JP4233221B2 - 注射装置に関する改良 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、注射装置に関する。
【０００２】
本発明は、前端から突き出た針と後端から突き出たプランジャーとを備えたカプセルを有する注射器が取りつけられる装置に関する。トリガーとばねの機構が、動作させられると、注射器を前方に発射して針を突き出し、引き続きプランジャーに作用して投与薬を射出する。また、使用後に針を引き込んで危険がないようにする戻りばね装置をも備えている。
【０００３】
本件の出願人は、ＷＯ ９９／０３５２９号明細書において、トリガーが、針が突き出されたあと、注射器に対する障害となって、該トリガーが解除されるかまたは別様に動作するまで、注射器が引っ込むのが防がれるように構成される装置を開示した。この解除または動作のあと、戻りばねが作用することができる。
【０００４】
この装置は十分良く動作するが、この装置には、初期装填量が少ない注射器の場合にも使用されるかどうかという潜在的問題がある。初期装填量が少ない場合、プランジャーの全移動距離は、駆動ばねと戻りばねとの強度差により注射器を十分に引っ込ませるのに十分でないことがありうる。
【０００５】
本発明の目的は、より確実な引っ込みを保証することである。
【０００６】
本発明によれば、
前端から突き出た針と後端から突き出たプランジャーとを備えたカプセルを有する注射器を収容し、かつ動作させる注射装置であって、
注射器と第一および第二のばねとを収容するバレルを有し、前記第一および第二のばねが最初、それぞれ前記バレルの後端と前端近くとに圧縮されてエネルギーを蓄積した状態で、前記バレルによって支持されたトリガーアセンブリによって保持されている注射装置において、
前記トリガーアセンブリの第一の動作によって、第一のばねが解除されるが、第二のばねは圧縮されたままであって、したがって第一のばねが、プランジャーに作用ししたがって注射器内の投与薬を通じて作用することによって、注射器を前方に押し、そのあと、注射器が針の突き出た位置に到達したとき、第一のばねがカプセルに相対的にプランジャーを前方に押して投与薬を射出させるようになっており、
トリガーアセンブリの第二の別の動作によって、第二のばねが解除され、第二のばねが注射器とその針とを引っ込めるように作用するようになっている、
ことを特徴とする注射装置、
が提供される。
【０００７】
好ましくは、トリガーアセンブリの第一の動作の前に第二の動作が行われるのを防ぐための手段が備えらる。
【０００８】
駆動用の第一のばねは、円筒形スライダー内に収容し、バレルの後端とスライダーの前端との間で作用するようにするのが便利である。
【０００９】
好ましくは、戻り用の第二のばねは、カプセルを包囲する円筒形キャリヤー内に収容し、キャリヤーの後端とバレルによって与えられるキャリヤー前方の接触部との間で作用するようにする。前記キャリヤーはバレル内に配置し、前記戻り用のばねの収容を行うと同時に注射器のガイドともなるようにすることができる。
【００１０】
前記トリガーアセンブリは、バレルの縦方向に平行に配置された単一のロッカーとし、該アセンブリの後端が前記スライダーと協同して、該アセンブリの前端が前記第一の動作として押し込まれたとき、前記スライダーを解除し、また前記アセンブリの前端が前記キャリヤーと協同して、該アセンブリの後端が前記第二の動作として押し込まれたとき、前記キャリヤーを解除するようにするのが便利である。前記ロッカーの後端と前記スライダーとの協同により、前記後端が、前記スライダーが注射器をその針の突き出た位置に動かしてしまうまで、押し込まれるのを防ぐようにすることができる。
【００１１】
戻りばねは、注射の実行が終るまで使用されないので、第三の弱いばねを、注射装置が発射されるときまで、注射器を引っ込めて止めに対抗させて保持するために、備えておくことができる。このばねは、前記主駆動ばねが解除されたとき、前記主駆動ばねに対して有意の抵抗を示さない。
【００１２】
戻りばねが本当に必要になるまで戻りばねをこのように閉じ込めるということは、初期充填量および主駆動ばねの伸びた量のいかんにかかわらず、引っ込みを保証するのに十分なだけ戻りばねを強くすることができるということである。
【００１３】
以下、本発明のより十分な理解のために、添付の図面を参照しつつ、例として一つの実施形態について説明する。
【００１４】
この注射装置は、薄いウェブ３によって連結された二つの半分１および２の形に一体成形されたバレルを有する。ウェブ３は、丁番として作用し、内部要素が組み立てられたとき、これらの半分を閉じて一緒にすることを可能にする。
