JP4230291B2 - 動力伝動機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パワーウインドウ等のアクチュエータにおいて、駆動側の第一軸と、従動側の第二軸との動力伝動をするための動力伝動機構の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の駆動側の第一軸と、従動側の第二軸とのあいだに動力伝動機構(所謂クラッチ装置)を設け、第一軸と第二軸とのあいだの動力電動が断続切換えされるように構成したものがある。ところで、このような動力伝動機構が設けられるアクチュエータとして、例えばパワーウインドウや医療用ベッドに設けられるものがあり、このようなアクチュエータは、ウインドウの開閉作動、ベッドの一側を上下動するように構成されている。そして、パワーウインドウに用いられる場合では、ウインドウを無理にこじ開けようとするような負荷をあたえたときにウインドウが開いてしまうことを規制する必要がある。また、医療用ベッドに用いられる場合では、例えば一側が上動位置に位置している状態で下方に向けて大きな負荷が作用しても、前記上動位置を維持することが要求される。このため、従来では、アクチュエータに動力伝動機構を設けて、駆動側の第一軸から従動側の第二軸へは正逆何れの回転についても動力伝動するが、従動側の第二軸から駆動側の第一軸へは動力伝動されないようにすることが提案されている。このような動力伝動機構としては、例えば、従動側の第二軸とのあいだにウォームホイールが配されるアクチュエータでは、ウォームが刻設されるモータ軸の軸方向両端部とケーシングとのあいだに、それぞれ樹脂部材からなるブレーキ部材を摺接状に設けるようにすることが提唱されている(例えば、特許文献1参照。)。しかるにこの場合、ウォームと、ウォームホイールとが配設される減速機構を備えたアクチュエータ以外のものには適用することができないうえ、モータ軸両端部とブレーキ部材とは、通常の動力伝動時においても摺接されているため、どうしても動力伝動効率が悪いという問題がある。
そこで、動力伝動効率が低下しないように配慮した構成の動力伝動機構としては、電動モータのモータ軸一端部に設けられたウォーム(駆動側の第一軸に相当)と、ウォームホイールの支軸(従動側の第二軸に相当)とのあいだの動力伝動機構に設けたものや(例えば、特許文献2参照。)、さらには、軸方向に直線状に連動連結される第一軸と第二軸との連結部に設けられたものが提唱されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−291768号公報
【特許文献2】
W000/08349号公報
【特許文献3】
特開2001−74070号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記特許文献2、3のものは、何れのものも第二軸から第一軸への動力伝動については、正逆何れの方向の回転についても動力伝動をしないように構成されており、このため、動力伝動機構を構成する部材構成が複雑になっているという問題がある。一方、特許文献3のものでは、第一軸と第二軸との直線的な連結部に設けられる構成であるので汎用性は向上するものの、第一軸と第二軸とは、第一軸に形成された軸方向に長い凸部の内径側に突設された突起と、第二軸に形成された凹部溝側面とのあいだで動力伝動される構成であるので、動力伝達部が第一軸の突起に集中して局所的なものになるため、第一軸と第二軸とのあいだに径方向に所定の間隔で係合する部位を設ける必要があり、アクチュエータが大型化してしまうという問題があり、これらに本発明が解決しようとする課題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑み、これらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、駆動側の第一軸と従動側の第二軸とを動力伝動機構を介して連動連結し、前記動力伝動機構は、第一軸から第二軸への動力伝動については正逆何れについても許容するが、第二軸から第一軸への動力伝動については正逆何れか一方のみを許容するように構成するにあたり、動力伝動機構を、第一軸と第二軸との連結部外周に回転自在に外嵌するリング状のケース体と、第二軸の軸端部外周に内径側に向けて凹設され、ケース体とのあいだに周回り方向を向く空隙部を形成するための周回り方向に複数の凹部と、第一軸の軸端部に軸方向に突出状に形成され、前記凹部に移動自在に遊嵌する複数の凸部と、前記凹部に凸部とともに遊嵌する転動部材とを備えて構成するとともに、前記凹部の径方向の溝底面に溝浅部を形成し、第二軸の正逆何れか一方の回転では、転動部材を溝浅部とケース体とのあいだに挟み込み、第一軸への動力伝動が規制されるように構成されていることを特徴とする動力伝動機構である。
