JP4234937B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備え、前記可視表示部に表示された図柄の組み合わせが特定の図柄組み合わせである場合に遊技者に有利となる特別遊技状態が付与される遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機は、複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備えている。その具体的なものとしては、例えば、数字図柄や文字図柄(又は絵(キャラクタ)図柄)を液晶画面上に3列表示可能な図柄表示手段が知られている。
【0003】
このような図柄表示手段では、遊技盤に設置された始動入賞口に遊技球が入賞すると、各列の図柄が変動表示を開始するようになっている。そして、変動表示後、所定の時間が経過すると、例えば、遊技者側から見て左図柄→右図柄→中図柄という順番で所定の図柄が表示され、該図柄の組み合わせによって大当り状態、リーチ状態又ははずれ状態などの各種状態が形成されるようになっている。このとき、各列の図柄が同一の図柄となって表示された場合には、大当り状態が形成され、多数の遊技球を獲得できるチャンスが遊技者に付与されるようになっている。
【0004】
ところで、近時のパチンコ機では、遊技者の興趣を向上させるために、各列の図柄が変動表示を開始してから所定の図柄で確定的に表示されるまでの間、様々な演出が行われている。例えば、特定の2列(左図柄と右図柄)が同一の図柄となったリーチ状態が形成された場合に、リーチ演出として、残りの1列の図柄を、コマ送り、高速送り、又はキャラクタを動作させるなどして表示させている。さらに、例えば、ノーマルリーチ→スーパーリーチ→スペシャルリーチというように、図柄組み合わせゲーム中に行われるリーチ演出(演出内容)を変遷(発展)させている。このようにリーチ演出が変遷することにより、遊技者は、リーチ演出が発展(変遷)していく過程を見ながら大当り状態が生起される期待感を徐々に高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような演出は、リーチ演出が変遷することにより、遊技者は大当り状態へ発展する期待感を高めることができる反面、リーチ演出に要する時間が長くなる傾向があった。そして、リーチ演出が複雑に変遷し、長時間かけて行われたにも関わらず、はずれ状態が形成された場合、遊技者は図柄が確定的に表示されるまでのリーチ演出の時間を特に長く感じてしまうことになる。そのため、このような変遷するリーチ演出は、遊技者が時間を長く感じ易く、該演出に飽きてしまうという虞があった。
【0006】
そこで、前記ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチ等で行われる各演出内容を省略したりしてリーチ演出に要する全体の時間を短くすることが考えられる。しかし、このように演出内容を省略した場合、図柄が確定的に表示されるまでの過程のリーチ演出に遊技者が物足りなさを感じてしまうという問題が起こり得る。
【0007】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、リーチ演出に対して遊技者に物足りなさを感じさせず、且つ飽きさせることのない遊技機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を可変させて行う図柄組み合わせゲームを表示する可視表示部が設けられた図柄表示手段を備え、前記可視表示部に表示された図柄の組み合わせが特定の図柄組み合わせである場合に遊技者に有利となる特別遊技状態が付与される遊技機において、大当りか否かを判定する大当り判定手段と、前記図柄組み合わせゲームの変動時間及び前記図柄組み合わせゲームで行われる演出を特定可能な変動パターンを記憶する変動パターン記憶手段と、前記変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、前記変動パターンに対応する具体的な制御内容に基づき前記可視表示部の表示内容を制御する制御手段と、を備え、前記図柄組み合わせゲームで行われる演出としてのリーチ演出には、リーチ演出内容が複数の段階に変遷される変遷リーチ演出を含み、前記変遷リーチ演出は、前記リーチ演出内容が次の段階に変遷することを遊技者に報知する変遷演出を経て次の段階に変遷されるように構成され、前記変動パターン決定手段は、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には前記変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンの中から段階数の多い変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンを選択し易く、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には前記変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンの中から段階数の少ない変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンを選択し易くなるように設定されており、前記変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンには、全ての段階を予め定めた所定の演出速度に基づく第1リーチ演出態様で実行させる第1の変動パターンと、前記第1の変動パターンから特定可能な変遷リーチ演出と同一リーチ演出内容の変遷リーチ演出を特定可能であって、最終段階よりも前に実行される全ての段階のリーチ演出内容を前記所定の演出速度よりも早い早送り演出速度に基づく第2リーチ演出態様で実行させる第2の変動パターンを含み、前記第1の変動パターンと前記第2の変動パターンは、前記図柄変動ゲームが開始してから終了するまでの時間となる前記変動時間が同一時間に設定されているとともに、前記変遷リーチ演出中に実行される変遷演出の演出時間も同一時間に設定され、前記第2の変動パターンにおける前記最終段階のリーチ演出内容は、前記最終段階よりも前に実行される全てのリーチ演出内容を前記早送り演出速度で実行させる場合と前記最終段階よりも前に実行される全てのリーチ演出内容を前記所定の演出速度で実行させる場合の時間差分だけ前記所定の演出速度よりも遅送りとなる遅送り演出速度で実行されるようになっており、前記制御手段は、前記第2の変動パターンの変遷リーチ演出について、前記最終段階よりも前に実行される全ての段階のリーチ演出内容を前記早送り演出速度で実行させることにより、前記第1の変動パターンの変遷リーチ演出において最終段階に達するまでの時間よりも短い時間で実行させる一方で、前記最終段階のリーチ演出内容を前記遅送り速度で実行させることにより、前記第1の変動パターンの変遷リーチ演出における最終段階のリーチ演出内容の時間よりも長い時間で実行させることを要旨とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)に具体化した一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
【0012】
図1に略示するように、パチンコ機10において機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組付けられている。そして、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組付け整合されている。また、中枠の下部には下球皿16、打球発射装置17等が装着されている。
【0013】
遊技盤13の遊技領域の略中央には、図柄を可変させて図柄組み合わせゲームを行う図柄表示手段としての図柄表示装置18が配設されている。また、遊技盤13の遊技領域であって、前記図柄表示装置18の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う普通電動役物19aを備えた始動入賞口19が配置されている。さらに、始動入賞口19の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口20が配置されている。従って、打球発射装置17の操作により遊技盤13の遊技領域に打球された遊技球が始動入賞口19へ入賞するか又は始動保留球数の記憶値に基づき、図柄表示装置18では図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。なお、「始動保留球数の記憶値」とは、図柄の変動中に始動入賞口19に入賞した遊技球の数を所定の上限値(一般的には4)の範囲内で記憶した値である。
【0014】
次に、図柄表示装置18の具体的構成について説明する。
前記図柄表示装置18には、液晶画面からなる可視表示部Hが設けられており、該可視表示部Hには、図2で示すように複数列(本実施形態では、3列)の第1図柄21(左図柄)、第2図柄22(中図柄)及び第3図柄23(右図柄)が各列毎に表示されるようになっている。なお、「表示」とは、可視表示部Hにおいて遊技者が図柄を識別できる状態で前記図柄が停止していることであり、「停止」には、所謂、ゆれ変動と言われる一旦停止状態と完全に停止した確定停止状態の何れの状態も含まれている。
【0015】
また、本実施形態における第1〜第3図柄21〜23は、図2に示すように、配列をなした複数種類(10種類)の数字から構成されている。より詳しくは、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9の10種類の数字となっている。そして、可視表示部Hには、第1〜第3図柄21〜23として各列毎に同一又は異なる図柄が表示できるようになっている。従って、遊技者は、可視表示部Hに表示された第1〜第3図柄21〜23の組み合わせの態様から大当り状態(特別遊技状態)、リーチ状態又ははずれ状態の何れかの状態を認識することができる。
【0016】
例えば、図2に示すように、可視表示部Hに表示された第1〜第3図柄21〜23が同一の図柄「5」である場合には、その組み合わせの態様から大当り状態を認識することができる。また、特定の2列(例えば、第1図柄21と第3図柄23)が同一の図柄「5」である場合には、その組み合わせの態様からリーチ状態を認識することができる。さらに、可視表示部Hに表示された第1〜第3図柄21〜23が同一の図柄からなる組み合わせの態様を形成していない場合には、その組み合わせの態様からはずれ状態を認識することができる。なお、全図柄21〜23が同一の図柄である図柄組み合わせが特定の図柄組み合わせに相当する。
【0017】
また、これらの複数種類の図柄(0〜9)は、可視表示部Hにおいて、各列毎に縦方向(図2で矢示する変動方向A)で、・・→0→1→2→・・・→8→9→0→1→・・というように、数字が昇順となる配列で変動表示(スクロール表示)されるようになっている。なお、「変動表示」とは、可視表示部Hにおいて、図柄が一旦停止状態又は確定停止状態となって表示されておらず、可視表示部Hに表示する図柄の種類を変化させながら変動していることを言う。そして、可視表示部Hには、各列毎に変動表示されている複数種類の図柄のうち、何れか一つの図柄が各列毎に表示されるようになっている。
【0018】
一方、パチンコ機10の機裏側には、遊技内容を統括して制御する主制御基板(以下、「主基板」という)51が装着されている(図1に破線で示す)。そして、主基板51には、図柄表示装置18の図柄制御などを実行する図柄制御基板(以下、「図柄基板」という)52が接続されている(図1に破線で示す)。この図柄基板52は、主基板51から出力された各種制御信号を入力し、該制御信号を構成する制御コマンドに基づき図柄表示装置18の図柄制御を実行するようになっている。そして、可視表示部Hでは、前記制御コマンドに応じた図柄組み合わせゲームが行われることにより、各列毎に図柄が変動表示された後、第1〜第3図柄21〜23として表示されるようになっている。
