JP4235371B2 - ラベル発行装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば食料品等の包装物に貼り付けることによって、製造年月日等の日付を明示することができるラベルを作成して発行するラベル発行装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食料品のうち、特に生鮮食料品に貼り付けられたラベルに表示されている製造年月日、加工年月日、賞味期限、保持期限、消費期限等の日付は、消費者が商品を購入する際の重要な目安になるものであるが、従来は、これ等各種日付情報を記録するラベルを、例えば実公昭61−23413号公報に見られるようなラベル印刷機を用いて印刷していた。
【0003】
上記従来のラベル印刷機は、ロール紙上に剥離自在に並べて接着したラベルに対して、一分毎に時刻を刻む活字輪をラベル表面に押圧することによって、上記製造年月日等の日付をラベルに打刻印刷して順次発行するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記活字輪を使用するラベル印刷機は、機器の設定時刻を操作して日付を任意に変えることができるため、メーカーサイドで不正に製造年月日等を変えてしまうことが可能であり、また、流通の過程に於いても、ラベルを異なる日付のものに貼り替えたり、重ね貼りしたりして日付を改竄することが可能であって、消費者はその不正操作や改竄を見破ったり、確認したりする手だてを持っていなかった。
【0005】
そこで本発明の技術的課題は、第三者機関によって認証可能な日付情報を印刷したラベルを発行することができるラベル発行装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記の技術的課題を解決するために、本発明では前記請求項1に記載の如く、ロール状又は短冊状に形成した台紙に、裏面側を接着面とした多数のラベルを剥離自在に並べて接着すると共に、各ラベルの表面にラベル印刷機を用いて製造年月日や賞味期限と言った各種の時刻情報を印刷して発行するように構成したラベル発行装置であって、上記のラベル印刷機に、上記各ラベルの裏面或は台紙のいずれか一方又は両方に予め掲載されているラベル固有情報を読取ることができるラベル固有情報読取り手段と、読取ったラベル固有情報と上記の時刻情報とを暗号化する暗号化手段と、暗号化された情報を記憶する記憶手段と、ラベル印刷機がラベルの表面に時刻情報を印刷する際に、上記暗号化手段によって暗号化された情報を一緒にラベル表面に印刷する印刷機構部と、この印刷した暗号化情報を第三者機関に送付する情報送信手段を設けるように構成している。
【0007】
(2) また、本発明では前記請求項2に記載の如く、ロール状又は短冊状に形成した台紙に、裏面側を接着面とした多数のラベルを剥離自在に並べて接着すると共に、各ラベルの表面にラベル印刷機を用いて製造年月日や賞味期限と言った各種の時刻情報を印刷して発行するように構成したラベル発行装置であつて、上記のラベル印刷機に、ラベル固有情報を生成する固有情報手段と、生成したラベル固有情報と上記の時刻情報とを暗号化する暗号化手段と、暗号化された情報を記憶する記憶手段と、ラベル印刷機がラベルの表面に時刻情報を印刷する際に、上記暗号化手段によって暗号化された情報を一緒にラベル表面に印刷する印刷機構部と、この印刷した暗号化情報を第三者機関に送付する情報送信手段と、上記固有情報生成手段が生成したラベル固有情報を、上記ラベルの裏面に印刷する固有情報用印刷機構部を設けるように構成している。
【0008】
これ等(1)と(2)で述べた手段によれば、ラベルを発行する際に、ラベルに印刷した時刻情報とラベル固有情報の暗号化情報が、第三者機関に送付されているため、例えば消費者側の要求で、ラベルに印刷されている製造年月日等の日付が真実であるか否かを知りたい場合は、消費者が持っているラベルの表面に印刷されている暗号化情報を上記の第三者機関に提示すれば、第三者機関では既に送付を受けている暗号化情報と消費者が提示した情報とを照合することによって、当該ラベルの実際の時刻情報を消費者に回答することができるものであって、消費者はこの時刻情報とラベルに印刷されている年月日等の時刻情報を比較することにより、ラベルに印刷されている日付等の真偽を確認して、改竄等の不正を容易に発見することを可能にする。
