JP4229610B2 - Charged particle beam apparatus and control method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子顕微鏡等の荷電粒子ビーム装置、及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
走査電子顕微鏡の機能を備えた透過型電子顕微鏡や、電子プローブマイクロアナライザ、あるいは走査電子顕微鏡等の荷電粒子ビーム装置では、荷電粒子ビーム源からの荷電粒子ビーム(以下、単にビームという)を加速し、コンデンサレンズや対物レンズで試料上にそのビームを細く集束している。そして、試料へのビームの照射によって発生した透過ビームや、X線、あるいは2次粒子を検出している。
【0003】
この種の荷電粒子ビーム装置では、試料に照射されるビームの電流を安定化することが行われており、そのために用いられるのがビームスタビライザシステムである。
【0004】
このようなビームスタビライザシステムは、ビーム電流を安定化させるためのコイルと、そのコイルの下流側に配置されたビーム電流検出手段と、ビーム電流検出手段で検出されたビーム電流に基づいてコイルに供給する電流を負帰還制御する負帰還回路とを備えている(例えば、特開平1−183044号公報、特開2001−250499号公報参照)。ここで、上記のビーム電流を安定化させるためのコイルとしては、軸合わせを行うためのアラインメントコイルや、ビーム電流を調整するための集束レンズコイルが用いられ、上記ビーム電流検出手段としては、ビームの周辺部のビームを検出する検出スリットや対物絞りが用いられる。
【0005】
図4は、特開平1−183044号公報に開示されているシステムの一部を示す図であり、図4を参照して、アラインメントコイルに供給する電流を負帰還制御してビーム安定化を行うビームスタビライザシステムの概略について説明する。なお、以下においては光軸をZ軸とし、Z軸に直交する面内にX軸、Y軸の直交する2軸をとるものとする。
【0006】
図4において、3は制御部、6はビーム、8はビームの軸合わせを行うためのアラインメントコイル(以下、ALCという)、9はビーム電流検出スリット(以下、単に検出スリットという)、17は軸合わせ用電源、18は負帰還回路、20は演算増幅器、23は減算器、24は増幅器、25はスイッチ、28は可変電圧電源を示す。
【0007】
図4に示す構成では、ビーム電流を安定化させるためのコイルとしてALC8を用い、ビーム電流検出手段としては検出スリット9を用いている。検出スリット9は、図5に示すように、光軸Zの周りに、X軸方向のビーム電流を検出するための一対の電極X1 、X2 、及びY軸方向のビーム電流を検出するための一対の電極Y1 、Y2 が軸対称に配置されたものである。
【0008】
図4に示す構成において、ビームの軸合わせを行う場合には、オペレータは、図示しない操作部を操作して、軸合わせ用の制御信号を調整する。このビームの軸合わせに際しては、例えば、ALC8の下流の適宜な位置にビーム電流検出器(図4には図示せず)を光軸Z上に挿入して、軸合わせ用制御信号を変化させながら、ビーム電流検出器で検出されるビーム電流が最大になるように調整すればよい。
【0009】
この操作部からの制御信号は制御部3に通知され、制御部3は、この制御信号に対応した軸合わせ用制御電圧TX を軸合わせ用電源17に出力する。これによって、ALC8には、軸合わせ用電源17から軸合わせ用制御電圧TX に対応した電流が供給され、ビームは最適な位置に位置される。
【0010】
スイッチ25は手動のスイッチであり、この軸合わせを行う場合には、スイッチ25は図の破線で示すように接地側になされる。なお、スイッチ25が接地側にあるときをオフ状態といい、図の実線で示すように増幅器24側にあるときをオン状態ということにする。後述するその他のスイッチについても同様である。
【0011】
さて、いま、X軸方向のビーム電流を検出するための一対の電極X1 、X2 により検出されたビーム電流を、それぞれIX1 、IX2とすると、これらの検出ビーム電流IX1 、IX2は演算増幅器20に入力される。
【0012】
演算増幅器20は、これらの入力された検出ビーム電流IX1 、IX2を、それぞれ、電圧VX1 、VX2に変換して、
VX =c・(VX1−VX2)/(VX1+VX2) …(1)
を出力する。ここで、cは定数である。
【0013】
演算増幅器20の出力VX は減算器23の一方の入力端子に入力され、減算器23の他方の入力端子には可変電圧電源28からの出力電圧VXSが入力される。そして、減算器23は、演算増幅器20の出力VX から可変電圧電源28の出力電圧VXSを減算した誤差電圧を出力する。従って、減算器23の誤差電圧出力を△VX とすると、
△VX =VX −VXS …(2)
である。
【0014】
減算器23の出力△VX は増幅器24で増幅される。この増幅器24は十分大きな増幅度Aを持つ。従って、増幅器24の出力△TX は、
△TX =A・△VX …(3)
である。これが負帰還回路18の出力であり、ALC8に供給する電流を負帰還制御するための信号(これを負帰還制御信号という)である。
【0015】
さて、オペレータは上記の軸合わせが完了すると、オフ状態にあるスイッチ25をオン状態とするが、このときには、通常、可変電圧電源28の出力VXSを、VXS=VX に設定する。このように、可変電圧電源28の出力をVXS=VX に設定すれば、減算器23の出力△VX =0、そして増幅器24の出力△TX =0となるので、スイッチ25をオン状態としてALC8の電流に対する負帰還を開始したとき、良好に負帰還が掛かることになる。
【0016】
ところで、検出スリット8はビーム電流が最大のときIX1 ≒IX2 となるように配置されるのが通常であるため、上記の軸合わせを完了した時点ではVX ≒0であり、従って、実際には可変電圧電源28の出力はVXS≒0に調整すればよい。従って、通常、減算器23の出力は、△VX ≒0になっている。
【0017】
このようにしてスイッチ25がオン状態となされるとフィードバック系が確立され、増幅器24の出力△TX はスイッチ25を介して軸合わせ用電源17に入力され、これによって、ALC8には、軸合わせ用電源17から、軸合わせ用制御電圧TX に対応した電流と、増幅器24の出力△TX に対応した電流が加算された電流が供給されて、ALC8に供給される電流が負帰還制御される。そして、この負帰還制御によって、ビーム電流はVX が一定になるように制御される。
【0018】
以上、ALC8によるビーム電流のX方向のビームの安定化の構成及び動作について説明したが、Y方向のビームの安定化のための構成及び動作についても同様である。
【0019】
次に、図6を参照して、集束レンズコイルに供給する電流を負帰還制御を行ってビームを安定化させるビームスタビライザシステムの構成例について説明する。図6において、10は集束レンズコイル(以下、CLCという)、11は対物絞り、19は集束レンズ電源、26は集束レンズを出射したビームを制限する前置絞り、27は負帰還回路、30は電流電圧変換器、31は可変電圧電源、32は減算器、33は増幅器、34はスイッチを示す。なお、図6において、図4に示すものと同じものについては同一の符号を付して重複する説明を最小限に留めるものとする。
【0020】
CLC10の下流側には対物絞り11が配置されている。この対物絞り11はビーム電流を検出する電極としての機能も有している。そして、対物絞り11は、上述した検出スリット9のように分割されてはおらず、従って、検出出力は一つである。
【0021】
図6に示すシステムの動作原理は、上述した図4に示すシステムと同様であるが、以下、概略説明する。
図6に示す構成において、集束レンズの焦点距離を変更することによってビーム電流の調整を行う場合には、オペレータは、図示しない操作部を操作して、ビーム電流調整用の制御信号を調整する。所望のビーム電流に調整するに際しては、例えば、CLC10の下流の適宜な位置にビーム電流検出器(図6には図示せず)を光軸Z上に挿入して、ビーム電流調整用制御信号を変化させながら、ビーム電流検出器で検出されるビーム電流が所望の値になるように調整すればよい。
【0022】
この操作部からのビーム電流調整用制御信号は制御部3に通知され、制御部3は、この制御信号に対応したビーム電流制御電圧TD を集束レンズ電源19に出力する。これによって、CLC10には、集束レンズ電源19からビーム電流制御電圧TD に対応した電流が供給され、ビーム電流は所望の値になされる。
【0023】
スイッチ34は手動のスイッチであり、このビーム電流の調整を行う場合には、スイッチ34は図の破線で示すようにオフ状態となされる。
【0024】
