JP4231625B2 - 機械的利点を用いる側面操作性ツールユニット挟持機構 - Google Patents

機械的利点を用いる側面操作性ツールユニット挟持機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般に、ツールユニットをツール支持体に着脱可能に連結するために改良されたロックロッド挟持機構に関する。また特に、機械的利点を用いた側面操作性挟持機構に関連する。
【0002】
【従来の技術】
ツールユニットをツール支持体に着脱可能に連結するための挟持機構は周知の技術である。このようなメカニズムは、一般にツールユニットが回転する金属ワークピースのカッティング係合に出入りするカッティングインサートを支える際の、機械加工オペレーションで用いられる。この挟持機構は、種類の異なるカッティングインサートを支える種々のツールユニットをツール支持体に速やかに着脱することを可能にする。このツール支持体は、順に、ワークピースに応じたツールユニットの動作を制御する装置に接続されている。
【0003】
もっとも商業的に成功した挟持機構には、ツールユニットの管状シャンクと結合する円筒形キャニスターが含まれ、そのキャニスターには、ロッキングエレメントのツールユニットの陥没部位でのロッキング係合を受容する開口部(aperture)が含まれる。ロッキングエレメントは一般に球状で、ロッキングエレメントに係合するカム部分を持ち、往復するロックロッドによって、キャニスターの開口部を通して放射状に移動する。このような挟持機構の例は、エリクソン(Erickson)の米国特許第 4,708,040号、第4,747,735号、第4,836,069号、及び第4,932,295号にて開示され、これらはそれぞれペンシルバニア州ラトローブのケンナメタル社(Kennametal Inc. Latrobe, Pennsylvania)に譲渡されている。
【0004】
図1にはこのような挟持機構が示されている。ここでは、キャニスター39の先端53の側断面図が示されている。ここには部品39の壁を通して円筒形ボアの形状をした開口部54aが含まれる。開口部54aを形成する円形ボアの内径は厳密には球状ロッキングエレメント57aの外径に近似する。ロックロッド60は、傾斜68へと向かって先細りになる球状の陥没66を備えたカム部分64aを含んでいる。球状ロッキングエレメント57aが陥没66に位置し、またロックロッド60のストップフランジ70が環状壁71に接したとき、球状エレメント57aは、ツールユニット10の管状シャンクがカップリング部品43の環状凹部59に挿入され得るロック解除位置にある。しかし、ロックロッド60が図示位置の右に移動すると、カム部分64aの傾斜68は楔状に係合し、球状ロッキングエレメント57aをロック位置に上昇させる。この位置において、球状ロッキングシステム57aは楔状かつロック状態でツールユニット10の傾斜した開口部壁30によって圧迫される。
【0005】
図2と図3は、カッティングツールを保持するための先端部12とツール支持体に接続される後方管状シャンク16を含む従来技術のツールユニット10を示す。先端部12には、インディックス可能なカッティングインサート、ロッキングブラケット、そしてシム(図示せず)を受容するための従来式の凹部あるいはポケット14が含まれる。先端部12と管状シャンク16の間の接合部には、ツールユニットが挟持機構によって支持体に接続される際にツール支持体の環状面と係合する環状当接面17が位置している。当接面17は平面で、管状シャンク16の縦軸Lに対して直角になっている。
【0006】
図3に図示されているとおり、管状シャンク16はフラスト円錐形状(frusto-conical)であり、以下に説明する挟持機構の球状ロッキングエレメントを受容するための一対の対面する開口部18a、bを含んでいる。開口部18a、bの壁20は、部分的には、円周に沿って円筒形で、(図3に示された如く)シャンク16と挟持機構の球状ロッキングエレメントの間でロック係合を容易にするために傾斜している。管状シャンク16の内部表面22は実質的には円筒形をしており、ロッキングメカニズムのキャニスターの外側表面と密接に接合する。シャンクの外側表面24は、ツールユニット10とツール支持体の間のカップリングの心出し(centering)と補剛のためにフラスト円錐形状をしている。アラインメントスロット26と28は対向する開口部a、bに対して直角に配置されている。これから説明されるとおり、これらのスロット26と28は、挟持機構のキャニスター内に位置して開口部18a、bと挟持機構の球状ロッキングエレメントのアライメントを確保する突出キー(図示せず)に嵌まる。
【0007】