そして、このようにすることにより、第二軸側に外力に基づく負荷については一方の回転のみ規制するようなアクチュエータとすることができ、構造の簡略化、コスト低下を実現できると共に、動力伝動効率の高いのもにすることができるうえ、構造の簡略化を図ることができる。
請求項2の発明は、凹部と凸部とは、周回り方向少なくとも二箇所に形成されていることを特徴とする請求項1記載の動力伝動機構である。このようにすることにより、部品点数の削減を図ることができる。
請求項3の発明は、凹部の溝浅部は、平面状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の動力伝動機構である。
請求項4の発明は、凹部の溝浅部は、折曲状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の動力伝動機構である。このようにすることにより、転動部材の移動規制(転動規制)をより積極的に行うことができる。
請求項5の発明は、第一軸と第二軸とのあいだには、転動部材を介して動力伝動する部位の内径側に、互いに当接して動力伝動する内径側補助伝動部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1記載の動力伝動機構である。このようにすることにより、動力伝動をより確実、かつ、効率良く行うことができる。
請求項6の発明は、第一軸と第二軸とのあいだには、転動部材を介して動力伝動する部位の軸方向一端部に、互いに当接して動力伝動する軸長側補助伝動部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載の動力伝動機構である。このようにすることにより、動力伝動をより確実、かつ、効率良く行うことができる。
請求項7の発明は、転動部材は、溝浅部とケース体とのあいだの挟み込み側への変位を促進する促進手段を備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1記載の動力伝動機構である。このようにすることにより、クラッチ作動が確実になって信頼性の高い動力伝動機構とすることができる。
請求項8の発明は、促進手段は、転動部材を磁性材で形成する一方、ケース体を磁化し、転動部材をケース体側に磁着させるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の動力伝動機構である。このようにすることにより、大型化することなく、しかも、構成を複雑にすることなく促進手段を設けることができる。
請求項9の発明は、促進手段は、転動部材を磁性材で形成する一方、ケース体の外周に磁石を設けて、転動部材をケース体側に磁着させるように構成したことを特徴とする請求項7記載の動力伝動機構である。
請求項10の発明は、促進手段は、転動部材を磁性材で形成し、凸部の転動部材との当接面に磁石体を設け、転動部材を凸部側に磁着させるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の動力伝動機構である。
請求項11の発明は、第二軸は、少なくとも凹部形成部位が非磁性材で形成されていることを特徴とする請求項8、9または10記載の動力伝動機構である。
請求項12の発明は、促進手段は、凸部の転動部材との当接部に設けられ、転動部材を挟み込み側に付勢する付勢弾機で構成されていることを特徴とする請求項7記載の動力伝動機構である。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第一の実施の形態を図1〜図6の図面に基づいて説明する。
図面において、1は車両側部のウインドウGに設けられる、所謂パワーウインドウを構成するアクチュエータであって、該アクチュエータ1は、所定の回転数で回転駆動するモータ部M、該モータ部Mの回転を減速する減速部D、該減速部Dにより減速された状態で回転するリール部Rを備えて構成されている。そして、アクチュエータ1のリール部Rには車両のウインドウGに配されたウインドウ開閉機構Cに連結されるワイヤWが巻装されており、モータ部Mの正逆何れかの回転駆動に伴い、リール部Rが正逆何れかに回転し、これによって、一方のワイヤWは巻取られ、他方のワイヤWは巻出されることにより、ウインドウ開閉機構Cの作動がなされてウインドウGを開閉するように設定されている。
【0007】
前記アクチュエータ1を構成するモータ部Mは、有底筒状のモータ部ケーシング2を備えて構成されており、モータ部ケーシング2の筒底面にはモータ軸(駆動軸)3の基端部が軸受3aを介して回転自在に軸承されている。前記モータ軸3は、基端部側に複数枚のコア材4aを積層し、外周にコイル4bが巻装された回転子4が一体的に外嵌しており、該回転子4の外周面は、モータ部ケーシング2の内周面に固着された一対の永久磁石2aに近接対向するように設定されている。さらに、モータ軸3の先端部側には、前記コイル4bの端部が電気的に接続されるコンミテータ5が一体的に外嵌されている。そして、前記モータ軸3の先端部には、本発明の第一軸6が回り止め状に連結されており、該第一軸6はコンミテータ5外嵌部位でモータ軸3と連結され、コンミテータ5の先端面から先端側に向けて突出状に配されている。尚、モータ部ケーシング2には、モータ軸3のコンミテータ5外嵌部位よりも基端側部位が内嵌されており、モータ部ケーシング2の筒端部2bは、減速部Dを構成する減速部ケーシング7により覆蓋されるように構成されている。そして、モータ部ケーシング2と減速部ケーシング7との連結部近傍にはブラシステー8が設けられており、該ブラシステー8に支持されるブラシ8aの先端部がコンミテータ5の外周面に弾圧状に摺接するように設定されている。
