領域総面積S0とS1との差分が所定値s以下であるか否かを判定する。有効活用領域の面積の減少が所定値以下である場合(S0−s≦S1、ステップS139でYesの場合)は、母材使用状況比較判断部25はこの再配置は適切であると判断し、再びステップS135に戻り、上述した処理を繰り返し実行する。
ステップS135で母材使用状況比較判断部25は、間隔値Dを広げすぎて有効活用可能面積の減少が所定値よりも大きくなってしまったと判断した場合(S0−s>S1、ステップS139でNoの場合)には、母材使用状況比較判断部25はこの再配置は不適切であると判断する。また、ステップS138で母材枚数比較判断部24は、間隔を広げた後の全使用母材枚数N1が最初に歩留り優先のネスティング配置処理で求められた全使用母材枚数N0よりも大きいと判断した場合(ステップS138でN1>N0の場合)には、母材枚数比較判断部24はステップS135で間隔値Dを広げたことにより得られる再配置は不適切であると判断する。その後またはステップS139でNoの場合には、配置間隔変更部16は、再配置する部材の隣り合う間隔値Dを所定値dだけ減らしたD−dを新たな間隔値Dとして設定する(ステップS140)。その後、歩留り優先ネスティング部12は、ステップS140で設定された間隔値D(=D−d)を用いて歩留り優先のネスティング処理を行い(ステップS141)、母材の再配置後の結果に設定し(ステップS142)、処理が終了する。つまり、全ての部材がN0枚の母材に最後に収まった状態で歩留り優先のネスティング処理を実施し処理を終了する。
ここで、上述した図18の図形配置方法の処理の流れについて、具体的な例を挙げて説明する。まず、使用者によって、切り出す部材の種類(形状)や個数を含む必要部材情報が入力部18から入力され(ステップS131)、初期設定間隔値Dとして3mmが設定される(ステップS132)。歩留り優先ネスティング部12は、この必要部材情報と初期設定間隔値D=3mmとを用いて歩留り優先のネスティング配置処理を実行する(ステップS133)。これにより、図4に示される結果が得られたものとする。配置母材状態確認部23は、この結果から、全使用母材枚数N0として「2」が得られ、有効活用領域総面積としてS0が得られたとする(ステップS134)。なお、図4より1枚目の母材50Aの有効活用領域の面積を「0」とすると、有効活用領域総面積S0は、2枚目の母材50Bの有効活用領域である図6−1の斜線部分の面積となる。
ついで、間隔値Dを増加させて歩留り優先のネスティング配置を行うステップS135〜S139を何回か繰り返して実行し、部材間の間隔値Dが9mmの場合の配置が図19−1のようになったとする。この時点までは、使用母材枚数はN1=N0(=2)を満たすと同時に、有効活用領域総面積S1についてS0−s≦S1を満たしている状態にあるとする。ただし、この例の場合には、所定値sは常にs>S0であると仮定する。つまり、常にS0−s≦S1が成り立つものとする。
その後、配置間隔変更部16は、ステップS135で部材間の間隔を1mm増加させて間隔値Dを10mmとして、歩留り優先ネスティング部12はこの間隔値D=10mmで歩留り優先のネスティング処理を行う。その結果が図19−2のようになったとする。つまり、全部で22個の部材51A〜51Hのうち2個の部材51Eが2枚の母材50に入りきらず、3枚目の母材50に配置されてしまったとする。これにより、母材枚数比較判断部24は、間隔を広げた後の使用母材枚数N1が3枚で、N1>N0となるので(ステップS138でN1>N0の場合)、配置間隔変更部16は1mm間隔を減算する(ステップS140)。その後、歩留り優先ネスティング部12は、2枚の母材50A,50Bに全ての部材51A〜51Hを配置することができる最も広い間隔値Dである9mmで再度歩留り優先のネスティング配置処理を実施する(ステップS141)。つまり、ここでは図19−1に示される配置結果が得られ、この結果が母材50A,50Bの再配置後の最終の配置として採用される。
なお、図19−1の2枚目の母材50Bを見ても判るとおり、この実施の形態5でも実施の形態1と同様に、再配置可能領域のコーナ近傍に空きスペースが残る場合がある。そこで、たとえば、この実施の形態5にて配置した後に、その配置結果に対して実施の形態3,4の図形配置方法を適用して母材ごとにさらに分散配置させるようにしてもよい。このようにすることで、さらに空きスペースを有効に活用した分散配置を行うことができる。
この実施の形態5によれば、実施の形態1の効果に加えて、全母材に対して一括して分散配置処理を行うので、実施の形態1〜4に比べてネスティング配置処理の回数を少なくすることができ、短時間での処理が可能となる。その結果、処理能力の劣る情報処理装置でもこの実施の形態5の図形配置方法を使用することができるようになる。
実施の形態6.