次に図4を参照すると、従来技術による挟持機構35は従来形式のツール支持体37に図の如く配置されている。挟持機構35はカップリング部品43から形成されるハウジング41内部に取り付けられた円筒形キャニスター39を含む。カップリング部品43は、その先端で、ツールユニット10とカップリング部品43の連結時には前述されたツールユニット10の当接面17と対面する環状当接面44となって終結する。ツール支持ハウジング37はさらに、カップリング部品43の後部に配置されるハウジング部品45を備える。キャニスター39は、カップリング部品43にボルト49で固定された環状フランジ47によってハウジング41に付属している。カップリング部品43は、順に、ボルト51でハウジング部品45に固定されている。したがって、キャニスター39は、挟持機構35の作動中はロックロッド60に対して静止している。
【0008】
キャニスター39の先端53は、球体のロッキングエレメント57a、bを受容するための、一対の対向する開口部55a、bを含む。ロッキングエレメント57a、bは、挟持機構がロック解除位置にあるときには実線で、カップリングがロック位置にあるときは点線で位置が図示されている。開口部55a、bの壁が、ロッキング球57a、bの外径よりもすこし大きい内径を持つ円筒形ボアであることは、重要である。キャニスター39の先端53は前に言及された、開口部55a、bに直交して配置されたアラインメントラグ(図示せず)をも含む。フラスト円錐形の環状陥没59は、キャニスター39の先端62の外部表面とツールユニット10を受容するためのカップリング部品43の内部表面のあいだで定義される。
【0009】
キャニスター39とロッキング球57a、bに加えて、この発明の挟持機構35はさらに、軸Aに沿って点線で示された位置に往復移動可能なロックロッド60を含む。ロックロッド60は、内部に同心状に配置され、キャニスター39の先端53に関してスライド移動可能な先端62を備える。ロックロッド60の先端62は、環状陥没59の内外に放射状にロッキング球a、bを移動させる対向するカム部品64a、bを含む。ここにいたって、カム部品64a、bは、部分的に球57a、bの形状を部分的に相補する陥没(depression)66と、ロックロッド60の先端62に向かって陥没66の一端から延出する傾斜(ramp)68を含む。カム部品64は、ロックロッドに沿ってロッキングエレメントの移動経路を決定する。この経路は、ボールトラックとしても知られている。
【0010】
ロックロッド60は、さらに、キャニスター39の環状壁71と係合して、先端方向へのロックロッド60のストロークを完全に防止するように形成されたストップフランジ70を備える。ロックロッド60の基部63は、キャニスター39の基部内部にスライドするよう取り付けられた円筒形シャフト72から成る。シャフト72は、スプリングリテイナー73で終わっている。重ねられたベルビルワッシャ(Belleville washers)74から成るスプリングパックは、点線で示されたロック位置にあるロックロッド60にバイアスをかけるスプリングリテイナー73に対して、常に張力を与える。
【0011】
ロックロッド60の先端62は、リリースされる際のツールユニット10をカップリング部品43から物理的に衝突させるためにある。この理由によって、ツールユニット10がリリースされてカップリング部品43から押し出された場合、ロックロッド60の先端は接触によって、ツールユニットに対して位置することになる。
【0012】
挟持機構35は、力を適用し、ロックロッド60をスプリングパックワッシャ74の力に対して左に移動させることで作動する。ツールユニット10の管状シャンク(図3)は、環状陥没59に挿入され、ロックロッド60に加えられた力を排除することによって、スプリングパックワッシャ74は、ロックロッド60を右に強制的に動かし、これによってロッキングエレメント57a、bは傾斜68(図1)に沿って外向き放射状に動き、ツールユニットシャンク16の開口部18aの傾斜した壁と係合する。
【0013】
この従来技術のデザインでは、キャニスター39の開口部54aは、挟持メカニズム35の縦軸L方向に対して垂直に延出する円筒形ボアである。
【0014】
ツールユニットシャンク16の傾斜した壁30に対向して配されたキャニスター開口部壁に傾斜を与えることによって、ツールユニット10に対する挟持力が、同様の傾斜角度(ramp angle)を有するロックロッド60に同じ力をかける非傾斜壁のそれの場合よりも増大するのはすでに発見されていた。図5の要点をまとめると、開口部壁75に対面する開口部壁76を傾斜させることによってそれは達成されている。さらに具体的には、壁76は、縦軸L方向から放射状に延出する軸Rに対して10°から20°の間、望ましいのは15°で傾斜している。このような開口部壁76の傾斜は、挟持機構35の把握力の増大に利するものである。
【0015】