【0008】
前記減速部ケーシング7には、前記モータ部ケーシング2の先端側方向に伸長される状態で軸内装部7aが形成されており、該軸内装部7aに、第一軸6先端部と、該第一軸6の先端部に、軸長方向に長く連結される第二軸9とが回転自在に内装されるように設定されている。ここで、前記第二軸9は、第一軸6と同様の外径を有したものに形成されるとともに、先端部にはウォーム9aが刻設されており、第二軸9の先端は、軸内装部7aに軸受7bを介して回転自在に軸承されている。そして、第一軸6と第二軸9との連結部に、本発明が実施された動力伝動機構10が設けられ、第一軸6と第二軸9との動力伝動がなされるように構成されるが、動力伝動機構10についての詳細は後述する。
【0009】
前記減速部ケーシング7には、第二軸9の先端部に刻設されたウォーム9aに噛合するウォームホイール11を回転自在に内装するホイール内装部7cが、軸内装部7aの一側部に位置して一体形成されている。さらに、ホイール内装部7cにはリール部Rが一体的に設けられるが、該リール部Rには、ウォームホイール11の支軸11aの回転に基づいて回転する巻取り具(図示せず)が備えられており、該巻取り具の正逆回転に基づいてワイヤWの巻取りおよび巻出しがなされるように構成されている。
【0010】
さて、前記動力伝動機構10は、リング筒状のケース体12を備えて構成されており、該ケース体12は、減速部ケーシング7の軸内装部7aに固定状に支持されている。さらに、ケース体12は、第一軸6と第二軸9との連結部に、これら各軸6、9を回転自在(摺動自在)な状態で外嵌しているが、該ケース体12から軸方向両方向に伸長する第一、第二軸6、9とは、ケース体12に隣接状に配された軸受7d、7eを介して減速部ケーシング軸内装部7aに軸承されており、これによって、動力伝動機構10部位における第一、第二軸6、9同志の芯ズレ防止が効果的になされるように設定されている。
【0011】
前述したように、ケース体12には、第一軸6と第二軸9の連結部、即ち第一軸6の先端部と第二軸9の基端部とが回転自在な状態で内嵌されているが、第二軸9の基端部(本発明の軸端部に相当する)には、外周面から内径側に向けて凹設される凹部9bが周回り方向に二つ設けられており、ケース体12の内周面12aとのあいだに空隙部Pを形成している。一方、第一軸6の先端部(本発明の軸端部に相当する)には、外径部から第二軸9側に突出する凸部6aが周回り方向に二つ形成されており、これら突部6aは、前記凹部9bにより形成された各空隙部Pにそれぞれ移動自在に遊嵌するように設定されている。
さらに、前記各空隙部Pには、各凹部9bの周回り方向一方の溝側面9cと、各凸部6aの周回り方向他方の側面6bとのあいだに位置して、スチール製のボール(球体)で構成された転動部材13が遊嵌されているが、該転動部材13は、ケース体12の内周面12aと凹部9bの後述する径方向溝底面とに対して点接触状に当接する状態が維持されるように設定されている。
ここで、前記動力伝動機構10を構成する凹部9bの周回り方向長さは、凸部6aの周回り方向長さと転動部材13の外径との和よりも大きく設定されていて、凸部6aは、所定の移動ストロークSの範囲で凹部9b内を周方向に相対移動するように設定されている。因みに、移動ストロークSは、転動部材13の外径よりも小さく設定されている。
【0012】
そして、転動部材13が各凹部9bの一方の溝側面9cに当接するときを転動部材13の基準姿勢としたとき、前記基準姿勢の転動部材13が対向する凹部9bの径方向の溝深さは、転動部材13がケース体内周面12aと凹部9b溝底面とのあいだに転動可能な状態で摺接する状態となるように設定されている。つまり、転動部材13の基準姿勢において、転動部材13と溝底面との当接部位における径線を基準線Mとしたとき、該基準線M部位におけるケース体内周面12aと溝底面とのあいだの対向間隔は、転動部材13の外径と等しくなるように設定されている。さらに、本実施の形態では、基準姿勢の転動部材13が対向する溝底面部位うち、転動部材13との当接点よりもよりも凹部中央側部位は、転動部材13が当接する当接点における接線方向と同方向を向く平面部9dに形成されている。これによって、平面部9dの基準線Mよりも他側の部位における平面部9dとケース体内周面12aとのあいだの対向間隔は、転動部材13の外径よりも小さくなるように設定されており、このようにして、本発明の溝浅部9eが形成されている。
