JP4232733B2 - ノイズ低減方法 - Google Patents

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本発明はノイズ低減方法に係り、特に画像信号を直交変換、非可逆符号化することによって発生するモスキートノイズを低減するノイズ低減方法に関する。
近年、インターネットやDVD(Digital Versatile Disk:ディジタル多用途ディスク)レコーダなどの普及により、ディジタル表現された画像はますます一般的になっている。これらの画像を少ない符号量で効率的に表現する手法として、JPEG(Joint Photographic Experts Group)やMPEG(Moving Picture Experts Group)などに代表される、直交変換符号化方式が広く用いられている。この符号化方式は、画像信号の性質を利用してデータ量を削減するため、直交変換及び量子化処理が行われる。直交変換後の係数値は、量子化によって特に高周波成分を制限することによってデータ量を削減し、符号化効率を高めるが、一方、量子化ステップが大きくなるにつれて再生画にノイズが増加し、画質劣化が顕著になる。
上記ノイズのうち、特に画像のエッジ部周辺においてモスキートノイズとよばれる、蚊がエッジ周辺にまとわりつくように見えるノイズが知られている。これは、量子化処理において特に高周波成分を制限したことによってエッジ周辺の情報が欠落したためであり、画質の劣化を招く。
そこで、このモスキートノイズにフィルタリングを施し、画質を改善するノイズ低減方法が従来よりいくつか提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1記載の従来のノイズ低減方法は、画像データを複数のブロックに分割して、ブロック毎に符号化を行う装置において、ブロック毎の画像データをもとに、ブロック毎に隣接画素の差分値の頻度分布を求め、この頻度分布に基づいて画像データがエッジを含むかどうか判別する判別手段と、この判別手段による判別結果に基づいて、ノイズを除去するブロックを選択する手段とからなる構成により、モスキートノイズを低減する。
また、特許文献2記載の従来のノイズ低減方法は、直交変換符号化においてデコーダ内の動きベクトルや変換係数の絶対和、あるいは特定範囲の変換係数の存在を調べることによりモスキートノイズを検出し、検出したモスキートノイズに応じた種類のフィルタリングを各画素に施す構成により、モスキートノイズを低減する。
特許第3011828号公報 特開2001−204029号公報
しかしながら、上記の特許文献1及び2各記載の従来のノイズ低減方法は、いずれもモスキートノイズを低減するために、逆直交変換後の画素値に対して平滑化効果のあるフィルタを一画素毎に施しているため、動作が低速なことが課題である。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、逆直交変換前の係数値をフィルタリングすることにより、高速な動作にてモスキートノイズを低減し得るノイズ低減方法を提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、画像信号を、予め定めた画像領域毎に直交変換、量子化及び可変長符号化を、一画像内でのみ順次に行う画像内符号化と、複数画像間で順次に行う画像間予測符号化とのいずれかを行って得られた符号化画像信号を復号化する際に、画像内符号化された符号化画像信号のモスキートノイズを低減するモスキートノイズ低減方法であって、供給された符号化画像信号に対して可変長復号化及び逆量子化を順次に行って、直交変換係数を復号する第1のステップと、画像内符号化された符号化画像信号が供給されたときに、第1のステップで復号された直交変換係数を用いて、モスキートノイズを画像領域単位で検出する第2のステップと、第2のステップでモスキートノイズが検出された画像領域において、画像内符号化時の量子化ステップと第1の閾値との大小比較をして得られた第1の比較結果と、復号された直交変換係数の直流成分の係数値と第2の閾値との大小比較をして得られた第2の比較結果と、当該画像領域とその周辺のモスキートノイズが検出された