この配置を活用する挟持機構は、ケンナメタル社(Kennametal)に譲渡された米国特許第5,694,820号で公開され、その結果、参考として取り入れられている。
【0016】
増強された挟持力は、図5に示された角度MとNに関して最も理解されやすい。ロッキング球57aが放射状に外側へ押し出され、図5に示されたロック位置に嵌まったところで、その球状の壁は、ツールユニット10の開口部壁である傾斜部分30と開口部55aの傾斜壁76と角度Mで噛み合う。角度Mは開口部壁76からのラインの投影と、ツールユニット開口部壁30の傾斜部分によって決定される。この投影は、基部77で交わる。
【0017】
一方、角度NはラインRによって決定され、開口部壁76とツールユニット開口部壁30の傾斜部分の前の方向を反映する。ロッキング球57aは楔状にこれらの表面と噛み合い、ロックロッド60の傾斜68から強制的に排除される。角度Mは角度Nよりも小さいため、ロッキング球57aは、角度Nよりも角度Mによって決定されるこれらの表面の間でより大きいメカニカルな利点をもたらす。この修正された配置は、もとの配置によって生じる力より30%高い挟持力を供する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術に基づく挟持機構は、ハウジング内部でロックロッドが縦方向に移動する配置によって増加した挟持力を供するが、多くの挟持機構において、ロックロッドは、挟持機構の側面から操作される。米国特許第4,736,659号はこのような側面操作装置のために割り当てられ、ケンナメタル社(Kennametal)とクルップ・ヴィディア社(Krupp Widia)に共同譲渡された。その結果、ここに参考として取り入れられている。このような側面操作装置は、目下存在するものでは、傾斜した壁を備えた開口部を持つキャニスターを使って操作されてはいない。キャニスターの傾斜した壁はロッキング球を挟持機構の縦軸に沿って移動させ、この駆動が、側面操作性のロックロッドのボールトラックから球を脱落させてしまう。
【0019】
側面操作性挟持機構に、これまで述べた機械的利点が備わるようなデザインが可能になれば、有利となるだろう。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明は、縦軸に沿ってツールユニットをツール支持ハウジングに着脱可能に取り付ける側面操作性の挟持機構に関する。挟持機構内部に受容されたツールユニットは、開口部とそれらに伴う壁とを備えたシャンクを有する。基準として配向面は縦軸に対して垂直であると定義される。挟持機構は、少なくとも、一個のロッキングエレメントと、ツールユニットと結合してロッキングエレメントを受容する開口部を含むキャニスターと、縦軸に対して放射状の第一軸に沿って往復し、ロック解除位置からツールユニットと係合するロック位置までキャニスター開口部を通してロッキングエレメントを動かすためのボールトラックを備えたロックロッドとを含む。キャニスターの開口部はツールユニットシャンク内の開口壁に対向する壁を持つ。キャニスターの壁は、縦軸に対して放射状の第二軸に沿い、配向面に対して正の角度を形成する。第二軸によってキャニスターの壁とシャンクの開口壁のあいだに形成された正の角度は、シャンクの開口壁と配向面と平行する線のあいだに形成される角度よりも小さい。
【0021】
キャニスター壁に沿う第二軸は配向面に対して10°から30°の間の角度を形成する。
【0022】
挟持機構のボールトラックは、ロッキングエレメントがキャニスター開口部を通して移動する時にロッキングエレメントがボールトラックをなぞって動けるように、配向面に対して角度をまたは配向が形成されてもよい。この角度は、配向面に対して1から10°となる。
【0023】
ひとつの具体例としては、ロックロッドは第一軸に沿って往復するが、ボールトラックに平行な軸に従って往復することも可能である。
【0024】
挟持機構には、さらに、ツール支持ハウジング内に螺合可能的に嵌合され、回転可能に取り付けられたトルクスクリューが含まれる。トルクスクリューはロックロッドに付され、トルクスクリューの回転がロックロッドを往復させる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図6は縦軸Lに沿って前述のツールユニット10と同様のツールユニットをツール支持体に着脱可能に取り付ける挟持機構235の斜視図である。挟持機構235はロックロッド260(図10)によって側面操作される。ロックロッド260は図6には示されていないが、図6内に示された円筒形ボア205の径位置に取り付けられている。ツールユニット10(図2)のシャンク16は環状凹部259内部に延び、ツールユニット10の開口部18a、bは挟持機構235の環状凹部259内のロッキングエレメント257a、b(図7)と係合する。