【0009】
更に上記(2)で述べた手段によれば、予め固有情報を印刷したラベルを用意する必要がなく、ラベルを必要な分だけその場で作れば済むため、ラベルの製造工程を簡単化することができる。
【0010】
(3) また、本発明では前記請求項3に記載の如く、暗号化手段によって暗号化される情報が、ハッシュ値等の一方向性の関数値であるように構成している。
【0011】
上記(3)の手段によれば、暗号化された時刻情報とラベル固有情報が、ハッシュ値等の一方向性の関数値で書かれているから、間違って同じデータが存在する確率が極めて少く、暗号化情報による真偽の判定に高い信頼性を得ることを可能にする。
【0012】
以上の如くであるから、上記(1)〜(3)の手段によって上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るラベル発行装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明に係るラベル発行装置の全体を明示した構成図、図2は包装された被着体PCに本発明によって発行されたラベルLを接着した状態を説明した平面図、図3(イ)図はロール状又は短冊状に形成した台紙DTに、本発明によって発行されたラベルL…を並べて剥離自在に接着した状態を示した平面図、(ロ)図は上記ラベルLの背面図であって、これ等各ラベルLの表面LAには、「この商品の賞味期限は……お早目にお召し上がりください。」と言った、各種のラベル固有メッセージL2…等が予め印刷されている。
【0014】
更にこのラベルLの表面LAには、後述する本発明に係るラベル発行装置によって、上記賞味期限となる日付や時刻等から成る時刻情報L1と、この時刻情報L1、及び、ラベルLの裏面LB(図3(ロ)図参照)又は台紙DTの表面に掲載又は印字されているラベル固有情報LX或はD1とを、まとめて暗号化した暗号化情報L3が印刷されている。
【0015】
上述したラベル固有情報とは、ラベル1枚毎に設けられる異なる情報であって、ラベル裏面LBの固有情報LXは、図3の(ロ)図に示すように例えばラベル発行会社名やロゴ、或は、乱数や文字記号等から成るものであり、更に、台紙DTの表面に掲載されるラベル固有情報D1は、上記のラベル固有情報LXを前もってコード化したものであって、これ等の情報LX,D1のうち、ラベル裏面LBの情報LXは、予めラベルLの裏面LBに掲載されている場合(請求項1)と、ラベル発行装置がラベルLを発行する時に印刷する場合(請求項2)とがあるが、台紙DTの情報D1はラベル製造時に台紙DTに印刷されている。
【0016】
また、図3の(イ)図に於いて、DHは台紙DTの面に開口した穴で、この穴DHは、上記ラベルLの裏面LBに予め掲載されているラベル固有情報LXを直接機械読取りしたり、或は、印字機を用いてこのラベル固有情報LXをラベルLの裏面LBに印字する時に使用するものである。尚、上述した台紙DTの表面に掲載されているコード化されたラベル固有情報D1は、このコードを読むことによってラベル裏面LBのラベル固有情報LXを間接的に読むことを可能にするものである。
【0017】
上述した時刻情報L1とラベル固有情報LX,D1の暗号化情報L3としては、ハッシュ値等の一方向性の関数値、即ち、例えば製造年月日や賞味期限、或は、ラベル発行時刻等の時刻情報や、ラベル印刷機のマシンID、メーカー名、商品名等の文字列情報の一方向性の関数値が使用されるが、更に偽造等の安全性を高めるために、ハッシュ値等の一方向性の関数値を二次元コードで表わす場合もある。
【0018】
また、上述した各ラベルLはその裏面が接着面に成っていて、これを台紙DTから引き剥がして図2に示すように被着体PCに接着して使用するものであるが、このラベルLは被着体PCから一度引き剥がすと、元通りには戻せなくするための機能、即ち、改竄防止機能を持ったラベル基材を用いて構成されている。
【0019】
改竄防止機能に関しては、例えば、粘着剤の中に蛍光発色する特殊成分が混ざっていて、その成分が被着体PCに浸透して、ラベルLを剥がした時に被着体PCにその特殊成分が残って、蛍光ランプを当てるとラベルLが貼られていたことが確認できるように構成した発色タイプのもの、或は、ラベルLを剥がすと、被着体PCに「開封済」又は「VOID」等の文字が残るラベル基材を使用した文字が残るタイプのもの等が考えられる。更に、本発明に係るラベルLは、被着体PCから剥がした後でも、ラベル裏面LBに掲載又は印刷したラベル固有情報LXを保護して、支障無く判読(読取り)できる特殊ラベル基材が使用されていて、ラベルLの発行元会社等(固有情報)を明らかにできる機能を備えている。