周辺画像領域との間で復号された直交変換係数の交流成分の絶対値の総和同士を大小比較して得られた第3の比較結果と、当該画像領域と一画像前の対応する画像領域との間で復号された直交変換係数の交流成分の絶対値の総和同士を大小比較して得られた第4の比較結果のうち、第1の比較結果と、第2乃至第4の比較結果のうちの少なくとも一の比較結果との組み合わせに基づいて、又は第2乃至第4の比較結果のうちの少なくとも一の比較結果に基づいてノイズレベルを設定する第3のステップと、第2のステップでモスキートノイズが検出された画像領域の復号された直交変換係数に対して、第3のステップで設定されたノイズレベルに応じてフィルタ強度、フィルタリング対象となる範囲及び直交変換係数の閾値のうちの少なくとも一のパラメータを可変して、直交変換係数の係数値を低減させるフィルタリングを行う第4のステップとを含むことを特徴とする。
この発明では、検出したモスキートノイズのレベルに対応したノイズレベルを設定し、そのノイズレベルに応じてフィルタ強度、フィルタリング対象となる範囲及び直交変換係数の閾値のうちの少なくとも一のパラメータを可変して、直交変換係数の係数値を低減させるフィルタリングを行うようにしたため、フィルタリングされた直交変換係数を逆直交変換して得られる復号画像信号の隣接画素の変化を小さくできる。
また、この発明では、画像内符号化と画像間予測符号化とのいずれかを行って得られた符号化画像信号を復号化する際に、画像内符号化された符号化画像信号のみをフィルタリング対象とするため、逆直交変換後の復号した画像信号の画素を全フレームにわたって一画素毎にフィルタリングする場合に比べて高速に動作させることができる。
本発明によれば、モスキートノイズが検出された画像領域のモスキートノイズのノイズレベルに応じてフィルタ強度、フィルタリング対象となる範囲及び直交変換係数の閾値のうちの少なくとも一のパラメータを可変して、直交変換係数の係数値を低減させるフィルタリングを行うことにより、フィルタリングされた直交変換係数を逆直交変換して得られる復号画像信号の隣接画素の変化を適切に小さくできると共に、画像内符号化された符号化画像信号のみをフィルタリング対象とするため、過剰なフィルタリングによる画質劣化を抑えて、高速に、かつ、効果的に、モスキートノイズを低減することができる。
次に、発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。以下、例として、MPEG2でエンコードされた後の符号をデコードする際に、モスキートノイズを低減する場合を挙げる。そこで、まず、公知のMPEG2のエンコーダ部及びデコーダ部について説明する。
図1はMPEG2のエンコーダ部の一例のブロック図を示す。図1において、減算器11、動き推定(ME)を行うME部12、離散コサイン変換(DCT)を行うDCT部13、量子化部14、逆量子化部15、逆DCT部16、可変長符号化部17、及び加算器18からなる。
エンコーダ部10は、画像信号が入力信号aとして入力され、この入力信号aに対してフレーム又はフィールドの一画像単位で画像内符号化又は画像間予測符号化を行って符号化画像信号である出力符号bを出力する。ここでは、説明の便宜上、エンコーダ部10は、フレーム単位でフレーム内符号化又はフレーム間予測符号化を行うものとする。また、フレーム内符号化によりフレーム内符号化画像を得るフレームはイントラフレームと呼ばれ、フレーム間予測符号化によりフレーム間予測符号化画像を得るフレームはインターフレームと呼ばれる。
エンコーダ部10は、イントラフレームでは、入力信号aを減算器11をそのまま経由してDCT部13に供給して、予め定めた画素数の二次元画素群のブロック単位に直交変換の一種である離散コサイン変換(DCT)を行って変換係数(DCT係数)を得る。ここで、DCT部13が入力信号の水平及び垂直方向の各位置i,jの画素xi,jに8×8画素のブロック単位のDCTを施した時には、次式で表わされる水平及び垂直周波数の各位置u,vのDCT係数Xi,jが得られる。
Figure 0004232733