【0013】
さらに、凹部9bの径方向の溝底面の、溝浅部9eよりも周回り方向他側部位において、前記溝浅部9e他側縁部に続く状態で周面状の周面部9fに形成されており、該周面部9fの溝深さは、突部6aの径方向長さ(厚さ)よりも長くなるように寸法設定されている。
一方、前記凹部9bの軸方向の溝底面9gは平面状に形成されており、該部位の軸方向溝深さは、突部6aの軸方向突出長さと略同寸法であるが、転動部材13の外径よりも小さく設定されている。
これによって、凹部9bに突部6aと転動部材13とを組み込んで第一軸6と第二軸9とを連結した状態において、第一軸6と第二軸9とは、軸方向および径方向に対向する端面同志のあいだに所定間隙AS、RSが存しており、互いの相対回動を円滑にするように設定されている(図4(A)、(B)参照)。
尚、14は第一軸6と第二軸9との連結部における対向端面同志のあいだに配されたスチールボールであって、該スチールボール14は、互いの相対回動をさらに円滑に行うべく、一対の転動部材13の配設箇所のあいだに位置して設けられている。
【0014】
このように構成された動力伝動機構10において、図4、5、6を用いて第一軸6と第二軸9との動力伝動状態について説明する。因みに、アクチュエータ1は、第一、第二軸6、9が反時計回り方向に回転することに基づいてウインドウGを開放作動し、時計回り方向へ回転することに基づいてウインドウGを閉鎖作動するように連動連結されている。
まず、モータ部Mが駆動して第一軸凸部6aが反時計回り方向に回転した場合、凸部6aは一方の側面6bが転動部材13に当接して、転動部材13を凹部9bの一方の溝側面9c側、即ち、前記基準姿勢側に位置させ、転動部材13がそれぞれ一方の溝側面9cと側面6bとに対して点接触状態となる(図4(A)参照)。この状態となると、凸部6aは、転動部材13を介して第二軸凹部9bの一方の溝側面9cを押しやる状態となって、転動部材13とともに第二軸9を反時計回り方向に回転させるように設定され、これによって、ウインドウGが開放作動するようになっている。
【0015】
前記状態から、モータ部Mの駆動に基づいて第一軸6を時計回り方向に回転した場合では、凸部6aは、前記図4(A)に示す状態から時計回り方向に回転し、凸部6aの他方の側面6cが凹部9bの他方の溝側面9hに当接し(図5(A)参照)、この状態となると、凸部6aは第二軸凹部9bの他方の溝側面9hを押しやる状態となり、この状態では、転動部材13は第二軸の溝側面9cにより押されて基準姿勢を維持して転動可能となった状態のままになっており、第二軸9が時計回り方向に回転するように設定され、これによって、ウインドウGが閉鎖作動するようになっている。
このように、動力伝動機構10は、第一軸6の回転(駆動力)については、正逆何れの回転方向についても第二軸9に動力伝動するように設定されている。
【0016】
これに対し、外部からの力によりウインドウGを押し上げようとしたり、押し下げようとするしたりする負荷が作用した場合について説明する。
まず、外部からの力によりウインドウGを押し上げようとする負荷が作用した場合、第二軸9は、図4(A)に示す第二軸9側に記された矢印のように、時計回り方向に回転しようとするが、この場合、凹部9bの一方の溝側面9cが転動部材13を凸部6aの一方の側面6bとのあいだに挟み込んだ状態、即ち、転動部材13が前記基準姿勢を維持した状態のままとなるので、該転動する転動部材13を介して第一軸6が時計回り方向に強制的に回転し、ウインドウG側に閉鎖方向の外力が作用した場合では、ウインドウGの押し上げが許容されるように設定されている。
【0017】
一方、外部からの力によりウインドウGを押し下げるような外力がウインドウGに作用した場合では、図5(B)に示すように、第二軸9が反時計回り方向に回転しようとして、凹部9bの他方の溝側面9hが凸部6aの他方の側面6cを押しやる状態となる。このように、凹部9bが反時計回り方向に回転すると、転動部材13は、凹部9bの転動範囲において基準姿勢から周回り方向他側に転動するが、このとき、前述したように、凹部9bの溝底面は基準姿勢の転動部材13の対向部位については平面部9dに形成されていて、かつ、平面部9dの基準線Mを越える他方側部位の溝浅部9eにおいては、ケース体内周面12aとの対向間隔が転動部材13の外径よりも小さくなっている。このため、第二軸9の凹部9bが反時計回り方向に回転して転動部材13が溝浅部9e側に位置ズレすることにより、転動部材13は溝浅部9eとケース体内周面12aとのあいだに挟み込まれ(くさび効果)、摺動が規制されるようになり、これによって、第二軸9がそれ以上反時計回り方向に回転するのが規制されてロック状態(動力断状態)となるように設定されており、このようにして、ウインドウGを無理矢理開放させることができないようにしている。
このとき、第二軸9は、転動部材13が溝浅部9eとケース体内周面12aとのあいだに挟み込まれるまでのあいだは回転することになるが、該回転量は僅か(転動部材13の径の略半分)であり、ウインドウGの開放量として問題になることはない。