実施の形態5では、間隔を徐々に広げていってネスティング計算を繰り返し、最初のネスティング時と同じ枚数に収まらずあふれてしまった時点で、その一つ前の間隔値に戻してもう一度、歩留り優先のネスティング処理をやり直していた。この場合、同じ間隔値で同じ計算を2回実行することになり、処理に時間がかかってしまう。そこで、この実施の形態6では、常に一つ前の間隔値で行ったネスティング計算結果を記憶して分散配置処理を行う場合を説明する。
図20は、この発明にかかる図形配置装置の実施の形態6の構成を模式的に示すブロック図である。この図形配置装置10Cは、実施の形態5の図形配置装置10Bにおいて、歩留り優先ネスティング部12による1つ前のネスティング計算結果を記憶するネスティング結果記憶部26をさらに備える構成となっている。なお、実施の形態5と同一の構成要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略している。
図21は、この発明にかかる図形配置方法の実施の形態6の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、実施の形態5の図18で説明したステップS131〜S134と同じ処理を行って、ネスティング処理結果から全使用母材枚数N0と有効活用領域総面積S0とを求める(ステップS161〜S164)。すなわち、入力された必要部材情報と設定した初期設定間隔値Dで歩留り優先のネスティング配置処理を行い、その結果から全使用母材枚数N0と有効活用領域総面積S0とを求める。
ついで、歩留り優先ネスティング部12は、初期設定間隔値Dで行った歩留り優先のネスティング配置結果をネスティング結果記憶部26に記憶させる(ステップS165)。その後、実施の形態5の図18で説明したステップS135〜S139と同じ処理を行って、部材間の間隔値Dを広げた状態で、部材が配置されるすべての母材が所定の条件を満たすか否かが判定される(ステップS166〜S170)。つまり、部材間の間隔値Dを所定値dだけ広げた新たな間隔値D(=D+d)を用いてすべての母材について歩留り優先のネスティング処理を行い、その結果得られる全使用母材枚数N1がステップS164で得られた全使用母材枚数N0より大きくなるまで、またはステップS164で得られた有効活用領域総面積S0と有効活用領域総面積S1との差が所定値sより大きくなるまで、部材間の間隔値Dを順に増加させながら歩留り優先のネスティング配置処理を行う。
その後、母材枚数比較判断部24による判断の結果、ステップS169で間隔値Dを広げた際の全使用母材枚数N1が初期設定間隔値Dでネスティング配置処理を行った状態での全使用母材枚数N0よりも大きい場合(ステップS169でN1>N0の場合)、または、ステップS169で間隔値Dを広げた際の全使用母材枚数N1が初期設定間隔値Dでネスティング配置処理を行った状態での全使用母材枚数N0と等しい場合(ステップS169でN1=N0の場合)でかつ母材使用状況比較判断部25による判断の結果、初期設定間隔値Dでネスティング配置処理を行った状態での有効活用領域総面積S0と間隔値Dを広げた際の有効活用領域総面積S1との差が所定値sよりも大きい場合(ステップS170でNoの場合)には、ステップS165でネスティング結果記憶部26に記憶していた間隔Dでの母材の配置、すなわち、現在の判定時における間隔値の直前の間隔値Dで歩留り優先のネスティング配置を行った結果を、再配置後の結果に設定し(ステップS171)、分散配置処理が終了する。
この実施の形態6によれば、実施の形態5の効果に加えて、所定の数の部材を初期設定間隔値Dでネスティング処理して母材に配置した結果を記憶する処理を、部材が初期設定間隔値Dでネスティング処理したときと同じ枚数の母材に収まりきらなくなるまで、または、初期設定間隔値Dでネスティング処理したときの有効活用領域の面積の総和と間隔値を広げたときの有効活用領域の面積の総和との差が所定の条件を満たさなくなるまで、部材間の間隔値を順次増加させながら行うようにしたので、再配置の結果を得る際に、実施の形態5のように一つ前の間隔値に戻してもう一度歩留り優先でのネスティング処理をやり直す必要がなく、記憶された1つ前の間隔値で得られた配置処理結果を読み出して再配置の結果として採用すればよい。これにより、同じ間隔値での2度のネスティング配置処理を行わずに済むという効果を有する。