図3は8×8画素のブロック単位のDCT係数を示したものであり、一つの正方形が一つのDCT係数を表わす。DCT係数は、図3中、右へ向かうほど高い水平周波数成分の係数となり、同図中、下へ向かうほど高い垂直周波数の係数となる。ここで、最低周波数成分のDCT係数d00は直流成分であるのでDC係数、この直流成分以外は交流成分であるのでAC係数である。
エンコーダ部10は、上記のDCT係数を量子化部14に供給して量子化ステップで量子化を行って情報量を削減した後、量子化部14から出力された信号を可変長符号化部17に供給して可変長符号を行うことでフレーム内の画像のみで独立して符号化されたイントラフレーム画像を出力符号bとして出力する。
なお、上記の可変長符号化部17による可変長符号は、量子化部14の出力信号のうちDC(直流)成分に対しては予測符号化の一種である差分パルス符号変調(DPCM)を行い、AC(交流)成分に対しては低域から高域にジグザグスキャンを行い、ゼロのラン長及び有効係数値を一つの事象とし、出現確率の高いものから符号長の短い符号を割り当てていくハフマン符号化を行う。
また、可変長符号化部17から出力された可変長符号化信号(出力符号b)は、図示しないバッファに一時蓄積されて所定の転送レートで出力される一方、所定単位(例えばマクロブロック単位)毎の発生符号量が目標符号量となるように量子化部14の量子化ステップが可変制御されることは公知であり、よく知られているので詳細説明は省略する。
上記のイントラフレームにおいて、可変長符号化部17から出力された可変長符号化信号は、逆量子化部15に供給され、ここで逆量子化された後、更に逆DCT部16により逆DCTされて加算器18を介してME部12内のメモリに入力信号aとの動き推定を行うためのリファレンスの参照画像(再生画像)として一次蓄えられる。ここで、上記の逆DCT部16による逆DCTは次式で表わすことができる。
Figure 0004232733
また、エンコーダ部10は、インターフレームでは、ME部12において入力信号aと内部のバッファから読み出した上記の参照画像とを用いて公知の方法で動き推定信号を生成して減算器11に供給し、ここで入力信号aとの差分信号を得る。その後、エンコーダ部10は、この差分信号をDCT部13でDCTを施して変換係数を得て、量子化部14で量子化し、その量子化部14の出力信号を可変長符号化部17に供給して可変長符号化を行うことでフレーム間予測符号化されたインターフレーム画像を出力符号bとして出力する。
なお、図示は省略したがME部12からは動きベクトルと、ピクチャタイプ(インターフレームではフレーム間順方向予測画像であるPピクチャ又は双方向予測画像であるBピクチャ、イントラフレームではフレーム内符号化画像であるIピクチャ)を示す情報が出力され、これらも可変長符号化部17を経由して出力される。
また、インターフレームにおいても、可変長符号化部17から出力された可変長符号化信号は、逆量子化部15に供給され、ここで逆量子化された後、更に逆DCT部16により逆DCTされて加算器18を介してME部12内のメモリに入力信号aとの動き推定を行うためのリファレンスの参照画像(再生画像)として一次蓄えられる。
次に、デコーダ部について説明する。図2はMPEG2のデコーダ部の一例のブロック図を示す。図2において、デコーダ部20は可変長復号化部21、逆量子化部22、逆DCT部23、出力信号eを出力する加算器24、動きベクトル、ピクチャタイプなどの情報dと出力信号eとが入力されるMC(動き補償)部25からなる。
このデコーダ部20は、エンコーダ部10で生成されて出力符号bとして出力された、イントラフレーム画像とインターフレーム画像とが時系列的に合成されたMPEG2のビットストリームが、図示しない伝送路を経由して入力符号cとして入力され、可変長復号化部21によって入力符号cを可変長復号化した後、逆量子化部22によって逆量子化して変換係数を得る。この変換係数は逆DCT部23において逆DCTが施される。
イントラフレームでは、逆DCT部23から復元された画像信号が出力されて出力信号eとして出力される。また、インターフレームでは、出力信号eと可変長復号化部21により得られた動きベクトル及びピクチャタイプなどの情報dとを用いてMC部25においてMC(動き補償)が行われることによって復号化がなされる。このMC部25の出力信号は、逆DCT部23から出力された信号と加算器24で加算されることにより、インターフレームの復号画像信号が生成され、出力信号eとして出力される。