【0018】
叙述の如く構成された本発明の実施の形態において、動力伝動機構10は、モータ部M(駆動)側の第一軸6と、ウォーム9aが刻設される従動側の第二軸9との連結部に設けられ、第一軸6と第二軸9とのあいだの動力伝動を行うことになるが、このものでは、前述したように、モータ部M側の第一軸6からの回転については、正逆何れの回転についても第二軸9への動力伝動を行う(動力続状態)が、従動側の第二軸9からの回転については、一方の回転(本実施の形態では時計回り方向の回転)については第二軸9に動力伝動する(動力続状態)が、他方の回転(本実施の形態では反時計回り方向の回転)については、第一軸6への動力伝動が規制されて(動力断状態)、該第一軸6とともに第二軸9についても回転規制を受ける。
このように、本発明が実施された動力伝動機構10は、第二軸9からの動力伝動については、正逆一方の回転のみを規制するように構成されているため、その構成を簡略化することができて、コスト低下を期待できる。
因みに、車両に配されるパワーウインドウのアクチュエータとしてこのようなアクチュエータ1を用いたときに、モータ部Mの時計回り方向の回転に基づく作動をウインドウGの閉鎖作動とし、反時計回り方向の作動をウインドウGの開放作動としてそれぞれ連動連結することにより、ウインドウGを抉じ開けられるような心配のない、防犯性の高いアクチュエータ1とすることができる。また、医療用のベッドのアクチュエータとして前記アクチュエータ1を用いる場合では、モータ部Mの時計回り方向の回転に基づく作動をベッド一側部の上動作動とし、反時計回り方向の作動をベッド一側部の下動作動として連動連結することにより、一側を上動させたベッドが不用意に下りてしまうような不具合のない、信頼性の高いアクチュエータ1とすることができる。
このように、前記何れの作動機構に設けた場合でも、規制が必要な方向の回転についてのみの回転規制を行うことができるので、このような作動機構のアクチュエータとして、従来の従動側からの動力伝動は両方向の回転ともに規制するような動力伝動機構を備えたアクチュエータを設けることは過剰装備であり、本発明が実施されたアクチュエータ1を用いることにより、機能性において何ら劣るところなく、コスト低下を図ることができる。
【0019】
さらに、本発明が実施された形態では、動力伝動機構10は、直線状に連結された第一軸6と第二軸9とのあいだに設ける構成であるため、従来のモータ軸の軸方向両端部とケーシングとのあいだにブレーキ部材を摺接させたもののように、動力伝動効率を低下させてしまうような不具合がない。
そのうえ、このように、動力伝動機構10は第一、第二軸6、9とを直線状に連結する構成であるが故に、ウォームホイールが配設されないアクチュエータに対しても設けることが可能となり、汎用性の高い動力伝動機構10とすることができる。
【0020】
しかも、このものでは、第一軸6の凸部6aと、第二軸9の凹部9bと、転動部材13とが、同一径上において当接して動力伝動する構成であるので、トルク損失が少なく効率が良く、しかも、従来のもののように第一軸と第二軸との連結部材が径方向に位置ズレして配設されるもののように大型化してしまうことがない。
【0021】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないことは勿論であって、図7に示す第二の実施の形態のように構成することもできる。
前記第二の実施の形態の動力伝動機構15は、第一軸16の凸部16aと、第二軸17の凹部17aとがそれぞれ周回り方向に三箇所形成され、これら各箇所に三個の転動部材13が配設されていること以外は、前記第一の実施の形態と同様の構成となっている。そして、このものでは、転動部材13が周回り方向三箇所に配される構成であるが故に、転動部材13と第一軸16との点接触部分が三箇所となることで均等の取れた支持ができ、これによって、両軸16、17の端面同志の相対移動を円滑化するためのスチールボールを不要にできるという利点がある。
【0022】
つぎに、図8に第三の実施の形態を示すが、このものは、転動部材として軸方向に長い円柱状のピン軸18が用いられている。このため、第一軸19に形成される凸部19aと、第二軸20に形成される凹部20aとがそれぞれ軸方向に長く形成されており、その分、第一、第二軸19、20の連結部外周に外嵌するケース体12cも軸方向に長いものに形成されている。そして、このものでは、動力伝動するために当接する凸部19a、凹部20a、転動部材18とが互いに軸方向に長く線接触する状態となるため、動力伝動(トルク伝達)が確実となるうえ、両軸19、20間の芯ズレも小さくでき、連結部両端部における軸受を不要にできるという利点がある。
【0023】