【0026】
図7は図6で示された斜視図の上面図である。ツール支持ハウジング237は単一の一体化された部品であるか、あるいは金属成形加工技術の当業者によく知られたテクノロジーを用いて各々組み合わされた部品から成る。
【0027】
図8は挟持機構235の、図7の線8−8に沿った側断面図を示す。挟持機構235は一般に縦軸Lに対称的であり、それゆえに、縦軸Lに対して異なる側各々におけるリファレンスアイテムがサフィックスaとbを使用してこれらが示され、添数を欠いてもこれらの部分は同一であると理解されねばならない。
【0028】
キャニスター239はツール支持ハウジング237にアタッチメントボア240(図7参照)を通して延出したボルト(図示せず)で固定されている。前述したように、ロッキングエレメント257a、bは、ロックロッド260によって縦軸Lから外方向に放射状径方向に付勢される。ロックロッド260は、図8において、内外に往復運動する。ツールユニット210のシャンク216の一部は、ロックアセンブリを示すために描かれている。本発明を説明する目的のための図8における唯一の可動部品は、ロッキングエレメント257a、bとロックロッド260、及びバンプオフ部品(bump-off member)280である。
【0029】
ロックロッド260は、図の内外の往復運動を通して、縦軸Lから外向き放射状径方向にロッキングエレメントa、bを移動させ、ツールユニット210のシャンク216と係合させる。あるいは、バンプオフ部品280を右側に変位させ、それによってロック位置からツールユニットを移動させる。図8の側断面図は、放射状に延出されているロッキングエレメント257a、bとロック位置にあるロックロッド260を示している。
【0030】
図8で特筆すべきは、キャニスター239の対向する開口部(aperture)255a、bである。簡便化のために配向面Pを定義する。これは縦軸Lに対して垂直であり、Pと指定される。開口部255a、bは、従来技術のように、配向面Pに対して10°から20°、好ましくは15°の角度αの方向を持つ第二軸Sに沿う。結果として、ロッキングエレメント257a、bがロックロッド260によって外向き放射状に変位させられる際、それらは同時に挟持機構235の当接面244の方向に近づく。このデザインは、先述したように、このような傾斜を持たない開口部では以前得られなかった増強した機械力を供する。
【0031】
これを図8の配置に適用すると、増強された機械力は、図8で示された角度MとNを参考にすると際立つ。ロッキング球257aが図8が示すようにロック位置に外方向に放射状に押し込まれるとき、その球状の壁は角度Mの、ツールユニット210の開口部壁230の傾斜部分と、開口部255aの傾斜した壁276と噛み合う。角度Mは開口部壁276からの軸Sの延長と、軸Tと定義されるツールユニット開口部壁230の傾斜部分に沿う線によって定義される。この投影は基部277で交わる。ツールユニット開口部壁230は、軸Rと30°の角度を形成する。
【0032】
一方で、角度Nは、開口部壁276の従来技術における方向を反映している軸Rとツールユニット開口部壁230の傾斜部分とによって定義される。ロッキング球257aは、ロックロッド260の傾斜(ramp)268からの強制的変位によってこれらの表面に楔状に係合する。角度Mは角度Nよりも小さいので、ロッキング球257aは、角度Nによって定義される表面よりも角度Mによって定義される表面で、より大きい機械的優位を得る。この修正された配置は、従来の配置によって生じる挟持力よりも30%増強された挟持力を供する。
【0033】
以前のデザインでは、ロックロッドは変位されたロッキングエレメント257と同じ縦方向に移動し、それゆえに、ロッキングエレメント257はロックロッド上のボールトラックをなぞって動く。しかし、ロッキングエレメント257は傾斜した開口部によって生じた変位量だけ側方にシフトさせられる。従来の側面操作装置は、図8に示された配向面Pに平行なボールトラックを本質的に備えているため、傾斜した開口部は、ロッキングエレメント257をボールトラックの中心からずらす。
【0034】
このずれに対応するため、また本発明の意図を叶えるために、ボールトラック263(図9a、9b、及び10)は、くぼみ(depression)266を備えたカム部分264、配向面Pに平行な第一軸Qに対して角度β(図9a)に配向されたボールトラック263を定義する傾斜268を包含する。角度βは第一軸Qに対してゼロではない、あるいは正の角度を持つ。図9aと9bには示されていないが、ロッキングエレメント257aがキャニスター開口部255a(図8)を通してガイドされ、ロックロッド260が配向面Pに平行な軸Qに沿って前後に運動すると、ロッキングエレメント257aはボールトラック263に沿って移動する。この方式では、ロッキングエレメント257a(図8)は、キャニスター239の開口部255a内において、開口部255aを通過し第二軸Sに沿って外方向へ放射状に移動する移動範囲を通して、角型ボールトラック263(図9a、9b)に続く。