【００１５】
この装置は、カプセル５、カプセル５の前端から突き出ている針６、投与薬を閉じ込めているピストン７、およびカプセル５の後端から突き出ているピストン棒８から成る注射器４を収容し、かつ動作させるためのものである。この装置は、注射器内の投与薬を通じて作用する、ピストン棒８に対するばね作用によって針６を突き出し、そのあと、このばね動作の継続により、投与薬を射出する。最後に、この装置は、もう一つのばねによって注射器を引っ込める。
【００１６】
主駆動ばね９が、バレルの後端にある円筒形スライダー１０内に収容してあり、前記スライダーは、最初トリガー１２の後端と係合しているタング１１を有する。トリガー１２は、バレルと一体に成形してある、ロッカータイプのものである。このトリガーは、その通常の初期位置にある場合、ばね９を、バレルの閉じた後端とスライダー１０の前端にある内向きに曲がったフランジ１３との間に、完全に圧縮した状態で保持している。注射器は、最初、そのピストン棒８の後端が、注射器がいっぱいに充填された投与薬を収容しているとき、スライダー１０のフランジ１３の直前に来るように、配置される。初期充填量がこれより少ない場合、ピストン棒８とスライダー１０との間には間隙ができる。
【００１７】
戻りばね１４はあらかじめ圧縮してあり、それ自身のキャリヤー１５内に収容されている。このキャリヤーは、円筒形で二重壁になっており、ばね１４のための環状空間を与える。この環状空間は、前端が開いており、後端が閉じている。このキャリヤーはバレル内にぴったり合うように配置してあり、ばね１４の前端がバレルによって与えられる肩１６に押しつけられており、キャリヤー１５の後端は最初トリガー１２の前端に係合している。したがって、ばね１４は圧縮されて保持される。また、キャリヤー１５は注射器４のためのガイドともなり、注射器４の回りにカラーを形成している。
【００１８】
キャリヤー１５は、その後端に、第三のばね１８の前端を配置するための内部環状溝（ｒｅｂａｔｅ）１７を有し、ばね１８は粗いピッチで注射器４の回りに巻かれて接触部１９まで後退している。接触部１９は外側にビードの付いた注射器の後端にはまっている。このビード自体は十分には突き出ておらず、接触部１９がビードを横方向に溝で覆っており、有効にビードを拡大している。接触部１９は、後方への動きを制限する、バレルの半分１および２の内部のラグ２０とも協同している。接触部１９と一体のスライダー２１が、半分１と２を閉じて一緒にしたときに完成する溝２２内をバレルの縦方向に案内される。これらの溝の前端２３は止めとして作用する。
【００１９】
以下で説明するように、トリガー１２は二つの異なった仕方で２回操作されるので、この操作が正しい順序で実行されるのを保証するために、トリガーの後端は、タング１１の前端を覆って後方に突き出ている小さなラグ２４を有する。これにより、装置が図１に示すような初期準備位置にあるとき、トリガー１２の後端が押されるのが防がれる。
【００２０】
この装置を使用する場合、前記位置から出発して、トリガー１２の前端を押し、後端を持ち上げてタング１１から離す。すると、駆動ばね９が解除されてスライダー１０を前方に打ち出し、したがってピストン棒８とピストン７が前方に打ち出される。投与薬は、急速に逃げることはできないので、公知のように固体として作用し、したがって注射器４が前方に運ばれて、バレルから針６が突き出される。弱いばね１８は、発射前に注射器を引っ込んだ状態に保つためにだけ作用し、無視しうるほどの抵抗しか与えず、容易に圧縮される。この時点で、トリガー１２は戻りばねキャリヤー１５との係合を保ち、したがってばね１４は抵抗を与えない。
【００２１】
注射器は、スライダー２１が止め２３に対抗する位置に来ることによって停止する。ばね９は伸びつづけ、スライダー１０とピストン棒８により、針６から投与薬が射出される。
【００２２】
次に、トリガー１２が解除される。トリガーの後端を越えて移動したスライダー１０は、トリガーが初期位置に戻るのに何の妨害も与えない。したがって、トリガーの後端を押し込んで、トリガーの前端を外に動かし、キャリヤー１５から離すことができる。すると、戻りばね１４が解除され、キャリヤー１５にほとんど接触するまで接近していた接触部１９により、戻りばね１４が注射器をバレル内に押し戻し、針を引っ込める。このばね１４は、この段階まで圧縮されたままであって、駆動ばねによってエネルギーを加える必要がないので、ばね１４は、簡単に、伸びた駆動ばねに打ち勝って注射器を押し戻すのに十分なだけ強力なものにすることができる。
【００２３】
このようにして、注射器は使用済みとなり、装置は危険のないものとなる。
【００２４】