なお、実施の形態1〜6で示したような機能を有する図形配置装置10〜10Cは、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理装置によって構成することができる。図22は、図形配置装置の機能を有する情報処理装置のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。この情報処理装置100は、入力された各種データを基に部材の形状を定義した図形データを作成し、切断方向や切断条件を解析して切断情報などを生成するCPU(Central Processing Unit)101と、入力された各種データを記憶するとともに、一枚の母材上に形成する複数個の部材の図形データを描くことができ、かつ、図形データを配置する処理としての必要なソフトウェアを格納するメモリ102と、切断情報や画面の表示内容などの印刷を行うプリンタやプロッタなどの印刷装置103と、定義済みの図形データや切断経路、切断条件、入力要求メッセージなどを画面に表示すると共に、一枚の母材上に形成する複数個の部材の図形データの全てを描くことができるCRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示装置104と、形状データや切断条件などの各種データを入力する入力手段としてのキーボード105と、表示装置104に表示される図形やメニューの選択を行うポインティングデバイスとしてのマウス106と、ソフトウェアや定義済みの図形データなどを記憶するハードディスクドライブなどの外部記憶装置107とが、バスライン109によって接続されて構成される。また、バスライン109にはケーブルなどを介してレーザ加工機などの加工装置が接続される場合もある。このような情報処理装置100で上述した実施の形態1〜6に示した図形配置装置10A〜10Cを構成する場合には、実施の形態1〜6で説明した図形配置方法を、これらの方法の処理手順が格納されたプログラムとして構成し、これらのプログラムを情報処理装置(コンピュータ)100の外部記憶装置107に記憶させて、そのプログラムをメモリ102に読み込みCPU101で実行することによって実現することができる。
また、上記実施の形態では、再配置可能領域の各コーナに最も近い部材を回転などさせずに単純に平行移動して各コーナの最外端に接触させた例を示したが、部材の形状がたとえば単純な矩形でしかも母材の基準となる一辺に対してある角度を成して傾いて配置されていた場合などでは、コーナの最外端に接触移動させる際に適宜回転させて無駄な隙間を発生させない方がよい。そこで、コーナ部に部材を再配置させる際にコーナの角部とその部材との間にできる隙間の面積が最も小さくなる角度に自動的に部材を回転させて設定する機能を、コーナ部材再配置部22または歩留り優先ネスティング部12に具備させるようにしてもよい。
以上のように、この発明にかかる図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムは、レーザ加工機、ウォータジェット加工機、プラズマ切断機、タレットパンチプレス加工機、裁断装置など、複数個の製品を切り抜き切断加工する加工装置で、部材を母材から切り出す際の図形の配置処理に有用であり、特に、多数の部材が密集して母材に配置される配置結果に基づいて母材の加工を行う際に生じる部材の熱変形を抑制させる場合に適している。
この発明による図形配置装置の概略構成を示すブロック図である。 有効活用領域の求め方の一例を示す図である。 有効活用領域の求め方の一例を示す図である。 有効活用領域の求め方の一例を示す図である。 有効活用領域の求め方の一例を示す図である。 この発明による図形配置方法の実施の形態1の処理の一例を示すフローチャートである。 部材を初期設定間隔値で母材に歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 1枚目の母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 母材中の有効活用領域の面積を求める一例を示す図である。 図6−1の母材から有効活用領域を取り除いた再配置可能領域を示す図である。 2枚目の母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 2枚目の母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 6種類の部材を歩留り優先でネスティング配置処理した結果の一例を示す図である。 母材に配置された各種類の部材の面積を示す図である。 図8−1の各母材における歩留り率の計算結果を示す図である。 この発明による図形配置方法の実施の形態2の処理手順の一例を示すフローチャートである。 この発明による図形配置装置の実施の形態3の構成を模式的に示すブロック図である。 この発明による図形配置方法の実施の形態3の処理手順の一例を示すフローチャートである。 コーナ部材選択部による部材の選択方法の一例を示す図である。 コーナ部材選択部による部材の選択方法の一例を示す図である。 図4で各コーナ近傍に配置されている部材を再配置可能領域の各コーナに平行移動させた状態を示す図である。 1枚目の母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 1枚目の母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 2枚目の母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 2枚目の母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 この発明による図形配置方法の実施の形態4の処理手順の一例を示すフローチャートである。 