【0019】
次に、主基板51及び図柄基板52の具体的な構成について図3に基づき詳細に説明する。
最初に、主基板51について説明すると、主基板51はパチンコ機10全体を制御するメインCPU53を備えており、該メインCPU53にはROM54及びRAM55が接続されている。そして、ROM54には、パチンコ機10を制御するための遊技制御プログラムや各種制御コマンドが記憶保持されている。また、RAM55には、始動入賞口19に入賞した遊技球のうち、始動保留球数として記憶した前記記憶値やメインCPU53が演算処理した前記制御コマンドが記憶保持されるようになっている。さらに、RAM55には、メインCPU53が所定の周期毎(例えば2ms)に更新した各種乱数の値が記憶保持されるようになっている。例えば、RAM55には、大当り判定用乱数(0〜630)、大当り図柄乱数(0〜9)、左はずれ図柄乱数(0〜9)、右はずれ図柄乱数(0〜9)、中はずれ図柄乱数(0〜9)、リーチ判定用乱数(0〜59)、変動パターン振分け乱数(0〜49)の各値が記憶保持されるようになっている。
【0020】
なお、「変動パターン」とは、第1〜第3図柄21〜23が変動を開始してから、前記各図柄21〜23が所定の図柄を確定停止させるまでの間において、変動パターン毎に予め定められた変動時間内における前記各図柄21〜23の動作パターンを示したものである。即ち、変動パターンは、図柄表示装置18で行われる演出に相当するものであって、例えば、リーチ状態となった時に特定の図柄をコマ送り、高速送り、又は図柄以外のキャラクタを動作させるなど各図柄21〜23の動作パターンが示されている。
【0021】
また、大当り判定用乱数は、始動入賞口19に遊技球が入賞した際に抽出され、その抽出された値によって大当り状態となるか否かを判定するものである。そして、ROM54には、大当り判定用乱数(0〜630)のうち、大当り状態と判定するための所定の大当り値(本実施形態では7と373の2つ)が記憶されており、メインCPU53は、抽出された値が前記大当り値と一致した場合に大当り状態と判定する。
【0022】
また、各図柄乱数は、最終的に確定停止させる図柄を決定するための乱数である。そして、各図柄乱数の数値である0(零)〜9は、前述した10種類の図柄(0〜9)に対応している。従って、大当り状態が決定された場合には、大当り図柄乱数から抽出された数値に対応する図柄が確定停止する図柄として決定される。また、大当り判定用乱数から大当り値以外の数値が抽出された場合には、各はずれ図柄乱数から抽出された数値に対応する図柄が確定停止する図柄として決定される。
【0023】
また、リーチ判定用乱数は、大当り判定用乱数から大当り値以外の数値が抽出された際に抽出され、その抽出された値によって可視表示部Hにおいてはずれリーチの演出を行うか否かを決定するための乱数である。なお、「はずれリーチ」とは、例えば、第1,第3図柄21,23を同一の図柄としたリーチ状態において、第2図柄22として前記両図柄21,23とは異なる図柄を表示させる演出である。また、ROM54には、リーチ判定用乱数(0〜59)のうち、リーチ状態と判定するための所定のリーチ判定値(本実施形態では7,18,40,51,56の5つ)が記憶されている。そして、メインCPU53は、抽出した値が前記リーチ判定値と一致した場合にリーチ状態と判定する(即ち、はずれリーチの演出を行う)。
【0024】
また、変動パターン振分け乱数は、ROM54に予め記憶された複数種類(本実施形態では10種類)の変動パターンのうち、何れの変動パターンを用いて第1〜第3図柄21〜23を変動させるかを決定するための乱数である。そして、前記変動パターンは、大当り演出用、はずれリーチ演出用、はずれ演出用に区分してテーブル化されており、該テーブル毎に変動パターン振分け乱数の数値が振分けられている。
【0025】
そして、大当り演出用のテーブルから変動パターンが決定された場合、可視表示部Hには第1〜第3図柄21〜23が同一の図柄である組み合わせが表示される。また、はずれリーチ演出用のテーブルから変動パターンが決定された場合、可視表示部Hには遊技者がリーチ状態を認識できる組み合わせが表示された後、既に表示されている他の列の図柄(リーチ状態を形成している図柄)と残り1列の図柄が異なる組み合わせで表示される。また、はずれ演出用のテーブルから変動パターンが決定された場合、可視表示部Hには遊技者がリーチ状態を認識できる組み合わせが表示されることなく、全列の図柄が異なる組み合わせ又は1列の図柄が他の2列の図柄と異なる組み合わせが表示される。
【0026】
そして、メインCPU53は、図柄基板52に対し図柄制御を指示する際、抽出した各種乱数の値に基づき制御コマンドを演算処理し、該制御コマンドを制御信号(8ビットの信号MD0〜MD7)として出力ポート56及び出力バッファ57を介して出力するようになっている。また、メインCPU53は、前記制御信号の出力タイミングに併せて、図柄基板52に対し前記制御信号を構成する制御コマンドの読込みを指示するための読込信号(INT信号又はストローブ信号)を出力ポート56及び出力バッファ57を介して出力するようになっている。
【0027】
次に、前記制御コマンドを入力し、該コマンドに基づく図柄表示装置18の図柄制御を実行する図柄基板52の具体的な構成について図3に基づき説明する。前記図柄基板52は、図柄表示装置18の図柄制御を実行するためのサブCPU58を備えている。当該サブCPU58には主基板51が出力した制御信号及び読込信号を入力する入力バッファ59が接続されている。さらに、入力バッファ59には入力ポート60が接続されており、前記制御信号は入力ポート60を介してサブCPU58に入力されるようになっている。
【0028】
また、サブCPU58には、ROM61及びRAM62が接続されている。そして、ROM61には、図柄表示装置18の図柄制御を行うための制御プログラムや、メインCPU53が選択した変動パターンに対応する具体的な制御内容(第1〜第3図柄21〜23の動作パターン)等が記憶保持されている。そして、サブCPU58は、主基板51が選択した変動パターンに基づく制御コマンドを入力した際、一義的に該変動パターンに対応した動作パターンを抽出するようになっている。一方、RAM62には、主基板51から出力された制御コマンドなどが記憶保持される。
【0029】
サブCPU58には、第1〜第3図柄21〜23の動作パターンに応じて、図柄表示装置18(可視表示部H)の表示内容を制御するためのVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)63が接続されている。また、VDP63には、キャラクタROM64及びビデオRAM65が接続されている。そして、キャラクタROM64には、図柄として可視表示部Hに表示される0〜9の画像情報やメインCPU53によって選択された変動パターンに対応する可視表示部Hの表示内容にかかる画像情報などが記憶保持されている。なお、可視表示部Hの表示内容にかかる画像情報としては、例えば、背景画像(画面)、文字画像、キャラクタ画像(各種動作画像も含む)などである。
【0030】
また、ビデオRAM65には、前記制御コマンドなどに基づきVDP63がキャラクタROM64に記憶されている各種画像情報を用いて生成した可視表示部Hの表示内容を制御するための表示制御情報が記憶保持されるようになっている。そして、VDP63は、前記表示制御情報を画像信号に変換し、図柄表示装置18に対し出力するようになっている。
【0031】
従って、図柄基板52(サブCPU58)は、制御コマンドを入力すると、該コマンドに対応する制御内容に基づき、第1〜第3図柄21〜23の変動開始から確定停止までの動作パターンを制御する。一方、VDP63は、前記制御内容に対応する表示制御情報を生成し、該表示制御情報に基づき図柄表示装置18(可視表示部H)の表示内容を制御する。この結果、可視表示部Hには、第1〜第3図柄21〜23が表示されると共に、前記各図柄21〜23の動作パターンに応じて可視表示部Hにおける表示内容が制御される。即ち、可視表示部Hでは、メインCPU53が選択した変動パターンに対応してVDP63が生成した表示制御情報に基づく図柄組み合わせゲームが変動画像による演出として行われるようになっている。このとき、メインCPU53が大当り演出用又ははずれリーチ演出用のテーブルから変動パターンを選択した場合(大当り値又はリーチ判定値と一致する乱数の値を抽出した場合)、可視表示部Hでは、リーチ演出が行われるようになっている。なお、「リーチ演出」とは、特定列(本実施形態では、第1,第3図柄21,23)の図柄が同一の図柄となって表示された後、全列の図柄により大当り状態又ははずれ状態(はずれリーチ)を示す組み合わせが表示(一時的又は確定的)されるまでの間に行われる演出のことである。このリーチ演出としては、前記変動パターンの選択に基づいて所定のものが実行される。
【0032】
リーチ演出は、遊技者が大当り状態へ発展する期待感を高められるように複数の段階に変遷させるなどの形態で構成されている。例えば、ノーマルリーチの演出内容のみで構成されるリーチ演出(以下、「ノーマル演出」という。)、ノーマルリーチ→スーパーリーチへ2段階に変遷する演出内容で構成されるリーチ演出(以下、「スーパー演出」という。)がある。さらに、ノーマルリーチ→スーパーリーチ→スペシャルリーチへ3段階に変遷する演出内容で構成されるリーチ演出(以下、「スペシャル演出」という。)がある。これらのリーチ演出の具体的な内容(演出内容)は、主基板51のROM54に記憶保持された変動パターンと対応付けられており、図柄基板52のROM61に具体的な制御内容として記憶保持されている。
【0033】
そして、各リーチ演出は、ノーマル演出<スーパー演出<スペシャル演出の順(複数の段階に変遷するリーチ演出の順)に遊技者が大当り状態へ発展する期待感を高められるようになっている。これはノーマルリーチよりもスーパーリーチ、さらにスーパーリーチよりもスペシャルリーチの方が、大当り状態へ発展する期待感が高まることを示す。そして、ノーマル演出>スーパー演出>スペシャル演出の順にはずれリーチの際のリーチ演出として出現する割合が高く、その一方で、ノーマル演出<スーパー演出<スペシャル演出の順に大当り状態へ発展する際のリーチ演出として出現する割合が高くなっている。なお、出現する割合は、前述したテーブル(大当り演出用又ははずれリーチ演出用)に対する変動パターンの振分け態様に応じて決定されている。例えば、スペシャル演出が対応付けられた変動パターンをはずれリーチ演出用のテーブルよりも大当り演出用のテーブルに多く振分けた場合、スペシャル演出によるリーチ演出は、大当り状態へ発展する際に多く出現することになる。
【0034】
従って、遊技者は、リーチ演出の段階が変遷する程、大当り状態へ発展する期待感を高めることができ、該演出内容がノーマルリーチからスーパーリーチへ発展することにより期待感を高めることができる。また、遊技者は、該演出内容がスーパーリーチからスペシャルリーチへ発展することにより期待感をさらに高めることができる。即ち、遊技者にとって、スーパーリーチの演出内容はノーマルリーチの演出内容に比して高期待演出内容となり、スペシャルリーチの演出内容はスーパーリーチの演出内容に比して高期待演出内容となる。換言すると、遊技者にとって、スーパーリーチの演出内容はスペシャルリーチの演出内容に比して低期待演出内容となり、ノーマルリーチの演出内容はスーパーリーチの演出内容に比して低期待演出内容となる。