次に、本発明のノイズ低減方法の一実施の形態について説明する。図4は本発明になるノイズ低減方法の一実施の形態を実現するデコーダ部のブロック図を示す。同図中、図2と同一構成部分には同一符号を付してある。図4に示すデコード部は、図2に示した従来の構成のデコード部20に、モスキートノイズ検出部31、ノイズレベル設定部32及びモスキートノイズフィルタリング部33からなるノイズ低減回路30を設けた点に特徴がある。
モスキートノイズ検出部31は、可変長復号化部21により復号化されたピクチャタイプ及び量子化ステップの情報fと逆量子化後のDCT係数とに基づき、公知の方法でブロック単位でモスキートノイズを検出し、得られたノイズ検出信号gをノイズレベル設定部32に出力する。ノイズレベル設定部32は、ノイズ検出信号gと、ピクチャタイプ及び量子化ステップの情報fと、逆量子化後のDCT係数の分布とからノイズレベル信号hを生成して出力する。モスキートノイズフィルタリング部33は、逆量子化後のDCT係数に対して、ノイズレベル信号hに応じた強度のフィルタリングを行い、得られたDCT係数を逆DCT部23へ出力する。
ここで、本実施の形態のノイズ低減方法は、イントラフレームに対してのみノイズ低減回路30によるノイズ低減動作を行い、インターフレームに対しては、ノイズ低減回路30によるノイズ低減動作を行わない。ノイズ低減のためのフィルタリングを施すフレームは、イントラフレームのみとすることで、高速に処理することができ、また、インターフレームに対してフィルタリングすることは、参照フレームとインターフレームとで二重以上にフィルタリングすることになるため、イントラフレームのみにノイズ低減のためのフィルタリングを施すことで、過剰なフィルタリングによる画質劣化を抑える。
そこで、次に、入力符号cがイントラフレームである場合の図4のデコード部の動作について説明する。イントラフレームの入力符号cは可変長復号化部21に供給されて可変長復号化された後、逆量子化部22により逆量子化されてDCT係数が復号される。ここで、本実施の形態では、逆量子化部22により復号されたDCT係数は、イントラフレームの場合は、モスキートノイズ検出部31、ノイズレベル設定部32及びモスキートノイズフィルタリング部33にそれぞれ供給され、逆DCT部23には供給されない。
一方、モスキートノイズ検出部31は、可変長復号化部21により得られたピクチャタイプ及び量子化ステップの情報fと、逆量子化部22から出力されたDCT係数の情報とに基づいて、例えば、前記特許文献2などに記載されている公知のモスキートノイズ検出方法にてモスキートノイズをブロック単位で検出し、モスキートノイズが検出されたか否かを示すノイズ検出信号gを出力する。
ここで、モスキートノイズは、DCT係数のAC成分を量子化することによる量子化誤差の付加が要因となって発生するので、元の画像信号がDC成分のみの場合や、量子化誤差が発生しにくい高レート時には殆ど発生しない。また、DCT係数のAC成分に対する量子化誤差が非常に大きい場合、そのDCT係数が存在するブロックは殆どDC成分のみとなるため、ごく低レート時にも発生しない。これら以外の時でモスキートノイズが検出された場合に、DCT係数を小さくすれば、逆DCT後の隣接画素の変化が小さくなるため、モスキートノイズが低減できる。
そこで、上記の点に着目して、ノイズレベル設定部32は、モスキートノイズフィルタリング部33において適切なフィルタリングを行わせるために、モスキートノイズが検出されたブロックに対して、モスキートノイズのノイズレベルに応じてフィルタ強度、フィルタリング対象となる範囲及びDCT係数の閾値などを可変制御するノイズレベル信号を、例えば図5に示すフローチャートに従って生成する。
すなわち、ノイズレベル設定部32は、まず、上記のノイズ検出信号gがモスキートノイズ検出を示しているか否かを判定し(ステップS1)、モスキートノイズ検出を示している時にはノイズレベルを「1」に設定し(ステップS2)、モスキートノイズ検出を示していない時にはノイズレベルを「0」に設定して(ステップS3)、処理を終了する。