さらに、図9に第四の実施の形態を示す。このものは、第一軸21の凸部21aの径方向長さ(厚さ)を大きく設定する一方、第二軸22の外周面に、基準姿勢となっている球体状の転動部材13が内嵌する第一凹部22aに隣接して、該第一凹部22aよりも内径方向に溝深で、前記凸部21aの一方側の側面21bの内径側部位に直接当接する第二凹部22bが形成されている。そして、このものでは、動力伝動時に、第二凹部22bを構成する一方側面22cと、凸部21aの一方側の側面21b内径部位とが直接当接して動力伝動するように設定されており、このように、前記内径側において直接当接する部位が本発明の内径側補助伝動部として、転動部材13を介した動力伝動を補助する状態で動力伝動することにより、第一、第二軸21、22同志間の動力伝動をさらに確実、かつ、効率の良いものにできる。
【0024】
また、図10に第五の実施の形態を示すが、このものは、第一軸23の凸部23aを軸方向に長く突出形成する一方、第二軸24の凹部24aを軸方向に深いものに形成し、これに伴い、長筒状のケース体を備えて構成されている。そして、転動部材13は、凸部23aの周回り方向一方側の軸方向先端部あるいは基端部に形成した軸方向に段差状の段差部23bに嵌合するように構成されている。尚、図10中、図10(A)、(B)、(C)は段差部23bが凸部23aの基端部に形成された場合、図10(D)は段差部23bが凸部23aの先端部に形成された場合をそれぞれ示している。このものにおいて、転動部材13を凹部24aの一方の側面24bに当接させた基準姿勢とするとともに、該基準姿勢の転動部材13に、段差部23bを構成する周回り方向一方の側面23cを当接せしめたとき、段差部23bのウォーム刻設側の一方の側面23dが凹部24aの一方の溝側面24bに当接するように構成されている。このため、前記凸部23aと凹部24aとは、転動部材13を介した動力伝動の他に、転動部材13の軸方向一方側または他方側、即ち、第二軸24のウォーム刻設側(先端側であって、図10(A)、(B)、(C)に対応)または第一軸23側(基端側であって、図10(D)に対応)の何れか一方の部位において動力伝動する部位が形成されることになり、該部位が、本発明の軸長側補助伝動部に設定されて、動力伝動を補助するように設定されており、このようにすることにより、第一、第二軸23、24を大径化することなく動力伝動をさらに確実、かつ、効率の良いものにできる。
尚、動力伝達機構には、第一軸と第二軸とのあいだに内径側補助伝動部と、軸長側補助伝動部との両者を設けることも、勿論可能である。
【0025】
さらに、図11(A)、(B)に、第六、七の実施の形態として、第二軸27、28の凹部27a、28aに形成される溝浅部27b、28bの形状を示す。これらの溝浅部27b、28bとしては、前記実施の形態のように、凹部平面部に続いた平面に形成されることはなく、図11(A)のように平面部27cから外径側に向けて湾曲状に折曲した溝浅部27b、図11(B)のように平面部28cから外径側に向けて所定角度を存して折曲した溝浅部28bに形成することも可能である。これによって、溝浅部27b、28bによる転動部材13の挟み込みをより積極的にできるようになる。
【0026】
また、図12に示す第八の実施の形態のように構成することも可能である。このものは、第一軸29の凸部29aが軸方向に長く突出形成される一方、第二軸30の凹部30aが軸方向に深いものに形成され、それに伴い、前記第五の実施の形態と同様に長筒状のケース体を用いるように構成されている。さらに、第二軸30の各凹部30cの周回り方向一側面部30bには、軸方向中間部に位置して転動部材13を嵌合するための溝部30cがそれぞれ形成されており、これら各溝部30cを構成する内径側面が溝浅部30dに形成されている。このように構成されたこれら溝浅部30dに転動部材13を配設することにより、第二軸30から第一軸29への動力伝動では、転動部材13がケース体内周面とのあいだに挟み込まれて動力伝動状態が変更されることは、前記実施の形態と同様に構成されている。そして、このものでは、溝部30cに基準姿勢の転動部材13を嵌合する状態で動力伝動する場合に、第一軸凸部29aは、第二軸溝部30cの先端側と基端側との両部位に直接当接し、該部位が動力伝動部に形成されている。これによって、前記凸部29aと凹部30aとは、転動部材13を介した動力伝動の他に、第一軸凸部29aの基端側と先端側部位とに動力伝動部が形成されることになり、該部位が、本発明の軸長側補助伝動部に相当し、第一、第二軸29、30間の動力伝動を補助するように設定されており、この場合についても、第一、第二軸29、30を大径化することなく、動力伝動をさらに確実、かつ、効率の良いものにできる。
【0027】
ところで、このように構成される動力伝動機構において、クラッチ作動(動力断状態と動力続状態との切換え作動)を確実にするためには、転動部材が収容される凹部とケース体とのあいだの空隙部の寸法を、精度よく形成する必要がある。つまり、空隙部が大きすぎた場合では、転動部材が凹部に連れ回りされる状態となって動力断状態とならなくなってしまう惧れがあり、これとは逆に空隙部が小さすぎた場合では、転動部材の摩擦抵抗が大きくなって耐久性に劣るという問題が生じるからである。