【0020】
次に、上記のラベルLを発行する本発明に係るラベル発行装置の構成を説明すると、図4は前記請求項1に記載の発行装置を示したものであって、図中、10はラベル印刷機、DAは図3の(イ)図に示すように多数枚のラベルLを間隔的に、且つ、剥離自在に接着したロール状台紙DTのロールで、DBはこのロール状台紙DTを矢印方向に巻取る巻取りリール、1A,1Aと2A,2Aはロール状台紙DTの送り機構、16は台紙DTの表面に掲載されているラベル固有情報D1を読取る二次元コードリーダー部、18はラベルLの表面LAに時刻情報L1と、この時刻情報L1と上記二次元コードリーダー部16が読取ったラベル固有情報とを暗号化した暗号化情報L3(ハッシュ値等)を印刷する印字機構部、17は例えばベルトコンベア(図示せず)等によって搬送されて来る被着体PC(商品)を検出する商品検出部で、ラベル印刷機10はこの商品検出部17の検出に従って制御作動されて、図3の(イ)図に記載の如き印刷済みのラベルLを被着体PCに接着できる仕組に成っている。
【0021】
尚、上記の二次元コードリーダー部16が、図3の(ロ)図に示すようにラベルLの裏面LBに予め掲載されているラベル固有情報LXを読取る構成の場合は、図面上点線で記載したように上記の二次元コードリーダー部16をラベル通路の下側に設けるものとする。
【0022】
而して図4に於いて、11と12はラベル印刷機10の制御部と演算部、13を基準時刻を刻む時計部、14AはラベルLを発行するたびに、そのラベルLのラベル固有情報LX又はD1と時刻情報L1を暗号化した暗号化情報L3を記憶するRAM、14Bはこれ等情報の暗号化用プログラムを格納したROM、15は上記の暗号化情報L3を第三者機関(時刻認証機関)101に送信する通信制御手段を示す。
【0023】
図5は、前記請求項2に記載のラベル発行装置の構成を示したものであって、前記図4に示したラベル発行装置(請求項1)との相違点は、ラベル印刷機10自体にラベル固有情報を生成する固有情報生成手段を備えている点であって、上記商品検出部17による被着体PCの検出によってラベル印刷機10が作動すると、先ず、ラベル印刷機10自身がラベル固有情報LXを生成し、この生成したラベル固有情報と時刻情報とから暗号化情報L3が作成されて、この暗号化情報L3の印刷と記憶、並びに、第三者機関101への送信を行うと共に、上記生成したラベル固有情報LXを、専用の印刷機構部19を用いてラベル裏面LBに印刷するように構成されている。尚、図4に於いて前記図3に示したものと同じ部材は同じ符号を付したので、同一部材の説明は省略する。
【0024】
図6は上記図4並びに図5に示したラベル印刷機10の電気的構成を説明したブロック図であって、図5に示したシステムのROM14Bには、ラベルLを発行するたびに前記のラベル固有情報を生成する固有情報生成用のプログラムが、前述した暗号化用プログラムやその他のシステムプログラムと共に格納されている。
【0025】
図7は上記ラベルLの発行に関する処理手順(ステップS1〜S10)と、第三者機関である時刻認証機関101による暗号化情報、即ち、ラベル固有情報と時刻情報を暗号化したハッシュ値データの受信と保存に関する処理ステップS11,S12を説明したフローチャートであって、上記の暗号化したハッシュ値データはステップS8でラベル印刷機10のRAM14Aに保存され、次のステップS9で定時又は上記保存データが設定数に達すると、通信制御部15がハッシュ値データをまとめて時刻認証機関101に送る仕組に成っている。
【0026】
図8は、消費者102(問い合わせ者)からの問い合わせに対して、時刻認証機関101がラベル真正性の判断資料を消費者102に返信する手順を説明したフローチャートで、問い合わせに対してステップS24で時刻認証機関101から返信されて来た情報と、ラベルLに印刷されている時刻情報L1を、ステップS25で消費者102が比較照合することによって、その真偽を判定して、日付改竄等の不正の有無を確認することができる。