ノイズレベルを「1」に設定したときには、続いて、ノイズレベル設定部32は、可変長復号化部21から出力されたピクチャタイプ及び量子化ステップの情報fに基づき、量子化ステップが大きいほどモスキートノイズの強度が大きくなることを利用して、モスキートノイズが検出されたブロックの量子化ステップが予め設定した第1の閾値T1と量子化ステップを大小比較し(ステップS4)、閾値T1よりも量子化ステップが大きいときには、先に設定したノイズレベルを「1」よりも上げ(ステップS5)、量子化ステップが閾値T1以下のときには、先に設定したノイズレベルを「1」よりも下げる(ステップS6)。
なお、ノイズレベルの上昇値又は下降値は、その時の比較対象パラメータ(上記の場合は量子化ステップ)の閾値に対する差分に応じて直線的に又は予め設定した関数に応じて非直線的に変化させてもよいし、大きいか小さいかに応じて予め設定した固定値としてもよい(以下、同様)。
続いて、ノイズレベル設定部32は、逆量子化部22から供給される逆量子化後のDCT係数の分布から、DC成分が非常に大きければ絵柄が明るくてノイズが目立ちにくいので、DC成分の係数値(絶対値)が予め定めた第2の閾値T2よりも大きいか否か比較し(ステップS7)、DC成分の係数値(絶対値)が閾値T2よりも大きい比較結果が得られたときには、ノイズレベルの値を現在の値よりも下げる(ステップS8)。DC成分の係数値(絶対値)が閾値T2以下である比較結果が得られたときは、何もせずステップS9に進む。
続いて、ノイズレベル設定部32は、比較対象のブロックの逆量子化後のDCT係数のAC成分の絶対値の総和が、そのブロックの周辺のブロックのうちノイズレベルが0でない周辺ブロック内の各AC成分の絶対値の総和よりも大きいかどうか比較し(ステップS9)、大きい比較結果が得られたときには、そのブロックは周辺ブロックに比べて絵柄が複雑でモスキートノイズの強度が大きいと判断して、ノイズレベルの値を現在の値よりも上げる(ステップS10)。比較対象のブロックのDCT係数のAC成分の絶対値の総和が周辺ブロックのDCT係数のAC成分の絶対値の総和以下の比較結果が得られたときには、何もせずステップS11に進む。
更に、ノイズレベル設定部32は、比較対象のブロックの逆量子化後のDCT係数のAC成分の絶対値の総和が、そのブロックの前フレームにある同じ位置のブロックがノイズレベル0でないときには、その前フレームの同じ位置にあるブロックのDCT係数のAC成分の絶対値の総和より大きいかどうか比較し(ステップS11)、大きい比較結果が得られたときには、比較対象のブロックは前フレームの同じ位置のブロックに比べて絵柄が複雑でモスキートノイズの強度が大きいと判断して、ノイズレベルの値を現在の値よりも上げる(ステップS12)。比較対象のブロックのDCT係数のAC成分の絶対値の総和が、前フレームの同じ位置のブロックのDCT係数のAC成分の絶対値の総和以下の比較結果が得られたときには、処理を終了する(ステップS13)。
このようにして、ノイズレベル設定部32は、ノイズレベルの値が0又は0より大なる値のノイズレベル信号を生成して、モスキートノイズフィルタリング部33にフィルタリングパラメータの制御信号として供給する。ここで、上記のフィルタリングパラメータとしては、フィルタ強度、フィルタリングの対象範囲、フィルタリングするDCT係数の絶対値の閾値などがある。また、ノイズレベルの値が0であるときには、モスキートノイズフィルタリング部33によるフィルタリングを行わず、フィルタリング部33は入力された逆量子化後のDCT係数をそのまま出力する。
また、上記のノイズレベルが「1」のときは、モスキートノイズフィルタリング部33は、DCT係数のAC成分のうち、高周波成分(例えば、図6に示す8×8画素のブロック単位のDCT係数中の斜線で示す範囲)の係数値を半分にするフィルタリングを行う。ただし、フィルタリング対象となる係数値は画質に与える影響を考慮して「絶対値で32未満」とする。なお、8ビットのDCT係数のAC成分の係数値の最大値は「2040」である。