そこで、本発明の動力伝動機構は、空隙部の寸法精度を高めることなく転動部材が凹部とケース体内周面とのあいだに挟み込まれ、確実なクラッチ作動を行うため、転動部材の挟み込み側への変位を促進する促進手段を設けられるようになっている。
【0028】
つぎに、前記促進手段を第一の実施の形態の動力伝動機構10に設けた場合について説明する。
第九の実施の形態の動力伝動機構10に設けられる促進手段は、転動部材13を磁性材で形成する一方、ケース体12を着磁(磁化)することで構成されている。そして、第一、第二軸6、9間の動力伝動が実施−非実施に拘わらず、転動部材13はケース体内周面12aに磁着(吸引)され、溝浅部9eとケーシング内周面12aとのあいだに挟み込まれる位置側に変位している。これによって、第二軸9が反時計回りに相対回転した場合に、転動部材13が凹部9bに連れ回りされることなくケース体内周面12a側に保持され、この状態で溝浅部9eとのあいだに挟み込まれ、もって、動力断状態(クラッチ作動)となる作動を確実に行うことができるように構成されている。このように、転動部材13をケース体内周面12a側であり、転動部材13の挟み込み側に変位させることを促進(強制)する構成とすることで、平面部9dとケース体内周面12aとのあいだの間隙寸法の精度を必要以上に高めることなく、クラッチ作動ができなくなったり、これとは逆に、転動部材13の摩擦抵抗が大きくなってしまうようなことがなく、機能性および耐久性の向上を図ることができる。しかも、このように構成した場合、図4(A)の構成をそのまま採用し、基本的な構成を何ら変えることなく促進手段を構成することができるので、動力伝動機構が大型化してしまうことがないうえ、構造が複雑化することがなく、さらには、コストアップすることもないようにできる。
【0029】
また、促進手段としては、図13(A)に示す第十の実施の形態のように構成することもできる。
このものにおける促進手段は、転動部材13を磁性材で形成する一方、ケース体12の外周に複数の磁石片31を所定間隙を存して配設することにより構成されており、これによって、転動部材13は磁石片31側に吸引されることによりケース体内周面12a側に強制的に変位するように構成されている。この場合も、前記第九の実施の形態と同様に、平面部9dとケース体内周面12aとのあいだの間隙寸法の精度を高めることなく、転動部材13の挟み込み作動を確実に行うことができる。
【0030】
つぎに、図13(B)に示す第十一の実施の形態について説明するが、このものの促進手段は、転動部材13を磁性材で形成する一方、各第一軸凸部6aの転動部材13との対向面である一方の側面6bに磁石32をそれぞれ一体的に設けることで構成されており、転動部材13を凸部6a側に磁着(吸引)することにより、第二軸9が反時計回り方向に相対回転したとしたときに、転動部材13が凸部6aに磁着されて該側に変位した状態を保持することができて凹部9bとともに連れ回りされることなく、もって、転動部材13の挟み込み側への変位が促進されてクラッチ作動を確実なものにすることができる。
尚、第九、第十、第十一の実施の形態において、少なくとも第二軸9の凹部9b形成部位であって、凹部9b同志のあいだに形成される部位を非磁性材により形成することにより、凹部9bが磁化されることを回避してクラッチ作動の確実性をさらに高めることができる。
【0031】
さらに、促進手段は、図14(A)に示す第十二の実施の形態のように構成することも可能である。
このものは、凹部9bの転動部材13と対向する側である一方の側面9cに弾機溝9iが形成され、該弾機溝9iに、転動部材13を他側(凸部6a側)に向けて付勢するコイル弾機33が内装されている。これによって、第二軸9が反時計回り方向に相対回転したとしたときに、転動部材13がコイル弾機33により押圧されて凸部6a側に強制的に変位して、凹部9bとともに連れ回りすることがなく、挟み込み側への変位が促進されるようになっており、もって、クラッチ作動が確実になるようにしている。
【0032】
また、図14(B)に示す第十三の実施の形態の促進手段のように構成することもできる。
このものは、凹部9bの転動部材13と対向する側である一方の側面9cに板バネ34が設けられ、転動部材13を突部6a側に向けて押圧するように構成されている。これによって、第二軸9が反時計回り方向に相対回転したとしたときに、転動部材13が板バネ34により押圧されて凸部6a側に強制的に変位して、凹部9bとともに連れ回りされることなく挟み込み側への変位が促進されるようになっており、もって、クラッチ作動が確実になるようにしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】パワーウインドウの構成の概略を説明する側面図である。
【図2】アクチュエータの一部断面側面図である。
【図3】アクチュエータの要部を示す側面図である。