さて、いま、対物絞り11により検出されたビーム電流をID とすると、この検出ビーム電流ID は電流電圧変換器30によって電圧VD に変換され、減算器32の一方の入力端子に入力される。減算器32の他方の入力端子には、可変電圧電源31からの出力電圧VDSが入力される。そして、減算器32は、電流電圧変換器30の出力電圧VD から可変電圧電源31の出力電圧VDSを減算して誤差電圧を出力する。従って、減算器32の出力を△VD とすると、
△VD =VD −VDS …(4)
である。
【0025】
減算器32の出力△VD は増幅器33で増幅される。この増幅器33は十分大きな増幅度A′を持つ。従って、増幅器33の出力△TD は、
△TD =A′・△VD …(5)
である。これが負帰還回路27の出力であり、CLC10に供給する電流を負帰還制御するための負帰還制御信号である。
【0026】
さて、オペレータは上記のビーム電流調整が完了すると、オフ状態にあるスイッチ34をオン状態とするが、このときには、可変電圧電源31を、VDS=VD に設定する。このように、可変電圧電源31の出力をVDS=VD に設定すれば、減算器32の出力△VD =0、そして増幅器33の出力△TD =0となるので、スイッチ34をオン状態としてCLC10の電流に対する負帰還を開始したとき、良好に負帰還が掛かることになる。
【0027】
可変電圧電源31の出力は、原理的には、VDS=VD に設定するのであるが、実際的には、VDS≒VD に設定すればよい。従って、通常、減算器32の出力は、△VD ≒0になっている。
【0028】
このようにしてスイッチ34がオン状態となされるとフィードバック系が確立され、増幅器33の出力△TD はスイッチ34を介して集束レンズ電源19に入力され、これによって、CLC10には、集束レンズ電源19から、ビーム電流制御電圧TD に対応した電流と、増幅器33の出力である負帰還制御信号△TD に対応した電流が加算された電流が供給されて、CLC10に供給される電流が負帰還制御される。そして、この負帰還制御によって、ビーム電流はVD が一定になるように制御される。
【0029】
以上、ALC8に供給する電流を負帰還制御してビームを安定化させるシステムと、CLC10に供給する電流を負帰還制御を行ってビームを安定化させるシステムの2つのビームスタビライザシステムについて説明したが、何れか一方のシステムだけが設けられることもあり、両方のシステムが設けられることもある。また、両方のシステムが設けられている装置の場合に、何れか一方のシステムだけが利用されることもあり、両方のシステムが利用されることもある。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
上述した2つのビームスタビライザシステムでは、ビーム電流の安定化という点では効果があるが、しかしながら、上述した2つのビームスタビライザシステムにおいては、何れのシステムでも、次に述べるような問題があった。以下においては、主として図4に示すALC8に供給する電流を負帰還制御してビームを安定化させるシステムについて問題点を説明するが、これらの問題点はCLC10に供給する電流を負帰還制御を行ってビームを安定化させるシステムにおいても同様に生じるものである。
【0031】
まず、ALC8に供給する電流に対して負帰還制御を行うか、行わないかはスイッチ25のオン/オフで行うのであるが、このスイッチ25はオペレータが手動で行う必要があるので、煩わしく、場合によってはスイッチ25をオン状態からオフ状態にしなければならないにも拘わらず、オフ状態にするのを忘れてしまうという事態も生じる可能性があった。
【0032】
即ち、上記の説明ではビームの軸合わせを行う場合にはスイッチ25をオフ状態にして行うと述べたが、スイッチ25をオフ状態とする場合は軸合わせの場合に限らず、軸合わせの操作を含めて、ALC8の上流側において、ALC8の位置においてビーム電流が変化する操作を行う場合にはいつもスイッチ25をオフ状態とする必要がある。
【0033】
このような操作としては、軸合わせの調整の操作、ALC8によりビームを大きく偏向させることによって行うビームブランキングの操作、加速電圧を変更する操作、加速電圧を印加停止する操作、熱電子放出型の電子銃を用いたものにおいては陰極温度を変更する操作、抑制電圧を変更する操作、及び陰極を加熱を停止する操作、電界放出型の電子銃を用いたものにおいてはエミッション電流を変更する操作、バイアス電圧を変更する操作、自己バイアス抵抗を変更する操作、及び引出電圧を変更する操作等がある。
【0034】
これらの何れの操作も、オペレータが意図的にビーム電流の電流値及び/またはビームの傾きを変更しようとする操作であり、しかもALC8を含めてそれより上流側で行われるので、従って、ALC8の位置でのビーム電流の電流値及び/またはビームの傾きは変化することになる。以下、このように、ALC8を含めてそれより上流側においてビーム電流の値及び/またはビームの傾きを変更するための操作をタイプAの操作という。
【0035】
このタイプAの操作を行う際にスイッチ25をオン状態としていたのでは、意図的にビーム電流値及び/またはビームの傾きを変更しようとしても、ALC8の電流に対する負帰還制御によりビーム電流値及び/またはビームの傾きは一定に保たれることになり、意図した通りに変更できないことになる。
【0036】
従って、上記のタイプAの操作を行う場合には、スイッチ25をオフ状態とする必要があり、タイプAの操作を完了したらスイッチ25をオン状態としてALC8の電流に対する負帰還制御を開始する必要があるのであるが、スイッチ25はオペレータが手動でオン/オフ操作する必要があるので非常に煩わしく、スイッチ25をオフ状態とせずにタイプAの操作を行ってしまったり、スイッチ25をオフ状態としてタイプAの操作を行った後にスイッチ25をオン状態にしないで分析を開始してしまうという誤操作が発生する可能性があったのである。
【0037】
この問題は、CLC10に供給する電流を負帰還制御を行ってビームを安定化させるシステムにおいても同様であり、上記のタイプAの操作を行った場合には、CLC10の位置でのビーム電流の値及び/またはビームの傾斜も変化するので、タイプAの操作を行う場合には、スイッチ34をオフ状態とする必要がある。また、CLC10に対する負帰還制御に関して特有の事項として、集束レンズの焦点距離を変更することによりビーム電流を変更する操作、及び対物絞り11の径を変更することによってビーム電流を変更する操作がある。以下、このように集束レンズ及び対物絞り11に関する特有の操作をタイプBの操作という。
【0038】
このタイプBの操作を行う際にスイッチ34をオン状態としていたのでは、意図的にビーム電流値及び/またはビームの傾きを変更しようとしても、CLC10の電流に対する負帰還制御によりビーム電流値及び/またはビームの傾きは一定に保たれることになり、意図した通りに変更できないことになる。
【0039】
従って、上記のタイプBの操作を行う場合には、スイッチ34をオフ状態とする必要があり、タイプBの操作を完了したらスイッチ34をオン状態としてCLC10の電流に対する負帰還制御を開始する必要があるのである。
【0040】
しかし、タイプBの操作によるビーム電流値及び/またはビーム傾きの変更は、CLC10より上流にあるALC8に対する負帰還制御には影響がないので、タイプBの操作を行う場合にはスイッチ25はオフにする必要はない。
【0041】
次の問題として、スイッチ25をオフ状態としてタイプAの操作を行い、再びスイッチ25をオン状態とするときの可変電圧電源28の初期設定が非常に難しいという問題がある。
【0042】
即ち、上述したようにスイッチ25をオン状態とする際には、その前に可変電圧電源28の出力を、原理的にはVXS=VX に設定する必要がある。これが初期設定であるが、タイプAの操作を完了したとき、演算増幅器20の出力VX がどのような値になっているかは分からないのが実際である。当該荷電粒子ビーム装置の全てが理想的なものであれば、タイプAの操作を行い、且つビーム電流を最大としたときには演算増幅器20の出力VX は、VX =0となるが、現実的にはこのようなことは保証されるものではない。
【0043】
また、上述したように、実際的には、可変電圧電源28の出力はVXS≒0とすればよいが、これは、検出スリット9の各電極が光軸に対して対称に配置され、X軸方向のビーム電流に関していえばビーム電流が最大のときIX1 ≒IX2 となるように配置されることを前提としている。しかし、常にこのような前提が成立しているとは限らず、最大ビーム電流のときにIX1 ≒IX2 を満足しない場合もある。また、演算増幅器20にはオフセットがあるのが通常であり、このオフセットによって、VX ≒0とならない場合もあり得る。
【0044】