この発明による図形配置装置の実施の形態5の概略構成を示すブロック図である。 この発明による図形配置方法の実施の形態5の処理の一例を示すフローチャートである。 母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 母材に対して間隔値を広げて歩留り優先のネスティング配置処理を行った結果の一例を示す図である。 この発明による図形配置装置の実施の形態6の構成を模式的に示すブロック図である。 この発明による図形配置方法の実施の形態6の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図形配置装置の機能を有する情報処理装置のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。 従来の図形配置方法によって配置された結果の一例を示す図である。
符号の説明
10,10A,10B,10C 図形配置装置
11 図形データ格納部
12 歩留り優先ネスティング部
13 ネスティング結果格納部
14 分散配置母材枚数計数部
15 再配置可能領域設定部
16 配置間隔変更部
17 分散配置結果判定部
18 入力部
19 出力部
20 制御部
21 コーナ部材選択部
22 コーナ部材再配置部
23 配置母材状態確認部
24 母材枚数比較判断部
25 母材使用状況比較判断部
26 ネスティング結果記憶部
50,50A,50B,50C 母材
51,51A〜51H,52,52a〜52c,53A〜53F 部材

Claims (13)

  1. 入力される部材の種類と個数に基づいて部材間の最小の間隔として最初に設定された初期設定間隔値を用いて、または設定された母材のネスティング結果格納手段に格納される配置結果情報に基づいて配置間隔変更手段で設定される間隔値を用いて、部材を母材に歩留り優先でネスティング配置する歩留り優先ネスティング手段と、
    前記初期設定間隔値でのネスティング配置結果から求められる使用された母材枚数と、母材ごとに配置される部材の種類と個数を含む配置結果情報とを記憶するネスティング結果格納手段と、
    前記初期設定間隔値でのネスティング配置で得られる全ての母材について1枚ずつ再配置処理を行うように設定するとともに、再配置を終えた母材の枚数を計数する分散配置母材枚数計数手段と、
    前記分散配置母材枚数計数手段によって設定された母材について、部材の再配置を行う再配置可能領域を設定する再配置可能領域設定手段と、
    前記設定された母材に配置する部材間の間隔値を所定値だけ増加させて、前記歩留り優先ネスティング手段に設定する配置間隔変更手段と、
    前記配置間隔変更手段で設定された間隔値でのネスティング配置の結果得られる母材枚数に基づいて再配置が可能か否かを判定する分散配置結果判定手段と、
    を備え、
    前記配置間隔変更手段は、前記分散配置結果判定手段により再配置が不可能と判定されるまで繰り返し間隔値を増加させ、再配置が不可能と判定された場合に、その時点で設定されている間隔値から所定の値だけ減少させた間隔値を前記歩留り優先ネスティング手段に設定し、
    前記歩留り優先ネスティング手段は、この間隔値でのネスティング配置結果を再配置結果として設定することを特徴とする図形配置装置。
  2. 前記分散配置母材枚数計数手段によって設定された母材の前記歩留り優先ネスティング手段によるネスティング配置結果を、前記配置間隔変更手段で設定されるつぎの間隔値でのネスティング配置結果が、前記分散配置結果判定手段によって再配置可能と判定されるまで記憶する記憶手段をさらに備え
    前記分散配置結果判定手段は、前記つぎの間隔値では再配置が不可能と判定した場合に、前記記憶手段に格納されるネスティング配置結果を再配置結果として設定することを特徴とする請求項1に記載の図形配置装置。
  3. 前記初期設定間隔値でネスティング配置の結果得られる前記設定された母材の前記再配置可能領域中の各コーナ近傍に配置されている部材を選択するコーナ部材選択手段と、
    これらの選択された部材を前記再配置可能領域の各コーナの最外端に平行移動させるコーナ部材再配置手段と、
    をさらに備え、
    前記歩留り優先ネスティング手段は、前記再配置可能領域の各コーナに前記部材を固定した状態で、前記設定された間隔値を用いて歩留り優先のネスティング配置を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の図形配置装置。
  4. 入力される部材の種類と個数に基づいて、部材間の最小の間隔として最初に設定された初期設定間隔値または配置間隔変更手段で設定される間隔値を用いて、前記部材を前記母材に歩留り優先でネスティング配置する歩留り優先ネスティング手段と、