【0035】
ロックロッド260には、カム部分264を備えたヘッド267がある。また、くぼみ266と傾斜(ランプ)268は、バンプオフタブ(bump-off tab)270に沿い、傾斜272とフラット274を含んでいる。図9aに図示されたロック位置においては、ロックロッドは右に延出し、ロッキングエレメント257a、b(図9aには示されず)はボールトラック263上の一点284に位置し、また図7に示された如く放射状に延出している。この位置においては、バンプオフ部品280は陥没位置にある。
【0036】
ロックロッド260が図9bにあるように左に移動してロック解除位置にくると、ロッキングエレメント257a、b(図9aには示されず)は概ね、ボールトラック263に沿い点286に位置する。そして、バンプオフタブ270の傾斜272はバンプオフ部品280の傾斜281をバンプオフ部品280へ外向き放射状に係合させる。ロックロッド260が左に動きつづけると、バンプオフタブ270のフラット274がバンプオフ部品280のフラット282と噛み合い、その結果、ツールユニット210(図示せず)のボディと接触して、キャニスター239の環状凹部259からツールユニット210を物理的に押す。
【0037】
図11 は、縦軸Lを伴うツールユニット210を一般的に示した本発明の一具体例の斜視図である。例示目的のために、比率とサイズは度外視している。配向面Pは、縦軸Lに対して垂直な円として図示されている。第一軸Qは、縦軸Lからロックロッドテール269を通して放射状に延出している。軸Rは縦軸Lから配向面Pと平行して放射状に延出し、また一般的に第一軸Qに対して垂直になっている。ボールトラック263は、第一軸Qに対して角度βを成している。キャニスター255の傾斜した開口部壁276は軸Rに対して角度αを形成して、第二軸Sを定義している。点線で示されたロッキングエレメント257は、カム部品264のボールトラック263に沿って移動し、キャニスター239の傾斜した開口部壁276とツールユニット210の傾斜した開口部壁230とに係合する。
【0038】
ロックロッド260は、トルクスクリュー290のねじ式内径292と適合するねじ式外径を持つロックロッド尾部269を用いて、軸Qに沿って往復する。トルクスクリュー290はさらに、ツール支持ハウジング237のねじ式内径296と適合するねじ式外径294を備える。ねじ式内径292とそれに関連したねじのピッチは、特に、ねじ式外径294とそれに関連するねじのピッチよりも大きい。そのためにトルクスクリュー290の回転は、トルクスクリュー290がツール支持ハウジング237の内部に移動するレートよりも早いレートでロックロッド260を動かす。トルクスクリュー290は、八角レンチを用いる回転を容易にするためにその開口した末端に八角形の空洞を持つ。
【0039】
図9aと図9bが、配向面Pに平行な軸Qに沿って動くロックロッド260を図示しているのは、評価されてしかるべきである。ロックロッド260と関連するトルクスクリュー290がボールトラック263に平行な方向に向かうのは完全に可能で、そのため、ロックロッド260は軸Qの方向に動くかわりに、ボールパス263と同一の方向に向かう。
【0040】
ボールトラック263の角度βは軸Qに対して1°から10°の角度を取り得る。この角度は、ロックロッド260のストロークの長さとキャニスター239内部の開口部254aの方向の関数である。キャニスター239の開口部254aが15°の角度αを形成する一例においては、ボールトラック角度βは2°48′となる。この計算は、またロックロッド260の傾斜268が配向面Pとともに形成する角度の関数でもある。
【0041】
挟持機構235は、ツール支持ハウジング237の厚みを貫いて延出する図1に示されているボルト300を用いてマシンツール(図示されず)に取り付けられている。これらのボルトは図示を目的としており、メカニズム235の可動部品を回避するように放射状に調整する必要がある。
【0042】
図2はツールユニット10のアラインメントスロット26と28を図示している。ツールユニット210は、図9aと9bに示されるように、類似したスロットをもつ。そのような、あるスロットは、保持ボルト310によって円筒形ボアに確保されたドライブキー305と係合する。
【0043】
図6で示したように、バンプオフ部品280は、二個のボルト315と320によってツール支持体内部に捕捉される。
【0044】