このような種々の原因によって、現実の荷電粒子ビーム装置ではビーム電流を最大にしたときにも、演算増幅器20の出力がVX ≒0となるとは限らず、一般には、タイプAの操作を行い、且つビーム電流を最大としたとしても、演算増幅器20の出力VX がどのような値になっているかは分からないのが実際である。
【0045】
しかし、可変電圧電源28の出力の調整が旨くいかず、減算器23の出力△VX がある範囲を超えてしまうと、その出力△VX が増幅器24で大きく増幅され、増幅器24の出力△TX が、当該負帰還回路18の引き込み範囲を逸脱してしまうことになり、スイッチ25をオン状態としたとき、負帰還制御ができなくなってしまう。
【0046】
また、この問題と関係するのであるが、増幅器24の増幅度Aは十分大きいので、減算器23の誤差電圧出力△VX が小さなものであっても、増幅器24の出力電圧△TX は大きなものとなる。従って、スイッチ25をオン状態とする前に最大ビーム電流が得られるような操作をしたとしても、可変電圧電源28の出力VXSの調整が不良で、減算器23の誤差電圧出力△VX として小さい電圧が出たとすると、スイッチ25をオン状態として負帰還を開始した場合、その減算器23の小さいな誤差電圧出力が増幅器24で大きく増幅され、ビームはその出力△TX によって負帰還制御されることになるので、結果として、ビーム電流は最大値からずれてしまうという問題がある。
【0047】
このように、可変電圧電源28の出力VXSを、VXS=VX 、少なくとも増幅器24の出力△TX (=A・(VX −VXS))が当該負帰還回路18の引き込み範囲内にあるように調整することは、スイッチ25をオン状態として負帰還を開始したときに負帰還制御を良好に行うためにも、また、最大ビーム電流を得るためにも重要なのであるが、この初期設定は非常に難しいという問題があるのである。
この問題は、CLC10に供給する電流を負帰還制御を行ってビームを安定化させるシステムにおいても同様である。
【0048】
そこで、本発明は、荷電粒子ビーム装置において、負帰還制御の停止、及び開始を自動的に行うことを目的とする。
また、本発明は、荷電粒子ビーム装置において、負帰還制御を開始する際の初期設定を自動的に行うことを目的とする。
【0049】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の荷電粒子ビーム装置は、荷電粒子ビームを放出するビーム放出源と、前記ビーム放出源に加速電圧を印加する電圧印加手段と、荷電粒子ビームの軸合わせを行うためのアラインメントコイルと、前記アラインメントコイルに電流を供給する第1の電源と、前記アラインメントコイルの下流側に位置するビーム電流検出用スリットと、前記ビーム電流検出用スリットによるビーム電流検出に基づいて、前記第1の電源から前記アラインメントコイルに供給される電流に対して負帰還制御を行うための第1の負帰還回路と、前記ビーム電流検出用スリットに対して下流側に配置され、荷電粒子ビームのビーム電流を調整するために該荷電粒子ビームを集束する際の集束レンズの焦点距離を変更することのできる集束レンズコイルと、前記集束レンズコイルに電流を供給する第2の電源と、前記集束レンズコイルの下流側に位置するビーム電流検出用絞りと、前記ビーム電流検出用絞りによるビーム電流検出に基づいて、前記第2の電源から前記集束レンズコイルに供給される電流に対して負帰還制御を行うための第2の負帰還回路と、前記電圧印加手段、前記第1の電源、前記第1の負帰還回路、前記第2の電源、及び前記第2の負帰還回路の制御を行う制御部と、前記制御部に接続された操作手段とを備える荷電粒子ビーム装置であって、前記制御部には、アラインメントコイルの上流側ないしアラインメントコイルの位置におけるビーム電流を変化させるための前記操作手段による変更操作を第1の操作とし、また前記集束レンズの焦点距離を変更させるための前記操作手段による変更操作を第2の操作としてこれらが登録されており、前記制御部は、前記操作手段において行われる操作が前記第1の操作もしくは前記第2の操作のうちの何れかに該当するかを判断し、当該第1の操作に該当すると判断された操作(第1の操作)を実行する際には前記第1の負帰還回路による負帰還制御を停止するとともに前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止し、また当該第2の操作に該当すると判断された操作(第2の操作)を実行する際には前記第1の負帰還回路による負帰還制御のオン/オフを行うスイッチの状態を変更しないとともに前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止するように制御することを特徴とする。
請求項2記載の荷電粒子ビーム装置は、請求項1において、前記制御部は、前記第1の操作もしくは前記第2の操作の実行後、所定時間内に当該第1及び第2の操作のうちの何れかの操作の実行がないときには、前記第1及び第2の負帰還回路による各負帰還制御の開始ないし維持を行うことを特徴とする。
請求項3記載の荷電粒子ビーム装置は、請求項2において、前記第1の負帰還回路は、演算増幅器と、該演算増幅器の出力を一方の入力端子に入力とする減算器と、該減算器の出力を増幅して負帰還制御信号を出力する増幅器とを備え、前記制御部は、前記第1の負帰還回路による負帰還制御を停止した後、所定時間内に前記第1の操作の実行がないときには、前記減算器の他方の入力端子にその時点での前記演算増幅器の出力を与えて当該負帰還制御の開始を行うことを特徴とする。
請求項4記載の荷電粒子ビーム装置は、請求項2において、前記第2の負帰還回路は、電流電圧変換器と、該電流電圧器の出力を一方の入力端子に入力とする減算器と、該減算器の出力を増幅して負帰還制御信号を出力する増幅器とを備え、前記制御部は、前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止した後、所定時間内に前記第1及び第2の操作のうちの何れかの操作の実行がないときには、前記減算器の他方の入力端子にその時点での前記電流電圧変換器の出力を与えて当該負帰還制御の開始を行うことを特徴とする。
請求項5記載の荷電粒子ビーム装置の制御方法は、荷電粒子ビームを放出するビーム放出源と、前記ビーム放出源に加速電圧を印加する電圧印加手段と、荷電粒子ビームの軸合わせを行うためのアラインメントコイルと、前記アラインメントコイルに電流を供給する第1の電源と、前記アラインメントコイルの下流側に位置するビーム電流検出用スリットと、前記ビーム電流検出用スリットによるビーム電流検出に基づいて、前記第1の電源から前記アラインメントコイルに供給される電流に対して負帰還制御を行うための第1の負帰還回路と、前記ビーム電流検出用スリットに対して下流側に配置され、荷電粒子ビームのビーム電流を調整するために該荷電粒子ビームを集束する際の集束レンズの焦点距離を変更することのできる集束レンズコイルと、前記集束レンズコイルに電流を供給する第2の電源と、前記集束レンズコイルの下流側に位置するビーム電流検出用絞りと、前記ビーム電流検出用絞りによるビーム電流検出に基づいて、前記第2の電源から前記集束レンズコイルに供給される電流に対して負帰還制御を行うための第2の負帰還回路と、前記電圧印加手段、前記第1の電源、前記第1の負帰還回路、前記第2の電源、及び前記第2の負帰還回路の制御を行う制御部と、前記制御部に接続された操作手段とを備え、前記制御部には、アラインメントコイルの上流側ないしアラインメントコイルの位置におけるビーム電流を変化させるための前記操作手段による変更操作を第1の操作とし、また前記集束レンズの焦点距離を変更させるための前記操作手段による変更操作を第2の操作としてこれらが登録されている荷電粒子ビーム装置の制御方法であって、前記制御部は、前記操作手段において行われる操作が前記第1の操作もしくは前記第2の操作のうちの何れかに該当するかを判断し、当該第1の操作に該当すると判断された操作(第1の操作)を実行する際には前記第1の負帰還回路による負帰還制御を停止するとともに前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止し、また当該第2の操作に該当すると判断された操作(第2の操作)を実行する際には前記第1の負帰還回路による負帰還制御のオン/オフを行うスイッチの状態を変更しないとともに前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止するように制御することを特徴とする。