【図4】図4(A)、(B)はそれぞれ動力伝動機構の正面図、図4(A)のX−X断面図である。
【図5】図5(A)、(B)はそれぞれ動力伝動機構の動きを説明する正面図、正面図である。
【図6】動力伝動機構の作動について説明するパターン側面図である。
【図7】図7(A)、(B)はそれぞれ第二の実施の形態における動力伝動機構の正面図、図7(A)のX−X断面図である。
【図8】第三の実施の形態におけるアクチュエータの要部を示す側面図である。
【図9】第四の実施の形態における動力伝動機構の正面図である。
【図10】図10(A)、(B)、(C)、(D)はそれぞれ第五の実施の形態における動力伝動機構の正面図、一部拡大正面図、図10(A)のX−X断面図、展開図である。
【図11】図11(A)、(B)はそれぞれ第六、七の実施の形態における溝浅部の形状を説明するパターン図である。
【図12】図12(A)、(B)、(C)はそれぞれ第八の実施の形態における動力伝動機構の正面図、一部側面断面図、展開図である。
【図13】図13(A)、(B)はそれぞれ第十の実施の形態における動力伝動機構の正面図、第十一の実施の形態における動力伝動機構の正面図である。
【図14】図14(A)、(B)はそれぞれ第十二の実施の形態における動力伝動機構の正面図、第十三の実施の形態における動力伝動機構の正面図である。
【符号の説明】
1 アクチュエータ
2 モータ部ケーシング
3 モータ軸
6 第一軸
6a 突部
7 減速部ケーシング
9 第二軸
9a ウォーム
9b 凹部
9d 平面部
9e 溝浅部
12 ケース体
12a 内周面
13 転動部材
M モータ部
D 減速部
Claims (12)
- 駆動側の第一軸と従動側の第二軸とを動力伝動機構を介して連動連結し、前記動力伝動機構は、第一軸から第二軸への動力伝動については正逆何れについても許容するが、第二軸から第一軸への動力伝動については正逆何れか一方のみを許容するように構成するにあたり、動力伝動機構を、第一軸と第二軸との連結部外周に回転自在に外嵌するリング状のケース体と、第二軸の軸端部外周に内径側に向けて凹設され、ケース体とのあいだに周回り方向を向く空隙部を形成するための周回り方向に複数の凹部と、第一軸の軸端部に軸方向に突出状に形成され、前記凹部に移動自在に遊嵌する複数の凸部と、前記凹部に凸部とともに遊嵌する転動部材とを備えて構成するとともに、前記凹部の径方向の溝底面に溝浅部を形成し、第二軸の正逆何れか一方の回転では、転動部材を溝浅部とケース体とのあいだに挟み込み、第一軸への動力伝動が規制されるように構成されていることを特徴とする動力伝動機構。
- 凹部と凸部とは、周回り方向少なくとも二箇所に形成されていることを特徴とする請求項1記載の動力伝動機構。
- 凹部の溝浅部は、平面状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の動力伝動機構。
- 凹部の溝浅部は、折曲状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の動力伝動機構。
- 第一軸と第二軸とのあいだには、転動部材を介して動力伝動する部位の内径側に、互いに当接して動力伝動する内径側補助伝動部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1記載の動力伝動機構。
- 第一軸と第二軸とのあいだには、転動部材を介して動力伝動する部位の軸方向一端部に、互いに当接して動力伝動する軸長側補助伝動部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1記載の動力伝動機構。
- 転動部材は、溝浅部とケース体とのあいだの挟み込み側への変位を促進する促進手段を備えて構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1記載の動力伝動機構。
- 促進手段は、転動部材を磁性材で形成する一方、ケース体を磁化し、転動部材をケース体側に磁着させるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の動力伝動機構。
- 促進手段は、転動部材を磁性材で形成する一方、ケース体の外周に磁石を設けて、転動部材をケース体側に磁着させるように構成したことを特徴とする請求項7記載の動力伝動機構。
- 促進手段は、転動部材を磁性材で形成し、凸部の転動部材との当接面に磁石体を設け、転動部材を凸部側に磁着させるように構成されていることを特徴とする請求項7記載の動力伝動機構。
- 第二軸は、少なくとも凹部形成部位が非磁性材で形成されていることを特徴とする請求項8、9または10記載の動力伝動機構。
- 促進手段は、凸部の転動部材との当接部に設けられ、転動部材を挟み込み側に付勢する付勢弾機で構成されていることを特徴とする請求項7記載の動力伝動機構。
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