このノイズレベルが丁度「1」であるときの、上記のモスキートノイズフィルタリング部33によるフィルタリングは、フィルタリング対象範囲をGとすると、逆DCTを示した(3)式中のDCT係数Xu,vをX’u,vと置き換えることにより、次式で表わされる。ただし、次式中、[x]は、xを超えない最大の整数を示すガウス記号である。
Figure 0004232733
また、ノイズレベルが「1」より大きいノイズレベル信号hがモスキートノイズフィルタリング部33に入力された場合は、モスキートノイズフィルタリング部33は、逆量子化部22から入力されるDCT係数に対して、上記のノイズレベルが「1」のときに比べて、フィルタ強度を強くしたり、フィルタリング対象範囲を広げたり、フィルタリング対象となるDCT係数の係数値(絶対値)の閾値を高くしたフィルタリングを行う。
逆に、ノイズレベルが「1」より小さいノイズレベル信号hがモスキートノイズフィルタリング部33に入力された場合は、モスキートノイズフィルタリング部33は、逆量子化部22から入力されるDCT係数に対して、上記のノイズレベルが「1」のときに比べて、フィルタ強度を弱くしたり、フィルタリング対象範囲を狭めたり、フィルタリング対象となるDCT係数の係数値(絶対値)の閾値を低くしたフィルタリングを行う。
こうして、モスキートノイズフィルタリング部33により、DCT係数に対してノイズレベルに連動して符号化時よりも絶対値で減少するようなフィルタリングを行わせることにより、適切にモスキートノイズが低減される。モスキートノイズフィルタリング部33から取り出された、フィルタリング後のDCT係数は、図4に示す逆DCT部23に供給されて、逆DCTが施されることにより、元の画像信号が復号され、加算器24をそのままスルーして出力信号iとして出力される一方、MC部25内のメモリにインターフレーム復号時の参照画像として用いるために一時記憶される。
なお、以上は入力符号cがイントラフレームである場合の説明であったが、入力符号cがインターフレームの場合は、例えばスイッチ手段(図示せず)により、逆DCT部23には従来と同様に逆量子化部22から出力されたDCT係数のみが入力され、かつ、モスキートノイズフィルタリング部33から出力されるDCT係数は逆DCT部23には入力されないようにされ(つまり、ノイズ低減回路30は実質的に非作動とされ)、上記のイントラフレームにおいてノイズが低減されてMC部25内のメモリに一時記憶された、逆DCT部23の出力信号と、可変長復号化部21より出力された動きベクトル及びピクチャタイプなどの情報dを用いてMC部25においてMC(動き補償)が行われることによって復号化がなされ、MC部25の出力信号と逆DCT部23の出力信号とが加算器24で加算されることにより、復号された画像信号が出力信号iとして出力される。
このように、本実施の形態によれば、ノイズレベルが大きいほどフィルタリング強度を強くしたり、フィルタリング対象範囲を広めたり、フィルタリング対象となるDCT係数の係数値(絶対値)の閾値を高くしてフィルタリングを行って、ノイズレベルに応じてDCT係数を小さくするようにしたため、逆DCT後の隣接画素の変化が小さくなり、モスキートノイズを適応的に低減できる。
更に、本実施の形態によれば、DCT係数のAC成分のうちイントラフレームのみをフィルタリング対象とするため、逆DCT後の画素を全フレームにわたって一画素毎にフィルタリングする場合に比べて高速に動作させることが可能となる。以上より、本実施の形態によれば、モスキートノイズを効果的に低減できる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、ノイズレベル設定部32において、量子化ステップと閾値T1との大小比較、DCT係数のDC成分の係数値と閾値T2との大小比較、DCT係数のAC成分の絶対値の総和と所定の周辺ブロックのそれとの大小比較、及びDCT係数のAC成分の絶対値の総和と前フレームの対応ブロックのそれとの大小比較のすべての比較結果に基づいて、モスキートノイズが検出されたブロックに対するフィルタリングのパラメータを制御するノイズレベルを設定するように説明したが、これらの比較結果のうちのどれか一つ以上の比較結果に基づいてノイズレベルを設定するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、モスキートノイズ低減対象は、符号化方式にMPEG2を用いたものとしたが、本発明はモスキートノイズ低減対象にはどのような符号化方式で符号化されたデータにも適用できる。また、上記の実施の形態では、ノイズレベルが「1」のときにフィルタリングの際にDCT係数の係数値を半分としたが、これは係数値を減らすようにすればこれに限定されるものではない。また、DCT係数の高周波成分であるほど係数値(絶対値)を小さくするように構成してもよい。