本発明は好ましい具体例によって描写されてきたが、異なる修正、改訂と追加が可能であることは当業者には明確であろう。これらの修正、改訂と追加は、すべて本発明の範囲を逸脱するものではなく、ここに付属する請求によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術による挟持機構のキャニスター、球状ロッキングエレメント、ロックロッドのカム部品の拡大された側断面図である。
【図2】 挟持機構によって固定されたタイプの従来のツールユニットの斜視図である。
【図3】 図1の線3−3に沿って示された従来のツールユニットの側断面図である。
【図4】 図1と図2のツールユニットをツール支持体に着脱可能に取り付ける従来の挟持機構の側断面図である。
【図5】 開口部壁が傾斜している従来の挟持機構の部分拡大側断面図である。
【図6】 本発明に関連する側面操作性の挟持機構の斜視図である。
【図7】 本発明に関連する側面操作性の挟持機構の上部図である。
【図8】 側面操作性の挟持機構の、図7の線8−8に沿った側断面図である。
【図9a】 ロック位置にある挟持機構の、図7の線9−9に沿った側断面図である。
【図9b】 ロック解除位置にある挟持機構の、図7の線9−9に沿った側断面図である。
【図10】 本発明に関連するロックロッドの側面図である。
【図11】 本発明の部品の関連を説明する透視概略図である。

Claims (12)

  1. ツール支持ハウジングにツールユニットを縦軸(L)に沿って着脱可能に取り付け、該ツールユニットは開口部を有するシャンクと関連する壁を備え、配向面(P)が縦軸に対して垂直である、挟持機構であって、挟持機構は、
    ハウジングと、
    少なくとも一つのロッキングエレメントと、
    ツールユニットに結合可能でロッキングエレメントを受容する開口部を含むハウジング内のキャニスターと、
    縦軸に対して放射状の第一軸に沿ってハウジング内で往復可能であり、ロッキングエレメントをロック解除位置からツールユニットと係合するロック位置にキャニスターの開口部を通って移動させるボールトラックを備えた、挟持機構の側面から操作される側面操作ロックロッドと、
    を含み、
    キャニスターの開口部はツールユニットのシャンクの開口部の壁と対向する壁を有し、キャニスターの壁は、縦軸(L)に対して放射状且つ配向面(P)に対して角度を成す第二軸に沿っており、第二軸(S)が配向面に対して形成する第二軸の角度が、シャンクの開口部の壁を延長した軸と配向面に平行な線の間に形成される角度よりも小さく、ボールトラックが配向面に対して角度を有し、ロッキングエレメントがキャニスターの開口部を通過して移動する際ロッキングエレメントがボールトラックを沿うことができるようになっていることを特徴とする、挟持機構。
  2. キャニスターの壁に沿った第二軸が配向面に対して10°から30°の角度を成すことを特徴とする、請求項1に記載の挟持機構。
  3. キャニスターの壁に沿った第二軸が配向面に対して15°の角度を成すことを特徴とする、請求項2の記載の挟持機構。
  4. ボールトラックが配向面に対して1°から10°の角度を持つことを特徴とする、請求項1に記載の挟持機構。
  5. ボールトラックが配向面に対して2°から3°の角度を持つことを特徴とする、請求項に記載の挟持機構。
  6. ロックロッドがボールトラックに平行な軸に沿って往復することを特徴とする、請求項1に記載の挟持機構。
  7. ロックロッドのボールトラックが、ロック解除位置においてロッキングエレメントを受容するくぼみと、放射状かつ軸方向にロッキングエレメントをロック位置に移動させるためのくぼみに近接した傾斜を備えたカム部とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の挟持機構。
  8. 第一軸と第二軸が、配向面上の縦軸に沿って投射されたとき、相互に垂直であることを特徴とする、請求項1に記載の挟持機構。
  9. ツール支持ハウジング内部に螺合可能に結合され、回転可能に取り付けられたトルクスクリューをさらに含み、トルクスクリューは、その回転がロックロッドを往復運動させるようにロックロッドに装着されることを特徴とする、請求項1に記載の挟持機構。
  10. ロッキングエレメントが球体であることを特徴とする、請求項1に記載の挟持機構。
  11. ボールトラック上のロック位置に位置するロッキングエレメントの位置(284)とロック解除位置に位置するロッキングエレメントの位置(286)とを結ぶ線が第一軸(Q)に対して角度(β)を成すように、ボールトラックが第一軸(Q)に対して角度(β)を有することを特徴とする、請求項 1 に記載の挟持機構。
  12. 第一軸(Q)は配向面(P)に対して平行であることを特徴とする、請求項1又は11に記載の挟持機構。
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