請求項6記載の荷電粒子ビーム装置の制御方法は、請求項5において、前記制御部は、前記第1の操作もしくは前記第2の操作の実行後、所定時間内に当該第1及び第2の操作のうちの何れかの操作の実行がないときには、前記第1及び第2の負帰還回路による各負帰還制御の開始ないし維持を行うことを特徴とする。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る荷電粒子ビーム装置を備えた電子顕微鏡の全体構成を示す図、図2は本発明に係る、ALCに供給する電流を負帰還制御してビームを安定化させる第1のビームスタビライザシステム(以下、単に第1システムという)に用いる負帰還回路18の一実施形態、及びその周辺の構成を示す図、図3は本発明に係る、CLCに供給する電流を負帰還制御してビームを安定化させる第2のビームスタビライザシステム(以下、単に第2システムという)に用いる負帰還回路27の一実施形態、及びその周辺の構成を示す図であり、図中、1は操作表示部、2は通信ライン、4は陰極、5は抑制電極、7は陽極、12はビーム電流検出器、13はビーム電流計、14は加速電圧電源、15は陰極加熱電源、16は抑制電圧電源、21はAD変換器、22はDA変換器、40はスイッチ、41はAD変換器、42はDA変換器、43はスイッチを示す。なお、図1、図2及び図3において、図4〜図6に示すものと同等なものについては同一の符号を付して重複する説明を最小限に留めるものとする。
【0051】
まず、図1〜図3に示す構成の各部のいくつかについて概略説明する。
操作表示部1は、キーボードや各種ボタン等の操作手段と、CRT等の表示手段、及びこれらの制御手段とで構成されるマンマシンインターフェースである。そして、操作表示部1で行われた操作の内容は通信ライン2を介して制御部3に通知される。
【0052】
制御部3は、操作表示部1で行われた操作の内容に応じて、各種電源等の制御を行うものであるが、その動作の詳細については後述する。また、制御部3には、操作表示部1において行われる操作のうち、どの操作がタイプAの操作であり、どの操作がタイプBの操作であるかが予め登録されている。従って、制御部3は、例えば、操作表示部1で軸合わせの調整の操作あるいは加速電圧を変更する操作が行われた場合にはタイプAの操作であると判断し、集束レンズの焦点距離を変更する操作が行われた場合にはタイプBの操作であると判断する。
【0053】
図1に示す構成では、電子銃は、陰極4、抑制電極5、及び陽極6で構成される熱電子放出型のものとしている。そして、操作表示部1で加速電圧の変更の操作を行い、更に加速電圧を指定すると、制御部3は加速電圧電源14に対して、指定された加速電圧を発生するための制御信号を与え、これにより、加速電圧電源14から当該加速電圧が発生され、陰極加熱電源15に印加されるので、指定された加速電圧が陰極4に印加される。また、操作表示部1で陰極温度の変更の操作を行い、更に陰極温度を指定すると、制御部3は陰極加熱電源15に対して、指定された陰極温度を発生するための制御信号を与え、これにより、陰極加熱電源15から当該陰極温度を実現するための電圧が発生されるので、陰極4の温度は指定された温度となる。更に、操作表示部1で抑制電圧の変更の操作を行い、更に抑制電圧を指定すると、制御部3は抑制電圧電源16に対して、指定された抑制電圧を発生するための制御信号を与え、これにより、抑制電圧電源16から当該抑制電圧が発生されるので、抑制電極5には指定された抑制電圧が印加される。この実施形態では熱電子放出型の電子銃を用いるものとするが、電界放出型の電子銃を用いることができることは当然である。
【0054】
ビーム電流検出器12は、上述したように、ビーム電流を所望の値にしたり、最大ビーム電流を得ようとするときに用いるものであり、光軸上に挿脱可能に構成されている。そして、このビーム電流検出器12に照射したビーム電流の値はビーム電流計13によって検知され、AD変換されて制御部3に通知される。
【0055】
第1システムの負帰還回路18のスイッチ40のオン/オフ、及び第2システムの負帰還回路27のスイッチ43のオン/オフは、何れも制御部3によって制御される。
【0056】
次に、動作について説明する。なお、以下の説明では、第1システムについてはX方向のビームの安定化の動作のみについて説明するが、Y方向のビームの安定化のための動作についても同様である。
【0057】
いま、スイッチ40、及びスイッチ43が共にオン状態であり、第1システムではALC8の電流に対して負帰還制御が行われており、第2システムではCLC10の電流に対して負帰還制御が行われているとする。
【0058】
そして、いま、オペレータが操作表示部1において、ある操作を行ったとする。この操作の内容は通信ライン2を介して制御部3に通知される。制御部3は、当該操作がタイプAの操作であるか、タイプBの操作であるかを判断する。
【0059】
当該操作がタイプAの操作である場合、制御部3は、スイッチ40及びスイッチ43をオフ状態とする制御信号を出力する。これによって、スイッチ40及びスイッチ43はオフ状態となり、負帰還制御は停止される。
【0060】
この後、制御部3は、操作表示部1で操作された内容に応じた処理を行う。例えば当該操作が加速電圧の変更の操作である場合は上述した動作を行う。また、当該操作が軸合わせ調整の場合には、図4に関して説明したように、制御部3は軸合わせ用電源17に対して軸合わせ用制御電圧TX を出力する処理を行う。
【0061】
そして、制御部3は、操作表示部1において、ある操作が行われた後、所定時間内に次の操作が行われた場合には、当該次の操作に対応した処理を実行するが、ある操作が行われた後、所定時間内に何の操作も行われなかった場合には、制御部3は、AD変換器21からその時点での演算増幅器20の出力電圧VX を取り込み、その電圧VX をDA変換器22に出力すると共に、AD変換器41からその時点での電流電圧変換器30の出力電圧VD を取り込み、その電圧VD をDA変換器42に出力する。
【0062】
そして、DA変換器22からは出力VXSとしてVX が出力され、DA変換器42からは出力VDSとしてVD が出力される。つまり、DA変換器22からは減算器23に対して演算増幅器20の出力VX が入力されることになる。同様に、DA変換器42からは減算器32に対して電流電圧変換器30の出力VD が入力されることになる。
【0063】
制御部3は以上の処理が終了すると、スイッチ40及びスイッチ43をオン状態とする制御信号を出力する。これによって、スイッチ40及びスイッチ43はオン状態となり、第1システムにおいても、第2システムにおいても負帰還制御が開始される。
【0064】
そして、このようにして第1システムにおいて負帰還制御が開始された時点では、DA変換器22の出力はVXS=VX であるので、減算器23の出力は△VX =0、従って増幅器24の出力も△TX =0となるので、ALC8の電流に対する負帰還制御は良好に行われることになる。
【0065】
同様に、第2システムにおいて負帰還制御が開始された時点では、DA変換器42の出力はVDS=VD であるので、減算器32の出力は△VD =0、従って増幅器33の出力も△TD =0となるので、CLC10の電流に対する負帰還制御は良好に行われることになる。
【0066】
厳密にいえば、演算増幅器20の出力電圧VX をAD変換するとき、量子化に伴う誤差が発生するので、VXS=VX とはならないが、この誤差は非常に小さいので、増幅器24の出力を当該負帰還回路18の引き込み範囲内に納めることは可能である。この点については負帰還回路27についても同様であり、以下についても同様である。
【0067】
以上が、操作表示部1で行われた操作がタイプAの操作であった場合の動作であるが、操作表示部1で行われた操作がタイプBの操作である場合の動作は次のようである。
【0068】
この場合、制御部3は、スイッチ43のみをオフ状態とする制御信号を出力する。これによって、スイッチ43はオフ状態となり、負帰還制御は停止される。このときにはスイッチ40の状態は変更されない。上述した通り、タイプBの操作は検出スリット9より上流のビームに対しては影響を及ぼさないからである。
【0069】
この後、制御部3は、操作表示部1で操作された内容に応じた処理を行う。例えば当該操作が集束レンズの焦点距離を変更する操作である場合は、図6に関して説明したように、制御部3は集束レンズ電源19に対してビーム電流制御電圧TD を出力する処理を行う。
【0070】
そして、制御部3は、操作表示部1において、ある操作が行われた後、所定時間内に次の操作が行われた場合には、当該次の操作に対応した処理を実行するが、ある操作が行われた後、所定時間内に何の操作も行われなかった場合には、制御部3は、AD変換器41からその時点での電流電圧変換器30の出力電圧VD を取り込み、その電圧VD をDA変換器42に出力する。
【0071】
制御部3は以上の処理が終了すると、スイッチ43をオン状態とする制御信号を出力する。これによって、スイッチ43はオン状態となり、第2システムにおいて負帰還制御が開始される。
【0072】
そして、第2システムにおいて負帰還制御が開始された時点では、DA変換器42の出力はVDS=VD であるので、減算器32の出力は△VD =0、従って増幅器33の出力も△TD =0となるので、CLC10の電流に対する負帰還制御は良好に行われることになる。