更に、モスキートノイズフィルタリング部33のフィルタリング対象範囲は、DCT係数のDC成分以外のAC成分であれば、図6の範囲に限定されるものではなく、また、更に(4)式に示した閾値「32」は一例であり、これに限るものではないことは勿論である。
また、本発明はノイズ低減回路30の動作機能をコンピュータにより実現させるプログラムも包含する。このプログラムは、記録媒体から読み取られてコンピュータに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピュータに取り込まれてもよい。
MPEG2のエンコーダ部の一例を示すブロック図である。 MPEG2のデコーダ部の一例を示すブロック図である。 8×8画素のブロック単位のDCT係数を示す図である。 本発明方法の一実施の形態を実現するデコーダ部のブロック図である。 図4中のノイズレベル設定部の動作説明用フローチャートである。 8×8画素のブロック単位のDCT係数のうち、フィルタリング対象範囲の一例を説明する図である。
符号の説明
10 エンコーダ部
11 減算器
12 ME部
13 DCT部
14 量子化部
15、22 逆量子化部
16、23 逆DCT部
17 可変長符号化部
18、24 加算器
20 デコーダ部
21 可変長復号化部
25 MC部
30 ノイズ低減回路
31 モスキートノイズ検出部
32 ノイズレベル設定部
33 モスキートノイズフィルタリング部

Claims (1)

  1. 画像信号を、予め定めた画像領域毎に直交変換、量子化及び可変長符号化を、一画像内でのみ順次に行う画像内符号化と、複数画像間で順次に行う画像間予測符号化とのいずれかを行って得られた符号化画像信号を復号化する際に、前記画像内符号化された符号化画像信号のモスキートノイズを低減するモスキートノイズ低減方法であって、
    供給された前記符号化画像信号に対して可変長復号化及び逆量子化を順次に行って、直交変換係数を復号する第1のステップと、
    前記画像内符号化された前記符号化画像信号が供給されたときに、前記第1のステップで復号された前記直交変換係数を用いて、前記モスキートノイズを前記画像領域単位で検出する第2のステップと、
    前記第2のステップで前記モスキートノイズが検出された前記画像領域において、前記画像内符号化時の量子化ステップと第1の閾値との大小比較をして得られた第1の比較結果と、復号された前記直交変換係数の直流成分の係数値と第2の閾値との大小比較をして得られた第2の比較結果と、当該画像領域とその周辺の前記モスキートノイズが検出された周辺画像領域との間で復号された前記直交変換係数の交流成分の絶対値の総和同士を大小比較して得られた第3の比較結果と、当該画像領域と一画像前の対応する画像領域との間で復号された前記直交変換係数の交流成分の絶対値の総和同士を大小比較して得られた第4の比較結果のうち、前記第1の比較結果と、前記第2乃至第4の比較結果のうちの少なくとも一の比較結果との組み合わせに基づいて、又は前記第2乃至第4の比較結果のうちの少なくとも一の比較結果に基づいてノイズレベルを設定する第3のステップと、
    前記第2のステップで前記モスキートノイズが検出された前記画像領域の復号された前記直交変換係数に対して、前記第3のステップで設定された前記ノイズレベルに応じてフィルタ強度、フィルタリング対象となる範囲及び前記直交変換係数の閾値のうちの少なくとも一のパラメータを可変して、該直交変換係数の係数値を低減させるフィルタリングを行う第4のステップと
    を含むことを特徴とするモスキートノイズ低減方法。
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