    前記ネスティング配置の結果から使用された全母材枚数と、前記母材中の前記部材が配置されない領域である有効活用領域の総和を求める配置母材状態確認手段と、
    前記母材に配置する部材間の間隔値を所定値だけ増加させて、前記歩留り優先ネスティング手段に設定する配置間隔変更手段と、
    前記配置間隔変更手段で設定された間隔値で求められた全母材枚数が初期設定間隔値で求められた全母材枚数に対して所定の基準を満たすか否かを判定する母材枚数比較判断手段と、
    前記母材枚数比較判断手段で所定の基準を満たす場合に、前記配置間隔変更手段で設定された間隔値で求められた有効活用領域の総和が初期設定間隔値で求められた有効活用領域の総和に対して所定の基準を満たすか否かを判定する母材使用状況比較判断手段と、
    を備え、
    前記配置間隔変更手段は、前記母材枚数比較判断手段または前記母材使用状況比較判断手段によって、所定の基準を満たさなくなるまで繰り返し間隔値を増加させ、所定の基準を満たさないと判定された場合に、該判定時の間隔値から所定値を減算した間隔値を前記歩留り優先ネスティング手段に設定し、
    前記歩留り優先ネスティング手段は、この間隔値でのネスティング配置結果を再配置結果として採用することを特徴とする図形配置装置。
  5. 前記歩留り優先ネスティング手段によって得られた前記母材のネスティング配置結果を、前記配置間隔変更手段で設定されるつぎの間隔値でのネスティング配置結果が、前記母材枚数比較判断手段または前記母材使用状況比較判断手段によって所定の基準を満たすと判定されるまで記憶するネスティング結果記憶手段をさらに備え、
    前記母材枚数比較判断手段または前記母材使用状況比較判断手段は、前記つぎの間隔値では再配置が不可能と判定した場合に、前記ネスティング結果記憶手段に格納されるネスティング配置結果を再配置結果として設定することを特徴とする請求項4に記載の図形配置装置。
  6. 前記再配置結果として設定された前記母材について、部材の再配置を行う再配置可能領域を設定する再配置可能領域設定手段と、
    前記母材の前記再配置可能領域中の各コーナ近傍に配置されている部材を選択するコーナ部材選択手段と、
    これらの選択された部材を前記再配置可能領域の各コーナの最外端に平行移動させるコーナ部材再配置手段と、
    をさらに備え、
    前記歩留り優先ネスティング手段は、前記母材の各コーナに前記部材を固定した状態で、前記設定された間隔値を用いて歩留り優先のネスティング配置を母材ごとに行うことを特徴とする請求項4または5に記載の図形配置装置。
  7. 複数の部材を、母材から切り出すために所定の基準にしたがって前記母材上に配置する図形配置方法であって、
    入力される前記母材から切り出す必要な部材の形状と数量に基づいて、部材間の最小の間隔値を設定して歩留り優先で前記母材にネスティング配置を行う第1の工程と、
    前記第1の工程によるネスティング配置の結果から、前記部材の配置に使用した母材枚数と、配置される部材の種類と個数を母材ごとに記憶する第2の工程と、
    再配置処理を行う母材を設定し、部材の再配置を行う再配置可能領域を設定する第3の工程と、
    前記母材に配置する部材間の間隔値を所定値だけ増加させて、前記母材に配置される部材を歩留り優先のネスティング配置を行う第4の工程と、
    前記第4の工程によるネスティング配置の結果が1枚の母材に収まったか否かを判定する第5の工程と、
    前記第5の工程で、ネスティング配置の結果が1枚の母材に収まらなかった場合に、その判定時の間隔値から所定値だけ減少させて、前記母材に配置される部材を歩留り優先のネスティング配置処理を行い、この結果を再配置結果として設定する第6の工程と、
    再配置を行っていない母材が存在するか否かを判定する第7の工程と、
    を含み、
    前記第5の工程で、ネスティング配置の結果が1枚の母材に収まらなくなると判定されるまで、前記第4〜前記第5の工程を繰り返し実行し、
    前記第7の工程で、再配置を行っていない母材が存在しなくなるまで、前記第3〜第7の工程を繰り返し実行することを特徴とする図形配置方法。
  8. 前記第4の工程では、前記歩留り優先のネスティング配置の結果をさらに記憶し、
    前記第6の工程では、ネスティング配置の結果が1枚の母材に収まらなかった場合に、前記第4の工程で記憶していたネスティング配置の結果を再配置結果として設定することを特徴とする請求項7に記載の図形配置方法。
  9. 前記第3の工程は、前記再配置可能領域の各コーナ近傍に配置されている部材を選択し、前記再配置可能領域の各コーナに平行移動させて固定する処理をさらに行い、
    前記第4の工程は、前記再配置可能領域の各コーナに前記選択した部材を固定した状態で、前記母材に配置する部材間の間隔値を所定値だけ増加させて、前記母材に配置される部材の歩留り優先のネスティング配置を行うことを特徴とする請求項7または8に記載の図形配置方法。