【0027】
尚、図9は前記図7と図8に示したフローチャートに於けるメーカー103 (ラベル発行者)と時刻認証機関101間の情報のやり取りと、時刻認証機関101と消費者102の間の情報のやり取りを、文字と絵を用いて説明した説明図であって、課金は、例えば時刻認証機関101に送信されたラベル問い合わせ情報の件数に基づいて、各メーカー103又は消費者102に課金される。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係るラベル発行装置は以上述べた如くであって、消費者等が第三者機関に対してラベルに印刷された暗号化情報を提示して問い合わせれば、第三者機関からはその暗号化情報に対応する製造年月日や賞味期限等の時刻情報が返信されて来るため、この返信されて来た製造年月日等とラベルに印刷されている製造年月日等を比較照合することによって、その日付の真偽を確認することができるため、ラベルに印刷されている製造年月日や加工年月日、賞味期限、保持期限、消費期限等が改竄されている場合は、これを容易に見破ることができると共に、メーカーによる日付改竄等の不正を予防することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るラベル発行装置の全体を明示した構成図である。
【図2】 本発明によって発行されたラベルを接着した商品の平面図である。
【図3】 (イ)図は台紙に接着した本発明によって発行されたラベルの平面図で、(ロ)図は背面図である。
【図4】 請求項1に記載した本発明に係るラベル発行装置の構成図である。
【図5】 請求項2に記載した本発明に係るラベル発行装置の構成図である。
【図6】 本発明に係るラベル発行装置の電気的構成を説明したブロック図である。
【図7】 本発明によるラベル発行の処理手順を説明したフローチャートである。
【図8】 ラベルの真偽を問い合わせた時の処理手順を説明したフローチャートである。
【図9】 本発明の技術内容の全体を説明した説明図である。
【符号の説明】
L ラベル
L1 時刻情報
L3 ハッシュ値(暗号化情報)
LX,D1 ラベル固有情報
DT 台紙
DH 穴
10 ラベル印刷機
14A RAM
15 通信制御部
17 二次元コードリーダー部
18,19 印刷機構部
101 時刻認証機関(第三者機関)
102 消費者
103 メーカー
Claims (3)
- ロール状又は短冊状に形成した台紙に、裏面側を接着面とした多数のラベルを剥離自在に並べて接着すると共に、各ラベルの表面にラベル印刷機を用いて製造年月日や賞味期限と言った各種の時刻情報を印刷して発行するように構成したラベル発行装置であって、
上記のラベル印刷機に、上記各ラベルの裏面或は台紙のいずれか一方又は両方に予め掲載されているラベル固有情報を読取ることができるラベル固有情報読取り手段と、読取ったラベル固有情報と上記の時刻情報とを暗号化する暗号化手段と、暗号化された情報を記憶する記憶手段と、ラベル印刷機がラベルの表面に時刻情報を印刷する際に、上記暗号化手段によって暗号化された情報を一緒にラベル表面に印刷する印刷機構部と、この印刷した暗号化情報を第三者機関に送付する情報送信手段を設けたことを特徴とするラベル発行装置。 - ロール状又は短冊状に形成した台紙に、裏面側を接着面とした多数のラベルを剥離自在に並べて接着すると共に、各ラベルの表面にラベル印刷機を用いて製造年月日や賞味期限と言った各種の時刻情報を印刷して発行するように構成したラベル発行装置であつて、
上記のラベル印刷機に、ラベル固有情報を生成する固有情報手段と、生成したラベル固有情報と上記の時刻情報とを暗号化する暗号化手段と、暗号化された情報を記憶する記憶手段と、ラベル印刷機がラベルの表面に時刻情報を印刷する際に、上記暗号化手段によって暗号化された情報を一緒にラベル表面に印刷する印刷機構部と、この印刷した暗号化情報を第三者機関に送付する情報送信手段と、上記固有情報生成手段が生成したラベル固有情報を、上記ラベルの裏面に印刷する固有情報用印刷機構部を設けたことを特徴とするラベル発行装置。 - 暗号化手段によって暗号化される情報が、ハッシュ値等の一方向性の関数値であることを特徴とする請求項1又は2記載のラベル発行装置。
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