【0073】
以上のようであるので、このビームスタビライザシステムによれば、第1システムの負帰還回路18のスイッチ40のオン/オフ、及び第2システムの負帰還回路27のスイッチ43のオン/オフは制御部3により自動的に行われる、即ち、負帰還制御の停止/開始が自動的に行われるので、従来のような煩わしさは解消され、これらのスイッチの誤操作も生じない。
【0074】
また、負帰還回路18のスイッチ40がオフ状態からオン状態となされてALC8の電流に対する負帰還制御が開始される時点では、増幅器24の出力電圧△TX は0、あるいは殆ど0になるように自動的に初期設定されるので、負帰還制御は良好に開始される。同様に、負帰還回路27のスイッチ43がオフ状態からオン状態となされてCLC10の電流に対する負帰還制御が開始される時点では、増幅器33の出力電圧△TD は0、あるいは殆ど0になるように自動的に初期設定されるので、負帰還制御は良好に開始される。
更に、従来のように、減算器23、減算器32に入力する電圧を手動調整する必要はないので、この点でもオペレータの負担は大幅に軽減される。
【0075】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では対物絞りに入射するビーム電流を検出したが、対物絞りとは別個に、ビーム電流を検出するための専用の検出絞りを設けるようにしてもよい。以下、更にいくつかの変形例について説明する。
【0076】
[変形例1]
制御部3の動作モードとして、上述した動作を行う第1のモードと、タイプAの操作を行う場合も、タイプBの操作を行う場合もスイッチ40、及びスイッチ43をオフ状態としない第2のモードを設けるようにしてもよい。上述したように、スイッチ40、及びスイッチ43をオン状態としたままタイプAの操作を行った場合、そのタイプAの操作によって意図的にビーム電流を変更しようとしても第1システム及び第2システムの負帰還制御によってビーム電流は変更されないが、操作表示部1において何等かの操作を行う場合に第1のモードと第2のモードのそれぞれのモードで行うことによって、負帰還制御が行われている状態と、負帰還制御が行われていない状態を比較することができ、負帰還制御の機能のチェック等を行うことが可能となる。
【0077】
[変形例2]
上述した実施形態では、操作表示部1における操作が所定時間行われず、スイッチ40、及びスイッチ43がオン状態となされる直前には、常に、DA変換器22からはその時点での演算増幅器20の出力VX を出力し、DA変換器42からはその時点での電流電圧変換器30の出力電圧VD を出力するものとしたが、このように動作するモードの他に、所望の電圧をDA変換器22、DA変換器42から出力させるようにできるモードを設け、どちらのモードを使用するかを選択できるようにしてもよい。
【0078】
後者のモードを設ける意味は次のようである。例えば、あるとき加速電圧を変更して観測/分析を行ったが、その変更前の加速電圧にもう一度戻して観測/分析を行いたいという場合がある。そのような場合、その戻したい加速電圧を設定したときの演算増幅器20の出力電圧を記憶しておいて、その記憶している電圧をDA変換器22に出力すれば、その戻したい加速電圧設定時と同じビーム電流状態にすることができる。
【0079】
従って、後者のモードでは、操作表示部1で操作を行ったときの演算増幅器20の出力電圧を制御部3に記憶しておき、負帰還制御を開始する際に、その記憶されている電圧の中からDA変換器22に出力したい所望の電圧を選択できるようにするのである。このことは第2のシステムに関しても同様である。
【0080】
[変形例3]
上述した実施形態において、操作表示部1における操作が所定時間行われ無い場合には、スイッチ40、スイッチ43をオン状態とするとしたが、スイッチ40、スイッチ43をオン状態とする前に、自動的にビーム電流を最大にする処理を行うようにしてもよい。このときにはビーム電流検出器12を光軸上に挿入しておくことは当然である。
【0081】
ビーム電流を最大にする処理は周知であるので詳細は省略するが、例えば、軸合わせ用制御電圧TX を所定の範囲で、所定のステップずつ変化させ、その時々のビーム電流をビーム電流計13から取り込み、ビーム電流が最大となる軸合わせ用制御電圧TX を求め、その求めた軸合わせ用制御電圧TX を軸合わせ用電源17に出力する動作を制御部3に行わせればよい。
【0082】
そして、このビーム電流最大化の処理が終了した後、上述したように、AD変換器21からその時点での演算増幅器20の出力電圧VX を取り込み、その電圧VX をDA変換器22に出力すると共に、AD変換器41からその時点での電流電圧変換器30の出力電圧VD を取り込み、その電圧VD をDA変換器42に出力し、スイッチ40及びスイッチ43をオン状態とする制御信号を出力する動作を制御部3に行わせればよい。
【0083】
[変形例4]
上述した実施形態において、操作表示部1における操作が所定時間行われ無い場合には、スイッチ40、スイッチ43をオン状態とするとしたが、スイッチ40、スイッチ43をオン状態とする前に、負帰還回路18の引き込み範囲を最大にし、負帰還制御を安定して行うことができるように、演算増幅器20の出力VX を最小にする処理を自動的に行うようにしてもよい。
【0084】
この処理は、例えば、軸合わせ用制御電圧TX を所定の範囲で、所定のステップずつ変化させ、その時々における演算増幅器20の出力VX をAD変換器21かれあ取り込み、演算増幅器20の出力VX が最小となる軸合わせ用制御電圧TX を求め、その求めた軸合わせ用制御電圧TX を軸合わせ用電源17に出力する動作を制御部3に行わせればよい。
【0085】
演算増幅器20の出力VX が最小のときには、ビームの位置が変化しても演算増幅器20の出力に変化が生じ難いので、負帰還回路18の引き込み範囲を広げることができるのである。
【0086】
そして、この処理が終了した後、上述したように、AD変換器21からその時点での演算増幅器20の出力電圧VX を取り込み、その電圧VX をDA変換器22に出力すると共に、AD変換器41からその時点での電流電圧変換器30の出力電圧VD を取り込み、その電圧VD をDA変換器42に出力し、スイッチ40及びスイッチ43をオン状態とする制御信号を出力する動作を制御部3に行わせればよい。
【0087】
[変形例5]
操作表示部1には、種々の情報を表示することが可能である。例えば、スイッチ40がオン状態にあるか、オフ状態にあるかを表示してもよく、AD変換器21を介して取り込んだ演算増幅器20の出力VX 、AD変換器41を介して取り込んだ電流電圧変換器30の出力VD 、加速電圧、陰極の加熱温度等、種々の値を表示することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る荷電粒子ビーム装置を備えた電子顕微鏡の全体構成を示す図である。
【図2】本発明に係る、ALCに供給する電流を負帰還制御してビームを安定化させる第1のビームスタビライザシステムに用いる負帰還回路18の一実施形態、及びその周辺の構成を示す図である。
【図3】本発明に係る、CLCに供給する電流を負帰還制御してビームを安定化させる第2のビームスタビライザシステムに用いる負帰還回路27の一実施形態、及びその周辺の構成を示す図である。
【図4】特開平1−183044号公報に開示されているビームスタビライザシステムの一部を示す図である。
【図5】ビーム電流検出スリット9の構成例を示す図である。
【図6】集束レンズコイルに供給する電流を負帰還制御を行ってビームを安定化させるビームスタビライザシステムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…操作表示部、2…通信ライン、3…制御部、4…陰極、5…抑制電極、6…荷電粒子ビーム、7…陽極、8…アラインメントコイル(ALC)、9…ビーム電流検出スリット、10…集束レンズコイル(CLC)、11…対物絞り、12…ビーム電流検出器、13…ビーム電流計、14…加速電圧電源、15…陰極加熱電源、16…抑制電圧電源、17…軸合わせ用電源、18…負帰還回路、19…集束レンズ電源、20…演算増幅器、21…AD変換器、22…DA変換器、23…減算器、24…増幅器、25…スイッチ、26…前置絞り、27…負帰還回路、28…可変電圧電源、30…電流電圧変換器、31…可変電圧電源、32…減算器、33…増幅器、34…スイッチ、40…スイッチ、41…AD変換器、42…DA変換器、43…スイッチ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a charged particle beam apparatus such as an electron microscope. And its control method About.
[0002]
[Prior art]
In charged electron beam devices such as transmission electron microscopes, electron probe microanalyzers, or scanning electron microscopes with scanning electron microscope functions, charged particle beams (hereinafter simply referred to as beams) from a charged particle beam source are accelerated. The beam is finely focused on the sample by a condenser lens or objective lens. Then, a transmitted beam, X-rays, or secondary particles generated by irradiating the sample with the beam are detected.
[0003]
In this type of charged particle beam apparatus, the beam current irradiated to the sample is stabilized, and a beam stabilizer system is used for this purpose.
[0004]
Such a beam stabilizer system is provided with a coil for stabilizing the beam current, a beam current detecting means arranged on the downstream side of the coil, and a coil based on the beam current detected by the beam current detecting means. And a negative feedback circuit that performs negative feedback control of the current to be supplied (see, for example, Japanese Patent Laid-Open Nos. 1-183044 and 2001-250499). Here, as the coil for stabilizing the beam current, an alignment coil for adjusting the axis and a focusing lens coil for adjusting the beam current are used, and the beam current detecting means includes a beam A detection slit or an objective aperture for detecting the beam at the periphery of the lens is used.
[0005]
FIG. 4 is a diagram showing a part of the system disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-183044. Referring to FIG. 4, the current supplied to the alignment coil is subjected to negative feedback control to perform beam stabilization. An outline of the beam stabilizer system will be described. In the following, it is assumed that the optical axis is the Z axis, and the X axis and the Y axis are orthogonal to each other in a plane orthogonal to the Z axis.
[0006]
In FIG. 4, 3 is a control unit, 6 is a beam, 8 is an alignment coil (hereinafter referred to as ALC) for performing beam axis alignment, 9 is a beam current detection slit (hereinafter simply referred to as detection slit), and 17 is an axis. The matching power supply, 18 is a negative feedback circuit, 20 is an operational amplifier, 23 is a subtractor, 24 is an amplifier, 25 is a switch, and 28 is a variable voltage power supply.
[0007]
In the configuration shown in FIG. 4, the
[0008]
In the configuration shown in FIG. 4, when performing beam axis alignment, the operator operates an operation unit (not shown) to adjust the axis alignment control signal. In this beam alignment, for example, a beam current detector (not shown in FIG. 4) is inserted on the optical axis Z at an appropriate position downstream of the
[0009]
A control signal from the operation unit is notified to the
[0010]
The
[0011]
Now, a pair of electrodes X for detecting the beam current in the X-axis direction. 1 , X 2 The beam currents detected by X1 , I X2 Then, these detection beam currents I X1 , I X2 Is input to the
[0012]
The
V X = C · (V X1 -V X2 ) / (V X1 + V X2 (1)
Is output. Here, c is a constant.
[0013]
Output V of
△ V X = V X -V XS … (2)
It is.
[0014]
The output ΔV of the
△ T X = A ・ △ V X … (3)
It is. This is the output of the
[0015]
When the operator completes the above-described axis alignment, the operator turns on the
[0016]
By the way, the
[0017]
When the
[0018]
The configuration and operation for stabilizing the beam in the X direction of the beam current by the
[0019]
Next, a configuration example of a beam stabilizer system that stabilizes the beam by performing negative feedback control on the current supplied to the focusing lens coil will be described with reference to FIG. In FIG. 6, 10 is a focusing lens coil (hereinafter referred to as CLC), 11 is an objective aperture, 19 is a focusing lens power supply, 26 is a pre-aperture for limiting the beam emitted from the focusing lens, 27 is a negative feedback circuit, and 30 is A current-voltage converter, 31 is a variable voltage power supply, 32 is a subtractor, 33 is an amplifier, and 34 is a switch. In FIG. 6, the same components as those shown in FIG. 4 are denoted by the same reference numerals, and redundant description is minimized.
[0020]
An objective aperture 11 is arranged on the downstream side of the
[0021]
The operation principle of the system shown in FIG. 6 is the same as that of the system shown in FIG. 4 described above.
In the configuration shown in FIG. 6, when the beam current is adjusted by changing the focal length of the focusing lens, the operator adjusts a control signal for adjusting the beam current by operating an operation unit (not shown). When adjusting to a desired beam current, for example, a beam current detector (not shown in FIG. 6) is inserted on the optical axis Z at an appropriate position downstream of the
[0022]
The control signal for adjusting the beam current from the operation unit is notified to the
[0023]
The
[0024]
Now, the beam current detected by the objective aperture 11 is expressed as I D Then, this detection beam current I D Is voltage V D And is input to one input terminal of the
△ V D = V D -V DS …(Four)
It is.
[0025]
The output ΔV of the
△ T D = A '・ △ V D …(Five)
It is. This is the output of the
[0026]
When the beam current adjustment is completed, the operator turns on the
[0027]
In principle, the output of the variable voltage power supply 31 is V DS = V D However, in practice, V DS ≒ V D Should be set. Therefore, normally, the output of the
[0028]
When the
[0029]
As described above, the two beam stabilizer systems of the system that stabilizes the beam by negative feedback control of the current supplied to the
[0030]
[Problems to be solved by the invention]
The two beam stabilizer systems described above are effective in terms of stabilizing the beam current. However, the above two beam stabilizer systems have the following problems. In the following, the problems of the system that stabilizes the beam by negatively feedback controlling the current supplied to the
[0031]
First, whether or not to perform negative feedback control on the current supplied to the
[0032]
That is, in the above description, when the beam is aligned, it is described that the
[0033]
Such operations include an adjustment operation of axis alignment, an operation of beam blanking performed by greatly deflecting the beam by ALC8, an operation of changing acceleration voltage, an operation of stopping application of acceleration voltage, a thermionic emission type Operation using an electron gun to change the cathode temperature, operation to change the suppression voltage, operation to stop heating the cathode, operation using a field emission electron gun to change the emission current, There are an operation for changing the bias voltage, an operation for changing the self-bias resistance, an operation for changing the extraction voltage, and the like.
[0034]
Any of these operations is an operation in which the operator intentionally changes the current value of the beam current and / or the tilt of the beam, and is performed on the upstream side including the
[0035]
If the
[0036]
Therefore, when performing the above type A operation, it is necessary to turn off the
[0037]
This problem is the same in a system that stabilizes the beam by performing negative feedback control on the current supplied to the
[0038]
If the
[0039]
Therefore, when performing the above type B operation, the
[0040]
However, the change in the beam current value and / or the beam tilt by the type B operation does not affect the negative feedback control for the
[0041]
The next problem is that initial setting of the variable voltage power supply 28 is very difficult when the
[0042]
That is, before the
[0043]
Further, as described above, in practice, the output of the variable voltage power supply 28 is V XS ≈0 may be set, but this is because when the electrodes of the
[0044]
Due to such various causes, in the actual charged particle beam apparatus, even when the beam current is maximized, the output of the
[0045]
However, the adjustment of the output of the variable voltage power supply 28 is not successful, and the output ΔV of the
[0046]
Further, as related to this problem, the amplification degree A of the
[0047]
Thus, the output V of the variable voltage power supply 28 XS V XS = V X , At least the output ΔT of the amplifier 24 X (= A ・ (V X -V XS )) Is adjusted to be within the pull-in range of the
This problem also applies to a system that stabilizes the beam by performing negative feedback control on the current supplied to the
[0048]
Accordingly, the present invention provides a charged particle beam device. In place The purpose of this is to automatically stop and start the negative feedback control.
The present invention also provides a charged particle beam device. In place It is an object of the present invention to automatically perform initial setting when starting negative feedback control.
[0049]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a charged particle beam apparatus according to claim 1, a beam emission source for emitting a charged particle beam, a voltage applying means for applying an acceleration voltage to the beam emission source, and a charged particle beam An alignment coil for performing axial alignment, a first power supply for supplying current to the alignment coil, and a downstream side of the alignment coil Beam current detection slit And said Beam current detection slit A first negative feedback circuit for performing negative feedback control on the current supplied from the first power source to the alignment coil, and downstream of the beam current detection slit Placed on the side, charged particle beam The focal length of the focusing lens when focusing the charged particle beam can be changed to adjust the beam current of A focusing lens coil, a second power source for supplying current to the focusing lens coil, and a downstream side of the focusing lens coil Diaphragm for beam current detection And said Diaphragm for beam current detection , A second negative feedback circuit for performing negative feedback control on the current supplied from the second power source to the focusing lens coil, the voltage applying means, and the first A charged particle beam apparatus comprising: a power source, a control unit that controls the first negative feedback circuit, the second power source, and the second negative feedback circuit; and an operation unit that is connected to the control unit. In order to change the focal length of the converging lens, the control unit uses the change operation by the operation means for changing the beam current at the upstream side of the alignment coil or at the position of the alignment coil as the first operation. The change operation by the operation means is registered as a second operation, and the control unit performs the operation performed on the operation means in the first operation or the When the operation (first operation) determined to correspond to the first operation is executed, negative feedback by the first negative feedback circuit is determined. When the control is stopped, the negative feedback control by the second negative feedback circuit is stopped, and the operation determined to correspond to the second operation (second operation) is executed, the first negative feedback is performed. Negative feedback control by feedback circuit Do not change the state of the switch that turns on / off At the same time, the negative feedback control by the second negative feedback circuit is controlled to be stopped.
A charged particle beam device according to a second aspect is the charged particle beam device according to the first aspect, wherein the control unit includes the first operation and the second operation within a predetermined time after the execution of the first operation or the second operation. When any of these operations is not executed, each negative feedback control by the first and second negative feedback circuits is started or maintained.
The charged particle beam device according to
The charged particle beam device according to
6. A method for controlling a charged particle beam apparatus according to
The method for controlling a charged particle beam apparatus according to
[0050]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a charged particle beam device according to the present invention. Place FIG. 2 is a diagram showing an overall configuration of an electron microscope provided. FIG. 2 is a first beam stabilizer system (hereinafter simply referred to as a first system) for stabilizing a beam by negatively feedback controlling a current supplied to an ALC according to the present invention. FIG. 3 is a diagram showing an embodiment of the
[0051]
First, some of each part of the configuration shown in FIGS.
The
[0052]
The
[0053]
In the configuration shown in FIG. 1, the electron gun is a thermionic emission type composed of a
[0054]
As described above, the beam
[0055]
The
[0056]
Next, the operation will be described. In the following description, only the operation for stabilizing the beam in the X direction will be described for the first system, but the same applies to the operation for stabilizing the beam in the Y direction.
[0057]
Now, both the
[0058]
Now, assume that an operator performs an operation on the
[0059]
When the operation is a type A operation, the
[0060]
Thereafter, the
[0061]
Then, when a next operation is performed within a predetermined time after a certain operation is performed on the
[0062]
The
[0063]
When the above processing ends, the
[0064]
When the negative feedback control is started in the first system in this way, the output of the
[0065]
Similarly, when the negative feedback control is started in the second system, the output of the
[0066]
Strictly speaking, the output voltage V of the
[0067]
The above is the operation when the operation performed on the
[0068]
In this case, the
[0069]
Thereafter, the
[0070]
Then, when a next operation is performed within a predetermined time after a certain operation is performed on the
[0071]
When the above processing ends, the
[0072]
When the negative feedback control is started in the second system, the output of the
[0073]
As described above, according to this beam stabilizer system, on / off of the
[0074]
At the time when the
Furthermore, since it is not necessary to manually adjust the voltage input to the
[0075]
As mentioned above, although one Embodiment of this invention was described, this invention is not limited to the said embodiment, A various deformation | transformation is possible. For example, in the above embodiment, the beam current incident on the objective aperture is detected, but a dedicated detection aperture for detecting the beam current may be provided separately from the objective aperture. Hereinafter, some modified examples will be described.
[0076]
[Modification 1]
The operation mode of the
[0077]
[Modification 2]
In the above-described embodiment, the
[0078]
The meaning of providing the latter mode is as follows. For example, there is a case where the observation / analysis is performed by changing the acceleration voltage at a certain time, and the observation / analysis is performed again by returning to the acceleration voltage before the change. In such a case, the output voltage of the
[0079]
Therefore, in the latter mode, the output voltage of the
[0080]
[Modification 3]
In the above-described embodiment, when the operation on the
[0081]
The process for maximizing the beam current is well known and will not be described in detail. For example, the axis alignment control voltage T X Is changed by predetermined steps within a predetermined range, the beam current at that time is taken in from the
[0082]
Then, after the beam current maximization processing is completed, as described above, the output voltage V of the
[0083]
[Modification 4]
In the embodiment described above, when the operation on the
[0084]
This processing is performed, for example, by the axis alignment control voltage T X Is changed by predetermined steps within a predetermined range, and the output V of the
[0085]
Output V of
[0086]
Then, after this processing is completed, as described above, the output voltage V of the
[0087]
[Modification 5]
Various information can be displayed on the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a charged particle beam device according to the present invention. Place It is a figure which shows the whole structure of the provided electron microscope.
FIG. 2 is a diagram showing an embodiment of a
FIG. 3 is a diagram showing an embodiment of a
FIG. 4 is a diagram showing a part of a beam stabilizer system disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 1-183044.
FIG. 5 is a diagram illustrating a configuration example of a beam
FIG. 6 is a diagram illustrating a configuration example of a beam stabilizer system that stabilizes a beam by performing negative feedback control on a current supplied to a focusing lens coil.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (6)
前記ビーム放出源に加速電圧を印加する電圧印加手段と、
荷電粒子ビームの軸合わせを行うためのアラインメントコイルと、
前記アラインメントコイルに電流を供給する第1の電源と、
前記アラインメントコイルの下流側に位置するビーム電流検出用スリットと、
前記ビーム電流検出用スリットによるビーム電流検出に基づいて、前記第1の電源から前記アラインメントコイルに供給される電流に対して負帰還制御を行うための第1の負帰還回路と、
前記ビーム電流検出用スリットに対して下流側に配置され、荷電粒子ビームのビーム電流を調整するために該荷電粒子ビームを集束する際の集束レンズの焦点距離を変更することのできる集束レンズコイルと、
前記集束レンズコイルに電流を供給する第2の電源と、
前記集束レンズコイルの下流側に位置するビーム電流検出用絞りと、
前記ビーム電流検出用絞りによるビーム電流検出に基づいて、前記第2の電源から前記集束レンズコイルに供給される電流に対して負帰還制御を行うための第2の負帰還回路と、
前記電圧印加手段、前記第1の電源、前記第1の負帰還回路、前記第2の電源、及び前記第2の負帰還回路の制御を行う制御部と、
前記制御部に接続された操作手段と
を備える荷電粒子ビーム装置であって、
前記制御部には、アラインメントコイルの上流側ないしアラインメントコイルの位置におけるビーム電流を変化させるための前記操作手段による変更操作を第1の操作とし、また前記集束レンズの焦点距離を変更させるための前記操作手段による変更操作を第2の操作としてこれらが登録されており、
前記制御部は、前記操作手段において行われる操作が前記第1の操作もしくは前記第2の操作のうちの何れかに該当するかを判断し、当該第1の操作に該当すると判断された操作(第1の操作)を実行する際には前記第1の負帰還回路による負帰還制御を停止するとともに前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止し、また当該第2の操作に該当すると判断された操作(第2の操作)を実行する際には前記第1の負帰還回路による負帰還制御のオン/オフを行うスイッチの状態を変更しないとともに前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止するように制御することを特徴とする荷電粒子ビーム装置。A beam emission source for emitting a charged particle beam;
Voltage application means for applying an acceleration voltage to the beam emission source;
An alignment coil for axial alignment of the charged particle beam;
A first power source for supplying current to the alignment coil;
A beam current detection slit positioned downstream of the alignment coil;
A first negative feedback circuit for performing negative feedback control on a current supplied from the first power source to the alignment coil based on beam current detection by the beam current detection slit ;
A focusing lens coil disposed downstream of the slit for detecting the beam current and capable of changing a focal length of the focusing lens when focusing the charged particle beam in order to adjust a beam current of the charged particle beam; ,
A second power source for supplying current to the focusing lens coil;
A beam current detecting diaphragm located downstream of the focusing lens coil;
A second negative feedback circuit for performing negative feedback control on the current supplied from the second power source to the focusing lens coil based on the beam current detection by the beam current detection diaphragm ;
A control unit for controlling the voltage application means, the first power supply, the first negative feedback circuit, the second power supply, and the second negative feedback circuit;
A charged particle beam device comprising an operating means connected to the control unit,
In the control unit, the change operation by the operation means for changing the beam current at the upstream side of the alignment coil or at the position of the alignment coil is a first operation, and the focal length of the focusing lens is changed. These are registered as change operations by the operation means as the second operation,
The control unit determines whether an operation performed in the operation unit corresponds to the first operation or the second operation, and determines an operation (determined to correspond to the first operation) When executing the first operation), the negative feedback control by the first negative feedback circuit is stopped, the negative feedback control by the second negative feedback circuit is stopped, and if the second operation corresponds to the second operation When executing the determined operation (second operation), the state of the switch for turning on / off the negative feedback control by the first negative feedback circuit is not changed, and negative feedback by the second negative feedback circuit is performed. A charged particle beam device characterized by controlling to stop the control.
前記制御部は、前記第1の負帰還回路による負帰還制御を停止した後、所定時間内に前記第1の操作の実行がないときには、前記減算器の他方の入力端子にその時点での前記演算増幅器の出力を与えて当該負帰還制御の開始を行うことを特徴とする請求項2記載の荷電粒子ビーム装置。The first negative feedback circuit includes an operational amplifier, a subtractor that inputs the output of the operational amplifier to one input terminal, and an amplifier that amplifies the output of the subtractor and outputs a negative feedback control signal. Prepared,
The control unit stops the negative feedback control by the first negative feedback circuit, and when the first operation is not performed within a predetermined time, the other input terminal of the subtracter 3. The charged particle beam apparatus according to claim 2, wherein the negative feedback control is started by giving an output of an operational amplifier.
前記制御部は、前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止した後、所定時間内に前記第1及び第2の操作のうちの何れかの操作の実行がないときには、前記減算器の他方の入力端子にその時点での前記電流電圧変換器の出力を与えて当該負帰還制御の開始を行うことを特徴とする請求項2記載の荷電粒子ビーム装置。The second negative feedback circuit includes a current-voltage converter, a subtractor that receives the output of the current-voltage device as one input terminal, amplifies the output of the subtractor, and outputs a negative feedback control signal. An amplifier,
When the controller does not execute any one of the first and second operations within a predetermined time after stopping the negative feedback control by the second negative feedback circuit, 3. The charged particle beam apparatus according to claim 2, wherein the negative feedback control is started by giving the output of the current-voltage converter at that time to the other input terminal.
前記ビーム放出源に加速電圧を印加する電圧印加手段と、
荷電粒子ビームの軸合わせを行うためのアラインメントコイルと、
前記アラインメントコイルに電流を供給する第1の電源と、
前記アラインメントコイルの下流側に位置するビーム電流検出用スリットと、
前記ビーム電流検出用スリットによるビーム電流検出に基づいて、前記第1の電源から前記アラインメントコイルに供給される電流に対して負帰還制御を行うための第1の負帰還回路と、
前記ビーム電流検出用スリットに対して下流側に配置され、荷電粒子ビームのビーム電流を調整するために該荷電粒子ビームを集束する際の集束レンズの焦点距離を変更することのできる集束レンズコイルと、
前記集束レンズコイルに電流を供給する第2の電源と、
前記集束レンズコイルの下流側に位置するビーム電流検出用絞りと、
前記ビーム電流検出用絞りによるビーム電流検出に基づいて、前記第2の電源から前記集束レンズコイルに供給される電流に対して負帰還制御を行うための第2の負帰還回路と、
前記電圧印加手段、前記第1の電源、前記第1の負帰還回路、前記第2の電源、及び前記第2の負帰還回路の制御を行う制御部と、
前記制御部に接続された操作手段と
を備え、
前記制御部には、アラインメントコイルの上流側ないしアラインメントコイルの位置におけるビーム電流を変化させるための前記操作手段による変更操作を第1の操作とし、また前記集束レンズの焦点距離を変更させるための前記操作手段による変更操作を第2の操作としてこれらが登録されている荷電粒子ビーム装置の制御方法であって、
前記制御部は、前記操作手段において行われる操作が前記第1の操作もしくは前記第2の操作のうちの何れかに該当するかを判断し、当該第1の操作に該当すると判断された操作(第1の操作)を実行する際には前記第1の負帰還回路による負帰還制御を停止するとともに前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止し、また当該第2の操作に該当すると判断された操作(第2の操作)を実行する際には前記第1の負帰還回路による負帰還制御のオン/オフを行うスイッチの状態を変更しないとともに前記第2の負帰還回路による負帰還制御を停止するように制御することを特徴とする荷電粒子ビーム装置の制御方法。A beam emission source for emitting a charged particle beam;
Voltage application means for applying an acceleration voltage to the beam emission source;
An alignment coil for axial alignment of the charged particle beam;
A first power source for supplying current to the alignment coil;
A beam current detection slit positioned downstream of the alignment coil;
A first negative feedback circuit for performing negative feedback control on a current supplied from the first power source to the alignment coil based on beam current detection by the beam current detection slit ;
A focusing lens coil disposed downstream of the slit for detecting the beam current and capable of changing a focal length of the focusing lens when focusing the charged particle beam in order to adjust a beam current of the charged particle beam; ,
A second power source for supplying current to the focusing lens coil;
A beam current detecting diaphragm located downstream of the focusing lens coil;
A second negative feedback circuit for performing negative feedback control on the current supplied from the second power source to the focusing lens coil based on the beam current detection by the beam current detection diaphragm ;
A control unit for controlling the voltage application means, the first power supply, the first negative feedback circuit, the second power supply, and the second negative feedback circuit;
Operating means connected to the control unit,
In the control unit, the change operation by the operation means for changing the beam current at the upstream side of the alignment coil or at the position of the alignment coil is a first operation, and the focal length of the focusing lens is changed. A method for controlling a charged particle beam apparatus in which a change operation by an operation means is registered as a second operation,
The control unit determines whether an operation performed in the operation unit corresponds to the first operation or the second operation, and determines an operation (determined to correspond to the first operation) When executing the first operation), the negative feedback control by the first negative feedback circuit is stopped, the negative feedback control by the second negative feedback circuit is stopped, and if the second operation corresponds to the second operation When executing the determined operation (second operation), the state of the switch for turning on / off the negative feedback control by the first negative feedback circuit is not changed, and negative feedback by the second negative feedback circuit is performed. A control method of a charged particle beam apparatus, characterized in that control is performed so as to stop control.
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