  10. 複数の部材を、母材から切り出すために所定の基準にしたがって前記母材上に配置する図形配置方法であって、
    入力される前記母材から切り出す必要な部材の形状と数量に基づいて、部材間の最小の間隔値を設定して歩留り優先で前記母材にネスティング配置を行う第1の工程と、
    前記ネスティング配置の結果から、前記部材の配置に使用した第1の母材枚数と、全ての前記母材の前記部材が配置されない領域である第1の有効活用領域の面積を求める第2の工程と、
    前記母材に配置する部材間の間隔値を所定値だけ増加させて、前記母材に配置される部材を歩留り優先のネスティング配置を行う第3の工程と、
    前記第3の工程でのネスティング配置の結果から、第2の母材枚数と第2の有効活用領域の面積を求める第4の工程と、
    前記第2の母材枚数が、前記第1の母材枚数と等しいか否かを判定する第5の工程と、
    前記第5の工程で前記第2の母材枚数が前記第1の母材枚数と等しい場合に、前記第1と前記第2の有効活用領域の面積の差が所定値以下か否かを判定する第6の工程と、
    前記第5の工程で前記第2の母材枚数が前記第1の母材枚数と等しくない場合、または前記第6の工程で前記第1と前記第2の有効活用領域の面積の差が所定値以下でない場合に、その判定時の間隔値から所定値だけ減少させた新たな間隔値で、前記母材に配置される部材の歩留り優先のネスティング配置を行い、この結果を再配置結果として設定する第7の工程と、
    を含み、
    前記第5の工程で、前記第2の母材枚数が前記第1の母材枚数と等しくなくなるまで、または前記第6の工程で、前記第1と前記第2の有効活用領域の面積の差が所定値以下でないと判定されるまで、前記第3〜前記第6の工程を繰り返し実行することを特徴とする図形配置方法。
  11. 前記第3の工程では、前記歩留り優先のネスティング配置の結果をさらに記憶し、
    前記第7の工程では、前記第5の工程で前記第1の母材枚数が前記第2の母材枚数と等しくないと判定された場合、または前記第6の工程で前記第1と前記第2の有効活用領域の面積の差が所定値以下でないと判定された場合に、前記第3の工程で記憶していたネスティング処理の結果を再配置結果として設定することを特徴とする請求項10に記載の図形配置方法。
  12. 前記再配置結果として設定された前記母材について、部材の再配置を行う再配置可能領域を設定する第8の工程と、
    前記母材の前記再配置可能領域中の各コーナ近傍に配置されている部材を選択し、これらの選択された部材を前記再配置可能領域の各コーナの最外端に平行移動させる第9の工程と、
    前記母材の各コーナに前記部材を固定した状態で、前記設定された間隔値を用いて歩留り優先のネスティング配置を母材ごとに行う第10の工程と、
    をさらに含むことを特徴とする請求項10または11に記載の図形配置方法。
  13. 請求項7〜12のいずれか1つに記載された図形配置方法をコンピュータに実行させるプログラム。
JP2004292910A 2004-10-05 2004-10-05 図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム Expired - Fee Related JP4237125B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004292910A JP4237125B2 (ja) 2004-10-05 2004-10-05 図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004292910A JP4237125B2 (ja) 2004-10-05 2004-10-05 図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006107131A JP2006107131A (ja) 2006-04-20
JP4237125B2 true JP4237125B2 (ja) 2009-03-11

Family

ID=36376798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004292910A Expired - Fee Related JP4237125B2 (ja) 2004-10-05 2004-10-05 図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4237125B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4767092B2 (ja) * 2006-06-05 2011-09-07 三菱電機株式会社 板金板取方法
JP5136023B2 (ja) * 2007-11-27 2013-02-06 村田機械株式会社 ネスティング装置・板材切断加工方法および板材切断加工装置