簡単なように、ロッカーの形のトリガー１２が好ましい。しかし、このトリガーの二つの機能は、二つの別々のトリガーによって実現することもできる。しかしその場合、これらのトリガーが正しい順序で動作することを保証するために、戻りばねを解除するトリガーは、装置が発射されてしまうまで、無力な状態にする必要があり、したがってラグ２４とタング１１に比して複雑な連動機構が必要になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 注射装置の、軸を含む、断面部分図であり、図２の線Ｉ−Ｉに沿う断面である。
【図２】 組み立てが完了する前の開いた状態の装置の平面図である。
【図３】 図２の状態の装置の斜視図である。
【符号の説明】
１、２ 注射装置のバレルの、二つの半分
４ 注射器
９ 駆動ばね
１０ スライダー
１１ １０のタング
１２ トリガー
１４ 戻りばね
１８ 第三のばね
１９ 接触部
２４ １２のラグ

Claims (8)

1. カプセル（５）の前端から突き出た針（６）とカプセル（５）の後端から突き出たプランジャー（７、８）とを備えたカプセル（５）を有し、投与薬を含む注射器（４）を収容し、かつ動作させる注射装置であって、 注射器（４）と第一の駆動ばね（９）および第二の戻りばね（１４）とを収容するバレル（１、２、３）を有し、前記第一の駆動ばね（９）および第二の戻りばね（１４）が最初、それぞれ前記バレルの後端と前端近くとに圧縮されてエネルギーを蓄積した状態で、前記バレルによって支持されたトリガーアセンブリ（１２）によって保持されている注射装置において、前記トリガーアセンブリ（１２）の第一の動作によって、第一の駆動ばね（９）が解除されるが、第二の戻りばね（１４）は圧縮されたままであって、したがって第一の駆動ばねが、プランジャー（７、８）に作用し、したがって注射器内の投与薬を通じて作用することによって、注射器（４）を前方に押し、そのあと、注射器（４）が針の突き出た位置（２１、２３）に到達したとき、第一の駆動ばねがカプセル（５）に相対的にプランジャー（７、８）を前方に押して投与薬を射出させるようになっており、トリガーアセンブリ（１２）の第二の別の動作によって、第二の戻りばね（１４）が解除され、第二の戻りばねが注射器とその針とを引っ込めるように作用するようになっており、該トリガーアセンブリが該第一の動作とは独立して該第２の動作を実施するように手動操作可能になっている、ことを特徴とする注射装置。
2. トリガーアセンブリの第一の動作の前に第二の動作が行われるのを防ぐ手段（２４、１１）が備えられていることを特徴とする請求項１に記載の注射装置。
3. 駆動用の第一の駆動ばね（９）が円筒形スライダー（１０）内に収容されていて、バレルの後端とスライダーの前端（１３）との間で作用することを特徴とする請求項１または２に記載の注射装置。
4. 第二の戻りばね（１４）が、カプセル（５）を包囲する円筒形キャリヤー（１５）内に収容されていて、キャリヤーの後端（１７）とバレルによって与えられるキャリヤー前方の接触部（１６）との間で作用することを特徴とする請求項１または２に記載の注射装置。
5. 前記キャリヤー（１５）がバレル（１、２、３）内に配置され、前記第二の戻りばね（１４）の収容を行うと同時に注射器のガイドともなることを特徴とする請求項４に記載の注射装置。
6. 前記トリガーアセンブリがバレル（１、２、３）の縦方向に平行に配置された単一のロッカー要素（１２）であり、該アセンブリの後端が前記スライダー（１０）と協同して、該アセンブリの前端が前記第一の動作として押し込まれたとき、前記スライダーを解除し、また前記アセンブリの前端が前記キャリヤー（１５）と協同して、該アセンブリの後端が前記第二の動作として押し込まれたとき、前記キャリヤーを解除することを特徴とする請求項３と請求項４または５とに記載の注射装置。
7. 前記ロッカー要素（１２）の後端（２４）と前記スライダー（１０、１１）との協同により、前記スライダー（１０、１１）が注射器（１４）をその針の突き出た位置に動かしてしまうまで、前記ロッカー要素（１２）の後端が押し込まれるのが防がれる、ことを特徴とする請求項２に従属する請求項５に記載の注射装置。
8. 第三のばね（１８）が、前記注射装置が発射されるときまで注射器（４）を引っ込めて止め（２０）に対抗させて保持するために、備えてあり、この第三のばねが、前記第一の駆動ばねが解除されたとき、前記主駆動ばねに対して有意の抵抗を示さないことを特徴とする請求項１から７の中のいずれか１つに記載の注射装置。

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