【0035】
そして、本実施形態では、図柄基板52が変動パターンに対応する制御内容に基づきリーチ演出を実行する際、同一のリーチ演出における所定部分の演出速度を異ならせて実行できるように構成されている。具体的には、通常の演出速度、早送り演出速度及び遅送り演出速度の何れかの演出速度で実行できるようになっている。なお、「同一のリーチ演出」とは、同一の演出内容から構成されるリーチ演出であって、該演出内容である図柄の動作、登場キャラクタ又は背景など、可視表示部Hにおける変動画像(表示制御情報)の内容が一致することを言う。このとき、可視表示部Hに表示される図柄の種類は、演出内容に含まれないため、一致又は不一致の何れであってもよい。また、「所定部分」とは、リーチ演出に係る演出内容の一部又は全部である。
【0036】
さらに、本実施形態では、少なくとも2つのリーチ演出を比較して、同一の演出内容については、その演出速度を異ならせて実行できるように構成されている。この場合、リーチ演出に係る全ての演出内容が同一であるかを意図していない。そして、本実施形態では、図柄基板52が可視表示部Hにおいてリーチ演出を実行するリーチ演出実行手段に相当する。
【0037】
前記通常の演出速度とは、所定の演出内容(所定量の表示制御情報)を所定の演出時間Tαで実行するための演出速度であり、前述した各リーチ演出の演出内容を実行する際の基準となる演出速度である。なお、前記通常の演出速度は、可視表示部Hに表示される演出内容の動作が一定の速さで行われることを意味していない。即ち、通常の演出速度は、遊技者に対する演出として可視表示部Hにおける演出内容の動作が突然速くなったり、次第に遅くなったりと遊技展開(演出の流れ)に応じて変化し得る。この通常の演出速度が、予め定められた所定の演出速度に相当する。そして、本実施形態では、この通常の演出速度により前述した各リーチ演出の演出内容が実行される割合が高く設定されており、遊技者は、この演出速度が通常の演出速度と認識している。
【0038】
また、早送り演出速度とは、通常の演出速度で実行される演出内容と同一の演出内容を前記演出時間Tαよりも少ない演出時間(例えばTα/2)で実行するための演出速度である。例えば、演出時間がTα→Tα/2に短縮された場合、早送り演出速度で実行された可視表示部Hにおける演出内容の表示スピードは、通常の演出速度で実行された場合の2倍となる。なお、以下の説明において、演出内容を早送り演出速度で実行することを、単に「早送り」ということもある。そして、演出内容が早送り演出速度で実行された場合、遊技者は、前記通常の演出速度の場合と比較して演出内容が早送りで表示されていると認識する。
【0039】
また、遅送り演出速度とは、通常の演出速度で実行される演出内容と同一の演出内容を前記演出時間Tαよりも多い演出時間(例えば2Tα)で実行するための演出速度である。例えば、演出時間がTα→2Tαに延ばされた場合、遅送り演出速度で実行された可視表示部Hにおける演出内容の表示スピードは、通常の演出速度で実行された場合の1/2倍となる。なお、以下の説明において、演出内容を遅送り演出速度で実行することを、単に「遅送り」ということもある。そして、演出内容が遅送り演出速度で実行された場合、遊技者は前記通常の演出速度の場合と比較して演出内容が遅送りで表示されていると認識する。
【0040】
そして、本実施形態では、主基板51のROM54に複数種類(本実施形態では10種類)の変動パターン1〜10を記憶し、所定の変動パターンに対応する制御内容に演出速度を示すことで、同一の演出内容を通常の演出速度、早送り演出速度又は遅送り演出速度で実行するようになっている。なお、各変動パターン1〜10には、各別に変動時間T1〜T10が定められている。
【0041】
以下、本実施形態における10種類の変動パターン1〜10の構成について図4に基づき詳細に説明する。
前記変動パターン1は、動作Aの演出内容から構成される第1〜第3図柄21〜23の動作パターンとなっている。具体的な動作の一例を挙げると、前記各図柄21〜23が変動表示を開始してから、第1図柄21→第3図柄23→第2図柄22の順で図柄が表示される動作パターンとなっている。そして、変動パターン1の制御内容には、動作Aを通常の演出速度で実行することが示され、この動作Aは、演出時間Ta(=変動時間T1)で実行されるようになっている。また、この変動パターン1は、前述した各リーチ演出が行われない動作パターンとなっており、前述したはずれ演出用のテーブルのみに振分けられている。
【0042】
前記変動パターン2,3は、動作A’及び動作Bの各演出内容から構成される第1〜第3図柄21〜23の動作パターンとなっている。この変動パターン2,3は、動作A’によって第1図柄21と第3図柄23でリーチ状態を形成し、動作Bによって前述したノーマル演出を行うための動作パターンとなっている。即ち、変動パターン2,3は、ノーマルリーチの演出内容(動作B)に基づいて同一の演出内容となるリーチ演出が行われるようになっている。
【0043】
そして、変動パターン2の制御内容には、動作A’及び動作Bを通常の演出速度で実行することが示され、動作A’は演出時間Ta’で、動作Bは演出時間Tb1で実行されるようになっている。なお、前記動作A’の演出時間Ta’は、動作Aの演出時間Taと比較してリーチ状態が形成されてから第2図柄22が表示されるまでの時間分短くなっている。また、以下に説明する変動パターン3〜10の制御内容においても動作A’を通常の演出速度(演出時間Ta’)で実行することが示されている。従って、変動パターン2は、演出時間Ta’と演出時間Tb1が加算された変動時間T2(>変動時間T1)が定められている。前記動作Bの演出時間Tb1が、変動パターン2におけるリーチ演出の演出時間に相当する。
【0044】
また、前記変動パターン3の制御内容には、前記動作Bを早送り演出速度で実行することが示されており、変動パターン3の動作Bは、変動パターン2の動作Bの演出時間Tb1よりも短い演出時間Tb2で実行されるようになっている。また、変動パターン3の制御内容には、第2図柄22に所定の図柄を表示させる際は、再び通常の演出速度に戻して図柄を表示することが示されている。なお、この通常の演出速度に戻される時間は、僅かであるため、図4においては省略されている。そして、変動パターン3は動作Bが早送りされる時間分(Tb1−Tb2)だけ、変動パターン2に比してリーチ演出の演出時間が短く定められている。そのため、演出時間Ta’と演出時間Tb2が加算された変動パターン3の変動時間T3は、変動パターン2の変動時間T2よりも短く定められている。
【0045】
従って、変動パターン3は、変動パターン2と同一の演出内容であるリーチ演出(ノーマル演出)の一部を早送り演出速度で実行する変動パターンとなっている。即ち、変動パターン2におけるリーチ演出は、図柄基板52(サブCPU58)が実行可能とされた第1リーチ演出態様であり、変動パターン3におけるリーチ演出は、図柄基板52(サブCPU58)が実行可能とされた第2リーチ演出態様に相当する。
【0046】
前記変動パターン4,5は、動作A’、動作B及び動作Cの各演出内容から構成される第1〜第3図柄21〜23の動作パターンとなっている。この変動パターン4,5は、動作A’によってリーチ状態を形成した後、動作B及び動作Cによって前述したスーパー演出を行うための動作パターンとなっている。即ち、変動パターン4,5は、ノーマルリーチの演出内容(動作B)とスーパーリーチの演出内容(動作C)に基づいて同一の演出内容となるリーチ演出が行われるようになっている。
【0047】
また、前記変動パターン4,5の制御内容には、ノーマルリーチ→スーパーリーチへ移行する箇所、即ち、動作Bから動作Cへ移行する箇所で、変遷演出H1を実行することが示されている。この変遷演出H1はリーチ状態が次の段階に移行することを遊技者に報知するための演出である。そして、前記変遷演出H1の演出内容としては、例えば、第2図柄22として所定の図柄が一旦停止した際に、移行の合図となるキャラクタの登場又は背景の変更などによりリーチ状態の移行を遊技者に認識させるようになっている。
【0048】
本実施形態の図柄基板52(サブCPU58及びVDP63)は、スーパーリーチ(動作C)への発展に際して、前記キャラクタROM64の画像情報に基づいて稲妻を模した画像G(図6、画面4参照)を生成し、該画像Gを可視表示部Hに表示させるようになっている。この変遷演出H1は、ノーマルリーチの演出内容(動作B)として位置付けることができるが、本実施形態では、説明の便宜上、動作Bと変遷演出H1を区分し、動作Bのみでノーマルリーチの演出内容としている。
【0049】
そして、変動パターン4の制御内容には、動作B,C及び変遷演出H1を通常の演出速度で実行することが示されている。即ち、動作Bは演出時間Tb1で、動作Cは演出時間Tc1で、変遷演出H1は演出時間Th1で実行されるようになっている。なお、変遷演出H1の演出時間Th1は、前記動作B及び動作Cの演出時間Tb1,Tc1に比べて非常に短いが、図4においては誇張して描いてある(他の変動パターン4〜8でも同じ)。従って、変動パターン4は、演出時間Ta’、演出時間Tb1、演出時間Tc1及び演出時間Th1が加算された変動時間T4(>T1〜T3)が定められている。なお、動作Bの演出時間Tb1、動作Cの演出時間Tc1及び変遷演出H1の演出時間Th1を加算した時間は、変動パターン4のリーチ演出の演出時間に相当する。
【0050】
また、前記変動パターン5の制御内容には、前記動作C及び変遷演出H1を通常の演出速度で実行し、前記動作Bを早送り演出速度で実行することが示されている。このため、変動パターン4と同様に、変動パターン5の動作Cは演出時間Tc1で、変遷演出H1は演出時間Th1で実行されるようになっている。一方、変動パターン5の動作Bは、変動パターン4の動作Bの演出時間Tb1よりも短い演出時間Tb2で実行されるようになっている。そして、変動パターン5は動作Bが早送りされる時間分(Tb1−Tb2)だけ、変動パターン4に比してリーチ演出の演出時間が短く定められている。そのため、演出時間Ta’、演出時間Tb2、演出時間Th1及び演出時間Tc1が加算された変動パターン5の変動時間T5は、変動パターン4の変動時間T4よりも短く定められている。
【0051】
従って、変動パターン5は、変動パターン4と同一の演出内容であるリーチ演出(スーパー演出)の一部を早送り演出速度で実行する変動パターンとなっている。即ち、変動パターン4におけるリーチ演出は、図柄基板52(サブCPU58)が実行可能とされた第1リーチ演出態様であり、変動パターン5におけるリーチ演出は、図柄基板52(サブCPU58)が実行可能とされた第2リーチ演出態様に相当する。そして、図柄基板52(サブCPU58)は、変動パターン5に基づき、リーチ演出が次の段階に移行する箇所(変遷演出H1)及び遊技者にとって高期待演出内容となる演出内容(動作Cに相当するスーパ−リーチの演出内容)を通常の演出速度で実行できるようになっている。
【0052】
前記変動パターン6,7,8,9は、動作A’、動作B、動作C及び動作Dの各演出内容から構成される第1〜第3図柄21〜23の動作パターンとなっている。この変動パターン6〜9は、動作A’によってリーチ状態を形成した後、動作B、動作C及び動作Dによって前述したスペシャル演出を行うための動作パターンとなっている。即ち、変動パターン6〜9は、ノーマルリーチの演出内容(動作B)、スーパーリーチの演出内容(動作C)、及びスペシャルリーチの演出内容(動作D)に基づいて同一の演出内容となるリーチ演出が行われるようになっている。
【0053】
また、前記変動パターン6〜9の制御内容には、前記変動パターン4,5と同様に動作B(ノーマルリーチ)から動作C(スーパーリーチ)へ移行する箇所で、変遷演出H1を実行することが示されている。さらに、変動パターン6〜9の制御内容には、スーパーリーチ→スペシャルリーチへ移行する箇所、即ち、動作Cから動作Dへ移行する箇所で、変遷演出H2を実行することが示されている。
【0054】
この変遷演出H2は、変遷演出H1と同様にリーチ状態が次の段階に移行することを遊技者に報知するための演出である。そして、本実施形態の図柄基板52(サブCPU58及びVDP63)は、スペシャルリーチ(動作D)へ発展する箇所で、変遷演出H1と同じ稲妻を模した画像Gを生成し、該画像Gを可視表示部Hに表示させるようになっている。この変遷演出H2は、スーパーリーチの演出内容として位置付けることができるが、本実施形態では、説明の便宜上、動作Cと変遷演出H2を区分し、動作Cのみでスーパーリーチの演出内容としている。
【0055】
そして、変動パターン6の制御内容には、動作B,C,D及び変遷演出H1,H2を通常の演出速度で実行することが示されている。即ち、動作Bは演出時間Tb1で、動作Cは演出時間Tc1で、動作Dは演出時間Td1で、変遷演出H1は演出時間Th1で、変遷演出H2は演出時間Ti1で実行されるようになっている。なお、変遷演出H1,H2の演出時間Th1,Ti1は、前記動作B,C,Dの演出時間Tb1,Tc1,Td1に比べて非常に短いが、図4においては誇張して描いてある(他の変動パターン7,8でも同じ)。従って、変動パターン6は、演出時間Ta’、演出時間Tb1、演出時間Tc1、演出時間Td1、演出時間Th1及び演出時間Ti1が加算された変動時間T6(>T1〜T5)が定められている。なお、動作Bの演出時間Tb1、動作Cの演出時間Tc1、動作Dの演出時間Td1、変遷演出H1の演出時間Th1及び変遷演出H2の演出時間Ti1を加算した時間は、変動パターン6のリーチ演出の演出時間に相当する。
【0056】
また、変動パターン7の制御内容には、前記動作D、変遷演出H1及び変遷演出H2を通常の演出速度で実行し、前記動作B及び動作Cを早送り演出速度で実行することが示されている。このため、変動パターン6と同様に、前記変動パターン7の動作Dは演出時間Td1で、変遷演出H1は演出時間Th1で、変遷演出H2は演出時間Ti1で実行されるようになっている。一方、変動パターン7の動作Bは変動パターン6の動作Bの演出時間Tb1よりも短い演出時間Tb2で、変動パターン7の動作Cは変動パターン6の動作Cの演出時間Tc1よりも短い演出時間Tc2で実行されるようになっている。そして、変動パターン7は動作B及び動作Cが早送りされる時間分((Tb1+Tc1)−(Tb2+Tc2)=TA)だけ、変動パターン6に比してリーチ演出の演出時間が短く定められている。そのため、演出時間Ta’、演出時間Tb2、演出時間Tc2、演出時間Td1、演出時間Th1及び演出時間Ti1が加算された変動パターン7の変動時間T7は、変動パターン6の変動時間T6よりも短く定められている。
【0057】
また、変動パターン8の制御内容には、変遷演出H1及び変遷演出H2を通常の演出速度で実行し、前記動作B及び動作Cを早送り演出速度で実行することが示されている。さらに、変動パターン8の制御内容には、動作Dを遅送り演出速度で実行することが示されている。このため、変動パターン6と同様に、前記変動パターン8の変遷演出H1は演出時間Th1で、変遷演出H2は演出時間Ti1で実行されるようになっている。一方、変動パターン8の動作Bは変動パターン6の動作Bの演出時間Tb1よりも短い演出時間Tb2で、変動パターン8の動作Cは変動パターン6の動作Cの演出時間Tc1よりも短い演出時間Tc2で実行されるようになっている。また、変動パターン8の動作Dは、変動パターン6の動作Dの演出時間Td1よりも長い演出時間Td2で実行されるようになっている。
【0058】
そして、変動パターン8の動作Dは、動作B及び動作Cが早送りされる時間分(前述した時間TA)だけ遅送りされるように演出時間Td2(Td1+TA)で実行されるようになっている。そのため、変動パターン8におけるリーチ演出の演出時間は、変動パターン6におけるリーチ演出の演出時間と同一となっている。また、変動パターン8の変動時間T8は、変動パターン6の変動時間T6と同一となっている。なお、変動パターン8のリーチ演出の演出時間は、変動パターン6の演出時間と略同一に構成してもよい。
【0059】
また、変動パターン9の制御内容には、前記動作B、動作C、変遷演出H1及び変遷演出H2を早送り演出速度で実行し、動作Dを遅送り演出速度で実行することが示されている。このため、変動パターン9の動作Bは、変動パターン6の動作Bの演出時間Tb1よりも短い演出時間Tb2で、変動パターン9の動作Cは、変動パターン6の動作Cの演出時間Tc1よりも短い演出時間Tc2で実行されるようになっている。さらに、変動パターン9の変遷演出H1は、変動パターン6の変遷演出H1の演出時間Th1よりも短い演出時間Th2で、変動パターン9の変遷演出H2は、変動パターン6の変遷演出H2の演出時間Ti1よりも短い演出時間Ti2で実行されるようになっている。一方で、変動パターン9の動作Dは、変動パターン6の動作Dの演出時間Td1よりも長い演出時間Td3で実行されるようになっている。なお、前記変遷演出H1の演出時間Th2及び変遷演出H2の演出時間Ti2は、前記動作B及び動作Cの演出時間Tb2,Tc2に比べて非常に短いが、図4においては誇張して描いてある(変動パターン10でも同じ)。
【0060】
そして、変動パターン9の動作Dは、動作B、動作C、変遷演出H1及び変遷演出H2が早送りされる時間分(前記時間TA+(Th1+Ti1)−(Th2+Ti2)=TB)だけ遅送りされるように演出時間Td3(Td1+TB)で実行されるようになっている。そのため、変動パターン9のリーチ演出の演出時間は、変動パターン6(又は変動パターン8)のリーチ演出の演出時間と同一となっている。また、変動パターン9の変動時間T9は、変動パターン6の変動時間T6(又は変動パターン8の変動時間T8)と同一となっている。なお、変動パターン9のリーチ演出の演出時間は、変動パターン6(又は変動パターン8)の演出時間と略同一に構成してもよい。
【0061】
また、変動パターン9の制御内容には、動作A’において、リーチ状態が形成された直後に、変遷予告演出を実行することが示されている。この変遷予告演出は、リーチ演出が最終の変遷段階まで変遷されること(本実施形態ではスペシャル演出)を遊技者に予告する演出とされている。そして、変遷予告演出の演出内容としては、例えば、第1及び第3図柄21,23が一旦停止した際に、合図となるキャラクタを登場させたりして、スペシャル演出が行われることを遊技者に予告する。本実施形態では、図柄基板52(サブCPU58及びVDP63)は、変遷予告演出として、前記キャラクタROM64の画像情報に基づいて麻雀の千点棒を模した画像F(図9、画面2参照)を生成し、該画像Fを可視表示部Hに表示させるようになっている。なお、変遷予告演出の時間は動作A’の演出時間Ta’に含まれており、図4において省略されている。
【0062】
従って、変動パターン7〜9は、変動パターン6と同一の演出内容であるリーチ演出(スペシャル演出)の一部を早送り演出速度で実行する変動パターンとなっている。即ち、変動パターン6におけるリーチ演出は、図柄基板52(サブCPU58)が実行可能とされた第1リーチ演出態様であり、変動パターン7〜9におけるリーチ演出は、図柄基板52(サブCPU58)が実行可能とされた第2リーチ演出態様に相当する。そして、図柄基板52(サブCPU58)は、変動パターン7に基づき、リーチ演出が次の段階に移行する箇所(変遷演出H1,H2)及び遊技者にとって高期待演出内容となる演出内容(動作Dに相当するスペシャルリーチの演出内容)を通常の演出速度で実行できるようになっている。
【0063】
また、サブCPU58は、変動パターン8,9に基づき、遊技者にとって高期待演出内容となる演出内容(動作Dに相当するスペシャルリーチの演出内容)を遅送り演出速度で実行できるようになっている。なお、本実施形態では、前記遊技者にとって高期待演出内容となる演出内容(動作D)が所定部分を除いた一部に相当する。さらに、サブCPU58は、変動パターン9に基づき、リーチ演出が最終の変遷段階に達するまでの間、リーチ演出を早送り演出速度で実行できるようになっている。そして、この変動パターン9では、変遷予告演出を実行することにより、遊技者の注目がスペシャルリーチの演出内容に集中するため、該演出内容のみを遅送り演出速度で実行できるようになっている。
【0064】
前記変動パターン10は、動作A’、動作B、動作C及び動作Eの各演出内容から構成される第1〜第3図柄21〜23の動作パターンとなっている。この変動パターン10は、動作A’によってリーチ状態を形成した後、動作B、動作C及び動作Eによって前述したスペシャル演出を行うための動作パターンとなっている。即ち、変動パターン10は、ノーマルリーチの演出内容(動作B)、スーパーリーチの演出内容(動作C)、及びスペシャルリーチの演出内容(動作E)に基づいてリーチ演出が行われるようになっている。
【0065】
ところで、変動パターン10では、動作A’〜動作Cについて前記変動パターン6(変動パターン7〜9)と同一の演出内容となっている。即ち、スペシャルリーチへ発展する過程におけるリーチ演出の演出内容は、前記変動パターン6(変動パターン7〜9)と同一であり、スペシャルリーチへ発展した際の演出内容が異なっている。換言すれば、変動パターン10におけるリーチ演出は、最終の変遷段階に達した後の演出内容が変動パターン6〜9(他のリーチ演出)における最終の変遷段階に達した後の演出内容と異なるようにされている。
【0066】
そして、変動パターン10の制御内容には、前記動作B、動作C、変遷演出H1及び変遷演出H2を早送り演出速度で実行することが示されている。また、変動パターン10の制御内容には、前記動作Eを前述した変動パターン9における動作Dの演出時間Td3と同一の演出時間Td3で実行することが示されている。そして、変動パターン10は、前述した変動パターン9と変動時間T10及びリーチ演出の演出時間が同じになっている。なお、変動パターン10の動作Eについては、変動パターン9の動作Dと異なり比較する対象(演出内容)がない。このため、演出時間が変動パターン9の動作Dと同じTd3でも動作Eの演出速度は遅送り演出速度には当てはまらない。
【0067】
従って、図柄基板52(サブCPU58)は、変動パターン10に基づき、変動パターン9によるリーチ演出と同一の演出内容については早送り演出速度で実行可能とされている。その一方で、サブCPU58は、変動パターン10に基づき、変動パターン9によるリーチ演出と異なる演出内容については演出時間がTd3となるように実行可能とされている。
【0068】
この変動パターン10は、スペシャルリーチへ移行するまでのリーチ演出の流れ(演出内容及び演出速度)が変動パターン9と同一であるため、遊技者はそれまで変動パターン9によるリーチ演出が出現したと思い込んでいる。そして、変動パターン10では、スペシャルリーチの演出内容(動作E)が変動パターン9によるスペシャルリーチの演出内容(動作D)とは異なるため、スペシャルリーチへ移行した段階で演出内容を見た遊技者が驚きを隠せないリーチ演出とすることができる。そして、この変動パターン10の出現する割合を低くし、かつ、出現した場合には100%大当り状態が生起されるように設定することにより、変動パターン10によるリーチ演出を所謂プレミアムリーチ(希少価値の高いリーチ)として位置付けることができる。なお、100%大当り状態が生起されるためには、前述した大当り演出用のテーブルのみに変動パターン10を振分ければよい。
【0069】
そして、これらの変動パターン1〜10に基づいて図柄基板52は図柄表示装置18(可視表示部H)を制御する。詳述すると、図柄基板52は、主基板51から変動パターン2,4,6に基づく図柄制御の指示を受けると、全ての演出内容が通常の演出速度で実行されるリーチ演出の態様で図柄表示装置18を制御する。その一方で、図柄基板52は、主基板51から変動パターン3,5,7〜10に基づく図柄制御の指示を受けると、早送り演出速度の演出内容を含むリーチ演出の態様で図柄表示装置18を制御する。さらに、図柄基板52は、主基板51から変動パターン8,9に基づく図柄制御の指示を受けると、早送り演出速度の演出内容に加えて遅送り演出速度の演出内容も含むリーチ演出の態様で図柄表示装置18を制御する。
【0070】
従って、例えば、変遷が多いリーチ演出であっても、早送り演出速度で実行することにより、その演出内容を省略することなく、かつ、遊技者に時間を長く感じさせないリーチ演出を実現できる。この結果、リーチ演出に対して遊技者に物足りなさを感じさせず、かつ、飽きさせることのないようにすることができる。
【0071】
また、同一のリーチ演出を、通常の演出速度、早送り演出速度及び遅送り演出速度で実行することができるため、可視表示部Hにおけるリーチ演出の表示スピードに変化を持たせることができる。従って、面白みのあるリーチ演出を提供することができる。また、同一のリーチ演出を少なくとも2種類以上の態様で見ることができるため、演出内容の種類を増やすことなくリーチ演出のバリエーションが増え効果的に遊技者の興趣を高めることができる。
【0072】
さらに、早送り演出速度となる演出内容を含む変動パターン3,5,7が実行された場合は、全てが通常の演出速度である変動パターン2,4,6が実行された場合と比較してリーチ演出の時間が短縮されるため、効率的な遊技を実現できる。また、早送り演出速度となる演出内容を含む一方で、遅送り演出速度となる演出内容を含む変動パターン8,9は、全てが通常の演出速度である変動パターン6が実行された場合と比較してリーチ演出の演出時間は同一とされている。このため、リーチ演出をじっくりと楽しみたい遊技者に対して、早送りと遅送りを組み合わせたリーチ演出を行うことで、効果的に興趣を高めることができる。
【0073】
ところで、図柄基板52のキャラクタROM64には、早送り演出速度で実行される演出内容に対応した画像情報が記憶されている。図柄基板52(サブCPU58及びVDP63)は、前記画像情報に基いて、演出内容が早送り演出速度で実行されていることを報知するために「早送り中」という文字画像INを生成するようになっている(図5(b)、画面3参照)。そして、図柄基板52は図柄表示装置18を制御して、生成した文字画像INを可視表示部Hに表示させるようになっている。なお、本実施形態において、図柄表示装置18が報知手段に相当する。従って、遊技者は、図柄表示装置18の可視表示部Hに表示された文字画像INから現在の演出内容が早送り演出速度で実行されていることを明確に把握できる。
【0074】
次に、このように構成されたパチンコ機10において、前述した変動パターン1〜10に基づき、可視表示部Hで演出が行われる様子を説明する。
最初に、変動パターン1の遊技展開(演出の流れ)について説明する。
【0075】
前記打球発射装置17の操作により遊技盤13の遊技領域に発射された遊技球が始動入賞口19へ入賞するか又は始動保留球の記憶値に基づき、主基板51は図柄基板52に対し制御コマンドを制御信号として出力する。図柄基板52は、主基板51が出力した制御コマンドに基づき、可視表示部Hにおいて各列の図柄を変動させる。
【0076】
すると、可視表示部Hでは、各列毎に変動方向Aに沿って変動表示が行われた後、第1図柄21→第3図柄23→第2図柄22の順で各図柄が表示される。なお、変動表示後に表示された第1〜第3図柄21〜23は一旦停止(所謂、ゆれ変動状態)となっており、最終的な図柄の組み合わせが表示された段階で確定表示(確定停止)される。そして、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止して、はずれ状態が確定する。
【0077】
次に、変動パターン2の遊技展開について図5(a)に基づいて説明する。なお、図5を始め、以下説明する図6〜図9には、メインCPU53が大当り演出用のテーブルから各変動パターン2〜10を選択した場合の遊技展開が示されている。
【0078】
この場合も前述同様に図柄基板52は、主基板51が出力した制御コマンドに基づき、可視表示部Hにおいて、各列の図柄を変動表示させる(画面1)。そして、各列の図柄の変動表示開始後、演出時間Ta’の経過に伴って、可視表示部Hには、第1図柄21→第3図柄23の順で「7」が表示される(画面2)。
【0079】
その後、可視表示部Hでは、リーチ演出が実行される。即ち、変動パターン2の場合、演出時間Tb1に基づいてノーマルリーチの演出内容(動作B)が通常の演出速度で実行される(画面3)。このノーマルリーチの演出内容(動作B)としては、例えば、中図柄の変動速度を低速に変更し、低速での変動を行った後、第2図柄22を表示させるなどの演出が行われる。なお、図5(a)の画面3では、リーチ演出中の可視表示部Hの表示内容(演出内容)を省略している。そして、ノーマル演出によるリーチ演出の結果、第2図柄22に「7」が表示され、その後、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止して、大当り状態が確定する(画面4)。
【0080】
次に、変動パターン3の遊技展開について図5(b)に基づいて説明する。
この場合も前述同様に図柄基板52は、主基板51が出力した制御コマンドに基づき、可視表示部Hにおいて、各列の図柄を変動表示させる(画面1)。そして、各列の変動表示開始後、演出時間Ta’の経過に伴って、可視表示部Hには、第1図柄21→第3図柄23の順で「7」が表示される(画面2)。その後、可視表示部Hでは、リーチ演出が実行される。即ち、変動パターン3の場合、変動パターン2のノーマルリーチの演出内容(動作B)と同一の演出内容が演出時間Tb2に基づいて早送り演出速度で実行される(画面3)。なお、図5(b)の画面3では、リーチ演出中の可視表示部Hの表示内容を省略している。
【0081】
また、可視表示部Hには、表示された演出内容が早送り演出速度で実行されていることを報知するための「早送り中」という文字画像INが表示される。従って、遊技者は、変動パターン3のリーチ演出よりも出現する割合が高い変動パターン2のリーチ演出に比して表示スピードが早い早送り演出速度でリーチ演出が実行されていることを認識する一方で、文字画像INの表示によりその状態を明確に把握できる。
【0082】
その後、第2図柄22が表示される直前になると、演出速度が通常の演出速度に戻されて、第2図柄22に「7」が表示される。そして、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止し、大当り状態が確定する(画面4)。
【0083】
この変動パターン3のリーチ演出では、ノーマルリーチの演出内容(動作B)のうち、遊技者の関心が高まる第2図柄22が表示される直前(高期待演出内容)を通常の演出速度で実行している。その一方で、それ以外の部分は、低期待演出内容として早送り演出速度で実行している。そのため、遊技者はノーマルリーチの演出内容(動作B)のうち、関心の低い部分を早送りにより短い時間で見ることができ、関心の高まる第2図柄22が表示される直前のみをじっくりと見ることができる。また、大当り状態への期待感が低いノーマル演出の時間が短くなるため、効率良く遊技を行うことができる。
【0084】
次に、変動パターン4の遊技展開について図6(a)に基づいて説明する。
この場合も前述同様図柄基板52は、主基板51が出力した制御コマンドに基づき、可視表示部Hにおいて、各列の図柄を変動表示させる(画面1)。そして、各列の変動表示開始後、演出時間Ta’の経過に伴って、可視表示部Hには、第1図柄21→第3図柄23の順で「7」が表示される(画面2)。
【0085】
その後、可視表示部Hでは、リーチ演出が実行される。即ち、変動パターン4の場合、演出時間Tb1に基づいてノーマルリーチの演出内容(動作B)が通常の演出速度で実行される(画面3)。この場合のノーマルリーチの演出内容としては、前述した変動パターン2の場合と同様な演出が行われる。そして、第2図柄22として「6」が表示されて一旦停止すると、変遷演出H1として稲妻を模した画像Gが表示され、遊技者はノーマルリーチからスーパーリーチにリーチ状態が移行することを認識する(画面4)。なお、変動パターン4の場合、変遷演出H1が演出時間Th1に基づいて通常の演出速度で実行される。
【0086】
そして、ノーマルリーチからスーパーリーチに移行し、可視表示部Hでは、演出時間Tc1に基づいてスーパーリーチの演出内容(動作C)が通常の演出速度で実行される(画面5)。このスーパーリーチの演出としては、例えば、可視表示部Hにキャラクタを登場させ、キャラクタの動作によって第2図柄22を表示させるなどの演出が行われる。なお、図6(a)の画面3及び画面5では、リーチ演出中の可視表示部Hの表示内容を省略している。
【0087】
そして、スーパー演出によるリーチ演出の結果、第2図柄22に「7」が表示され、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止し、大当り状態が確定する(画面6)。
【0088】
次に、変動パターン5の遊技展開について図6(b)に基づいて説明する。
この場合も前述同様に図柄基板52は、主基板51が出力した制御コマンドに基づき、可視表示部Hにおいて、各列の図柄を変動表示させる(画面1)。そして、各列の変動表示開始後、演出時間Ta’の経過に伴って、可視表示部Hには、第1図柄21→第3図柄23の順で「7」が表示される(画面2)。その後、可視表示部Hでは、リーチ演出が実行される。即ち、変動パターン5の場合、変動パターン4のノーマルリーチ演出(動作B)と同一の演出内容が演出時間Tb2に基づいて早送り演出速度で実行される(画面3)。また、可視表示部Hには、「早送り中」という文字画像INが表示される。そのため、遊技者は、変動パターン5のリーチ演出よりも出現する割合が高い変動パターン4のリーチ演出に比して表示スピードが早い早送り演出速度でリーチ演出が実行されていることを認識する一方で、文字画像INの表示によりその状態を明確に把握できる。
【0089】
その後、第2図柄22として「6」が表示されて一旦停止すると、通常の演出速度(演出時間Th1)に戻された状態で変遷演出H1が実行され、遊技者はノーマルリーチからスーパーリーチにリーチ状態(リーチ演出)が移行することを認識する(画面4)。そして、変動パターン4と同様に、ノーマルリーチからスーパーリーチに移行し、可視表示部Hでは、演出時間Tc1に基づいてスーパーリーチの演出内容(動作C)が通常の演出速度で実行される(画面5)。なお、図6(b)の画面3及び画面5では、リーチ演出中の可視表示部Hの表示内容を省略している。そして、スーパー演出によるリーチ演出の結果、第2図柄22に「7」が表示され、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止し、大当り状態が確定する(画面6)。
【0090】
この変動パターン5のリーチ演出では、スーパー演出のうち、遊技者の関心が高まる変遷演出H1及びスーパーリーチの演出内容(動作C)を高期待演出内容として通常の演出速度で実行している。その一方で、遊技者の関心が低いノーマルリーチのリーチ演出内容(動作B)は、低期待演出内容として早送り演出速度で実行している。なお、前記変遷演出H1は、大当り状態への期待感を高められる次のリーチ状態へ移行することを遊技者が認識できる箇所であるため、遊技者の関心は非常に高くなる。そのため、遊技者は、関心の低いノーマルリーチの演出内容(動作B)を早送りにより短い時間で見ることができ、関心の高まる変遷演出H1及びスーパーリーチの演出内容(動作C)をじっくりと見ることができる。また、早送り演出速度から通常の演出速度に、演出速度を切り替えることで、関心の高い演出内容が相対的にゆっくりと演出されているように遊技者に感じさせることができる。
【0091】
次に、変動パターン6の遊技展開について図7(a)に基づいて説明する。
この場合も前述同様図柄基板52は、主基板51が出力した制御コマンドに基づき、可視表示部Hにおいて、各列の図柄を変動表示させる(画面1)。そして、各列の変動表示開始後、演出時間Ta’の経過に伴って、可視表示部Hには、第1図柄21→第3図柄23の順で「7」が表示される(画面2)。
【0092】
その後、可視表示部Hでは、リーチ演出が実行される。即ち、変動パターン6の場合、演出時間Tb1に基づいて、ノーマルリーチの演出内容(動作B)が通常の演出速度で実行される(画面3)。この場合のノーマルリーチの演出内容としては、前述した変動パターン2の場合と同様な演出が行われる。そして、第2図柄22として「6」が表示されて一旦停止すると、変遷演出H1(演出時間Th1)として稲妻を模した画像G表示され、遊技者はノーマルリーチからスーパーリーチにリーチ状態(リーチ演出)が移行することを認識する(画面4)。
【0093】
そして、ノーマルリーチからスーパーリーチに移行し、可視表示部Hでは、演出時間Tc1に基づいてスーパーリーチの演出内容(動作C)が通常の演出速度で実行される(画面5)。この場合のスーパーリーチの演出内容としては、前述した変動パターン4の場合と同様な演出が行われる。そして、第2図柄22として「5」が表示されて一旦停止すると、変遷演出H2(演出時間Ti1)として再び稲妻を模した画像Gが表示され、遊技者はスーパーリーチからスペシャルリーチにリーチ状態(リーチ演出)が移行することを認識する(画面6)。
【0094】
そして、スーパーリーチからスペシャルリーチに移行し、可視表示部Hでは、演出時間Td1に基づいてスペシャルリーチの演出内容(動作D)が通常の演出速度で実行される(画面7)。このスペシャルリーチの演出内容(動作D)としては、可視表示部Hにスーパーリーチの場合と異なるキャラクタを登場させ、キャラクタの動作によって第2図柄22を表示させるなどの演出が行われる。なお、図7(a)の画面3、画面5及び画面7では、リーチ演出中の可視表示部Hの表示内容を省略している。そして、スペシャル演出によるリーチ演出の結果、第2図柄22に「7」が表示され、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止し、大当り状態が確定する(画面8)。
【0095】
次に、変動パターン7の遊技展開について図7(b)に基づいて説明する。
この場合も前述同様図柄基板52は、主基板51が出力した制御コマンドに基づき、可視表示部Hにおいて、各列の図柄を変動表示させる(画面1)。そして、各列の変動表示開始後、演出時間Ta’の経過に伴って、可視表示部Hには、第1図柄21→第3図柄23の順で「7」が表示される(画面2)。その後、可視表示部Hでは、リーチ演出が実行される。即ち、変動パターン7の場合、変動パターン6のノーマルリーチ演出(動作B)と同一の演出内容が演出時間Tb2に基づいて早送り演出速度で実行される(画面3)。また、可視表示部Hには、「早送り中」という文字画像INが表示される。そのため、遊技者は、変動パターン7のリーチ演出よりも出現する割合が高い変動パターン6のリーチ演出に比して表示スピードが早い早送り演出速度で実行されていることを認識する一方で、文字画像INの表示によりその状態を明確に把握できる。
【0096】
その後、第2図柄22として「6」が表示されて一旦停止すると、通常の演出速度(演出時間Th1)に戻された状態で変遷演出H1が実行され、遊技者はノーマルリーチからスーパーリーチにリーチ状態(リーチ演出)が移行することを認識する(画面4)。そして、変動パターン6と同様に、ノーマルリーチからスーパーリーチに移行し、可視表示部Hでは、変動パターン6のスーパーリーチの演出内容(動作C)と同一の演出内容が演出時間Tc2に基づいて早送り演出速度で実行される(画面5)。また、可視表示部Hには、再び「早送り中」という文字画像INが表示される。そのため、遊技者は、前述同様に変動パターン7のリーチ演出が早送り演出速度で実行されていることを認識する。
【0097】
その後、第2図柄22として「5」が表示されて一旦停止すると、通常の演出速度(演出時間Ti1)に戻された状態で変遷演出H2が実行され、遊技者はスーパーリーチからスペシャルリーチにリーチ状態が移行することを認識する(画面6)。そして、変動パターン6と同様に、スーパーリーチからスペシャルリーチに移行し、可視表示部Hでは、演出時間Td1に基づいてスペシャルリーチの演出内容(動作D)が通常の演出速度で実行される(画面7)。なお、図7(b)の画面3、画面5及び画面7では、リーチ演出中の可視表示部Hの表示内容を省略している。そして、スペシャル演出によるリーチ演出の結果、第2図柄22に「7」が表示され、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止し、大当り状態が確定する(画面8)。
【0098】
この変動パターン7のリーチ演出では、スペシャル演出のうち、遊技者の関心が高まる変遷演出H1,H2及びスペシャルリーチの演出内容(動作D)を高期待演出内容として通常の演出速度で実行している。その一方で、遊技者の関心が低いノーマルリーチの演出内容(動作B)及びスーパーリーチの演出内容(動作C)は、低期待演出内容として早送り演出速度で実行している。なお、変遷演出H1,H2は、大当り状態への期待感が高められた次のリーチ状態へ移行することを遊技者が認識できる箇所であるため、遊技者の関心は非常に高くなる。そのため、遊技者は、関心の低いノーマルリーチ及びスーパーリーチの演出内容(動作B,C)を早送りにより短い時間で見ることができ、関心の高まる変遷演出H1,H2とスペシャルリーチの演出内容(動作D)をじっくりと見ることができる。
【0099】
次に、変動パターン8の遊技展開について図8に基づいて説明する。
この変動パターン8の遊技展開は前記変動パターン7の遊技展開と途中まで同一(画面1〜画面6)であり、変遷演出H2の後に行われるスペシャルリーチの演出内容の実行形態が異なっている。従って、前記変動パターン7と重複する説明を省略し、異なる箇所のみを説明する。
【0100】
即ち、変動パターン8では、変動パターン7と同様に、スーパーリーチからスペシャルリーチに移行し、可視表示部Hでは、演出時間Td2に基づいてスペシャルリーチの演出内容(動作D)が遅送り演出速度で実行される(画面7)。そして、遊技者は、変動パターン8のリーチ演出よりも出現する割合が高い変動パターン6のリーチ演出に比して表示スピードが遅い遅送り演出速度でリーチ演出が実行されていることを認識する。なお、図8の画面3、画面5及び画面7では、リーチ演出中の可視表示部Hの表示内容を省略している。そして、スペシャル演出によるリーチ演出の結果、第2図柄22に「7」が表示され、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止し、大当り状態が確定する(画面8)。
【0101】
この変動パターン8のリーチ演出では、スペシャル演出のうち、遊技者の関心が高まる変遷演出H1,H2を高期待演出内容として通常の演出速度で実行している。さらに、遊技者の関心が高まるスペシャルリーチ演出の演出内容(動作D)を高期待演出内容として遅送り演出速度で実行している。その一方で、遊技者の関心が低いノーマルリーチの演出内容(動作B)及びスーパーリーチの演出内容(動作C)は、低期待演出内容として早送り演出速度で実行している。そのため、遊技者は、関心の低いノーマルリーチ及びスーパーリーチの演出内容(動作B,C)を早送りにより短い時間で見ることができ、関心の高まる変遷演出H1,H2及びスペシャルリーチの演出内容(動作D)をじっくりと見ることができる。また、遅送りされたスペシャルリーチの演出内容(動作D)は、通常の演出速度で実行された場合よりも演出時間が長くなり、リーチ演出全体の演出時間に対して占める割合も多くなる。スペシャルリーチの演出内容(動作D)は遊技者の期待感が最も高まる演出であるため、遅送りによって期待感が高まる時間が長くなるといえ、効果的に遊技者の興趣を高めることができる。
【0102】
次に変動パターン9の遊技展開について図9に基づいて説明する。
この場合も図柄基板52は、主基板51が出力した制御コマンドに基づき、可視表示部Hにおいて、各列の図柄を変動表示させる(画面1)。そして、各列の変動表示開始後、演出時間Ta’の経過に伴って、可視表示部Hには、第1図柄21→第3図柄23の順で「7」が表示される(画面2)。それと共に、変遷予告演出として麻雀の千点棒を模した画像Fが表示され、遊技者にスペシャル演出(リーチ状態の変遷が3段階)が実行されることが予告される。
【0103】
その後、可視表示部Hでは、リーチ演出が実行される。このとき、変動パターン9の場合、スペシャルリーチに移行するまでの間の各演出内容が早送り演出速度で実行される(画面3,画面4)。即ち、ノーマルリーチの演出内容(動作B)が演出時間Tb2で、変遷演出H1が演出時間Th2で、スーパーリーチの演出内容(動作C)が演出時間Tc2で、変遷演出H2が演出時間Ti2で各々実行される。また、早送り演出速度で各演出内容が実行されている間、可視表示部Hには、「早送り中」という文字画像INが表示される。そのため、遊技者は、変動パターン9のリーチ演出よりも出現する割合が高い変動パターン6のリーチ演出に比して表示スピードが早い早送り演出速度でリーチ演出が実行されていることを認識する一方で、文字画像INの表示によりその状態を明確に把握できる。
【0104】
そして、変動パターン9では、変動パターン6と同様に、スーパーリーチからスペシャルリーチに移行し、可視表示部Hでは、演出時間Td3に基づいてスペシャルリーチの演出内容(動作D)が遅送り演出速度で実行される(画面5)。なお、遊技者は、変動パターン9のリーチ演出よりも出現する割合が高い変動パターン6のリーチ演出に比して表示スピードが遅い遅送り演出速度で実行されていることを認識する。また、図9の画面3〜画面5では、リーチ演出中の可視表示部Hの表示内容を省略している。そして、スペシャル演出によるリーチ演出の結果、第2図柄22に「7」が表示され、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止し、大当り状態が確定する(画面7)。
【0105】
この変動パターン9のリーチ演出においては、リーチ状態の図柄組み合わせが形成される際に、変遷予告演出によりスペシャル演出が行われることが予告されている。このため、遊技者にとっては、ノーマルリーチ(動作B)、スーパーリーチ(動作C)及び変遷演出H1,H2は関心の低い部分となり、関心の高い部分はスペシャルリーチ(動作D)のみとなる。従って、遊技者にとって、関心が高まるスペシャルリーチの演出内容(動作D)が、高期待演出内容として遅送り演出速度で実行される。その一方で、遊技者にとって関心が低いノーマルリーチの演出内容(動作B)及びスーパーリーチの演出内容(動作C)及び変遷演出H1,H2が、低期待演出内容として早送り演出速度で実行される。そのため、遊技者は、関心の低いノーマルリーチ及びスーパーリーチの演出内容(動作B,C)と変遷演出H1,H2とを早送りにより短い時間で見ることができ、関心の高まるスペシャルリーチの演出内容(動作D)をじっくりと見ることができる。それと共に最終の変遷段階に達した後の演出内容のみが演出速度がゆっくりになるため、該演出内容を際立たせることができる。
【0106】
ところで、前述した変動パターン2〜9がはずれリーチ演出用のテーブルから選択された場合は、第2図柄22として例えば「6」が表示され、その状態で各図柄21〜23が確定停止することになる。
【0107】
次に、変動パターン10の遊技展開について変動パターン9と同じ図9に基づいて説明する。
この変動パターン10の遊技展開は前記変動パターン9の遊技展開と途中まで同一であり、変遷演出H2の後に行われるスペシャルリーチの演出内容の実行形態が異なっている。従って、前記変動パターン9と重複する説明を省略し、異なる箇所のみを説明する。
【0108】
即ち、変動パターン10のリーチ演出においては、可視表示部Hでは変動パターン9と同様に、変遷演出H2までが早送り演出速度で実行される(画面1〜画面4)。その後、変動パターン9の場合と異なるスペシャルリーチの演出内容(動作E)が演出時間Td3に基づいて実行され(画面5)、遊技者は、スペシャルリーチの演出内容が異なることを認識する。なお、変動パターン10のリーチ演出では、図9の画面5における「遅送り演出速度で実行中」という記載は省かれる。
【0109】
そして、演出内容が異なることで、スペシャルリーチに移行する前段階において、変動パターン9と同一の演出内容(動作D)に基づく演出が行われると思い込んでいた遊技者にとっては、予想外の展開になり、興趣を高めることができる。また、この変動パターン10によるリーチ演出がプレミアムリーチと位置付けられている場合、遊技者は、大当り状態が必ず生起されることを認識し、大当り状態への期待感を最高潮に高めた状態でリーチ演出を見ることができる。
【0110】
そして、スペシャル演出によるリーチ演出の結果、第2図柄22に「7」が表示され、主基板51が出力した制御コマンドに基づいて各図柄21〜23が確定停止し、大当り状態が確定する(画面6)。
【0111】
この変動パターン10においても、変動パターン9と同様にリーチ状態の図柄組み合わせが形成された際に、変遷予告演出により、スペシャル演出が行われることが予告される。このため、遊技者にとっては、ノーマルリーチ(動作B)、スーパーリーチ(動作C)及び変遷演出H1,H2は関心の低い部分となる。従って、遊技者にとって関心が低いノーマルリーチの演出内容(動作B)及びスーパーリーチの演出内容(動作C)及び変遷演出H1,H2が、低期待演出内容として早送り演出速度で実行される。そのため、遊技者は、関心の低いノーマルリーチ及びスーパーリーチの演出内容(動作B,C)と変遷演出H1,H2とを早送りにより短い時間で見ることができる。また、期待感が最も高まる最終の変遷段階(スペシャルリーチ)の演出内容(動作E)が異なるようになっているため、遊技者に対して好適に驚きを与えることができる。
【0112】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)同一のリーチ演出が、全ての演出内容が通常の演出速度となる態様又は所定部分の演出内容が早送り演出速度となる態様の何れかで実行されるようになっている。そのため、例えば、変遷が多いリーチ演出であっても、早送り演出速度で実行することにより、その演出内容を省略することなく、かつ、遊技者に時間を長く感じさせないリーチ演出を実現できる。従って、リーチ演出に対して遊技者に物足りなさを感じさせず、かつ、飽きさせることのないようにすることができる。
【0113】
(2)リーチ演出の演出内容を早送り演出速度に加えて遅送り演出速度で実行できるようになっている。そのため、同一のリーチ演出を、通常の演出速度、早送り演出速度及び遅送り演出速度で実行することができ、可視表示部Hにおけるリーチ演出の表示スピードに変化を持たせることができる。従って、面白みのあるリーチ演出を提供することができる。また、同一のリーチ演出を少なくとも2種類以上の態様で見ることができるため、演出内容の種類を増やすことなくリーチ演出のバリエーションが増え効果的に遊技者の興趣を高めることができる。
【0114】
(3)早送り演出速度で演出内容が実行されている最中に、可視表示部Hに「早送り中」という文字画像INが表示されるようになっている。そのため、現在の演出内容が早送り演出速度で実行されていることを遊技者に明確に把握させることができる。
【0115】
(4)リーチ演出の演出内容において、遊技者の関心が高い演出内容(高期待演出内容)については、通常の演出速度又は遅送り演出速度で実行されるようになっている。その一方で、遊技者の関心が低い演出内容(低期待演出内容)については、早送り演出速度で実行されるようになっている。そのため、遊技者は、リーチ演出中、関心の高い部分はじっくりと演出内容を見ることができると共に、関心の低い部分は早送りにより短い時間で演出内容を見ることができる。従って、重要なポイントを明確にしたリーチ演出を実現できる。また、遊技者に対してリーチ演出における重要ポイントを認識させることができ、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。
【0116】
(5)複数段階にリーチ演出が変遷される場合、リーチ演出が次の段階に移行する際の変遷演出H1,H2が、早送り演出速度ではなく、通常の演出速度で実行されるようになっている。変遷演出H1,H2は、大当り状態への期待感が高い次のリーチ状態への移行を遊技者に伝える演出であるため、遊技者の関心が高まる。従って、遊技者はじっくりと変遷演出H1,H2を見ることができ、効果的に遊技者の興趣を高めることができる。
【0117】
(6)複数段階にリーチ演出が変遷される場合、最終の変遷段階となるスーパーリーチの演出内容(動作C)又はスペシャルリーチの演出内容(動作D)が早送り演出速度ではなく、通常の演出速度又は遅送り演出速度で実行されるようになっている。最終の変遷段階の演出内容は、遊技者にとって最も期待感が高まるため、演出内容を通常の演出速度又は遅送り演出速度で実行することで、遊技者はじっくりと最終の変遷段階の演出内容を見ることができる。従って、効果的に遊技者の興趣を高めることができる。
【0118】
(7)ノーマル演出において、遊技者の関心が高まる第2図柄22が表示される直前のみが通常の演出速度で実行され、それ以外の部分は早送り演出速度で実行されるようになっている。そのため、大当り状態への期待感が低いノーマル演出の時間が短くなり効率良く遊技を行うことができる。
【0119】
(8)複数段階にリーチ演出が変遷される場合、最終の変遷段階に至るまでが全て早送り演出速度で実行され、最終の変遷段階のみが遅送り演出速度で実行されるようになっている。従って、最終の変遷段階を際立たせることができ、遊技者はじっくりと最終の変遷段階の演出内容のみを見ることができるため、効果的に遊技者の興趣を高めることができる。また、最終の変遷段階までのリーチ演出の変遷を予告する変遷予告演出が実行されるようになっている。そのため、最終の変遷段階の演出内容のみの関心を高くすることを簡便に実現できる。
【0120】
(9)早送り演出速度で実行した演出内容の時間分だけ、他の演出内容が遅送り演出速度で実行され、早送りが行われるリーチ演出であっても、全ての演出内容が通常の演出速度となるリーチ演出と同一の演出時間になっている。そのため、リーチ演出をじっくり楽しみたい遊技者に対して、早送りと遅送りを組み合わせたリーチ演出を行うことで、効果的に興趣を高めることができる。
【0121】
(10)早送り演出速度で実行された演出内容を有するリーチ演出の演出時間が、全ての演出内容が通常の演出速度となるリーチ演出の演出時間よりも短くなっている。そのため、リーチ演出の演出時間が短縮されることで、効率的な遊技を遊技者に提供できる。
【0122】
(11)所定部分の演出内容が早送り演出速度となるリーチ演出において、他のリーチ演出と同一の演出内容は早送り演出速度で実行されるようになっている。そのため、途中まで同一のリーチ演出が実行される一方で、そこから演出内容が変化することで、遊技者に驚きを与えることができ、効果的に興趣を高めることができる。それと共に、所定部分の演出内容を早送り演出速度とすることにより、実施形態の効果(1)と同様の効果を奏す。
【0123】
(12)複数段階にリーチ演出が変遷され、リーチ演出の途中までが他のリーチ演出と同一となる場合において、最終の変遷段階に達するまでの間が早送り演出速度で実行されると共に最終の変遷段階に達した後の演出内容が他のリーチ演出と異なるようになっている。このため、比較的関心が低い最終の変遷段階に達するまでの間を早送りにより短縮できる。加えて、遊技者の関心が最も高まる最終の変遷段階に達した後の演出内容の際に好適に驚きを与えることができる。
【0124】
なお、上記実施形態は以下のような別例に変更して具体化してもよい。
・上記実施形態において、通常の演出速度で実行した演出内容を遅送り演出速度で実行するように変更してもよいし、逆に遅送り演出速度で実行した演出内容を通常の演出速度で実行してもよい。また、例えばスペシャル演出において、動作B〜動作Dの演出内容を早送り演出速度で実行するなど、全ての演出内容を早送り演出速度で実行してもよい。この場合、第2図柄22が表示される直前に、通常の演出速度又は遅送り演出速度にして、最終的な図柄の組み合わせだけをゆっくり見せる態様にしてもよい。
【0125】
・上記実施形態では、最終の変遷段階に達するまでの演出内容が全て早送り演出速度で実行される場合は、リーチ状態が形成される前に変遷予告演出を実行したが、該変遷予告演出を省略してもよい。この場合、遊技者はリーチ状態の形成後、早送りされる演出内容に応じてリーチ演出の変遷状態を認識し、演出内容が早送りされるほど、期待感を高めることができる。
【0126】
・上記実施形態では、早送り演出速度で演出内容が実行されている最中に、該演出内容が早送りであることを、「早送り中」という文字画像INにて報知したが、早送り開始時に例えば「早送り開始」という文字画像を表示させて遊技者に報知してもよい。この場合、早送り終了時には、例えば、「早送り終了」という文字画像を可視表示部Hに表示させて遊技者に早送りの終了を報知してもよい。
【0127】
・上記実施形態では、演出内容が早送り演出速度で実行されているときのみ図柄表示装置18(可視表示部H)を用いてその状態を遊技者に報知したが、演出内容が遅送り演出速度で実行されているときにも、前記図柄表示装置18を用いるなどして遊技者に報知する構成にしてもよい。この場合、「早送り中」という文字画像INを表示させる構成と表示するタイミングを除いては同一構成を採用して、例えば遅送り演出速度で演出内容が実行されている最中に「遅送り中」という文字画像を可視表示部Hに表示させればよい。
【0128】
・上記実施形態では、早送り演出速度で演出内容が実行されていることを図柄表示装置18(可視表示部H)を用いて報知したが、他の報知手段を用いて報知してもよい。また、この他の報知手段を用いて、遅送り演出速度で演出内容が実行されていることを報知してもよい。他の報知手段としては、例えば、機内に設けられるスピーカ、機前面側に設けられる装飾ランプ、遊技盤13の遊技領域に設けられた可動可能な役物、打球発射装置のハンドル等が挙げられる。スピーカを用いた場合は効果音を出力して報知し、装飾ランプを用いた場合は該ランプを発光させて報知する。また可動可能な役物を用いた場合は、該役物を可動させて報知する。また、打球発射装置のハンドルを用いる場合は、該ハンドル内に振動装置等を設けて、振動などにより遊技者に報知することが考えられる。さらに、これらの場合、例えばスピーカからの効果音を演出内容の演出速度に合わせて早くしたり遅くしたりするなど、報知手段の報知態様を演出内容の演出速度に合わせて変化させるようにしてもよい。
【0129】
・上記実施形態において、リーチ演出における各演出内容(動作B〜動作D、変遷演出H1,H2)は、パチンコ機10の設計仕様に基づき決定されるものであり、前記実施形態に限定されない。また、変遷予告演出に関しても同様である。
【0130】
・上記実施形態では、リーチ演出の変遷が3段階行われる場合、ノーマルリーチとスーパーリーチの演出内容(動作B,C)を早送り演出速度で実行したが、遊技者の関心が最も低いノーマルリーチの演出内容(動作B)のみ早送り演出速度で実行してもよい。また、スペシャルリーチの演出内容(動作D)が遅送り演出速度で実行される場合は、スーパーリーチの演出内容(動作C)を通常の演出速度で実行させて、演出内容が段階的に遅くなるようにしてもよい。このようにすれば、大当り状態への期待感が高まる演出内容になるに従って、遊技者はじっくりと演出内容を見ることができるため、効果的に遊技者の興趣を高めることができる。
【0131】
・上記実施形態において、リーチ演出(リーチ状態)の変遷は、1段階、2段階、3段階に限らず、4段階以上行われるリーチ演出においてその演出内容の演出速度を変化させてもよい。
【0132】
・上記実施形態では、主基板51のメインCPU53が選択した変動パターンに基いて、図柄基板52のサブCPU58は一義的に該変動パターンに対応した動作パターンをROM61から抽出していたが、以下のように変更してもよい。即ち、リーチ演出の演出時間(変動パターンの変動時間)が同じ変動パターン(例えば、変動パターン8,9)については、主基板51のROM54に記憶する変動パターンを変動パターンβとして1つにまとめる。その一方で、図柄基板52のROM61に前記変動パターンβに対応する動作パターンを複数(上記の場合だと変動パターン8,9に相当する2つ)記憶する。そして図柄基板52に前記変動パターンβに基づく制御コマンドが入力された場合に、サブCPU58が何れかの動作パターンを選択するように構成する。このようにすれば、主基板51のROM54に記憶する変動パターンの数を少なくすることができる。なお、変動パターンβに基く各動作パターンが実行された場合は、大当り状態への期待感は同じになる。
【0133】
・上記実施形態では、遅送り演出速度の演出内容を含むリーチ演出を、全てが通常の演出速度で実行されるリーチ演出と同一の演出時間になるようにしたが、遅送り演出速度の演出内容を含むリーチ演出を全てが通常の演出速度で実行されるリーチ演出よりも短い演出時間になるようにしてもよい。
【0134】
・上記実施形態において、早送り演出速度及び遅送り演出速度は、遊技者が通常の演出速度と比較して早い又は遅いと感じる速度であれば任意に設定してもよい。
【0135】
・上記実施形態では、液晶画面からなる可視表示部Hを備えた図柄表示装置18を採用したが、例えば、7セグメントLED式、ドットマトリクス式、機械式(ドラム式又はベルト式)などの他の図柄表示装置を採用してもよい。これらの場合でも、各図柄表示装置で実行されるリーチ演出の演出速度を適宜変更することができる。
【0136】
次に、上記実施形態及び各別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)リ−チ演出は、遊技者が特別遊技状態へ発展する期待感を変化し得るように複数段階に変遷されるようになっており、リーチ演出実行手段は、第2リーチ演出態様において、少なくともリーチ演出が次の段階に移行する箇所は、所定の演出速度又は所定の演出速度よりも遅くした遅送り演出速度の何れかで実行するように構成された遊技機。上記実施形態では、変遷演出H1,H2がリーチ演出が次の段階に移行する箇所に相当する。
【0137】
(ロ)リ−チ演出は、遊技者が特別遊技状態へ発展する期待感を変化し得るように複数段階に変遷されるようになっており、リーチ演出実行手段は、第2リーチ演出態様において、少なくともリーチ演出が最終の変遷段階に達した後については、所定の演出速度又は所定の演出速度よりも遅くした遅送り演出速度の何れかで実行するように構成された遊技機。なお、上記実施形態では、スーパーリーチ又はスペシャルリーチの演出内容(動作C,D)が最終の変遷段階に相当する。
【0138】
(ハ)リーチ演出実行手段は、第1リーチ演出態様又は第2リーチ演出態様に基づくリーチ演出を同一又は略同一の演出時間で実行するように構成されており、リーチ演出実行手段は、第2リーチ演出態様に基づくリーチ演出において、早送り演出速度で実行した演出の時間分だけ、早送り演出速度で実行した所定部分を除く少なくとも一部を所定の演出速度よりも遅くした遅送り演出速度で実行するように構成された遊技機。
【0139】
(ニ)リーチ演出実行手段は、第1リーチ演出態様又は第2リーチ演出態様に基づくリーチ演出を異なる演出時間で実行するように構成されており、リーチ演出実行手段は、第1リーチ演出態様に基づくリーチ演出の演出時間に比して第2リーチ演出態様に基づくリーチ演出の演出時間を短くして実行するように構成された遊技機。
【0140】
(ホ)リ−チ演出は、遊技者が特別遊技状態へ発展する期待感を変化し得るように複数段階に変遷されるようになっており、リーチ演出実行手段は、第2リーチ演出態様において、リーチ演出が最終の変遷段階に達するまでの間を前記早送り演出速度で実行するように構成された遊技機。
【0141】
(ヘ)リーチ演出実行手段は、第2リーチ演出態様において、遊技者の関心が高まる高期待演出内容を所定の演出速度又は所定の演出速度より遅くした遅送り演出速度の何れかで実行する一方で、高期待演出内容よりも遊技者の関心が低い低期待演出内容を前記早送り演出速度で実行するように構成された遊技機。
【0142】
(ト) 複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備え、前記可視表示部に表示された図柄の組み合わせが特定の図柄組み合わせである場合に遊技者に有利となる特別遊技状態が付与される遊技機において、所定のリーチ演出を前記可視表示部で実行するリーチ演出実行手段を備え、前記リーチ演出実行手段は、前記リーチ演出における所定部分を予め定められた所定の演出速度よりも早くした早送り演出速度で実行可能に構成されていると共に、前記リーチ演出実行手段は、他のリーチ演出と同一の演出部分については前記早送り演出速度で実行するように構成された遊技機。上記実施形態では、変動パターン9のリーチ演出が他のリーチ演出に相当し、変動パターン10における動作B及び動作Cが他のリーチ演出と同一の演出部分及び所定部分に相当する。
【0143】
(チ) 前記技術的思想(ト)に記載の遊技機において、前記リーチ演出は、遊技者が特別遊技状態へ発展する期待感を変化し得るように、複数段階に変遷されるようになっており、前記リーチ演出実行手段は、前記リーチ演出が最終の変遷段階に達した後の演出が他のリーチ演出における最終の変遷段階に達した後の演出と異なるリーチ演出である場合に、最終の変遷段階に達するまでの間を前記早送り演出速度で実行するように構成された遊技機。
【0144】
(リ)報知手段は、リーチ演出の所定部分を除いた少なくとも一部が前記リーチ演出実行手段により遅送り演出速度で実行されていることをさらに報知するように構成された遊技機。
【0145】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、リーチ演出に対して物足りなさを感じさせることがないと共に飽きさせることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の機表側を示す正面図。
【図2】図柄表示装置の可視表示部に表示された各図柄を示す正面図。
【図3】主制御基板と図柄制御基板の電気的構成を示すブロック図。
【図4】変動パターンを説明する説明図。
【図5】(a)は変動パターン2に基づく遊技展開を説明する模式図、(b)は変動パターン3に基づく遊技展開を説明する模式図。
【図6】(a)は変動パターン4に基づく遊技展開を説明する模式図、(b)は変動パターン5に基づく遊技展開を説明する模式図。
【図7】(a)は変動パターン6に基づく遊技展開を説明する模式図、(b)は変動パターン7に基づく遊技展開を説明する模式図。
【図8】変動パターン8に基づく遊技展開を説明する模式図。
【図9】変動パターン9及び変動パターン10に基づく遊技展開を説明する模式図。
【符号の説明】
H…可視表示部(報知手段)、18…図柄表示装置(図柄表示手段)、52…図柄制御基板(リーチ演出実行手段)。
Claims (1)
- 複数種類の図柄を可変させて行う図柄組み合わせゲームを表示する可視表示部が設けられた図柄表示手段を備え、前記可視表示部に表示された図柄の組み合わせが特定の図柄組み合わせである場合に遊技者に有利となる特別遊技状態が付与される遊技機において、
大当りか否かを判定する大当り判定手段と、
前記図柄組み合わせゲームの変動時間及び前記図柄組み合わせゲームで行われる演出を特定可能な変動パターンを記憶する変動パターン記憶手段と、
前記変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターンに対応する具体的な制御内容に基づき前記可視表示部の表示内容を制御する制御手段と、を備え、
前記図柄組み合わせゲームで行われる演出としてのリーチ演出には、リーチ演出内容が複数の段階に変遷される変遷リーチ演出を含み、前記変遷リーチ演出は、前記リーチ演出内容が次の段階に変遷することを遊技者に報知する変遷演出を経て次の段階に変遷されるように構成され、前記変動パターン決定手段は、前記大当り判定手段の判定結果が肯定の場合には前記変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンの中から段階数の多い変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンを選択し易く、前記大当り判定手段の判定結果が否定の場合には前記変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンの中から段階数の少ない変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンを選択し易くなるように設定されており、
前記変遷リーチ演出を特定可能な変動パターンには、全ての段階を予め定めた所定の演出速度に基づく第1リーチ演出態様で実行させる第1の変動パターンと、前記第1の変動パターンから特定可能な変遷リーチ演出と同一リーチ演出内容の変遷リーチ演出を特定可能であって、最終段階よりも前に実行される全ての段階のリーチ演出内容を前記所定の演出速度よりも早い早送り演出速度に基づく第2リーチ演出態様で実行させる第2の変動パターンを含み、
前記第1の変動パターンと前記第2の変動パターンは、前記図柄変動ゲームが開始してから終了するまでの時間となる前記変動時間が同一時間に設定されているとともに、前記変遷リーチ演出中に実行される変遷演出の演出時間も同一時間に設定され、前記第2の変動パターンにおける前記最終段階のリーチ演出内容は、前記最終段階よりも前に実行される全てのリーチ演出内容を前記早送り演出速度で実行させる場合と前記最終段階よりも前に実行される全てのリーチ演出内容を前記所定の演出速度で実行させる場合の時間差分だけ前記所定の演出速度よりも遅送りとなる遅送り演出速度で実行されるようになっており、
前記制御手段は、前記第2の変動パターンの変遷リーチ演出について、前記最終段階よりも前に実行される全ての段階のリーチ演出内容を前記早送り演出速度で実行させることにより、前記第1の変動パターンの変遷リーチ演出において最終段階に達するまでの時間よりも短い時間で実行させる一方で、前記最終段階のリーチ演出内容を前記遅送り速度で実行させることにより、前記第1の変動パターンの変遷リーチ演出における最終段階のリーチ演出内容の時間よりも長い時間で実行させることを特徴とする遊技機。
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