JP5184318B2 (ja) * 2008-12-03 2013-04-17 株式会社アマダ ネスティング方法及び装置
JP2011018205A (ja) 2009-07-09 2011-01-27 Amada Co Ltd 板取データ生成装置及び板取データ生成方法
JP2015035006A (ja) 2012-04-26 2015-02-19 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Machines Corporation 複数の要素の結合結果を識別する情報処理装置、プログラムおよび方法
KR101752099B1 (ko) * 2016-08-26 2017-06-29 창원대학교 산학협력단 네스팅 및 절단 경로 최적화 장치 및 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006107131A (ja) 2006-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6065021A (en) Apparatus and method for alignment of graphical elements in electronic document
JP5890907B2 (ja) 加工工程決定方法および加工工程設計装置
US8120604B2 (en) Object editing system, object editing method and object editing program product
US7499045B2 (en) Graphics image generation
US7913206B1 (en) Method and mechanism for performing partitioning of DRC operations
CN109615138B (zh) 一种作业流程调优方法及装置
JP4237125B2 (ja) 図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム
EP1283456B1 (en) Tool for searching similar machining data and automatic programming apparatus based thereon
CN105511398B (zh) 大型起重机制造中智能钢板零部件排版装置与方法
CN111788036A (zh) 用于生成工具路径的方法以及装置
CN113474114A (zh) 焊接线数据生成装置、焊接系统、焊接线数据生成方法及程序
Delgoshaei et al. A new method for decreasing cell-load variation in dynamic cellular manufacturing systems
WO2020144906A1 (ja) 数値入力装置およびこれを備えた工作機械
KR101871095B1 (ko) 네스팅 방법, 네스팅 장치 및 네스팅 프로그램
US20140081604A1 (en) Computer-implemented method of identifying a group of perforations
US8896867B2 (en) Methods and systems for assigning jobs to production devices
JP2019082923A (ja) 情報処理装置、工程計画表示プログラム及び工程計画表示方法
TW201423292A (zh) 數値控制系統及數値控制資料生成方法
JP2006092351A (ja) 図形配置装置、図形配置方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム
JP2017120453A (ja) 計画管理システム及び方法及び記録媒体
JP4835272B2 (ja) シミュレーション条件入力装置、シミュレーション条件入力プログラムおよびシミュレーション条件入力方法
JP5383230B2 (ja) Ncデータの修正方法及び装置
KR20120016875A (ko) 공작기계의 홀 가공을 위한 장치 및 이의 가공 전개 방법
CN110019984A (zh) 空间索引建立方法、装置、电子设备及可读存储介质
EP4055452B1 (en) Method for determining a cut pattern of a lathe, control device, and lathe

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4237125

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131226

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees